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JP3100365B2 - 流動層焼却炉 - Google Patents

流動層焼却炉

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Publication number
JP3100365B2
JP3100365B2 JP10181130A JP18113098A JP3100365B2 JP 3100365 B2 JP3100365 B2 JP 3100365B2 JP 10181130 A JP10181130 A JP 10181130A JP 18113098 A JP18113098 A JP 18113098A JP 3100365 B2 JP3100365 B2 JP 3100365B2
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JP
Japan
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fluidized bed
fluidized
furnace
region
particles
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Application number
JP10181130A
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English (en)
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JP2000018544A (ja
Inventor
聡央 郷田
史郎 笹谷
裕姫 本多
義仁 清水
昌夫 田熊
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Priority to JP10181130A priority Critical patent/JP3100365B2/ja
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to CNB998010634A priority patent/CN1262791C/zh
Priority to TW088110133A priority patent/TW419574B/zh
Priority to PCT/JP1999/003163 priority patent/WO1999066264A1/ja
Priority to KR1020007001405A priority patent/KR100355505B1/ko
Priority to EP99925317A priority patent/EP1013994A4/en
Priority to US09/485,728 priority patent/US6418866B1/en
Publication of JP2000018544A publication Critical patent/JP2000018544A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水汚泥、都市ご
み、産業廃棄物等の固形炭素質系を焼却する流動層焼却
炉に係り、特に下水汚泥のように高水分廃棄物の流動層
焼却炉に関する。
【0002】
【従来の技術】流動層焼却炉には、都市ごみや脱水汚泥
等の焼却炉に多く見られる気泡流動層型焼却炉と石炭焚
き発電ボイラや一部廃棄物との混焼用焼却炉に見られる
循環流動層焼却炉とに分類される。
【0003】前者の気泡流動層型焼却炉は、ガス速度が
流動媒体である粒子の流動化開始点を超えると、流動床
中に気泡が発生し、発生した気泡により、粒子を撹拌し
層内を沸騰状態にさせて燃焼させるようにしたものであ
る。
【0004】後者の循環流動層焼却炉は、前記ガス速度
が流動媒体である粒子の終端速度を超えさせ、ガスと粒
子が激しく混合しながら、粒子はガスに同伴されて系外
に飛散燃焼し、飛散した粒子はサイクロンで捕集分離さ
れて炉内に還流するようにしたものである。
【0005】流動層焼却炉は上記二つの形式が主に使用
されているが、いずれも低品位の燃料や廃棄物の燃焼に
適しており、下水汚泥の大部分は流動層焼却炉で処理さ
れ、また都市ごみや産業廃棄物の燃焼炉としてもストー
