JP2018194488A - 間質性肺炎の病期の判別を補助する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】間質性肺炎の病期の判別を補助し、これにより詳細な臨床情報の取得を補助することができる新規な方法を提供すること。
【解決手段】間質性肺炎の病期の判別を補助する方法は、ヒトの第1検体中の、プロスタグランジンE2及びその代謝物よりなる群より選択される少なくとも1つの炎症マーカーを測定する工程と、ヒトの第2検体中のKL−6を測定する工程とを含む。第1検体としては尿検体が好ましく、炎症マーカーとしては尿中プロスタグランジンE2主要代謝物が好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】間質性肺炎の病期の判別を補助する方法は、ヒトの第1検体中の、プロスタグランジンE2及びその代謝物よりなる群より選択される少なくとも1つの炎症マーカーを測定する工程と、ヒトの第2検体中のKL−6を測定する工程とを含む。第1検体としては尿検体が好ましく、炎症マーカーとしては尿中プロスタグランジンE2主要代謝物が好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、間質性肺炎の病期の判別を補助する方法に関する。
間質性肺炎とは、肺胞壁及びその周辺に生じる炎症や線維化等の疾患の総称であり、原因不明で生じる特発性間質性肺炎(IIPs)と、膠原病、薬剤、放射線、感染症、粉じん等を原因として発症する間質性肺炎とに分けられる。IIPsの半数以上を占めるのが特発性肺線維症(IPF)である。IPFは慢性かつ進行性の経過を示し、高度の線維化を生じる疾患である。IPFを含む間質性肺炎の鑑別診断・病期判定は、高分解能コンピューター断層撮影(HRCT)を用いて行われる。特に、経過観察における疾患の重症度判定は、HRCTで肺の線維化の度合いを観察することにより行われる。
HRCTに加えて、間質性肺炎の病期の判別方法として、シアル化糖鎖抗原の1種である、KL−6が広く知られている(非特許文献1)。また、間質性肺炎の症状を判断するマーカーとしては、血清中のサーファクタントプロテインD(SP-D)、サーファクタントプロテインA(SP−A)、尿中プロスタグランジン主要代謝物(PGE−MUM)も知られている(特許文献1)。
間質性肺炎の病態には炎症と線維化が重要である。間質性肺炎の重症度の高い病期には、活動性炎症期、線維化進展期が存在する。炎症が主体であれば副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤などが治療に用いられ、線維化が主体であれば抗線維化薬が使用されるため、その判別が臨床上重要である。
Kohno N, et al. New serum indicator of interstitial pneumonitis activity. Sialylated carbohydrate antigen KL-6. Chest, 1989; 96(1): 68-73
Janssen R, et al. Study of clara cell 16, KL-6 and surfactant protein-D in serum as disease markers in pulmonary sarcoidosis. Chest, 2003; 124 (6): 2119-2125
Best AC, Meng J, Lynch AM, et al. Idiopathic pulmonary fibrosis: physiologic tests, quantitative CT indexes, and CT visual scores as predictors of mortality. Radiology. 2008; 246(3):935-940
上記の通り、間質性肺炎の病期の判別には、高分解能CTによる肺の線維化の観察が必要である。しかしながら、HRCTは高価であるため利用可能な施設は限られ、また、被曝のリスクもあるため、頻回な実施は困難である。一方、上記のとおり、間質性肺炎の病期マーカーとして、KL−6、SP-D、SP-A及びPGE−MUM等が知られている。
Rob Janssenらは、間質性肺疾患の一つであるサルコイドーシスの患者について、その病期(ステージ)ごとにKL−6を測定した。診断時のサルコイドーシスの評価は、胸部X線写真によるスコアリングを行い、実質性の浸潤が無い場合はステージ1、実質性の浸潤がある場合をステージ2または3とした。健常38症例のKL−6平均測定値は177U/mLであったのに対し、28症例のステージ1におけるKL−6の平均測定値は269U/mL、ステージ2及び3では451U/mLであり、重症度に従って健常からステージ1、2とKL−6測定値は上昇したが、一方でステージ2から3では測定値はほぼ同程度であった(非特許文献2)。このように、KL−6は、間質性肺炎において、一定以上線維化が進むと測定値がほぼ平衡となることから、間質性肺炎の重症例における臨床判断においては、KL−6を単独で測定するよりも、より詳細な情報が必要であることが示唆された。
