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JP3033041B2 - 蓄熱性材料およびその使用 - Google Patents

蓄熱性材料およびその使用

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JP3033041B2
JP3033041B2 JP03514611A JP51461191A JP3033041B2 JP 3033041 B2 JP3033041 B2 JP 3033041B2 JP 03514611 A JP03514611 A JP 03514611A JP 51461191 A JP51461191 A JP 51461191A JP 3033041 B2 JP3033041 B2 JP 3033041B2
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アロノヴィッチ レヴィツキー,エマニュイル
ニコラエヴィッチ パルモン,ヴァレンチン
ミハイロヴナ モロズ,エラ
ヴラディミロヴィッチ ボグダノフ,セルゲイ
エヴゲニエヴナ ヴォグダンチコヴァ,ニーナ
ニコラエヴナ コヴァレンコ,オルガ
Original Assignee
インスティチュート カタリザ シビルスコゴ オトデレニア ロッシイスコイ アカデミイ ナウク
アクシオネルノエ オブシェストヴォ ザクリトゴ ティパ “エコテルム”
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Publication date
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Priority claimed from US08/410,401 external-priority patent/US5585174A/en
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

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  • Building Environments (AREA)
  • Details Of Measuring And Other Instruments (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、塩の水和物を用いて熱を蓄積するための材
料に関し、より詳しくは、熱的に不活性であるマトリッ
クス、および作業物質としての塩の結晶性水和物を含む
蓄熱材料に関する。
本発明は、気体流および固体に対する温度制御の問題
を解決し、個人的生活および技術的過程、たとえば居住
および作業用家屋の空調および暖房、ならびに、加熱が
望ましくない物品の調温に用いること、更には消火を目
的として意図されている。
従来の技術 最も単純かつ周知である蓄熱材料は水である。水の極
めて高い(1cal/g級の)熱容量は、水による蓄熱材にお
ける同じ質量について、たとえば岩石性土壌に基づく蓄
熱材におけるそれの2倍も多い蓄熱量を確保する。しか
し、単位体積については、水と岩石の密度が異なること
から、その差は平準化される。特定の蓄熱材料、たとえ
ば相変化材料(PCM)に移行させると、固相系の利点は
依然として、より実質的であることを下記に示す。固体
による熱の蓄積は、非常に多くの特許において研究さ
れ、実現されている。ハットフィールド(J.C.Hatfiel
d)およびヴァ(A.W.Va)による米国特許第4,708,812号
明細書は、固体材料の融解および析出の過程に基づくPC
M系における蓄熱の理論的および実際的問題を詳細に開
示している。
そのような系では、塩の結晶性水和物の群から選ばれ
た物質が用いられる。表1に、結晶性水和物の融解温度
に関する参考データを提示する。
表から明らかなとおり、ほとんどの事例で、融点は生
理的に快適な温度(20℃)の水準を顕著に上まわる。す
べての事例で、塩の融解潜熱は高くはなく、蓄熱材の作
業物質1単位あたり少量の蓄熱(約数十kcal/質量kg)
が可能になるだけである。
原型としては、請求項に記載のものに近い蓄熱組成物
を開示するヨーロッパ公開特許第0,034,710号公報が選
ばれた。引用された特許では、塩の結晶性水和物、なか
んづくCaCl2・6H2Oが、水中で硬化するセラミック(セ
メント)マトリックスの中に分布させられる。
原型によれば、セメントマトリックスは、相対的に大
きい粒度(約103〜104nm)のセメント粒子の加水分解の
結果として形成された、同程度の大きさの粒子間毛細管
を形成する多孔体であって、その中に、やはり同じ粒度
の塩の大粒子が析出されている。そのような大きさの細
孔及び粒子を有することによって、セメントマトリック
スは、毛細管に働く力のために塩を溶融状態に保つ(変
位を妨げる)が、蓄熱性である作業物質の特性には影響
を与えない。
これが典型的な相変化蓄熱材(PCM)の例であるかぎ
り、その利点および短所は、この原理に基づく非常に多
数の特許に特徴的である。
蓄熱材は、エネルギー源の生成及び消費が同時に進行
しないいかなるエネルギー系にも不可欠の部材である
[トワイデル(W.Twidell)およびウエア(A.D.Wei
