JP3141693B2 - シアル酸の9位をフッ素で置換したガングリオシドgm3類縁体及びその中間体 - Google Patents
シアル酸の9位をフッ素で置換したガングリオシドgm3類縁体及びその中間体Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生理活性糖脂質として
様々な生物学的現象を担っているガングリオシドの構成
成分として知られているシアル酸のC−9位の水酸基を
フッ素原子で置換したガングリオシドGM3類縁体に関
するものである。
様々な生物学的現象を担っているガングリオシドの構成
成分として知られているシアル酸のC−9位の水酸基を
フッ素原子で置換したガングリオシドGM3類縁体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ガングリオシドはシアル酸を持つスフィ
ンゴシン糖脂質の総称で、親水性の糖部分と疎水性のセ
ラミド部分からなる両親媒性分子である。その構造、特
に糖鎖構造の違いにより、例えばGM1、GM2、GM3、GM4、
GD2、GD3、GT2、GT3、GT1b等の略名が付けられており、
生体膜構造の微量成分として各組織に偏在している。近
年、ガングリオシドが種々の細菌毒素、ホルモン、イン
ターフェロン、神経伝達物質、インフルエンザウィルス
の受容体分子として、基本的役割を担っていることが明
らかにされてくるに伴い、注目を集めるようになった
〔鈴木康夫、生体の科学、38巻(4)332〜339
ページ(1987)〕。例えば、インフルエンザウイル
ス膜表面には、シアル酸を含む糖鎖を認識するヘマグル
チニンとシアリダーゼが存在し、これらはインフルエン
ザウイルスの動物細胞への吸着・侵入に大きな役割を果
たしている。この吸着・侵入のメカニズムを宿主側から
見る場合にウイルスの感染防御のための観点においてこ
れらは重要な構成成分である〔鈴木康夫、生化学、62
巻(4)231〜260ページ(1990)〕。 鈴木
らは、上記の観点より、様々なガングリオシド類縁体を
用いてインフルエンザノイラミニダーゼ活性に及ぼす影
響を調べており、興味深い結果を得ている〔鈴木等、グ
リココンジュゲート・ジャーナル(Glycoconjugate J.),
7ページ(1990)〕。このように、ウイルスノイ
ラミニダーゼと強く結合するが、基質とならない物質
は、本酵素の三次元的活性中心構造の解析に極めて有用
であるばかりでなくウイルス感染防御への道を開くもの
と期待されている。一方、ガングリオシドにおいて部分
アセチル化されたシアル酸は、シアリダーゼの作用から
保護されており、ヒトメラノーマの抗原性に癌性変化
を、また細胞多糖の抗原性にも変化を与える要因となり
うるとされている。またウイルスへの結合に重要な働き
をしているとされている。シアル酸は一群のノイラミン
酸誘導体の総称で、アミノ基の置換基としてアセチル基
及びグリコリル基を、水酸基の置換基としてアセチル
基、ラクチル基、リン酸エステル基、硫酸エステル基、
メチル基などを有しており、現在30種のシアル酸が発
見され、構造も決定されている。又、癌細胞の増殖や転
移のメカニズムにおいて、ガングリオシドが関与してい
ることが見い出されている。即ち天然のガングリオシド
GM3は細胞の増殖を抑制する性質があり、この作用を
癌細胞に選択的に働かすことが望まれている。さらに癌
の転移では癌細胞が血管内皮細胞に付着したり、血管の
外へ滲み出すこともガングリオシドの働きであることか
ら、癌細胞に対しては、転移を阻害する薬剤が望まれて
いる。シアル酸の及ぼす主要な機能として、1)複合糖
質や細胞膜に陰性荷電を与える。2)糖脂質、糖蛋白質
などのコンフォメーションへの影響。3)情報伝達。
4)抗原部位のマスキング作用などが挙げられ、シアル
酸の果たす役割は今後一層興味が持たれる。このよう
に、ガングリオシドは機能性分子として様々な生物学的
現象に関与しているわけであるが、このうち構成成分で
あるシアル酸は、その活性発現に大きな影響を及ぼして
いると考えられる。以上述べてきたように、シアル酸は
様々な生物学的現象を担っているガングリオシドの重要
な構成成分であり、その活性発現にシアル酸の構造が及
ぼす影響を調べるために有機化学的に修飾したシアル酸
を有する各種ガングリオシドを合成することが必要であ
る。そしてこのように合成された化合物によりガングリ
オシドの分子レベルでの機能の解明が求められる。
ンゴシン糖脂質の総称で、親水性の糖部分と疎水性のセ
ラミド部分からなる両親媒性分子である。その構造、特
に糖鎖構造の違いにより、例えばGM1、GM2、GM3、GM4、
GD2、GD3、GT2、GT3、GT1b等の略名が付けられており、
生体膜構造の微量成分として各組織に偏在している。近
年、ガングリオシドが種々の細菌毒素、ホルモン、イン
ターフェロン、神経伝達物質、インフルエンザウィルス
の受容体分子として、基本的役割を担っていることが明
らかにされてくるに伴い、注目を集めるようになった
〔鈴木康夫、生体の科学、38巻(4)332〜339
ページ(1987)〕。例えば、インフルエンザウイル
ス膜表面には、シアル酸を含む糖鎖を認識するヘマグル
チニンとシアリダーゼが存在し、これらはインフルエン
ザウイルスの動物細胞への吸着・侵入に大きな役割を果
たしている。この吸着・侵入のメカニズムを宿主側から
見る場合にウイルスの感染防御のための観点においてこ
れらは重要な構成成分である〔鈴木康夫、生化学、62
巻(4)231〜260ページ(1990)〕。 鈴木
らは、上記の観点より、様々なガングリオシド類縁体を
用いてインフルエンザノイラミニダーゼ活性に及ぼす影
響を調べており、興味深い結果を得ている〔鈴木等、グ
リココンジュゲート・ジャーナル(Glycoconjugate J.),
7ページ(1990)〕。このように、ウイルスノイ
ラミニダーゼと強く結合するが、基質とならない物質
は、本酵素の三次元的活性中心構造の解析に極めて有用
であるばかりでなくウイルス感染防御への道を開くもの
と期待されている。一方、ガングリオシドにおいて部分
アセチル化されたシアル酸は、シアリダーゼの作用から
保護されており、ヒトメラノーマの抗原性に癌性変化
を、また細胞多糖の抗原性にも変化を与える要因となり
うるとされている。またウイルスへの結合に重要な働き
をしているとされている。シアル酸は一群のノイラミン
酸誘導体の総称で、アミノ基の置換基としてアセチル基
及びグリコリル基を、水酸基の置換基としてアセチル
基、ラクチル基、リン酸エステル基、硫酸エステル基、
メチル基などを有しており、現在30種のシアル酸が発
見され、構造も決定されている。又、癌細胞の増殖や転
移のメカニズムにおいて、ガングリオシドが関与してい
ることが見い出されている。即ち天然のガングリオシド
GM3は細胞の増殖を抑制する性質があり、この作用を
癌細胞に選択的に働かすことが望まれている。さらに癌
の転移では癌細胞が血管内皮細胞に付着したり、血管の
外へ滲み出すこともガングリオシドの働きであることか
ら、癌細胞に対しては、転移を阻害する薬剤が望まれて
いる。シアル酸の及ぼす主要な機能として、1)複合糖
質や細胞膜に陰性荷電を与える。2)糖脂質、糖蛋白質
などのコンフォメーションへの影響。3)情報伝達。
4)抗原部位のマスキング作用などが挙げられ、シアル
酸の果たす役割は今後一層興味が持たれる。このよう
に、ガングリオシドは機能性分子として様々な生物学的
現象に関与しているわけであるが、このうち構成成分で
あるシアル酸は、その活性発現に大きな影響を及ぼして
いると考えられる。以上述べてきたように、シアル酸は
様々な生物学的現象を担っているガングリオシドの重要
な構成成分であり、その活性発現にシアル酸の構造が及
ぼす影響を調べるために有機化学的に修飾したシアル酸
を有する各種ガングリオシドを合成することが必要であ
る。そしてこのように合成された化合物によりガングリ
オシドの分子レベルでの機能の解明が求められる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はインフルエン
ザウイルスの感染阻害剤、癌細胞の増殖・転移阻害剤等
として有用なガングリオシドGM3類縁体およびその中
間体を提供することを目的とする。
ザウイルスの感染阻害剤、癌細胞の増殖・転移阻害剤等
として有用なガングリオシドGM3類縁体およびその中
間体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は機能性分子と
して知られているガングリオシドGM3を標的化合物と
してシアル酸部分をフッ素で化学修飾した各種ガングリ
オシド類縁体を合成することを目的として研究を行った
結果、シアル酸部分をフッ素で修飾したガングリオシド
GM3類縁体の合成に成功して本発明を完成させた。す
なわち本発明は一般式:
して知られているガングリオシドGM3を標的化合物と
してシアル酸部分をフッ素で化学修飾した各種ガングリ
オシド類縁体を合成することを目的として研究を行った
結果、シアル酸部分をフッ素で修飾したガングリオシド
GM3類縁体の合成に成功して本発明を完成させた。す
なわち本発明は一般式:
【化7】 (式中、Rは脂肪族の低級アシル基を表し、R1は水素
原子または低級アルキル基を表し、R2〜R5は独立に水
素原子または脂肪族の低級アシル基若しくは芳香族アシ
ル基を表し、R11は直鎖または分枝の、飽和または不飽
和の1〜30個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を
表し、nは0〜20の整数である。ただしR1が水素原
子である時はR2〜R5は水素原子であり、R1が低級ア
ルキル基である時はR2〜R5は脂肪族の低級アシル基ま
たは芳香族アシル基である。)で表されるシアル酸の9
位をフッ素で置換したガングリオシドGM3類縁体を要
旨とする。本発明は上記一般式(I)で表される化合物の
中間体である一般式:
原子または低級アルキル基を表し、R2〜R5は独立に水
素原子または脂肪族の低級アシル基若しくは芳香族アシ
ル基を表し、R11は直鎖または分枝の、飽和または不飽
和の1〜30個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を
表し、nは0〜20の整数である。ただしR1が水素原
子である時はR2〜R5は水素原子であり、R1が低級ア
ルキル基である時はR2〜R5は脂肪族の低級アシル基ま
たは芳香族アシル基である。)で表されるシアル酸の9
位をフッ素で置換したガングリオシドGM3類縁体を要
旨とする。本発明は上記一般式(I)で表される化合物の
中間体である一般式:
【化8】 (式中、R6はN3基またはNH2基を表し、R、R1、R
2〜R5およびnは上に定義したとおりである。ただしR
1が水素原子である時はR2〜R5は水素原子であり、R1
が低級アルキル基である時はR2〜R5は脂肪族の低級ア
シル基または芳香族アシル基である。)で表される化合
物をも要旨とする。本発明はまた上記一般式(II)で表
される化合物の中間体である一般式:
2〜R5およびnは上に定義したとおりである。ただしR
1が水素原子である時はR2〜R5は水素原子であり、R1
が低級アルキル基である時はR2〜R5は脂肪族の低級ア
シル基または芳香族アシル基である。)で表される化合
物をも要旨とする。本発明はまた上記一般式(II)で表
される化合物の中間体である一般式:
【化9】 (式中、R1aは低級アルキル基を表し、R7は水酸基、
フッ素原子または−OC(=NH)CCl3基を表し、Rお
よびR2〜R4は上に定義したとおりである。ただしR7
