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JP2912923B2 - 生体内分解吸収性の外科用材料及びその製造法 - Google Patents

生体内分解吸収性の外科用材料及びその製造法

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JP2912923B2
JP2912923B2 JP7268999A JP26899995A JP2912923B2 JP 2912923 B2 JP2912923 B2 JP 2912923B2 JP 7268999 A JP7268999 A JP 7268999A JP 26899995 A JP26899995 A JP 26899995A JP 2912923 B2 JP2912923 B2 JP 2912923B2
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義人 筏
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薫 蔦
英和 棒谷
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Takiron Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ乳酸又は乳酸
−グリコール酸共重合体(以下、両者をポリ乳酸系ポリ
マーと略称する)からなる溶融成形され、延伸され、切
削加工された、強靱で耐加水分解性に優れた新規な生体
内分解吸収性の外科用材料、特に骨接合材及びその製造
法に関する。より詳細には、本発明の新規な外科用材料
は、骨と同程度かやや高い圧縮曲げ強度と圧縮曲げ弾性
率、即ち強靱さと優れた耐加水分解性を有し且つ生体内
分解吸収性の材料であって、生体内における強度の保持
特性が大巾に向上し、更に骨折等の癒合に必要な期間中
はその強度を保持するが、その期間を経過すると徐々に
分解・吸収されて異物として長期に生体内に存在するこ
とにより生じる様々な悪影響を除外でき、且つその延伸
成形物に更に切削加工を施すことによって、外科治療に
適するサイズ、形状のプレート等の骨接合材にできると
共に、切削加工により該延伸成形物の表面積が増加し加
水分解速度を適度に速めることができる。 【0002】 【従来の技術】整形外科や口腔外科においては、骨折部
の整復に高強度の骨接合プレートやビス等が使用されて
いる。このような骨接合用の人工材料は、骨折が治癒す
るまでの期間だけ機能し、治癒後は骨の弱化を防ぐため
にもできるだけ早期に抜き去る必要がある。現在、臨床
で広く使用されている骨接合プレート等は殆どが金属製
であり、最近セラミックス製のものも出現してきた。し
かし、これらは材料そのものの弾性率が高すぎて骨を変
質させるとか、金属イオンの溶出による生体損傷性等の
問題がある。従って、骨と同程度かやや高い弾性率を持
ち、且つ生体内分解吸収性である材料を骨接合に用いる
ならば、抜ていのための再手術が不必要になるだけでな
く、異物が長期にわたって生体内に存在することにより
生じる様々な悪影響を除外できるはずである。 【0003】かかる事情から、生体内分解吸収性材料で
あるポリ乳酸又は乳酸−グリコール酸共重合体を用いた
骨接合材の開発が活発に進められている。例えば、Ma
kromol Chem.Suppl.Vol.5,p
30〜41(1981)には、M.Vert,F.Ch
abotらは、骨接合プレートとしてポリ乳酸や乳酸−
グリコール酸共重合体を合成し、ポリ乳酸100%のも
ので圧縮曲げ弾性率が3.4GPa(340kg/mm
)という低い値を報告している。また、第9回USA
バイオマテリアル学会要旨集,6号.p47.(198
3)には、D.C.Tuncは圧縮曲げ弾性率510k
g/mmという値のポリ乳酸骨接合プレートを報告し
ている。 【0004】また、特開昭59−97654号公報に
は、吸収性の骨固定用器具として使用できるポリ乳酸又
は乳酸−グリコール酸共重合体の合成法が開示されてい
るが、この場合に該骨固定用材料として挙げられている
のは重合生成物自体であり、このポリ乳酸の引張強度が
約580kg/cmと低い値であり、しかもこの材料
の成形加工については何ら説明されておらず、その強度
を人の骨程度に上げる試みは示されていない。つい最
近、Biomaterials,Vol.8,p42
(1987)には、P.Tormala他がグリコール
酸−乳酸共重合体繊維により強化されたグリコール酸−
乳酸共重合体の複合体からなる骨接合プレートを報告し
ており、その圧縮曲げ強度が265MPa(26.5k
g/mm)と高いが、in vitro加水分解に伴
う強度劣化が極めて速く、約1ケ月で強度がなくなって
いる。 【0005】また、J.W.Leenslag,A.
