JP2846559B2 - 多孔質焼結体及び固体電解質型燃料電池 - Google Patents
多孔質焼結体及び固体電解質型燃料電池Info
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- Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Inert Electrodes (AREA)
Description
を空気極材料として用いた固体電解質型燃料電池に関す
るものである。
1000℃の高温で作動するため電極反応が極めて活発
で、高価な白金などの貴金属触媒を全く必要とせず、分
極が小さく、出力電圧も比較的高いため、エネルギー変
換効率が他の燃料電池に比べて著しく高い。更に、構造
材は全て固体から構成されるため、安定かつ長寿命であ
る。
定な材料の探索が重要である。SOFCの空気極材料と
しては、現在、ランタンマンガナイト焼結体が有望と見
られている(エネルギー総合工学、13、2、52〜6
8頁、1990年)。こうしたランタンマンガナイト焼
結体においては、ほぼ化学量論的組成のものやAサイト
(ランタン部位)が一部欠損した組成のもの(マンガン
リッチな組成)も知られている。また、Aサイトが一部
欠損した組成のランタンマンガナイト焼結体は、室温か
ら1000℃へと温度が上昇すると、重量が減少するこ
とが報告されている(J.Electrochem.S
oc.138,5,1519〜1523頁,1991
年)。この場合には、800℃近辺から焼結体の重量が
減少し始めている。
a、Srをドープしたランタンマンガナイトからなる多
孔質焼結体が、自己支持型の空気極管を含む空気極の材
料として有望視されている。ところが、こうした多孔質
焼結体について、次の問題があることを、本発明者が初
めて発見した。
1100℃の温度と、室温〜600℃の温度との間で加
熱−冷却サイクルをかけると、上記の多孔質焼結体から
なる空気極管と、単電池の他の構成材料との間でクラッ
クが発生し、単電池の破壊が生ずることが判明した。し
かも、この単電池を1000℃で長時間動作させても、
このようなクラックは全く発生しなかった。従って、こ
の現象は、上記の多孔質焼結体の焼成収縮によるもので
はなく、上記の熱サイクルによる寸法変化に起因するも
のと考えられた。
る安定性をランタンマンガナイト多孔質焼結体に付与す
ることである。
ガナイトからなる多孔質焼結体であって、アルミニウ
ム、コバルト、マグネシウム及びニッケルからなる群よ
り選ばれた一種以上の金属原子によってランタンマンガ
ナイトのBサイトのマンガン原子の一部が置換され、室
温と1000℃との間の熱サイクルによって生ずる寸法
収縮が熱サイクル1回当たり0.01%以下であること
を特徴とする多孔質焼結体に係るものである。
温〜600℃の温度との間で、AサイトにCa、Sr等
をドープしたランタンマンガナイトからなる多孔質焼結
体に対して加熱−冷却サイクルをかけ、その安定性を試
験してみた。この結果、上記の多孔質焼結体が熱サイク
ル1回当たり0.01〜0.1%程度収縮することが判
明した。しかも、この熱サイクルによる収縮は、100
回の熱サイクルをかけても収束せず、100回の熱サイ
クルで数%にも及ぶことが判明した。このように空気極
が収縮すると、単電池の他の構成材料との間でクラック
が発生し、単電池の破壊の原因となる。
かし、熱サイクルに伴って、大気中の800℃以上の温
度域で酸素が結晶中に出入りし、この出入りに伴って結
晶格子が歪み、金属原子の物質移動が促進されているも
のと推測される。また、多孔質焼結体の熱サイクルに伴
う寸法収縮量は、焼結体を構成する結晶粒径、熱サイク
ル時の昇降温速度、雰囲気中の酸素分圧によって、若干
異なってくる。即ち、結晶粒径が小さいほど、昇降温速
度が小さいほど、雰囲気中の酸素分圧が高いほど、多孔
質焼結体の寸法収縮が大きいことが判った。
討を進めた結果、多孔質焼結体を構成するランタンマン
ガナイトのBサイトの一部を、アルミニウム、コバル
ト、マグネシウム又はニッケルで置換すると、上記の熱
サイクルによる寸法収縮が顕著に抑制されることを見出
した。この機構は明らかではない。また、上記した特定
の金属原子のみが有効である理由も、明らかではない。
1%以下である」とは、多孔質焼結体を焼結させた後、
最初の熱サイクルから10回目の熱サイクルまでの各寸
法収縮の平均値を指すものとする。
びニッケルからなる群より選ばれた一種以上の金属原子
による、ランタンマンガナイトのBサイトの置換割合
は、0.02%以上、20%以下とすることが好まし
い。この置換割合が0.02%未満であると収縮抑制効
果が顕著ではなく、20%を超えると、熱膨脹係数が増
加し、ジルコニア固体電解質の熱膨脹係数との間に不整
