以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることが可能である。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である有機金属錯体について説明する。
本実施の形態で示す有機金属錯体は、ベンゾイミダゾール骨格の1位にシアノ基を有するアリール基を有し、前記ベンゾイミダゾール骨格の2位にフェニル基を有する配位子と、イリジウムと、を有することを特徴とする有機金属錯体である。
本実施の形態で示す有機金属錯体は、下記一般式(G1)で表される構造を含む有機金属錯体である。
なお、一般式(G1)において、Ar1は、置換基を有する炭素数6〜13のアリール基を表し、Ar1は、前記置換基として少なくとも一のシアノ基を有する。また、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12のヘテロアリール基、シアノ基のいずれかを表す。
本実施の形態で示す有機金属錯体は、下記一般式(G2)で表される構造を含む有機金属錯体である。
なお、一般式(G2)において、R1〜R13は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12のヘテロアリール基、シアノ基のいずれかを表し、R9〜R13の少なくとも一は、シアノ基を表す。
また、本実施の形態で示す有機金属錯体は、下記一般式(G3)で表される構造を含む有機金属錯体である。
なお、一般式(G3)において、R1〜R10、R12、およびR13は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12のヘテロアリール基、シアノ基のいずれかを表す。
また、上記構成における一般式(G2)および一般式(G3)において、式中のR9およびR13は、いずれも置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基としてもよい。R9およびR13は、いずれも置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基とすることで、有機金属錯体の昇華性が向上し、蒸着時における材料の分解を抑制することがでる。これは有機金属錯体を発光素子に用いた場合における信頼性の向上につながり好ましい。
また、上記構成における一般式(G2)および一般式(G3)において、式中のR9は、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R13は、水素としてもよい。R9は、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、R13は、水素とすることで、有機金属錯体の昇華性が向上し、蒸着時における材料の分解を抑制することがでる。これは有機金属錯体を発光素子に用いた場合における信頼性の向上につながり好ましい。
また、本実施の形態で示す有機金属錯体は、下記一般式(G4)で表される有機金属錯体である。
なお、一般式(G4)において、Ar1は、置換基を有する炭素数6〜13のアリール基を表し、Ar1は、置換基として少なくとも一のシアノ基を有する。また、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12のヘテロアリール基、シアノ基のいずれかを表す。また、Lは、モノアニオン性の配位子を表し、n=1以上3以下のいずれかを表す。
また、本実施の形態で示す有機金属錯体は、下記一般式(G5)で表される有機金属錯体である。
なお、一般式(G5)において、R1〜R13は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12のヘテロアリール基、シアノ基のいずれかを表し、R9〜R13の少なくとも一は、シアノ基を表す。また、Lは、モノアニオン性の配位子を表し、n=1以上3以下のいずれかを表す。
また、本実施の形態で示す有機金属錯体は、下記一般式(G6)で表される有機金属錯体である。
なお、一般式(G6)において、R1〜R10、R12、およびR13は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12のヘテロアリール基、シアノ基のいずれかを表す。また、Lは、モノアニオン性の配位子を表し、n=1以上3以下のいずれかを表す。
なお、上記構成における一般式(G5)および一般式(G6)において、式中のR9およびR13は、いずれも置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基としてもよい。
また、上記構成における一般式(G5)および一般式(G6)において、式中のR9は、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R13は、水素としてもよい。
また、上記構成において、モノアニオン性の配位子として、β−ジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、カルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、フェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、又は二つの配位元素がいずれも窒素であるモノアニオン性の二座キレート配位子、又はシクロメタル化によりイリジウムと金属−炭素結合を形成する二座配位子が挙げられる。
また、上記構成において、モノアニオン性の配位子として、下記一般式(L1)〜(L9)のいずれか一を用いることができる。
なお、一般式(L1)〜(L9)において、R51〜R63、R71〜R77、R87〜R124は、それぞれ独立に水素又は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲノ基、ビニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。また、A1〜A3は、それぞれ独立に窒素、または水素と結合するsp2混成炭素、又は置換基を有するsp2混成炭素を表し、前記置換基は炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲノ基、炭素数1〜6のハロアルキル基、又はフェニル基を表す。また、Ar40は、置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基を表す。
なお、上記一般式(G1)〜(G6)のいずれかにおいて、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12のヘテロアリール基が置換基を有する場合、該置換基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基のような炭素数1〜6のアルキル基や、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基のような炭素数5〜7のシクロアルキル基や、フェニル基、ビフェニル基のような炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
また、上記一般式(G1)〜(G6)中のR1〜R13における炭素数1〜6のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、ネオヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
また、上記一般式(G1)〜(G6)中のR1〜R13における置換もしくは無置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロへキシル基等が挙げられる。
また、上記一般式(G1)〜(G6)中のR1〜R13における炭素数6〜13のアリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基(o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基)、ナフチル基(1−ナフチル基、2−ナフチル基)、ビフェニル基(ビフェニル−2−イル基、ビフェニル−3−イル基、ビフェニル−4−イル基)、キシリル基、ペンタレニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基等が挙げられる。なお、上述の置換基同士が結合して環を形成していても良く、このような例としては、例えば、フルオレニル基の9位の炭素が置換基としてフェニル基を2つ有し、当該フェニル基同士が結合することによって、スピロフルオレン骨格が形成される場合等が挙げられる。
また、上記一般式(G1)〜(G6)中のR1〜R13における炭素数3〜12のヘテロアリール基の具体例としては、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリダジル基、トリアジル基、ベンゾイミダゾリル基、キノリル基等が挙げられる。
一般式(G1)、(G2)、(G3)、(G4)、(G5)および(G6)に示した本発明の一態様である有機金属錯体は、ベンゾイミダゾール骨格の1位にシアノ基を有するアリール基を有し、前記ベンゾイミダゾール骨格の2位にフェニル基を有する配位子と、イリジウムと、を有する。なお、ベンゾイミダゾール骨格は、ベンゼン環を有することにより共役が広がるため、発光波長を長波長シフトさせることができる。また、ベンゾイミダゾール骨格の1位に結合したアリール基がシアノ基を有することにより、有機金属錯体のHOMO準位およびLUMO準位を下げることができる。従って、有機金属錯体を発光素子に用いた場合において、ホール注入性を維持しつつ電子注入性を高めることができ、発光効率を向上させることができる。また、HOMO準位を下げることにより、LUMO準位の深いホスト材料を用いた場合においても、有機金属錯体(ゲスト材料)とホスト材料の間のエキサイプレックスが形成されにくくなり、発光効率を向上させることができる。また、本発明の一態様である有機金属錯体は、良好な緑色純度となるため好ましい。また、ベンゾイミダゾール骨格の1位に結合したアリール基がシアノ基を有することにより、有機金属錯体の熱物性(耐熱性)が向上し、蒸着時における材料の分解を抑制することができる。これは有機金属錯体を発光素子に用いた場合における信頼性の向上につながり好ましい。
次に、上述した本発明の一態様である有機金属錯体の具体的な構造式を下記に示す。ただし、本発明はこれらに限定されることはない。
なお、上記構造式(100)〜(211)で表される有機金属錯体は、燐光を発光することが可能な新規物質である。これらの物質は、配位子の種類によっては幾何異性体と立体異性体が存在しうるが、本発明の一態様である有機金属錯体にはこれらの異性体も全て含まれる。
次に、本発明の一態様であり、一般式(G1)で表される有機金属錯体の合成方法の一例について説明する。
≪ステップ1:一般式(G0)で表されるベンゾイミダゾール誘導体の合成方法≫
はじめに、下記一般式(G0)で表されるベンゾイミダゾール誘導体の合成法の一例について説明する。
なお、上記一般式(G0)中、Ar1は、置換基を有する炭素数6〜13のアリール基を表し、Ar1は、置換基として少なくとも一のシアノ基を有する。また、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12のヘテロアリール基、シアノ基のいずれかを表す。
下記スキーム(A)に示すように、アリールアルデヒド化合物またはアリールカルボン酸塩化物(A1)と、Ar1でN位が置換されたo−フェニレンジアミン誘導体(A2)との反応により、一般式(G0)で表されるベンゾイミダゾール誘導体を得ることができる。
なお、上記スキーム(A)において、Ar1は、置換基を有する炭素数6〜13のアリール基を表し、Ar1は、置換基として少なくとも一のシアノ基を有する。また、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12のヘテロアリール基、シアノ基のいずれかを表す。
<ステップ2:一般式(G4)で表される有機金属錯体の合成方法>
一般式(G1)で表される構造を含み、一般式(G4)で表される有機金属錯体の合成方法の一例について説明する。なお、一般式(G4)中、Ar1は、置換基を有する炭素数6〜13のアリール基を表し、Ar1は、置換基として少なくとも一のシアノ基を有する。また、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12のヘテロアリール基、シアノ基のいずれかを表す。また、Lは、モノアニオン性の配位子を表し、n=1以上3以下のいずれかを表す。
下記スキーム(B)に示すように、一般式(G0)で表されるベンゾイミダゾール誘導体またはLと、ハロゲンを含むイリジウム化合物(塩化イリジウム、臭化イリジウム、ヨウ化イリジウム等)とを無溶媒、またはアルコール系溶媒(グリセロール、エチレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等)単独、あるいはアルコール系溶媒1種類以上と水との混合溶媒を用いて、不活性ガス雰囲気にて加熱することにより、ハロゲンで架橋された構造を有する有機金属錯体の一種であり、新規物質であるベンゾイミダゾール誘導体の複核錯体(P1)、またはモノアニオン性の2座の配位子を含む複核錯体(P2)を得ることができる。
なお、スキーム(B)において、Xはハロゲン原子を表し、Ar1は、置換基を有する炭素数6〜13のアリール基を表し、Ar1は、置換基として少なくとも一のシアノ基を有する。また、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12のヘテロアリール基、シアノ基のいずれかを表す。
さらに、下記スキーム(C)に示すように、上述の合成スキーム(B)で得られる複核錯体(P1)または(P2)と、一般式(G0)で表されるベンゾイミダゾール誘導体またはLとを、不活性ガス雰囲気にて反応させることにより、一般式(G4)で表される本発明の一態様である有機金属錯体が得られる。ここで、さらに得られた有機金属錯体に光や熱を照射してさらに反応させることにより幾何異性体、光学異性体等の異性体を得ても良く、これらも一般式(G4)で表される本発明の一態様である有機金属錯体である。
なお、スキーム(C)において、Ar1は、置換基を有する炭素数6〜13のアリール基を表し、Ar1は、置換基として少なくとも一のシアノ基を有する。また、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12のヘテロアリール基、シアノ基のいずれかを表す。また、Lは、モノアニオン性の配位子を表し、n=1以上3以下のいずれかを表す。
<ステップ2’:一般式(G4’)で表される有機金属錯体の合成方法>
一般式(G1)で表される構造を含み、一般式(G4)で表される有機金属錯体のうち、n=3であり、一般式(G4’)で表される有機金属錯体の合成法の一例について説明する。なお、一般式(G4’)中、Ar1は、置換基を有する炭素数6〜13のアリール基を表し、Ar1は、置換基として少なくとも一のシアノ基を有する。また、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12のヘテロアリール基、シアノ基のいずれかを表す。
下記スキーム(D)に示すように、一般式(G0)で表されるベンゾイミダゾール誘導体と、ハロゲンを含むイリジウム金属化合物(塩化イリジウム水和物、ヘキサクロロイリジウム酸アンモニウム等)、またはイリジウム有機金属錯体化合物(アセチルアセトナト錯体、ジエチルスルフィド錯体等)とを混合した後、加熱することにより、一般式(G4’)で表される構造を有する有機金属錯体を得ることができる。
また、この加熱プロセスは、一般式(G0)で表されるベンゾイミダゾール誘導体と、ハロゲンを含むイリジウム金属化合物、またはイリジウム有機金属錯体化合物とをアルコール系溶媒(グリセロール、エチレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等)に溶解した後に行ってもよい。
なお、スキーム(D)において、Ar1は、置換基を有する炭素数6〜13のアリール基を表し、Ar1は、置換基として少なくとも一のシアノ基を有する。また、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜13のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12のヘテロアリール基、シアノ基のいずれかを表す。
以上、本発明の一態様である有機金属錯体の合成方法の一例について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、他のどのような合成方法によって合成されても良い。
なお、上述した本発明の一態様である有機金属錯体は、燐光を発光することが可能であるため、発光材料や発光素子の発光物質として利用できる。
また、本発明の一態様である有機金属錯体を用いることで、発光効率の高い発光素子、発光装置、電子機器、または照明装置を実現することができる。また、消費電力が低い発光素子、発光装置、電子機器、または照明装置を実現することができる。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べたが、本発明の一態様は、これらに限定されない。つまり、本実施の形態および他の実施の形態では、様々な発明の態様が記載されているため、本発明の一態様は、特定の態様に限定されない。例えば、本発明の一態様として、発光素子に適用した場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。また、状況に応じて、本発明の一態様は、発光素子以外のものに適用してもよい。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で示した有機金属錯体を用いた発光素子について図1を用いて説明する。
≪発光素子の基本的な構造≫
まず、発光素子の基本的な構造について説明する。図1(A)には、一対の電極間に発光層を含むEL層を有する発光素子を示す。具体的には、第1の電極101と第2の電極102との間にEL層103が挟まれた構造を有する。
また、図1(B)には、一対の電極間に複数(図1(B)では、2層)のEL層(103a、103b)を有し、EL層の間に電荷発生層104を有する積層構造(タンデム構造)の発光素子を示す。タンデム構造の発光素子は、低電圧駆動が可能で消費電力が低い発光装置を実現することができる。
電荷発生層104は、第1の電極101と第2の電極102に電圧を印加したときに、一方のEL層(103aまたは103b)に電子を注入し、他方のEL層(103bまたは103a)に正孔を注入する機能を有する。従って、図1(B)において、第1の電極101に第2の電極102よりも電位が高くなるように電圧を印加すると、電荷発生層104からEL層103aに電子が注入され、EL層103bに正孔が注入されることとなる。
なお、電荷発生層104は、光の取り出し効率の点から、可視光に対して透光性を有する(具体的には、電荷発生層104に対する可視光の透過率が、40%以上)ことが好ましい。また、電荷発生層104は、第1の電極101や第2の電極102よりも低い導電率であっても機能する。
また、図1(C)には、本発明の一態様である発光素子のEL層103の積層構造を示す。但し、この場合、第1の電極101は陽極として機能するものとする。EL層103は、第1の電極101上に、正孔(ホール)注入層111、正孔(ホール)輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115が順次積層された構造を有する。なお、図1(B)に示すタンデム構造のように複数のEL層を有する場合であっても、各EL層が、陽極側から上記のように順次積層される構造とする。また、第1の電極101が陰極で、第2の電極102が陽極の場合は、積層順は逆になる。
EL層(103、103a、103b)に含まれる発光層113は、それぞれ発光物質や複数の物質を適宜組み合わせて有しており、所望の発光色を呈する蛍光発光や燐光発光が得られる構成とすることができる。また、発光層113を発光色の異なる積層構造としてもよい。なお、この場合、積層された各発光層に用いる発光物質やその他の物質は、それぞれ異なる材料を用いればよい。また、図1(B)に示す複数のEL層(103a、103b)から、それぞれ異なる発光色が得られる構成としても良い。この場合も各発光層に用いる発光物質やその他の物質を異なる材料とすればよい。
また、本発明の一態様である発光素子において、例えば、図1(C)に示す第1の電極101を反射電極とし、第2の電極102を半透過・半反射電極とし、微小光共振器(マイクロキャビティ)構造とすることにより、EL層103に含まれる発光層113から得られる発光を両電極間で共振させ、第2の電極102から得られる発光を強めることができる。
なお、発光素子の第1の電極101が、反射性を有する導電性材料と透光性を有する導電性材料(透明導電膜)との積層構造からなる反射電極である場合、透明導電膜の膜厚を制御することにより光学調整を行うことができる。具体的には、発光層113から得られる光の波長λに対して、第1の電極101と、第2の電極102との電極間距離がmλ/2(ただし、mは自然数)近傍となるように調整するのが好ましい。
また、発光層113から得られる所望の光(波長:λ)を増幅させるために、第1の電極101から発光層113の所望の光が得られる領域(発光領域)までの光学距離と、第2の電極102から発光層113の所望の光が得られる領域(発光領域)までの光学距離と、をそれぞれ(2m’+1)λ/4(ただし、m’は自然数)近傍となるように調節するのが好ましい。なお、ここでいう発光領域とは、発光層113における正孔(ホール)と電子との再結合領域を示す。
このような光学調整を行うことにより、発光層113から得られる特定の単色光のスペクトルを狭線化させ、色純度の良い発光を得ることができる。
但し、上記の場合、第1の電極101と第2の電極102との光学距離は、厳密には第1の電極101における反射領域から第2の電極102における反射領域までの総厚ということができる。しかし、第1の電極101や第2の電極102における反射領域を厳密に決定することは困難であるため、第1の電極101と第2の電極102の任意の位置を反射領域と仮定することで充分に上述の効果を得ることができるものとする。また、第1の電極101と、所望の光が得られる発光層との光学距離は、厳密には第1の電極101における反射領域と、所望の光が得られる発光層における発光領域との光学距離であるということができる。しかし、第1の電極101における反射領域や、所望の光が得られる発光層における発光領域を厳密に決定することは困難であるため、第1の電極101の任意の位置を反射領域、所望の光が得られる発光層の任意の位置を発光領域と仮定することで充分に上述の効果を得ることができるものとする。
図1(C)に示す発光素子は、マイクロキャビティ構造を有するため、同じEL層を有していても異なる波長の光(単色光)を取り出すことができる。従って、異なる発光色を得るための塗り分け(例えば、RGB)が不要となる。従って、高精細化を実現することが容易である。また、着色層(カラーフィルタ)との組み合わせも可能である。さらに、特定波長の正面方向の発光強度を強めることが可能となるため、低消費電力化を図ることができる。
図1(E)に示す発光素子は、図1(B)に示したタンデム構造の発光素子の一例であり、図に示すように、3つのEL層(103a、103b、103c)が電荷発生層(104a、104b)を挟んで積層される構造を有する。なお、3つのEL層(103a、103b、103c)は、それぞれに発光層(113a、113b、113c)を有しており、各発光層の発光色は、自由に組み合わせることができる。例えば、発光層113aを青色、発光層113bを赤色、緑色、または黄色のいずれか、発光層113cを青色とすることができるが、発光層113aを赤色、発光層113bを青色、緑色、または黄色のいずれか、発光層113cを赤色とすることもできる。
なお、上述した本発明の一態様である発光素子において、第1の電極101と第2の電極102の少なくとも一方は、透光性を有する電極(透明電極、半透過・半反射電極など)とする。透光性を有する電極が透明電極の場合、透明電極の可視光の透過率は、40%以上とする。また、半透過・半反射電極の場合、半透過・半反射電極の可視光の反射率は、20%以上80%以下、好ましくは40%以上70%以下とする。また、これらの電極は、抵抗率が1×10−2Ωcm以下とするのが好ましい。
