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JP2018108978A - ビオチンの中間体の製造方法、およびビオチンの製造方法 - Google Patents

ビオチンの中間体の製造方法、およびビオチンの製造方法 Download PDF

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JP2018108978A
JP2018108978A JP2017142949A JP2017142949A JP2018108978A JP 2018108978 A JP2018108978 A JP 2018108978A JP 2017142949 A JP2017142949 A JP 2017142949A JP 2017142949 A JP2017142949 A JP 2017142949A JP 2018108978 A JP2018108978 A JP 2018108978A
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amide
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雅彦 関
Masahiko Seki
雅彦 関
山本 博将
Hiromasa Yamamoto
博将 山本
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Tokuyama Corp
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Abstract

【課題】ビオチンの中間体であるトリオン化合物を特定のアミド体を経由して製造する方法の提供。【解決手段】式(3)に代表されるアミド体を特定のウレイド無水化合物から合成し、該アミド体からトリオン化合物を合成した後、特定のチオラクトン化合物を経てビオチンを製造する。[R1及びR2は夫々独立にH又はウレイレン基の保護基;R3はアルキル基、アラルキル基、又はアリール基;R4〜R6は夫々独立にH、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子]【選択図】なし

Description

本発明は、ビオチン中間体の新規な製造方法に関する発明であり、かつ、該製造方法で得られた中間体を使用しる、ビオチンの新規な製造方法に関する。
下記式(10)
Figure 2018108978
で示されるビオチンは、糖尿病予防効果等が期待される医薬品、及び飼料添加剤等に使用される水溶性ビタミンである。
該ビオチンは、非常に長い製造工程を有する。そのため、中間体であっても多くの工程を経て製造されている。例えば、ビオチンの代表的な中間体である、
下記式(5)
Figure 2018108978
(式中、
、およびRは、それぞれ、水素原子、又はウレイレン基の保護基であり、
、R、およびRは、それぞれ、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、またはハロゲン原子である。)で示されるトリオン化合物は、以下の方法で製造されている。下記工程においては、R、およびRがベンジル基(Bn基)であり、R、R、およびRが水素原子であり、Rがメチル基である場合の例を示した。
なお、ビオチンは、該トリオン化合物から還元反応、環化反応、および硫化剤等との反応を行い製造される(特許文献1参照)。
Figure 2018108978
特許文献1の実施例には、先ず、1,3−ジベンジル−2−イミダゾリドン−シス−4,5−ジカルボン酸(ウレイド化合物)、およびα−フェネチルアミン((R)−(+)−1−メチルベンジルアミン;光学活性アミン)をトルエン中、還流温度で反応させる。次いで、トルエンを留去した無溶媒の状態で220〜240℃以上の高温状態に保持することにより、1,3−ジベンジル−5−(α−フェネチル)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−a]イミダゾール−2,4,6−トリオンを製造できることが示されている。
しかしながら、本発明者等が、前記方法を追試すると、以下の点で改善の余地があることが分かった。前記方法は、還流下、反応系内を攪拌混合して実施されるのが一般的であると考えられるが、複数回、同じ実験を行った際、反応の途中で結晶が析出して反応系内を十分に攪拌混合できなくなる場合があった。また、取り出した結晶そのものを220〜240℃と非常に高温下で保持する必要があるため、それ相応の装置が必要になったり、生成物が分解するおそれがある点で改善の余地があった。さらには、無溶媒の状態のため、脱水が十分に行かず、トリオン化合物の収率が低下する場合があった。
米国特許第3876656号明細書
ビオチンは、非常に多くの工程を経て製造される。そのため、ビオチンの製造コストを低減するためには、それぞれの中間体の製造方法も重要となる。
したがって、本発明の目的は、ビオチンの中間体であるトリオン化合物を容易に製造できる方法を提供することにある。そして、該トリオン化合物のような中間体を原料とした、ビオチンの新規な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。そして、従来法において反応系内に析出する結晶を確認した。するとトリオン化合物の反応は以下のように進行していることが考えられた。
Figure 2018108978
上記反応において、原料(ウレイド化合物又は無水化合物)とα−フェネチルアミン((R)−(+)−1−メチルベンジルアミン;光学活性アミン)とを反応させた場合に、前記式で示されるアミド体(I)、およびアミド体(II)が一旦生成し、このアミド体(I)、およびアミド体(II)が結晶として反応系内に析出することが分かった。そして、この結晶を反応系内中に析出させずに、かつ同時に脱水を行うことができれば、均一な状態で反応を進めることができ、操作性をより向上できると考え、様々な検討を行った。その結果、特定の溶媒中で反応を実施することにより、アミド体(I)、およびアミド体(II)からなる混合物の結晶を析出させることなく、さらに、均一な状態の反応系内から容易に水を抜くことができるため、トリオン化合物を容易に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、第一の本発明は、
下記式(1)
Figure 2018108978
(式中、
、およびRは、それぞれ、水素原子、又はウレイレン基の保護基である。)で示される無水化合物と、
下記式(2)
Figure 2018108978
(式中、
