従来の無線LANシステムでは、1チャネル当り20MHzの周波数帯域を用いて通信を行う。IEEE802.11n以降の規格では、複数のチャネルを束ねて通信を行うチャネルボンディング機能が規定されている(たとえば、特許文献1)。IEEE802.11n規格では、チャネルの利用状況に応じて最大2チャネルを束ねて40MHzの周波数帯域を用いて通信を行うことができる。また、IEEE802.11ac規格では、最大8チャネルを束ねて160MHzの周波数帯域を用いて通信を行うことができる。
ここで、図18は、IEEE802.11ac規格のチャネル構成を示す概念図である。
図18に示すように、送信局は「プライマリチャネル」と呼ばれるチャネルを設定し、その他の束ねて用いるチャネルをセカンダリチャネルとして設定する。
図18(a)では、44chがプライマリチャネル、36,40,48,52,56,60,64chがセカンダリチャネルの例を示す。より詳しくは、48chが40MHz送信を行うためのセカンダリチャネル、36,40chが80MHz送信を行うためのセカンダリチャネル、52から64chが160MHz送信を行うためのセカンダリチャネルの例である。セカンダリチャネルが利用可能か否かは、他の送信局によってチャネルが使用中か否かで決定される。
ここで、プライマリチャネル(44ch)のみが未使用であれば、20MHzの周波数帯域を用いて通信を行う。プライマリチャネル(44ch)とセカンダリチャネル(48ch)が未使用であれば、チャネルボンディングにより40MHzの周波数帯域を用いて通信を行う。同様に、他のセカンダリチャネルが未使用であれば、プライマリチャネルとセカンダリチャネルを束ねて80Hzや160MHzの周波数帯域を用いて送信することができる。プライマリチャネルが使用中であれば、送信局は通信を行うことができない。
図18(b)では、52chがプライマリチャネル、36,40,44,48,56,60,64chがセカンダリチャネルの例を示す。より詳しくは、56chが40MHz送信を行うためのセカンダリチャネル、60,64chが80MHz送信を行うためのセカンダリチャネル、36から48chが160MHz送信を行うためのセカンダリチャネルの例である。この場合も、図18(a)と同様にして、セカンダリチャネルが利用可能か否かは、他の送信局によってチャネルが使用中か否かで決定される。
このようなチャネルボンディング機能が適用されるのは、主にデータフレームの送信に対してであり、ビーコンやプローブ等の管理フレームはプライマリチャネルのみを用いて送信される。
すなわち、図18に示すように、チャネルボンディングでは、チャネルの役割を分割し、複数のチャネルを同時に利用するという方式である。
ここでの「プライマリチャネル(Primary Channel)とは、データ伝送および、接続を確立するための制御情報を親機-子機間でやり取りするためのチャネルのことを意味し、「セカンダリチャネル(Secondary Channel)」とは、プライマリチャネルにおけるデータ伝送について、より高いデータ伝送速度を達成するために、同時に用いられるチャネルを意味する。
このような構成により、プライマリチャネルでは、ユーザデータの伝送および制御情報の送信を行いつつ、セカンダリチャネルでは、プライマリチャネルのユーザデータの送信の補助を行うことになる。この結果、従来の通信との互換性を保ちつつ、データ伝送速度を向上させることが可能になる。同様の考え方は、IEEE802.11ac規格におけるチャネルボンディングだけでなく、たとえば、以下で説明するLTE−A(Long Term Evolution-Advanced)におけるキャリアアグリゲーションにおいても使用されている。
すなわち、従来の他の無線通信方式、たとえば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で標準化が行なわれた無線通信システムであるLTE(Long Term Evolution)リリース8(Rel-8)は、最大20MHzの帯域を利用して通信を行うことが可能である。
