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JP3253794B2 - アラミド紙の製造方法 - Google Patents

アラミド紙の製造方法

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JP3253794B2
JP3253794B2 JP06501194A JP6501194A JP3253794B2 JP 3253794 B2 JP3253794 B2 JP 3253794B2 JP 06501194 A JP06501194 A JP 06501194A JP 6501194 A JP6501194 A JP 6501194A JP 3253794 B2 JP3253794 B2 JP 3253794B2
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aramid
paper
aramid paper
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昭夫 中石
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、耐酸化性の改
善されたアラミド紙の製造方法に関する。より詳しく
は、力学特性、電気絶縁性に優れ、高温酸化雰囲気にお
いて銅、鉄の如き金属と接触した状態において劣化の進
行が少ないアラミド紙を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アラミド紙は耐熱性に優れるため、電気
絶縁用途にはこのアラミド紙が広く使用されている。ア
ラミド(芳香族ポリアミド)は、芳香族ジカルボン酸塩
化物と芳香族ジアミンとの重合反応によって製造される
ため、多くの場合、アラミド中に少量の塩素が残留す
る。また、アラミド紙の製造に用いられる素材(例えば
アラミドフィブリッド、アラミド繊維等)の成形過程に
おいて含塩素媒体との接触により不可避的に塩素が混入
することがある。ところが、この塩素を洗浄等によって
完全に除外することは極めて困難である。
【0003】通常の場合、このような塩素の残留は何ら
問題にならないが、高温においてアラミド紙が鉄、銅の
ような金属と接触するときに、酸化劣化反応が加速され
ることがある。その結果、アラミド紙の特性変化と金属
の劣化が生じることがある。
【0004】このような劣化の進行を防ぐ目的で、従来
様々な添加剤が考案されている。例えば、特公昭48―
12862号公報には、アラミド紙等にMn、Zn、B
i、Alの化合物を加えることでクロライドイオン不純
物に基づく熱劣化に対して耐性を示す固体成形構造物が
提供される旨記載されている。特公昭50―38657
号公報には炭酸ニッケルを含有するポリアミド組成物が
記載されている。また、特公昭61―60862号公
報、特開昭56―10554号公報及び特公昭61―6
0864号公報には、各々、Se化合物、Mg化合物、
Co化合物を含有する芳香族ポリアミド組成物が記載さ
れている。さらに、特開昭58―136653号公報に
はCa、Baの酸化物、水酸化物、炭酸塩を含む芳香族
系重合体組成物が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、本発明者ら
の追試によれば、これらのうちBi系化合物を除くその
他の化合物については銅の如き金属との接触状態での高
温劣化反応を抑制する効果は小さく、実用性に乏しいこ
とが判った。また、Bi化合物の添加による劣化抑制効
果はある程度認められるが、Bi化合物の添加によっ
て、紙などのアラミド成形物に着火後のアフターグロー
がかえって持続しやすくなる欠点が認められる。さら
に、Bi化合物は高価であり、アラミド紙の大巾なコス
トアップを招くという問題もある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するため種々検討を重ねた結果、アラミド紙を
製造する際に、該アラミド紙中にハイドロタルサイトを
加えると、金属接触状態での熱劣化が抑制され、しかも
アフターグローの問題が生じないことを見出し、本発明
に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、アラミドフィブリッ
ドと繊維とからアラミド紙を製造するにあたり、該アラ
ミド紙の製造工程において上記原料にハイドロタルサイ
トを添加して紙を製造することを特徴とする、耐熱性、
耐酸化性の改善されたアラミド紙の製造方法である。
【0008】以下、本発明の方法について詳細に説明す
る。
【0009】本発明において「アラミド」とは、芳香環
の少くとも85%以上が直接アミド結合(―NH―CO
―)で連結されたポリアミド重合体を意味する。このア
ラミドを製造するには、通常、芳香族ジカルボン酸塩化
物と芳香族ジアミンとの重合反応が用いられる。
【0010】本発明方法では、アラミドとして、ポリメ
タフェニレンイソフタルアミドが好ましく選ばれる。こ
のアラミドは工業的に製造されるアラミドの中で耐熱性
