しかし、特許文献1では、連続して広範囲に光を取り出す機構が必要であり、フレームの外表面の構造が複雑で、しかも、光取り出し面を形成するカバー部材との嵌合構造も必要になる。また、フレームに鋸歯形状の光反射機能を有する配向面が形成されており、特別な構造の反射面を設ける必要がある。また、光取り出し部は連続した曲面形状を形成しており、光の取り出し方向に対して光取り出し部の面積を変えることによる明るさの調整ができない。
また、特許文献2では、2種類の光を取り出すために、光を異なる導光空間で導光する必要がある。このため、光源を可動式にする必要がある。
また、特許文献3は、開口部を有する反射板で囲われた主照射部の空間内部で、照射される照明光の一部を補助反射板で向きを変えて斜め側方へ反射し照射するものである。これにより、もともとの照明照射部位以外に、一部の照射部位の照明光の照射強度を高めるものである。すなわち、光源からの照明光を主照射面と斜め側方の面(壁面)の2方向に照射する照明である。
また、特許文献4は、導光空間を分離するのに、独立の導光板を使用する必要がある。よって光源も独立に必要とである。また、側面の開口部がLEDの設置面と直交し、上面の開口部が単なる開口であり意匠性もない。
また、特許文献5のガーデンライトの枠体(グローブ)は光反射機能を有さないため、円筒状中央部に配置された棒状光源(片口金ランプ)から放出される光を、口金上面の光源外周の円筒状の全空間に光を取り出して放射する光取り出しのための空間を確保するものである。このため、指向性を有する点状の光源から出射する光、光反射特性に優れる材料で形成された枠体が導光空間を形成して、枠体内部で拡散反射させて均等化させる照明装置ではない。したがって、特許文献5の照明装置のスリットは、カバーに設けたスリットから、円筒中央の棒状光源からの直接光を漏らして放射する放射口の役割を果たすに過ぎない。
特許文献6は、2枚の導光板を背面に図柄を打刻した加飾用照明装置である。この照明装置は、各導光板の側面部から光を入射させ、導光板内の光を対向する導光板の図柄を形成した部位に向けて出射させて前記図柄を発光状態で立体的に表示するものである。しかし、この照明装置は、照明装置の枠体内面の拡散反射を利用した導光空間内の拡散反射を利用し、光取り出し面の開口部の形状を文字型に利用するものではない。
特許文献7では、照明装置をドアパネル内に配置する構造で、自動車の乗降時に足下を照らすことを目的とする。しかし、特許文献7の照明装置は導光空間の拡散反射を利用したものでない。
また、この車両用照明装置は、乗員がドアを解放する直前には、ドアモールの下端部に設けられたLED光源が点灯して、ドアの外方下方が点灯され、ドアが解放されると、ドアモールの下端部に設けられた別のLED光源により、ドアの内方下方が照らされる。このように、ドアの開閉状態に応じて2つの光源ユニットを切り替えて使用して、最適で必要かつ十分なエリアを照明するものであり、ドアの開閉状態ごとに異なる光源が必要となる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、簡易な構造で均一にかつ省電力で光を照射することが可能なLED照明装置の取り付け構造を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために本発明は、底面と天面と、前記底面と前記天面との外周を囲む4方の側面よりなる略直方体形状の枠体を有するLED照明装置において、前記枠体はマイクロ発泡樹脂製の反射板で形成され、前記枠体の一方の側面にLED光源が、1つまたは所定間隔で複数個、前記一方の側面と対向する他方の側面に前記LED光源の発光面が直接対向するように配置され、前記天面は、天面遮蔽部と、相互に離間した光取出し用の複数の天面開口部とで形成され、前記他方の側面は、側面遮蔽部と、複数の側面開口部とで形成され、前記枠体は、前記天面開口部と前記側面開口部以外が全て反射板で形成され、前記枠体の内面が前記LED光源の光を前記天面開口部と前記側面開口部に導光する導光空間を形成し、前記LED照明装置が自動車のドアパネルに内装され、前記天面開口部からは、前記ドアパネルの内面方向に向けて光を取り出し、前記側面開口部からは、前記ドアパネルの下方に向けて、前記ドアパネルに形成された開口部から光を取り出すことが可能であることを特徴とするLED照明装置の取り付け構造である。
前記ドアパネルは樹脂成形構造体を有し、前記ドアパネルに形成された開口部は、前記樹脂成形構造体に形成された開口部であり、前記樹脂成形構造体に形成された開口部は、前記天面開口部と前記側面開口部とに対応するように形成された2つの別々の開口部であり、前記樹脂成形構造体の開口部に前記天面開口部と前記側面開口部を一致させて前記樹脂成形構造体に前記LED照明装置が配置されていてもよい。
前記天面開口部および前記側面開口部は、前記ドアパネルの樹脂成形構造体を覆う繊維織物あるいは不織布のいずれかからなる内装用布地により覆われており、前記天面開口部および前記側面開口部からの光は、前記内装用布地の繊維の隙間から取り出されてもよい。
前記天面開口部は、前記ドアパネルの樹脂成形構造体を覆う繊維織物あるいは不織布のいずれかからなる内装用布地により覆われており、前記天面開口部からの光は前記内装用布地の繊維の隙間から取り出され、前記側面開口部は、前記内装用布地により覆われておらずに、前記側面開口部からの光は直接取り出されてもよい。
前記天面開口部は、一つまたは複数の図形または文字型に形成され、前記照明装置は、前記一つまたは複数の図形または文字型を外部から視認することが可能な加飾用照明であってもよい。ここで、側面開口部と側面遮蔽部を設ける相互の配置は、ドアパネルの樹脂成形構造体の光取り出し部の具体的構造に応じて適宜設計することができる。
前記繊維織物あるいは前記不織布を構成する繊維は、ポリエステル系、難燃ポリエステル系、ポリフェニレンエーテル系、ポリプロピレン系、ポリアミド(ナイロン)系、ポリアクリロニトリル系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系の合成繊維、セルロース系、蛋白質系の半合成繊維、レーヨン系、特殊レーヨン系、またはキュプラなどの再生繊維の少なくともいずれかを含むか、あるいはこれらの繊維を組み合わせて使用することが好ましい。コストと耐熱性のバランスを考慮すると、ポリエステル系繊維あるいは難燃ポリエステル系繊維を用いることが望ましい。
また、繊維織物あるいは前記不織布は、無機系顔料、有機系顔料、無機物の少なくもいずれかを含有していてもよい。
前記反射板のマイクロ発泡樹脂は、波長450〜650nmの可視光帯域での光学特性として、酸化アルミニウム標準片を用いた時の光反射率が、全反射率が90%以上、拡散反射率が90%以上であってもよい。なお、全反射率が95%以上、拡散反射率が95%以上であることが望ましい。
前記一方の側面と前記他方の側面が、前記底面に対して直角または鋭角に形成されるか、前記側面遮蔽部と前記側面開口部が前記底面に対して直角または鋭角に形成されるかのいずれかであってもよい。
前記側面開口部は矩形状であり、前記側面開口部が、前記側面からこれと接続する前記底面にまたがるように一体に連続してL字状に形成されるか、あるいは前記側面とこれと接続する前記底面の接続部には、面取り状に両者に斜めに接続する斜面が設けられ、前記側面開口部は、前記側面から前記斜面にまたがるように連続して形成されてもよい。
前記天面開口部と前記側面開口部の少なくともいずれかの内側には、光透過性の窓材が貼り付けられてもよい。
前記窓材は、アクリル樹脂、PET樹脂またはPC樹脂の光透過性樹脂またはガラス材料の少なくともいずれかからなっていてもよい。
前記窓材の内、前記天面開口部に貼り付けた窓材は、着色された樹脂またはガラス材料からなる光透過性部材であり、前記天面開口部の窓材から着色光を取り出すことが可能であり、前記側面開口部からは、前記LED光源の発光色である白色または昼光色を取り出すことが可能であってもよい。
また、前記窓材の内、前記天面開口部の窓材として、光を透過する金属薄膜または着色フィルムと、これらを保持する光透過板により構成される光透過部材が、前記天面開口部に密着するよう前記天面遮蔽部の裏面に接着されていてもよい。
前記LED照明装置は、光取り出しが可能な外部枠体の内部に収納されてもよい。
前記LED照明装置は、光取り出しが可能な外部枠体の内部に収納されていて、前記外部枠体は、光透過性部材により形成され、前記外部枠体の前記天面開口部が着色された光透過性部材、あるいは透明な光透過性部材に着色フィルムを張ったもので形成されていてもよい。
前記枠体の天面開口部と樹脂成形構造体の開口部と一致するように固定することで、枠体の天面開口部から取り出した光を、樹脂成形構造体の開口部から内装用布地を通してドアパネル内方に光を取り出すことができ、さらに、前記枠体の側面開口部と樹脂成形構造体の開口部と一致するように固定することで、枠体の側面開口部から取り出した光を、樹脂成形構造体の開口部から、ドアパネル下方に光を取り出すことができる。
