JP2019040990A - 有機光電子素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部量子効率が向上し消費電力が少なく、歩留まり高く製造可能な有機光電子素子を提供することを目的とする。【解決手段】基板と、基板に設けられた陽極と、陽極に対向する陰極と、陽極および陰極の間に配置された発光層と、発光層と陽極との間において発光層に接して設けられた正孔輸送層と、正孔輸送層と陽極との間において正孔輸送層および陽極に接して設けられた正孔注入層と、を備え、正孔輸送層は、有機半導体材料と含フッ素重合体とを含む第1正孔輸送層と、有機半導体材料を含む第2正孔輸送層と、を含み、第1正孔輸送層の屈折率は、第2正孔輸送層の屈折率および正孔注入層の屈折率よりも低く、正孔輸送層の厚さ方向の光路長と、正孔注入層の厚さ方向の光路長との合計値が、素子外部に射出される所望の光の波長の1/4倍以上であり、第1正孔輸送層の膜厚は、第2正孔輸送層と正孔注入層の合計膜厚よりも厚い有機光電子素子。【選択図】図1
Description
本発明は、有機光電子素子に関する。
従来、自発光型の素子として、有機光電子素子(有機エレクトロルミネッセンス素子。以下、有機EL素子。)が知られている。有機EL素子は、一対の電極間に、発光層、電子輸送層、正孔輸送層等の複数種の層が積層された構成を基本構造としている。
有機EL素子は、電源から供給された電子と正孔とが内部の発光層で再結合することにより光子を生じ発光する。有機EL素子の分野においては、長年にわたる研究開発により、「注入した電子の数」に対する「素子内部で生じた光子」の割合である「内部量子効率」は100%近くまで達している。
一方、近年の有機EL素子においても、「注入した電子の数」に対する「素子外部に取り出された光子」の割合である「外部量子効率」は20〜30%程度にとどまっており、改善が求められている。
外部量子効率が低い原因の一つとして、有機EL素子を構成する各層の屈折率差に起因した内部反射が考えられる。上述したように、有機EL素子は発光層の他に複数種の層を有する。これらの層は互いに屈折率が異なる。そのため、発光層で生じた光は、屈折率の異なる各層間の界面において反射し、素子外部に射出される前に素子内部で減衰または吸収されることが考えられる。
これに対し、電荷輸送層にナノサイズの多孔質シリカ粒子を含有させ、電荷輸送層の屈折率を低下させた有機EL素子が知られている(特許文献1参照。)。特許文献1に記載の有機EL素子では、電荷輸送層と電荷輸送層に接する層との界面で起きる反射が抑制され、外部量子効率が向上することが期待される。
通常、発光層から射出された光は、発光層の形成材料の発光スペクトルに応じ、所望の光の波長から短波長側および長波長側に波長帯を有する光となっている。一方、高品質化が求められる有機EL素子の分野においては、特許文献1に記載の有機EL素子のように外部量子効率を向上させることのみならず、射出光の色純度を向上することが求められていた。
一方、有機EL素子の色純度を向上させる技術として、素子内部の光路長を所望の射出光の波長に応じた光路長に設定し、発光層で生じた光を素子内部で干渉させ、当該光路長に応じた波長の光を増幅させた後に素子外部に射出させる素子構造が知られている。このような素子構造は、光共振構造(マイクロキャビティ構造)と称される。
有機EL素子において上記マイクロキャビティ構造を採用する場合、素子内部の光路長を厳密に設定する必要が生じる。また、有機EL素子の発光波長が異なると、発光波長に応じてマイクロキャビティ構造のために素子内部に設定する光路長を変更し作り分ける必要がある。しかし、このような素子構造を作成するにあたっては、素子内部の各層の厚さが設計値からずれると、光路長が設計値からずれてしまい、マイクロキャビティ構造が形成されない。
ここでいう「光路長」は、素子外部に射出される所望の光の波長と、当該所望の光の波長における各層の屈折率と、を用いて算出されるものとする。
ここでいう「光路長」は、素子外部に射出される所望の光の波長と、当該所望の光の波長における各層の屈折率と、を用いて算出されるものとする。
また、マイクロキャビティ構造を有さない有機EL素子であっても、素子内部の各層の厚さが設計値からずれると、各層の膜抵抗やキャリア輸送性が変化するおそれがある。その結果、層内の所望の位置で発光させることができない等、素子性能に影響を与える。
このように、有機EL素子は、素子内部の各層の厚さが設計値からずれると、所望の物性が得られにくいことから、歩留まりが低下しやすく、設計面からの改善が求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、外部量子効率が向上し消費電力が少なく、歩留まり高く製造可能な有機光電子素子を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、基板と、前記基板に設けられた陽極と、前記陽極に対向する陰極と、前記陽極および前記陰極の間に配置された発光層と、前記発光層と前記陽極との間において前記発光層に接して設けられた正孔輸送層と、前記正孔輸送層と前記陽極との間において前記正孔輸送層および前記陽極に接して設けられた正孔注入層と、を備え、前記正孔輸送層は、有機半導体材料と含フッ素重合体とを含む第1正孔輸送層と、有機半導体材料を含む第2正孔輸送層と、を含み、前記第1正孔輸送層の屈折率は、前記第2正孔輸送層の屈折率および前記正孔注入層の屈折率よりも低く、前記正孔輸送層の厚さ方向の光路長と、前記正孔注入層の厚さ方向の光路長との合計値が、素子外部に射出される所望の光の波長の1/4倍以上であり、前記第1正孔輸送層の膜厚は、前記第2正孔輸送層と前記正孔注入層の合計膜厚よりも厚い有機光電子素子を提供する。
本発明の一態様においては、前記正孔注入層は、前記第1正孔輸送層と接する構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記陰極が、前記発光層から射出される光の少なくとも一部を透過させる光透過性を有し、前記陽極が光反射性を有する構成としてもよい。
