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JP3037627B2 - 溶射層による基材表面の改質方法 - Google Patents

溶射層による基材表面の改質方法

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Publication number
JP3037627B2
JP3037627B2 JP9019911A JP1991197A JP3037627B2 JP 3037627 B2 JP3037627 B2 JP 3037627B2 JP 9019911 A JP9019911 A JP 9019911A JP 1991197 A JP1991197 A JP 1991197A JP 3037627 B2 JP3037627 B2 JP 3037627B2
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sprayed
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melting point
modifying
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JP9019911A
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進 合田
幸雄 沖
軍二 植野
修一 植野
誠治 政野
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カンメタエンジニアリング株式会社
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Publication date
Application filed by カンメタエンジニアリング株式会社 filed Critical カンメタエンジニアリング株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、溶射層による基
材表面の改質構造及び基材表面の改質方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄鋼やステンレス鋼の基材につい
て、その表面を保護するために(耐磨耗性を付与するた
めに)、表面にアルミニウム溶射、自溶合金溶射、又は
溶融アルミニウム、あるいは亜鉛・アルミニウム合金め
っき等で被覆し、高温加熱して拡散漫透させる方法や、
カロライジング、又はアルミナイジングなどの拡散合金
層を形成するものがある。又、ニッケル基合金、コバル
ト基合金などの材料を用い、ガス溶接やアーク溶接法な
どによる加熱拡散層の形成方法がある。更には、溶射後
皮膜表面からレーザー熱照射により皮膜表面を溶融する
方法もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の方法は
基材と拡散合金層を形成することは、基材組成の変質が
生じたり、残留応力の変形が生じるため、応力割れや或
いは基材変質、基材の設計強度を損うなど、悪影響があ
った。
【0004】例えば、600 〜800 °c の高温の環境条件
下における熱交換器のチューブシートなどの管板は、内
部表面にセラミック溶射が施され、その表面が保護され
ている。この管板は、使用により内部表面にスケール
(カーボン)が付着する。このようにカーボンが付着す
ると、熱伝導率が悪くなり、昇温しにくくなり管板が目
的とするナフサを生成しにくくなる。そこで、付着した
カーボンを除去するために、デコーギングという作業が
行われる。このデコーギングというのは、)上記のよう
な600 〜800 °c の高温の環境条件下にスチームを投入
して蒸気爆発を生じさせ、その勢いでカーボンを除去す
るものである。
【0005】ところが、上記のセラミック溶射により管
板にセラミック層の溶射粒子間結合を形成し被覆して
も、カーボン粉は比較的高い硬度を持つものであり、上
記の爆発に飛ばされた際、前記の溶射にて形成したセラ
ミック層を短期に削り取ってしまうものであった。これ
は、クロモリ鋼の母材に対して、溶射されたセラミック
層(セラミックの材料は、アルミナ−チタニア)は、機
械的に付着しているだけ(拡散層といった合金層が形成
されている訳ではないから)だからであり、又セラミッ
ク自身靱性が低いものだからであると考えられている。
【0006】このため、アルミなどを母材に溶射してそ
の表面に拡散層を形成して剥離しにくい状態に表面の被
覆を行いたいのであるが、母材は、焼き入れ、焼きなま
し、焼き戻しといった熱処理が施されたものであり、ア
ルミで被覆する際の熱の影響が懸念される。そこで、従
来熱の影響を及ぼさない上記のセラミック溶射に甘ん
じ、上記のような用途の母材に対するアルミ溶射は、諦
められていたのであった。
【0007】上記の例について具体的に説明すると、基
材となる、ボイラ圧力容器用マンガンモリブデン鋼(JI
SG 3119)(JIS G 3120)にて形成されたエチレン分解