ここで、枠体の天面開口部と樹脂成形構造体の開口部は両者の配置が一致するように配置することが必要であるが、上記の枠体の側面開口部と樹脂成形構造体の側面開口部の配置が一致するとは、樹脂成形構造体の側面開口部の内部に、枠体の側面開口部が含まれるか、あるいは両者の配置が完全に一致することを言うが、枠体の側面開口部は、枠体の天面開口部と異なり文字型などを認識する必要がないため、枠体の側面開口部と樹脂成形構造体の開口部の配置は、多少の配置のずれは許容される。
また、枠体の天面開口部の配置とこれと対応する樹脂成形構造体の開口部の配置が一致するとは、樹脂成形構造体の開口部の外側から照明装置を観察した時に、枠体の天面開口部に設けた一つまたは複数の図形や文字型が視野欠けせずに視認できることを言う。すなわち、枠体の天面開口部の図形や文字型が樹脂成形構造体の開口部に内包されていれば良い。
前記LED照明装置は、ネジによる固定、突起と凹部との嵌合による固定、ファスナーによる固定、前記樹脂成形構造体に形成されたピンを変形させて形成された頭部を有する固定用ピンによる機械的固定、前記樹脂成形構造体の固定用ピンの熱融着による固定、または、両面粘着テープ若しくは粘接着剤による固定のいずれかの固定手段により前記樹脂成形構造体へ固定されるかあるいはこれらのいずれかの手段の組み合わせることにより樹脂成形構造体へ固定されていてもよい。
前記枠体の前記天面の外表面側に光透過板あるいは保持板が接着され、少なくとも前記光透過板あるいは前記保持板は、前記枠体の外方に突出するように取り付け孔を有する固定部が形成され、前記LED照明装置は、前記光透過板あるいは前記保持板に形成された前記取り付け孔において、ネジまたはボルトで前記樹脂成形構造体へ固定されるか、あるいは前記樹脂成形構造体に設けられた固定用ピンが前記取り付け孔に挿通され、頭部を有する前記固定用ピンで前記樹脂成形構造体へ固定されるかのいずれかであってもよい。
前記枠体の前記側面に、前記枠体の天面の外方に向けてフランジ状に突出する断面L字形状のL字状部材が設けられ、前記L字状部材には、取り付け孔を有する固定部が形成され、前記LED照明装置は、前記取り付け孔で、ネジまたはボルトで前記樹脂成形構造体へ固定されるか、あるいは前記樹脂成形構造体に設けられた固定用ピンが前記取り付け孔に挿通され、前記頭部を有する前記固定用ピンで前記樹脂成形構造体へ固定されるかのいずれかであることが望ましい。この際、前記天面には、前記天面の外表面側に光透過板あるいは保持板が接着されているか、あるいは、天面の内側に窓材が設けられていてもいずれでもよい。
前記天面遮蔽部の、光の取り出しを妨げない位置に、取付け孔付き固定部を有する板状部材が貼り付けられ、前記LED照明装置は、前記取付け孔で、ネジまたはボルトで前記樹脂成形構造体へ固定されるか、あるいは前記樹脂成形構造体に設けられた固定用ピンが前記取り付け孔に挿通され、頭部を有する前記固定用ピンで前記樹脂成形構造体へ固定されるかのいずれかであってもよい。
また、前記枠体の少なくとも2つの前記側面の上端部に、外周方向に向けてフランジ部が形成され、前記枠体は、前記フランジ部に前記天面が貼り付けられて形成され、前記天面および前記フランジ部の相互に対応する位置に取り付け孔が設けられ、前記取り付け孔で、ネジまたはボルトで前記樹脂成形構造体へ固定されるか、あるいは前記樹脂成形構造体に設けられた固定用ピンが前記取り付け孔に挿通され、頭部を有する前記固定用ピンで前記樹脂成形構造体へ固定されるかのいずれかであってもよい。
前記枠体の前記側面、前記天面または前記底面の外周に、爪または突起が設けられ、前記樹脂成形構造体に形成された凹部に、前記爪または突起が嵌合されて、前記LED照明装置が前記樹脂成形構造体へ固定されてもよい。
枠体を樹脂成形構造体への固定する際には、枠体の外方に突出するように取り付け孔を有する固定部が形成された枠体を用いて固定される場合、または、枠体の側面に、天面の外方に向けてフランジ状に突出する断面L字形状の取り付け孔を有する固定部が形成されている枠体を用いて固定される場合、または、取付け孔付き固定部を有する板状部材が枠体の天面に貼り付けられている枠体を用いて固定される場合、枠体自体の側面にフランジ部が形成され、さらにフランジ部に枠体の天面が貼り付けられている枠体を用いて固定される場合、または、爪または突起が形成されている枠体を用いて固定される場合のいずれの場合においても、枠体の天面の開口部と枠体の側面の開口部の配置を、樹脂成形構造体に形成されたそれぞれの開口部の配置と一致させる必要がある。
前記LED光源を点灯しない状態において、前記天面開口部が視認されずに、前記LED光源を点灯した時には、前記天面開口部が視認可能であってもよい。
前記LED光源は、フレキシブルフラット回路またはLED基板に1つまたは所定間隔で複数実装され、前記枠体の前記一方の側面には、前記LED光源の発光部の形状・配置に合わせて切欠き部が形成され、前記一方の側面の外面側にフレキシブルフラット回路またはLED基板が接合され、前記切欠き部から前記LED光源の発光面が導光空間に露出してもよい。
前記LED光源は自動車のドアを閉じた状態で消灯し、自動車のドアを開いた状態で点灯させてもよい。
本発明によれば、同一光源の光をドアパネル正面と、LED光源と対向する側面方向に導光し、枠体の遮蔽部の拡散反射を利用して同一の導光空間を導光する。このため、特許文献4のように導光板を使用することなく、枠体の光の反射を利用することができる。また、拡散反射により導光空間内で均一な照度にすることができ、各面から面発光させることができる。また、枠体の開口部に形成されるスリットや文字の幅や大きさ、窓材の透過率を変えることにより、照明の明るさを設計的に変えることができる。また、導光空間で拡散反射されることで、開口部から照射される照明光の照射角が大きくなるため、広い範囲に照射できる。
また、枠体の異なる面に開口部を設けることにより、略直交する異なる2方向に光を取り出し、取り出した光を異なる目的に使用することができる。例えば、天面開口部からの光を自動車の車内を照らす加飾照明用の照明とするとともに、側面開口部から光を車外の足下等を照らす照明装置とすることができる。この場合、照明装置を取付けたドアパネルを見ると、ロゴマーク等の加飾面が視認でき、さらに足元照明の輝度を増加させることができる。
また、天面開口部を、複数の図形または複数の文字型とすることで、意匠性にも優れる。ここで、天面開口部を、企業のロゴマークや企業名あるいは所有者の名前などの文字型を入れることで、照明装置にメッセセージ性を付与することができ、広告宣伝や所有者のステータスを高めたりすることが期待できる。
また、天面開口部および側面開口部が内装用布地に覆われていることで、消灯時には、天面開口部および側面開口部を視認することができず、点灯時には、布地の隙間から光を取り出すことができる。このため、意匠性に優れ、内装用布地による開口部面積の低下と光の吸収が重畳させることから、グレア感を低減することもできる。
また、天面開口部を内装用布地で覆い、側面開口部は内装用布地で覆わないようにしても、消灯時には、天面開口部を視認することができず、点灯時には、布地の隙間から光を取り出すことができる。また、側面開口部からの光は、内装用布地を通さずに照射されるため、足元をより明るく照らすことができる。
また、内装用布地の材質を適切に選択することで、天面開口部の隠ぺい性や光の取り出し性が良好である。
前記LED照明装置は、ドアパネル内の前記樹脂成形構造体と一体または別体で成形されたLED照明装置固定部に取り付けられていることで、LED照明装置が車を運転中に振動を受けた時にも、しっかり照明装置をドアパネルに固定することができる。
具体的には、本発明には前記のように種々の繊維を用いることができるが、繊維織物に複数の繊維を組み合わせて用いたり、不織布を構成する短繊維に複数の繊維を組み合わせて用いることができる。複数の繊維を組み合わせて用いて織物を形成する場合には、縦糸繊維と横糸繊維に異なる繊維を用いたり、所定本数ごとに異なる繊維を用いて、織物を作成することも可能である。
また、繊維織物あるいは前記不織布に含まれる無機系顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化鉄のいずれか、有機系顔料としては、フタロシアニン系、アゾ系、ペリノン系、ペリレン系、アントラキノン系のいずれか、あるいはカオリン、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、シリカゲル、酸化ケイ素などの無機物を含む材料を用いることができる。
また、反射板のマイクロ発泡樹脂が、酸化アルミニウム標準片の反射率を100%とした時に、全反射率が90%以上であり、拡散反射率が90%以上であれば、効率良く光を反射させることができ、拡散反射による多重反射を繰り返しても照度の低下が抑えられ、LED光源を削減しても照明電力の低減と面発光の両立が実現できる。さらに全反射率、拡散反射率ともに95%以上でることが好ましい。
また、LED光源の光の一部を、底面に対して直角または鋭角に形成された側面遮蔽部と側面開口部に照射して、側面開口部から直接照射光を取り出すと同時に、側面遮蔽部で反射した後、導光空間内で拡散反射させて、側面開口部から拡散反射光として取り出すことで、開口部からの照射される照射光の輝度を均等化し、面発光させることができる。
