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JP2995639B2 - 光応答性マイクロゲル含有物とその物質拡散光制御方法 - Google Patents

光応答性マイクロゲル含有物とその物質拡散光制御方法

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JP2995639B2
JP2995639B2 JP24105791A JP24105791A JP2995639B2 JP 2995639 B2 JP2995639 B2 JP 2995639B2 JP 24105791 A JP24105791 A JP 24105791A JP 24105791 A JP24105791 A JP 24105791A JP 2995639 B2 JP2995639 B2 JP 2995639B2
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JP
Japan
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light
microgel
substance
irradiation
specific wavelength
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JP24105791A
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谷 雅 治 塩
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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  • Colloid Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】この発明は、内蔵物質と外相物質の
相互拡散を光刺激によって制御可能な光応答性マイクロ
ゲル含有物とその物質拡散光制御方法に関し、より詳細
には、光応答性が夫々異なる複数種類のマイクロゲルを
含有する光応答性マイクロゲル含有物とその物質拡散光
制御方法に関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】従来、光照射によって体積変
化を可逆的にコントロールできる高分子ゲルが知られて
いる。その一例として、図8に、トリフェニルメタンの
誘導体を側鎖に導入した高分子ゲルを示す。高分子ゲル
の側鎖に導入されたトリフェニルメタンの誘導体は、紫
外光の照射によりイオン解離する。図示例の誘導体で
は、水酸基(−OH)がイオン解離する。これにより、
高分子主鎖に沿って正電荷が発生し、これら正電荷相互
の静電反発力によって主鎖間の距離が広がり、高分子ゲ
ルが溶媒である水を吸って膨張する。紫外光の照射を停
止すると解離したイオンの再結合が起こり、高分子ゲル
は水を放出して元の大きさに戻る。
【0003】図9は、上述した光照射によって体積変化
を可逆的にコントロールできる高分子ゲルを用いて薬物
放出量を制御する一例を示している。用いられている高
分子ゲル91は、トリフェニルメタンの誘導体を側鎖に
有するもの(図8参照)で、水を溶媒として内部に薬物
92をトラップしている。この高分子ゲル91を水93
中に投入してある。
【0004】高分子ゲル91は縮んだ網目構造をとって
いる為、その内部にトラップされている薬物の移動性は
低い。この様な高分子ゲルに紫外光Rvを照射すると、
トリフェニルメタンの誘導体がイオン解離し、高分子主
鎖に沿って正電荷を発生する。この正電荷相互の静電反
発力により、高分子ゲル91の主鎖間の距離が広がり、
溶媒である水93を吸って高分子ゲル91の体積が膨張
する。その結果、高分子ゲル91の網目構造が広がって
薬物92の移動性が増し、薬物92が高分子ゲル91内
から外相の水93中に拡散する。光照射を停止すると、
解離したイオンの再結合が起こり、高分子ゲル91が水
を放出してもとの体積に戻り、薬物92の放出拡散が停
止する。
【0005】然るに、上述した高分子ゲル含有物の薬物
放出制御例では、単一種類の高分子ゲルを用いた含有物
における内部トラップ物質の放出拡散を光制御する技術
思想が開示されているのみである。従来、この様な単一
種類のマイクロゲルを含有する系は、内部トラップ物質
(内蔵芯物質)の放出拡散や外相の物質と内部トラップ