炉管板は650 〜850 °c 範囲で運転されている。この管
板に使用運転時間と共にコークスの炭素によるカーボン
ミストが付着堆積して熱伝導率を低下させる。このた
め、コークスの除去法として、管板入口に設置した噴水
ノズルより水、蒸気を800 °c の管板に噴射させ、脱コ
ークスのスケール除去が行われてきた。この操作が上記
のデコーキング処理である。
【0008】このコークスの除去が繰り返される毎に、
基材である管板表面は、硬度600 〜1,000HV のカーボン
ミストコーク粉体の衝突により減肉された。このため、
ハードフェーシング法による硬化肉盛溶接は、管板表面
の局部加熱により基材割れが生じ、補修が不可能であ
る。尚、ハードフェーシングとは、ステライト、コルモ
ノイなどの材料で硬化肉盛溶接又は硬化溶射を行い表面
を約1050〜1100°c に加熱する方法である。そこで基材
局部加熱のない低温溶射法でNiCrAlを下地溶射し、仕上
にセラミック溶射(Al2 3 )などの高温摩耗対策を行
ってきた。ところが、セラミック溶射被膜は、高温の粉
体衝撃に対して、溶射皮膜の粒子間結合が脆く、2〜3
年の使用条件でセラミック皮膜の局部的破損と摩滅が生
じている。しかし、現状は、前述の通り、このセラミッ
ク溶射に頼らざるを得ないものであった。本願発明は、
上記課題の解決を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願第1の発明に係る溶
射層による基材表面の改質方法は、基材表面に対し複数
回溶射を行い複数層の溶射層を積層するものであり、下
記の構成を採るものである。 即ち、基材表面に対して高
温溶融点溶射材料により溶射を行って溶射第一層を形成
し、この溶射第一層の表面に対して上記の高温溶融点溶
射材料より低温の溶融点を有する低温溶融点溶射材料に
より溶射を行って溶射第二層を形成する工程を含む少な
くとも2回の溶射を行うことにより複数層の溶射層を形
成するものである。そして、少なくとも溶射第二層を形
成した後に、溶射第一層と基材との間において拡散を生
じさせない温度条件で加熱する工程を含む拡散処理を少
なくとも1回施すことにより、溶射第一層と基材表面と
の間に拡散を生じさせずに、少なくとも1組の溶射層と
溶射層との間に上記拡散処理による拡散を生じさせるよ
うにしたことを特徴とする。 このような構成を採ること
によって、低温溶融点溶射材料を溶射することにて形成
した溶射第二層について、拡散層を形成可能であって
も、高温溶融点溶射材料を溶射することにて形成した溶
射第一層は、拡散を生じない使用温度領域での拡散処理
が可能であり、これにて、基材と溶射第一層との間で
は、拡散領域を形成せずに機械的に、基材に対して溶射
第一層を機械的に固着することが可能である。 このた
め、基材は、拡散による影響を受けておらず、層形成前
の性状を維持している。この一方で、溶射層同士を、拡
散によって形成された拡散領域にて強固に固着させると
が可能であり、基材表面を、長期に渡って、耐磨耗性等
の、溶射層による被覆のメリットを与え、その延命効果
を得ることができるのである。 溶射第一層の形成につい
ては、溶融している材料が空気中でほぼ凝固し基材に機
械的に付着させることが可能な溶射という手段を採り、
更にこの層については、溶射後も基材に対して拡散を生
じさせないものであるため、基材に対して拡散による変
質や拡散時に必要な高温加熱による基材の変質を起こさ
ない。そして、上記の溶射第一層の上に、更に溶射にて
形成する溶射第二層は、上記と異なり、 先に形成した基
材に直接対応する層との間で拡散を生じさせるため、剥
離しにくく、耐磨耗性等の皮膜形成による効果を長期に
渡って維持することを可能とするものである。 従って、
上記の構成を採ることによって、熱や拡散の影響を嫌う
基材表面に対し、そのような影響を与えることなく、耐
磨耗性等の表面の改質を行うことが可能となった。 ここ
で機械的な固着とは、拡散のような原子の固容や置換に
よって微視的に材料が混じり合うことでその境界がぼけ
ることにて生じるものではなく、基材の粗面に上記の最
下層が食いつくことによって生じ、分子レベルでは依然
として境界を維持している巨視的なものをいう。
【0010】本願第2の発明に係る溶射層による基材表
面の改質方法は、上記第1の発明に係る溶射層による基
材の表面の改質方法にあって、溶射第一層を、約1100°
c 以上の溶融点を有する鉄鋼合金等の高温溶融点溶射材
料を用いて形成する。そして、溶射第二層を、約850 °
c 以下の溶融点を有する低温溶融点溶射材料を用いて形
成する。 このような構成を採ることにより、上記本願第
1の発明に係る溶射層による基材の表面改質方法につい
て、溶射第一層と溶射第二層間で拡散を生じさせ、且
つ、 基材と第一層との間で、拡散を生じさせない、具
体的手段を提供した。
【0011】本願第3の発明に係る溶射層による基材表
面の改質方法では、上記第2の発明に溶射層による基材
の表面の改質方法にあって、溶射第一層は、溶射時空気
中を通過する間の冷却にて 200°c 以下で、基材表面に
対して固着させて形成するものであることを特徴とす