J.Penningsらは、粘度平均分子量約100万
のポリ乳酸を合成し、その高分子量ポリ乳酸の骨接合プ
レートの圧縮曲げ弾性率が5GPa(500kg/mm
)という値であると報告している。また、「人工臓
器」Vol.16,No.3(1987)には、中村ら
が、ポリ乳酸に無機物質であるハイドロキシアパタイト
(HA)少量(5〜20重量%)含有させ熱圧縮成形
によりプレート状に成形後、延伸して円柱状ピンを得た
と報告しているが、これは、あくまでもHAの存在下で
の延伸であって、本発明のようにポリ乳酸系ポリマー単
独の延伸の可能性については全く示唆していない。 【0006】このように、従来のポリ乳酸系骨接合材の
圧縮曲げ強度等の機械的性質を向上させて骨のそれに近
づけるための研究が数多く報告され、様々な方法が試み
られているが、未だ臨床で十分に使用されて満足できる
圧縮曲げ強度等を有し、且つ治癒後は徐々に分解吸収さ
れる生体内分解吸収性材料は開発されていない。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
に鑑みてなされたもので、従来公知のポリ乳酸系骨接合
材の圧縮曲げ強度と圧縮曲げ弾性率等の機械的特性と耐
加水分解性を大きく上回る、高い初期圧縮曲げ強度並び
に初期圧縮曲げ弾性率を有し且つ癒合に必要な期間の耐
加水分解性に優れその後に適度な速さで分解吸収される
ポリ乳酸系の生体内分解吸収性の外科用材料及びその製
造法を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
種々検討した結果、高分子量を持つポリ乳酸系ポリマー
を特定の調整された条件下で溶融成形し、延伸し且つ切
削加工することにより、得られた外科用材料の圧縮曲げ
強度及び圧縮曲げ弾性率が骨と同程度かやや高くできる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発
明は;粘度平均分子量が28万より大きく70万よ
り小さいポリ乳酸又は乳酸−グリコール酸共重合体のみ
からなる生体内分解吸収性材料であって、このポリマー
を溶融成形し、延伸して圧縮曲げ強度を1.6×10
kg/cm 以上、圧縮曲げ弾性率を5.0×10
g/mm 以上にした成形物を更に切削加工してなる、
強靱で耐加水分解性に優れた生体内分解吸収性の外科用
材料を提供する。また、 【0009】 前記成形物を骨接合用のプレート、ピ
ン、ビス、スクリューのいずれかの形状に切削加工して
なる点にも特徴を有する。また、 前記溶融成形後の
粘度平均分子量が20万以上である点にも特徴を有す
る。また、粘度平均分子量が28万より大きく70
万より小さいポリ乳酸又は乳酸−グリコール酸共重合体
を、その融点以上220℃以下の温度条件下で溶融成形
し、更に60〜180℃の温度条件下で延伸して得られ
た成形物を、更に切削加工して種々のサイズ及び形状に
する、強靱で耐加水分解性に優れた生体内分解吸収性の
外科用材料の製造法を提供する。ここで、本発明におい
て「耐加水分解性に優れる」とは、骨癒合に必要な3ケ
月程度は必要な強度を保持し、骨の癒合後は徐々に分解
吸収されて生体内に異物として長期間残らない加水分解
性を言う。 【0010】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
に係るポリ乳酸系生体内分解吸収性の外科用材料の製造
方法を以下に説明する。原料であるポリ乳酸系ポリマ