したがって、本発明の目的は、間質性肺炎の病期の判別を補助し、これにより詳細な臨床情報の取得を補助することができる新規な方法を提供することである。
本願発明者等は、鋭意研究の結果、PGE−MUMとKL−6の両者を測定し、これらを組み合わせることにより、間質性肺炎の病期の判別を補助し、これにより詳細な臨床情報を得ることが可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)間質性肺炎の病期の判別を補助する方法であって、ヒトの第1検体中の、プロスタグランジンE2及びその代謝物よりなる群より選択される少なくとも1つの炎症マーカーを測定する工程と、ヒトの第2検体中のKL−6を測定する工程と、を含む、方法。
(2)前記第1検体が尿検体であり、前記炎症マーカーが尿中プロスタグランジンE2主要代謝物である、(1)に記載の方法。
(3)前記第2検体が血液検体である、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)前記間質性肺炎が、特発性肺線維症である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の方法。
(5)間質性肺炎の病期の判別を補助する方法であって、ヒトの第1検体中の、プロスタグランジンE2及びその代謝物よりなる群より選択される少なくとも1つの炎症マーカーを測定する工程と、
肺の線維化を測定する工程と、
を含む、方法。
(6)肺の線維化を測定する方法が高分解能コンピューター断層撮影(HRCT)である、(5)に記載の方法。
(1)間質性肺炎の病期の判別を補助する方法であって、ヒトの第1検体中の、プロスタグランジンE2及びその代謝物よりなる群より選択される少なくとも1つの炎症マーカーを測定する工程と、ヒトの第2検体中のKL−6を測定する工程と、を含む、方法。
(2)前記第1検体が尿検体であり、前記炎症マーカーが尿中プロスタグランジンE2主要代謝物である、(1)に記載の方法。
(3)前記第2検体が血液検体である、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)前記間質性肺炎が、特発性肺線維症である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の方法。
(5)間質性肺炎の病期の判別を補助する方法であって、ヒトの第1検体中の、プロスタグランジンE2及びその代謝物よりなる群より選択される少なくとも1つの炎症マーカーを測定する工程と、
肺の線維化を測定する工程と、
を含む、方法。
(6)肺の線維化を測定する方法が高分解能コンピューター断層撮影(HRCT)である、(5)に記載の方法。
本発明により、間質性肺炎の病期の判別を補助することができる新規な方法が提供された。
本発明の方法では、ヒトの第1検体中の、プロスタグランジンE2及びその代謝物よりなる群より選択される少なくとも1つの炎症マーカーを測定する。検体中のプロスタグランジンE2を測定してもよいが、プロスタグランジンE2は比較的安定性が低く、正確な測定が容易ではないことから、測定対象をプロスタグランジンE2量を反映し得るプロスタグランジンE2代謝物としてもよく、特に尿中プロスタグランジンE2主要代謝物(PGE−MUM)とすることが好ましい。ヒトの第1検体は、ヒトから採取される試料であれば特に限定されるものではなく、血清、血漿、全血、尿、便、口腔粘膜、咽頭粘膜、腸管粘膜および生検試料(例、腸管試料、肝臓試料)等をいずれも使用可能であるが、測定対象をPGE−MUMとする場合は尿を選択する。PGE−MUMは、RIA等の免疫測定法により測定可能であり、その測定法自体は公知であり(例えば、特許文献1)、その測定のためのキットも市販されているので、それらを用いて容易に測定することができる。ただし、本発明の方法は、測定手段に依らないのでいずれの測定手段を用いてもよい。
本発明の方法において、病期の判別の対象となる疾患は、間質性肺炎である。間質性肺炎は、原因不明で生じる特発性間質性肺炎(IIPs)と、膠原病、薬剤、放射線、感染症、粉じん等を原因として発症する間質性肺炎とに分けられるが、本発明の方法は、IIPs、特に特発性肺線維症(IPF)を対象疾患とすることが好ましい。
