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JP2019137769A - 熱可塑性樹脂組成物および成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物および成形品 Download PDF

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JP2019137769A JP2018021856A JP2018021856A JP2019137769A JP 2019137769 A JP2019137769 A JP 2019137769A JP 2018021856 A JP2018021856 A JP 2018021856A JP 2018021856 A JP2018021856 A JP 2018021856A JP 2019137769 A JP2019137769 A JP 2019137769A
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智之 平野
Tomoyuki Hirano
智之 平野
山下 太郎
Taro Yamashita
太郎 山下
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Abstract

【課題】靱性と耐熱性と表面平滑性に優れた熱可塑性樹脂組成物および成形品を提供すること。【解決手段】炭素数1〜10のアルキル基を有するアクリル酸エステル系単量体(a)97〜99.5重量%と多官能性単量体(b)0.5〜3重量%を共重合して得られるアクリル系ゴム質重合体(A)20〜70重量部の存在下に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、場合によりそれらと共重合可能な単量体からなる単量体混合物(B)80〜30重量部をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(I)25〜40重量部と、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、場合によりそれらと共重合可能な単量体を共重合してなるビニル系共重合体(II)25〜45重量部と、耐熱ビニル系樹脂(III)25〜35重量部を配合してなり、(I)(II)(III)の合計100重量部に対して、炭素数16〜18のアルコール(IV)0.1〜1重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は靱性と耐熱性と表面平滑性に優れた熱可塑性樹脂組成物及び成形品に関するものである。
ジエン系ゴム質重合体、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、メタクリル酸エステル系単量体などを重合してなるABS樹脂は、耐衝撃性、成形性、外観などに優れ、OA機器、家電製品、一般雑貨などの種々の用途に幅広く利用されている。しかし、ABS樹脂は重合体の主鎖中に化学的に不安定な二重結合を多く有するため、紫外線などによって劣化しやすく、耐候性に劣るため屋外での使用に難点があった。
そのため、主鎖中に二重結合を有しない飽和ゴム重合体を使用する方法が提案されており、その代表的なものにアクリル系ゴムを使用したASA樹脂が多く知られ、車両用途を中心に広く使用されている。その用途の一つである車両用ランプハウジングでは近年、有機溶剤が環境に与える問題や製造工程の合理化のためアンダーコート処理工程の省略(いわゆるダイレクト蒸着)や、軽量化のための製品形状の薄肉化が行われているため、良好な靱性と耐熱性と表面平滑性(表面光沢)を有する材料が求められている。
特許文献1では特定のアクリル系ゴム質重合体が凝集構造を有することで流動性や耐候性、耐衝撃性に優れる樹脂組成物を提供する方法が提案され、特許文献2ではアクリル系ゴム質重合体を含む樹脂組成物のオリゴマー成分を低減することにより光沢性と耐衝撃性と流動性に優れる樹脂組成物を提供する方法が提案されている。また特許文献3ではアクリル系ゴム質重合体に炭素数1〜30のアルコールを配合することで押出成形時の未溶融物による突起物の発生を抑制する方法が提案されている。しかしながら、靱性と耐熱性と表面平滑性は十分ではなく、更なる改良が求められている。
WO2015/119040 WO2011/108486 特開平4−325542
本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解消し、靱性と耐熱性と表面平滑性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
