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JP2025531367A - Trpv1アンタゴニストの結晶多形形態およびその製剤 - Google Patents

Trpv1アンタゴニストの結晶多形形態およびその製剤

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JP2025531367A
JP2025531367A JP2025517123A JP2025517123A JP2025531367A JP 2025531367 A JP2025531367 A JP 2025531367A JP 2025517123 A JP2025517123 A JP 2025517123A JP 2025517123 A JP2025517123 A JP 2025517123A JP 2025531367 A JP2025531367 A JP 2025531367A
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Abstract

本開示は、1-(6-フルオロ-5-((((1r,3r)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)アミノ)メチル)イソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオール(化合物I)の多形および製剤を提供する。【化1】TIFF2025531367000028.tif4343

Description

本発明は、1-(6-フルオロ-5-((((1r,3r)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)アミノ)メチル)イソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオール(式I)の結晶形態、その製造のための工程および方法に関する。本発明はまた、化合物Iの製剤およびそれを用いて眼表面障害を処置するための方法に関する。
眼表面痛、特に慢性眼表面痛を患う患者は、生活の質が著しく低下し、多くは鬱病、中等度から重度の狭心症、透析、機能障害を引き起こす大腿骨近位部骨折を発症し、自殺に至るケースもある。多くの患者では、基礎にある病理(例えば、最近の外傷や手術、感染症、炎症)を処置したにもかかわらず、眼表面痛が解消されず、他の既知の処置は長期治療に使用することができない。
一過性受容体電位バニロイド1(TRPV1)受容体は、疼痛のシグナル伝達に関与しており、この受容体の拮抗作用は、疼痛の症状に有益である可能性がある。疼痛、特に慢性的な疼痛を軽減するには、TRPV1アンタゴニストの製剤を眼の表面に局所的に投与することが望ましいであろう。
疎水性眼科用薬物の製剤化は、特に水性局所眼科用組成物内で凝集しやすいため、特に厄介であり得る。凝集は、組成物の安定性および潜在的なその他の品質の問題を引き起こす可能性があり、薬物および賦形剤の他の相互作用から発生する可能性がある。したがって、眼表面に送達するための眼科用製剤に製剤化できる様々な多形形態を特定する必要がある。
一態様では、本発明は、以下の構造
を有する1-(6-フルオロ-5-((((1r,3r)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)アミノ)メチル)イソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオール(化合物I)の結晶形態に関する。
別の態様では、本発明は、本明細書において化合物Iの結晶形態Aとして説明および特定される、(S)-1-(6-フルオロ-5-((((1r,3S)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)アミノ)メチル)イソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオール(化合物I):
の結晶形態に関する。化合物Iの結晶形態Aは、14.3、14.8、および21.8±0.2°2θから選択される2θの値で3つ以上のピークを有するX線回折パターンによって特徴づけられ得る。いくつかの実施形態では、化合物Iの結晶形態Aは、12.5、14.3、14.8、21.8、および22.6±0.2°2θから選択される2θの値で3つ以上のピークを有するX線回折パターンによって特徴づけられる。
いくつかの実施形態では、化合物Iの結晶形態Aは、図1に示されるようなX線回折パターンによって特徴づけられる。化合物Iの結晶形態Aは、1)約131.5℃で吸熱を示すDSCサーモグラム、2)熱重量分析で測定された約0.13重量%の水分喪失、および3)約130.3℃の融点の1つ以上によって特徴づけられる。
いくつかの実施形態では、化合物Iの結晶形態Aは、12.5、14.3、14.8、20.1、21.8、22.6、および23.2±0.2°2θから選択される2θの値で3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、または7つ以上のピークを有するX線回折パターンによって特徴づけられる。
いくつかの実施形態では、化合物Iの結晶形態Aは、7.1、12.5、14.3、14.8、18.7、20.1、21.8、22.6、23.2、25.1、および27.9±0.2°2θから選択される2θの値で3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、または7つ以上のピークを有するX線回折パターンによって特徴づけられる。
別の態様において、本発明は、溶媒中の化合物Iの遊離塩基の高温飽和溶液を冷却し、化合物Iを結晶形態Aとして結晶化することを含む、化合物Iの結晶形態Aを調製する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、例えば室温で、溶媒中の化合物Iの溶液から形態Aを結晶化することを含む、化合物Iの結晶形態Aを調製する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、化合物の結晶形態Aを調製する方法であって、溶媒中の化合物Iの溶液に貧溶媒(antisolvent)を添加することを含む、方法を提供する。
化合物Iの結晶形態Aの調製方法の特定の実施形態では、化合物Iは遊離塩基として使用される。
いくつかの実施形態では、化合物Iの結晶形態Aは、約130.3℃の融点または図2に示されるような示差走査熱量測定パターンによって特徴づけられる。
別の態様では、本発明は、実質的に純粋な形態の結晶形態Aを含む医薬製剤を提供する。
さらなる態様では、結晶形態Aを含む医薬製剤を調製する方法が提供され、方法は、本明細書に開示される結晶形態Aを眼への使用(例えば、眼表面への局所適用)のために処方された眼科的に許容される担体に溶解することを含む。
さらに別の態様では、本発明は、処置を必要とする対象のTRPV1介在性疾患または障害を処置する方法を提供し、方法は、有効量の化合物I、または化合物Iの結晶形態Aから調製されたその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは共結晶、または化合物Iの結晶形態A、またはそれらの組み合わせを含む医薬製剤を対象に投与することを含む。
さらに別の態様では、本発明は、処置を必要とする対象の眼表面障害を処置する方法を提供し、方法は、有効量の化合物I、または化合物Iの結晶形態Aから調製されたその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは共結晶、または化合物Iの結晶形態A、またはそれらの組み合わせを含む医薬製剤を対象に投与することを含む。
さらに別の態様では、本発明は、処置を必要とする対象の眼表面痛を処置する方法を提供し、方法は、有効量の化合物I、または化合物Iの結晶形態Aから調製されたその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは共結晶、または化合物Iの結晶形態A、またはそれらの組み合わせを含む医薬製剤を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、以下の構造:
を有する有効量の1-(6-フルオロ-5-((((1r,3r)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)アミノ)メチル)イソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオール(式Iの化合物)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、多形体、もしくは共結晶を対象に眼科的に投与することを含む、処置を必要とする対象の眼表面痛を処置する方法に関する。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、以下の構造:
を有する。
いくつかの実施形態では、眼表面痛は急性または突発性の眼表面痛である。いくつかの実施形態では、眼表面痛は、少なくとも3カ月間続く慢性の眼表面痛である。いくつかの実施形態では、式Iの化合物が対象の角膜に投与される。
いくつかの実施形態では、COSPはドライアイ疾患に関連している。いくつかの実施形態では、投与により、ドライアイ疾患の症状が軽減される。いくつかの実施形態では、投与により、ドライアイ疾患に関連する疼痛が軽減される。いくつかの実施形態では、投与により、眼の乾燥、眼の不快感、眼の充血、眼の灼熱感もしくは刺痛、ゴロゴロ感もしくは異物感、または光恐怖症の1つまたは複数の発生率が少なくとも約10%軽減される。
いくつかの実施形態では、対象は、ドライアイ疾患、シェーグレン症候群、結膜炎(流行性結膜炎、春季カタル、アレルギー性結膜炎を含む)、角膜上皮基底膜ジストロフィー、アカントアメーバ、線維筋痛症、マイボーム腺機能不全、甲状腺眼症、酒さ、眼瞼下垂、円錐角膜、眼痛症候群、スティーブン-ジョンソン症候群、角膜上皮症、角膜神経障害(レーシック誘発性角膜神経障害を含む)、角膜ジストロフィー(再発性角膜ジストロフィーを含む)、上皮基底膜ジストロフィー、角膜びらんもしくは擦過傷(再発性角膜びらんまたは擦過傷を含む)、眼表面疾患、眼瞼炎、移植片対宿主病、マイボーム腺炎、緑内障、結膜弛緩症、角膜症(角膜ヘルペス症、糸状角膜症、帯状または水疱性角膜症、露出性角膜症を含む)、角膜炎(単純ヘルペスウイルス角膜炎を含む)、虹彩炎、上強膜炎、角膜手術、多発性硬化症、睫毛乱生、翼状片、神経痛、眼球乾燥症の1つまたは複数を患っているか、または神経栄養性角膜炎から回復期の患者である。
いくつかの実施形態では、方法は、対象に追加の治療薬を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、投与により、プラセボと比較して、視力スケール(VAS)における疼痛スコアが少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、または少なくとも約10軽減される。いくつかの実施形態では、VASスコアの軽減は、化合物Iの対象への投与前と投与後のVASスコアの差に起因する。本発明の方法において、VASスコアの軽減は、化合物Iの対象への投与後、約30分以内、約1時間以内、約2時間以内、約4時間以内、または約2~4時間以内に起こる。
いくつかの実施形態では、化合物Iの投与により、対象の充血が、マクモニースケール(McMonnies scale)で少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、または少なくとも約5軽減される。
いくつかの実施形態では、投与によって、プラセボと比較して、最高矯正視力、眼圧、細隙灯検査、散瞳検査、瞬き速度、涙液生成、角膜染色の1つまたは複数において変化しない。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、本明細書に記載の製剤の形態で投与される。いくつかの実施形態では、製剤は、少なくとも約1カ月、約2カ月、または約3カ月間投与される。いくつかの実施形態では、製剤は、1日に1回から4回投与される。
いくつかの実施形態では、本開示は、眼表面痛の処置に使用するための、本明細書に記載の製剤を提供する。記載された使用のいくつかの実施形態では、眼表面痛は、突発性の(例えば、急性)眼表面痛または少なくとも3カ月間続く慢性眼表面痛である。
いくつかの実施形態では、本開示は、以下の構造:
を有する1-(6-フルオロ-5-((((1r,3r)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)アミノ)メチル)イソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオール(式I)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、多形体、もしくは共結晶を対象に眼科的に投与することを含む、処置を必要とする対象の眼表面痛を軽減させる方法を提供する。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、以下の構造:
を有する。
いくつかの実施形態では、眼表面痛は、突発性の(例えば、急性の)眼表面痛であり、眼表面痛は、慢性眼表面痛(COSP)である。いくつかの実施形態では、COSPはドライアイ疾患に関連する。
いくつかの実施形態では、投与により、ドライアイ疾患の症状が軽減される。いくつかの実施形態では、投与により、ドライアイ疾患に伴う疼痛が軽減される。いくつかの実施形態では、投与により、眼の乾燥、眼の不快感、眼の充血、眼の灼熱感もしくは刺痛、ゴロゴロ感もしくは異物感、または光恐怖症の1つまたは複数の発生率が少なくとも約10%軽減される。
いくつかの実施形態では、対象は、ドライアイ疾患、シェーグレン症候群、結膜炎(流行性結膜炎、春季カタル、アレルギー性結膜炎を含む)、角膜上皮基底膜ジストロフィー、アカントアメーバ、線維筋痛症、マイボーム腺機能不全、甲状腺眼症、酒さ、眼瞼下垂、円錐角膜、眼痛症候群、スティーブン-ジョンソン症候群、角膜上皮症、角膜神経障害(レーシック誘発性角膜神経障害を含む)、角膜ジストロフィー(再発性角膜ジストロフィーを含む)、上皮基底膜ジストロフィー、角膜びらんもしくは擦過傷(再発性角膜びらんまたは擦過傷を含む)、眼表面疾患、眼瞼炎、移植片対宿主病、マイボーム腺炎、緑内障、結膜弛緩症、角膜症(角膜ヘルペス症、糸状角膜症、帯状または水疱性角膜症、露出性角膜症を含む)、角膜炎(単純ヘルペスウイルス角膜炎を含む)、虹彩炎、上強膜炎、角膜手術、多発性硬化症、睫毛乱生、翼状片、神経痛、眼球乾燥症の1つまたは複数を患っているか、または神経栄養性角膜炎からの回復期の患者である。
いくつかの実施形態では、方法は、対象に追加の治療薬を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、投与により、プラセボと比較して、視力スケール(VAS)における疼痛スコアが少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、または少なくとも約10軽減される。いくつかの実施形態では、投与により、プラセボと比較して、VASの疼痛スコアが少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、または少なくとも約10軽減される。いくつかの実施形態では、疼痛スコアの軽減は、対象への化合物Iの投与前と投与後の疼痛スコアの差に起因する。
