運転者は、交通信号灯器の種類に対応する交通信号灯器マークが表示された画面を見ても、その情報を運転にどのように反映させればよいか気付きにくい。本発明の目的は、運転者に対して、運転に反映させるべき情報を提供することができる運転者支援装置を提供することである。
(1)車両に搭載されて使用される運転者支援装置であって、交差点の位置情報及び当該交差点に設置されている信号機に関する情報を含む交差点属性が記憶された記憶手段を参照して、車両の現在位置に基づく所定の探索範囲内に位置し、かつ、通常の信号機とは異なる信号機である特殊な信号機が設置されている交差点の信号機に関する情報を出力手段に出力させる機能を持つ処理手段を有する運転者支援装置とするとよい。
車両の運転者は、出力手段に出力された情報から、所定の探索範囲内の交差点に設置されている特殊な信号機の情報を知ることができる。運転者は、特殊な信号機が設置された交差点に到達する前に、注意力を高めたり、交差点を通過するときの交通ルールを頭の中で再確認したりすることができる。運転者は、不案内な土地で初めての道路を走行しているときの不安を解消することができる。また、交通違反や事故が起こらないように、運転者を手助けすることができる。このように、運転者支援装置は、交通ルールを守れるような案内をすることができる。
通常の信号機と、通常の信号機とは異なる信号機である特殊な信号機とは、任意に定義できるようにするとよい。例えば、通常の信号機として、運転の初心者または平均的な交通ルールの知識を持つ運転者が見て、交差点に進入してよいかどうか戸惑うことなく、かつ間違え難い種類の信号機とするとよい。または、一般的な運転者の感覚として、よくある信号機であると認識される種類の信号機を通常の信号機とするとよい。または、信号機の設置台数に基づいて、信号機を通常の信号機と特殊な信号機とに分類してもよい。通常の信号機よりも特殊な信号機を、特殊な信号機に分類するとよい。
例えば、信号機の静的な情報または動的な情報に基づいて、通常の信号機と特殊な信号機とのいずれかに分類するとよい。静的な情報として、例えば信号機の外形、外観、灯器の個数等を採用するとよい。動的な情報として、例えば灯器の点灯状態の遷移の順番等を採用するとよい。特殊な信号機には、例えば、外形が特殊な信号機、状態遷移が特殊な信号機を含めるとよい。
また、設置台数の多い信号機を通常の信号機に分類してもよい。例えば、信号機の種類ごとに設置台数を求め、設置台数が基準レベルより多い信号機の種類を通常の信号機とするとよい。基準レベルとして、例えば設置台数の平均値とするとよい。または、信号機の種類を設置台数の少ない順番に並べたときの信号機の設置台数の累積相対度数に基づいて、通常の信号機と特殊な信号機とに分類してもよい。例えば、累積相対度数が所定の割合に達するまでの信号機の種類を特殊な信号機に分類するとよい。信号機の種類の設置台数に大きな変化があると、通常の信号機と判定する種類を見直すとよい。通常の信号機に含まれない種類の信号機を特殊な信号機に分類するとよい。
例えば、通常の信号機とは異なる特殊な信号機として、矢印式信号機とするとよい。矢印式信号機のうち青、黄、赤の灯器の他に右折用の矢印灯器のみが設置された信号機は国内に多数設置されているため、このような信号機は通常の信号機に分類し、案内対象外とするとよい。このようにすると、出力手段から出力される情報が多くなり過ぎることを抑制することができる。右折用の矢印灯器以外の矢印灯器を含む信号機、または2方向以上の矢印灯器を含む信号機は、特殊な信号機に分類するとよい。
設置されている灯器が通常のものであっても状態遷移が特殊である場合には、当該信号機を特殊な信号機に分類するとよい。状態遷移が特殊な信号機として、例えば、歩車分離式の信号機、時差式信号機等が挙げられる。その他に、青色灯器が点灯する状態を持たず、矢印灯器の点灯のみで交差点への進入可否を表示する信号機もある。このような信号機も、状態遷移が特殊な信号機に含めるとよい。また、交差点によっては常時左折可能な場合もある。このような交差点も、状態遷移が特殊な信号機が設置された交差点に含めるとよい。
交差点の位置情報と、当該交差点に設置されている信号機に関する情報とを関連付けて交差点属性として記憶手段に記憶させておくとよい。記憶手段として、例えば装置に内蔵された不揮発性メモリ、または着脱可能なリムーバブル記録媒体を用いるとよい。また、記憶手段として外部のデータベースサーバを利用し、運転者支援装置が通信装置を介してデータベースの情報を受信するようにするとよい。記憶手段に交差点属性を記憶させる対象となる交差点として、例えば、信号機が設置された国内のすべての交差点とするとよい。また、幹線道路(一般国道、主要地方道、及び一般都道府県道)の交差点に限定してもよい。
運転者支援装置が搭載された車両の現在位置情報は、例えば内蔵のGPS受信機から取得するとよい。または、運転者支援装置が、車両に搭載されたGPS受信機から無線インタフェースまたは有線インタフェースを介して現在位置情報を取得するようにしてもよい。
所定の探索範囲として、必ずしも現在位置を含む必要は無いが、例えば現在位置を含む一定の範囲、車両が進行すると推定される経路等とするとよい。例えば、車両の現在位置を中心とした所定の半径の円の内部を探索範囲とするとよい。所定の半径として、例えば500m〜数kmとするとよい。
出力手段として、例えば、音声を出力するスピーカ、画像を表示する表示装置等を用いるとよい。画像を表示する場合には、特殊な信号機の外観を表した画像を表示するとよい。
処理手段は、目的地までの推奨経路を探索し、推奨経路を示す情報を出力手段に出力させる機能を持つとよい。探索された推奨経路の経路上に特殊な信号機が設置された交差点がある場合、処理手段は、推奨経路と共に、推奨経路上に特殊な信号機が設置された交差点があることを運転者に知らせるメッセージを出力手段に出力させるとよい。
(2)前記出力手段に出力させる信号機に関する情報が、前記特殊な信号機に注意が必要であることを運転者に知らせる注意喚起情報を含む運転者支援装置とするとよい。
運転者は、注意喚起情報に気付くことにより、特殊な信号機が設置された交差点に到達した時点で戸惑うことなく、交差点への進入または交差点前での停止の運転操作を行うことができる。例えば、運転者は、交差点の手前で、注意力を高めたり交通ルールを頭の中で再確認したりすることができる。このように、運転者にとって不案内な場所を走行する場合でも、違反や事故が起こらないように運転の手助けをすることができる。
なお、信号機が設置されていない交差点で、一時停止すべきことが指定されている場合、処理手段は、運転者に一時停止すべきことを報知するメッセージを出力手段から出力させるとよい。一時停止すべきことが指定されている交差点か否かを示す情報は、交差点属性に含めるとよい。
注意喚起情報を音声で出力する場合には、例えば、「周囲○○km以内に矢印式信号機があります。ご注意ください。」というように、運転者の注意を促す内容の音声を出力するとよい。信号機の状態遷移が特殊な場合には、信号機がどのように状態遷移するかを具体的に注意喚起情報として出力手段に出力させるとよい。
例えば、赤色灯器が点灯中で直進用の矢印灯器が点灯し、直進方向の歩行者用信号が青色点灯中であるにもかかわらず、運転者が直進用の矢印灯器を見て左折可能と誤判断し、左折してしまう事例がある。運転者のこのような誤判断を防止するために、直進用の矢印灯器のみが点灯しており、左折できない状態があることを運転者に報知するとよい。
