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JP2767703B2 - 芳香族カルボン酸類の電解還元方法 - Google Patents

芳香族カルボン酸類の電解還元方法

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JP2767703B2
JP2767703B2 JP1126782A JP12678289A JP2767703B2 JP 2767703 B2 JP2767703 B2 JP 2767703B2 JP 1126782 A JP1126782 A JP 1126782A JP 12678289 A JP12678289 A JP 12678289A JP 2767703 B2 JP2767703 B2 JP 2767703B2
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anode
acid
electrolytic
aromatic carboxylic
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龍 大井
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Mitsui Chemicals Inc
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は芳香族カルボン酸類を出発原料にして、相当
するベンジルアルコール類を製造する方法に関するもの
である。
ベンジルアルコール類の中には、農・医薬の中間体あ
るいは香料などとして有用な化合物が多いが、現状では
それらの安価な製造方法による工業的供給には至ってい
ない。
〔従来の技術〕
酸性水溶液中で芳香族カルボン酸を電解還元する方法
は良く知られている。例えばナトリウムアマルガム及び
15重量%硫酸の存在下、70℃で電解還元する方法も提案
〔ベルヒテ(Bericht)38,1752(1905)〕されているも
のの、収率が低く工業的方法にはなり得なかった。
本発明者は先にm−ヒドロキシ安息香酸、又はそのエ
ステル等を水溶液、水可溶性有機溶媒中でpH4以下にて
電解還元する方法を提案した(特開昭60−234987)。
更にその電解反応時、隔膜として陽イオン交換膜を用
い支持電解質として、第4級アンモニウム塩類を添加し
て電解還元する方法も提案した(特開昭60−243293)。
又、本発明者らはm−ヒドロキシ安息香酸以外の安息
香酸類とし、例えばテレフタル酸を用いて高純度p−キ
シリレングリコールの電解還元法も提案している(特開
昭62−297482)。
その他にも我々は同様にm−ヒドロキシ安息香酸以外
の安息香酸類としてm−フェノキシ安息香酸の電解還元
法も提案している(特開昭63−171889、特開昭63−1928
83)。
〔発明が解決しようとする課題〕
それらの芳香族カルボン酸類の電解還元は、通常、酸
性水溶液中で行われる。酸性水溶液としては、陰極での
電解反応に不活性な酸性物質であれば特に限定はない
が、コスト的に通常鉱酸を用いるのが望ましく、特に材
質及び収率の点から硫酸が使用されている。
電解反応に用いる陰極材料としては、水素過電圧の高
いもの、具体的には亜鉛、鉛、カドミウム、水銀等が用
いられる。
対する陽極については、硫酸水溶液中で侵食されず、
またたとえ金属イオンとして溶出しても、陰極反応に悪
影響をおよぼさない金属材料が使用され、通常白金、酸
化鉛、鉛、鉛合金が使用されている。
しかし、上記の白金、酸化鉛、鉛、鉛合金といった陽
極材料を用いた場合、通常の使用電圧(0.1A/dm2〜100A
/dm2)においてそれらの酸素過電圧が高く、酸化能力が
強いため、陽極、陰極槽を分離しない単一電解槽中で芳
香族カルボン酸類の電解反応を実施した場合、還元反応
と同時に酸化反応が進行し、目的物のベンジルアルコー
ル類の収率は大幅に低下する。
すなわち、陽極表面での酸化反応を抑制し、高収率で
目的物を得るためには、陽極、陰極槽をイオン交換膜等
の隔膜で分離した陽陰極槽分離型電解槽中で、陰極槽の
みに原料を添加して電解反応を行う必要があった。(図
−6、7参照) しかしながら、本電解反応を工業化する上で、陽陰極
槽分離型電解槽を使用した場合、隔膜の抵抗による電力
コストのアップ、隔膜としての消耗材料費の支出増、反
応中に陰極槽から陽極槽への物質移動は避けられず、そ
の移動ロスによる収率抵下等の問題が生じ、また、溶解
槽として陽極、陰極の2個を設置する必要があり、装置