がフッ素原子または−OC(=NH)CCl3基である時
は、R2〜R4は脂肪族の低級アシル基または芳香族アシ
ル基である。)で表される化合物をも要旨とする。本発
明はまた上記一般式(III)で表される化合物の中間体
である一般式:
フッ素原子または−OC(=NH)CCl3基を表し、Rお
よびR2〜R4は上に定義したとおりである。ただしR7
がフッ素原子または−OC(=NH)CCl3基である時
は、R2〜R4は脂肪族の低級アシル基または芳香族アシ
ル基である。)で表される化合物をも要旨とする。本発
明はまた上記一般式(III)で表される化合物の中間体
である一般式:
【化10】 (式中、TASはトリアルキルシリル基を表し、R、R
1aおよびR2〜R4は上に定義したとおりである。)で表
される化合物をも要旨とする。
1aおよびR2〜R4は上に定義したとおりである。)で表
される化合物をも要旨とする。
【0005】本発明において低級アルキル基とは1〜4
個の炭素原子を有するアルキル基を言う。また脂肪族の
低級アシル基とは1〜4個の炭素原子を有する脂肪族の
アシル基を言い、芳香族アシル基とは6〜8個の炭素原
子を有する芳香族アシル基を言う。またトリアルキルシ
リル基においてアルキル基は1〜4個の炭素原子を有す
る。
個の炭素原子を有するアルキル基を言う。また脂肪族の
低級アシル基とは1〜4個の炭素原子を有する脂肪族の
アシル基を言い、芳香族アシル基とは6〜8個の炭素原
子を有する芳香族アシル基を言う。またトリアルキルシ
リル基においてアルキル基は1〜4個の炭素原子を有す
る。
【0006】本発明のフッ素置換ガングリオシドGM3
類縁体は上記した化学構造から見られる通り、シアル酸
誘導体部分、ラクトース部分およびセラミド部分から構
成され、シアル酸の9位の水酸基をフッ素化したものに
相当する。そして、本発明者はこのガングリオシドGM
3誘導体について、フッ素含有シアル酸誘導体のチオア
ルキル体をはじめに合成し、これをラクトースの2,6,6'
-トリアシル化物と縮合させてシアリルラクトース誘導
体とした後にセラミド部分を導入する反応工程によって
製造した。以下に本発明のフッ素置換ガングリオシドG
M3類縁体を製造する方法について説明する。
類縁体は上記した化学構造から見られる通り、シアル酸
誘導体部分、ラクトース部分およびセラミド部分から構
成され、シアル酸の9位の水酸基をフッ素化したものに
相当する。そして、本発明者はこのガングリオシドGM
3誘導体について、フッ素含有シアル酸誘導体のチオア
ルキル体をはじめに合成し、これをラクトースの2,6,6'
-トリアシル化物と縮合させてシアリルラクトース誘導
体とした後にセラミド部分を導入する反応工程によって
製造した。以下に本発明のフッ素置換ガングリオシドG
M3類縁体を製造する方法について説明する。
【0007】本発明の一般式(I)で表されるフッ素置換
ガングリオシドGM3類縁体を製造するための出発物質
としては、例えば9-デオキシ-9-フルオロ-N-アセチル-
ノイラミン酸を用いる。この化合物は例えばカーボハイ
ドレート・リサーチ(Carbohydrate Research) , 175
巻(1988)25〜34ページに記載された方法に準
じて容易に合成することができる。すなわち、ベンジル
-2-アセトアミド-2-デオキシ-α-D-グルコピラノシド
(シグマ社より入手できる)を出発原料として1)6-O-
トリチル化 2)3,4-ジ-O-ベンジル化さらに 3)6位の
脱トリチル化を行った後、4)ジエチルアミノサルファ
トリフルオリドと反応させてベンジル-2-アセトアミド
-2,6-ジデオキシ-3,4-ジ-O-ベンジル-α-D-グルコピラ
ノシドとして、水素でパラジウム炭素触媒を用いて脱ベ
ンジルを行い、2-アセトアミド-2,6-ジデオキシ-6-フル
オロ-O-グルコースとする。これを水溶液中でpH11
で異性化を行うと約20%がアセトアミド-2,6-ジデオ
キシ-6-フルオロ-マンノースに変わる。 この混合物をピルビン酸ナトリウムの存在下、N-アセチ
ル-ノイラミン酸アルドラーゼの作用によって9-デオキ
シ-9-フルオロ-N-アセチル-ノイラミン酸に変換し、イ
オン変換樹脂で分離する。先ずこの化合物の1位のカル
ボン酸部分をアルコールによってエステル化して、一般
式:
ガングリオシドGM3類縁体を製造するための出発物質
としては、例えば9-デオキシ-9-フルオロ-N-アセチル-
ノイラミン酸を用いる。この化合物は例えばカーボハイ
ドレート・リサーチ(Carbohydrate Research) , 175
巻(1988)25〜34ページに記載された方法に準
じて容易に合成することができる。すなわち、ベンジル
-2-アセトアミド-2-デオキシ-α-D-グルコピラノシド
(シグマ社より入手できる)を出発原料として1)6-O-
トリチル化 2)3,4-ジ-O-ベンジル化さらに 3)6位の
脱トリチル化を行った後、4)ジエチルアミノサルファ
トリフルオリドと反応させてベンジル-2-アセトアミド
-2,6-ジデオキシ-3,4-ジ-O-ベンジル-α-D-グルコピラ
ノシドとして、水素でパラジウム炭素触媒を用いて脱ベ
ンジルを行い、2-アセトアミド-2,6-ジデオキシ-6-フル
オロ-O-グルコースとする。これを水溶液中でpH11
で異性化を行うと約20%がアセトアミド-2,6-ジデオ
キシ-6-フルオロ-マンノースに変わる。 この混合物をピルビン酸ナトリウムの存在下、N-アセチ
ル-ノイラミン酸アルドラーゼの作用によって9-デオキ
シ-9-フルオロ-N-アセチル-ノイラミン酸に変換し、イ
オン変換樹脂で分離する。先ずこの化合物の1位のカル
ボン酸部分をアルコールによってエステル化して、一般
式:
【化13】 (式中、Rは脂肪族の低級アシル基を表し、R1aは低級
アルキル基を表す。)で表される化合物を得る。エステ
ル化反応は次のように行う。例えばメチルエステルの場
合には無水メタノールに、五酸化ニリンの存在下で真空
デシケータ中で1晩乾燥させた陽イオン交換樹脂(H
+型)および上記化合物を加えて室温下で1〜6時間、好
ましくは2〜3時間撹拌し反応する。イオン交換樹脂を
濾過で除き濃縮するとエステル化物が得られる。
アルキル基を表す。)で表される化合物を得る。エステ
ル化反応は次のように行う。例えばメチルエステルの場
合には無水メタノールに、五酸化ニリンの存在下で真空
デシケータ中で1晩乾燥させた陽イオン交換樹脂(H
+型)および上記化合物を加えて室温下で1〜6時間、好
ましくは2〜3時間撹拌し反応する。イオン交換樹脂を
濾過で除き濃縮するとエステル化物が得られる。
【0008】次に上記一般式(VI−1)で表される化
合物を塩化アセチル等の一般式R2aX(式中、R2aは脂
肪族低級アシル基または芳香族アシル基を表し、Xはハ
ロゲン原子を表す。)で表されるハロゲン化アシルと約
35℃で反応させて、4,7および8位の水酸基をアシ
ル化し、かつ2位のOH位をハロゲン化して一般式:
合物を塩化アセチル等の一般式R2aX(式中、R2aは脂
肪族低級アシル基または芳香族アシル基を表し、Xはハ
ロゲン原子を表す。)で表されるハロゲン化アシルと約
35℃で反応させて、4,7および8位の水酸基をアシ
ル化し、かつ2位のOH位をハロゲン化して一般式:
【化14】 (式中、R2aは脂肪族の低級アシル基または芳香族アシ
ル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、R、R1aは上に
定義したとおりである。)で表される化合物を得る。
ル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、R、R1aは上に
定義したとおりである。)で表される化合物を得る。
【0009】次に上記一般式(VI−2)で表される化
合物を無水ジクロロメタンに溶解し、氷冷下チオ酢酸、
次いでチオ酢酸カリウムを加え室温で反応させて2位の
ハロゲン原子をチオアセチル化して一般式:
合物を無水ジクロロメタンに溶解し、氷冷下チオ酢酸、
次いでチオ酢酸カリウムを加え室温で反応させて2位の
ハロゲン原子をチオアセチル化して一般式:
【化15】 (式中、Acはアセチル基を表し、R、R1a、R2aは上
に定義したとおりである。)で表される化合物を得る。
に定義したとおりである。)で表される化合物を得る。
【0010】次に上記一般式(VII)で表される化合
物をアルコール溶媒中でアルカリ金属アルコキシド、例
えばナトリウムメトキシドと低温下に反応させて溶媒を
留去すると、一般式:
物をアルコール溶媒中でアルカリ金属アルコキシド、例
えばナトリウムメトキシドと低温下に反応させて溶媒を
留去すると、一般式:
【化16】 (式中、R、R1a、R2aは上に定義したとおりであ
る。)で表される化合物が得られるのでこれをジメチル
ホルムアミド等の非プロトン性の適当な溶媒中でヨウ化
メチル等のヨウ化アルキルと室温又は若干加温下に反応
させ、常法により処理することで、一般式:
る。)で表される化合物が得られるのでこれをジメチル
ホルムアミド等の非プロトン性の適当な溶媒中でヨウ化
メチル等のヨウ化アルキルと室温又は若干加温下に反応
させ、常法により処理することで、一般式:
【化17】 (式中、R8aは低級アルキル基を表し、R、R1aおよび
R2aは上に定義したとおりである。)で表されるシアル
酸誘導体のチオアルキル体が得られる。
R2aは上に定義したとおりである。)で表されるシアル
酸誘導体のチオアルキル体が得られる。
【0011】上記のように調製したシアル酸誘導体のチ
オアルキル体の化合物は次いで、一般式:
オアルキル体の化合物は次いで、一般式:
【化18】 (式中、R4aは脂肪族低級アシル基または芳香族アシル
基を表し、TASはトリアルキルシリル基を表す。)で
表されるラクトースの2,6,6'−トリアシル体と縮合させ
る。一般式(IX)で表される化合物は、例えば特開平
3−101691号に記載の方法に準じて容易に合成す
ることができる。即ち、先ず2−(トリアルキルシリ
ル)エチル−β−D−ラクトシドをベンゼン、トルエ
ン、クロロホルム、ジクロロメタン等の非極性溶媒中、
酸化ジ−n−ブチルスズ、臭化テトラ−n−ブチルアン
モニウム及び臭化ベンジルにより3'位のみをベンジル
化し、ついでアシル化の定法に従い、例えばピリジン等
の塩基の存在下、アシル化剤(例えば、塩化ベンゾイル
等)を、必要に応じて冷却下に反応させ、2位、6位及
び6'位を選択的にアシル化し、その後、3'位のベンジ
ル基のみを脱離させると、一般式(IX)で表される化
合物が容易に得られる。縮合反応においては一般式(V
−1)で表されるシアル酸のチオアルキル体と一般式
(IX)で表されるラクトースの2,6,6'−トリアシ
ル体を無水プロピオニトリル等の溶媒に溶解した後、活
性化したモレキュラーシーブ4Aを加えてアルゴン雰囲
気下一晩撹拌する。その後低温に冷却し、N−ヨードス
クシンイミド、次いでトリフルオロメタンスルホン酸を
加え−45〜−40℃にて反応させる。この縮合の際、
プロピオニトリル溶媒中で縮合プロモーターとして、例
えばN−ヨードスクシンイミド及び触媒量のトリフルオ
ロメタンスルホン酸を用いることにより位置及び立体選
択的に、一般式:
基を表し、TASはトリアルキルシリル基を表す。)で
表されるラクトースの2,6,6'−トリアシル体と縮合させ
る。一般式(IX)で表される化合物は、例えば特開平
3−101691号に記載の方法に準じて容易に合成す
ることができる。即ち、先ず2−(トリアルキルシリ
ル)エチル−β−D−ラクトシドをベンゼン、トルエ