このような課題を解決するため鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂組成物中に炭素数16〜18のアルコールを配合することで靱性と耐熱性と表面平滑性に優れた樹脂組成物が得られるという知見を見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、炭素数1〜10のアルキル基を有するアクリル酸エステル系単量体(a)97〜99.5重量%と多官能性単量体(b)0.5〜3重量%を共重合して得られる、アクリル系ゴム質共重合体(A)20〜70重量部の存在下に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、場合によりそれらと共重合可能な単量体からなる単量体混合物(B)80〜30重量部をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(I)25〜40重量部と、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、場合によりそれらと共重合可能な単量体を共重合してなるビニル系共重合体(II)25〜45重量部と、耐熱ビニル系樹脂(III)25〜35重量部を配合してなり、(I)(II)(III)の合計100重量部に対して、炭素数16〜18のアルコール(IV)0.1〜1重量部を配合してなる靱性と耐熱性と表面平滑性に優れた熱可塑性樹脂組成物。
本発明により、靱性と耐熱性と表面平滑性に優れる熱可塑性樹脂組成物が得られ、これらの特性を必要とする屋外で使用する製品や住宅建材用途や自動車用途などに利用することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、アクリル系ゴム質重合体(A)を構成するアクリル酸エステル系単量体(a)成分としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸オクチルなどが挙げられ、特にアクリル酸n−ブチルが好ましい。
アクリル系ゴム質重合体(A)を構成する多官能性単量体(b)成分としては、メタクリル酸アリル、エチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレートなどが挙げられ、特にメタクリル酸アリルが好ましい。
アクリル系ゴム質重合体(A)の共重合比率は、アクリル酸エステル系単量体(a)97〜99.5重量%、多官能性単量体(b)0.5〜3重量%であり、より好ましくはアクリル酸エステル系単量体(a)98〜99重量%、多官能性単量体(b)1〜2重量%である。この共重合比率の範囲を外れた場合、アクリル系ゴム質共重合体(A)のゲル膨潤度やグラフト共重合体(I)のグラフト率が好ましい範囲から外れることがあり、その結果、靱性や表面平滑性が低下することがある。
アクリル系ゴム質重合体(A)の重合方法としては、乳化重合法、懸濁重合法、連続塊状重合法及び溶液連続重合法などの任意の方法を用いることができるが、好ましい重合方法は乳化重合法又は塊状重合法である。なかでも、体積平均粒子径を制御しやすく、重合時の除熱による制御のしやすさから乳化重合法が最も好ましい。
乳化重合法に用いる乳化剤は特に制限はなく、各種界面活性剤を使用できるが、カルボン酸塩型、硫酸エステル塩型及びスルホン酸塩型などのアニオン系界面活性剤が特に好ましく使用される。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、カプリル酸塩、カプリン酸塩、ラウリル酸塩、ミスチリン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、リノール酸塩、リノレン酸塩、ロジン酸塩、ベヘン酸塩、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩縮合物、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩などが挙げられる。ここで言う塩とは、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩、などが挙げられる。これらの乳化剤は、1種又は2種以上を併用して使用される。
重合に用いる開始剤は特に制限はなく、過酸化物又はアゾ系化合物及び過硫酸塩などが使用される。
過酸化物の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルイソプロピルカルボネート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオクテート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロへキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロへキサン及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどが挙げられる。
アゾ系化合物の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、1,1’−アゾビスシクロヘキサン−1−カーボニトリル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、1−t−ブチルアゾ−2−シアノブタン、2−t−ブチルアゾ−2−シアノ−4−メトキシ−4−メチルペンタンなどが挙げられる。
過硫酸塩の具体例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
