JP2019067817A - 太陽電池 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、本発明を詳述する。
通常、太陽電池は基材の上に陰極、電子輸送層、光電変換層、ホール輸送層及び陽極が上記順番で積層した構造を有している。このような構造を持つ太陽電池の製造において、陽極はスパッタリングによってホール輸送層上に形成される。このスパッタリングの際にプラズマから紫外線が放射される。そして放射された紫外線はホール輸送層を貫通して光電変換層まで達し、有機無機ペロブスカイト化合物を分解することで光電変換効率が低下すると推定した。本発明者らは検討を進めた結果、ホール輸送層に無機化合物からなる透明ナノ粒子を含有させることによって、光電変換効率を向上できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本明細書中、「層」とは、明確な境界を有する層だけではなく、含有元素が徐々に変化する濃度勾配のある層をも意味する。層の元素分析は、例えば、太陽電池の断面のFE−TEM/EDS線分析測定を行い、特定元素の元素分布を確認する等によって行うことができる。また、本明細書中、層とは、平坦な薄膜状の層だけではなく、他の層と一緒になって複雑に入り組んだ構造を形成しうる層をも意味する。
上記金属箔を用いることにより、耐熱性高分子を用いる場合と比べて、高温処理を行うことができる。有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層形成時において耐光性(光劣化に対する耐性)を付与する目的で80℃以上の温度で熱アニール(加熱処理)を行っても、歪みの発生を最小限に抑えて、高い光電変換効率を得ることができる。
上記基材は、更に、上記金属箔上に形成された絶縁層を有していてもよい。この場合、本発明の太陽電池は、更に、上記絶縁層上に形成された陰極を有することが好ましい。
上記基材の厚みとは、上記基材が上記金属箔と上記金属箔上に形成された絶縁層とを有する場合、上記金属箔と上記絶縁層とを含む上記基材全体の厚みを意味する。
なお、上記基材が上記金属箔と上記金属箔上に形成された絶縁層とを有する場合、上記絶縁層上に陰極が形成される。
上記光電変換層に上記有機無機ペロブスカイト化合物を用いることにより、太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。上記有機無機ペロブスカイト化合物は、一般式R−M−X3(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表されることが好ましい。
上記Rは、具体的には例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミン、ヘキシルメチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、イミダゾール、アゾール、ピロール、アジリジン、アジリン、アゼチジン、アゼト、イミダゾリン、カルバゾール、メチルカルボキシアミン、エチルカルボキシアミン、プロピルカルボキシアミン、ブチルカルボキシアミン、ペンチルカルボキシアミン、ヘキシルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン、アニリン、ピリジン及びこれらのイオン(例えば、メチルアンモニウム(CH3NH3)等)やフェネチルアンモニウム等が挙げられる。なかでも、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、プロピルカルボキシアミン、ブチルカルボキシアミン、ペンチルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン及びこれらのイオンが好ましく、メチルアミン、エチルアミン、ペンチルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン及びこれらのイオンがより好ましい。なかでも、高い光電変換効率が得られることから、メチルアミン、ホルムアミジニウム及びこれらのイオンが更に好ましい。
図1は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造である、有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。詳細は明らかではないが、上記構造を有することにより、結晶格子内の八面体の向きが容易に変わることができるため、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上すると推定される。