r):「更新可能なエネルギー源(Renewable Energy Re
sources)」、ロンドン(1986年)を参照]。この熱装
置系は、熱源(s)、蓄熱材(a)および消費機構
(c)を含んでなる。この系では、次の関係ts>ta>tc
が常に成り立つ。蓄熱材は、その目的に応じて、多数の
特性によって特徴付けられる。
1.蓄熱温度。第一近似では、温度(ta)が低いほど、蓄
熱材の品質は高くなる(価格は低下し、蓄積される熱の
利用可能性は高くなる)ことが想定できる。しかし、ta
>tcであるかぎり、熱消費機構の特徴性を考慮に入れな
ければならない。このような消費機構は非常に多様であ
ることを考慮すると、taは制御可能なパラメータでなけ
ればならない。特に関心が持たれるのは、人間にとって
生理的に快適な温度に近い、約20℃という操作温度を有
する蓄熱系である。そのような蓄熱材は、空調機(最適
な温度を超える温度の空気を冷却する)と、最適な温度
を下回る温度でのヒータの機能とを結合させる装置のた
めの基盤として役立つことができる。そして、この場
合、空気を冷却するときに蓄熱材に貯えられた過剰な熱
は、その加熱に向けて実体化される。
2.比エネルギー容量。蓄熱材の比エネルギー容量もその
主要な特徴性となる。蓄熱材物質の単位容積(または質
量)あたりの貯蔵された熱量は、装置の操作サイクルの
持続時間、寸法およびエネルギー容量を規定する。
3.熱貯蔵の時間。最適範囲を超える温度および低い温度
の自然的な(気候上の)期間が時間的に分離されている
かぎり、蓄熱材は蓄えられた熱を長時間(日次的な操作
サイクルの場合は数時間、季節的な操作サイクルの場合
は数日間)にわたって保ち得ることが必要である。
4.安定性、無害性、コスト。蓄熱材物質に不可欠な必要
条件は、多サイクル操作の場合のそれらの安定性、無害
であること、有用性および低いコストである。これらの
必要条件を結合することが、現段階の技術および本請求
項に記載の技術的解決策の双方の評価を可能にする。
以下、原型および同様の開発によって達成された結果
を、上記の蓄熱材の特性という見地から考察する。
1.PCM系に基づく蓄熱材では、相変化の温度制御(ta
の問題は首尾よく解決されている。この目的のために、
共晶を形成する塩の混合物が用いられた。たとえば、原
型によれば、それはNa2SO4・10H2OおよびNaCl・H2Oの混
合物である。混合物の成分の比率を変えることによっ
て、taを+7℃から+22℃まで変化させることが可能で
ある。
2.上表に示したとおり、結晶性水和物の融解潜熱はかな
り低く(1gあたり数十cal)、このことが、必要とされ
る蓄熱材料の量を増大させ、蓄熱装置系の寸法を規定す
る。
3.慣用のPCM材料の低いエネルギー容量のもう一つの結
果は、蓄積された熱を貯蔵する時間が制約されることで
ある。熱貯蔵の実際の時間は、PCMを冷却する速度によ
って規定されるが、それは材料に蓄積される熱の量、お
よび熱を単離する効率に左右される。これらの因子の双
方の限定された性格を考慮すると、蓄熱材における熱貯
蔵の持続時間は長くはなり得ない。
したがって、二つの主要な指標(エネルギー容量およ
び貯えられた熱の保持時間)に関して、PCMに基づく蓄
熱材料は主要な必要条件を満たさない。また、まさにこ
れらの理由によって、多くのPCM系の広範囲の実用が限
定されているのである。
ここで注意すべきことは、これらの短所は、PCM系の
作用の原理そのものによって生起され、慣用の蓄熱装置
系の若干の構造的改良によっては排除できないことであ
る。
この問題を解決するには、熱を蓄積するときの吸熱効
果を実質的に(約1桁程度)増大させることが必要であ
る。いかなる吸熱効果も、固相物質の粒子の結合を破断
することによって規定される。その値は、これらの結合
のエネルギーに依存する。PCM系の場合、最も弱い分子
間結合の判断が生起し、その結果、低い融解潜熱が導か
れる。
蓄積される熱の量を実質的に増加させるには、強い分
子間結合の破断、たとえば脱水和(塩の結晶性水和物か
ら化学的に結合している水を部分的または完全に除去す
ること)に移行させることが必要である(表1)。
本発明の説明 本発明は、蓄熱材料の根本的改良、すなわち、蓄積さ
れた熱を貯蔵する時間を延長させつつ、エネルギー容量
を本質的に1桁程度増大させるという問題を説明かつ解
決することを目的とする。
本発明によれば、上記の目的を達成するために、細か
い開孔を含有する外側表面を有し、その多孔質のマトリ
ックスの開孔中に気体雰囲気で可逆的な脱水反応/水和
反応を有する熱感受性の活性成分を含浸させた、熱的に
安定の多孔質マトリックスを有し、それにより、脱水反
応中に熱を吸収するか、或いは、水和反応中に熱を放出
し、そして、前記マトリックス材料は、機械的に安定し
ており、前記活性成分は、その脱水反応及び水和反応中
に水を放出或いは吸収する能力を有する吸湿物質であ
り、そして、該熱的安定なマトリックスの開孔は、該マ
トリックスの外側表面で周囲の雰囲気に開いており、該
活性成分がその中に含有できるように、また、該開孔と
通じて、その脱水反応/水和反応中に周囲の気体雰囲気
で水蒸気と交換反応するように気体雰囲気に露出されて
いることを特徴とする蓄熱材料を提供する。そして、活
性物質は、温度とともにその化学的組成を変化させる結
晶性水和物の形であり、サイズ100nm以下の結晶が好適
