JP3037793B2 - 歯周病治療用素材 - Google Patents
歯周病治療用素材Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は歯周病治療用素材に関
し、殊に歯周疾患の外科的処置治療及びインプラント治
療時に行う骨増大術に際して有用なる素材を提供するこ
とを目的とするものである。
し、殊に歯周疾患の外科的処置治療及びインプラント治
療時に行う骨増大術に際して有用なる素材を提供するこ
とを目的とするものである。
【0002】
【従来の技術】歯周疾患により破壊された歯周組織の良
好な再生を行なう歯周外科処置方法については、従来よ
り歯根面の歯根膜由来細胞の増殖を促進し、上皮細胞、
歯肉由来細胞あるいは骨由来細胞の侵入を抑制すること
が有効であることが知られている。(Milcherら,J. Peri
odontol., 47,256(1976))このことから、その処置療方
法として、ミリポアフィルター(MILLIPORE FILTER,ミリ
ポア社商品名)によって、歯根面への上皮細胞等の侵入
を抑制し、歯根膜細胞の増殖に必要な空間を形成させる
方法がGTR法(Guided Tissue Regeneration法)として
知られている。(Nymanら,J. Clin. Periodontol.,9,290
(1982))また、この方法の臨床への応用例として、生体
内で非分解性である多孔性ポリテトラフルオロエチレン
膜(コ゛ア テックス膜,ゴア社商品名)が知られている。しかし
ながら、このGTR法は術式的に熟練が必要であり、ま
た一定期間後には再び術部の外科処置を行ない、術部に
埋入した膜を摘出する必要があるため、患部周辺への損
傷を生起し易い。このようなことから生体内へ埋入後に
於て再手術の必要がない、生体内分解性を有する膜材料
が所望されている。
好な再生を行なう歯周外科処置方法については、従来よ
り歯根面の歯根膜由来細胞の増殖を促進し、上皮細胞、
歯肉由来細胞あるいは骨由来細胞の侵入を抑制すること
が有効であることが知られている。(Milcherら,J. Peri
odontol., 47,256(1976))このことから、その処置療方
法として、ミリポアフィルター(MILLIPORE FILTER,ミリ
ポア社商品名)によって、歯根面への上皮細胞等の侵入
を抑制し、歯根膜細胞の増殖に必要な空間を形成させる
方法がGTR法(Guided Tissue Regeneration法)として
知られている。(Nymanら,J. Clin. Periodontol.,9,290
(1982))また、この方法の臨床への応用例として、生体
内で非分解性である多孔性ポリテトラフルオロエチレン
膜(コ゛ア テックス膜,ゴア社商品名)が知られている。しかし
ながら、このGTR法は術式的に熟練が必要であり、ま
た一定期間後には再び術部の外科処置を行ない、術部に
埋入した膜を摘出する必要があるため、患部周辺への損
傷を生起し易い。このようなことから生体内へ埋入後に
於て再手術の必要がない、生体内分解性を有する膜材料
が所望されている。
【0003】この生体内で分解性を有する膜材料に関し
ては、天然高分子であるコラーゲン膜あるいは合成高分
子である脂肪族ポリエステルである乳酸系重合体膜が知
られている。しかしながら、コラーゲン膜はその分解が
生体内酵素による酵素分解によって進行することから分
解速度が一定せず、またコラーゲン中に残存しているテ
ロペプタイドによって、生体組織反応を生じる問題があ
る。このことから、その分解がエステル結合の加水分解
が主反応であって、生体内分解性に定常性があり、また
分解生成物も一般に代謝系に存在する成分となる乳酸系
重合体の応用が最近では主流となっている。
ては、天然高分子であるコラーゲン膜あるいは合成高分
子である脂肪族ポリエステルである乳酸系重合体膜が知
られている。しかしながら、コラーゲン膜はその分解が
生体内酵素による酵素分解によって進行することから分
解速度が一定せず、またコラーゲン中に残存しているテ
ロペプタイドによって、生体組織反応を生じる問題があ
る。このことから、その分解がエステル結合の加水分解
が主反応であって、生体内分解性に定常性があり、また
分解生成物も一般に代謝系に存在する成分となる乳酸系
重合体の応用が最近では主流となっている。