る。 このような構成を採ることにより、溶射第一層の基
材表面に対する機械的な固着を可能とする。
【0012】本願第4の発明に係る基材表面の改質方法
では、上記本願第1乃至第3の何れかの発明に係る溶射
層による基材表面の改質方法にあって、上記の溶射にて
積層形成する溶射層が、少なくとも3つあり、そのう
ち、溶射第一層をNiCr或いはNiCr系合金を含む溶射材料
にて形成し、溶射第二層をAl又はAl系合金等の低融点材
料にて形成し、溶射第三層をNiCr或いはNiCr系合金を含
む溶射材料にて形成する。このような構成を採ることに
よって、上記本願第1乃至第3の何れかの発明の基材表
面の改質方法にあって、最も望ましい層を形成すること
が可能となった。即ち、積層された溶射層間に、拡散合
金層が形成され、耐磨耗性や、硬度の点で極めて優れた
被覆層を長期に渡って維持することが可能な改質を行い
得た。特に、このような改質を行うために、基材の変質
を生じさせる危惧が極めて低減した。
【0013】本願第5の発明に係る溶射層による基材表
面の改質方法は、上記本願第乃至第4の何れかの発明
に係る溶射層による基材表面の改質方法にあって、全て
の溶射層の形成後、最上層即ち最後に積層した溶射層の
表面に、拡散処理を施して、拡散を行うものである。こ
のような構成を採ることによって、上記本願第乃至第
4の何れかの発明に係る溶射層による基材表面の改質方
法について、層間の拡散をより適切に行うことが可能と
なった。
【0014】本願第6の発明に係る溶射層による基材表
面の改質方法は、上記本願第乃至第4のいずれかの発
明に係る溶射層による基材表面の改質方法にあって、一
つの溶射層を形成した後、次の溶射層を積層する前に、
即ち拡散層形成毎に拡散処理を施して、拡散を行うもの
である。このような構成を採ることによって、上記本願
乃至第4の何れかの発明に係る溶射層による基材表
面の改質方法について、層間の拡散をより適切に行うこ
とが可能となった。
【0015】本願第7の発明に係る溶射層による基材表
面の改質方法は、上記本願第5乃至第6の何れかの発明
に係る溶射層による基材表面の改質方法にあって、上記
の拡散処理が、拡散促進剤として暦青質塗料又はシリコ
ンオイルを用い、この拡散促進剤を溶射層表面に貼付し
た後、加熱処理を行うか、或いは、アルゴン、窒素、ヘ
リウム等の不活性雰囲気で熱処理を行うものである。そ
して上記熱処理は、ガスバーナートーチ、ガス燃焼炉、
電気ヒーター、高周波 電気加熱、電気炉又はプラズマ
トーチを用いて、加熱温度が約670 °c 〜900 °c 範囲
内で加熱するものである。ここで塗布とは、直接塗布す
ることのみならずスプレーすることも含む。加熱温度が
約900 °c を越えると基材側に拡散が生じるので上記の
ように加熱温度の上限を約900 °c とすることによっ
て、このような拡散を確実に生じさせないのである。こ
のような構成を採ることによって、上記本願第5乃至第
6の何れかの発明に係る溶射層による基材表面の改質方
法について、層間の拡散を最も適切に行うことが可能と
なった。又、基材の変質を伴わなずに拡散に最も適した
熱処理を行うことが容易となった。又、900 °c 以下で
使用する加熱雰囲気の機器に対して、用いる場合は、上
記のガスバーナートーチなどを必要としない。
【0016】本願第8の発明に係る溶射層による基材表
面の改質方法は、上記本願第乃至第7の何れかの発明
に係る溶射層による基材表面の改質方法にあって、上記
各溶射層の形成及びその拡散後、最上部の層の表面に、
セラミックス或いはセラミックスを含む溶射材料を溶射
するものである。このような構成を採ることによって、
上記本願第乃至第7の何れかの発明に係る溶射層によ
る基材表面の改質方法について、特に耐酸化性に優れた
改質を行うことが可能となった。また、本願第9の発明
に係る溶射層による基材表面の改質方法では、上記本願
第1乃至第8の何れかの発明に係る溶射層による基材表
面の改質方法にあって、溶射第一層が、鱗片状体の高融
点材料が基材表面に対して機械的に固着したものである
ことを特徴とする。 このような構成を採ることにより、
溶射第一層の基材表面に対する機械的な固着を可能とす
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本願発明の実施の形態につい
て説明する。図1(A)に示す通り、外部との遮断を必
要とする基材10に対して、3層の溶射層を積層・形成
する。この基材10は、焼き入れ、焼き戻し或いは焼鈍
といった熱処理が施された金属、又は、焼結によって形
成されたセラミックなどの、熱処理若しくは熱成形がな
されたものであり、後から熱影響を受けるのを嫌う材質
のものである。具体的には、炭素鋼や、ステンレス鋼で
ある。
【0018】以下、SUS304を基材10とし、この
基材10に対して、各溶射層を形成する方法について、
順に説明する。
【0019】先ず、上記の基材10表面に、金属又は金
属合金の溶融点が約1100°c 以上の高融点材料、具体的
には、鉄鋼合金、NiCr、NiCr系合金、又は、NiCr、Fe、
Moのうち少なくとも2つを包含する材料を溶射し、溶射