また、上述した本発明の一態様である発光素子において、第1の電極101と第2の電極102の一方が、反射性を有する電極(反射電極)である場合、反射性を有する電極の可視光の反射率は、40%以上100%以下、好ましくは70%以上100%以下とする。また、この電極は、抵抗率が1×10−2Ωcm以下とするのが好ましい。
≪発光素子の具体的な構造および作製方法≫
次に、本発明の一態様である発光素子の具体的な構造および作製方法について、図1を用いて説明する。また、ここでは、図1(B)に示すタンデム構造を有し、マイクロキャビティ構造を備えた発光素子についても図1(D)を用いて説明する。図1(D)に示す発光素子がマイクロキャビティ構造を有する場合は、第1の電極101を反射電極として形成し、第2の電極102を半透過・半反射電極として形成する。従って、所望の電極材料を単数または複数用い、単層または積層して形成することができる。なお、第2の電極102は、EL層103bを形成した後、上記と同様に材料を選択して形成する。また、これらの電極の作製には、スパッタ法や真空蒸着法を用いることができる。
<第1の電極および第2の電極>
第1の電極101および第2の電極102を形成する材料としては、上述した両電極の機能が満たせるのであれば、以下に示す材料を適宜組み合わせて用いることができる。例えば、金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを適宜用いることができる。具体的には、In−Sn酸化物(ITOともいう)、In−Si−Sn酸化物(ITSOともいう)、In−Zn酸化物、In−W−Zn酸化物が挙げられる。その他、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、イットリウム(Y)、ネオジム(Nd)などの金属、およびこれらを適宜組み合わせて含む合金を用いることもできる。その他、上記例示のない元素周期表の第1族または第2族に属する元素(例えば、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr))、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)などの希土類金属およびこれらを適宜組み合わせて含む合金、その他グラフェン等を用いることができる。
図1(D)に示す発光素子において、第1の電極101が陽極である場合、第1の電極101上にEL層103aの正孔注入層111aおよび正孔輸送層112aが真空蒸着法により順次積層形成される。EL層103aおよび電荷発生層104が形成された後、電荷発生層104上にEL層103bの正孔注入層111bおよび正孔輸送層112bが同様に順次積層形成される。
<正孔注入層および正孔輸送層>
正孔注入層(111、111a、111b)は、陽極である第1の電極101や電荷発生層(104)からEL層(103、103a、103b)に正孔(ホール)を注入する層であり、正孔注入性の高い材料を含む層である。
正孔注入性の高い材料としては、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等の遷移金属酸化物が挙げられる。この他、フタロシアニン(略称:H2Pc)や銅フタロシアニン(略称:CuPC)等のフタロシアニン系の化合物、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)等の芳香族アミン化合物、またはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(略称:PEDOT/PSS)等の高分子等を用いることができる。
また、正孔注入性の高い材料としては、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)を含む複合材料を用いることもできる。この場合、アクセプター性材料により正孔輸送性材料から電子が引き抜かれて正孔注入層(111、111a、111b)で正孔が発生し、正孔輸送層(112、112a、112b)を介して発光層(113、113a、113b)に正孔が注入される。なお、正孔注入層(111、111a、111b)は、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)を含む複合材料からなる単層で形成しても良いが、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)とをそれぞれ別の層で積層して形成しても良い。
正孔輸送層(112、112a、112b)は、正孔注入層(111、111a、111b)によって、第1の電極101や電荷発生層(104)から注入された正孔を発光層(113、113a、113b)に輸送する層である。なお、正孔輸送層(112、112a、112b)は、正孔輸送性材料を含む層である。正孔輸送層(112、112a、112b)に用いる正孔輸送性材料は、特に正孔注入層(111、111a、111b)のHOMO準位と同じ、あるいは近いHOMO準位を有するものを用いることが好ましい。
正孔注入層(111、111a、111b)に用いるアクセプター性材料としては、元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を用いることができる。具体的には、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムが挙げられる。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。その他、キノジメタン誘導体やクロラニル誘導体、ヘキサアザトリフェニレン誘導体などの有機アクセプターを用いることができる。具体的には、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル、2,3,6,7,10,11−ヘキサシアノ−1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン(略称:HAT−CN)等を用いることができる。
正孔注入層(111、111a、111b)および正孔輸送層(112、112a、112b)に用いる正孔輸送性材料としては、10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質が好ましい。なお、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いることができる。
正孔輸送性材料としては、π電子過剰型複素芳香族化合物(例えばカルバゾール誘導体やインドール誘導体)や芳香族アミン化合物が好ましく、具体例としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4−フェニル−3’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、3−[4−(9−フェナントリル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPPn)、
N−(4−ビフェニル)−N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCBiF)、N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン(略称:PCBBiF)4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4−(1−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4、4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、9,9−ジメチル−N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]フルオレン−2−アミン(略称:PCBAF)、N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−アミン(略称:PCBASF)、4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、などの芳香族アミン骨格を有する化合物、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、3,6−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)−9−フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,3’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)(略称:PCCP)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントラセニル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)などのカルバゾール骨格を有する化合物、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P−II)、2,8−ジフェニル−4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−III)、4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−6−フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−IV)などのチオフェン骨格を有する化合物、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P−II)、4−{3−[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi−II)などのフラン骨格を有する化合物が挙げられる。
さらに、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物を用いることもできる。
但し、正孔輸送性材料は、上記に限られることなく公知の様々な材料を1種または複数種組み合わせて正孔輸送性材料として正孔注入層(111、111a、111b)および正孔輸送層(112、112a、112b)に用いることができる。なお、正孔輸送層(112、112a、112b)は、各々複数の層から形成されていても良い。すなわち、例えば第1の正孔輸送層と第2の正孔輸送層とが積層されていても良い。
図1(D)に示す発光素子においては、EL層103aの正孔輸送層112a上に発光層113aが真空蒸着法により形成される。また、EL層103aおよび電荷発生層104が形成された後、EL層103bの正孔輸送層112b上に発光層113bが真空蒸着法により形成される。
<発光層>
発光層(113、113a、113b、113c)は、発光物質を含む層である。なお、発光物質としては、青色、紫色、青紫色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、赤色などの発光色を呈する物質を適宜用いる。また、複数の発光層(113a、113b、113c)に異なる発光物質を用いることにより異なる発光色を呈する構成(例えば、補色の関係にある発光色を組み合わせて得られる白色発光)とすることができる。さらに、一つの発光層が異なる発光物質を有する積層構造であっても良い。
また、発光層(113、113a、113b、113c)は、発光物質(ゲスト材料)に加えて、1種または複数種の有機化合物(ホスト材料、アシスト材料)を有していても良い。また、1種または複数種の有機化合物としては、本実施の形態で説明する正孔輸送性材料や電子輸送性材料の一方または両方を用いることができる。
発光層(113、113a、113b、113c)に用いることができる発光物質としては、特に限定は無く、一重項励起エネルギーを可視光領域の発光に変える発光物質、または三重項励起エネルギーを可視光領域の発光に変える発光物質を用いることができる。ただし、本発明の一態様においては、EL層(103、103a、103b、103c)の中でも特に、発光層(113、113a、113b、113c)のいずれかが、1−アリール−2−フェニルベンゾイミダゾール誘導体を配位子とし、配位子のアリール基にシアノ基を有する有機金属錯体を有することが好ましい。
このような有機金属錯体を発光素子の発光層に用いることで、発光層に対するホール注入性を維持しつつ電子注入性をも高めることができるため、発光素子の発光効率を向上させることができる。また、該有機金属錯体はHOMO準位が深いという特徴を有する。したがって、該有機金属錯体とホスト材料とを混合して発光層を形成する場合、LUMO準位の深いホスト材料を用いた場合においても、該有機金属錯体(ゲスト材料)とホスト材料の間のエキサイプレックスが形成されにくくなり、発光素子の発光効率を向上させることができる。また、該有機金属錯体は、鋭い発光スペクトルを示すため、良好な緑色純度の発光素子を得ることができる。また、ベンゾイミダゾール骨格の1位に結合したアリール基がシアノ基を有することにより、該有機金属錯体の熱物性(耐熱性)が向上し、蒸着時における材料の分解を抑制することができる。したがって、該有機金属錯体を発光層に用いた発光素子は、長寿命である。
このような本発明の一態様の発光素子において、該有機金属錯体としては、1,2−ジフェニルベンゾイミダゾール誘導体を配位子とし、配位子の1位のフェニル基にシアノ基を有することが好ましい。1位のアリール基が、アリール基の中でも共役の小さいフェニル基であることにより、シアノ基の効果を効果的に得ることができるためである。また、上記構成における配位子は、イリジウムとのシクロメタル結合を有することが好ましい。このような有機金属錯体の具体例としては、実施形態1で述べた化合物が挙げられる。
なお、他の発光物質としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
一重項励起エネルギーを発光に変える発光物質としては、蛍光を発する物質(蛍光材料)が挙げられ、例えば、ピレン誘導体、アントラセン誘導体、トリフェニレン誘導体、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、キノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、フェナントレン誘導体、ナフタレン誘導体などが挙げられる。特にピレン誘導体は発光量子収率が高いので好ましい。ピレン誘導体の具体例としては、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス〔3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル〕ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6FLPAPrn)、N,N’−ビス(ジベンゾフラン−2−イル)−N,N’−ジフェニルピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6FrAPrn)、N,N’−ビス(ジベンゾチオフェン−2−イル)−N,N’−ジフェニルピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6ThAPrn)、N,N’−(ピレン−1,6−ジイル)ビス[(N−フェニルベンゾ[b]ナフト[1,2−d]フラン)−6−アミン](略称:1,6BnfAPrn)、N,N’−(ピレン−1,6−ジイル)ビス[(N−フェニルベンゾ[b]ナフト[1,2−d]フラン)−8−アミン](略称:1,6BnfAPrn−02)、N,N’−(ピレン−1,6−ジイル)ビス[(6,N−ジフェニルベンゾ[b]ナフト[1,2−d]フラン)−8−アミン](略称:1,6BnfAPrn−03)などが挙げられる。
その他にも、5,6−ビス[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAP2BPy)、5,6−ビス[4’−(10−フェニル−9−アントリル)ビフェニル−4−イル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAPP2BPy)、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPBA)、ペリレン、2,5,8,11−テトラ−(tert−ブチル)ペリレン(略称:TBP)、N,N’’−(2−tert−ブチルアントラセン−9,10−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPPA)、N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)等を用いることができる。
また、三重項励起エネルギーを発光に変える発光物質としては、例えば、燐光を発する物質(燐光材料)や熱活性化遅延蛍光を示す熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)材料が挙げられる。
燐光材料としては、有機金属錯体、金属錯体(白金錯体)、希土類金属錯体等が挙げられる。これらは、物質ごとに異なる発光色(発光ピーク)を示すため、必要に応じて適宜選択して用いる。
青色または緑色を呈し、発光スペクトルのピーク波長が450nm以上570nm以下である燐光材料としては、以下のような物質が挙げられる。
例えば、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(mpptz−dmp)3])、トリス(5−メチル−3,4−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:[Ir(Mptz)3])、トリス[4−(3−ビフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:[Ir(iPrptz−3b)3])、トリス[3−(5−ビフェニル)−5−イソプロピル−4−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPr5btz)3])、のような4H−トリアゾール骨格を有する有機金属錯体、トリス[3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Mptz1−mp)3])、トリス(1−メチル−5−フェニル−3−プロピル−1H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:[Ir(Prptz1−Me)3])のような1H−トリアゾール骨格を有する有機金属錯体、fac−トリス[1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−フェニル−1H−イミダゾール]イリジウム(III)(略称:[Ir(iPrpmi)3])、トリス[3−(2,6−ジメチルフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−f]フェナントリジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(dmpimpt−Me)3])のようなイミダゾール骨格を有する有機金属錯体、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:[Ir(CF3ppy)2(pic)])、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))のように電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属錯体等が挙げられる。
緑色または黄色を呈し、発光スペクトルのピーク波長が495nm以上590nm以下である燐光材料としては、以下のような物質が挙げられる。
例えば、トリス(4−メチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppm)3])、トリス(4−t−ブチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)3])、(アセチルアセトナト)ビス(6−メチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tBuppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス[6−(2−ノルボルニル)−4−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(nbppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス[5−メチル−6−(2−メチルフェニル)−4−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(mpmppm)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス{4,6−ジメチル−2−[6−(2,6−ジメチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(dmppm−dmp)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(dppm)2(acac)])のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体、(アセチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppr−Me)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(mppr−iPr)2(acac)])のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(ppy)3])、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(ppy)2(acac)])、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(bzq)2(acac)])、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(bzq)3])、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(pq)3])、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(pq)2(acac)])のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体、ビス(2,4−ジフェニル−1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(dpo)2(acac)])、ビス{2−[4’−(パーフルオロフェニル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(p−PF−ph)2(acac)])、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(bt)2(acac)])などの有機金属錯体の他、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:[Tb(acac)3(Phen)])のような希土類金属錯体が挙げられる。
黄色または赤色を呈し、発光スペクトルのピーク波長が570nm以上750nm以下である燐光材料としては、以下のような物質が挙げられる。
