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JP2851278B2 - Htlv−iに対する抗体の検出のための抗原,atlのためのワクチンとしてのペプチド組成物およびそれを用いる方法 - Google Patents

Htlv−iに対する抗体の検出のための抗原,atlのためのワクチンとしてのペプチド組成物およびそれを用いる方法

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JP2851278B2
JP2851278B2 JP63002369A JP236988A JP2851278B2 JP 2851278 B2 JP2851278 B2 JP 2851278B2 JP 63002369 A JP63002369 A JP 63002369A JP 236988 A JP236988 A JP 236988A JP 2851278 B2 JP2851278 B2 JP 2851278B2
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Description

【発明の詳細な説明】 ヒトT細胞白血病ウイルスサブグループIは、ある種
の成人リンパ性悪性腫瘍、特に成人T細胞白血病リンパ
腫(ATL)(1−3)と原因的に連関したレトロウイル
スである。HTLV-Iタンパク質と反応する抗体がATL患者
の血清から発見されている。これらの抗体はウイルスの
gagコア抗原及びエンベロープタンパク質の両方を認識
する(4,5)。
この発明は、合成ペプチド組成物を用いることによ
る、体液中のHTLV-Iに対する抗体を検出するための高感
度な方法に関する。ペプチド組成物はまた、ヒトを包含
する健康な哺乳動物中においてHTLV-Iに対する抗体の産
生を促進することによりHTLV-Iによる感染に対して保護
を与えることによってワクチンとしても有用である。こ
のペプチド組成物は、gp21で示される、エンベロープタ
ンパク質のトランスメンブレン部分のセグメントに対応
し、ATLを含む患者の血清中の抗体と高度に免疫反応的
であることが見出されている。
さらに詳細に言うと、この発明は、所定の配列を有す
る約20、24及び16のアミノ酸から成る群より選ばれる、
化学合成されたペプチド、その配列中の1〜5個のアミ
ノ酸が置換、欠失、付加、および/または、挿入されて
いる、ペプチド誘導体、部分及び混合物を、ATL又はHTL
V-Iで感染されたヒト体液中の抗HTLV-I抗体の検出のた
めに用いることに関する。検出方法は、ペプチドを抗原
として用いた酵素結合免疫吸着試験(ELISA)、ニトロ
セルロースろ紙上のドットブロッティング及び赤血球凝
集法を包含する。好ましい検出方法はELISAによる。
ヒトT細胞白血病リンパ腫ウイルス(HTLV)は、T細
胞リンパ腫を有し、皮膚に徴候を示す患者から最初に単
離された関連するレトロウイルスの1群である。この群
の特定のサブグループであるタイプIは、HTLV-Iとして
も知られ、日本の特定地域(6−9)、カリブ海沿岸
(10,11)及び米国南部(12)において発生する、成人
T細胞白血病リンパ腫(ATL)と呼ばれる疾患と臨床的
及び疫学的特徴を分け合う悪性腫瘍の原因として関連し
ている。
HTLV-Iの伝達の機構は現在未知であるが、HTLV-Iの水
平的伝達は分子的及び疫学的分析により明瞭に示唆され
ている(13,14)。HTLV-Iが存在する風土におけるHTLV-
I血清陽性は全ての一般的な人々の間で高まっており、
患者の家族や輸血を受けた人々の間ではさらに高まって
いる。
このことから、輸血を受けなければならない、例えば
血友病や外科的患者の間でこのウイルスが不注意に拡散
することを防止するために、HTLV-Iウイルスが混入した
血液試料を、血液銀行に入れる前に分離するために、個
々の血液試料についての安全な、信頼性のある、高感度
の試験方法が必要である。
HTLV-Iウイルスの完全なヌクレオチド配列は1983年に
報告されている(17)。この報告は、HTLV-Iウイルスの
構造をDNAレベル及び推定タンパク質レベルの両方で明
らかにしたものであり、HTLV-Iウイルス上に存在するか
もしれない異なるエピトープのさらなる血清学的研究を
可能にした。
同時に、国立ガン研究所のカール・サキンジャー博士
は、アメリカ人中のHTLV-I抗体の検出のための酵素免疫
分析の開発のために、単離されたHTLV-Iウイルスを固相
免疫吸着剤として用いることを報告した(18)。
大腸菌における兼用されたクローニング及び発現系
が、ATL患者からの血清中の抗体と免疫学的に反応す
る、HTLV-I DNAによりコードされた糖タンパク質を同定
するために用いられたことをサムエルらが報告した(1
9)。エンベロープタンパク質をコードするHTLV-I DNA
は断片に分割され発現ベクターに挿入された。発現ベク
ターは形質転換により大腸菌宿主中に導入された。pKS4
00として示される1つのクローンにおいて、1つのエン