カ炉と並んで多用される傾向にある。
【0006】上記気泡流動層型焼却炉の構成は、図6に
見るように、略直立円筒状塔の下部に流動媒体である砂
50aを充填して気泡流動領域50(バブリング層領
域、流動媒体濃厚相)を形成させ、その下部に散気管そ
の他の流動ガス分散器52を介して予熱空気導入口53
より流動用気体としての予熱空気を均一に分散して吹き
込み、該吹き込みガスの流速である空塔速度が前記流動
媒体の流動開始点を超えさせ、前記流動媒体の間に気泡
50bを発生させて濃厚相に流動砂層面を形成する。更
に空塔速度を気泡流動化開始速度以上に増速させると、
流動砂層面は沸騰状態になる。
【0007】上記沸騰状態にある気泡流動領域50の上
部より被焼却物である汚泥を汚泥投入口55より投入す
ると同時に助燃油投入口54より助燃剤を投入燃焼させ
ると、汚泥の固形分は気泡流動領域50内で燃焼した
後、その揮発分は気泡流動領域50の上方に位置するフ
リーボード56で燃焼し、排ガスは上部排ガス口57よ
り排出する。
【0008】かかる気泡流動層型焼却炉にて例えば生ゴ
ミや下水汚泥等の廃棄物を焼却させる場合、下記に示す
燃焼過程を経て燃焼させられる。 1)燃焼開始時には流動用空気を流動ガス分散器52に
より吹き込むとともに、流動媒体である砂50aを上面
からバーナであぶり、徐々に温度を上げ、静止状態にあ
る前記濃厚相の気泡流動化を行なう。 2)ついで被焼却物であるゴミを投入するが、ゴミの発
熱量が低い場合は助燃剤の投入により流動層領域内を前
記適温に維持する。 3)燃焼開始後は、排ガスによる予熱空気を前記流動ガ
スに使用する。そして投入されたゴミは、気泡流動領域
50で高温の砂と激しく混合流動化されて短時間で乾留
ガス化し、ごみ固形物の燃焼を行なう。 4)未燃ガスや、揮発分や軽いゴミは気泡流動領域上方
のフリーボード56に導かれて燃焼する。
【0009】下水汚泥の場合、前記気泡流動層型焼却炉
では、炉内での燃焼率は前記気泡流動領域50では略6
0〜80%程度で、フリーボード56での燃焼によりそ
の燃焼率は上昇して略100%近くに達する。従って、
フリーボード56の受け持つ燃焼負荷は20〜40%程
度と高く、このためフリーボードでの温度は気泡流動領
域における温度に比較し約150℃程高くなり、特に燃
焼エネルギが変動しやすい生ごみや汚泥等の焼却の際
に、フリーボード内の過熱を招来する問題点がある。従
って、気泡流動層型焼却炉においては、省エネルギー及
び低公害燃焼のため、前記予熱空気には略650℃のも
のを使用し、炉出口の適正平均温度を略850℃として
ある。
【0010】一方、流動媒体により形成された濃厚相の
砂層適正温度700〜750℃を均一に維持するために
焼却対象物の炉床水分負荷を250〜280Kg/m2
h未満にすることが必要条件であり、このため下水汚泥
のように高含水廃棄物を焼却する場合、炉床面積が必要
以上に大きくなる。また、装置上の制約から前記空塔速
度を0.5m/s以上(安定なバブリングには0.5〜
1.5m/sが必要)にすることが必要となるため、供
給空気量が実際の燃焼に必要な空気量より多くなり、排
ガス量が増大する問題がある。
【0011】上記問題があるにも係わらず、被焼却物の
比重は流動層の見かけ比重と同程度または小さい場合が
多く、焼却物の比重が相対的に軽い場合、フリーボード
から被焼却物を投入しても、気泡流動領域の上の流動砂
層面に漂い、流動砂層面の中では燃焼が行なわれずその
燃焼熱も有効に利用されないという問題があった。
【0012】また、生ごみや下水汚泥等の廃棄物は多量
の揮発分を含み、該揮発分は上昇してフリーボードで燃
焼するため、排ガス温度は過高になる問題がある。特に
気泡流動領域における砂層温度は750℃以下では層内
燃焼率低下により不安定燃焼の恐れがあるため750℃
以上に保持する必要があるが、上記フリーボードでの揮
発分の燃焼熱は砂層温度維持には何らの貢献もしない。
その結果多量の助燃剤が必要とする問題がある。
【0013】上記のように従来の気泡流動層型焼却炉に
おいては、廃棄物の燃料性状が変化して、例えば揮発分
が非常に多い場合にはフリーボードには過度の温度上昇
を惹起させ、また、水分が非常に多い場合には砂層温度
の過度の低下を来し、対応できない問題がある。
【0014】かかる気泡流動層型焼却炉の問題点を解決
するために、本願出願人は、フリーボードの過熱を抑
え、負荷の変動特に被焼却物の性状の変化に対応するた