さらに、本発明では、ヒトの第2検体中のKL−6を測定する。ヒトの第2検体は、第1検体と同一でも異なっていてもよいが、血液検体(全血、血清及び血漿並びにこれらの希釈物)が好ましく、特に血清検体が好ましい。血清中のKL−6の測定方法は公知であり、測定キットも市販されているので、それらを用いて容易に測定することができる。
本明細書において、間質性肺炎の病期は、HRCTで観察した肺の線維化度合いを示す、線維化スコア(FS:fibrosing score)を基準とする。発明者らは、非特許文献3に記載の方法を参照して、左右の肺の3つの領域(上葉、中葉、下葉)について、HRCTで観察された、すりガラス様陰影(GGO)、網状影、蜂巣肺及び肺気腫の領域が占める割合を百分率で定量化して平均値を求めた。このうち、蜂巣肺所見及び網状影の領域を定量化した値の平均値をFSとした。本明細書において、各異常領域の定量化は、Image J ソフトウェアを用いて行ったが、これに限られるものではない。FSに基づいて、間質性肺炎(IP)患者は、以下の基準により、軽症から重症に向かって、グループ1〜4に分けられる。
グループ1:FS 2.5以下
グループ2:FS 2.5超5以下
グループ3:FS 5超10以下
グループ4:FS 10超
グループ1:FS 2.5以下
グループ2:FS 2.5超5以下
グループ3:FS 5超10以下
グループ4:FS 10超
グループ1〜3、特にグループ3のIP患者は、病状の進行が進む増悪傾向が見られる活動性炎症期の患者であるが、グループ4の患者では、活動性炎症期の患者と、病状の進行がほぼ止まった状態になる線維化進展期の患者が混在し、その多くは線維化進展期の患者である。活動性炎症期、特にグループ3の患者においては、進行を遅らせるために、ステロイド療法、免疫抑制剤等の治療を積極的に行う必要がある。一方で、線維化進展期の患者については、抗線維化薬による治療が必要とされる。このように、上記のグループ分け、とりわけ活動性炎症期、線維化進展期の判別は、その治療方針が明確に異なるため、適時に正確に行うことが要求される。しかし、HRCTによる観察は頻回に実施することはできないことから、より容易かつ非侵襲的にこれらのグループ分けを補助する方法が求められる。
後述の実施例にて、既存の間質性肺炎のマーカーである血清KL−6について、各グループでの測定値を比較した(図1)。KL−6測定値は、活動性炎症期(グループ1〜3)においては、FSの上昇に従って上昇するものの、グループ3、4間ではその測定値に有意差が見られず、KL−6値が平衡に達したことがわかる。グループ4においては活動性炎症期、線維化進展期の患者を含むにもかかわらずKL−6値はいずれも高値を示し、KL−6測定値単独では、これらの判別が困難である。
一方、PGE−MUMについて、各グループでの測定値を比較した(図1)。PGE−MUM測定値は、活動性炎症期(グループ1〜3)においては、FSの上昇に従って上昇したが、グループ4の線維化進展期は、測定値が減じていた。
発明者らは、グループ毎のKL−6とPGE−MUMの変動傾向の差異に着目し、これらの測定値を組合せることで、グループ4の線維化進展期の患者を高効率で判別できることを見出した。すなわち、下記実施例に具体的に記載されるとおり、血清KL−6濃度及びPGE−MUM濃度にそれぞれカットオフ値を設定し、グループ4において、KL−6濃度がカットオフ値以上、かつ、PGE-MUM濃度がカットオフ値以下のものを線維化進展期である可能性が高いと判定することができる。なお、上記した通り、PGE−MUMは、血液その他の体成分中のプロスタグランジンE2の値を反映可能な指標の1つとして例示しているが、他のプロスタグランジンE2の測定値を反映し得る指標(例えば、PGAM、PGEM)を安定的に測定可能であれば、これに替えることが可能であるのは明らかである。本発明は、測定対象をPGE−MUMに限定するものではない。また測定法に関してもプロスタグランジンE2やその類似体、代謝物に対する抗体を用いたRIA法以外にも、EIA法、IA法、免疫カラムを用いた方法、HPLC等の分離ステップを組み合わせた質量分析器(マススペクトロメーター)を用いた方法等をいずれも使用可能であり、その測定法は特に限定されるものではない。
血清KL−6のカットオフ値としては、適宜最も判別効率の高い値を選択可能であるが、特に、通常の臨床検査(CLEIA法)でカットオフ値とされる500U/mLを好適に使用できる。一方、PGE−MUMの測定値は、現在のところ、ゴールデンスタンダードが存在せず、測定系によって測定値が異なるという事態が生じ得るため、一定の値を規定することは困難であるため、使用する測定系における健常者検体(好適には120例以上)の測定値の平均値に標準偏差の2倍を加算した値(AVE+2SD)を基準として、これより高い値に設定することが好ましい。さらに、KL−6のカットオフ値を固定した上で、PGE−MUM測定値のROC(受診者動作特性曲線)分析を行い、最適値を設定してもよい。