また、枠体の側面を、底面に対して鋭角に形成し、LED光源の光の一部を、底面に拡散反射させて、拡散反射させた反射光を、天面開口部で面発光させることで、照明装置の輝度を均等化することができる。
また、矩形状の側面開口部が、側面と、側面に接続する底面にまたがるように一体に連続してL字状に形成されれば、側面と底面の両方に光を取り出すことができる。
また、側面とこれと接続する底面の接続部に斜面を設け、側面開口部が、側面から斜面にまたがるように連続して形成されれば、側面と斜め方向の両方に光を取り出すことができる。このように側面開口部をL字状に形状にするか、斜面にまたがるように形成することで、側面開口部からの光取り出し角度を広げることができる。この際、側面開口部の形成位置、形成角度、開口面積を調整することにより照射角度、照射範囲を調整することができる。
また、天面開口部および側面開口部を光透過性の透明な窓材で封止することで異物やほこり、液体の侵入を防止することができる。
前記窓材は、アクリル樹脂、PET樹脂、PC樹脂などの光透過性樹脂またはガラス材料の少なくともいずれかなることができるが、軽量化の点では、窓材には光透過性樹脂を用いることが望ましい。
天面開口部に貼り付けた窓材は、着色された樹脂またはガラス材料からなる光透過性部材であり、天面開口部の窓材から着色光を取り出すことが可能であり、側面開口部からは、LED光源の発光色である白色または昼光色を取り出すことが可能である。このようにすることで、前記天面開口部から着色光が取り出され、側面開口部からは、白色または昼光色が取り出されることで、LED照明装置を加飾照明として用いることができる。
側面開口部から取り出す光は、天面開口部に貼り付けた光透過部材からの反射の影響で、僅かに天面開口部の色の影響を受けることがある。この場合には、側面開口部に設ける光透過部材に天面開口部に設ける色の加法混色による補色の光透過部材を設けることで、白色または昼光色に近い色の光を得ることもできる。
また、前記窓材の内、天面遮蔽部の窓材として、光透過部材が、光を透過する金属薄膜または着色フィルムと、これを保持する光透過板または保持板により構成されることで、光を透過するほどに薄い金属薄膜や着色フィルムを、確実に保持することができる。光透過部材が、前記天面遮蔽部に密着するように接着されていることが望ましい。
また、LED照明装置を、光取り出しが可能な透明の外部枠体内部に収納することで、枠体を確実に保護することができる。
LED照明装置は、光取り出しが可能な外部枠体の内部に収納されていて、前記外部枠体の光取り出し部は、光取り出し部材の構造や着色度合い適宜変更することができる。例えば、外部枠体の天面開口部が着色された光透過部材で形成され、あるいは透明な光透過部材に着色フィルムを張ったもので形成されてもよい。さらに、側面開口部には透明な光透過部材を用いることで、LED照明装置を加飾照明とすることができる。
尚、天面開口部の内部に貼り付けた窓材から光取り出しを行うのと、外部枠体を形成する光透過部材から光を取り出すのでは、枠体内部の光反射部材による拡散反射を最も効率的に行うことができるので、枠体内部に窓材を設けるのではなく、外部枠体の光透過部材から光を取り出すことが望ましい。
ここで、LED照明装置の天面開口部や側面開口部に窓材を貼り付けたり、外部枠体の内部に収納するのは、光取り出しだけでなく、LED照明装置にチリや埃が侵入することを防止できる。これにより、照明装置がチリや埃に帯電した静電気により故障したり、水分がLED照明装置に侵入して故障することを防止できる。
LED光源を点灯しない状態では天面開口部が視認されずに、LED光源を点灯した時に天面開口部を視認可能とすることで、意匠性に優れたLED照明装置の取り付け構造を得ることができる。
また、LED光源が、フレキシブルフラット回路に1つまたは複数所定間隔で複数実装されたフレキシブルフラット光源を使用することで、枠体への取り付けが容易であり、配線のレイアウトの自由度も高い。この際、枠体の一方の側面に、LED光源の発光部の形状に合わせて切欠き部を形成することで、枠体の一方の側面の外面側にフレキシブルフラット光源を配置することができる。このようにすることで、導光空間内には、LED光源の発光面が露出するだけで、枠体内面を全て反射板で覆った導光空間を構成することができる。
また、フレキシブルフラット光源が、枠体の一方の側面の内面側に配置された場合には、LED光源の発光部の形状に合わせて切欠き部が形成されたマイクロ発泡樹脂製の反射板で、フレキシブルフラット回路を覆うことで、導光空間内に配線回路を設ける必要なく、導光空間を実質的に光反射板のみで形成することができることから、確実に導光空間内で光を拡散反射させることができる。
また、自動車のドアが閉じた状態では消灯し、ドアを開けた際に点灯するように照明装置のスイッチをドアに埋め込む工夫することで、意匠性にも優れ、乗降時の足元を効率よく照らすことができる。
なお、枠体の天面のみに開口部を設けて、枠体のLED光源が配置された側面と対向する側面に開口部を設けずに遮蔽部のみによって形成した場合には、側面に全く開口部が存在しないことから、導光空間内での拡散反射が増加することで、天面開口部からは、より均一な光を取り出すことができる。
また、この場合には、枠体内部での拡散反射により取り出すことができる光の量が増加するために、LED光源と対向する側面が開口している場合より、より均一で明るい光を取り出すことができる。このようにすることで、2方向照明装置とするだけでなく、1方向から光を取り出す照明装置とすることができる。この場合には、天面開口部に複数の図形または文字型を形成することで、複数の図形や文字型を外部から視認することが可能な加飾用照明を実現できる。
なお、枠体の天面のみに開口部を設けて、枠体の天面のみから1方向に光を取り出す場合にも、前記の枠体に天面開口部と側面開口部の両者を設ける場合と同様の光学特性を有するマイクロ発泡樹脂を用いることができる。
本発明によれば、簡易な構造で、均一な光を照射することが可能なLED照明装置の取り付け構造を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1はLED照明装置1を示す斜視図であり、図2は、LED照明装置1を示す平面図である。また、図3は図1のB−B線断面図であり、図4は図1のA−A線断面図である。LED照明装置1は、主に、枠体3、LED光源19等からなる。なお、以下の説明において、配線などは図示を省略する。
枠体3は、天面5と底面7と、天面5と底面7との外周を囲む4方の側面9a、9b、9c、9dよりなる略直方体形状である。すなわち、天面5は、底面7と対向し、側面9aは側面9bと対向し、側面9cは側面9dと対向する。
枠体3は、マイクロ発泡樹脂製の反射板で形成される。なお、マイクロ発泡樹脂製の反射板は、マイクロ発泡樹脂シート(多数の微細気泡を有する多孔質部材)から形成される。本発明で用いるマイクロ発泡樹脂シートは、中央に発泡層を有し、両面に非発泡層を有する絶縁性の樹脂シートである。ここで、発泡層とは、発泡により、気泡を生成させた層をいう。
本発明では、マイクロ発泡樹脂シートの厚さは0.4mm〜2.0mmで、非発泡層の厚さは10〜30μmである。発泡層の厚さは、マイクロ発泡樹脂シートの厚さから、非発泡層の厚さを引いた値になる。つまり、非発泡層の厚さは、マイクロ発泡樹脂シートの全体厚さが増しても、ほぼ一定値になる。この理由は、非発泡層がマイクロ発泡樹脂シートの製造工程においてガスが抜けることにより形成され、これにより形成される層の厚さは、マイクロ発泡樹脂シートの表面からの距離によって決まるためである。
本発明のマイクロ発泡樹脂シートは、平均気泡径が0.2μmから40μmの範囲であることが好ましい。ここで、平均気泡径が0.2μmより小さすぎると、光の透過度が高くなり反射率が低下する。平均気泡径が大きすぎると拡散反射率が低下するため、平均気泡径は0.2μmから40μm以下とする必要がある。さらに平均気泡径は0.5μmから20μmであることが好ましい。
マイクロ発泡樹脂シートは熱可塑樹脂からなり、波長450〜650nmの可視光帯域に対する光学特性として、酸化アルミニウム標準片の反射率を100%とした時の光反射率が、全反射率は90%以上、拡散反射率は90%以上、反射率の波長依存性は1%以下の範囲内にある。より好ましくは、全反射率は95%以上、拡散反射率は95%以上である。マイクロ発泡樹脂シートは、全反射率、拡散反射率ともに高いので反射板として有効である。反射率としては、全反射率、拡散反射率ともに98%の反射板を使用することもできる。
ここで、本発明のマイクロ発泡樹脂シートは、絶縁性を有する部材で、その体積固有抵抗は1012Ω〜1017Ωである。この範囲であれば、本発明における絶縁性を十分確保できる。
本発明において、マイクロ発泡樹脂シートは、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)、PC樹脂(ポリカーボネート樹脂)、難燃PC樹脂、アクリル系樹脂のいずれかから構成することが好ましい。上記の他、マイクロ発泡樹脂シートには、シクロオレフィンポリマー、ポリアクリロニトリルなどのアクリル樹脂に難燃性を持たせた透明樹脂を使用することもできる。