ン、クロロホルム、ジクロロメタン等の非極性溶媒中、
酸化ジ−n−ブチルスズ、臭化テトラ−n−ブチルアン
モニウム及び臭化ベンジルにより3'位のみをベンジル
化し、ついでアシル化の定法に従い、例えばピリジン等
の塩基の存在下、アシル化剤(例えば、塩化ベンゾイル
等)を、必要に応じて冷却下に反応させ、2位、6位及
び6'位を選択的にアシル化し、その後、3'位のベンジ
ル基のみを脱離させると、一般式(IX)で表される化
合物が容易に得られる。縮合反応においては一般式(V
−1)で表されるシアル酸のチオアルキル体と一般式
(IX)で表されるラクトースの2,6,6'−トリアシ
ル体を無水プロピオニトリル等の溶媒に溶解した後、活
性化したモレキュラーシーブ4Aを加えてアルゴン雰囲
気下一晩撹拌する。その後低温に冷却し、N−ヨードス
クシンイミド、次いでトリフルオロメタンスルホン酸を
加え−45〜−40℃にて反応させる。この縮合の際、
プロピオニトリル溶媒中で縮合プロモーターとして、例
えばN−ヨードスクシンイミド及び触媒量のトリフルオ
ロメタンスルホン酸を用いることにより位置及び立体選
択的に、一般式:
【化19】 (式中、R、R1a、R2a、R4aおよびTASは上に定義
したとおりである。)で表されるシアリルラクトース誘
導体を得ることができる。
したとおりである。)で表されるシアリルラクトース誘
導体を得ることができる。
【0012】このようにして得られたシアリルラクトー
ス誘導体の遊離の水酸基をアシル化して保護し、一般
式:
ス誘導体の遊離の水酸基をアシル化して保護し、一般
式:
【化20】 (式中、R3aは脂肪低級アシル基または芳香族のアシル
基を表し、R、R1a、R2a、R4aおよびTASは上に定
義したとおりである。)で表される化合物を得る。アシ
ル化は一般式(IV−1)で表される化合物を例えばピ
リジンに溶解してハロゲンアシル、酸無水物等と室温で
反応させることにより行う。
基を表し、R、R1a、R2a、R4aおよびTASは上に定
義したとおりである。)で表される化合物を得る。アシ
ル化は一般式(IV−1)で表される化合物を例えばピ
リジンに溶解してハロゲンアシル、酸無水物等と室温で
反応させることにより行う。
【0013】次に上記一般式(IV−2)で表される化
合物に三フッ化ホウ素・エーテルを作用させてグルコー
スの2位の(CH2)2TAS基を脱離させて一般式:
合物に三フッ化ホウ素・エーテルを作用させてグルコー
スの2位の(CH2)2TAS基を脱離させて一般式:
【化21】 (式中、RおよびR1a〜R4aは上に定義したとおりであ
る。)で表される化合物を得る。(CH2)TAS基の脱
離は例えば、一般式(IV−2)で表される化合物をジ
クロロメタンに溶解し、氷冷下三フッ化ホウ素・ジエチ
ルエーテルを滴下し、アルゴン雰囲気下で室温にて反応
させることにより行う。
る。)で表される化合物を得る。(CH2)TAS基の脱
離は例えば、一般式(IV−2)で表される化合物をジ
クロロメタンに溶解し、氷冷下三フッ化ホウ素・ジエチ
ルエーテルを滴下し、アルゴン雰囲気下で室温にて反応
させることにより行う。
【0014】次に上記一般式(III−1)で表される
化合物のグルコース残基部分のOHを活性化させるため
に同基をOC(=NH)CCl3基またはフッ素原子に変換
する。トリクロロアセトイミデート体とするには、例え
ば一般式(III−1)で表される化合物をアルゴン雰
囲気下ジクロロメタンに溶解し、−5℃に冷却下トリク
ロロアセトニトリルと1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]ウンデス−7−エンを加え氷冷下に反応させる。フ
ッ素体とするには例えば一般式(III−1)で表され
る化合物をジクロロメタン溶媒中で−10〜30℃、好
ましくは0〜10℃でジエチルアミノサルファトリフロ
オリドと反応させると得られる。かくして一般式:
化合物のグルコース残基部分のOHを活性化させるため
に同基をOC(=NH)CCl3基またはフッ素原子に変換
する。トリクロロアセトイミデート体とするには、例え
ば一般式(III−1)で表される化合物をアルゴン雰
囲気下ジクロロメタンに溶解し、−5℃に冷却下トリク
ロロアセトニトリルと1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]ウンデス−7−エンを加え氷冷下に反応させる。フ
ッ素体とするには例えば一般式(III−1)で表され
る化合物をジクロロメタン溶媒中で−10〜30℃、好
ましくは0〜10℃でジエチルアミノサルファトリフロ
オリドと反応させると得られる。かくして一般式:
【化22】 (式中、R7aは−OC(=NH)CCl3基またはフッ素原
子を表し、R、R1a〜R4aは上に定義したとおりであ
る。)で表される化合物を得る。
子を表し、R、R1a〜R4aは上に定義したとおりであ
る。)で表される化合物を得る。
【0015】次に上記一般式(III−2)で表される化
合物を一般式:
合物を一般式:
【化23】 (式中、R5は脂肪族低級アシル基または芳香族のアシ
ル基を表し、nは0〜20の整数である。)で表される
アジドスフィンゴシン誘導体と縮合させる。アジドスフ
ィンゴシン誘導体は例えばカーボハイドレート・リサー
チ(Carbohydrate Research)、202巻(1990)
177〜191ページに記載の方法に準じて、アジドス
フィンゴシンを合成し、この1位の一級水酸基を適当な
保護基、例えばトリフェニルメチル基等で保護した後、
例えば塩化ベンゾイル等の塩化アシルを用いて常法によ
り3位の水酸基を保護し、この後、例えば三フッ素ホウ
素・ジエチルエーテルで1位の脱保護を行うことにより
容易に得られる。縮合反応はR7aが−OC(=NH)CC
l3基の場合、例えば一般式(III−2)で表される化
合物と一般式(X)で表される化合物をジクロロメタン
に溶解し、活性化した粉末モレキュラーシーブ4Aを加
えてアルゴン雰囲気下で30分間攪拌し、次いで氷冷下
三フッ化ホウ素・ジエチルエーテルを滴下し、0℃で反
応させることにより行う。R7aがフッ素原子の場合は、
縮合反応は例えば一般式(III−2)で表される化合物
と一般式(X)で表される化合物をジクロロメタン中
で、塩化第一スズと過塩素酸銀の存在下で15〜25℃
で反応させることにより行う。かくして一般式:
ル基を表し、nは0〜20の整数である。)で表される
アジドスフィンゴシン誘導体と縮合させる。アジドスフ
ィンゴシン誘導体は例えばカーボハイドレート・リサー
チ(Carbohydrate Research)、202巻(1990)
177〜191ページに記載の方法に準じて、アジドス
フィンゴシンを合成し、この1位の一級水酸基を適当な
保護基、例えばトリフェニルメチル基等で保護した後、
例えば塩化ベンゾイル等の塩化アシルを用いて常法によ
り3位の水酸基を保護し、この後、例えば三フッ素ホウ
素・ジエチルエーテルで1位の脱保護を行うことにより
容易に得られる。縮合反応はR7aが−OC(=NH)CC
l3基の場合、例えば一般式(III−2)で表される化
合物と一般式(X)で表される化合物をジクロロメタン
に溶解し、活性化した粉末モレキュラーシーブ4Aを加
えてアルゴン雰囲気下で30分間攪拌し、次いで氷冷下
三フッ化ホウ素・ジエチルエーテルを滴下し、0℃で反
応させることにより行う。R7aがフッ素原子の場合は、
縮合反応は例えば一般式(III−2)で表される化合物
と一般式(X)で表される化合物をジクロロメタン中
で、塩化第一スズと過塩素酸銀の存在下で15〜25℃
で反応させることにより行う。かくして一般式:
【化24】 (式中、R、R1a〜R5aおよびnは上に定義したとおり
である。)で表される化合物を得る。
である。)で表される化合物を得る。
【0016】次いでこの化合物のアジト基をトリフェニ
ルホスフィン/水の系、または硫化水素/ピリジンの系
でアミノ基に還元することにより一般式:
ルホスフィン/水の系、または硫化水素/ピリジンの系
でアミノ基に還元することにより一般式:
【化25】 (式中、R、R1a〜R5aおよびnは上に定義したとおり
である。)で表される化合物を得る。
である。)で表される化合物を得る。
【0017】次いでこの化合物のアミノ基と一般式:
【化26】R11COOH (XI) (式中、R11は直鎖または分枝の、飽和または不飽和の
炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表す。)で表され
る化合物のカルボキシル基とを、ジシクロヘキシルカル
ボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド
(DIPC)、N−エチル−N'−3−ジメチルアミノ
プロピルカルボジイミド(WSCI)などの脱水試薬を
用いて縮合させてアミド結合を形成させて、一般式:
炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基を表す。)で表され
る化合物のカルボキシル基とを、ジシクロヘキシルカル
ボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド
(DIPC)、N−エチル−N'−3−ジメチルアミノ
プロピルカルボジイミド(WSCI)などの脱水試薬を
用いて縮合させてアミド結合を形成させて、一般式:
【化27】 (式中、R、R1a〜R5a、R11、nは上に定義したとお
りである。)で表される化合物を得る。この反応におい
て一般式(II−2)で表される化合物と一般式(X
I)で表される化合物とのモル比は1:0.5〜1:
2.0、好ましくは1:1〜1:1.1とする。また脱
水試薬は一般式(II−2)で表される化合物1モルに
対し、1〜2モル、好ましくは1〜1.1モル用いる。
好ましい溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム、
ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド等を例示でき
る。反応温度は通常15〜25℃である。反応終了後、
抽出、溶媒の溜去等の後処理を行い、必要に応じてカラ
ムクロマトグラフィで精製する。
りである。)で表される化合物を得る。この反応におい
て一般式(II−2)で表される化合物と一般式(X
I)で表される化合物とのモル比は1:0.5〜1:
2.0、好ましくは1:1〜1:1.1とする。また脱
水試薬は一般式(II−2)で表される化合物1モルに
対し、1〜2モル、好ましくは1〜1.1モル用いる。
好ましい溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム、
ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド等を例示でき
る。反応温度は通常15〜25℃である。反応終了後、
抽出、溶媒の溜去等の後処理を行い、必要に応じてカラ
ムクロマトグラフィで精製する。
【0018】次にかくして得られた一般式(I−1)に
よって表される化合物の水酸基およびカルボキシル基の
保護基を脱離させて、一般式:
よって表される化合物の水酸基およびカルボキシル基の
保護基を脱離させて、一般式:
【化28】 (式中、R、R11およびnは上に定義したとおりであ
る。)によって表される本発明のシアル酸の9位の水酸
基をフッ素原子で置換したガングリオシドGM3類縁体
を得る。この反応は例えば以下のようにして行う。即ち
無水のメタノール中に一般式(I−1)で表される化合
物を溶解し、2〜4倍等量のナトリウムメトキシドを加