なお、KL−6はII型肺胞上皮細胞から分泌され、間質性肺炎による肺胞のダメージ、線維化の程度を反映する。一方、PGE−MUMは、TGF−βによって化生上皮細胞に過剰発現したCOX−2の酵素活性によりアラキドン酸より精製されたPGE2が、その後、代謝されることで尿中に排泄されるものであり、炎症の活動度を反映する。このように、KL−6とPGE−MUMとは測定対象が異なる。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
1. 測定方法
<線維化スコア(fibrosing score, FS)>
左右の肺の3つの領域(上葉、中葉、下葉)について、HRCTで観察された、蜂巣肺所見及び網状影の領域が占める割合を百分率で定量化して平均値を求め、FSとした。異常領域の定量化は、Image J ソフトウェアを用いて行った。FSに基づいて、間質性肺炎(IP)患者を、以下の基準により、軽症から重症に向かって、グループ1〜4に分類した。
グループ1:FS 2.5以下
グループ2:FS 2.5超5以下
グループ3:FS 5超10以下
グループ4:FS 10超
<線維化スコア(fibrosing score, FS)>
左右の肺の3つの領域(上葉、中葉、下葉)について、HRCTで観察された、蜂巣肺所見及び網状影の領域が占める割合を百分率で定量化して平均値を求め、FSとした。異常領域の定量化は、Image J ソフトウェアを用いて行った。FSに基づいて、間質性肺炎(IP)患者を、以下の基準により、軽症から重症に向かって、グループ1〜4に分類した。
グループ1:FS 2.5以下
グループ2:FS 2.5超5以下
グループ3:FS 5超10以下
グループ4:FS 10超
グループ1〜3、特にグループ3の患者は、活動性炎症期の患者であり、グループ4の患者には、活動性炎症期の患者と線維化進展期の患者が混在するが、その多くは線維化進展期の患者である。以降、グループ1〜3を「活動性炎症期」、グループ4を「線維化進展期」とも称する。
<PGE−MUM濃度の測定>
各尿検体を個々にPGE−MUMアッセイに供した。市販の放射免疫測定(RIA)キット(ハンガリー国ブダペスト、Institute of Isotopes Co., Ltd.製)を用いて、添付文書記載の方法に従って尿中PGE-MUM濃度を測定した。なお、PGE−MUM濃度は、尿体積に依存するので、尿中クレアチニン(Cr)濃度で除して正規化した(μg/g Cr)。
各尿検体を個々にPGE−MUMアッセイに供した。市販の放射免疫測定(RIA)キット(ハンガリー国ブダペスト、Institute of Isotopes Co., Ltd.製)を用いて、添付文書記載の方法に従って尿中PGE-MUM濃度を測定した。なお、PGE−MUM濃度は、尿体積に依存するので、尿中クレアチニン(Cr)濃度で除して正規化した(μg/g Cr)。
<KL−6濃度の測定>
血清KL−6濃度を市販のキット(ナノピア KL−6、エーザイ株式会社製)により、添付文書記載の方法に従って測定した。
血清KL−6濃度を市販のキット(ナノピア KL−6、エーザイ株式会社製)により、添付文書記載の方法に従って測定した。
2. 実験
特発性肺線維症患者36名について、高分解能コンピューター断層撮影(HRCT)の画像に基づいて線維化スコアを調べ、グループ1〜4に分類した。また、これらの患者から尿検体と血清検体をそれぞれ採取し、PGE−MUM濃度とKL−6濃度を測定した。
特発性肺線維症患者36名について、高分解能コンピューター断層撮影(HRCT)の画像に基づいて線維化スコアを調べ、グループ1〜4に分類した。また、これらの患者から尿検体と血清検体をそれぞれ採取し、PGE−MUM濃度とKL−6濃度を測定した。
図1左図は、各グループのKL−6濃度の分布を、図1右図は各グループのPGE−MUM濃度の分布を示す。左図に示されるように、グループ1から3までは、FSとKL−6濃度との間にある程度の相関がみられるが、グループ4では、活動性炎症期、線維化進展期の患者が混在し、その多くが線維化進展期の患者であるにもかかわらず、KL−6濃度はグループ3と同様に、高値のままであった。一方、右図に示されるように、グループ1〜3までは、FSが上昇するにしたがってPGE−MUM濃度にも上昇が見られるが、グループ4では、PGE−MUM濃度が低くなった。
KL−6濃度とPGE−MUM濃度の相関関係を図2に示す。図2に示されるように、両者の間には相関関係は見られないことから、両濃度は、それぞれ独立のパラメータとして存在し得ることが分かった。
