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JP2018195545A - 荷電粒子線装置および走査像の歪み補正方法 - Google Patents

荷電粒子線装置および走査像の歪み補正方法 Download PDF

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JP2018195545A JP2017101201A JP2017101201A JP2018195545A JP 2018195545 A JP2018195545 A JP 2018195545A JP 2017101201 A JP2017101201 A JP 2017101201A JP 2017101201 A JP2017101201 A JP 2017101201A JP 2018195545 A JP2018195545 A JP 2018195545A
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Abstract

【課題】走査像の歪みを補正することができる荷電粒子線装置を提供する。【解決手段】荷電粒子線装置は、荷電粒子線を走査して走査像を取得する荷電粒子線装置であって、横線部と縦線部とがそれぞれ複数配列された格子状の構造体を有する試料を撮影して得られた格子画像をフーリエ変換して、基準方向に対する横線部の角度である第1角度および基準方向に対する縦線部の角度である第2角度を求める角度測定部384と、格子画像において横線部の周期、および縦線部の周期を測定する周期測定部386と、第1角度、第2角度、横線部の周期、および縦線部の周期に基づいて、荷電粒子線の走査を補正する制御を行う走査制御部388と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、荷電粒子線装置および走査像の歪み補正方法に関する。
走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)などの荷電粒子線装置では、生物、材料、半導体などの微細構造を観察、分析することができる。走査電子顕微鏡では、電子線を試料上で二次元的に走査し、電子線が照射されることで発生する二次電子や反射電子を検出して画像化する。
走査電子顕微鏡において、例えば、XY面内で二次元的に電子線を走査する際に、X方向の走査とY方向の走査とが直交していない場合、走査像(SEM像)に歪みが生じてしまう。このように、走査電子顕微鏡では、電子線の走査が適切でない場合、走査像に歪みが生じてしまう。
例えば、特許文献1には、円形の形状を持つ試料を用いて、走査像が正しく円形になるように走査偏向器を調整することで、走査像の歪みを補正する方法が開示されている。
特開2012−186099号公報
走査電子顕微鏡において、電子線の走査が適切に行われずに走査像に歪みが生じると、試料上の長さの計測を正確に行うことができない、また、試料の正確な形状を知ることができないなどの問題がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、走査像の歪みを補正することができる荷電粒子線装置を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、容易に走査像の歪みを補正することができる走査像の歪み補正方法を提供することにある。
(1)本発明に係る荷電粒子線装置は、
荷電粒子線を走査して走査像を取得する荷電粒子線装置であって、
横線部と縦線部とがそれぞれ複数配列された格子状の構造体を有する試料を撮影して得られた格子画像をフーリエ変換して、基準方向に対する前記横線部の角度である第1角度および前記基準方向に対する前記縦線部の角度である第2角度を求める角度測定部と、
前記格子画像において前記横線部の周期、および前記縦線部の周期を測定する周期測定部と、
前記第1角度、前記第2角度、前記横線部の周期、および前記縦線部の周期に基づいて、前記荷電粒子線の走査を補正する制御を行う走査制御部と、
を含む。
このような荷電粒子線装置では、格子画像から、第1角度、第2角度、横線部の周期、および縦線部の周期を測定して、荷電粒子線の走査を補正することができる。すなわち、このような荷電粒子線装置では、走査像の歪みの補正を自動で行うことができる。
(2)本発明に係る荷電粒子線装置において、
前記走査制御部は、
前記第1角度、前記第2角度、前記横線部の周期、および前記縦線部の周期から、前記走査像において、前記横線部の1周期分に対応する第1基本ベクトル、および前記縦線部の1周期分に対応する第2基本ベクトルを求め、
前記第1基本ベクトルおよび前記第2基本ベクトルに基づいて、前記荷電粒子線の走査を補正する制御を行ってもよい。
(3)本発明に係る荷電粒子線装置において、
前記周期測定部は、
前記格子画像の前記横線部の法線方向の輝度勾配のプロファイルから、前記横線部の周期を求め、
前記格子画像の前記縦線部の法線方向の輝度勾配のプロファイルから、前記縦線部の周期を求めてもよい。
(4)本発明に係る荷電粒子線装置において、
前記周期測定部では、
前記格子画像をフーリエ変換して、前記横線部の周期および前記縦線部の周期を求めてもよい。
(5)本発明に係る荷電粒子線装置において、
前記角度測定部は、
前記フーリエ変換により求められた前記横線部の角度を変化させつつ、変化させた前記横線部の法線方向の輝度勾配のプロファイルを取得し、取得した輝度勾配のプロファイルに基づき前記第1角度を決定し、