は、アルキル基、アラルキル基、又はアリール基であり、
、R、およびRは、それぞれ、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、またはハロゲン原子である。)で示される光学活性アミン化合物とを、
沸点が140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒を含む反応溶媒中で反応させることにより、
下記式(3)
Figure 2018108978
(式中、
、およびRは、前記式(1)におけるものと同義であり、
、R、R、およびRは、前記式(2)におけるものと同義である。)で示されるアミド体(I)、および
下記式(4)
Figure 2018108978
(式中、
、およびRは、前記式(1)におけるものと同義であり、
、R、R、およびRは、前記式(2)におけるものと同義である。)で示されるアミド体(II)からなる混合物を製造する方法である。
また、第二の本発明は、
第一の本発明に記載の方法で得られた前記式(3)で示されるアミド体(I)、および前記式(4)で示されるアミド体(II)からなる混合物、並びに、沸点が140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒を含む第一反応溶液を還流温度として、該混合物を脱水することにより、
下記式(5)
Figure 2018108978
(式中、
、およびRは、前記式(1)におけるものと同義であり、
、R、R、およびRは、前記式(2)におけるものと同義である。)で示されるトリオン化合物を製造する方法である。
第三の本発明は、
前記沸点が140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒を含む反応溶媒中、還流温度として、
下記式(6)
Figure 2018108978
(式中、
、およびRは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示されるウレイド化合物を脱水することにより、前記式(1)で示される無水化合物を製造する方法である。
第四の本発明は、
第三の本発明の方法で得られた前記式(1)で示される無水化合物、および前記沸点が140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒を含む反応溶媒を含む第二反応溶液と、前記式(2)で示される光学活性アミン化合物を混合することにより、前記式(3)で示されるアミド体(I)、および前記式(4)で示されるアミド体(II)からなる混合物を製造する方法である。
第五の本発明は、
第二の本発明の方法により前記式(5)で示されるトリオン化合物を製造した後、該トリオン化合物を還元剤で還元することにより、
下記式(7)
Figure 2018108978
(式中、
、およびRは、前記式(1)におけるものと同義であり、
、R、R、およびRは、前記式(2)におけるものと同義である。)で示されるアミドアルコール化合物を製造する方法である。
第六の本発明は、
第五の本発明の方法により前記式(7)で示されるアミドアルコール化合物を製造した後、該アミドアルコール化合物を酸で環化することにより、
下記式(8)
Figure 2018108978
(式中、
、およびRは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示されるラクトン化合物を製造する方法である。
第七の本発明は、
第六の本発明の方法により前記式(8)で示されるラクトン化合物を製造した後、該ラクトン化合物と硫化剤とを反応させることにより、
下記式(9)
Figure 2018108978
(式中、
、およびRは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示されるチオラクトン化合物を製造する方法である。
第八の本発明は、
第七の本発明の方法により前記式(9)で示されるチオラクトン化合物を製造した後、該チオラクトン化合物を原料として、
下記式(10)
Figure 2018108978
で示されるビオチンを製造する方法である。
本発明の方法によれば、ビオチン中間体である、アミド体(I)、およびアミド体(II)の混合物、並びにトリオン化合物を操作性よく製造することができる。その結果、本発明の方法によれば、ビオチンを効率よく製造することができる。
特に、原料となるウレイド化合物を無水化合物とする前段階から、沸点が140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒を使用することにより、反応系内に光学活性アミン化合物を導入し、反応系内から脱水を行うだけで、その都度、生成物を取り出さなくとも、トリオン化合物を製造できる。この方法を使用すれば、特に、ビオチンを効率よく製造することができる。
本発明は、前記式(1)で示される無水化合物と、前記式(2)で示される光学活性アミン化合物とを、沸点が140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒を含む反応溶媒中で反応させることにより、前記式(3)で示されるアミド体(I)、および前記式(4)で示されるアミド体(II)からなる混合物を製造する方法である。該芳香族炭化水素系溶媒を使用することが、本発明の最大の特徴である。以下、順を追って説明する。
(無水化合物)
本発明においては、
下記式(1)
Figure 2018108978
(式中、
、およびRは、それぞれ、水素原子、又はウレイレン基の保護基である。)で示される無水化合物(以下、単に「無水化合物」とする場合もある。)を原料とする。
式中、R、およびRは、それぞれ、水素原子、又はウレイレン基の保護基であり、同一であっても、異なる基であってもよい。イミド基の保護基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、またはアシル基が挙げられる。中でも、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数6〜11のアラルキル基、または炭素数1〜11のアシル基が挙げられる。特に、それぞれがベンジル基であることが好ましい。
ここで、ウレイレン基は−NHCONH−で示される基である。ウレイレン(ureylene)基の保護基とは、ウレイド基に置換して所定反応中に不活性化する基である。所定反応後、脱保護によりウレイレン基が形成される。
(無水化合物の製造方法)
この無水化合物は、特に制限されるものではないが、以下の方法により製造することが好ましい。つまり、下記式(6)
Figure 2018108978
(式中、