め、フリーボード内の懸濁濃度を上げて大なる熱容量を
持たせること、また、上記フリーボードにおける燃焼熱
を気泡流動領域に還流させて砂層燃焼温度の低下を防止
させることにつき、種々検討しながら本発明の開発に着
手した。以下にその開発検討経過を順を追って説明す
る。
【0015】上記フリーボードにおける燃焼熱の気泡流
動領域への還流には循環流動層の使用も考えられるが、
循環流動層の場合は下部に明確な濃厚相(デンスベッ
ド)が無いため、負荷変動の吸収容量が小さく、排ガス
性状が不安定になりがちという問題点がある。
【0016】又本発明のごとく、明確な濃厚相を有し、
且つ流動媒体を同伴還流させる方法を使用した流動層燃
焼炉に関する提案として、流動媒体に微細粒子と粗粒子
の異なる粒子成分を使用し、微細粒子により同伴流動層
を形成させ、且つ粗粒子により重い流動層を形成させ
て、二つの流動層の組合せにより粉砕石炭を導入燃焼処
理をしたものが特公昭60−21769号公報に開示さ
れている。また、粗粒子高密度流動層および微細粒子同
伴流動層とを組合せ重複させ、前記高密度流動層は上下
に二つのはっきりした温度帯域で構成させたもので、高
硫黄化の石炭の燃焼とガス化の両方に利用するようにし
たものが特公昭63−2651号公報に開示されてい
る。
【0017】しかしながら前記いずれの技術も、流動媒
体に微細粒子よりなる同伴流動床と粗粒子よりなる重い
流動床を形成させ両者を組合せ重畳させて循環流動床を
形成したもので、重い流動床の流動媒体である粗大粒子
は磨耗が大で必要とされてる充填の頻度は高く管理が頻
繁である。また、上記磨耗度の激しい粗大粒子を使用し
ているため、粒径比が変化し安定性を欠く問題点を内蔵
している。
【0018】また、特開平4−54494号公報記載の
技術によれば、下部に高速区域を持ち上部に低速区域を
持つ粗大粒子流動床と、再循環する微細粒子の連行床を
重複させ、且つ前記低速区域の粗大粒子流動床に第2ガ
ス導入口が設けられ低速区域の流動化と反応の完結化を
図る構成にし、ガス速度または微細粒子の再循環速度の
変化による前記下部の密な床の連行状態ないし流動状態
を改善するようにしたものである。
【0019】かかる装置においても、微細粒子よりなる
同伴流動床と粗大粒子による高密度流動床を重畳させた
もので、前記2者の発明と同様に重い流動床の流動媒体
である粗大粒子は磨耗が大で、必要とされる充填の頻度
は高く管理が煩雑であるとともに、上記磨耗度の激しい
粗大粒子を使用しているため、粒径比が変化し安定性を
欠く問題点を内蔵している。また、第2ガスの導入も微
細粒子による同伴流動床の懸濁濃度に対する影響は余り
期待できない程度のものと考えられる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】従って前記いずれの技
術も気泡流動層に循環流動層の機能を付加したものであ
るが、その完成度は低い。本発明は上記問題点に鑑みな
されたもので、高含水率の下水汚泥や都市ごみ等の負荷
変動に対応して、フリーボードの熱容量を高め、その負
荷の燃焼性状変動に基づく局所的及び時間的な温度異常
の吸収を幅広く可能とするとともに、フリーボードで発
生する燃焼熱を還流させ砂層温度の適温維持に使用し助
燃剤使用の低減を可能とする流動層焼却炉の提供を目的
とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するために、流動層下方よりの流動化用の一次空気を
吹き込みながら流動媒体の気泡流動化を行なう気泡流動
領域の流動砂層面の気泡の破裂に伴って流動媒体の粒子
が吹き上げられるスプラッシュ領域と、該スプラッシュ
領域の上方に位置するフリーボード領域とを具えた流動
層炉よりなり、前記スプラッシュ領域に二次空気を導入
し、該二次空気により前記吹き上げ粒子をフリーボード
を介して炉外に同伴輸送し、同伴輸送した粒子を外部循
環部を介して前記気泡流動領域へ還流させる流動層焼却
炉において、前記流動層下部の不燃物排出口より同伴排
出される流動媒体を貯留するバッファタンクを設け、前
記流動層炉内の負荷の状況に応じて、前記バッファタン
クに貯留した流動媒体を炉内に供給するとともに、該供
給量の制御をフリーボード内の検知温度に基づいて行う
事を特徴とする。そして好ましくは請求項2記載のよう
に、前記流動層下部の不燃物排出口より同伴排出される
流動媒体を貯留するバッファタンクと、前記一次空気と