【0004】このような乳酸系重合体を応用した材料と
して、L-乳酸重合体膜(Magnussonら,J. Periodontol.,5
9,1(1988))、10μmの孔を有する乳酸-グリコール酸共重
合体であるバイクリル メッシュ(Vicryl mesh,Polyglac
tin 910,エチコン社商品名)(Fleisherら,Int. J. Peri
o. Rest. Dent., 2,45(1988)),L-乳酸重合体膜及び乳
酸-グリコール酸共重合体膜(久保田ら,日歯周誌,31,870
(1989))等が知られており、これらの材料を用い保護膜
として使用することが報告されている。更に、特開平2-
63465号公報では、乳酸-グリコール酸共重合体、乳酸-
ε-カプロラクトン共重合体を素材とした材料を使用す
ることが知られている。
して、L-乳酸重合体膜(Magnussonら,J. Periodontol.,5
9,1(1988))、10μmの孔を有する乳酸-グリコール酸共重
合体であるバイクリル メッシュ(Vicryl mesh,Polyglac
tin 910,エチコン社商品名)(Fleisherら,Int. J. Peri
o. Rest. Dent., 2,45(1988)),L-乳酸重合体膜及び乳
酸-グリコール酸共重合体膜(久保田ら,日歯周誌,31,870
(1989))等が知られており、これらの材料を用い保護膜
として使用することが報告されている。更に、特開平2-
63465号公報では、乳酸-グリコール酸共重合体、乳酸-
ε-カプロラクトン共重合体を素材とした材料を使用す
ることが知られている。
【0005】しかしながら、これら乳酸系重合体材料
は、その膜が硬質であるため歯牙表面へ膜を固定するこ
とが非常に困難であり、歯牙面と膜との密着性に問題が
ある。従って、このような膜を装着することにより、上
皮細胞等の侵入や歯肉等の圧迫により、膜の離脱、剥離
等を生じ、前述のような保護膜として満足できるもので
はない。
は、その膜が硬質であるため歯牙表面へ膜を固定するこ
とが非常に困難であり、歯牙面と膜との密着性に問題が
ある。従って、このような膜を装着することにより、上
皮細胞等の侵入や歯肉等の圧迫により、膜の離脱、剥離
等を生じ、前述のような保護膜として満足できるもので
はない。
【0006】このように、歯根面への上皮細胞等の侵入
を抑制し、歯根膜細胞の増殖に必要な空間を形成させる
ための保護膜として、膜の離脱、剥離等を生じず、歯牙
面と膜との密着性が良好である優れた素材は未だ見い出
されていないのが現状である。
を抑制し、歯根膜細胞の増殖に必要な空間を形成させる
ための保護膜として、膜の離脱、剥離等を生じず、歯牙
面と膜との密着性が良好である優れた素材は未だ見い出
されていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは前
述の課題を解決すべく、歯周病治療用素材として生体内
分解性膜と歯牙との固定が容易であり、しかも上皮細胞
等の侵入や歯肉等の圧迫により膜の離脱、剥離等が生じ
ない密着性に優れた歯周病治療用素材を得るべく鋭意研
究を進めた結果、乳酸及び/又はグリコール酸の(共)重
合体にアルコールを含有せしめた成分からなる素材が、
優れた歯周病治療用素材となることを見い出し本発明に
到達したものである。
述の課題を解決すべく、歯周病治療用素材として生体内
分解性膜と歯牙との固定が容易であり、しかも上皮細胞
等の侵入や歯肉等の圧迫により膜の離脱、剥離等が生じ
ない密着性に優れた歯周病治療用素材を得るべく鋭意研
究を進めた結果、乳酸及び/又はグリコール酸の(共)重
合体にアルコールを含有せしめた成分からなる素材が、
優れた歯周病治療用素材となることを見い出し本発明に
到達したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、主構成成
分として、乳酸及び/又はグリコール酸の(共)重合体に
アルコールを含有せしめた成分からなる歯周病治療用素
材に関する。
分として、乳酸及び/又はグリコール酸の(共)重合体に
アルコールを含有せしめた成分からなる歯周病治療用素
材に関する。
【0009】
【作用】本発明の素材は、主構成成分として乳酸及び/
又はグリコール酸の(共)重合体にアルコールを含有せし
めた素材である。この本発明の素材は、前述の乳酸系重
