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JP3030405B2 - 抗ウイルス性dna含有物 - Google Patents

抗ウイルス性dna含有物

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JP3030405B2
JP3030405B2 JP2093060A JP9306090A JP3030405B2 JP 3030405 B2 JP3030405 B2 JP 3030405B2 JP 2093060 A JP2093060 A JP 2093060A JP 9306090 A JP9306090 A JP 9306090A JP 3030405 B2 JP3030405 B2 JP 3030405B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はウイルス性疾患に対する治療又は培養細胞等
を使用した抗ウイルス試験に有効な抗ウイルス性DNA含
有物又は該含有物を使用するウイルス感染細胞の殺傷方
法を提供するものである。
(従来技術の課題) ウイルス性疾患、特にレトロウイルス疾患に対して
は、有効な治療法が確立していない。近年になってアシ
クロビル等の抗ウイルス剤の有効性が確認される等、新
薬開発の動きが盛んであるが、様々な試みにも拘らず、
尚もAIDS(後天性免疫不全症候群)を始めとするレトロ
ウイルス疾患については副作用、耐性ウイルスの出現と
いった課題を解決するには至っていない。
最近では、アンチセンス薬剤と呼ばれる一群のDNA又
はRNAが抗ウイルス作用を示すものとして開発され、研
究されている(C.A.SteinとJ.A.Cohen,Cancer Researc
h,48,2659〜2668頁,1988年)。アンチセンス薬剤とは例
えば、ウイルスのmRNAと特異的に結合してその増殖に必
須の蛋白質の発現を抑制し、その増殖を抑制するもので
ある。
一般にDNAは高分子であり、化学的な修飾のみによっ
ては細胞に導入することが難しいため、何等かのベクタ
ーを使用する必要が生じる。ところが現在、動物(ヒ
ト)細胞にDNA等を導入するためのベクターとして従来
研究され、実用化されているものはレトロウイルスベク
ター等の生物学的ベクターのみであることから、動物細
胞に遺伝子を導入する場合には種々の課題が生じる。
例えば物理化学的又は生物化学的に一定の性質を有す
るレトロウイルス粒子を得ることは難しく、レトロウイ
ルスゲノムの有するインテグラーゼによる外来遺伝子の
染色体への組み込みにより、しばしば細胞のガン化が生
じたり、導入された遺伝子の発現レベルが一般的に低
い、等であり(P.W.Cantoffら、J.Exp.Med.166,219〜23
4頁,1987年)、更には目的細胞以外の細胞までトランス
フェクトされてしまう、という課題もある。
(発明の構成) 本発明者らは、ウイルス感染を受けた目的細胞にのみ
抗ウイルス性物質を導入して薬効を発揮させるか又は当
該細胞のみを殺傷させることが可能であれば、他の正常
な(ウイルス感染を受けていない)細胞に影響を与える
ことがないと考え、このような新たな抗ウイルス剤につ
いて鋭意研究した結果、本発明を完成させた。即ち本発
明は、少なくとも細胞殺傷性蛋白質をコードするDNA配
列と、当該DNA配列の上流にDNA配列の発現を制御するた
めの発現制御部位を含有するDNA含有物であり、該発現
制御部位はウイルス感染によって引き起こされる目的細
胞の細胞内変化を感知することで前記細胞殺傷性蛋白質
をコードするDNA配列を発現させ得る抗ウイルス性DNA含
有物を提供するものである。また本発明は、少なくとも
細胞殺傷性蛋白質をコードするDNA配列と、当該DNA配列
の上流にDNA配列の発現を制御するための発現制御部位
を含有するDNA含有物であり、当該DNA含有物はウイルス
感染によって引き起こされる目的細胞の細胞膜上の変化
を感知する物質と結合するか又はそのような物質に含有
されている抗ウイルス性DNA含有物を提供するものであ
る。更に本発明は、これら抗ウイルス性DNA含有物を使
用するウイルス感染細胞の殺傷方法を提供するものであ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明はウイルス感染により引き起こされる細胞内及