いくつかの実施形態では、投与により、対象の充血が、マクモニースケールで少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、または少なくとも約5軽減される。
いくつかの実施形態では、投与により、化合物の投与前の視力スケール(VAS)スコアと比較して、VASにおける疼痛スコアが少なくとも約3軽減される。
記載された方法のいくつかの実施形態では、式Iの化合物は、本明細書に記載の製剤の形態で投与される。
本発明の特定の好ましい実施形態は、以下の特定の好ましい実施形態のより詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
化合物Iの結晶形態AのX線粉末回折パターンを示した図である。 化合物Iの結晶形態Aの示差走査熱量測定スキャンを示した図である。 化合物Iの結晶形態Aの熱重量分析を示した図である。 粉砕および造粒後の化合物I形態AのXRPDパターンを示した図である:下から上に、出発物質、粉砕後、水で造粒後、エタノールで造粒後。
医薬品化合物およびその製剤の製造には、商業的に実行可能で、信頼性が高く、再現性のある製造工程を得るために、活性化合物が、簡便に取り扱い、処理できる形態であることが重要である。
驚くべきことに、化合物Iの結晶形態Aは、眼科用剤形調製に使用するための薬物物質として特に有用な好ましい物理化学的特性を有することがわかった。
本明細書において使用される場合、「約」という用語は、指定された値の+/-10%の範囲の値を指す。
「TRPV1受容体」とは、分子クローニングおよび薬理学で特徴づけられてきた一過性受容体電位バニロイド1を指す。例えば、Caterina MJ, et al., Nature 1997;389:816-824を参照。TRPV1受容体の活性は、国際公開第2005/120510号に記載されているように測定され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載の化合物の「有効量」という語は、哺乳動物内で意図された機能を果たすのに必要な、または十分な治療化合物の量を指す。治療化合物の有効量は、哺乳動物にすでに存在する原因物質の量、哺乳動物の年齢、性別、体重、および本開示の治療化合物が哺乳動物の眼表面障害および/またはその症状を処置する能力などの要因に応じて変化し得る。
「眼科的に適合する」という語句は、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わず、妥当な利益/リスク比に見合った、ヒトおよび動物の眼組織と接触して使用するのに適した製剤、ポリマー、ならびに他の材料および/もしくは剤形を指す。
本明細書で使用される場合、疾患または障害に関連する「処置する(treat)」、「処置(treating)」または「処置(treatment)」という用語は、いくつかの実施形態では、疾患または障害を改善すること(すなわち、疾患またはその臨床症状の少なくとも1つの発症を遅らせる、阻止する、または軽減されること)を指す。別の実施形態では、「処置する(treat)」、「処置(treating)」または「処置(treatment)」は、患者が認識できない可能性のあるものを含む、少なくとも1つの物理的パラメータを緩和するまたは改善することを指す。さらに別の実施形態では、「処置する(treat)」、「処置(treating)」または「処置(treatment)」は、疾患または障害を、物理的(例えば、識別可能な症状の安定化)、生理学的(例えば、物理的パラメータの安定化)のいずれか、またはその両方で調整することを指す。さらに別の実施形態では、「処置する(treat)」、「処置(treating)」または「処置(treatment)」は、疾患または障害またはその症状の発症または発達または進行を予防または遅延することを指す。
本明細書で使用される場合、「対象」または「患者」という用語は、ヒトおよび非ヒト哺乳動物を指し、霊長類、ウサギ、ブタ、ウマ、イヌ、ネコ、ヒツジ、およびウシを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態では、対象または患者はヒトである。いくつかの実施形態では、「患者」または「対象」という用語は、本明細書に記載の状態(すなわち、疾患または障害)に罹患しており、処置から利益を得るであろうヒトを指す。本明細書で使用される場合、対象は、そのような対象(患者)がそのような処置から生物学的、医学的または生活の質において利益を得る場合、処置を「必要としている」。特定の実施形態では、対象は少なくとも約18歳の成人である。いくつかの実施形態では、対象は、約18歳から約75歳の成人である。いくつかの実施形態では、対象は、約18歳までの小児である。
本明細書で使用される場合、「眼表面」とは、角膜(上皮、ボーマン膜、間質、脱落膜、内皮を含む)、結膜、および角膜強膜境界、すなわち角膜輪部を解剖学的に含む、眼の外表面を指す。
本明細書で使用される場合、「疼痛」は、記載される実際の疼痛の持続的または断続的な感覚を指し、刺痛、鈍痛、鋭い疼痛、または痛みのように表現されるがこれらに限定されない。疼痛はまた、灼熱感、刺痛、ゴロゴロ感、異物感、乾燥感、砂っぽさ、疲労感、痒み、刺激感、光に対する感受性など、類似の関連記述子を指すことができるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「眼表面痛」とは、眼の表面、例えば角膜の疼痛を指す。眼痛は、通常、角膜手術、炎症、または角膜表面への他の損傷などの外部の物理的または化学的損傷刺激によって引き起こされる侵害受容性疼痛であり得る。眼痛は、身体のニューロンへの直接的な損傷により発生し得る神経障害性疼痛によっても生じる可能性があり、その結果、有害刺激の存在に関わらず、中枢神経系および脳に疼痛のメッセージが送られる。本明細書で使用される場合、「眼表面痛」には、侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛の両方が含まれる。
本明細書で使用する場合、「視覚アナログスケール」(VAS)という用語は、疼痛の強度の尺度あり、対象が、典型的には、自身の疼痛のレベルと一致するスケール上の場所をマークする。疼痛は、「疼痛なし」(スコア0)および「あり得る最悪の疼痛」または「想像できる最悪の疼痛」(スコア100)の範囲でマークされる。例えば、Hawker, et al., Arthritis Care & Research 63(11),pp. S240-S252(November 2011)を参照。疼痛の程度の評価を助けるのに使用可能な、よく設計された疼痛スケールは他にもいくつかある。数値的評価スケール(NRS)がよく使用され、対象は数字を使用して疼痛を評価する。数字スケールは1~10、または1~100である。Wong-Baker FACES疼痛スケールは、疼痛の評価に画像と数字を組み合わせる。これは、3歳超の小児と成人に使用可能である。6つの顔は、幸せなものから非常に動揺したものまで、様々な表情を表す。それぞれに、0(笑顔)から10(泣いている)までの数値評価が割り当てられている。言語による疼痛強度スケールは、疼痛の強度を評価するために、スケール上の言葉を使用する:疼痛なし/軽い疼痛/中程度の疼痛/重度の疼痛/非常に重度の疼痛/可能性のある最悪の疼痛。
眼感覚スケールは、眼痛の重症度を測定するために開発された特定の疼痛スケールである。Caudle L.E. et al., Optom Vis Sci.2007 Aug;84(8):752-62を参照。このスケールでは、疼痛、不快感、または光感受性が、典型的には、「極度」、「重度」、「中程度」、「軽度」、「なし」の5つのカテゴリラベルで測定される。
眼痛評価調査(OPAS)は、角膜および眼表面痛および生活の質(QoL)の変化を評価するために特別に設計された定量的、多次元的な質問票である。OPASは、疼痛の強度、眼および眼以外の疼痛の頻度、QoLの変化、悪化要因、関連要因、および症状の緩和を定量的に評価し、処置反応を監視できるようにする。Qazi et al., Ophthalmology July 123(7):1458-1468(2016)を参照。
本明細書で使用される場合、眼の充血とは、眼表面の赤みを指す。眼の充血は、炎症および/または眼の刺激の臨床マーカーであり得る。眼の充血は、典型的には、標準的な写真に基づいて、マクモニースケールを使用して0から5の値で測定される。
本明細書で使用される場合、「プラセボ」とは、薬物を除いた、投与される薬物組成物のすべての成分を含む眼科用製剤を指す。
本明細書で使用される場合、「多形」とは、同じ化学組成を有するが、結晶を形成する分子、原子、および/またはイオンの空間配置が異なる結晶形態を指す。
本明細書で使用される場合、「溶媒和物」とは、結晶格子構造に組み込まれた溶媒の分子または溶媒をさらに含む、分子、原子、および/またはイオンの結晶形態を指す。溶媒和物中の溶媒分子は、規則的な配列および/または不規則な配列で存在することができる。溶媒和物は、化学量論的量または非化学量論的量の溶媒分子のいずれかを含むことができる。例えば、非化学量論的量の溶媒分子を有する溶媒和物は、溶媒和物からの溶媒の部分的喪失により生じる可能性がある。溶媒和物は、結晶格子構造内に化合物Iの分子を1つ以上含む二量体またはオリゴマーとして生じる可能性がある。
本明細書で使用される場合、「非晶質」とは、結晶ではない分子、原子、および/またはイオンの固体形態を指す。非晶質固体は明確なX線回折パターンを示さない。
本明細書で使用される場合、「実質的に純粋」とは、形態に関して使用される場合、化合物の重量に基づいて、化合物Iの90重量%を超える純度を有する化合物を意味し、90、91、92、93、94、95、96、97、98、および99重量%を超える純度を含み、約100重量%に等しい純度も含む。残りの物質は、化合物の他の形態、ならびに/またはその調製から生じる反応不純物および/もしくは処理不純物を含む。例えば、化合物Iの結晶形態は、現時点で当技術分野において公知であり、一般に受け入れられている手段で測定した場合に90重量%を超える純度を有するという点で実質的に純粋であるとみなすことができ、残りの10重量%未満の物質は、化合物Iの他の形態および/または反応不純物および/または処理不純物を含む。いくつかの実施形態では、化合物Iの結晶形態Aは、92重量%を超える純度を有する。いくつかの実施形態では、化合物Iの結晶形態Aは、95重量%を超える純度を有する。いくつかの実施形態では、化合物Iの結晶形態Aは、97重量%を超える純度を有する。いくつかの実施形態では、化合物Iの結晶形態Aは、99重量%を超える純度を有する。
「実質的に塩化物を含まない」という用語は、化合物、例えば化合物Iの結晶形態Aが、有意な量の異質塩化物、例えば、薬物物質の製造中に塩酸塩が形成された結果として生じる望ましくない塩化物イオンを含まないことを意味する。いくつかの実施形態では、結晶形態Aは0.5重量%未満の塩化物イオンを含む。いくつかの実施形態では、結晶形態Aは0.3重量%未満の塩化物イオンを含む。いくつかの実施形態では、結晶形態Aは0.1重量%未満の塩化物イオンを含む。特定の実施形態では、結晶形態Aは0.05重量%未満の塩化物イオンを含む。
本明細書で使用される場合、「式Iの化合物」、「化合物I」、「式I」、および「化合物I」は互換的に使用され、1-(6-フルオロ-5-((((1r,3r)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)アミノ)メチル)イソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオールという名称、以下に示す構造:
を有する化合物を意味する。特定の実施形態では、化合物Iは、(S)-1-(6-フルオロ-5-((((1r,3S)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)アミノ)メチル)イソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオールという名称、以下に示す構造:
を有する。
本明細書で使用される場合、「結晶形態(crystal form)」、「結晶形態(crystalline form)」、「修飾」、または「多形」、または「多形形態」は、大文字または小文字で互換的に使用され、化合物Iの結晶形態または多形形態を指す。
本明細書で説明するように、式Iの化合物は、上記異性体のラセミ体または鏡像体過剰率(ee)のいずれかで存在し得る立体異性体であり、上記異性体は、少なくとも90%ee、少なくとも95%ee、少なくとも96%ee、少なくとも97%ee、少なくとも98%ee、または少なくとも99%eeで存在する。
本明細書に記載の化学式はいずれも、化合物の非標識形態ならびに同位体標識形態を表すことも意図している。同位体標識化合物は、1つまたは複数の原子が選択された原子質量または質量数を有する原子に置き換えられていることを除いて、本明細書に記載の式によって表される構造を有する。本開示の化合物に組み込むことができる同位体には、例えば、H、H、11C、13C、14C、および15Nなどの水素、炭素、窒素、および酸素の同位体が含まれる。したがって、本発明の方法は、例えば、Hおよび14Cなどの放射性同位体、またはHおよび13Cなどの非放射性同位体が存在する放射性同位体を含む、前述の同位体のいずれかの1つまたは複数を組み込んだ化合物を含むことができる、または含む可能性があることを理解されたい。そのような同位体標識化合物は、代謝研究(14Cを使用)、反応速度論研究(例えばHまたはHを使用)、薬物または基質組織分布アッセイを含む陽電子放出断層撮影(PET)または単光子放出コンピューター断層撮影(SPECT)などの検出または画像化技術、または患者の放射線治療に有用である。同位体標識化合物は、一般的に、当業者に公知の従来の技術、例えば、以前に使用された非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して調製することができる。
本発明は、本明細書で提供される発明に従って有用な化合物の薬学的に許容される塩をすべて含む実施形態を包含する。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」とは、開示された化合物の誘導体を指し、親化合物は、既存の酸または塩基部分をその塩形態に変換することによって改変される。薬学的に許容される塩の例には、アミンなどの塩基性残基の鉱物塩または有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などが含まれるが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩には、例えば、非毒性の無機酸または有機酸から形成される親化合物の従来の非毒性塩が含まれる。薬学的に許容される塩は、塩基性または酸性部分を含む親化合物から、従来の化学的方法によって合成することができる。一般に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸形態または塩基形態を、水または有機溶媒中、または両方の混合物中(一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなどの非水性媒体が好ましい)で化学量論量の適切な塩基または酸と反応させることによって調製することができる。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17thed., Mack Publishing Company,Easton, Pa., 1985,p. 1418およびJournal of Pharmaceutical Science, 66, 2(1977)に記載されており、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。例えば、好ましい薬学的に許容される塩には、アミンなどの塩基性残基の鉱物塩または有機酸塩が含まれるが、これらに限定されない。例えば、塩は塩酸塩であり得る。