ー、特にポリ乳酸は、例えば光学活性を有するL体又は
D体の乳酸から常法(C.E.Loweによる米国特許
第2,668,162号明細書)に従って乳酸の環状二
量体であるラクチドを合成した後、そのラクチドを開環
重合することによって得られるものである。このポリ乳
酸は、溶融成形時の分子量低下を考慮すると、少なくと
も粘度平均分子量が28万より大きく、好ましくは30
万以上のものであることが必要であり、該分子量が高い
ものほど高い圧縮曲げ強度、圧縮曲げ弾性率を有する外
科用材料を得るのに適する。しかし、該分子量があまり
高すぎると、溶融成形、特に押出成形の際に高温・高圧
が必要となるため分子量の大幅な低下を招き、結果的に
溶融成形後の分子量が20万を下回るようになるので、
これを延伸しても目的とする高い圧縮曲げ強度、高い圧
縮曲げ弾性率を有する外科用材料を得ることが困難とな
る。従って、該原料のポリ乳酸の粘度平均分子量は70
万より小さい、好ましくは30万〜60万程度、より
ましくは40〜50万程度の分子量であることが望まし
い。 【0011】また、本発明では、原料として上記ポリ乳
酸に代えて乳酸−グリコール酸共重合体も用いられる。
この共重合体は、ポリ乳酸と同程度の粘度平均分子量を
有し、乳酸含有割合の大きい方が適しており、なかでも
乳酸とグリコール酸の重量比が99:1〜75:25の
範囲にあるものが好ましく使用される。グリコール酸が
少量で上記範囲内の場合には、得られる外科用材料が優
れた耐加水分解性を有するため、37℃の生理食塩水中
に3ケ月間浸漬しても(骨折の癒合に必要と考えられる
3ケ月間生体内に埋植させた状況に相当する)必要とす
る圧縮曲げ強度、圧縮曲げ弾性率などの強度が保持され
るが、グリコール酸が上記範囲を越えて増加すると、耐
加水分解性が低下して早期に該強度劣化を招くという不
都合が生じるからである。 【0012】本発明の外科用材料は、上記特定範囲内の
粘度平均分子量を有するポリ乳酸系ポリマーを原料と
し、これをロッド又は帯状(プレート状)など所定の形
状に溶融成形、例えば押出成形、プレス成形した後、長
軸方向に一軸に延伸し、更に切削加工することによって
得られる。溶融成形の中でも、特に押出成形は生産性が
良いので好ましく利用でき、この場合通常の押出機を用
いることができる。溶融成形(例えば押出成形)の条件
は、上記ポリ乳酸系ポリマーの融点以上、220℃以下
の温度範囲とする必要がある。この場合に、溶融成形温
度がポリ乳酸系ポリマーの融点より低いと溶融成形が困
難となり、逆に220℃を越えるとポリ乳酸系ポリマー
の分子量低下が著しくなり、溶融成形後の粘度平均分子
量が20万を下回るからである。 【0013】溶融成形時のポリ乳酸系ポリマーの分子量
低下を最小限に抑えるには、原料ポリ乳酸系ポリマーの
融点より僅かに高い温度で溶融成形することが大切であ
る。従って、原料ポリ乳酸系ポリマーとして上述のよう
に40〜50万程度の粘度平均分子量を有するものを使
用する場合には、200℃以下の温度条件で溶融成形す
ることが望ましい。同様に、溶融押出成形の圧力条件
は、原料ポリ乳酸系ポリマーの分子量低下を極力抑える
ために、溶融したポリ乳酸系ポリマーの粘度(粘度平均
分子量)に応じて押出可能な最小限の押出圧力とするの
が望ましい。従って、原料ポリ乳酸系ポリマーの粘度平
均分子量が60万までの場合には、260kg/cm
以下、該分子量が40〜50万程度の場合には170〜
210kg/cm程度の押出圧力とするのが適当であ