合を生じると共に電気伝導度が著しく低下する。
マンガナイトにおいては、Aサイトにアルカリ土類金属
や希土類元素をドープすることができる。この元素とし
ては、スカンジウム、イットリウム、セリウム、プラセ
オジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロ
ピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、
ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、
ルテチウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、
ラジウムから選択する。
的組成をとりうるので、多孔質焼結体の製造工程におい
て不可避的に混入する若干の不純物に由来するランタン
マンガナイトの組成変動は、許容されるものとする。
ルに対して安定な高温電極材料として好ましく使用でき
る。こうした高温電極材料としては、核融合炉、MHD
発電等における電極材料がある。
用の空気極材料として、特に好適に使用できる。更に、
自己支持型の空気極基体の材料として用いることが好ま
しい。こうした空気極基体は、単電池の母材として用い
られるものであり、空気極基体上に、固体電解質膜、燃
料電極膜、インターコネクター、セパレータなどの各構
成部分が積層される。この際、空気極基体の形状は、両
端が開口した円筒形状、一端が開口し、他端が閉塞され
た有底円筒形状、平板形状などであってよい。このう
ち、上記したいずれかの円筒形状のものが、熱応力がか
かりにくく、ガスシールが容易なので、特に好ましい。
ることが好ましい。また、これをSOFC用の空気極材
料として用いる場合には、更に気孔率を15〜40%と
することが好ましく、25〜35%とすると一層好まし
い。この場合は、空気極の気孔率を15%以上とするこ
とで、ガス拡散抵抗を小さくし、気孔率を40%以下と
することで、ある程度の強度も確保することができる。
極材料として使用する場合には、多孔質焼結体の熱膨張
率を、固体電解質膜や燃料電極膜などの熱膨張率に近く
しなければならない。そして、この固体電解質膜をイッ
トリア安定化ジルコニアで形成する場合には、ランタン
マンガナイトのAサイトにおけるカルシウムの置換量は
10〜30%とすることが好ましく、ストロンチウムの
置換量は5〜20%とすることが、熱膨張を固体電解質
膜と整合させるうえで好ましい。
は、ランタンマンガナイト系のペロブスカイト型複合酸
化物において、La1-X AX Mn1-y By O3 の組成を
有する電極材料が開示されている。ここで、Aは、C
a、Srであり、Bは、ニッケル、クロムである。0≦
X≦0.4であり、0<y≦0.25である。こうした
組成の電極材料を採用することにより、バルクの導電率
(σ)及び界面導電率(σE )を向上させ、電極抵抗と
分極電位とを低下させている。
う多孔質焼結体の収縮という課題は全く認識されておら
ず、本発明に至るような動機付けが全く存在しない。ま
た、特開平1─200560号公報の実施例を見ると明
らかなように、Aサイトにおけるカルシウムの置換量が
40%であり、熱膨張係数の点でSOFC用の空気極と
しては不適当である(第3頁第1表)。
O3 、Al2 O3 、CoO、MgO、NiOの各粉末を
使用した。表1,表2,表3に示す組成比率となるよう
に、各例について、所定量の出発原料を秤量し、混合し
た。この混合粉末を、コールドアイソスタティックプレ
ス法により、1tf/cm2 の圧力で成形し、成形体を作
製した。この成形体を、大気中、1100℃で40時間
熱処理し、表1〜表3に示す組成のランタンマンガナイ
トを合成した。
粒径が約3〜6μm のランタンマンガナイト粉末を作製
した。次に、このランタンマンガナイト粉末に有機バイ
ンダーとしてポリビニルアルコールを分散させ、一軸プ
レス法にて角板を成形した。この成形体を大気中125
0℃で5時間焼成して焼結体を得、この焼結体から、縦
3mm、横4mm、長さ40mmの角棒を切り出し、実験用試
料とした。
にて測定した。この結果を表1〜表3に示す。また、表
1に示す試料1〜5を再度乳鉢にて粉砕し、粉末法にて
X線回折測定を行った。この測定結果を図1に示す。図
1に示す各曲線に付した数値は、表1における試料番号
を示す。図1から解るように、本発明の実施例に係る試
料2、3、4、5の各回折パターンは、比較例に係る試
料1の回折パターンとほぼ同じであり、かつ単一相を示
している。このX線回折パターンからみて、試料2〜5
において、ニッケル、コバルト、マグネシウム、アルミ
ニウムは、それぞれ確かにランタンマンガナイト結晶中
に固溶している。