である。また、活性物質は、サイズ100nm以下の結晶と
してのCaCl2・6H2Oが好適である。そして、マトリック
スは、直径10nm以下の開孔を有する無機物、重合体、炭
素または金属材料で、1〜5000ミクロンのサイズの顆粒
化或いは粉末の多孔質粒子の形状のものが好適である。
また、マトリックスは、直径10nm以下の開孔を有するシ
リカゲルが最も好適である。更に、ゼオライトと混合し
てある前記の蓄熱材料が好適である。そして、気体/空
気雰囲気に対する冷却材および加熱材としての蓄熱材料
の用途である。また、物品または建築物および無線電子
機器要素の、調温材および/或いは加熱防御材としての
蓄熱材料の用途でもある。また、消火手段としての蓄熱
材料の用途でもある。
以下、物質の化学的転換に基づく新規な系の創出、お
よび化学的蓄熱材(CHA)と呼ばれる所望の材料の獲得
という問題の解決策を説明する。
CHA系の作業物質においては、塩の化学的析出という
過程が実行される。たとえば、CaCl2・6H2Oの場合、こ
の反応は、 CaCl2・6H2O→CaCl2・2H2O+4H2O+q として示される。
分解過程は吸熱的である。熱の消費は、水の分割およ
びそれに続く蒸発に付随する。当然、これは分割される
水のモル数、1モルあたりの吸熱効果、およびCHAの単
位容積または単位重量中の作業物質のモル数に比例す
る。CaCl2・6H2Oについては、この値は容易に知られ
る。
吸熱効果、即ちH2O1モルあたりの結晶性水和物の生
成熱の変化は、引用されたデータについては、平均して
74kcal/H2Oモルに等しい。ΔHH2O=−58kcal/モルとい
う水の形成自体の熱もこれに含まれるかぎり、これらの
値の差である74−58kcal/モル=16kcla/モル、すなわち
結晶性水和物構造[Ca(OH26++内の水分子の相関
(結合)エネルギーだけが考慮されることになる。分割
された水を除去するときは、水1モルの蒸発熱である9k
calをこの値に加えなければならない。
すなわち q=16+9=26kcal/モル である。水4モルの単離に伴って各1モルの分解(CaCl
2・6H2O約220g)が起こり、それによって、合計してCa
Cl2・6H2O1モルあたり25×4=100kcalという熱効果
が得られる。
したがって、CHA系の熱貯蔵の潜在的能力は、慣用のP
CM系Kのそれを少なくとも1桁程度は上回る(原型を参
照)。
一般に、脱水和は、融点を超える温度で生起する。し
たがって、CaCl2・6H2O→CaCl2・4H2O+2H2Oという
反応は、蓄熱材の作業温度水準を著しく超える31〜45℃
という温度範囲で生起する。
記述された問題を解決するには、塩の結晶性水和物の
ような熱的に不安定性である化合物の化学的分解温度を
実質的に降下させることが必要である。
本発明によれば、これは、いわゆる「大きさの効
果」、すなわち微視的な大きさに分散させたときの結晶
性固体物質の構造および特性の変化によって達成され
る。
n→∞である原子数の巨視的粒子に関しては、融点や
蒸気圧のような熱力学的特性は一定である[P=一定の
ときT=一定である]ことが当技術に公知である。この
法則は、粒度を、たとえばD<10-5cm(100nm)にまで
変化させたときには破られる。最も信頼できるデータ
は、粒度に依存する融点の変化に関して得られた。小さ
い粒度、たとえばα<10nmでは、この依存度は強まり、
かつ実質的に線形になる[たとえば、セリング(N.N.Se
ling)、SSP、第7巻第3号(1965年)881ページを参
照]。粒子の半径Rに対する融点の依存度に関する実験
的データに基づいて推論した分析的表現を下記に示す: TR=Toexp(−2αΩ/RQ)≒To(1−2αΩ/RQ) [式中、Toは大結晶の融点(R=∞)、αは表面張力係
数、Ωは原子容、Qは融解潜熱である]。
この分析的表現は、最終的粒度の液滴(粒子)に対す
る過剰な圧力を規定するトムソン(ケルビン)の基本的
な式: ΔP=α/R・Ω/KT・Po から誘導される[ヤ・エ・ゲグジン(Ya.E.Geguzin]、
「焼結の物理学(Physics of Sintering)」”ナウカ
(Nauka)”、モノグラフ(1967年)参照]。小さい粒
子の構造および特性の上記の変化の物理的意味は、第一
近似で説明することができ、その結果、分散(小さい粒
子の表面の形成)に費やされるエネルギーの一部は、そ
れらの三次元構造によって蓄積される。このことは、大
粒子においては、表面原子の相対的部分が、増大した移
動度を示し、自由エネルギーが高いということから充分
に明白である。実験的に充分裏付けられた同じ理論的関
係から、「エントロピー性」変化(物質の融点の降下お
よび蒸気圧の上昇)は、広い範囲の粒度(約100〜5nm)
で支配的であるのに対して、分子間の空間形成の増大や
物質の生成熱の減少のような「エンタルピー性」変化
は、約1〜5nmという粒度でのみ出現する[たとえばヤ
・エ・ゲグジンによる上記のモノグラフを参照]ことが
導かれる。本発明者らは一つの仮説を提起したが、それ
によれば、5〜10nmの粒度範囲の熱的に不安定なすべて
の結晶性物質に関して、近似的に一定である生成熱での
粒度に対する化学的分解温度の基本的依存性が認められ
る: t=f(R)、ΔH(R)=一定 物理的方法(X線解析、熱量測定)を用いて実施され