、およびRは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示されるウレイド化合物(以下、単に「ウレイド化合物」とする場合もある。)を脱水して製造することが好ましい。このウレイド化合物は、公知の化合物であり、特許文献1に例示されている化合物である。
前記無水化合物は、前記ウレイド化合物を脱水して環化することにより製造できる。前記ウレイド化合物を脱水するには、沸点が140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒中で実施することが好ましい。該芳香族炭化水素系溶媒を使用することにより、前記ウレイド化合物を容易に脱水できる。
前記芳香族炭化水素系溶媒は、沸点が140℃以上であれば、特に制限されるものではない。該芳香族炭化水素系溶媒の沸点は、該溶媒自体の工業的生産、除去のし易さ、有用性等を考慮すると、140〜210℃であることが好ましく、160〜190℃であることがさらに好ましい。
(無水化合物の製造方法;芳香族炭化水素系溶媒)
前記芳香族炭化水素系溶媒は、市販のものが何ら制限なく使用できる。具体的には、沸点が140℃以上であって、ベンゼンに炭素数1〜3のアルキル基が1〜6個置換した溶媒、または、ベンゼンにハロゲン原子が2〜6個置換した溶媒であることが好ましい。具体的な溶媒を例示すると、メシチレン(沸点165℃)、プソイドクメン(沸点169℃)、ヘミメリデン(沸点176℃)、クメン(沸点152℃)、1,2−ジクロロベンゼン(沸点180℃)、1,3−ジクロロベンゼン(沸点172℃)、1,4−ジクロロベンゼン(沸点174℃)が挙げられる。これら溶媒は、単独で使用することもできるし、複数種類の混合溶媒を使用することもできる。中でも、脱水のし易さ、前記無水化合物の溶解性、および次の反応における操作性等を考慮すると、メシチレン(沸点165℃)が特に好ましい。
前記芳香族炭化水素系溶媒中で前記ウレイド化合物を脱水するためには、以下の方法を採用することが好ましい。すなわち、前記ウレイド化合物が前記芳香族炭化水素系溶媒に溶解した溶液を準備する。そして、この溶液を還流温度に維持しながら、反応系内に生じる水を該系外に取り出せばよい。
前記ウレイド化合物を脱水する場合の条件は、特に制限されるものではないが、以下の条件を採用することが好ましい。
具体的には、後工程、および脱水のし易さ等を考慮すると、前記ウレイド化合物1gに対して、前記芳香族炭化水素系溶媒を1〜20mL使用することが好ましく、さらには、2〜6mL使用することが好ましい。
また、脱水反応を行う際には、反応系内が十分に混合されるような状態とすることが好ましく、撹拌混合することが好ましい。脱水する際の温度(反応温度)は、反応液の還流温度とすることが好ましく、具体的には、140℃以上210℃の範囲で行うことが好ましく、さらには160〜190℃の範囲で行うことが好ましい。この脱水反応は、減圧、常圧、加圧下の何れの条件で実施してもよい。ただし、脱水を十分に行うためには、減圧から常圧下の範囲で実施することが好ましい。中でも、前記芳香族炭化水素溶媒を使用した場合には、水と共沸し易く、容易に脱水反応が進むため、常圧での反応であってもよい。
反応時間も特に制限されるものではなく、前記無水化合物の生成状態を確認して適宜決定すればよい。つまり、共沸する水の量を確認して反応の進行を確認することができ、共沸する水が出なくなるまで実施すればよい。通常、0.5〜20時間で十分である。また、反応雰囲気も、特に制限されるものではなく、空気雰囲気下、または窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で実施することができる。
以上のような脱水反応は、公知の設備で実施することができる。例えば、冷却機を備えた装置(例えば、Dean−Stark脱水装置)を使用して実施できる。
本発明において、前記ウレイド化合物の脱水反応に、沸点が140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒を使用した場合には、脱水反応が終了した後は、前記式(1)で示される無水化合物、および前記沸点が140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒を含む反応溶媒を含む第二反応溶液とすることができる。本発明においては、一旦、前記無水化合物を反応系内から取り出すこともできるが、操作性をより向上するためには、前記第二反応溶液をそのまま、次工程の反応(光学活性アミン化合物との反応)に使用することが好ましい。
(光学活性アミン化合物)
本発明においては、前記無水化合物と
下記式(2)
Figure 2018108978
(式中、
は、アルキル基、アラルキル基、又はアリール基であり、
、R、およびRは、それぞれ、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、またはハロゲン原子である。)で示される光学活性アミン化合物(以下、単に「光学活性アミン化合物」とする場合もある)とを反応させる
は、アルキル基、アラルキル基、アリール基である。中でも、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜11のアラルキル基、または炭素数5〜10のアリール基が好ましい。中でも、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、特に、メチル基であることが好ましい。
また、R、R、およびRは、それぞれ、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子である。中でも、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、またはハロゲン原子であることが好ましい。中でも、R、R、およびRは、全てが水素原子であることが好ましい。
(光学活性アミン化合物と無水化合物との反応条件)
本発明の特徴は、前記無水化合物と前記光学活性アミン化合物とを、沸点が140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒を含む反応溶媒中で反応させる点にある。該芳香族炭化水素系溶媒は、前記(無水化合物の製造方法;芳香族炭化水素系溶媒で例示したもの)と同じ溶媒が挙げられ、好ましい溶媒も同じ理由で同じ溶媒である。
本発明においては、前記無水化合物を一旦反応系内から取り出し、別途、沸点が140℃以上の芳香族炭化水素溶媒中、前記光学活性アミン化合物と反応させることもできる。ただし、より操作性を向上するためには、前記無水化合物、および前記沸点が140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒を含む反応溶媒を含む第二反応溶液と光学活性アミン化合物とを混合することにより、反応を進行させることが好ましい。なお、前記反応溶媒には、不可避的に混入される水等が含まれていてもよい。