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という語句は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わずに、合理的な利益/リスク比に見合った、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適した化合物、物質、組成物、および/または剤形を指す。
別途記載がない限り、すべての成分濃度は%重量/体積(%w/v)単位で表示する。
別途指定がない限り、式Iの化合物に関して本明細書で言及される重量または投与量は、化合物自体の重量または投与量であり、その塩またはプロドラッグの重量または投与量ではなく、ここで、意図される治療効果を達成するために異なっていてもよい。例えば、本明細書で開示される方法、組成物、または組み合わせに適した化合物の対応する塩の重量または投与量は、塩および化合物自体の分子量の比に基づいて計算することができる。
化合物Iの結晶形態
多形性とは、結晶格子内の成分が異なる配置または構造を有する2つ以上の結晶形態で存在できる固体物質の能力である。多形性と擬似形態は薬物では非常に一般的であり、多くの特性の違いの原因となっている。慣例により、化学的安定性のため、製剤に組み込むにはエネルギーが最も低い多形が選択されるが、望ましい化学的および物理的安定性、ひいては有効性を達成するには、製剤中の賦形剤を考慮する必要がある。化合物Iの結晶形態Aは、TRPV1媒介性障害の処置用の眼科用製剤を調製する、または眼科用製剤に組み込むのに有利に使用できる。化合物Iの結晶形態Aは、眼表面痛の処置用の眼科用製剤を調製する、または眼科用製剤に組み込むのに有利に使用できる。いくつかの実施形態では、対象は、ドライアイ疾患、シェーグレン症候群、結膜炎(流行性結膜炎、春季カタル、アレルギー性結膜炎を含む)、角膜上皮基底膜ジストロフィー、アカントアメーバ、線維筋痛症、マイボーム腺機能不全、甲状腺眼症、酒さ、眼瞼下垂、円錐角膜、眼痛症候群、スティーブン-ジョンソン症候群、角膜上皮症、角膜神経障害(レーシック誘発性角膜神経障害を含む)、角膜ジストロフィー(再発性角膜ジストロフィーを含む)、上皮基底膜ジストロフィー、角膜びらんもしくは擦過傷(再発性角膜びらんまたは擦過傷を含む)、眼表面疾患、眼瞼炎、移植片対宿主病、マイボーム腺炎、緑内障、結膜弛緩症、角膜症(角膜ヘルペス症、糸状角膜症、帯状または水疱性角膜症、露出性角膜症を含む)、角膜炎(単純ヘルペスウイルス角膜炎を含む)、虹彩炎、上強膜炎、角膜手術、多発性硬化症、睫毛乱生、翼状片、神経痛、眼球乾燥症の1つまたは複数を患っているか、または神経栄養性角膜炎からの回復期の患者である。
したがって、一態様において、本発明は、化合物Iの結晶形態Aを提供する。化合物Iの結晶形態Aは、非溶媒和結晶固体であり、2つの明確に異なる形態で結晶化する。非水性溶媒系は不規則な形状の平板状粒子を生じ、一方、水を含む溶媒混合物は針状粒子を生じる。形態の変化にもかかわらず、両方の形態は、同じ物理化学的特性および同じXRDパターンを有し、したがって、同じ多形であると考えられる。結晶形態Aは、粉末X線回折(XRPD)によってそのように特徴づけられ得、分析から得られるパターンは、特徴的な2シータ(2θ)の角度で有意なピークを含み得る。形態Aは、例えば、14.3、14.8、および21.8±0.2°2θから選択される2θの値で3つ以上のピークを有するX線回折パターンによって特徴づけられ得る。形態Aは、例えば、12.5、14.3、14.8、21.8、および22.6±0.2°2θから選択される2θの値で3つ以上のピークを有するX線回折パターンによって特徴づけられ得る。さらに、形態Aは、例えば、12.5、14.3、14.8、20.1、21.8、22.6、および23.2±0.2°2θから選択される2θの値で3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、または7つ以上のピークを有するX線回折パターンによって特徴づけられ得る。本明細書に記載されるように、X線回折ピークは、波長0.15418nmを有するCuKα放射線を使用して測定される。XRPDによって化合物Iを分析するために使用できるパラメータは、本明細書に開示される実施例セクションの一般試験条件において記載され得る。いくつかの実施形態では、結晶形態Aは、約130.3℃の融点によって特徴づけられる。
結晶形態Aは、溶媒中の化合物Iの高温飽和溶液を冷却し、化合物Iを結形態Aとして結晶化することによって調製することができる。別の実施形態では、結晶形態Aは、溶媒中の化合物Iの飽和溶液から結晶形態Aを結晶化することによって調製されてもよい。
いくつかの実施形態では、化合物Iの結晶形態Aは、適切な量の化合物Iを、飽和を確実にするために最少量の溶媒に、約50℃~70℃、例えば60℃の温度で溶解することによって調製することができる。次いで、溶液を約0℃~約30℃、例えば、20℃の温度にゆっくりと冷却することができ、その間、溶液を撹拌することができる。結晶化プロセスを促進するために、溶液は、任意選択で、約5日間の期間にわたって、約-20℃~約-5℃の温度で冷却することができる。次いで、化合物Iの結晶形態Aは、例えば、懸濁液を濾過して形成された固体を単離することによって単離することができる。固体は、例えば、真空下で、約45~約55℃で約4時間~約5時間乾燥して、化合物Iをその多形形態A結晶形態で得ることができる。
いくつかの実施形態では、溶媒は、アセトン、アセトニトリル、ジクロロメタン、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、2-メチル-2-ブタノール、メチルtert-ブチルエーテル、水、メタノール/水、およびアセトン/ヘプタンからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、化合物Iの結晶形態Aは、化合物Iを溶媒に懸濁し、混合物を撹拌することによって調製することができる。混合物は、例えば、最長28日間、一定の期間撹拌することができる。固体は、任意選択で、濾過することができ、母液は約25℃で蒸発させることができる。非揮発性溶媒(例えば、ベンジルアルコール)の場合、溶液は、-20℃で少なくとも1日(24時間)保存することができる。次いで、化合物Iの結晶形態Aは、例えば、反応混合物を濾過して形成された固形物を単離することによって単離することができる。固体は、例えば、真空下で約45~約55℃で約4時間~約5時間乾燥して、化合物Iの多形形態A結晶形態を得ることができる。
いくつかの実施形態では、溶媒は、アセトン、アセトニトリル、ベンジルアルコール、ジクロロメタン、ジオキサン、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メタノール、2-メチル-2-ブタノール、メチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1-プロパノール/水、2-プロパノール/水およびメタノール/水からなる群から選択される。
化合物Iの結晶形態Aは、化合物Iを溶媒に懸濁し、溶媒の沸点を超えない温度まで加熱することによっても調製することができる。反応物を加熱して撹拌し、溶液を得ることができる。例えば、溶媒がアセトニトリルの場合、懸濁液を約50~70℃、例えば55℃の温度に加熱する。加熱は、溶解が達成されるまで、例えば2時間~3時間実行できる。化合物Iの出発物質は、反応混合物を形成するために任意の形態(例えば、結晶、非晶質、溶媒和)であってもよい。
次いで、溶液をより低い温度まで冷却して、化合物Iを多形形態A結晶形態で得ることができる。
冷却は、最長1日(24時間)の期間にわたって段階的に実行することができる。例えば、55℃の溶液を約50℃の温度にゆっくりと冷却することができる。冷却は、例えば約1時間の期間にわたって実行することができる。反応混合物は、この温度で長時間、例えば約3時間~約4時間維持することができる。
第2のステップでは、反応混合物を、例えば約5時間~約6時間の期間にわたって、さらにゆっくりと約25℃~約30℃に冷却することができる。その後、反応混合物を50℃に加熱し、この温度で長時間、例えば約3時間~約4時間の期間にわたって維持してもよく、その間、反応混合物を撹拌することができる。
第3の冷却ステップでは、次いで、反応混合物をさらにゆっくりと約10℃~約15℃に冷却してもよい。反応混合物をこの温度で長時間、例えば約5時間~約6時間維持してもよく、その間反応混合物を撹拌してもよい。
次いで、例えば反応混合物を濾過し、形成された固体を単離することによって、化合物Iの結晶形態Aを単離することができる。固体を、例えば、真空下で約45~約55℃で約4時間~約5時間乾燥させて、化合物Iをその多形形態A結晶形態で得ることができる。
任意選択で、残留塩化物イオンを除去するために、さらなる精製ステップを実施してもよい。化合物Iの結晶形態Aを水中に懸濁し、25℃で長時間、例えば約5時間~約7時間、例えば約6時間撹拌する。次のステップでは、反応混合物を濾過し、固体を水に再懸濁する。この工程は少なくとも4回繰り返すことができる。残留塩化物含有量は、イオンクロマトグラフィーによって測定することができる。化合物Iの結晶形態Aは、次いで、例えば、反応混合物を濾過し、固体を単離することによって、単離することができる。固体を、例えば、真空下で約45~約55℃、例えば約50℃で約5時間~約6時間乾燥させて、実質的に塩化物を含まない化合物Iをその形態A結晶形態で得ることができる。
あるいは、溶媒中の化合物Iの溶液に貧溶媒を添加することによって結晶形態Aを調製してもよい。特定の実施形態では、貧溶媒はヘプタン、トルエン、および水から選択される。さらなる実施形態では、貧溶媒/溶媒系は、ヘプタン/アセトン、水/アセトン、ヘプタン/ジオキサン、トルエン/ジオキサン、水/ジオキサン、ヘプタン/エタノール、水/エタノール、ヘプタン/酢酸エチル、水/メタノール、ヘプタン/2-メチル-2-ブタノール、ヘプタン/テトラヒドロフラン、およびトルエン/テトラヒドロフランからなる群から選択される。
化合物Iの結晶形態Aは、適切な量の化合物Iを最少量の溶媒に溶解して飽和状態を確実にし、前記溶液を過剰の貧溶媒に加えることによって調製することができる。この間、反応混合物を撹拌してもよい。すぐに沈殿しない場合は、反応混合物を室温で1日(24時間)撹拌し続けてもよい。次いで、例えば、反応混合物を濾過して形成された固体を単離することによって、化合物Iの結晶形態Aを単離することができる。固体を、例えば真空下で約45~約55℃で約4時間~約5時間乾燥させて、化合物Iを多形形態A結晶形で得ることができる。
いくつかの実施形態では、結晶形態Aの調製に有用な化合物Iは実質的に純粋である。
一実施形態では、化合物Iの結晶形態Aは、実質的に純粋な形態で提供される。この実質的に純粋な形態の化合物Iの結晶形態Aは、医薬組成物、例えば、本明細書に記載の眼科用製剤に使用してもよい。いくつかの実施形態では、本開示は、化合物Iの結晶形態Aを含む医薬製剤を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、化合物I、または化合物Iの結晶形態Aから調製された、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは共結晶を含む医薬製剤を提供する。
製剤
本明細書におけるいくつかの実施形態は、化合物Iの結晶形態Aを含む医薬製剤、または化合物Iの結晶多形形態Aから調製された医薬製剤に関する。
いくつかの実施形態では、製剤は、少なくとも1つの眼科的に許容される賦形剤をさらに含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、医薬製剤の調製において化合物Iの結晶形態Aの使用を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、化合物Iの結晶形態Aを含む医薬製剤を調製する方法を提供し、方法は、眼への使用、例えば、眼表面への局所適用用に処方された眼科的に許容される担体に化合物Iの結晶形態Aを溶解することを含む。
いくつかの実施形態では、製剤には緩衝剤が含まれる。緩衝剤の例には、酢酸塩、アスコルビン酸塩、ホウ酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、クエン酸塩、エデト酸塩(EDTA)、グルコン酸塩、乳酸塩、リン酸、プロピオン酸塩、およびTRIS(トロメタミン)緩衝剤が含まれる。特定の実施形態では、緩衝剤は、リン酸緩衝系である。特定の実施形態では、緩衝剤はトロメタミン緩衝剤である。添加される緩衝剤物質の量は、典型的には、生理学的に許容されるpH範囲を確実にし、維持するために必要な量である。いくつかの実施形態では、pH範囲は、約4~約9、約4.5~約8.5、約5.0~約8.0、約5.5~約8.0、約6.4~約8.4の範囲である。いくつかの実施形態では、pHは約6.0である。特定の実施形態では、pHは約7.4である。
いくつかの実施形態では、製剤は自己保存性であってもよく、保存剤を含まない。他の実施形態では、製剤は保存剤を含む。いくつかの実施形態では、保存剤には、ポリヘキシルメチレンビグアニジン(PHMB)、ポリマー第四級アンモニウム化合物(例えば、ポリクオタニウム-1)、塩化ベンザルコニウム(BAK)などの塩素含有保存剤、亜塩素酸塩保存剤などが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、保存剤は眼科的に許容されるポリマー第四級アンモニウム化合物である。このタイプの化合物は、米国特許第3,931,319号明細書、第4,027,020号明細書、第4,407,791号明細書、第4,525,346号明細書、第4,836,986号明細書、第5,037,647号明細書および第5,300,287号明細書、ならびにPCT出願国際公開第91/09523号(Dziaboら)に記載されている。特定の実施形態では、ポリマーアンモニウム化合物は、数平均分子量が2,000~30,000であるポリクオタニウム1(POLYQUAD(登録商標)またはONAMERM(登録商標)としても知られる)である。さらに特定の実施形態では、数平均分子量は3,000~14,000である。