で600℃まで昇温し、その後600℃と1000℃と
の間で、200℃/時間の昇降温速度にて10回熱サイ
クルをかけ、室温まで降温した。この際、各熱サイクル
において、600℃と1000℃では各々30分間一定
温度を保持した。その後、マイクロメータを用いて各試
料の寸法を測定し、熱サイクル前後の寸法収縮率を計算
した。これらの測定結果を表1,表2,表3に示す。
ても、カルシウムがAサイトのランタン原子の20%を
置換している。また、試料2〜5においては、Bサイト
のマンガン原子の5%が、ニッケル、コバルト、マグネ
シウム又はアルミニウムによって置換されている。本発
明の実施例に係る試料2,3,4,5においては、焼成
後の初期10回の寸法収縮率の1回当たりの平均値が
0.01%以下になる。この値は、試料1では0.04
3%に達する。
て、室温から1000℃まで温度を上昇及び下降させて
熱膨張計によって寸法変化を測定した。この結果、寸法
の収縮現象は、温度下降時の900℃〜800℃の温度
範囲で起こっていることを突き止めた。従って、この温
度範囲で、酸素原子の吸収や金属原子の移動が生じてい
るものと推定される。また、本実験の条件である600
℃と1000℃の間での熱サイクルによる結果は、室温
と1000℃との間の熱サイクルによる結果と同じにな
る。
時間保持し、室温へと降温した後、加熱前と加熱後との
寸法変化率を測定したところ、0.03%の収縮を示し
た。一方、表1を見ると、焼成後の10回の熱サイクル
について、熱サイクル1回当たりの寸法収縮率は0.0
43%であった。従って、0.03%の収縮は、熱サイ
クル1回分の寸法収縮量にほぼ相当する。この結果か
ら、上記した0.03%の寸法収縮は、1000℃で1
0時間保持している間に生じたのではなく、1000℃
から室温へと下降した降温過程の間に生じたものであ
る。言い換えると、多孔質焼結体の上記熱サイクルによ
る収縮現象は、高温で多孔質焼結体を保持したことによ
る焼結の進行とは、全く別の機構によって生じている。
ト、マグネシウム又はアルミニウムが、マンガン部位の
0.01%を占める場合について示した。表3において
は、これらの各金属原子が、マンガン部位の10%、1
5%又は20%を占める場合について示した。また、図
2のグラフにおいて、上記各金属原子のBサイトの置換
量(%)を横軸とし、熱サイクル1回当りの収縮量
(%)を縦軸として、表1〜表3の各結果をプロットし
た。
に、置換元素の種類によって若干の違いはあるものの、
置換量を増やすことで、熱サイクル収縮が抑制されてい
る。この置換量は、特に5〜20%とするのが好まし
い。
ち、特に表4に示す試料を選択し、1000℃での電気
伝導度について評価した。これは、SOFCの空気極と
して要求される特性である。この測定は、大気中、10
00℃にて、直流四端子法にて行った。この結果を表4
に示す。
よる電気伝導度への影響を消去するため、測定データ
は、気孔率30%での値になるよう、計算によって補正
した。
ると、電気伝導度は低下する傾向があり、特に置換量が
15%を超えると、本例では、非置換の場合にくらべ
て、電気伝導度が半分程度となる。この傾向は、置換原
子がニッケル又はアルミニウムの場合も、同様である。
伝導機構が、マンガンの価数が3価と4価をとることに
よって生じるホールのホッピング伝導であることから、
伝導パスとなる結晶中のマンガン量が減ったことにある
と考えられる。いずれにせよ、各原子のBサイト置換量
は15%以下とすると好ましく、10%以下とすると一
層好ましい。更に、前述した熱サイクル収縮量の問題も
考慮すると、各原子の置換量は5〜15%とすると更に
好ましく、5〜10%とすると一層好ましい。
で、置換量Xと熱膨張係数との関係を調査した。参考と
して、8mol%イットリア安定化ジルコニアの熱膨張
係数を示した。出発原料として、La2 O3 、Mn3 O
4 、CaCO3 、SrCO3 、NiOの各粉末を使用し
た。表5に示す組成比率となるように、各例について、
所定量の出発原料を秤量し、混合した。この混合粉末
を、コールドアイソスタティクプレス法により、1tf
/cm2 の圧力で成形し、成形体を、大気中、1100
°Cで40時間熱処理し、表5に示す組成のランタンマ
ンガナイトを合成した。
粒径が約4〜6μmのランタンマンガナイト粉末を作成
した。次に、このランタンマンガナイト粉末に、有機バ
インダーとしてポリビニルアルコールを分散させ、一軸
プレス法によって角板を成形した。この成形体を、大気
中、1200〜1500°Cで5時間焼成し、気孔率3
0±1%の焼結体を得、この焼結体から、縦3mm、横
4mm、長さ40mmの角棒を切り出し、実験用試料と
した。
0.2のときに極小となり、Srの置換量Xが約0.1
