JP3000031B2 - ベルト式連続鋳造機のベルト用コーティング剤 - Google Patents
ベルト式連続鋳造機のベルト用コーティング剤Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はベルト式連続鋳造機によ
る薄肉鋳片製造において、鋳片の長辺面を支持する金属
ベルトの熱的損傷を防止し、かつ寿命を延長させるため
のベルトのコーティング剤に関する。
る薄肉鋳片製造において、鋳片の長辺面を支持する金属
ベルトの熱的損傷を防止し、かつ寿命を延長させるため
のベルトのコーティング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】断面形状が長方形で厚みの薄い鋳片を連
続鋳造する装置として、ベルト式連続鋳造機がある。こ
の方法によれば、従来の圧延工程が簡省略化されて省エ
ネルギー効果が期待され注目されている。この装置にお
いては、溶鋼はタンデッシュからノズルを経て、湯溜ま
り部のベルトモールドに供給される。このベルトモール
ドはプーリーに掛け渡されて、無端走行する一対のベル
トの相対する部分と、両側面を短辺モールドで仕切るこ
とによって構成される。
続鋳造する装置として、ベルト式連続鋳造機がある。こ
の方法によれば、従来の圧延工程が簡省略化されて省エ
ネルギー効果が期待され注目されている。この装置にお
いては、溶鋼はタンデッシュからノズルを経て、湯溜ま
り部のベルトモールドに供給される。このベルトモール
ドはプーリーに掛け渡されて、無端走行する一対のベル
トの相対する部分と、両側面を短辺モールドで仕切るこ
とによって構成される。
【0003】ベルト式連続鋳造機において、使用する金
属ベルトより融点の高い金属を注入する場合は、ベルト
の熱的負荷が大きくなりベルトの永久熱変形、熱的損傷
が著しくなる。その対策として耐火物性材料を用いベル
トにコーティングを施すことが通例である。このコーテ
ィング剤について、母材材質に関しては開示されている
が、その機能を実現させるための付着強度についてはこ
れまで言及されたものはない。ひいては付着強度を発現
させ得て、かつ操業に支障のない使用が可能となるバイ
ンダーの適正含有量に係る報告もない。
属ベルトより融点の高い金属を注入する場合は、ベルト
の熱的負荷が大きくなりベルトの永久熱変形、熱的損傷
が著しくなる。その対策として耐火物性材料を用いベル
トにコーティングを施すことが通例である。このコーテ
ィング剤について、母材材質に関しては開示されている
が、その機能を実現させるための付着強度についてはこ
れまで言及されたものはない。ひいては付着強度を発現
させ得て、かつ操業に支障のない使用が可能となるバイ
ンダーの適正含有量に係る報告もない。
【0004】最近の連続鋳造機の大型化と鋳片の高品質
化のニーズによって、ベルト冷却の均一化と高寿命化が
望まれている。例えば特開昭60−216046号公報
には、ベルトと鋳片間の摩擦力を減じ、1200℃以上
の耐火度を有する厚さ10〜100μmのコーティング
塗膜を形成させる手段が開示されている。しかるに、鋳
片−ベルト間の摩擦力低減のためにベルト表面に、コー
ティング剤を塗布する方法は他の分野においても、広く
用いられる一般的な技術である。その耐火度を規制する
としても付随的な技術と言える。ベルトモールドのよう
な過酷な使用条件に適合する固体潤滑は、未だ十分なも
のは報告されていない。また、従来よりコーティング剤
の成分のバインダー成分とその適正含有量について摩擦
力低減効果を最大限に発揮する様に検討を加えたものは
なかった。
化のニーズによって、ベルト冷却の均一化と高寿命化が
望まれている。例えば特開昭60−216046号公報
には、ベルトと鋳片間の摩擦力を減じ、1200℃以上
の耐火度を有する厚さ10〜100μmのコーティング
塗膜を形成させる手段が開示されている。しかるに、鋳
片−ベルト間の摩擦力低減のためにベルト表面に、コー
ティング剤を塗布する方法は他の分野においても、広く