た実験的研究によれば、そのような依存性は、たとえば
塩の粒度の D=10〜100nm(10-7〜10-5) という範囲での結晶性水和物CaCl2・6H2Oについて実際
に成立することが示されている。
CaCl2・6H2Oの分解温度を粒度Dの関数として変化さ
せた主な結果を下記に示す。
この研究は、塩の粒度の減少は、結晶性水和物の分解
温度だけでなく、その分解機序の変化も伴うことを示し
ている。文献からは、結晶性水和物CaCl2・6H2Oは、31
〜45℃という温度範囲で、水2分子の分割とともにCaCl
2・4H2Oへと分解し、次いで、50〜60℃という範囲で、
CaCl2・2H2Oへの移行が更に2分子の水の分割とともに
生起することが知られている。この過程は可逆的であっ
て、温度を下げ、かつ湿度を上げた条件下では、CaCl2
・2H2Oは、開始時の六水和物CaCl2・6H2Oへと完全に
転換される。この作業過程が、請求項に記載のCHA材料
を開発するための根拠として用いられた。
この過程を実現する際には、当然の困難が生じる。す
なわち、微視的粒度(100nm未満)を扱うことは、実際
的には不可能である。
その上、そのようなエネルギーに富む非平衡系は、容
易に凝集して大粒子を生じる(R=∞)。この問題を解
決するために、本発明者らは、塩粒子を多孔性セラミッ
クのマトリックスに組み込む工程を用いた。本発明者ら
が用いた多孔性マトリックス、たとえばシリカ(シリカ
ゲル)で製造されたそれは、原型から明らかなとおり、
必要とされる大きさ(10〜50nm)の細孔を有し、ここに
同じ(微視的な)大きさの塩粒子が析出される。
したがって、結晶性水和物である作業物質、たとえ
ば、D<100nmという粒度を有するCaCl2・6H2Oの1kgあ
たり、エネルギー貯蔵量は約1cm3/kgである。約1cm3/
kgの細孔容積、すなわちかさ容積1リットルあたり0.5
リットルの細孔、および1.7g/cm3の結晶性水和物の密度
を有するシリカゲルを用いたときは、CHA材料の顆粒の
かさ容積量1リットルあたりのエネルギー貯蔵量は400k
cal/リットルとなる。
結晶性水和物の形式の慣用の化合物は非常に多数であ
ることを考慮すると、選択の可能性は下記の要因によっ
て規定される。
(a) 非常に多数の慣用の結晶性水和物について、H2
O1モルあたりの生成エンタルピーはほぼ一定であり、
ΔH≒16±2kcal/H2Oモルという範囲での結合エネルギ
ーの変化に一致する。
(b) 作業物質にとって最も重要な必要条件は、多数
回の水和/脱水和サイクルのもとでのその安定性であ
る。ここでの主要な限定要因は、結晶性水和物を分解さ
せるときの塩の部分的加水分解の可能性に付随する。そ
のような安定性は、なによりもまず、強酸および強塩基
に固有のものである。両性である酸化物や水酸化物を形
成する元素に移行させたときは、酸の単離が生起する。
熱的に不安定な酸(硝酸、酢酸、シュウ酸など)の塩の
使用も限定される。
(c) 塩が無害であること。
(d) 利用できること。
上記の必要条件を総合的に考慮すると、CaCl2・6H2O
は、熱化学的に安定であること、塩1モルあたり水4モ
ルが単離されることによる物質のエネルギー貯蔵量が高
いこと、無害であること、および利用できること(塩化
カルシウムはソルベー法によるソーダ製造の主要な副生
物であるが、その利用に問題がある)が特徴的であると
して、好ましくも有用である。
選ばれた結晶性水和物のためのマトリックスとしての
実用に際しては、支配的な細孔容積部分が、必要とされ
る大きさ(100nm未満)の細孔として与えられる多孔性
物質が用いられる。そのような材料には、多孔性のガラ
スおよび類似のセラミック材料、多孔性の金属および重
合体、活性炭素、ならびに他の微細な細孔に富むマトリ
ックスが属する。
CHA系の潜在的可能性を具体化するには、熱および物
質(水分)の双方について環境との交換がなされるいわ
ゆる「開いた系」を利用することが非常に重要である。
その目的および意義からして、環境との熱交換がいか
なる蓄熱材の適用のためにも不可欠の条件であるかぎ
り、いかなる蓄熱装置系も、熱に関しては開いている。
蓄熱材が、空気を20℃から10℃に冷却することによっ
て、湿度に富む空気(ψ=100%)から熱を得る場合、1
0℃冷却する際に乾燥空気から除去される熱の量は、温
度を同じく10℃下げるときの水蒸気の凝縮熱の量よりも
1.5倍下回る。したがって、湿った空気の場合、主要な
エネルギーのポテンシャルは、その空気に含まれる水分
に関連する。0℃を超える温度の空気中のかなりの量の
水蒸気の存在(水分の蒸発は、自然界で太陽エネルギー
を利用する主要な方法である)、および空気の湿度を制
御することの相対的単純性は、吸湿性である熱感受性材
料、なかんづく本願に開示の塩の結晶性水和物を蓄熱装
置系の作業物質として用いることの独特の効率を規定す
る。CHA材料と気体性の雰囲気との間の「開いた」水分
交換過程を具体化するには、熱感受性である吸湿性材料
が組み込まれる細孔が「開かれ」ていて、容易に気体性
(空気)の雰囲気と連絡していることが不可欠である。
熱エネルギーは、反応性である化学系のポテンシャル
エネルギーの形でCHA材料に蓄えられる。PCM系から明ら
かであるとおり、CHA材料はいかなる温度を有すること
もできる(一般的には、それは大気温に等しい)。しか