物質との相互拡散を光照射により容易且つ緻密に制御で
きるものではなく、実用化できる応用範囲が狭いという
問題があった。
【0006】
【発明の目的】この発明は、上述した従来技術の問題点
に鑑みなされたものであって、内蔵する芯物質の放出拡
散等のマイクロゲルに関わる物質拡散を光照射により容
易且つ緻密に制御できるマイクロゲル含有物とその物質
拡散光制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【発明の要点】この発明の要点は二点あり、その内の一
点は、上述した目的が、側鎖部に特定波長の光の照射を
受けてイオン解離する光感応基を夫々備えると共に前記
特定波長が互いに異なる複数種類の高分子マイクロゲル
を含む光応答性マイクロゲル含有物であって、各前記高
分子マイクロゲル中に芯物質を夫々内蔵させ、前記各芯
物質と化学反応可能なターゲット物質を含む同一の外相
中に複数の前記高分子マイクロゲルを配して成り、前記
特定波長の光を照射して前記各芯物質と前記ターゲット
物質を相互に拡散させることを特徴とする光応答性マイ
クロゲル含有物を提供することにより、達成される点で
ある。
【0008】この発明の要点の他の一点は、上述した目
的が、側鎖部に特定波長の光の照射を受けてイオン解離
する光感応基を夫々備えると共に前記特定波長が互いに
異なる複数種類の高分子マイクロゲルを含み、各前記高
分子マイクロゲル中に芯物質を夫々内蔵させ、前記各芯
物質と化学反応可能なターゲット物質を含む同一の外相
中に複数の前記高分子マイクロゲルを配して成る光応答
性マイクロゲル含有物を用い、前記特定波長の光を照射
して前記各芯物質と前記ターゲット物質を相互に拡散さ
せる際の物質拡散光制御方法であって、前記特定波長を
備えた光の照射光量を調節することにより、前記各芯物
質と前記ターゲット物質の相互拡散度合いを制御するこ
とを特徴とする光応答性マイクロゲル含有物の物質拡散
光制御方法ことにより、達成される点である。
【0009】
【発明の実施例】以下、この発明を実施例に基づき具体
的に説明する。図1は、第1実施例としてのマイクロゲ
ル含有物の構成とその含有物における物質相互拡散の光
制御方法を実施する装置の概念を示す模式的説明図であ
る。本例では、3種類のマイクロゲルMG1,MG2,M
G3を用いる。尚、用いるマイクロゲルMGの種類は複
数種類とし、従って4種類以上でもよい。
【0010】各マイクロゲルMG1,MG2,MG3は、
図2に示す様に、網目構造をなす主鎖1から分岐する側
鎖部2に、特定の波長の光照射を受けて解離しイオン化
する光感応基を有するポリマーである。この場合、各マ
イクロゲルMG1,MG2,MG3は、イオン解離する為
の上述の特定波長が互いに異なる光感応基を夫々備えて
いる。図1で、各マイクロゲルMG1,MG2,MG3
は、夫々、その網目構造の中に芯物質としてのトラップ
物質3a,3b,3cと溶媒4を取り込んでいる。
【0011】上述の光感応基としては、電荷移動錯体系
の物質を好適に利用できる。一般に、溶媒中の電荷移動
錯体系を光励起すると、電子供与体カチオンと電子受容
体アニオンの溶媒和イオン対や自由イオンが生成するこ
とが知られている。この様な電荷移動錯体系の物質は、
近紫外光や可視光の照射により容易にイオンを生成でき
るので、本発明の光感応基として好適である。
【0012】光感応基に好適な電子供与性分子として
は、前述した図8に示す高分子ゲルに導入されたトリフ
ェニルメタンの誘導体、
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】の他、次の様なカルバゾールの誘導体、
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】が挙げられる。図3と図4の各構造式は、
カルバゾールの誘導体をポリアクリルアミドの側鎖に導
入したマイクロゲルの分子構造を夫々示している。又、
次の様なピレンの誘導体、
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】も電子供与性分子であり、光感応基として
好適に利用できる。図5に示す構造式は、ピレン誘導体
をポリアクリルアミドの側鎖に導入したマイクロゲルを
示している。
【0023】一方、電子受容性分子としては、ジメチル
テレフタレート、ジシアノベンゼン、クロロエタノー
ル、グリシン、アラニン、テトラシアノベンゼン、テト
