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JP2025093369A - 5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の製造法 - Google Patents

5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の製造法 Download PDF

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JP2025093369A JP2023208974A JP2023208974A JP2025093369A JP 2025093369 A JP2025093369 A JP 2025093369A JP 2023208974 A JP2023208974 A JP 2023208974A JP 2023208974 A JP2023208974 A JP 2023208974A JP 2025093369 A JP2025093369 A JP 2025093369A
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bis
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一平 渡
Ippei Watari
正孝 牧野
Masataka Makino
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】5-スルホイソフタル酸残基が共重合された使用済ポリエステル、より具体的には5-スルホイソフタル酸残基が共重合された廃棄衣料を原料として5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を製造する技術を提供すること。
【解決手段】5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルをエチレングリコール液中で解重合し、未反応エチレングリコールを除去後、解重合溶液に対して100重量%以上4000重量%以下の水を投入し、2℃以上30℃以下に調製後に固形物を除去して5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を含む水溶液を得たのち、水を蒸発させ5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を製造する方法によって解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステルを原料として5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を製造する方法に関する。
現代の経済社会は大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会システムで維持されてきたが、天然資源の枯渇や資源採取に伴う自然破壊、温室効果ガス排出による温暖化現象や海面上昇等の環境に対する様々な悪影響が確認されてきた。そのため、限りある資源を効率良く利用して持続ある成長を続けていくため、廃棄物の発生を極力抑え、発生した廃棄物は環境に負荷を与えないように再利用や再資源化する循環型社会システムの構築が必要不可欠となってきている。
循環型社会システムを実現する技術として、廃プラスチックを原料モノマー単位まで分解・精製し、得られたモノマーから廃棄前と同品質なプラスチック材料を再生するケミカルリサイクル技術に注目が集まっている。安価で衣料品として好適な物性を示すポリエステルについてもケミカルリサイクルによる再生が期待されており、加水分解やグリコール分解によってポリエステルから原料モノマー単位であるテレフタル酸あるいはビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを得る技術が検討されている。
しかしながら、ポリエステルに含まれるポリエチレンテレフタレート以外の共重合成分、例えばイソフタル酸残基や5-スルホイソフタル酸残基をモノマー単位に再生回収する技術については十分な検討が進んでいない。特に、ポリエステルに共重合することで水溶性、易加水分解性の付与や4級アンモニウム型カチオン染料での鮮やかな染色が可能となる5-スルホイソフタル酸残基をモノマー単位に再生回収し、再び共重合モノマーとして使用可能な品位に精製する技術が求められている。現在のところ、廃棄ポリエステルを原料として色調良好な5-スルホイソフタル酸モノマー、特にポリエステルとの共重合性に優れる5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)およびその金属塩を製造する有力な技術はなく、ナフサを原料として石油化学工業的手法で製造されているのみである(特許文献1~3)。
特開平7-206805号公報 特開2000-136178号公報 特開2011-132157号公報
上記特許文献1~3の方法では、ナフサを熱分解して得られるm-キシレンをクロム酸で酸化させイソフタル酸とした後、発煙硫酸と接触させることで5-スルホイソフタル酸を得る。5-スルホイソフタル酸はポリエチレンテレフタレートへの共重合性に乏しいため、5-スルホイソフタル酸はさらに金属水酸化物で中和された後、メタノール下、高温高圧条件で反応させ5-スルホイソフタル酸ジメチル金属塩を得、さらに、エチレングリコール下、高温常圧条件で反応させ純度が50%以上70%未満の5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)金属塩を得る。上記手法は反応プロセス数が多く反応条件も厳しいことから、石油原料を消費するだけでなく製造過程における消費エネルギーも多く環境負荷の面で好ましくない。
本発明の目的は上記従来技術の問題点を解決可能な手法として、5-スルホイソフタル酸残基が共重合された使用済ポリエステル、より具体的には5-スルホイソフタル酸残基が共重合された廃棄繊維、布片、布帛、衣料を原料として5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を製造する技術を提供することにある。