また、赤点滅または黄点滅信号機の意味が誤解されやすいため、このような信号機は特殊な信号機に分類するとよい。例えば、黄点滅は、他の交通に注意して進むことができ、必ずしも徐行する必要は無い。黄点滅の交差点で無条件に徐行してしまうと、後方の車両に衝突される危険性が高まる場合もある。また、赤点滅は停止線で一時停止し周りの安全を確認した後に進むことが可能である。赤点滅の交差点で一時停止せず、徐行するといった違反が発生しやすい。赤点滅や黄点滅の信号機が設置されている交差点の手前では、赤点滅及び黄点滅の意味を運転者に報知するようにするとよい。夜間のみ点滅状態になる信号機については、点滅状態になる時間帯を示す情報を交差点属性に含めるとよい。処理手段は、夜間のみ点滅状態になる信号機を、点滅状態になっている時間帯のみ特殊な信号機に分類するとよい。
処理手段が目的地までの推奨経路を探索する機能を持つ場合、目的地までの推奨経路が決まると、推奨経路上に特殊な信号機が設置された交差点があるか否かを判定し、特殊な信号機が設置された交差点がある場合には、その交差点の走行時に注意すべき情報を運転者に報知するとよい。
例えば、出力手段の表示装置に推奨経路が認識可能なように地図を表示させ、特殊な信号機が設置されている交差点に相当する地図上の位置にアイコンを表示させるとよい。アイコンは、運転者が見てどのような種類の信号機が設置されているか把握できるようなものとするとよい。表示対象の交差点の個数が多い場合には、現在地から近い順番に、特殊な信号機が設置されている複数の交差点の一部を表示させるとよい。例えば、「ルート上に要注意の矢印式信号機があります。ご注意ください。」というメッセージを音声で出力させるとよい。さらに、推奨経路に沿って走行しているとき、特殊な信号機が設置された交差点に近づくと、「まもなく要注意の矢印式信号機があります。ご注意ください。」というメッセージを音声で出力させるとよい。
(3)前記処理手段は、前記記憶手段に記憶された交差点属性を参照して、前記探索範囲内に位置する交差点のうち通常の信号機が設置されている交差点については、信号機に関する情報を前記出力手段に出力させない運転者支援装置とするとよい。
通常の信号機が設置されている交差点について信号機に関する情報を出力手段に出力させないことにより、出力手段に出力される情報の量が減る。このため、運転者は、特殊な信号機が設置されている交差点に気付きやすくなる。
(4)前記記憶手段に記憶された交差点属性の信号機に関する情報は、交差点に設置されている信号機が前記通常の信号機か前記特殊な信号機かを識別する識別情報を含み、
前記処理手段は、前記識別情報に基づいて前記特殊な信号機が設置されている交差点の信号機に関する情報を前記出力手段に出力させる運転者支援装置とするとよい。
処理手段は、通常の信号機か特殊な信号機かを識別する識別情報を参照して、交差点の信号機に関する情報を出力手段に出力させるか否かを容易に判定することができる。
識別情報として、通常の信号機か特殊な信号機かを直接的に識別する情報を用いてもよい。例えば、交差点属性に、通常の信号機か特殊な信号機かを識別する項目を含めるとよい。
識別情報として、通常の信号機か特殊な信号かを間接的に識別する情報を採用してもよい。例えば、一般的なカーナビゲーションシステムの地図データに含まれる交差点の情報に基づいて、通常の信号機か特殊な信号機かを識別するようにするとよい。
(5)前記識別情報は、矢印灯器の有無及び個数、矢印灯器が示す矢印の方向に関する情報を含む運転者支援装置とするとよい。
処理手段は、矢印灯器の有無及び個数、矢印灯器が示す矢印の方向に関する情報に基づいて、交差点の信号機に関する情報を出力手段に出力させるか否かを判定することができる。例えば、矢印灯器が設置されていない信号機は特殊な信号機ではないと判定するとよい。矢印灯器の個数が1個で、かつ矢印の方向が右方向である信号機は特殊な信号機ではないと判定するとよい。矢印灯器の個数が2個以上である信号機は、特殊な信号機であると判定するとよい。矢印灯器の個数が1個で、矢印の方向が右方向以外である信号機は、特殊な信号機であると判定するとよい。
特殊な信号機か否かを識別する識別情報に、路面電車用の灯器が設置されているか否かを示す情報を含めるとよい。路面電車用の灯器が設置されている信号機は、特殊な信号機に分類するとよい。例えば、路面電車用の灯器が設置されている交差点に近づいたら、黄色の矢印灯器は路面電車用の信号なので注意してくださいというメッセージを運転者に報知するとよい。歩行者用の灯器は多くの交差点に一般的に設置されているため、歩行者用の灯器の有無は、特殊な信号機か否かを識別する識別情報に含めなくてもよい。
(6)前記記憶手段には、通常の信号機が設置されている交差点に関する情報が記憶されておらず、前記特殊な信号機が設置されている交差点に関する情報が記憶されている運転者支援装置とするとよい。
通常の信号機が設置されている多数の交差点に関する情報が記憶手段に記憶されないため、記憶手段の容量の増大を抑制することができる。
(7)前記処理手段は、地図データ、車両の現在位置、及び車両の進行方向に基づいて、道なりに走行した時に通過する経路上の位置を前記探索範囲として設定する運転者支援装置とするとよい。
道なりに走行した時に通過する経路は、これから通過する可能性が高い。この経路上の位置を探索範囲とすると、通過する可能性が低い経路の交差点の情報が探索範囲から外れる。その結果、出力手段に出力される信号機の情報が多くなり過ぎることを防止することができる。運転者は、必要性の高いと思われる情報のみを取得することができ、必要な情報に気づき易くなる。
車両が右折、左折、Uターン等によって進路を変更すると、処理手段は、探索範囲を修正して特殊な信号機が設置されている交差点を探索し、特殊な信号機が設置されている交差点の信号機の情報を出力手段に出力させるとよい。
「道なりに走行」とは、交差点以外の箇所では、現在進行している経路に沿って進行し、交差点に進入した時は、進行方向の変更角が最も小さい退出路に向けて退出する走行のことを意味する。
(8)交差点への進入路に、特定の退出路に向かうための専用車線が設けられている交差点の交差点属性は、前記専用車線に関する情報を含み、
前記処理手段は、車両の現在地から目的地までの推奨経路を探索し、前記推奨経路上に前記専用車線が設けられている交差点があると、前記専用車線が開始する地点よりも手前で、前記推奨経路に沿って進行するために走行すべき前記専用車線に入りやすい車線を推奨車線として報知する機能を持つ運転者支援装置とするとよい。
運転者は、専用車線が設けられている交差点に到達する前に、専用車線に入るための推奨車線を知ることができる。このため、交差点の直前で専用車線に入るために運転者が戸惑うような事態の発生を抑制することができる。
専用車線によっては、赤色の灯器が点灯中であっても矢印灯器の点灯により交差点に進入可能な場合がある。目的地までの推奨経路を走行するために、このような専用車線に入る必要があるとき、処理手段は、赤色灯器が点灯中であっても、矢印灯器の点灯によって交差点に進入可能であることを運転者に報知するための情報を出力手段に出力させるとよい。例えば、矢印灯器に従って交差点に進入するように運転者に報知するとよい。これにより、交差点に進入可能であるにもかかわらず、運転者が誤って交差点の手前で停止操作を行ってしまうような事態の発生を抑制することができる。
右折車用の専用車線が設けられ、かつUターンが可能な交差点では、処理手段は、自車両の前の車両がUターンする可能性があることを運転者に報知するようにするとよい。Uターンする車両は、右折車両とは異なり後続の車両の運転者が予期しない挙動を示す場合がある。運転者は、自車両の前の車両がUターンする可能性があることを想定して運転操作を行うことにより、事故の発生を未然に防ぐことができる。
