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JP3167261B2 - 沈降性合成炭酸カルシウムの製造方法 - Google Patents

沈降性合成炭酸カルシウムの製造方法

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JP3167261B2
JP3167261B2 JP09461695A JP9461695A JP3167261B2 JP 3167261 B2 JP3167261 B2 JP 3167261B2 JP 09461695 A JP09461695 A JP 09461695A JP 9461695 A JP9461695 A JP 9461695A JP 3167261 B2 JP3167261 B2 JP 3167261B2
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calcium carbonate
slurry
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salt
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歳夫 東
敏男 藤原
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Maruo Calcium Co Ltd
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Maruo Calcium Co Ltd
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一次粒子を成長させる
ことなく粒子を分散させることができる沈降性合成炭酸
カルシウムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、工業用の沈降性合成炭酸カルシウ
ム製造方法としては、水酸化カルシウムの水スラリーに
CO2 ガスを導入して炭酸カルシウムを析出させる方法
が主流である。このようにして製造される沈降性合成炭
酸カルシウムは、塗料、ゴム、プラスチックス、製紙、
シーリング材、食品、医薬等の分野で工業用原料として
広く使用されている。これらの使用分野においては、ほ
とんどの場合が使用目的から判断して沈降性合成炭酸カ
ルシウムができるだけ一次粒子に近い状態まで分散して
いることが好ましい。
【0003】しかしながら、Ca(OH)2 水スラリー
にCO2 ガスをを導入して微細なCaCO3 粒子を生成
させるこの方法は、生成直後のCaCO3 粒子は非常に
強い粒子間凝集をしており、このままの状態では使用分
野はごく一部に限定されてしまう。このため、この粒子
の凝集をほぐすために、製造工程に分散工程を導入して
いるのが一般的である。
【0004】この分散方法としては、(1)炭酸カルシ
ウムスラリーの攪拌、加温、pH制御等による方法、
(2)炭酸カルシウムスラリーをガラスビーズ等の媒体
を使用して湿式粉砕する方法、(3)炭酸カルシウムス
ラリーを水洗等によって、凝集のバインダーとなってい
るアルカリを除去する方法、等が検討又は実施されてき
た(特開昭57−145030、特開昭58−2603
1、特開昭64−69513等)。
【0005】しかるに、かかる分散方法では、炭酸カル
シウム粒子を分散させる時に同時並行的に一次粒子が成
長してもとの粒子より1.5〜2.0倍以上大きくなっ
てしまう。しかし乍ら、前記の如く、各分野の使用目的
から考えて、一次粒子はできるだけ小さくして分散して
いる方が好ましいのである。従って、従来から一次粒子
を成長させることなく炭酸カルシウムを分散させる方法
が研究されてきたが、十分な成果が得られていないのが
実情である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、合成炭酸カ
ルシウムの一次粒子を成長させることなく炭酸カルシウ
ム粒子の分散だけを従来よりもより効率的に行う、沈降
性合成炭酸カルシウムの製造方法を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するべく鋭意研究の結果、沈降性合成炭酸カルシウ
ムの一次粒子を成長させることなく、粒子の分散だけを