二次空気との比率割合を制御する制御手段とを設け、前
記流動層炉内の負荷の状況に応じて、前記一次空気と二
次空気との比率割合と、前記バッファタンクに貯留した
流動媒体の炉内への供給量を夫々制御するように構成
し、更に、炉内の所定領域の検知温度に基づいて、バッ
ファータンクより炉内への流動媒体の供給量を制御し、
一次空気と二次空気の比率制御はフリーボード内の温度
と気泡流動領域内の温度の差に基づいて制御されるのが
よい。そして、より好ましくは請求項に記載のよう
に、一次空気と二次空気の和が一定になるように前記比
率割合が制御されるのがよい。
【0022】上記発明は、高含水率の下水汚泥や都市ご
み等の気泡流動層型焼却炉において、負荷の性状変動に
対応して、フリーボードの熱容量を高め、その負荷の変
動に基づく異常温度上昇を吸収可能とするとともに、フ
リーボードで発生する燃焼熱を還流させ砂層温度の適温
維持を可能とすべくなされ、且つフリーボードの懸濁濃
度を上げる幅広い手段としてなされた提案であって、一
次空気により流動化された気泡流動領域の層上表面に気
泡の破裂に伴う粒子の飛び出しにより、形成された前記
気泡流動領域に対し不連続密度層よりなるスプラッシュ
領域に二次空気を導入させ、その気泡より分離した粒子
群を導入した二次空気によりフリーボードを介して炉外
へ同伴輸送するようにして、前記一次空気と二次空気と
の比率により二次空気により同伴輸送される粒子量の変
化を利用したフリーボードの懸濁濃度の調整手段を講ず
るとともに、更なる幅広い懸濁濃度の調整手段として、
前記流動層下部の不燃物排出口より同伴排出される流動
媒体をバッファータンクに貯留して、負荷の状況に応じ
て炉内へ供給して粒子の内部循環部を形成させ、フリー
ボードの懸濁濃度及び循環流量の幅広い調整を可能とし
たものでる。
【0023】即ち、流動層下部に不燃物抜き出し口に設
けた灰の排出機に先端に設けた振動篩機等の砂分級装置
を介して得られた流動媒体をバッファータンクに貯留し
て、フリーボード内の燃焼状況に応じて適宜所用量の流
量媒体を炉内の燃焼部(フリーボード)に供給加減して
フリーボード内のホールドアップ量を調整させ、懸濁濃
度ひいては循環量を上げて負荷の変動に幅広く対応出来
るようにさせたものでる。
【0024】更に本発明によれば、フリーボード内に循
環砂を保有させ、熱容量の大きい循環砂がフリーボード
の温度変動を吸収するため、負荷の変動に対応炉内温度
を一定に保持することができ、安定運転ができるととも
に、高温砂は濃厚相へ還流するようにしてあるため、砂
層温度維持、延いては炉床水分負荷の上限アップに繋が
り、排ガス低減、燃費改善、排ガス温度の適正化が図れ
る。また、一次空気と二次空気との比率制御ができるた
め、被焼却物の燃焼性の変化に対応して互いに背反関係
にある気泡流動領域とフリーボードのホールドアップ量
及び懸濁濃度を制御できるようにしてある。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
る構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特
に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみ
に限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。図1
は、本発明の実施形態に係る流動層焼却炉の概略構成を
示す模式図であり、図2は図1の不燃物及び流動媒体抜
き出し装置の概略の構成を示す図である。
【0026】図1に示すように、本発明の流動層焼却炉
は、底部に配した流動ガス分散器18cを介して一次空
気18を流動媒体である硅砂等の流動砂12dを充填し
静止面12cを持つ濃厚相11に吹き込んで濃厚相内を
気泡流動化させ、流動砂層面12a形成するととも気泡
の破裂に伴っての粒子の飛び出しにより、その上にスプ
ラッシュ領域12bを形成させた気泡流動領域10と、
上記スプラッシュ領域12bに同伴輸送用の二次空気1
9を導入させ、スプラッシュ領域12bに飛び出した流
動媒体の粒子を上方のフリーボード13に同伴輸送させ
る同伴流動領域12と、上記同伴輸送した流動媒体を炉
外に搬送し排ガス35より分離捕集するサイクロン等の
分離器14と、捕集した流動媒体を前記気泡流動領域1
0の前記濃厚相11に還流させるシールポット15とよ