し、環境の温度より低い温度でさえ、CHA材料の「自発
的放熱」は全く生じ得ない。熱の蓄積および放出は、ど
ちらも系の化学的組成の変化に付随する。したがって、
蓄積された熱の放出は、材料と反応物である水蒸気との
間に有効な接触が存在するまでは生起しないであろう。
そのような接触の不在下では、蓄積されたエネルギー
は、無限の時間にわたってCHA系に蓄えることができ
る。
CHA系の実現は、塩の結晶性水和物に基づいて熱エネ
ルギーを蓄積するための原理的に有望な系の広範囲の利
用を限定する二つの主要な問題、すなわちエネルギー容
量の増大および熱の貯蔵時間の延長を解決する。
上記により、請求項に記載のCaCl2・6H2Oという結晶
性水和物に基づくCHA材料は、それらの作業温度準位が
最適のそれ(快適な温度)に近い、熱の蓄積という面で
の非常に高いエネルギー容量によって特徴付けられる。
特性のそのような独自の結合(低い温度における高いエ
ネルギー容量)は、作業条件下で加熱されようとする空
気または何らかの部品からの迅速かつ有効な除熱が要求
される場合の、慣用および新規の技術におけるCHA材料
の非常に広範囲な適用分野での条件を整える。
提案された過程の基盤となる主要な効果、すなわち、
塩の粒度を微視的なそれ(100nm未満)にまで減少させ
る際に物質の分解温度を低下させることは、塩の性質と
マトリックスの性質の双方にいくらか依存する。基本的
な意義を有するのは、熱感受性物質とマトリックス材料
との間の固有の化学的相互作用の不在だけである。した
がって、たとえば、マトリックスと熱感受性材料との間
のイオン交換過程が非常に活発であるゼオライトを用い
る機会は限定されている。
CHA材料の主要な作業過程の方向および速度は、下記
の可逆的な熱化学反応によって説明される。
CaCl2・6H2O=CaCl2・2H2O+4H2O+q 系の平衡状態は、温度ばかりでなく環境の湿度にも左
右される。したがって、空気の湿度は、CHA材料におけ
る蓄熱および除熱を制御する際の第二の重要な要因とな
る。本発明のCHA材料を用いて、閉じた部域内で快適な
(最適の生理的な)温度、一般的には20±2℃を維持す
ることを意図する装置が開発された。空調機およびヒー
タの機能を結合させるそのような装置を、本発明者らは
「コンホータ(Comforter)」と呼ぶ。コンホータの作
用は、化学的蓄熱材(CHA系)でのポテンシャルの低い
熱エネルギーを貯蔵かつ消費する可逆的熱化学サイクル
に基づく。自発的なエネルギー源、たとえば空調機にお
ける熱圧縮機の不在は、コンホータの能力を制約する。
この熱貯蔵技術は、小家屋(約50m3)内、および閉鎖さ
れた、すなわち熱気または冷気の外部からの流入の不在
下での空間の場合の温度制御を意図している。しかし、
コンホータの簡素であること、安全なこと、最小のエネ
ルギー消費、および生態学的純粋性(フレオンの不在)
などの利点は、これを大衆消費者向けに競合できるよう
にさせている。
CHA材料の独自の特性、すなわち室温に近い温度で(1
kcal/cm3までの)大量の熱を蓄積する能力は、技術にお
けるそのような物質の可能な適用の範囲を拡大する。主
目的、すなわち家屋内での気温の制御(コンホータ)に
加え、本願では、蓄熱材料を用いる慣用的でない二つの
目的が提起される。すなわち、 1.作業条件下で加熱される部品および装置の冷却。この
問題は、広範囲の技術的装置系、とりわけ電子計算機お
よび各種の電子機器内の無線電子機器の要素について、
更には火災の場合の建築物の保護について緊要である。
2.その他の慣用的ではないが、CHA材料独自の特性から
論理的に付随するその用途における傾向は、消火、すな
わち制御不能な燃焼過程の抑止を目的とする。
20〜40℃の温度範囲で1gあたり約1kcalを蓄積できるC
HA材料は、その最小量がいかなる火を消すこともできる
効果的な除熱材である。
ゼオライトの水和された形態は、80℃ないし100℃以
上の温度までの加熱のもとで熱を効果的に吸収すること
ができ、吸収された水分の環境への放出というような用
途については、その特性はCHA材料に酷似している。
したがって、本発明によって、物品および建築物を過
熱から保護するため、更には消火のために、ゼオライト
の水和された形態またはその混合物をCHA材料と併用す
ることも可能である。多くの場合に天然ゼオライトが廉
価であることを考慮すると、それが好ましい。
CHA材料の製造方法は、慣用の多数の操作、すなわち
塩溶液によるマトリックスの含浸、塩の結晶性水和物を
析出させる間の溶媒の除去に基づく。
本発明のその他の目的および利点を、その特定の実施
態様の下記の実施例、および本発明に従って製造された
試料から得られた放射測定図の一部分を示す図を用いて
説明する。基線の位置は、CaCl2・6H2Oの合成された相
に対応する。微結晶の大きさが小さい(約100Å)た
め、回折線は拡大されている。
ただし、ΔHmel:融解熱、ΔHdec:分解熱、ΔHfor
生成熱、ΔHbin:結合熱、Tmel:融点である。
本発明の実施態様の説明 CHA材料の調製を例示する実施例AおよびBを下記に
示す。
実施例A 直径10〜15nmの約1cm3/gの細孔を有する顆粒化され
たシリカゲル(3〜7μmの顆粒)1kgを40%のCaCl2
液1,000mlで含浸する。次いで、含浸した塊体を乾燥さ
せ、溶媒(水)が完全に除去され、マトリックスの細孔