る。 【0014】なお、溶融成形の前に、原料のポリ乳酸系
ポリマーのペレットを予め減圧加熱乾燥して水分を十分
に除去しておくのが好ましい。溶融成形によって得られ
た成形物は、その粘度平均分子量が20万以上に保たれ
ているので、かなりの圧縮曲げ強度、圧縮曲げ弾性率を
有するが、まだ目的とする(骨に匹敵する)値には及ば
ない。そこで、本発明では、上記溶融成形物を更に流動
パラフィン、油等の熱媒体中で長軸方向(押出方向)に
一軸延伸することにより、ポリマー分子を配向させて圧
縮曲げ強度、圧縮曲げ弾性率を向上させている。 【0015】この一軸延伸は60〜180℃での温度条
件で行うことが必要である。この延伸温度が60℃より
低い温度では、溶融成形品のガラス転移点に近すぎるた
め延伸による分子配向が不十分となり、逆に180℃よ
り高い温度では材料の分子量低下をきたし、いずれの場
合も延伸によって満足に圧縮曲げ強度、圧縮曲げ弾性率
を向上させることが困難となる。好ましい温度条件は、
溶融成形後の成形品の分子量によって変動するが、その
分子量が20万〜25万程度であれば100℃前後であ
る。 【0016】また、延伸倍率は2倍又はそれ以上とし、
繊維化しない程度の範囲が望ましい。2倍より小さい延
伸倍率では分子配向が不十分となり、満足に圧縮曲げ強
度、圧縮曲げ弾性率を向上させることが困難となるから
である。従来、ポリ乳酸系ポリマーを単独で使用して骨
に匹敵する高い圧縮曲げ強度、圧縮曲げ弾性率並びに優
れた耐加水分解性を有する外科用材料、特に骨接合用材
料は得られなかった。然るに、上述のように、28万よ
り大きく70万より小さい、好ましくは30万〜60万
程度という特定範囲の粘度平均分子量を持つ原料ポリ乳
酸系ポリマーを選択し且つ溶融成形温度条件を特定範囲
(その融点以上、220℃以下)としたので、溶融成形
時のポリ乳酸系ポリマーの分子量低下を最低限に抑える
ことができて、成形後の粘度平均分子量を20万以上と
することができ、この溶融成形物をガラス転移点付近
(60℃)〜融点付近(180℃)の温度、好ましくは
100℃前後で一軸延伸することにより、初めて高強度
で耐加水分解性に優れた延伸成形物を提供できたのであ
る。 【0017】本発明の新規な外科用材料は、ポリ乳酸系
ポリマーのみからなる生体内分解吸収性材料を溶融成形
し、延伸された成形物を切削加工したものであって、そ
の圧縮曲げ強度が1.6×10kg/cm以上、圧
縮曲げ弾性率が5.0×10kg/mm以上、溶融
成形後の粘度平均分子量が20万以上である、強靱で耐
加水分解性に優れた外科用材料となる。この外科用材料
は、特定の高分子量を有するポリ乳酸系ポリマーを特定
の調整された条件下で溶融成形し、且つ延伸された後
に、適当な寸法に切断され、最終的に種々のサイズ及び
形状の骨接合プレート、ピン、ビス、スクリュー等に切
削加工されることにより製造されるものであり、整形外
科、口腔外科、胸部外科、形成外科等の領域で臨床に使
用できる。本発明では、延伸成形物を更に切削加工した
ので、表面が凹凸状となって表面積が増加し、加水分解
速度は無切削のものに比べて速くなるものの適度な速さ
を保持し、骨の癒合に要する3ヶ月程度は必要な強度を
維持し治癒後は分解が進んで生体内に長時間異物として
残ることがなくなる。また、使用できる切削治具として
は特に限定されないが、例えば金属刃を用いることがで
きる。また、この切削加工は常温で行うことが好まし
い。 【0018】本発明の新規な外科用材料は、ポリ乳酸系