ポリマー第四級アンモニウム化合物は、使用される場合、一般に、製剤の約0.00001w/v%を超える量、約0.0003w/v%を超える量、または約0.0007w/v%を超える量で使用される。さらに、ポリマー第四級アンモニウム化合物は、製剤中で使用される場合、一般に、製剤の約0.03w/v%未満、約0.003w/v%未満、または約0.0015w/v%未満の濃度で使用される。いくつかの実施形態では、製剤中のポリマー第四級アンモニウム化合物の濃度は以下のとおりである:約0.0003w/v%を超えるが約0.003w/v%未満、約0.0003w/v%を超えるが約0.0015w/v%未満、約0.0007w/v%を超えるが約0.003w/v%未満、および約0.0007w/v%を超えるが約0.0015w/v%未満。特定の実施形態では、製剤には、約0.001%w/vの濃度のポリクオタニウム1が含まれる。
いくつかの実施形態では、製剤は、製剤の少なくとも約0.0005w/v%、約0.001w/v%、または約0.007w/v%を超える濃度、および眼科用組成物の約0.1w/v%未満、約0.02w/v%未満、または約0.0035w/v%未満の濃度でBAKを含む。BAKの濃度の下限のいずれかは、BAKの濃度の上限のいずれかと組み合わせて使用してもよいことが具体的に想定される。特定の実施形態では、組成物中のBAKの濃度は以下のとおりである:約0.001w/v%を超えるが約0.02w/v%未満、約0.001w/v%を超えるが約0.0035w/v%未満、約0.007w/v%を超えるが約0.02w/v%未満、および約0.007w/v%を超えるが約0.0035w/v%未満。
いくつかの実施形態では、本発明の製剤には、化合物Iに加えて追加の治療薬が含まれてもよい。さらなる治療薬には、例えば、眼表面障害の処置に有用な他の化合物および抗体が含まれてもよい。このような薬剤の非限定的なリストには、ケトロラク、ネパフェナク、ブロムフェナク、コルチコステロイドなどの非ステロイド性抗炎症薬、シクロスポリン、リフィテグラストなどのドライアイ疾患用の薬物、または他のTRPV1阻害剤が含まれる。
いくつかの実施形態では、製剤は冷蔵温度(例えば、4℃)で保存される。いくつかの実施形態では、製剤は、投与前に室温に温められる。
いくつかの実施形態では、懸濁液は、単回投与容器に包装される。いくつかの実施形態では、製剤は、複数回投与容器に包装される。
本明細書に記載の製剤は、熟練した臨床医の日常的な判断に応じて、1日に1回から6回眼の表面に送達される。いくつかの実施形態では、製剤は1日に1回、2回、3回、または4回投与される。
いくつかの実施形態では、本発明の医薬製剤は、化合物(I)に加えて追加の治療剤を含んでもよい。さらなる治療剤には、例えば、眼表面障害の処置に有用な他の化合物および抗体が含まれてもよい。そのような薬剤の非限定的なリストには、ケトロラク、ネパフェナク、ブロムフェナク、コルチコステロイドなどの非ステロイド性抗炎症薬、シクロスポリン、リフィテグラストなどのドライアイ疾患用の薬物、または他のTRPV1阻害剤が含まれる。
使用方法
理論に拘束されるものではないが、一過性受容体電位バニロイド1(TRPV1)受容体の遮断薬が、疼痛、例えば、慢性疼痛の処置に有用であり得ると仮定されている。
したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、対象における眼表面痛を処置する方法を提供し、前記方法は、対象に、有効量の化合物(I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは共結晶を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、化合物(I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは共結晶を、例えば本明細書に開示されるように、医薬製剤として投与することを含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、本明細書に開示されるように、化合物Iの結晶多形体Aから調製される。いくつかの実施形態では、本発明は、処置を必要とする対象における眼表面痛を軽減する方法を提供し、前記方法は、対象に、有効量の化合物(I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは共結晶を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、化合物(I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは共結晶を、例えば本明細書に開示されるように、医薬製剤として投与することを含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、本明細書に開示されるように、化合物Iの結晶多形体Aから調製される。いくつかの実施形態では、本発明は、対象における眼表面障害を処置する方法を提供し、前記方法は、対象に有効量の化合物(I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは共結晶を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、例えば本明細書に開示されるように、化合物(I)、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは共結晶を医薬製剤として投与することを含む。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、本明細書に開示されるように、化合物Iの結晶多形形態Aから調製される。
いくつかの実施形態では、本発明は、眼表面痛の処置また軽減における、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは共結晶の使用を提供する。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は多形形態Aである。
特定の実施形態では、本明細書に記載された方法は、上記化合物Iの製剤を投与することによって実行される。したがって、本発明は、本明細書に記載される化合物Iの製剤を投与することによって眼表面痛を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法により、眼表面痛が軽減される。
いくつかの実施形態では、本発明は、眼表面痛の処置に使用するための、化合物(I)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは共結晶を含む医薬製剤を提供する。一実施形態では、製剤は、本明細書に開示される化合物Iの結晶多形形態Aから調製される。
いくつかの実施形態では、本発明は、眼表面痛の処置に使用するための、化合物Iの結晶形態Aを含む医薬製剤を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、眼表面障害の処置に使用するための、化合物(I)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは共結晶を含む医薬製剤を提供する。一実施形態では、製剤は、本明細書に開示される化合物Iの結晶多形形態Aから調製される。
いくつかの実施形態では、本発明は、眼表面障害の処置に使用するための、化合物Iの結晶形態Aを含む医薬製剤を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、眼表面痛の軽減に使用するための、化合物(I)またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは共結晶を含む医薬製剤を提供する。一実施形態では、製剤は、本明細書に開示される化合物Iの結晶多形形態Aから調製される。
いくつかの実施形態では、本発明は、眼表面痛の軽減に使用するための、化合物Iの結晶形態Aを含む医薬製剤を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、眼表面痛の処置用の医薬の製造において、本明細書に開示される化合物Iの結晶形態Aの使用を提供する。
いくつかの実施形態では、対象は、突発性または急性の眼痛を患っている。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも3カ月間続く慢性眼表面痛を患っている。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも2カ月間続く慢性眼表面痛を患っている。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも1カ月間続く慢性眼表面痛を患っている。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも4カ月間続く慢性眼表面痛を患っている。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも5カ月間続く慢性眼表面痛を患っている。したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、対象に有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、多形体、もしくは共結晶を投与することにより、対象における慢性眼表面痛を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、対象に有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、多形体、もしくは共結晶を投与することにより、対象の慢性眼表面痛を軽減する方法を提供する。本発明は、慢性眼表面痛の処置における式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、多形体、もしくは共結晶の使用を提供する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、本明細書に記載の製剤中に存在する。
いくつかの実施形態では、製剤は、対象の眼表面、例えば、角膜、結膜の任意の部分、または眼の結膜嚢に投与される。
いくつかの実施形態では、本発明は、眼科的に適合する製剤として、処置を必要とする対象に式Iの化合物を投与することを提供する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、対象に1日1回から6回、例えば1日1回、2回、3回、または4回投与される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、対象に少なくとも約1カ月、少なくとも約2カ月、または少なくとも約3カ月の期間投与される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、対象に少なくとも約12週間の期間投与される。
いくつかの実施形態では、眼表面痛または慢性眼表面痛は、ドライアイ疾患、シェーグレン症候群、結膜炎(流行性結膜炎、春季カタル、アレルギー性結膜炎を含む)、角膜上皮基底膜ジストロフィー、アカントアメーバ、線維筋痛症、マイボーム腺機能不全、甲状腺眼症、酒さ、眼瞼下垂、円錐角膜、眼痛症候群、スティーブン-ジョンソン症候群、角膜上皮症、角膜神経障害(レーシック誘発性角膜神経障害を含む)、角膜ジストロフィー(再発性角膜ジストロフィーを含む)、上皮基底膜ジストロフィー、角膜びらんもしくは擦過傷(再発性角膜びらんまたは擦過傷を含む)、眼表面疾患、眼瞼炎、移植片対宿主病、マイボーム腺炎、緑内障、結膜弛緩症、角膜症(ヘルペス角膜症、糸状角膜症、帯状または水疱性角膜症、露出性角膜症を含む)、角膜炎(単純ヘルペスウイルス角膜炎を含む)、虹彩炎、上強膜炎、角膜手術、多発性硬化症、睫毛乱生、翼状片、神経痛、眼球乾燥症の1つまたは複数、または神経栄養性角膜炎から回復期の患者に関連する。
特定の実施形態では、眼表面痛または慢性眼表面痛は、ドライアイ疾患またはシェーグレン症候群に関連する。いくつかの実施形態では、対象は、結膜炎、結膜下出血、結膜下瘢痕、膜性結膜炎、結膜潰瘍、表在点状上皮びらん、上皮欠損、眼瞼縁潰瘍、眼瞼縁角化、瞼球癒着、眼瞼癒着、睫毛乱生、前眼瞼炎、涙点自己閉塞、マイボーム腺疾患、角膜混濁、ドライアイ、睫毛重生、角膜輪部幹細胞不全、または角膜血管新生を患っている。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物の投与により、プラセボと比較して、対象の眼痛が軽減される。いくつかの実施形態では、対象の眼痛の軽減は、プラセボと比較して、VASスコアで測定した場合、少なくとも約3である。いくつかの実施形態では、投与により、プラセボと比較して、VASスコアで測定した場合、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、少なくとも約9、または少なくとも約10対象の眼痛が軽減される。いくつかの実施形態では、投与により、プラセボと比較して、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、または少なくとも約25%対象の疼痛が軽減される。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物の投与により、投与後約30分、投与後約1時間、約2時間、または投与後約2~4時間、VASスコアで測定した場合、プラセボと比較して、対象の疼痛が少なくとも約2軽減される。
いくつかの実施形態では、疼痛スコアの軽減は、化合物Iを対象に投与する前および投与した後の疼痛スコアの差に起因する。いくつかの実施形態では、VASによって測定される疼痛スコアの軽減は、化合物Iを対象に投与する前および投与した後の疼痛スコアの差に起因する。いくつかの実施形態では、疼痛スコアの軽減は、化合物Iを対象に投与してから約30分以内に生じる。いくつかの実施形態では、疼痛スコアの軽減は、化合物Iを対象に投与してから約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、または約6時間以内に生じる。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物の投与により、プラセボと比較して眼の充血(眼の赤み)が軽減される。特定の実施形態では、式Iの化合物の投与により、プラセボと比較してグレード1、グレード2、グレード3、またはグレード4充血が軽減される。
いくつかの実施形態では、投与により、マクモニースケールで少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、または少なくとも約5眼の充血スコアが軽減される。
したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、処置を必要とする対象における眼の充血を処置または軽減する方法であって、対象に、有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、多形体、もしくは共結晶を投与することを含む方法に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、眼の充血の処置における式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、または共結晶の使用を提供する。いくつかの実施形態では、投与により、マクモニースケールで少なくとも約1、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、または少なくとも約5眼の充血スコアが軽減される。いくつかの実施形態では、本発明は、処置を必要とする対象に、眼科的に適合する製剤中、約0.5%w/v~約3.5%w/vの濃度で式Iの化合物を投与することを提供する。いくつかの実施形態では、投与濃度は、約0.5%~約3.5%w/v、約0.5%~約2.5%w/v、約0.5%~約1.5%w/v、約0.5%~約3.0%w/v、約1.0%~約2.5%w/v、約1.5%~約3.0%w/v、約0.5%~約2.5%w/vの範囲である。特定の実施形態では、局所使用のための製剤中の式Iの化合物の濃度は、約0.5%w/v、約1.0%w/v、約1.5%w/v、約2.0%w/v、約2.5%w/v、約3.0%w/v、または約3.5%w/vである。いくつかの実施形態では、1回の投与当たりの眼当たりの投与量は、約0.15~約1.15mg、または約0.15mg、0.2mg、約0.25mg、0.3mg、約0.35mg、約0.4mg、約0.45mg、約0.5mg、約0.55mg、約0.6mg、約0.65mg、約0.7mg、約0.75mg、約0.8mg、約0.85mg、約0.9mg、約0.95mg、約1.0mg、約1.05mg、約1.1mg、または約1.15mgである。いくつかの実施形態では、1回の投与当たりの眼当たりの投与量は、約0.18mg、約0.37mg、約0.55mg、約0.74mg、または約0.92mgである。いくつかの実施形態では、眼当たりの1日の総投与量は、約0.5~約3.5mg、または約0.5mg、約1.0mg、約1.5mg、約2.0mg、約2.5mg、約3.0mg、または約3.5mgである。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、1日1回から6回、例えば、1日1回、2回、3回、または4回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、少なくとも約1カ月、少なくとも約2カ月、または少なくとも約3カ月の期間、対象に投与される。特定の実施形態では、式Iの化合物は、本明細書に記載の製剤で投与される。
いくつかの実施形態では、眼の充血は、ドライアイ疾患、シェーグレン症候群、結膜炎(流行性結膜炎、春季カタル、アレルギー性結膜炎を含む)、角膜上皮基底膜ジストロフィー、アカントアメーバ、線維筋痛症、マイボーム腺機能不全、甲状腺眼症、酒さ、眼瞼下垂、円錐角膜、眼痛症候群、スティーブン-ジョンソン症候群、角膜上皮症、角膜神経障害(レーシック誘発性角膜神経障害を含む)、角膜ジストロフィー(再発性角膜ジストロフィーを含む)、上皮基底膜ジストロフィー、角膜びらんもしくは擦過傷(再発性角膜びらんまたは擦過傷を含む)、眼表面疾患、眼瞼炎、移植片対宿主病、マイボーム腺炎、緑内障、結膜弛緩症、角膜症(角膜ヘルペス症、糸状角膜症、帯状または水疱性角膜症、露出性角膜症を含む)、角膜炎(単純ヘルペスウイルス角膜炎を含む)、虹彩炎、上強膜炎、角膜手術、多発性硬化症、睫毛乱生、翼状片、神経痛、眼球乾燥症の1つまたは複数、または神経栄養性角膜炎から回復中の患者と関連する。
いくつかの実施形態では、眼表面痛または慢性眼表面痛は、ドライアイ疾患に関連する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の投与により、ドライアイ疾患の症状が軽減される。ドライアイ疾患は、一般に、眼表面および涙腺の炎症、ならびに涙の質および/または量の減少を特徴とする、複雑で多因子性の状態であると理解されている。ドライアイ疾患患者の最大30%が、慢性であり得る眼表面痛を患っていると考えられている。したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、眼の乾燥、眼の不快感、眼の充血、眼の灼熱感または刺痛、ゴロゴロ感または異物感、または光恐怖症の1つまたは複数を含む、ドライアイ疾患の症状の少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、または少なくとも約30%が軽減される。
いくつかの実施形態では、本発明は、処置を必要とする対象におけるドライアイ疾患を処置する方法であって、対象に、有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、多形体、もしくは共結晶を投与することを含む方法に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、処置を必要とする対象におけるドライアイ疾患を処置する方法であって、対象に、有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、多形体、もしくは共結晶を投与することを含む方法に関し、ここで、式Iの化合物は、少なくとも2カ月、少なくとも3カ月、少なくとも4カ月、または少なくとも5カ月の期間にわたる投与に対して安全である。特定の実施形態では、本発明は、ドライアイ疾患の処置における、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは共結晶の使用を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、眼の乾燥、眼の不快感、眼の充血、眼の灼熱感または刺痛、ゴロゴロ感または異物感、または光恐怖症の1つまたは複数を含む、ドライアイ疾患の症状の少なくとも約10%が軽減される。いくつかの実施形態では、本発明は、処置を必要とする対象に、眼科的に適合する製剤中、約0.5%w/v~約3.5%w/vの濃度で、式Iの化合物を投与することを提供する。いくつかの実施形態では、投与濃度は、約0.5%~約3.5%w/v、約0.5%~約2.5%w/v、約0.5%~約1.5%w/v、約0.5%~約3.0%w/v、約1.0%~約2.5%w/v、約1.5%~約3.0%w/v、約0.5%~約2.5%w/vの範囲である。特定の実施形態では、局所使用のための製剤中の式Iの化合物の濃度は、約0.5%w/v、約1.0%w/v、約1.5%w/v、約2.0%w/v、約2.5%w/v、約3.0%w/v、または約3.5%w/vである。いくつかの実施形態では、1回の投与当たりの眼当たりの投与量は、約0.15~約1.15mg、または約0.15mg、0.2mg、約0.25mg、0.3mg、約0.35mg、約0.4mg、約0.45mg、約0.5mg、約0.55mg、約0.6mg、約0.65mg、約0.7mg、約0.75mg、約0.8mg、約0.85mg、約0.9mg、約0.95mg、約1.0mg、約1.05mg、約1.1mg、または約1.15mgである。いくつかの実施形態では、1回の投与当たりの眼当たりの投与量は、約0.18mg、約0.37mg、約0.55mg、約0.74mg、または約0.92mgである。いくつかの実施形態では、眼当たりの総1日投与量は、約0.5~約3.5mg、または約0.5mg、約1.0mg、約1.5mg、約2.0mg、約2.5mg、約3.0mg、または約3.5mgである。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、対象に1日1回から6回、例えば1日1回、2回、3回、または4回投与される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、対象に少なくとも約1カ月、少なくとも約2カ月、または少なくとも約3カ月の期間投与される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、本明細書に記載の製剤として投与される。
本明細書に記載された方法のいくつかの実施形態では、式Iの化合物の投与により、プラセボと比較して、最高矯正視力、細隙灯検査、散瞳検査、瞬き速度、涙液生成、眼圧または角膜染色の1つまたは複数において変化しない(例えば、5%未満の差、4%未満の差、または3%未満の差)。本明細書に記載された方法のいくつかの実施形態では、式Iの化合物の投与により、プラセボと比較して、処置を必要とする患者における創傷の治癒が遅延しない。
患者集団
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法によって処置される対象は、眼表面障害を患っている。眼表面障害の非限定的な例としては、慢性眼表面痛(COSP)、ドライアイ疾患、シェーグレン症候群、結膜炎(流行性結膜炎、春季カタル、アレルギー性結膜炎を含む)、角膜上皮基底膜ジストロフィー、アカントアメーバ、線維筋痛症、マイボーム腺機能不全、甲状腺眼症、酒さ、眼瞼下垂、円錐角膜、眼痛症候群、スティーブン-ジョンソン症候群、角膜上皮症、角膜神経障害(レーシック誘発性角膜神経障害を含む)、角膜ジストロフィー(再発性角膜ジストロフィーを含む)、上皮基底膜ジストロフィー、角膜びらんもしくは擦過傷(再発性角膜びらんまたは擦過傷を含む)、眼表面疾患、眼瞼炎、移植片対宿主病、マイボーム腺炎、緑内障、結膜弛緩症、角膜症(ヘルペス角膜症、糸状角膜症、帯状または水疱性角膜症、露出性角膜症を含む)、角膜炎(単純ヘルペスウイルス角膜炎を含む)、虹彩炎、上強膜炎、角膜手術、多発性硬化症、睫毛乱生、翼状片、神経痛、眼球乾燥症、または神経栄養性角膜炎から回復中の患者が含まれる。
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、急性眼表面痛などの眼表面痛を処置または軽減するためのものである。
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法は、慢性眼表面痛(COSP)などの眼表面痛を処置または軽減するためのものである。特定の態様では、COSPは、日常の通常の活動の妨げとなり得る、または妨げとなる可能性のある持続性の眼表面痛(例えば、持続性の重度の眼表面痛)として特徴づけられる。特定の態様では、COSPは生活の質の低下をもたらし、少なくとも1カ月、少なくとも2カ月、少なくとも3カ月、少なくとも4カ月、少なくとも5カ月、または少なくとも6カ月持続する可能性がある。いくつかの態様では、COSPは少なくとも約2カ月または少なくとも約3カ月持続する可能性がある。他の態様では、COSPは少なくとも3カ月または少なくとも4カ月持続する可能性がある。特定の態様では、COSPを有する対象は、基礎疾患(例えば、ドライアイ疾患またはシェーグレン症候群などの眼表面障害)に必要とされる他の治療を順守しているにもかかわらず、症状が残る。
いくつかの実施形態では、処置される対象は眼神経障害性疼痛(ONP)を患っている。ONPは、神経、例えば、角膜神経に影響を及ぼす損傷または疾患によって引き起こされる可能性のある眼痛の一連の障害である。ONPの症状には、眼痛、光過敏症、乾燥感、刺痛、異物感などの痛覚過敏または感覚異常(異常感覚)、通常は疼痛を伴わない刺激による疼痛(異痛症)のうちの1つまたは複数が含まれる可能性がある。ガバペンチンおよび他の神経障害性疼痛薬は、感覚神経刺激または神経刺激の知覚を鈍らせるために使用される可能性がある。
いくつかの実施形態では、処置される対象は、露出性角膜症を患っている。EKは、主に眼表面が外部環境に長時間さらされることで起こる角膜の損傷である。EKは、潰瘍、微生物性角膜炎、および瘢痕による永久的な視力喪失につながる可能性がある。EKのリスクがある患者には、角膜を保護する能力を妨げる状態、不完全な閉瞼(例えば、兎眼、眼球突出、眼瞼位置異常)、不十分な瞬き反射、不十分な瞬き速度(例えば、神経疾患、例えば、パーキンソン病、神経筋疾患によって引き起こされる)、および/または角膜の保護潤滑の低下を患っている者が含まれる。EKの症状には、異物感、灼熱感、涙液増加、および断続的なぼやけた視界(不安定な涙膜による)、疼痛、および羞明が含まれる。標準的な処置には、夜間の潤滑軟膏による頻繁な人工涙液の使用、涙点プラグなどがある。
いくつかの実施形態では、処置される対象は、角結膜炎を患っている。角結膜炎は、結膜と角膜の両方に影響を及ぼす炎症プロセスである。角膜の表在性炎症(角膜炎)は、例えば成人において、一般にウイルス性および細菌性結膜炎と関連して発生する。以下の種類の角結膜炎は、炎症の潜在的な原因に基づいて区別される:
・乾性角結膜炎は、乾燥による炎症によって引き起こされる;
・春季カタル(VKC)は、季節的に発生し、アレルゲンによると考えられる;
・アトピー性角結膜炎は、アトピーの一症状である;
・流行性角結膜炎またはアデノウイルス角結膜炎は、アデノウイルス感染によって引き起こされる;
・ウシ伝染性角結膜炎(IBK)は、モラクセラ・ボビス(Moraxella bovis)という細菌によって引き起こされるウシの病気である;
・ヒツジやヤギの結膜炎は、主にクラミドフィラ・ペコルム(Chlamydophila pecorum)によって引き起こされる;
・上縁角結膜炎は、機械的外傷によって引き起こされると考えられている;
・雪眼炎(アークアイ)は、光電性紫外線によって引き起こされる炎症を意味する。
いくつかの実施形態では、処置される対象は、ドライアイを患っている。本明細書で使用される用語「ドライアイ」は、不十分な涙液産生および/または異常な涙液組成を指す。ドライアイ症候群疾患(DEDS)は、ドライアイ症候群、乾性角結膜炎はもしくは乾性角膜炎、または涙液機能不全症候群、または灼熱眼症候群としても知られ、涙液層のいずれかの欠損によって生じる。ドライアイは、涙液および眼表面の多因子疾患であり、不快感、視覚障害、および眼表面への潜在的損傷を伴う涙膜の不安定性の症状を引き起こし、涙膜の恒常性の喪失によって特徴づけられ、涙膜不安定性および高浸透圧、眼表面の炎症および損傷、ならびに神経感覚異常が病因的役割を果たす眼症状を伴う(Craig JP, et al., The Ocular Surface 2017;15:276-83)。ドライアイは、涙膜の浸透圧上昇および眼表面の炎症を伴う場合がある。ドライアイ障害は、軽度から中等度、重度形態までの範囲にわたり得る。ドライアイ症候群の症状には、ゴロゴロ感、異物感、灼熱感、羞明、視力低下、流涙、刺痛、痒み、砂のような感じまたはゴロゴロする感じ、目脂、頻繁な瞬き、目脂による睫毛の固まりまたは凝固(通常、起床時に悪化)、充血、視界のぼやけまたは変動(読書、コンピューター、テレビ鑑賞、運転、またはビデオゲームをプレイ中に悪化)、光過敏症、眼痛および/または頭痛、眼瞼の重さ、眼精疲労などが含まれる。ドライアイ疾患の原因は、特発性、先天性無涙症、眼球乾燥症、涙腺切除、および除感覚神経;関節リウマチ、ウェゲナー肉芽腫症、および全身性エリテマトーデスを含む膠原病;シェーグレン症候群およびシェーグレン症候群に関連する自己免疫疾患;眼瞼炎または酒さによる脂質涙液層の異常;ビタミンA欠乏によるムチン涙液層の異常;トラコーマ、ジフテリア性角結膜炎;粘膜皮膚疾患;老化;更年期障害;ならびに糖尿病を含むが、これらに限定されない。本明細書で定義されるドライアイの徴候および/または症状は、長時間の視覚作業;コンピューターでの作業;乾燥した環境にいること;暖かいまたは冷たい風または空気の流れ;季節の変化;眼の刺激、コンタクトレンズ、レーシックおよび他の屈折矯正手術;疲労;およびイソトレチノイン、鎮静剤、利尿剤、三環系抗うつ剤、降圧剤、経口避妊薬、抗ヒスタミン剤、抗鼻閉薬、ベータ遮断薬、フェノチアジン、アトロピン、モルヒネなどの鎮痛性オピエートなどの薬剤を含むが、これらに限定されない他の状況によって引き起こされる場合もある。