自車両が先頭で交差点の専用車線に停止している場合、当該専用車線に許容された進行方向の確認もれによる違反が発生しやすい。自車両が先頭で交差点の専用車線に停止したとき、処理手段は、専用車線の進行方向に従って進行するように運転者に注意を促すメッセージを出力手段に出力させるとよい。自車両が先頭か否かの判定は、例えば車両の前方を撮影するカメラの画像に基づいて行うとよい。この画像データを取得するために、運転者支援装置にカメラを内蔵するとよい。また、運転者支援装置が車載カメラから画像データを取得するようにしてもよい。自車両が位置する車線が専用車線か否かの判定は、カメラで撮影された画像から路面標識を抽出することにより行うとよい。また、GPSによる測位精度が向上すると、GPSによる測位結果から自車両が位置する車線を判定ことも可能である。
(9)前記処理手段は、予告案内標識が設置されている位置を特定可能な情報、地図データ、車両の現在位置、及び車両の進行方向に基づいて、道なりに走行した時に通過する経路上に設置されている前記予告案内標識を探索し、前記予告案内標識が設置されている地点の手前で、前記予告案内標識が設置されている旨を報知する機能を持つ運転者支援装置とするとよい。
運転者が予告案内標識に気付く時点が遅いと、予告案内標識の内容を読み取る時間的余裕が無い場合がある。予告案内標識が設置されていることが報知されると、運転者は、予告案内標識が設置されている地点の手前で、予告案内標識の存在に気付くことができる。このため、予告案内標識の内容を、余裕をもって読み取ることができる。
予告案内標識が設置されている位置を特定可能な情報は、交差点属性を記憶している記憶手段に記憶させておくとよい。処理手段は、予告案内標識に表示されている情報を出力手段に出力させるようにするとよい。例えば、予告案内標識の画像を出力手段の表示装置に表示させるとよい。運転者は、予告案内標識の内容を確認するタイミングを逃しても、出力手段に出力された情報から、予告案内標識の内容を把握することができる。
目的地までの推奨経路が設定されている場合には、処理手段は、推奨経路上に予告案内標識が設置されている旨を報知するとよい。
報知対象とする予告案内標識として、例えば特殊な信号機が設置されている交差点に関する情報を案内しているものとするとよい。
上述した(1)から(9)に記載の発明は、任意に組み合わせることができる。例えば(1)の全部または一部の構成を備えずに他の(2)から(9)までの少なくともいずれか1つの構成を備えたものとしてもよい。但し特に、(1)の構成の全部または一部を備えて、(2)から(9)までの少なくともいずれか1つの構成を備えるとよい。また(1)から(9)に記載の任意の構成要素を抽出し、組み合わせてもよい。本願出願人はこれらのような構成についても特許権を取得する意思を有する。
上述した本発明の特定の仕方は一例であって、一部を拡張したり、一部を限定したりしてもよい。
車両の運転者は、出力手段に出力された情報から、所定の探索範囲内の交差点に設置されている特殊な信号機の情報を知ることができる。運転者は、特殊な信号機が設置された交差点に到達する前に、注意力を高めたり、交差点を通過するときの交通ルールを頭の中で再確認したりすることができる。運転者は、不案内な土地で初めての道路を走行しているときの不安を解消することができる。また、交通違反や事故が起こらないように、運転者を手助けすることができる。このように、運転者支援装置は、交通ルールを守れるような案内をすることができる。
[第1実施例]
図1A〜図4Cを参照して、第1実施例による運転者支援装置について説明する。
図1Aは、第1実施例による運転者支援装置の概略斜視図である。運転者支援装置1は車両に搭載されて使用される。運転者支援装置1は、例えばクレードル2を介して車両のダッシュボードに支持される。クレードル2の底面が、車両のダッシュボード上に貼り付けられることにより、運転者支援装置1がダッシュボードに固定される。
表示装置3が、運転者支援装置1の前面(車両後方(運転者側)を向く面)に備えられている。表示装置3として、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等を用いることができる。入力装置としてのタッチパネル4が、表示装置3の表面上に設けられている。車両の利用者は、タッチパネル4を操作することにより運転者支援装置1に種々の指令を与えることができる。
カード挿入口5が、運転者支援装置1の側面に設けられている。カード挿入口5を通して、着脱可能な記憶媒体としてのメモリカード6が運転者支援装置1に装着される。メモリカード6として、例えばSDメモリカード、マイクロSDメモリカード等を用いることができる。
図1Bは、第1実施例による運転者支援装置1のブロック図である。処理部10が、中央処理ユニット(CPU)11、ランダムアクセスメモリ(RAM)12、リードオンリメモリ(ROM)13を含む。CPU11がROM13に格納されたプログラムを実行することにより、運転者支援装置1の種々の機能を実現する。RAM12に、CPU11がプログラムを実行するときの一時データの記憶領域が確保されている。
GPS受信機15が車両の現在位置(緯度及び経度)を算出する。処理部10が、GPS受信機15で算出された車両の現在位置データを読み込む。処理部10は、通信装置16を介して外部の機器とデータ通信を行う。通信装置16として、例えば近距離無線通信規格に準拠したもの、移動体通信ネットワークを利用するもの等を用いることができる。運転者支援装置1にGPS受信機を搭載せず、車両に搭載したGPS受信機から通信装置16を介して車両の現在位置情報を受信するようにしてもよい。
出力手段17が表示装置3及びスピーカ7を含む。処理部10は、表示装置3に画像、文字等の情報を表示させ、スピーカ7から音声または音を出力させる。車両の利用者がタッチパネル4を操作することにより、処理部10に種々の指令が入力される。
メモリカードリーダ18にメモリカード6が挿入される。処理部10は、メモリカード6に記憶されているデータの読み出し、書き換え、及びメモリカード6へのデータの書き込みを行うことができる。メモリカード6に、交差点ごとに、当該交差点の位置情報及び当該交差点に設置されている信号機に関する情報を含む交差点属性が記憶されている。
図2は、交差点属性のデータの項目を示す図である。交差点属性は、交差点位置情報、信号機識別情報、状態遷移種別情報、及び接続道路ごとの矢印灯器の個数情報、矢印の方向情報、路面電車用灯器の有無を示す情報を含む。
交差点位置情報は、当該交差点の位置を表す。交差点の位置は、例えば緯度及び経度で表される。信号機識別情報は、信号機が通常の信号機か特殊な信号機かを識別するための情報である。
通常の信号機と、通常の信号機とは異なる信号機である特殊な信号機とは、任意に定義することができる。例えば、通常の信号機として、運転の初心者または平均的な交通ルールの知識を持つ運転者が見て、交差点に進入してよいかどうか戸惑うことなく、かつ間違え難い種類の信号機とするとよい。または、一般的な運転者の感覚として、よくある信号機であると認識される種類の信号機を通常の信号機とするとよい。または、信号機の設置台数に基づいて、信号機を通常の信号機と特殊な信号機とに分類してもよい。通常の信号機に含まれない信号機を特殊な信号機とするとよい。例えば、通常の信号機よりも特殊な信号機を、特殊な信号機に分類するとよい。信号機識別情報の項目には、上述の種々の定義のいずれか、またはこれらの定義の組み合わせに基づいて、予め「通常」か「特殊」かの値が設定されている。
状態遷移種別情報は、信号機の点灯状態の遷移の種別を表す情報である。通常の青色灯器、黄色灯器、赤色灯器が設置された信号機は、青点灯状態、黄点灯状態、赤点灯状態の順番に状態が遷移する。その他に、特殊な状態遷移を行う信号機については、状態遷移種別情報の項目に、状態遷移に関する情報が格納される。特殊な状態遷移を行う信号機の例として、例えば時差式信号機、歩車分離式信号機、青色点灯せず矢印灯器のみで進行を指示する信号機等が挙げられる。