これらの開始剤は、1種又は2種以上を併用して使用される。なかでも乳化重合には、過硫酸カリウム、クメンハイドロパーオキサイドなどが好ましく用いられ、また、開始剤はレドックス系でも用いることができる。
アクリル系ゴム質共重合体(A)の体積平均粒子径は0.1〜0.3μmが好ましく、さらに好ましくは0.15〜0.25μmである。この範囲を外れた場合は、熱可塑性樹脂組成物の靱性や表面平滑性が低下することがある。
アクリル系ゴム質共重合体(A)のトルエン中のゲル膨潤度とゲル含有率は本発明の目的を阻害しない範囲で特に制限されない。典型的にはゲル膨潤度は10倍以上が好ましく、さらに好ましくは12倍以上であり、トルエン中のゲル含有率は80〜100%が好ましく、さらに好ましくは85〜95%である。この範囲である場合は、靱性および表面平滑性に優れる熱可塑性樹脂組成物を得やすい。
本発明において使用するグラフト共重合体(I)は、アクリル系ゴム質共重合体(A)20〜70重量部、好ましくは30〜60重量部の存在下に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、場合によりそれらと共重合可能な単量体からなる単量体混合物(B)30〜80重量部、好ましくは40〜70重量部をグラフト重合して得られる。この組成範囲を外れた場合、靱性と表面平滑性のバランスが悪化することがある。
単量体混合物(B)を構成する芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレンなどが挙げられ、特にスチレンが好ましい。なお、これらは1種又は2種以上用いることができる。
単量体混合物(B)を構成するシアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどが挙げられ、特にアクリロニトリルが好ましい。なお、これらは1種又は2種以上用いることができる。
単量体混合物(B)を構成する場合がある共重合可能な他の単量体は、本発明の効果を損なわないものであれば特に制限はなく、具体的には、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体、不飽和脂肪酸、アクリルアミド系単量体、マレイミド系単量体などから選択することができる。なお、これらは1種又は2種以上用いることができる。
不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸クロロメチルなどが挙げられる。
不飽和脂肪酸の具体例としては、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ブテン酸、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。アクリルアミド系単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミドなどが挙げられる。
マレイミド系単量体の具体例としては、N−メチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどが挙げられる。
単量体混合物(B)の混合比率は芳香族ビニル系単量体が60〜80重量%、シアン化ビニル系単量体が20〜40重量%、その他共重合可能な単量体が0〜20重量%の範囲が好ましい。
グラフト共重合体(I)の重合方法としては、乳化重合法、懸濁重合法、連続塊状重合法及び溶液連続重合法などの任意の方法を用いることができるが、好ましい重合方法は乳化重合法又は塊状重合法である。なかでも、重合時の除熱による制御のしやすさから乳化重合法が最も好ましい。
グラフト共重合体(I)の乳化重合法で使用する乳化剤はアクリル系ゴム質重合体(A)と同様の界面活性剤が使用できる。また、重合開始剤もアクリル系ゴム質重合体(A)と同様の重合開始剤が使用できる。
グラフト共重合体(I)の重合度及びグラフト率調整を目的として、メルカプタン、テルペンなどの連鎖移動剤を使用することも可能であり、その具体例としては、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−オクタデシルメルカプタン、及びテルピノレンなどが挙げられる。これら連鎖移動剤が使用される場合は、1種又は2種以上を併用して使用される。なかでも、n−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンが好ましく用いられる。
乳化重合で製造されたグラフト共重合体ラテックスは、次いで凝固剤を添加してグラフト共重合体(I)を回収する。凝固剤としては酸又は水溶性の塩が用いられ、その具体例としては硫酸、塩酸、リン酸、酢酸、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニウムカリウム、及び硫酸アルミニウムナトリウムなどが挙げられる。これらの凝固剤は1種又は2種以上を混合して使用される。なお、酸で凝固した場合には、酸をアルカリにより中和した後にグラフト共重合体(I)を回収する方法も用いることができる。
グラフト共重合体(I)のグラフト率は5〜40%であることが好ましく、10〜30%であることがより好ましい。この範囲を外れた場合、靱性や表面平滑性が低下することがある。
