JP2018199745A - ポリカーボネート樹脂組成物、成形品、ポリカーボネート樹脂およびポリカーボネート樹脂の末端封止剤 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、塩素や臭素を含有するハロゲン系難燃剤を配合した芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、熱安定性の低下を招いたり、成形加工時における成形機のスクリューや成形金型の腐食を招いたりすることがあった。また、リン系難燃剤を配合した芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂の特徴である高い透明性を阻害したり、耐衝撃性、耐熱性の低下を招いたりするため、その用途が制限されることがあった。加えて、これらのハロゲン系難燃剤およびリン系難燃剤は、製品の廃棄、回収時に環境汚染を惹起する可能性があるため、近年ではこれらの難燃剤を使用することなく難燃化することが望まれている。
式(A)
本発明は、かかる課題を解決することを目的としたものであって、難燃性および耐熱性に優れたポリカーボネート樹脂組成物、ならびに、成形品、ポリカーボネート樹脂およびポリカーボネート樹脂の末端封止剤を提供することを目的とする。
<1>式(A)で表される末端構造を有し、粘度平均分子量が1×104〜5×104であるポリカーボネート樹脂と、安定剤を含むポリカーボネート樹脂組成物;
式(A)
<2>式(A)が下記式(B)で表される、<1>に記載のポリカーボネート樹脂組成物;
式(B)
<3>式(A)が下記式(C)で表される、<1>に記載のポリカーボネート樹脂組成物;
式(C)
<4>前記安定剤が、熱安定剤および酸化防止剤から選択される少なくとも1種である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
<5><1>〜<4>のいずれか1つに記載のポリカーボネート樹脂組成物から形成された成形品。
<6>式(A)にて表される末端構造を有し、粘度平均分子量1×104〜5×104のポリカーボネート樹脂;
式(A)
<7>式(A)が下記式(B)で表される、<6>に記載のポリカーボネート樹脂;
式(B)
<8>式(A)が下記式(C)で表される、<1>に記載のポリカーボネート樹脂;
式(C)
<9>下記式(1)で表される、ポリカーボネート樹脂の末端封止剤;
式(1)
<10>式(1)が、下記式(2)で表される、<9>に記載のポリカーボネート樹脂の末端封止剤;
式(2)
<11>式(1)が、下記式(3)で表される、<9>に記載のポリカーボネート樹脂の末端封止剤;
式(3)
式(A)
R1は、水素原子、メチル基、エチル基およびフェニル基がさらに好ましく、水素原子および無置換のフェニル基が一層好ましい。
式(B)
式(B)中、R8〜R12は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基)、および、炭素数1〜4のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基)が好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
より具体的には、本発明で用いるポリカーボネート樹脂は、式(A)が式(C)で表されることが好ましい。
式(C)中、R8〜R12は、式(B)におけるR8〜R12と同義であり、好ましい範囲も同義である。
式(I)
式群(I−1)
式(I)中、R1は式(A)におけるR1と同義であり、好ましい範囲も同義である。式(I)中の2つの末端のR1はそれぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。合成の容易性の観点からは、同じである。また、2つの末端のR1の一方をフェニル基、他方を水素原子とする態様も好ましい。
式(I)中、R13〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、または、炭素数7〜17のアラルキル基が好ましく、水素原子、または、炭素数1〜9のアルキル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。R13〜R16のうち、アルキル基、アルコキシ基およびアリール基は、置換基を有していてもよい。これらの基が有してもよい置換基は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、または、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基、または、炭素数2〜5のアルケニル基がより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がさらに好ましい。R13〜R16は置換基を有さない方が好ましい。
式(I)には、1つの繰り返し単位に2つのR13が存在するが、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。R14〜R16等の符号についても同様である。
式(I)中、R2〜R7は、式(A)におけるR2〜R7と同義であり、好ましい範囲も同義である。
式(I)中、nは、20〜150の整数が好ましい。
式群(I−1)中、R121およびR131は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜9のアルキル基、または、炭素数6〜12のアリール基が好ましく、水素原子、または、炭素数1〜9のアルキル基がより好ましい。R121およびR131が、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基である場合、置換基を有していてもよい。これらの基が有してもよい置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または、ヨウ素原子が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基、または、炭素数1〜5のアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がさらに好ましい。R121およびR131は置換基を有さない方が好ましい。
式群(I−1)中、R141およびR151は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜9のアルキル基、または、炭素数6〜12のアリール基であることが好ましく、水素原子、または、炭素数1〜9のアルキル基であることがさらに好ましい。R141およびR151が、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基である場合、置換基を有していてもよい。これらの基が有してもよい置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または、ヨウ素原子であり、炭素数1〜5のアルキル基、または、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がさらに好ましい。R141およびR151は置換基を有さない方が好ましい。