本発明者等の検討によれば、この反応で得られる
下記式(3)
Figure 2018108978
(式中、
、およびRは、前記式(1)におけるものと同義であり、
、R、R、およびRは、前記式(2)におけるものと同義である。)で示されるアミド体(以下、単に「アミド体(I)」とする場合もある。)、および
下記式(4)
Figure 2018108978
(式中、
、およびRは、前記式(1)におけるものと同義であり、
、R、R、およびRは、前記式(2)におけるものと同義である。)で示されるアミド体(II)(以下、単に「アミド体(II)」とする場合もある。)からなる混合物は、トルエンのような溶媒に溶解し難いことが分かった。そのため、反応条件によっては、トルエン中に該混合物の結晶が析出し、反応系内の攪拌を阻害する場合があることが分かった。これに対し、本発明で使用する、沸点が140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒は、該混合物の溶解性が高いため、該混合物の析出を抑制しつつ、均一な条件で該混合物の脱水反応を進めることができる。
本発明においては、前記無水化合物1gに対して、前記芳香族炭化水素系溶媒を1〜20mL使用することが好ましく、2〜6mL使用することが好ましい。前記芳香族炭化水素系溶媒の使用量を前記範囲とすることで、該混合物等の析出を抑制できる、なお、前記第二反応溶液を使用する場合、前記芳香族炭化水素系溶媒の量が足りない場合には、新たに、前記芳香族炭化水素系溶媒を追加することもできる。
また、前記光学活性アミン化合物は、特に制限されるものではないが、前記無水化合物1モルに対して、0.8〜2.0モル使用することが好ましく、0.9〜1.2モル使用することがより好ましい。
前記光学アミン化合物と前記無水化合物とを反応させる際の反応温度は、原料となる無水化合物、並びに生成するアミド体(I)およびアミド体(II)を含む混合物が析出しない温度が好ましい。具体的には、140℃以上が好ましく、さらには160℃以上が好ましい。また、反応温度の上限は、反応液の還流温度であるが、具体的には、210℃でもよく、さらに好ましくは190℃でもよい。
前記光学アミン化合物と前記無水化合物との反応は、両者を混合することにより瞬時に反応する。そのため、前記無水化合物が反応系内に析出しないような条件下において、前記光学活性アミン化合物を混合することが好ましい。混合は、反応系内を攪拌混合してやればよい。すなわち、共沸により水が除去された第二反応溶液において、前記無水化合物が析出しないような温度条件下で、前記光学活性アミン化合物を前記第二反応溶液に添加しながら、撹拌混合することが好ましい。
この反応は、前記反応溶液(好ましくは第二反応溶液)に光学活性アミン化合物が配合された際の溶液の還流温度で実施することが好ましい。この場合、反応が終了した時点で、前記混合物の脱水反応が始まり、前記トリオン化合物を得ることができる。そのため、使用する装置は、前記無水化合物を製造したのと同じ装置で実施することが好ましい。同じ装置を使用することで、操作性を向上できる。
この反応は、前記の通り、前記無水化合物と前記光学活性アミン化合物とが接触すると瞬時に完了する。そのため、反応時間は、前記無水化合物の消費の状態を確認して適宜決定すればよい。また、反応雰囲気も、特に制限されるものではなく、空気雰囲気下、または窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で実施できる。また、この反応は、瞬時に完結するため、減圧、常圧、加圧下の何れの条件で実施してもよい。ただし、その後の混合物の脱水反応を直ぐに行うためには、減圧から常圧下の実施が好ましい。中でも、前記芳香族炭化水素系溶媒を使用しているため、常圧下で実施することが好ましい。
本発明においては、次に、前記アミド体(I)、および前記アミド体(II)からなる混合物を脱水して、前記式(5)で示されるトリオン化合物を製造する。そのため、前記反応により得られる、前記アミド体(I)、および前記アミド体(II)からなる混合物、並びに、沸点が140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒を含む第一反応溶液をそのまま還流温度として、該混合物を脱水することができる。次に、前記アミド体(I)、および前記アミド体(II)とからなる混合物の脱水反応について説明する。
(混合物の脱水反応)
前記混合物、すなわち、前記アミド体(I)、および前記アミド体(II)を脱水すると、両者が共に
下記式(5)
Figure 2018108978
(式中、
、およびRは、前記式(1)におけるものと同義であり、
、R、R、およびRは、前記式(2)におけるものと同義である。)で示されるトリオン化合物(以下、単に「トリオン化合物」とする場合もある)となる。
前記方法で得られた混合物は、一旦反応系内から取り出し、別途、脱水反応を実施することもできる。ただし、この脱水反応を比較的柔和な条件、例えば、公知文献よりも温度(220℃未満)で実施するためには、該混合物が溶解した溶液から水を抜く方法を採用することが好ましい。この溶液を準備するためには、前記(無水化合物の製造方法;芳香族炭化水素系溶媒で例示したもの)と同じ芳香族炭化水素系溶媒を使用することが好ましい。その中でも、操作性を最も向上させるためには、前記第一反応溶液を使用することが好ましい。
該混合物の脱水反応は、均一に溶解した溶液中で反応を実施するためには、前記混合物(前記アミド体(I)と前記アミド体(II)との合計)1gに対して、前記芳香族炭化水素系溶媒を1〜20mL使用することが好ましく、さらには2〜6mL使用することが好ましい。前記第一反応溶液を使用する場合において、前記芳香族炭化水素系溶媒の量が足りない場合には、新たに、前記芳香族炭化水素系溶媒を追加することもできる。
前記混合物の脱水反応は、反応系内が十分に混合されるような状態とすることが好ましく、撹拌混合することが好ましい。脱水する際の温度(反応温度)は、反応液の還流温度が好ましく、具体的には、140℃以上210℃の範囲が好ましく、さらには160〜190℃の範囲が好ましい。この脱水反応は、減圧、常圧、加圧下の何れの条件で実施してもよい。ただし、脱水を十分に行うためには、減圧から常圧下の範囲で実施することが好ましい。中でも、前記芳香族炭化水素溶媒を使用した場合には、水と共沸し易く、容易に脱水反応が進むため、常圧であってもよい。