上記有機無機ペロブスカイト化合物が結晶性半導体であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。上記有機無機ペロブスカイト化合物が結晶性半導体であれば、太陽電池に光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)、特に短絡電流の低下に起因する光劣化が抑制されやすくなる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度の好ましい下限は30%である。上記結晶化度が30%以上であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。上記結晶化度が30%以上であれば、太陽電池に光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)、特に短絡電流の低下に起因する光劣化が抑制されやすくなる。上記結晶化度のより好ましい下限は50%、更に好ましい下限は70%である。
上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を上げる方法として、例えば、熱アニール(加熱処理)、レーザー等の強度の強い光の照射、プラズマ照射等が挙げられる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶子径が5nm以上であれば、太陽電池に光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)、特に短絡電流の低下に起因する光劣化が抑制される。また、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。上記結晶子径のより好ましい下限は10nm、更に好ましい下限は20nmである。
上記有機半導体として、例えば、ポリ(3−アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。例えば、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物や、表面修飾されていてもよいカーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等のカーボン含有材料も挙げられる。
これらの加熱操作は真空又は不活性ガス下で行われることが好ましく、露点温度は10℃以下が好ましく、7.5℃以下がより好ましく、5℃以下が更に好ましい。
ホール輸送層に無機化合物からなる透明ナノ粒子を含むことで、陽極を形成する際のスパッタリングングによって発生する紫外線を吸収できる。その結果、光電変換層へ紫外線が到達することによる有機無機ペロブスカイト化合物の分解を減少でき、太陽電池の光電効率を向上させることができる。なお、ここで透明ナノ粒子とは、5(w/v)%分散液の500nmにおける透過率が90%以上であるナノ粒子のことをいう。
屈折率が1.4以上であることで、スパッタリング時の紫外線は吸収しつつも、太陽電池に入射した光の散乱は抑えられるため、光電変換効率をより向上させることができる。上記透明ナノ粒子の屈折率のより好ましい下限は1.5である。屈折率が1.4以上である透明ナノ粒子としては、例えばITO、ZrO2等が挙げられる。
体積抵抗率が1×10−4Ω・m以下であることで、陽極の抵抗値が下がり、光電変換効率をより向上させることができる。上記透明ナノ粒子の体積低効率のより好ましい上限は1×10−5Ω・mである。体積抵抗率が1×10−4Ω・m以下である透明ナノ粒子としては、例えばITO、AZO、GZO、ATO等が挙げられる。
体積抵抗率は、太陽電池が使用される環境温度の範囲での値であれば特に限定されない。例えば、−40°〜100°の範囲が例示できる。
上記透明ナノ粒子のHOMO準位が上記範囲であることによって、透明ナノ粒子にドーパントとしての性能を付加することができ、光電変換効率をより向上させることができる。上記HOMO準位のより好ましい下限は−5.5eV、より好ましい上限は−5.0eVである。
なお、HOMO準位はイオン化ポテンシャル測定装置又は大気中光電子分光装置によって測定することができる。HOMO準位が−4.5〜−6.0eVである透明ナノ粒子としては、例えばMoO3、WO3等が挙げられる。
透明ナノ粒子のHOMO準位を測定は、HOMO準位が0〜7.0eV程度の範囲の場合は、大気中光電子分光装置で測定することが好ましい。透明ナノ粒子のHOMO準位が7.0eV程度を超える範囲の場合は、大気中光電子分光装置で測定することが好ましい。
透明ナノ粒子の粒径を150nm以下とすることでホール輸送層の表面を平坦にでき、光電変換効率をより向上させることができる。上記透明ナノ粒子の粒径のより好ましい上限は、100nmである。粒径の下限は特に限定されないが、10nmであることが好ましい。
上記透明ナノ粒子の濃度が5%以上であることで、陽極形成時のスパッタリングによる紫外線が光電変換層に到達するのをより減少できる。上記透明ナノ粒子の濃度が95%以下であることで、光電変換層で分離したホールを効率よく輸送することができる。上記透明ナノ粒子の濃度のより好ましい下限は10%、より好ましい上限は90%である。
