JP2018188758A - 印刷用紙 - Google Patents
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Abstract
Description
インクジェット記録方式は、家庭向けおよびSOHO向けの小型プリンター、POPやポスター製作に用いるワイドフォーマットプリンター、並びに商業印刷物の生産に用いるオンデマンド印刷機に使用される。用いる印刷用紙は、マット調からグロス調まで種々の光沢感のものが存在する。ビジネス文書、DM、書籍、小冊子、チラシ、パンフレット、カタログなどの商業印刷物を生産するための印刷用紙と、インクジェット記録方式において銀塩写真の代替用に開発された写真用紙とは、印刷物のコスト、印刷物生産性および印刷物の扱い方の点で、要求される品質が異なる。
インクジェット記録方式を使用するオンデマンド印刷機、すなわちインクジェット印刷機が存在する。インクジェット印刷機の例としては、SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズ社のTruepressJet、ミヤコシ社のMJPシリーズ、コダック社のProsperおよびVERSAMARK、富士フイルム社のJetPress、Hewlett−Packard社のColorInkjetWebPressなどがある。
オフセット印刷機は、刷版に付着したインクがブランケットを介して印刷用紙に接触して転写され、印刷物を生産する。インクジェット印刷機は、用紙と非接触である微細なノズルからインク滴を印刷用紙に吐出して、印刷物を生産する。このような印刷機構の違いから、オフセット印刷機のインクは、粘着性を有し且つ色材含有濃度が高い。インクジェット印刷機のインクは、流動性を有し且つ色材含有濃度が低い。
(1)印刷部分の発色が優れること(発色性)
(2)印刷部分の裏抜けが抑制されること(耐裏抜け性)
(3)印刷部分のドットの拡散不良が抑制されること(耐ドット拡散不良性)
原紙と、前記原紙の少なくとも片面に1層以上の塗工層とを有する印刷用紙であって、前記塗工層中、原紙を基準として最外に位置する最外塗工層が、顔料、バインダー、滑剤、分散剤およびカチオン性樹脂を少なくとも含有し、最外塗工層中の顔料がカオリンおよび炭酸カルシウムを含み、カオリンおよび炭酸カルシウムの含有量が前記最外塗工層中の顔料100質量部に対して80質量部以上であり、並びにカオリンと炭酸カルシウムとの最外塗工層中の含有質量比が1:9〜6:4であり、印刷用紙の最外塗工層を有する側について、表面張力が20mN/mである水溶液を滴下した時、液滴と最外塗工層との接触角が接触1秒後において40°以上65°以下である印刷用紙。
本発明の印刷用紙は、原紙と、前記原紙の少なくとも片面に塗工層とを有する。前記塗工層において原紙を基準として最外に位置する最外塗工層は、顔料、バインダー、滑剤、分散剤およびカチオン性樹脂を少なくとも含有する。
本発明において、「塗工層を有する」とは、用紙の断面を電子顕微鏡によって観察した際に、原紙と区別できる明確な塗工層を有する用紙を指す。例えば、樹脂成分やポリマー成分を塗工し、塗工された前記成分が少量であって原紙に吸収され、結果として、印刷用紙の断面を電子顕微鏡によって観察した際に原紙と区別できる明確な層を有しない場合、「塗工層を有する」に該当しない。
塗工層の各塗工量は特に限定されない。好ましい塗工量は、乾燥固形分量で片面あたり5g/m2以上30g/m2以下の範囲である。塗工層が2層以上の場合は、それらの合計の値である。塗工層が2層以上の場合、最外塗工層が乾燥固形分量で片面あたり塗工量の70質量%を占めることが好ましい。
カレンダー処理とは、ロール間に紙を通すことによって平滑性や厚みを平均化する処理である。カレンダー処理の装置としては、例えば、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダーなどを挙げることができる。
本発明の印刷用紙には、最外塗工層がキャスト処理された印刷用紙を含めない。
接触角は、表面張力20mN/mの水溶液の液滴1μlを印刷用紙の最外塗工層に滴下し、液滴が印刷用紙の最外塗工層表面に接触してから1秒後において、画像データ解析装置を有する市販の接触角測定装置を用いて測定することができる。画像データ解析は、液滴の形状を真球あるいは楕円体の一部と仮定して計算されるカーブフィッティング法により行うことができる。このような接触角測定装置には、例えば、協和界面科学社製自動接触角計CA−VP300がある。本発明において液滴1μlとしては、1μl±20%の範囲であればよく、この範囲であれば測定に支障はない。