本発明の一態様においては、前記陰極が光反射性を有し、前記基板および前記陽極が光透過性を有する構成としてもよい。
本発明によれば、外部量子効率が向上し消費電力が少なく、歩留まり高く製造可能な有機光電子素子を提供することができる。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「含フッ素重合体」とは、分子中にフッ素原子を有する高分子化合物を意味する。
重合体を構成する「単位」とは、重合体中に存在して重合体を構成する、単量体に由来する部分を意味する。炭素−炭素不飽和二重結合を有する単量体の付加重合により生じる、該単量体に由来する単位は、該不飽和二重結合が開裂して生じた2価の単位である。また、ある単位の構造を重合体形成後に化学的に変換したものも単位という。以下、個々の単量体に由来する単位をその単量体名に「単位」を付した名称で呼ぶ場合がある。
重合体の「主鎖」とは、2以上の単量体の連結により形成された重合鎖をいう。
「フルオロオレフィン」とは、オレフィン炭化水素の炭素原子に結合している水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された化合物を意味する。フッ素原子以外の置換原子または置換基を有していてもよい。
「反応性官能基」とは、加熱等を行った際に、含フッ素重合体の分子間、または含フッ素重合体とともに配合されている他の成分と反応(ただし、ラジカル反応を除く。)して結合を形成し得る反応性を有する基を意味する。
「エーテル性酸素原子」とは、炭素原子−炭素原子間においてエーテル結合(−O−)を形成する酸素原子を意味する。
「脂肪族環」とは、芳香性を示さない環構造を意味する。脂肪族環は、飽和であってもよく、不飽和であってもよい。脂肪族環には、環骨格が、炭素原子のみから構成される炭素環構造のものに加えて、環骨格に、炭素原子以外の原子(ヘテロ原子)を含む複素環構造のものも含む。ヘテロ原子としては酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
「含フッ素重合体」とは、分子中にフッ素原子を有する高分子化合物を意味する。
重合体を構成する「単位」とは、重合体中に存在して重合体を構成する、単量体に由来する部分を意味する。炭素−炭素不飽和二重結合を有する単量体の付加重合により生じる、該単量体に由来する単位は、該不飽和二重結合が開裂して生じた2価の単位である。また、ある単位の構造を重合体形成後に化学的に変換したものも単位という。以下、個々の単量体に由来する単位をその単量体名に「単位」を付した名称で呼ぶ場合がある。
重合体の「主鎖」とは、2以上の単量体の連結により形成された重合鎖をいう。
「フルオロオレフィン」とは、オレフィン炭化水素の炭素原子に結合している水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された化合物を意味する。フッ素原子以外の置換原子または置換基を有していてもよい。
「反応性官能基」とは、加熱等を行った際に、含フッ素重合体の分子間、または含フッ素重合体とともに配合されている他の成分と反応(ただし、ラジカル反応を除く。)して結合を形成し得る反応性を有する基を意味する。
「エーテル性酸素原子」とは、炭素原子−炭素原子間においてエーテル結合(−O−)を形成する酸素原子を意味する。
「脂肪族環」とは、芳香性を示さない環構造を意味する。脂肪族環は、飽和であってもよく、不飽和であってもよい。脂肪族環には、環骨格が、炭素原子のみから構成される炭素環構造のものに加えて、環骨格に、炭素原子以外の原子(ヘテロ原子)を含む複素環構造のものも含む。ヘテロ原子としては酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、測定される値である。まず、分子量既知のPMMA標準試料を、GPCを用いて測定し、ピークトップの溶出時間と分子量から、較正曲線を作成する。ついで、含フッ素重合体を測定し、較正曲線から分子量を求め、重量平均分子量を求める。移動相溶媒には1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロ−3−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ペンタンとヘキサフルオロイソプロピルアルコールを体積比率85:15で混合した溶媒を用いる。
「含フッ素混合膜の吸収係数(単位:cm−1)」は、石英基板上の含フッ素混合膜について、紫外可視分光光度計(島津製作所社製:UV−2450)を用いて測定される値である。
「固有粘度[η](単位:dl/g)」は、測定温度30℃でアサヒクリン(登録商標)AC2000(旭硝子社製)を溶媒として、ウベローデ型粘度計(柴田科学社製:粘度計ウベローデ)により測定される値である。
「飽和蒸気圧(単位:Pa)」は、真空示差熱天秤(アドバンス理工社製:VAP−9000)により測定される値である。
「含フッ素重合体の屈折率」は、JIS K 7142に準拠して測定される値である。
「含フッ素混合膜の屈折率」は、下記方法で測定される値である。
多入射角分光エリプソメトリー(ジェー・エー・ウーラム社製:M−2000U)を用いて、シリコン基板上の含フッ素混合膜に対して、光の入射角を45〜75度の範囲で5度ずつ変えて測定を行う。それぞれの角度において、波長450〜800nmの範囲で約1.6nmおきにエリプソメトリーパラメータであるΨとΔを測定する。上記の測定データを用い、有機半導体の誘電関数をCauchyモデルによりフィッティング解析を行い、各波長の光に対する含フッ素混合膜の屈折率を得る。
「含フッ素混合膜の吸収係数(単位:cm−1)」は、石英基板上の含フッ素混合膜について、紫外可視分光光度計(島津製作所社製:UV−2450)を用いて測定される値である。