が優れ、熱融着性を有しているのでアラミド紙の製造に
有利である。なお、ポリメタフェニレンイソフタルアミ
ドには、その特性を損わない範囲で少量の共重合成分を
加えてもさしつかえない。
【0011】本発明方法ではアラミド紙の主原料として
アラミドフィブリッドと繊維とが用いられる。ここで
「フィブリッド」とは、抄紙性を有する合成高分子から
なる非球形の小粒子であり、合成高分子の溶液(ドー
プ)を凝固浴中にて剪断力下で沈殿させることにより製
造される。すなわち、アラミドフィブリッドは、通常の
木材パルプと同様に抄紙原料の主要な成分となり得る、
抄紙性を有するアラミドのパルプ状粒子である。かかる
フィブリッドの特徴及び製法については、例えば特公昭
37―5732号公報等に詳しく説明されている。
【0012】アラミドフィブリッドは、製造後、抄造に
適するよう離解・叩解処理を施し、濾水度(例えばカナ
ディアン・スタンダード・フリーネス:CSF)を調節
することができる。
【0013】本発明方法において使用するのが好ましい
アラミドフィブリッドの濾水度(CSF)の範囲は、2
0〜300mlである。
【0014】アラミド紙の製造に用いられる繊維として
は耐熱性繊維が好ましい。好ましい繊維成分としてはフ
ィブリッドと同じポリメタフェニレンイソフタルアミド
及びその共重合体、その他のアラミド(例えばパラ系ア
ラミド)、ガラス、ポリエチレンテレフタレート及びそ
の共重合体、ポリブチレンテレフタレート及びその共重
合体、各種ナイロン等を例示できる。就中、ポリメタフ
ェニレンイソフタルアミドの繊維が好ましい。
【0015】本発明方法では1種類の繊維を用いてもよ
いし、2種類以上を組合せて使用(いわゆる混抄)して
もかまわない。
【0016】繊維の長さは1〜30mmの範囲から選択
される。1mmよりも短い繊維は、紙中での補強効果が
小さく好ましくない。一方30mmを越える繊維は抄造
の際に、水中で絡まりやすく、そのため紙の均一性を損
うので好ましくない。
【0017】繊維の繊度(デニール:繊維9000m当
りの質量)は、0.1〜10デニールの範囲が好まし
い。0.1デニールよりも小さな繊維では、結束が発生
しやすくなる。一方、10デニールを上回る繊度では、
繊維とフィブリッドとの接触面積が小さくなりすぎるた
め、アラミド紙の力学物性が十分でない。加えて、特に
薄手の紙の場合、繊維の交差によって紙の厚みが局所的
に大きくなるので均一性が損われる。
【0018】アラミド紙中のアラミドフィブリッドと繊
維との構成比率は、抄紙性(抄紙速度、乾燥速度、湿紙
強度といった製造上の要因)、紙の力学特性、電気絶縁
性、含浸性等の観点から、アラミドフィブリッド/繊維
(重量比)=10/90〜90/10、好ましくは20
/80〜80/20、の範囲から選ばれる。
【0019】上述の素材からアラミド紙を製造するに
は、通常の湿式抄造の方法が利用できる。すなわち、ア
ラミドフィブリッドと繊維とを水中に分散させて水性ス
ラリーとなし、これを長網抄紙機、円網抄紙機又は他の
形式の抄紙機を用いてシートを形成し、脱水、搾水、乾
燥の工程を経ることでアラミド紙を製造できる。この時
に、スラリー中に分散剤、消泡剤等の所望の添加剤を加
えることができる。
【0020】また、アラミド紙の品質を高めるため、抄
造後、カレンダーロール、熱板プレス等による熱圧加工
を施すことができる。アラミド紙の坪量は10〜400
g/m2 の範囲から選ばれる。
【0021】本発明方法では、上記アラミド紙の製造工
程の任意の段階において、ハイドロタルサイトを添加す
る。
【0022】ハイドロタルサイトは、下記式(1)
【0023】
【数1】
【0024】で記される化合物である。この化合物はイ
オン交換によって酸の中和をおこなう作用がある。
【0025】アラミド紙の製造工程において、ハイドロ
タルサイトを添加する方法としては、(a)アラミドフ
ィブリッドと繊維とを含む水性スラリーに所定量のハイ
ドロタルサイトを分散、混合し、これを抄造する方法、
(b)ハイドロタルサイトを分散させたスラリーに抄造
したアラミド紙を浸漬する方法、等を例示できる。ま
た、2種以上の紙の抄合せを行なう場合、1種の紙のみ
にハイドロタルサイトを含有するように添加してもよ
い。
【0026】ハイドロタルサイトの添加量は、紙の全重
量に対して0.1〜20重量%、特に0.5〜15重量
%の範囲が好ましい。添加量が0.1重量%よりも少な
いと劣化抑制の効果が十分でない。一方、20重量%よ
りも多いと力学物性、誘電特性を損うことがある。
【0027】本発明方法において、使用するハイドロタ
ルサイトは低価格(1kg当たり1000円以下)であ
り、容易に購入できるものである。これに対し、従来法
で使用するBi化合物は、工業価格でも数万円/kgの
高価なものである。加えて、Biは重金属であるためア
ラミド紙及びそれを用いた機器の廃棄には特別な配慮が
必要である。これに対して、ハイドロタルサイトは天然
にも産出するもので環境への影響は皆無である。さら
に、本発明方法によって製造されるアラミド紙は、着火
後のアフターグローが長くなる欠点もない。このよう
に、本発明は経済的で実用上有利な方法を提供すること
ができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。なお、本発明はこれら実施例によって何ら制限さ
れるものではない。
【0029】なお、本発明において紙の塩素量、耐熱
性、絶縁破壊電圧、アフターグローなどは次の方法で測
定した。
【0030】(1)紙の塩素量の測定 数mgの乾燥試料を800〜825℃で燃焼させ遊離し
た塩素をドーマン微量電量滴定法により測定した。
【0031】(2)耐熱性評価 紙試料を表面が清浄な銅板2枚の中間にはさみこみ、空
気中300℃にて一定時間(10日間)設置した。その
後、紙表面の色調、穴の有無の観察と絶縁破壊電圧の測
定を実施した。
【0032】(3)絶縁破壊電圧 JIS―C2111に準じて実施した(交流電圧)。
【0033】(4)アフターグロー 紙サンプルに着火後、火源から離し消火後の「グロー
持続時間を測定した。
【0034】[参考例] (原料調製)特公昭52―151621号公報に記載の
スーテタとロータとを組合せた沈澱装置を用いる方法に
よりポリメタフェニレンイソフタルアミドのフィブリッ
ドを製造した。これをディスクリファイナー及び高速離
解機によって処理し、CSFを105mlとした。
【0035】一方、界面重合により得たポリメタフェニ
レンイソフタルアミドから湿式紡糸―延伸熱処理の方法
によって製造したアラミド繊維を長さ6mmに切断して
抄紙原料とした。この繊維の繊度は2デニールである。
【0036】[実施例1〜3及び比較例1〜2]これら
アラミドフィブリッドとアラミド繊維とを60/40
(重量)の比率で混合して水性スラリーを調製した。一
方、別途調製したハイドロタルサイト(協和化学工業
(株)DHT―4A―2)の水性スラリーを上記スラリ
ーと混合し、これらを長網抄紙機にて抄造した。これを
280℃にてカレンダー加工し熱圧紙を得た。この紙中
の塩素量は750ppm(0.075重量%)であっ
た。
【0037】表1に熱圧紙の耐熱試験結果を示す。
【0038】ハイドロタルサイトを加えた場合(実施例
1〜3)にあわせて、ハイドロタルサイト無添加の場合
(比較例1)と水酸化ビスマスを3重量%加えた場合
(比較例2)の結果も表1に示す。
【0039】表1より明らかな如く、本発明方法(実施
例1〜3)は銅接触状態での耐熱性が改善されているこ
とが実証された。またアフターグロー時間も比較例2と
比べ短かいことも確認された。
【0040】
【表1】
【0041】[実施例4]実施例1〜3のアラミドフィ
ブリッドとアラミド繊維とを60/40(重量)で混合
したスラリーから手抄きシートを作製した(大きさ25
×25cm)。一方、実施例1〜3で用いたハイドロタ
ルサイト50gを10リットルの水に分散させスラリー
とした。このスラリーに手抄きシートを1分間浸漬し、
紙表面にハイドロタルサイト粒子を沈積させた。ロータ
リードライヤーにてシートを乾燥後、280℃にてカレ
ンダー加工を施した。この熱圧紙について耐熱試験を実
施した。その結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明方法により、アラミド紙の製造工
程においてハイドロタルサイトを添加することにより、
銅の如き金属と接触した状態でのアラミド紙の耐熱性が
著しく改善される。また、従来のBi化合物添加時に見
られたアフターグローの問題も生じない。しかも、ハイ
ドロタルサイトは安価であり経済的であるばかりでな
く、環境面での問題も少ない。
【0044】したがって、本発明方法によって製造した
アラミド紙は、変圧器、回転機等金属線とアラミド紙が
接触する状態で使用され耐熱性、難燃性が要求される分
野に好適に採用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−7838(JP,A) 特開 平7−258995(JP,A) 特開 平5−295252(JP,A) 特開 平7−60876(JP,A) 特開 平5−310997(JP,A) 特開 平7−102497(JP,A) 特公 昭43−20421(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アラミドフィブリッドと繊維とからアラ
    ミド紙を製造するにあたり、該アラミド紙の製造工程に
    おいてハイドロタルサイトを添加することを特徴とする
    耐熱性、耐酸化性の改善されたアラミド紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 ハイドロタルサイトの添加量がアラミド
    紙の全重量の0.1〜20重量%である請求項1に記載
    のアラミド紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 アラミドが実質的にポリメタフェニレン
    イソフタルアミドであることを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載のアラミド紙の製造方法。
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