合体からなる生体内分解性膜、即ち乳酸及び/又はグリ
コール酸の(共)重合体からなる膜素材と歯牙との間に充
填して使用することにより、生体内分解性膜の離脱、剥
離を生じず、その密着性を改善し、もって歯周組織を良
好に再生することを目的とする。
又はグリコール酸の(共)重合体にアルコールを含有せし
めた素材である。この本発明の素材は、前述の乳酸系重
合体からなる生体内分解性膜、即ち乳酸及び/又はグリ
コール酸の(共)重合体からなる膜素材と歯牙との間に充
填して使用することにより、生体内分解性膜の離脱、剥
離を生じず、その密着性を改善し、もって歯周組織を良
好に再生することを目的とする。
【0010】この素材の製造に使用する原料として、先
ず乳酸及び/又はグリコール酸の(共)重合体に関して
は、DL-乳酸の重合体、L-乳酸-グリコール酸の共重合
体、DL-乳酸-グリコール酸の共重合体、グリコール酸の
重合体を使用する。またこれら原料の内、乳酸とグリコ
ール酸の共重合体については、その組成はL-乳酸-グリ
コール酸の共重合体の場合には、L-乳酸含量は90〜15モ
ル%、DL-乳酸-グリコール酸の共重合体の場合には、DL
-乳酸含量は100〜10モル%の範囲のものを使用する。
ず乳酸及び/又はグリコール酸の(共)重合体に関して
は、DL-乳酸の重合体、L-乳酸-グリコール酸の共重合
体、DL-乳酸-グリコール酸の共重合体、グリコール酸の
重合体を使用する。またこれら原料の内、乳酸とグリコ
ール酸の共重合体については、その組成はL-乳酸-グリ
コール酸の共重合体の場合には、L-乳酸含量は90〜15モ
ル%、DL-乳酸-グリコール酸の共重合体の場合には、DL
-乳酸含量は100〜10モル%の範囲のものを使用する。
【0011】これらの乳酸及び/又はグリコール酸の
(共)重合体は、公知のいずれの方法で製造したものであ
ってもよい。例えば、乳酸、グリコール酸を窒素導入下
で直接脱水重縮合を行なう方法、或は乳酸、グリコール
酸を酸化亜鉛等の触媒の存在下でオリゴマーから環状二
量体を得た後、これをジエチル亜鉛、塩化スズ等の触媒
存在下で開環重合を行なうことにより得ることができ
る。
(共)重合体は、公知のいずれの方法で製造したものであ
ってもよい。例えば、乳酸、グリコール酸を窒素導入下
で直接脱水重縮合を行なう方法、或は乳酸、グリコール
酸を酸化亜鉛等の触媒の存在下でオリゴマーから環状二
量体を得た後、これをジエチル亜鉛、塩化スズ等の触媒
存在下で開環重合を行なうことにより得ることができ
る。
【0012】また、本発明で使用する乳酸及び/又はグ
リコール酸の(共)重合体の分子量に関しては、その数平
均分子量が1,000〜50,000のものを使用する。即ち、分
子量がこの範囲の(共)重合体を使用することにより、こ
れに後述するアルコールを含有した場合に、本発明の最
も優れた歯周病用治療素材を得ることができる。これは
歯周病治療用素材は、前述のような乳酸系重合体からな
る生体内分解性膜と歯牙との間隙に充填されるものであ
ることから、その特性として適度の粘弾性と曳糸性が要
求され、室温からその使用するアルコール沸点程度の温
度で曳糸或はゴム状であることが要求され、この特性は
その(共)重合体の分子量に関係する。従って、その分子
量が1,000を下廻ると、得られる歯周病用治療素材は室
温で流動性を有し、生体内分解性膜と歯牙の間隙から流
出することから、その使用が困難なものとなる。また反
対に、(共)重合体の分子量が50,000を上廻ると、得られ
る歯周病用治療素材は、80℃程度の温度に加温しても軟
化せず、生体内分解性や付着性の低下が起こり好ましく
ない。
リコール酸の(共)重合体の分子量に関しては、その数平
均分子量が1,000〜50,000のものを使用する。即ち、分
子量がこの範囲の(共)重合体を使用することにより、こ
れに後述するアルコールを含有した場合に、本発明の最
も優れた歯周病用治療素材を得ることができる。これは
歯周病治療用素材は、前述のような乳酸系重合体からな
る生体内分解性膜と歯牙との間隙に充填されるものであ
ることから、その特性として適度の粘弾性と曳糸性が要
求され、室温からその使用するアルコール沸点程度の温
度で曳糸或はゴム状であることが要求され、この特性は
その(共)重合体の分子量に関係する。従って、その分子