表面張力が20mN/mの水溶液を滴下した時、液滴と最外塗工層との接触角が、接触1秒後において40°未満であると、発色性、耐裏抜け性または耐ドット拡散不良性を得ることができない。表面張力が20mN/mの水溶液を滴下した時、液滴と最外塗工層との接触角が接触1秒後において65°超であると、発色性または耐ドット拡散不良性を得ることができない。
接触角の測定に用いる表面張力が20mN/mの水溶液は、ウィルヘルミ・プレート法による表面張力が20mN/mであればよく、例えば、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノールもしくはエチレングリコールなどのアルコール類、またはペルフルオロアルキルスルホン酸などのフッ素系界面活性剤をイオン交換水に適量添加することで得ることができる。
最外塗工層中のカオリンと炭酸カルシウムとの含有質量比は、カオリン:炭酸カルシウム=1:9〜6:4である。インクジェット印刷機に対する印刷適性の点から、炭酸カルシウムは重質炭酸カルシウムが好ましい。
最外塗工層の顔料中、カオリンおよび炭酸カルシウムが占める割合は80質量%以上である。
最外塗工層のバインダーは、澱粉およびその各種変性澱粉、ポリビニルアルコールおよびその各種変性ポリビニルアルコール、並びにスチレン−ブタジエン系樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましい。
最外塗工層の滑剤は、高級脂肪酸塩が好ましい。
最外塗工層の分散剤は、ポリカルボン酸系樹脂およびアクリル系樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましい。
従来公知のカチオン性樹脂の例としては、ポリエチレンイミン、ポリアミンおよび変性ポリアミン、ポリビニルピリジン、ポリアミドアミン、ポリビニルアミン、変性ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート、ポリジアルキルアミノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、アリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミド等との共重合物、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物等の脂肪族モノアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物もしくはジエチレントリアミン−エピクロルヒドリン重縮合物等の脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物、ジシアンジアミドジエチレントリアミン重縮合物、ポリエポキシアミン、ポリアミド−エポキシ樹脂、メラミン樹脂、並びに尿素系樹脂を挙げることができる。最外塗工層は、これらカチオン性樹脂からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有する。カチオン性樹脂の平均分子量は特に限定されない。平均分子量は、500以上100000以下が好ましく、1000以上60000以下がより好ましい。
最外塗工層のカチオン性樹脂は、変性ポリアミンまたは変性ポリアミドが好ましい。
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として炭酸カルシウム8質量部、両性澱粉1.0質量部、硫酸バンド0.8質量部、内添サイズ剤を添加して紙料を調成し、該紙料を長網抄紙機で抄造し、得られた抄造紙の両面にサイズプレス装置で澱粉を付着させ、マシンカレンダー処理をして原紙を作製した。
最外塗工層塗工液は、下記の内容により調製した。
カオリン 部数は表1に記載
炭酸カルシウム 部数は表1に記載
シリカ 部数は表1に記載
澱粉 部数は表1に記載
スチレン−ブタジエン系樹脂 部数は表1に記載
滑剤 種類および部数は表1に記載
分散剤 種類および部数は表1に記載
カチオン性樹脂 種類および部数は表1に記載
上記の内容で配合し、水で混合・分散して、濃度48質量%に調整した。
印刷用紙を以下の手順にて作製した。