用いられる一般的な技術である。その耐火度を規制する
としても付随的な技術と言える。ベルトモールドのよう
な過酷な使用条件に適合する固体潤滑は、未だ十分なも
のは報告されていない。また、従来よりコーティング剤
の成分のバインダー成分とその適正含有量について摩擦
力低減効果を最大限に発揮する様に検討を加えたものは
なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来技
術の問題点を解決するために、ベルトに塗布した場合の
連続鋳造の操業性を改善して、かつベルトの保護を強化
することによって品質の均一な鋳片の安定製造を可能と
することを、特に、コーティング剤によって鋳造モール
ド内でのボイリング現象の発生を防止して、かつボイリ
ング現象に至らないとしてもそのスプラッシュの発生を
も抑制することを目的としている。そのために、ベルト
の保護のために用いるコーティング剤に関し、その保護
機能を満足させ得て、かつ操業に支障なく使用できるコ
ーティング剤のバインダー含有量に関して検討したもの
である。冷却の不均一による凝固シェルの乱れが、熱収
縮する過程において凝固シェルとそれに接する物との間
で、拘束力(摩擦力)が存在する場合に、凝固シェルの
薄い箇所に引張り力が生じ割れの発生へつながる。
術の問題点を解決するために、ベルトに塗布した場合の
連続鋳造の操業性を改善して、かつベルトの保護を強化
することによって品質の均一な鋳片の安定製造を可能と
することを、特に、コーティング剤によって鋳造モール
ド内でのボイリング現象の発生を防止して、かつボイリ
ング現象に至らないとしてもそのスプラッシュの発生を
も抑制することを目的としている。そのために、ベルト
の保護のために用いるコーティング剤に関し、その保護
機能を満足させ得て、かつ操業に支障なく使用できるコ
ーティング剤のバインダー含有量に関して検討したもの
である。冷却の不均一による凝固シェルの乱れが、熱収
縮する過程において凝固シェルとそれに接する物との間
で、拘束力(摩擦力)が存在する場合に、凝固シェルの
薄い箇所に引張り力が生じ割れの発生へつながる。
【0006】しかし、シェルの不均一が生じている場合
においても、拘束力が理想的に全くない場合は割れの発
生は生じ得ない。本発明はこの拘束力を減じる手段とし
て、ベルト式連続鋳造機のベルト内に塗布して摩擦力の
低減手段を検討し、かつ操業性を改善するコーティング
剤を提供するものである。
においても、拘束力が理想的に全くない場合は割れの発
生は生じ得ない。本発明はこの拘束力を減じる手段とし
て、ベルト式連続鋳造機のベルト内に塗布して摩擦力の
低減手段を検討し、かつ操業性を改善するコーティング
剤を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題点を
解決するもので、その要旨とするところは、ベルトモー
ルドを構成して鋼の連続鋳造を行うベルトの表面コーテ
ィング剤において、耐火物質および炭素物質の主原料か
らなる水を溶媒とするスラリーに、付着強度を発現する
ため無機バインダー:2〜10重量%および有機バイン
ダー:0.01〜3重量%の1種または2種以上を組み
合わせ添加することを特徴とするベルト式連続鋳造機の
ベルト用コーティング剤である。
解決するもので、その要旨とするところは、ベルトモー
ルドを構成して鋼の連続鋳造を行うベルトの表面コーテ
ィング剤において、耐火物質および炭素物質の主原料か
らなる水を溶媒とするスラリーに、付着強度を発現する
ため無機バインダー:2〜10重量%および有機バイン
ダー:0.01〜3重量%の1種または2種以上を組み
合わせ添加することを特徴とするベルト式連続鋳造機の
ベルト用コーティング剤である。
【0008】さらにベルト式連続鋳造機のベルト用コー
ティング剤において、スラリーの母材に占める黒鉛濃度
が20重量%以上、好ましくは30重量%以上を含有
し、スラリーでの溶媒(水)に対する母材の重量%で表
示してなる固形分濃度C(重量%)が C≦75─0.