さらに、LTEの発展版であるLTE−Aでは、LTEとの後方互換性を確保しつつ、更なる高速伝送を実現するため、LTEでサポートされる帯域幅を基本単位としたコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)を複数束ねて同時に用いるキャリアアグリゲーション(CA:Career Aggregation)技術が採用され、最大で5CC(100MHz幅)を用いて100MHz幅の広帯域伝送が実現可能である。ただし、このようなキャリアアグリゲーションは、近接する周波数バンドでの異なるチャネルを用いた伝送である。
上記のような高速化が図られてはいるものの、近年、 スマートフォン等の高機能な携帯端末の普及に伴って、移動通信トラフィックの需要が急激に増大している。
その結果、従来からの無線LAN(Local Area Network)の利用拡大に加え、スマートフォンの普及によるモバイルデータトラフィックの増大により無線LANへのオフロードが進展し、免許不要帯域(2.4GHz帯、5GHz帯)でのトラフィックが急増している。
また、IoT(Internet Of Things)/M2M(Machine to Machine)社会の進展により、 上記周波数帯および920MHz帯の更なる逼迫が懸念され、これらの周波数帯の周波数利用効率向上は喫緊の課題となっている。
ここで、無線リソースの利用状況は時間・場所・周波数帯や無線チャネル等によって変動するため、一部の周波数帯(や無線チャネル)のみが混雑する状況が発生し得る。
しかしながら、既存の自営系無線システム(例えばIEEE802.11無線LAN)は単一の周波数帯を用いるか、予め使用する帯域をひとつ決めてから通信を行う。例えば、IEEE802.11nは2.4GHz帯と5GHz帯のいずれを使用するかを設定してから使用する。このため、既存の自営系無線システム全体として無線リソースに空きがある場合であっても、輻輳が発生するおそれがある。
ここで、無線通信リソースの有効利用を図るためコグニティブ無線技術が注目されている。コグニティブ無線技術とは、無線端末が周囲の電波の利用状況を認識し、その状況に応じて利用する無線通信リソースを変えることをいう。コグニティブ無線技術には、異なる無線通信規格を状況に応じて選択して使うヘテロジニアス型と、無線端末が空き周波数を探し出して必要な通信帯域を確保する周波数共用型とがある。
ヘテロジニアス型においては、コグニティブ無線機は、周辺で運用されている複数の無線システムを認識し、各システムの利用度や実現可能な伝送品質に関する情報を入手し、適切な無線システムに接続する。即ち、ヘテロジニアス型のコグニティブ無線は、周辺に存在する無線システムの利用効率を高めることにより、間接的に周波数資源の利用効率を高めるものである。
一方、周波数共用型においては、コグニティブ無線機は、他の無線システムが運用されている周波数帯域において、一時的、または局所的に利用されていない周波数資源(これは、white spaceと呼ばれる)の存在を検知し、これを利用して信号伝送を行なう。即ち、周波数共用型のコグニティブ無線は、ある周波数帯域における周波数資源の利用効率を直接的に高めるものである。
そして、上述したような免許不要帯域におけるトラフィックの増大の問題を解決する一手法として、使用周波数帯の異なる複数の無線LAN規格(例えば、2.4GHz帯無線LAN規格と5GHz帯無線LAN規格)を選択あるいは並行利用する、ヘテロジニアス型コグニティブ無線的アプローチが考えられる(たとえば、特許文献2、特許文献3)。
しかし、このヘテロジニアス型コグニティブ無線的アプローチでは送信データを適宜分割し、それぞれどの周波数帯で伝送するかを事前に振り分けておく必要がある。この結果、各周波数帯の混雑度合いによっては使用周波数帯によって伝送遅延が大きく異なったり、データが宛先に到着する順番が入れ替わる、等の問題が新たに発生してしまう。