的に複雑になる。また、隔膜を取り付けるため、電解槽
の形状や電極の形状が制限される等の欠点があった。
本発明の課題は、芳香族カルボン酸類の電解還元反応
を酸性水溶液中で行う場合、プロセス的に繁雑な陽陰極
槽分離型電解槽を用いることなく、陽極、陰極溶解槽を
分離しない単一電解槽中で実施し、高収率で相当するベ
ンジルアルコールを製造する改善された方法を提供する
ことである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討し
た結果、陽極電位を下げて電解反応を行うことで、陽陰
極槽を分離しない単一電解槽中で該反応を実施すると、
陽極による有機物(この場合原料の芳香族カルボン酸及
び/または、原料由来の有機物である還元生成物のベン
ジルアルコール、中間体のベンズアルデヒド、ラジカル
アニオン中間体等をさす)の酸化分解反応が抑制され、
目的の相当するベンジルアルコールが好選択率で得られ
ることを見出した。
図−3は、単一電解槽中、陽極の電位を一定に規制し
て、安息香酸類の陰極還元反応を実施し、陽極電位と相
応するベンジルアルコール選択率の関係を示す。図−3
から明らかな通り、陽極電位が低い場合は、ベンジルア
ルコール選択率は高いが、陽極電位を上げていくに従
い、選択率が低下し、陽極電位が、15重量%硫酸水溶液
中で25℃で+1.1V(硫酸水銀電極基準、標準水素電極換
算で+1.7V)を越えたあたりでいずれの安息香酸の還元
においても急激にベンジルアルコール選択率の低下がみ
られた。
本発明者らは該反応を単一電解槽中で選択率良く実施
するためには、陽極電位が+1.1V以下で反応を行うこと
が好ましいことを見出した。しかし、通常、酸性水溶液
中で安定に使用される白金、酸化鉛、鉛、鉛合金といっ
た本来高い酸素過電圧(実用的な電流密度0.1A/dm2〜10
0A/dm2において+1.1V以上)を有する陽極材料を使用し
た場合、酸性水溶液中で+1.1V以下の低陽極電位に保持
して、電解反応を行おうとすると、電流密度を0.1A/dm2
よりさらに極端に落として通電しなければならず、反応
時間が長くなり、電解槽の効率が低下する。そこで本来
実用的な電解反応電流密度(通常0.1A/dm2〜100A/dm2
度)において+1.1V以下の酸素過電圧を有する電極材質
を陽極に使用することによって、陽極、陰極溶解槽を分
離しない単一電解槽を用いて工業的に実施可能なプロセ
スが設計できることを見出た。
すなわち、酸性水溶液中での電解反応において陽極で
は、水の電気分解による酸素発生と、原料の芳香族カル
ボン酸及び/または、原料由来の有機化合物の酸化分解
反応が競争して起こる。そこで酸素過電圧の低い陽極材
料を用いることで低い電位で陽極での水の電気分解を起
こさせ、酸素発生反応を優先させることで、目的のベン
ジルアルコール収率低下の原因となる陽極による有機物
の酸化分解反応が抑制できることを見出し本発明を完成
させた。
即ち、本発明は酸性水溶液中で、芳香族カルボン酸類
を電解還元して、相当するベンジルアルコールを製造す
るに際して、酸素発生用陽極材質として、酸素過電圧の
低い陽極材質を使用し、有機物の酸化分解反応を抑制さ
せながら反応させることを特徴とする芳香族カルボン酸
類の電解還元方法である。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明において、原料となる芳香族カルボン酸類とし
ては、通常の隔膜を用いた2極室電解槽において、還元
可能なカルボン酸であれば特に限定されるものではない
が、例えば、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アルコキ
シ安息香酸、フェノキシ安息香酸、アミノ安息香酸、ア
ルキル安息香酸、イソフタル酸、ヒドロキシメチル安息
香酸等が挙げられる。
本発明に使用する陽極材質は、酸素過電圧の低い材料
であり、例えば、酸性水溶液中で安定な金属酸化物で、
その酸素過電圧が使用電流密度が0.1A/dm2〜100A/dm2
おいて、硫酸水銀電極基準で+1.1V(15重量%硫酸水溶
液中、25℃で測定、標準水素電極換算で+1.7V)以下で
ある酸化物を使用し、又、その酸化物は金属基材表面に
被覆したものでもよい。
その場合の酸化物としては、例として酸化ルテニウ
ム、酸化ロジウム、酸化パラジウム、酸化オスミウム、
酸化イリジウム、酸化白金、酸化スズ、酸化タンタル及
び酸化コバルト等あるいはそれらの混合物が挙げられ
る。
工業的には通常、金属チタンの基材表面に白金族金属
を主成分とする酸化物被覆層を有するDSE(Dimensinall
y stable Electrode)が望ましい。