えて室温から50℃で、30分から10時間反応させて
水酸基の保護基をはずし、次いで0℃に冷却して水を加
えて同温度で1〜6時間攪拌して、カルボキシル基の保
護基をはずす。陽イオン交換樹脂のH+型で脱塩後、セ
ファデックスLH−20を用いてカラム精製を行うと一
般式(I−2)で表されるシアル酸の9位をフッ素で置
換したガングリオシドGM3類縁体が得られる。
る。)によって表される本発明のシアル酸の9位の水酸
基をフッ素原子で置換したガングリオシドGM3類縁体
を得る。この反応は例えば以下のようにして行う。即ち
無水のメタノール中に一般式(I−1)で表される化合
物を溶解し、2〜4倍等量のナトリウムメトキシドを加
えて室温から50℃で、30分から10時間反応させて
水酸基の保護基をはずし、次いで0℃に冷却して水を加
えて同温度で1〜6時間攪拌して、カルボキシル基の保
護基をはずす。陽イオン交換樹脂のH+型で脱塩後、セ
ファデックスLH−20を用いてカラム精製を行うと一
般式(I−2)で表されるシアル酸の9位をフッ素で置
換したガングリオシドGM3類縁体が得られる。
【0019】なお一般式(IV−1)、(IV−2)、(I
II−1)、(III−2)、(II−1)および(II−
2)で表される化合物も上記と同様の条件でその水酸基
およびカルボキシル基の保護基を脱離させることができ
る。
II−1)、(III−2)、(II−1)および(II−
2)で表される化合物も上記と同様の条件でその水酸基
およびカルボキシル基の保護基を脱離させることができ
る。
【0020】上記したようにシアル酸は様々な生物学的
現象を担っているガングリオシドの重要な構成成分であ
り、その活性発現にシアル酸の構造が及ぼす影響を調べ
るために有機化学的にフッ素で修飾したシアル酸を有す
る各種ガングリオシドを合成することは有用である。本
発明によるフッ素置換したガングリオシドはノイラミニ
ダーゼに対する抵抗性が大きく、ガングリオシド分子の
生体中での代謝分解が妨げられるなどの他、細胞の認識
など生理活性面での機能がある。さらにインフルエンザ
ウイルスの感染阻害剤、癌細胞の増殖・転移阻害剤、白
血球あるいは癌細胞と血管壁との接着を阻害する物質な
どとしての実用的な医薬品の開発や臨床面への応用に対
しても有用である。
現象を担っているガングリオシドの重要な構成成分であ
り、その活性発現にシアル酸の構造が及ぼす影響を調べ
るために有機化学的にフッ素で修飾したシアル酸を有す
る各種ガングリオシドを合成することは有用である。本
発明によるフッ素置換したガングリオシドはノイラミニ
ダーゼに対する抵抗性が大きく、ガングリオシド分子の
生体中での代謝分解が妨げられるなどの他、細胞の認識
など生理活性面での機能がある。さらにインフルエンザ
ウイルスの感染阻害剤、癌細胞の増殖・転移阻害剤、白
血球あるいは癌細胞と血管壁との接着を阻害する物質な
どとしての実用的な医薬品の開発や臨床面への応用に対
しても有用である。
【0021】
【実施例】以下に実施例を具体的に説明するが、本発明
はこれら実施例により何ら限定されるものではない。以
下のスキームに従って本発明の9位をフッ素で置換した
ガングリオシド類縁体を合成した。
はこれら実施例により何ら限定されるものではない。以
下のスキームに従って本発明の9位をフッ素で置換した
ガングリオシド類縁体を合成した。
【0022】
【化29】
【0023】実施例1 メチル(5-アセタミド-3,5,9-トリデオキシ-9-フ
ルオロ-D-グリセロ-β-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシ
ド)ネート(以下、化合物(1)と略す)の合成9-デ
オキシ-9-フルオロ-N-アセチル-ノイラミン酸1.09g(
3.5mmol ) を無水メタノール100ml に溶解し、ダウエッ
クス50W - X8( 6.2g )を加え、アルゴン雰囲気下、室
温( 22℃ )で2.5時間撹拌した。デカンテーションで
溶液を分離後、不溶部をメタノール( 50ml x 3 )で洗
浄して、メタノール可溶部を合して減圧濃縮した。残渣
をメタノール - 酢酸エチルで再結晶し、化合物(1)
( 0.71g, 62.5% )を得た。
ルオロ-D-グリセロ-β-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシ
ド)ネート(以下、化合物(1)と略す)の合成9-デ
オキシ-9-フルオロ-N-アセチル-ノイラミン酸1.09g(
3.5mmol ) を無水メタノール100ml に溶解し、ダウエッ
クス50W - X8( 6.2g )を加え、アルゴン雰囲気下、室
温( 22℃ )で2.5時間撹拌した。デカンテーションで
溶液を分離後、不溶部をメタノール( 50ml x 3 )で洗
浄して、メタノール可溶部を合して減圧濃縮した。残渣
をメタノール - 酢酸エチルで再結晶し、化合物(1)
( 0.71g, 62.5% )を得た。
【0024】融点 128〜131.5℃ C12H20NO8F( 325.30 ) [α]D = + 21.0o( c 0.20, CHCl3 ) IRKBr maxcm-1 :3700〜3150( OH, NH ), 1750( エステル
),1650,1540( アミド ). 1H-NMR( D2O; TSP ) :δ 1.93( 1H, dd, J3a,4=11.7Hz,
J3a,3e=11.8Hz, H-3a ), 2.33( 1H, dd, J3e,4=4.9Hz,
J3a,3e=13.2Hz, H-3e ), 3.85(3H,s,CO2Me ). 19F-NMR( D2O; CFCl3 ) :δ - 208( dt, JF,9H=50.5Hz,
JF,8H=29.5Hz,1F, 9-F )
),1650,1540( アミド ). 1H-NMR( D2O; TSP ) :δ 1.93( 1H, dd, J3a,4=11.7Hz,
J3a,3e=11.8Hz, H-3a ), 2.33( 1H, dd, J3e,4=4.9Hz,
J3a,3e=13.2Hz, H-3e ), 3.85(3H,s,CO2Me ). 19F-NMR( D2O; CFCl3 ) :δ - 208( dt, JF,9H=50.5Hz,
JF,8H=29.5Hz,1F, 9-F )
【0025】実施例2 メチル(5-アセタミド-4,7,8-トリ-O-アセチル-2
-クロロ-3,5,9-トリデオキシ-9-フルオロ-D-グリセ
ロ-β-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド)ネート(以
下、化合物(2)と略す)の合成 化合物(1)3.40g( 10.5mmol ) を塩化アセチル100ml
に加えて、38℃で22.5時間撹拌した。TLC( クロロホル
ム:アセトン=7:3)で反応終了を確認後、30℃以下
で減圧濃縮し、得られた残渣を無水ベンゼンに溶かし減
圧濃縮して粗製の化合物(2)( 4.80g, 97.7% ) を得
た。
-クロロ-3,5,9-トリデオキシ-9-フルオロ-D-グリセ
ロ-β-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド)ネート(以
下、化合物(2)と略す)の合成 化合物(1)3.40g( 10.5mmol ) を塩化アセチル100ml
に加えて、38℃で22.5時間撹拌した。TLC( クロロホル
ム:アセトン=7:3)で反応終了を確認後、30℃以下
で減圧濃縮し、得られた残渣を無水ベンゼンに溶かし減
圧濃縮して粗製の化合物(2)( 4.80g, 97.7% ) を得
た。
【0026】C18H25NO10C1F( 469.86 ) IRKBr maxcm-1 :3700〜3150( NH ), 1750( エステル ),
1650,1540( アミド ). 1H-NMR( CDCl3; TMS ) :δ 1.92〜2.14( 12H, s, 3OAc,
NHAc ), 2.79( 1H, dd, J3e,4=4.8Hz, J3a,3e=13.9Hz,
H-3e ), 3.89( 3H, s, CO2Me ). 19F-NMR( CDCl3; CFCl3 ) :δ - 234( dt, JF,9H=50.0H
z, JF,8H=24.5Hz, 1F, 9-F )
1650,1540( アミド ). 1H-NMR( CDCl3; TMS ) :δ 1.92〜2.14( 12H, s, 3OAc,
NHAc ), 2.79( 1H, dd, J3e,4=4.8Hz, J3a,3e=13.9Hz,
H-3e ), 3.89( 3H, s, CO2Me ). 19F-NMR( CDCl3; CFCl3 ) :δ - 234( dt, JF,9H=50.0H
z, JF,8H=24.5Hz, 1F, 9-F )
【0027】実施例3 メチル(5-アセタミド-4,7,8-トリ-O-アセチル-2
-S-アセチル-3,5,9-トリデオキシ-9-フルオロ-2-
チオ-D-グリセロ-α-D--ガラクト-2-ノヌロピラノシ
ド)ネート(以下、化合物(3)と略す)の合成 化合物(2)338mg( 0.72mmol ) を無水ジクロロメタン
3ml に溶解し、氷冷下、チオ酢酸4μl ( 0.06mmol )次
いでチオ酢酸カリウム357mg( 3.13mmol )を加え、室温
で21時間攪拌した。TLC( クロロホルム:酢酸エチル=
1:1)で反応終了を確認後、濃縮し、残渣をクロロホ
ルムに溶解し、水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し
た。これを濾別し、クロロホルムで洗浄した後、濾液と
洗液を合して減圧濃縮した。得られた残渣をフラッシュ
クロマトグラフィー(溶出液:クロロホルム:酢酸エチ
ル=1:1)に供し、化合物(3)( 240mg, 65.4% )を
得た。
-S-アセチル-3,5,9-トリデオキシ-9-フルオロ-2-
チオ-D-グリセロ-α-D--ガラクト-2-ノヌロピラノシ
ド)ネート(以下、化合物(3)と略す)の合成 化合物(2)338mg( 0.72mmol ) を無水ジクロロメタン
3ml に溶解し、氷冷下、チオ酢酸4μl ( 0.06mmol )次
いでチオ酢酸カリウム357mg( 3.13mmol )を加え、室温
で21時間攪拌した。TLC( クロロホルム:酢酸エチル=
1:1)で反応終了を確認後、濃縮し、残渣をクロロホ
ルムに溶解し、水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し
た。これを濾別し、クロロホルムで洗浄した後、濾液と
洗液を合して減圧濃縮した。得られた残渣をフラッシュ
クロマトグラフィー(溶出液:クロロホルム:酢酸エチ
ル=1:1)に供し、化合物(3)( 240mg, 65.4% )を
得た。
【0028】C20H28NO11FS( 509.52 ) 1H-NMR( CDCl3; TMS ) :δ 1.88 ( s, 3H, NAc ), 1.94
( dd, 1H, J3a,3e=J3a,4=12.8Hz, H-3a ), 2.02,2.14,
2.17, 2.29( 4s, 12H, 3OAc, SAc ), 2.67( 1H, dd, J3
e,4= 4.6Hz, J3a,3e=13.0Hz, H-3e ), 3.80(3H,s,CO2Me
), 4.59( dd, 1H, J5,6=10.8Hz, J6,7=2.3Hz, H-6 ),
4.94( ddd, 1H, J3e,4=4.6Hz, J4,5=10.5Hz, J3a,4=11.