ラメチル−p−フェニレンジアミン、テトラブチル−p
−フェニレンジアミン等の一般的な材料を使用できる。
これらの電子受容性分子は、各トラップ物質3a,3
b,3cや溶媒4(図2参照)と共に各マイクロゲルM
G1,MG2,MG3の網目構造の中に取り込まれ、電子
供与性の光解離基と会合して電荷移動錯体を形成してい
る。マイクロゲルMG1,MG2,MG3の溶媒4として
は、水、エタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒が好
適である。
【0024】ここで、上述したマイクロゲルMG1,M
G2,MG3の製造方法について説明する。先ず、アクリ
ルアミド・モノマーのジメチルスルホオキシド溶液中
に、架橋剤としてメチレン−ビス(アクリルアミド)を
アクリルアミド・モノマーの1/100mol%程度溶か
す。これに、電子供与性分子として、ビニルカルバゾー
ルをアクリルアミド・モノマーの1/100mol%程度
溶かす。そして、重合開始剤としてアゾビス(イソブチ
ロニトリル)を加え、50〜60℃に加熱する。これに
より、高分子ゲルが形成され、この高分子ゲルを乾燥・
粉砕して高分子ゲルの微粒子(マイクロゲル)を得る。
【0025】得られたマイクロゲルを、電子受容性分子
としてのジメチルテレフタレート又はジシアノベンゼン
を溶解した溶媒中に投入する。溶媒としては、水、エタ
ノール、ジメチルホルムアミド等の極性溶媒を用いる。
これにより、マイクロゲルが膨潤して電子受容性分子を
ゲル内に取り込み、電荷移動錯体が形成される。
【0026】次に、上述の溶媒と同一の極性溶媒にマイ
クロゲル内にトラップさせたい物質を溶解し、この溶液
中に上述の電荷移動錯体が形成されたマイクロゲルを漬
け、紫外線を照射してゲルを膨潤させる。これにより、
ゲル内にトラップさせたい物質が取り込まれる。
【0027】上述の様にして得られた高分子マイクロゲ
ルを抽出、洗浄してゲル表面付近のトラップ物質を洗い
流す。このトラップ物質を内蔵するマイクロゲルをター
ゲット物質を含む外相溶液中に投入すれば、本例のマイ
クロゲル含有物が得られる。
【0028】図1において、マイクロゲル外相(溶媒
4)には、各トラップ物質3a,3b,3cの共通の拡
散対象となるターゲット物質5を配してある。このター
ゲット物質5は、トラップ物質3a,3b,3c全てと
化学反応を行なう能を備えている。又、この外相には、
ターゲット物質5の物性を調整する為の補助的物質6も
配してある。例えば、マイクロゲル外相の溶液に適切な
粘性を与える為に、補助的物質6として市販の各種ワッ
クスや樹脂のポリマー等を外相溶液に混合する。この場
合、補助的物質6は、マイクロゲルMG1,MG2,MG
3の網目構造空孔部を透過できない程度に大きい分子量
の物質を選定するのが良い。又、ターゲット物質6が固
体である場合は、これを溶解する為の溶媒を補助的物質
とすることもある。
【0029】上述の様な構成のマイクロゲル含有物を透
明の容器7に投入し、この容器7外には、3個の光源8
a,8b,8cを配置してある。各光源8a,8b,8
cは、3種類のマイクロゲルMG1,MG2,MG3中の
各光感応基をイオン解離させることが可能な特定波長ν
1,ν2,ν3の各成分光を夫々含む光R1,R2,R3を照
射する。尚、各光源8a,8b,8cから照射される光
R1,R2,R3は、上述の特定波長ν1,ν2,ν3を備え
る単色光が望ましい。
【0030】次に、上述の様に構成したマイクロゲル含
有物の物質拡散の光制御動作について、図6に基づき説
明する。初期状態(ST1)では、各マイクロゲルMG1,
MG2,MG3中の各光感応基がイオン解離していない。
従って、各マイクロゲルMG1,MG2,MG3は電気的
に中性の安定状態にあり、縮んだ網目構造をとってい
る。従って、網目構造の間隔(網目)が狭く、分子が移
動する空孔のサイズは小さい。この為、各マイクロゲル
MG1,MG2,MG3中に取り込まれているトラップ物
質3a,3b,3cの移動性は小さく、又、ゲル外相の
ターゲット物質5もゲル内に拡散進入できない。即ち、
トラップ物質3a,3b,3cと外相のターゲット物質
5とは、充分に隔離されている。
【0031】初期状態にあるマイクロゲル含有物に対
し、光R1,R2,R3を照射する(ST2)。ここで先ず、
3種類の光R1,R2,R3を夫々単独に照射した場合を
考える。例えば光R1のみを照射すると、マイクロゲル
MG1の光感応基が励起状態になり、図2の〔b〕に示