ポリマーのみよりなるから、治癒後の生体内分解吸収性
も極めて良好であり、従来の金属又はセラミックス製外
科用材料のように生体内で悪影響を与える心配は殆どな
い。より詳細には、本発明の新規な外科用材料は、骨と
同程度かやや高い圧縮曲げ強度、圧縮曲げ弾性率を有し
ていて、外科治療に際し骨折等の部位の固定をし、骨の
再生につれて徐々に分解しても、骨折が修復される3ケ
月程度までは必要な強度を保持し、その後は分解が進ん
で強度が低下するものの骨が再生されて全体として強度
保持がなされるのである。 【0019】しかも、本発明の新規な外科用材料では、
溶融成形時の分子量低下を最小限に抑えて溶融成形後の
粘度平均分子量を20万以上に保ち、更に延伸によって
分子配向及び結晶配向を与えているため、その圧縮曲げ
強度が1.6×10kg/cm以上、圧縮曲げ弾性
率が5.0×10kg/mm以上と、従来のポリ乳
酸系外科用材料では到達できなかった高い圧縮曲げ強
度、高い圧縮曲げ弾性率を示し、また、耐加水分解性も
向上し、37℃の生理食塩水中に約3ケ月浸漬しても
(骨折の癒合に必要と考えられる3ケ月間生体内に埋植
させた状況に相当する)、必要とする強度が保持できる
効果がある。 【0020】本発明は、溶融成形後の粘度平均分子量が
20万以上であることが重要である。このような粘度平
均分子量を持つ成形物を延伸すると、埋植時において骨
と同程度かやや高い初期圧縮曲げ強度及び初期圧縮曲げ
弾性率を与え、さらに癒合に必要と考えられる3ケ月間
該骨接合材を生体内にインプラントさせても圧縮曲げ強
度、圧縮曲げ弾性率を低下させないように保持できる。
溶融成形後の粘度平均分子量が20万より低いと、これ
を延伸しても上記初期の圧縮曲げ強度及び圧縮曲げ弾性
率は目標値(骨と同じかそれを上回る値)を下回り、骨
接合材の分解も速くなって使用できなくなり、外科用材
料としては強度的並びに、耐加水分解性の両面で実用化
できなくなる。 【0021】本発明において、溶融成形後の粘度平均分
子量を20万以上であることが望ましいとしたが、その
上限は一義的に定めることができない。すなわち、原料
ポリ乳酸系ポリマーの粘度平均分子量は28万より大き
く70万より小さい、好ましくは30万〜60万である
定めたが、使用する原料ポリ乳酸系ポリマーの分子
量、共重合比、成形温度や押出圧力等の溶融成形条件等
にかなりの幅があるうえ、上記分子量、共重合比、成形
条件により分子量低下の程度に大きなバラツキがあり上
限を一義的に定めることは難しい。なお、外科用材料は
加熱下に延伸されているので、その粘度平均分子量は2
0万を若干下回ることもありうる。 【0022】更に、本発明の新規な外科用材料におい
て、その圧縮曲げ強度が1.6×10kg/cm
上、圧縮曲げ弾性率が5.0×10kg/mm以上
であるとしたが、その上限は一義的に定めることができ
ない。すなわち、これら外科用材料の強度特性の下限
は、溶融成形後の粘度平均分子量値が20万の成形品を
延伸したことに由来するものであり、従って、その上限
は原料ポリ乳酸系ポリマーの特定範囲の粘度平均分子量
の上限値(70万)に由来して決まる溶融成形後の粘度
平均分子量の上限の成形品を延伸したことに基づくが、
原料ポリ乳酸系ポリマーの分子量、共重合比、溶融成形
条件、延伸倍率等にかなりの幅があるうえ、これらによ
りその圧縮曲げ強度、圧縮曲げ弾性率が変化するので一
義的に上限を定めることができないのである。 【0023】 【実施例】本発明を実施例により詳細に説明するが、こ