6Hz, H-4), 5.15( m, 1H, H-8 ), 5.48( d, 1H, J5,NH=
8.9Hz, NH ) 19F-NMR( CDCl3; CFCl3 ) :δ - 234( dt, JF,9H=50.5H
z, JF,8H=24.5Hz, 1F, 9-F )
( dd, 1H, J3a,3e=J3a,4=12.8Hz, H-3a ), 2.02,2.14,
2.17, 2.29( 4s, 12H, 3OAc, SAc ), 2.67( 1H, dd, J3
e,4= 4.6Hz, J3a,3e=13.0Hz, H-3e ), 3.80(3H,s,CO2Me
), 4.59( dd, 1H, J5,6=10.8Hz, J6,7=2.3Hz, H-6 ),
4.94( ddd, 1H, J3e,4=4.6Hz, J4,5=10.5Hz, J3a,4=11.
6Hz, H-4), 5.15( m, 1H, H-8 ), 5.48( d, 1H, J5,NH=
8.9Hz, NH ) 19F-NMR( CDCl3; CFCl3 ) :δ - 234( dt, JF,9H=50.5H
z, JF,8H=24.5Hz, 1F, 9-F )
【0029】実施例4 メチル(メチル 5-アセタミド-4,7,8-トリ-O-アセ
チル-3,5,9-トリデオキシ-9-フルオロ-2-チオ-D-
グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド)ネート
(以下、化合物(4)と略す)の合成 化合物(3)1.01g( 1.98mmol ) を無水メタノール25ml
に溶解し、- 40〜 -45℃にて、メタノール10ml に金属
ナトリウム34.6mg( 1.51mmol )を溶解して得た溶液を滴
下して、7分間撹拌した。その後、氷水冷却しながら真
空下濃縮し、よく乾燥した後、無水ジメチルホルムアミ
ド8ml に溶解し、ヨウ化メチル0.30ml( 4.8mmol ) を加
え、室温にて17時間撹拌した。減圧濃縮して得られた残
渣をカラムクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタ
ン:メタノール=100:1→90:1)に供し、化合物
(4)( 695mg, 72.9% )を得た。
チル-3,5,9-トリデオキシ-9-フルオロ-2-チオ-D-
グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド)ネート
(以下、化合物(4)と略す)の合成 化合物(3)1.01g( 1.98mmol ) を無水メタノール25ml
に溶解し、- 40〜 -45℃にて、メタノール10ml に金属
ナトリウム34.6mg( 1.51mmol )を溶解して得た溶液を滴
下して、7分間撹拌した。その後、氷水冷却しながら真
空下濃縮し、よく乾燥した後、無水ジメチルホルムアミ
ド8ml に溶解し、ヨウ化メチル0.30ml( 4.8mmol ) を加
え、室温にて17時間撹拌した。減圧濃縮して得られた残
渣をカラムクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタ
ン:メタノール=100:1→90:1)に供し、化合物
(4)( 695mg, 72.9% )を得た。
【0030】C19H28NO10FS( 481.51 ) [α]D = +36.5o( c 0.38, CHCl3 ) IRKBr maxcm-1 :3700〜3150, 3150〜2800, 1750, 1650,
1540. 1H-NMR( CDCl3; TMS ) :δ 1.88 ( s, 3H, NAc ), 1.99
( dd, 1H, J3a,3e=J3a,4=12.1Hz, H-3a ), 2.03,2.12,
2.16, 2.19( 4s, 12H, 3OAc, SAc ), 2.74( 1H, dd, J3
e,4= 4.7Hz, J3a,3e=12.7Hz, H-3e ), 3.84( dd, 1H, J
5,6=10.7Hz, J6,7=2.0Hz, H-6 ), 3.82(3H,s,CO2Me ),
4.12( ddd, 1H, J4,5= J5,6= J5,NH= 10.5Hz, H-5 ),
4.90( ddd,1H, J3e,4=4.6Hz, J4,5=10.4Hz, J3a,4=11.6
Hz, H-4 ), 5.3〜5.4( m, 2H, H-7, H-8 ), 5.13( d, 1
H, J5,NH=10.2Hz, NH ) 19F-NMR( CDCl3; CFCl3 ) :δ − 235( dt,
JF,9H=50.0Hz, JF,8H=23.5
Hz, 1F, 9−F )
1540. 1H-NMR( CDCl3; TMS ) :δ 1.88 ( s, 3H, NAc ), 1.99
( dd, 1H, J3a,3e=J3a,4=12.1Hz, H-3a ), 2.03,2.12,
2.16, 2.19( 4s, 12H, 3OAc, SAc ), 2.74( 1H, dd, J3
e,4= 4.7Hz, J3a,3e=12.7Hz, H-3e ), 3.84( dd, 1H, J
5,6=10.7Hz, J6,7=2.0Hz, H-6 ), 3.82(3H,s,CO2Me ),
4.12( ddd, 1H, J4,5= J5,6= J5,NH= 10.5Hz, H-5 ),
4.90( ddd,1H, J3e,4=4.6Hz, J4,5=10.4Hz, J3a,4=11.6
Hz, H-4 ), 5.3〜5.4( m, 2H, H-7, H-8 ), 5.13( d, 1
H, J5,NH=10.2Hz, NH ) 19F-NMR( CDCl3; CFCl3 ) :δ − 235( dt,
JF,9H=50.0Hz, JF,8H=23.5
Hz, 1F, 9−F )
【0031】
【化30】
【0032】実施例5 2−(トリメチルシリル)エチル O-(メチル 5-ア
セタミド-4,7,8-トリ-O-アセチル-3,5,9-トリデ
オキシ-9-フルオロ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノ
ヌロピラノシロネート)-(2→3)-O-(6-O-ベン
ゾイル-β-D-ガラクトピラノシル)-(1→4)-2,6-
ジ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシド(以下、化合
物(5)と略す)の合成 化合物(4)846mg( 1.76mmol ) と2-(トリメチルシ
リル)エチル O-(6-O-ベンゾイル-β-D-ガラクト
ピラノシル)-(1→4)-2,6-ジ-O-ベンゾイル-b-D
-グルコピラノシド(化合物(A)と略す)614mg( 0.81
mmol )を無水プロピオニトリル8ml に溶解した後、活性
化(真空下180℃で6時間乾燥)したモレキュラーシー
ブ4A( 3g )を加えアルゴン雰囲気下一晩撹拌した。
その後 - 45℃に冷却し、N-ヨードスクシンイミド1.08g
( 4.80mmol )次いで、トリフルオロメタンスルホン酸24
ml ( 0.27mmol )を加え、- 45〜- 40℃にて2時間撹拌
した。反応液をクロロホルムで希釈してからセライト濾
過し、不溶物をクロロホルムで洗浄した。濾液と洗液を
合して、有機層を5%炭酸水素ナトリウム水、水で洗浄
した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、これを濾別しク
ロロホルムで洗浄し、濾液と洗液を合して得られた残渣
をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチ
ル:ヘキサン=3:1)に供し、化合物(5)( 556m
g, 57.6% )を得た。
セタミド-4,7,8-トリ-O-アセチル-3,5,9-トリデ
オキシ-9-フルオロ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノ
ヌロピラノシロネート)-(2→3)-O-(6-O-ベン
ゾイル-β-D-ガラクトピラノシル)-(1→4)-2,6-
ジ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシド(以下、化合
物(5)と略す)の合成 化合物(4)846mg( 1.76mmol ) と2-(トリメチルシ
リル)エチル O-(6-O-ベンゾイル-β-D-ガラクト
ピラノシル)-(1→4)-2,6-ジ-O-ベンゾイル-b-D
-グルコピラノシド(化合物(A)と略す)614mg( 0.81
mmol )を無水プロピオニトリル8ml に溶解した後、活性
化(真空下180℃で6時間乾燥)したモレキュラーシー
ブ4A( 3g )を加えアルゴン雰囲気下一晩撹拌した。
その後 - 45℃に冷却し、N-ヨードスクシンイミド1.08g
( 4.80mmol )次いで、トリフルオロメタンスルホン酸24
ml ( 0.27mmol )を加え、- 45〜- 40℃にて2時間撹拌
した。反応液をクロロホルムで希釈してからセライト濾
過し、不溶物をクロロホルムで洗浄した。濾液と洗液を
合して、有機層を5%炭酸水素ナトリウム水、水で洗浄
した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、これを濾別しク
ロロホルムで洗浄し、濾液と洗液を合して得られた残渣
をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチ
ル:ヘキサン=3:1)に供し、化合物(5)( 556m
g, 57.6% )を得た。
【0033】C56H70NO24FSi( 1188.25 ) [α]D = +12.3°( c 0.64, CHCl3 ). IRKBr maxcm-1 :3600〜3100( OH, NH ), 1730, 1250( エ
ステル), 1670, 1540( アミド ), 860,840( Me3Si ), 7
10( フェニル ). 500MHz 1H-NMR( CDCl3; TMS ) :ラクトースユニット :
δ 8.1〜7.2( m, 15H, 3Bz ), 5.36( dd, 1H, J1,2=8.
1Hz, J2,3=9.5Hz, H-2 ), 4.87( dd, 1H, Jgem=11.9Hz,
J5,6=2.9Hz, H-6 ), 4.65(d, 1H, J1,2=8.0Hz, H-1 ),
4.56( d, 1H, J1',2'=7.8Hz, H-1' ), 4.62( dd,1H, J
gem=11.9Hz, J5,6=2.9Hz, H-6 ), 3.68( m, 1H, 1H, CH
CH2SiMe3 ), 0.85( m, 2H, CH2 SiMe3 ), 0.00(s, 9H,
Me3 Si ) シアル酸ユニット : δ 5.22( dd, 1H, J6,7=1.7Hz, J
7,8=9.3Hz, H-7 ), 3.81(s, 3H, CO2Me ), 2.70( dd, 1
H, J3a,3e=12.5Hz, J3e,4=5.6Hz, H-3e), 2.04,2.08,
2.16( 3s, 9H, 3OAc ), 1.90( s, 3H, NAc). 19F-NMR( CDCl3; CFCl3 ) :δ - 234( m, 1F, 9-F ).
ステル), 1670, 1540( アミド ), 860,840( Me3Si ), 7
10( フェニル ). 500MHz 1H-NMR( CDCl3; TMS ) :ラクトースユニット :
δ 8.1〜7.2( m, 15H, 3Bz ), 5.36( dd, 1H, J1,2=8.