量が1,000を下廻ると、得られる歯周病用治療素材は室
温で流動性を有し、生体内分解性膜と歯牙の間隙から流
出することから、その使用が困難なものとなる。また反
対に、(共)重合体の分子量が50,000を上廻ると、得られ
る歯周病用治療素材は、80℃程度の温度に加温しても軟
化せず、生体内分解性や付着性の低下が起こり好ましく
ない。
【0013】次に、本発明で使用するアルコールの種類
としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチル
アルコール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコー
ルがあるが、これらを乳酸及び/又はグリコール酸の
(共)重合体に含有せしめた際に、(共)重合体表面からの
アルコールの揮散性が良好である面より、エチルアルコ
ール又はイソプロピルアルコールの使用が最も望まし
い。
としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチル
アルコール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコー
ルがあるが、これらを乳酸及び/又はグリコール酸の
(共)重合体に含有せしめた際に、(共)重合体表面からの
アルコールの揮散性が良好である面より、エチルアルコ
ール又はイソプロピルアルコールの使用が最も望まし
い。
【0014】これらの原料を使用し、本発明の主構成成
分となる乳酸及び/又はグリコール酸の(共)重合体にア
ルコールを含有せしめた成分からなる歯周病用治療素材
を製造する方法は次の通りである。
分となる乳酸及び/又はグリコール酸の(共)重合体にア
ルコールを含有せしめた成分からなる歯周病用治療素材
を製造する方法は次の通りである。
【0015】先ず、乳酸及び/又はグリコール酸の(共)
重合体を150μm程度以下に粉砕または裁断する。この場
合に、乳酸及び/又はグリコール酸の(共)重合体に、ア
ルコールを均一に含有させる目的で、少量の低沸点の溶
媒、例えば塩化メチレン等を添加してもよい。次に、こ
れに前述のアルコールを10倍量程度添加し、30〜95℃程
度の温度で約1時間加温を行う。その後、添加したアル
コールをデカンテーションにより除去し、この操作を2
回程度繰返すことにより所望するアルコール含量の本発
明素材を得る。
重合体を150μm程度以下に粉砕または裁断する。この場
合に、乳酸及び/又はグリコール酸の(共)重合体に、ア
ルコールを均一に含有させる目的で、少量の低沸点の溶
媒、例えば塩化メチレン等を添加してもよい。次に、こ
れに前述のアルコールを10倍量程度添加し、30〜95℃程
度の温度で約1時間加温を行う。その後、添加したアル
コールをデカンテーションにより除去し、この操作を2
回程度繰返すことにより所望するアルコール含量の本発
明素材を得る。
【0016】尚、本発明に於てアルコール含量は、乳酸
及び/又はグリコール酸の(共)重合体に対し3〜35重量
%の範囲であることが必要であって、この範囲を逸脱す
るアルコール含量では、本発明の優れた歯周病用治療素
材を得ることができない。即ち、アルコール含量が3重
量%を下廻ると、素材を80℃程度に加温を行っても素材
が軟化せず、生体内分解性膜への付着性が悪く、また歯
牙への固定時に硬度が増加することから、生体内分解性
膜との間隙を生じる。また反対に、アルコール含量が35
重量%を上廻ると、歯周病治療用素材表面からのアルコ
ールの除去に時間を要し、生体内分解性膜への付着性の
低下並びに生体内分解性膜の収縮等の現象を生ずるため
好ましくない。尚、本発明の素材のアルコール含量は、
素材を減圧乾燥しその重量減少量からアルコール含有量
を求めたものである。
及び/又はグリコール酸の(共)重合体に対し3〜35重量
%の範囲であることが必要であって、この範囲を逸脱す
るアルコール含量では、本発明の優れた歯周病用治療素
材を得ることができない。即ち、アルコール含量が3重
量%を下廻ると、素材を80℃程度に加温を行っても素材
が軟化せず、生体内分解性膜への付着性が悪く、また歯
牙への固定時に硬度が増加することから、生体内分解性
膜との間隙を生じる。また反対に、アルコール含量が35
重量%を上廻ると、歯周病治療用素材表面からのアルコ
ールの除去に時間を要し、生体内分解性膜への付着性の