び/又は細胞膜上の変化を感知することでウイルス感染
を受けた目的細胞を殺傷するDNA含有物又は方法であ
る。従って本発明において、目的細胞とはウイルスに感
染した細胞を意味する。
本発明では、細胞殺傷性蛋白質をコードするDNAを使
用する。これらDNAは、それ自体は不活性であり、単独
で発現して細胞殺傷性蛋白質を出現させる性質を有する
ものではない。これらDNAは、目的細胞を殺傷し得る細
胞殺傷性蛋白質をコードするものであれば制限はない
が、ここでいう殺傷とは即ち、細胞を死に至らしめるも
の以外に、ウイルスが当該細胞内で増殖することを防げ
る程度に細胞の代謝を不活性化するものやウイルスの増
殖に特異的な代謝作用を阻害するものであってもよい。
このような細胞殺傷性蛋白質として、例えばジフテリ
ア毒素Aフラグメント(I.H.Maxwellら、Cancer Resear
ch,46,4660〜4664頁,1986年)、2′−5′オリゴA合
成酵素(Verhagen,M.ら、Pro.Natl.Sci.USA,77,4479〜4
483頁、1980年)、リシン毒素(Piatak,M.ら、J.Bio.Ch
em.263,4837〜4843頁、1988年)、シュードモナス毒素
(Huang,J.ら、Cell,48,129〜136頁、1987年)等が例示
できる。これらの遺伝子は、例示した文献の方法に従っ
てクローニングすることが可能であり、本発明において
好適に使用することが出来る。オリゴA合成酵素は、目
的細胞を死に至らしめることはないが、細胞内のエンド
ヌクレアーゼL活性の亢進等の作用によりウイルスの増
殖を抑制する(J.Chebathら、Nature 330,587〜588頁,1
989年)ことが可能であり、前記したように本発明でい
う細胞殺傷性蛋白質として使用することができる。ジフ
テリア毒素Aフラグメントは、極めて低濃度で細胞を殺
傷することができ、しかもBフラグメントの非存在下で
は生細胞に入り込むことがない等、目的細胞の死滅によ
り細胞外に遊離したとしても周囲の正常細胞に影響を与
えることがなく本発明において好適に使用することがで
きる。
先に説明したように、本発明において使用する細胞殺
傷性蛋白質をコードするDNA配列は、それ自体不活性な
ものであり、単独で発現することはない。本発明のDNA
含有物は、細胞殺傷性蛋白質をコードするDNAの上流
(5′側)にDNA配列の発現を制御するための発現制御
部位を有する。
ところで本発明は、2つの形態の抗ウイルス性DNA含
有物を提供するものである。従って、以下、順次説明す
る。
第1のDNA含有物は、前記した細胞殺傷性蛋白質をコ
ードするDNAの上流に、ウイルス感染によって引き起こ
される目的細胞の細胞内変化を感知して下流のDNA配列
を発現させ得る発現制御部位を有するものである。この
ような部位(DNA配列)としては、例えばBLV、HTLV−
I、HTLV−II等のレトロウイルス、EIAV、HIV等のレン
チウイルスを含む一群のレトロウイルスのゲノムが有す
るLTR(long terminal repeat)中の部位を使用するこ
とができる。この部位は、ウイルス感染によりウイルス
ゲノム中のトランス活性化蛋白質が生産されるとともに
活性化され、下流に位置するDNA配列を発現させ得るも
のである(C.A.Rosenら、Science,277,320〜322頁,1985
年及びA.I.Daytonら、Cell,44,941〜947頁,1986年)。
第1のDNA含有物はその発現制御部位の性質上、目的
細胞中に導入されることで細胞を殺傷するものである
(正常細胞に導入した場合には発現制御部位の働きによ
り細胞殺傷性蛋白質が発現されない)。目的細胞への導
入は、例えばリン酸カルシウム共沈殿法、DEAE−デキス
トラン法、リポソーム法、エレクトロポレーション法等
の通常のトランスフェクション法によれば良い。なかで
も、DNA含有物を導入しようとする細胞がウイルス感染
を受けた細胞であるか否か分からない場合や、ウイルス
感染を受けた場合の予防的措置として本発明のDNA含有
物を予め正常細胞に導入しておく場合には、細胞に対す
る傷害性の低さという面でDEAE−デキストラン法又はリ
ポソーム法は好ましい方法である。特に、生体に細胞に
DNAを導入するという点では蛋白質−リポソーム法(Y.K