例えば、(ジイソブチリルメタナト)ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(5mdppm)2(dibm)])、ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(5mdppm)2(dpm)])、(ジピバロイルメタナト)ビス[4,6−ジ(ナフタレン−1−イル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(d1npm)2(dpm)])のようなピリミジン骨格を有する有機金属錯体、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tppr)2(acac)])、ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(tppr)2(dpm)])、ビス{4,6−ジメチル−2−[3−(3,5−ジメチルフェニル)−5−フェニル−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κ2O,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmdppr−P)2(dibm)])、ビス{4,6−ジメチル−2−[5−(4−シアノ−2,6−ジメチルフェニル)−3−(3,5−ジメチルフェニル)−2−ピラジニル−κN]フェニル−κC}(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κ2O,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dmdppr−dmCP)2(dpm)])、(アセチルアセトナト)ビス[2−メチル−3−フェニルキノキサリナト−N,C2’]イリジウム(III)(略称:[Ir(mpq)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス(2,3−ジフェニルキノキサリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(dpq)2(acac)])、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(Fdpq)2(acac)])のようなピラジン骨格を有する有機金属錯体や、トリス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:[Ir(piq)3])、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:[Ir(piq)2(acac)])のようなピリジン骨格を有する有機金属錯体、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:[PtOEP])のような白金錯体、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:[Eu(DBM)3(Phen)])、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:[Eu(TTA)3(Phen)])のような希土類金属錯体が挙げられる。
発光層(113、113a、113b、113c)に用いる有機化合物(ホスト材料、アシスト材料)としては、発光物質(ゲスト材料)のエネルギーギャップより大きなエネルギーギャップを有する物質を、一種もしくは複数種選択して用いればよい。
発光物質が蛍光材料である場合、ホスト材料としては一重項励起状態のエネルギー準位が大きく、三重項励起状態のエネルギー準位が小さい有機化合物を用いるのが好ましい。例えば、アントラセン誘導体やテトラセン誘導体を用いるのが好ましい。具体的には、9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:PCzPA)、3−[4−(1−ナフチル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPN)、9−[4−(10−フェニル−9−アントラセニル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、7−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−7H−ジベンゾ[c,g]カルバゾール(略称:cgDBCzPA)、6−[3−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−ベンゾ[b]ナフト[1,2−d]フラン(略称:2mBnfPPA)、9−フェニル−10−{4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)−ビフェニル−4’−イル}−アントラセン(略称:FLPPA)、5,12−ジフェニルテトラセン、5,12−ビス(ビフェニル−2−イル)テトラセンなどが挙げられる。
発光物質が燐光材料である場合、ホスト材料としては、発光物質の三重項励起エネルギー(基底状態と三重項励起状態とのエネルギー差)よりも三重項励起エネルギーの大きい有機化合物を選択すれば良い。なお、この場合には、亜鉛やアルミニウム系金属錯体の他、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体等の他、芳香族アミンやカルバゾール誘導体等を用いることができる。
ホスト材料として、より具体的には、例えば以下の正孔輸送性材料および電子輸送性材料を用いることができる。
これら正孔輸送性の高いホスト材料としては、例えば、N,N’−ジ(p−トリル)−N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等の芳香族アミン化合物を挙げることができる。
また、3−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA1)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA2)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−(1−ナフチル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzTPN2)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等のカルバゾール誘導体を挙げることができる。また、カルバゾール誘導体としては、他に、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等を用いることもできる。
また、正孔輸送性の高いホスト材料としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’−トリス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1’−TNATA)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:m−MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4−フェニル−3’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−N−{9,9−ジメチル−2−[N’−フェニル−N’−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)アミノ]−9H−フルオレン−7−イル}フェニルアミン(略称:DFLADFL)、N−(9,9−ジメチル−2−ジフェニルアミノ−9H−フルオレン−7−イル)ジフェニルアミン(略称:DPNF)、2−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPASF)、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4−(1−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、4−フェニルジフェニル−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)アミン(略称:PCA1BP)、N,N’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N,N’−ジフェニルベンゼン−1,3−ジアミン(略称:PCA2B)、N,N’,N’’−トリフェニル−N,N’,N’’−トリス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)ベンゼン−1,3,5−トリアミン(略称:PCA3B)、N−(4−ビフェニル)−N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCBiF)、N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン(略称:PCBBiF)、9,9−ジメチル−N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]フルオレン−2−アミン(略称:PCBAF)、N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−アミン(略称:PCBASF)、2−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:PCASF)、2,7−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPA2SF)、N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−(4−フェニル)フェニルアニリン(略称:YGA1BP)、N,N’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニル−9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジアミン(略称:YGA2F)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。また、3−[4−(1−ナフチル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPN)、3−[4−(9−フェナントリル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPPn)、3,3’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)(略称:PCCP)、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、3,6−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)−9−フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、4−{3−[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi−II)、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P−II)、1,3,5−トリ(ジベンゾチオフェン−4−イル)−ベンゼン(略称:DBT3P−II)、2,8−ジフェニル−4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−III)、4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−6−フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−IV)、4−[3−(トリフェニレン−2−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:mDBTPTp−II)等のカルバゾール化合物、チオフェン化合物、フラン化合物、フルオレン化合物、トリフェニレン化合物、フェナントレン化合物等を用いることができる。
電子輸送性の高いホスト材料としては、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等である。また、この他ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)のようなオキサジアゾール誘導体や、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)のようなトリアゾール誘導体や、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm−II)のようなイミダゾール骨格を有する化合物(特にベンゾイミダゾール誘導体)や、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)などのオキサゾール骨格を有する化合物(特にベンゾオキサゾール誘導体)や、バソフェナントロリン(略称:Bphen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、2,9−ビス(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略称:NBphen)などのフェナントロリン誘導体や、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II)、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)、2−[3’−(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、2−[4−(3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq−III)、7−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7mDBTPDBq−II)、及び6−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq−II)、4,6−ビス[3−(フェナントレン−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP2Pm)、4,6−ビス[3−(4−ジベンゾチエニル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mDBTP2Pm−II)、4,6−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mCzP2Pm)などのジアジン骨格を有する複素環化合物や、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)などのトリアジン骨格を有する複素環化合物や、3,5−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)、1,3,5−トリ[3−(3−ピリジル)フェニル]ベンゼン(略称:TmPyPB)などのピリジン骨格を有する複素環化合物も用いることができる。また、ポリ(2,5−ピリジンジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)のような高分子化合物を用いることもできる。
また、ホスト材料として、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体等の縮合多環芳香族化合物が挙げられ、具体的には、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、YGAPA、PCAPA、N,9−ジフェニル−N−{4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]フェニル}−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPBA)、2PCAPA、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセン、DBC1、9−[4−(10−フェニル−9−アントラセニル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、1,3,5−トリ(1−ピレニル)ベンゼン(略称:TPB3)などを用いることができる。
また、発光層(113、113a、113b、113c)に有機化合物を複数用いる場合、励起錯体を形成する2種類の化合物(第1の化合物および第2の化合物)と、1−アリール−2−フェニルベンゾイミダゾール誘導体を配位子とし、配位子のアリール基にシアノ基を有する有機金属イリジウム錯体とを組み合わせて用いることが好ましい。この場合、様々な有機化合物を適宜組み合わせて用いることができるが、効率よく励起錯体を形成するためには、正孔を受け取りやすい化合物(正孔輸送性材料)と、電子を受け取りやすい化合物(電子輸送性材料)とを組み合わせることが特に好ましい。なお、正孔輸送性材料および電子輸送性材料の具体例については、本実施の形態で示す材料を用いることができる。この構成により、高効率、低電圧、長寿命を同時に実現できる。
TADF材料とは、三重項励起状態をわずかな熱エネルギーによって一重項励起状態にアップコンバート(逆項間交差)が可能で、一重項励起状態からの発光(蛍光)を効率よく呈する材料のことである。また、熱活性化遅延蛍光が効率良く得られる条件としては、三重項励起準位と一重項励起準位のエネルギー差が0eV以上0.2eV以下、好ましくは0eV以上0.1eV以下であることが挙げられる。また、TADF材料における遅延蛍光とは、通常の蛍光と同様のスペクトルを持ちながら、寿命が著しく長い発光をいう。その寿命は、10−6秒以上、好ましくは10−3秒以上である。
TADF材料としては、例えば、フラーレンやその誘導体、プロフラビン等のアクリジン誘導体、エオシン等が挙げられる。また、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、白金(Pt)、インジウム(In)、もしくはパラジウム(Pd)等を含む金属含有ポルフィリンが挙げられる。金属含有ポルフィリンとしては、例えば、プロトポルフィリン−フッ化スズ錯体(略称:SnF2(Proto IX))、メソポルフィリン−フッ化スズ錯体(略称:SnF2(Meso IX))、ヘマトポルフィリン−フッ化スズ錯体(略称:SnF2(Hemato IX))、コプロポルフィリンテトラメチルエステル−フッ化スズ錯体(略称:SnF2(Copro III−4Me))、オクタエチルポルフィリン−フッ化スズ錯体(略称:SnF2(OEP))、エチオポルフィリン−フッ化スズ錯体(略称:SnF2(Etio I))、オクタエチルポルフィリン−塩化白金錯体(略称:PtCl2OEP)等が挙げられる。
その他にも、2−(ビフェニル−4−イル)−4,6−ビス(12−フェニルインドロ[2,3−a]カルバゾール−11−イル)−1,3,5−トリアジン(略称:PIC−TRZ)、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)、2−[4−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PXZ−TRZ)、3−[4−(5−フェニル−5,10−ジヒドロフェナジン−10−イル)フェニル]−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール(略称:PPZ−3TPT)、3−(9,9−ジメチル−9H−アクリジン−10−イル)−9H−キサンテン−9−オン(略称:ACRXTN)、ビス[4−(9,9−ジメチル−9,10−ジヒドロアクリジン)フェニル]スルホン(略称:DMAC−DPS)、10−フェニル−10H,10’H−スピロ[アクリジン−9,9’−アントラセン]−10’−オン(略称:ACRSA)、等のπ電子過剰型複素芳香環及びπ電子不足型複素芳香環を有する複素環化合物を用いることができる。なお、π電子過剰型複素芳香環とπ電子不足型複素芳香環とが直接結合した物質は、π電子過剰型複素芳香環のドナー性とπ電子不足型複素芳香環のアクセプター性が共に強くなり、一重項励起状態と三重項励起状態のエネルギー差が小さくなるため、特に好ましい。
なお、TADF材料を用いる場合、他の有機化合物と組み合わせて用いることもできる。特に、TADF材料と、1−アリール−2−フェニルベンゾイミダゾール誘導体を配位子とし、配位子のアリール基にシアノ基を有する有機金属イリジウム錯体とを混合して発光層を形成することが好ましい。この構成により、高効率、低電圧、長寿命を同時に実現できる。
なお、上述した1−アリール−2−フェニルベンゾイミダゾール誘導体を配位子とし、配位子のアリール基にシアノ基を有する有機金属イリジウム錯体はHOMO準位が深いという特徴を有する。したがって、該有機金属イリジウム錯体とホスト材料とを混合して発光層を形成する場合、LUMO準位の深いホスト材料を用いた場合においても、該有機金属錯体(ゲスト材料)とホスト材料の間のエキサイプレックスが形成されにくくなり、発光素子の発光効率を向上させることができる。LUMO準位の深いホスト材料は、良好な信頼性を示すものが多いため、本発明の一態様は高効率化と長寿命化の両立に有利である。LUMO準位の深いホスト材料としては、上述したジアジン骨格を有する複素環化合物や、トリアジン骨格を有する複素環化合物が好ましい。ジアジン骨格としてはピラジン骨格やピリミジン骨格が好ましく、これらの骨格は他の環と縮環していてもよい(例えばキナゾリン環、キノキサリン環、ジベンゾキノキサリン環、ベンゾフロピリミジン環、ベンゾチオピリミジン環を形成していても良い)。
図1(D)に示す発光素子においては、EL層103aの発光層113a上に電子輸送層114aが真空蒸着法により形成される。また、EL層103aおよび電荷発生層104が形成された後、EL層103bの発光層113b上に電子輸送層114bが真空蒸着法により形成される。
<電子輸送層>
電子輸送層(114、114a、114b)は、電子注入層(115、115a、115b)によって、第2の電極102や電荷発生層(104)から注入された電子を発光層(113、113a、113b)に輸送する層である。なお、電子輸送層(114、114a、114b)は、電子輸送性材料を含む層である。電子輸送層(114、114a、114b)に用いる電子輸送性材料は、1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質が好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いることができる。
電子輸送性材料としては、キノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子を有する金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体などが挙げられる。その他、含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型複素芳香族化合物を用いることもできる。
具体的には、Alq3、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、BAlq、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(II)(略称:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などの金属錯体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、OXD−7、3−(4’−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4’’−ビフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:Bphen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II)、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)、2−[4−(3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq−III)、7−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7mDBTPDBq−II)、6−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq−II)等のキノキサリンないしはジベンゾキノキサリン誘導体を用いることができる。