(1)太陽電池の作製
アルミニウム箔(UACJ社製、汎用アルミ材A1N30グレード、厚み100μm)に硫酸アルマイト処理により処理時間30分で陽極酸化を施すことにより、アルミニウム箔の表面に酸化アルミニウム被膜(厚み5μm、厚みの比率5%)を形成し、フレキシブル基材を得た。
自動薄膜計測装置(HORIBA Scientific社製、商品名:Auto SE、レーザー波長632.8nm)を用いて透明ナノ粒子の屈折率を測定した。結果を表1に示した。
ポリメチルメタクリレートやポリスチレン等の絶縁樹脂とナノ粒子が同体積となるよう調製した分散液を用いてナノ粒子含有薄膜を成膜し、ピコアンメータ(Tektronix社製)を用いて抵抗値を測定した。この測定値から換算した透明ナノ粒子の体積抵抗率を表1に示した。
大気中光電子分光装置(理研計器社製、AC−3)またはイオン化ポテンシャル測定装置(テックサイエンス社製、PYS−300−SC1−TMP)を用いて透明ナノ粒子のHOMO準位を測定した。結果を表1に示した。
透明ナノ粒子の種類、粒径、濃度を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、太陽電池を得た。なお、透明ナノ粒子は以下の市販品又は以下の方法で作成したものを用いた。
ZrO2:和光純薬工業社製、粒径30nm
Al2O3:和光純薬工業社製、粒径50nm
ZnO:Sigma−Aldrich社製、粒径80nm
CeO2:Sigma−Aldrich社製、粒径20nm
NiO:EMJapan社製、粒径70nm
MoO3:EMJapan社製、粒径60nm
WO3:EMJapan社製、粒径60nm
ITO:Sigma−Aldrich社製、粒径50nm
ATO:Sigma−Aldrich社製、粒径20nm
酢酸亜鉛二水和物1.36mmolと酢酸アルミニウム0.07mmol、メタノール10mlをガラス管に入れ、温度70℃にて500rpmで3分間攪拌し溶解させた。そこへ3wt%水酸化カリウムのメタノール溶液5mlを添加し、5時間攪拌した。その後20000rpmで15分間遠心分離をして上澄み液を捨て、メタノールを150ml加えて超音波を10分間照射して分散させた。再度遠心分離を20000rpmで30分間行い上澄み液をすてて、残渣にクロロホルムを0.5ml加え、AZOナノ粒子の分散液を得た。この分散液を濾別し、乾燥し、粒径約30nmのAZOナノ粒子の分散液を得た。
酢酸亜鉛二水和物1.36mmolと酢酸ガリウム0.07mmol、メタノール10mlをガラス管に入れ、温度70℃にて500rpmで3分間攪拌し溶解させた。そこへ3wt%水酸化カリウムのメタノール溶液5mlを添加し、5時間攪拌した。その後20000rpmで15分間遠心分離をして上澄み液を捨て、メタノールを150ml加えて超音波を10分間照射して分散させた。再度遠心分離を20000rpmで30分間行い上澄み液をすてて、残渣にクロロホルムを0.5ml加え、GZOナノ粒子の分散液を得た。この分散液を濾別し、乾燥し、粒径約20nmのGZOナノ粒子を得た。
実施例及び比較例で得られた太陽電池について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
太陽電池の電極間に電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、強度100mW/cm2のソーラーシミュレーション(山下電装社製)を用いて光電変換効率を測定し、得られた光電変換効率を初期変換効率とした。比較例1で得られた太陽電池の初期変換効率を基準として規格化し、下記の基準で評価した。
◎:規格化した値が1.05以上
○:規格化した値が1.0以上、1.05未満
×:規格化した値が1.0未満
Claims (5)
- 基材、陰極、電子輸送層、光電変換層、ホール輸送層及び陽極をこの順番に有する太陽電池であって、
前記光電変換層は一般式R−M−X3(ただし、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含み、
前記ホール輸送層に無機化合物からなる透明ナノ粒子を含む
ことを特徴とする太陽電池。 - 透明ナノ粒子は屈折率が1.4以上であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
- 透明ナノ粒子は体積低効率が1×10−4Ω・m以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の太陽電池。
- 透明ナノ粒子はHOMO準位が−4.5〜−6.0eVであることを特徴とする請求項1又は2記載の太陽電池。
- 基材はフレキシブル基材であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の太陽電池。
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