低下並びに生体内分解性膜の収縮等の現象を生ずるため
好ましくない。尚、本発明の素材のアルコール含量は、
素材を減圧乾燥しその重量減少量からアルコール含有量
を求めたものである。
【0017】このようにして得られる本発明素材の使用
方法としては、予め生体内分解性膜にこれを付着させ、
ローラー等によってこれを均一に圧延し歯牙と固定して
もよいし、或は予め本発明の素材を歯牙に付着させ、生
体内分解性膜を固定してもよい。また、生体内分解性膜
と歯牙を固定させ、その間隙にこの素材を充填してもよ
い。尚、これらの方法を行う際に、本発明の素材中に抗
菌剤、経口防腐剤、抗生物質、局所麻酔剤あるいは生理
活性物質等を予め混合しておくことも可能である。
方法としては、予め生体内分解性膜にこれを付着させ、
ローラー等によってこれを均一に圧延し歯牙と固定して
もよいし、或は予め本発明の素材を歯牙に付着させ、生
体内分解性膜を固定してもよい。また、生体内分解性膜
と歯牙を固定させ、その間隙にこの素材を充填してもよ
い。尚、これらの方法を行う際に、本発明の素材中に抗
菌剤、経口防腐剤、抗生物質、局所麻酔剤あるいは生理
活性物質等を予め混合しておくことも可能である。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を掲げ更に説明を行な
うが、本発明はこれらに限定されるものではない。ま
た、本発明実施例に於て%は特に断らない限り全て重量
%を示す。
うが、本発明はこれらに限定されるものではない。ま
た、本発明実施例に於て%は特に断らない限り全て重量
%を示す。
【0019】(実施例1) DL-乳酸重合体(数平均分子量20,000)10gにエチルアルコ
ール(関東化学(株)製試薬特級)を150ml加え、これをエ
チルアルコールの沸点である78℃まで加熱した。次に、
デカンテーションによって添加したエチルアルコールを
除去した後、再びこれにエチルアルコールを150ml加
え、70℃に加温を行い本発明の素材を得た。尚、本発明
の素材中のエチルアルコールの含量は、素材表面のエチ
ルアルコールを濾紙で除去した後、これを減圧乾燥して
その重量減少から求めたが、その結果素材中のエチルア
ルコール量は18%であった。
ール(関東化学(株)製試薬特級)を150ml加え、これをエ
チルアルコールの沸点である78℃まで加熱した。次に、
デカンテーションによって添加したエチルアルコールを
除去した後、再びこれにエチルアルコールを150ml加
え、70℃に加温を行い本発明の素材を得た。尚、本発明
の素材中のエチルアルコールの含量は、素材表面のエチ
ルアルコールを濾紙で除去した後、これを減圧乾燥して
その重量減少から求めたが、その結果素材中のエチルア
ルコール量は18%であった。
【0020】このエチルアルコールを含有した本発明の
素材を約60℃に加温し、これを延伸して、別に製造した
L-乳酸(数平均分子量30,000)からなる生体内分解性膜の
片面端に2mmの幅で付着させた。本発明の素材が付着し
た部分をガラス製のローラーで水平にし、膜からはみで
た部分の素材を切断した。
素材を約60℃に加温し、これを延伸して、別に製造した
L-乳酸(数平均分子量30,000)からなる生体内分解性膜の
片面端に2mmの幅で付着させた。本発明の素材が付着し
た部分をガラス製のローラーで水平にし、膜からはみで
た部分の素材を切断した。
【0021】この本発明の素材を付着させた生体内分解
性膜を用い、雑種成犬の歯牙の標本を使用して素材の性
能評価を行なった。評価方法は、雑種成犬の歯牙の歯根
面を包囲するように上記の膜で被覆した後、この周囲を
縫合糸で結び付けた。この部分に1%マラカイトグリー
ン水溶液をスポイドで滴下し、3時間後に膜を取り外し
た結果、歯牙と生体内分解性膜の接触部分にはマラカイ
トグリーンの着色は全く見られず、本発明の素材による
膜の固定は良好に成されていた。
性膜を用い、雑種成犬の歯牙の標本を使用して素材の性
能評価を行なった。評価方法は、雑種成犬の歯牙の歯根
面を包囲するように上記の膜で被覆した後、この周囲を
縫合糸で結び付けた。この部分に1%マラカイトグリー
ン水溶液をスポイドで滴下し、3時間後に膜を取り外し
た結果、歯牙と生体内分解性膜の接触部分にはマラカイ
トグリーンの着色は全く見られず、本発明の素材による