反応時間も特に制限されるものではなく、前記トリオン化合物の生成状態を確認して適宜決定すればよい。つまり、共沸する水の量を確認して反応の進行を確認し、共沸する水が出なくなるまで実施すればよい。通常、0.5〜20時間で十分である。また、反応雰囲気も、特に制限されるものではなく、空気雰囲気下、または窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で実施できる。
本発明においては、操作性をより一層向上させるためには、前記第一反応溶液をそのまま使用し、該溶液から脱水することが好ましい。つまり、前記第一反応溶液をそのまま還流して、水を前記芳香族炭化水素系溶媒と共沸させて反応系内から除去して脱水反応を進めることができる。そのため、使用する装置は、前記無水化合物と光学活性アミン化合物とを反応させた装置と同じ装置で実施することが好ましい。同じ装置を使用することで、操作性を向上できる。
(トリオン化合物の精製)
本発明においては、前記方法でトリオン化合物を製造できる。前記混合物、すなわち、前記アミド体(I)および前記アミド体(II)を含む混合物を脱水すると、両者が共にトリオン化合物となる。トリオン化合物を精製する方法は、特に制限されるものではないが、以下の方法を採用することが好ましい。
具体的には、反応液から溶媒、例えば、前記芳香族炭化水素系溶媒を留去する。その後、残渣を、炭素数1〜6のアルコール、炭素数1〜6のグリコール、炭素数2〜6のアルキレングリコールモノアルキルエーテル等の親水性溶媒と水とを含む混合溶媒中に溶解させ、結晶(トリオン化合物)を析出させることが好ましい。該混合溶媒は、残渣の固形分1gに対して、親水性溶媒を0.5〜10mL、水を0.5〜10mL使用することが好ましく、さらに親水性溶媒を2〜6mL、水を1〜3mL使用することが好ましい。結晶化等させる温度、残渣を溶解させる際の温度は、前記混合溶媒の使用量で適宜決定することが好ましい。
以上のように取り出したトリオン化合物の結晶は、再度、晶析、カラム分離、洗浄等の方法により精製することもできる。該トリオン化合物は、ビオチンの原料として使用できる。該トリオン化合物からビオチンを製造する方法は、特に制限されるものではなく、公知に方法を採用することができる。
この中でも、特に好適な前記トリオン化合物を例示すれば、cis−1,3−ジベンジル−5−[(R)−1−フェネチル]ヘキサヒドロピロロ[3,4−d]イミダゾール−2,4,6−トリオンが挙げられる。
(トリオン化合物からビオチンの製造)
(トリオン化合物の還元)
本発明においては、前記トリオン化合物を還元剤で還元することにより、
下記式(7)
Figure 2018108978
(式中、
、およびRは、前記式(1)におけるものと同義であり、
、R、R、およびRは、前記式(2)におけるものと同義である。)で示されるアミドアルコール化合物(以下、単に「アミドアルコール化合物」とする場合もある。)を製造する。
(還元剤、還元反応)
本発明においては、前記トリオン化合物を還元するには、公知の還元剤を使用することができる。具体的には、使用する還元剤は、特に制限されるものではなく、公知の還元剤を使用できる。具体的には、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、または、その組み合わせなどを挙げることができる。
また(i)NaAlH(OCHCHOCHで還元した後(アミナール体およびアミドアルデヒド体の製造)、次いで、アミナール体およびアミドアルデヒド体を水素化ホウ素金属塩でさらに還元してアミドアルコール化合物を製造することもできる。
その他、(ii)水素化ホウ素カルシウムにより、トリオン化合物を還元してアミドアルコール化合物とすることもできる。水素化ホウ素カルシウムで還元することにより、より低温で反応することができる。
前記トリオン化合物と前記還元剤とは、接触させるために、両者を混合すればよい。混合においては、反応溶媒中で混合することが好ましい。反応溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1,2−ジメトキシエタン、THF、塩化メチレン、トルエンなどを使用することができる。
使用する還元剤の量は、特に制限されるものではなく、通常、前記トリオン化合物1モルに対して、0.25〜10モル使用すればよい。また、反応温度も、特に制限されるものではないが、−78〜50℃で実施することが好ましい。
中でも、前記トリオン化合物をNaAlH(OCHCHOCHで還元する際の反応温度は、高選択的に反応を進行させる観点から、−100℃以上10℃以下が好ましく、さらに、−20℃以上5℃以下が好ましい。また、NaAlH(OCHCHOCHで還元して得られる前記アミナール体および前記アミドアルデヒド体を、水素化ホウ素金属塩で還元する際の反応温度は、−20℃以上100℃以下が好ましく、さらに、0℃以上60℃以下が好ましい。
また、前記トリオン化合物と前記水素化ホウ素カルシウムとを接触させる際の反応温度は、特に制限されるものではなく、−100℃以上100℃以下が好ましく、−30℃以上50℃以下がより好ましく、−10℃以上50℃以下がさらに好ましく、−10℃以上40℃以下が特に好ましい。
以上のような方法に従えば、前記アミドアルコール化合物を製造することができる。得られたアミドアルコール化合物は、適当な溶媒で抽出、濃縮、再結晶、及び乾燥等の操作を行い、反応系内から取り出すことができる。
(ラクトン化合物の製造方法)
前記方法で得られたアミドアルコール化合物は、公知の方法でラクトン化合物とすることができる。具体的には、前記アミドアルコール化合物を酸により環化することにより、
下記式(8)
Figure 2018108978
(式中、
、およびRは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示されるラクトン化合物を製造できる。
使用する酸は、特に制限されるものではなく、公知の酸を使用できる。具体的には、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、リン酸、酢酸などを挙げることができる。
前記アミドアルコール化合物と前記酸とは、接触させるために、両者を混合すればよい。混合においては、反応溶媒中で混合することが好ましい。反応溶媒は、前記アミノール体の製造方法で例示した溶媒を使用することができる。
使用する酸の量は、特に制限されるものではなく、通常、前記アミドアルコール化合物1モルに対して、0.1〜1000モル使用すればよい。また、反応温度も、特に制限されるものではないが、−20〜110℃で実施することが好ましい。