れらは本発明の範囲を制限しない。実施例中に示した圧
縮曲げ強度及び圧縮曲げ弾性率はJIS K−7203
に基づいて測定したものである。 <延伸成形物の製造例> (参考実施例1) 初期の粘度平均分子量が44万のポリ乳酸のペレットを
減圧下に120〜140℃で一昼夜乾燥し、この乾燥ペ
レットを押出機に入れて減圧下に約20分間放置した
後、下記表1に示した温度条件で、角棒又は丸棒状に溶
融押出成形した。得られた角棒又は丸棒状成形物の粘度
平均分子量を測定したところ、下記表1に示すように2
2万であった。 【0024】なお、この場合の粘度式は: 【数1】 〔η〕=5.45×10−4 0.73(クロロホルム 25℃) を用いた。次いで、この成形物を100℃の流動パラフ
ィン中で長軸方向に2倍に一軸延伸し、これを切断して
試験片(寸法:幅10mm×厚み5mm×長さ80m
m)を作製した。得られた試験片の圧縮曲げ強度及び圧
縮曲げ弾性率を測定したところ、下記表1に示すよう
に、圧縮曲げ強度が1,720kg/cm、圧縮曲げ
弾性率が610kg/mmであった。更に、この試験
片を37℃の生理食塩水中に3ケ月間浸漬し、その後、
該試験片の圧縮曲げ強度及び圧縮曲げ弾性率を測定した
ところ、下記表1に示すように、圧縮曲げ強度が1,7
00kg/cm、圧縮曲げ弾性率が600kg/mm
であり、強度劣化が殆ど見られなかった。 【0025】 (参考実施例2) 初期の粘度平均分子量が42万のポリ乳酸のペレットを
用いた以外は参考実施例1と同様にして試験片を作製
し、この試験片の初期及び3ケ月間浸漬後の圧縮曲げ強
度、圧縮曲げ弾性率並びに溶融押出成形後の粘度平均分
子量を測定した。その結果を下記表1に示す。 【0026】 (参考実施例3) 初期の粘度平均分子量が40万の乳酸−グリコール酸共
重合体(乳酸:グリコール酸=90:10)を用いた以
外は参考実施例1と同様にして試験片を作製し、この試
験片の初期及び3ケ月間浸漬後の圧縮曲げ強度、圧縮曲
げ弾性率並びに溶融押出成形後の粘度平均分子量を測定
した。その結果を下記表1に示す。 【0027】 (参考実施例4〜5) 延伸温度をそれぞれ70℃と170℃に変更した以外は
参考実施例1と同様にして2種類の試験片を作製し、こ
の試験片の初期及び3ケ月間浸漬後の圧縮曲げ強度、圧
縮曲げ弾性率並びに溶融押出成形後の粘度平均分子量を
測定した。その結果を下記表1に併せて示す。 【0028】 (参考実施例6) 初期の粘度平均分子量が49万のポリ乳酸のペレットを
用い且つ溶融押出成形の温度条件を下記表1に示す温度
に変更し、延伸温度を105℃に変更して2.5倍に延
伸した以外は参考実施例1と同様にして試験片を作製
し、この試験片の初期及び3ケ月間浸漬後の圧縮曲げ強
度、圧縮曲げ弾性率並びに溶融押出成形後の粘度平均分
子量を測定した。その結果を下記表1に併せて示す。 【0029】 (参考比較例1〜2) 初期の粘度平均分子量がそれぞれ70万及び28万のポ
リ乳酸を用いて、溶融押出成形の温度条件を下記表1に
示す温度に変更した以外は参考実施例1と同様にして2
種類の試験片を作製し、この試験片の初期及び3ケ月間
浸漬後の圧縮曲げ強度、圧縮曲げ弾性率並びに溶融押出
成形後の粘度平均分子量を測定した。その結果を下記表
1に併せて示す。 【0030】 【表1】【0031】前記表1より、参考実施例1〜6の生体内
分解吸収性の外科用材料は、いずれも溶融成形後の粘度
平均分子量が20万以上であって、圧縮曲げ強度が1.