4x〔母材に占める黒鉛濃度(重量%)〕を満足し、か
つスラリー固形分濃度C(重量%)が20%以上、好ま
しくは30重量%以上を含有し、さらに付着強度を発現
するため無機バインダー:2〜10重量%および有機バ
インダー:0.01〜3重量%の1種または2種以上を
組み合わせ添加することを特徴とする。
ティング剤において、スラリーの母材に占める黒鉛濃度
が20重量%以上、好ましくは30重量%以上を含有
し、スラリーでの溶媒(水)に対する母材の重量%で表
示してなる固形分濃度C(重量%)が C≦75─0.
4x〔母材に占める黒鉛濃度(重量%)〕を満足し、か
つスラリー固形分濃度C(重量%)が20%以上、好ま
しくは30重量%以上を含有し、さらに付着強度を発現
するため無機バインダー:2〜10重量%および有機バ
インダー:0.01〜3重量%の1種または2種以上を
組み合わせ添加することを特徴とする。
【0009】さらに、スラリーの母材は、ベルトと鋳片
との摩擦を小さくする目的とし、結晶質黒鉛で、水を溶
媒とするスラリーの濃度が20重量%以上、好ましくは
30重量%以上、70重量%以下で、かつその結晶質黒
鉛粒子の平均粒子径が50〜500μm、好ましくは1
00μm以下の特性を有し、かつ付着強度を発現するた
め無機バインダー:2〜10重量%および有機バインダ
ー:0.01〜3重量%の1種または2種以上を組み合
わせることを特徴とする。
との摩擦を小さくする目的とし、結晶質黒鉛で、水を溶
媒とするスラリーの濃度が20重量%以上、好ましくは
30重量%以上、70重量%以下で、かつその結晶質黒
鉛粒子の平均粒子径が50〜500μm、好ましくは1
00μm以下の特性を有し、かつ付着強度を発現するた
め無機バインダー:2〜10重量%および有機バインダ
ー:0.01〜3重量%の1種または2種以上を組み合
わせることを特徴とする。
【0010】一般にベルト式連続鋳造のように過酷な、
高温の状態で使用されるベルト等には十分な潤滑を得る
方法は潤滑油のかわりに層状物質などの固体によるコー
ティング潤滑が採用される。本発明者らはベルト式連続
鋳造機のベルトの潤滑性の改善について、特にそのコー
ティング剤について種々検討を行った。その結果、コー
ティング剤の潤滑性向上を図り、かつ連続鋳造の操業性
を改善するにはスラリー中でのバインダーおよび黒鉛の
状態、さらには平均粒子径が重要との知見を得た。この
際、ベルト表面への塗布は、コーティング剤をスラリー
状として粉霧ノズルから噴射する方法によって均一な塗
布がなされる。
高温の状態で使用されるベルト等には十分な潤滑を得る
方法は潤滑油のかわりに層状物質などの固体によるコー
ティング潤滑が採用される。本発明者らはベルト式連続
鋳造機のベルトの潤滑性の改善について、特にそのコー
ティング剤について種々検討を行った。その結果、コー
ティング剤の潤滑性向上を図り、かつ連続鋳造の操業性
を改善するにはスラリー中でのバインダーおよび黒鉛の
状態、さらには平均粒子径が重要との知見を得た。この
際、ベルト表面への塗布は、コーティング剤をスラリー
状として粉霧ノズルから噴射する方法によって均一な塗
布がなされる。
【0011】しかしながら、スラリー中の母材量を増量
していくと、この粉霧状態に問題があることがわかっ
た。すなわち、母材添加量の増量にともない、スラリー
の凝集性が強くなり、スラリーの安定性(保存性)が低
下してくる傾向にある。この点について、発明者らの実
験によって確認された知見をもとに、さらに詳述する。
していくと、この粉霧状態に問題があることがわかっ
た。すなわち、母材添加量の増量にともない、スラリー
の凝集性が強くなり、スラリーの安定性(保存性)が低
下してくる傾向にある。この点について、発明者らの実
験によって確認された知見をもとに、さらに詳述する。
【0012】まず、母材(主原料)として、耐火物質、
炭素物質の微粉末を1種または2種以上を混合する。そ