また、ポリ(2,5−ピリジンジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)のような高分子化合物を用いることもできる。
また、電子輸送層(114、114a、114b)は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が2層以上積層した構造であってもよい。
図1(D)に示す発光素子においては、EL層103aの電子輸送層114a上に電子注入層115aが真空蒸着法により形成される。その後、EL層103aおよび電荷発生層104が形成され、EL層103bの電子輸送層114bまで形成された後、上に電子注入層115bが真空蒸着法により形成される。
<電子注入層>
電子注入層(115、115a、115b)は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層(115、115a、115b)には、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウム(ErF3)のような希土類金属化合物を用いることができる。また、電子注入層(115、115a、115b)にエレクトライドを用いてもよい。エレクトライドとしては、例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加した物質等が挙げられる。なお、上述した電子輸送層(114、114a、114b)を構成する物質を用いることもできる。
また、電子注入層(115、115a、115b)に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層(114、114a、114b)に用いる電子輸送性材料(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
なお、例えば、発光層113bから得られる光を増幅させる場合には、第2の電極102と、発光層113bとの光学距離が、発光層113bが呈する光の波長に対してλ/4未満となるように形成するのが好ましい。この場合、電子輸送層114bまたは電子注入層115bの膜厚を変えることにより、調整することができる。
<電荷発生層>
電荷発生層104は、第1の電極(陽極)101と第2の電極(陰極)102との間に電圧を印加したときに、EL層103aに電子を注入し、EL層103bに正孔を注入する機能を有する。なお、電荷発生層104は、正孔輸送性材料に電子受容体(アクセプター)が添加された構成であっても、電子輸送性材料に電子供与体(ドナー)が添加された構成であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良い。なお、上述した材料を用いて電荷発生層104を形成することにより、EL層が積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
電荷発生層104において、正孔輸送性材料に電子受容体が添加された構成とする場合、正孔輸送性材料としては、本実施の形態で示した材料を用いることができる。また、電子受容体としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル等を挙げることができる。また元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムなどが挙げられる。
電荷発生層104において、電子輸送性材料に電子供与体が添加された構成とする場合、電子輸送性材料としては、本実施の形態で示した材料を用いることができる。また、電子供与体としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属または希土類金属または元素周期表における第2、第13族に属する金属およびその酸化物、炭酸塩を用いることができる。具体的には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、イッテルビウム(Yb)、インジウム(In)、酸化リチウム、炭酸セシウムなどを用いることが好ましい。また、テトラチアナフタセンのような有機化合物を電子供与体として用いてもよい。
なお、図1(E)のEL層103cは、上述したEL層(103、103a、103b)と同様の構成とすればよい。また、電荷発生層104a、104bについても、上述した電荷発生層104と同様の構成とすればよい。
<基板>
本実施の形態で示した発光素子は、様々な基板上に形成することができる。なお、基板の種類は、特定のものに限定されることはない。基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどが挙げられる。
なお、ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどが挙げられる。また、可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチック、アクリル等の合成樹脂、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ、無機蒸着フィルム、又は紙類などが挙げられる。
なお、本実施の形態で示す発光素子の作製には、蒸着法などの真空プロセスや、スピンコート法やインクジェット法などの溶液プロセスを用いることができる。蒸着法を用いる場合には、スパッタ法、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法、分子線蒸着法、真空蒸着法などの物理蒸着法(PVD法)や、化学蒸着法(CVD法)等を用いることができる。特に発光素子のEL層に含まれる機能層(正孔注入層(111、111a、111b)、正孔輸送層(112、112a、112b)、発光層(113、113a、113b、113c)、電子輸送層(114、114a、114b)、電子注入層(115、115a、115b))、および電荷発生層(104、104a、104b)については、蒸着法(真空蒸着法等)、塗布法(ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法等)、印刷法(インクジェット法、スクリーン(孔版印刷)法、オフセット(平版印刷)法、フレキソ(凸版印刷)法、グラビア法、マイクロコンタクト法等)などの方法により形成することができる。
なお、本実施の形態で示す発光素子のEL層(103、103a、103b)を構成する各機能層(正孔注入層(111、111a、111b)、正孔輸送層(112、112a、112b)、発光層(113、113a、113b、113c)、電子輸送層(114、114a、114b)、電子注入層(115、115a、115b))や電荷発生層(104、104a、104b)は、上述した材料に限られることはなく、それ以外の材料であっても各層の機能を満たせるものであれば組み合わせて用いることができる。一例としては、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)、中分子化合物(低分子と高分子の中間領域の化合物:分子量400〜4000)、無機化合物(量子ドット材料等)等を用いることができる。なお、量子ドット材料としては、コロイド状量子ドット材料、合金型量子ドット材料、コア・シェル型量子ドット材料、コア型量子ドット材料などを用いることができる。
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができるものとする。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様である発光装置について説明する。なお、図2(A)に示す発光装置は、第1の基板201上のトランジスタ(FET)202と発光素子(203R、203G、203B、203W)が電気的に接続されてなるアクティブマトリクス型の発光装置であり、複数の発光素子(203R、203G、203B、203W)は、共通のEL層204を有し、また、各発光素子の発光色に応じて、各発光素子の電極間の光学距離が調整されたマイクロキャビティ構造を有する。また、EL層204から得られた発光が第2の基板205に形成されたカラーフィルタ(206R、206G、206B)を介して射出されるトップエミッション型の発光装置である。
図2(A)に示す発光装置は、第1の電極207を反射電極として機能するように形成する。また、第2の電極208を半透過・半反射電極として機能するように形成する。なお、第1の電極207および第2の電極208を形成する電極材料としては、他の実施形態の記載を参照し、適宜用いればよい。
また、図2(A)において、例えば、発光素子203Rを赤色発光素子、発光素子203Gを緑色発光素子、発光素子203Bを青色発光素子、発光素子203Wを白色発光素子とする場合、図2(B)に示すように発光素子203Rは、第1の電極207と第2の電極208との間が光学距離206Rとなるように調整し、発光素子203Gは、第1の電極207と第2の電極208との間が光学距離206Gとなるように調整し、発光素子203Bは、第1の電極207と第2の電極208との間が光学距離206Bとなるように調整する。なお、図2(B)に示すように、発光素子203Rにおいて導電層210Rを第1の電極207に積層し、発光素子203Gにおいて導電層210Gを積層することにより、光学調整を行うことができる。
第2の基板205には、カラーフィルタ(206R、206G、206B)が形成されている。なお、カラーフィルタは、可視光のうち特定の波長域を通過させ、特定の波長域を阻止するフィルタである。従って、図2(A)に示すように、発光素子203Rと重なる位置に赤の波長域のみを通過させるカラーフィルタ206Rを設けることにより、発光素子203Rから赤色発光を得ることができる。また、発光素子203Gと重なる位置に緑の波長域のみを通過させるカラーフィルタ206Gを設けることにより、発光素子203Gから緑色発光を得ることができる。また、発光素子203Bと重なる位置に青の波長域のみを通過させるカラーフィルタ206Bを設けることにより、発光素子203Bから青色発光を得ることができる。但し、発光素子203Wは、カラーフィルタを設けることなく白色発光を得ることができる。なお、1種のカラーフィルタの端部には、黒色層(ブラックマトリックス)209が設けられていてもよい。さらに、カラーフィルタ(206R、206G、206B)や黒色層209は、透明な材料を用いたオーバーコート層で覆われていても良い。
図2(A)では、第2の基板205側に発光を取り出す構造(トップエミッション型)の発光装置を示したが、図2(C)に示すようにFET202が形成されている第1の基板201側に光を取り出す構造(ボトムエミッション型)の発光装置としても良い。なお、ボトムエミッション型の発光装置の場合には、第1の電極207を半透過・半反射電極として機能するように形成し、第2の電極208を反射電極として機能するように形成する。また、第1の基板201は、少なくとも透光性の基板を用いる。また、カラーフィルタ(206R’、206G’、206B’)は、図2(C)に示すように発光素子(203R、203G、203B)よりも第1の基板201側に設ければよい。
また、図2(A)において、発光素子が、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子、白色発光素子の場合について示したが、本発明の一態様である発光素子はその構成に限られることはなく、黄色の発光素子や橙色の発光素子を有する構成であっても良い。なお、これらの発光素子を作製するためにEL層(発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生層など)に用いる材料としては、他の実施形態の記載を参照し、適宜用いればよい。なお、その場合には、また、発光素子の発光色に応じてカラーフィルタを適宜選択する必要がある。
以上のような構成とすることにより、複数の発光色を呈する発光素子を備えた発光装置を得ることができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いることができるものとする。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様である発光装置について説明する。
本発明の一態様である発光素子の素子構成を適用することで、アクティブマトリクス型の発光装置やパッシブマトリクス型の発光装置を作製することができる。なお、アクティブマトリクス型の発光装置は、発光素子とトランジスタ(FET)とを組み合わせた構成を有する。従って、パッシブマトリクス型の発光装置、アクティブマトリクス型の発光装置は、いずれも本発明の一態様に含まれる。なお、本実施の形態に示す発光装置には、他の実施形態で説明した発光素子を適用することが可能である。
本実施の形態では、アクティブマトリクス型の発光装置について図3を用いて説明する。
なお、図3(A)は発光装置を示す上面図であり、図3(B)は図3(A)を鎖線A−A’で切断した断面図である。アクティブマトリクス型の発光装置は、第1の基板301上に設けられた画素部302、駆動回路部(ソース線駆動回路)303と、駆動回路部(ゲート線駆動回路)(304a、304b)を有する。画素部302および駆動回路部303、304a、304b)は、シール材305によって、第1の基板301と第2の基板306との間に封止される。
また、第1の基板301上には、引き回し配線307が設けられる。引き回し配線307は、外部入力端子であるFPC308と接続される。なお、FPC308は、駆動回路部(303、304a、304b)に外部からの信号(例えば、ビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等)や電位を伝達する。また、FPC308にはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。なお、これらFPCやのPWBが取り付けられた状態は、発光装置に含まれる。
次に、図3(B)に断面構造を示す。
画素部302は、FET(スイッチング用FET)311、FET(電流制御用FET)312、およびFET312と電気的に接続された第1の電極313を有する複数の画素により形成される。なお、各画素が有するFETの数は、特に限定されることはなく、必要に応じて適宜設けることができる。
FET309、310、311、312は、特に限定されることはなく、例えば、スタガ型や逆スタガ型などのトランジスタを適用することができる。また、トップゲート型やボトムゲート型などのトランジスタ構造であってもよい。
なお、これらのFET309、310、311、312に用いることのできる半導体の結晶性については特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。なお、結晶性を有する半導体を用いることで、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
また、これらの半導体としては、例えば、第14族の元素、化合物半導体、酸化物半導体、有機半導体などを用いることができる。代表的には、シリコンを含む半導体、ガリウムヒ素を含む半導体、インジウムを含む酸化物半導体などを適用することができる。
駆動回路部303は、FET309とFET310とを有する。なお、FET309とFET310は、単極性(N型またはP型のいずれか一方のみ)のトランジスタを含む回路で形成されても良いし、N型のトランジスタとP型のトランジスタを含むCMOS回路で形成されても良い。また、外部に駆動回路を有する構成としても良い。
第1の電極313の端部は、絶縁物314により覆われている。なお、絶縁物314には、ネガ型の感光性樹脂や、ポジ型の感光性樹脂(アクリル樹脂)などの有機化合物や、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコン等の無機化合物を用いることができる。絶縁物314の上端部または下端部には、曲率を有する曲面を有するのが好ましい。これにより、絶縁物314の上層に形成される膜の被覆性を良好なものとすることができる。
第1の電極313上には、EL層315及び第2の電極316が積層形成される。EL層315は、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生層等を有する。
なお、本実施の形態で示す発光素子317の構成は、他の実施の形態で説明した構成や材料を適用することができる。なお、ここでは図示しないが、第2の電極316は外部入力端子であるFPC308に電気的に接続されている。
また、図3(B)に示す断面図では発光素子317を1つのみ図示しているが、画素部302において、複数の発光素子がマトリクス状に配置されているものとする。画素部302には、3種類(R、G、B)の発光が得られる発光素子をそれぞれ選択的に形成し、フルカラー表示可能な発光装置を形成することができる。また、3種類(R、G、B)の発光が得られる発光素子の他に、例えば、ホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)等の発光が得られる発光素子を形成してもよい。例えば、3種類(R、G、B)の発光が得られる発光素子に上述の数種類の発光が得られる発光素子を追加することにより、色純度の向上、消費電力の低減等の効果が得ることができる。また、カラーフィルタと組み合わせることによってフルカラー表示可能な発光装置としてもよい。なお、カラーフィルタの種類としては、赤(R)、緑(G)、青(B)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)等を用いることができる。
第1の基板301上のFET(309、310、311、312)や、発光素子317は、第2の基板306と第1の基板301とをシール材305により貼り合わせることにより、第1の基板301、第2の基板306、およびシール材305で囲まれた空間318に備えられた構造を有する。なお、空間318には、不活性気体(窒素やアルゴン等)や有機物(シール材305を含む)で充填されていてもよい。
シール材305には、エポキシ系樹脂やガラスフリットを用いることができる。なお、シール材305には、できるだけ水分や酸素を透過しない材料を用いることが好ましい。また、第2の基板306は、第1の基板301に用いることができるものを同様に用いることができる。従って、他の実施形態で説明した様々な基板を適宜用いることができるものとする。基板としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。シール材としてガラスフリットを用いる場合には、接着性の観点から第1の基板301及び第2の基板306はガラス基板であることが好ましい。
以上のようにして、アクティブマトリクス型の発光装置を得ることができる。
また、アクティブマトリクス型の発光装置を可撓性基板に形成する場合、可撓性基板上にFETと発光素子とを直接形成しても良いが、剥離層を有する別の基板にFETと発光素子を形成した後、熱、力、レーザ照射などを与えることによりFETと発光素子を剥離層で剥離し、さらに可撓性基板に転載して作製しても良い。なお、剥離層としては、例えば、タングステン膜と酸化シリコン膜との無機膜の積層や、ポリイミド等の有機樹脂膜等を用いることができる。また可撓性基板としては、トランジスタを形成することが可能な基板に加え、紙基板、セロファン基板、アラミドフィルム基板、ポリイミドフィルム基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などが挙げられる。これらの基板を用いることにより、耐久性や耐熱性に優れ、軽量化および薄型化を図ることができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成を適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様である発光装置、本発明の一態様である発光素子を有する表示装置を適用して完成させた様々な電子機器や自動車の一例について、説明する。
図4(A)〜図4(E)に示す電子機器は、筐体7000、表示部7001、スピーカ7003、LEDランプ7004、操作キー7005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子7006、センサ7007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい、又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン7008、等を有することができる。
図4(A)はモバイルコンピュータであり、上述したものの他に、スイッチ7009、赤外線ポート7010、等を有することができる。
図4(B)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(たとえば、DVD再生装置)であり、上述したものの他に、第2表示部7002、記録媒体読込部7011、等を有することができる。
図4(C)はゴーグル型ディスプレイであり、上述したものの他に、第2表示部7002、支持部7012、イヤホン7013、等を有することができる。
図4(D)はテレビ受像機能付きデジタルカメラであり、上述したものの他に、アンテナ7014、シャッターボタン7015、受像部7016、等を有することができる。
図4(E)は携帯電話機(スマートフォンを含む)であり、筐体7000に、表示部7001、マイクロフォン7019、スピーカ7003、カメラ7020、外部接続部7021、操作用ボタン7022、等を有することができる。
図4(F)は、大型のテレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)であり、筐体7000、表示部7001、スピーカ7003、等を有することができる。また、ここでは、スタンド7018により筐体7000を支持した構成を示している。
図4(A)〜図4(F)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウエア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。さらに、複数の表示部を有する電子機器においては、一つの表示部を主として画像情報を表示し、別の一つの表示部を主として文字情報を表示する機能、または、複数の表示部に視差を考慮した画像を表示することで立体的な画像を表示する機能、等を有することができる。さらに、受像部を有する電子機器においては、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を自動または手動で補正する機能、撮影した画像を記録媒体(外部又はカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図4(A)乃至図4(F)に示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。
図4(G)は、スマートウオッチであり、筐体7000、表示部7001、操作用ボタン7022、7023、接続端子7024、バンド7025、留め金7026、等を有する。
ベゼル部分を兼ねる筐体7000に搭載された表示部7001は、非矩形状の表示領域を有している。表示部7001は、時刻を表すアイコン7027、その他のアイコン7028等を表示することができる。また、表示部7001は、タッチセンサ(入力装置)を搭載したタッチパネル(入出力装置)であってもよい。
なお、図4(G)に示すスマートウオッチは、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウエア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。
また、筐体7000の内部に、スピーカ、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン等を有することができる。
なお、本発明の一態様である発光装置および本発明の一態様である発光素子を有する表示装置は、本実施の形態に示す電子機器の各表示部に用いることができ、色純度の良い表示が可能となる。