膜の固定は良好に成されていた。
【0022】(比較例1) 実施例1で使用したL-乳酸重合体(数平均分子量30,000)
からなる生体内分解性膜を用い、本発明の素材を使用し
ない場合での実施例1と同様の雑種成犬の歯牙標本の使
用による性能評価を行った。このL-乳酸重合体を歯牙の
歯根面を包含するように被覆し、実施例1と同様に評価
を行った結果、膜を取り外した後の歯牙と生体内分解性
膜の接触部分には、全てにマラカイトグリーンの着色が
見られ、膜と歯牙とに間隙が生じていたことが確認さ
れ、本発明の素材を使用した場合と明らかに相違してい
た。
からなる生体内分解性膜を用い、本発明の素材を使用し
ない場合での実施例1と同様の雑種成犬の歯牙標本の使
用による性能評価を行った。このL-乳酸重合体を歯牙の
歯根面を包含するように被覆し、実施例1と同様に評価
を行った結果、膜を取り外した後の歯牙と生体内分解性
膜の接触部分には、全てにマラカイトグリーンの着色が
見られ、膜と歯牙とに間隙が生じていたことが確認さ
れ、本発明の素材を使用した場合と明らかに相違してい
た。
【0023】(実施例2) L-乳酸含量が90モル%のL-乳酸-グリコール酸共重合体
(数平均分子量12,000)とイソプロピルアルコールを用
い、実施例1と同様に処理を行い、イソプロピルアルコ
ール含量が5%の本発明の素材を得た。
(数平均分子量12,000)とイソプロピルアルコールを用
い、実施例1と同様に処理を行い、イソプロピルアルコ
ール含量が5%の本発明の素材を得た。
【0024】この素材を使用し、L-乳酸-グリコール酸
共重合体からなる生体内分解性膜(数平均分子量210,00
0、L-乳酸含量78モル%)にこれを付着させ、これを実施
例1と同様の操作によって評価を行なった結果、生体内
分解性膜で覆われた部分にはマラカイトグリーンの着色
は全く見られず、膜の固定は良好に成されていた。
共重合体からなる生体内分解性膜(数平均分子量210,00
0、L-乳酸含量78モル%)にこれを付着させ、これを実施
例1と同様の操作によって評価を行なった結果、生体内
分解性膜で覆われた部分にはマラカイトグリーンの着色
は全く見られず、膜の固定は良好に成されていた。
【0025】(実施例3) DL-乳酸含量が70モル%のDL-乳酸-グリコール酸共重合
体(数平均分子量50,000)とエチルアルコールを用い、実
施例1と同様に処理を行い、エチルアルコール含量が9
%の本発明の素材を得た。
体(数平均分子量50,000)とエチルアルコールを用い、実
施例1と同様に処理を行い、エチルアルコール含量が9
%の本発明の素材を得た。
【0026】この素材を使用し、DL-乳酸-グリコール酸
共重合体からなる生体内分解性膜(数平均分子量130,00
0、DL-乳酸含量76モル%)にこれを付着させ、これを実
施例1と同様の操作によって評価試験を行った結果、生
体内分解性膜で覆われた部分にはマラカイトグリーンの
着色は全く見られず、膜の固定は良好に成されていた。
共重合体からなる生体内分解性膜(数平均分子量130,00
0、DL-乳酸含量76モル%)にこれを付着させ、これを実
施例1と同様の操作によって評価試験を行った結果、生
体内分解性膜で覆われた部分にはマラカイトグリーンの
着色は全く見られず、膜の固定は良好に成されていた。
【0027】また、本発明素材を付着させた生体内分解
性膜を使用し、これを下顎第2、第3、第4前臼歯に5mmの
骨欠損を有した雑種成犬の歯根面に装着させたところ、
装着より8週間後に於て上皮の侵入は見られず、歯冠側
へのセメント質形成と歯周組織の形成が見られ、膜の固
定は良好に成されていた。
性膜を使用し、これを下顎第2、第3、第4前臼歯に5mmの
骨欠損を有した雑種成犬の歯根面に装着させたところ、
装着より8週間後に於て上皮の侵入は見られず、歯冠側
へのセメント質形成と歯周組織の形成が見られ、膜の固
定は良好に成されていた。
【0028】
【発明の効果】本発明の歯周病治療用素材は、室温から
使用するアルコールの沸点程度までの温度に於いて曳糸
性あるいはゴム状の状態を示し、生体内分解性膜として
使用する乳酸系重合体からなる生体内分解性膜との付着
性に優れ、更に、歯牙との親和性が優れることから、生
体内分解性膜と歯牙との密着性に優れ、歯牙との間に隙
を生じず生体内に於いて膜の離脱、剥離が生じない特徴