りなる外部循環部と、前記一次空気18と二次空気19
との総量規制するブロワ17aと、一次空気18と二次
空気19との比率制御をする制御系25aと、前記シー
ルポット15に流動空気を送るブロワ17bと、制御系
25bと、よりなるガス供給系17と、前記気泡流動領
域10の下部の不燃物及び流動媒体排出口22に設けた
バッファータンクを含む流動媒体抜き出し装置23より
なる内部循環部と、より構成する。
【0027】なお、フリーボード13と気泡流動領域1
0にはそれぞれの炉内温度を計測する温度計T1 、T2
を設け、ガス供給系17の制御系17a、17b及び図
2に示すように前記内部循環部の流動媒体の投入制御部
30を介して炉内温度の変動に対応できるようにしてあ
る。
【0028】上記ガス制御系17は、それぞれブロワ1
7a、17bと、それにより供給された空気を制御する
制御系25a、25bとより構成する。制御系25aに
おいてはブロワー17aにより送気された空気をダンパ
18b、19bの開度調整により両者の比率調整を可能
としている。また、制御系25bにおいてはブロワ17
bより送気された空気をダンパ20b、21bの開度調
整により外部循環部より気泡流動領域10への粒子還流
を制御するようにしてある。
【0029】上記一次空気18と二次空気19との和で
ある一次空気と二次空気の総量はダンパ18b、19b
の開度制御により廃棄物の性状及び投入量に対応して一
義的に決定される。そしてダンパ18bにより比率制御
された一次空気18は投入口18aより流動空気分散器
18cを介して塔内下方に均一に分散吹き込みが行なわ
れ、気泡流動領域10の濃厚相11に充填してある流動
媒体である流動砂12dを流動化開始速度で流動化を開
始させ流動砂層面12aを持つ均一流動層を形成させ
る。さらに空塔速度を気泡流動化速度以上に増速させ、
発生した気泡により層内を擾乱させ不均一な流動状態に
移行させ、気泡流動領域10を形成して前記砂層面12
aよりの気泡の破裂に伴う粒子の飛び出しを可能とし、
該飛び出しによりスプラッシュ領域12bを形成させて
いる。
【0030】この場合、上記一次空気18はガス供給系
17の制御系25aのダンパ18bの開度制御により一
次空気と二次空気の比率割合を増減させ、気泡流動領域
10の温度制御及びフリーボード13内を通過する循環
粒子束の増減によりフリーボード13の懸濁濃度の制御
を可能にしてある。
【0031】上記比率制御により一次空気18の増減に
対応してダンパ19bの開度を介して減少ないし増加す
る二次空気19は、スプラッシュ領域12bに飛び出し
た流動媒体の粒子を同伴輸送して、前記フリーボード1
3に対する所用の懸濁濃度を調整し負荷の変動に対応さ
せたのち、分離器14とシールポット15とよりなる外
部循環部により前記粒子は貯留される。貯留された粒子
は、前記気泡流動領域10の濃厚相11に還流量制御部
を介して適宜還流させて、フリーボード13内の燃焼熱
も還流させ気泡流動領域10における燃焼温度の低下を
防止し、安定燃焼を可能にしている。
【0032】前記流動媒体抜き出し装置23は、図2に
示すように、気泡流動領域10の下部排出口22に設け
た、スクリューコンベヤ26と篩振動器等の砂分級器2
7とバッファータンク(貯溜槽)28とコンベヤ29と
投入口31と投入制御部30とよりなり、流動層内に粒
子の内部循環部を形成している。
【0033】上記流動媒体抜き出し装置23において、
灰抜き出しのため行なう、スクリューコンベヤ26によ
り焼却灰等の不燃物とともに流動媒体を抜き出したあ
と、振動篩等よりなる砂分級器27を介して不燃物等を
除去した流動媒体をバッファータンク28に一次保留す
る。ついで、フリーボード13内の温度T1 が基準設定
値を超過した場合は、図3に示すように投入制御部30
を介してコンベヤ29の稼働速度を加減して、フリーボ
ード13にバッファータンク28に貯留してある流動媒
体である砂12dを投入口31より、温度超過分に比例
する砂供給量を制御部30により設定供給するようにし
てある。
【0034】その結果、フリーボード13の粒子のホー
ルドアップ量は増加ないし減少させるとともに、懸濁濃
度も増減させフリーボード13の前記過大な温度変動に
対応し、被焼却物の燃焼性状に起因する負荷の変動に幅
広く対応できるようにしてある。なお、流動媒体の抜き
出し量は、灰等の不燃物除去のため常時稼働するスクリ
ューコンベヤ26を介して行なわれるため、一定であ