式群(I−1)中、R161は、炭素数1〜5のアルキレン基であることが好ましく、エチレン基またはプロピレン基であることがより好ましい。R161が、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基である場合、置換基を有していてもよい。これらの基が有してもよい置換基は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または、ヨウ素原子が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基、または、炭素数1〜5のアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がさらに好ましい。
式群(I−1)中、aは、0〜1の整数が好ましい。
式群(I−1)中、bは1〜200の整数が好ましく、10〜200の整数がより好ましい。
式(II)におけるR2〜R7は、それぞれ独立に、式(I)におけるR2〜R7と同義であり、好ましい範囲も同義である。
式(II)におけるR13〜R16は、それぞれ独立に、式(I)におけるR13〜R16と同義であり、好ましい範囲も同義である。
式(II)におけるnは、式(I)におけるnと同義であり、好ましい範囲も同義である。
式(II)におけるXは、式(I)におけるXと同義であり、好ましい範囲も同義である。
具体的には、下記式(1)で表される、ポリカーボネート樹脂の末端封止剤が例示される。
式(1)
式(1)は、下記式(2)で表されることが好ましい。
式(2)
式(1)は、下記式(3)で表されることがより好ましい。
式(3)
式(1)〜(3)における、R1〜R12は、それぞれ独立に、式(A)〜(C)におけるR1〜R12と同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(1)〜(3)の具体例としては、後述する実施例において示す化合物の他、6−(3,5−ジメトキシフェニル)エチニル−2−ナフトールなどが例示される。
これらの炭酸ジエステル化合物は、単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、本発明のポリカーボネート樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物中における、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂成分の配合割合は、全樹脂成分の10質量%以下であることが好ましく、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂成分を実質的に含まないことが好ましい。実質的に含まないとは、例えば、積極的に樹脂成分として配合しないことをいう。一例を挙げれば、全樹脂成分の1質量%以下である。本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂成分を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、安定剤を含む。安定剤としては、熱安定剤および酸化防止剤が例示される。安定剤の添加割合は、配合する場合、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、さらに好ましくは0.02質量部以上であり、また、好ましくは2質量部以下、より好ましくは1.4質量部以下、さらに好ましくは1.0質量部以下である。安定剤は、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
熱安定剤として、フェノール系やリン系、硫黄系の熱安定剤を挙げることができる。具体的には、リン酸、ホスホン酸、亜リン酸、ホスフィン酸、ポリリン酸等のリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウム等の酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛等、第1族または第10族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物等を挙げることができる。また、分子中の少なくとも1つのエステルがフェノールおよび/または炭素数1〜25のアルキル基を少なくとも1つ有するフェノールでエステル化された亜リン酸エステル化合物(a)、亜リン酸(b)およびテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト(c)の群から選ばれた少なくとも1種を挙げることができる。亜リン酸エステル化合物(a)の具体例として、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニル・フェニル)ホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(オクチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリノニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、ジフェニルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
熱安定剤は、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、および、ポリフェノール系酸化防止剤等を挙げることができる。具体的には、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N'−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)]、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等を挙げることができる。
フェノール系酸化防止剤として、例えば、BASF社製「イルガノックス1010」(登録商標、以下同じ)、「イルガノックス1076」、アデカ社製「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」等を挙げることができる。