の母材として例えば、ジルコン、ジルコニア、黒鉛、コ
ークス、カーボンブラック、マグネシア、アルミナおよ
びこれらの化合物が選ばれる。さらに、黒鉛粉単独の場
合は、結晶質で適正な平均粒径が選ばれる。これら母材
の粒度との関係について以下に述べる。
炭素物質の微粉末を1種または2種以上を混合する。そ
の母材として例えば、ジルコン、ジルコニア、黒鉛、コ
ークス、カーボンブラック、マグネシア、アルミナおよ
びこれらの化合物が選ばれる。さらに、黒鉛粉単独の場
合は、結晶質で適正な平均粒径が選ばれる。これら母材
の粒度との関係について以下に述べる。
【0013】粒度が小さいほどコーティング剤スラリー
が均一となり、ノズルによる粉霧状態が良好となる。し
かし、粒度が小さくなるほど、粉砕時原料粒子同志の凝
集が進行し、粉砕しがたくなるとともに粉砕コストが増
大する。また、粒子径が0.1μm以下によると、粒子
表面が活性化しスラリーにした場合、スラリーの安定性
が悪くなり、凝集、沈降が発生する。このため、平均粒
子径としては0.1μm以上が望ましい。一方、粒度が
大きくなるとコーティング剤の厚みの制御が難しくな
り、コーティングむらが発生するとともに、コーティン
グ厚みのバラツキが増大する。このため、コーティング
厚み10〜50μmに対して、平均粒子径の上限は50
μmが望ましい。
が均一となり、ノズルによる粉霧状態が良好となる。し
かし、粒度が小さくなるほど、粉砕時原料粒子同志の凝
集が進行し、粉砕しがたくなるとともに粉砕コストが増
大する。また、粒子径が0.1μm以下によると、粒子
表面が活性化しスラリーにした場合、スラリーの安定性
が悪くなり、凝集、沈降が発生する。このため、平均粒
子径としては0.1μm以上が望ましい。一方、粒度が
大きくなるとコーティング剤の厚みの制御が難しくな
り、コーティングむらが発生するとともに、コーティン
グ厚みのバラツキが増大する。このため、コーティング
厚み10〜50μmに対して、平均粒子径の上限は50
μmが望ましい。
【0014】また、結晶質の黒鉛粉末を用いた時、上限
が500μm以下、好ましくは100μm以下の平均粒
子径であれば、コーティングに黒鉛粒子による微妙なむ
らがあっても、結晶質黒鉛表面は溶鋼静圧により結晶へ
きかいのすべり(図2参照)を起こし、鋳片の凝固収縮
時のすべりを容易とする。図2(a)に示される黒鉛の
結晶は、一方向についての結晶力が非常に弱いため、図
2(a)の矢印のような力が作用すると、結晶はへきか
いを起こし、図2(b)のようにすべりを生ずることに
なる。この様に、コーティング剤の表面ですべりながら
鋳片表面の拘束点が消滅し、高潤滑性を得ることがで
き、結晶質黒鉛粉末の最適粒子径は50〜500μm、
好ましくは50〜100μmであることが望ましい。
が500μm以下、好ましくは100μm以下の平均粒
子径であれば、コーティングに黒鉛粒子による微妙なむ
らがあっても、結晶質黒鉛表面は溶鋼静圧により結晶へ
きかいのすべり(図2参照)を起こし、鋳片の凝固収縮
時のすべりを容易とする。図2(a)に示される黒鉛の
結晶は、一方向についての結晶力が非常に弱いため、図
2(a)の矢印のような力が作用すると、結晶はへきか
いを起こし、図2(b)のようにすべりを生ずることに
なる。この様に、コーティング剤の表面ですべりながら
鋳片表面の拘束点が消滅し、高潤滑性を得ることがで
き、結晶質黒鉛粉末の最適粒子径は50〜500μm、
好ましくは50〜100μmであることが望ましい。
【0015】次に、スラリー固形分濃度として表される
母材配合量について説明する。本発明者らの知見では、
スラリー固形分濃度(重量%)が20%以上において、
塗布安定性が良好である。スラリー固形分濃度が低い
と、乾燥に要する時間が長くなる、一方スラリー固形分
濃度が高いとコーティング剤の乾燥性は向上するが、ス
ラリー粘度が増大するため粉霧によるコーティング性が