上記課題は、本発明である、5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルをエチレングリコール液中で解重合し、未反応エチレングリコールを除去後、解重合溶液に対して100重量%以上4000重量%以下の水を投入し、2℃以上30℃以下に調製後に固形物を除去して5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を含む水溶液を得たのち、水を蒸発させ5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を製造する方法、によって解決される。
本発明によれば、石油化学工業的手法を用いることなく、5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルから5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を純度65重量%以上100重量%以下で得ることができる。本発明の方法により得られる回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩をポリエチレンテレフタレートに共重合させることで、新たに石油資源を消費することなくポリエステルへ水溶性、易加水分解性、4級アンモニウム型カチオン染料への染色性等を付与することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において「Aおよび/またはB」とは、A、Bのどちらか、もしくはAとBの両方を有することを意味する。
本発明は、5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルをエチレングリコール液中で解重合し、未反応エチレングリコールを除去後、解重合溶液に対して100重量%以上4000重量%以下の水を投入し、2℃以上30℃以下に調製後に固形物を除去して5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を含む水溶液を得たのち、水を蒸発させ5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を製造する方法に関するものである。
なお、本発明における5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルとは、ポリエステル分子鎖中のジカルボン酸残基の一部が5-スルホイソフタル酸、5-スルホイソフタル酸の金属塩、5-スルホイソフタル酸の4級アンモニウム化合物塩に由来するポリエステルを意味する。
5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルの形態は限定されないが、回収や解重合の容易さから使用済の廃棄繊維、布片、布帛、衣料であることが好ましく、一般的に5-スルホイソフタル酸残基の含有量が多く5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を収率よく製造できる点から、400~800nmに吸光度を示す4級アンモニウム型カチオン染料で染色された廃棄共重合ポリエチレンテレフタレート繊維、布片、布帛、衣料であることがより好ましい。
5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルに含まれる5-スルホイソフタル酸残基量は、5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を収率よく製造できる点から、全ジカルボン酸残基量に対する5-スルホイソフタル酸残基量が1.0モル%以上であることが好ましく、2.0モル%以上であることがより好ましい。また、5-スルホイソフタル酸残基量が増加するとポリエステルが脆化し繊維製品の製造が困難になる点から、4級アンモニウム型カチオン染料で染色された廃棄共重合ポリエチレンテレフタレート衣料に含まれる5-スルホイソフタル酸残基量は10.0モル%以下であることが一般的である。
5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルの組成は特に限定されないが、ジカルボン酸残基として、5-スルホイソフタル酸残基のほかにテレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族カルボン酸残基、アジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族カルボン酸残基を含んでいてもよく、繊維強度に優れ一般的に流通量が多い点から5-スルホイソフタル酸残基とテレフタル酸残基の2成分で構成されていることが好ましい。ジオール残基として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール等のアルキレングリコール残基、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール残基を含んでいてもよく、繊維強度に優れ一般的に流通量が多い点からエチレングリコール残基とポリエチレングリコール残基の2成分で構成されていることが好ましく、得られる5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の純度が向上する点からエチレングリコールのみで構成されていることがより好ましい。
本発明では、5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルをエチレングリコール液中で解重合する工程を経ることが必須である。5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルをエチレングリコール液中で解重合することで、5-スルホイソフタル酸残基を5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩、あるいは4級アンモニウム化合物塩へ変換する。