anedaら、Science,243,375〜378頁,1989年)を含めたリ
ポソーム法が好ましい。またこれ以外にも入手可能なも
のとして、DOTMA(リポフェクチンという商品名におい
て入手可能である;L.Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA,84,7413〜7414頁,1987年)で構成されたリポソーム
を例示することが出来る。これは、DNAとの複合体を形
成し易くかつ適用可能な細胞種も広い、という特徴を有
するなど、本発明に好適に使用し得る。
次に本発明の第2のDNA含有物について説明する。第
2のDNA含有物における細胞殺傷性蛋白質をコードするD
NAについては前述した通りである。しかしながら、その
上流に位置する発現制御部位(配列)については、単に
下流のDNA配列を発現させ得るものであれば何等制限は
ない。即ち、第2のDNA含有物に含まれる発現制御部位
は、ウイルス感染を受けた目的細胞とウイルス感染を受
けていない正常細胞の区別なく、これら細胞内で下流の
DNA配列を発現させ得るものであれば良い。第2のDNA含
有物は、ウイルス感染により引き起こされる目的細胞膜
上の変化を感知する物質と結合するか又はそのような物
質に含有されているため、前記したように発現制御部位
には第1のDNA含有物のような制限はないのである。例
えばSV−40プロモーター、メタロチオネイン遺伝子プロ
モーター等の、現在動物細胞を使用した遺伝子工学で使
用されているDNA配列等であれば良い。
以上のDNA含有物について、目的細胞に親和性を有す
るリポソームを使用することにより細胞膜上の変化を感
知できる第2のDNA含有物を調製することが可能であ
る。
例えばレトロウイルス感染細胞では、env蛋白質が細
胞膜上に発現する等、ウイルス感染によって細胞膜上に
特定の抗原が発現することが知られている。従って、目
的細胞の細胞膜上の変化を感知する物質の一例としてこ
のような抗原を認識する抗体が例示できる。また、ある
種のリポソームはSSPE(subacute sclerosing panencep
halitis)細胞やHIVに感染した細胞に特異的に取り込ま
れる(K.Ikutaら、Jpn.J.Cancer Res.78,1159〜1163頁,
1987年)ことが示されている。従って、第2のDNA含有
物は、細胞殺傷性蛋白質をコードするDNA配列とこのDNA
を発現させ得る発現制御部位からなるDNA断片を、例え
ば抗体と結合し又はリポソーム中に担持させることによ
り調製することができる。この点については、例えばBL
V感染細胞上で発現される抗原に対するモノクローナル
抗体を埋め込んだリポソームDNAにアドリアマイシンを
封入したものは、ガン化するBLV感染細胞のヌードマウ
スでの増殖を抑えることが示されている(Onuma,M.ら、
Japan.J.Cancer Res.77,1161〜1167,1986年)。従っ
て、このような文献を参照し、抗体やリポソーム等をデ
ザインし、調製し、使用することが出来る。
本発明の第2の細胞殺傷性DNA含有物において、第1
のDNA含有物で使用されるような発現制御部位を使用す
ることにより、より好ましい第2のDNA含有物が提供さ
れる。即ち、発現制御部位としてウイルス感染によって
引き起こされた細胞内変化を感知し得るものを有し、更
にウイルス感染によって引き起こされた細胞膜上の変化
を感知する物質と結合するか又はそのような物質に含有
された抗ウイルス性DNA含有物である。この第2のDNA含
有物によれば、細胞膜上の変化が感知されることにより
DNA含有物が目的細胞に導入されるとともに、導入され
たDNA含有物は細胞内変化を感知して細胞殺傷性蛋白質
を発現させ得るからである。このような第2のDNA含有
物は、ウイルス感染に関する二重の感知能力を有するた
めに正常細胞を目的細胞と誤認する可能性が低減され
る。
以上説明した本発明により提供される2種の抗ウイル
ス性DNA含有物を使用すれば、ウイルス感染を受けた目
的細胞は特異的に殺傷される。
(発明の効果) 本発明は2種の抗ウイルス性DNA含有物を提供するも
のである。例えば本発明の第2の抗ウイルス性DNA含有
物は細胞への導入に生物学的なベクター系を使用しない
ため、従来の、生物学的ベクターを用いる場合の課題を
生じることはない。一方、本発明の第1の抗ウイルス性