低下する。このため、コーティング剤の粘度は、母材の
種類、粒度、使用するバインダーや沈降防止剤の種類、
添加量によって異なるが、粉霧可能なコーティング剤粘
度となるように固形分濃度を設定する必要がある。本発
明においてはコーティング剤の粘度は0.5〜10pois
が望ましい範囲である。
母材配合量について説明する。本発明者らの知見では、
スラリー固形分濃度(重量%)が20%以上において、
塗布安定性が良好である。スラリー固形分濃度が低い
と、乾燥に要する時間が長くなる、一方スラリー固形分
濃度が高いとコーティング剤の乾燥性は向上するが、ス
ラリー粘度が増大するため粉霧によるコーティング性が
低下する。このため、コーティング剤の粘度は、母材の
種類、粒度、使用するバインダーや沈降防止剤の種類、
添加量によって異なるが、粉霧可能なコーティング剤粘
度となるように固形分濃度を設定する必要がある。本発
明においてはコーティング剤の粘度は0.5〜10pois
が望ましい範囲である。
【0016】次にバインダーについて本発明の限定理由
について詳述する。本発明においては、無機バインダー
をベースに無機バインダーおよび有機バインダーの1種
または2種以上を併用し、コーティング剤のベルトへの
付着強度を高めることを要件としている。バインダーの
種類には無機バインダーとして、珪酸ソーダ(水ガラ
ス)、シリカゲルおよびアルミン酸ソーダ等があり、こ
れらは熱間での付着強度を発現するものである。一方、
有機バインダーとしてはCMC(カルボキシメチルセル
ロース)、MC(メチルセルロース)、デキストリン、
でんぷん、エポキシ、アクリルおよびポリエステル等の
樹脂を使用することが出来る。
について詳述する。本発明においては、無機バインダー
をベースに無機バインダーおよび有機バインダーの1種
または2種以上を併用し、コーティング剤のベルトへの
付着強度を高めることを要件としている。バインダーの
種類には無機バインダーとして、珪酸ソーダ(水ガラ
ス)、シリカゲルおよびアルミン酸ソーダ等があり、こ
れらは熱間での付着強度を発現するものである。一方、
有機バインダーとしてはCMC(カルボキシメチルセル
ロース)、MC(メチルセルロース)、デキストリン、
でんぷん、エポキシ、アクリルおよびポリエステル等の
樹脂を使用することが出来る。
【0017】図1に無機バインダー量とコーティング剤
残存率(付着強度)との関係を示す。これは試験片に塗
布乾燥後にコーティング剤の溶鋼流直撃試験による残存
量を求めたものである。その際、残存率は試験前後の塗
布厚みを測定してこれの比率で表したものである。図1
よれば、コーティング残存率(付着強度)がベルト保護
に必要とする0.7以上を確保するには、無機バインダ
ー2重量%以上でかつ、有機バインダー0.01重量%
以上が必要であることがわかる。
残存率(付着強度)との関係を示す。これは試験片に塗
布乾燥後にコーティング剤の溶鋼流直撃試験による残存
量を求めたものである。その際、残存率は試験前後の塗
布厚みを測定してこれの比率で表したものである。図1
よれば、コーティング残存率(付着強度)がベルト保護
に必要とする0.7以上を確保するには、無機バインダ
ー2重量%以上でかつ、有機バインダー0.01重量%
以上が必要であることがわかる。
【0018】すなわち、本発明では、無機バインダーの
添加量はコーティング剤スラリーに対して2〜10重量
%であるが、これは2重量%以下では付着強度が上られ
ないこと、および10重量%以上では乾燥後の吸湿によ
り、鋳造時スプラッシュの発生が大となることで、この
値に規制している。有機バインダーについてはコーティ
ング剤スラリーに対して0.01〜3重量%としている
のは、0.01重量%以下では付着強度が小さく、3重
量%以上では鋳造時有機バインダーの燃焼、分解により
ボイリングを起こしこれによってスプラッシュが発生す
るためにこの値に限定している。