1Hz, J2,3=9.5Hz, H-2 ), 4.87( dd, 1H, Jgem=11.9Hz,
J5,6=2.9Hz, H-6 ), 4.65(d, 1H, J1,2=8.0Hz, H-1 ),
4.56( d, 1H, J1',2'=7.8Hz, H-1' ), 4.62( dd,1H, J
gem=11.9Hz, J5,6=2.9Hz, H-6 ), 3.68( m, 1H, 1H, CH
CH2SiMe3 ), 0.85( m, 2H, CH2 SiMe3 ), 0.00(s, 9H,
Me3 Si ) シアル酸ユニット : δ 5.22( dd, 1H, J6,7=1.7Hz, J
7,8=9.3Hz, H-7 ), 3.81(s, 3H, CO2Me ), 2.70( dd, 1
H, J3a,3e=12.5Hz, J3e,4=5.6Hz, H-3e), 2.04,2.08,
2.16( 3s, 9H, 3OAc ), 1.90( s, 3H, NAc). 19F-NMR( CDCl3; CFCl3 ) :δ - 234( m, 1F, 9-F ).
【0034】実施例6 2-(トリメチルシリル)エチル O-(メチル 5-アセ
タミド-4,7,8-トリ-O-アセチル-3,5,9-トリデオ
キシ-9-フルオロ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌ
ロピラノシロネート)-(2→3)-O-(2,4-ジ-O-
アセチル-6-O-ベンゾイル-β-D-ガラクトピラノシ
ル)-(1→4)-3-O-アセチル-2,6-ジ-O-ベンゾ
イル-β-D-グルコピラノシド(以下、化合物(6)と略
す)の合成 化合物(5)550mg( 0.46mmol ) をピリジン30ml に溶
解した後、無水酢酸15ml を加え室温にて一晩撹拌し
た。次いで、減圧濃縮で得られた残渣をフラッシュクロ
マトグラフィー(溶出液:酢酸エチル:ヘキサン=5:
1)に供し、化合物(6)( 461mg, 75.7% )を得た。 C62H76NO27FSi( 1314.36 ) [α]D = + 5.18°( c 0.89, CHCl3 ). IRKBr maxcm-1 :3380( NH ), 1750, 1230( エステル), 1
690, 1540( アミド ), 860, 840( Me3Si), 710( フェニ
ル ). 500MHz 1H-NMR( CDCl3; TMS ) :ラクトースユニット :
δ 8.2〜7.4( m, 15H, 3Bz ), 5.58(dd, 1H, J2,3=J
3,4=9.5Hz, H-3 ), 5.34( dd, 1H, H-4' ),5.11( dd,
1H, J1,2=7.9Hz, J2,3=9.5Hz, H-2 ), 4.90( d, 1H, J
1',2'=8.0Hz, H-1' ), 4.77( d, 1H, J1,2=7.9Hz, H-1
), 4.67( dd, 1H, J2',3'=10.3Hz, J3',4'=3.3Hz, H-
3' ), 3.68( m, 1H, 1H, CH CH2SiMe3 ), 0.95( m, 2H,
CH2 SiMe3 ), 0.00(s, 9H, Me3 Si ) シアル酸ユニット : δ 5.47( m, 1H, H-8 ), 5.32( d
d, 1H, J6,7=1.8Hz, J7,8=9.9Hz, H-7 ), 3.81( s, 3H,
CO2Me ), 2.69( dd, 1H, J3a,3e=12.6Hz, J3e,4=4.6H
z, H-3e), 2.07, 2.09, 2.11, 2.18, 2.22, 2.30( 6s,
18H, 6OAc ), 1.96( s, 3H, NAc ),.1.78( dd, 1H, J3
a,3e=J3a,4=12.4Hz, H-3a ). 19F-NMR( CDCl3; CFCl3 ) :δ - 234( dt, 1F, JF,8H=2
5.5Hz, JF,9H=50.5Hz, 9-F ).
タミド-4,7,8-トリ-O-アセチル-3,5,9-トリデオ
キシ-9-フルオロ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌ
ロピラノシロネート)-(2→3)-O-(2,4-ジ-O-
アセチル-6-O-ベンゾイル-β-D-ガラクトピラノシ
ル)-(1→4)-3-O-アセチル-2,6-ジ-O-ベンゾ
イル-β-D-グルコピラノシド(以下、化合物(6)と略
す)の合成 化合物(5)550mg( 0.46mmol ) をピリジン30ml に溶
解した後、無水酢酸15ml を加え室温にて一晩撹拌し
た。次いで、減圧濃縮で得られた残渣をフラッシュクロ
マトグラフィー(溶出液:酢酸エチル:ヘキサン=5:
1)に供し、化合物(6)( 461mg, 75.7% )を得た。 C62H76NO27FSi( 1314.36 ) [α]D = + 5.18°( c 0.89, CHCl3 ). IRKBr maxcm-1 :3380( NH ), 1750, 1230( エステル), 1
690, 1540( アミド ), 860, 840( Me3Si), 710( フェニ
ル ). 500MHz 1H-NMR( CDCl3; TMS ) :ラクトースユニット :
δ 8.2〜7.4( m, 15H, 3Bz ), 5.58(dd, 1H, J2,3=J
3,4=9.5Hz, H-3 ), 5.34( dd, 1H, H-4' ),5.11( dd,
1H, J1,2=7.9Hz, J2,3=9.5Hz, H-2 ), 4.90( d, 1H, J
1',2'=8.0Hz, H-1' ), 4.77( d, 1H, J1,2=7.9Hz, H-1
), 4.67( dd, 1H, J2',3'=10.3Hz, J3',4'=3.3Hz, H-
3' ), 3.68( m, 1H, 1H, CH CH2SiMe3 ), 0.95( m, 2H,
CH2 SiMe3 ), 0.00(s, 9H, Me3 Si ) シアル酸ユニット : δ 5.47( m, 1H, H-8 ), 5.32( d
d, 1H, J6,7=1.8Hz, J7,8=9.9Hz, H-7 ), 3.81( s, 3H,
CO2Me ), 2.69( dd, 1H, J3a,3e=12.6Hz, J3e,4=4.6H
z, H-3e), 2.07, 2.09, 2.11, 2.18, 2.22, 2.30( 6s,
18H, 6OAc ), 1.96( s, 3H, NAc ),.1.78( dd, 1H, J3
a,3e=J3a,4=12.4Hz, H-3a ). 19F-NMR( CDCl3; CFCl3 ) :δ - 234( dt, 1F, JF,8H=2
5.5Hz, JF,9H=50.5Hz, 9-F ).
【0035】実施例7 O-(メチル 5-アセタミド-4,7,8-トリ-O-アセチ
ル-3,5,9-トリデオキシ-9-フルオロ-D-グリセロ-α
-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシロネート)-(2→3)
-O-(2,4-ジ-O-アセチル-6-O-ベンゾイル-β-D-
ガラクトピラノシル)-(1→4)-3-O-アセチル-2,
6-ジ-O-ベンゾイル-D-グルコピラノシド(以下、化合
物(7)と略す)の合成 化合物(6)456mg( 0.35mmol ) を無水ジクロロメタン
10ml に溶解し、氷冷下三フッ化ホウ素・ジエチルエー
テル0.43ml ( 4.3mmol )を滴下し、アルゴン雰囲気下、
室温にて7時間撹拌した。ジクロロメタンで希釈し、5
%炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄した。無水硫酸
ナトリウムで乾燥後、濾別し、濾液を減圧濃縮した。得
られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:
酢酸エチル:ヘキサン=5:1)に供して化合物(7)
( 314mg, 74.6% )を得た。
ル-3,5,9-トリデオキシ-9-フルオロ-D-グリセロ-α
-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシロネート)-(2→3)
-O-(2,4-ジ-O-アセチル-6-O-ベンゾイル-β-D-
ガラクトピラノシル)-(1→4)-3-O-アセチル-2,
6-ジ-O-ベンゾイル-D-グルコピラノシド(以下、化合
物(7)と略す)の合成 化合物(6)456mg( 0.35mmol ) を無水ジクロロメタン
10ml に溶解し、氷冷下三フッ化ホウ素・ジエチルエー
テル0.43ml ( 4.3mmol )を滴下し、アルゴン雰囲気下、
室温にて7時間撹拌した。ジクロロメタンで希釈し、5
%炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄した。無水硫酸
ナトリウムで乾燥後、濾別し、濾液を減圧濃縮した。得
られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:
酢酸エチル:ヘキサン=5:1)に供して化合物(7)
( 314mg, 74.6% )を得た。
【0036】C57H64NO27F( 1214.12 ) [α]D = + 31.9°( c 1.08, CHCl3 ). IRKBr maxcm-1 :3600〜300( OH, NH ), 1750, 1230( エ
ステル), 1670, 1540( アミド ), 715(フェニル ). 19F-NMR( CDCl3; CFCl3 ) :δ − 234( dt,
1F, JF,8H=26.0Hz, JF,9H=
50.0Hz, 9−F ).
ステル), 1670, 1540( アミド ), 715(フェニル ). 19F-NMR( CDCl3; CFCl3 ) :δ − 234( dt,
1F, JF,8H=26.0Hz, JF,9H=
50.0Hz, 9−F ).
【0037】実施例8 O−(メチル 5-アセタミド-4,7,8-トリ-O-アセチ
ル-3,5,9-トリデオキシ-9-フルオロ-D-グリセロ-α
-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシロネート)-(2→3)
-O-(2,4-ジ-O-アセチル-6-O-ベンゾイル-β-D-
ガラクトピラノシル)-(1→4)-3-O-アセチル-2,
6-ジ-O-ベンゾイル-α-D-グルコピラノシルトリクロ
ロアセトイミデート(以下、化合物(8)と略す)の合
成 化合物(7)304mg( 0.25mmol )を、アルゴン雰囲気下
無水ジクロロメタン3mlに溶解し、- 5℃に冷却下トリク
ロロアセトニトリル0.75ml ( 7.5mmol )と1,8-ジアザ
ビシクロ〔5.4.0〕ウンデス-7-エン0.02ml ( 0.13m
mol )を加え、氷冷下にて2時間撹拌した。減圧濃縮し
て得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出
液:酢酸エチル:ヘキサン=5:1)に供して、化合物
(8)(206mg, 60.6% )を得た。
ル-3,5,9-トリデオキシ-9-フルオロ-D-グリセロ-α
-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシロネート)-(2→3)
-O-(2,4-ジ-O-アセチル-6-O-ベンゾイル-β-D-
ガラクトピラノシル)-(1→4)-3-O-アセチル-2,
6-ジ-O-ベンゾイル-α-D-グルコピラノシルトリクロ
ロアセトイミデート(以下、化合物(8)と略す)の合
成 化合物(7)304mg( 0.25mmol )を、アルゴン雰囲気下
無水ジクロロメタン3mlに溶解し、- 5℃に冷却下トリク
ロロアセトニトリル0.75ml ( 7.5mmol )と1,8-ジアザ
ビシクロ〔5.4.0〕ウンデス-7-エン0.02ml ( 0.13m
mol )を加え、氷冷下にて2時間撹拌した。減圧濃縮し
て得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出
液:酢酸エチル:ヘキサン=5:1)に供して、化合物
(8)(206mg, 60.6% )を得た。
【0038】C59H64N2O27FCl3( 1358.51 ) [α]D = + 37.7°( c 0.52, CHCl3 ). IRKBr maxcm-1 :3600〜3100( NH ), 1750,1230( エステ
ル), 1680,1540( アミド ), 710( フェニル). 500MHz 1H-NMR( CDCl3; TMS ) :ラクトースユニット :
δ 8.56( s, 1H, C=NH ), 8.1〜7.4( m, 15H, 3Bz ),
6.67( d, 1H, J1,2= 3.6Hz, H-1), 5.85( dd, 1H, J2,3
=J3,4=8.9Hz, H-3 ), 5.28( dd, 1H, J1,2=3.6Hz, J2,3
=8.9Hz, H-2), 5.06( dd, 1H, J1',2'=5.8Hz, J2',3'=
9.0Hz, H-2' ), 4.88( br. d, 1H, H-4' ), 4.58( dd,
1H, J2',3'= 9.0Hz,J3',4'=2.5Hz, H-3' ). シアル酸ユニット : δ 5.48( m, 1H, H-8 ), 5.43(
m, 1H, H-7 ), 3.74( s,3H, CO2Me ), 2.58( dd, 1H, J
3a,3e=12.8Hz, J3e,4=4.6Hz, H-3e ), 1.94, 2.00, 2.0
3, 2.05, 2.12, 2.19( 6s, 18H, 6OAc ), 1.84( s, 3H,
NAc ),.1.66( dd, 1H, J3a,3e=J3a,4=12.4Hz, H-3a ). 19F-NMR( CDCl3; CFCl3 ) :δ - 234( dt, 1F, JF,8H=2
6.5Hz, JF,9H=49.5Hz, 9-F ).