す様にイオン化して解離する。生成したイオンの内、ポ
リマーから解離したイオン(アニオン)は、ゲル構造体
の他の部分か溶媒4中へ拡散する。そして、ポリマーに
残った方のイオン(カチオン)同士の静電的な反発力に
よって主鎖部1間の距離が広がり、図6に示す様にマイ
クロゲルMG1が溶媒4を吸って体積膨張(膨潤)す
る。これにより、マイクロゲルMG1を構成する網目構
造の空孔が大きくなり内部の物質移動性が高くなる。
【0032】光照射開始後の緩和過程を経てゲル内部の
物質移動性が高くなるにつれ、マイクロゲルMG1内の
トラップ物質3aが、ゲル外へ拡散移動し始める。一
方、ゲル外のターゲット物質5も、マイクロゲルMG1
の網目構造内に拡散移動し始める(ST3)。
【0033】マイクロゲルMG1内のトラップ物質3a
と外相のターゲット物質5とが相互に拡散移動し、拡散
移動した物質と既存物質とが化学反応を起こし、反応生
成物9aがマイクロゲルMG1内及び外相の双方に生じ
る。そして、時間の経過と共に、両物質3a,5の相互
拡散が進行し、反応生成物9aが増加する(ST4)。
【0034】ところで、上述の光照射段階(ST2)から
物質拡散進行段階(ST4)の間、マイクロゲルMG2,M
G3は、光R1に応答しない。即ち、各ゲル内部の網目構
造が膨潤せず物質移動性が低い初期状態のままである。
従って、マイクロゲルMG2,MG3内のトラップ物質3
b,3cは内部に取り込まれたままであり、又、その内
部にターゲット物質5が拡散進入することもない。
【0035】化学反応が所望の度合いに進行した時点
で、光R1の照射を停止する。これにより、光解離した
イオンが再結合してマイクロゲルMG1内の主鎖ポリマ
ーが静電的反発力を徐々に失い、マイクロゲルMG1は
網目構造中にトラップした溶媒を放出して図2の〔a〕
に示す元の縮んだ網目構造に戻る。その結果、マイクロ
ゲルMG1の主鎖間の距離が縮み網目構造の空孔が小さ
くなるので、物質の移動性が初期状態と同程度に低下す
る。これにより、マイクロゲルMG1内のトラップ物質
3aとターゲット物質5との相互拡散が停止し、両物質
3a,5による化学反応も停止する。尚、マイクロゲル
MG1内で生成した反応生成物9aは、網目構造内にト
ラップされる。
【0036】同様に、光R2及び光R3を夫々単独に照射
した場合も、上述の光R1のみを照射した場合と同様の
過程(ST2〜ST4)を経て、夫々、反応生成物9b,9c
が生じる。即ち、マイクロゲルMG2に関して、その内
部のトラップ物質3bとターゲット物質5が相互に拡散
して化学反応を起こし、反応生成物9bが発生する。
又、マイクロゲルMG3に関して、その内部のトラップ
物質3cとターゲット物質5が相互に拡散して化学反応
を起こし、反応生成物9cが発生する。
【0037】以上の様に、各マイクロゲルMG1,MG
2,MG3は、3種類の光R1,R2,R3の内、各ゲルに
固有の光感応基をイオン解離可能な特定波長を備える光
によってのみ膨潤し物質相互拡散が開始・進行する。従
って、3種類の光R1,R2,R3を同時に照射しても、
3種類のマイクロゲルMG1,MG2,MG3に関わる各
物質拡散とそれらに基づく3通りの化学反応は、夫々単
独照射の場合と同様に独自に開始・進行する。又、照射
光を選択することにより、3通りの化学反応を夫々自在
に選択して開始・進行させることができる。即ち、3種
類の光R1,R2,R3を独自に点滅させることにより、
3通りの化学反応を夫々独自に制御できる。更に、各マ
イクロゲルMG1,MG2,MG3は、夫々、特定波長ν
1,ν2,ν3以外の波長を備える光では、膨潤せず、ゲ
ル内部の物質移動性が変化しない。従って、特定波長ν
1,ν2,ν3を有さない通常の照明光の下でも、上述の
物質の相互拡散を容易に制御できる利点がある。
【0038】而して、光R1,R2,R3の各照射光量を
調節することにより、各マイクロゲルMG1,MG2,M
G3に関わる各物質相互拡散の進行度合いを容易且つ緻
密に制御することができる。この場合、照射光量は、光
の強度或るいは光照射時間を変えることにより調節でき
る。
【0039】本例では、光R1,R2,R3の各照射時間
を一定に揃え各照射強度を変えて、マイクロゲル含有物
全体の物質相互拡散を制御している。即ち、光R1,R
2,R3の各照射強度を、光R3が最大で光R2が最小とな
る様に設定し、これら3種類の光R1,R2,R3の照射
を同時に開始し同時に停止している。これにより、マイ
クロゲルMG3が最も大きく膨潤し、そのゲル内外の物