原紙上に最外塗工層塗工液をブレードコーターにて両面塗工し、その後に乾燥した。さらに乾燥後に、カレンダー処理を施した。塗工量は、片面あたり14g/m2とした。
表面張力が20mN/mである水溶液を滴下した時、接触1秒後において液滴と最外塗工層との接触角は、顔料、滑剤、分散剤およびカチオン性樹脂の配合によって主に、カレンダー処理によって補助的に調整した。表面張力が20mN/mである水溶液は、イオン交換水にプロピレングリコールおよびフッ素系界面活性剤を添加して、ウィルヘルミ・プレート法による表面張力が20mN/mになるように調製した。
ミヤコシ社のインクジェット印刷機MJP20MX−7000を用い、水性顔料インクにて印刷速度:150m/分の条件で6000m、評価画像を印刷した。評価画像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色およびブラックを除く他の3色インクによる2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタ画像部パターンを、3cm×3cm四方で横一列に隙間なく配置する画像とした。発色性は、各色ベタ部画像の印刷部分を目視にて観察し、下記の基準にて評価した。本発明において、3〜5の評価であれば、印刷用紙は発色性を有するものとする。
5:色濃度および色鮮やかさが共に良好である。
4:色濃度または色鮮やかさが「5」より劣るけれど概ね良好である。
3:色濃度および色鮮やかさが実用的に問題ない。
2:色濃度または色鮮やかさが「3」より劣り、実用上問題である。
1:色濃度および色鮮やかさが共に劣り、実用上問題である。
ミヤコシ社のインクジェット印刷機MJP20MX−7000を用い、水性顔料インクにて印刷速度:150m/分の条件で6000m、評価画像を印刷した。評価画像は、ブラックのベタ画像部パターンを10cm×10cm四方を縦横に並べて配置する画像とした。ブラックベタ画像部の反対面側からJIS P 8148:2001に規定された白色度測定方法を用いて白色度の測定を行い、「印刷のない白色部の白色度(光学%)」−「ブラックベタ画像部の白色度(光学%)」を計算し、印刷用紙のインクの耐裏抜け性を評価した。白色度の測定は、日本電色社製PF−10を使用して、標準板の上にサンプルを一枚乗せ、UVカットの条件で行った。本発明において、3〜5の評価であれば、印刷用紙は耐裏抜け性を有するものとする。
5:10光学%未満。
4:10光学%以上、13光学%未満。
3:13光学%以上、16光学%未満。
2:16光学%以上、19光学%未満。
1:19光学%以上。
ミヤコシ社のインクジェット印刷機MJP20MX−7000を用い、水性顔料インクにて印刷速度:150m/分の条件で6000m、評価画像を印刷した。評価画像は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色およびブラックを除く他の3色インクによる2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタ画像部パターンを、3cm×3cm四方で横一列に隙間なく配置する画像とした。耐ドット拡散不良性は、各色ベタ部画像の印刷部分で、ドット拡散不良によって発生する白筋の視認性を目視にて観察し、下記の基準にて評価した。本発明において、3〜5の評価であれば、印刷用紙は耐ドット拡散不良性を有するものとする。
5:白筋が確認できない。
4:白筋が確認できないものの、濃淡差による筋が僅かに確認できる。
3:白筋が確認できないものの、淡い筋が確認できる。
2:薄い白筋が、確認できる。
1:白筋が、はっきり確認できる。
Claims (1)
- 原紙と、前記原紙の少なくとも片面に1層以上の塗工層とを有する印刷用紙であって、前記塗工層中、原紙を基準として最外に位置する最外塗工層が、顔料、バインダー、滑剤、分散剤およびカチオン性樹脂を少なくとも含有し、最外塗工層中の顔料がカオリンおよび炭酸カルシウムを含み、カオリンおよび炭酸カルシウムの含有量が最外塗工層中の顔料100質量部に対して80質量部以上であり、並びにカオリンと炭酸カルシウムとの最外塗工層中の含有質量比が1:9〜6:4であり、印刷用紙の最外塗工層を有する側について、表面張力が20mN/mである水溶液を滴下した時、液滴と最外塗工層との接触角が接触1秒後において40°以上65°以下である印刷用紙。
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