本発明で使用されるビニル系共重合体(II)は芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、場合によりそれらと共重合可能な単量体を共重合して得られる。
芳香族ビニル系単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレンなどが挙げられ、特にスチレンが好ましい。なお、これらは1種又は2種以上用いることができる。
ビニル系共重合体(II)を構成する芳香族ビニル系単量体の含有量は、好ましくは、60〜80重量%である。芳香族ビニル系単量体が60重量%未満の場合には、熱可塑性樹脂組成物の表面平滑性が低下することがあり、80重量%を越える場合は熱可塑性樹脂組成物の靱性が低下することがある。
シアン化ビニル系単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロにトリル、エタクリロニトリルなどが挙げられ、特にアクリロニトリルが好ましい。なお、これらは1種又は2種以上用いることができる。
ビニル系共重合体(II)を構成するシアン化ビニル系単量体の含有量は、好ましくは、20〜40重量%である。シアン化ビニル単量体が20重量%未満の場合には熱可塑性樹脂組成物の靱性が低下することがあり、40重量%を越える場合は熱可塑性樹脂組成物の色調や表面平滑性が悪化することがある。
共重合可能な他の単量体は、本発明の効果を損なわないものであれば特に制限はなく、具体的には、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体、不飽和脂肪酸、アクリルアミド系単量体、マレイミド系単量体から選択される単量体である。なお、これらは1種又は2種以上用いることができる。
不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、などが挙げられ、特に(メタ)アクリル酸メチルが好ましい。なお、これらは1種又は2種以上用いることができる。
不飽和脂肪酸の具体例としては、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ブテン酸、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
アクリルアミド系単量体の具体例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミドなどが挙げられる。
マレイミド系単量体の具体例としては、N−メチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどが挙げられる。
ビニル系共重合体(II)を構成する場合があるその他の共重合可能なビニル系単量体の含有量は、好ましくは、0〜20重量%である。20重量%を越える場合は熱可塑性樹脂組成物の靱性と表面平滑性のバランスが悪化することがある。
ビニル系共重合体(II)の重合方法としては、懸濁重合法、乳化重合法、連続塊状重合法の任意の方法を用いることができるが、重合制御の容易さ、後処理の容易さを考慮すると懸濁重合が最も好ましい。
懸濁重合に用いられる懸濁安定剤には、粘度、硫酸バリウム及び水酸化マグネシウムなどの無機系懸濁安定剤やポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリルアミド及びメタクリル酸メチル/アクリルアミド共重合体などの有機系懸濁安定剤などが挙げられ、なかでも色調安定性の面で有機系懸濁安定剤が好ましい。これらの懸濁安定剤は、1種又は2種以上用いることができる。
懸濁重合に使用される開始剤としては、グラフト共重合体(I)と同様な開始剤を用いることができる。また、ビニル系共重合体(II)の重合度の調整を目的として、グラフト共重合体(I)と同様な、メルカプタン、テルペンなどの連鎖移動剤を使用することも可能である。懸濁重合ではビニル系共重合体(II)のスラリーが得られ、次いで脱水、乾燥を経て、ビーズ状のビニル系共重合体(II)が得られる。
本発明で使用される耐熱ビニル系共重合体(III)は芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体およびマレイミド系単量体を共重合して得られる。
耐熱ビニル系共重合体を構成する芳香族ビニル系単量体としてはグラフト共重合体(I)に用いられる芳香族ビニル系単量体として例示したものを挙げることができ、スチレンが好ましく用いられる。耐熱ビニル系共重合体を構成するシアン化ビニル系単量体としては、グラフト共重合体(I)に用いられるシアン化ビニル系単量体として例示したものを挙げることができ、アクリロニトリルが好ましく用いられる。耐熱ビニル系共重合体を構成する耐熱マレイミド系単量体としてはグラフト共重合体(I)に任意で用いられるマレイミド系単量体として例示したものを挙げることができ、N−フェニルマレイミドが好ましく用いられる。
耐熱ビニル系共重合体を構成する単量体組成比率は、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体およびマレイミド系単量体の合計100重量%中、芳香族ビニル系単量体36〜65重量%、シアン化ビニル系単量体0〜12重量%、マレイミド系単量体35〜52重量%の範囲が好ましい。