以上のような方法でラクトン化合物を製造できるが、ラクトン化合物の収率を改善し、反応に使用した反応溶媒の除去が容易となり、後処理工程の操作性を向上するためには、以下のような条件で環化することが好ましい。具体的には、前記アミドアルコール化合物を製造した後、該アミドアルコール化合物を、塩化水素の存在下、分子中の全炭素原子の数が2〜12であるアルキレングリコールモノアルキルエーテルを含む溶媒中で環化させることにより、前記ラクトン化合物を製造することが好ましい。
使用する塩化水素は、水を含む塩酸の状態で反応系内に導入することもできるし、塩化水素ガスを反応系内に導入することもできる。ただし、生産性、装置の簡便化を考慮すると、水を含む塩酸の状態で使用することが好ましい。塩酸を使用する場合、塩化水素が30〜40質量%であり、水が60〜70質量%である塩酸(ただし、水と塩化水素との合計は100質量%である)を使用できる。これら塩化水素、または塩酸は、市販のものを使用できる。
塩化水素の使用量は、特に制限されるものではないが、後処理工程を容易とし、反応を十分に進めるためには、前記アミドアルコール化合物1モルに対して、0.1〜100モルが好ましく、さらには、1〜10モルが好ましい。
分子中の全炭素数が2〜12であるアルキレングリコールモノアルキルエーテルを含む溶媒としては、特に2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−メトキシ−1−プロパノールを使用することが好ましい。
以上のような方法に従えば、前記ラクトン化合物を製造することができる。得られたラクトン化合物は、適当な溶媒で抽出、濃縮、再結晶、及び乾燥等の操作を行い、反応系内から取り出すことができる。
(チオラクトン化合物の製方法)
前記方法で得られたラクトン化合物は、公知の方法でチオラクトン化合物とすることができる。具体的には、前記ラクトン化合物を硫化剤と反応させることにより、
下記式(5)
Figure 2018108978
(式中、
、およびRは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示されるチオラクトン化合物を製造できる。
使用する硫化剤としては、特に制限されるものではなく、公知の硫化剤を使用できる。具体的には、チオ酢酸カリウム、キサントゲン酸カリウム、水流化ナトリウム、チオアセトアミド等を挙げることができる。
前記アミドアルコール化合物と前記硫化剤とは、接触させるために、両者を混合すればよい。混合においては、反応溶媒中で混合することが好ましい。反応溶媒は、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等を使用することができる。
使用する硫化剤の量は、特に制限されるものではなく、通常、前記ラクトン化合物1モルに対して、1〜10モル使用すればよい。また、反応温度も、特に制限されるものではないが、50〜200℃で実施することが好ましい。
以上のような方法に従えば、前記チオラクトン化合物を製造することができる。得られたラクトン化合物は、適当な溶媒で抽出、濃縮、再結晶、及び乾燥等の操作を行い、反応系内から取り出すことができる。
(ビオチンの製造方法)
前記チオラクトン化合物は、それを原料として、
下記式(10)
Figure 2018108978
で示されるビオチンを製造することができる。
前記チオラクトン化合物からビオチンを製造する方法は、公知の方法を採用できる。具体的には、特許文献1、その特許文献のファミリー特許である特公昭53−35076号公報、特公昭55−16435号公報、および特開2000−191665号公報の方法に従い実施すればよい。
具体的には、グリニヤール反応により側鎖を導入し、脱水、水素添加する。次いで、ハロゲン化水素によりスルホニウム塩とし、マロン酸ジエチルと反応させ、加水分解脱炭酸し、N,N−置換基を除去することにより、前記ビオチンを製造することができる(特許文献1、特公昭53−35076号公報、特公昭55−16435号公報参照。)。
また、側鎖に該当する亜鉛試薬(亜鉛試薬:X−Zn−CH−Q−Y、式中、X:ハロゲン原子、Q:例えば、トリメチレン基、Y:例えば、エステル基)を前記チオラクトン化合物に付加反応させた後、加水分解し、脱水を行う。次いで、還元、および必要に応じてR、およびRの脱保護反応を行うことにより、前記ビオチンを製造できる(特開2000−191665号公報参照)。
以上のような方法でビオチンを製造することができる。本発明によれば、ビオチンの中間体である、前記アミドアルコール化合物の収率を向上することができるため、最終的に得られるビオチンも効率よく製造することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、具体例であって、本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例1
下記式で示されるウレイド化合物から同じ反応容器内でトリオン化合物を製造した場合の例である。
Figure 2018108978
(ウレイド化合物から無水化合物を製造する方法;脱水反応)
3口ナスフラスコにcis−1,3−ジベンジル−2−オキソ−4,5−イミダゾリジンジカルボン酸(200.0g、564.4mmol ウレイド化合物)、メシチレン(600.0mL;沸点165℃、本発明の「140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒」)を仕込んだ。3口ナスフラスコにDean−Stark管と冷却管を取り付け、窒素を1分流し窒素置換をした。185℃で加熱、環流、攪拌した。Dean−Stark管に溜まった水は適時除去した。合計3時間以上加熱した。反応の進行は反応液を0.1〜0.2mL抜き出し、2mLのメタノールを加え、さらに5MのNaOMeメタノール液を数滴加えるメタリシス処理を行なったサンプルを用いてHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で確認した(無水化合物が合成されているのを確認した。)。この脱水反応により、沸点が140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒と前記無水化合物とを含む第二反応溶液を準備した。第二反応溶液は、前記無水化合物1g当たり、メシチレンを3mL含むものであった。
(無水化合物と光学活性アミン化合物との反応)