本発明において、酸性水溶液としては、陰極での電解
反応に不活性な酸性物質であれば、特に限定するもので
はないが、コスト的に通常鉱酸を用いるのが望ましく、
特に材質及び収率の点から硫酸が好ましい鉱酸であり、
通常1〜50重量%の硫酸水溶液が用いられる。
また、本発明においては原料の芳香族カルボン酸類の
溶解度を上げるために、電解反応液中に第4級アンモニ
ウム塩類を添加したり、非プロトン性極性溶媒を添加し
たり、その両方を添加することも好ましい方法である。
第4級アンモニウム塩としては、一般式(I) (式中、R1、R2、R3、R4は低級アルキル基であり、Xは
p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、または臭化水素
のいずれかの酸基を示す。)で表され、これらのアンモ
ニウム塩としては、テトラエチルアンモニウムp−トル
エンスルホネート、テトラメチルアンモニウムp−トル
エンスルホネート、テトラプロピルアンモニウムp−ト
ルエンスルホネート、テトラブチルアンモニウムp−ト
ルエンスルホネート及びこれらのp−トルエンスルホン
酸塩に代わる硫酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩が挙げられ
る。これらの塩は使用する酸性水溶液に対し、最高60重
量%迄添加することができる。
非プロトン性極性溶媒として、アセトニトリル、N,
N′−ジメチルイミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルム
アミド、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン等が
挙げられ、これらの極性溶媒は、使用する酸性水溶液に
対して、最高10重量倍迄添加することができる。
芳香族カルボン酸類の酸性水溶液中の濃度は通常1〜
40重量%の範囲である。
本発明において、電解還元反応は20〜100℃の温度範
囲で実施する。又、電解に用いる電極のうち特に陰極材
料は水素過電圧の高いもの、具体的には亜鉛、鉛、カド
ミウム、水銀を用いる。
本発明の電解還元において、電流密度は好ましくは1
〜30A/dm2である。理論的には4電子還元であり、4Fr/m
olの通電量であるが、電流効率は20〜80%程度であるの
で、反応を完結させるには8〜20Fr/mol電気量を通す必
要がある。
本発明において使用される電解装置としては、特に限
定されるものではないが、基本的には隔膜を用いないビ
ーカー型の電解槽中に電解液をはり陽陰極を取り付け、
直流電源にて通電する方法がとられる(図−1参照) また、フィルタープレス型の電解装置であれば図−2
のように、陽陰極電解室及び溶解槽を分離しない単一電
解装置が使用できる。
また、水溶液中での電解反応時においては水の電気分
解により、陽極からは酸素が発生し、陰極においては原
料の安息香酸類の還元以外に副反応として水の電気分解
による水素が発生するため、酸素と水素の混合による爆
発の危険がある。
爆発の危険をさける方法として、例えば、電解槽ある
いは電解室、気液分離器内に窒素あるいはアルゴンとい
った不活性ガスを強制的に吹き込む方法、さらに電槽内
を減圧し、ガスを有効に屋外に抜き出す方法が挙げられ
る。
また、電解槽あるいは電解室中の水素および酸素を稀
釈し、水素の爆発限界の下限以下で反応を実施する方
法、あるいは酸素と水素の混合防止を目的として図−4
に示したように電解槽自身は分離せず、発生ガスの混合
の危険性のある部分のみに隔膜を設置した装置や、フィ
ルタープレス型であれば図−5に示したように、溶解槽
は一個で分離せず電解室のみを隔膜で分離した単一装置
を使用することもできる。
通常芳香族カルボン酸類の電解還元において、陽陰極
分離型電解装置で反応を行う場合、陽極室での目的物の
回収率を上げるために、陰極側から陽極側への有機物移
動をできるだけ少なくし、なおかつ、陽極側から陰極側
へのプロトン移動を円滑に行うために、隔膜として陽イ
オン交換膜が用いられるが、陽イオン交換膜は高価であ
り、また長期運転における安定性にも問題がある。
しかし本発明に利用できる隔膜は、陰極側から陽極側
への有機物移動、陽極側から陰極側へのプロトン移動を
考慮する必要はなく、陽陰極で発生したガスの分離が可
能で廉価で安定な中性ポリマー膜、アスベスト膜、ガラ
ス隔膜などが利用できる。
〔作用〕
芳香族カルボン酸類の電解還元反応を、酸性水溶液
で、通常の酸素過電圧の高い陽極材質で行い、目的物を
高収率でうるには、陽極、陰極を隔膜で分離した2極室
電解槽で行う必要があった。そのため工業的には複雑な