接続道路ごとの矢印灯器の個数情報は、当該接続道路から交差点に進入する車両が参照すべき信号機に設けられている矢印灯器の個数を表す。矢印の方向情報は、当該接続道路から交差点に進入する車両が参照すべき信号機に設けられている矢印灯器が示す矢印の方向を表す。路面電車用灯器の有無を示す情報は、文字通り路面電車用灯器が設置されているか否かを表す。
次に、図3A〜図3Cを参照して、特殊な信号機の例について説明する。
図3Aは、路面電車用信号機を兼ねた矢印式信号機の外観の一例を示す図である。この信号機は、青色灯器、黄色灯器、赤色灯器、右折用矢印灯器、直進用矢印灯器、左折用矢印灯器、及び路面電車用灯器を含む。矢印式信号機の中には、路面電車用灯器を含まないもの、1個の矢印灯器のみを含むもの、2個の矢印灯器を含むもの、4個以上の矢印灯器を含むものもある。
図3Bは、時差式信号機の外観の一例を示す図である。この信号機は、青色灯器、黄色灯器、赤色灯器、及び時差式信号機であることを示す標識を含む。
図3Cは、歩車分離式信号機の外観の一例を示す図である。この信号機は、青色灯器、黄色灯器、赤色灯器、及び歩車分離式であることを示す標識を含む。
次に、図4A及び図4Bを参照して処理部10の処理について説明する。
処理部10(図1B)は、メモリカード6の内容を参照して、自車両の現在位置に基づく所定の探索範囲内に位置し、かつ、通常の信号機とは異なる信号機である特殊な信号機が設置されている交差点の信号機に関する情報を表示装置3に表示させる機能を持つ。通常の信号機が設置されている交差点については、信号機に関する情報を表示させない。
特殊な信号機であるか否かの判定は、交差点属性の信号機識別情報(図2)に基づいて行うことができる。所定の探索範囲として、例えば、自車両の現在位置を中心とした所定の半径の円(探索円)の内部とするとよい。探索円の半径として、例えば500m〜3kmの範囲内とするとよい。また、自車両の走行速度に応じて、探索円の半径を変動させてもよい。走行速度が速くなるほど探索円の半径を長くするとよい。
図4Aは、表示装置3(図1A、図1B)に表示された画像の一例を示す図である。自車両の位置が逆V字型のアイコン20で示されている。アイコン20の指す方向が自車両の前方に相当する。自車両の前方の方位は、例えば運転者支援装置1に内蔵された電子コンパスから取得するとよい。特殊な信号機が設置されている交差点の位置が、その信号機の種類に対応するアイコン(画像)21で示されている。自車両の位置を中心として、半径500m、1km、2kmの円周が表示されている。
図4Bは、アイコン20、21と、そのアイコン20、21の意味との対応関係を示す図である。例えば、自車両を示すアイコン20、及び矢印式信号機、点滅信号機、路面電車用信号機、時差式信号機、歩車分離式信号機を示すアイコン21が定義されている。
さらに、処理部10は、探索範囲内の特殊な信号機に注意が必要であることを運転者に知らせる注意喚起情報を、スピーカ7から音声で出力させる。例えば、「周囲○○km以内に矢印式信号機があります。ご注意ください。」というように、運転者の注意を促す内容の音声を出力するとよい。信号機の状態遷移が特殊な場合には、信号機がどのように状態遷移するかを具体的に注意喚起情報としてスピーカ7から出力させるとよい。
次に、通常の信号機と、通常の信号機より特殊な信号機との分類方法の他の例について説明する。
例えば、信号機の静的な情報または動的な情報に基づいて、通常の信号機と特殊な信号機とのいずれかに分類するとよい。静的な情報として、例えば信号機の外形、外観、灯器の個数等を採用するとよい。動的な情報として、例えば灯器の点灯状態の遷移の順番等を採用するとよい。特殊な信号機には、例えば、外形が特殊な信号機、状態遷移が特殊な信号機を含めるとよい。
また、設置台数の多い信号機を通常の信号機に分類してもよい。例えば、信号機の種類ごとに設置台数を求め、設置台数が基準レベルより多い信号機の種類を通常の信号機とするとよい。基準レベルとして、例えば設置台数の平均値とするとよい。または、信号機の種類を設置台数の少ない順番に並べたときの信号機の設置台数の累積相対度数に基づいて、通常の信号機と特殊な信号機とに分類してもよい。例えば、累積相対度数が所定の割合に達するまでの信号機の種類を特殊な信号機に分類するとよい。信号機の種類の設置台数に大きな変化があると、通常の信号機と判定する種類を見直すとよい。通常の信号機に含まれない種類の信号機を特殊な信号機に分類するとよい。
例えば、通常の信号機とは異なる特殊な信号機として、矢印式信号機とするとよい。矢印式信号機のうち青、黄、赤の灯器の他に右折用の矢印灯器のみが設置された信号機は国内に多数設置されているため、このような信号機は通常の信号機に分類し、案内対象外とするとよい。このようにすると、出力手段17(図1B)から出力される情報が多くなり過ぎることを抑制することができる。右折用の矢印灯器以外の矢印灯器を含む信号機、または2方向以上の矢印灯器を含む信号機は、特殊な信号機に分類するとよい。
設置されている灯器が通常のものであっても状態遷移が特殊である場合には、当該信号機を特殊な信号機に分類するとよい。状態遷移が特殊な信号機として、例えば、歩車分離式の信号機、時差式信号機等が挙げられる。その他に、青色灯器が点灯する状態を持たず、矢印灯器の点灯のみで交差点への進入可否を表示する信号機もある。このような信号機も、状態遷移が特殊な信号機に含めるとよい。また、交差点によっては左折が常時可能な場合もある。このような交差点も、状態遷移が特殊な信号機が設置された交差点に含めるとよい。
[第1実施例の効果]
次に、第1実施例の優れた効果について説明する。
車両の運転者は、出力手段17(図1B)に出力された情報から、所定の探索範囲内の交差点に設置されている特殊な信号機の情報を知ることができる。スピーカ7から注意喚起情報が出力されると、運転者は注意して走行すべき交差点の存在に気付き易くなる。運転者は、特殊な信号機が設置された交差点に到達する前に、注意力を高めたり、交差点を通過するときの交通ルールを頭の中で再確認したりすることができる。運転者は、不案内な土地で初めての道路を走行しているときの不安を解消することができる。また、交通違反や事故が起こらないように、運転者を手助けすることができる。
例えば、赤色灯器が点灯中で直進用の矢印灯器が点灯し、直進方向の歩行者用信号が青色点灯中であるにもかかわらず、運転者が直進用の矢印灯器を見て左折可能と誤判断し、左折してしまう事例がある。直進用の矢印灯器のみが点灯しており、左折できない状態があることを注意喚起情報として運転者に報知すると、運転者のこのような誤判断を防止することができる。
第1実施例では、通常の信号機が設置されている交差点については、信号機に関する情報が表示装置3(図1A、図1B)に表示されないため、表示装置3に表示される情報の量が削減される。このため、運転者は特殊な信号機が設置されている交差点の存在に気付き易くなる。
交差点属性(図2)に、信号機が通常か特殊かを識別するための信号機識別情報の項目を設けることにより、処理部10は探索範囲内の交差点の信号機が表示装置3に表示すべき信号機か否か(案内すべき信号機か否か)を容易に判定することができる。また、信号機識別情報の項目の設定値を変更することにより、容易に、各交差点の信号機に関する情報を表示装置3に表示させる対象に含めたり、表示させる対象から除外したりすることができる。
[第1実施例の変形例]
次に、第1実施例の種々の変形例について説明する。
第1の実施例では、交差点ごとの交差点属性(図2)をメモリカード6(図1A、図1B)に記憶させたが、その他の種々の記憶手段に記憶させておいてもよい。例えば、処理部10のROM13に記憶させておいてもよい。また、記憶手段として外部のデータベースサーバを利用してもよい。運転者支援装置1は、通信装置16を通してデータベースサーバから交差点に関する情報を受信するようにするとよい。例えば、自車両の現在地を中心としたある領域内の交差点に関する情報を受信して、RAM12(図1B)に一時的に蓄積しておくとよい。