前記3口ナスフラスコに滴下ロートを取り付け、(R)−(+)−1−メチルベンジルアミン(65.6g、536.2mmol、0.95当量 光学活性アミン化合物)を前記3口ナスフラスコ中に仕込んだ。つまり、第二反応溶液を185℃に加熱、撹拌したまま、2時間30分かけて、該第二反応溶液中に該光学活性アミン化合物を滴下した。瞬時に反応が完了した。無水化合物が消費された(アミド体(I)、およびアミド体(II)からなる混合物が生成した)のは、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)で確認した。また、この際、アミド体(I)、およびアミド体(II)からなる混合物は、溶液中に析出しなかった。以上の方法を行うことにより、前記混合物、およびメシチレンを含む第一反応溶液を準備した。この時、第一反応溶液は、前記混合物1g当たり、メシチレンを3mL含むものであった。
(混合物の脱水反応)
光学活性アミン化合物の滴下終了後さらに、撹拌しながら第一反応溶液を3時間30分加熱した。そして、Dean−Stark管にさらに水が溜まらないことを確認した。前記混合物が消費された(トリオン化合物が生成した)のは、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)で確認した。
(トリオン化合物の取り出し、精製)
その後、このDean−Stark管からメシチレンを合計200mL抜き出した。反応器内の温度を100℃以下に下げた。攪拌しながらイソプロピルアルコールを700mL加えた。温度を80℃に保ちながら、さらに水を280mL滴下した。その後、種晶を加え、さらに、水を220mL加えた。その後、23℃まで放冷して24時間撹拌し、得られた結晶をろ過した。
ろ取した結晶を5℃以下に冷却したイソプロピルアルコール75mLと水25mL混合液で洗浄した。洗浄した結晶を60℃で23時間30分真空乾燥することにより、目的のトリオン化合物を205.2g得た(466.9mmmol、収率87%)。mp:157℃、IR(KBr):1780、1705、1680cm−1
実施例2 トリオン化合物の還元(アミドアルコール化合物の合成)
下記式で示される反応を行った。
Figure 2018108978
実施例1で得られたトリオン化合物(65.5g)をエタノール(500mL)に溶かし、水素化ホウ素ナトリウム23.3g)を25℃以下で添加した。この混合物を同温で15時間撹拌した。反応終了後、反応液に酢酸(35mL)を加え、反応液を減圧濃縮した。濃縮残渣に、水(200mL)およびエーテル(150ml)を加えて固体を濾過乾燥することにより粗体のアミドアルコール化合物64.1gを得た。このものをイソプロパノール/水=7:2の混合液で再結晶することにより純品のアミドアルコール化合物(32g、49%)を得た。
実施例3 ラクトン化合物を製造する方法
下記に示す反応式に従い、以下の条件でラクトン化合物を製造した。
Figure 2018108978
実施例2で得られたアミドアルコール化合物(1.33g)を1,4−ジオキサン(5mL)に縣濁し、濃塩酸(0.5mL)を加えて、5時間加熱環流した。反応後、反応液を室温まで冷却後水洗濃縮することによりラクトン化合物(967mg, quant.)を得た。mp115-120℃。
実施例4 チオラクトン化合物の製造
下記の反応式に従い、以下の条件でチオラクトン化合物を製造した。
Figure 2018108978
実施例3で製造したラクトン化合物(3.22g)のN,N−ジメチルアセトアミド(5mL)溶液に、チオ酢酸カリウム(1.52g)を加え、150℃で1時間、撹拌混合撹拌した。反応終了後、水(17mL)を60℃で加え、室温まで徐々に冷却後、10℃以下で1時間、撹拌混合した。得られた固体を濾取後メタノールから再結晶することによりチラクトン化合物(2.87g、85%)を得た。mp126℃。
実施例5 ビオチンの製造方法
下記の反応式に従い、以下の条件でビオチンを製造した。
Figure 2018108978
臭素(5.8g)を亜鉛末(9.3g)のTHF(18mL)とトルエン(12ml)縣濁液に40℃以下で加えた。この縣濁液に5−ヨードペンタン酸エチルエステル(18.6g)を1時間かけて加えた。同温で1時間、撹拌混合した後、実施例4で製造したチオラクトン化合物(17.6g)、トルエン(36mL)、ジメチルホルムアミドDMF(4.4ml)、10質量%Pd/C(0.5g)を加えて、28℃から40℃の温度範囲で5時間、撹拌混合した。反応終了後、反応液に18質量%塩酸水(34mL)を加えて室温で1時間、撹拌混合した。有機層を分離し水洗、乾燥後、減圧濃縮した。
濃縮残渣をメタノール(160ml)と水(44mL)の混合液に溶かし、Pd(OH)/C(50質量%ウエット、1.6g)を加えて、110℃、水素圧0.9MPaで12時間、接触還元した。反応終了後、反応液を濾過後、濾液に31質量%NaOH水溶液(19g)を加えて40℃で2時間、撹拌混合した。
水素付加反応終了後、反応液に10質量%塩酸を加えてpH1とした。メタノールを減圧留去し、生成物を酢酸エチルで抽出、水洗、濃縮した。
濃縮残渣にメタンスルホン酸(1.2g)およびメシチレン(1.2mL)を加えて135℃で3時間、撹拌混合した。反応液を85℃まで冷却後、分液し、下層を水(8ml)中に注入する。この混合液を10℃以下で1時間、撹拌混合した後、析出した結晶を濾過することによりビオチン(10.7g、85%)を得た。mp231-232℃。
比較例1
3口ナスフラスコにCis−1,3−ジベンジル−2−オキソ−4,5−イミダゾリジンジカルボン酸(20.0g、56.4mmol ウレイド化合物)、トルエン(80mL)を仕込んだ。3口ナスフラスコにDean−Stark管と冷却管を取り付け、窒素を1分流し窒素置換をした。110℃で加熱、環流、攪拌した。Dean−Stark管に溜まった水は適時除去した。合計10時間以上加熱した。この時点で、無水化合物が多量に析出し撹拌困難となった。
比較例2
比較例1で得られた下記式
Figure 2018108978
で示される無水化合物と(R)−(+)−1−メチルベンジルアミン(光学活性アミン化合物)とを以下の条件で反応させた。すなわち、該無水化合物(50g)をトルエン(20mL)に縣濁し(R)−(+)−α−メチルベンジルアミン(18.9g)を加えて110℃でDean−Stark管を用いて環流脱水した。2時間経過した時、反応溶液中でアミド体(I)とアミド体(II)とからなる混合物の結晶が析出し、撹拌が困難となった。
実施例6 トリオン化合物の還元(アミドアルコール化合物の合成)
下記式で示される反応を行った。
Figure 2018108978
ナスフラスコに塩化カルシウム(68.26mmol、7.97g(純度95%))とエタノール(180mL、純度99.4%)を入れて超音波を用いて溶かした。氷浴につけて5分以上攪拌した。氷浴で冷やしたまま、水素化ホウ素ナトリウム(136.51mmol、5.74g(純度90%))を加えた。そのまま氷浴で20分攪拌して水素化ホウ素カルシウムを製造した。