DNA含有物は、たとえ正常細胞に導入されたとしても細
胞殺傷性蛋白質を発現させ得るものではなく、従って、
ウイルス感染後の治療に有効なことは勿論、ウイルス感
染の予防や早期治療のためにも有効である。
本発明のいずれのDNA含有物も、ウイルス感染を受け
た目的細胞で特異的に発現するか又は目的細胞に特異的
に導入されるため、ウイルス感染を受けていない正常細
胞に対する副作用は極めて低いものである。この効果
は、特に細胞殺傷性蛋白質をコードするDNAとしてジフ
テリア毒素Aフラグメント及び発現制御部位としてウイ
ルス感染により生じる目的細胞の細胞内変化を感知する
部位をそれぞれ含む第2のDNA含有物により好適に達成
される。
更に、本発明の抗ウイルス性DNA含有物は従来の抗ウ
イルス剤とは異なり、ウイルスそのものを死滅するもの
ではない。従って、従来から課題とされていた薬剤耐性
ウイルスの出現といった、現在までに十分な見知の得ら
れていない現象をも解決し得るものである。
(実施例) 以下、本発明を更に詳細に説明するために実施例を記
載するが、これら実施例は一例であり、本発明を限定す
るものではない。
実施例1 プラスミドDNAの構築 BLV感染細胞に対して特異的な細胞殺傷効果を実現す
るために、以下のプラスミドDNAを調製した。
pBLVCATの調製 C.A.Rosenらの報告(Science 第227巻、320〜322
頁、1985年)に従って、ウイルス感染細胞内でCAT(ク
ロラムフェニコール・アセチルトランスフェラーゼ)を
発現させ得るプラスミド、pBLVCATを調製した。
pLTR−DTの調製 前記のようにして調製したpBLCATをEcoRIで処理し、B
LVの3′−LTRの全域を含む断片を回収した。これを、
R.D.Palmiterらの報告(Cell 第50巻、435〜443頁、19
87年)に従って調製されたジフテリアA毒素Aフラグメ
ント(以下DT−Aとする)をコードするDNAを含むプラ
スミドのEcoRIサイトに組み込んだ。なお、組み込みの
際、LTRにより指定される転写方向とDT−Aをコードす
るDNAの発現方向が同一となるようにした。pLTR−DT
は、ウイルス感染細胞内でDT−Aを発現させ得るプラス
ミドである。
pLTR−DTMの調製 前記において、pBLCATから調製したEcoRI断片を、
そのLTRにより指定される転写方向とDT−Aをコードす
るDNAの発現方向が逆になるようにジフテリアA毒素A
フラグメントをコードするDNAを含むプラスミドに組み
込み、pLTR−DTMを調製した。なおpLTR−DTMは、ウイル
ス感染細胞内でDT−AのDNAを3′側から転写するた
め、DT−A蛋白質を発現し得ないプラスミドである。
pSV2CATの調製 C.M.Gormanらの報告(Mol.Cell.Biol.第2巻、1044〜
1051頁、1982年)に従ってプラスミドpSV2CATを調製し
た。
なおpSV2CATは、細胞内にてCATを発現させ得るプラス
ミドである。
pTH−1の調製 I.H.Maxwellらの報告(Cancer Research 第46巻、466
0〜4664頁、1986年)に従って、プラスミドpTH−1を調
製した。
なおpTH−1は、細胞内にてDT−Aを発現させ得るプ
ラスミドである。
以上の工程を、参考のために図1に示す。
実施例2 CV−1細胞でのDT−Aの発現 DEAE−デキストラン法により、猿腎細胞に由来するCV
−1細胞(ATCC CCL−70)のトランスフェクトを行っ
た。
まず、10%FCS(子牛血清;Fetal Calf Serum)を含む
D−MEM培地(Gibco社製)でCV−1細胞を50−70%コン
フルエント状態となるまで培養した。培養終了後、培地
を除去してD−MEM培地で細胞を洗浄し、250μl/mlのDE
AE−デキストランを含む2mlのD−MEM培地を加えてCO2
インキュベーター中に静置した。
2時間後、DEAEデキストランを含むD−MEM培地を除
去し、細胞をD−MEM培地で洗浄し、1mMクロロキンと10
%FCSを含むD−MEM培地5ml中に静置した。
3時間後上記培地を除去し細胞を分離してD−MEM培
地で洗浄し、10%FCSを含むD−MEM培地10ml中に48時間
放置した後CAT(クロラムフェニコール・アセチルトラ
ンスフェラーゼ)活性を測定した。CAT活性の測定はaC.