酸化防止剤は、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、所望の諸物性を著しく損なわない限り、帯電防止剤、蛍光増白剤、防曇剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤等を添加してもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、難燃剤として、有機金属塩系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤等を用いることができる。本発明で用いることができる難燃剤としては、特開2016−183422号公報の段落0085〜0093に記載の難燃剤(難燃剤組成物)が例示され、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、難燃剤を含む場合、有機スルホン酸金属塩を含むことが好ましい。
有機スルホン酸金属塩としては、脂肪族スルホン酸金属塩および芳香族スルホン酸金属塩等が挙げられ、これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、金属塩としては、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩が好ましい。
アルカリ金属として、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウムを挙げることができる。アルカリ土類金属として、カルシウム、ストロンチウム等が挙げられる。本発明で用いる有機スルホン酸金属塩の好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属であり、より好ましくはナトリウム、カリウムである。このような金属を採用することにより、燃焼時の炭化層形成を効果的に促進し、高い透明性も維持できるという効果が得られる。
フルオロアルカン−スルホン酸金属塩として、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができ、アルカリ金属塩が好ましい。
フルオロアルカン−スルホン酸金属塩の炭素数としては、1〜8が好ましく、2〜4がより好ましい。このような範囲とすることにより、高い透明性を維持できるという効果が得られる。
好ましいフルオロアルカン−スルホン酸金属塩の具体例として、パーフルオロブタン−スルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタン−スルホン酸カリウム、パーフルオロエタン−スルホン酸ナトリウム、パーフルオロエタン−スルホン酸カリウム等を挙げることができる。
芳香族スルホン酸アルカリ金属塩の具体例としては、3,4−ジクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカリウム塩、4,4′−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホン酸のナトリウム塩、4,4′−ジブロモフェニル−スルホン−3−スルホン酸のカリウム塩、ジフェニルスルホン−3,3′−ジスルホン酸のジナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3,3′−ジスルホン酸のジカリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム塩、p−トルエンスルホン酸カリウム塩、p−スチレンスルホン酸カリウム塩等を挙げることができる。
尚、ポリカーボネート樹脂100質量部に対する、難燃剤の添加質量は、配合する場合、0.005質量部〜0.2質量部であることが好ましく、より好ましくは0.01質量部〜0.15質量部、さらに好ましくは0.03質量部〜0.12質量部である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、難燃剤を実質的に含まない構成とすることもできる。実質的に含まないとは、難燃剤の配合量がポリカーボネート樹脂100質量部に対し、0.005質量部未満であることをいう。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物が、難燃剤を含む場合、有機スルホン酸金属塩以外の他の難燃剤の配合量は、有機スルホン酸金属塩の含有量の0.1質量%以下である態様が一実施形態として例示される。
難燃助剤として、例えばシリコーン化合物を加えることができる。シリコーン化合物としては、分子中にフェニル基を有するものが好ましい。フェニル基を有することによりシリコーン化合物のポリカーボネート樹脂中への分散性が向上し、透明性と難燃性に優れる。シリコーン化合物の重量平均分子量は、好ましくは450〜5000であり、より好ましくは750〜4000、さらに好ましくは1000〜3000、特に好ましくは1500〜2500である。重量平均分子量を450以上とすることにより、製造が容易になり、工業的生産への適応が容易となり、シリコーン化合物の耐熱性も向上する傾向にある。逆にシリコーン化合物の重量平均分子量を5000以下とすることにより、ポリカーボネート樹脂組成物中での分散性の低下を効果的に抑制し、ポリカーボネート樹脂組成物における難燃性の低下や、機械物性の低下をより効果的に抑制できる傾向にある。
紫外線吸収剤として、酸化セリウム、酸化亜鉛等の無機紫外線吸収剤の他、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリシレート化合物、シアノアクリレート化合物、トリアジン化合物、オギザニリド化合物、マロン酸エステル化合物、ヒンダードアミン化合物、サリチル酸フェニル系化合物等の有機紫外線吸収剤を挙げることができる。これらの中では、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系の有機紫外線吸収剤が好ましい。特に、ベンゾトリアゾール化合物の具体例として、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−3',5'−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−アミル)−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2'−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノール、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン]、[(4−メトキシフェニル)−メチレン]−プロパンジオイックアシッド−ジメチルエステル、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルメチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラブチル)フェノール、2,2′−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラブチル)フェノール]、[メチル−3−[3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコール]縮合物等を挙げることができる。