ドライアイの診断試験には、例えば綿棒アプリケーター、より正確には、コシェ-ボネ知覚計を使用した角膜感覚の評価(重度および慢性のドライアイ疾患では角膜の知覚過敏および/または感覚低下が存在する可能性がある);例えば保存剤を含まない生理食塩水で湿らせたフルオレセイン含浸ストリップまたはフルオレセイン点眼を必要としないより客観的なコンピューター化された方法を使用した涙液破壊時間の測定;例えば、フルオレセインナトリウム、ローズベンガル、リサミングリーンによる眼表面染色の実施;シルマー試験の実施(軽度のドライアイ患者には比較的感度が低い);涙液クリアランスの遅延試験;涙液メニスカスの高さ;MMP-9レベルの測定(MMP-9はドライアイ疾患患者の涙液で増加することが示されており、中等度から重度のドライアイ患者においてレベルは検査所見と相関する)、涙液浸透圧および涙膜干渉分光法の測定;Sjo試験(血清中のSS-A(抗Ro)およびSS-B(抗La)自己抗体、唾液腺タンパク質1(SP-1)、炭酸脱水酵素6(CA6)、および耳下腺分泌タンパク質(PSP)、SP-1、CA、およびPSPの検出)の実施が含まれる。
初期処置として、人工涙液、潤滑軟膏、コルチコステロイド(例えば、ロテプレドノール0.5%点眼薬を1日4回)が使用される。処方薬には、シクロスポリン、リフィテグラスト、ジクアホソル、レバミピド、コルチコステロイド(例えば、ロテプレドノール0.5%点眼薬を1日4回)が含まれる。
「涙膜機能不全」という用語は、角膜および結膜の様々な場所で涙膜が壊れる状態を指し、刺激の症状だけでなく、不安定で断続的に変化する視力にもつながる。例えば、ドライアイ症候群疾患は涙膜機能不全によって特徴づけられる。涙膜機能不全の症状には、流涙、灼熱感、刺痛、痒み、砂のような感じまたはゴロゴロ感、擦過傷または異物感、目脂、頻繁な瞬き、目脂による睫毛の固まりまたは凝固(通常、起床時に悪化)、充血、視界のぼやけまたは変動(読書、コンピューター、テレビ鑑賞、運転、またはビデオゲームをプレイ中に悪化)、光過敏症、眼痛および/または頭痛、眼瞼の重さ、眼精疲労などが含まれる。
流行性角結膜炎としても知られるアデノウイルス性角結膜炎は、よく見られる、非常に伝染性の高い眼のウイルス感染症である。アデノウイルス性角結膜炎の臨床経過は、角膜の病変の有無にかかわらず、様々な強度の結膜炎を伴う急性期と、角膜混濁を伴う慢性期に分けられる。
春季カタル炎(VKC)は、激しい痒み、羞明、異物感、粘液分泌物(「ロピー(ropy)」と表現されることが多い)、眼瞼けいれん、および視界のぼやけからなる症状によって特徴づけられる外眼表面のアトピー性の状態である(Buckley, R.J., Int Ophthalmol Clin, 1988 28(4):p. 303-8;Kumar, S., Acta Ophthalmologica, 2009.87(2):p. 133-147)。一般には、左右対称であるが、非対称な性質を持つ場合もある。季節的に暑く乾燥した気候に、若年の男性に発症するのが特徴である。患者の23%は通年性である可能性がある(Kumar, S., Acta Ophthalmologica, 2009.87(2):p. 133-147;Bonini,S.,et al., Ophthalmology, 2000.107(6):p. 1157-63)。
VKCの徴候は、結膜徴候、輪部徴候、角膜徴候に分類できる。
・結膜徴候には、びまん性の結膜充血と、直径が1mmを超える孤立した上瞼巨大乳頭が含まれる。
・輪部徴候には、輪部結膜の肥厚および混濁、ならびにゼラチン状の外観を呈し、時には融合する輪部乳頭が含まれる。輪部周囲ホルナー-トランタス斑は、変性した上皮細胞および好酸球からなる局所的な白色輪部斑が含まれる(Buckley, R.J., Int Ophthalmol Clin, 1988.28(4):p. 303-8)。
・角膜徴候は疾患進行の重症度によって異なり、マクロびらん、角膜潰瘍および瘢痕が含まれる(Buckley, R.J., Int OphthalmolClin, 1988.28(4):p. 303-8)。
活動性VKC患者(検査時に羞明、上瞼結膜に乳頭、または輪部ホルナー-トランタス斑が明確に認識できるなど、中等度から重度の眼不快感があると定義)は、眼表面疾患の症状および徴候の有意な増加を示した。非活動性VKC患者(検査時に症状がない、または軽度の不快感があり、角膜異常がないと定義)は、羞明、結膜リサミングリーン染色およびシルマー試験値の上昇、ならびにフルオレセイン破壊時間(BUT)および角膜感度の低下を示した。この症候群は、あらゆる段階(活動期および静止期)で眼表面に影響を及ぼし、涙膜の安定性、上皮細胞の統合性、および角膜神経機能の異常が検出されると思われる(Villani E. et al., Medicine (Baltimore). 2015 Oct;94(42):e1648)。
以下の要因は、VKCにおいて役割を果たすと考えられている:肥満細胞の放出を介したIgE媒介反応、活性化好酸球、単核細胞、好中球、ならびにIL-4、IL-5、bFGFなどの免疫調節因子によるCD4Tヘルパー2誘導性IV型過敏症(Buckley, R.J., Int OphthalmolClin, 1988.28(4):p. 303-8; Kumar,S., Acta Ophthalmologica, 2009.87(2):p.133-147; LaRosa, M., et al., Ital J Pediatr, 2013.39:p.18)。
処置は、局所用抗ヒスタミン薬、非ステロイド性抗炎症薬またはコルチコステロイド、例えば、低吸収コルチコステロイド(フルオロメテロン、ロテプレドノール、レメキソロンなど)、眼科用肥満細胞安定剤(クロモグリク酸ナトリウム、ネドクロミルナトリウム、およびロドキサミド)、局所用シクロスポリンA、またはタクロリムスを伴う、症状の緩和に役立つ可能性のある冷湿布および眼瞼スクラブ、生理食塩水の点眼薬からなる。例えば、Oray, M. and E. Toker, Cornea, 2013.32(8):p. 1149-54; Vichyanond, P. and P. Kosrirukvongs, Curr Allergy Asthma Rep, 2013.13(3):p.308-14; Barot, RK et al., J Clin Diagn Res. 2016 June; 10(6):NC05-9; Wan Q et al., Ophthalmic Res. 2018;59(3):126-134を参照。
アトピー性角結膜炎(AKC)は、通常、20代から50代のより高齢で発症するが、それに反して、VKCは10歳未満で発症する。結膜病変は、古典的には、VKCでは上瞼板に、AKCでは下瞼板に現れる。AKCは、典型的には、より慢性的な性質を持ち、より一般的に角膜の瘢痕化や結膜瘢痕化を引き起こす。
シェーグレン症候群(ドライアイを伴うシェーグレン症候群)は、唾液腺や涙腺を含む外分泌腺の機能不全によって特徴づけられる慢性炎症性障害で、多くの場合、重度のドライアイを引き起こす。主な症状は、ドライアイ(乾性角膜炎または乾性角結膜炎)および口の乾燥(口腔乾燥症)である。重度のドライアイは、角膜痛、角膜瘢痕、潰瘍、感染症、さらには穿孔を引き起こす可能性がある。鑑別診断には、成人眼瞼炎、ドライアイ疾患、および若年性特発性関節炎、ブドウ膜炎、ならびに角膜症(例えば、点状表層角膜症、糸状角膜症、神経栄養性角膜症、露出角膜症)などの状態が含まれる。シェーグレン症候群の処置は、不足している涙液分泌の保存、増強、および/または補充を通した涙膜の完全性を維持することを目的としている。したがって、シェーグレン症候群の処置には、人工涙液および潤滑軟膏;自己血清点眼薬;経口オメガ6必須脂肪酸;液体換気式、ガス透過性強膜レンズ;局所コルチコステロイド;涙液排出を減らすための涙点閉鎖;小さな外側の瞼板縫合;環境の加湿;親水性保護レンズ;ブロムヘキシンおよび3-イソブチル1-メチルキサンチン(IBMX)(涙液産生/分泌の増強);ムスカリン受容体を刺激する薬剤(ピロカルピンおよびセビメリン)、免疫抑制剤、例えば、メトトレキサート、抗マラリア薬、シクロホスファミド、レフルノミド、または腫瘍壊死因子(TNF)、例えば、TNF-αに対するモノクローナル抗体であるインフリキシマブ;シクロスポリンA;保護コンタクトレンズが含まれる。
スティーブン-ジョンソン症候群(SJS)は、皮膚科の緊急事態、または全身表面積の10%未満の表皮および粘膜の水疱性病変の存在よって特徴づけられる重度の皮膚反応の一種である。SJSの初期症状には発熱やインフルエンザ様症状があり、胴体や顔面に斑状発疹の現れる前または同時に発生する可能性がある。病気が進行するにつれて、斑状発疹が癒着し、患部に水疱が生じ、最終的に表皮層が剥がれる。SJS-TENの急性期には、患者の80%に眼の病変が現れる。
高熱(>102.2)、倦怠感、関節痛、胴体、首、顔面の斑状発疹、および最近の新しい薬剤の使用歴、または既存の薬剤の最近の増量歴は、SJSの診断に使用される指標である。診断を確認するために、影響を受けた領域の皮膚生検を行うことができる。顆粒溶解素はSJSの診断のマーカーとして使用できる。水疱液内の顆粒溶解素の濃度は、SJSの急性期の重症度と相関している(Chung WH, et al. Nat Med. 2008;14(12):1343-50)。
SJSの眼の徴候には、結膜炎、結膜下出血、結膜下瘢痕、膜性結膜炎、結膜潰瘍、表在点状上皮びらん、上皮欠損、眼瞼縁潰瘍、眼瞼縁角化、眼瞼癒着、眼瞼下垂、睫毛乱生、前眼瞼炎、涙点自己閉塞、マイボーム腺疾患、角膜混濁、ドライアイ、睫毛重生、角膜輪部幹細胞不全、角膜血管新生が含まれる。SJSの眼の処置は、十分な潤滑を提供し上皮損傷を軽減するための生理食塩水点眼薬、保存剤を含まない人工涙液、および軟膏からなる。角膜または結膜上皮欠損のある患者は、予防的局所抗生物質、例えば、第4世代フルオロキノロンで処置される。軽度または中等度の眼の病変(眼瞼縁の1/3未満の病変、最大径で1cm未満の結膜欠損、角膜上皮欠損なし)を有する患者は、一般には、局所用モキシフロキサシン0.5%を1日4回、シクロスポリン0.05%を1日2回、および局所用ステロイド(酢酸プレドニゾロン1%を1日4回から8回、またはデキサメタゾン0.1%を1日2回)で処置される。重度または極めて重度の眼の病変(眼瞼縁の1/3を超える病変、1cm以上の結膜欠損、および角膜上皮欠損)の患者は、上記の処置に加えて羊膜(AM)移植手術を受ける。
いくつかの実施形態では、処置される対象は、角膜上皮症を患っている。角膜上皮症は、角膜上皮に関連する疾患、例えば、角膜上皮バリア機能の変化として現れる疾患である。
いくつかの実施形態では、処置される対象は角膜神経障害または角膜神経痛を患っている。角膜神経障害または角膜神経痛は、角膜の神経線維、感覚線維の損傷によって引き起こされる角膜痛に関連する障害である。角膜神経障害の例の1つは、レーシック誘発性角膜神経障害である。角膜神経障害は、一般に、ドライアイ検査によって特定および診断できた。原因とリスク要因はまだ明らかではないが、ドライアイ様症状、角膜の感度の増加、角膜神経の形態の変化はあるが、乾燥の徴候のない患者は、角膜神経障害を患っている可能性がある。
いくつかの実施形態では、処置される対象は、眼表面疾患または眼表面障害を患っている。用語「眼表面疾患」または「眼表面障害」は、異常な眼瞼構造または機能、異常または変化した涙液産生または組成、および関連する無症状の徴候を含む、様々な異常から生じる疾患実体ならびに関連症状を包含する。多くの疾患が眼表面障害を引き起こす可能性がある。眼表面障害を有する患者は、いくつかの疾患に共通する臨床徴候を示す可能性があり、慢性点状角膜症、糸状角膜症、再発性角膜びらん、細菌性結膜炎、培養陰性結膜炎、瘢痕性(瘢痕形成)結膜炎、持続性上皮欠損、感染性角膜炎、角膜融解および眼表面不全を含む。最も一般的な眼表面障害は、涙膜異常および/または眼瞼腺機能不全(「眼瞼炎」)に起因する。
いくつかの実施形態では、処置される対象は、神経栄養性角膜炎または神経栄養性角膜症を患っている。神経栄養性角膜炎または神経栄養性角膜症(NK)は、角膜の感度の低下または欠如によって特徴づけられる角膜変性疾患である。NKでは、三叉神経による角膜の神経支配が損なわれる。NKでは角膜の感覚神経支配が損なわれるため、患者は、通常、眼表面の症状を訴えない。しかし、不規則な上皮もしくは上皮欠損(PED)、瘢痕、または浮腫により、視野のぼやけが報告されることがある。NKは通常、「マッキー分類(Mackie classification)」に従って3つの異なるステージに分類される。ステージIIのNKは、最も一般的には角膜の上半分に生じる、再発性または持続性の上皮欠損によって定義される。ステージIIのNKで使用できる処置の1つに、局所神経成長因子(Nerve Growth Factor)が含まれる。患者は、典型的には、神経の再形成により、NGFによる処置中に疼痛を経験する。
いくつかの実施形態では、処置される対象は眼瞼炎を患っている。眼瞼炎は眼瞼縁の炎症状態であり、眼瞼縁の永久的な変化、または表層角膜症、角膜新生血管、および潰瘍による視力喪失につながる可能性がある。解剖学的位置に応じて、眼瞼炎は前部と後部に分けることができる。前部眼瞼炎は、眼瞼皮膚、睫毛の根元、および睫毛の毛包に影響を及ぼし、ブドウ球菌性眼瞼炎および脂漏性眼瞼炎の従来の分類を含む。後部眼瞼炎は、マイボーム腺および腺開口部に影響を及ぼし、主な原因はマイボーム腺機能不全である。慢性眼瞼炎の症状には、発赤、灼熱感、刺激、流涙、眼瞼の痂皮形成および固着、ならびに羞明および視野のぼやけ等の視覚の問題が含まれる場合がある。症状の長期管理には、毎日の眼瞼洗浄ルーティーンおよび感染および炎症を軽減する治療薬の使用が含まれる場合がある。処置には、バシトラシンまたはエリスロマイシンなどの局所または全身抗生物質;経口抗生物質、例えば、テトラサイクリン(テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン)もしくはマクロライド(エリスロマイシン、アジスロマイシン);局所ステロイド、例えば、コルチコステロイド、例えば、ロテプレドノールエタボネート、フルオロメトロン;トブラマイシン/デキサメタゾンもしくはトブラマイシン/ロテプレドノールなどの抗生物質およびコルチコステロイドの局所併用;局所用シクロスポリン0.05%が含まれる。
いくつかの実施形態では、処置される対象はマイボーム腺機能不全を患っている。マイボーム腺は、瞼板内部の眼瞼縁の全分泌型の外分泌腺であり、眼の涙膜の蒸発を防ぐ油性物質であるマイボームの供給を担っている。マイボーム腺機能不全(MGD)は、マイボーム炎、後眼瞼炎、またはマイボーム腺の炎症としても知られ、マイボーム腺の慢性の拡散性異常であり、一般に末端管閉塞および/または腺分泌物の質的/量的変化によって特徴づけられる(Nelson JD, et al., Invest Ophthalmol Vis Sci 2011;52:1930-7)。その結果、涙膜の変化、眼の刺激症状、臨床的に明らかな炎症、および眼表面疾患が生じる可能性がある。MGDはドライアイを引き起こすことが多く、眼瞼炎の一因となることもある。炎症を軽減するために、局所ステロイドおよび局所/経口抗生物質も処方されることがある。強力パルス光(IPL)処置、または熱と圧力を加えて腺を絞り出す他の機械的処置(例えば、LipiFlow)も、炎症を軽減し、患者の腺機能を改善することが示される。