添加量はコーティング剤スラリーに対して2〜10重量
%であるが、これは2重量%以下では付着強度が上られ
ないこと、および10重量%以上では乾燥後の吸湿によ
り、鋳造時スプラッシュの発生が大となることで、この
値に規制している。有機バインダーについてはコーティ
ング剤スラリーに対して0.01〜3重量%としている
のは、0.01重量%以下では付着強度が小さく、3重
量%以上では鋳造時有機バインダーの燃焼、分解により
ボイリングを起こしこれによってスプラッシュが発生す
るためにこの値に限定している。
【0019】その他の添加剤として、本発明ではスラリ
ーとしてベルトに吹き付けるために、コーティング剤を
スラリー状態で安定して保存するために、コーティング
剤の母材の沈降を防止する目的に、沈降防止剤をスラリ
ーに対して適量添加している。本発明では以上の要件の
他に、1.母材の濃度とスラリー固形分濃度との関係に
おいて、潤滑性の向上とスラリーの安定性を同時に満足
し、かつ鋳片の縦割れ防止するために、スラリー固形分
濃度を前記条件に規制している。すなわちスラリー固形
分濃度C(重量%)≦75−0.4x〔母材に占める黒
鉛濃度(重量%)〕としている。
ーとしてベルトに吹き付けるために、コーティング剤を
スラリー状態で安定して保存するために、コーティング
剤の母材の沈降を防止する目的に、沈降防止剤をスラリ
ーに対して適量添加している。本発明では以上の要件の
他に、1.母材の濃度とスラリー固形分濃度との関係に
おいて、潤滑性の向上とスラリーの安定性を同時に満足
し、かつ鋳片の縦割れ防止するために、スラリー固形分
濃度を前記条件に規制している。すなわちスラリー固形
分濃度C(重量%)≦75−0.4x〔母材に占める黒
鉛濃度(重量%)〕としている。
【0020】2.また、結晶質の黒鉛粉末で上限が50
0μm、好ましくは100μm以下の平均粒子径であれ
ば、母材とスラリー固形分濃度の関係において、潤滑性
の向上とスラリーの安定性を同時に満足し、かつ鋳片の
縦割れを防止するためには、20重量%以上である。こ
れは潤滑性からは、母材の増量は必要なことであるが、
母材の増量にともなってスラリーの凝集性が強くなり、
スラリーの安定性(保存性)が低下するために、本発明
者らの実験から前記関係式を満足する場合が、潤滑性と
保存性を同時に確保できる範囲であることを知得した。
本発明について、実施例に基づき作用効果を詳述する。
0μm、好ましくは100μm以下の平均粒子径であれ
ば、母材とスラリー固形分濃度の関係において、潤滑性
の向上とスラリーの安定性を同時に満足し、かつ鋳片の
縦割れを防止するためには、20重量%以上である。こ
れは潤滑性からは、母材の増量は必要なことであるが、
母材の増量にともなってスラリーの凝集性が強くなり、
スラリーの安定性(保存性)が低下するために、本発明
者らの実験から前記関係式を満足する場合が、潤滑性と
保存性を同時に確保できる範囲であることを知得した。
本発明について、実施例に基づき作用効果を詳述する。
【0021】
【実施例】 実施例1 本発明のコーティング剤を適用して、一般の低炭アルミ
キルド鋼、中炭アルミシリコンキルド鋼を用い実際に双
ベルト式連続鋳造機にて、鋳造をおこなった結果につい
て説明する。表1は本発明の使用したコーティング剤の
組成を示し、表2は連続鋳造の結果を示す。この結果で
は、コーティング剤B,D,F,G,J,MおよびNが
鋳造の操業性が良好である。すなわち、スプラッシュ、
ボイリング現象およびベルトの熱的損傷の発生がない。
本発明のバインダー添加の添加量を無機バインダーでは
2〜10重量%、有機バインダーでは0.01〜3重量
%が適正な添加量であることを示している。
キルド鋼、中炭アルミシリコンキルド鋼を用い実際に双
ベルト式連続鋳造機にて、鋳造をおこなった結果につい
て説明する。表1は本発明の使用したコーティング剤の
組成を示し、表2は連続鋳造の結果を示す。この結果で