上記の中では、好ましくは、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール2−イル)フェノール]である。また、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体例として、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等を挙げることができる。また、サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤の具体例として、フェニルサリシレート、4−tert−ブチル−フェニルサリシレート等を挙げることができる。さらには、トリアジン系紫外線吸収剤の具体例として、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノール等を挙げることができる。また、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤の具体例として、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート等を挙げることができる。
紫外線吸収剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
離型剤として、カルボン酸エステル、ポリシロキサン化合物、パラフィンワックス(ポリオレフィン系)等の離型剤を挙げることができる。具体的には、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルの群から選ばれる少なくとも1種の化合物を挙げることができる。脂肪族カルボン酸として、飽和または不飽和の脂肪族1価、2価または3価カルボン酸を挙げることができる。ここで、脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中でも、好ましい脂肪族カルボン酸は、炭素数6〜36の1価または2価カルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和1価カルボン酸がさらに好ましい。脂肪族カルボン酸の具体例として、パルミチン酸、ステアリン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸等を挙げることができる。脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸として、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、アルコールとして、飽和または不飽和の1価または多価アルコールを挙げることができる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基等の置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の1価または多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族飽和1価アルコールまたは多価アルコールがさらに好ましい。ここで、脂肪族には脂環式化合物も包含される。アルコールの具体例として、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等を挙げることができる。尚、上記のエステル化合物は、不純物として脂肪族カルボン酸および/またはアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例として、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等を挙げることができる。数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素として、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等を挙げることができる。ここで、脂肪族炭化水素には脂環式炭化水素も含まれる。また、これらの炭化水素化合物は部分酸化されていてもよい。これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがさらに好ましい。数平均分子量は、好ましくは200〜5000である。これらの脂肪族炭化水素は単一物質であっても、構成成分や分子量が様々なものの混合物であってもよく、主成分が上記の範囲内であればよい。ポリシロキサン系シリコーンオイルとして、例えば、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル、フッ素化アルキルシリコーン等を挙げることができる。これらの2種以上を併用してもよい。
離型剤の添加割合は、配合する場合、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、また、好ましくは2質量部以下、より好ましくは1質量部以下である。離型剤の添加割合が下限値以下の場合、離型性の効果が十分でない場合があり、離型剤の添加割合が上限値を超える場合、耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染等が生じる可能性がある。離型剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
着色剤は、染料および顔料のいずれであってもよく、例えば、無機顔料、有機顔料、有機染料等を挙げることができる。無機顔料として、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、カドミウムイエロー等の硫化物系顔料;群青等の珪酸塩系顔料;酸化チタン、亜鉛華、弁柄、酸化クロム、鉄黒、チタンイエロー、亜鉛−鉄系ブラウン、チタンコバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック等の酸化物系顔料;黄鉛、モリブデートオレンジ等のクロム酸系顔料;紺青等のフェロシアン系顔料等を挙げることができる。また、着色剤としての有機顔料および有機染料として、例えば、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系染顔料(染料または顔料のことを染顔料という、以下同じ);ニッケルアゾイエロー等のアゾ系染顔料;チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系等の縮合多環染顔料;キノリン系、アンスラキノン系、複素環系、メチル系の染顔料等を挙げることができる。そして、これらの中では、熱安定性の点から、酸化チタン、カーボンブラック、シアニン系、キノリン系、アンスラキノン系、フタロシアニン系染顔料等が好ましい。