第一層1を形成する。好ましくは、NiCrを溶射材料とし
て溶射第一層1を形成する。又、最も好ましくは、NiCr
Mo鋼又は金属合金鋼とセラミックスの複合混合物を溶射
材料として、溶射第一層1を形成する。
【0020】次に、上記溶射第一層1の上に、溶融点が
約850 °c 以下の低溶融点材料、具体的には、Al又はAl
系合金といった材料を溶射し、溶射第二層2を形成す
る。好ましくは、Alを溶射材料として溶射第二層2を形
成する。
【0021】更に、上記溶射第二層2の上に、溶射第一
層1と同様に、基材上10に金属又は金属合金の溶融点
が約1100°c 以上の高融点材料、具体的には、鉄鋼合
金、NiCr系合金、又は、NiCr、Fe、Moのうち少なくとも
2つを包含する溶射材料を用いて溶射し、溶射第三層3
を形成する。好ましくは、NiCrを溶射材料として溶射第
三層3を形成する。
【0022】上記溶射第一層1から溶射第三層3の積層
・形成後、最上位に位置する溶射第三層3の表面に拡散
促進材11として暦青質塗料を塗布する。上記塗布後、
ガスバーナートーチにて、約670 °c 乃至約約900 °c
の範囲で加熱する。この拡散促進の処理に際して、約70
0 °c 乃至約約900 °c の範囲で加熱するのが適当であ
る。特に約850 °c 乃至約約900 °c の範囲で加熱する
のが最適である。この際に、酸素を含まない雰囲気中で
加熱処理を行うのであれば、上記の拡散促進剤の塗布は
不要である。
【0023】上記の結果、基材10の表面の改質がなさ
れる。即ち、基材1をステンレス鋼とした場合、上記に
て、高融点と低融点の溶射拡散合金層が形成され、この
合金層の硬さは約650 〜860HV に上昇する。これは、ス
テンレス鋼に対して単に溶射したまま(拡散を起こさせ
ない)ものの硬さの約3〜4倍に達するものである。
又、直接アルミニウムのみを(一層のみ)溶射するもの
の硬さの約12〜20倍に達する。上記の本願方法による拡
散合金層は高温耐磨耗及び硬度を必要とする使用目的に
はすべて対応できる。又、腐食要因となる露点及び高温
腐食の環境にも、本願の実施によって遮断することが可
能となった。
【0024】上記のような結果が得られることについ
て、簡単に、説明する。上記の改質に際し、基材10の
表面に対して、溶射第一層1が機械的に付着する。そし
て、拡散促進材11塗布後の上記加熱によっても、この
基材10と溶射第一層1とは、拡散を生じず、上記の機
械的に付着した状態を維持し、基材1に対しては、熱影
響を与えない。
【0025】これは、高融点材料を溶射して溶射第一層
1を形成する際、溶融した材料が、空気中を通過する間
に冷却され、約200 °c 以下、具体的には約150 °c 〜
200°c の無数の鱗片状体となるからであり、これら鱗
片状体が基材10表面にて固着し合い、基材10表面に
対しては機械的に付着し、この結果溶射第一層1が基材
10表面に定着し、一方、上記の拡散のための加熱によ
っても、高溶融点材料を用いているために、基材10に
対して溶射第一層1が固溶することもないからである。
【0026】そして、図1(B)へ示す通り、溶射第一
層1と溶射第二層2との間は、拡散促進材11塗布後の
上記加熱によって、拡散が生じ、両層の材料の拡散合金
層(拡散第一層4)が形成される。
【0027】同様に、溶射第二層2と溶射第三層3との
間は、拡散促進材11塗布後の上記加熱によって、拡散
が起こり、両層の材料の拡散合金層(拡散第二層5)が
形成される。
【0028】拡散促進材11には、上記の暦青質塗料の
他、シリコンオイルや、その他周知の封孔塗布材を使用
することが可能である。又、このような拡散促進材11
を用いる代わりに、アルゴン、窒素、ヘリウム等の不活
性雰囲気で上記熱処理を行うものとしても実施可能であ
る。
【0029】更に、上記の実施の形態において、拡散を
促すための処理は、溶射第一層1から溶射第三層3まで
を形成した後、行うものとしたが、これとは異なり、溶
射第二層形成後に、上記の拡散促進処理を行い、その後
溶射第三層3を形成し、再び上記の拡散促進処理を行う
ものとしても実施可能である。
【0030】又、上記加熱処理は、ガスバーナートーチ
の他、ガス燃焼炉、電気ヒーター、高周波電気加熱、電
気炉又はプラズマトーチを用いて行うものとしても実施
可能である。
【0031】上記実施の形態では、溶射第一層1から溶
射第三層3までを形成した後、拡散処理を行って、基材
10表面の改質が完了するものであったが、この後必要
に応じて、溶射第三層3の表面に、セラミックの溶射層
或いは高融点金属とセラミックの複合溶射層を形成して
実施することも可能である(図示しない)。
【0032】尚、図1に示す実施の形態では、積層する
溶射層を溶射第一層1から溶射第三層3までとしたが、
これとは異なり、溶射第三層3を設けずに、上記の溶射
第一層1と溶射第二層2のみを形成するものとしても実
施可能である。但し、耐磨耗性や硬度の面では、図1へ
示すように溶射第三層3まで形成する方が有利である。
【0033】又更に、上記の溶射第一層1から溶射第三
層3まで形成した後、更に、溶射第四層を溶射第二層2