そこで、互いに大きく分離した複数の周波数帯、たとえば、2.4GHz帯無線LANと5GHz帯無線LANにおいて、既存システムと周波数を共用して、コグニティブな無線通信を実現することが望ましい。
ところで、たとえば、図18に示したIEEE802.11ac規格におけるプライマリ/セカンダリチャネルの設定では、予め、たとえば基地局(アクセスポイント)側において、20MHz帯域幅のプライマリチャネルを1つ決定する。また、選択したプライマリチャネルの位置によって,セカンダリチャネルの位置が一意に決まるように、予め規定されている。
この結果、プライマリチャネルにおいてキャリアセンスを行い送信機会を取得し、さらにセカンダリチャネルにおいてもキャリアセンスを行いアイドル(IDLE)状態であれば、セカンダリチャネルも利用したより高速な伝送を行うことができる。
しかしながら、一方で、このような構成では、プライマリチャネルの空状況に送信機会が制限されてしまうという問題がある。
すなわち、セカンダリチャネルも利用して広帯域送信を行うにあたり、IEEE802.11ac規格に従う無線通信装置は、プライマリおよびセカンダリチャネルの使用状況を確認する機能は具備しているが、たとえセカンダリチャネルがアイドル状態だとしても、プライマリチャネルがビジーであれば、プライマリチャネル/セカンダリチャネルの両方がビジー扱いとなってしまう。
一方で、プライマリチャネルにて、ビーコンなどの制御情報を送信するため、セカンダリチャネルによる送信機能を持たない装置との後方互換性を維持しつつ、制御情報をやりとりするためには、プライマリチャネルの概念は必要である。
したがって、従来は、複数の無線チャネルを複数束ねて同時に用いることで伝送速度を向上させる技術は存在したものの、無線チャネルの利用効率が必ずしも高くない、という問題があった。
そこで、このような問題点を解決するために、無線リソースの効率的な利用の実現のために、「サブプライマリチャネル(sub-primary channel)」との概念を導入して、「プライマリチャネル(primary channel)」あるいは「サブプライマリチャネル」のいずれかが空いていれば送信機会を得る手法が提示されている(非特許文献1)。この手法においては、どのチャネルをサブプライマリチャネルに設定するかが重要であり、以下のような基準を用いることが提案されている。
(S1) 基本無線チャネルの帯域幅をLとするとき、より上位の階層でより大きな帯域幅を確保できる結合チャネルを選択可能なチャネルパターンが最も多くなるような サブプライマリチャネル を選択。選択可能な結合チャネルのチャネルパターンが同数の基本無線チャネルが複数ある場合は、SNR(signal to noise ratio)の良い方を選ぶ。
(S2) 選択可能な基本無線チャネルのうち、アイドル状態となる確率が高い基本無線チャネル(ビジー状態となる確率が低い基本チャネル)から優先的にサブプライマリチャネル として選択する。
以下、本発明の実施の形態の無線通信システムおよび無線通信装置の構成を説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素および処理工程は、同一または相当するものであり、必要でない場合は、その説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
以下では、上述した非特許文献1に開示された「サブプライマリチャネル」の概念を用いて、隠れ端末が存在する場合にも、複数の無線チャネルを複数束ねて同時に用いることで伝送速度を向上させつつ、無線チャネルの利用効率を向上させることが可能な無線通信の方式について説明する。
図1は、実施の形態1のチャネル構成を示す概念図である。
なお、図1では、IEEE802.11ac規格のチャネル構成を基に、これに対する変更として本実施の形態を説明しているが、必ずしもこのようなチャネル構成の形態に限定されるものではない。