る。
【0035】そして、上記のように予めバッファータン
ク28に貯留してある砂12dを炉内へ供給すること
は、その供給により当該炉の初期充填量は供給分だけ増
加させたことになり、図4に示すように砂の循環量は増
加させたことになり、フリーボードの熱容量は増大し負
荷の対応力を本来的にアップすることになる。
【0036】運転に際しては、予め、フリーボード内に
おける砂(流動媒体)のホールドアップ量により懸濁濃
度を設定し、且つ砂の導入により期待される排ガス(排
ガスの温度は800〜1000℃とする)の温度低下よ
り粒子(砂)(砂の比熱は0.2Kcal/Kg℃)の
平均質量流束Gsを設定するとともに二次空気の投入高
さ、ならびに一次空気と二次空気の総量を決め、循環量
を設定する。そして、懸濁濃度の上限及び下限より一次
空気と二次空気の比率を例えば1対2乃至2対1のよう
に設定する。
【0037】そして、ガス供給系17を介して、ブロワ
17aにより得られた空気流を制御系25aのダンパ1
8b、19bを介して一次空気18と二次空気19に分
岐するとともに、ブロワ17bによる空気流を制御系2
5bを介して外部循環部へ送り、流動媒体を気泡流動域
10へ還流するようにしてある。
【0038】なお、前記一次空気18と二次空気19の
比率制御による温度制御状況を図5に示すタイムチャー
トに基づいて説明する。図5に示すタイムチャートには
フリーボード13内の温度T1 と気泡流動領域10内の
温度T2 の差が所定値になるようにした一次空気18と
二次空気19の比率制御の状況を示してある。なお、ブ
ロワ17aの出力により一次空気と二次空気の和は一定
にして流動媒体(流動砂)の循環量は一定にしてある。
【0039】図に見るように、炉内温度T1 、T2 との
差△Tが設定値より高くなったら、制御系25aを作動
させ一次空気のダンパ18bの開度を増加させ、且つ二
次空気のダンパ19bの開度を減少させて、一次空気の
比率を増加させるとともに二次空気の比率を低下させ
て、気泡流動領域10内の温度T2 の増加を図るととも
に、フリーボード13内の温度T1 の低減を図ってい
る。
【0040】又逆に前記T1 とT2 との差が設定値より
低くなったら、一次空気のダンパ18bの開度を低減さ
せ、且つ二次空気のダンパ19bの開度を増加させて、
一次空気の比率を減少させるとともに二次空気の比率を
増加させて、気泡流動領域10内の温度T2 の低減を図
るとともに、フリーボード13内の温度T1 の増加を図
る。
【0041】しかしながら、一次空気と二次空気との比
率制御は互いに背反関係にある気泡流動領域10とフリ
ーボード13のホールドアップ量及び懸濁濃度の制御を
しているわけで、その制御範囲に限度があるが、前記抜
き出した流動媒体のバッファータンクよりフリーボード
への適量供給はフリーボードの過度の温度上昇に対応し
て必要粒子量を供給して懸濁濃度を上げるようにしてあ
るため、負荷の性状変化に基づく急激の温度上昇にも幅
広く対応できる。
【0042】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、一次
空気により流動化された気泡流動領域の層上表面に気泡
の破裂に伴う飛び出し粒子を二次空気によりフリーボー
ド内へ同伴輸送により、フリーボードの懸濁濃度の調整
手段を講ずるとともに、更なる幅広い懸濁濃度の調整手
段として、前記流動層下部の排出口より同伴排出される
流動媒体をバッファータンクに貯留して、負荷の状況に
応じて炉内へ内部循環部を形成させ供給して、フリーボ
ードの懸濁濃度調整を可能としたもので、フリーボード
内の燃焼状況に応じて適宜所用量の流量媒体を炉内の燃
焼部(フリーボード)投入してフリーボド内のホールド
アップ量を増減させ、懸濁濃度を調整して負荷の変動に
幅広く対応出来る。
【0043】更に本発明によれば、フリーボード内に循
環砂を保有させ、熱容量の大きい循環砂がフリーボード
の温度変動を吸収するため、負荷の変動に対応炉内温度
を一定に保持することができ、安定運転ができるととも
に、高温砂は濃厚相へ還流するようにしてあるため、砂
層温度維持、延いては炉床水分負荷の上限アップに繋が
り、排ガス低減、燃費改善、排ガス温度の適正化を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の流動層焼却炉の概略の構成を示す模
式図である。