ベロープタンパク質が、28のコードされた血清の群をス
クリーニングするための免疫吸着剤として用いるのに適
当であることが見出された。細菌的に合成されたHTLV-I
エンベロープタンパク質配列を認識する抗体は、破壊さ
れたビリオンを抗原として用いたELISAによって抗HTLV-
I抗体を有することが示された全ての血清中に見出され
た(18)。
1986年3月27日に公開番号W086/01834で公開された出
願番号PCT/US 85/01803において、サムエルらは、HTLV-
1のX領域、すなわち、ウイルスのenvと3′LTRとの間
に位置する高度に保存された(conserved)領域の発現
物質としてHTLV-Iの免疫原部位と連関したポリペプチド
を記載している。このタンパク質は37kdないし40kdの分
子量を有し、大腸菌中で融合タンパク質としてクローニ
ングされ発現された。得られた生成物は精製され、血清
をスクリーニングするための液相免疫沈殿試験に用いら
れた。その結果は約77%ないし87%の精度を示した(2
0)。
合成ペプチドはタンパク質表面上の免疫抗原又は免疫
原部位をマッピングするために、及びワクチンとして用
いるためにより頻繁に用いられている。我々は以前にこ
のアプローチを用いてHTLV-IIIのエンベロープタンパク
質上の高度に抗原性のエピトープを同定し特徴づけ、HT
LV-IIIに対する抗体の検出のための高感度で特異的な免
疫分析法を開発した(21)。同様なアプローチをこの発
明において採用し、HTLV-I中における高度に抗原性のエ
ピトープを選択し同定した。エピトープ分析のためのエ
ンベロープタンパク質の領域を選択することにおいて、
2つの戦略を採用した。第1に、HTLV-IとHTLV-IIとの
間でアミノ酸配列を比較的高度に維持している領域を探
した。第2に、gp21の全領域、HTLV-1エンベロープタン
パク質のトランスメンブレン部分をカバーする複数重複
線形ペプチドを合成し特徴づけた。これらのペプチドは
以下の配列を有し、その混合物はATL患者からの血清に
対して高度に免疫反応性であることが見出された。
ただし、 A=Ala=アラニン、G=Gly=グリシン、 R=Arg=アルギニン、 I=Ile=イソロイシン、 D=Asp=アスパラギン酸、 F=Phe=フェニルアラニン、 N=Asn=アスパラギン、S=Ser=セリン、 Q=Gln=グルタミン、 W=Trp=トリプトファン、 E=Glu=グルタミン酸、 Y=Tyr=チロシン、L=Leu=ロイシン、 V=Val=バリン、K=Lys=リジン、 C=Cys=システイン 化学合成ペプチドに基づく抗HTLV-I抗体の分析は、破
壊ウイルス又は細菌的に生産された免疫吸着剤を用いた
分析に比べていくつかの利点を示した。ペプチドは自動
化固相法を用いることによってグラム単位量で合成する
ことができ、従って、高度な安全性を有する一定の収率
で得られる再現性ある抗原が提供される。生物系から抗
原を単離する方法はこのような再現性を有さない。さら
に重要なことに、非HTLV-I感染者において見られる非特
異的反応性は、分析に用いられる製剤の異質性に起因す
るものと思われる。これは免疫吸着剤として全ウイルス
又は大腸菌誘導組換え産物を用いる分析にとって特にそ
うである。これらの方法において、宿主細胞の主たる組
織適合性抗原又は内発性細菌タンパク質はしばしば所望
の抗原ウイルス又はタンパク質と結合する。これらの混
入抗原に対する抗体は健常人中にしばしば見出されるの
で、現在の抗原単離方法を用いることによっては偽陽性
の結果を排除することはできない。
この発明の分析方法は従って、他の方法において問題
となる偽陽性反応を明確に排除し、同時に、実質的に増
大された信号−ノイズ比によってほんとうに陽性の血清
に対して高い感度を示す。この増大された信号−ノイズ
比は免疫吸着剤の純度に基づくものと思われる。
さらに、現在まで、HTLV-Iに対する保護を与えるため
の現実的なワクチン又は方法は報告されていない。不活
性化されたウイルスの使用は、その病気にかかる恐れを
引き起こすので受け入れられて使用されることが妨げら
れている。
同様に、哺乳動物中のHTLV-Iに対するモノクローナル
抗体及びポリクローナル抗体の開発は、HTLV-Iを免疫原
として用いることを包含し、これは、その操作に許容す
ることができない危険性をもたらす。
従って、この発明の目的は、試薬としてウイルス又は
その溶解物を用いることを要しない検出又は診断方法を
開発することである。
この発明のさらなる目的は、高感度で精度の高い試験
方法を開発することである。
さらにまた、この発明の目的は、正確な結果を得るの
に極少量の試薬及び体液しか必要としない、高感度な試
験方法を提供することである。
この発明のさらなる目的は、化学的手段により試薬を
製造することである。この合成試薬は体液中の抗HTLV-I
抗体の存在の検出及びATLの診断に用いることができ、
それによってウイルス又はその部分にさらされ、ウイル
スが不必要に増殖する危険性が回避される。
さらにこの発明の目的は、ヒトを包含する健康な哺乳