M.Gormanらの報告(前述)に従って行った。
結果を図2に示す。図2によれば、pTH−1によりト
ランスフェクトされたCV−1では、導入されたDNA量に
依存してCAT活性の減少が観察される。以上の結果によ
り、pTH−1によりトランスフェクトされた細胞は、導
入されたDNAの量に依存して細胞死に至ったことが分か
る。
実施例3FLK/BLV細胞でのDT−Aの発現 FLK/BLV細胞を用いて、pBVLTRの細胞殺傷性を確認し
た。FLK/BLV細胞は、胎児ヒツジ腎細胞由来の細胞をBLV
で感染させたBLV持続感染細胞株であり、シンシチウム
形成アッセイによりウイルス抗原(env)が細胞膜上に
露出していることが示されている(Ferrer,J.F.とCabra
dilla,C.D.、Ann.Rev.Vet.9、721〜728、1978年)。
まずFLK/BLV細胞をpBLVCAT、pLTR−DTとpBLVCAT又はp
LTR−DTMとpBLVCATを同時に加えることによりトランス
フェクト(コトランスフェクション)し、48時間後に細
胞を回収して細胞内のCAT活性を測定した。
その結果、pBLVCATでトランスフェクトされた細胞で
は強いCAT活性が観察されたが、pLTR−DTとpBLVCATでト
ランスフェクトされた細胞では導入されたpLTR−DTのDN
A量に依存してCAT活性の低下が確認された。一方、pLTR
−DTMとpBLVCATでトランスフェクトされた細胞ではpBLC
AT単独でトランスフェクトした細胞と同等のCAT活性が
観察された。以上の結果、FLK/BLV細胞内で発現したト
ランス活性化因子によりpLTR−DTが発現されて細胞の細
胞死が引き起こされた結果、CATの発現が低下したこと
が分かる。
実施例4 BLV非感染細胞でのDT−Aの発現 BLV非感染細胞として、ネコC8細胞(Ferrer,J.F.とCa
bradilla,C.D.(前述)によるCC81細胞由来)、ヒトHel
a細胞(ATCC CCL−2)、マウスL929細胞(ATCC CCL−
1)及びサルCV−1細胞を使用して、pSV2CAT又はpBLVC
ATを発現させた。
それぞれ5μgのpBLVCAT、pSV2CATで上記細胞をトラ
ンスフェクトし、CAT活性を測定した。
結果を図4に示す。図4によれば、4種の非感染細胞
はpBLVCATでトランスフェクトされた場合にはCAT活性は
確認されなかった。このことは、pBLVCATが正常細胞で
は機能せず、BLV感染細胞で特異的に機能するプラスミ
ドであることを示している(ネコC8細胞は、ネコ腎臓に
由来する細胞であるがBLVに感受性を有することが知ら
れている(Ferrer,J.F.とCabradilla,C.D.(前述))。
実施例5 リポソームDNAの調製 以下の方法に従って、pLTR−DTを含有するリポソーム
を調製した。
DPPC(ジパルミトイルフォスファチジルコリン;日本精
化(株)製)、コレステロール(和光純薬(株)製)及
びDCP(ジセチルフォスフェート;シグマ製)をモル比
で50:50:2に混合(総量100mg)し、1mlのクロロフォル
ムに溶解して70℃の湯浴中で加温しながらの減圧下、溶
媒を除去することによりリピッドフィルムを得た。有機
溶媒を完全に除去する目的で高真空下(油回転真空ポン
プを使用、数ミリトール)で1時間、減圧留去した。こ
れに1mlの緩衝液(PBS、pH7.0)を添加し、約60℃で水
和してVortexミキサーで混合し10μgのPLTR−DTを加
え、4回、−196℃と40℃の凍結乾燥を実施し、Vortex
ミキサーで再度処理した。
以上の操作で調製されたリポソームDNAを孔径200nmの
ポリカーボネートフィルター(ヌクレポアー社製)を通
過させて粒径をそろえ、更に緩衝液(PBS;pH7.0)で希
釈した後に40Krpmで60分の遠心分離を実施して懸濁する
操作を繰り返し、リポソーム中に担持されなかったDNA
を除去した。なお、調製されたリポソームのDNAとして
の回収率は、約5%であった。
なお、pLTR−DTの代わりに38μgの牛血清アルブミン
を使用し、対象リポソームを調製した。
20又は200μlの調製されたリポソームDNAを用いてFL