「固有粘度[η](単位:dl/g)」は、測定温度30℃でアサヒクリン(登録商標)AC2000(旭硝子社製)を溶媒として、ウベローデ型粘度計(柴田科学社製:粘度計ウベローデ)により測定される値である。
「飽和蒸気圧(単位:Pa)」は、真空示差熱天秤(アドバンス理工社製:VAP−9000)により測定される値である。
「含フッ素重合体の屈折率」は、JIS K 7142に準拠して測定される値である。
「含フッ素混合膜の屈折率」は、下記方法で測定される値である。
多入射角分光エリプソメトリー(ジェー・エー・ウーラム社製:M−2000U)を用いて、シリコン基板上の含フッ素混合膜に対して、光の入射角を45〜75度の範囲で5度ずつ変えて測定を行う。それぞれの角度において、波長450〜800nmの範囲で約1.6nmおきにエリプソメトリーパラメータであるΨとΔを測定する。上記の測定データを用い、有機半導体の誘電関数をCauchyモデルによりフィッティング解析を行い、各波長の光に対する含フッ素混合膜の屈折率を得る。
[第1実施形態]
以下、図1〜図2を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る有機光電子素子について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率等は適宜異ならせてある。
以下、図1〜図2を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る有機光電子素子について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率等は適宜異ならせてある。
図1は、本実施形態の有機光電子素子(有機EL素子)1を示す断面模式図である。有機EL素子1は、基板10、陽極11、正孔注入層12、正孔輸送層13、発光層14、電子輸送層15、電子注入層16、陰極17がこの順に積層した構造を有している。本実施形態の有機EL素子1は、発光層14で生じた光Lが、陰極17を介して外部へ射出されるトップエミッション方式を採用している。
(基板)
基板10は、光透過性を備えていてもよく、光透過性を備えなくてもよい。基板10の形成材料としては、ガラス、石英ガラス、窒化ケイ素等の無機物や、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の有機高分子(樹脂)を用いることができる。また、表面の絶縁性が確保されるならば、基板10の形成材料として金属材料を採用することもできる。
基板10は、光透過性を備えていてもよく、光透過性を備えなくてもよい。基板10の形成材料としては、ガラス、石英ガラス、窒化ケイ素等の無機物や、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の有機高分子(樹脂)を用いることができる。また、表面の絶縁性が確保されるならば、基板10の形成材料として金属材料を採用することもできる。
また、基板10は、有機EL素子に電気的に接続される不図示の各種配線、駆動素子を備えている。
(陽極)
陽極11は、基板10上に形成され、正孔輸送層13に正孔(ホール)を供給する。また、陽極11は、発光層14から発せられた光を反射する光反射性を有する。陽極11の形成材料としては、ITO(Indium Tin Oxide:インジウムドープ酸化錫)やIZO(Indium Zinc Oxide:インジウムドープ酸化亜鉛)等の導電性金属酸化物を用いることができる。また、陽極11に光反射性を付与するため、陽極11の基板10側には、金属材料を形成材料とする反射膜が設けられている。すなわち、陽極11は、導電性金属酸化物を形成材料とする層と、反射膜との積層構造を有する。
陽極11は、基板10上に形成され、正孔輸送層13に正孔(ホール)を供給する。また、陽極11は、発光層14から発せられた光を反射する光反射性を有する。陽極11の形成材料としては、ITO(Indium Tin Oxide:インジウムドープ酸化錫)やIZO(Indium Zinc Oxide:インジウムドープ酸化亜鉛)等の導電性金属酸化物を用いることができる。また、陽極11に光反射性を付与するため、陽極11の基板10側には、金属材料を形成材料とする反射膜が設けられている。すなわち、陽極11は、導電性金属酸化物を形成材料とする層と、反射膜との積層構造を有する。
また、陽極11の形成材料として、銀を用いることとしてもよい。
陽極11の厚さは、特に制限されないが、30〜300nmが好ましい。陽極11の厚さは、たとえば100nmである。
(正孔注入層)
正孔注入層12は、陽極11と正孔輸送層13との間に形成されている。正孔注入層12は、陽極11から正孔輸送層13への正孔の注入を容易にする機能を有する。
正孔注入層12は、陽極11と正孔輸送層13との間に形成されている。正孔注入層12は、陽極11から正孔輸送層13への正孔の注入を容易にする機能を有する。
正孔注入層12は、公知の材料を用いて形成することができる。このような材料としては、たとえば、
酸化モリブデン、または酸化タングステン等の金属酸化物の半導体材料;
銅フタロシアニン等の有機金属錯体材料;
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−[4−(フェニル−m−トリル−アミノ)−フェニル]−ビフェニル−4,4’−ジアミン(DNTPD)、4,4’,4''−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)、4,4’,4''−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(TDATA)、ジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)または4,4’,4''−トリス(N,N−2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)等のアリールアミン材料;
ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(PANI/DBSA)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、またはポリアニリンカンファースルホン酸(PANI/CSA)、ポリアニリン/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PANI/PSS)等の高分子半導体材料;
等が挙げられる。
これら正孔注入層12の形成材料は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。また、上記正孔注入層12の形成材料は、単独でもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。
酸化モリブデン、または酸化タングステン等の金属酸化物の半導体材料;
銅フタロシアニン等の有機金属錯体材料;
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−[4−(フェニル−m−トリル−アミノ)−フェニル]−ビフェニル−4,4’−ジアミン(DNTPD)、4,4’,4''−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)、4,4’,4''−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(TDATA)、ジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)または4,4’,4''−トリス(N,N−2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)等のアリールアミン材料;
ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(PANI/DBSA)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、またはポリアニリンカンファースルホン酸(PANI/CSA)、ポリアニリン/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PANI/PSS)等の高分子半導体材料;
等が挙げられる。
これら正孔注入層12の形成材料は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。また、上記正孔注入層12の形成材料は、単独でもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。
さらに、正孔注入層12は、後述の含フッ素重合体を含んでいてもよい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層13は、正孔注入層12上に形成されている。正孔輸送層13は、陽極11から注入された正孔を発光層14に向けて良好に輸送する機能を有する。
正孔輸送層13は、正孔注入層12上に形成されている。正孔輸送層13は、陽極11から注入された正孔を発光層14に向けて良好に輸送する機能を有する。
正孔輸送層13は、有機半導体材料と含フッ素重合体とを含む。正孔輸送層13は、単層であってもよく、複数層の積層体であってもよい。
正孔輸送層13は、有機半導体材料と比べて低屈折率である含フッ素重合体を含むため、有機半導体材料のみからなる正孔輸送層と比べ低屈折率となっている。正孔輸送層13は、波長450〜800nmにおいて発光層14よりも低屈折率であると好ましい。発光層14の屈折率は、有機半導体材料と含フッ素重合体との混合比を制御することにより調整可能である。正孔輸送層13が低屈折率であることにより、有機EL素子1の内部で生じた光の取出し効率が向上する。
正孔輸送層13は、有機半導体材料と含フッ素重合体とを含む第1正孔輸送層131と、少なくとも有機半導体材料を含む第2正孔輸送層132と、を有する。第1正孔輸送層131の屈折率は、第2正孔輸送層132の屈折率および正孔注入層12の屈折率よりも低い。
図に示す第1正孔輸送層131は、正孔注入層12に接し、第2正孔輸送層132は第1正孔輸送層131と発光層14との間において第1正孔輸送層131と発光層14とに接している。含フッ素重合体を含む第1正孔輸送層131が正孔注入層12と接することにより、有機EL素子1の導電性の低下を抑制することができる。
(有機半導体材料)
正孔輸送層13の形成材料である有機半導体材料は、陽極から正孔の注入を受けて輸送する正孔輸送材料として知られた化合物を採用することができる。
正孔輸送層13の形成材料である有機半導体材料は、陽極から正孔の注入を受けて輸送する正孔輸送材料として知られた化合物を採用することができる。
正孔輸送材料としては、芳香族アミン誘導体が好適に例示できる。具体例としては、下記のα−NPD、TAPC、PDA、TPD、m−MTDATA等が挙げられる。
その他の正孔輸送材料としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。なかでも、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物としては、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベン、4,4’,4''−トリ(9−カルバゾイル)トリフェニルアミン(TCTA)、2,2’,7,7’−テトラキス(N,N−ジフェニルアミノ)−2,7−ジアミノ−9,9’−スピロビフルオレン(Spiro−TAD)、2,2’,7,7’−テトラキス(N、N−ジ−p−メトキシフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン(Spiro−MeOTAD)、N−フェニルカルバゾール等が挙げられる。