動物において、体内に導入された際に抗HTLV-I抗体の産
生を促進しHTLV-Iの感染に対する保護を与えるワクチン
を開発することである。
さらにこの発明の目的は、免疫原としてHTLV-Iを用い
ることなくHTLV-Iに対するモノクローナル抗体及びポリ
クローナル抗体を哺乳動物中で開発するために用いるこ
とができる免疫原を提供することである。
文献 1.ビー・ジェイ・ポイエズら、Proc.Natl.Acad.Sci,US
A.,77:7415(1980) 2.ビー・ジェイ・ポイエズ、エフ・ダブリュ・ルセチ、
エム・エス、レイツ、ブイ・エス・カリアナラマン、ア
ール・ガロ、Nature(ロンドン)194:268(1981) 3.アール・シー・ガロら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、7
9:5680(1982) 4.エム・エセックスら、Science,221:1061(1983) 5.ピー・クラファム、ケイ・ネイピー、アール・エイ・
ワイス、Proc.Natl.Acad.Sci.81:2886(1984) 6.アール・シー・ガロら、Cancer Res.,43:3892(198
3) 7.アール・シー・ガロ、Cancer Surveys,エル・エム・
フランクスら編、(オックスフォード大学出版)、 8.ダブリュ・エイ・ブラトナー、ケイ・トカツキ、アー
ル・シー・ガロ、J.Am.Med.Assoc.,250:1074(1983) 9.ケイ・タカツキ、ジェイ・ウチヤマ、ケイ・サガワ、
ジェイ・ヨドイ、Topics in Hematology,エス・セノ、
エフ・タカク、エス・イリノ編(Excerpta Medica,ア
ムステルダム,1977)p73 10.ダブリュ・エイ・ブラトナーら、Int.J.Cancer,30:2
57(1982) 11.デイ・カトブスキーら、Lancet,1982-I639(1982) 12.ディー・ダブリュ・ブレイネイら、J.Am.Med.Asso
c.,250:1048(1983) 13.エム・ロバート−グロフ、エフ・ダブリュ・ルセ
チ、エル・ダブリュ・ポスナー、ビー・ジェイ・ポイエ
ズ、アール・シー・ガロ、J.Exp.Med.,154:1957(198
1) 14.アール・シー・ガロら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,7
9:5680(1981) 15.エム・ロバート−グロフら、J.Exp.Med.,157:248(1
983) 16.エム・シモヤマら、Jpn.J.Clin.Oncol.,12:109(198
2) 17.エム・セイキ、エス・ハットリ、ワイ・ヒラヤマ、
エム・ヨシダ、Proc.Natl.Acad.Sci.USA.,80:3618(198
3) 18.サキシンガー・シー・ダブリュら、Science,225:147
3(1984) 19.サムエル・ケイ・ピーら、Science,Nov.30,1984 20.スラモンら、PCT特許出願公開No.W086/01834 21.ワング・ジェイ・ジェイ、ジー・スチール、エス・
ウィスニウォルスキー・アール及びワング・シー・ワ
イ、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,83,pp 6159-6163(1986年
8月) この発明に従って、それぞれ特定の配列を有する3種
類のペプチドが固相ペプチド合成により製造された。こ
れらのペプチドは、血清及び体液中のHTLV-Iに対する抗
体の検出のための高感度で正確な方法及びATLの診断に
おいて有用であることが見出された。これらのペプチド
はまた、Balb/cマウスのような健康な哺乳動物中のHTLV
-Iに対する抗体産生を刺激するのに有用であることが見
出された。
抗HTLV-I抗体の検出及びATLの診断に有用なこの発明
のペプチド組成物は、以下のペプチドから成る群より選
ばれるペプチド、その配列中の1〜5個のアミノ酸が置
換、欠失、付加、および/または、挿入されている、ペ
プチド誘導体、その部分及びその混合物を含む。
ただし、Xは−OH又は-NH2 A=Ala=アラニン、G=Gly=グリシン、 R=Arg=アルギニン、 I=Ile=イソロイシン、 D=Asp=アスパラギン酸、 F=Phe=フェニルアラニン、 N=Asn=アスパラギン、S=Ser=セリン、 Q=Gln=グルタミン、 W=Trp=トリプトファン、 E=Glu=グルタミン酸、 Y=Tyr=チロシン、L=Leu=ロイシン、 V=Val=バリン、K=Lys=リジン、 C=Cys=システイン 高感度で正確な体液中のHTLV-Iに対する抗体の検出方
法及びATLの診断方法は以下の工程を含む。
A.下記のアミノ酸配列を有するペプチドから成る群より
選ばれるペプチド、その配列中の1〜5個のアミノ酸が
置換、欠失、付加、および/または、挿入されている、
ペプチド誘導体、その部分又はその混合物を含むペプチ
ド組成物を調製する。
ただし、Xは−OH又は-NH2である。
B.pH約7ないし10の緩衝液中での試験1回につき約0.