前記フーリエ変換により求められた前記縦線部の角度を変化させつつ、変化させた前記縦線部の法線方向の輝度勾配のプロファイルを取得し、取得した輝度勾配のプロファイルに基づき前記第2角度を決定してもよい。
(6)本発明に係る走査像の歪み補正方法は、
荷電粒子線を走査して走査像を取得する荷電粒子線装置における走査像の歪み補正方法であって、
横線部と縦線部とがそれぞれ複数配列された格子状の構造体を有する試料を撮影して得られた格子画像をフーリエ変換して、基準方向に対する前記横線部の角度である第1角度および前記基準方向に対する前記縦線部の角度である第2角度を求める工程と、
前記格子画像において前記横線部の周期、および前記縦線部の周期を測定する工程と、
前記第1角度、前記第2角度、前記横線部の周期、および前記縦線部の周期に基づいて、前記荷電粒子線の走査を補正する制御を行う工程と、
を含む。
このような走査像の歪み補正方法では、格子画像から、第1角度、第2角度、横線部の周期、および縦線部の周期を測定して、荷電粒子線の走査を補正することができる。そのため、このような走査像の歪み補正方法では、走査像の歪みの補正を、容易に行うことができる。
本実施形態に係る走査電子顕微鏡の構成を示す図。 走査信号発生器、SRT回路、走査方向補正回路、走査振幅調整回路、走査コイル駆動アンプを説明するための図。 格子画像の一例を示す図。 格子画像の縁部(四辺)をぼかした図。 格子画像をフーリエ変換した結果を示す図。 格子画像をフーリエ変換した結果を模式的に示す図。 フーリエ変換の結果の画像において、画像の中心から動径方向に輝度を積分した結果を示すグラフ。 格子画像の横線部の法線方向の輝度勾配のプロファイル。 輝度勾配のプロファイルにおいて最も絶対値が大きいピークを拡大した図。 格子画像の横線部の法線方向の輝度勾配のプロファイル。 格子画像の一例を示す図。 格子画像の横線部の法線方向の輝度勾配のプロファイル。 横線部の1周期分に対応する基本ベクトルおよび縦線部の1周期分に対応する基本ベクトルを示す図。 等方的倍率誤差を説明するための図。 角度誤差を説明するための図。 楕円歪み実数部を説明するための図。 楕円歪み虚数部を説明するための図。 走査補正装置における走査像の歪みを補正する処理の流れを示すフローチャート。 試料ステージに搭載された歪み測定用の標準試料を模式的に示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
また、以下では、本発明に係る荷電粒子線装置として、電子線を走査して走査像を取得する走査電子顕微鏡(SEM)を例に挙げて説明するが、本発明に係る荷電粒子線装置は電子線以外の荷電粒子線(イオン等)を走査して走査像を取得する装置であってもよい。本発明に係る荷電粒子線装置は、例えば、走査透過電子顕微鏡(STEM)や、半導体素子回路パターンの測長用走査電子顕微鏡、集束イオンビーム装置(FIB装置)などであってもよい。
1. 走査電子顕微鏡の構成
まず、本実施形態に係る走査電子顕微鏡の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る走査電子顕微鏡100の構成を示す図である。
走査電子顕微鏡100では、電子プローブで試料Sの表面を走査したときに電子プローブの照射点から放出される電子(二次電子および反射電子)を検出して画像化することができる。この結果、走査電子顕微鏡100では、走査像(二次電子像および反射電子像)を取得することができる。また、走査電子顕微鏡100では、自動で走査像の歪みを補正することができる。
走査電子顕微鏡100は、図1に示すように、電子源10と、コンデンサーレンズ12と、絞り14と、走査コイル16(走査偏向器)と、対物レンズ18と、試料ステージ20と、二次電子検出器22と、加速電圧用高圧電源24と、コンデンサーレンズ駆動アンプ26と、走査信号発生器28と、SRT回路30と、走査方向補正回路32と、走査振幅調整回路34と、走査コイル駆動アンプ36と、走査補正装置38と、フレームメモリ40と、画像表示装置42と、対物レンズ駆動アンプ44と、を含む。
電子源10は、電子線を放出する。電子源10は、例えば、公知の電子銃である。電子線は、光軸に沿って進行する。電子源10では、加速電圧用高圧電源24から印加される加速電圧によって電子が加速される。
コンデンサーレンズ12は、電子源10から放出された電子線を集束させる。コンデンサーレンズ12は、例えば、光軸に沿って複数配置されてもよい。コンデンサーレンズ12には、コンデンサーレンズ駆動アンプ26から駆動電流が供給される。
絞り14は、対物レンズ18に入射する電子線のうち、光軸近傍の電子線だけを通して、それ以外の電子線を遮蔽する。
走査コイル16は、コンデンサーレンズ12および対物レンズ18で集束された電子線(電子プローブ)を偏向させる。走査コイル16に走査コイル駆動アンプ36で増幅された走査信号が入力されると、走査コイル16は、走査信号に基づき電子線を偏向させる。この結果、電子プローブで試料S上を走査することができる。走査コイル16は、例えば、電子線をX方向に偏向させるためのコイルと、電子線をY方向に偏向させるためのコイルと、を有している。また、走査コイル16は、1段であってもよいし、光軸に沿って2段配置されていてもよい。
対物レンズ18は、電子源10から放出された電子線を集束して試料Sに照射する。対物レンズ18は、試料Sの直前に配置された電子プローブを形成するためのレンズである。対物レンズ18には、対物レンズ駆動アンプ44から駆動電流が供給される。
走査電子顕微鏡100は、上述した光学系の他に、レンズや絞りなどを備えていてもよい。