天面5には、相互に離間した複数の天面開口部11が設けられる。天面開口部11は、内部から光を取り出すための開口部である。天面開口部11は、複数の図形または複数の文字型である。このため、LED照明装置1は、複数の図形または複数の文字型を照明装置の外部から視認するための加飾用照明として使用することができる。なお、天面開口部11の形態や個数は図示した例には限られない。
天面5の天面開口部11以外の部位は、天面遮蔽部13となる。すなわち、天面5は、天面遮蔽部13と、相互に離間した光取り出し用の複数の天面開口部11とで形成される。
また、図2に示すように、天面遮蔽部13は、外周遮蔽部13aと開口部間遮蔽部13bと開口部内遮蔽部13cで構成される。外周遮蔽部13aは、複数の天面開口部11の全体を囲うように形成される。なお、開口部内遮蔽部13cは必ずしも必要ではない。すなわち、天面遮蔽部13は、外周遮蔽部13aと開口部間遮蔽部13bとで構成されるか、あるいは外周遮蔽部13aと開口部間遮蔽部13bと開口部内遮蔽部13cとで構成されるかのいずれかである。
ここで、図2の一点鎖線で示した領域は、天面開口部11と開口部間遮蔽部13bと開口部内遮蔽部13cを合わせた領域であり、外周遮蔽部13aは、天面開口部11と開口部間遮蔽部13bと開口部内遮蔽部13cを合わせた領域の外周に形成される。天面開口部11は、外周遮蔽部13aに内接する。また、開口部間遮蔽部13bは、天面開口部11同士の間に外周遮蔽部13aに内接するように形成される。また、開口部内遮蔽部13cは、天面開口部11に内接するように形成される。
ここで、開口部間遮蔽部13bと開口部内遮蔽部13cは、天面開口部11の輪郭を形成するとともに、反射板として作用させることができ、導光空間内の光を側面に導光することができる。
図4(図1のB−B線断面図)に示すように、底面7に対して直角に形成された側面9aには、LED光源19が、側面9aと対向する側面9bにLED光源19の発光面が直接対向するように配置される。LED光源19は、一つであってもよく、複数個が所定間隔で配置されもよい。なお、本実施形態ではLED光源19が所定間隔で3つ配置された例を示す。LED光源19は、側面9aの高さ方向の中央近傍に配置される。
また、LED光源19は、天面遮蔽部13(外周遮蔽部13a)の直下に配置される。このようにすることで、天面開口部11の直上から、LED光源19を直接視認することができないようにすることができる。ここで、LED光源は側面9aの略中央に配置されることが望ましい。
LED光源19が配置される側面9aと対向し、底面7に対して直角に形成される側面9bには、1つまたは複数の側面開口部15が形成される。側面開口部15は、内部から光を取り出すための開口部である。側面開口部15は、略矩形状である。すなわち、複数の側面開口部15は矩形状に切り欠かれて所定間隔で形成される。
図4(図1のA−A線断面図)に示すように、LED光源19の対向面(側面9b)の正面位置には、LED光源19の数に対応させて、1つまたは複数の側面開口部15を区画する側面遮蔽部17が設けられる。このため、LED光源19から最も輝度が高い直接光(図中C)が、側面遮蔽部17によって遮蔽される。なお側面開口部15は、複数個でなく一つとすることもできる。
このように、側面9bは、側面開口部15と、側面遮蔽部17とで形成される。すなわち、側面遮蔽部17と側面開口部15は、底面7に対して直角に形成される。また、側面開口部15の上部には、所定高さの側面遮蔽部17を有する。また側面開口部15の下端部は、枠体3の底面7と同一高さに形成される。すなわち、側面開口部15は、側面9bの高さ方向の下端から所定の高さ(側面9bの高さよりも低い範囲)で形成される。
なお、天面5の内面側には、光透過性の窓材12が貼り付けられる。すなわち、窓材12は、天面遮蔽部13の内面に貼り付けられ、枠体3の天面開口部11を覆うように枠体3の内部に設けられる。同様に、側面9bの内面側には、光透過性の窓材12が貼り付けられる。すなわち、窓材12は、側面遮蔽部17の内面に貼り付けられる。窓材12は、光を透過する部材であり、天面開口部11および側面開口部15を塞ぐものである。なお、窓材12は、天面5と側面9bの少なくともいずれかに配置されればよい。
窓材は12、アクリル樹脂、PET樹脂またはPC樹脂の光透過性樹脂またはガラス材料の少なくともいずれかからなる。また、窓材12の内、天面開口部11に貼り付けた窓材12は、着色された樹脂またはガラス材料からなる光透過性部材としてもよい。このようにすることで、天面開口部11の窓材12から着色光を取り出すことが可能であり、側面開口部15からは、LED光源19の発光色である白色または昼光色を取り出すことが可能である。
図3(図1のB−B線断面図)に示すように、枠体3は、天面5と側面9bに形成された天面開口部11および側面開口部15以外が全て反射板で形成される。すなわち、枠体3の内面は、LED光源19の光を、天面開口部11と側面開口部15に導光する導光空間21を形成するものである。このように、LED光源19からの光を、天面遮蔽部13、側面遮蔽部17、底面7等に拡散反射させて、天面開口部11と側面開口部15に導光し、天面開口部11と側面開口部15から光を取り出すことができる。
すなわち、LED光源19の光の一部を、底面7に拡散反射させて、拡散反射させた反射光を、天面開口部11で面発光させることができる。さらにLED光源19の光の一部を、底面7に対して直角に形成された側面遮蔽部17と側面開口部15に照射して、側面開口部15から直接照射光を取り出すと同時に、側面遮蔽部17で反射した後、導光空間21内で拡散反射させて、側面開口部15から拡散反射光として取り出すことができる。ここで、導光空間内では、反射が繰り返されて、多重反射が起こることで、より拡散反射光が均一化される。
ここで、天面開口部11と天面遮蔽部13の面積を加えた天面5の全体の面積に対する、天面開口部11の面積の割合は、20〜50%であることが望ましい。すなわち、天面開口部11と天面遮蔽部13の面積を加えた天面5の全体の面積に対する、天面遮蔽部13の面積の割合は、80〜50%であることが望ましい。
さらに、側面開口部15と側面遮蔽部17の面積を加えた側面9bの全体の面積に対する、側面開口部15の面積の割合は、20〜50%であることが望ましい。すなわち、側面開口部15と側面遮蔽部17の面積を加えた側面9b全体の面積に対する、側面遮蔽部17の面積の割合は、80〜50%であることが望ましい。
天面開口部11の割合が20%未満では、加飾照明全体としての明るさが不足する。これは、天面開口部11の単位面積当たりには光が集中して少し明るくなるが、加飾面全体の輝度は減少するためである。なお、本発明では、枠体3の内面の拡散反射率が高いので、天面開口部11を狭くして、繰り返し拡散反射しても天面開口部11から取り出す光の強度は大きく減少することはない。
また、天面開口部11の割合が50%を超えると導光機能が不足し、開口部からの直接照射光が増加する。これは天面開口部の割合が50%を超えると、天面開口部11から取り出す単位面積当たりの光量が減ると同時に、導光空間内で拡散反射を繰り返すことで均一される光取り出し量が減少し、天面開口部から取り出す光に輝度ムラが生じるためである。したがって、天面5における天面開口部11の開口面積の上限は、50%未満が望ましい。なお、さらに望ましくは、天面5の全体の面積に対する、天面開口部11の面積の割合は、30%以上50%以下であり、天面遮蔽部13の面積の割合は、50%以上70%以下である。
また、側面開口部15と側面遮蔽部17の面積割合についても、天面開口部11と天面遮蔽部13の面積割合と同様の傾向を満足することが望ましい。天面開口部11の開口部割合だけでなく、側面開口部15の開口割合を所定範囲に設定することで、導光空間21内の拡散反射による光強度の均一化を計り、それぞれの開口部から均一な光を取り出すことができる。
また、枠体3の内部空間の内表面積に対する、天面開口部11の面積と側面開口部15の面積とを加えた開口部の総面積の割合は、10〜25%であることが望ましく、さらに望ましくは、10〜20%である。ここで、枠体3の内部空間の内表面積とは、天面5、底面7、側面9a、9b、9c、9dの内面積(遮蔽部と開口部のすべて含む)の総和である。
このようにすることで、光を導光空間21内に効率よく閉じ込めることができる。この結果、開口部からの面積当たりの光量を確保することができる。
ここで、図3のLED照明装置1の断面図の底面7の長さと側面9a、9b、9c、9dの高さの比率を、アスペクト比とすると、アスペクト比は大きい方が望ましく、少なくともアスペクト比が2以上であることが望ましい。この理由は、アスペクト比が大きい方が、LED光源19から側面9bの側面開口部15に直接照射される光が少なくなるため、これにより側面開口部15から直接取り出される光が少なくなり、導光空間21内に閉じ込められる光量が増加するからである。