装置、槽の形状等の制約があった。
しかし、本発明のように、陽極に酸素過電圧の低い材
質を用いると、単一電解装置で高収率で目的物をうるこ
とができ、工業的に実施する場合、電解室のみに隔膜を
設け簡単な単一装置で電解ができ実用上極めて有利な方
法である。
〔実施例〕
以下、実施例にて本発明を詳しく説明する。例中の
「%」は重量%を示す。陽極の酸素過電圧は15重量%硫
酸水中、25℃で参照電極に硫酸水銀電極を用いて測定し
た値を示す。
実施例1 100ml容量の円筒型の単一電解セルに、15重量%硫酸
水溶液を25gと、m−ヒドロキシ安息香酸1gを装入し
た。陰極として6cm2の鉛板、陽極として6cm2の表面に酸
化イリジウムをコーティングしたチタン板(酸素過電圧
は+0.95V vs Hg2SO4)を用いた。
電解セルを50℃に保ちつつ、1Aの直流定電流を2時間
通電した(10.3Fr/mol)。
その後、反応液は液体クロマトグラフィー(HPLC)で
分析した結果、仕込みm−ヒドロキシ安息香酸に対し
て、m−ヒドロキシ安息香酸の残存率2.5%、m−ヒド
ロキシベンジルアルコール収率86.9%であった(電流効
率37.9%)。
実施例2 酸化イリジウムをコーティングしたチタン板の陽極に
変えて、酸化イリジウム−酸化タンタルをコーティング
したチタン板(酸素過電圧は+0.88Vvs Hg2SO4であっ
た)を陽極として用いた以外は実施例1と全く同様の実
験を行った。
反応液を液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析した
結果、仕込みm−ヒドロキシ安息香酸に対して、m−ヒ
ドロキシ安息香酸の残存率2.1%、m−ヒドロキシベン
ジルアルコール収率88.5%であった(電流効率38.0
%)。
実施例3 反応原料として、m−ヒドロキシ安息香酸に変えて、
安息香酸0.88gを使用した以外は実施例1と全く同様の
実験を行った。
反応液はHPLCで分析した結果、仕込み安息香酸に対し
て、安息香酸の残存率0.9%、ベンジルアルコール収率9
1.5%であった(電流収率38.5%)。
実施例4 反応原料として、m−ヒドロキシ安息香酸に変えて、
m−フェノキシ安息香酸0.78gとテトラエチルアンモニ
ウムp−トルエンスルホン酸1gを添加し、1Aの直流定電
流を1.5時間通電した(15.4Fr/mol)以外は、実施例1
と全く同様の実験を行った。
反応液はHPLCで分析した結果、仕込みm−フェノキシ
安息香酸に対して、m−フェノキシ安息香酸の残存率1.
1%、m−フェノキシベンジルアルコール収率90.5%で
あった(電流効率25.7%)。
実施例5 反応原料として、m−ヒドロキシ安息香酸に変えて、
o−アミノ安息香酸0.99gを使用した以外は実施例1と
全く同様の実験を行った。
反応液はHPLCで分析した結果、仕込みo−アミノ安息
香酸に対して、o−アミノ安息香酸の残存率0.5%、o
−アミノベンジルアルコール収率81.2%であった(電流
効率38.6%)。
実施例6 反応原料として、m−ヒドロキシ安息香酸に変えて2,
3,4−トリメトキシ安息香酸1.54gを使用し、さらにアセ
トニトリル5gを添加した以外は実施例1と全く同様の実
験を行った。
反応液はHPLCで分析した結果、仕込み2,3,4−トリメ
トキシ安息香酸に対して、2,3,4−トリメトキシ安息香
酸の残存率5.2%、2,3,4−トリメトキシベンジルアルコ
ール収率82.6%であった(電流効率36.8%)。
実施例7 図−5に示すようなフィルタープレス型単一電解装置
で、300ml容量の溶解槽を備えた装置に、15重量%硫酸
水溶液と250gと、m−ヒドロキシ安息香酸10gを装入し
た。
陰極として有効面積50cm2の鉛板、陽極として有効面
積50cm2の表面に酸化イリジウムをコーティングしたチ
タン板(酸素過電圧は+0.88VS Hg2SO4)を用い両極の
間にアスベスト隔膜を設けて両極で発生する気体の混合
を防止した。
電解セルを50℃に保ちつつ、5Aの直流定電流を4時間
通電した(10.3Fr/mol)。
その後、反応液は液体クロマトグラフィー(HPLC)で
分析した結果、仕込みm−ヒドロキシ安息香酸に対し
て、m−ヒドロキシ安息香酸の残存率2.0%、m−ヒド
ロキシベンジルアルコール収率88.6%であった(電流効
率38.0%)。
比較例1 陽極として酸化イリジウムに変えて、白金板(酸素過
電圧+1.3V vs Hg2SO4)を使用した以外は実施例1と全
く同様の実験を行った。
反応液はHPLCで分析した結果、仕込みm−ヒドロキシ
安息香酸に対して、m−ヒドロキシ安息香酸の残存率0.