また、発光装置を適用した電子機器として、図5(A)〜(C)に示すような折りたたみ可能な携帯情報端末が挙げられる。図5(A)には、展開した状態の携帯情報端末9310を示す。また、図5(B)には、展開した状態又は折りたたんだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の携帯情報端末9310を示す。さらに、図5(C)には、折りたたんだ状態の携帯情報端末9310を示す。携帯情報端末9310は、折りたたんだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。
表示部9311はヒンジ9313によって連結された3つの筐体9315に支持されている。なお、表示部9311は、タッチセンサ(入力装置)を搭載したタッチパネル(入出力装置)であってもよい。また、表示部9311は、ヒンジ9313を介して2つの筐体9315間を屈曲させることにより、携帯情報端末9310を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。本発明の一態様の発光装置を表示部9311に用いることができる。また、色純度の良い表示が可能となる。表示部9311における表示領域9312は折りたたんだ状態の携帯情報端末9310の側面に位置する表示領域である。表示領域9312には、情報アイコンや使用頻度の高いアプリやプログラムのショートカットなどを表示させることができ、情報の確認やアプリなどの起動をスムーズに行うことができる。
また、発光装置を適用した自動車について、図6(A)(B)に示す。すなわち、発光装置を、自動車と一体にして設けることができる。具体的には、図6(A)に示す自動車の外側のライト5101(車体後部も含む)、タイヤのホイール5102、ドア5103の一部または全体などに適用することができる。また、図6(B)に示す自動車の内側の表示部5104、ハンドル5105、シフトレバー5106、座席シート5107、インナーリアビューミラー5108等に適用することができる。その他、ガラス窓の一部に適用してもよい。
以上のようにして、本発明の一態様である発光装置や表示装置を適用した電子機器や自動車を得ることができる。なお、その場合には、色純度の良い表示が可能となる。なお、適用できる電子機器や自動車は、本実施の形態に示したものに限らず、あらゆる分野において適用することが可能である。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様である発光装置、またはその一部である発光素子を適用して作製される照明装置の構成について図7を用いて説明する。
図7(A)、(B)、(C)、(D)には、照明装置の断面図の一例を示す。なお、図7(A)、(B)は基板側に光を取り出すボトムエミッション型の照明装置であり、図7(C)、(D)は、封止基板側に光を取り出すトップエミッション型の照明装置である。
図7(A)に示す照明装置4000は、基板4001上に発光素子4002を有する。また、基板4001の外側に凹凸を有する基板4003を有する。発光素子4002は、第1の電極4004と、EL層4005と、第2の電極4006を有する。
第1の電極4004は、電極4007と電気的に接続され、第2の電極4006は電極4008と電気的に接続される。また、第1の電極4004と電気的に接続される補助配線4009を設けてもよい。なお、補助配線4009上には、絶縁層4010が形成されている。
また、基板4001と封止基板4011は、シール材4012で接着されている。また、封止基板4011と発光素子4002の間には、乾燥剤4013が設けられていることが好ましい。なお、基板4003は、図7(A)のような凹凸を有するため、発光素子4002で生じた光の取り出し効率を向上させることができる。
また、基板4003に代えて、図7(B)の照明装置4100のように、基板4001の外側に拡散板4015を設けてもよい。
図7(C)の照明装置4200は、基板4201上に発光素子4202を有する。発光素子4202は第1の電極4204と、EL層4205と、第2の電極4206とを有する。
第1の電極4204は、電極4207と電気的に接続され、第2の電極4206は電極4208と電気的に接続される。また第2の電極4206と電気的に接続される補助配線4209を設けてもよい。また、補助配線4209の下部に、絶縁層4210を設けてもよい。
基板4201と凹凸のある封止基板4211は、シール材4212で接着されている。また、封止基板4211と発光素子4202の間にバリア膜4213および平坦化膜4214を設けてもよい。なお、封止基板4211は、図7(C)のような凹凸を有するため、発光素子4202で生じた光の取り出し効率を向上させることができる。
また、封止基板4211に代えて、図7(D)の照明装置4300のように、発光素子4202の上に拡散板4215を設けてもよい。
なお、本実施の形態で示すように、本発明の一態様である発光装置、またはその一部である発光素子を適用することで、所望の色度を有する照明装置を提供することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様である発光装置、またはその一部である発光素子を適用して作製される照明装置の応用例について、図8を用いて説明する。
室内の照明装置としては、シーリングライト8001として応用できる。シーリングライト8001には、天井直付型や天井埋め込み型がある。なお、このような照明装置は、発光装置を筐体やカバーと組み合わせることにより構成される。その他にもコードペンダント型(天井からのコード吊り下げ式)への応用も可能である。
また、足元灯8002は、床面に灯りを照射し、足元の安全性を高めることができる。例えば、寝室や階段や通路などに使用するのが有効である。その場合、部屋の広さや構造に応じて適宜サイズや形状を変えることができる。また、発光装置と支持台とを組み合わせて構成される据え置き型の照明装置とすることも可能である。
また、シート状照明8003は、薄型のシート状の照明装置である。壁面に張り付けて使用するため、場所を取らず幅広い用途に用いることができる。なお、大面積化も容易である。なお、曲面を有する壁面や筐体に用いることもできる。
また、光源からの光が所望の方向のみに制御された照明装置8004を用いることもできる。
なお、上記以外にも室内に備えられた家具の一部に本発明の一態様である発光装置、またはその一部である発光素子を適用することにより、家具としての機能を備えた照明装置とすることができる。
以上のように、発光装置を適用した様々な照明装置が得られる。なお、これらの照明装置は本発明の一態様に含まれるものとする。
また、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態においては、本発明の一態様である発光装置の構成を有するタッチパネルについて、図9〜図13を用いて説明を行う。
図9(A)(B)は、タッチパネル2000の斜視図である。なお、図9(A)(B)において、明瞭化のため、タッチパネル2000の代表的な構成要素を示す。
タッチパネル2000は、表示パネル2501とタッチセンサ2595とを有する(図9(B)参照)。また、タッチパネル2000は、基板2510、基板2570、及び基板2590を有する。
表示パネル2501は、基板2510上に複数の画素及び該画素に信号を供給することができる複数の配線2511を有する。複数の配線2511は、基板2510の外周部にまで引き回され、その一部が端子2519を構成している。端子2519はFPC2509(1)と電気的に接続する。
基板2590には、タッチセンサ2595と、タッチセンサ2595と電気的に接続する複数の配線2598とを有する。複数の配線2598は、基板2590の外周部に引き回され、その一部は端子2599を構成する。そして、端子2599はFPC2509(2)と電気的に接続される。なお、図9(B)では明瞭化のため、基板2590の裏面側(基板2510と対向する面側)に設けられるタッチセンサ2595の電極や配線等を実線で示している。
タッチセンサ2595として、例えば静電容量方式のタッチセンサを適用できる。静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。
投影型静電容量方式としては、主に駆動方式の違いから自己容量方式、相互容量方式などがある。相互容量方式を用いると同時多点検出が可能となるため好ましい。
まず、投影型静電容量方式のタッチセンサを適用する場合について、図9(B)を用いて説明する。なお、投影型静電容量方式の場合には、指等の検知対象の近接または接触を検知することができる、様々なセンサを適用することができる。
投影型静電容量方式のタッチセンサ2595は、電極2591と電極2592とを有する。電極2591と電極2592は、複数の配線2598のうちのそれぞれ異なる配線と電気的に接続する。また、電極2592は、図9(A)(B)に示すように、一方向に繰り返し配置された複数の四辺形が角部で配線2594により、一方向に接続される形状を有する。電極2591も同様に複数の四辺形が角部で接続される形状を有するが、接続される方向は、電極2592が接続される方向と交差する方向となる。なお、電極2591が接続される方向と、電極2592が接続される方向とは、必ずしも直交する関係にある必要はなく、0度を超えて90度未満の角度をなすように配置されてもよい。
なお、配線2594の電極2592との交差部の面積は、できるだけ小さくなる形状が好ましい。これにより、電極が設けられていない領域の面積を低減でき、透過率のバラツキを低減できる。その結果、タッチセンサ2595を透過する光の輝度のバラツキを低減することができる。
なお、電極2591及び電極2592の形状はこれに限定されず、様々な形状を取りうる。例えば、複数の電極2591をできるだけ隙間が生じないように配置し、絶縁層を介して電極2592を複数設ける構成としてもよい。このとき、隣接する2つの電極2592の間に、これらとは電気的に絶縁されたダミー電極を設けると、透過率の異なる領域の面積を低減できるため好ましい。
次に、図10を用いて、タッチパネル2000の詳細について説明する。図10は、図9(A)に示す一点鎖線X1−X2間の断面図に相当する。
タッチパネル2000は、タッチセンサ2595と表示パネル2501とを有する。
タッチセンサ2595は、基板2590に接して千鳥格子状に配置された電極2591及び電極2592と、電極2591及び電極2592を覆う絶縁層2593と、隣り合う電極2591を電気的に接続する配線2594とを有する。なお、隣り合う電極2591の間には、電極2592が設けられている。
電極2591及び電極2592は、透光性を有する導電材料を用いて形成することができる。透光性を有する導電性材料としては、In−Sn酸化物(ITOともいう)、In−Si−Sn酸化物(ITSOともいう)、In−Zn酸化物、In−W−Zn酸化物が挙げられる。その他、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、イットリウム(Y)、ネオジム(Nd)などの金属、およびこれらを適宜組み合わせて含む合金を用いることもできる。また、グラフェン化合物を用いることもできる。なお、グラフェン化合物を用いる場合は、例えば膜状に形成された酸化グラフェンを還元して形成することができる。還元する方法としては、熱を加える方法やレーザを照射する方法等を挙げることができる。
電極2591及び電極2592の形成方法としては、例えば、透光性を有する導電性材料を基板2590上にスパッタリング法により成膜した後、フォトリソグラフィ法等の様々なパターニング技術により、不要な部分を除去することで形成することができる。
絶縁層2593に用いる材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂、シロキサン結合を有する樹脂の他、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料を用いることができる。
また、絶縁層2593の一部に形成された配線2594により、隣接する電極2591が電気的に接続される。なお、配線2594に用いる材料は、電極2591及び電極2592に用いる材料よりも導電性の高い材料を用いることにより電気抵抗を低減することができるため好ましい。
また、配線2598は、電極2591または電極2592と電気的に接続される。なお、配線2598の一部は、端子として機能する。配線2598には、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、チタン、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、またはパラジウム等の金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。
また、端子2599により、配線2598とFPC2509(2)とが電気的に接続される。なお、端子2599には、様々な異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
また、配線2594に接して接着層2597が設けられる。すなわち、タッチセンサ2595は、接着層2597を介して、表示パネル2501に重なるように貼り合わされる。なお、接着層2597と接する表示パネル2501の表面は、図10(A)に示すように基板2570を有していてもよいが、必ずしも必要ではない。
接着層2597は、透光性を有する。例えば、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂を用いることができ、具体的には、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、またはシロキサン系樹脂を用いることができる。
図10(A)に示す表示パネル2501は、基板2510と基板2570との間にマトリクス状に配置された複数の画素と駆動回路とを有する。また、各画素は発光素子と、発光素子を駆動する画素回路とを有する。
図10(A)には、表示パネル2501の画素の一例として、画素2502Rを示し、駆動回路の一例として走査線駆動回路2503gを示す。
画素2502Rは、発光素子2550Rと、発光素子2550Rに電力を供給することができるトランジスタ2502tとを有する。
トランジスタ2502tは、絶縁層2521で覆われている。なお、絶縁層2521は、先に形成されたトランジスタ等に起因する凹凸を平坦化するための機能を有する。また、絶縁層2521に不純物の拡散を抑制できる機能を付与してもよい。この場合、不純物の拡散によるトランジスタ等の信頼性の低下を抑制できるので好ましい。
発光素子2550Rは、トランジスタ2502tと配線を介して電気的に接続される。なお、配線と直接接続されるのは、発光素子2550Rの一方の電極である。なお、発光素子2550Rの一方の電極の端部は、絶縁体2528で覆われている。
発光素子2550Rは、一対の電極間にEL層を有してなる。また、発光素子2550Rと重なる位置に着色層2567Rが設けられており、発光素子2550Rが発する光の一部は、着色層2567Rを透過して、図中に示す矢印の方向に射出される。また、着色層の端部に遮光層2567BMが設けられており、発光素子2550Rと着色層2567Rとの間には、封止層2560を有する。
なお、発光素子2550Rからの光を取り出す方向に封止層2560が設けられている場合には、封止層2560は、透光性を有するのが好ましい。また、封止層2560は、空気より大きい屈折率を有すると好ましい。
走査線駆動回路2503gは、トランジスタ2503tと、容量素子2503cとを有する。なお、駆動回路を画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができる。従って、画素回路のトランジスタ2502tと同様に、駆動回路(走査線駆動回路2503g)のトランジスタ2503tも絶縁層2521で覆われている。
また、トランジスタ2503tに信号を供給することができる配線2511が設けられている。なお、配線2511と接して端子2519が設けられる。また、端子2519は、FPC2509(1)と電気的に接続されており、FPC2509(1)は、画像信号及び同期信号等の信号を供給する機能を有する。なお、FPC2509(1)にはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。
図10(A)において示す表示パネル2501には、ボトムゲート型のトランジスタを適用する場合について示したが、トランジスタの構造はこれに限られることはなく様々な構造のトランジスタを適用することができる。また、図10(A)に示す、トランジスタ2502t及びトランジスタ2503tには、酸化物半導体を含む半導体層をチャネル領域として用いることができる。その他、アモルファスシリコンを含む半導体層や、レーザーアニールなどの処理により結晶化させた多結晶シリコンを含む半導体層をチャネル領域として用いることができる。
また、図10(A)に示すボトムゲート型のトランジスタとは異なるトップゲート型のトランジスタを適用する場合の構成について、図10(B)に示す。なお、トランジスタの構造が変わった場合でも、チャネル領域に用いることができるバリエーションについては同様とする。
図10(A)で示したタッチパネル2000は、図10(A)に示すように画素からの光が外部に射出される側の表面に、少なくとも画素と重なるように反射防止層2567pを有するのが好ましい。なお、反射防止層2567pとして、円偏光板等を用いることができる。
図10(A)で示した基板2510、基板2570、基板2590としては、例えば、水蒸気の透過率が1×10−5g/(m2・day)以下、好ましくは1×10−6g/(m2・day)以下である可撓性を有する材料を好適に用いることができる。または、これらの基板の熱膨張率が、およそ等しい材料を用いることが好ましい。例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、好ましくは5×10−5/K以下、より好ましくは1×10−5/K以下である材料が挙げられる。
次に、図10に示すタッチパネル2000と構成の異なるタッチパネル2000’について、図11を用いて説明する。但し、タッチパネル2000と同様にタッチパネルとして適用することができる。
図11には、タッチパネル2000’の断面図を示す。図11に示すタッチパネル2000’は、図10に示すタッチパネル2000と、表示パネル2501に対するタッチセンサ2595の位置が異なる。ここでは異なる構成についてのみ説明し、同様の構成を用いることができる部分は、タッチパネル2000の説明を援用することとする。
着色層2567Rは、発光素子2550Rと重なる位置にある。また、図11(A)に示す発光素子2550Rからの光は、トランジスタ2502tが設けられている方向に射出される。すなわち、発光素子2550Rからの光(一部)は、着色層2567Rを透過して、図中に示す矢印の方向に射出される。なお、着色層2567Rの端部には遮光層2567BMが設けられている。
また、タッチセンサ2595は、表示パネル2501の発光素子2550Rから見てトランジスタ2502tが設けられている側に設けられている(図11(A)参照)。
また、接着層2597は、表示パネル2501が有する基板2510と接しており、図11(A)に示す構造の場合には、表示パネル2501とタッチセンサ2595とを貼り合わせている。但し、接着層2597により貼り合わされる表示パネル2501とタッチセンサ2595との間に基板2510を設けない構成としてもよい。
また、タッチパネル2000の場合と同様にタッチパネル2000’の場合も表示パネル2501には、様々な構造のトランジスタを適用することができる。なお、図11(A)においては、ボトムゲート型のトランジスタを適用する場合について示したが、図11(B)に示すようにトップゲート型のトランジスタを適用してもよい。
次に、タッチパネルの駆動方法の一例について、図12を用いて説明を行う。
図12(A)は、相互容量方式のタッチセンサの構成を示すブロック図である。図12(A)では、パルス電圧出力回路2601、電流検出回路2602を示している。なお、図12(A)では、パルス電圧が与えられる電極2621をX1−X6として、電流の変化を検知する電極2622をY1−Y6として、それぞれ6本の配線で例示している。また、図12(A)は、電極2621と、電極2622とが重畳することで形成される容量2603を示している。なお、電極2621と電極2622とはその機能を互いに置き換えてもよい。
パルス電圧出力回路2601は、X1−X6の配線に順にパルス電圧を印加するための回路である。X1−X6の配線にパルス電圧が印加されることで、容量2603を形成する電極2621と電極2622との間に電界が生じる。この電極間に生じる電界が遮蔽等により容量2603の相互容量に変化を生じさせることを利用して、被検知体の近接、または接触を検出することができる。
電流検出回路2602は、容量2603での相互容量の変化による、Y1〜Y6の配線での電流の変化を検出するための回路である。Y1−Y6の配線では、被検知体の近接、または接触がないと検出される電流値に変化はないが、検出する被検知体の近接、または接触により相互容量が減少する場合には電流値が減少する変化を検出する。なお電流の検出は、積分回路等を用いて行えばよい。
次に、図12(B)には、図12(A)で示す相互容量方式のタッチセンサにおける入出力波形のタイミングチャートを示す。図12(B)では、1フレーム期間で各行列での被検知体の検出を行うものとする。また図12(B)では、被検知体を検出しない場合(非タッチ)と被検知体を検出する場合(タッチ)との2つの場合について示している。なおY1−Y6の配線については、検出される電流値に対応する電圧値とした波形を示している。
X1−X6の配線には、順にパルス電圧が与えられ、該パルス電圧にしたがってY1−Y6の配線での波形が変化する。被検知体の近接または接触がない場合には、X1−X6の配線の電圧の変化に応じてY1−Y6の波形が一様に変化する。一方、被検知体が近接または接触する箇所では、電流値が減少するため、これに対応する電圧値の波形も変化する。このように、相互容量の変化を検出することにより、被検知体の近接または接触を検知することができる。
また、図12(A)ではタッチセンサとして配線の交差部に容量2603のみを設けるパッシブ型のタッチセンサの構成を示したが、トランジスタと容量とを備えたアクティブ型のタッチセンサとしてもよい。図13にアクティブ型のタッチセンサに含まれる一つのセンサ回路の例を示している。
図13に示すセンサ回路は、容量2603と、トランジスタ2611と、トランジスタ2612と、トランジスタ2613とを有する。
トランジスタ2613はゲートに信号G2が与えられ、ソースまたはドレインの一方に電圧VRESが与えられ、他方が容量2603の一方の電極およびトランジスタ2611のゲートと電気的に接続する。トランジスタ2611は、ソースまたはドレインの一方がトランジスタ2612のソースまたはドレインの一方と電気的に接続し、他方に電圧VSSが与えられる。トランジスタ2612は、ゲートに信号G1が与えられ、ソースまたはドレインの他方が配線MLと電気的に接続する。容量2603の他方の電極には電圧VSSが与えられる。
次に、図13に示すセンサ回路の動作について説明する。まず信号G2としてトランジスタ2613をオン状態とする電位が与えられることで、トランジスタ2611のゲートが接続されるノードnに電圧VRESに対応した電位が与えられる。次に、信号G2としてトランジスタ2613をオフ状態とする電位が与えられることで、ノードnの電位が保持される。続いて、指等の被検知体の近接または接触により、容量2603の相互容量が変化することに伴い、ノードnの電位がVRESから変化する。
読み出し動作は、信号G1としてトランジスタ2612をオン状態とする電位を与える。ノードnの電位に応じてトランジスタ2611に流れる電流、すなわち配線MLに流れる電流が変化する。この電流を検出することにより、被検知体の近接または接触を検出することができる。
トランジスタ2611、トランジスタ2612、及びトランジスタ2613としては、酸化物半導体層をチャネル領域が形成される半導体層に用いることが好ましい。とくにトランジスタ2613にこのようなトランジスタを適用することにより、ノードnの電位を長期間に亘って保持することが可能となり、ノードnにVRESを供給しなおす動作(リフレッシュ動作)の頻度を減らすことができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態9)
本実施の形態においては、本発明の一態様である発光素子と、反射型の液晶素子と、を有し、透過モードと反射モードの両方の表示を行うことのできる表示装置について、図14〜図16を用いて説明する。