に無水の塩が形成されるまで、240℃の温度でか焼す
る。次いで、冷却した後、工程の進行を試料重量の変化
について制御しつつ、湿った雰囲気中に保持することに
よって材料を水和させて、CaCl2・6H2Oの結晶性水和物
を形成させる。
実施例B 1〜100μmに分散させ、支配的な孔径が10〜15nmで
ある、2.8cm3/gの総細孔容積を有するシリカゲルの粉末
1kgを40%のCaCl2溶液2.800mlで含浸し、次いで、実施
例Aの手順に従い、含浸した塊体を焼成かつか焼する。
その後、水分の容量については同じである溶液に塊体を
再び含浸し、再び乾燥させ、か焼し、CaCl2・6H2Oとい
う組成の塩の結晶性水和物を得るまで、湿った雰囲気中
で水和させる。図に示した放射測定図の一部分は、実施
例AおよびBで得られた材料の試料に対応する。これら
は、CaCl2・6H2O相の結晶がマトリックスの細孔内に実
際に形成されたことを示している。
下記に示した実施例1〜4は、様々な粒度のCaCl2
6H2Oという塩の結晶性粒子を用いた組成物、およびマ
トリックスの細孔に作業物質を充填する異なる度合を例
示している。
実施例1 50nmの平均粒度を有するCaCl2・6H2Oの結晶を含んで
なる蓄熱材料。この材料は、直径3〜7mmの顆粒400g
(マトリックスのかさ容積1リットルあたり結晶性水和
物は約2モル)を含んでなる。計算された推測によれば
(上記を参照)そのような蓄熱材のエネルギー貯蔵量
は、積み重なった顆粒間の空隙を無視すると、かさ容積
1リットルあたり約200kcal、または実容積1リットル
あたり約300kcalである。実験的に判定された転換温度t
aはψ=65%の相対湿度においてta=25±1℃である。
実施例2 10〜15nmの粒度を有するCaCl2・6H2Oよりなる蓄熱材
料。この材料は400gを含んでなり、マトリックスのかさ
容積1リットルあたり結晶性水和物は約2モルである。
この蓄熱材料のエネルギー容量も、材料のかさ容積又は
実容積1リットルあたりそれぞれ約200kcalまたは約300
kcalである。(ψ=65%の環境の相対湿度における)塩
の分解温度は13.5℃である。
実施例3 D=10〜15nmの粒度のCaCl2・6H2Oよりなる蓄熱材
料。塩の分解温度は、実施例2におけるとおり、13.5℃
であるが、塩の含有量は、かさ容積1リットルあたり80
0gである。したがって、材料1リットルのエネルギー容
量は400〜600kcal/リットルである。
実施例4 実施例2および3に記載されたものと同様の蓄熱材料
であるが、限定された総空孔率(約1cm3/g)を有する
顆粒化されたシリカゲルに代えて、同じ粒度であるが2.
8cm3/gという総空孔率を有する高度に多孔性である粉末
を用いる点が異なる。空孔率の顕著な増大のために、そ
れは容積1リットルあたり1.53kgのCaCl2・6H2Oを含ん
でなる粉末状の蓄熱材料となっている。同じ蓄熱温度
(13℃)では、この試料のエネルギー容量は700kcal/リ
ットルである。
下記に示すのは、気温制御のためのCHA系の使用を例
示する実施例5〜8である。
実施例5 ψ=3〜7mmの顆粒の形態で、かさ容積1リットルあ
たり約500kcalのエネルギー容量を有するCHA材料(実施
例3を参照)1リットルを装填した垂直な円筒形の断熱
された反応器に、水蒸気含有量が1g/m3未満である乾燥
空気を毎時1m3の量で供給する。結晶性水和物の分解の
際の断熱冷却の結果としての15〜20℃の乾燥空気の入口
温度において、CHA層の気温が降下し、反応器出口では
0〜+5℃(Δt=−15℃)であり、空気中の水分含有
量は4g/m3まで上昇したが、これはt=+5℃における
ψ=100%に近似する。屋内冷気を得るこのような簡単
かつ生態学的に純粋である方法の実用的重要性は明白で
ある(0〜+5℃という温度範囲は、家庭用冷蔵庫内の
操作温度の水準に対応する)。野菜および他の類似の製
品を貯蔵するには、非常に湿った冷気を用いることが好
都合である。冷蔵庫から明らかであるとおり、本願に記
載の作用系はフレオンを全く必要とせず、エネルギー消
費を10倍も削減する(フレオンの圧縮機に代えて低出力
のファンだけが、CHA材料層を通じて空気を吸引するた
めに必要とされる)。追加的なエネルギー消費が乾燥気
体を得ることに付随し得るが、これに対する効果的な技
術的解決策も公知である。
実施例6 実施例5の手順を反復するが、tinit=30℃の開始温
度、ψ=50%の相対温度、毎時1,000リットルの体積速
度を有する空気を毎時1m3でCHA材料を通じて吹き付け
る点が異なる。空気を顆粒に接触させると、吸熱ととも
に結晶性水和物の脱水和が生起する。顆粒との熱交換の
ために、空気は+20℃に冷却され、この際、絶対湿度は
2g/m3の率で上昇する。実験的な作業サイクル時間(約2
00時間)は、与えられたエネルギー容量(顆粒1リット
ルあたり500kcal)でのそれに近似する。
実施例7 実施例6の手順を反復するが、気流を毎時2m3(毎時
2,000リットルの体積速度)に増大させる点が異なる。
この化学的蓄熱材は、入口での+25℃から出口での+20
℃までの空気の冷却を200時間にわたって確保した。
実施例5、6および7は、吸熱を伴う蓄熱材の装填サ
イクル(脱水和)を例示している。実施例8は逆過程を
示す。