2%、m−ヒドロキシベンジルアルコール収率17.2%で
あった。
比較例2 陽極として酸化イリジウムに変えて、鉛板(酸素過電
圧+1.4V vs Hg2SO4)を使用した以外は実施例1と全く
同様の実験を行った。
反応液はHPLCで分析した結果、仕込みm−ヒドロキシ
安息香酸に対して、m−ヒドロキシ安息香酸の残存率0.
6%、m−ヒドロキシベンジルアルコール収率5.9%であ
った。
比較例3 反応原料として、m−ヒドロキシ安息香酸に変えて安
息香酸0.78gを使用した以外は比較例1と全く同様の実
験を行った。
反応液はHPLCで分析した結果、仕込み安息香酸に対し
て、安息香酸残存率1.2%、ベンジルアルコール収率26.
2%であった。
参考例 両極室とも100mlの容量を有し、隔膜としてセレミオ
ンCMV(旭硝子(株)の商品名の陽イオン交換膜)で隔
離されたH型電解セルを使用して、両極室に15%の硫酸
水溶液50gずつ仕込む。陰極として6cm2の鉛板、陽極と
して6cm2の白金板(酸素過電圧は+1.3Vvs Hg2SO4)を
用いた。
電解セルを50℃に保ちつつ、陰極室にm−ヒドロキシ
安息香酸2gを仕込み、1Aの直流定電流を4時間通電した
(10.3Fr/mol)。
陰極液はHPLCで分析した結果、仕込みm−ヒドロキシ
安息香酸の残存率2.3%、m−ヒドロキシベンジルアル
コール収率83.0%であった(電流効率37.9%)。
〔発明の効果〕
実施例、比較例、参考例の結果から明らかな通り、酸
性水溶液中で芳香族カルボン酸類を電解還元して、相当
するベンジルアルコールを製造するに際して、酸素発生
用陽極材質として酸素過電圧の低い陽極材質を使用する
ことで、陽極、陰極を隔膜等で分離しない単一電解装置
で隔膜で分離した通常の方法と同様に収率良く反応が進
行した。
また、実施例7のように陽陰極の部分のみに隔膜を設
けた場合、両極で発生する気体混合を防止しながら単一
装置で電解を行う事ができる。すなわち、本方法は、本
電解反応の工業化において、単一電解装置で芳香族カル
ボン酸類の還元を低コストで効率よく行うことのできる
極めて価値ある発明である。
【図面の簡単な説明】
図−1は隔膜を用いない本発明のビーカー型単一電解装
置の概略断面図であり、図−2は同じくフィルタープレ
ス型単一電解装置の概略断面図である。 図−3は安息香酸類の電解還元によるベンジルアルコー
ル類の単一電解槽反応における陽極電位とベンジルアル
コール選択率の関係を示すものである。 図−4は本発明の陽陰極間のみに隔膜を用いた槽型の単
一装置の概略断面図であり、図−5は同じくフィルター
プレス型の電解装置の概略断面図である。 図−6は従来のH型陽陰極分離型電解装置の概略断面図
であり、図−7は同じくフィルタープレス型陽陰極分離
型電解装置の概略断面図である。 図中の各符号の意味はそれぞれ次のようである。 1:陽極槽 2:陰極槽 3:陽極板 4:陰極板 5:隔膜 6:陽極溶解槽 7:陰極溶解槽 8:電解槽 9:溶解槽 10:気液分離器 11:ポンプ 12:気体 A:m−ヒドロキシベンジルアルコールの場合 B:ベンジルアルコールの場合 C:m−フェノキシベンジルアルコールの場合 D:o−アミノベンジルアルコールの場合

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸性水溶液中で、芳香族カルボン酸類を電
    解還元し、相当するベンジルアルコールを製造するに際
    して、酸素発生用陽極材質として、酸素過電圧が、使用
    電流密度0.1A/dm2〜100A/dm2において、15重量%硫酸水
    溶液中25℃で、硫酸水銀電極基準で+1.1V(標準水素電
    極換算で+1.7V)以下である陽極材質を使用し、反応さ
    せることを特徴とする芳香族カルボン酸類の電解還元方
    法。
JP1126782A 1988-06-20 1989-05-22 芳香族カルボン酸類の電解還元方法 Expired - Lifetime JP2767703B2 (ja)

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