なお、本実施の形態で示す表示装置は、屋外など外光の明るい場所において、反射モードを用いた表示により、極めて電力消費が低い駆動を行うことができる。一方、夜間や室内など外光が暗い場所では、透過モードを用いた表示により、広色域で色再現性の良い画像表示ができるという特徴を有する。従って、これらを組み合わせて表示させることにより、従来の表示パネルに比べて、低い消費電力で、且つ色再現性の良い表示を行うことができる。
本実施の形態で示す表示装置の一例としては、反射電極を備えた液晶素子と、発光素子とが積層され、発光素子と重なる位置に反射電極の開口部が設けられ、反射モードの際には可視光を反射電極によって反射させ、透過モードの場合には、反射電極の開口部から発光素子の光が射出される構成を有する表示装置について示す。なお、これらの素子(液晶素子および発光素子)の駆動に用いるトランジスタは、同一平面上に配置されていることが好ましい。また、積層される液晶素子と、発光素子とは、絶縁層を介して形成されることが好ましい。
図14(A)には、本実施の形態で説明する表示装置のブロック図を示す。表示装置3000は、回路(G)3001、回路(S)3002、および表示部3003を有する。なお、表示部3003には、画素3004が、方向R及び方向Cにマトリクス状に複数配置されている。また、回路(G)3001は、配線G1、配線G2、配線ANO、及び配線CSCOMが、それぞれ複数電気的に接続されており、さらにこれらの配線は、方向Rに複数配列された画素3004とも電気的に接続されている。回路(S)3002は、配線S1及び配線S2が、それぞれ複数電気的に接続されており、さらにこれらの配線は、方向Cに複数配列された画素3004とも電気的に接続されている。
また、画素3004は、液晶素子と発光素子を有し、これらは、互いに重なる部分を有する。
図14(B1)には、画素3004が有する液晶素子の反射電極として機能する導電膜3005の形状について示す。なお、導電膜3005の一部で発光素子と重なる位置3006に開口部3007が設けられている。すなわち、発光素子からの光は、この開口部3007を介して射出される。
図14(B1)に示す画素3004は、方向Rに隣接する画素3004が異なる色を呈するように配列されている。さらに、開口部3007は、方向Rに一列に配列されることのないように設けられている。このような配列にすることは、隣接する画素3004が有する発光素子間におけるクロストークを抑制する効果を有する。さらに、微細化が緩和されるので素子形成が容易になるといったメリットも有する。
開口部3007の形状としては、例えば多角形、四角形、楕円形、円形または十字等の形状とすることができる。また、細長い筋状、スリット状等の形状としてもよい。
なお、導電膜3005の配列のバリエーションとしては、図14(B2)に示す配列としてもよい。
導電膜3005の総面積(開口部3007を除く)に対する開口部3007の割合は、表示装置の表示に影響を与える。すなわち、開口部3007の面積が大きいと液晶素子による表示が暗くなり、開口部3007の面積が小さいと発光素子による表示が暗くなるという問題が生じる。また、上記の比率だけでなく、開口部3007の面積そのものが小さい場合にも、発光素子から射出される光の取り出し効率が低下するという問題が生じる。なお、上記導電膜3005の総面積(開口部3007を除く)に対する開口部3007の面積の割合としては、5%以上60%以下とするのが液晶素子および発光素子を組み合わせた際の表示品位を保つ上で好ましい。
次に、画素3004の回路構成の一例について図15を用いて説明する。図15では、隣接する2つの画素3004を示す。
画素3004は、トランジスタSW1、容量素子C1、液晶素子3010、トランジスタSW2、トランジスタM、容量素子C2、及び発光素子3011等を有する。なお、これらは、配線G1、配線G2、配線ANO、配線CSCOM、配線S1、及び配線S2のいずれかと画素3004において、電気的に接続されている。また、液晶素子3010は配線VCOM1と、発光素子3011は配線VCOM2と、それぞれ電気的に接続されている。
また、トランジスタSW1のゲートは、配線G1と接続され、トランジスタSW1のソース又はドレインの一方は、配線S1と接続され、ソース又はドレインの他方は、容量素子C1の一方の電極、及び液晶素子3010の一方の電極と接続されている。なお、容量素子C1の他方の電極は、配線CSCOMと接続されている。また、液晶素子3010の他方の電極は、配線VCOM1と接続されている。
また、トランジスタSW2のゲートは、配線G2と接続され、トランジスタSW2のソース又はドレインの一方は、配線S2と接続され、ソース又はドレインの他方は、容量素子C2の一方の電極、及びトランジスタMのゲートと接続されている。なお、容量素子C2の他方の電極は、トランジスタMのソース又はドレインの一方、及び配線ANOと接続されている。また、トランジスタMのソース又はドレインの他方は、発光素子3011の一方の電極と接続されている。また、発光素子3011の他方の電極は、配線VCOM2と接続されている。
なお、トランジスタMは、半導体を挟む2つのゲートを有し、これら2つのゲートは、電気的に接続されている。このような構造とすることにより、トランジスタMが流す電流量を増大させることができる。
配線G1から与えられる信号によって、トランジスタSW1の導通状態または非導通状態が制御される。また、配線VCOM1からは、所定の電位が与えられる。また、配線S1から与えられる信号によって、液晶素子3010の液晶の配向状態を制御することができる。また、配線CSCOMからは、所定の電位が与えられる。
配線G2から与えられる信号によって、トランジスタSW2の導通状態または非導通状態が制御される。また、配線VCOM2及び配線ANOからそれぞれ与えられる電位の電位差によって、発光素子3011を発光させることができる。また、配線S2から与えられる信号によって、トランジスタMの導通状態を制御することができる。
したがって、本実施の形態で示す構成において、例えば反射モードの場合には、配線G1及び配線S1から与えられる信号により液晶素子3010を制御し、光学変調を利用して表示させることができる。また、透過モードの場合には、配線G2及び配線S2から与えられる信号により発光素子3011を発光させることができる。さらに両方のモードを同時に用いる場合には、配線G1、配線G2、配線S1及び配線S2のそれぞれから与えられる信号に基づき所望の駆動を行うことができる。
次に、本実施の形態で説明する表示装置3000の断面概略図を図16に示し、詳細を説明する。
表示装置3000は、基板3021と基板3022との間に、発光素子3023および液晶素子3024を有する。なお、発光素子3023および液晶素子3024は、絶縁層3025を介してそれぞれ形成される。すなわち、基板3021と絶縁層3025との間に発光素子3023を有し、基板3022と絶縁層3025との間に液晶素子3024を有する。
絶縁層3025と発光素子3023との間には、トランジスタ3015、トランジスタ3016、トランジスタ3017、および着色層3028等を有する。
基板3021と発光素子3023との間には、接着層3029を有する。また、発光素子3023は、絶縁層3025側から一方の電極となる導電層3030、EL層3031、他方の電極となる導電層3032の順に積層された積層構造を有する。なお、発光素子3023は、ボトムエミッション型の発光素子であるため、導電層3032は可視光を反射する材料を含み、導電層3030は可視光を透過する材料を含む。発光素子3023が発する光は、着色層3028、絶縁層3025を透過し、さらに開口部3033を通って液晶素子3024を透過した後、基板3022から外部に射出される。
絶縁層3025と基板3022との間には、液晶素子3024の他、着色層3034、遮光層3035、絶縁層3046および構造体3036等を有する。また、液晶素子3024は、一方の電極となる導電層3037、液晶3038、他方の電極となる導電層3039、および配向膜3040、3041等を有する。なお、液晶素子3024は、反射型の液晶素子であり、導電層3039は、反射電極として機能するため反射率の高い材料を用いる。また、導電層3037は、透明電極として機能するため可視光を透過する材料を含む。さらに、導電層3037および導電層3039の液晶3038側には、それぞれ配向膜3040、3041を有する。また、絶縁層3046は、着色層3034及び遮光層3035を覆うように設けられており、オーバーコートとしての機能を有する。なお、配向膜3040、3041は不要であれば設けなくてもよい。
導電層3039の一部には、開口部3033が設けられている。なお、導電層3039に接して導電層3043を有しており、導電層3043は、透光性を有するため可視光を透過する材料を含む。
構造体3036は、絶縁層3025と基板3022とが必要以上に接近することを抑制するスペーサとしての機能を有する。なお、構造体3036は不要であれば設けなくてもよい。
トランジスタ3015のソース又はドレインのいずれか一方は、発光素子3023の導電層3030と電気的に接続されている。例えばトランジスタ3015は、図15に示すトランジスタMに対応する。
トランジスタ3016のソース又はドレインのいずれか一方は、端子部3018を介して液晶素子3024の導電層3039及び導電層3043と電気的に接続されている。すなわち、端子部3018は、絶縁層3025の両面に設けられる導電層同士を電気的に接続する機能を有する。なお、トランジスタ3016は、図15に示すトランジスタSW1に対応する。
基板3021と基板3022とが重ならない領域には、端子部3019が設けられている。端子部3019は端子部3018と同様に、絶縁層3025の両面に設けられる導電層同士を電気的に接続する。端子部3019は、導電層3043と同一の導電膜を加工して得られた導電層と電気的に接続されている。これにより、端子部3019とFPC3044とを接続層3045を介して電気的に接続することができる。
また、接着層3042が設けられる一部の領域には、接続部3047が設けられている。接続部3047において、導電層3043と同一の導電膜を加工して得られた導電層と、導電層3037の一部が、接続体3048によって電気的に接続されている。したがって、導電層3037に、FPC3044から入力される信号または電位を、接続体3048を介して供給することができる。
導電層3037と導電層3043の間に、構造体3036が設けられている。構造体3036は、液晶素子3024のセルギャップを保持する機能を有する。
導電層3043としては、金属酸化物、金属窒化物、または低抵抗化された酸化物半導体等の酸化物を用いることが好ましい。酸化物半導体を用いる場合には、水素、ボロン、リン、窒素、及びその他の不純物の濃度、並びに酸素欠損量の少なくとも一が、トランジスタに用いる半導体層に比べて高められた材料を、導電層3043に用いればよい。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
≪合成例1≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(100)で表され、本発明の一態様である有機金属錯体、ビス{2−[1−(4−シアノ−2,6−ジイソブチルフェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル−κN3]フェニル−κC}(2,4−ペンタンジオナト−κ2O,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(pbi−diBuCNp)2(acac)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(pbi−diBuCNp)2(acac)]の構造を以下に示す。
<ステップ1;4−アミノ−3,5−ジイソブチルベンゾニトリルの合成>
4−アミノ−3,5−ジクロロベンゾニトリル52g(280mmol)、イソブチルボロン酸125g(1226mmol)、リン酸三カリウム260g(1226mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−phos)5.4g(13.1mmol)、トルエン1500mLを3000mL三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換し、フラスコ内を減圧しながら攪拌し、この混合物を脱気した。脱気後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)4.8g(5.2mmol)を加え、窒素気流下、130℃で12時間攪拌した。得られた反応溶液にトルエンを加えて、セライト/フロリジール/アルミナの順に積層したろ過補助剤を通して吸引ろ過した。得られたろ液を濃縮し、油状物を得た。得られた油状物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、トルエンを用いた。得られたフラクションを濃縮して、黄色油状物を61g、収率95%で得た。核磁気共鳴法(NMR)により得られた黄色油状物が4−アミノ−3,5−ジイソブチルベンゾニトリルであることを確認した。ステップ1の合成スキームを下記式(a−1)に示す。
<ステップ2;4−[N−(2−ニトロフェニル)アミノ]−3,5−ジイソブチルベンゾニトリルの合成>
ステップ1で合成した4−アミノ−3,5−ジイソブチルベンゾニトリル30g(131mmol)、炭酸セシウム86g(263mmol)、ジメチルスルホキシド(DMSO)380mL、2−フルオロニトロベンゼン19g(131mmol)を1000mL三口フラスコに入れ、窒素気流下、120℃で20時間攪拌した。所定時間経過後の反応溶液を、クロロホルムによる抽出を行い粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、ヘキサン:酢酸エチル=7:1を用いた。得られたフラクションを濃縮して、橙色固体を得た。得られた固体にヘキサンを加えて吸引ろ過し、黄色固体を16g、収率35%で得た。核磁気共鳴法(NMR)により得られた黄色固体が4−[N−(2−ニトロフェニル)アミノ]−3,5−ジイソブチルベンゾニトリルであることを確認した。ステップ2の合成スキームを下記式(a−2)に示す。
<ステップ3;4−[N−(2−アミノフェニル)アミノ]−3,5−ジイソブチルベンゾニトリルの合成>
ステップ2で合成した4−[N−(2−ニトロフェニル)アミノ]−3,5−ジイソブチルベンゾニトリル21g(60.0mmol)、水11mL(0.6mol)、エタノール780mLを2000mL三口フラスコに入れ、撹拌した。この混合物に塩化スズ(II)57g(0.3mol)を加え、窒素気流下、80℃で7.5時間撹拌した。所定時間経過後、この混合物を2M水酸化ナトリウム水溶液400mLに注ぎ、16時間室温で撹拌した。析出した沈殿物を吸引ろ過することで除去し、さらにクロロホルムで洗浄し、ろ液を得た。得られたろ液をクロロホルムによる抽出を行った。その後、抽出した溶液を濃縮して白色固体を20g、収率100%で得た。核磁気共鳴法(NMR)により得られた白色固体が4−[N−(2−アミノフェニル)アミノ]−3,5−ジイソブチルベンゾニトリルであることを確認した。ステップ3の合成スキームを下記式(a−3)に示す。
<ステップ4;1−(4−シアノ−2,6−ジイソブチルフェニル)−2−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:Hpbi−diBuCNp)の合成>
ステップ3で合成した4−[N−(2−アミノフェニル)アミノ]−3,5−ジイソブチルベンゾニトリル20g(60.0mmol)、アセトニトリル200mL、ベンズアルデヒド6.4g(60.0mmol)を1000mLナスフラスコに入れ、100℃で1時間攪拌した。この混合物に塩化鉄(III)100mg(0.60mmol)を加え、100℃で24時間攪拌した。所定時間経過後の反応溶液を、クロロホルムによる抽出を行い、油状物を得た。得られた油状物にトルエンを加えて、セライト/フロリジール/アルミナの順に積層したろ過補助剤を通して吸引ろ過した。得られたろ液を濃縮し、油状物を得た。得られた油状物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、トルエンを用いた。得られたフラクションを濃縮して、固体を得た。この固体を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶したところ、目的物である白色固体を4.3g、収率18%で得た。核磁気共鳴法(NMR)により得られた白色固体が1−(4−シアノ−2,6−ジイソブチルフェニル)−2−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:Hpbi−diBuCNp)であることを確認した。ステップ4の合成スキームを下記式(a−4)に示す。
<ステップ5;ジ−μ−クロロ−テトラキス{2−[1−(4−シアノ−2,6−ジイソブチルフェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル−κN3]フェニル−κC}ジイリジウム(III)(略称:[Ir(pbi−diBuCNp)2Cl]2)の合成>
ステップ4で合成した1−(4−シアノ−2,6−ジイソブチルフェニル)−2−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:Hpbi−diBuCNp)1.0g(2.5mmol)、塩化イリジウム一水和物0.90g(3.0mmol)、2−エトキシエタノール30mL、水10mLを100mL丸底フラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。このフラスコにマイクロ波(2.45GHz 100W)を3時間照射することで、反応させた。反応後、反応溶液を吸引ろ過し、緑色固体を0.96g、収率31%で得た。ステップ5の合成スキームを下記式(a−5)に示す。
<ステップ6;ビス{2−[1−(4−シアノ−2,6−ジイソブチルフェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル−κN3]フェニル−κC}(2,4−ペンタンジオナト−κ2O,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(pbi−diBuCNp)2(acac)])の合成>
ステップ5で合成したジ−μ−クロロ−テトラキス{2−[1−(4−シアノ−2,6−ジイソブチルフェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル−κN3]フェニル−κC}ジイリジウム(III)(略称:[Ir(pbi−diBuCNp)2Cl]2)0.96g(0.46mmol)、2−エトキシエタノール30mL、アセチルアセトン0.46g(4.6mmol)、炭酸ナトリウム0.49g(4.6mmol)を100mL丸底フラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。このフラスコにマイクロ波(2.45GHz 120W)を1時間照射することで、反応させた。反応後の溶液を、ジクロロメタンによる抽出を行い、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、トルエン:酢酸エチル=5:1の混合溶媒を用いた。得られたフラクションを濃縮して、黄色固体を得た。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶し、黄色固体を0.24g、収率24%で得た。ステップ6の合成スキームを下記式(a−6)に示す。
上記ステップ6で得られた黄色固体のプロトン(1H)を核磁気共鳴法(NMR)により測定した。以下に得られた値を示す。また、1H−NMRチャートを図17に示す。このことから、本合成例において、上述の構造式(100)で表される本発明の一態様である有機金属錯体、[Ir(pbi−diBuCNp)2(acac)]が得られたことがわかった。
1H−NMR.δ(CDCl3):0.64−0.71(m,24H),1.81(s,6H),2.20−2.34(m,12H),5.27(s,1H),6.30(d,2H),6.46−6.52(m,6H),6.87(d,2H),7.29−7.35(m,4H),7.68(d,4H),7.73(d,2H).
次に、[Ir(pbi−diBuCNp)2(acac)]のジクロロメタン溶液の紫外可視吸収スペクトル(以下、単に「吸収スペクトル」という)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.05mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、絶対PL量子収率測定装置((株)浜松ホトニクス製 C11347−01)を用い、グローブボックス((株)ブライト製 LABstarM13(1250/780)にて、窒素雰囲気下でジクロロメタン脱酸素溶液(0.05mmol/L)を石英セルに入れ、密栓し、室温で測定を行った。
得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図18に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。また、図18において2本の実線が示されているが、細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光スペクトルを示している。図18に示す吸収スペクトルは、ジクロロメタン溶液(0.05mmol/L)を石英セルに入れて測定した吸光度から、ジクロロメタンのみを石英セルに入れて測定した吸光度を差し引いた結果を示している。
図18に示す通り、本発明の一態様である有機金属錯体、[Ir(pbi−diBuCNp)2(acac)]は、516nmと552nmにそれぞれ発光ピークを有しており、ジクロロメタン溶液からは緑色の発光が観測された。
≪合成例2≫
本実施例では、実施形態1の構造式(101)で表され、本発明の一態様である有機金属錯体、ビス{2−[1−(4−シアノ−2,6−ジイソブチルフェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル−κN3]フェニル−κC}(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト−κ2O,O’)イリジウム(III)(略称:[Ir(pbi−diBuCNp)2(dpm)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(pbi−diBuCNp)2(dpm)]の構造を以下に示す。
<[Ir(pbi−diBuCNp)2(dpm)]の合成>
実施例1(合成例1)のステップ1〜5に示す方法で合成した、[Ir(pbi−diBuCNp)2Cl]2 1.1g(0.53mmol)、2−エトキシエタノール30mL、ジピバロイルメタン1.0g(5.3mmol)、炭酸ナトリウム0.56g(5.3mmol)を100mL丸底フラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。このフラスコにマイクロ波(2.45GHz 120W)を2時間照射することで、反応させた。反応後の溶液を、ジクロロメタンによる抽出を行い、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、トルエン:酢酸エチル=5:1の混合溶媒を用いた。得られたフラクションを濃縮して、黄色固体を得た。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶し、黄色固体を0.11g、収率9%で得た。合成スキームを下記式(b−1)に示す。
上記で得られた黄色固体のプロトン(1H)を核磁気共鳴法(NMR)により測定した。以下に得られた値を示す。また、1H−NMRチャートを図19に示す。このことから、本合成例において、上述の構造式(101)で表される本発明の一態様である有機金属錯体、[Ir(pbi−diBuCNp)2(dpm)]が得られたことがわかった。
1H−NMR.δ(CDCl3):0.64−0.75(m,24H),0.95(s,18H),1.61−1.66(m,1H),1.89−1.95(m,2H),2.12−2.24(m,7H),2.32−2.36(m,2H),5.62(s,1H),6.25(d,2H),6.42−6.53(m,6H),6.82−6.84(m,2H),7.26−7.29(m,4H),7.64(s,2H),7.71−7.74(m,4H).