メモリカード6等の記憶手段に交差点属性を記憶させる対象となる交差点として、例えば信号機が設置された国内の全ての交差点とするとよい。また、幹線道路(一般国道、主要地方道、及び一般都道府県道)の交差点に限定してもよい。記憶手段に記憶されている交差点の交差点属性のうち信号機識別情報の項目(図2)を「通常」から「特殊」に、またはその反対に修正することにより、容易に当該交差点を出力手段17への出力対象に含めたり、出力対象から除外したりすることができる。
交差点属性(図2)に信号機識別情報の項目を設けず、矢印灯器の有無及び個数、矢印灯器が示す矢印の方向に関する情報に基づいて、処理部10が通常の信号機か特殊な信号機かを間接的に判定するようにしてもよい。例えば、矢印灯器が設置されていない信号機は特殊な信号機ではないと判定するとよい。矢印灯器の個数が1個で、かつ矢印の方向が右方向である信号機は特殊な信号機ではないと判定するとよい。矢印灯器の個数が2個以上である信号機は、特殊な信号機であると判定するとよい。矢印灯器の個数が1個で、矢印の方向が右方向以外である信号機は、特殊な信号機であると判定するとよい。カーナビゲーションシステムの地図データに交差点の矢印灯器の個数等が含まれている場合、処理部10は、このようなカーナビゲーションシステムの地図データに基づいて、交差点に設置されている信号機が通常の信号機か特殊な信号機かを判定することが可能になる。
特殊な信号機か否かを識別する識別情報に、路面電車用の灯器が設置されているか否かを示す情報を含めるとよい。路面電車用の灯器が設置されている信号機は、特殊な信号機に分類するとよい。例えば、路面電車用の灯器が設置されている交差点に近づいたら、「黄色の矢印灯器は路面電車用の信号なので注意してください。」というメッセージを運転者に報知するとよい。歩行者用の灯器は多くの交差点に一般的に設置されているため、歩行者用の灯器の有無は、特殊な信号機か否かを識別する識別情報に含めなくてもよい。
赤点滅または黄点滅信号機の意味が誤解されやすいため、このような信号機は特殊な信号機に分類するとよい。例えば、黄点滅は、他の交通に注意して進むことができ、必ずしも徐行する必要は無い。黄点滅の交差点で無条件に徐行してしまうと、後方の車両に衝突される危険性が高まる場合もある。また、赤点滅は停止線で一時停止し周りの安全を確認した後に進むことが可能である。赤点滅の交差点で一時停止せず、徐行するといった違反が発生しやすい。赤点滅や黄点滅の信号機が設置されている交差点の手前では、赤点滅及び黄点滅の意味を運転者に報知するようにするとよい。夜間のみ点滅状態になる信号機については、点滅状態になる時間帯を示す情報を交差点属性に含めるとよい。処理手段は、夜間のみ点滅状態になる信号機を、点滅状態になっている時間帯のみ特殊な信号機に分類するとよい。
第1実施例では、特殊な信号機が設置された交差点の有無の探索範囲として、自車両の現在位置を中心としたある円形の範囲を例示したが、探索範囲に必ずしも自車両の現在位置を含める必要はない。例えば、自車両の前方に位置する半円形の範囲を探索範囲とするとよい。このようにすると、自車両が通過する可能性の低い後方の範囲の情報まで表示装置3(図1A、図1B)に表示されてしまうことがなくなり、運転者が有益な情報に気付きやすくなる。
第1実施例では、通常の信号機が設置されている交差点についても、交差点に関する情報を記憶手段に記憶させておいたが、通常の信号機が設置されている交差点については、交差点に関する情報を記憶手段に記憶させておかなくてもよい。このようにすると、通常の信号機が設置されている多数の交差点について、交差点に関する情報が記憶手段に記憶されないため、記憶手段の容量の増大を抑制することができる。
第1実施例では特殊な信号機が設置されている交差点を案内対象としたが、信号機が設置されていない交差点のうち、走行に注意が必要となる形状の交差点を案内するようにするとよい。例えば、環状交差点(ラウンドアバウト)を案内するようにするとよい。
[第2実施例]
次に、図5を参照して、第2実施例による運転者支援装置について説明する。以下、第1実施例による運転者支援装置と共通の構成については説明を省略する。
第2実施例による運転者支援装置1は、第1実施例による運転者支援装置1(図1A、図1B)の機能に加えて、メモリカード6等の記憶手段に地図データが格納されており、処理部10(図1B)は、自車両の現在地を含む領域の地図を表示装置3に表示させる機能、及び目的地までの推奨経路(推奨ルート)を探索し、推奨経路を表示装置3に表示させる機能を有する。
処理部10は、推奨経路が決まると、推奨経路上の位置を探索範囲として、特殊な信号機が設置された交差点を探索する。推奨経路上に特殊な信号機が設置された交差点がある場合には、処理部10は、推奨経路上に特殊な信号機が設置された交差点があることを運転者に知らせるメッセージを出力手段17(図1B)から出力させる。
図5は、表示装置3に表示された画像の一例を示す図である。表示装置3に表示された地図上で、自車両の現在位置に丸付きのS記号を表示し、目的地を丸付きのG記号で表している。推奨経路を太い実線で表している。推奨経路上に位置する特殊な信号機が設置されている交差点に、特殊な信号機の種類に対応したアイコン21を表示している。
処理部10は、表示装置3に地図及びアイコン21を表示させるとともに、スピーカ7から推奨経路上に特殊な信号機が設置された交差点があることを音声で出力させる。例えば、「ルート上に要注意の矢印式信号機、歩車分離式信号機、及び路面電車用信号機があります。ご注意ください。」というメッセージを音声で出力させる。さらに、推奨経路に沿って走行しているとき、特殊な信号機が設置された交差点に近づくと、「まもなく要注意の矢印式信号機があります。ご注意ください。」というメッセージを音声で出力させるとよい。
図6は、特殊な信号機に分類される矢印式信号機が設置されている交差点に自車両が近づいたときに表示装置3に表示される画像を示す図である。処理部10は、表示装置3の表示画面の一部の領域8(例えば、表示画面の左側約1/3の領域)に、特殊な信号機が設置されている次の交差点の信号機の外観、及びその交差点の進入路の車線情報を図形として表示させる。さらに、当該信号機が設置されている交差点までの距離を数字で表示させる。表示装置3に表示された図形内の各車線には、当該車線から交差点に進入したときに進行が許容されている方向を示す矢印を付す。信号機の外観、及びその交差点の進入路の車線情報を図形として表示させる領域8は、表示画面内のその他の領域、例えば左上の領域、右上の領域、右側約1/3の領域としてもよい。
信号機の外観、及びその交差点の進入路の車線情報を図形として表示させるタイミングは、当該交差点までの距離が所定の距離、例えば1kmになった時点とするとよい。なお、この所定の距離は、現在走行している経路の法定速度、または現在の車速に応じて変化させるとよい。例えば、法定速度または現在の車速が速いほど、この所定の距離を長くするとよい。
また、処理部10は、表示装置3に表示された進入路の車線を示す図形のうち、推奨経路に沿って進行するために自車両が走行すべき車線を強調して表示させる。例えば、図形内の走行すべき車線に、他の車線とは異なる色を付すか、または走行すべき車線を他の車線よりも明るく表示するとよい。
また、処理部10は、領域8に表示する信号機の外観を、推奨経路に沿って進行することができる信号機の点灯状態を認識できるように表示させるとよい。例えば、交差点を右折する経路が推奨経路とされている場合、赤色灯器と右折用矢印灯器とが点灯している状態の信号機の外観を領域8に表示させるとよい。
[第2実施例の効果]