たとえば、1つの無線チャネルあたり、L(MHz)の帯域幅がある無線チャネル(基本無線チャネル)が、2n個(nは自然数)あったとすると、これらの無線チャネルを2個ずつ束ねることで、2n-1個の互いに隣接したより帯域幅の大きな結合チャネルを生成し、さらに、4個ずつ束ねることで、2n-2個の互いに隣接したより帯域幅の大きな結合チャネルを生成し、最終的に、2n個の無線チャネルを束ねて、1個のより帯域幅の大きな結合チャネルを生成することを可能なチャネル構成であればよい。
図1においては、「サブプライマリチャネル(Sub-Primary Channel)」と呼ばれるチャネルを導入している。
すなわち、図1においては、「プライマリチャネル」は、従来通り、データ伝送および、接続を確立するための制御情報を親機-子機間でやり取りするためのチャネルである。
これに対して、「サブプライマリチャネル」は、プライマリチャネルと同様にデータ伝送を行うチャネルである。
また、「セカンダリチャネル」は、プライマリチャネルおよびサブプライマリチャネルにおけるデータ伝送について、より高いデータ伝送速度を達成するために,同時に用いられるチャネルである。
ここで、「サブプライマリチャネル」も、ユーザデータの伝送のみを担うチャネルであるが、プライマリチャネルのデータ伝送を分担するチャネルという位置づけである。したがって、図1の構成においても、たとえば、ビーコンは、「プライマリチャネル」のみで伝送される。
ここで、より詳しく説明すると、無線通信を行うための制御情報としては、無線LANのアクセスポイントからのビーコンのように、ある無線通信装置から他の無線通信装置へ向けて、当該ある無線通信装置の存在を通知するために一定の期間ごとに送信される「第1の制御情報」と、送信されるデータについて受信側でその復調に必要な制御情報である「第2の制御情報」と、後述するように、隠れ端末の存在をスキャンするために他の無線装置を介して収集される「第3の制御情報」とが含まれる。
たとえば、無線LANにおいては、ビーコンパケットは、一般的には100ミリ秒ごとに送信され、アクセスポイントの暗号設定、アクセスポイントの通信伝送レート設定、SSID(Service Set ID)、ESSID(Extended Service Set ID)というような情報が含まれている。
一方で、第2の制御情報としては、フレームごとに変更される可能性のある情報が含まれ、たとえば、変調方式や符号化率などの組み合わせを受信側に通知するためのMCS(Modulation and Coding Scheme)情報などがある。
本実施の形態においては、第1の制御情報は、プライマリチャネルで送信され、第2の制御情報および第3の制御情報については、サブプライマリチャネルでも送信される。第1の制御情報は、上記のとおり、一定期間間隔で送信されるのみであるので、その他の残りの時間は、プライマリチャネルは、第1の制御情報の伝送には使用されていない。
図1に示すように、サブプライマリチャネルは、複数設定される。従来とは異なり、プライマリチャネルだけでなく、サブプライマリチャネルのいずれかが空いていれば送信可能と判断されるものとする。なお、図1では、例として、サブプライマリチャネルは複数としたが、1つでもよい。
ここで、チャネル構成中において、どこをサブプライマリチャネルとして設定しているかは、親機または基地局から、ビーコンなどの制御情報として、ブロードキャストされるものとする。
あるサブプライマリチャネルに対して、どのチャネルをセカンダリチャネルとして割り当てるかは、図18に示したのと同様とできる。
すなわち、2n個(nは自然数)ある無線チャネル(基本無線チャネル)のうちの1つが、プライマリチャネルとして設定され、他に、複数のサブプライマリチャネルが設定されている場合、プライマリチャネルまたは各サブプライマリチャネルに対して、2個ずつ束ねることで、2n-1個の互いに隣接したより帯域幅の大きな結合チャネルを生成するような相手方となる無線チャネルをセカンダリチャネルとして割り当てる。より多くの基本無線チャネルを束ねることで、より大きな帯域幅の結合チャネルを生成する場合も同様である。