なお、枠体3の内部空間の内表面積に対する、天面開口部11の面積と側面開口部15の面積とを加えた開口部の総面積の割合が10%未満では、開口面積が小さいため、加飾照明全体としての明るさが不足する。また、枠体3の内部空間の内表面積に対する、天面開口部11の面積と側面開口部15の面積とを加えた開口部の面積の割合が25%を超えると、空間内への光の閉じ込め量が低下し、各開口部からの面積当たりの光の取り出し量が低下する。
ここで、枠体3の内部空間の内表面積に対する、天面開口部11の面積と側面開口部15の面積とを加えた開口部の面積の割合は、前記天面開口部11と天面遮蔽部13の面積を加えた天面5の全体の面積に対する、天面開口部11の面積の割合である20〜50%の半分以下であることが望ましい。枠体3の内部空間の内表面積に対する、天面開口部11の面積と側面開口部15の面積とを加えた開口部の面積の割合は、さらに20%以下とすることが望ましい。
また、図4に示すように、LED光源19が接合された側面9aと側面9bの距離をLとする。LED光源19の正面方向に対する配向半角(図中α)は、例えば60°±10°の角度の範囲である。この場合には、隣接するLED光源19からの直接照射光を、側面9bにおいて連続して受光するためには、LED光源19同士の設置間隔Pが、2L×tan(60°±10°)であることが望ましい。このように、LED光源19を配置することで、LED照明装置1の輝度を均等化することができる。ここで、配向半角60°においては、隣接するLED光源19からのそれぞれの光強度が重畳されることから、配向半角60°における輝度は、LED光源19の中心の法線位置における輝度とほぼ同等になる。
なお、側面開口部15の形態は、前述した例には限られない。例えば、図5(a)に示すように、矩形状の側面開口部15を、側面9bから、これと接続する底面7にまたがるように一体に連続して形成してもよい。すなわち、側面開口部15を、断面L字状に形成してもよい。
このようにすることで、導光空間21内で拡散反射した光を、側面開口部15から、下方のみではなく底面方向に向けて取り出すことができる。
また、図5(b)に示すように、側面9bと、これと接続する底面7の接続部に、面取り状に両者を斜めに接続する斜面23を設け、矩形状の側面開口部15を、側面9bから斜面23にまたがるように連続して形成してもよい。
このようにしても、導光空間21内で拡散反射した光を、側面開口部15から、下方のみではなく底面方向に向けて取り出すことができる。
また、前述した実施形態では、側面9aの内面に直接LED光源19を配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。LED光源19を、フレキシブルフラット回路に配置してもよい。図6(a)は、フレキシブルフラット回路25の正面図であり、図6(b)は、フレキシブルフラット回路25の背面図である。
フレキシブルフラット回路25は、回路導体(例えば銅箔または銅線により形成された回路)が樹脂(例えばPETやポリイミド、ポリエチレンナフタレート)で上下面を積層樹脂被覆又は接着されたケーブルである。所定の長さに切断されたフレキシブルフラット回路25の内部には、少なくとも一対の回路導体が形成されており、LED光源19を実装したフレキシブルフラット回路25の端部近傍では、これらの回路導体同士を導通させる導体部材29が設けられる。導体部材29は、内部の回路導体と導通する。すなわち、LED光源19、回路導体と導体部材29によって配線回路27が形成される。導体部材29を用いる代わりに、端部の導体回路を折り曲げて回路導体同志を接続して配線回路27を形成しても良い。
また、必要に応じてLED光源19以外に抵抗、ヒューズや電流制限部品などの回路部品が配線回路に組み込むことができる。ここで、積層樹脂がPET樹脂の場合には、積層樹脂を接着する接着剤としては、オレフィン系接着剤やポリエステル系接着剤などを使用することができる。
フレキシブルフラット回路25には、一つまたは複数のLED光源19が所定の間隔で配置される。LED光源19の電極端子を、フレキシブルフラット回路25の表面から、内部の配線回路27に貫通させてかしめるか、あるいは一方の積層被覆樹脂を剥がして、電極端子と配線回路27をはんだ付けや低温ろう付け等を行うことで、LED光源19を実装することができる。
なお、フレキシブルフラット回路25とLED光源19とを合わせて、フレキシブルフラット光源26とする。すなわち、LED光源19は、フレキシブルフラット回路25に1つまたは複数所定間隔で複数実装されて、フレキシブルフラット光源26を構成する。
図7(a)に示すように、フレキシブルフラット光源26は、側面9aの外面に接着剤等によって貼り付けられて接合される。側面9aには、LED光源19の発光部の形状に合わせて切欠き部31aが形成される。切欠き部31aからLED光源19の発光面が導光空間21に露出する。
なお、フレキシブルフラット回路25に代えて、LED基板を同様に配置してもよい。すなわち、LED光源19は、フレキシブルフラット回路25またはLED基板に1つまたは所定間隔で複数実装され、枠体3の側面9aには、LED光源19の発光部の形状・配置に合わせて切欠き部が形成され、側面9aの外面側にフレキシブルフラット回路25またはLED基板が接合され、切欠き部からLED光源19の発光面が導光空間21に露出する。
また、図7(b)に示すように、フレキシブルフラット光源26を、側面9aの内面に接着剤等によって貼り付けて配置してもよい。この場合、マイクロ発泡樹脂製の反射板33が、フレキシブルフラット光源26を覆うように配置される。反射板33には、LED光源19の発光部の形状・配置に合わせて1つまたは複数の切欠き部31bが形成される。切欠き部31bからLED光源19の発光面が導光空間21に露出する。
このように、フレキシブルフラット光源26を用いることで、LED光源19の配置が容易であり、組立作業も容易である。また、フレキシブルフラット光源26を枠体3の内面に配置する場合には、フレキシブルフラット光源26を覆う反射板33を用いることで、導光空間21内で効率よく拡散反射を起こすことができる。
また、前述した実施形態では、側面9bが、底面7に対して垂直に形成された例を示したが、本発明はこれに限られない。
図8(a)は、側面9bが、底面7に対して鋭角に形成された例を示す断面図である。すなわち、側面遮蔽部17と側面開口部15は、底面7に対して鋭角に形成される。このようにしても、LED光源19の光の一部を、底面7に拡散反射させて、拡散反射させた反射光を、天面開口部11から取り出すことができる。
また、LED光源19の光の一部を、底面7に対して鋭角に形成された側面遮蔽部17と側面開口部15に照射して、側面開口部15から直接照射光を取り出すと同時に、側面遮蔽部17で反射した後、導光空間21内で拡散反射させて、側面開口部15から拡散反射光として取り出すことができる。ここで、LED光源19からの直接照射光の光束に対する、天面開口部11、側面開口部15のそれぞれの開口部から出射される直接光の割合を少なくすることができる。
図8(b)は、側面9aと側面9bが、底面7に対して鋭角に形成された例を示す断面図である。すなわち、LED光源19の出射方向が、底面7の方向に向けられる。このようにしても、LED光源19の光の一部を、底面7に拡散反射させて、拡散反射させた反射光を、天面開口部11で面発光させることができる。また、LED光源19の光の一部を、底面7に対して鋭角に形成された側面遮蔽部17と側面開口部15に照射して、側面開口部15から直接照射光を取り出すと同時に、側面遮蔽部17で反射した後、導光空間21内で拡散反射させて、側面開口部15から拡散反射光として取り出すことができる。
なお、側面9aのみを底面7に対して鋭角に形成し、側面9bは、底面7に対して垂直に形成してもよい。また、図示を省略するが、側面9c、9dの一方または両方を、底面7に対して鋭角に形成してもよい。
以上、本実施の形態によれば、LED照明装置1の枠体3が、光反射特性に優れるマイクロ発泡樹脂シート製であるため、枠体3の内面全体を反射板として機能させることができる。また、天面開口部11と側面開口部15の互いに直交する二つの面から光を取り出すことができる。この際、導光空間21を区切ることなく、同一の導光空間21内で拡散反射した光を、それぞれの開口部から取り出すため、部品点数が少なく、構造が簡易で軽量である。
また、別途の反射板を設ける必要がないため、取り扱い性が良好であり、組立作業性にも優れる。また、LED光源19からの直接光を、天面遮蔽部13(外周遮蔽部13a)で遮蔽するため、LED照明装置1の天面開口部11の面発光部のグレア感を低減することができる。同様に、LED光源19の正面に側面遮蔽部17を設けることで、LED照明装置1の側面開口部15の面発光部のグレア感を低減することができる。
このように、LED照明装置1のLED光源19を発光させると、LED光源19からの光は直接に照射されるのではなく、枠体3の内面における導光空間21内で拡散反射を繰り返して天面開口部11および側面開口部15から照射される。このため、レンズ等を用いることなく、光を均一に拡散させて、外方に照射することができる。