運転者は、表示装置3に表示された地図上のアイコン21を見て、自車両が走行する予定の経路上のどのあたりに注意を要する特殊な信号機が設置された交差点があるかを知ることができる。特殊な信号機が設置された交差点に近づいたときに注意喚起情報が音声で出力されると、運転者は、その交差点に到達する前に注意力を高めたり、交差点を通過するときの交通ルールを頭の中で再確認したりすることができる。
自車両が走行する予定の経路以外の交差点は、特殊な信号機が設置されていても表示装置3に表示されない。走行予定の経路以外の交差点に関する情報は運転者にとって重要性が低い。重要性の低い情報が表示装置3に表示されないため、運転者は、重要性の高い情報に気付き易くなる。
運転者は、表示装置3の表示画面の一部の領域8(図6)に表示された信号機の外形、進入路の車線情報を見て、交差点を通行するときのより具体的な注意点を事前に頭のなかで再確認することができる。
[第2実施例の第1変形例]
次に、第2実施例の第1変形例について説明する。
図5に示した第2実施例では、目的地までの推奨経路上の特殊な信号機が設置されている交差点を案内したが、本変形例では、推奨経路が設定されていない場合にも運転者に対して有益な案内を行う。
処理部10(図1B)は、地図データ、自車両の現在位置、及び自車両の進行方向に基づいて、道なりに走行した時に通過する経路上の位置を探索範囲として設定する。道なりに走行した時に通過する経路上に特殊な信号機が設置されている交差点があると、処理部10は、地図上のこの交差点の位置に、この交差点に設置されている信号機に対応するアイコンを表示する。
車両が右折、左折、Uターン等によって進路を変更すると、処理部10は、探索範囲を修正して特殊な信号機が設置されている交差点の信号機の情報を表示装置3に再表示させるとよい。
次に、図7を参照して、「道なりに走行」について説明する。
「道なりに走行」とは、交差点以外の箇所では、現在走行している経路に沿って走行することを意味する。交差点においては、直進することを意味する。直進する退出路が無い交差点に進入したときは、進行方向の変更角が最も小さい退出路に向けて退出することを意味する。
図7は、自車両の現在位置25から道なりに走行したときに通過する経路26を示す図である。交差点27には、直進する退出路が存在しない。退出路28に向かうときの進行方向の変更角θ1が、他の退出路に向かうときの進行方向の変更角θ2、θ3、及びθ4のいずれよりも小さい。従って、退出路28に向かう走行が「道なりに走行」に相当する。
道なりに走行した時に通過する経路は、これから通過する可能性が高い。この経路上の位置を探索範囲とすると、通過する可能性が低い経路の交差点の情報が探索範囲から外れる。その結果、表示装置3に表示される信号機の情報が多くなり過ぎることを防止することができる。運転者は、必要性の高いと思われる情報のみを取得することができ、必要な情報に気づき易くなる。
[第2実施例の第2変形例]
次に、第2実施例の第2変形例について説明する。
第2実施例では、特殊な信号機が設置されている交差点、及び信号機の情報を運転者に案内したが、本変形例では、処理部10は、信号機が設置されておらず一時停止が義務付けられている交差点を案内する。例えば、処理部10は、一時停止が義務付けられている交差点の手前で、スピーカ7から一時停止すべきことを音声で出力させる。一時停止すべき交差点であるか否かを示す情報は、交差点属性に含めて記憶手段に記憶させておくとよい。
本変形例においては、運転者が一時停止する義務のある交差点に接近したことに気付き、一時停止違反を起こし難くなる。
[第2実施例の他の変形例]
次に、第2実施例の他の変形例について説明する。
処理部10(図1B)は、特殊な信号機が設置されている交差点の手前の交差点で車両が停止したことを検知すると、間もなく特殊な信号機が設置されている交差点に差し掛かることを運転者に音声で報知するとよい。この音声に気づいた運転者は、車両が停止ししている期間に表示装置3の表示画面を見て、特殊な信号機に関する具体的な情報を入手することができる。
また、助手席の同乗者が表示装置3を見て特殊な交差点に関する情報を運転者に伝えられるように、信号機や車線の図形とともに、特殊な交差点に関する情報を文章で表示させるとよい。例えば、「○○○m先の交差点の信号機に、右折用、直進用、及び左折用の矢印灯器が設置されています。最も右側の1車線が右折専用車線です。」というメッセージを表示装置3に表示させるとよい。同乗者が運転免許を持っていない場合でも、表示装置3に表示された文章を音読することにより、運転者に必要な情報を伝えることができる。
目的地の入力操作、及び目的地候補の中から1つの目的地を選択する操作は、音声で行えるようにするとよい。
[第3実施例]
次に、図8及び図9を参照して、第3実施例による運転者支援装置について説明する。以下、第1実施例及び第2実施例と共通の構成については説明を省略する。
本実施例による運転者支援装置が参照する交差点属性は、特定の退出路に向かうための専用車線(専用レーン)が設けられている交差点について専用車線に関する情報を含んでいる。処理部10(図1B)は、第2実施例と同様に、自車両の現在地から目的地までの推奨経路を探索する機能を有する。処理部10は、推奨経路上に専用車線が設けられている交差点があると、専用車線が開始する地点よりも手前で、推奨経路に沿って進行するために走行すべき専用車線に入りやすい車線を推奨車線として報知する機能を持つ。
図8は、専用車線が設けられている交差点の進入路の一例を示す平面図、及びその進入路から見た信号機の外観を示す図である。交差点31への進入路32が交差点の手前で3車線から4車線に増えており、ここから専用車線が開始する。4車線のうち最も右寄りの車線は右折専用車線であり、最も左寄りの車線は直進及び左折用の車線である。左から2番目及び3番目の車線は、直進専用車線である。交差点31に設置された信号機は右折用矢印灯器を含んでいる。
交差点31で右折する経路が推奨経路として設定されている場合、処理部10(図1B)は、専用車線が開始する地点33の手前で右折専用車線に入るために好ましい車線(推奨車線)を運転者に報知する。例えば、処理部10はスピーカ7(図1B)から「間もなく右折専用車線があります。右側の車線を走行してください。」というメッセージを音声で出力させる。
車両が、専用車線が開始する地点33を通過したら、処理部10は、交差点31の通過時に注意すべき事項を運転者に報知する。例えば、処理部10はスピーカ7から「右折用矢印信号に従って走行してください。」というメッセージを音声で出力させる。
交差点31で左折する経路が推奨経路として設定されている場合、処理部10(図1B)は、専用車線が開始する地点33の手前で左折用の車線に入るために好ましい車線を運転者に報知する。例えば、処理部10はスピーカ7(図1B)から「間もなく左折用の車線があります。左側の車線を走行してください。」というメッセージを音声で出力させる。車両が、専用車線が開始する地点33を通過したら、例えば、処理部10はスピーカ7から「左折用矢印信号に従って走行してください。」というメッセージを音声で出力させる。
専用車線が開始する地点33の手前でどの車線を走行していても交差点31で直進することができるため、直進する経路が推奨経路として設定されている場合、処理部10(図1B)は特に注意を喚起させるメッセージを出力させない。
図9は、専用車線が設けられている交差点の進入路の他の例を示す平面図である。交差点35への進入路36が、交差点の手前で3車線から4車線に増えており、ここから専用車線が開始する。4車線のうち最も右寄りの車線は右折専用車線であり、最も左寄りの車線は左折専用車線であり、中央の2車線は直進専用車線である。交差点35に設置された信号機は右折用、直進用、及び左折用の矢印灯器を含んでいる。