と同様の材料によって形成してもよく(図示しな
い。)、更には、この溶射第四層の上に溶射第一層1や
溶射第三層3と同様の材料にて溶射第五層を形成するも
のとしても実施可能である(図示しない)。但し、上記
の溶射第一層1から溶射第三層3までの形成で、充分な
耐磨耗性や硬度が得られている。
【0034】以下、本願発明の実施例について説明す
る。
【実施例1】基材は、約650 〜850 °c 範囲の温度環境
で使用される、ボイラ圧力容器用マンガンモリブデン鋼
(JISG 3119)(JIS G 3120)にて形成されたエチレン
分解炉管板である。本願発明に係る改質方法の溶射積層
複合合金層について、実験室試験を繰り返し行って、使
用の実機器に試験溶射した。実際の使用機器である管板
の環境は約700 〜800 °c の運転であるため、基材であ
るこの管板に拡散現象を生じない溶射法を用いる。即
ち、下地に約1,100 °c 以上の高融点材による溶射皮膜
を溶射第一層として形成し被覆を行い、溶射第二層とし
て低融点のアルミ溶射皮膜を被覆した(この実施例で
は、既述の溶射第三層は形成しない)。これらの積層溶
射後に溶射第二層表面に、歴青質塗料の拡散促進剤を塗
布した。熱処理工程については、実測により、実際の使
用運転環境が約700 °c 以上の加熱条件であることが確
認できたので既述の加熱と同等の拡散が期待できること
から、別途に既述のような熱処理を行わなかった。即
ち、この場合ガスバーナートーチ等による皮膜複合拡散
のための加熱処理は実施しなかった。
【0035】使用運転後約1ヶ年及び3ヶ年の点検開放
時に本願方法によって形成した溶射複合拡散合金層の状
態と皮膜の色相、硬さを追跡確認した(現場において、
実機器に対し、測定にハードネスターを用いて硬さ評価
を行った)。その使用運転期間中、コークス除去のデコ
ーキング処理は、使用時間によって変動があるものの、
約150 〜250 時間毎に行われた。その点検結果、本願の
複合合金層はAl銀色と灰褐色の色相を示し、表面硬さは
約680 〜750HV を示し、皮膜の膨れ、亀裂、摩耗損傷は
観察されなかった。現在、4ヶ年は異常ないことを確認
できた。従って、セラミック溶射法溶射方法は2ヶ年末
満の損傷と比較し、本願の複合合金層法は使用加熱環境
で拡散合金複合層を形成し、基材への変質もなく安定で
経済的な利点が大きく効果も甚大である。
【0036】
【実施例2】基材の代わりとして、3枚の試験片(オー
ステナイトステンレス鋼:SUS 304,厚さ×縦×横:6m
m ×50mm×50mm)を用意し、グリットブラストにて表面
を清浄化した。この後、試験片の1つに、下地溶射を行
い高融点金属材であるNiCr合金(Ni:Cr =54:46 )の溶
射第一層を形成した。この試験片をaとする。同様に、
残りの試験片の一つに、下地溶射を行い高融点金属材で
あるNiCr合金(Ni:Cr =80:20 )の溶射第一層を形成し
た。この試験片をbとする。更に、最後に残った試験片
に、下地溶射を行い高融点金属材であるNi,Cr,Mo合金
(Ni,Cr,Mo=54:45:1 )の溶射第一層を形成した。こ
の試験片をcとする。上記a〜cの各試験片の溶射第一
層は、夫々皮膜の厚さが約100 〜300 μm に形成してお
く。
【0037】次に、上記の各試験片a〜cについて、下
地溶射にて形成された溶射第一層の表面に、低融点金属
材のAl(組成Al:99.8 )溶射(皮膜厚さ:80〜150 μ
m )を仕上溶射として行い、溶射第二層を積層・形成し
た(この実施例においても、既述の溶射第三層は、形成
しない)。
【0038】この後、暦青質塗料を拡散促進剤として上
記の溶射第二層表面の表面に塗布し、電気炉(マッフル
炉)を用いて約850 °c で約30分、大気中で熱処理を行
った。これにて、溶射第一層(下地溶射層)を成分の異
なるNiCr系合金とする試験片a,b、及び、溶射第一層
(下地溶射層)をNiCrMo系合金とする試験片cについ
て、このような下地溶射組成やその割合の違いによっ
て、溶射第二層形成後の拡散促進により生成されるAl溶
射の合金層がどのような組織になるかを調べた。
【0039】これらの試験片a〜cの観察に際して、各
試験片の断面を研磨し、光学顕微鏡で組織を観察し、マ
イクロビッカース硬さ分布(荷重2N)を測定した。次に
X線解析を行った。これは皮膜表面から20μm 〜50μm
毎にマイクロメーターで測りながら順次研磨除去し、X
線解析を行い生成相を同定した。X線解析は、グラファ
イトモノクロメーターで単色化したCuK −α線を用い、
管電圧を40Kvとし、管電流を80mAとして行った。又、E
PMAによる合金元素濃度分布の測定も併せて行った。
【0040】上記の結果、拡散の状況について、説明す
る。先ず、上記試験片aについて、熱処理前のマクロ組
織を図2(A)へ示し、熱処理後のマクロ組織を図2
(B)へ示す。試験片bについて、熱処理前のマクロ組
織を図3(A)へ示し、熱処理後のマクロ組織を図3
(B)へ示す。そして、試験片cについて、熱処理前の
マクロ組織を図4(A)へ示し、熱処理後のマクロ組織
を図4(B)へ示す。上記の図2〜図4の夫々は、各試