5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルをエチレングリコール液中で解重合するに際して、解重合反応を促進するため解重合温度は160℃以上が好ましく、180℃以上がより好ましく、エチレングリコールの沸点近傍である195℃以上がさらに好ましい。さらに反応を促進するため、密閉下で200℃以上に設定してもよい。得られる5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩、あるいは4級アンモニウム化合物塩のビス(2-ヒドロキシエチル)構造の変性を防ぐため、解重合温度は220℃以下が好ましく、210℃以下がより好ましい。
5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルをエチレングリコール液中で解重合するに際して、解重合反応を促進するため、エチレングリコールの添加量はポリエステル中に含まれる全ジカルボン酸残基のモル量の2等量以上であることが好ましく、3等量以上であることがより好ましく、4等量以上であることがさらに好ましく、5等量以上であることが最も好ましい。後の工程で実施する未反応エチレングリコールの除去効率を向上させるため、エチレングリコールの添加量はポリエステル中に含まれる全ジカルボン酸残基のモル量の17等量以下が好ましく、15等量以下がより好ましく、13等量以下がさらに好ましく、11等量以下が最も好ましい。
5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルをエチレングリコール液中で解重合するに際して、解重合反応を促進するため、金属水酸化物を投入することが好ましい。特に、ポリエステル中の5-スルホイソフタル酸残基量が2モル%を超える場合、金属水酸化物が未添加では解重合が進行しない。添加する金属水酸化物の金属種は特に限定されないが、最終的に得られる5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)金属塩をポリエステルへ共重合させた際のゲル化を抑制できる点から、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのいずれかであることが好ましく、水酸化ナトリウムが最も好ましい。金属水酸化物の添加量は、解重合反応を促進するためポリエステルの重量に対して500ppm以上が好ましく、5000ppm以上がより好ましい。最終的に得られる5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の純度を向上させる点から、金属水酸化物の添加量は50000ppm以下が好ましく、5000ppm以下がより好ましい。
本発明では、5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルをエチレングリコール液中で解重合した後、未反応エチレングリコールを除去する工程を経ることが必須である。未反応エチレングリコールを除去したうえで、次工程である水の添加工程に進むことで、最終的に得られる5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の収率が向上する。
未反応エチレングリコールを除去するに方法としては減圧留去が好ましい。減圧留去効率を高めるため、減圧留去温度は80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、120℃以上がさらに好ましい。一方、5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩、あるいは4級アンモニウム化合物塩と、その他のジカルボン酸ビス(2-ヒドロキシエチル)化合物との再縮合を抑制するため、減圧留去温度は180℃以下が好ましく、160℃以下がより好ましく、140℃以下がさらに好ましい。
また、減圧留去効率を高めるため、減圧度は留去装置内部を絶対圧として3000Pa以下とすることが好ましく、2500Pa以下が好ましく、1500Pa以下がより好ましく、1000Pa以下がさらに好ましく、500Pa以下が最も好ましい。一方、5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩、あるいは4級アンモニウム化合物塩と、その他のジカルボン酸ビス(2-ヒドロキシエチル)化合物との再縮合を抑制するため、減圧度は50Pa以上が好ましく、100Pa以上がより好ましい。
本発明では、5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルをエチレングリコール液中で解重合し、未反応エチレングリコールを除去後、解重合溶液に対して水を投入し固形物を除去する工程を経ることが必須である。解重合溶液に対して水を投入し、その後に固形物を除去することで難水溶性のジカルボン酸ビス(2-ヒドロキシエチル)化合物を除去でき、一方、5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩は水溶性であり水溶液中へ回収可能であるため、最終的に得られる5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の純度および収率が向上する。
解重合溶液に対して水を投入するに際して、最終的に得られる5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の純度を向上させる点から、投入する水量は解重合溶液に対して100重量%以上であることが必須であり、300重量%以上であることがより好ましく、500重量%以上であることがさらに好ましく、1000重量%以上であることが非常に好ましく、2000重量%以上であることが特に好ましく、3000重量%以上であることが最も好ましい。一方、後の工程で実施する水の除去効率を向上させるため、投入する水量は解重合溶液に対して4000重量%以下であることが必須である。なお、本発明では解重合溶液を水へ投入する方法を採用してもよい。
解重合溶液に対して水を投入後、最終的に得られる5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の純度を向上させる点から、固形物を除去する前に液温を30℃以下に調製することが必須であり、15℃以下に調製することがより好ましく、5℃以下に調製することがさらに好ましい。一方、液の凍結を抑制する点から、液温は2℃以上であることが必須である。また、水を投入後に液温を80℃以上98℃以下に調製して解重合物の水溶液とした後、2℃以上30℃以下へ冷却し、生成した固形物を除去する工程としてもよい。一度、80℃以上98℃以下に調製することで、最終的に得られる5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の収率を向上させることができる。