のときに極小となった。固体電解質であるイットリア安
定化ジルコニアと熱膨張係数を整合させ、長期的に安定
したセルを得るためには、Caの置換量Xは0.1≦X
≦0.3とすることが好ましく、0.15≦X≦0.2
5とすることが一層好ましい。同じ理由で、Srの置換
量Xは0.05≦X≦0.20とすることが好ましく、
0.10≦X≦0.20とすることが一層好ましい。
孔質焼結体を構成するランタンマンガナイトのBサイト
のマンガン原子の一部を、アルミニウム、コバルト、マ
グネシウム及びニッケルからなる群より選ばれた一種以
上の金属原子で置換することで、上記の熱サイクルによ
る多孔質焼結体の寸法収縮を抑制することができる。
ナイトのX線回折パターンを示すグラフである。
多孔質焼結体の熱サイクル1回当りの収縮量との関係を
示すグラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】 ランタンマンガナイトからなる多孔質焼
結体であって、アルミニウム、コバルト、マグネシウム
及びニッケルからなる群より選ばれた一種以上の金属原
子によってランタンマンガナイトのBサイトのマンガン
原子の一部が置換され、室温と1000℃との間の熱サ
イクルによって生ずる寸法収縮が熱サイクル1回当たり
0.01%以下であることを特徴とする多孔質焼結体。 - 【請求項2】 アルミニウム、コバルト、マグネシウム
及びニッケルからなる群より選ばれた一種以上の金属原
子によるBサイトの置換割合が0.02%以上、20%
以下である、請求項1記載の多孔質焼結体。 - 【請求項3】 カルシウム及びストロンチウムからなる
群より選ばれた一種以上の金属原子によってランタンマ
ンガナイトのAサイトのランタン原子の一部が置換され
ている、請求項1記載の多孔質焼結体。 - 【請求項4】 気孔率が5%以上、40%以下である、
請求項1記載の多孔質焼結体。 - 【請求項5】 請求項1記載の多孔質焼結体によって空
気極が形成されていることを特徴とする、固体電解質型
燃料電池。 - 【請求項6】 前記空気極が支持体としても機能してい
る、請求項5記載の固体電解質型燃料電池。 - 【請求項7】 前記空気極が円筒型である、請求項6記
載の固体電解質型燃料電池。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5256001A JP2846559B2 (ja) | 1992-10-14 | 1993-10-13 | 多孔質焼結体及び固体電解質型燃料電池 |
Applications Claiming Priority (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27595392 | 1992-10-14 | ||
| JP5-49313 | 1993-03-10 | ||
| JP4-275953 | 1993-03-10 | ||
| JP4931393 | 1993-03-10 | ||
| JP5256001A JP2846559B2 (ja) | 1992-10-14 | 1993-10-13 | 多孔質焼結体及び固体電解質型燃料電池 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06316471A JPH06316471A (ja) | 1994-11-15 |
| JP2846559B2 true JP2846559B2 (ja) | 1999-01-13 |
Family
ID=27293595
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5256001A Expired - Lifetime JP2846559B2 (ja) | 1992-10-14 | 1993-10-13 | 多孔質焼結体及び固体電解質型燃料電池 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2846559B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4528021B2 (ja) * | 2004-04-27 | 2010-08-18 | 新日本製鐵株式会社 | 酸化物イオン混合伝導体、複合構造体、酸素分離装置、及び化学反応装置 |
-
1993
- 1993-10-13 JP JP5256001A patent/JP2846559B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06316471A (ja) | 1994-11-15 |
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