また、LED光源19の設置ピッチを適正にすることで、隣り合うLED光源19から照射された光が、側面開口部15において連続して、LED光源19の境界が分かりにくく、均一な光を得ることができる。なお、以上の実施形態では、枠体の材料としてマイクロ発泡樹脂シートを用いたが、枠体の内面に拡散反射機能を有するシート材料を貼り付けて枠体を形成しても良い。
次に、第2の実施形態について説明する。図9は、LED照明装置1aの断面図である。なお、以下の説明において、LED照明装置1と同一の機能を奏する構成については、図1〜図8と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
LED照明装置1aは、LED照明装置1とほぼ同様の構成であるが、天面5にフィルム35と保持板37が配置される点で異なる。フィルム35は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)製のPETフィルムであり、金属薄膜がアルミニウムなどの金属が蒸着によって設けられる。フィルム35は、光を透過する。
また、フィルム35の上方には、LED光源19からの光の光透過率が20〜30%の着色された保持板37が配置される。保持板37は、例えばアクリル板である。フィルム35は、保持板37に貼り付けられ、さらに、フィルム35が貼り付けられた保持板37が、天面5に貼り付けられる。なお、本実施形態では、天面開口部11の内部に、独立した天面遮蔽部13を形成することもできる。例えば、天面遮蔽部13に対応する部位のフィルム35の下面側に、マイクロ発泡樹脂製の反射板を貼り付ければよい。
図10(a)は、LED光源19を消灯した状態のLED照明装置1aの平面図である。フィルム35と保持板37によって、天面5の天面開口部11が覆われているため、LED光源19を消灯した状態では、外部から天面開口部11の文字や図形を視認することができない。
なお、図示は省略するが、天面5(天面遮蔽部13)とフィルム35の間に、別途の黒色のフィルムを貼り付けてもよい。天面遮蔽部13が白色などの淡色である場合に、天面遮蔽部13が透けてしまうことを抑制することができる。このように、LED光源19を点灯しない状態において、フィルム35に設けられた金属薄膜が視認され、天面開口部11の形状を視認することができない。
図10(b)は、LED光源19を点灯した状態のLED照明装置1aの平面図である。LED光源19を点灯すると、導光空間21内で拡散反射した光の一部が、フィルム35と保持板37を透過する。このため、天面開口部11の形状(複数の図形や文字型)を視認することができる。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、天面開口部11が塞がれるため、天面開口部11から内部に異物が侵入することがない。また、LED光源19の消灯時には、天面開口部11の形態を視認できないが、LED光源19を点灯することで、天面開口部11の図形や文字型を浮かび上がらせることができる。
次に、第3の実施形態について説明する。図11は、LED照明装置1bの断面図である。LED照明装置1bはLED照明装置1とほぼ同様の構成であるが、外部枠体39が用いられる点で異なる。
LED照明装置1bは、LED照明装置1と外部枠体39とから構成される。外部枠体39は、略直方体であり、透明または半透明の部材である。すなわち、LED照明装置1bは、LED照明装置1が、光取り出しが可能な透明の外部枠体39の内部に収納されることで構成される。
なお、外部枠体39の内部には、前述したLED照明装置1aを収納してもよい。また、外部枠体39は、内部に収容されるLED照明装置の形態に合わせて、側面の形状を底面に対して斜めに形成してもよく、側面と底面との境界に斜面を形成してもよい。
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、外部枠体39を用いることで、内部に異物が侵入することを防止することができる。また、枠体3の変形を防止し、枠体3を確実に保護することができる。
次に、第4の実施形態について説明する。図12は、LED照明装置1cの断面図である。LED照明装置1cは、LED照明装置1とほぼ同様であるが、枠体3aが用いられる点で異なる。
枠体3aは、枠体3と同様に、底面7、天面5、底面7と天面5との外周を囲む4方の側面9a、側面9b、側面9c、9dよりなる略直方体形状である。本実施形態では、枠体3aは、マイクロ発泡樹脂製ではなく、金属や樹脂などのより剛性を有する部材からなる。また、枠体3と同様に、天面5は、天面遮蔽部13と相互に離間した光取り出し用の複数の天面開口部11とで形成される。
枠体3aの側面9aの内面側にはLED光源19が配置される。LED光源19は、1つまたは複数個のLED素子を実装したLED基板41からなる。すなわち、LED光源19は、LED基板41に1つまたは複数所定間隔で複数実装されたものである。LED基板41は、例えばリジッドなガラエポ基板などである。また、LED基板41および図示を省略したLED基板の配線の、導光空間21に露出する表面は、マイクロ発泡樹脂製の反射板33で覆われる。すなわち、反射板33にはLED光源19の発光部の形状に合わせて1つまたは複数の切欠き部31bが設けられ、切欠き部31bからLED光源19の発光面が導光空間21に露出する。
また、側面9aと対向する側面9bは、側面遮蔽部17と、1つ以上の側面開口部15とが形成される。また、枠体3aの内面は、天面開口部11および側面開口部15を塞がないように、マイクロ発泡樹脂製の反射板33aで覆われて、導光空間21が形成される。
天面開口部11および側面開口部15に対応した場所には、光透過部材47が各面に密着した状態で配置される。すなわち、天面5と側面9bの外面には、光透過部材47が配置される。
光透過部材47は、光を透過する部材であれば、いずれの構成でも良いが、望ましくは、図示したように、金属薄膜43と光透過板45とで構成される。金属薄膜43は、光を透過する程度に薄い箔である。金属薄膜43を使う場合、破れなどによって壊れやすいので、透明な光透過板45に貼り付けられて光透過部材47が構成される。なお、金属薄膜43は、光透過板45の内面側に貼り付けられてもよく、金属薄膜43を一対の光透過板45で挟み込んでもよい。
金属薄膜43は、透明なフィルムなどの基材に薄膜を成膜したフィルムを用いても良い。このように金属薄膜を成膜したフィルムとすることでハンドリングが容易となる。また、光透過部材47が、光を透過する着色フィルムと、これらを保持する光透過板45により構成されてもよい。すなわち、光を透過する金属薄膜43または着色フィルムと、これらを保持する光透過板45により構成される光透過部材47が、天面遮蔽部13に密着するよう接着されればよい。
なお、金属薄膜43は、例えばアルミニウム薄膜であり、光透過板45は、例えばアクリル板である。また、光透過板45は、例えば、光透過率が20〜30%の乳化や着色されたアクリル板であってもよい。
第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、枠体3aが剛性のある金属や樹脂製であるため、枠体3aの変形を抑制することができる。また、枠体3aの内面は、マイクロ発泡樹脂製の反射板33aで覆われるため、導光空間21内で効率よく拡散反射をさせることができる。
また、光透過部材47を用いることで、導光空間21の内部に異物・液体が侵入することを防止することができる。
なお、LED基板41を枠体3aの側面9aの外面側に配置してもよい。この場合、側面9aにはLED光源19の発光部の形状に合わせて1つまたは複数の切欠き部が設けられ、切欠き部からLED光源19の発光面が導光空間21に露出する。このようにしても、同様の効果を得ることができる。
次に、第5の実施形態について説明する。図13は、LED照明装置1dの断面図である。LED照明装置1dは、LED照明装置1とほぼ同様の構成であるが、側面開口部15が設けられない点で異なる。
LED照明装置1dは、側面開口部15が設けられずに、天面開口部11のみが開口部として設けられる。LED照明装置1dの枠体3は、天面5に形成された天面開口部11以外が全て反射板で形成される。枠体3は、LED光源19の光を、天面開口部11に導光する導光空間21を形成する。このように、LED光源19からの光を、天面開口部11以外の全ての面に拡散反射させて、天面開口部11に導光し、天面開口部11から光を取り出すことができる。天面開口部11を塞いで、天面遮蔽部13の裏面に密着するように、窓材12が貼り付けられる。
なお、LED照明装置1dは、側面開口部から光を取り出すことがないため、側面開口部がなく光閉じ込め効果が大きい。このため、LED照明装置1dの天面開口部11の天面5全体の面積に対する割合の上限は、60%であることが望ましい。