は、コーティング剤B,D,F,G,J,MおよびNが
鋳造の操業性が良好である。すなわち、スプラッシュ、
ボイリング現象およびベルトの熱的損傷の発生がない。
本発明のバインダー添加の添加量を無機バインダーでは
2〜10重量%、有機バインダーでは0.01〜3重量
%が適正な添加量であることを示している。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】実施例2 本発明のコーティング剤を実際のベルト式連続鋳造機に
適用した実施例として、表3にコーティング剤の組成と
コーティング剤特性としてスラリーの安定性および塗布
安定性を評価した結果を示す。表4に本発明のコーティ
ング剤によって連続鋳造した鋳片の表面疵の発生状況
を、鋳片縦割れの発生率で示している。本発明の無機バ
インダーおよび有機バインダーを添加したものでは、コ
ーティング剤特性および鋳片の表面疵発生率が減少して
良好な結果を示している。即ち本発明によって、ベルト
式連続鋳造機のベルトの潤滑性および耐久性が向上する
ことが分かる。
適用した実施例として、表3にコーティング剤の組成と
コーティング剤特性としてスラリーの安定性および塗布
安定性を評価した結果を示す。表4に本発明のコーティ
ング剤によって連続鋳造した鋳片の表面疵の発生状況
を、鋳片縦割れの発生率で示している。本発明の無機バ
インダーおよび有機バインダーを添加したものでは、コ
ーティング剤特性および鋳片の表面疵発生率が減少して
良好な結果を示している。即ち本発明によって、ベルト
式連続鋳造機のベルトの潤滑性および耐久性が向上する
ことが分かる。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【発明の効果】本発明によるベルト式連続鋳造機のベル
ト用コーティング剤を用いることによって、鋳片−ベル
ト間の摩擦力低減の効果が向上し、かつ熱的損傷の原因
である熱変形、熱収縮に対して耐久性が向上し、ベルト
の寿命が延長し、さらに鋳片品質の改善が図られ、連続
鋳造の作業効率が改善されることの工業的意義は大き
い。
ト用コーティング剤を用いることによって、鋳片−ベル
ト間の摩擦力低減の効果が向上し、かつ熱的損傷の原因
である熱変形、熱収縮に対して耐久性が向上し、ベルト
の寿命が延長し、さらに鋳片品質の改善が図られ、連続
鋳造の作業効率が改善されることの工業的意義は大き
い。
【図1】本発明の実施例における無機バインダーの量と
コーティング剤付着強度との関係を示す図である。
コーティング剤付着強度との関係を示す図である。
【図2】黒鉛結晶のへきかい性を示す図であり、(a)
応力のない状態、(b)応力によってへきかいによるす
べりの発生を示す。
応力のない状態、(b)応力によってへきかいによるす
べりの発生を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10M 107:36 103:06 ) C10N 10:04 10:06 10:08 20:06 40:00 (72)発明者 三隅 秀幸 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本 製鐵株式会社 大分製鐵所内 (72)発明者 益尾 典良 福岡県豊前市大字八屋1808−3 (72)発明者 樫尾 茂樹 大分県大分市大字西ノ洲1番地 新日本 製鐵株式会社 大分製鐵所内 審査官 金 公彦 (56)参考文献 特開 昭64−99755(JP,A) 特開 平1−197048(JP,A) 特開 昭60−180647(JP,A) 特開 平4−238655(JP,A) 特開 平1−210155(JP,A) 特開 平6−226408(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/06 340 B22D 11/07
Claims (3)