解重合溶液へ水を投入後に固形物を除去するに際して、固形物の除去法は特に限定されないが、フィルター分離あるいは遠心分離を実施することが好ましい。フィルター分離を実施する場合、ポリエステル中に含まれる顔料や難水溶性のジカルボン酸ビス(2-ヒドロキシエチル)化合物を除去し5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の純度を向上させる点から、フィルター最大孔径は50μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、4μm以下がさらに好ましく、1μm以下が最も好ましい。
本発明では、4級アンモニウム型カチオン染料で染色された廃棄共重合ポリエチレンテレフタレート衣料を原料とした場合、解重合溶液へ水を投入後に固形物を除去して得られる水溶液中には、4級アンモニウム型カチオン染料および5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)と4級アンモニウム型カチオン染料がイオン結合した5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)の4級アンモニウム化合物塩が含まれる。最終的に得られる5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の色調を良好にするため、5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)とイオン結合した4級アンモニウム型カチオン染料を乖離させ、さらには4級アンモニウム型カチオン染料を水溶液中から除去する工程を実施してもよい。4級アンモニウム型カチオン染料を水溶液中から除去する工程としては陽イオン交換処理の実施が好ましい。
陽イオン交換処理後の水溶液は5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)が主な溶質であり強酸性を示す。水溶液の取り扱い性を改善する目的のほか、最終的に得られる5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)を金属塩の構造としポリエステルへの共重合性を向上させる目的で、水溶液に金属水酸化物を投入する中和処理を実施してもよい。添加する金属水酸化物の金属種は特に限定されないが、最終的に得られる5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)金属塩をポリエステルへ共重合させた際のゲル化を抑制できる点から、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのいずれかであることが好ましく、水酸化ナトリウムが最も好ましい。金属水酸化物は、得られる5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)金属塩のビス(2-ヒドロキシエチル)構造の変性を防ぐため、水溶液のpHが6以上7以下となるよう添加することが好ましい。
本発明では、5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を含む水溶液を得たのち、水を蒸発させ除去する工程の実施が必須である。ポリエステルを改質する目的で5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を共重合させるに際して、水溶液の形態で添加するとポリエステル中に異物が生成し、繊維成形性が著しく悪化するためである。
本発明で得られる回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)金属塩は、金属塩であればその金属種は限定されないが、5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)金属塩をポリエステルへ共重合させた際のゲル化を抑制できる点から、5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)リチウム、5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)ナトリウム、5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)カリウムのいずれかであることが好ましく、5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)ナトリウムであることが最も好ましい。
本発明で得られる回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩は、ポリエステルを改質する目的で5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を共重合させるに際して共重合ポリエステルの色調が良好となる点から、色調L*値が90以上であることが好ましく、色調L*値が91以上であることがより好ましく、92以上であることがさらに好ましく、93以上であることが最も好ましい。なお、純度100%の5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の色調L*値が95を超えることはない。また、回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩は、ポリエステルを改質する目的で共重合させるに際して共重合ポリエステルの色調が良好となる点から、色調b*値は-5以上5以下であることが好ましく、0以上5以下であることがより好ましく、0以上3以下であることがさらに好ましく、0以上2以下であることが特に好ましく、0以上1以下であることが最も好ましい。
本発明に記載の5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩とは純度65%以上100%以下のものを意味する。ポリエステルを改質する目的で5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を共重合させるに際して共重合ポリエステルの繊維成形性を損なわないため、純度70%以上であることが好ましく、純度80%以上であることがより好ましく、純度90%以上であることがさらに好ましく、純度95%以上であることが最も好ましい。