熱可塑性樹脂を構成するグラフト共重合体(I)とビニル系共重合体(II)と耐熱ビニル系共重合体(III)の重量比率は、靱性、表面平滑性、耐熱性のバランスの取れた物性を有するために、グラフト共重合体(I)25〜40重量部およびビニル系共重合体(II)25〜40重量部および耐熱ビニル系共重合体(III)25〜35重量部の範囲が好ましい。
本発明で使用されるアルコール(IV)は炭素数16〜18のアルコールを使用する。これ以外の炭素数では靱性の低下や揮発分が増加する場合がある。
本発明使用される炭素数16〜18のアルコール(IV)の好ましい重量比率は(I)(II)(III)の合計100重量部に対し、0.1〜1重量部であり、この範囲外では良好な靱性と揮発分が得られない。
熱可塑性樹脂組成物の製造方法に特に制限はないが、生産性の点から、グラフト共重合体(I)とグラフト共重合体(I)以外の樹脂成分を溶融混練する方法が一般的である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲でヒンダードフェノール系、含硫黄有機化合物系、含リン有機化合物系などの酸化防止剤、フェノール系、アクリレート系などの熱安定剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系などの紫外線吸収剤、有機ニッケル系、ヒンダードアミン系などの光安定剤などの各種安定剤、高級脂肪酸の金属塩類、高級脂肪酸アミド類などの滑剤、フタル酸エステル類、リン酸エステル類などの可塑剤、ポリブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノール−A、臭素化エポキシオリゴマー、臭素化ポリカーボネートオリゴマーなどの含ハロゲン系化合物、リン系化合物、三酸化アンチモンなどの難燃剤・難燃助剤、帯電防止剤、カーボンブラック、酸化チタン、顔料及び染料、水やシリコーンオイル、流動パラフィンなどの液体を添加することもできる。更に、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭素繊維、金属繊維などの補強剤や充填剤を添加することもできる。これら添加物の添加方法については特に制限はなく、種々の方法を用いることができる。
上記によって得られた熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、圧縮成形、ガスアシスト成形などの公知の方法によって成形することができ、特に制限されるものではないが、好ましくは、射出成形により成形される。また、射出成形は好ましくは210〜260℃の通常成形する温度範囲で実施することができる。また、射出成形時の金型温度は、好ましくは30〜80℃の通常成形に使用される温度範囲である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(1)アクリル系ゴム質重合体(A)(a)の体積平均粒子径測定
ゴム質重合体ラテックスを水媒体で希釈、分散させ、レーザ散乱回折法粒度分布測定装置“LS 13 320”(ベックマン・コールター株式会社)により体積平均粒子径を測定した。
(2)ゲル膨潤度・ゲル含有率測定
メタノール中にゴム質重合体ラテックス、続いて硫酸を添加し、脱水・洗浄によりゴム質重合体の固形物を得る。得られたゴム質重合体固形物(x)を80℃で3時間真空乾燥を行った後、所定量(x)をトルエンに24時間含浸させ、膨潤サンプル重量(y)の測定、また80℃で3時間真空乾燥を行った後乾燥サンプル重量(z)を測定し、ゲル含有率、ゲル膨潤度を下記式より算出した。
ゲル膨潤度(倍)=(y)/(z)
ゲル含有率(%)=([z]/[x])×100
(3)グラフト率測定
80℃で3時間真空乾燥を行ったグラフト共重合体(I)の所定量(m;約1.5g)にアセトニトリル100mlを加え、70℃の湯浴中で3時間還流し、この溶液を9000rpmで40分間遠心分離した後、不溶分を濾過し、この不溶分を80℃で5時間真空乾燥し、重量(n)を測定した。グラフト率は下記式より算出した。ここでLはグラフト共重合体のゴム含有量である。
グラフト率(%)={[(n)−(m)×L]/[(m)×L]}×100
(4)引張強度/引張伸び
各実施例および比較例により得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥した後、シリンダー温度230℃に設定した住友重機械工業(株)製SE−50DU成形機内に充填し厚さ4mmダンベル試験片を成形し、得られた成形品に関し、ISO527に準拠した方法で、引張試験を行い測定した。
(5)荷重たわみ温度
ISO75に準拠した方法で、1.8MPa荷重の荷重たわみ温度を測定した。
(6)光沢度
各実施例および比較例により得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥した後、シリンダー温度230℃に設定した住友重機械工業(株)製SE−50DU成形機内に充填し射出成形し、厚さ3mmの角板を成形した。スガ試験機(株)製デジタル変角光沢計UGV−5Dを使用し、得られた成形品各5個について60°における光沢度を測定し、その平均値を算出した。
(7)揮発分