いくつかの実施形態では、処置される対象は、移植片対宿主病を患っている。移植片対宿主病(GVHD)は、同種移植に特有の炎症性疾患である。移植された白血球がレシピエントの組織を攻撃する疾患であり、ドナーとレシピエントがHLA一致であっても発生する可能性がある。急性移植片対宿主病は、典型的には、移植後3カ月以内に発生し、皮膚、腸、または肝臓に影響を及ぼす可能性がある。プレドニゾンなどのコルチコステロイドが標準的な処置である。慢性移植片対宿主病も同種移植後に発症する可能性があり、晩期合併症の主な原因である。炎症に加えて、慢性移植片対宿主病は、強皮症または他の自己免疫疾患に類似した線維症または瘢痕組織の発生につながる可能性があり、機能障害を引き起こし、長期の免疫抑制療法が必要になる可能性がある。
いくつかの実施形態では、処置される対象は、眼移植片対宿主病を患っている。GVHDは、同種造血幹細胞移植を受けた患者に発生する。急性または慢性GVHDの患者に発生する可能性があるが、慢性型の患者に発生することが多い。慢性GVHD患者のおよそ40~90%に眼症状が現れる。眼徴候には、中等度から重度の乾性角結膜炎、両側性辺縁角膜炎、前部ブドウ膜炎、角膜潰瘍または新生血管形成が含まれ得る。処置には、保存剤を含まない人工涙液、自己血清涙液、および他の局所および全身免疫抑制処置を含む局所潤滑剤;全身ステロイド;局所用シクロスポリン0.5%が含まれる。
以下の実施例は、本発明の非限定的な実施形態を実証するために含まれている。
一般的な試験条件
各試験条件では以下の手順を採用した。
当業者であれば、X線回折パターンは、使用される測定条件に依存する測定誤差を伴って得られ得ることを理解するであろう。特に、X線回折パターンの強度は、使用される測定条件に応じて変動する可能性があることは一般に知られている。また、相対的な強度は、実験条件および使用されるX線放射の波長に応じて変化する可能性があることも理解すべきである。試料と参照との間の2シータ回折角の一致は、同じ結晶形態の場合0.2°以内であり、このような測定誤差の程度は、前述の回折角に関するものとして考慮されるべきである。したがって、本発明の結晶形態は、本明細書に開示される添付の図に示されたX線回折パターンと完全に同一のX線回折パターンを提供する結晶形態に限定されないことが理解されるべきである。添付の図に開示されるものと実質的に同一のX線回折パターンを提供する結晶形態はいずれも、本発明の範囲内である。X線回折パターンの実質的な同一性を確認する能力は、当業者の知識の範囲内である。
[実施例1]
式Iの化合物の調整
(S)-1-(6-フルオロ-5-((((1r,3S)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)アミノ)メチル)イソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオール(またはトランス-(S)-1-(6-フルオロ-5-(((3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)アミノ)メチル)イソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオール)および(R)-1-(6-フルオロ-5-((((1r,3R)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)アミノ)メチル)イソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオール(またはトランス-(R)-1-(6-フルオロ-5-(((3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)アミノ)メチル)イソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオール)の合成
ステップ1.1:6-フルオロ-8-(オキシラン-2-イル)イソキノリンの合成
NaH(1.0g、41.45mmol)および無水DMSO(40mL)の溶液に、室温で、トリメチルスルホキソニウムヨウ化物(8.3g、37.68mmol)を加え、30分間撹拌した。次いで、DMSO(20mL)に溶解した6-フルオロイソキノリン-8-カルバルデヒド(ステップ6.5、3.3g、18.84mmol)を室温で滴下した。5分後、反応物を氷水でクエンチし、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機部分を生理食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(12g SiliCycleカラム、ヘキサン中0~20%EtOAcで溶出)で精製して、6-フルオロ-8-(オキシラン-2-イル)イソキノリン(2.3g、64%)を得た。MS (ESI+) [方法6A]: m/z 190.1 (M+H); Rt 0.79分. 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 9.55 (s, 1H), 8.58 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 4.60 - 4.59 (m, 1H), 3.37 - 3.35 (m, 1H), 2.82 - 2.80 (m, 1H).
ステップ1.2:1-(6-フルオロイソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオールの合成
THF-HO(12mL、2:1v/v)中の6-フルオロ-8-(オキシラン-2-イル)イソキノリン(2.1g、11.11mmol)溶液に、室温でHSO(5mL)を滴下し、60℃で16時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO溶液で塩基性にし、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機部分を生理食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(12g SiliCycleカラム、CHCl中0~5%MeOHで溶出)で精製して、1-(6-フルオロイソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオール(1.6g、69%)を得た。MS (ESI+) [方法4A]: m/z 208.3 (M+H); Rt 0.40分. 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 9.49 (s, 1H), 8.49 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.67 - 7.63 (m, 2H), 7.35 (dd, J = 8.4, 1.8 Hz, 1H), 4.13 - 4.10 (m, 1H), 4.06 (dd, J = 12.6, 3.6 Hz, 1H), 3.76 (dd, J = 11.4, 3.6 Hz, 1H).
ステップ1.3:6-フルオロ-8-(2,2,3,3,8,8,9,9-オクタメチル-4,7-ジオキサ-3,8-ジシラデカン-5-イル)イソキノリンの合成
DMF(15mL)中の1-(6-フルオロイソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオール(1.5g、7.24mmol)およびイミダゾール(3.4g、50.68mmol)溶液に、TBDMS-Cl(5.4g、36.17mmol)を0℃で少しずつ加え、室温で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機部分を生理食塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(12g SiliCycleカラム、ヘキサン中0~10%のEtOAcで溶出)によって精製し、6-フルオロ-8-(2,2,3,3,8,8,9,9-オクタメチル-4,7-ジオキサ-3,8-ジシラデカン-5-イル)イソキノリン(2.7g、85%)を得た。MS (ESI+) [方法6A]: m/z 436.3 (M+H); Rt 2.15分. 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 9.59 (s, 1H), 8.52 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.55 (dd, J = 10.2, 1.8 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 9.0, 2.4 Hz, 1H), 5.54 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 3.87 - 3.85 (m, 1H), 3.77 - 3.74 (m, 1H), 0.92 (s, 9H), 0.90 (s, 9H), 0.13 (s, 6H), 0.09 (s, 6H).
ステップ1.4:6-フルオロ-8-(2,2,3,3,8,8,9,9-オクタメチル-4,7-ジオキサ-3,8-ジシラデカン-5-イル)イソキノリン-5-カルバルデヒドの合成
標題化合物をステップ6.8の手順に従って調製した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(40g SiliCycleカラム、ヘキサン中0~15%のEtOAcで溶出)によって精製し、6-フルオロ-8-(2,2,3,3,8,8,9,9-オクタメチル-4,7-ジオキサ-3,8-ジシラデカン-5-イル)イソキノリン-5-カルバルデヒド(2.0g、62%)を得た。MS (ESI+) [方法4A]: m/z 464.4 (M+H); Rt 1.77分. 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 9.57 (s, 1H), 8.50 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.54 (dd, J = 7.8, 2.4 Hz, 1H), 7.32 (dd, J = 9.0, 2.4 Hz, 1H), 5.53 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 3.87 - 3.84 (m, 1H), 3.76 - 3.73 (m, 1H), 0.89 (s, 9H), 0.75 (s, 9H), 0.12 (s, 6H), -0.05 (s, 6H).
ステップ1.5:(1r,3r)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-N-((6-フルオロ-8-(2,2,3,3,8,8,9,9-オクタメチル-4,7-ジオキサ-3,8-ジシラデカン-5-イル)イソキノリン-5-イル)メチル)シクロブタン-1-アミンの合成
標題化合物をステップ1.4に記載の手順に従って、(1r,3r)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブタン-1-アミン、HCl(ステップ1.3、1.0g、3.50mmol)および6-フルオロ-8-(2,2,3,3,8,8,9,9-オクタメチル-4,7-ジオキサ-3,8-ジシラデカン-5-イル)イソキノリン-5-カルバルデヒド(1.46g、3.15mmol)を使用して合成した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(24g SiliCycleカラム、CHCl中0~5%のMeOHで溶出)で精製し、(1r,3r)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-N-((6-フルオロ-8-(2,2,3,3,8,8,9,9-オクタメチル-4,7-ジオキサ-3,8-ジシラデカン-5-イル)イソキノリン-5-イル)メチル)シクロブタン-1-アミン(1.5g、62%)を得た。MS(ESI+)[方法6A]:m/z 697.3(M+H);室温1.63分。
ステップ1.6:(S)-1-(6-フルオロ-5-((((1r,3S)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)アミノ)メチル)イソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオールおよび(R)-1-(6-フルオロ-5-((((1r,3R)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)アミノ)メチル)イソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオールの合成
THF(25mL)中の(1r,3r)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)-N-((6-フルオロ-8-(2,2,3,3,8,8,9,9-オクタメチル-4,7-ジオキサ-3,8-ジシラデカン-5-イル)イソキノリン-5-イル)メチル)シクロブタン-1-アミン(1.5g、2.15mmol)の溶液に、0℃でTBAF溶液(THF中1M)(5.4mL、5.38mmol)を滴下し、2時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機部分を生理食塩水溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(24g SiliCycleカラム、CHCl中0~10%のMeOHで溶出)によって精製し、1-(6-フルオロ-5-((((1r,3r)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)アミノ)メチル)イソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオール(1.0g、98%)を得た。MS (ESI+) [方法6A]: m/z 469.2 (M+H); Rt 1.29分. 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 9.57 (s, 1H), 8.52 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 7.22 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 7.05 - 7.01 (m, 2H), 5.58 - 5.56 (m, 1H), 4.85 - 4.82 (m, 1H), 4.17 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 3.86 - 3.82 (m, 1H), 3.78 - 3.74 (m, 1H), 3.60 - 3.57 (m, 1H), 2.36 - 2.33 (m, 4H).