ル), 1680,1540( アミド ), 710( フェニル). 500MHz 1H-NMR( CDCl3; TMS ) :ラクトースユニット :
δ 8.56( s, 1H, C=NH ), 8.1〜7.4( m, 15H, 3Bz ),
6.67( d, 1H, J1,2= 3.6Hz, H-1), 5.85( dd, 1H, J2,3
=J3,4=8.9Hz, H-3 ), 5.28( dd, 1H, J1,2=3.6Hz, J2,3
=8.9Hz, H-2), 5.06( dd, 1H, J1',2'=5.8Hz, J2',3'=
9.0Hz, H-2' ), 4.88( br. d, 1H, H-4' ), 4.58( dd,
1H, J2',3'= 9.0Hz,J3',4'=2.5Hz, H-3' ). シアル酸ユニット : δ 5.48( m, 1H, H-8 ), 5.43(
m, 1H, H-7 ), 3.74( s,3H, CO2Me ), 2.58( dd, 1H, J
3a,3e=12.8Hz, J3e,4=4.6Hz, H-3e ), 1.94, 2.00, 2.0
3, 2.05, 2.12, 2.19( 6s, 18H, 6OAc ), 1.84( s, 3H,
NAc ),.1.66( dd, 1H, J3a,3e=J3a,4=12.4Hz, H-3a ). 19F-NMR( CDCl3; CFCl3 ) :δ - 234( dt, 1F, JF,8H=2
6.5Hz, JF,9H=49.5Hz, 9-F ).
【0039】
【化31】
【0040】実施例9 O-(メチル 5-アセタミド-4,7,8-トリ-O-アセチ
ル-3,5,9-トリデオキシ-9-フルオロ-D-グリセロ-α
-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシロネート)-(2→3)
-O-(2,4-ジ-O-アセチル-6-O-ベンゾイル-β-D-
ガラクトピラノシル)-(1→4)-O-(3-O-アセチ
ル-2,6-ジ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル)-
(1→1)-(2S,3R,4E)-2-アジド-3-ベンゾ
イルオキシ-4-オクタデセン-1,3-ジオール(以下、化
合物(9)と略す)の合成 化合物(8)205mg( 0.15mmol ) と(2S,3R,4E)
-2-アジド-3-ベンゾイルオキシ-4-オクタデセン-1,
3-ジオール(化合物(B)と略す)155mg( 0.36mmol )
をジクロロメタン8ml に溶解し、活性化(真空下180℃
で6時間乾燥)した粉末モレキュラーシーブ4A( 3.1g
)を加えて、アルゴン雰囲気下室温で30分間撹拌し
た。次いで氷冷下三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル43
μl ( 0.35mmol )を滴下し、0℃で2.5時間撹拌した。
反応液をジクロロメタンで希釈し、セライト濾過し、ジ
クロロメタン層を炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄
した。硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して得られた
残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エ
チル:ヘキサン=4:1)に供し、化合物(9)( 208m
g, 84.9% )を得た。
ル-3,5,9-トリデオキシ-9-フルオロ-D-グリセロ-α
-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシロネート)-(2→3)
-O-(2,4-ジ-O-アセチル-6-O-ベンゾイル-β-D-
ガラクトピラノシル)-(1→4)-O-(3-O-アセチ
ル-2,6-ジ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル)-
(1→1)-(2S,3R,4E)-2-アジド-3-ベンゾ
イルオキシ-4-オクタデセン-1,3-ジオール(以下、化
合物(9)と略す)の合成 化合物(8)205mg( 0.15mmol ) と(2S,3R,4E)
-2-アジド-3-ベンゾイルオキシ-4-オクタデセン-1,
3-ジオール(化合物(B)と略す)155mg( 0.36mmol )
をジクロロメタン8ml に溶解し、活性化(真空下180℃
で6時間乾燥)した粉末モレキュラーシーブ4A( 3.1g
)を加えて、アルゴン雰囲気下室温で30分間撹拌し
た。次いで氷冷下三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル43
μl ( 0.35mmol )を滴下し、0℃で2.5時間撹拌した。
反応液をジクロロメタンで希釈し、セライト濾過し、ジ
クロロメタン層を炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄
した。硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して得られた
残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エ
チル:ヘキサン=4:1)に供し、化合物(9)( 208m
g, 84.9% )を得た。
【0041】C82H101N4O29F( 1625.71 ) [α]D = - 2.6°( c 0.54, CHCl3 ). IRKBr maxcm-1 :3650〜3180( NH ), 2110( アジド ), 17
50,1230( エステル), 1690,1540( アミド ),710( フェ
ニル ). 500MHz 1H-NMR( CDCl3; TMS ) :ラクトースユニット :
δ 8.1〜7.3( m, 20H, 4Bz ), 5.26( dd, 1H, J1,2=7.8
Hz, J2,3=9.6Hz, H-2), 5.03( dd, 1H, J1',2'=8.0Hz,
J2',3'=10.1Hz, H-2' ),4.99( br. d, 1H, H-4' ), 4.7
9( d, 1H, J1',2'= 8.0Hz, H-1' ), 4.68( d, 1H, J1,2
=7.8Hz, H-1 ). シアル酸ユニット : δ 3.74( s, 3H, CO2Me ), 3.58(
dd, 1H, J5,6=10.9Hz, J6,7=2.0Hz, H-6 ), 2.57( dd,
1H, J3a,3e=12.4Hz, J3e,4=4.6Hz, H-3e ), 1.96, 1.9
9, 2.00, 2.06, 2.11, 2.18( 6s, 18H, 6OAc ), 1.85(
s, 3H, NAc ),.1.67( dd, 1H, J3a,3e=J3a,4= 12.4Hz,
H-3a ). スフィンゴシンユニット : δ 5.70( dt,
1H, J4,5=14.7Hz, J5,6=J5,
6’=8.2Hz,H−5 ), 1.2( m, 2
2H, 11CH2 ), 0.86( t, 3H,
J=5.7Hz, CH3 ). 19F−NMR( CDCl3; CFCl3 ) :
δ − 234( dt, 1F, JF,8H=2
5.5Hz, JF,9H=50.0Hz, 9−F
).
50,1230( エステル), 1690,1540( アミド ),710( フェ
ニル ). 500MHz 1H-NMR( CDCl3; TMS ) :ラクトースユニット :
δ 8.1〜7.3( m, 20H, 4Bz ), 5.26( dd, 1H, J1,2=7.8
Hz, J2,3=9.6Hz, H-2), 5.03( dd, 1H, J1',2'=8.0Hz,
J2',3'=10.1Hz, H-2' ),4.99( br. d, 1H, H-4' ), 4.7
9( d, 1H, J1',2'= 8.0Hz, H-1' ), 4.68( d, 1H, J1,2
=7.8Hz, H-1 ). シアル酸ユニット : δ 3.74( s, 3H, CO2Me ), 3.58(
dd, 1H, J5,6=10.9Hz, J6,7=2.0Hz, H-6 ), 2.57( dd,
1H, J3a,3e=12.4Hz, J3e,4=4.6Hz, H-3e ), 1.96, 1.9
9, 2.00, 2.06, 2.11, 2.18( 6s, 18H, 6OAc ), 1.85(
s, 3H, NAc ),.1.67( dd, 1H, J3a,3e=J3a,4= 12.4Hz,
H-3a ). スフィンゴシンユニット : δ 5.70( dt,
1H, J4,5=14.7Hz, J5,6=J5,
6’=8.2Hz,H−5 ), 1.2( m, 2
2H, 11CH2 ), 0.86( t, 3H,
J=5.7Hz, CH3 ). 19F−NMR( CDCl3; CFCl3 ) :
δ − 234( dt, 1F, JF,8H=2
5.5Hz, JF,9H=50.0Hz, 9−F
).
【0042】実施例10 O-(メチル 5-アセタミド-4,7,8-トリ-O-アセチ
ル-3,5,9-トリデオキシ-9-フルオロ-D-グリセロ-α
-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシロネート)-(2→3)
-O-(2,4-ジ-O-アセチル-6-O-ベンゾイル-β-D-
ガラクトピラノシル)-(1→4)-O-(3-O-アセチ
ル-2,6-ジ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル)-
(1→1)-(2S,3R,4E)-3-ベンゾイルオキシ-
2-テトラコサナミド-4-オクタデセン-1,3-ジオール
(以下、化合物(10)と略す)の合成 化合物(9)92mg( 0.06mmol ) をピリジン:水=5:
1の混合溶媒 12ml に溶解し、硫化水素ガスを吹き込み
ながら室温にて52時間撹拌したのち、減圧乾固した。
この残渣にジクロロメタン 4.5ml に溶解し、テトラコ
サン酸33mg( 0.09mmol )と1-エチル-3-(3-ジメチル-ア
ミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 50mg( 0.26mmol )
を加え、室温で一晩撹拌した。ジクロロメタン30ml で
希釈し水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、こ
れを濾別しジクロロメタンで洗浄して、減圧濃縮した。
得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出
液:酢酸エチル:ヘキサン=3:1)に供し、化合物
(10)( 52mg, 47.3% )を得た。
ル-3,5,9-トリデオキシ-9-フルオロ-D-グリセロ-α
-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシロネート)-(2→3)
-O-(2,4-ジ-O-アセチル-6-O-ベンゾイル-β-D-
ガラクトピラノシル)-(1→4)-O-(3-O-アセチ
ル-2,6-ジ-O-ベンゾイル-β-D-グルコピラノシル)-
(1→1)-(2S,3R,4E)-3-ベンゾイルオキシ-
2-テトラコサナミド-4-オクタデセン-1,3-ジオール
(以下、化合物(10)と略す)の合成 化合物(9)92mg( 0.06mmol ) をピリジン:水=5:
1の混合溶媒 12ml に溶解し、硫化水素ガスを吹き込み
ながら室温にて52時間撹拌したのち、減圧乾固した。
この残渣にジクロロメタン 4.5ml に溶解し、テトラコ
サン酸33mg( 0.09mmol )と1-エチル-3-(3-ジメチル-ア
ミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 50mg( 0.26mmol )
を加え、室温で一晩撹拌した。ジクロロメタン30ml で
希釈し水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、こ
れを濾別しジクロロメタンで洗浄して、減圧濃縮した。
得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(溶出
液:酢酸エチル:ヘキサン=3:1)に供し、化合物
(10)( 52mg, 47.3% )を得た。
【0043】C106H149N2O30F( 1950.34 ) [α]D = + 7.13°( c 1.15, CHCl3 ). IRKBr maxcm-1 :3600〜3200( NH ), 2920( メチル, メチ
レン ), 1750, 1230( エステル), 1650,1540( アミド
), 710( フェニル ). 500MHz 1H-NMR( CDCl3; TMS ) :ラクトースユニット :
δ 8.1〜7.3( m, 20H, 4Bz ),
5.19( dd, 1H, J1,2=7.9Hz,
J2,3=9.9Hz, H−2), 5.01(
dd, 1H, J1’,2’=8.0Hz, J
2’,3’=10.3Hz, H−2’ ),4.75
( d, 1H, J1’,2’=8.0Hz, H−
1’ ), 4.60( d, 1H, J1,2=
7.9Hz, H−1 ), 4.55(dd, 1
H, J2’,3’=10.3Hz, J3’,4’=
3.3Hz, H−3’ ). シアル酸ユニット : δ 3.74( s, 3H, CO2Me ), 3.6
3( dd, 1H, J5,6=10.9Hz, J6,7=2.4Hz, H-6 ), 2.57( d
d, 1H, J3a,3e=12.5Hz, J3e,4=4.6Hz, H-3e ), 1.98,
1.99, 2.00, 2.06, 2.10, 2.16( 6s, 18H, 6OAc ), 1.8
4( s, 3H, NAc ),.1.66( dd, 1H, J3a,3e=J3a,4= 12.5H
z, H-3a ). セラミドユニット : δ 5.76( dt, 1H, J4,5=15.3Hz, J
5,6=J5,6'= 6.9Hz, H-5), 5.26( d, 1H, JNH,2= 9.2Hz,
NH ), 1.2( m, 62H, 31CH2 ), 0.88( t, 6H, J=5.7Hz,
2CH3 ). 19F-NMR( CDCl3; CFCl3 ) :δ - 234( dt, 1F, JF,8H=2
6.0Hz, JF,9H=51.0Hz, 9-F ).