試料ステージ20には、試料Sが載置される。試料ステージ20は、試料Sを支持し、試料Sを移動させることができる。試料ステージ20は、試料Sを移動させるための駆動機構を有している。
二次電子検出器22は、電子線が試料Sに照射されることにより試料Sから発生した二次電子を検出する。走査電子顕微鏡100では、二次電子検出器22の出力信号に基づき、走査像(二次電子像)が生成される。
図示はしないが、走査電子顕微鏡100は、電子線が試料Sに照射されることにより試料Sから発生した反射電子を検出する反射電子検出器を備えていてもよい。走査電子顕微鏡100では、反射電子検出器の出力信号に基づき、走査像(反射電子像)が生成されてもよい。
走査電子顕微鏡100では、走査信号発生器28で発生した走査信号は、SRT回路30、走査方向補正回路32、走査振幅調整回路34、走査コイル駆動アンプ36を介して、走査コイル16に供給される。SRT回路30、走査方向補正回路32、および走査振幅調整回路34は、電子線の走査を補正する走査制御回路2を構成している。走査電子顕微鏡100では、走査制御回路2によって走査信号発生器28で発生した走査信号を補正することにより、歪みのない(歪みの少ない)走査像を取得することができる。
図2は、走査信号発生器28、SRT回路30、走査方向補正回路32、走査振幅調整回路34、走査コイル駆動アンプ36を説明するための図である。
走査信号発生器28は、走査コイル16を駆動させるための走査信号を発生させる。走
査信号は、例えば、電子線をラスター走査させるための信号である。ラスター走査とは、電子線を一次元的に走査して走査線を得、当該走査線をその垂直方向に走査して、二次元的な画像を得る手法である。走査信号は、横(水平)方向(走査線の方向)の走査を行う走査信号Hと、縦方向(走査線に垂直な方向)の走査を行う走査信号Vと、で構成されている。走査信号Hは、例えば、のこぎり波状の信号波形を有しており、走査信号Vは、例えば、ステップ状の信号波形を有している。
SRT(scan rotation)回路30は、電子線の走査方向の回転を調整するための回路である。SRT回路30は、例えば、試料ステージ20のX方向と、画面の横方向と、を一致させるために用いられる。SRT回路30は、走査信号発生器28で発生した走査信号に、電子線の走査方向を回転させるためのスキャンローテーション信号を付与する(スキャンローテーション信号を重畳する)。スキャンローテーションとは、電子線の走査方向を回転させることで電子線の走査領域を回転させることをいう。スキャンローテーションを行うことで、走査像を画面上で回転させることができる。
走査方向補正回路32は、電子線の走査方向を補正するための回路である。走査方向補正回路32は、例えば、電子線の横方向の走査の方向と、電子線の縦方向の走査の方向と、を直交させるために用いられる。走査方向補正回路32は、走査信号に、電子線の走査方向を変えるための走査方向変更信号を付与する(走査方向変更信号を重畳する)。これにより、電子線の横方向の走査の方向および電子線の縦方向の走査の方向を、それぞれ変化させることができる。
走査振幅調整回路34は、走査信号の振幅を調整するための回路である。走査信号の振幅を変えることで、走査領域の大きさを変えることができる。これにより、走査像の倍率を変えることができる。
走査コイル駆動アンプ36は、走査信号を増幅して、走査コイル16に供給する。
フレームメモリ40は、図1に示すように、二次電子検出器22の検出信号を受け付けて、走査像(画像データ)を記憶する。フレームメモリ40は、例えば、1フレーム分の記憶画素を備えている。二次電子検出器22の検出信号は、フレームメモリ40内の、走査信号に応じたアドレスの記憶画素に記憶される。
具体的には、フレームメモリ40に検出信号を記憶させる際には、アドレス発生器(図示せず)が、走査信号に応じて、フレームメモリ40の記憶画素のアドレスを選択するアドレス信号を生成し、フレームメモリ40に出力する。二次電子検出器22の検出信号は、フレームメモリ40内の選択されたアドレスの記憶画素に記憶される。これにより、検出信号は、フレームメモリ40内の電子線の走査位置に応じたアドレスの記憶画素に記憶される。この結果、フレームメモリ40には、走査像(画像データ)が記憶される。
画像表示装置42は、フレームメモリ40に記憶された画像データを読み出して、走査像を画面に表示する。
走査補正装置38は、フレームメモリ40から歪み測定用の試料の走査像(画像データ)を取得して、電子線の走査を補正する制御を行う。走査補正装置38の出力は、SRT回路30、走査方向補正回路32、および走査振幅調整回路34に入力される。
走査補正装置38は、図2に示すように、処理部380と、記憶部381と、を含む。
記憶部381は、処理部380のワーク領域となるもので、その機能はRAMや、RO
M、ハードディスクなどにより実現できる。記憶部381は、処理部380が各種の制御処理や計算処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部381は、処理部380が各種プログラムに従って実行した算出結果等を一時的に記憶するためにも使用される。
処理部380の機能は、例えば、各種プロセッサ(CPU、DSP等)でプログラムを実行することにより実現することができる。なお、処理部380の機能の少なくとも一部を、ASIC(ゲートアレイ等)などの専用回路により実現してもよい。処理部380は、像取得部382と、角度測定部384と、周期測定部386と、走査制御部388と、を含む。なお、走査補正装置38の各部の処理については、後述する。