(含フッ素重合体)
正孔輸送層13の形成材料である含フッ素重合体は、フッ素原子を含む重合体である。なお、本実施形態においては、オリゴマーも重合体に含める。すなわち、含フッ素重合体はオリゴマーであってもよい。
正孔輸送層13の形成材料である含フッ素重合体は、フッ素原子を含む重合体である。なお、本実施形態においては、オリゴマーも重合体に含める。すなわち、含フッ素重合体はオリゴマーであってもよい。
含フッ素重合体は、正孔輸送層等の層の形成速度、層の強度と表面粗さの観点から、含フッ素重合体の熱分解が起こる温度以下において実用化するのに十分な飽和蒸気圧を有することが好ましい。一般的な含フッ素重合体であるPTFEの熱分解開始温度が約400℃、テフロン(登録商標)AFの熱分解開始温度が350℃である。本実施形態に係る含フッ素重合体の300℃における飽和蒸気圧は、0.001Pa以上であり、0.002Pa以上が好ましい。
この観点から含フッ素重合体は、結晶性が低いといわれる主鎖に脂肪族環構造を有するものが好ましい。また重合体の分子間相互作用が小さいと考えられるペルフルオロ重合体がさらに好ましい。ここで主鎖に脂肪族環構造を有するとは、含フッ素重合体が繰り返し単位中に脂肪族環構造(芳香族性を示さない環構造)を有し、かつ、該脂肪族環を構成する炭素原子の1個以上が主鎖を構成することを意味する。
本明細書中、飽和蒸気圧(単位:Pa)は、真空示差熱天秤(アドバンス理工社製:VAP−9000)により測定される値である。
含フッ素重合体の重量平均分子量(Mw)は1,500〜50,000が好ましく、3,000〜40,000がより好ましく、5,000〜30,000がさらに好ましい。
重量平均分子量が1,500以上の場合は、形成される含フッ素重合体で層を形成した場合に十分な強度が得られやすい。
一方で、重量平均分子量が50,000以下の場合は、実用的な層形成速度(成膜速度)を与える飽和蒸気圧を有するため、蒸着源を高温、具体的には、400℃超の温度まで加熱する必要がなくなる。蒸着原の温度が高すぎると蒸着過程において含フッ素重合体の主鎖が開裂し、含フッ素重合体が低分子量化してしまい、形成される層の強度が不十分となり、さらに分解物に由来する欠陥が発生し、平滑な表面を得にくい。また、主鎖の開裂により生じ意図せず混入した分子あるいはイオンが膜の導電性に影響を与える可能性が想定され、その場合に層の導電性を制御することが困難になる可能性がある。
そのため、重量平均分子量が1,500〜50,000の範囲であれば、含フッ素重合体の主鎖が開裂を起こすことなく、十分な強度と平滑な表面を有する層が形成できる。有機EL素子において正孔輸送層等の層の表面粗さは重要な要素であり、平滑な表面であれば、界面における電荷の授受が円滑に行われ、かつ、リーク電流、デバイス欠陥、電力効率低下といった問題を避けることができる。
また形成される層における品質の安定性の観点から、含フッ素重合体の多分散度(分子量分布)(Mw/Mn)は小さい方が好ましく、2以下が好ましい。なお多分散度の理論的な下限値は1である。
多分散度の小さい含フッ素重合体を得る方法として、リビングラジカル重合等の制御重合を行う方法、サイズ排除クロマトグラフィを用いた分子量分画精製法、昇華精製による分子量分画精製法が挙げられる。これらの方法のうち、層の形成に蒸着法を適用した場合の蒸着レートの安定性を考慮し、昇華精製を行うことが好ましい。
本明細書中、重量平均分子量及び多分散度はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
含フッ素重合体のガラス転移点(Tg)は高い方が、得られる素子の信頼性が高くなることから好ましい。具体的にはガラス転移点が、60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、100℃以上が特に好ましい。上限は特に制限されないが、350℃が好ましく、300℃がより好ましい。
主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するペルフルオロ重合体が、ペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)を環化重合してなる繰り返し単位のみからなるペルフルオロ重合体である場合、固有粘度[η]が、0.01〜0.14dl/gであることが好ましく、0.02〜0.1dl/gであることがより好ましく、0.02〜0.08dl/gであることが特に好ましい。[η]が0.01dl/g以上の場合は、相対的に含フッ素重合体の分子量が大きくなり、形成後の層において十分な強度が得られやすい。一方で、[η]が0.14dl/g以下の場合は、相対的に含フッ素重合体の分子量が小さくなり、実用的な成膜速度を与える飽和蒸気圧を有する。
含フッ素重合体の波長450〜800nmにおける屈折率の上限値は、1.50が好ましく、1.40がより好ましい。屈折率が1.50以下であれば、有機半導体材料との混合により得られる正孔輸送層等の層の屈折率をガラス基板等の屈折率と同等水準である1.55程度まで低下させることができ、光取り出し効率が向上するため好ましい。
有機半導体材料の屈折率は、一般的に1.70〜1.80程度である。このような一般的な有機半導体材料に対して、屈折率が1.50以下の含フッ素重合体を混合すれば、得られる正孔輸送層の屈折率を低下させることができる。正孔輸送層の屈折率が低下して、ガラス基板等(ソーダガラスおよび石英ガラスの屈折率は可視光領域でそれぞれ約1.51〜1.53、約1.46〜1.47である。)の屈折率に近づけば、素子内部で生じる全反射を抑制することができ、光取り出し効率が向上する。