より効果的に行う方法を確立するに至った。即ち、本発
明は石灰乳に炭酸ガスを導入して一次粒子径が0.1μ
m以下の炭酸カルシウムスラリーを生成させ、次いで該
スラリーにオルトリン酸及びその塩からなる群より選ば
れる少なくとも1種を炭酸カルシウム固形分に対して
0.01〜5重量%添加し、該スラリーの温度を25℃
以上に調整して攪拌することを特徴とする沈降性合成炭
酸カルシウムの製造方法を内容とするものである。
【0008】以下、具体的に本発明の方法を説明する。
沈降性合成炭酸カルシウムは、一般的な製法として石灰
石を1000℃前後で焼成し、出来たCaOに水を加え
てCa(OH)2 の水スラリーを作る。このスラリーに
上記の石灰石を焼成させた時に得られるCO2 ガスを導
入してCaCO3 を析出させる。この時のCa(OH)
2 スラリーとCO2 ガスを反応させる場合の各々の反応
条件、具体的には、Ca(OH)2 スラリーの温度、濃
度、CO2 ガスの単位時間における導入量等の主として
反応速度に起因する各要因を制御することによって、析
出するCaCO3 粒子の大きさ、形状等を決定すること
ができる。
【0009】この場合、例えばある反応条件で一次粒子
径が0.03〜0.04μmの炭酸カルシウム粒子を生
成させたとしても、生成させた反応直後の炭酸カルシウ
ム粒子は互いの粒子が非常に強く凝集した状態にある。
この凝集体は電子顕微鏡で観察すると数μmにおよぶ。
【0010】本発明では、この凝集体を一次粒子を成長
させることなく分散させるために反応直後の炭酸カルシ
ウムスラリーに可溶性のオルトリン酸又はその塩を添加
する。具体的にはオルトリン酸(H3 PO4 )の他に、
その塩としては、K3 PO4 KH2 PO4 2
HPO4 、Na2 HPO4 ・12H2 O、(NH4)3
4 ・3H2 O等が挙げられ、これらは単独又は2種以
上組み合わせて用いられる。オルトリン酸又はその塩の
添加は、炭酸カルシウムスラリーに一度に投入してもよ
く、また徐々に投入してもよい。また、炭酸カルシウム
の分散状況に応じて時間を置いて投入してもよい。
【0011】本発明においては、オルトリン酸又はその
塩以外の物を添加しても本発明の目的とする分散効果は
得られない。例えば、代表的な無機酸であるH2
4 、HCl、HNO3 等についてテストしたが、これ
らの酸はバインダーとなっているアルカリと反応する前
にCaCO3 自体と反応し、それぞれCaSO4 、Ca
Cl2 、Ca(NO3)2 の物質を生成するためと考え
る。一方、スルホン酸等の有機酸についてもテストした
が、分散効果は認められなかった。酸の中でもオルトリ
ン酸又はその塩だけが優れた分散効果を示すのは、オル
トリン酸又はその塩自体が可逆反応により少量で順次バ
インダーであるアルカリと反応し、反応生成物であるリ
ン酸カルシウムは再分解して再びオルトリン酸又はその
塩を生成させるものと考えられる。
【0012】添加量は、オルトリン酸又はその塩の種
類、炭酸カルシウムの形状、粒子径、炭酸カルシウムス
ラリーの分散条件等によってそれぞれ異なるが、スラリ
ー中の炭酸カルシウム固形分に対して0.01〜5.0
重量%、より好ましくは0.05〜1.0重量%、更に
好ましくは0.08〜0.5重量%程度である。、0.
01重量%より少ないと粒子成長を制御する効果がほと
んどなく、また5.0重量%より多いと炭酸カルシウム
がオルトリン酸又はその塩と反応して炭酸カルシウム表
面が多孔質の状態となり、もとの炭酸カルシウムの粒子
形状が変化してしまう。また、粒子の分散状態も十分と
は言えない。このようにして炭酸カルシウムスラリーに
可溶性オルトリン酸又はその塩を添加した後、このスラ
リーを均一に攪拌する。
【0013】この場合の炭酸カルシウムスラリーの温度
は、好ましくは25〜80℃、より好ましくは35〜6
5℃、更に好ましくは40〜60℃である。温度が25
℃未満では炭酸カルシウム粒子の分散が進行し難く、ま
た80℃を越えると昇温に多大のエネルギーを必要とす
るため経済的でない。また、この場合のpHは、炭酸カ
ルシウムスラリーの温度とも関連するので一概には規定
し難いが、好ましくは9.0〜11.5、より好ましく
は9.5〜11.0、更に好ましくは9.8〜10.8
である。pHが9.0未満又は11.5を越えると、炭
酸カルシウム粒子の分散が進行し難い。
【0014】本発明により、一次粒子を成長させること