走査電子顕微鏡100では、走査補正装置38で走査制御回路2を制御することにより、歪みのない(歪みの少ない)走査像を得ることができる。
2. 走査像の歪み補正方法
次に、本実施形態に係る走査電子顕微鏡100における、走査像の歪み補正方法について説明する。
走査像の歪みの補正は、格子状の構造体を有する試料を走査電子顕微鏡100で撮影して得られた格子画像(走査像)を用いて行われる。
2.1. 格子画像の取得
図3は、走査電子顕微鏡100で、格子状の構造体を有する試料を撮影して得られた格子画像(走査像)の一例を示す図である。
格子状の構造体は、図3に示すように、横線部および縦線部がそれぞれ複数配列されて構成されている。横線部および縦線部は、互いに直交している。横線部は等間隔で配置されている。同様に縦線部は等間隔で配置されている。横線部の周期(間隔)と縦線部の周期(間隔)とは、等しい。横線部の周期(間隔)および縦線部の周期(間隔)は、既知である。
格子状の構造体を有する試料を撮影して得られた格子画像には、複数の横線部および複数の縦線部によって構成された格子状の模様が含まれる。図3に示す例では、試料は、メッシュであり、図3に示す走査像(メッシュ画像)には、メッシュの横線(横線部)およびメッシュの縦線(縦線部)がそれぞれ複数(3つ)配列されて構成された格子状の模様が見られる。
以下、試料の横線部と試料ステージ20のX方向(基準方向)とが一致するように試料ステージ20が調整されているものとして説明する。なお、試料ステージ20のX方向と画面(走査像)のフレームの上下の辺とは平行であるものとする。
2.2. 角度測定
まず、図3に示す格子画像の縦線部および横線部の角度を測定する。具体的には、格子画像をフーリエ変換して、基準方向(ここでは試料ステージ20のX方向、すなわち画像の上下の辺に平行な方向)に対する横線部の角度θx(第1角度)および基準方向に対する縦線部の角度θy(第2角度)を求める。なお、基準方向は特に限定されず、任意の方向に設定することができる。
この測定は、平行な直線群は、フーリエ空間上ではそれと直交する方向の直線状になる、という事実を利用する。
格子画像に対してフーリエ変換を行う前に、図4に示すように、図3に示す格子画像の縁部(四辺)をぼかす。これは、離散フーリエ変換をする際に、四辺で画像が切られ、対辺と不連続につながってしまうことによるアーティファクトを防ぐためである。なお、格子画像に縦線部および横線部が多数含まれている場合は、このアーティファクトが相対的に小さくなるため、必ずしも格子画像の縁部をぼかす必要はない。
図5は、図4に示す格子画像をフーリエ変換した結果を示す図である。なお、図5では、中心がDC成分となる。なお、DC成分は零としている。図6は、図5に示す格子画像をフーリエ変換した結果を模式的に示す図である。
図5に示すフーリエ変換により現れる縦の線は、画像の縦方向に対してわずかに反時計回りに回転している(図6参照)。これは、図3に示す格子画像の横線部が画像の横方向に対してわずかに反時計回りに回転していることに対応している。同様に、図5に示すフーリエ変換により現れる横の線は、画像の横方向に対してわずかに時計回りに回転している(図6参照)。これは、図3に示す縦線部が画像の縦方向に対してわずかに時計回りに回転していることに対応している。
図7は、図5に示すフーリエ変換の結果の画像において、画像の中心から動径方向に輝度を積分した結果を示すグラフである。図7に示すグラフにおいて、一方のピークの現れる角度が、図5に示すフーリエ変換の縦の線の角度(すなわちθx+90°)であり、他方のピークの現れる角度が、図5に示すフーリエ変換の横の線の角度(すなわちθy+90°)である。この結果から、基準方向に対する横線部の角度θxおよび基準方向に対する縦線部の角度θyを求めることができる。
このように、格子画像をフーリエ変換して、横線部の角度θxおよび縦線部の角度θyを測定できたが、より精度を高めるために、実空間において角度θxおよび角度θyを測定する。
具体的には、本実施形態では、フーリエ変換により求められた横線部の角度を変化させつつ、変化させた横線部の法線方向の輝度勾配のプロファイルを取得し、取得した輝度勾配のプロファイルに基づき横線部の角度θxを決定する。同様に、フーリエ変換により求められた縦線部の角度を変化させつつ、変化させた縦線部の法線方向の輝度勾配のプロファイルを取得し、取得した輝度勾配のプロファイルに基づき縦線部の角度θyを決定する。
図8は、図3に示す格子画像の横線部の法線方向(基準方向に対して角度θx+90°傾いた方向)の輝度勾配のプロファイルである。なお、図8の横軸は格子画像の縦方向の位置であり、図8の縦軸は横線部に沿う方向(基準方向に対して角度θx傾いた方向)の輝度勾配の平均値である。
図8に示すグラフには、図3に示す格子画像に横線部が3本見えていることに対応して、横線部の下側のエッジ(横線部の下側のエッジは輝度勾配が正になる)に対応する3つの正側のピーク、および横線部の上側のエッジ(横線部の上側のエッジは輝度勾配が負になる)に対応する3つの負側のピークが確認できる。
ここで、図8に示すグラフの最も輝度勾配の絶対値が大きいピークは、図3の格子画像の最も明瞭なエッジに対応している。
図9は、図8に示す輝度勾配のプロファイルで最も絶対値が大きいピークを拡大した図
である。また、図9には、角度θxに+0.3°および−0.3°を加えたときの輝度勾配のプロファイルを拡大したものを、併せて示している。