含フッ素重合体としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ペルフルオロ(アルコキシエチレン)共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリペルフルオロ(ブテニルビニルエーテル)(旭硝子社製:サイトップ(登録商標))、テトラフルオロエチレン・2,2,4−トリフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−1,3−ジオキソール共重合体(ソルベイ社製:ハイフロン(登録商標)AD)、テトラフルオロエチレン・ペルフルオロジメチルジオキソール共重合体(ケマーズ(旧デュポン)社製:テフロン(登録商標)AF)、ペルフルオロ(メチルメチレンジオキソラン)重合体が挙げられる。これらの中でも主鎖に脂肪族環構造を有するものが好ましい。
正孔輸送層13の形成材料としては、上述した有機半導体材料および有機半導体材料以外に他の材料が含まれてもよい。他の材料としては、たとえば、有機半導体材料との電荷の授受を容易にするドーパントが挙げられる。正孔輸送層13の形成材料としては、有機半導体材料および含フッ素重合体のみが含まれていることが好ましい。ただし、有機半導体材料は1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。また含フッ素重合体は1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。
正孔輸送層13の形成材料において、含フッ素重合体と有機半導体材料との体積比は70:30〜5:95であることが好ましく、60:40〜20:80であることがより好ましい。含フッ素重合体と有機半導体材料との体積比の上記の範囲であれば、得られる正孔輸送層13の屈折率がガラス基板等の屈折率と同等水準まで低下し、有機EL素子における光取り出し効率が向上するため好ましい。
このような正孔輸送層13は、公知のドライコート法またはウェットコート法で形成することができる。
用いる有機半導体材料が高分子材料である場合、正孔輸送層13の成膜には公知のウェットコート法を採用するとよい。ウェットコート法としては、インクジェット法、キャストコート法、ディップコート法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソコート法、およびスプレーコート法等が挙げられる。ウェットコート法を採用する場合には、用いる有機半導体材料と含フッ素重合体とを所望の比率で混合した溶液または分散液を用意し、上述のいずれかの方法で成膜するとよい。
用いる有機半導体材料が低分子材料である場合、正孔輸送層13の成膜には公知のドライコート法を採用するとよい。ドライコート法は、含フッ素重合体と有機半導体材料とを均一な混合比で成膜しやすいため好ましい。
ドライコート法としては、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、およびスパッタ法等の物理蒸着法が挙げられる。物理蒸着法にて成膜される正孔輸送層13は、物理蒸着膜である。正孔輸送層13の形成材料が低分子材料である場合、正孔輸送層13は物理蒸着膜である蓋然性が高い。これらのうち有機半導体および含フッ素重合体を分解しすることなく成膜しやすいことから、抵抗加熱蒸着法が好ましく、含フッ素重合体と有機半導体材料とを共蒸着させる工程を含む、抵抗加熱による共蒸着法が特に好ましい。
共蒸着における蒸着速度(含フッ素重合体と有機半導体材料との合計の蒸着速度)は特に制限されないが、0.001〜10nm/sであることが好ましい。このとき、含フッ素重合体と有機半導体材料の蒸着速度比により混合比を制御できる。
正孔輸送層13は、波長域450nm〜800nmにおける吸収係数が5000cm−1以下であることが好ましく、1000cm−1以下であることがより好ましく、上記波長域において吸収帯を有さないことが特に好ましい。
正孔輸送層13を構成する各層の吸収係数が5000cm−1を超える場合、光が厚み100nmの正孔輸送層を1回通過すると通過前の光の全量を100%としたときに対し5%の光が吸収される。有機EL素子の内部では光の多重干渉により、正孔輸送層13を通過するときの光の吸収による損失が累積する。そのため、正孔輸送層を通過する際における光吸収が光取り出し効率を大きく低減させる要因となる。光吸収が十分小さい正孔輸送層を用いることは、有機電界発光素子の発光効率を損なわないために極めて重要である。有機EL素子の発光効率が損なわれないことによりエネルギー利用効率が高くなり、かつ、光吸収に基づく発熱が抑制される結果として素子寿命が長くなる。
(発光層)
発光層14は、正孔輸送層13に接して形成されている。発光層14では、陽極11から注入された正孔および陰極17から注入された電子が再結合し、光子を放出して発光する。その際の発光波長は、発光層14の形成材料に応じて定まる。
発光層14は、正孔輸送層13に接して形成されている。発光層14では、陽極11から注入された正孔および陰極17から注入された電子が再結合し、光子を放出して発光する。その際の発光波長は、発光層14の形成材料に応じて定まる。
発光層14の形成材料のLUMOは、正孔輸送層13の形成材料のLUMOよりも低い。
発光層14の形成材料としては、蛍光材料、熱活性化遅延蛍光(TADF)材料、りん光材料等、公知のものを採用することができる。たとえば、発光層14の形成材料としては、Alq3、Zn−PBO、ルブレン、ジメチルキナククリドン、DCM2、DMQ、ビススチリルベンゼン誘導体、Coumarin、DCM、FIrpic、Ir(ppy)3、(ppy)2Ir(acac)、ポリフェニレンビニレン(PPV)、MEH−PPV、PFが挙げられる。発光層14の形成材料は、これらに限定されない。発光層14の形成材料は、所望の発光波長に応じて適宜選択される。発光層14の屈折率は、たとえば波長600nmにおいて1.80〜1.90である。
発光層14の厚さは、特に制限されないが、10〜30nmが好ましい。発光層14の厚さは、たとえば15nmである。