1μgないし20μgのペプチド組成物を、免疫分析操作
において抗原として用いる。
さらに、この発明のペプチドをタンパク質若しくはポ
リマー担体に結合し、又は重合してホモ若しくはヘテロ
ダイマー若しくはより重合度の高いオリゴマーにシステ
イン酸化若しくは誘起ジスルフィド架橋により重合さ
せ、又はホモ若しくはヘテロ官能多価架橋剤を用いるこ
とによりホモ若しくはヘテロダイマー若しくはより重合
度の高いオリゴマーに重合させると、ヒトを包含する健
康な哺乳動物中で抗HTLV-I抗体の産生を促進するために
用いることができる。その方法は、ヒト血清アルブミン
のような担体に結合され、又はポリマーとしてこれら3
種類のペプチドの混合物を包含する効果量のペプチド組
成物を腹腔内又は皮下注射により健康な哺乳動物の体内
に導入することを包含する。
この発明に従って、体液中のHTLV-Iの抗体の検出及び
ATLの診断のために、健康な哺乳動物中のHTLV-Iに対す
る抗体の産生を促進することによって健康な哺乳動物を
ワクチン接種するために、そして哺乳動物中でHTLV-Iに
対するモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体の両
方の開発のために3種類のペプチドが化学的に合成され
た。これら3種類のペプチドは以下の配列を有する。
ただし、Xは−OH又は-NH2である。
これらペプチドの類似体を含むものであり、ここに類
似体とは、HTLV-Iに対する抗体に対する免疫反応性が実
質的に保持されている限りにおいて、上記配列中のアミ
ノ酸の一部が置換されているその類似体をいう。
体液中の抗HTLV-I抗体の検出及びATLの診断のための
試薬として有用なポリペプチドのアミノ酸配列は、HTLV
-Iウイルスのエンベロープタンパク質を規定する、gp61
の部分であるp21として示される、HTLV-Iウイルスのア
ミノ酸配列の部分に対応するように選択される。
固相免疫吸着剤として、又は抗HTLV-I抗体の検出に有
用なペプチドは、Boc−アミノ酸を用いた固相ペプチド
合成の「古典的」なメリフィールド法により、上記配列
を有するものが調製された。
所望のブロックされたペプチドの樹脂上での組立が完
了した後、ペプチドを遊離させるためにペプチド−樹脂
を無水フッ化水素酸で処理してペプチドと樹脂とを結合
しているベンジルエステルを開裂する。合成中ベンジル
誘導ブロッキング基によってブロックされたアミノ酸の
官能基はまた同時にペプチドから開裂される。遊離され
たペプチドは次に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
により分析、精製され、アミノ酸分析により生化学的に
特徴づけられる。
同様に、C末端にアミノ基を有するペプチドの合成
は、下記式に従って4−メチルベンジルヒドリルアミン
樹脂を用いることによって達成することができる。
上記操作により合成されたペプチドは抗HTLV-I抗体に
対して高度に反応性であり、HTLV-Iに対する抗体の検出
のための高感度かつ特異的免疫吸着剤として用いること
ができる。この発明のペプチドを用いて得られた結果
は、このペプチドが、密度勾配のバンドとして得られた
HTLV-I自身の溶解物よりも、体液中の抗HTLV-I抗体に対
して高感度で特異的であることを示した。
第1表及び第2表は、ELISA法を用いた、ATL患者から
の血清について得られたデータを示す。この方法におい
て、ウェルは、重量比が1:1:1(I:II:III)のペプチド
混合物及び不活化HTLV-Iでコートした。第3表は、ウェ
ルプレートをそれぞれ3種類のペプチド及び混合物(1:
1:1)並びに破壊HTLV-Iでコートしたものを用いて行な
ったATL患者からの血清についてのELISAの結果である。
抗HTLV-I抗体に対する免疫反応におけるこの発明のペ
プチド組成物の高い感度及び特異性に基づき、ペプチド
組成物はまたATLに対するワクチン及びヒトを包含する
哺乳動物中でのHTLV-Iに対するモノクローナル抗体及び
ポリクローナル抗体の両方の開発のための免疫原として
有用であると信じられる。この発明のペプチド組成物を
タンパク質若しくはポリマー担体に結合し、又は重合し
てホモ若しくはヘテロダイマー若しくはより重合度の高
いオリゴマーにシステイン酸化若しくは誘起ジスルフィ
ド架橋により重合させ、又はホモ若しくはヘテロ官能多
価架橋剤を用いることによりホモ若しくはヘテロダイマ
ー若しくはより重合度の高いオリゴマーに重合させる
と、この発明のペプチドを正常な生物体に導入してHTLV
-Iに対する抗体の産生を促進し、健康な哺乳動物中でHT
LV-I感染に対する保護を与えることができる。この発明
のペプチド組成物はウイルスから生化学的に誘導される
ものではないので、ワクチン接種される正常な生物体を
疾病にさらす危険性はない。
この発明のペプチドを用いることの利点は多い。