図9に示すように、角度θx+0.3°および角度θx−0.3°よりも角度θxのときのピークのほうが絶対値が大きい。このことは、角度θx+0.3°および角度θx−0.3°よりも角度θxの方が実空間での横線部の角度の測定値として正しいことを意味している。このように、本工程では、フーリエ空間で求めた横線部の角度θxの近傍で、実空間での角度としてより確からしい角度を探し、その角度を改めて横線部の角度θxとする。
縦線部の角度θyについても同様に、フーリエ空間で求めた縦線部の角度θyの近傍で、実空間での角度としてより確からしい角度を探し、その角度を改めて縦線部の角度θyとする。
なお、格子画像に横線部および縦線部が多数含まれている場合には、フーリエ変換での測定で十分な精度が得られるため、上述した実空間での測定は行わなくてもよい。
2.3. 周期測定
次に、格子画像において横線部の周期、および縦線部の周期を測定する。
上記の横線部の角度θxを求める工程において得られた角度θxを用いて、横線部の法線方向の輝度勾配のプロファイルを取得し、当該輝度勾配のプロファイルから横線部の周期を求める。
図10は、格子画像の横線部の法線方向の輝度勾配のプロファイルである。なお、図10に示す輝度勾配のプロファイルは、図8に示す輝度勾配のプロファイルと同じである。
横線部の周期は、図10に示す格子画像の横線部の法線方向の輝度勾配のプロファイルから求めることができる。図10に示す輝度勾配のプロファイルに現れるピークの位置が横線部のエッジの位置に対応する。そのため、例えば、横線部の下側のエッジに対応する正側のピーク間の間隔から横線部の周期を求めることができる。また、横線部の上側のエッジに対応する負側のピーク間の間隔からも横線部の周期を求めることができる。正側のピーク間の間隔から求めた横線部の周期と負側のピーク間の間隔から求めた横線部の周期との平均値を、本測定の測定結果(横線部の周期)としてもよい。
なお、加速電圧、作動距離、試料印加電圧などの条件によっては、走査像のコントラストが変化し、輝度勾配のプロファイルのピークがどのエッジに対応するのか、判別が難しい場合がある。
図11は、格子画像の一例を示す図である。図12は、図11に示す格子画像の横線部の法線方向の輝度勾配のプロファイルである。なお、図12では、正側のピークについてピークの絶対値が大きい順にE1、E2、E3、・・・、E7の番号を伏している。
図12に示す輝度勾配のプロファイルおいて、絶対値が大きい順にピークE1、ピークE2、ピークE3を選択しても、ピークE1、ピークE2は下側のエッジに対応し、ピークE3は上側のエッジに対応するため、横線部の周期を測定するためのピークとして用いることができない。以下、図12に示す輝度勾配のプロファイルから横線部の周期を測定する方法について説明する。
最も輝度勾配の絶対値が大きいピークは、正側のピークであるピークE1であるため、
まず、正側のピークから横線部の下側のエッジに対応する3本の正側のピークを探す。具体的には、ある閾値(例えば輝度勾配の標準偏差)以上の輝度勾配を持つピークを見つけて、輝度勾配の降順にソートする。すなわち、ピークE1、ピークE2、ピークE3、ピークE4、ピークE5、ピークE6、ピークE7の順に並べる。
次に、7つのピークから3つのピークを取り出し、ピークの間隔が等間隔であり(例えば間隔が±3%以内)、かつ、ピークの間隔の平均値が試料の横線部の間隔(あらかじめ知られている試料の横線部のピッチ、公称のピッチ)に近い(例えば±20%以内)という条件を満たす組み合わせを探す。
7つのピークから3つのピークを取り出す際には、最小輝度勾配の降順に調べる。具体的には、(E1,E2,E3)の組み合わせについて上記の条件を満たすか調べた後に、(E1,E2,E4)を調べ、その後(E1,E3,E4)、(E2,E3,E4)、(E1,E2,E5)、・・・の順に調べる。そして、上記の条件を満たす3つのピークが見つかった時点でその組み合わせを3つの正側のピークとし、その時点で処理を終了する。すなわち、全部の組み合わせ(35通り)を調べる前に上記の条件を満たすものがあれば、その時点で処理を終了する。そして、この3つの正側のピークから横線部の周期を測定する。図12に示す例では、ピークE3、ピークE4、ピークE5が条件を満たす3つのピークとして取り出される。
負側のピークについても同様にして、横線部の周期を測定するが、3つのピークの組み合わせを探す際の条件は、ピークの間隔が等間隔であり、かつ、ピークの間隔の平均値が試料の横線部の間隔に近いという条件に加えて、ピークの間隔が正側のピークから測定された横線部の周期の測定値に近いという条件を加える。
このようにして、3つの正側のピークから求められた横線部の周期と、3つの負側のピークから求められた横線部の周期と、の平均値を、本工程の横線部の周期の測定値とする。
なお、縦線部の周期についても、上述した横線部の周期と同様に、格子画像の縦線部の法線方向の輝度勾配のプロファイルから求めることができる。
2.4. 走査制御
次に、横線部の角度θx、縦線部の角度θy、横線部の周期、および縦線部の周期に基づいて、電子線の走査の補正するための制御を行う。以下では、走査コイル16が1段であるものとして説明する。
図13は、横線部の1周期分に対応する基本ベクトルe、および縦線部の1周期分に対応する基本ベクトルeを示す図である。
測定された角度θx、角度θy、横線部の周期、および縦線部の周期から、横線部の1周期分に対応する基本ベクトルe=(x,y)、および縦線部の1周期分に対応する基本ベクトルe=(x,y)を求めることができる。
基本ベクトルeの向きは、横線部に沿った方向(基準方向に対して角度θx傾いた方向)であり、基本ベクトルeの大きさ(長さ)は、横線部の1周期分の大きさ(長さ)である。また、基本ベクトルeの向きは、縦線部に沿った方向(基準方向に対して角度θy傾いた方向)であり、基本ベクトルeの大きさ(長さ)は、縦線部の1周期分の大きさ(長さ)である。