交差点35で直進する経路が推奨経路として設定されている場合、処理部10(図1B)は、専用車線が開始する地点37の手前で交差点35を直進するために好ましい車線(推奨車線)を運転者に報知する。例えば、処理部10はスピーカ7(図1B)から「右左折、直進専用車線に分かれます。直進するために中央または右側の車線を走行してください。」というメッセージを音声で出力させる。
車両が、専用車線が開始する地点37を通過したら、処理部10は、交差点35の通過時に注意すべき事項を運転者に報知する。例えば、処理部10はスピーカ7から「青信号または直進用の矢印信号に従って走行してください。」というメッセージを音声で出力させる。
交差点35で右折する経路が推奨経路として設定されている場合、処理部10(図1B)は、専用車線が開始する地点37の手前で交差点35を右折するために好ましい車線を運転者に報知する。例えば、処理部10はスピーカ7(図1B)から「間もなく右折専用車線があります。右側の車線を走行してください。」というメッセージを音声で出力させる。
車両が、専用車線が開始する地点37を通過したら、例えば、処理部10はスピーカ7から「右折用の矢印信号に従って走行してください。」というメッセージを音声で出力させる。
交差点35で左折する経路が推奨経路として設定されている場合、処理部10(図1B)は、専用車線が開始する地点37の手前で交差点35を左折するために好ましい車線を運転者に報知する。例えば、処理部10はスピーカ7(図1B)から「間もなく左折専用車線があります。左側の車線を走行してください。」というメッセージを音声で出力させる。
車両が、専用車線が開始する地点37を通過したら、例えば、処理部10はスピーカ7から「青信号または左折用の矢印信号に従って走行してください。」というメッセージを音声で出力させる。
[第3実施例の効果]
次に、第3実施例の優れた効果について説明する。
図8に示した例では、交差点31を右折する場合、専用車線が開始する地点33の手前で右側の車線を走行するように促された運転者が右側の車線に車線変更すことにより、車線が増えた後に右折専用車線に入りやすくなる。また、右折用矢印信号に従って走行するように注意喚起されることにより、交差点31の直前で戸惑うこと無く運転操作を行うことができる。
図9に示した例では、交差点35を直進する場合、専用車線が開始する地点37の手前で中央または右側の車線を走行するように促された運転者が最も左側の車線から中央の車線に車線変更することにより、左折専用車線に入ってしまうことを回避することができる。また、青信号または直進用の矢印信号に従って走行するように注意喚起されることにより、交差点35の直前で戸惑うこと無く運転操作を行うことができる。
また、交差点35を右折する場合、専用車線が開始する地点37の手前で最も右側の車線を走行するように促された運転者が最も右側の車線に車線変更することにより、最も左側または中央の車線を走行したままで右折専用車線に入る余裕がなくなってしまう事態の発生を回避することができる。また、右折用の矢印信号に従って走行するように注意喚起されることにより、交差点35の直前で戸惑うこと無く運転操作を行うことができる。
また、交差点35を左折する場合、専用車線が開始する地点37の手前で最も左側の車線を走行するように促された運転者が最も左側の車線に車線変更することにより、最も右側の車線を走行したままで左折専用車線に入る余裕がなくなってしまう事態の発生を回避することができる。また、青信号または左折用の矢印信号に従って走行するように注意喚起されることにより、交差点35の直前で戸惑うこと無く運転操作を行うことができる。
例えば、右折専用車線が始まる地点の手前に、「150m先右折レーン」、「100m先右折レーン」、「50m先右折レーン」等の予告標識、道路の各車線の上方に専用車線の進行方向を矢印で示す予告標識等が設置されている場合があるが、運転者がこれらの予告標識を見落とす場合がある。第3実施例では、運転者は、専用車線を知らせる予告標識を見落としても、専用車線が開始地点の手前で、専用車線に入るための推奨車線を知ることができる。専用車線が開始する地点まで走行すると、運転者は迷わず専用車線に入ることができる。このため、交差点の直前で専用車線に入るために運転者が戸惑うような事態の発生を抑制することができる。
専用車線によっては、赤色の灯器が点灯中であっても矢印灯器の点灯により交差点に進入可能な場合がある。目的地までの推奨経路を走行するために、このような専用車線に入る必要があるとき、処理部10は、赤色灯器が点灯中であっても、矢印灯器の点灯によって交差点に進入可能であることを運転者に報知するための情報をスピーカ7から出力させるとよい。例えば、図8及び図9に示した例のように、矢印灯器に従って交差点に進入するように運転者に報知するとよい。このようにすると、交差点に進入可能であるにもかかわらず、運転者が誤って交差点の手前で停止操作を行ってしまうような事態の発生を抑制することができる。
運転者に専用車線に入るための推奨車線を報知する地点から専用車線が開始する地点までに車線変更を完了するのに十分な距離が確保されるように、推奨車線を報知する地点を設定するとよい。例えば、専用車線が開始する地点より250m〜1km手前の地点とするとよい。
専用車線が開始する地点の手前の道路が2車線である場合には、次の交差点で右折、直進、または左折する場合に、どちらの車線を走行すればよいか運転者は判断しやすい。専用車線が開始する地点の手前の道路が3車線以上である場合に、運転者はどの車線を走行すべきか戸惑いやすい。専用車線が開始する地点の手前の道路が3車線以上である場合に、第3実施例のより顕著な効果が得られる。
[第3実施例の変形例]
次に、第3実施例の変形例について説明する。
図8に示した例では、処理部10がスピーカ7から「右折用矢印信号に従って走行してください。」という音声を出力させたが、音声出力に加えて、表示装置3に右折可能な信号機の点灯状態を表示させるとよい。例えば、赤色灯器と右折用矢印灯器とが点灯した状態の信号機の外観を表示させるとよい。
図9に示した例では、処理部10が音声出力に加えて、表示装置3に、青色灯器が点灯した状態の信号機の外観、及び赤色灯器、直進用矢印灯器、及び左折用矢印灯器が点灯した状態の信号機の外観を表示させるとよい。
右折車用の専用車線が設けられ、かつUターンが可能な交差点では、処理部10は、自車両の前の車両がUターンする可能性があることを運転者に報知するようにするとよい。Uターンする車両は、右折車両とは異なり後続の車両の運転者が予期しない挙動を示す場合がある。運転者は、自車両の前の車両がUターンする可能性があることを想定して運転操作を行うことにより、事故の発生を低減することができる。
Uターン禁止の交差点では、Uターンが禁止であることを運転者に報知するメッセージをスピーカ7から音声で出力させるとよい。
自車両が先頭で交差点の専用車線に停止している場合、当該専用車線に許容された進行方向の確認もれによる違反が発生しやすい。自車両が先頭で交差点の専用車線に停止したとき、処理部10(図1B)は、専用車線の進行方向に従って進行するように運転者に注意を促すメッセージをスピーカ7から出力させるとよい。自車両が先頭か否かの判定は、例えば車両の前方を撮影するカメラの画像に基づいて行うとよい。この画像データを取得するために、運転者支援装置にカメラを内蔵するとよい。また、運転者支援装置が車載カメラから画像データを取得するようにしてもよい。自車両が位置する車線が専用車線か否かの判定は、カメラで撮影された画像から路面標識を抽出することにより行うとよい。また、GPSによる測位精度が向上すると、GPSによる測位結果から自車両が位置する車線を判定ことも可能である。
交差点で左折する推奨経路が設定されている場合には、自転車等の二輪車の巻き込みに注意するように運転者の注意を喚起させるメッセージをスピーカ7から音声で出力させるとよい。これにより、運転者が二輪車の巻き込みに注意して左折するようになり、巻き込み事故の発生を抑制することができる。
[第4実施例]