また、着色剤は、押出時のハンドリング性改良、樹脂組成物中への分散性改良の目的のために、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂とマスターバッチ化されたものも用いてもよい。
着色剤の添加割合は、配合する場合、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下であり、また、0.1質量部以上である。着色剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。2種以上用いる場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、厚さ1.0mmの試験片に成形した時のヘイズを1.0%以下とすることができる。下限は、0%が好ましいが、0.4%以上でも実用レベルである。ヘイズは、後述する実施例に記載の方法に従って測定される。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記ヘイズ、YI、ガラス転移温度、LOI値およびUL94試験による難燃性について、上記値のいずれも満たすことが好ましい。
本発明では、ポリカーボネート樹脂組成物から形成された成形品を開示する。
本発明の成形品は、上述した各種の好ましい形態、構成を含む本発明のポリカーボネート樹脂組成物から成形された成形品である。成形品の形状、模様、色彩、寸法等に制限はなく、その用途に応じて任意に設定すればよい。成形品として、具体的には、電気電子機器、OA(Office Automation)機器、情報端末機器、機械部品、家電製品、車輌部品、建築部材、各種容器、レジャー用品・雑貨類、照明機器等の部品、各種家庭用電気製品等の部品、電気器具のハウジング、容器、カバー、収納部、ケース、照明器具のカバーやケース等を挙げることができる。電気電子機器として、例えば、パーソナルコンピュータ、ゲーム機、テレビジョン受像機、液晶表示装置やプラズマ表示装置等のディスプレイ装置、プリンター、コピー機、スキャナー、ファックス、電子手帳や携帯情報末端(PDA)、電子式卓上計算機、電子辞書、カメラ、ビデオカメラ、携帯電話、電池パック、記録媒体のドライブや読み取り装置、マウス、テンキー、CD(Compact Disc)プレーヤー、MD(MiniDisc)プレーヤー、携帯ラジオ・オーディオプレーヤー等を挙げることができる。また、成形品として、電飾看板、液晶バックライト、照明ディスプレイ、交通標識、サインボード、スクリーン、反射板やメーター部品等の自動車部品、玩具、装飾品等も挙げることができる。
ジムロート管、窒素気流下で撹拌子を入れた500mL三口フラスコに、前述で合成した酢酸(6−ブロモ−2−ナフチル)エステル3.79g(14.3mmol)、トリメチルシリルアセチレン5.62g(57.2mmol)、テトラヒドロフラン200mL、トリエチルアミン50mLを入れ、撹拌した。ここにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.72g(1.49mmol)、ヨウ化銅0.53g(2.78mmol)を加え、遮光して室温で16時間反応させた。
反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去し、200mLのジエチルエーテルで抽出、蒸留水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、エバポレーターで溶媒を留去した。残留物をヘキサン/アセトン(6/1)の混合溶媒にてカラムクロマトグラフィーを行い、精製した。酢酸(6−トリメチルシリルエニチル−2−ナフチル)エステルを白色粉末として得た(3.66g(収率:90.6%))。
上記得られた化合物からトリメチルシリル基及びアセチル基の除去を行った。上記エステルを300mLのフラスコに入れ、窒素置換した。ここに炭酸水素ナトリウム3.5g、メタノール40mL、テトラヒドロフラン40mL、水60mLを加え、55℃で12時間、撹拌した。反応混合物を水150mLで希釈し、ジエチルエーテル40mLで5回、抽出した。これを硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過、エバポレーターにて濃縮、ヘキサン/アセトン(3/1)の混合溶媒にてカラムクロマトグラフィーを行い、精製した。得られた薄茶色粉末を減圧下室温で3時間乾燥し、標題化合物を得た(収率71%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, ppm): δ= 7.95 (s, 1H), 7.70 (d, 1H), 7.61 (d, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.12 (m, 2H), 5.20 (s, 1H), 3.11 (s, 1H).
反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去し、200mLのジエチルエーテルで抽出、蒸留水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、エバポレーターで溶媒を留去した。残留物をヘキサン/アセトン(6/1)の混合溶媒にてカラムクロマトグラフィーを行い、精製した。酢酸(6−フェニルエニチル−2−ナフチル)エステルを白色粉末として得た(0.96g(収率:23.4%))。
上記得られた化合物からアセチル基の除去を行った。上記エステル0.96g(3.35mmol)を300mLのフラスコに入れ、窒素置換した。ここに炭酸水素ナトリウム2.5g、メタノール25mL、テトラヒドロフラン25mL、水35mLを加え、55℃で12時間、撹拌した。反応混合物を水100mLで希釈し、ジエチルエーテル40mLで5回、抽出した。これを硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過、エバポレーターにて濃縮、ヘキサン/アセトン(3/1)の混合溶媒にてカラムクロマトグラフィーを行い、精製した。得られた薄茶色粉末を減圧下室温で3時間乾燥し、標題化合物を得た(収率42%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, ppm): δ= 7.98 (s, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.63 (d, 1H), 7.55 (m, 3H), 7.35 (m, 3H), 7.13 (m, 2H), 5.15 (s, 1H).