なお、x、y、x、yは、1周期分の長さを1に規格化した値とする。x、y、x、yから、後述する式(1)、式(2)に示すようにして、走査像の歪みを4つの歪みの成分に分離して求めることができる。
電子線を走査して(i,j)番目のピクセル(画像の中心を(0,0)とし、右方向を+x、下方向を+yとする座標系とする)の信号を取ろうとするとき、試料面への到達位置(x,y)は、次式のように表される。
ここで、gは走査信号の波形の1ピクセル分を表す回路定数である。R(θ)は角度θの回転行列である。θsrtはSRT回路30における走査方向の回転角度である。Dは走査方向補正回路32の作用を表す行列であり、次式で表される。
は電子線の横方向の走査の方向を調整するために、走査信号Hの波形の一部を、走査信号Vが入力される走査コイル16(電子線をX方向に偏向させるコイル)に入力するためのDAC(D/Aコンバーター)の規格化DAC値(−1〜+1)である。dは電子線の縦方向の走査の方向を調整するために、走査信号Vの波形の一部を、走査信号Hが入力される走査コイル16(電子線をY方向に偏向させるコイル)に入力するためのDACの規格化DAC値(−1〜+1)である。εは回路定数である。
Kは走査振幅調整回路34の作用を表す行列であり、次式で表される。
は走査信号Hの振幅を調整するDACの規格化DAC値(0〜1)である。Kは走査信号Vの振幅を調整するDACの規格化DAC値(0〜1)である。fは走査コイル駆動アンプ36のゲインを表す回路定数である。Aは走査コイル16の偏向感度、配置方向、対物レンズ18との距離、対物レンズ18のレンズ作用、ラーモア(Larmor)回転、非点などを表す2×2行列であり、走査制御回路2の設定には依存しない定数行列である。
歪みのない走査像を得るためには、試料面への到達位置(x,y)が、次式のようになればよい。
ここで、Wは倍率1倍の基準幅、Mは走査電子顕微鏡100の観察倍率、Nは、走査像の横のピクセル数である。
しかし、実際には、倍率誤差、角度誤差、楕円歪みのために、走査像上(1,0)に見えなければならないベクトルがe=(x,y)に見え、(0,1)に見えなければならないベクトルがe=(x,y)に見えてしまったとする(図13参照)。
このとき、電子線の試料面への到達位置は、次式のようになってしまったといえる。
歪み行列Tは、歪みの成分(等方的倍率誤差β、角度誤差Δθ、楕円歪み実数部σx、楕円歪み虚数部σy)ごとに分離して表すと、次式のように表される。
図14は、等方的倍率誤差βを説明するための図である。なお、図14では、本来破線のように見えるべきものが、等方的倍率誤差βにより実線のように見えることを示している。
走査像に等方的倍率誤差βがある場合、図14に示すように、本来見えるべきものよりも、等方的に大きく(または小さく)見える。
図15は、角度誤差Δθを説明するための図である。なお、図15では、本来破線のように見えるべきものが、角度誤差Δθにより実線のように見えることを示している。
走査像に角度誤差Δθがある場合、図15に示すように、本来見えるべきものが、傾いて(画像の中心を回転中心として回転して)見える。
図16は、楕円歪み実数部σxを説明するための図である。図17は、楕円歪み虚数部σyを説明するための図である。なお、図16および図17では、本来破線のように見えるべきものが、楕円歪みにより実線のように見えることを示している。
楕円歪みは、本来、円として見えるべきものが、楕円として見られるような歪みである。なお、楕円歪み実数部σxは楕円の長軸方向および短軸方向が画面の横・縦と一致するような歪みであり、楕円歪み虚数部σyは、長軸方向および短軸方向が画面の横・縦と45°をなすような歪みである。
以下では、電子線の試料面への到達位置(x,y)が、理想的な位置(x,y)idealになるためには、走査制御回路2の設定をどのように変えればよいかを説明する。
θsrtをθsrt+Δθsrtに、DをD’に、KをK’に、それぞれ変えることによって、(x,y)が(x,y)idealになったとして方程式をたてると次式のようになる。
ただし、Iは2×2の単位行列である。
よって、次式が導かれる。
ただし、(δx,δy)は以下のようにおいた。
つまり、理想的な走査像を得るためには、次式のようにすればよいことがわかる。
上記式を成分ごとに書き下せば、走査方向補正回路32および走査振幅調整回路34の規格化DAC値d、d、k、kをどのように変えればよいかがわかる(次式(3)参照)。
3. 走査補正装置の処理
図18は、走査補正装置38における走査像の歪みを補正する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、像取得部382が格子画像を取得する(S100)。
像取得部382は、格子状の構造体を有する試料を撮影して得られた格子画像を取得する。像取得部382は、フレームメモリ40から格子画像(画像データ)を読み出して、格子画像を取得する。
次に、角度測定部384が格子画像をフーリエ変換して、基準方向に対する横線部の角度θxおよび基準方向に対する縦線部の角度θyを求める(S102)。
角度測定部384は、上述した「2.2. 角度測定」で説明した手法により、横線部の角度θxおよび縦線部の角度θyを求める。
次に、周期測定部386が格子画像における横線部の周期、および格子画像における縦線部の周期を測定する(S104)。
周期測定部386は、格子画像の横線部の法線方向の輝度勾配のプロファイルから横線部の周期を求め、格子画像の縦線部の法線方向の輝度勾配のプロファイルから縦線部の周期を求める。周期測定部386は、上述した「2.3. 周期測定」で説明した手法により、横線部の周期および縦線部の周期を求める。