したがって、1つのプライマリチャネルに対する結合チャネルと、他のサブプライマリチャネルに対する結合チャネルとは、結合の階層が一定以上になったところで、両者が同一の結合チャネルとなる。たとえば、図1では、基本無線チャネルのプライマリチャネルを縦縞で表し、基本無線チャネルのサブプライマリチャネルを横縞で表すとき、これらの結合の階層が一定以上になったところで、両者が同一の結合チャネルとなったものを格子縞で表している。
[無線通信装置の構成]
図2は、本実施の形態の無線通信装置100の主要部の構成を説明するための機能ブロック図である。
なお、無線通信装置100は、アクセスポイントAPおよび端末STAの双方の構成を示しているものとする。
図2に示した無線通信装置100の構成においては、空チャネル探索は、プライマリチャネルおよびサブプライマリチャネルについては、「仮想キャリアセンス」を実行する構成について説明している。
ここで、「仮想キャリアセンス」について、用語の説明のために、簡単に要約する。無線LANのIEEE802.11規格では、(1) CSMA/CAによる衝突回避,(2)RTS(Request To Send),CTS(Clear To Send)交換による隠れ端末回避,(3)Durationによる送信待機時間の通知等が実施される。
たとえば、まず端末Bに送信すべきフレームをもつ端末Aは,チャネル(キャリア)を物理的にセンスする(受信電力を計測する)。チャネルがアイドルであった場合には、バックオフを行う。その後、端末Aは、RTSフレームを端末Bに向けて送信する。RTSを受信した端末Bは、CTSフレームを端末Aに送信する。その後、端末Aはデータフレームを送信し、端末Bは、ACKフレームを返送する。RTS,CTS,データフレームには、これからチャネルを占有する時間(Duration)が含まれている。Durationは、NAV(Network Allocation Vector)期間とも呼ばれる。したがって、これらのフレームを傍受した端末Cや端末Dは、送信すべきフレームがあったとしてもDurationの間は送信を保留(延期)する。すなわち、端末Cや端末Dはフレーム送信の前のキャリアセンスに先立ちNAV期間かどうかをチェックする。これを「仮想キャリアセンス」と呼び、通常のキャリアセンス(物理キャリアセンス)とは区別する。
言い換えると、仮想キャリアセンスを用いると、送信ノードから直接電波が届かないノードに対して、送信ノードの信号を受信する受信ノードがCTSによる通知をすることにより、受信ノードの通信範囲内になる全ノードが送信ノードの通信を検知することができることになる。
図2を参照して、無線通信装置100は、受信のための受信高周波処理部(RF RX)部2400からの受信信号に基づいて、プライマリチャネルに対してプリアンブル検出を実行するためのプリアンブル検出部6100と、サブプライマリチャネルに対して空チャネル探索を実行するためのプリアンブル検出部6202.1〜6202.pとを含む。
プライマリチャネルおよびサブプライマリチャネルについては、データ復調部2500、6610.1〜6610.pによりデータ復調を行うことで、上述した仮想キャリアセンスによりチャネルの空状態を検出する。
ここでは、サブプライマリチャネルは、p個設定されているものとする。
さらに、無線通信装置100は、受信のための受信高周波処理部(RF RX)部2400からの受信信号に基づいて、プライマリチャネルおよびプライマリチャネル以外の基本無線チャネルに対して受信電力の検知により空チャネル探索を実行するための受信電力検出部6400.1〜6400.qを含む。ここでは、他のチャネルは、q個存在するものとする。
プリアンブル検出部6100からの信号は、データ復調部2500により復調されて、制御情報およびユーザデータとして、MACレイヤーへの処理に渡される。
また、データ復調部2500,データ復調部6610.1〜6610.pからの信号は、サブプライマリチャネル選択部6800にも与えられる。サブプライマリチャネル選択部6800は、受信フレームに記載のMACアドレスから当該信号の送信元が干渉源であるかどうかを判断する。