樹脂ペレット3gを80℃の乾燥機内で3時間乾燥させた後、230℃のオーブン内で3時間加熱を行った。加熱後のペレット重量を測定し、下記式で揮発分を算出した。
揮発分=(加熱前サンプル重量―加熱後サンプル重量)/加熱前サンプル重量×100。
(参考例1)
「アクリル系ゴム質重合体(A)の製造方法」
純水130部、乳化剤である不均化ロジン酸カリウム1部を反応容器に仕込み、75℃まで昇温し、アクリル酸ブチル19.8部とメタクリル酸アリル0.2部の混合物を1時間かけて連続添加した。次いで2wt%過硫酸カリウム水溶液10部と、不均化ロジン酸カリウム水溶液1.5部をそれぞれ6時間かけて連続添加した。また、過硫酸カリウム水溶液および不均化ロジン酸カリウム水溶液の添加開始から2時間後にアクリル酸ブチル79.2部とメタクリル酸アリル0.8部の混合物を4時間かけて添加し、添加終了後さらに1時間保持することでアクリル系ゴム質共重合体(A−1)を重合率95%で得た。
「グラフト共重合体(I)の製造方法」
純水13.2部、無水ブドウ糖0.48部、ピロリン酸ナトリウム0.26部、及び硫酸第一鉄0.01部からなる混合物、オレイン酸カリウム0.4部および純水12.5部の混合物、アクリル系ゴム質共重合体(A−1)50部(固形分換算)、及び純水94.3部を反応容器に仕込み、58℃まで昇温し、撹拌下、スチレン36.5部、アクリロニトリル13.5部、およびt−ドデシルメルカプタン0.2部の混合物(i)を4.5時間かけて連続添加した。連続添加開始0.5時間後に、クメンハイドロパーオキサイド0.3部、オレイン酸カリウム2.0部および純水12.5部の混合物を並行して5時間かけて連続添加した。この際、(i)の添加開始時に容器内温度を62℃に昇温し、(i)の添加終了時にさらに65℃まで昇温し、グラフト共重合体ラテックスを重合率98%で得た。得られたラテックス100部(固形分換算)を、硫酸マグネシウム3部を加えた85℃の水900部中に、撹拌しながら注いで凝固し、次いで脱水、乾燥を行いパウダー状のグラフト共重合体(I−1)を得た。
得られたI−1は体積平均粒子径0.19μm、ゲル膨潤度13.5倍、ゲル含有率93%であった。
(参考例2)ビニル系共重合体(II−1)
20Lのオートクレーブに0.05重量部のメタクリル酸メチル−アクリルアミド共重合体を165部の純水に溶解した溶液を入れて400rpmで攪拌し、系内を窒素ガスで置換した。次に、アクリロニトリル28.9部、スチレン11.1部、アゾビスイソブチロニトリル0.32部及びt−ドデシルメルカプタン0.32部の単量体混合物を、反応系を攪拌しながら30分かけて初期添加し、70℃にて共重合反応を開始した。単量体混合物を添加後、1時間経過したところで、供給ポンプを使用してスチレンを15部添加した。その後、30分間隔で各15部×3回スチレンを反応系に添加した。全モノマーの添加終了後60分かけて100℃に昇温した。到達後30分間100℃でコントロールした後、冷却、ポリマーの分離、洗浄、乾燥を行って、ビーズ状ビニル系共重合体(II−1)を得た。
(III)耐熱ビニル系共重合体
デンカ社製デンカIP “MS―NB”(スチレン−N−フェニルマレイミド−無水マレイン酸共重合体)を使用した。
(IV)アルコール
花王株式会社製“カルコール6850”(炭素数16〜18の脂肪族アルコール)を使用した。
(V)その他の成分
住化カラー社製“CTB−10”(カーボンブラックマスターバッチ)を使用した。
日油社製“PSEA−NY”(エチレンビスステアリン酸アマイド)を使用した。
(実施例1〜4、比較例1〜5)
上記、参考例1〜2で調製したグラフト共重合体(I−1)とビニル系重合体(II−1)および(III)〜(V)をそれぞれ、表1で示した配合比で配合し、ヘンシェルミキサーで、23℃で混合した後、得られた混合物をスクリュー径30mmの同方向回転の2軸押出機(温度範囲:240〜260℃)により、溶融混練を行い、ペレットを得た。得られたペレットから前述の方法により評価を行った。
Figure 2019137769

Claims (2)

  1. 炭素数1〜10のアルキル基を有するアクリル酸エステル系単量体(a)97〜99.5重量%と多官能性単量体(b)0.5〜3重量%を共重合して得られる、アクリル系ゴム質共重合体(A)20〜70重量部の存在下に、芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体および場合によりそれらと共重合可能な単量体からなる単量体混合物(B)80〜30重量部をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(I)25〜40重量部と、少なくとも芳香族ビニル系単量体およびシアン化ビニル系単量体および場合によりそれらと共重合可能な単量体を共重合してなるビニル系共重合体(II)25〜45重量部と、耐熱ビニル系樹脂(III)25〜35重量部を配合してなり、(I)(II)(III)の合計100重量部に対して、炭素数16〜18のアルコール(IV)0.1〜1重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物から製造されるランプハウジング成形品。
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