験片の断面のマクロ組織写真を濃墨にてトレースしたも
のである。
【0041】図示の通り、熱処理した試料の断面組織を
観察した結果、a,b,cともにAl層(溶射第二層2)
と下地溶射層(溶射第一層1)の界面付近に層状の化合
物がほぼ均等な厚さに形成されている。bはaとcに比
べて合金層(拡散第一層4)の幅が広くなっていた。こ
れはbのNiの割合が多いので拡散がより行われたと思わ
れる。また、aに仕べてcの合金層幅が狭いのは、1 %
含まれているMoのためでありMoによって拡散が妨げられ
ていると考えられる。
【0042】上記の合金層(拡散第一層4)の構造につ
いて、説明する。図2(B)、図3(B)及び図4
(B)からも明らかなように、試験片a,b,c共に熱
処理することによって下地溶射(溶射第一層1)と仕上
溶射(溶射第二層2)の界面付近に合金層(拡散第一層
4)が生成されている。この合金層(拡散第一層4)自
身は、4つの層(I、II、III 、IV)からなっている。
【0043】そこでEPMAにより基材と合金層の界面
および合金層の内部の合金元素濃度分布を測定した。図
5に上記合金層のミクロ組織を示す。図5(A)は試験
片aの合金層(拡散第一層4)のミクロ組織を示し、図
5(B)は試験片bの合金層(拡散第一層4)のミクロ
組織を示し、図5(C)は試験片cの合金層(拡散第一
層4)を示す。図5(A)〜(B)は、夫々、その左手
が、基材10側となっている。上記の図5(A)(B)
(C)は、各試験片a,b,cの合金層のミクロ組織写
真を濃墨にてトレースしたものである。図上18mmが
100ミクロンとなるように、拡大されている。図5
(A)(B)(C)のp1〜p11は、EPMAの測定
位置を示している。
【0044】図5(A)の試験片aの合金層についての
EPMAの結果を表1へ示し、図5(B)の試験片bの
合金層についてのEPMAの結果を表2へ示し、図5
(C)の試験片cの合金層についてのEPMAの結果を
表3へ示す。各表の数値は、%である。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】その結果、試験片a,b,cの3つともI
層ではAlは拡散しておらず、第II層から拡散の影響が出
ており、II層からIV層に向かってAlの濃度が順次高くな
っていた。又、Niの濃度の割合は順次低くなっていた。
試験片のa,b,cはともにIII 層に白色の島状の第二
相を含んでおり、上記のようにII層からIV層に向けてAl
の濃度が高くなりNiの濃度の割合が低くなっているのに
対し、この部分では逆にAlが低くなりNiの割合が高くな
っている。aのII層ではCrがほとんど出ておらず、cの
II層では特にCrは低くなっていた。bのII層ではCrがa
やcに比べ多く含まれていた。
【0049】bではIV層において2つの相が存在し、1
つはIII 層の続きでAlの濃度が増えNiが低くなってい
た。しかし、もう一つの白い相は逆にAlが低くなり、Ni
が高い割合になっていた。これはIV層までNiの拡散がお
よんでいるためである。又、cでは、Moが1 %入ってい
たがほとんど影響していなかった。
【0050】合金層硬さについては、マイクロビッカー
ス硬さ試験器で調べた結果を表4、表5、表6へ示す。
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】
【0054】表4は試験片aの上記合金層の、表5は試
験片bの上記合金層の、表6は試験片cの上記合金層の
測定結果及び硬さ平均を示している。これより試験片
a,b,cは共にI層からIII 層に向かって順に硬くな
っていた。
【0055】この結果は、Alの濃度変化とほぼ対応して
いる。しかし、何れも、IV層になると硬さは急激に低下
していた。試験片aと試験片bについて、Niが少ないほ
どI層では硬くなっており、II、III 層では逆にNiが多
いほど硬くなっていた。又Moを含んでいると、硬さは全
体的に硬くなっていた。ばらつきに関しては試験片bの
IV層が268 〜713Hv と目立って大きくなっていた。これ
は2 つの相が存在するためだと思われる。又II、III 層
では試験片a,b,cそれぞれ最高810 ,909 ,883Hv
と、とても高い値となっていた。
【0056】溶射皮膜表面から順次30〜50μm ずつ除去
しながらX線回折を行った結果をピックアップして表
7,表8、表9へ示す。
【0057】
【表7】
【0058】
【表8】
【0059】
【表9】
【0060】表7は試験片aについて図5(A)の位置
x1,x4,x6,x8におけるX線回折の結果を示
し、表8は試験片bについて図5(B)の位置y1,y
4,y6,y10におけるX線回折の結果を示し、表9
は試験片cについて図5(C)の位置z2,z5,z
6,z8におけるX線回折の結果を示す。
【0061】上記の試験片aのX線回折の結果より、そ
の位置x1ではAl3 Ni,Al3 Ni2 のピークが認められ
た。又位置x4ではAl3 Ni,位置x6ではAlNi3 が出始
め、位置x8までAl3 Ni,AlNi3 のピークが出ていた。
【0062】上記の試験片bのX線回折の結果より、そ