ペプチドは化学的に合成される。このことは、試薬又
はワクチンの製造中のいかなる時にもHTLV-Iを用いるこ
とがないことを意味する。ワクチンの製造又はワクチン
接種中に、製造労働者又は健康に関する職業の人がHTLV
-Iウイルスにさらされる危険性がない。同様に、これら
のペプチドを哺乳動物中のHTLV-I抗体に対するモノクロ
ーナル抗体又はポリクローナル抗体の開発に用いる場合
にもHTLV-Iにさらされる危険はない。さらに、試薬が血
清又は体液の試料にさらされる。抗HTLV-I抗体の検出試
験の最終段階に至るまで、研究室労働者がHTLV-Iウイル
スにさらされる危険性がない。この最終段階においてウ
イルスにさらされる危険性は、検査すべき血清試料を60
℃で30分間熱処理して不活化する、注意工程を採用する
ことによりさらに完全に避けることができる。
この発明の方法により避けることができる他の問題
は、HTLV-Iウイルス製剤と共に精製される宿主細胞から
の抗原性物質の存在又は発現されたウイルス性断片と共
に精製される大腸菌由来タンパク質の存在により偽陽性
の結果が引き起こされる可能性である。ある健常人は、
宿主細胞からの抗原性物質に交差反応性を有する、大腸
菌又はヒト白血病抗原、例えばHLAに対する抗体を有す
る。これらの健常人からの血清試料は、HTLV-Iにさらさ
れていなくても、ELISA又はIRAMAにおいて陽性の反応を
することがある。
偽陽性の反応に基づいてある人がHTLV-Iに感染してい
るかもしれないという診断を下すことはその人及びその
人の家族に多大の心配をかける。これらの問題は全て、
この発明のペプチド組成物を試薬として用いることによ
り解決することができる。
さらに、適当なアミノ酸類似体置換により、HTLV-I抗
体スクリーニング分析のために有用な、より低いバック
グランド読みや固相へのより大きな吸着能を有する、所
定のアミノ酸配列に基づき、その配列中の1〜5個のア
ミノ酸が置換、欠失、付加、および/または、挿入され
ている、種々のペプチド誘導体を合成することができ
る。
さらに、この発明のペプチド組成物は合成的に製造さ
れるので、その品質を制御することができ、その結果、
試験結果の再現性が確保される。また、それぞれの試験
操作に必要なペプチドは極微量であり、ペプチドの調製
に要する費用は比較的低いので、抗HTLV-I抗体について
の体液のスクリーニング、ATLの診断及びワクチンの製
造に要する費用が比較的低い。
この発明に従って調製されたペプチドは、これを酵素
結合免疫吸着分析(ELISA)、酵素免疫ドット分析、赤
血球凝集分析又は放射免疫ラジオメトリック分析(IRM
A)において試薬として用いることによりHTLV-I感染の
検出及びATLの診断に用いることができる。好ましい方
法はELISAである。ELISA法は実施例1に、IRAMA法は実
施例3に、赤血球凝集分析は実施例4及び5に例示され
ている。
以下の方法において、コーティングバッファーに0.25
重量%のグルタルアルデヒドを加えてペプチドのプレー
ト又はビーズへの結合を助けることができる。さらに、
セイヨウワサビパーオキシダーゼ結合マウスモノクロー
ナル抗ヒトIgG抗体をセイヨウワサビパーオキシダーゼ
結合ヤギ抗ヒトIgG(Fc)に代えて第2抗体トレーサー
として用いることができる。
これらの方法に用いることができるゼラチンはウシ皮
膚ゼラチン、ブタ皮膚ゼラチン、魚ゼラチン及び公知の
入手可能なゼラチンタンパク質又はアルブミンタンパク
質で置き換えることができる。
以下、具体的な実施例等に基づいて更に詳細に説明す
る。
例1(固相酵素免疫検定法によるHTLV-Iに対する抗体の
検出) 96個のウエルを備えたプレートの各ウエルを、4℃で
一晩または室温で3時間、既述のようにして調製した三
種類のペプチドの混合物(I:II:III=1:1:1)で、コー
ティングした。ペプチド混合物は、pH9.5,10mMのNaHCO3
緩衝液100μl中に溶解し、ウエル当り1.5μg用いた。
燐酸緩衝生理食塩水(PBS)でウエルを三回洗浄した。
次いで、PBS中の3重量%ゼラチン250μlと共に37℃で
1時間インキュベートし、非特異的な蛋白結合部位をブ
ロックした。続いて、0.05容量%のTween20を含むPBSで
3回洗浄した。
検体血清(ヒト患者または正常なヒト個体から採った
血液)を、20容量%の正常ヤギ血清、1重量%のゼラチ
ン及び0.05容量%のTween20を含むPBSで稀釈した。稀釈
度は、容量対容量で夫々1:20及び1:200とした。
200μlの稀釈血清を夫々のウエルに加え、37℃で1
時間反応させた。次いで、結合されていない抗体を除去
するために、PBS中の0.05容量%Tween20でウエルを3回
洗浄した。西洋ワサビパーオキシダーゼに結合した抗ヒ
トIgG(Fc)を、陽性ウエル中で形成されたHTLV-I抗体
抗原コンプレックスと結合させるための二次抗体トレー