続いて、[Ir(pbi−diBuCNp)2(dpm)]のジクロロメタン溶液の紫外可視吸収スペクトル(吸収スペクトル)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.0099mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、絶対PL量子収率測定装置((株)浜松ホトニクス製 C11347−01)を用い、グローブボックス((株)ブライト製 LABstarM13(1250/780)にて、窒素雰囲気下でジクロロメタン脱酸素溶液(0.0099mmol/L)を石英セルに入れ、密栓し、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図20に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。なお、図20に示す吸収スペクトルは、ジクロロメタン溶液(0.0099mmol/L)を石英セルに入れて測定した吸光度から、ジクロロメタンのみを石英セルに入れて測定した吸光度を差し引いた結果を示している。
図20に示す通り、イリジウム錯体、[Ir(pbi−diBuCNp)2(dpm)]は、519、553nmに発光ピークを有しており、ジクロロメタン溶液からは緑色の発光が観測された。
≪合成例3≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(200)で表され、本発明の一態様である有機金属錯体、トリス{2−[1−(4−シアノ−2,6−ジイソブチルフェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル−κN3]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(pbi−diBuCNp)3])(fac異性体とmer異性体の混合物)の合成方法について説明する。なお、[Ir(pbi−diBuCNp)3]の構造を以下に示す。
<[Ir(pbi−diBuCNp)3](fac異性体とmer異性体の混合物)の合成>
実施例1(合成例1)のステップ1〜4の方法で合成した、Hpbi−diBuCNp 1.8g(4.4mmol)、トリス(アセチルアセトナト)イリジウム(III)0.43g(0.88mmol)を、三方コックを付けた反応容器に入れ、250℃にて39時間加熱した。得られた反応混合物にトルエンを加え、不溶物を取り除いた。得られたろ液を濃縮し、固体を得た。得られた固体をシリカカラムクロマトグラフィー(中性シリカ)により精製した。展開溶媒には、トルエンを用いた。得られたフラクションを濃縮して、固体を得た。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶し、黄色固体を0.26g、収率21%で得た。合成スキームを下記式(c−1)に示す。
上記で得られた黄色固体のプロトン(1H)を核磁気共鳴法(NMR)により測定した。以下に得られた値を示す。また、1H−NMRチャートを図21に示す。このことから、本合成例において、上述の構造式(200)で表される本発明の一態様である有機金属錯体、[Ir(pbi−diBuCNp)3](fac異性体とmer異性体の混合物)が得られたことがわかった。なお、1H−NMRから、facおよび、mer体の異性体混合物であることを確認した。異性体比はfac体:mer体=3:2の割合であることがわかった。
次に、[Ir(pbi−diBuCNp)3]のジクロロメタン溶液の紫外可視吸収スペクトル(吸収スペクトル)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.011mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、絶対PL量子収率測定装置((株)浜松ホトニクス製 C11347−01)を用い、グローブボックス((株)ブライト製 LABstarM13(1250/780)にて、窒素雰囲気下でジクロロメタン脱酸素溶液(0.011mmol/L)を石英セルに入れ、密栓し、室温で測定を行った。
得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図22に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。また、図22において2本の実線が示されているが、細い実線は吸収スペクトルを示し、太い実線は発光スペクトルを示している。図22に示す吸収スペクトルは、ジクロロメタン溶液(0.011mmol/L)を石英セルに入れて測定した吸光度から、ジクロロメタンのみを石英セルに入れて測定した吸光度を差し引いた結果を示している。
図22に示す通り、本発明の一態様である有機金属錯体、[Ir(pbi−diBuCNp)3](fac異性体とmer異性体の混合物)は、518、552nmに発光ピークを有しており、ジクロロメタン溶液からは緑色の発光が観測された。
≪合成例4≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(200)で表され、本発明の一態様である有機金属錯体、(OC−6−22)−トリス{2−[1−(4−シアノ−2,6−ジイソブチルフェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル−κN3]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:fac−[Ir(pbi−diBuCNp)3])の合成方法について説明する。なお、fac−[Ir(pbi−diBuCNp)3]の構造を以下に示す。
<fac−[Ir(pbi−diBuCNp)3]の合成>
実施例1(合成例1)のステップ1〜5の方法で合成した、[Ir(pbi−diBuCNp)2Cl]2) 0.38g(0.18mmol)、ジクロロメタン50mLを、200mL三口フラスコに入れ、窒素気流下で撹拌した。この混合溶液にトリフルオロメタンスルホン酸銀0.14g(0.54mmol)とメタノール10mLの混合溶液を滴下し、暗所下で16時間撹拌した。所定時間反応後、反応混合物をセライトに通し、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、黄色固体を0.25g得た。
得られた固体0.25g、2−エトキシエタノール50mL、および実施例1(合成例1)のステップ1〜4の方法で合成した、Hpbi−diBuCNp 0.29g(0.72mmol)を200mLナスフラスコに入れ、窒素気流下で20時間加熱還流した。所定時間反応後、反応混合物を濃縮し、固体を得た。得られた固体をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、トルエンを用いた。得られたフラクションを濃縮して、固体を得た。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶し、黄色固体を20mg、収率4%で得た。合成スキームを下記式(d−1)に示す。
上記で得られた黄色固体のプロトン(1H)を核磁気共鳴法(NMR)により測定した。以下に得られた値を示す。また、1H−NMRチャートを図23に示す。このことから、本合成例において、上述の構造式(200)で表される本発明の一態様である有機金属錯体、fac−[Ir(pbi−diBuCNp)3]が得られたことがわかった。
1H−NMR.δ(CD2Cl2):0.18(d,9H),0.42(d,9H),0.48(d,9H),0.64(d,9H),1.22−1.30(m,3H),1.72−1.80(m,3H),1.88−1.99(m,6H),2.22−2.32(m,6H),6.38(d,3H),6.44(t,3H),6.54(d,3H),6.60(t,3H),6.74(d,3H),6.79(d,3H),6.87(t,3H),7.09(t,3H),7.61(s,3H),7.69(s,3H).
次に、fac−[Ir(pbi−diBuCNp)3]のジクロロメタン溶液の紫外可視吸収スペクトル(吸収スペクトル)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.0090mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、絶対PL量子収率測定装置((株)浜松ホトニクス製 C11347−01)を用い、グローブボックス((株)ブライト製 LABstarM13(1250/780)にて、窒素雰囲気下でジクロロメタン脱酸素溶液(0.0090mmol/L)を石英セルに入れ、密栓し、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図24に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。なお、図24に示す吸収強度は、ジクロロメタン溶液(0.0090mmol/L)を石英セルに入れて測定した吸光度から、ジクロロメタンのみを石英セルに入れて測定した吸光度を差し引いた結果を用いて示している。
図24に示す通り、本発明の一態様である有機金属錯体、fac−[Ir(pbi−diBuCNp)3]は、513nm、553nmにそれぞれ発光ピークを有しており、ジクロロメタン溶液からは緑色の発光が観測された。
本実施例では、本発明の一態様である発光素子として、実施例1で説明した[Ir(pbi−diBuCNp)2(dpm)](構造式(101))を発光層のゲスト材料として用いた発光素子1についてこれらの素子構造、作製方法およびその特性について説明する。なお、本実施例で用いる発光素子の素子構造を図25に示し、具体的な構成について表1に示す。また、本実施例で用いる材料の化学式を以下に示す。
≪発光素子の作製≫
本実施例で示す発光素子は、図25に示すように基板900上に形成された第1の電極901上に正孔注入層911、正孔輸送層912、発光層913、電子輸送層914、電子注入層915が順次積層され、電子注入層915上に第2の電極903が積層された構造を有する。
まず、基板900上に第1の電極901を形成した。電極面積は、4mm2(2mm×2mm)とした。また、基板900には、ガラス基板を用いた。また、第1の電極901は、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITO)をスパッタリング法により、70nmの膜厚で成膜して形成した。
ここで、前処理として、基板の表面を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。その後、10−4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室において、170℃で60分間の真空焼成を行った後、基板を30分程度放冷した。
次に、第1の電極901上に正孔注入層911を形成した。正孔注入層911は、真空蒸着装置内を10−4Paに減圧した後、1,3,5−トリ(ジベンゾチオフェン−4−イル)ベンゼン(略称:DBT3P−II)と酸化モリブデンとを、DBT3P−II:酸化モリブデン=4:2(質量比)とし、膜厚が60nmとなるようにそれぞれ共蒸着して形成した。
次に、正孔注入層911上に正孔輸送層912を形成した。正孔輸送層912は、9−フェニル−9H−3−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)カルバゾール(略称:PCCP)を用い、膜厚が20nmになるように蒸着して形成した。
次に、正孔輸送層912上に発光層913を形成した。
発光層913は、ホスト材料として4,6−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mCzP2Pm)を用い、アシスト材料としてPCCP、ゲスト材料(燐光材料)として[Ir(pbi−diBuCNp)2(dpm)]を用い、重量比が4,6mCzP2Pm:PCCP:[Ir(pbi−diBuCNp)2(dpm)]=0.8:0.2:0.05となるように共蒸着した。なお、膜厚は、40nmの膜厚とした。
次に、発光層913上に電子輸送層914を形成した。電子輸送層914は、4,6mCzP2Pmの膜厚が20nm、バソフェナントロリン(略称:Bphen)の膜厚が10nmとなるように順次蒸着して形成した。
次に、電子輸送層914上に電子注入層915を形成した。電子注入層915は、フッ化リチウム(LiF)を用い、膜厚が1nmになるように蒸着して形成した。
次に、電子注入層915上に第2の電極903を形成した。第2の電極903は、アルミニウムを蒸着法により、膜厚が200nmとなるように形成した。なお、本実施例において、第2の電極903は、陰極として機能する。
以上の工程により、基板900上に一対の電極間にEL層を挟んでなる発光素子を形成した。なお、上記工程で説明した正孔注入層911、正孔輸送層912、発光層913、電子輸送層914、電子注入層915は、本発明の一態様におけるEL層を構成する機能層である。また、上述した作製方法における蒸着工程では、全て抵抗加熱法による蒸着法を用いた。
また、上記に示すように作製した発光素子は、別の基板(図示せず)により封止される。なお、別の基板(図示せず)を用いた封止の際は、窒素雰囲気のグローブボックス内において、紫外光により固化するシール剤を塗布した別の基板(図示せず)を基板900上に固定し、基板900上に形成された発光素子の周囲にシール剤が付着するよう基板同士を接着させた。封止時には、365nmの紫外光を6J/cm2照射しシール剤を固化し、80℃にて1時間熱処理することによりシール剤を安定化させた。
≪発光素子の動作特性≫
作製した発光素子1の動作特性について測定した。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。また、結果を図26〜図29に示す。
これらの結果より、本発明の一態様である発光素子1は、良好な電流効率と高い外部量子効率を示していることがわかる。また、1000cd/m2付近における発光素子1の主な初期特性値を以下の表2に示す。
また、発光素子1に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の発光スペクトルを、図30に示す。図30に示す通り、発光素子1の発光スペクトルは521nm付近にピークを有しており、発光層913に含まれる有機金属錯体、[Ir(pbi−diBuCNp)2(dpm)]の発光に由来していることが示唆される。
本実施例では、本発明の一態様である有機金属錯体であり、構造式(200)で表される[Ir(pbi−diBuCNp)3]を発光層に用いた発光素子の素子構造について、説明する。なお、本実施例では、[Ir(pbi−diBuCNp)3]のfac異性体およびmer異性体の混合物を用いた発光素子2、およびfac異性体のみを用いた比較発光素子3をそれぞれ作製した。本実施例で説明する発光素子の積層構造は、実施例5と同様であるため図25を参照することとし、作製方法の説明は省略する。また、本実施例で示す発光素子2および比較発光素子3の具体的な構成については、表3に示す。また、本実施例で用いる材料の化学式を以下に示す。
≪発光素子の動作特性≫
作製した各発光素子の動作特性について測定した。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。また、結果を図31〜図34に示す。
これらの結果より、本発明の一態様である発光素子は、良好な電流効率と高い外部量子効率を示していることがわかる。また、1000cd/m2付近における発光素子の主な初期特性値を以下の表4に示す。
また、各発光素子に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の発光スペクトルを、図35に示す。図35に示す通り、各発光素子の発光スペクトルは512nm付近にピークを有しており、発光層913に含まれる有機金属錯体、[Ir(pbi−diBuCNp)3]の発光に由来していることが示唆される。
次に、発光素子2および比較発光素子3に対する信頼性試験を行った。信頼性試験の結果を図36に示す。図36において、縦軸は初期輝度を100%とした時の規格化輝度(%)を示し、横軸は素子の駆動時間(h)を示す。なお、信頼性試験は、電流密度を50mA/cm2に設定し、電流密度一定の条件で各発光素子を駆動させて行った。
これらの結果より、本発明の一態様である発光素子(発光素子2)は、電流効率や外部量子効率において、比較素子である比較発光素子3と同程度の良好な特性を示しているが、信頼性においては、本発明の一態様である発光素子(発光素子2)の方が優れていることがわかった。
この結果は、発光素子2の発光層に[Ir(pbi−diBuCNp)3]のfac異性体およびmer異性体の混合物を用い、比較発光素子3の発光層に、[Ir(pbi−diBuCNp)3]のfac異性体を用いた発光素子を比較した結果、fac異性体およびmer異性体の混合物を用いた発光素子2の信頼性が向上したものと解することができる。
≪合成例5≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(200)で表され、本発明の一態様である有機金属錯体、(OC−6−21)−トリス{2−[1−(4−シアノ−2,6−ジイソブチルフェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル−κN3]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:mer−[Ir(pbi−diBuCNp)3])の合成方法について説明する。なお、mer−[Ir(pbi−diBuCNp)3]の構造を以下に示す。
<mer−[Ir(pbi−diBuCNp)3]の合成>
実施例1(合成例1)のステップ1〜4の方法で合成した、Hpbi−diBuCNp 6.0g(14.7mmol)、酢酸イリジウム1.1g(2.9mmol)を、三方コックを付けた反応容器に入れ、170℃にて76.5時間加熱した。得られた反応混合物にトルエンを加え、不溶物を取り除いた。得られたろ液を濃縮し、固体を得た。得られた固体をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、トルエンを用いた。得られたフラクションを濃縮して、固体を得た。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶し、黄色固体を80mg、収率2%で得た。合成スキームを下記式(e−0)に示す。
上記で得られた黄色固体のプロトン(1H)を核磁気共鳴法(NMR)により測定した。以下に得られた値を示す。また、1H−NMRチャートを図37に示す。このことから、本合成例において、上述の構造式(200)で表される本発明の一態様である有機金属錯体、mer−[Ir(pbi−diBuCNp)3]が得られたことがわかった。
1H−NMR.δ(CD2Cl2):0.04(d,3H),0.09(d,6H),0.22(d,3H),0.33(d,3H),0.44−0.47(m,6H),0.63(d,6H),0.69(d,3H),0.72−0.76(m,6H),1.22−1.37(m,3H),1.57−1.68(m,3H),1.75−1.90(m,4H),1.97−2.10(m,2H),2.14−2.29(m,5H),2.34−2.38(m,1H),6.23(d,1H),6.46−6.51(m,5H),6.55−6.83(m,12H),6.91(t,2H),7.00−7.11(m,4H),7.57−7.71(m,6H).
次に、mer−[Ir(pbi−diBuCNp)3]のジクロロメタン溶液の紫外可視吸収スペクトル(吸収スペクトル)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.0085mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、絶対PL量子収率測定装置((株)浜松ホトニクス製 C11347−01)を用い、グローブボックス((株)ブライト製 LABstarM13(1250/780)にて、窒素雰囲気下でジクロロメタン脱酸素溶液(0.0085mmol/L)を石英セルに入れ、密栓し、室温で測定を行った。
得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図38に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。なお、図38に示す吸収スペクトルは、ジクロロメタン溶液(0.0085mmol/L)を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、ジクロロメタンのみを石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を用いて示している。
図38に示す通り、本発明の一態様である有機金属錯体、mer−[Ir(pbi−diBuCNp)3]は、522nm、555nmにそれぞれ発光ピークを有しており、ジクロロメタン溶液からは緑色の発光が観測された。
≪合成例6≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(122)で表され、本発明の一態様である有機金属錯体、ビス{2−[1−(4−シアノ−2,6−ジイソブチルフェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル−κN3]フェニル−κC}{2−[1−(2,6−ジイソブチルフェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル−κN3]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(pbi−diBuCNp)2(pbi−diBup)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(pbi−diBuCNp)2(pbi−diBup)]の構造を以下に示す。
<ステップ1;2,6−ジイソブチルアニリンの合成>
2,6−ジクロロアニリン100g(617mmol)、イソブチルボロン酸230g(2256mmol)、リン酸三カリウム479g(2256mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−phos)10.1g(24.7mmol)、トルエン3000mLを5000mL三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換し、フラスコ内を減圧しながら攪拌し、この混合物を脱気した。脱気後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)10.5g(11.5mmol)を加え、窒素気流下、120℃で12時間攪拌した。
所定時間経過後、得られた反応溶液を吸引ろ過した。得られたろ液をトルエンによる抽出を行った。その後、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、ヘキサン:トルエン=15:1を用いた。得られたフラクションを濃縮して、黒色油状物を75.0g、収率59%で得た。核磁気共鳴法(NMR)により得られた黒色油状物が2,6−ジイソブチルアニリンであることを確認した。ステップ1の合成スキームを下記式(f−1)に示す。
<ステップ2;2,6−ジイソブチル−N−(2−ニトロフェニル)アニリンの合成>
上記ステップ1で合成した、2,6−ジイソブチルアニリン28g(136mmol)、1−ブロモ−2−ニトロベンゼン28g(136mmol)、炭酸セシウム75g(263mmol)、トルエン900mLを2000mL三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換し、フラスコ内を減圧しながら攪拌し、この混合物を脱気した。脱気後、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−phos)4.5g(10.9mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)2.5g(2.7mmol)を加え、窒素気流下、130℃で16時間攪拌した。
所定時間経過後、得られた反応混合物をトルエンによる抽出を行った。その後、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、ヘキサン:酢酸エチル=15:1を用いた。得られたフラクションを濃縮して、黄色油状物を37g、収率82%で得た。核磁気共鳴法(NMR)により得られた黄色油状物が2,6−ジイソブチル−N−(2−ニトロフェニル)アニリンであることを確認した。ステップ2の合成スキームを下記式(f−2)に示す。
<ステップ3;N−(2,6−ジイソブチルフェニル)ベンゼン−1,2−ジアミンの合成>
上記ステップ2で合成した、2,6−ジイソブチル−N−(2−ニトロフェニル)アニリン37g(112mmol)、水20mL(1.1mol)、エタノール1500mLを3000mL三口フラスコに入れ、撹拌した。この混合物に塩化スズ(II)104g(0.6mol)を加え、窒素気流下、80℃で7時間撹拌した。
所定時間経過後、得られた反応混合物を2M水酸化ナトリウム水溶液800mLに注ぎ、2時間室温で撹拌した。析出した沈殿物を吸引ろ過し、クロロホルムで洗浄し、ろ液を得た。得られたろ液をクロロホルムによる抽出を行った。その後、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、ヘキサン:酢酸エチル=10:1を用いた。得られたフラクションを濃縮して、黄色油状物を32g、収率96%で得た。核磁気共鳴法(NMR)により得られた黄色油状物がN−(2,6−ジイソブチルフェニル)ベンゼン−1,2−ジアミンであることを確認した。ステップ3の合成スキームを下記式(f−3)に示す。
<ステップ4;1−(2,6−ジイソブチルフェニル)−2−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:Hpbi−diBup)の合成>
上記ステップ3で合成した、N−(2,6−ジイソブチルフェニル)ベンゼン−1,2−ジアミン32g(108mmol)、アセトニトリル300mL、ベンズアルデヒド12g(108mmol)を1000mLナスフラスコに入れ、100℃で8時間攪拌した。この混合物に塩化鉄(III)0.18g(1.1mmol)を加え、100℃で24時間攪拌した。
所定時間経過後、得られた反応混合物をクロロホルムによる抽出を行い、得られた油状物にトルエン300mL、酸化マンガン(IV)40gを500mLナスフラスコに入れ、130℃で14時間攪拌した。所定時間経過後、得られた反応混合物をセライト/フロリジール/アルミナを通して吸引ろ過した。得られたろ液を濃縮し、油状物を得た。得られた油状物をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、ヘキサン:酢酸エチル=10:1の混合溶媒を用いた。得られたフラクションを濃縮して、目的物である茶色固体を17g、収率40%で得た。核磁気共鳴法(NMR)により得られた茶色固体が、Hpbi−diBupであることを確認した。ステップ4の合成スキームを下記式(f−4)に示す。
<ステップ5;ジ−μ−クロロ−テトラキス{2−[1−(2,6−ジイソブチルフェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル−κN3]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(pbi−diBup)2Cl]2)の合成>
上記ステップ4で合成した、Hpbi−diBup 6.8g(17.8mmol)、塩化イリジウム一水和物2.5g(8.5mmol)、2−エトキシエタノール30mL、水10mLを100mL丸底フラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。このフラスコにマイクロ波(2.45GHz 100W)を2時間照射することで、反応させた。反応後、反応溶液を吸引ろ過し、緑色固体である[Ir(pbi−diBup)2Cl]2を5.6g、収率67%で得た。ステップ5の合成スキームを下記式(f−5)に示す。
<ステップ6;[Ir(pbi−diBuCNp)2(pbi−diBup)]の合成>
上記ステップ5で合成した、[Ir(pbi−diBup)2Cl]2 1.5g(0.8mmol)、ジクロロメタン90mLを300mL三口フラスコに入れ、窒素気流下で撹拌した。この混合溶液にトリフルオロメタンスルホン酸銀0.59g(2.3mmol)とメタノール90mLの混合溶液を滴下し、暗所下で18時間撹拌した。所定時間反応後、反応混合物をセライトに通し、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、緑色固体を2.2g得た。得られた固体2.2g、エタノール50mL、および実施例1(合成例1)に示すステップ1〜4の方法で合成した、Hpbi−diBuCNp 1.2g(3.0mmol)を500mLナスフラスコに入れ、窒素気流下で29時間加熱還流した。
所定時間反応後、得られた反応混合物にエタノールを加え、不溶物を取り除いた。得られたろ液を濃縮し、固体を得た。得られた固体をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、まずジクロロメタン:ヘキサン=1:2の混合溶媒を用い、次いで、ジクロロメタン:ヘキサン=1:1の混合溶媒を用いた。得られたフラクションを濃縮して、固体を得た。得られた固体にヘキサンを加えて吸引ろ過し、黄色固体を70mg、収率3%で得た。合成スキームを下記式(f−6)に示す。
上記で得られた黄色固体のプロトン(1H)を核磁気共鳴法(NMR)により測定した。以下に得られた値を示す。また、1H−NMRチャートを図39に示す。このことから、本合成例において、上述の構造式(122)で表される本発明の有機金属錯体の一態様である、[Ir(pbi−diBuCNp)2(pbi−diBup)]が得られたことがわかった。
1H−NMR.δ(CD2Cl2):0.20(t,9H),0.44(t,9H),0.49(t,9H),0.66(t,9H),1.24−1.31(m,3H),1.75−1.83(m,3H),1.86−2.01(m,6H),2.20−2.35(m,6H),6.39−6.48(m,6H),6.52−6.63(m,6H),6.72−6.91(m,9H),7.06−7.12(m,3H),7.31(d,1H),7.39(d,1H),7.51(t,1H),7.63(s,2H),7.71(s,2H).