の位置y1ではAl3 Ni,Al3 Ni2 のピークが現われてお
り、位置y4ではAl3 Ni2 になり、位置y6ではAl3 Ni
2 ,AlNiになり、位置y10ではAl3 Ni2 が現われだし
てAl3 Ni,Al3 Ni2 になり、位置y6ではAlNiが現われ
てAl3 Ni2 ,AlNiになり位置y8までこのピークが続い
ていた。
【0063】試験片a,b,cについて、更に続けて削
っていくとIV層に入りNiのピークが現われると予想され
る。このX線回折の結果からも、試験片aと試験片bと
からNiが多いほど拡散がより行われていること、試験片
aと試験片cとからMoが含まれていると拡散がおさえら
れることが、分かる。
【0064】合金層の形態について見ると、以上の結果
からオーステナイト系ステンレス鋼にNiCrMo系の下地溶
射(溶射第一層の形成)をしAlを仕上溶射(溶射第二層
の形成)した複合溶射皮膜を大気中で熱処理すると、拡
散による十分な合金化が起こることが明らかになった。
合金層は基本的にAlとNiの二元系化合物で構成されてい
る。試験片a,b,cは共に下地溶射中のNiとCrが合金
層中に拡散した化合物層の形態に大きな影響を及ぼして
いる。
【0065】この実施例について、オーステナイトステ
ンレス鋼にNiCr系合金及びNiCrMo合金系を下地溶射し、
その後にAlを仕上溶射した複合溶射皮膜を熱処理したと
きの拡散の彫響を、光化学顕微鏡による組織観察、マイ
クロビッカース硬さ試験器による硬さ分布の測定、EP
MAによる合金元素濃度分布の測定によって検討した結
果、次のことが明らかになった。 (1)NiCrMo系を下地溶射しAlを仕上溶射して熱処理す
ると合金層が生成された。 (2)下地溶射中のNi,Cr,Moが合金層中に仕上溶射層
のAlが拡散し化合物を生成した。しかし、基材(SUS30
4)と下地溶射界面層にはAl拡散合金層は形成されなか
った。 (3)下地溶射と仕上溶射層の界面に生成した化合物層
は完全に連続した均一な厚さであった。その厚さはNiの
割合が多いほど拡散がより行われ厚い層になり、Moを含
むものは拡散が抑えられ、薄い層となった。 (4)下地溶射皮膜とAl溶射皮膜の界面にはII層からIV
層に向って順次Alの濃度の高い化合物が生成された。 (5)合金層の硬さはAlの濃度変化に対応しており、Al
濃度が高くなるにつれて硬くなっていた。しかしIV層に
なると硬さは急激に低下していた。又、下地溶射でNi濃
度が高いものほど硬い合金層が生或され、Moを含むもの
も硬い合金層を生成していた。最高平均硬さはそれぞれ
Hv736 ,862 ,783 にまで達していた。
【0066】
【発明の効果】本願第1の発明の実施によって、基材が
本来有している性状を維持しつつ、耐磨耗性や耐酸化
性、硬度などの、基材被覆の効果を長期に渡って得るこ
とができ、このように基材の延命を図ることが可能な改
質面を得ることが可能な具体的手段を提供し得た。
ち、拡散や熱の影響を嫌う基材表面に対し、そのような
熱影響を与えることなく、長期に渡って低下することの
ない、耐磨耗性等の皮膜形成の効果を付与することが可
能となった。
【0067】本願第2の発明の実施によって、上記本願
第1の発明の効果をより適切に得ることが可能となっ
た。即ち、耐磨耗性や硬度の付与といった基材の改良に
最も適した溶射材料であると共に、溶射後、適切な溶射
層間の拡散を生じる素材を、選択することにより、基材
の表面を最も好ましく改質することが可能となった。
【0068】本願第3の発明の実施によって、上記本願
第1又は第2の発明の効果と共に溶射第一層の基材表面
に対する機械的な固着を可能とする。
【0069】本願第4の発明の実施によって、拡散の良
好な促進を可能とし、上記本願第1乃至第3の何れかの
発明の効果を最も効果的に得ることが可能となった。即
ち、積層された被覆層間に、拡散合金層が形成され、耐
磨耗性や、硬度の点で極めて優れた被覆層を長期に渡っ
て維持することが可能な最も優れた改質を行い得た。
【0070】本願第5の発明の実施によって、拡散の良
好な促進を可能とし、上記本願第乃至第4の何れかの
発明の効果をよりよく得ることが可能となった。即ち、
より確実に拡散を行うことが可能となった。特に、拡散
を促進させるための処理が一回で済み、実施が容易であ
る。
【0071】本願第6の発明の実施によって、最も良好
な拡散を可能とし、上記本願第乃至第4の何れかの発
明の効果を、最大限に発揮することが可能となった。特
に、各層の形成毎に、拡散を促進させるための処理が行
われるので、より確実な拡散を可能とした。
【0072】本願第7の発明の実施によって、最も良好
な拡散を可能とし、上記本願第5又は第6の発明の効果
を、最大限に発揮することが可能となった。又、基材に
対する熱影響を全く気にすることなく、最も確実な拡散
層の形成を可能とした。
【0073】本願第8の発明の実施により、上記本願第
乃至第7の何れかの発明にあって、特に、耐酸化、防
食性に優れた、改質を行うことが可能となった。本願第
9の発明の実施により、上記本願第1乃至第8の何れか
の発明の効果と共に溶射第一層の基材表面に対する機械