本発明で得られる回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩は、5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の脱水反応により副生した5-スルホイソフタル酸および/またはその金属塩を不純物として含んでいてもよい。ポリエステルを改質する目的で5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を共重合させるに際して共重合ポリエステルの繊維成形性を大きく損なわないため、5-スルホイソフタル酸および/またはその金属塩の含有量は合計10重量%以下であることが好ましく、2重量%以下であることがより好ましく、1重量%以下であることがさらに好ましく、0重量%であることが最も好ましい。
本発明で得られる回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩は、ポリエステルの解重合過程で混入するアルキレングリコールおよび/またはその縮合体を不純物として含んでいてもよい。ポリエステルを改質する目的で5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を共重合させるに際して共重合ポリエステルの色調を良好に保つ点から、アルキレングリコールおよび/またはその縮合体の含有量は合計10重量%以下であることが好ましく、8重量%以下であることがより好ましく、1重量%以下であることがさらに好ましく、0%であることが最も好ましい。
本発明で得られる回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩は、ポリエステルの解重合過程で混入するビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを不純物として含んでいてもよい。ポリエステルを改質する目的で5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を共重合させるに際して共重合量のブレを抑制する観点から、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートの含有量は合計10重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがより好ましく、3重量%以下であることがさらに好ましく、0重量%であることが最も好ましい。
本発明で得られる回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩は、廃棄共重合ポリエチレンテレフタレート衣料に由来する、400~800nmに吸光度を示す4級アンモニウム型カチオン染料を不純物として含んでいてもよい。ただし、4級アンモニウム型カチオン染料を多量に含むと色調が大きく変動する点から、回収物の1.0重量%溶液を吸光強度測定した際に得られる400~800nmに吸光度を示す4級アンモニウム型カチオン染料に由来する吸光強度面積が0.40以下であることが好ましく、0.08以下がより好ましく、0が最も好ましい。
本発明で得られる回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩は、ポリエステルを改質するための共重合モノマーとして好適に用いることができる。共重合するポリエステルの組成は限定されないが、繊維成形性を損なうことなく4級アンモニウム型カチオン染料可染性を付与できる点からポリエチレンテレフタレートへ共重合することが想定される。
回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を共重合したポリエステル樹脂は、任意の方法によって合成できる。例えば、以下に示す一般的な共重合ポリエチレンテレフタレートの合成方法と同様の工程を用いることができる。ポリエチレンテレフタレートはテレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化反応によってテレフタル酸のグリコールエステルおよび/またはその低重合体を生成させる第一段階の反応、そして第一段階の反応生成物を重合触媒の存在下で減圧加熱し、所望の重合度となるまで重縮合反応を行う第二段階の反応によって合成でき、回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を第一段階の反応開始時から第二段階の反応終了前の任意の段階で添加することで共重合させることができる。
また、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを原料として重合触媒の存在下で減圧加熱し、所望の重合度となるまで重縮合反応を行う方法でポリエチレンテレフタレートを製造するに際して、回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を反応終了までの任意の段階で添加することで共重合させてもよい。この場合、添加物中にジカルボン酸ジメチルエステル化合物が存在すると、共重合ポリエチレンテレフタレートを製造するに際して副生するエチレングリコールを回収、再利用するに際してメタノールが不純物として混入し好ましくないことから、回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩はジカルボン酸ジメチルエステル化合物を実質的に含まないことが好ましい。
特に、本発明で得られる回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を、ポリエチレンテレフタレートを解重合した回収ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを原料として得られる再生ポリエチレンテレフタレートの改質モノマーとして活用することで、100%再生共重合ポリエチレンテレフタレートを製造することが可能となる。