ジムロート管、窒素気流下で撹拌子を入れた500mL三口フラスコに、酢酸(6−ブロモ−2−ナフチル)エステル0.33g(1.24mmol)、1−エチニル−3,5−ジメトキシベンゼン0.81g(4.99mmol)、テトラヒドロフラン20mL、トリエチルアミン5mLを入れ、撹拌した。ここにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.15g(0.13mmol)、ヨウ化銅0.046g(0.24mmol)を加え、遮光して16時間加熱還流させた。
反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去し、50mLのジエチルエーテルで抽出、蒸留水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水、エバポレーターで溶媒を留去した。残留物をヘキサン/アセトン(5/1)の混合溶媒にてカラムクロマトグラフィーを行い、精製した。酢酸(6−(3,5−ジメトキシフェニル)エニチル−2−ナフチル)エステルを白色粉末として得た(0.05g(収率:11.6%))。
上記得られた化合物からアセチル基の除去を行った。上記エステル0.035g(0.1mmol)を30mLのフラスコに入れ、窒素置換した。ここに炭酸水素ナトリウム0.1g、メタノール1mL、テトラヒドロフラン1mL、水1.5mLを加え、55℃で12時間、撹拌した。反応混合物を水2mLで希釈し、ジエチルエーテル10mLで5回、抽出した。これを硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過、エバポレーターにて濃縮、ヘキサン/アセトン(3/1)の混合溶媒にてカラムクロマトグラフィーを行い、精製した。得られた薄茶色粉末を減圧下室温で3時間乾燥し、標題化合物を得た(収率11%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3, ppm): δ= 7.99 (s, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.61 (d, 1H), 7.54 (d, 1H), 7.12 (m, 2H), 6.72 (d, 2H), 6.47 (s, 1H), 5.03 (s, 1H), 3.82 (s, 6H).
9質量%の水酸化ナトリウム水溶液550mLに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下「BPA」と略称:新日鐵化学工業株式会社製)73.4g(0.32mol)とハイドロサルファイト0.6gを溶解した。これにジクロロメタン250mLを加えて撹拌しながら溶液温度を15℃〜25℃の範囲に保ちつつ、ホスゲン43gを約30分かけて吹き込んだ。
ホスゲン吹き込み終了後、9質量%の水酸化ナトリウム水溶液100mL、ジクロロメタン100mL、および、ジクロロメタン100mLに末端封止剤として前記6−フェニルエチニル−2−ナフトール3.02g(0.012mol)を溶解させた溶液を加え、激しく撹拌して乳化させた後、0.4mLのトリエチルアミンを加え、20〜27℃にて約40分間撹拌し、重合させた。
重合終了後、反応液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、洗液(水相)の導電率が10μS/cm以下になるまで水洗を繰り返した。この精製されたポリカーボネート樹脂溶液から有機溶媒を蒸発留去することによりポリカーボネート樹脂粉末を得た。得られたポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量Mvは、22,900であった。
9質量%の水酸化ナトリウム水溶液750mLにBPA(新日鐵化学工業株式会社製)105.4g(0.46mol)とハイドロサルファイト0.6gを溶解した。これにジクロロメタン350mLを加えて撹拌しながら溶液温度を15℃〜25℃の範囲に保ちつつ、ホスゲン62gを約40分かけて吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、9質量%の水酸化ナトリウム水溶液100mL、ジクロロメタン200mL、および、ジクロロメタン100mLに末端封止剤として前記6−エチニル−2−ナフトール2.98g(0.018mol)を溶解させた溶液を加え、激しく撹拌して乳化させた後、0.4mLのトリエチルアミンを加え、20〜27℃にて約40分間撹拌し、重合させた。
重合終了後、反応液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、洗液(水相)の導電率が10μS/cm以下になるまで水洗を繰り返した。この精製されたポリカーボネート樹脂溶液から有機溶媒を蒸発留去することによりポリカーボネート樹脂粉末を得た。得られたポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量Mvは、21,600であった。
9質量%の水酸化ナトリウム水溶液640mLにBPA(新日鐵化学工業株式会社製)100g(0.44mol)とハイドロサルファイト0.6gを溶解した。これにジクロロメタン360mLを加えて撹拌しながら溶液温度を15℃〜25℃の範囲に保ちつつ、ホスゲン57gを約40分かけて吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、9質量%の水酸化ナトリウム水溶液100mL、ジクロロメタン100mL、および、ジクロロメタン100mLに末端封止剤として前記p−t−ブチルフェノール2.72g(0.018mol)を溶解させた溶液を加え、激しく撹拌して乳化させた後、0.4mLのトリエチルアミンを加え、20〜27℃にて約40分間撹拌し、重合させた。