ラセミ体のキラル分取HPLC(カラム:CHIRALPAK IG(250mm×20mm);移動相:ヘキサンおよびIPA:MeOH(1:1);均一濃度:60/40;流量:15mL/分)により、(S)-1-(6-フルオロ-5-((((1r,3S)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)アミノ)メチル)イソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオールが白色固体ピーク1(395mg、40%):キラルHPLC:99%(Rf 7.840分、カラム;CHIRALPAK-IG(150mm×4.6mm)、5.0μ、移動相:n-ヘキサンおよびEtOH、均一濃度:80/20;流量:1mL/分)。MS (ESI+) [方法1A]: m/z 469.2 (M+H); Rt 1.29分. 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 9.57 (s, 1H), 8.53 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 8.13 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 7.23 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 7.06 - 7.01 (m, 2H), 5.59 - 5.56 (m, 1H), 4.85 - 4.82 (m, 1H), 4.19 (s, 2H), 3.87 - 3.83 (m, 1H), 3.78 - 3.74 (m, 1H), 3.60 - 3.57 (m, 1H), 2.37 - 2.34 (m, 4H);および(R)-1-(6-フルオロ-5-((((1r,3R)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)アミノ)メチル)イソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオールの白色固体ピーク2(345mg、35%)キラルHPLC:97%(Rf 17.481分;カラム:CHIRALPAK-IG(150mm×4.6mm)、5.0μ;移動相:n-ヘキサンおよびEtOH;均一濃度:80/20;流量:1mL/分)。MS (ESI+) [方法3A]: m/z 469.0 (M+H); Rt 1.25分. 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 9.57 (s, 1H), 8.53 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 8.13 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 7.23 (t, J = 9.6 Hz, 1H), 7.06 - 7.01 (m, 2H), 5.59 - 5.56 (m, 1H), 4.85 - 4.82 (m, 1H), 4.18 (d, J = 1.2 Hz, 2H), 3.87 - 3.83 (m, 1H), 3.78 - 3.74 (m, 1H), 3.60 - 3.57 (m, 1H), 2.37 - 2.34 (m, 4H).実施例1は非晶質の形態で単離された。
[実施例2]
結晶形態A
化合物Iは実施例1に記載のとおりに調整した。結晶形態Aは以下:
に示す異性体から得られた。
多形研究のための出発物質をアセトニトリルから再結晶化し、水で洗浄した。この物質約28gを500mlのアセトニトリルに懸濁し、55℃に加熱して透明な溶液を得た。溶液を1時間以内に徐々に50℃に冷却し、さらに3時間等温に保った。少量の固体沈殿物が形成され、スターラーのパドルに付着した。混合物をさらに5時間以内に25℃に冷却し、50℃でさらに3時間保ち、次いで10℃に冷却して5時間保った。得られた固体を吸引濾過により単離し、真空下で50℃で4時間乾燥させた。淡黄色の固体が約70%の収率で得られた。
約13.8gの形態Aを700mLの水に懸濁し、25℃で6時間撹拌した。混合物を濾過し、固体を750mLの水に再懸濁した。この工程を4回繰り返した。残留塩化物をイオンクロマトグラフィーで確認した。固体を回収し、真空下50℃で5時間乾燥させた。12.8gのオフホワイトの固体が92.7%の収率で得られた(純度:99.6%)。
kg規模での形態Aの製造:反応器に2.8kgの化合物I、10.8kgのエタノール、および8.54kgの水を入れ、透明な溶液が得られるまで53℃に加熱した。溶液を0.45μmのろ布で濾過し、結晶化装置に移して溶液を40℃に冷却した。17.1gの形態Aシードをシステムに導入し、懸濁液を40℃で4時間保持した。10.7kgの水を4時間かけて導入し、懸濁液を3時間保持した。懸濁液を3時間で20℃に冷却し、次いで、20℃で4時間保持した。その後、懸濁液を濾過し、3.8kgのエタノールおよび1.5kgの水の混合物で洗浄した。次いで、湿ったケーキを真空下で60℃で12時間乾燥させて、2.64kgの化合物Iの結晶形態Aを得た。
25℃の溶液からの形態Aの調製:約100mgの化合物Iを0.5mlの溶媒と25℃で28日間撹拌下で平衡化した。溶液を濾過し、空気中で10分間乾燥させた。これらの条件下で様々な溶媒で化合物Iを沈殿させて、形態Aを得た。
60℃の高温飽和溶液からの形態Aの調製:約100~300mgの化合物I(または飽和を確実にするのに適切な量)を、約60℃で最少量の溶媒に溶解した。溶液を撹拌下でゆっくりと周辺温度に冷却した。
室温まで冷却しても懸濁液が得られなかった場合、または懸濁液が軽すぎて分析に十分な量の物質を採取できなかった場合は、サンプルを5℃で少なくとも5日間、または-20℃で少なくとも72時間保管した。
溶液を濾過し、空気中で10分間乾燥させた。これらの条件下で様々な溶媒中で化合物Iを沈殿させて、形態Aを得た。
反貧溶媒(reverse antisolvent)添加による形態Aの調製:化合物Iのほぼ飽和した溶液を、激しく撹拌しながら過剰な貧溶媒に加えた。すぐに沈殿が生じなかった場合は、混合物を室温で最大24時間撹拌し続けた。多形形態を調べるために、沈殿物を供した。
結晶形態AのX線粉末回折パターンを図1に示し、ピークリストを表4に示す。
溶媒への溶解性:化合物Iは、アセトン、1,4-ジオキサン、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メタノール、2-メチル-2-ブタノール、テトラヒドロフラン、ならびに1-プロパノール/水(98.5:1.5)、2-プロパノール/水(96:4)、およびメタノール/水(78:22)の溶媒混合物を含む多くの溶媒に25mg/mLを超える溶解度で溶解する。化合物Iは、アセトニトリル、ジクロロメタン、メチル-tert-ブチルエーテル、ニトロメタンには難溶性である(1~25mg/ml)。トルエンおよびヘプタンには、化合物Iはわずかに溶ける(<1mg/ml)。
化合物Iは、水、メタノール/水(33:67、42:58)などの水性流体中で4℃で平衡化した場合、2週間後および4週間後に水和物を形成することは観察されなかった。
熱調査:化合物I形態Aは、融点が130.3℃で、融解エンタルピーが90J/gであることから、高結晶性の物質であることがわかる(図2)。加熱速度を変えた場合、融点はわずか0.3%、エンタルピーは約3%しか変化しなかった。溶融物を冷却して再加熱すると、非晶質物質のガラス転移が40℃で見られ、等圧熱容量が0.54J/g/K変化した。
TGAを用いて、形態Aの乾燥減量は130℃で0.13%であると判定された(図3)。形態Aを92%RHに24時間露出しても変化は見られなかった。
化合物I形態AはDVSによってわずかに吸湿性を示し、95%RHでおよそ0.4%の水蒸気を吸収したが、固体状態に変化はなかった。さらに、圧縮後の形態Aの形状変化は観察されなかったが、わずかなピークの広がりが観察されただけだった。さらに、形態Aは乾式粉砕および水とエタノールによる湿式造粒下で形状変化を示さなかった(図4)。
[実施例3]
化合物1(実施例1)の生物学的活性
TRPV1阻害の測定
ヒトTrpV1受容体を発現するようにトランスフェクトされたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(本明細書では、CHO-huTrpV1細胞を指す)を、10%ウシ胎児血清(Invitrogen #26140-079)、1%抗生物質/抗真菌剤(Invitrogen #15240-062)、および500ug/mLジェネテシン(ThermoFisher Scientific #1031035)を添加したF-12ハム栄養混合培地(HyClone SH30026.01)で培養した。細胞は、5%COの37℃インキュベーターでT-75フラスコで培養した。細胞は、安定した成長を維持するために、1:10~1:20の比率で週2回継代培養した。実験では、細胞をおよそ80%の集密度で収穫し、384ウェル黒色細胞培養プレート(cat#781091、Greinier Bio-One Inc.)に20μlの培地でウェル当たり15,000個の細胞を播種し、一晩培養した。
CHO-huTrpV1細胞におけるカルシウム流入を検出するためのFLIPRカルシウムアッセイ
ローディングダイは、カルシウム6アッセイキット(分子プローブ、#R8190)の指示に従って調製した:ボトルBから10mlバッファーをボトルAの1バイアル(-20℃から室温に適応)に加えてよく混合し、次いで2.5mMの新鮮な調整したプロベネシドを加えてよく混合した。20μl/ウェルのローディングダイを細胞の上部に加え、37℃で1時間30分インキュベートした。
アッセイバッファーの調製:1×HBSS、2mMHEPES、2.5mMの新鮮な調製したプロベネシドを加えた0.1%BSA(Invitrogen、#P36400)。384ウェル透明プレート(cat#782281、GreinerBio-one)中の25μl/ウェルのアッセイバッファーを、バッファーディストリビューター(Thermo ScientificのMultidrop ComBi)を用いて分注した。化合物は384Echoプレート(cat#LPL0200、Labcyte)にあり、化合物の開始濃度は10mMで、次いで100%DMSOで1~3段階希釈した(8ul/ウェル)。125nlの化合物を、Echo(登録商標)555 Liquid Handler(Labcyte)を使用して、25μl/ウェルバッファーを含む384ウェルプレートに移し、化合物濃度が最終濃度の5倍になるようにした。プレートを40rpm/分で10分間ゆっくり振盪して混合した。10μlのバッファー中の5倍濃度の化合物を、Vertical Pipetting Station 384ST(Agilent Technologies)を使用して細胞プレート(細胞20μlおよび染料20μlを含む)に移した。アッセイバッファー中のNADA(N-アラキドニルドーパミン、cat#A8848、Sigma)を最終濃度の6倍に調製し、384ウェル透明プレートに30μL/ウェルで分配した。
化合物をローディングダイとともに細胞プレートに添加した後、10~15分以内に、細胞プレートおよびNADAを含むプレートをFLIPR(蛍光イメージングプレートリーダー)装置(Tetra System、Molecular device)に配置した。TRPV1受容体は、ウェル当たり10μlのNADAの適用によって刺激された。化合物の拮抗作用の可能性に対する効果を試験するために、EC80濃度で2.5μM NADAを使用した。
アンタゴニストのIC50値(NADAに対する反応を50%阻害するアンタゴニストの濃度)を決定するために、少なくとも10種類のアンタゴニスト濃度を3回繰り返して測定した。アンタゴニスト存在下での反応は、NADAに対する対照反応のパーセンテージとして計算され、アンタゴニストの濃度に対してプロットされた。IC50は、HELIOS(PROD2)システムによるシグモイドロジスティック曲線への非線形回帰分析によって推定された。これらの値は、少なくとも3回の独立した実験について平均化された(平均値および平均値の標準誤差)。
本明細書で引用されているすべての刊行物および特許文献は、そのような刊行物または文書が各々本明細書に参照により組み込まれていることが具体的かつ個別に示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれている。本発明およびその実施形態について詳細に説明している。しかし、本発明の範囲は、本明細書に記載されるいかなる工程、製造物、物質の組成、化合物、手段、方法、および/またはステップの特定の実施形態を限定することを意図していない。本発明の趣旨および/または本質的な特徴から逸脱することなく、開示された材料に様々な修正、置換、および変更を加えることができる。したがって、当業者であれば、本発明から、本明細書に記載される実施形態と実質的に同じ機能を実行するか、または実質的に同じ結果を達成する、後の修正、置換、および/または変更が、本発明の関連する実施形態に従って利用できることが容易に理解されるであろう。したがって、以下の特許請求の範囲は、本明細書に開示された工程、製造物、物質の組成、化合物、手段、方法、および/またはステップに対する修正、置換、および変更をその範囲内に包含することを意図している。特許請求の範囲は、その効果が明記されていない限り、記載された順序または要素に限定されるものとして解釈されるべきではない。添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、形式および詳細に様々な変更を加えることができることを理解されたい。

Claims (28)

  1. 以下の構造
    を有する、1-(6-フルオロ-5-((((1r,3r)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ)シクロブチル)アミノ)メチル)イソキノリン-8-イル)エタン-1,2-ジオール(化合物I)の結晶形態。
  2. 以下の構造を有する、請求項1に記載の化合物Iの結晶形態。
  3. 結晶形態Aを有する、請求項2に記載の化合物Iの結晶形態。
  4. 14.3、14.8、および21.8±0.2°2θから選択される2θの値に3つ以上のピークを有するX線回折パターンによって特徴づけられる、請求項1~3のいずれか一項に記載の式Iの化合物の結晶形態。
  5. 12.5、14.3、14.8、21.8、および22.6±0.2°2θから選択される2θの値で3つ以上のピークを有するX線回折パターンによって特徴づけられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物Iの結晶形態。
  6. 12.5、14.3、14.8、20.1、21.8、22.6、および23.2±0.2°2θから選択される2θの値に3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、または7つ以上のピークを有するX線回折パターンによって特徴づけられる、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物Iの結晶形態。
  7. 図1に示されるX線回折パターンによって特徴づけられる、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物Iの結晶形態。
  8. 図2に示される示差走査熱量測定パターンによって特徴づけられる、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物Iの結晶形態。
  9. 約131.5℃で吸熱を示すDSCサーモグラムによって特徴づけられる、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物Iの結晶形態。
  10. 熱重量分析により測定された約0.13重量%の水分喪失によって特徴づけられる、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物Iの結晶形態。
  11. 熱重量分析により測定された130℃で約0.13重量%の水分喪失によって特徴づけられる、請求項10に記載の化合物Iの結晶形態。
  12. 溶媒中の化合物Iの高温飽和溶液を冷却し、化合物Iを結晶形態Aとして結晶化することを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物Iの結晶形態Aを調製する方法。
  13. 前記溶液を約0℃~約25℃の温度に冷却する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記溶媒がアセトン、アセトニトリル、ジクロロメタン、エタノール、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルtert-ブチルエーテル、アセトン/ヘプタン、およびメタノール/水からなる群から選択される、請求項12または13に記載の方法。
  15. 溶媒中の化合物Iの溶液から形態Aを結晶化することを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物Iの結晶形態Aを調製する方法。
  16. 前記溶液は飽和している、請求項15に記載の方法。
  17. 前記形態Aが約25℃の温度で結晶化される、請求項15~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記溶媒がアセトン、アセトニトリル、ジクロロメタン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、2-メチル-2-ブタノール、およびメチルtert-ブチルエーテルからなる群から選択される、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記溶媒が、水/メタノール、水/1-プロパノール、および水/2-プロパノールの混合物からなる群から選択される、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。
  20. 請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物Iの結晶形態Aを調製する方法であって、溶媒中の化合物Iの溶液に貧溶媒を添加することを含む、方法。
  21. 前記溶媒がアセトン、ジオキサン、エタノール、酢酸エチル、メタノール、2-メチル-2-ブタノール、およびテトラヒドロフランからなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記貧溶媒が、水、ヘプタン、およびトルエンからなる群から選択される、請求項20または請求項21に記載の方法。
  23. 請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物Iの結晶形態を含む組成物。
  24. 実質的に純粋な形態の化合物Iの結晶形態Aを含む組成物。
  25. 眼表面痛の処置用の医薬の製造における、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物Iの結晶形態の使用。
  26. 眼表面障害の処置用の医薬の製造における、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物Iの結晶形態の使用。
  27. 医薬製剤の調製における、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物Iの結晶形態の使用。
  28. 請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物Iの結晶形態を含む医薬製剤を調製する方法であって、眼への使用、例えば、眼表面への局所適用のために処方された眼科的に許容される担体に前記化合物Iの結晶形態を溶解することを含む、方法。
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