なく炭酸カルシウム粒子を分散させることができる理由
については、下記の如く推定される。即ち、反応直後の
一次粒子の凝集体は、Ca(OH)2 等のアルカリ化合
物をバインダーとして互いに凝集しており、このアルカ
リ物質を溶出、中和等の方法で除去することによって粒
子が徐々に分散していく。この過程で、微細な炭酸カル
シウム粒子はより大きな炭酸カルシウム粒子にデポジッ
ト(deposit)し、各々の分散していく一次粒子
は成長して、より大きくなる。これが従来の分散方法に
おける粒子成長のメカニズムと考えられる。
【0015】これに対して、本発明では、この系の中に
オルトリン酸又はその塩を添加することによって、この
オルトリン酸又はその塩はバインダーとなっているアル
カリと優先的に反応し分散を促進させるものと考えられ
る。より大事なことは、このオルトリン酸又はその塩は
炭酸カルシウムの水への溶出を制御する働きがあると考
えられることである。そのために、前述のような微細な
炭酸カルシウムが水に溶けて再度大きい粒子にデポジッ
トして成長するということが防止されるものと考えられ
る。
【0016】粒子成長が制御されることを確認する方法
としては、電子顕微鏡写真でもよいし、またBET法に
よる比表面積の確認方法でもよい。従来の炭酸カルシウ
ム粒子分散方法では、粒子の分散と並行してBET比表
面積は大幅に低下していた(粒子径が大きい程BET比
表面積値は低い)。本発明法によれば、分散前のBET
比表面積値に比べて分散後の値を25%以上低下させな
いことも可能である。前記した分散条件等をより厳密に
設定すれば、BET比表面積の低下率をより小さくする
ことができ、更に条件によってはほとんど低下すること
がない。また、逆に分散後のBET比表面積値が分散前
のBET比表面積値を上回ることがある。これはBET
法の原理から考え、一次粒子が変化しなくても凝集体が
分散することで窒素ガスが分散前の凝集の接点にも吸着
することに因るものと考える。
【0017】本発明の分散方法は、効果が顕著であるの
は反応直後の一次粒子径が0.1μm以下の粒子径のも
のである。
【0018】微細なコロイド炭酸カルシウムは、従来か
らゴム、プラスチック、塗料、シーリング材、PVCペ
ースト等に広く使用されている。従来から一次粒子径が
小さいものはあったが、これらは全て凝集体であった。
本発明品のように一次粒子の成長を抑えた微細な分散品
は、従来品に比べて各分野で次のような特性がより一層
期待できる。第1は、ゴムの分野で、引張強度等の補強
効果が期待できる。第2は、プラスチックの分野で、各
プラスチックで衝撃強度等の強度物性が向上する。ま
た、フィルムの分野では、ブロッキング材としての利
用、透明性の付与等がある。第3は、塗料の分野で、増
粘剤、タレ防止、顔料沈降防止の用途に使用できる。第
4は、シーリング材の分野で、施工時のスランプ防止、
シーラント自体の強度物性向上が期待できる。第5は、
PVCペーストの分野で、施工時のスランプ、スリップ
防止、PVCペースト自体の強度物性向上、PVCペー
スト自体の軽量化(少量で従来品と同等以上のチキソ
性、強度物性を発揮するため)が期待できる。第6は、
この他の分野で、食品用添加剤、農薬、製紙等がある。
以上各分野での使用に際しては、必要に応じて、有機
物、無機物で当炭酸カルシウムをコーティングして、そ
の特性をより一層効果的に引出すことができることは言
うまでもないことである。
【0019】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0020】実施例1 石灰石を焼成して得られたCaOに水を加えてCa(O
H)2 の水スラリーを得た。このスラリーのCa(O
H)2 固形分濃度は120g/Lであった。このスラリ
ー20Lに、前記の石灰石を焼成した時に得られたCO
2 ガスをCO2 濃度30%にして15000L/hrの
流速で導入した。このようにして生成させたCaCO3
を電子顕微鏡で確認すると、一次粒子径が0.03μm
で強く凝集したコロイド炭酸カルシウムであった。また
BET比表面積は25m2/gであり、光透過法による粒
度分布測定値はD50が2.50μmであった。スラリー
の粘度は50cpであった。この炭酸カルシウムスラリ
ーにH3 PO4 を炭酸カルシウム固形分に対して0.3
重量%添加し、スラリーを50℃に加温し、pH10.