K/BLV細胞に対する細胞殺傷作用を以下のようにして測
定した。
まずFLK/BLV細胞に20μl(脂質600μg、DNA5ngを含
む)又は200μl(脂質6mg、DNA50ngを含む)のリポソ
ームDNAの懸濁液を加え、3時間、37℃にてインキュベ
ートした後、これを除去しただちにpSV2CATDNA2μgを
用いてトランスフェクトを行った。
48時間後に細胞を回収し、細胞中のCAT活性を測定し
た。結果を図5に示す。
図5によれば、pLTR−DTを含有するリポソームを細胞
に加えた場合には明確なCAT活性の減少が見られたが、
対象リポソーム(脂質600μgに対して38μgの牛血清
アルブミンを含む)を加えた場合にはCAT活性の減少は
見られなかった。このことは、本実施例において調製さ
れたリポソームDNAは細胞に取り込まれ、細胞中で細胞
殺傷性蛋白質を発現させ得ることを示すものである。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の実施例で使用したプラスミドの調製を示
すものである。 図2は本発明の実施例2の結果、即ちプラスミドpTH−
1のCV−1細胞に対する細胞殺傷効果を示すものであ
る。 図3は本発明の実施例3の結果、即ちプラスミドpLTR−
DT、pLTR−DTMのFLK/BLV細胞に対する細胞殺傷効果を示
すものである。 図4は本発明の実施例4の結果、即ちプラスミドpBLVCA
T、pSV2CATの種々の細胞に対するCAT発現効果を示すも
のである。 図5は本発明の実施例5の結果を示すものである。図
中、黒丸はリポソームDNAについての結果を、白丸は牛
血清アルブミンを含むリポソームについての結果を示す
ものである。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも細胞殺傷性蛋白質をコードする
    DNA配列と、当該DNA配列の上流にDNA配列の発現を制御
    するための発現制御部位を含有するDNA含有物であり、
    該発現制御部位はウイルス感染によって引き起こされる
    目的細胞の細胞内変化を感知することで前記細胞殺傷性
    蛋白質をコードするDNA配列を発現させ得る抗ウイルス
    性DNA含有物。
  2. 【請求項2】発現制御部位がレトロウイルスの感染によ
    り引き起こされる目的細胞の細胞内変化を感知するもの
    であることを特徴とする請求項第1項記載の抗ウイルス
    性DNA含有物。
  3. 【請求項3】少なくとも細胞殺傷性蛋白質をコードする
    DNA配列と、当該DNA配列の上流にDNA配列の発現を制御
    するための発現制御部位を含有するDNA含有物であり、
    当該DNA含有物はウイルス感染によって引き起こされる
    目的細胞の細胞膜上の変化を感知する物質と結合するか
    又はそのような物質に含有されている抗ウイルス性DNA
    含有物。
  4. 【請求項4】細胞膜上の変化を感知する物質がレトロウ
    イルスの感染により引き起こされる目的細胞の細胞膜上
    の変化を感知するものであることを特徴とする請求項第
    3項記載の抗ウイルス性DNA含有物。
  5. 【請求項5】細胞殺傷性蛋白質をコードするDNA配列の
    上流に位置するDNA配列の発現を制御するための発現制
    御部位がウイルス感染によって引き起こされる目的細胞
    の細胞内変化を感知することで前記細胞殺傷性蛋白質を
    コードするDNA配列を発現させ得ることを特徴とする請
    求項第3項に記載の抗ウイルス性DNA含有物。
  6. 【請求項6】発現制御部位がレトロウイルスの感染によ
    り引き起こされる目的細胞の細胞内変化を感知するもの
    であることを特徴とする請求項第5項記載の抗ウイルス
    性DNA含有物。
  7. 【請求項7】請求項第1〜6項いずれかの項に記載の抗
    ウイルス性DNA含有物を使用するウイルス感染細胞の殺
    傷方法。
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