的な固着を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本願発明の一実施の形態を示す溶射層
形成の説明図であり、(B)はその拡散の状態を示す説
明図である。
【図2】(A)は試験片aの溶射層形成後拡散前の略断
面図であり、(B)はその拡散後の略断面図である。
【図3】(A)は試験片bの溶射層形成後拡散前の略断
面図であり、(B)はその拡散後の略断面図である。
【図4】(A)は試験片cの溶射層形成後拡散前の略断
面図であり、(B)はその拡散後の略断面図である。
【図5】(A)は試験片aの合金層の拡大略断面図であ
り、(B)は試験片bの合金層の拡大略断面図であり、
(C)は試験片cの合金層の拡大略断面図である。
【符号の説明】
1 溶射第一層 2 溶射第二層 4 拡散第一層 10 基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−31668(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 4/12 - 4/18

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に対し複数回溶射を行い複数層
    の溶射層を積層する溶射層による基材表面の改質方法に
    おいて、 基材表面に対して高温溶融点溶射材料により溶射を行っ
    て溶射第一層を形成し、この溶射第一層の表面に対して
    上記の高温溶融点溶射材料より低温の溶融点を有する低
    温溶融点溶射材料により溶射を行って溶射第二層を形成
    する工程を含む少なくとも2回の溶射を行うことにより
    複数層の溶射層を形成し、 少なくとも溶射第二層を形成した後に、溶射第一層と基
    材との間において拡散を生じさせない温度条件で加熱す
    る工程を含む拡散処理を少なくとも1回施すことによ
    り、溶射第一層と基材表面との間に拡散を生じさせず
    に、少なくとも1組の溶射層と溶射層との間に上記拡散
    処理による拡散を生じさせるようにしたことを特徴とす
    る溶射層による基材表面の改質方法。
  2. 【請求項2】 溶射第一層を、約1100°c 以上の溶融点
    を有する鉄鋼合金等の高温溶融点溶射材料を用いて形成
    し、 溶射第二層を、約850 °c 以下の溶融点を有する低温溶
    融点溶射材料を用いて形成するものであることを特徴と
    する請求項記載の溶射層による基材表面の改質方法。
  3. 【請求項3】 溶射第一層は、溶射時空気中を通過する
    間の冷却にて 200°c 以下で、基材表面に対して固着さ
    せて形成するものであることを特徴とする請求項2記載
    の溶射層による基材表面の改質方法。
  4. 【請求項4】 溶射第一層をNiCr或いはNiCr系合金を含
    む高温溶融点溶射材料にて形成し、溶射第二層をAl又は
    Al系合金等の低融点材料にて形成し、溶射第三層をNiCr
    或いはNiCr系合金を含む溶射材料にて形成することを特
    徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の溶射層による
    基材表面の改質方法。
  5. 【請求項5】 全ての溶射層の形成後、最上層即ち最後
    に積層した溶射層の表面に、拡散処理を施して、拡散を
    行うものであることを特徴とする請求項乃至4の何れ
    かに記載の溶射層による基材表面の改質方法。
  6. 【請求項6】 一つの溶射層を形成した後、次の溶射層
    を積層する前に、即ち拡散層形成毎に拡散処理を施し
    て、拡散を行うものであることを特徴とする請求項
    至4の何れかに記載の溶射層による基材表面の改質方
    法。
  7. 【請求項7】 上記の拡散処理は、拡散促進剤として暦
    青質塗料又はシリコンオイルを用い、この拡散促進剤を
    溶射層表面に貼付した後、加熱処理を行うか、或いは、
    アルゴン、窒素、ヘリウム等の不活性雰囲気で熱処理を
    行うものであり、上記加熱処理は、ガスバーナートー
    チ、ガス燃焼炉、電気ヒーター、高周波電気加熱、電気
    炉又はプラズマトーチを用いて、加熱温度が約670 °c
    〜900°c 範囲内で加熱するものであることを特徴とす
    る請求項5又は6記載の溶射層による基材表面の改質方
    法。
  8. 【請求項8】 最上層即ち最後に積層した溶射層は、セ
    ラミックス或いはセラミックスを含む溶射材料にて形成
    するものであることを特徴とする請求項乃至7項の何
    れかに記載の溶射層による基材表面の改質方法。
  9. 【請求項9】 溶射第一層は、鱗片状体の高融点材料が
    基材表面に対して機械的に固着したものであることを特
    徴とする請求項1乃至8項の何れかに記載の溶射層によ
    る基材表面の改質方法。
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