天面開口部11の開口面積割合が60%を超えると、導光空間21内で拡散反射を繰り返すことで均一される光取り出し量が減少する。この結果、直接天面開口部11から出射される光の量が増加して、天面開口部11から取り出す光に輝度ムラが生じる。このため、天面開口部から取り出す光の上限は、60%である。また、天面開口部11の会見面積割合が20%未満の場合、側面開口部を設けないため、開口部の輝度そのものは多少増加することから加飾照明全体としての明るさは不足しない。しかし、天面開口部11から光を取り出すまでの拡散反射回数が増加するため、照明装置としての光取り出し効率が低下するため無駄が多くなる。このため、天面開口部11の割合は20%以上とすることが好ましい。
なお、LED照明装置1dにおいても、LED照明装置1と同様に、LED光源19同士の設置間隔P(図4参照)は、2L×tan(60°±10°)とすることが照明装置の幅方向の輝度の均等化には望ましい。
第5の実施形態のように、側面開口部15を設けず、天面開口部11のみを形成してもよい。尚、この場合に、LED照明装置1dの天面開口部11には、天面開口部11の内面に、窓材12を設けたが、外面に、光透過板45、光透過部材47、保持板37、保持板にフィルム35を設けたものなどを貼り付けたもののいずれの構成の部材を用いても良い。
次に、LED照明装置の取り付け構造について説明する。前述したLED照明装置は、自動車ドアパネルに用いられる。
図14は、LED照明装置1が自動車のドアパネル49の下部に取り付けられたLED照明装置取り付け構造50を示す図である。LED照明装置1は、自動車のドアパネル49に内装される。天面開口部11からは、ドアパネル49から車室内の内面方向に向けて光を取り出すことが可能である。また、側面開口部15からは、ドアパネル49の下方に向けて光を取り出すことが可能である。なお、LED照明装置1に代えて、LED照明装置1a、1b、1cを用いてもよい。
ここで、天面開口部11および側面開口部15は、ドアパネル49の内装用布地51により覆われる。このため、LED照明装置1の点灯時には、天面開口部11および側面開口部15からの光は、内装用布地51の繊維の隙間から取り出される。または、側面開口部15は、内装用布地51により覆われておらずに、側面開口部15から光を直接取り出すことができる。
内装用布地51は、例えば、繊維織物あるいは不織布のいずれかからなる。繊維織物あるいは前記不織布を構成する繊維は、ポリエステル系、難燃ポリエステル系、ポリフェニレンエーテル系、ポリプロピレン系、ポリアミド(ナイロン)系、ポリアクリロニトリル系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系の合成繊維、セルロース系、蛋白質系の半合成繊維、レーヨン系、特殊レーヨン系、またはキュプラの再生繊維の少なくともいずれかを含むか、あるいはこれらの繊維を組み合わせて使用される。特に、コストと難燃性のバランスを考慮すると、難燃ポリエステル系繊維を用いることが望ましい。
繊維織物あるいは不織布は、無機系顔料、有機系顔料、無機物の少なくともいずれかを含有していてもよい。
このようにすることで、LED照明装置1を消灯した状態では、天面開口部11の形状は視認できない。一方、LED照明装置1を点灯すると、ドアパネル49の内面に、天面開口部11の形状に応じた図形や文字が浮かび上がる。このため、自動車の加飾用の照明として利用することができる。
また、同時に、側面開口部15からも光が出射する。側面開口部15から出た光は、自動車のドア下の足下を照らすことができる。
なお、天面開口部11が内装用布地51により覆われていることが好ましいが、側面開口部15は内装用布地51により覆われていなくてもよい。この場合には、天面開口部11からの光は内装用布地51の繊維の隙間から取り出され、側面開口部15からの光は直接取り出される。
また、天面開口部11が内装用布地51で覆われている場合は、天面開口部11の形状はほとんど視認できないが、天面開口部11を内装用布地51で覆わない場合でも、例えば、前述した、図9に示すような表面にフィルムを張り付けた所定の光透過率を有する着色された保持板を天面には貼り付けたLED照明装置1aを用いれば、LED照明装置1aを消灯した状態では、天面開口部11の形状は視認できない。この場合には、LED照明装置1aの保持板37は、自動車の内装材の一部として視認される。一方、LED照明装置1aを点灯すると、ドアパネル49の内面に、天面開口部11の形状に応じた図形や文字を浮かび上がらせることができる。
このように、LED光源19を点灯しない状態において、天面開口部11が視認されずに、LED光源19を点灯した時には、天面開口部11が視認可能となるようにすることで、意匠性に優れたLED照明装置取り付け構造を得ることができる。
なお、LED光源19の点灯および消灯は、ドアの開閉動作と連動させることもできる。例えば、ドアにスイッチを配置して、自動車のドアを閉じた状態ではLED光源19を消灯し、自動車のドアを開いた状態でLED光源19を点灯するようにしてもよい。
次に、LED照明装置取り付け構造50について、より詳細に説明する。図15(a)は、LED照明装置取り付け構造50を示す断面図である。LED照明装置1は、ドアパネルにおける樹脂成形構造体53に固定される。図示した例では、LED照明装置1の枠体の天面5の外表面側に、光透過板45が接着される。なお、光透過板45に代えて光透過部材47または保持板37あるいは保持板にフィルム35などを貼り付けたものであってもよい。すなわち、天面5に貼り付けられる光透過性の部材としては、透明または着色されたいずれの部材を用いてもよい。以下の説明では、光透過板45を用いる例について説明する。
光透過板45には、LED照明装置1の枠体の外方に突出するように固定部55が形成される。すなわち、光透過板45は、天面5のサイズよりも大きい。図示した例では、LED照明装置1の側面9a側と側面9b側に固定部55がそれぞれ形成される。
固定部55には取り付け孔57が形成される。すなわち、光透過板45は、取付け孔付き固定部を有する板状の部材である。樹脂成形構造体53に対してLED照明装置1を配置した際、樹脂成形構造体53の取り付け孔57に対応する部位には、雌ねじ部が形成される。したがって、取り付け孔57にネジ59を挿通して、LED照明装置1を樹脂成形構造体53に固定することができる。すなわち、光透過板45に形成された取り付け孔57を用いて、ネジ59(またはボルト)によってLED照明装置1が樹脂成形構造体53に固定される。
なお、樹脂成形構造体53は、天面開口部11に対応する部位が開口しており、天面開口部11からの光を車内へ照射することができる。同様に、樹脂成形構造体53は、側面開口部15に対応する部位が開口しており、側面開口部15からの光をドアパネル下方へ照射することができる。
このように、ドアパネル49の樹脂成形構造体53は、樹脂成形構造体53へのLED照明装置1の取り付け位置に、LED照明装置1の天面開口部11と側面開口部15とに対応するように異なる開口部を有する。また、樹脂成形構造体53の開口部に天面開口部11と側面開口部15を一致させて、LED照明装置1が樹脂成形構造体53に取り付けられる。この際、樹脂成形構造体53の、天面開口部11に対応する開口部は内装用布地51に覆われる。一方、側面開口部15に対応する開口部は、内装用布地51に覆われていてもよく、覆われていなくてもよい。
なお、LED照明装置取り付け構造50においては、ネジ59等を用いなくてもよい。例えば、図15(b)に示すように、樹脂成形構造体53に立設されたピンを用いてもよい。ピンは、樹脂成形構造体53に設けられ、LED照明装置1側に突出する。ピンは、樹脂成形構造体53に対してLED照明装置1を配置した際、樹脂成形構造体53の取り付け孔57に対応する部位に形成される。したがって、ピンを取り付け孔57に挿通することができる。
この状態において、ピンの端部を加熱溶融させることで、径の大きな頭部61aを形成することができる。このように、頭部61aが加熱溶融により形成された固定用ピン61によって、光透過板45の固定部55を樹脂成形構造体53に機械的に固定しても良いし、あるいは固定部55に固定用ピン61の頭部61aを熱融着させても良い。したがって、頭部61aを有する固定用ピン61によって、LED照明装置1を樹脂成形構造体53に固定することができる。
次に、他のLED照明装置取り付け構造について説明する。図16(a)は、LED照明装置取り付け構造50aを示す断面図である。LED照明装置取り付け構造50aは、LED照明装置取り付け構造50とほぼ同様の構成であるが、固定部55の構造が異なる。
LED照明装置取り付け構造50aは、光透過板45が天面5と同一サイズである。側面9a、9bには、断面形状がL字状のL字状部材44が接着される。なお、L字状部材44の上面(樹脂成形構造体53側の面)は、光透過板45の上面と略同一面となる。
L字状部材44の端部は、枠体の天面の外方にフランジ状に突出し、この部位が固定部55となる。前述したように、固定部55には取り付け孔57が設けられる。取り付け孔57には、ネジ59(またはボルト)が挿通され、LED照明装置1は、ネジ59(またはボルト)によって樹脂成形構造体53に固定される。