さらに後述するように、無線通信装置100は、RF RX部2400、プリアンブル検出部6100およびデータ復調部2500を介して、他の無線通信装置からのチャネルスキャンの結果の情報を収集し、収集されたデータは、サブプライマリチャネル選択部6800に与えられる。
(チャネルの選択処理)
まず、空チャネル探索の結果、プライマリチャネルがアイドル状態であって、このチャネルで伝送可能であれば、プライマリチャネルを利用して、無線フレーム生成部1020で生成された無線フレームは、送信高周波処理部1040により送出される。
一方で、空チャネル探索の結果、複数の送信候補となるプライマリチャネル/サブプライマリチャネルが存在する場合は、それらのうちから、サブプライマリチャネル選択部6800が、後述する「サブプライマリチャネル選択方式」に従って、1つの基本無線チャネルをサブプライマリチャネルとして選択する。
送信チャネル選択部6600は、選択されたプライマリチャネルまたはサブプライマリチャネルを基に、たとえば、現在の通信状況等に従って、最大の帯域幅が確保できる基本無線チャネルを束ねた結合チャネルを送信チャネルとして、選択する。
すなわち、送信チャネル選択部6600は、チャネルスキャンの結果に応じて、通信を行う結合チャネルを以下のようにして選択する。
i)プライマリチャネルが未使用の場合、ユーザデータをプライマリチャネルと未使用のセカンダリチャネルを結合して送信するようにチャネルを選択する。
ii)プライマリチャネルが使用中の場合、ユーザデータをサブプライマリチャネルと未使用のセカンダリチャネルを結合して送信するようにチャネルを選択する。
そして、この場合は、送信チャネル選択部6600により設定された結合チャネルを利用して、無線フレーム生成部1020で生成された無線フレームは、送信高周波処理部1040により送出される。
図2において、RF RX部2400、プリアンブル検出部6100、受信電力検出部6200.1〜6200.p、受信電力検出部6400.1〜6400.q、サブプライマリチャネル選択部6800、送信チャネル選択部6600を総称して、チャネル状況検知部6000と呼ぶ。
図3は、本実施形態に係る無線通信装置が送信し、あるいは受信するフレームのフォーマットの一例を示す概念図である。
図3を参照して、PHYフレーム(あるいはPPDU: PHY Protocol Data Unit)は、プリアンブル、物理層ヘッダ、およびMACフレーム(物理層ペイロードに相当)を有する。プリアンブルは、タイミングや周波数の同期の確立、および伝送路の推定などのために用いられる既知信号である。
物理層ヘッダは、主にMACフレームを復号するために必要な情報を含み、例えば、フレーム長、変調方式、コーディング方式などの情報を含む。これらの情報は、物理キャリアセンスによるメディアの空塞の判断にも用いられる。すなわち、物理キャリアセンスでは、変調方式、コーディング方式からデータレートを算出し、これとフレーム長からフレームの継続時間中はチャネルが塞がっていると判断できる。
MACフレーム(あるいはMPDU: MAC Protocol Data Unit)は、MAC層ヘッダ、MAC層ペイロード、およびFCS(Frame Chack Sequence)を有する。FCSは、データの整合性をチェックする値として付加される。
プリアンブル検出部6100,6,202.1〜6202.pは、プリアンブルの検出の有無および物理層のヘッダの内容を検知し、サブプライマリチャネル選択部6800は、チャネルが空いているか塞がっているかを検出する。後述する「チャネルスキャン」においては、プリアンブル検出部6202.1〜6202.pは、スキャンするチャネルの周波数を逐次変更する。
一方、データ復調部2500,6610.1〜6610.pからの復調信号において、マック層ヘッダに記載される宛先アドレスおよび送信元アドレスにより、サブプライマリチャネル選択部6800は、干渉源の存在を検知することができる。
(チャネルの選択処理)
図4は、隠れ端末が存在する場合のサブプライマリチャンネルの選択処理における課題を説明するための概念図である。