回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を共重合したポリエステル樹脂、例えば再生共重合ポリエチレンテレフタレートは加熱溶融成型が可能であり、溶融成形して繊維にすることで、一般衣料用途、スポーツ衣料用途、寝具用途、インテリア用途に好適に用いることができる。
A.原料ポリエステルの組成分析
原料ポリエステルの組成(ジカルボン酸残基/ジオール残基の種類・含有量)分析は、核磁気共鳴装置(NMR、日本電子株式会社製「AL-400」)を用い、重溶媒として1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール-D2(重水素化HFIP)を用い、重溶媒1mLに対し測定サンプル50mgのサンプル濃度で積算回数128回として測定、算出した。
B.原料ポリエステル中の4級アンモニウム型カチオン染料由来吸光強度面積測定
水と1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)の混合溶媒(1:4)を作成し、この混合溶媒によりポリエステル濃度が1.0重量%の溶液を調製した。ポリエステルが溶解し難いときは、混合溶媒作成する前にHFIPに溶解させたのち水を添加した。
ポリエステル溶液を作成後、株式会社日立ハイテクサイエンス製分光光度計U3010を用い、波長スキャンモードにて400~800nmの吸光光度を測定し、吸光強度の面積値A(波長1nm毎の吸光強度の積算値)を算出した。なお、吸光強度が大きすぎて測定不可となる場合、ポリエステル濃度が0.1重量%となるように溶液を希釈して再測定し、波長1nm毎の吸光強度の積算値の10倍の値を吸光強度の面積値Aとした。
次にポリエステル溶液に洗浄済の陽イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製“アンバーライト”IR120B(H))を溶液の20重量%投入し24時間静置後、陽イオン交換樹脂を取り除き、再度、株式会社日立ハイテクサイエンス製分光光度計U3010を用い、波長スキャンモードにて400~800nmの吸光光度を測定し、吸光強度の面積値B(波長1nm毎の吸光強度の積算値)を算出した。
本発明では、上記により得られた吸光強度面積値Aから吸光強度面積Bを引いた値を原料ポリエステル中の4級アンモニウム型カチオン染料由来吸光強度面積と定義した。
C.回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の純度および不純物分析
回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の純度および不純物(種類・含有量)分析は、核磁気共鳴装置(NMR、日本電子株式会社製「AL-400」)を用い、重溶媒として1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール-D2(重水素化HFIP)を用い、重溶媒1mLに対し測定サンプル50mgのサンプル濃度で積算回数128回として測定、算出した。
D.回収5-スルホイソフタル酸成分の合計収率測定
原料として投入したポリエステル中の 5-スルホイソフタル酸残基のモル量Xを実施例Aの測定結果より算出した。具体的には、実施例Aの測定により、全ジカルボン酸残基に対する5-スルホイソフタル酸残基のモル分率に加え、1g当たりのポリエステル重量に占める5-スルホイソフタル酸残基のモル量x(mol/g)が算出される。モル量xに原料投入重量W1を乗ずることで投入したポリエステルに含まれる5-スルホイソフタル酸残基のモル量Xが算出できる。
回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)およびその金属塩、および不純物として含まれる5-スルホイソフタル酸およびその金属塩の合計モル量Yを実施例Cの結果より算出した。具体的には、実施例Cの測定により、1gあたりの回収物に占める5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩、および5-スルホイソフタル酸および/またはその金属塩の合計モル量y(mol/g)が算出される。モル量yに回収物の重量W2を乗ずることで回収物に含まれる5-スルホイソフタル酸成分のモル量Yが算出できる。
モル量Yをモル量Xで除して100を掛けた値を回収5-スルホイソフタル酸成分の収率とした。
E.回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩に不純物として含まれる4級アンモニウム型カチオン染料に由来する吸光強度面積測定
水と1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)の混合溶媒(1:4)を作成し、この混合溶媒により5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の濃度が1.0重量%の溶液を調製した。
調製溶液を、株式会社日立ハイテクサイエンス製分光光度計U3010を用い、波長スキャンモードにて400~800nmの吸光光度を測定し、吸光強度の面積値C(波長1nm毎の吸光強度の積算値)を算出した。なお、吸光強度が大きすぎて測定不可となる場合、回収物濃度が0.1重量%となるように溶液を希釈して再測定し、波長1nm毎の吸光強度の積算値の10倍の値を吸光強度の面積値Cとした。
次に回収物溶液に洗浄済の陽イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製アンバーライトIR120B(H))を溶液の20重量%投入し24時間静置後、陽イオン交換樹脂を取り除き、再度、株式会社日立ハイテクサイエンス製分光光度計U3010を用い、波長スキャンモードにて400~800nmの吸光光度を測定し、吸光強度の面積値D(波長1nm毎の吸光強度の積算値)を算出した。
本発明では、上記により得られた吸光強度面積値Cから吸光強度面積Dを引いた値を回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩に不純物として含まれる4級アンモニウム型カチオン染料に由来する吸光強度面積と定義した。
F.回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の色調測定
ミノルタ製分光測色計CM-3700d型にて黒色校正板をバックに試料を設置し、色調L*値およびa*値、b*値を測定した。