サとして用いた。パーオキシダーゼで標識されたヤギ抗
ヒトIgG(1容量%の正常ヤギ血清および0.05容量%のT
ween20を含むPBS溶液で1:3000に稀釈したもの)の100μ
lを夫々のウエルに添加し、37℃で15分間インキュベー
トした。
PBS中の0.05容量%Tween20溶液でウエルを5回洗浄し
て非結合抗体を除去し、pH5.0のクエン酸ナトリウム緩
衝液中に0.04重量5のオルトフェニレンジアミン(OP
D)及び0.012容量%の過酸化水素を含む基質混合物100
μlと反応させた。この基質混合物は、着色生成物の形
成によりパーオキシダーゼ標識を検出するために用い
た。1.0Mの硫酸水溶液100μlを添加することにより反
応を停止させ、ELISA読取り器を用いて492nmにおける吸
光度(A492)を測定した。正常個体またはHTLV-I感染に
関係のない患者から採取した稀釈血清試料(1:20)をネ
ガティブコントロールとして用い、同じ検定を行なっ
た。吸光度の読みがA492=0.12のカットオフ値(正常血
清コントロールの平均A492値の約3倍)より大きいもの
を陽性とした。結果を表1に示す。
なお、上記の試験は緩衝液で、1:20(v/v)に稀釈し
た血清を用いて行なった。カットオフ値は、正常なコン
トロール血清における平均A492値の約3倍であるA492
0.12として定めた。
また、ATL患者の血清は日本赤十字岡山のミヤモトカ
ンジ博士の好意により提供を受けた。AIDS患者、ARC初
期免疫欠損症患者、白血病/リンパ腫患者の血清はカル
ホルニア大学のS.グプタ博士、ニューヨーク大学のD.M.
ノーレス博士、ロング−アイランド−ジェウィッシュ病
院のF.D.シーガル博士の好意により提供を受けた。リウ
マチ性関節炎、全身性エリテマトーデス及びアレルギー
を含む自己免疫疾患の血清は、ニューヨークのロックフ
ェラー大学病院のN.チオラッツィ博士の好意により提供
された。
表1の結果は、本発明のELISAによる血清試料の試験
が非常に正確で且つ高い特異性を有していることを示し
ている。AIDS/ARC又はHTLV-III感染個体についても、約
16.7%がHTLV-Iに感染していると判定されたが、これは
最近の発見と一致している。これらの発見は警告的であ
り、またHTLV-I及びHTLV-IIによる二重感染を防止する
ために効果的な措置を要求している。正常な対象または
HTLV-Iに感染していないと判定された患者では、全く免
疫活性が認められなかった。
なお、もし望むならば、血液銀行からのビールスに汚
染された血液を排除するためのスクリーニング試験にお
いて、陽性反応を定義するための基準をより厳格にする
ことができる。
例2 1ウエル当たり1μgの加熱失活させたNP40可溶化HT
LV-Iでウエルプレートをプレコーティングした点を除
き、例1と同じ血清試料を用いて例1の方法を繰返し
た。その結果を表2に示す。
なお、カットオフ値は、正常なコントロール血清にお
ける最も高いA492値として定めた。
例1で得られた結果と比較すると、この例の方法は著
しく正確性および特異性に劣り、従って信頼性が低い。
更に、カットオフ値は著しく大まかな基準を用いて選択
されている。
例3(放射免疫検定法(IRMA)によるHTLV-Iに対する抗
体の検出) 96個のウエルを備えた可撓性のポリビニルクロライド
製プレートの各ウエルを、4℃で一晩または室温で3時
間、既述のようにして調製した三種類のペプチドの混合
物(I:II:III=1:1:1)でコーティングした。ペプチド
混合物は、pH9.5,10mMのNaHCO3緩衝液100μl中に溶解
し、ウエル当り1.5μg用いた。燐酸緩衝生理食塩水(P
BS)でウエルを三回洗浄した。次いで、PBS中の3重量
%ゼラチン250μlと共に37℃で1時間インキュベート
し、非特異的な蛋白結合部位をブロックした。続いて、
0.05容量%のTween20を含むPBSで3回洗浄した。
検体血清(ヒト患者または正常なヒト個体から採った
血液)を、20容量%の正常ヤギ血清、1重量%のゼラチ
ン及び0.05容量%のTween20を含むPBSで稀釈した。稀釈
度は、容量対容量で夫々1:20及び1:200とした。200μl
の稀釈血清を夫々のウエルに加え、37℃で1時間反応さ
せた。次いで、結合されていない抗体を除去するため
に、PBS中の0.05容量%Tween20でウエルを3回洗浄し
た。
アフィニティーカラムで精製され、且つI-125で標識
されたヤギ抗ヒトIgG(Fc)を、陽性ウエル中で形成さ
れたHTLV-I抗体抗原コンプレックスと結合させるための
二次抗体トレーサとして用いた。このI-125で標識され
たヤギ抗ヒトIgG(1容量%の正常ヤギ血清および0.05
容量%のTween20を含むPBS溶液で稀釈したもの)の100
μl,50,000〜200,000cpmを夫々のウエルに添加し、37℃
でもう1時間インキュベートした。