図4を参照して、実環境ではアクセスポイントAPと端末STA1,STA2とは異なる位置に存在する。このため、APとSTAでは干渉源が異なり、それ故に無線チャネルの利用状況が異なる。
特に、アクセスポイントAP1から見て端末STA1での隠れ端末(図4では、アクセスポイントAP2)が発生すると、アクセスポイントAP1から端末STA1へフレーム伝送を行う際に隠れ端末が送信するフレームとの衝突が発生しやすく、効率的な伝送が行えない恐れがある。したがって、隠れ端末が多く発生するチャネルは、サブプライマリチャネルとしての利用を避けることが望ましい。
したがって、親機/基地局が自身のキャリアセンスで収集される結果のみに基づいて、サブプライマリチャネルを選択するのでは不十分である。つまり、アクセスポイントAP1にとって、隠れ端末(図4では、アクセスポイントAP2)の存在は、他の無線装置(図4では、端末STA1)からその存在を報知されないと、その存在を知ることは難しい。
まず、空チャネル探索の結果、プライマリチャネルがアイドル状態であって、このチャネルで伝送可能であれば、プライマリチャネルを利用して、無線フレーム生成部1020で生成された無線フレームは、送信高周波処理部1040により送出される。
一方で、空チャネル探索の結果、複数の送信候補となるプライマリチャネル/サブプライマリチャネルが存在する場合は、それらのうちから、サブプライマリチャネル選択部6800が、以下の「サブプライマリチャネル選択方式」のようにして、1つの基本無線チャネルを選択する。
なお、以下では、「BSS(Basic Service Set)」とは、無線LANのインフラストラクチャモードで、1つのAPとそのAPの電波の到達範囲内にいる配下の無線LANクライアント端末で構成されるネットワークをいうものとする。
i)複数の無線装置からチャネル利用状況に関する情報を収集し、その結果に基づきサブプライマリチャネルの選択制御を行う。
そして、サブプライマリチャネル選択制御の際には、以下の指標を考慮する。
i−a)BSSから見て隠れ端末数が最小のチャネルを優先
i−b)BSSから見て干渉端末数が最小のチャネルを優先
ii)プライマリチャネルの通信に使用するRF部とは別のRF部でサブプライマリチャネル選択制御に必要な情報取得のためのチャネルスキャンを行うことで、プライマリチャネルでの通信リンクを維持しながらサブプライマリチャネル選択制御を行う。
iii)チャネルの利用状況の変化に応じてサブプライマリチャネルの更新を行う。
サブプライマリチャネルの更新を行うかどうかの判断基準としては、以下のものがある。
iii−a)BSSへのSTA参入もしくは離脱が発生した。
iii−b)使用中のチャネルの(時間的)利用率が所定のしきい値以上である。
iii−c)フレーム送信の失敗確率(受信完了応答ACKが返ってこない確率)がしきい値以上である。
図5は、プライマリチャネルおよびサブプライマリチャネルの選択処理を説明するためのシーケンス図である。
なお、図5においては、アクセスポイントAPが、サブプライマリチャネルの選択を行うものとする。また、初期的には、アクセスポイントAPおよび端末STAの双方が休止状態であるものとする。
図5を参照して、まず、アクセスポイントAPが起動すると(S100)、アクセスポイントAPは、初期チャネルスキャンを実行し(S102)、アクセスポイントAPのサブプライマリチャネル選択部6800が、サブプライマリチャネルを決定する(S104)。
ここでは、端末STAがまだ起動していないので、アクセスポイントAPが観測する干渉端末数が最小となるサブプライマリチャネルを選択するという構成とできる。なお、端末STA1がいなければ通信しないので、端末STAが参入するまでサブプライマリチャネルを設定しないという構成とすることもできる。
続いて、端末STAが起動すると(S106)、端末STAは、アクセスポイントAPに対して、プライマリチャネルを介して、端末STAの能力を通知する。ここで、端末STAの能力とは、たとえば、端末STAが備えるRF部の数(同時に仮想キャリアセンスできるチャネル数)などの情報である。