[実施例1]
5-スルホイソフタル酸ナトリウム残基を全ジカルボン酸残基に対して10.0モル%含む未染色共重合ポリエチレンテレフタレート布帛を2~5cm角に裁断した。2Lの4口フラスコに裁断した共重合ポリエチレンテレフタレート布帛を300g入れ、さらにエチレングリコールを970g、水酸化ナトリウムを1.5g添加し、撹拌しながら200℃にて2時間解重合を実施した。解重合溶液を120℃に調製し、200Paまで減圧し未反応エチレングリコールを2時間かけて留去した。
得られた解重合溶液420gを2Lビーカーに移し替え80℃に調製し、5℃に調整した1250mLの水を投入し、全体の液温が5℃となるよう2時間かけて冷却した。得られた固形物を含む水溶液を最大孔径が4μm径の濾紙を用いて濾過し、溶質の主成分が5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)ナトリウムである水溶液を得た。得られた水溶液を水浴温度60℃に設定したエバポレーターにて濃縮処理して水を除去し、回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)ナトリウムを得た。
[実施例2~7]
水の投入量を表1に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様に実施し、回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)ナトリウムを得た。
[実施例8~11]
水を投入量後の液温を表1に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様に実施し、回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)ナトリウムを得た。
なお、実施例11については水を投入し液温を一時的に80℃とした後、2時間かけて5℃へ冷却した。
Figure 2025093369000001
[実施例12~14]
解重合条件を表2に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様に実施し、回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)ナトリウムを得た。
[実施例15~17]
原料として用いる共重合ポリエチレンテレフタレート中に含まれる5-スルホイソフタル酸残基量を表2に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様に実施し、回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)ナトリウムを得た。
[実施例18]
原料として用いる共重合ポリエチレンテレフタレート中に含まれる4級アンモニウム型カチオン染料に由来する吸光強度面積値を表2に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様に実施し、回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)ナトリウムを得た。
[実施例19、20]
原料として用いる共重合ポリエチレンテレフタレート中に含まれる4級アンモニウム型カチオン染料に由来する吸光強度面積値を表2に記載のとおり変更し、得られた水溶液をエバポレーターにて濃縮する前に、陽イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製“アンバーライト”IR120B(H))を水投入前の解重合溶液重量の10重量%投入して3時間吸着処理を実施後、陽イオン交換樹脂を取り除き、水溶液のpHが7となるように水酸化ナトリウムを投入した以外は実施例1と同様に実施し、回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)ナトリウムを得た。
[実施例21]
原料として用いる共重合ポリエチレンテレフタレートをポリエチレングリコール残基がポリマー重量に対して1重量%含む共重合ポリエチレンテレフタレートに変更した以外は実施例18と同様に実施し、回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)ナトリウムを得た。
Figure 2025093369000002
[比較例1]
水の投入量を表3に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様に実施し、回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)ナトリウムを得た。
水の投入量が不足しているため、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートの混入量が増加し、5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の純度が低下した。
[比較例2、3]
水を投入量後の液温を表3に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様に実施し、回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)ナトリウムを得た。
液温の冷却が不足しているため、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートの混入量が増加し、5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の純度が低下した。
[比較例4]
未反応エチレングリコールの除去工程を実施せず、エバポレーターにて水を60℃で濃縮除去後にエチレングリコールを85℃で濃縮除去した以外は実施例1と同様に実施し、回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)ナトリウムを得た。
固形物除去工程における溶媒が水とエチレングリコールの混合溶媒となったことでビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートの混入量が増加し、5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の純度が低下した。