質相互拡散とこれに基づく化学反応が最も速く進行し、
その結果、光照射停止段階(ST5)では反応生成物9c
が最も多く発生している。又、マイクロゲルMG2の膨
潤度が最も小さく、それに関わる物質の相互拡散とその
化学反応が最も遅く、その結果、反応生成物9bの生成
量が最も少ない。
【0040】以上の様に、本例によれば、互いに異なる
上述の特定波長を備えた複数種類の光の照射光量を調節
するだけで、低エネルギーの光で効率良く複数種類のマ
イクロゲルの各物質相互拡散に基づく複数通りの化学反
応を緻密且つ自在に制御することができる。
【0041】次に、この発明のマイクロゲル含有物と物
質拡散光制御方法の他の実施例について、図7に基づき
説明する。尚、上記実施例と同一の構成要素について
は、同一符号を付して説明を省略する。本例のマイクロ
ゲル含有物では、ゲル外相に配する補助的物質6の内の
粘度調整物質として、温度の上昇と共に粘度が急激に低
下するポリマーレジンやワックスを用いる。これによ
り、ゲル内外の物質の相互拡散を、照射光だけでなくマ
イクロゲル含有物全体の温度を調節することによっても
制御することが可能となる。その他の構成は、上記実施
例と同一である。この様に構成したマイクロゲル含有物
の物質拡散光制御方法を、以下に示す。
【0042】図7において、初期状態段階(ST1)で
は、各マイクロゲルMG1,MG2,MG3内部の物質移
動性が上記実施例と同一で低く、且つ、ゲル外相の物質
移動性も粘度が高い為に低い。従って、ゲル内外の各物
質は上記実施例の場合よりも更に確実に分離されてい
る。
【0043】次の光照射段階(ST2)で光R1,R2,R3
を照射すると、各マイクロゲルMG1,MG2,MG3内
部の網目構造の空孔が広がり物質移動性が高くなるが、
ゲル外相の粘度が高い為、各ゲル内部のトラップ物質3
a,3b,3cがゲル外相へ実質的に拡散できない。
又、ゲル外相のターゲット物質5も、各マイクロゲルM
G1,MG2,MG3内部に拡散進入できない。尚、この
光照射段階(ST2)では、各マイクロゲルMG1,MG
2,MG3の膨潤がゲル外相の粘度が高い為にある程度抑
制され、各ゲル内部の物質移動性は上記実施例の光照射
段階(ST2)での物質移動性よりも低い。
【0044】次に、光R1,R2,R3の照射を継続した
まま、マイクロゲル含有物全体をゲル外相の粘度が急激
に低下する温度まで加熱する(ST3)。これにより、各
マイクロゲルMG1,MG2,MG3内外の物質の相互拡
散が開始すると共に速やかに活発化する。
【0045】ゲル内外物質の相互拡散が進行し、上記実
施例と同様にマイクロゲルMG1,MG2,MG3に関わ
る3通りの化学反応が起こって各反応生成物9a,9
b,9cが光R1,R2,R3の照射強度に応じた量で発
生する(ST4)。
【0046】化学反応が所望の度合いまで進行したら、
光R1,R2,R3の照射を停止すると共に、マイクロゲ
ル含有物の温度を初期状態(ST1)と同温度に低下させ
る。これにより、各マイクロゲルMG1,MG2,MG3
の内部がもとの縮んだ網目構造に戻ると共に、ゲル外相
の粘度も元の高粘度に復帰する。従って、上記実施例よ
りも、ゲル内外物質の相互拡散を確実に停止させること
ができる。尚、光R1,R2,R3の照射を停止するだけ
でも、上記実施例の光照射停止段階(ST5)と同程度に物
質の相互拡散を停止させることができる。
【0047】以上の様に、本例によれば、光だけでなく
温度によってもゲル内外物質の相互拡散を容易に制御で
き、且つ、初期段階におけるゲル内外物質の“漏れ”拡
散をより完全に防止できる利点が得られる。
【0048】以上、この発明を2通りの実施例に基づき
詳細に説明したが、この発明は、これらの特定の実施例
等に限定されるものではなく、この発明の技術的範囲に
おいて種々の変形が可能であることは勿論である。例え
ば、上記実施例等では光応答性が異なる複数種類のマイ
クロゲルに夫々異なるトラップ物質を配したが、異なる
種類のマイクロゲルに同一のトラップ物質を配してもよ
い。即ち、図1において、マイクロゲルMG1とマイク
ロゲルMG2の各内相に同一トラップ物質3aを配して
もよい。
【0049】
【発明の効果】以上、詳細に説明した様に、この発明に
よれば、互いに異なる波長の光照射を受けて解離する光
感応基を高分子ゲルの側鎖部に導入した複数種類のマイ
クロゲル内に芯物質を夫々内蔵させ、これらマイクロゲ
ルの外相に各芯物質と化学反応可能なターゲット物質を