実施例8 実施例5〜7におけると同じ反応器を用いるが、反応
器に装填されたCHA材料の顆粒は、脱水和された形態の
作業物質(CaCl2・2H2O)を含有した。湿った空気(ψ
=50〜60%)を+15℃の開始温度で通過させると、蓄熱
材の水和(放熱)が生起する。出口の気温+25℃とな
り、絶対湿度は1g/m3まで低下した。
実施例9〜12は、主な解決方法、およびそのような方
法を用いた結果を例示する。
この過程は、模範的実験用装置において、熱に対して
防護しようとする部分(偏平な金属板)を同じ寸法(6
×6=36cm2)の電気的に加熱された板に接触させて調
べた。後者の板に通電すると(毎秒0.05W/cm2)、これ
が加熱され、熱は同一面積で2mmの厚さの試験板に移動
する。試験板の反対側には、充填材として分散したCHA
材料の粉末(100ミクロン未満)を含有するエポキシ層
を、本願の実施例4に記載したとおりに塗布する。
実施例9 樹脂被膜およびCHA材料が塗布されていない対照試
験。1時間通電すると、より低い板の温度は95℃に達し
た(95−20=75℃の加熱)。
実施例10 実施例9の手順を反復するが、板の自由な(電気ヒー
タに接触していない)側に、エポキシに加えたスラリー
状のCHA材料粉末の厚さ1mmの層(板1cm2あたり粉末約
0.1cm3)を塗布する点が異なる。1時間通電すると、試
験板は当初のそれ(室温)に近い温度、すなわち20〜30
℃に達した。
実施例11 実施例10の手順を反復するが、蓄熱性被膜の厚さを3m
m(板1cm2あたり粉末約0.25cm3)へと増大させる点が
異なる。このような被膜は、20〜30℃の温度の2時間に
わたる保持を確保した。
実施例12 実施例10および11の手順を反復するが、蓄熱性被膜の
厚さを5mm(板の表面積1cm2あたり粉末約0.4cm3)へと
増大させる点が異なる。この被膜は、2〜40℃の範囲で
4時間にわたる板温の保持を確保した。
実施例9〜12から理解されるとおり、合成樹脂を充填
材、すなわちCHA材料粉末とともに用いることは、作業
条件下で加熱される金属その他の表面から除熱するため
の効果的な方法であって、充填材、すなわちCHA材料粉
末による効果的な蓄熱は、重合体である結合材が破壊さ
れる温度(エポキシについては約100℃)よりはるかに
低い水準の温度の保持を確保する。実施例10〜12に用い
られた組成物は、分散した(100ミクロン未満の)CHA粉
末およびエポキシからなる。樹脂とシリカ、すなわちCH
Aのマトリックスである多孔性の物質との間の高度の接
着は、蓄熱材料の高い含有量(80重量%まで)を有する
組成物を調製することを可能にする。そのような組成物
にエポキシを用いることは、それが加熱された表面から
CHA材料粉末への熱の移転に必要な、貴重な諸特性、た
とえば高い電気的抵抗性および充分な熱伝導性を結合さ
せるかぎり、完全に正当化される。
消火のためのCHA材料の使用を、実施例13〜15を用い
て例示する 実施例13 5cmの直径および1cmの高さの偏平な円筒形の容器に灯
油2.5cm3(約1mmの層)を仕込み、点火する。選ばれた
条件下で、灯油の燃え尽きる時間は約200秒であって、
毎秒125cal、または8秒間に2,000calという計算された
熱の放出に相当する。燃焼は安定的あり、試料の燃え尽
きる時間は、反復される一連の実験において200±10秒
で再現可能である。
実施例14 実施例13の手順を反復するが、点火の50秒後に、高い
エネルギー容量を有するCHA材料粉末(実施例4を参
照)を用いて、灯油の安定的な炎舌を散開させる点が異
なる。約1gの粉末を供給すると(供給時間は約10秒)、
火は完全に消された。しかし、粉末の分散状態を検討す
ると、そのかなりの部分は燃焼部域外に導かれ、周辺に
(容器外に)堆積していた。これは明らかに除熱材の消
費量を増大させる。
実施例15 実施例13および14の手順を反復するが、CHA材料を破
砕した粒子の形態(1〜3mmの画分)で用いる点が異な
る。このような粒子は、灯油の燃焼部域内に侵入するの
に充分な質量を有する。CHA材料の消費量は約0.3gであ
って、消費の際の除熱材の実際の消費量に明らかに一致
する。
したがって、CHA材料を消火に有効に用いるには、放
出される熱1,000kcalあたり約0.3gの割合での、燃焼の
表面へのその供給を確保することが必要である。
強調すべきことは、CHA材料は、放熱した(水和され
た)形態でのみ上記の特性を有することである。したが
って、制御不能な(自発的な)分解(脱水和)を妨げる
そのような貯蔵条件(温度、密集性)を確保することが
必要である。
本請求項に記載の材料は、好都合にも、有効性、コン
パクトであること、および加熱の際にいかなる毒性物質
も全く放出しないという点において、多くの類似物質か
ら区別される。
提案された形式の固相の除熱材を用いる最も効果的な
方法は、燃焼している材料の表面への、すなわち最小限
の動作によって最も顕著な結果を得ることができる、安
定的な火の最小の部域への除熱材の機械的な導入であ
る。実施例13〜15によれば、消火に必要な除熱材の使用
量は、燃焼表面1m3あたり0.15〜0.5kgであって、世界
に実施され公知である最良の種類の除熱材に近似してい
る。
明らかに、新規除熱材の使用は、ほとんどの接近でき
ない地域、たとえば森林の火災はもとより、輸送機関の