次に、走査制御部388が横線部の角度θx、縦線部の角度θy、横線部の周期、および縦線部の周期に基づいて、電子線の走査を補正する制御を行う(S106)。
走査制御部388は、横線部の角度θx、縦線部の角度θy、横線部の周期、および縦線部の周期から講師画像において横線部の1周期分に対応する第1基本ベクトルeおよび縦線部の1周期分に対応する第2基本ベクトルeを求め、第1基本ベクトルeおよび第2基本ベクトルeに基づき電子線の走査を補正する制御を行う。具体的には、走査制御部388は、第1基本ベクトルeおよび第2基本ベクトルeに基づき、SRT回路30、走査方向補正回路32、および走査振幅調整回路34を制御するための制御信号
(DAC値)を生成して、電子線の走査を補正する制御を行う。走査制御部388は、上述した「2.4. 走査制御」で説明した手法により、電子線の走査を補正する制御を行う。なお、電子線の走査を補正するために必要なパラメーター(試料の縦線部の周期、試料の横線部の周期、各回路の回路定数等)は、あらかじめ記憶部381に記憶されている。
走査制御部388が生成した制御信号(DAC値)は、記憶部381に記憶される。走査制御部388は、記憶部381から制御信号を読み出して、制御信号を走査制御回路2に出力する。この結果、走査電子顕微鏡100では、電子線の走査が常に補正されることとなり、歪みのない(歪みの少ない)走査像を取得することができる。
4. 特徴
走査電子顕微鏡100は、例えば、以下の特徴を有する。
走査電子顕微鏡100では、角度測定部384が、横線部と縦線部とがそれぞれ複数配列されて構成されている格子状の構造体を有する試料を撮影して得られた格子画像をフーリエ変換して、基準方向に対する横線部の角度θxおよび基準方向に対する縦線部の角度θyを求める。また、周期測定部386が格子画像において横線部の周期、および縦線部の周期を測定し、走査制御部388が角度θx、角度θy、横線部の周期、および縦線部の周期に基づいて、電子線の走査を補正する制御を行う。そのため、走査電子顕微鏡100では、走査像の歪みの補正を自動で行うことができる。これにより、走査像の歪みの補正にユーザーが介在しないため、装置の調整のばらつきを低減できる。また、装置の調整のための作業時間を低減できる。また、走査電子顕微鏡100によれば、装置の生産性、装置の保守にかかるコストを低減できる。さらに、ユーザーが常に精度の良い状態で装置を使用することができる。
走査電子顕微鏡100では、走査制御部388は横線部の角度θx、縦線部の角度θy、横線部の周期、および縦線部の周期から、格子画像において、横線部の1周期分に対応する第1基本ベクトルeおよび縦線部の1周期分に対応する第2基本ベクトルeを求め、第1基本ベクトルeおよび第2基本ベクトルeに基づいて、電子線の走査を補正する制御を行う。そのため、走査像の歪みの補正を自動で行うことができる。
走査電子顕微鏡100では、周期測定部386は、格子画像の横線部の法線方向の輝度勾配のプロファイルから横線部の周期を求め、格子画像の縦線部の法線方向の輝度勾配のプロファイルから縦線部の周期を求める。そのため、走査電子顕微鏡100では、走査像の歪みの補正を自動で行うことができる。
本実施形態に係る走査像の歪み補正方法は、横線部と縦線部とがそれぞれ複数配列されて構成されている格子状の構造体を有する試料を撮影して得られた格子画像をフーリエ変換して、基準方向に対する横線部の角度θxおよび基準方向に対する縦線部の角度θyを求める工程と、格子画像において前記横線部の周期、および縦線部の周期を測定する工程と、第1角度、第2角度、横線部の周期、および縦線部の周期に基づいて、電子線の走査を補正する制御を行う工程と、を含む。そのため、容易に、走査像の歪みを補正することができる。
5. 変形例
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
5.1. 第1変形例
上述した実施形態では、走査コイル16が1段の場合について説明したが、走査コイル16が光軸に沿って2段配置されていてもよい。この場合、各段の走査コイル16の各々について、上記式(3)に示すようにDAC値を変化させればよい。
本変形例においても、上述した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
5.2. 第2変形例
上述した実施形態では、横線部の周期および縦線部の周期を格子画像の輝度勾配のプロファイルから求めたが(「2.3. 周期測定」参照)、横線部の周期および縦線部の周期を測定する手法はこれに限定されない。例えば、格子画像をフーリエ変換して、横線部の周期および縦線部の周期を求めてもよい。格子画像をフーリエ変換して得られるフーリエ空間では、横線部および縦線部の各々について、1周期分の空間周波数に相当する点にピークが現れるので、そのピークと中心との間の距離から、横線部の周期および縦線部の周期を求めることができる。この手法は、格子画像に横線部および縦線部が多数含まれている場合に有効である。
本変形例においても、上述した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
5.3. 第3変形例
上述した実施形態では、格子状の構造体を含む試料を試料ステージ20に載置して、格子画像を取得したが、試料ステージ20にあらかじめ格子状の構造体が標準試料として搭載されていてもよい。