次いで、実施例1と同様の操作を行い製造したトリオン化合物(30.0g、68.26mmol)を仕込み、室温(23℃)で16時間攪拌した。50℃に温度を上げて2時間攪拌した。得られた反応液をHPLCで分析した。トリオン化合物の転化率:100%、異性体比:75/25、アミナール体:0.6%であった。
反応液に水(270mL)と酢酸(15mL)を加えた。反応液をろ過した。得られた固体を60℃で6時間以上真空乾燥した。本品を含水メタノールから再結晶することによりアミドアルコール化合物を得た(収量:18.8g収率:62%)
実施例7 (ラクトン化合物の製造)
下記に示す反応式に従い、以下の条件でラクトン化合物を製造した。
Figure 2018108978
実施例6と同様の操作を行い製造したアミドアルコール化合物;4.15g、9.4mmol)と、アルキレンモノアルキルエーテルとして2−メトキシ−1−プロパノール(8.3mL)と、36質量%の塩酸(2.07g、塩化水素 20.4mmol 前記アミドアルコール化合物1モルに対して2.2モル使用)を3ツ口フラスコに仕込んだ。
予め温めておいたオイルバスに該3口ナスフラスコを入れて加熱した。内温100℃で15分間攪拌した。攪拌したまま30℃に冷却し、水(83mL)を5分以上かけてゆっくりと加え、室温(25℃)で2時間攪拌して、前記式で示されるラクトン化合物の結晶を反応液中に析出させた。
反応液をガラスフィルター漏斗でろ過して結晶を得た。得られた結晶に水(20mL)を加えてかき混ぜろ過した。得られた結晶を60℃で17時間、送風乾燥した。目的のラクトン化合物を2.96g得た(9.18mmol、収率98%)。
得られたラクトン化合物の分析値;mp:100〜101℃、IR(Nujol):1775cm−1であり、目的とするラクトン化合物であることが確認できた。

Claims (8)

  1. 下記式(1)
    Figure 2018108978
    (式中、
    、およびRは、それぞれ、水素原子、又はウレイレン基の保護基である。)で示される無水化合物と、
    下記式(2)
    Figure 2018108978
    (式中、
    は、アルキル基、アラルキル基、又はアリール基であり、
    、R、およびRは、それぞれ、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、またはハロゲン原子である。)で示される光学活性アミン化合物とを、
    沸点が140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒を含む反応溶媒中で反応させることにより、
    下記式(3)
    Figure 2018108978
    (式中、
    、およびRは、前記式(1)におけるものと同義であり、
    、R、R、およびRは、前記式(2)におけるものと同義である。)で示されるアミド体(I)、および
    下記式(4)
    Figure 2018108978
    (式中、
    、およびRは、前記式(1)におけるものと同義であり、
    、R、R、およびRは、前記式(2)におけるものと同義である。)で示されるアミド体(II)からなる混合物を製造する方法。
  2. 請求項1に記載の方法で得られた前記式(3)で示されるアミド体(I)、および前記式(4)で示されるアミド体(II)からなる混合物、並びに、沸点が140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒を含む第一反応溶液を還流温度として、該混合物を脱水することにより、
    下記式(5)
    Figure 2018108978
    (式中、
    、およびRは、前記式(1)におけるものと同義であり、
    、R、R、およびRは、前記式(2)におけるものと同義である。)で示されるトリオン化合物を製造する方法。
  3. 前記沸点が140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒を含む反応溶媒中、還流温度として、
    下記式(6)
    Figure 2018108978
    (式中、
    、およびRは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示されるウレイド化合物を脱水することにより、前記式(1)で示される無水化合物を製造する方法。
  4. 請求項3に記載の方法で得られた前記式(1)で示される無水化合物、および前記沸点が140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒を含む反応溶媒を含む第二反応溶液と、前記式(2)で示される光学活性アミノ化合物を混合することにより、前記式(3)で示されるアミド体(I)、および前記式(4)で示されるアミド体(II)からなる混合物を製造する方法。
  5. 請求項2に記載の方法により前記式(5)で示されるトリオン化合物を製造した後、該トリオン化合物を還元剤で還元することにより、
    下記式(7)
    Figure 2018108978
    (式中、
    、およびRは、前記式(1)におけるものと同義であり、
    、R、R、およびRは、前記式(2)におけるものと同義である。)で示されるアミドアルコール化合物を製造する方法。
  6. 請求項5に記載の方法により前記式(7)で示されるアミドアルコール化合物を製造した後、該アミドアルコール化合物を酸で環化することにより、
    下記式(8)
    Figure 2018108978
    (式中、
    、およびRは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示されるラクトン化合物を製造する方法。
  7. 請求項6に記載の方法により前記式(8)で示されるラクトン化合物を製造した後、該ラクトン化合物と硫化剤とを反応させることにより、
    下記式(9)
    Figure 2018108978
    (式中、
    、およびRは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示されるチオラクトン化合物を製造する方法。
  8. 請求項7に記載の方法により前記式(9)で示されるチオラクトン化合物を製造した後、該チオラクトン化合物を原料として、
    下記式(10)
    Figure 2018108978
    で示されるビオチンを製造する方法。
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