配してマイクロゲル含有物を構成することにより、この
マイクロゲル含有物に上述した特定波長を夫々備えた低
エネルギーの光を照射するだけで、各芯物質とターゲッ
ト物質の相互拡散に基づくマイクロゲル含有物全体の化
学反応度合いを容易に効率良く制御することができる。
そして、照射光の光量を調節することにより、ゲル内外
物質の相互拡散速度から延いてはそれに基づく化学反応
を緻密に制御することが可能となる。又、互いに異なる
特定波長を備えた複数の光を選択して照射することによ
り、開始・進行させるべき物質の相互拡散と化学反応を
自在に選択制御することができる。加えて、上記特定波
長を備える光以外の光を照射しても各マイクロゲルの内
部構造が変化せずゲル内外の各物質が相互に拡散しない
ので、例えば通常の照明下において容易に所望物質の相
互拡散を制御できるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のマイクロゲル含有物の構成の一実施
例とその物質拡散光制御方法の概念を示す模式的説明図
である。
【図2】上記マイクロゲル含有物におけるマイクロゲル
の組織構造を模式的に示す説明図である。
【図3】上記マイクロゲルの一例を分子構造式で示す説
明図である。
【図4】上記マイクロゲルの他の一例を分子構造式で示
す説明図である。
【図5】上記マイクロゲルの更に他の一例を分子構造式
で示す説明図である。
【図6】上記マイクロゲル含有物を用いる物質拡散光制
御方法の一実施例における動作を段階的に示す模式的説
明図である。
【図7】この発明の他の実施例としてのマイクロゲル含
有物とその物質拡散光制御方法を段階的に示す模式的説
明図である。
【図8】マイクロゲルの一例を分子構造式で示す説明図
である。
【図9】従来のマイクロゲルを用いた薬物放出拡散作用
を示す模式的説明図である。
【符号の説明】
1 主鎖部 2 側鎖部 3a,3b,3c トラップ物質 4,93 溶媒 5 ターゲット物質 6 補助的物質 7 容器 8a,8b,8c 光源 9a,9b,9c 反応生成物 MG1,MG2,MG3 マイクロゲル R1,R2,R3 光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 1/00 - 101/14 B01J 13/00 G03C 1/73

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側鎖部に特定波長の光の照射を受けてイ
    オン解離する光感応基を夫々備えると共に前記特定波長
    が互いに異なる複数種類の高分子マイクロゲルを含む光
    応答性マイクロゲル含有物であって、 各前記高分子マイクロゲル中に芯物質を夫々内蔵させ、
    前記各芯物質と化学反応可能なターゲット物質を含む同
    一の外相中に複数の前記高分子マイクロゲルを配して成
    り、前記特定波長の光を照射して前記各芯物質と前記タ
    ーゲット物質を相互に拡散させることを特徴とする光応
    答性マイクロゲル含有物。
  2. 【請求項2】 温度の上昇と共に粘度が急激に低下する
    物質を前記外相中に添加する請求項1記載の光応答性マ
    イクロゲル含有物。
  3. 【請求項3】 側鎖部に特定波長の光の照射を受けてイ
    オン解離する光感応基を夫々備えると共に前記特定波長
    が互いに異なる複数種類の高分子マイクロゲルを含み、
    各前記高分子マイクロゲル中に芯物質を夫々内蔵させ、
    前記各芯物質と化学反応可能なターゲット物質を含む同
    一の外相中に複数の前記高分子マイクロゲルを配して成
    る光応答性マイクロゲル含有物を用い、前記特定波長の
    光を照射して前記各芯物質と前記ターゲット物質を相互
    に拡散させる際の物質拡散光制御方法であって、 前記特定波長を備えた光の照射光量を調節することによ
    り、前記各芯物質と前記ターゲット物質の相互拡散度合
    いを制御することを特徴とする光応答性マイクロゲル含
    有物の物質拡散光制御方法。
  4. 【請求項4】 温度の上昇と共に粘度が急激に低下する
    物質を前記外相に添加し、光照射と共に前記マイクロゲ
    ル含有物を加熱して前記各芯物質と前記ターゲット物質
    の相互拡散を開始させる請求項3記載の光応答性マイク
    ロゲル含有物の物質拡散光制御方法。
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