図19は、試料ステージ20に搭載された歪み測定用の標準試料4を模式的に示す図である。なお、図19では、試料ステージ20を光軸方向からみた(平面視した)図である。
図19に示すように、試料ステージ20の端部には、標準試料4が搭載されている。標準試料4は、横線部4aと縦線部4bとが複数配列された格子状の構造体を有している。横線部4aの周期(間隔)および縦線部4bの周期(間隔)の情報は、あらかじめ走査補正装置38の記憶部381に記憶されている。
本変形例に係る走査電子顕微鏡では、例えば、ユーザーが任意の観察条件において、歪み補正開始の指示を入力すると、試料ステージ20が自動的に標準試料4の位置に移動し、オートアライメント、オートフォーカス、オートスティグマなどの処理が行われ、標準試料の画像(格子画像)が撮影される。そして、上述した実施形態と同様に、走査像の歪みの補正が行われる。そのため、任意の観察条件において、歪みのない(歪みの少ない)走査像を、容易に得ることができる。
また、このような走査電子顕微鏡において、ユーザーが全条件での歪み補正開始の指示を入力すると、試料ステージ20が自動的に標準試料4の位置に移動し、加速電圧、作動距離、試料印加電圧を多数の条件(例えば加速電圧10通り、作動距離4通り、試料印加電圧2通り)にセットしながら、標準試料の画像(格子画像)が撮影される。そして、上述した実施形態と同様に、走査像の歪みの補正が行われる。この結果、様々な観察条件において、観察条件に応じた電子線の走査の補正が行われ、歪みのない(歪みの少ない)走査像を得ることができる。なお、任意の条件における走査像の歪みの補正を行う際には、上記で取得された多数の条件でのデータを補間して用いてもよい。
なお、上述した実施形態及び変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…走査制御回路、4…標準試料、4a…横線部、4b…縦線部、10…電子源、12…コンデンサーレンズ、14…絞り、16…走査コイル、18…対物レンズ、20…試料ステージ、22…二次電子検出器、24…加速電圧用高圧電源、26…コンデンサーレンズ駆動アンプ、28…走査信号発生器、30…SRT回路、32…走査方向補正回路、34…走査振幅調整回路、36…走査コイル駆動アンプ、38…走査補正装置、40…フレームメモリ、42…画像表示装置、44…対物レンズ駆動アンプ、100…走査電子顕微鏡、380…処理部、381…記憶部、382…像取得部、384…角度測定部、386…周期測定部、388…走査制御部

Claims (6)

  1. 荷電粒子線を走査して走査像を取得する荷電粒子線装置であって、
    横線部と縦線部とがそれぞれ複数配列された格子状の構造体を有する試料を撮影して得られた格子画像をフーリエ変換して、基準方向に対する前記横線部の角度である第1角度および前記基準方向に対する前記縦線部の角度である第2角度を求める角度測定部と、
    前記格子画像において前記横線部の周期、および前記縦線部の周期を測定する周期測定部と、
    前記第1角度、前記第2角度、前記横線部の周期、および前記縦線部の周期に基づいて、前記荷電粒子線の走査を補正する制御を行う走査制御部と、
    を含む、荷電粒子線装置。
  2. 請求項1において、
    前記走査制御部は、
    前記第1角度、前記第2角度、前記横線部の周期、および前記縦線部の周期から、前記走査像において、前記横線部の1周期分に対応する第1基本ベクトル、および前記縦線部の1周期分に対応する第2基本ベクトルを求め、
    前記第1基本ベクトルおよび前記第2基本ベクトルに基づいて、前記荷電粒子線の走査を補正する制御を行う、荷電粒子線装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記周期測定部は、
    前記格子画像の前記横線部の法線方向の輝度勾配のプロファイルから、前記横線部の周期を求め、
    前記格子画像の前記縦線部の法線方向の輝度勾配のプロファイルから、前記縦線部の周期を求める、荷電粒子線装置。
  4. 請求項1または2において、
    前記周期測定部では、
    前記格子画像をフーリエ変換して、前記横線部の周期および前記縦線部の周期を求める、荷電粒子線装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、
    前記角度測定部は、
    前記フーリエ変換により求められた前記横線部の角度を変化させつつ、変化させた前記横線部の法線方向の輝度勾配のプロファイルを取得し、取得した輝度勾配のプロファイルに基づき前記第1角度を決定し、
    前記フーリエ変換により求められた前記縦線部の角度を変化させつつ、変化させた前記縦線部の法線方向の輝度勾配のプロファイルを取得し、取得した輝度勾配のプロファイルに基づき前記第2角度を決定する、荷電粒子線装置。
  6. 荷電粒子線を走査して走査像を取得する荷電粒子線装置における走査像の歪み補正方法であって、
    横線部と縦線部とがそれぞれ複数配列された格子状の構造体を有する試料を撮影して得られた格子画像をフーリエ変換して、基準方向に対する前記横線部の角度である第1角度および前記基準方向に対する前記縦線部の角度である第2角度を求める工程と、
    前記格子画像において前記横線部の周期、および前記縦線部の周期を測定する工程と、
    前記第1角度、前記第2角度、前記横線部の周期、および前記縦線部の周期に基づいて、前記荷電粒子線の走査を補正する制御を行う工程と、
    を含む、走査像の歪み補正方法。
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