重合終了後、反応液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、洗液(水相)の導電率が10μS/cm以下になるまで水洗を繰り返した。この精製されたポリカーボネート樹脂溶液から有機溶媒を蒸発留去することによりポリカーボネート樹脂粉末を得た。得られたポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量Mvは、21,300であった。
特開2014−051538号公報の段落0067の記載に従って、p−フェニルエチニルフェノール基を末端に有するポリカーボネート樹脂を合成した。
難燃剤:パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩、大日本化学インキ工業株式会社製「商品名:メガファックF−114P」
安定剤:トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ADEKA社製「商品名:アデカスタブ2112」
離型剤1:ペンタエリスリトールテトラステアレート、コグニスジャパン株式会社製「商品名:ロキシオールVPG861」
離型剤2:ステアリン酸オクタデシル、日本油脂株式会社製「商品名:ユニスター M9676」
実施例1〜4および比較例1〜4に示すポリカーボネート樹脂組成物を、以下の方法で調製した。即ち、各成分を表1に示す含有量(質量部)で、混合した後、ラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製:30C150)を用いて、スクリュー回転数60rpm、ミキサ温度260℃の条件で3分間混練し、混練後に回収した樹脂塊を、粉砕機(株式会社セイシン企業製:オリエント粉砕機VM−16)にて、6mmφ以下のペレット状に粉砕し、ポリカーボネート樹脂組成物のサンプルを得た。
透明性(Haze)と色相(YI)の試験においては、得られたサンプルを、120℃で5時間乾燥した後、卓上射出成形機(HAAKE社製、MiniJet)にて、シリンダー温度300℃、金型温度100℃、余熱時間3分間、射出圧力900mbの条件で射出成形を行い、長さ50mm、幅30mm、厚さ1.0mmのプレート状成形品を試験片1として成形した。
難燃性(LOI)の試験においては、得られたサンプルを、120℃で5時間乾燥した後、卓上射出成形機(HAAKE社製、MiniJet)にて、シリンダー温度300℃、金型温度100℃、余熱時間3分間、射出圧力900mbの条件で射出成形を行い、Izod成形品を試験片2として成形した。
JIS K−7105に準じ、前記の試験片1(1mm厚)を試験片とし、日本電色工業(株)製のNDH−2000型ヘイズメーターでヘイズ値(単位「%」)を測定した。ヘイズ(Haze)は、樹脂の濁度の尺度として用いられる値であり、数値が小さい程、透明性が高いことを示し、好ましい。結果を表1に示す。なお、表中、「Haze」と表記する。
前記の試験片1(1mm厚)を試験片とし、JIS K−7105に準拠し、日本電色工業(株)製のSE2000型分光式色彩計で、透過法によりYI値(Yellow Index)を測定した。YI値が小さいほど樹脂の黄変度合いが低いことを示し好ましい。結果を表1に示す。なお、表中、「YI」と表記する。
得られたポリカーボネート樹脂組成物について、JIS K−7121に準じ、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製のDSC7020型高感度型示差走査熱量計でTgを測定した。Tgの数値が大きい程、耐熱性に優れることを示し、好ましい。結果を表1に示す。なお、表中、「Tg」と表記する。
上記で成形した試験片2(Izod試験片)を、温度23℃、相対湿度50%の恒温室の中で48時間調湿し、JIS K−7201「酸素指数法による高分子材料の燃焼試験方法」に準拠して試験を行った。本試験で燃焼酸素指数(LOI値)が26以上のものは防炎性(自己消火性)を有しているとされる。なお、表中、「LOI」と表記する。
上記で得られたポリカーボネート樹脂組成物を、射出成形機(住友重機械工業社製「SE50DUZ」)にて、シリンダー温度300℃、金型温度120℃の条件で12.5mm×125mm×厚み3.2mm、1.6mmまたは0.8mmの燃焼試験片を、それぞれ、射出成形した。難燃性の評価は、以下のようにして行った。
難燃性(UL94):
アンダーライターズ・ラボラトリーズのサブジェクト94(UL94)の方法に準じ、5本の試験片を用いて難燃性を試験し、V−0、V−1およびV−2、不適合(NG)に分類した。
また、2回着火時の最長燃焼時間(単位:秒)および2回着火時の燃焼時間の合計(単位:秒)について、測定した。測定は、各試験片について5回ずつ行い、その平均値として示した。また、たれ落ちがあったものについては、「たれ落ち」と記載した。
これに対し、本発明の範囲外のポリカーボネート樹脂組成物を用いた場合(比較例1〜4)、耐熱性および難燃性が劣っていた。
Claims (11)
- 前記安定剤が、熱安定剤および酸化防止剤から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物から形成された成形品。
Priority Applications (6)
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