を有するものである。従ってこれらの特徴によって、本
発明の素材は歯周疾患により破壊された歯周組織の再生
を良好にする場を形成し、歯周病治療用素材として有用
なものである。
使用するアルコールの沸点程度までの温度に於いて曳糸
性あるいはゴム状の状態を示し、生体内分解性膜として
使用する乳酸系重合体からなる生体内分解性膜との付着
性に優れ、更に、歯牙との親和性が優れることから、生
体内分解性膜と歯牙との密着性に優れ、歯牙との間に隙
を生じず生体内に於いて膜の離脱、剥離が生じない特徴
を有するものである。従ってこれらの特徴によって、本
発明の素材は歯周疾患により破壊された歯周組織の再生
を良好にする場を形成し、歯周病治療用素材として有用
なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 67/04 C08L 67/04 (72)発明者 永岡 陽一 兵庫県加古川市別府町新野辺1406−1番 地 審査官 中田 とし子 (56)参考文献 国際公開91/1126(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 27/00 A61C 19/06 A61K 9/70 A61K 47/34
Claims (3)
- 【請求項1】 主構成成分として、乳酸及び/又はグリ
コール酸の(共)重合体にアルコールを3〜35重量%の範
囲で含有せしめた成分からなる歯周病治療用素材。 - 【請求項2】 乳酸及び/又はグリコール酸の(共)重合
体の数平均分子量が1,000〜50,000の範囲である請求項
1の歯周病治療用素材。 - 【請求項3】 アルコールがエチルアルコール又はイソ
プロピルアルコールである請求項1の歯周病治療用素
材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3237465A JP3037793B2 (ja) | 1991-08-23 | 1991-08-23 | 歯周病治療用素材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3237465A JP3037793B2 (ja) | 1991-08-23 | 1991-08-23 | 歯周病治療用素材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0549692A JPH0549692A (ja) | 1993-03-02 |
| JP3037793B2 true JP3037793B2 (ja) | 2000-05-08 |
Family
ID=17015741
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3237465A Expired - Fee Related JP3037793B2 (ja) | 1991-08-23 | 1991-08-23 | 歯周病治療用素材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3037793B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2778847A1 (fr) * | 1998-05-20 | 1999-11-26 | Jean Pierre Perraud | Implant injectable en sous gingival resorbable, constitue de microspheres a liberation prolongee et chargees en principes actifs et en suspension dans un gel vecteur |
| JP4547735B2 (ja) | 1999-07-14 | 2010-09-22 | ダイキン工業株式会社 | 含フッ素重合体の硬化方法 |
-
1991
- 1991-08-23 JP JP3237465A patent/JP3037793B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0549692A (ja) | 1993-03-02 |
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