(電子輸送層)
電子輸送層15は、発光層14に接して形成されている。電子輸送層15は、陰極17から注入された電子を発光層14に向けて良好に輸送する機能を有する。
電子輸送層15は、発光層14に接して形成されている。電子輸送層15は、陰極17から注入された電子を発光層14に向けて良好に輸送する機能を有する。
電子輸送層15の形成材料としては、公知のものを採用することができる。たとえば、電子輸送層15の形成材料としては、下記のAlq3、PBD、TAZ、BND、OXD−7、2,2’,2''−(1,3,5−ベンジントリイル)−トリス(1−フェニル−1−H−ベンズイミダゾール)(TPBi)が挙げられる。その他、電子輸送層15の形成材料として、BCP、t−Bu−PBD、シロール誘導体も挙げられる。電子輸送層15の形成材料は、これらに限定されない。電子輸送層15は、発光層14と共通する材料を含んでいてもよい。
さらに、電子輸送層15は、上述の含フッ素重合体を含んでいてもよい。この場合、電子輸送層15は、波長450〜800nmにおいて発光層14よりも低屈折率であると好ましい。
電子輸送層15の厚さは、特に制限されないが、30〜80nmが好ましい。電子輸送層15の厚さは、たとえば60nmである。
(電子注入層)
電子注入層16は、陰極17と電子輸送層15との間に設けられている。電子注入層16は、陰極17から電子輸送層15への電子の注入を容易にする機能を有する。電子注入層16の形成材料としては、通常知られたものを使用することができる。
電子注入層16は、陰極17と電子輸送層15との間に設けられている。電子注入層16は、陰極17から電子輸送層15への電子の注入を容易にする機能を有する。電子注入層16の形成材料としては、通常知られたものを使用することができる。
さらに、電子注入層16は、後述の含フッ素重合体を含んでいてもよい。この場合、電子注入層16は、波長450〜800nmにおいて発光層14よりも低屈折率であると好ましい。
なお、電子注入層16は形成しなくてもよい。
なお、電子注入層16は形成しなくてもよい。
電子注入層16の厚さは、特に制限されないが、0.5〜2nmが好ましい。電子注入層16の厚さは、たとえば1nmである。
(陰極)
陰極17は、電子注入層16に接して形成されている。陰極17は、電子注入層16に電子を注入する機能を有する。陰極17の形成材料としては、公知のものを採用することができる。たとえば、陰極17の形成材料として、MgAg電極、Al電極が挙げられる。Al電極の表面にはLiF等のバッファ層が形成されていてもよい。
陰極17は、電子注入層16に接して形成されている。陰極17は、電子注入層16に電子を注入する機能を有する。陰極17の形成材料としては、公知のものを採用することができる。たとえば、陰極17の形成材料として、MgAg電極、Al電極が挙げられる。Al電極の表面にはLiF等のバッファ層が形成されていてもよい。
陰極17は、全体として発光層14から発せられた光の一部を反射し、残部を透過する程度に薄く形成された半透過膜である。
陰極17の厚さは、特に制限されないが、5〜30nmが好ましい。陰極17の厚さは、たとえば5nmである。
(マイクロキャビティ構造)
本実施形態の有機EL素子1においては、陽極11と陰極17が、陽極11と陰極17との間で光を共振させる光共振構造(マイクロキャビティ構造)を構成している。陽極11と陰極17との間では、発光層14で生じた光が反射を繰り返し、陽極11と陰極17との間の光路長と合致した波長の光が共振して増幅される。一方で、陽極11と陰極17との間の光路長と合致しない波長の光は減衰する。
本実施形態の有機EL素子1においては、陽極11と陰極17が、陽極11と陰極17との間で光を共振させる光共振構造(マイクロキャビティ構造)を構成している。陽極11と陰極17との間では、発光層14で生じた光が反射を繰り返し、陽極11と陰極17との間の光路長と合致した波長の光が共振して増幅される。一方で、陽極11と陰極17との間の光路長と合致しない波長の光は減衰する。
陽極11と陰極17との間の光路長は、たとえば発光層14で生じる光Lの中心波長の整数倍に設定されている。この場合、発光層14で発せられた光Lは、中心波長に近いほど増幅され、中心波長から離れるほど減衰して有機EL素子1の外部に射出される。このようにして、有機EL素子1から射出される光Lは、発光スペクトルの半値幅が狭く、色純度が向上したものとなる。
本実施形態の有機EL素子1において上記マイクロキャビティ構造を形成するにあたり、正孔注入層12および正孔輸送層13は、正孔注入層12の厚さ方向の光路長と、正孔輸送層13の厚さ方向の光路長との合計値が、素子外部に射出される所望の光の波長の1/4倍以上となる厚さを有している。
加えて、本実施形態の有機EL素子1は、第1正孔輸送層131の膜厚W2が、第2正孔輸送層132の膜厚W3と正孔注入層12の膜厚W1との合計膜厚よりも厚くなるように膜厚を調整して、素子内部の光路長を制御している。
正孔注入層12の厚さは、1nm〜200nmが好ましく、1nm〜100nmがより好ましい。
第1正孔輸送層131の厚さは、20nm〜400nmが好ましく、50nm〜250nmがより好ましい。
第2正孔輸送層132の厚さは、1nm〜200nmが好ましく、1nm〜100nmがより好ましい。
光路長は、各層の厚さ(絶対膜厚)と各層の屈折率との積で求められる。そのため、マイクロキャビティ構造の形成にあたり、第2正孔輸送層132や正孔注入層12よりも相対的に屈折率が低い第1正孔輸送層131で光路長を制御すると、設計の膜厚からずれた場合の光路長におよぼす影響が少ない。そのため、上述した構成の有機EL素子1では、マイクロキャビティ構造を調整しやすく、歩留まりを向上させることができる。
特に、有機ELディスプレイのように、異なる発光波長の光(たとえば、赤色光、緑色光、青色光)を射出する有機EL素子を同一プロセスで作り分ける必要がある場合、本実施形態の有機EL素子1の構成では、マイクロキャビティ構造を調整しやすいため、歩留まりを向上させやすい。