- 【請求項1】 ベルトモールドを構成して鋼の連続鋳造
を行うベルトの表面コーティング剤において、耐火物質
および炭素物質の主原料からなる水を溶媒とするスラリ
ーに、付着強度を発現するため無機バインダー:2〜1
0重量%および有機バインダー:0.01〜3重量%の
1種または2種以上を組み合わせ添加することを特徴と
するベルト式連続鋳造機のベルト用コーティング剤。 - 【請求項2】 ベルト式連続鋳造機のベルト用コーティ
ング剤において、スラリーの母材に占める黒鉛濃度が2
0重量%以上、好ましくは30重量%以上を含有し、ス
ラリーでの溶媒(水)に対する母材の重量%で表示して
なる固形分濃度C(重量%)が C≦75─0.4x
〔母材に占める黒鉛濃度(重量%)〕を満足し、かつス
ラリー固形分濃度C(重量%)が20%以上、好ましく
は30重量%以上を含有し、さらに付着強度を発現する
ため無機バインダー:2〜10重量%および有機バイン
ダー:0.01〜3重量%の1種または2種以上を組み
合わせ添加することを特徴とするベルト式連続鋳造機の
ベルト用コーティング剤。 - 【請求項3】 ベルト式連続鋳造機のベルト用コーティ
ング剤において、水を溶媒とするスラリーの固形分は、
ベルトと鋳片との摩擦を小さくする目的とし、結晶質黒
鉛でスラリーの濃度が20重量%以上、好ましくは30
重量%以上、70重量%以下を含有し、かつ該結晶質黒
鉛粒子の平均粒子径が50〜500μm、好ましくは1
00μm以下の特性を有し、さらに付着強度を発現する
ため無機バインダー:2〜10重量%および有機バイン
ダー:0.01〜3重量%の1種または2種以上を組み
合わせ添加することを特徴とするベルト式連続鋳造機の
ベルト用コーティング剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27564793A JP3000031B2 (ja) | 1992-11-04 | 1993-11-04 | ベルト式連続鋳造機のベルト用コーティング剤 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4-295228 | 1992-11-04 | ||
| JP29522892 | 1992-11-04 | ||
| JP27564793A JP3000031B2 (ja) | 1992-11-04 | 1993-11-04 | ベルト式連続鋳造機のベルト用コーティング剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0747450A JPH0747450A (ja) | 1995-02-21 |
| JP3000031B2 true JP3000031B2 (ja) | 2000-01-17 |
Family
ID=26551568
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27564793A Expired - Fee Related JP3000031B2 (ja) | 1992-11-04 | 1993-11-04 | ベルト式連続鋳造機のベルト用コーティング剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3000031B2 (ja) |
-
1993
- 1993-11-04 JP JP27564793A patent/JP3000031B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0747450A (ja) | 1995-02-21 |
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|---|---|---|---|
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