火災での消火に最も有効である。
有効性の一般的概算 本請求項に記載の蓄熱材料は、慣用の相変化蓄熱材と
の二点の根本的相違点を有する。すなわち、 − エネルギー容量が約10倍も高い。
− 蓄積されたエネルギーを貯蔵する時間が、実用上無
限である。
これらの質的相違点は、固相の蓄熱性である物質およ
び組成物を開発する際に、従来は求められなかった新規
な技術的問題を解決することを可能にする: 1.夏季には空調を行い、冬季には、蓄熱材料に蓄積され
た熱を用いて暖房することによって、家屋に熱を供給す
る普遍的な「季節的」サイクルを整えること。そのよう
なサイクルは、穏やかな気候下にある非常に多くの地域
に対して実施可能かつ効果的である。
2.高速コンピュータおよび広範囲の電子機器に対して特
に役立つ、温度制御の問題を質的に新たな基盤に立脚し
て解決すること。CHA充填材を有するポリマー性樹脂で
製作された高い効率のコンパクトな除熱装置系は、電子
機器の設計を著しく簡素化し、それらの信頼性を高める
ことができる。
3.CHA材料を消火に用いることは、接近し難い地域での
森林火災はもとより、輸送機関の場合に特に役立つ、除
熱材における必要性を劇的に軽減することを可能にす
る。
フロントページの続き (72)発明者 レヴィツキー,エマニュイル アロノヴ ィッチ ロシア連邦 ノヴォシビルスク ウーリ ツァ ゾロトドリンスカヤ 5 カーヴ ェー 17 (72)発明者 パルモン,ヴァレンチン ニコラエヴィ ッチ ロシア連邦 ノヴォシビルスク ウーリ ツァ ヴォエヴォドスコゴ 1 カーヴ ェー 1 (72)発明者 モロズ,エラ ミハイロヴナ ロシア連邦 ノヴォシビルスク ウーリ ツァ ゾロトドリンスカヤ 5 カーヴ ェー 17 (72)発明者 ボグダノフ,セルゲイ ヴラディミロヴ ィッチ ロシア連邦 ノヴォシビルスク ウーリ ツァ ストロイテレイ 1 カーヴェー 43 (72)発明者 ヴォグダンチコヴァ,ニーナ エヴゲニ エヴナ ロシア連邦 ノヴォシビルスク ウーリ ツァ ポレヴァヤ 12 カーヴェー 1 (72)発明者 コヴァレンコ,オルガ ニコラエヴナ ロシア連邦 ノヴォシビルスク ウーリ ツァ ボグダナ フメルニツコゴ 66 /1 カーヴェー 4 (56)参考文献 特開 昭54−16387(JP,A) 特開 昭61−166879(JP,A) 特開 昭57−137379(JP,A) 特開 昭50−90585(JP,A) 実開 昭58−22946(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 5/00 F28D 20/00 A62D 1/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細かい開孔を含有する外側表面を有し、そ
    の多孔質のマトリックスの開孔中に気体雰囲気で可逆的
    な脱水反応/水和反応を有する熱感受性の活性成分を含
    浸させた、熱的に安定の多孔質マトリックスを有し、そ
    れにより、脱水反応中に熱を吸収するか、或いは、水和
    反応中に熱を放出し、そして、前記マトリックス材料
    は、機械的に安定しており、前記活性成分は、その脱水
    反応及び水和反応中に水を放出或いは吸収する能力を有
    する吸湿物質であり、そして、該熱的安定なマトリック
    スの開孔は、該マトリックスの外側表面で周囲の雰囲気
    に開いており、該活性成分がその中に含有できるよう
    に、また、該開孔と通じて、その脱水反応/水和反応中
    に周囲の気体雰囲気で水蒸気と交換反応するように気体
    雰囲気に露出されていることを特徴とする蓄熱材料。
  2. 【請求項2】前記の活性物質は、温度とともにその化学
    的組成を変化させる結晶性水和物の形であり、サイズ10
    0nm以下の結晶であることを特徴とする請求項1に記載
    の蓄熱材料。
  3. 【請求項3】該活性物質は、サイズ100nm以下の結晶と
    してのCaCl2・6H2Oであることを特徴とする請求項2に
    記載の蓄熱材料。
  4. 【請求項4】該マトリックスは、直径10nm以下の開孔を
    有する無機物、重合体、炭素または金属材料で、1〜50
    00ミクロンのサイズの顆粒化或いは粉末の多孔質粒子の
    形状であることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱材
    料。
  5. 【請求項5】該マトリックスは、直径10nm以下の開孔を
    有するシリカゲルであることを特徴とする請求項4に記
    載の蓄熱材料。
  6. 【請求項6】更に、ゼオライトと混合してある請求項1
    〜5のいずれかに記載の蓄熱材料。
  7. 【請求項7】気体/空気雰囲気に対する冷却材および加
    熱材としての請求項1〜6のいずれかに記載の蓄熱材料
    の用途。
  8. 【請求項8】物品または建築物および無線電子機器要素
    の、調温材および/或いは加熱防御材としての請求項1
    〜6のいずれかに記載の蓄熱材料の用途。
  9. 【請求項9】消火手段としての請求項1〜6のいずれか
    に記載の蓄熱材料の用途。
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