[比較例5]
未反応エチレングリコールの除去工程と水の除去工程を実施せず、エチレングリコール溶液の状態で5℃まで冷却して固形物を除去し、エバポレーターにてエチレングリコールを85℃で濃縮除去した以外は実施例1と同様に実施し、回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)ナトリウムを得た。
固形物除去工程における溶媒がエチレングリコールとなったことでビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートの混入量が増加し、5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の純度が低下した。
Figure 2025093369000003
本発明によれば、5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルから色調に優れる5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を得ることができ、再生高機能ポリエステル繊維・繊維製品の製造において有用である。

Claims (9)

  1. 5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルをエチレングリコール液中で解重合し、未反応エチレングリコールを除去後、解重合溶液に対して100重量%以上4000重量%以下の水を投入し、2℃以上30℃以下に調製後に固形物を除去して5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を含む水溶液を得たのち、水を蒸発させ5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を製造する方法。
  2. 5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルが、400~800nmに吸光度を示す4級アンモニウム型カチオン染料で染色された共重合ポリエチレンテレフタレート布帛または衣料である請求項1に記載の方法。
  3. 5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルが、全ジカルボン酸残基に対して5-スルホイソフタル酸残基を1.0モル%以上10.0モル%以下含むポリエステルである請求項1に記載の方法。
  4. 5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルをエチレングリコール液中で解重合するに際して、金属水酸化物をポリエステル重量に対し500ppm以上50000ppm以下の範囲で投入して解重合を実施することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を得る方法であって、以下の工程(1)~(3)からなる方法。
    (1)5-スルホイソフタル酸残基が共重合されたポリエステルを180℃以上210℃以下のエチレングリコール液中で解重合する工程
    (2)(1)で得た解重合溶液からエチレングリコールを80℃以上120℃以下の温度範囲で減圧留去した後、(a)または(b)の工程で溶質の70%以上100%以下が5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の水溶液を得る工程
    (a)エチレングリコールを留去した解重合溶液へ、解重合溶液に対して100重量%以上4000重量%以下の水を投入し、液温を2℃以上30℃以下に調製した後、生成した固形物を除去する工程
    (b)エチレングリコールを留去した解重合溶液へ、解重合溶液に対して100重量%以上4000重量%以下の水を投入し、液温を80℃以上98℃以下に調製して解重合物の水溶液とした後、2℃以上30℃以下へ冷却し、生成した固形物を除去する工程
    (3)工程(2)で得た水溶液から水を留去し、純度70%以上100%の5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)を得る工程
  6. 請求項5に記載の5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩を得る方法であって、工程(2)で得られた水溶液に対して陽イオン交換処理を実施後、金属水酸化物を投入して中和処理を実施する、方法。
  7. 回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩であって、純度が70重量%以上100重量%以下の範囲であり、色調L*値が90以上95以下、b*値が-5以上5以下である回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩。
  8. 回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩であって、ジカルボン酸ジメチルエステル化合物を実質的に含まず、純度が70重量%以上100重量%以下であり、不純物として5-スルホイソフタル酸および/またはその金属塩を合計0%以上10%以下、アルキレングリコールおよび/またはその縮合体を合計0%以上10%以下、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを0%以上10%以下の範囲で含み、回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩の1.0重量%溶液を吸光強度測定した際に得られる400~800nmに吸光度を示す不純物の4級アンモニウム型カチオン染料に由来する吸光強度面積が0以上0.4以下の範囲である回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩。
  9. 請求項7または8に記載の回収5-スルホイソフタル酸ビス(2-ヒドロキシエチル)および/またはその金属塩に由来する5-スルホイソフタル酸残基を共重合成分として含む再生ポリエステル組成物または繊維。
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