5に設定して2日間タンクの中で攪拌した。得られた炭
酸カルシウムの電子顕微鏡による粒子径、BET比表面
積、光透過法による粒度分布(D50)、及びスラリー粘
度(BH型粘度計値)の各値を表1に示す。
【0021】実施例2 実施例1でリン酸の添加量を1.0にすること以外は全
て実施例1と同様に操作し、得られた炭酸カルシウムの
特性を実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1に
示す。
【0022】実施例3 実施例1で分散時のスラリーのpHを8.5にすること
以外は全て実施例1と同様に操作し、得られた炭酸カル
シウムの特性を実施例1と同様の方法で測定した。結果
を表1に示す。
【0023】実施例4 実施例1で分散時のスラリーのpHを11.8にするこ
と以外は全て実施例1と同様に操作し、得られた炭酸カ
ルシウムの特性を実施例1と同様の方法で測定した。結
果を表1に示す。
【0024】実施例5 実施例1で分散時のスラリーの温度を18℃とすること
以外は全て実施例1と同様に操作し、得られた炭酸カル
シウムの特性を実施例1と同様の方法で測定した。結果
を表1に示す。
【0025】比較例1 実施例1でリン酸を添加しない以外は全て実施例1と同
様に操作し、得られた炭酸カルシウムの特性を実施例1
と同様の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0026】比較例2 実施例1でリン酸を0.005重量%添加すること以外
は全て実施例1と同様に操作し、得られた炭酸カルシウ
ムの特性を実施例1と同様の方法で測定した。結果を表
1に示す。
【0027】比較例3 実施例1でリン酸を10.0重量%添加すること以外は
全て実施例1と同様に操作し、得られた炭酸カルシウム
の特性を実施例1と同様の方法で測定した。結果を表1
に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1の結果から明かなように、特定量のリ
ン酸又はリン酸化合物を添加して分散させることによ
り、一次粒子を成長させることなく分散させることがで
きる。また、リン酸又はリン酸化合物を添加するととも
に、温度及び/又はpHを特定の範囲に調整することに
より、一層良好な分散効果が得られる。尚、比較例3で
BET比表面積が大きくなっているのは、炭酸カルシウ
ムとリン酸とが反応して表面が多孔質になったためと考
えられる。
【0030】
【発明の効果】叙上のとおり、本発明によれば沈降性炭
酸カルシウムの一次粒子を成長させることなく分散させ
ることができ、ゴム、プラスチック、製紙、塗料、顔
料、シーラント、PVCペースト、食品用添加剤、医
薬、農薬等の広い分野で利用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C09K 3/10 C09K 3/10 Z (56)参考文献 特開 平6−40718(JP,A) 特開 昭54−35897(JP,A) 特開 昭53−56174(JP,A) 特開 昭55−16031(JP,A) 特開 昭60−90819(JP,A) 特開 昭54−18498(JP,A) 特開 昭49−34500(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01F 11/18 C08K 3/26 C08L 21/00 C09D 7/12 C09K 3/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石灰乳に炭酸ガスを導入して一次粒子径
    が0.1μm以下の炭酸カルシウムスラリーを生成さ
    せ、次いで該スラリーにオルトリン酸及びその塩からな
    る群より選ばれる少なくとも1種を炭酸カルシウム固形
    分に対して0.01〜5重量%添加し、該スラリーの温
    度を25℃以上に調整して攪拌することを特徴とする沈
    降性合成炭酸カルシウムの製造方法。
  2. 【請求項2】 炭酸カルシウムスラリーの温度を25〜
    80℃の範囲に調整する請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 炭酸カルシウムスラリーのpHを9.0
    〜11.5の範囲に調整する請求項1又は2記載の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 オルトリン酸の塩が、K3 PO4
    2 PO4 2HPO4 、Na2 HPO4 ・12H
    2 O又は(NH4)3 PO4 ・3H2 Oである請求項1記
    載の製造方法。
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