PBS中の0.05容量%Tween20溶液でウエルを5回洗浄し
て非結合二次抗体を除去し、乾燥した。ウエルを切断
し、ガンマ線シンチレーションカウンターによりカウン
トした。容量対容量比1:20の稀釈度で同じ検定を行なっ
た。また、正常血清試料をネガティブコントロールとし
た検定を同時に行なった。Cmpの読みが正常血清試料の
平均の読み+4SD(標準偏差)よりも大きいものを陽性
とした。
例4(三種のペプチドで被覆されたゼラチン粒子、異な
った動物種の赤血球またはラテックスビーズを固相免疫
吸着剤として用いた血液凝集検定法によるHTLV-Iに対す
る抗体の検出) 十分に洗浄した赤血球、ゼラチン粒子またはポリスチ
レンラテックスヒーズの1mlを、5μg/ml〜1mg/mlの範
囲の濃度でペプチド混合物によりコーティングする。次
いで、このペプチド混合物でコーティングされた細胞、
粒子またはビーズを連続的に稀釈された血清試料と共に
96ウエルのU型マイクロプレートのウエル内でインキュ
ベートする。室温で約1時間放置した後、ウエル底の血
液凝集パターンを読み取り、陽性反応を示す最も大きな
稀釈度を記録する。
これは、血清または生体液を含む検体中におけるHTLV
-Iに対する抗体の存在に関し、その定性的および定量的
な分析の両方に用いることができる一段階検定法であ
る。
例5 血液凝集検定を用いてHTLV-I抗体を検出するための第
三の試験キット。このキットは、多数の94ウエルU型ミ
クロプレート及び血液凝集検定の材料を収納した区切ら
れた容器から構成されている。血液凝集検定の材料は、
(1)ペプチド混合物でコーティングされた赤血球、ゼ
ラチン粒子またはポリスチレンラテックスビーズのボト
ル、(2)正常なヒト血清(ネガティブコントロールと
して)、(3)加熱失活させたNP40可溶化セロポジティ
ブATL血清(ポジティブコントロールとして)を含む。
例4で説明した操作が行なわれる。
例6 HTLV-1抗体検出のための診断試験キットを構成するこ
とができる。この試験キットは、多数の94ウエルU型ミ
クロプレートを収納した区切られた容器から構成されて
いる。ミクロプレートは使用に先立って、pH9.5の10mM
NaHCO3緩衝液100μl中に溶解した本発明のペプチド混
合物(1:1:1)により、1ウエル当り1.5μgででコーテ
ィングされている。更に、このキットは別個に容器内に
収納してシールされた酵素検出のための材料からなり、
この酵素検出のための材料は次の要素からなっている。
即ち、(1)正常なヒト血清(ネガティブコントロール
として);(2)加熱失活させたNP40可溶化HTLV-1セロ
ポジティブATL血清(ポジティブコントロールとし
て);(3)正常ヤギ血清;(4)パーオキシダーゼで
標識したヤギ抗IgG;(5)燐酸塩−クエン酸塩緩衝液中
のオルトフェニレンジアミン(ODP)及び過酸化水素か
らなる色変化指示薬である。例1で説明した方法が行な
われる。
上記の試験キットにおいて、本発明のペプチドでプレ
コートされた96ウエルプレートは、固相免疫吸着剤とし
て使用するために本発明のペプチドでプレコートしたポ
リスチレンビーズ、制御された孔径を有するガラスビー
ズを充填した多数のミニカラム、又はニトロセルロース
紙片で置換えることができる。
例7 放射免疫検定(IRMA)を用いた抗体を検出するための
第二の試験キット。このキットは、多数の曲げ可能な96
ウエルのポリビニルクロライドプレート及び放射免疫検
定の材料を収納した区切られた容器から構成されてい
る。ポリビニルクロライドプレートは、pH9.5の10mM Na
HCO3緩衝液100μl中に溶解した本発明のペプチド混合
物(1:1:1)により、1ウエル当たり1.5μgでコーティ
ングされている。放射免疫検定の材料は、(1)正常な
ヒト血清(ネガティブコントロールとして);(2)加
熱失活させたNP40可溶化HTLV-IセロポジティブATL血清
(ポジティブコントロールとして);(3)正常ヤギ血
清;(4)I-125で標識したヤギ抗ヒトIgGを含んでい
る。例3で説明した方法が行なわれる。
上記の試験キットにおいて、本発明のペプチドでプレ
コートされた96ウエルのPVC−プレートは、固相免疫吸
着剤として使用するために本発明のペプチドでプレコー
トしたポリスチレンビーズで置換えることができる。
例8 ATL HTLV-I抗体に関する結果を比較するために、例1
で用いた個々のペプチド及びその混合物(1:1:1)、サ
クシンガー糖によるNP40可溶化HTLV-I実験を行なった。
ATL又はHTLV-Iに感染した無症候性患者から採取した血
清を1:20に稀釈した。夫々の同一の稀釈血清試料を、本
発明によるペプチド及びサクシンガー等による培養HTLV
-Iに対して試験した。正常ヒト血清および加熱失活させ
たHTLV-IセロポジティブATL血清をコントロールとして
用いた。その結果を表3に示す。