4.グループ1〜3(活動性炎症期)とグループ4(線維化進展期)との判別
(1)KL−6濃度単独による判別(比較例1)
上記測定結果に基づき、グループ1〜3(活動性炎症期)とグループ4(線維化進展期)の判別を試みた。KL−6のカットオフ値を500mAU/mLとし、これ以上の場合を「線維化進展期」、これ未満の場合を「活動性炎症期」として、KL−6単独で活動性炎症期と線維化進展期の判別を試みた。結果を下記表1に示す。
(1)KL−6濃度単独による判別(比較例1)
上記測定結果に基づき、グループ1〜3(活動性炎症期)とグループ4(線維化進展期)の判別を試みた。KL−6のカットオフ値を500mAU/mLとし、これ以上の場合を「線維化進展期」、これ未満の場合を「活動性炎症期」として、KL−6単独で活動性炎症期と線維化進展期の判別を試みた。結果を下記表1に示す。
表中の「感度」は、線維化進展期(グループ4)の患者が正しく線維化進展期と判別された割合を示す。一方、「特異度」は、活動性炎症期(グループ1〜3)の患者が、活動性炎症期と正しく判別された割合を示す。「全体一致率」とは、全患者において、正しく判別された割合を示す。
(2) KL−6濃度とPGE−MUM濃度の組合せによる判別(実施例1)
KL−6濃度のカットオフ値を500mAU/mLとし、さらにPGE−MUM濃度のカットオフ値を24μg/gCrとし、KL−6がカットオフ値以上、かつ、PGE−MUM濃度がカットオフ値以下の場合を「線維化進展期」、これ以外を「活動性炎症期」として線維化進展期と活動性炎症期の判別を試みた。結果を下記表2に示す。
KL−6濃度のカットオフ値を500mAU/mLとし、さらにPGE−MUM濃度のカットオフ値を24μg/gCrとし、KL−6がカットオフ値以上、かつ、PGE−MUM濃度がカットオフ値以下の場合を「線維化進展期」、これ以外を「活動性炎症期」として線維化進展期と活動性炎症期の判別を試みた。結果を下記表2に示す。
表2の結果においては、感度は100%、特異度は71.9%、全体一致率75.0%となった。表1との比較から明らかなように、KL−6濃度とPGE−MUM濃度とを組み合わせることにより、臨床診断に関わる病期、特に活動性炎症期、線維化進展期の判別の補助をより効率よく実施できることが判明した。
本発明の方法は、間質性肺炎、特に特発性肺線維症の病期の判別に有用であり、医療分野において、間質性肺炎の診断、治療中の経過観察に利用可能である。
Claims (6)
- 間質性肺炎の病期の判別を補助する方法であって、
ヒトの第1検体中の、プロスタグランジンE2及びその代謝物よりなる群より選択される少なくとも1つの炎症マーカーを測定する工程と、
ヒトの第2検体中のKL−6を測定する工程と、
を含む、方法。 - 前記第1検体が尿検体であり、前記炎症マーカーが尿中プロスタグランジンE2主要代謝物である、請求項1に記載の方法。
- 前記第2検体が血液検体である、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記間質性肺炎が、特発性肺線維症である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 間質性肺炎の病期の判別を補助する方法であって、
ヒトの第1検体中の、プロスタグランジンE2及びその代謝物よりなる群より選択される少なくとも1つの炎症マーカーを測定する工程と、
肺の線維化を測定する工程と、
を含む、方法。 - 肺の線維化を測定する方法が高分解能コンピューター断層撮影(HRCT)である、請求項5に記載の方法。
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Cited By (3)
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|---|---|---|---|---|
| CN111863122A (zh) * | 2019-04-25 | 2020-10-30 | 北海道公立大学法人札幌医科大学 | 取得间质性肺炎患者的病情相关信息的方法及其应用 |
| WO2021179555A1 (zh) * | 2020-03-09 | 2021-09-16 | 中国科学院广州生物医药与健康研究院 | 一种病毒性肺炎的标志物及其应用 |
| WO2025170001A1 (ja) * | 2024-02-06 | 2025-08-14 | 国立大学法人北海道大学 | 間質性肺炎治療装置、間質性肺炎治療システム、間質性肺炎治療方法、間質性肺炎の症状の検出を補助する方法および装置の間質性肺炎の治療のための使用 |
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