なお、LED照明装置取り付け構造50aも、図16(b)に示すように、樹脂成形構造体53に設けられた固定用ピン61によって固定されてもよい。すなわち、ピンを取り付け孔57に挿通し、この状態において、ピンの端部を加熱溶融させることで、径の大きな頭部61aを形成することができる。このように、頭部61aが加熱溶融により形成された固定用ピン61によりL字状部材44の端部の固定部55を樹脂成形構造体53に機械的に固定しても良いし、あるいは固定部55に固定用ピン61の頭部61aを熱融着させても良い。したがって、頭部61aを有する固定用ピン61によって、LED照明装置1を樹脂成形構造体53に固定することができる。
次に、LED照明装置取り付け構造50bについて説明する。図17(a)は、LED照明装置取り付け構造50bを示す断面図である。LED照明装置取り付け構造50bは、LED照明装置取り付け構造50aとほぼ同様の構成であるが、光透過板45に代えて窓材12が設けられる点で異なる。
この場合には、L字状部材44の上面(樹脂成形構造体53側の面)は、天面5の上面と略同一面となる。L字状部材44の端部は、枠体の外方に突出し、この部位が固定部55となる。前述したように、固定部55には取り付け孔57が設けられる。取り付け孔57には、ネジ59(またはボルト)が挿通され、LED照明装置1は、ネジ59(またはボルト)によって樹脂成形構造体53に固定される。
なお、LED照明装置取り付け構造50bも、図17(b)に示すように、樹脂成形構造体53に設けられた固定用ピン61によって固定されてもよい。すなわち、ピンを取り付け孔57に挿通し、この状態において、ピンの端部を加熱溶融させることで、径の大きな頭部61aを形成して固定することができる。このように、頭部61aが加熱溶融により形成された固定用ピン61によりL字状部材44の端部の固定部55を樹脂成形構造体53に機械的に固定しても良いし、あるいは固定部55に固定用ピン61の頭部61aを熱融着させても良い。したがって、頭部61aを有する固定用ピン61によって、LED照明装置1を樹脂成形構造体53に固定することができる。
次に、LED照明装置取り付け構造50cについて説明する。図18(a)は、LED照明装置取り付け構造50cを示す断面図である。LED照明装置取り付け構造50cは、LED照明装置取り付け構造50bとほぼ同様の構成であるが、固定部55が板状部材で形成されていることで、固定部55の形態が異なる。
LED照明装置取り付け構造50cは、板状部材42が、天面5に接着される。板状部材42の端部は、枠体の外方に突出し、板状部材42の端部近傍が固定部55となる。前述したように、固定部55には取り付け孔57が設けられる。取り付け孔57には、ネジ59(またはボルト)が挿通され、LED照明装置1は、ネジ59(またはボルト)によって樹脂成形構造体53に固定される。
なお、LED照明装置取り付け構造50cも、図18(b)に示すように、樹脂成形構造体53に設けられた固定用ピン61によって固定されてもよい。すなわち、固定用ピン61を取り付け孔57に挿通し、この状態において、固定用ピン61の端部を加熱溶融させることで、径の大きな頭部61aを形成して固定することができる。このように、頭部61aが加熱溶融により形成された固定用ピン61により板状部材42の端部近傍に形成された固定部55に機械的に固定しても良いし、あるいは固定部55に固定用ピン61の頭部61aを熱融着させても良い。したがって、頭部61aを有する固定用ピン61によって、LED照明装置1を樹脂成形構造体53に固定することができる。
次に、LED照明装置取り付け構造50dについて説明する。図19(a)は、LED照明装置取り付け構造50dを示す断面図である。LED照明装置取り付け構造50dは、LED照明装置取り付け構造50とほぼ同様の構成であるが、固定部55の形態が異なる。
LED照明装置取り付け構造50dは、底面と4つの側面を有する上部が開口した略直方体形状の枠体の少なくとも2つの側面9a、9bの上端部に、外周方向に向けてフランジ部63が形成される。もちろん、枠体の4つの側面9a、9b、9c、9dの上端部に、外周方向に向けてフランジ部63が形成されていても良い。前記略直方体形状の枠体のフランジ部63にフランジ部63を含めた枠体上端部の側面開口部とフランジ部の形状に整合する形状を有する天面5が接着される。すなわち、LED照明装置1の枠体は、フランジ部63に天面5が貼り付けられて形成される。
枠体の外方に突出したフランジ部63および天面5が固定部55となる。すなわち、天面5及びフランジ部は相互に対応する形状を有していて、天面5およびフランジ部の相互に対応する位置には取り付け孔57が設けられる。前述したように、固定部55には取り付け孔57が設けられる。取り付け孔57には、ネジ59(またはボルト)が挿通され、LED照明装置1は、ネジ59(またはボルト)によって樹脂成形構造体53に固定される。前記のように、4つの側面の内、少なくとも2つ以上の側面の上端部にフランジ部を形成した略直方体形状の枠体に、前記枠体の開口部とフランジ部を含む枠体上端部の形状と整合する天面を貼り付けたフランジ付きLED照明装置が得られる。
なお、LED照明装置取り付け構造50dも、図19(b)に示すように、樹脂成形構造体53に設けられた固定用ピン61によって固定されてもよい。すなわち、固定用ピン61を取り付け孔57に挿通し、この状態において、固定用ピン61の端部を加熱溶融させることで、径の大きな頭部61aを形成して固定することができる。このように、頭部61aが加熱溶融により形成された固定用ピン61により天面5及びフランジ部63に形成された固定部55を樹脂成形構造体53に機械的に固定しても良いし、あるいは固定部55に固定用ピン61の頭部61aを熱融着させても良い。したがって、頭部61aを有する固定用ピン61によって、LED照明装置1を樹脂成形構造体53に固定することができる。
次に、LED照明装置取り付け構造50eについて説明する。図20(a)は、LED照明装置取り付け構造50eを示す断面図、図20(b)は、図20(a)のX矢視図である。また、図21(a)は、図20(a)のY部拡大図である。LED照明装置取り付け構造50eは、LED照明装置取り付け構造50等と異なり、固定部55は設けられない。
樹脂成形構造体53は、LED照明装置1を挟み込むように壁部が形成され、壁部の内面(LED照明装置1の側面9a、9bとの対向面)には、凹部67が設けられる。凹部67に対応する部位の側面9a、9bの外面には、爪65が形成される。爪65は、天面5側から底面7側に向かって斜め外方に突出する。
樹脂成形構造体53の背面側から、樹脂成形構造体53の壁部の間にLED照明装置1を押し込むと、爪65が側面9a、9bに密着するように変形した状態で押し込まれる。さらに天面5が樹脂成形構造体53と密着するまでLED照明装置1を押し込むと、爪65が凹部67の位置まで移動し、爪65が凹部67で開く。したがって、爪65が凹部67に嵌合することによってLED照明装置1が樹脂成形構造体53に固定される。
なお、図21(b)に示すように、爪65に代えて、突部65aを形成してもよい。この場合でも、突部65aが凹部67に嵌合して、LED照明装置1を樹脂成形構造体53に固定することができる。
次に、LED照明装置取り付け構造50fについて説明する。図22は、LED照明装置取り付け構造50fを示す断面図である。LED照明装置取り付け構造50fは、LED照明装置取り付け構造50eとほぼ同様の構成であるが、樹脂成形構造体53の形態が異なる。
本実施形態では、側面9a側の樹脂成形構造体53の一方の壁部には、前述したように凹部67が設けられ、側面9aに設けられた爪65と嵌合する。一方、側面9b側の壁部は、底面7側に折り込まれるように形成される。したがって、側面9bには、爪65は設けられず、樹脂成形構造体53の壁部で保持される。
なお、側面開口部15に対応する部位には、樹脂成形構造体53に開口部が形成される。このため、側面開口部15からの光は、樹脂成形構造体53の開口部から、下方に照射することができる。
以上のように、LED照明装置1と樹脂成形構造体53との固定は、いずれの方法であってもよい。例えば、上述した各実施形態の他、ファスナーによる固定や、両面粘着テープ若しくは粘接着剤による固定であってもよい。すなわち、LED照明装置1と樹脂成形構造体53との固定は、例えば、ネジ59による固定、爪65や突部65aなどの突起と凹部67との嵌合による固定、ファスナーによる固定、樹脂成形構造体53に形成された固定用ピン61の頭部61aの変形による機械的手段による固定または固定用ピン61との熱融着による固定、または、両面粘着テープ若しくは粘接着剤による固定のいずれかの手段が選択可能である。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
たとえば、前述した各実施形態同士は互いに組み合わせることができることは言うまでもない。また、本発明に適用できる照明装置には、側面の上端部が外周方向に折り曲げられて形成されたフランジ部とこれと整合する形状の天面を持つ枠体を有する照明装置や、さらに必ずしも外周面が平面でなく、例えば天面が僅かに一方の側面から他方の側面に向けて突出するような外周面の一部が僅かに突曲面形状を有している枠体を有する照明装置なども含むものとする。