続いて、[Ir(pbi−diBuCNp)2(pbi−diBup)]のジクロロメタン溶液の紫外可視吸収スペクトル(吸収スペクトル)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.0098mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、絶対PL量子収率測定装置((株)浜松ホトニクス製 C11347−01)を用い、グローブボックス((株)ブライト製 LABstarM13(1250/780)にて、窒素雰囲気下でジクロロメタン脱酸素溶液(0.0098mmol/L)を石英セルに入れ、密栓し、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図40に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。なお、図40に示す吸収スペクトルは、ジクロロメタン溶液(0.0098mmol/L)を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、ジクロロメタンのみを石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示している。
図40に示す通り、本発明の一態様である有機金属錯体、[Ir(pbi−diBuCNp)2(pbi−diBup)]は、516、548nmに発光ピークを有しており、ジクロロメタン溶液からは緑色の発光が観測された。
≪合成例7≫
本実施例では、実施の形態1の構造式(123)で表され、本発明の一態様である有機金属錯体、{2−[1−(4−シアノ−2,6−ジイソブチルフェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル−κN3]フェニル−κC}ビス{2−[1−(2,6−ジイソブチルフェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル−κN3]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:[Ir(pbi−diBup)2(pbi−diBuCNp)])の合成方法について説明する。なお、[Ir(pbi−diBup)2(pbi−diBuCNp)]の構造を以下に示す。
<ステップ1;[Ir(pbi−diBup)2(pbi−diBuCNp)]の合成>
実施例8(合成例6)のステップ1〜5の方法で合成した、[Ir(pbi−diBup)2Cl]2 1.5g(0.8mmol)、ジクロロメタン90mLを300mL三口フラスコに入れ、窒素気流下で撹拌した。この混合溶液にトリフルオロメタンスルホン酸銀0.59g(2.3mmol)とメタノール90mLの混合溶液を滴下し、暗所下で18時間撹拌した。所定時間反応後、反応混合物をセライトに通し、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、緑色固体を2.2g得た。得られた固体2.2g、エタノール50mL、実施例1(合成例1)のステップ1〜4の方法で合成した、Hpbi−diBuCNp 1.2g(3.0mmol)を500mLナスフラスコに入れ、窒素気流下で29時間加熱還流した。所定時間反応後、得られた反応混合物にエタノールを加え、不溶物を取り除いた。得られたろ液を濃縮し、固体を得た。得られた固体をシリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。展開溶媒には、ジクロロメタン:ヘキサン=1:2の混合溶媒を用いた。得られたフラクションを濃縮して、固体を得た。得られた固体にヘキサンを加えて吸引ろ過し、黄色固体を120mg、収率6%で得た。合成スキームを下記式(g−1)に示す。
上記で得られた黄色固体のプロトン(1H)を核磁気共鳴法(NMR)により測定した。以下に得られた値を示す。また、1H−NMRチャートを図41に示す。このことから、本合成例において、上述の構造式(123)で表される本発明の有機金属錯体の一態様である、[Ir(pbi−diBup)2(pbi−diBuCNp)](略称)が得られたことがわかった。
1H−NMR.δ(CD2Cl2):0.20(t,9H),0.44(t,9H),0.50(t,9H),0.66(t,9H),1.23−1.33(m,3H),1.74−1.83(m,3H),1.87−2.02(m,6H),2.20−2.35(m,6H),6.39−6.48(m,6H),6.54(t,2H),6.58−6.63(m,4H),6.73−6.91(m,9H),7.11−7.05(m,3H),7.31(d,2H),7.38(d,2H),7.50(t,2H),7.62(s,1H),7.71(s,1H).
次に、[Ir(pbi−diBup)2(pbi−diBuCNp)]のジクロロメタン溶液の紫外可視吸収スペクトル(吸収スペクトル)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.0087mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、絶対PL量子収率測定装置((株)浜松ホトニクス製 C11347−01)を用い、グローブボックス((株)ブライト製 LABstarM13(1250/780)にて、窒素雰囲気下でジクロロメタン脱酸素溶液(0.0087mmol/L)を石英セルに入れ、密栓し、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図42に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。なお、図42に示す吸収スペクトルは、ジクロロメタン溶液(0.0087mmol/L)を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、ジクロロメタンのみを石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示している。
図42に示す通り、本発明の一態様である有機金属錯体、[Ir(pbi−diBup)2(pbi−diBuCNp)]は、518nm、549nmにそれぞれ発光ピークを有しており、ジクロロメタン溶液からは緑色の発光が観測された。
本実施例では、本発明の一態様である有機金属錯体である、[Ir(pbi−diBuCNp)3](構造式(200))を発光層に用いた発光素子の素子構造について説明する。なお、本実施例では、[Ir(pbi−diBuCNp)3]のmer異性体のみを用いた発光素子4、およびfac異性体のみを用いた比較発光素子5、をそれぞれ作製し、各発光素子の特性を評価した。なお、本実施例で説明する発光素子の基本的な積層構造及び作製方法は、実施例5で示した発光素子と同様であるため図25を参照することとし、具体的な構成は表5に示す。また、本実施例で用いる材料の化学式を以下に示す。
なお、表5に示すように発光素子4および比較発光素子5の正孔輸送層には、4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)を用い、発光層および電子輸送層には、9−[3−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)フェニル]−9’−フェニル−2,3’−ビ−9H−カルバゾール(略称:mPCCzPTzn−02)を用いている。なお、電子輸送層には、2,9−ビス(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略称:NBphen)も用いている。
≪発光素子の動作特性≫
作製した各発光素子の動作特性について測定した。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。また、結果を図43〜図46に示す。
これらの結果より、本発明の一態様である発光素子は、良好な電流効率と高い外部量子効率を示していることがわかる。また、1000cd/m2付近における発光素子の主な初期特性値を以下の表6に示す。
また、各発光素子に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の発光スペクトルを、図47に示す。図47に示す通り、発光素子4の発光スペクトルは519nm付近、および554nm付近にピークを有しており、発光層913に含まれる有機金属錯体、mer−[Ir(pbi−diBuCNp)3]の発光に由来していることが示唆される。また、比較発光素子5の発光スペクトルは508nm付近、および547nm付近にピークを有しており、発光層913に含まれる有機金属錯体、fac−[Ir(pbi−diBuCNp)3]の発光に由来していることが示唆される。
次に、発光素子4および比較発光素子5に対する信頼性試験を行った。信頼性試験の結果を図48に示す。図48において、縦軸は初期輝度を100%とした時の規格化輝度(%)を示し、横軸は素子の駆動時間(h)を示す。なお、信頼性試験は、初期輝度を5000cd/m2に設定し、電流密度一定の条件で各発光素子を駆動させて行った。
これらの結果より、本発明の一態様である発光素子(発光素子4)は、電流効率や外部量子効率において、比較素子である比較発光素子5と同程度の良好な特性を示しているが、信頼性においては、本発明の一態様である発光素子(発光素子4)の方が優れていることがわかった。
この結果は、発光素子4の発光層に用いた、[Ir(pbi−diBuCNp)3]のmer異性体と、発光素子5の発光層に用いたfac異性体と、の比較からmer異性体を用いることに起因して、発光素子4の信頼性が向上したものと解することができる。
本実施例では、本発明の一態様である有機金属錯体である、[Ir(pbi−diBup)2(pbi−diBuCNp)](構造式(123))を発光層に用いた発光素子6、[Ir(pbi−diBuCNp)2(pbi−diBup)](構造式(122))を発光層に用いた発光素子7、および比較材料として、fac−[Ir(pbi−diBup)3](構造式(300))を発光層に用いた比較発光素子8をそれぞれ作製し、各発光素子の特性を評価した。なお、本実施例で説明する発光素子の基本的な積層構造及び作製方法は、実施例5で示した発光素子と同様であるため図25を参照することとし、具体的な構成は表7に示す。また、本実施例で用いる材料の化学式を以下に示す。
≪発光素子の動作特性≫
作製した各発光素子の動作特性について測定した。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。また、結果を図49〜図52に示す。
これらの結果より、本発明の一態様である発光素子は、良好な電流効率と高い外部量子効率を示していることがわかる。また、1000cd/m2付近における発光素子の主な初期特性値を以下の表8に示す。
また、各発光素子に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の発光スペクトルを、図53に示す。図53に示す通り、発光素子6の発光スペクトルは508nm付近、および537nm付近にピークを有しており、発光層913に含まれる有機金属錯体、[Ir(pbi−diBup)2(pbi−diBuCNp)]の発光に由来していることが示唆される。また、発光素子7の発光スペクトルは513nm付近、および550nm付近にピークを有しており、発光層913に含まれる有機金属錯体、[Ir(pbi−diBuCNp)2(pbi−diBup)]の発光に由来していることが示唆される。また、比較発光素子8の発光スペクトルは508nm付近、および545nm付近にピークを有しており、発光層913に含まれる有機金属錯体、fac−[Ir(pbi−diBup)3]の発光に由来していることが示唆される。
次に、発光素子6、発光素子7、および比較発光素子8に対する信頼性試験を行った。信頼性試験の結果を図54に示す。図54において、縦軸は初期輝度を100%とした時の規格化輝度(%)を示し、横軸は素子の駆動時間(h)を示す。なお、信頼性試験は、電流密度を50mA/cm2に設定し、電流密度一定の条件で各発光素子を駆動させて行った。
これらの結果より、本発明の一態様である発光素子(発光素子6および発光素子7)は、比較発光素子8と比較して、電流効率を除く動作特性において、比較素子である比較発光素子8と同程度の良好な特性を示しているが、信頼性においては、本発明の一態様である発光素子(発光素子6および発光素子7)の方が優れていることがわかった。
また、この結果から、各発光素子の発光層に用いた有機化合物が、配位子(pbi−diBuCNp)を有する場合に発光素子(発光素子6および発光素子7)の信頼性が向上したものと解することができる。シアノ基を導入した有機化合物のLUMOが安定化したため、有機化合物の電子耐性が向上した効果と推察される。
(参考合成例)
本参考合成例では、実施例11の比較発光素子8に用いた、下記の構造式(300)で表される有機金属錯体、(OC−6−22)−トリス{2−[1−(2,6−ジイソブチルフェニル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル−κN3]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:fac−[Ir(pbi−diBup)3])の合成方法について説明する。fac−[Ir(pbi−diBup)3]の構造を以下に示す。
<fac−[Ir(pbi−diBup)3]の合成>
実施例8(合成例6)のステップ1〜5の方法で合成した、[Ir(pbi−diBup)2Cl]2 2.5g(1.3mmol)、ジクロロメタン150mLを、1000mL三口フラスコに入れ、窒素気流下で撹拌した。この混合溶液にトリフルオロメタンスルホン酸銀0.97g(3.8mmol)とメタノール150mLの混合溶液を滴下し、暗所下で20時間撹拌した。所定時間反応後、反応混合物をセライトに通し、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、緑色固体を3.4g得た。
得られた固体3.4g、エタノール50mL、実施例8(合成例6)のステップ1〜4の方法で合成した、Hpbi−diBup 2.0g(5.2mmol)を300mLナスフラスコに入れ、窒素気流下で13時間加熱還流した。所定時間反応後、反応混合物を吸引ろ過し、固体を得た。この固体をジクロロメタンに溶かし、セライト/フロリジール/アルミナを通して吸引ろ過した。得られたろ液を濃縮して、固体を得た。この固体を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶し、黄色固体を1.5g、収率44%で得た。さらに、得られた固体1.3gをトレインサブリメーョン法により昇華精製した。圧力2.7Pa、アルゴン流量10.4mL/minの条件で、280℃で18.5時間加熱して行った。昇華精製後、黄色固体を0.81g、収率62%で得た。ステップ6の合成スキームを下記式(h−1)に示す。
上記で得られた黄色固体のプロトン(1H)を核磁気共鳴法(NMR)により測定した。以下に得られた値を示す。また、1H−NMRチャートを図55に示す。この結果から、本参考合成例において、fac−[Ir(pbi−diBup)3]が得られたことがわかった。
1H−NMR.δ(CD2Cl2):0.19(d,9H),0.43(d,9H),0.50(d,9H),0.65(d,9H),1.23−1.32(m,3H),1.74−1.82(m,3H),1.88−1.96(m,6H),2.20−2.30(m,6H),6.39(t,3H),6.46(d,3H),6.55−6.60(m,6H),6.77(d,3H),6.83−6.87(m,6H),7.06(t,3H),7.30(d,3H),7.38(d,3H),7.50(t,3H).
続いて、fac−[Ir(pbi−diBup)3]のジクロロメタン溶液の紫外可視吸収スペクトル(吸収スペクトル)及び発光スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.011mmol/L)を石英セルに入れ、室温で測定を行った。また、発光スペクトルの測定には、絶対PL量子収率測定装置((株)浜松ホトニクス製 C11347−01)を用い、グローブボックス((株)ブライト製 LABstarM13(1250/780)にて、窒素雰囲気下でジクロロメタン脱酸素溶液(0.011mmol/L)を石英セルに入れ、密栓し、室温で測定を行った。得られた吸収スペクトル及び発光スペクトルの測定結果を図56に示す。横軸は波長、縦軸は吸収強度および発光強度を表す。なお、図56に示す吸収スペクトルは、ジクロロメタン溶液(0.011mmol/L)を石英セルに入れて測定した吸収スペクトルから、ジクロロメタンのみを石英セルに入れて測定した吸収スペクトルを差し引いた結果を示している。
図56に示す通り、有機金属錯体、fac−[Ir(pbi−diBup)3]は、508nm、547nmに発光ピークを有しており、ジクロロメタン溶液からは緑色の発光が観測された。