【図2】 図1の流動媒体抜き出し装置の概略の構成を
示す模式図である。
【図3】 図2の流動媒体抜き出し装置によるフリーボ
ードのホールドアップ量制御の状況を示すタイムチャー
トである。
【図4】 流動層における空等速度に対する濃厚相の初
期充填量をパラメータとする砂の循環流束の変化示す図
である。
【図5】 図1のフリーボードと気泡流動領域の炉内温
度の温度差の変動対応する一次空気と二次空気の比率制
御の状況を示すタイムチャートである。
【図6】 従来の気泡流動型焼却炉の概略の構成を示す
模式図である。
【符号の説明】
10 気泡流動領域 12 同伴流動領域 12b スプラッシュ領域 13 フリーボード 14 分離器 15 シールポット部 16 被焼却物投入口 17 ガス供給系 18 1次空気 19 二次空気 23 流動媒体抜き出し装置 27 分級器 28 バッファータンク 29 コンベヤ 30 投入制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 義仁 横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱 重工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 田熊 昌夫 横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱 重工業株式会社横浜研究所内 (56)参考文献 特開 平5−223230(JP,A) 特開 昭64−54104(JP,A) 特開 平7−55124(JP,A) 特開 昭62−169918(JP,A) 実開 昭61−84301(JP,U) 実開 平4−3229(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23G 5/50 F23G 5/30 F23G 5/44 F23C 11/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動層下方よりの流動化用の一次空気を
    吹き込みながら流動媒体の気泡流動化を行う気泡流動領
    域の流動砂層面の気泡の破裂に伴って流動媒体の粒子が
    吹き上げられるスプラッシュ領域と、該スプラッシュ領
    域の上方に位置するフリーボード領域とを具えた流動層
    炉よりなり、 前記スプラッシュ領域に二次空気を導入し、該二次空気
    により前記吹き上げ粒子をフリーボードを介して炉外に
    同伴輸送し、同伴輸送した粒子を外部循環部を介して前
    記気泡流動領域へ還流させる流動層焼却炉において、 前記流動層下部の不燃物排出口より同伴排出される流動
    媒体を貯留するバッファタンクを設け、 前記流動層炉内の負荷の状況に応じて、前記バッファタ
    ンクに貯留した流動媒体を炉内に供給するとともに、該
    供給量の制御をフリーボード内の検知温度に基づいて行
    なうことを特徴とする流動層焼却炉。
  2. 【請求項2】 流動層下方よりの流動化用の一次空気を
    吹き込みながら流動媒体の気泡流動化を行なう気泡流動
    領域の流動砂層面の気泡の破裂に伴って流動媒体の粒子
    が吹き上げられるスプラッシュ領域と、該スプラッシュ
    領域の上方に位置するフリーボード領域とを具えた流動
    層炉よりなり、 前記スプラッシュ領域に二次空気を導入し、該二次空気
    により前記吹き上げ粒子をフリーボードを介して炉外に
    同伴輸送し、同伴輸送した粒子を外部循環部を介して前
    記気泡流動領域へ還流させる流動層焼却炉において、 前記流動層下部の不燃物排出口より同伴排出される流動
    媒体を貯留するバッファタンクと、前記一次空気と二次
    空気との比率割合を制御する制御手段とを設け、炉内の所定領域の検知温度に基づいて、バッファータン
    クより炉内への流動媒体の供給量を制御し、一次空気と
    二次空気の比率制御はフリーボード内の温度と気泡流動
    領域内の温度の差に基づいて制御される ことを特徴とす
    る流動層焼却炉。
  3. 【請求項3】 一次空気と二次空気の和が一定になるよ
    うに前記比率割合が制御されることを特徴とする請求項
    2記載の流動層焼却炉。
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