レン ), 1750, 1230( エステル), 1650,1540( アミド
), 710( フェニル ). 500MHz 1H-NMR( CDCl3; TMS ) :ラクトースユニット :
δ 8.1〜7.3( m, 20H, 4Bz ),
5.19( dd, 1H, J1,2=7.9Hz,
J2,3=9.9Hz, H−2), 5.01(
dd, 1H, J1’,2’=8.0Hz, J
2’,3’=10.3Hz, H−2’ ),4.75
( d, 1H, J1’,2’=8.0Hz, H−
1’ ), 4.60( d, 1H, J1,2=
7.9Hz, H−1 ), 4.55(dd, 1
H, J2’,3’=10.3Hz, J3’,4’=
3.3Hz, H−3’ ). シアル酸ユニット : δ 3.74( s, 3H, CO2Me ), 3.6
3( dd, 1H, J5,6=10.9Hz, J6,7=2.4Hz, H-6 ), 2.57( d
d, 1H, J3a,3e=12.5Hz, J3e,4=4.6Hz, H-3e ), 1.98,
1.99, 2.00, 2.06, 2.10, 2.16( 6s, 18H, 6OAc ), 1.8
4( s, 3H, NAc ),.1.66( dd, 1H, J3a,3e=J3a,4= 12.5H
z, H-3a ). セラミドユニット : δ 5.76( dt, 1H, J4,5=15.3Hz, J
5,6=J5,6'= 6.9Hz, H-5), 5.26( d, 1H, JNH,2= 9.2Hz,
NH ), 1.2( m, 62H, 31CH2 ), 0.88( t, 6H, J=5.7Hz,
2CH3 ). 19F-NMR( CDCl3; CFCl3 ) :δ - 234( dt, 1F, JF,8H=2
6.0Hz, JF,9H=51.0Hz, 9-F ).
【0044】実施例11 O-(5-アセタミド-3,5,9-トリデオキシ-9-フルオ
ロ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシロン
酸)-(2→3)-O-(β-D-ガラクトピラノシル)-
(1→4)-O-(β-D-グルコピラノシル)-(1→1)
-(2S,3R,4E)-2-テトラコサナミド-4-オクタ
デセン-1,3-ジオール(以下、化合物(11)と略
す)の合成 化合物(10)48mg( 0.025mmol ) を無水メタノール3m
l に溶解し、ナトリウムメトキシド11mg( 0.20mmol )を
加え室温にて15時間撹拌した後、氷冷してから水0.5m
l を加え、氷冷下1.5時間、さらに室温で2.5時間撹
拌した。T.L.C.(酢酸:ブタノール:水=2:1:1)
で反応終了を確認後、イオン交換樹脂IR-120(H+)のカラ
ムを通し(溶出液:メタノール)、減圧濃縮した。残渣
をセファデックスLH-20によるゲル濾過を行い(溶出
液:メタノール)、化合物(11)27mg( 86.5% )を得
た。
ロ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシロン
酸)-(2→3)-O-(β-D-ガラクトピラノシル)-
(1→4)-O-(β-D-グルコピラノシル)-(1→1)
-(2S,3R,4E)-2-テトラコサナミド-4-オクタ
デセン-1,3-ジオール(以下、化合物(11)と略
す)の合成 化合物(10)48mg( 0.025mmol ) を無水メタノール3m
l に溶解し、ナトリウムメトキシド11mg( 0.20mmol )を
加え室温にて15時間撹拌した後、氷冷してから水0.5m
l を加え、氷冷下1.5時間、さらに室温で2.5時間撹
拌した。T.L.C.(酢酸:ブタノール:水=2:1:1)
で反応終了を確認後、イオン交換樹脂IR-120(H+)のカラ
ムを通し(溶出液:メタノール)、減圧濃縮した。残渣
をセファデックスLH-20によるゲル濾過を行い(溶出
液:メタノール)、化合物(11)27mg( 86.5% )を得
た。
【0045】C65H119N2O20F( 1267.66 ) [α]D = + 1.32°( c 0.56, CHCl3 : MeOH = 1 : 1 ). RIKBr maxcm-1 :3700〜3300( OH, NH ), 2940, 2850( メ
チル, メチレン ), 1720( エステル), 1660, 1540( ア
ミド ). 500MHz 1H-NMR( CDCl3 - CD3OD = 1 : 1 ; TMS ) :ラク
トースユニット : δ 4.41( d, 1H, J1',2'=7.9Hz, H-
1' ), 4.29( d, 1H,J1,2=7.8Hz, H-1 ). シアル酸ユニット : δ 2.84( m, 1H, H-3e ), 2.04(
s, 3H, NAc ), セラミドユニット : δ 5.70( dt, 1H, J4,5=14.9Hz, J
5,6=J5,6'= 6.8Hz, H-5), 5.45( dd, 1H, J3,4= 7.4Hz,
J4,5=15.2Hz, H-4 ), 1.27( m, 62H, 31CH2 ),0.89(
t, 6H, J=6.6Hz, 2CH3 ). 19F-NMR( CDCl3 - CD3OD = 1 : 1 ; CFCl3 ) :δ - 234
( dt, 0.9F, JF,8H=26.0Hz, JF,9H= 51.0Hz, 9-F ), -
235( dt, 0.1F,.JF,8H=26.0Hz, JF,9H= 51.0Hz, 9-F ).
チル, メチレン ), 1720( エステル), 1660, 1540( ア
ミド ). 500MHz 1H-NMR( CDCl3 - CD3OD = 1 : 1 ; TMS ) :ラク
トースユニット : δ 4.41( d, 1H, J1',2'=7.9Hz, H-
1' ), 4.29( d, 1H,J1,2=7.8Hz, H-1 ). シアル酸ユニット : δ 2.84( m, 1H, H-3e ), 2.04(
s, 3H, NAc ), セラミドユニット : δ 5.70( dt, 1H, J4,5=14.9Hz, J
5,6=J5,6'= 6.8Hz, H-5), 5.45( dd, 1H, J3,4= 7.4Hz,
J4,5=15.2Hz, H-4 ), 1.27( m, 62H, 31CH2 ),0.89(
t, 6H, J=6.6Hz, 2CH3 ). 19F-NMR( CDCl3 - CD3OD = 1 : 1 ; CFCl3 ) :δ - 234
( dt, 0.9F, JF,8H=26.0Hz, JF,9H= 51.0Hz, 9-F ), -
235( dt, 0.1F,.JF,8H=26.0Hz, JF,9H= 51.0Hz, 9-F ).
【0046】
【発明の効果】本発明のよればシアル酸の9位をフッ素
原子で置換したガングリオシドGM3類縁体およびその
中間体が提供される。本発明の化合物はノイラミニダー
ゼに対する抵抗性が増大するため、ガングリオシド分子
の生体内での代謝分解が妨げられる他、細胞の認識など
生理活性面での機能がある。さらにインフルエンザウイ
ルスの阻害剤、癌細胞の増殖・転移阻害剤など実用的な
医薬品の開発や臨床面への応用に対しても有用である。
原子で置換したガングリオシドGM3類縁体およびその
中間体が提供される。本発明の化合物はノイラミニダー
ゼに対する抵抗性が増大するため、ガングリオシド分子
の生体内での代謝分解が妨げられる他、細胞の認識など
生理活性面での機能がある。さらにインフルエンザウイ
ルスの阻害剤、癌細胞の増殖・転移阻害剤など実用的な
医薬品の開発や臨床面への応用に対しても有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 15/04 A61K 31/702 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式: 【化1】 (式中、Rは脂肪族の低級アシル基を表し、R1は水素
原子または低級アルキル基を表し、R2〜R5は独立に水
素原子または脂肪族の低級アシル基若しくは芳香族アシ
ル基を表し、R11は直鎖または分枝の、飽和または不飽
和の1〜30個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を
表し、nは0〜20の整数である。ただしR1が水素原
子である時はR2〜R5は水素原子であり、R1が低級ア
ルキル基である時はR2〜R5は脂肪族の低級アシル基ま
たは芳香族アシル基である。)で表されるシアル酸の9
位をフッ素で置換したガングリオシドGM3類縁体。 - 【請求項2】 一般式: 【化2】 (式中、R6はN3基またはNH2基を表し、R、R1〜R
5およびnは請求項1で定義したとおりである。ただし
R1が水素原子である時はR2〜R5は水素原子であり、
R1が低級アルキル基である時はR2〜R5は脂肪族の低
級アシル基または芳香族アシル基である。)で表される
化合物。 - 【請求項3】 一般式: 【化3】 (式中、R1aは低級アルキル基を表し、R7は水酸基、
フッ素原子または−OC(=NH)CCl3基を表し、Rお
よびR2〜R4は請求項1で定義したとおりである。ただ
しR7がフッ素原子または−OC(=NH)CCl3基であ
る時は、R2〜R4は脂肪族の低級アシル基または芳香族
アシル基である。)で表される化合物。 - 【請求項4】 一般式: 【化4】 (式中、TASはトリアルキルシリル基を表し、R、R
1aおよびR2〜R4は請求項1で定義したとおりであ
る。)で表される化合物。
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