以上のような構成の有機EL素子1によれば、外部量子効率が向上し消費電力が少なく、歩留まり高く製造可能な有機EL素子を提供することができる。
[第2実施形態]
図2は、本発明の第2実施形態に係る有機EL素子2の説明図であり、図1に対応する図である。したがって、本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図2は、本発明の第2実施形態に係る有機EL素子2の説明図であり、図1に対応する図である。したがって、本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
有機EL素子2は、基板20、陽極21、正孔注入層12、正孔輸送層13、発光層14、電子輸送層15、電子注入層16、陰極27がこの順に積層した構造を有している。本実施形態の有機EL素子2は、発光層14で生じた光Lが、陽極21および基板20を介して外部へ射出されるボトムエミッション方式を採用している。
基板20は、光透過性を備えている。基板20の形成材料としては、ガラス、石英ガラス、窒化ケイ素等の無機物や、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の有機高分子(樹脂)を用いることができる。また、光透過性を有するならば、上記材料を積層または混合して形成された複合材料を用いることもできる。
陽極21は、基板20上に形成され、正孔輸送層13に正孔(ホール)を供給する。陽極21の形成材料としては、ITOやIZO等の光透過性を有する導電性金属酸化物を用いることができる。
陰極27は、電子注入層16に接して形成されている。陰極27は、発光層14において等方的に放射される光Lを反射し、陽極21の方へ向かわせる機能を有する。
陰極27の厚さは、特に制限されないが、30〜300nmが好ましい。陰極27の厚さは、たとえば100nmである。
このような構成の有機EL素子2においても、正孔注入層12の厚さ方向の光路長と、正孔輸送層13の厚さ方向の光路長との合計値が、素子外部に射出される所望の光の波長の1/4倍以上となる厚さを有している。また、第1正孔輸送層131の膜厚W2が、第2正孔輸送層132の膜厚W3と正孔注入層12の膜厚W1との合計膜厚よりも厚くなるように膜厚を調整して、素子内部の光路長を制御している。
上述の条件により、正孔注入層12と正孔輸送層13の膜厚が一定以上の厚みで規定される。そのため、正孔注入層12および正孔輸送層13を成膜する際、得られた膜の膜厚が設計からずれたとしても、得られた正孔注入層12および正孔輸送層13の膜抵抗、キャリアバランス等の物性が、許容範囲内に収まり易く、有機EL素子の素子性能に影響しにくい。
また、第2正孔輸送層132や正孔注入層12よりも相対的に屈折率が低い第1正孔輸送層131の膜厚が厚く規定されることで、正孔注入層12および正孔輸送層13の膜厚が設計からずれたとしても光路長が設計からずれにくく、素子性能におよぼす影響が小さくなる。
そのため、歩留まり高く製造可能な有機EL素子とすることができる。
そのため、歩留まり高く製造可能な有機EL素子とすることができる。
このような層構成として、具体的には、正孔注入層12の膜厚W1が5nm、第1正孔輸送層131の膜厚W2が60nm、第2正孔輸送層132の膜厚W3が10nmという例が挙げられる。
上述した本実施形態の有機光電子素子は、有機ELデバイス、太陽電池、有機フォトダイオード、有機レーザー等の有機光電子デバイスに利用できる。
特に本実施形態の有機光電子素子は、有機EL素子として好適に用いられる。このような有機EL素子は有機ELディスプレイ、有機EL照明等の有機ELデバイスに利用できる。これらの有機ELデバイスは、トップエミッション型であってもよく、ボトムエミッション型であってもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
10,20…基板、11,21…陽極、12…正孔注入層、13…正孔輸送層、14…発光層、17,27…陰極、131…第1正孔輸送層、132…第2正孔輸送層、2013…第、L…光、W1,W2,W3…膜厚
Claims (4)
- 基板と、
前記基板に設けられた陽極と、
前記陽極に対向する陰極と、
前記陽極および前記陰極の間に配置された発光層と、
前記発光層と前記陽極との間において前記発光層に接して設けられた正孔輸送層と、
前記正孔輸送層と前記陽極との間において前記正孔輸送層および前記陽極に接して設けられた正孔注入層と、を備え、
前記正孔輸送層は、有機半導体材料と含フッ素重合体とを含む第1正孔輸送層と、
有機半導体材料を含む第2正孔輸送層と、を含み、
前記第1正孔輸送層の屈折率は、前記第2正孔輸送層の屈折率および前記正孔注入層の屈折率よりも低く、
前記正孔輸送層の厚さ方向の光路長と、前記正孔注入層の厚さ方向の光路長との合計値が、素子外部に射出される所望の光の波長の1/4倍以上であり、
前記第1正孔輸送層の膜厚は、前記第2正孔輸送層と前記正孔注入層の合計膜厚よりも厚い有機光電子素子。 - 前記正孔注入層は、前記第1正孔輸送層と接する請求項1に記載の有機光電子素子。
- 前記陰極が、前記発光層から射出される光の少なくとも一部を透過させる光透過性を有し、
前記陽極が光反射性を有する請求項1または2に記載の有機光電子素子。 - 前記陰極が光反射性を有し、
前記基板および前記陽極が光透過性を有する請求項1または2に記載の有機光電子素子。
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|---|---|---|---|---|
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-
2017
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