次に、図10を参照して、第4実施例による運転者支援装置について説明する。以下、第1実施例及び第2実施例と共通の構成については説明を省略する。
図10は、第4実施例による運転者支援装置1の機能を説明するための予告案内標識40及び運転者支援装置1の概略図である。メモリカード6等の記憶手段に複数の予告案内標識40が設置されている位置を特定可能な情報、及び地図データが格納されている。
処理部10(図1B)は、道なりに走行した時に通過する経路41上に予告案内標識40が設置されている場合には、予告案内標識40が設置されている地点の手前で予告案内標識40が設置されている旨を報知する機能を有する。例えば、処理部10は、予告案内標識40が設置されている地点の手前でスピーカ7から「間もなく予告案内標識があります。」というメッセージを音声で出力させるとよい。例えば、予告案内標識40が交差点の手前400mの地点に設置されている場合、交差点の手前500mの地点で予告案内標識40を知らせるメッセージを出力するとよい。例えば、予告案内標識40が運転者の視界に入り始める地点で、予告案内標識40が設置されていることを知らせるメッセージを出力するとよい。
さらに、処理部10は、予告案内標識40に表示されている情報を表示装置3に表示させるようにするとよい。例えば、予告案内標識40の画像を表示装置3に表示させるとよい。
[第4実施例の効果]
次に、第4実施例の優れた効果について説明する。
運転者が予告案内標識40に気付く時点が遅いと、予告案内標識40の内容を読み取る時間的余裕が無い場合がある。予告案内標識40が設置されていることが報知されると、運転者は、予告案内標識40が設置されている地点の手前で、予告案内標識40の存在に気付くことができる。このため、予告案内標識40の内容を、余裕をもって読み取ることができる。また、運転者は、予告案内標識40の内容を確認するタイミングを逃しても、表示装置3に表示された情報から、予告案内標識40の内容を把握することができる。
例えば、「ここを右折です。」というような案内標識が設けられている場合、その案内標識に気づいた時点ではすでに右折すべき地点に到達しており右折できない事態が生じ得る。第4実施例において、「ここを右折です。」というような進路変更すべき地点に設置された案内標識の存在を、その地点の手前で運転者に報知することにより、余裕を持って案内標識に気付き、進路変更することが可能になる。
目的地までの推奨経路が設定されている場合には、処理部10は、推奨経路上に予告案内標識40が設置されている旨を報知するとよい。これにより、運転者は推奨経路を走行するに先立って、予告案内標識40が設置されている地点を知ることができる。報知対象とする予告案内標識40として、例えば特殊な信号機が設置されている交差点に関する情報を案内している標識とするとよい。
[第5実施例]
次に、図11を参照して第5実施例による運転者支援装置について説明する。以下、第1実施例及び第2実施例と共通の構成については説明を省略する。
図11は、「ゾーン30」が設定されている地域の地図の一例を示す図である。ゾーン30を破線で示す。第5実施例では、ゾーン30、シルバーゾーン、スクールゾーン等、運転者に特に注意してもらいたい地域を特定する情報が、メモリカード6等の記憶手段に記憶されている。
処理部10(図1B)は、目的地までの推奨経路を探索する際に、ゾーン30を通過しない経路を優先的に探索する探索モードを提供する。探索モードがゾーン30を通過しないモードに設定されているとき、処理部10は、図11に太線で示すように、ゾーン30を迂回する経路を推奨経路として推奨する。自車両がゾーン30に近づくと、ゾーン30を通過しない経路が推奨経路として設定されていることを運転者に報知する。例えば、処理部10はスピーカ7から「間もなくゾーン30です。ゾーン30を通過しない経路を表示します。」というメッセージを音声で出力させる。
また、自車両がゾーン30、シルバーゾーン、スクールゾーン等、運転者に特に注意してもらいたい地域内に入ったことを処理部10が検知すると、自車両が要注意ゾーンに入ったことを運転者に報知するようにするとよい。
目的地がゾーン30内に位置する場合には、処理部10は、ゾーン30内を走行する距離が最短になる条件で推奨経路を探索するとよい。
[第5実施例の効果]
第5実施例においては、ゾーン30を迂回して走行、またはゾーン30内の走行距離を短くするように走行することにより、ゾーン30内での事故の発生を回避または抑制することができる。
上述の種々の実施例においては、運転者支援装置が運転者に注意喚起情報を案内したが、最終的な判断は運転者が交通標識を目視して、交通標識に従って走行するように運転者に注意を促すとよい。
[他の実施例]
処理部10(図1B)が運転者への注意喚起メッセージを音声で出力したとき、処理部10は、運転者からの確認応答メッセージの入力待ち状態になるとよい。確認応答メッセージは、運転者が前方から視線を逸らすことなく入力できるようにするとよい。例えば、処理部10は、「了解」、「OK」といった音声を検出することにより確認応答メッセージが入力されたと認識するようにするとよい。その他に、運転者がタッチパネル4(図1A、図1B)のどこに触れても、処理部10は確認応答メッセージの入力があったと認識するようにするとよい。
この入力待ち状態のときに、運転者から確認済を知らせるメッセージが入力されない場合、定期的に注意喚起メッセージを音声で出力するとよい。運転者からの確認済を知らせるメッセージが入力されると、処理部10は、注意喚起メッセージの定期的な出力を停止させるとよい。このようにすると、運転者が注意喚起メッセージに気付かず、要注意の交差点に到達してしまう事態の発生を抑制することができる。また、運転者が適度な注意喚起を受けることにより、居眠り防止という効果も得られる。
交差点で停止しているとき、前方の車両の背が高い場合には、自車両の運転者から信号を視認できない場合がある。このようなとき、運転者支援装置が搭載された位置からは信号機が見える場合には、運転支援装置に搭載されたカメラによる画像に基づいて、信号機の状態を運転者に報知するようにするとよい。例えば、カメラで撮像された画像から信号機の画像を抽出して、信号機の画像を表示装置3に表示させるとよい。運転者は、信号機を直接視認できない状況下であっても、運転者支援装置の表示装置3を見て、信号機の状態を知ることが可能になる。
以上、本発明の様々な側面を実施例及び変形例を用いて説明してきたが、これらの実施例及び変形例の説明は、本発明の技術的範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の技術的範囲は、明細書に明示的に説明された構成に限定されるものではなく、本明細書は、説明された本発明の様々な側面を組み合わせて得られる他の発明をも開示する。本願の出願人は、本発明のうち、特許を受けようとする発明の構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されておらず、本明細書に開示される少なくとも1つの構成要素を含む発明をも、将来的に特許請求の範囲に含める意思を有する。
本願発明は上述した「発明を実施するための形態」に記載の構成に限定されない。上述した各実施例や変形例に含まれる構成要素を任意に選択して組み合わせて、新たな発明を構成するとよい。また各実施例や変形例の任意の構成要素と、「課題を解決するための手段」に記載の任意の構成要素または「課題を解決するための手段」に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とを任意に組み合わせて新たな発明とすることができる。本願の出願人は、これらの新たな発明についても、本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。