6×10kg/cm以上、圧縮曲げ弾性率が5.0
×10kg/mm以上と優れた強度を有しており、
また、生理食塩水中で3ケ月間浸漬しても殆ど強度劣化
を生じない高耐加水分解性を有することが分かる。これ
に対し、参考比較例1の材料は、分子量が70万と極め
て高いポリ乳酸を用いたために、溶融押出成形の温度及
び圧力を高くしないと成形できず、成形後の分子量が2
0万を下回り、一軸延伸しても、結果的に圧縮曲げ強度
及び圧縮曲げ弾性率が目標値を下回り、満足な強度が得
られないことが分かる。また、参考比較例2は、分子量
が30万より低いため、溶融押出成形の温度及び圧力を
低くして分子量低下を極力抑えても、成形後の分子量が
20万を遙かに下回り、そのために一軸延伸しても、満
足な強度が得られないことが分かる。 【0032】 <切削加工物の製造例> (実施例1) 参考実施例1記載の方法で延伸成形物を作成し、該延伸
成形物を金属刃を用いて切削加工して2mm厚の骨接合
プレートを作成し、実施例1のサンプルとした。次に、
上記サンプルについて、in vitroでの加水分解
による分子量低下を経時的に調べた結果、後述する比較
例1に比べて分子量低下は速くなったが、骨折部の骨の
強度と機能がほぼ回復する期間に相当する3ケ月の間は
必要な分子量を維持して生体骨に近い強度を保持してい
た。この結果より、3ヶ月以降においては分子量低下が
同様に進んで早い時機に分解吸収されるであろうと推測
される。 【0033】 (比較例1) 参考実施例1記載の方法で延伸成形物を作成しこれを比
較例1のサンプルとする。実施例1と同様にして、比較
例1のサンプルについて、in vitroでの加水分
解による分子量低下を経時的に調べた結果、3ヶ月経過
後においても分子量の低下が余りなく、その後も徐々に
しか低下しないので、かなりの期間分解されずに異物と
して生体内に残存しているであろうと推測された。 【0034】 【発明の効果】以上の説明及び実施例の結果から明らか
なように、本発明のポリ乳酸系生体内分解吸収性の外科
用材料は、従来のポリ乳酸系外科用材料では得られなか
った高い圧縮曲げ強度、圧縮曲げ弾性率を具備する高強
度の材料であり、且つ耐加水分解性にも優れたものであ
るため、整形外科、口腔外科、又は胸部外科等の領域に
おいて、骨接合用のプレート、スクリュー、ピン又はビ
ス等として頗る好適に使用することができる。 【0035】更に、本発明の外科用材料の製造法は、樹
脂成形の分野で汎用される溶融成形の工程に延伸の工程
を付加し、更に切削加工を施すのみであるから、なんら
特別の装置を準備することなく容易且つ高能率で実施で
き、且つ必要に応じて連続工程も可能であり、量産性、
作業性等に優れるといった効果がある。また、本発明の
方法では、上記延伸成形物に更に切削加工を施すことに
よって、外科治療に適するサイズ、形状のプレート等の
骨接合材にできると共に、切削加工により該延伸成形物
の表面積が増加して加水分解速度を速くすることがで
き、生体内に長期間異物として残ることがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玄 丞烋 京都市南区東九条南松ノ木町43番地の1 (72)発明者 蔦 薫 大阪市東区安土町2丁目30番地 タキロ ン株式会社内 (72)発明者 棒谷 英和 大阪市東区安土町2丁目30番地 タキロ ン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−97654(JP,A) 人工臓器、16[3](1987)第1419− 1422頁 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61L 27/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 (1) 粘度平均分子量が28万より大きく70万より
    小さいポリ乳酸又は乳酸−グリコール酸共重合体のみか
    らなる生体内分解吸収性材料であって、このポリマーを
    溶融成形し、延伸して圧縮曲げ強度を1.6×10
    g/cm 以上圧縮曲げ弾性率を5.0×10 kg
    /mm 以上にした成形物を更に切削加工してなること
    を特徴とする、強靱で耐加水分解性に優れた生体内分解
    吸収性の外科用材料。 (2) 前記成形物を骨接合用のプレート、ピン、ビ
    ス、スクリューのいずれかの形状に切削加工してなるこ
    とを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載の強靱で耐
    加水分解性に優れた生体内分解吸収性の外科用材料。 (3) 前記溶融成形後の粘度平均分子量が20万以上
    であることを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載の
    強靱で耐加水分解性に優れた生体内分解吸収性の外科用
    材料。 (4) 粘度平均分子量が28万より大きく70万より
    小さいポリ乳酸又は乳酸−グリコール酸共重合体を、そ
    の融点以上220℃以下の温度条件下で溶融成形し、更
    に60〜180℃の温度条件下で延伸して得られた成形
    物を、更に切削加工して種々のサイズ及び形状にするこ
    とを特徴とする、強靱で耐加水分解性に優れた生体内分
    解吸収性の外科用材料の製造法。
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