表3の結果は、既述の方法が高い感度および特異性を
有していることを示している。同じ濃度のATL血清試料
に対し本発明のペプチド組成物を用いて得られたA492
カットオフ値の比は、同一濃度の同一血清試料に対して
失活HTLV-Iを用いて得られたものよりも著しく高い。こ
れは、重量比で1:1:1のペプチド混合物を免疫吸着剤に
用いたときに特に顕著である。また、混合物の形でのペ
プチド組成物が極めて正確で、誤った陰性の結果が全く
得られなかったことをこのデータは示している。
なお、上記の例は本発明の単なる例示であり、本発明
の範囲を限定するものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/00 G01N 33/574 C G01N 33/574 33/577 B 33/577 C12N 15/00 C (72)発明者 デイー・ウエイン・ウォルタース アメリカ合衆国、ニューヨーク州 11501,ミネオラ、クリーブランド・ア ベニュー 215 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 14/16 C07K 16/10 CA(STN)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】HTLV-Iに対する抗体に対して特異的免疫反
    応性を有するペプチド組成物であって、 下記ペプチド(I)、(II)、(III) (式中、Xは−OHまたは-NH2を表す)、 およびこれらの混合物 よりなる群から選択されるペプチドを含むペプチド組成
    物。
  2. 【請求項2】ペプチド(I):(II):(III)の比が
    1:1:1であり、各ペプチドが0.1〜20μgの量で存在する
    ペプチド(I)、(II)および(III)の混合物を含
    む、請求項1記載のペプチド組成物。
  3. 【請求項3】HTLV-Iに対する抗体の検出およびATL状態
    の診断のためのイムノアッセイ法であって、以下の工
    程: A.固体支持体を、 下記ペプチド(I)、(II)、(III) (式中、Xは−OHまたは-NH2を表す)、 およびこれらの混合物 よりなる群から選択されるペプチドを含むペプチド組成
    物の有効量を抗原としてコーティングする工程、 B.緩衝液で希釈された試験血清を添加し、試験血清中の
    HTLV-Iに対する抗体に上記ペプチド組成物とのペプチド
    −抗体複合体を形成させる工程、 C.上記混合物を室温でインキュベートする工程、および D.上記ペプチド−抗体複合体の存在を検出する工程 を含むことを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】固体支持体を、ペプチド(I):(II):
    (III)の比が1:1:1であり、各ペプチドが0.1〜20μg
    の量で存在するペプチド(I)、(II)および(III)
    の混合物を含むペプチド組成物でコーティングする、請
    求項3記載のイムノアッセイ法。
  5. 【請求項5】工程Dが、酵素で標識された第二の抗体お
    よびこの酵素と反応して有色生成物を形成する基質を導
    入することを含む、請求項3または4記載のイムノアッ
    セイ法。
  6. 【請求項6】工程Dが、放射性元素で標識された第二の
    抗体を導入することを含む、請求項3または4記載のイ
    ムノアッセイ法。
  7. 【請求項7】ペプチド−抗体複合体が、凝集物として検
    出可能である、請求項3または4記載のイムノアッセイ
    法。
  8. 【請求項8】固体支持体が、マルチドット配置でペプチ
    ド組成物でコーティングされているストリップである、
    請求項3または4記載のイムノアッセイ法。
  9. 【請求項9】各試験につき、上記3種のペプチド
    (I)、(II)、(III)の重量比が、0.5μg:0.5μg:
    0.5μgである、請求項4記載のイムノアッセイ法。
  10. 【請求項10】各試験につき、抗原として、pH7〜10の
    緩衝液中の約1.5μgのペプチド混合物を使用する、請
    求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】HTLV-Iに対する抗体の検出およびATLの
    診断のための試験キットであって、以下のもの: a.固体支持体、 b.上記固体支持体にコーティングされている、請求項1
    記載のペプチド組成物を含む免疫吸着剤、 c.陰性対照としての正常血清の試料、 d.陽性対照としてのHTLV-Iに対する抗体を含有する血清
    の試料、および e.血清試料を希釈するための緩衝液 を含むキット。
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