応じて、アクセスポイントAPは、ステップS104で設定したサブプライマリチャネルを、端末STAに通知する。
続いて、アクセスポイントAPは、サブプライマリチャネルの更新の必要性を判断する(S108)。
サブプライマリチャネルの更新処理が必要な場合は、アクセスポイントAPは、端末STAに対して、情報の提供を依頼する。
なお、更新処理が必要であるか否かの判断基準は、上述したiii−a)〜iii−c)に記載したとおりである。
そして、アクセスポイントAPおよび端末STAにおいて、チャネルスキャンが実行される(S110a、S110b)。
端末STAは、チャネルスキャンが終了すると、チャネルスキャン結果をアクセスポイントAPに通知する。
チャネルスキャン結果とは、スキャンしたチャネルの隠れ端末や干渉源のリストの情報である。
アクセスポイントAPは、自身のチャネルスキャンの結果と、端末STAからのチャネルスキャンの結果に応じて、サブプライマリチャネルを決定し(S112)、決定したサブプライマリチャネルを、端末STAに通知する。
以後は、S108以降の処理が、定期的に、または、判断基準となるイベントiii−a)〜iii−c)が発生するごとに実行される。
図6は、端末STAからアクセスポイントAPに通知されるチャネルスキャン結果およびアクセスポイントAPのチャネルスキャン結果を示す概念図である。
図6において、線で結ばれているアクセスポイントAPまたは端末STAは、互いに通信(干渉)範囲内であることを示す。
アクセスポイントAP自身でのチャネルスキャンでは、「干渉源1」と「干渉源3」とが発見される。
端末STAでのチャネルスキャンでは、「干渉源2」と「干渉源3」とが発見される。
その結果、アクセスポイントAPのサブプライマリチャネル選択部6800は、端末STAとの通信においては、隠れ端末数が2であり、干渉源端末数が3であることを検知できる。
より詳しく説明すると、以下の通りである。
(1)各無線装置(AP、STA)は各基本無線チャネルをスキャンし、飛来する他BSSのフレームを受信して干渉源となる(他BSSの)無線装置のMACアドレスを抽出。結果からチャネル毎に干渉源リストを作成する。
(2)サブプライマリチャネルの選択を行う無線装置(図5では、アクセスポイントAP)は、各基本無線チャネルの干渉源リストを他の無線装置(図5では、例えば自身が管理するBSSに所属する端末STA)から収集する。
(3)アクセスポイントAPのサブプライマリチャネル選択部6800は、各基本無線チャネルで下記のいずれかに該当する無線装置を隠れ端末と判断し、その数をカウントする。
i)APの干渉源リストには含まれていないが、端末STAの干渉源リストには含まれている無線装置 (図6の例では、干渉源2)
ii)APの干渉源リストには含まれているが、端末STAの干渉源リストには含まれていない無線装置 (図6の例では、干渉源1)
また、アクセスポイントAPのサブプライマリチャネル選択部6800は、干渉端末数(重複しない干渉源の数)もカウントする。
(4)アクセスポイントAPのサブプライマリチャネル選択部6800は、隠れ端末と判断された無線装置の数が少ない基本無線チャネルから順に、所定の数のサブプライマリチャネルを選択する。
アクセスポイントAPのサブプライマリチャネル選択部6800は、隠れ端末数が同数となる場合は、「チャネル番号の小さい順」、「ビジー確率が小さい順」、「干渉源となる無線装置数が少ない順」など予め決められた基準によりサブプライマリチャネルを選択する。ビジー確率は、たとえば、それまでの当該チャネルに対するチャネルセンスの結果の履歴などから推定できる。
なお、逆に、隠れ端末数の代わりに干渉端末数の方を優先して選択してもよい。干渉端末数は自身のBSSに飛来する干渉の総量を示す指標である。
(5)アクセスポイントAPは、選択したサブプライマリチャネルを端末STAに通知する。
(6)アクセスポイントAPのサブプライマリチャネル選択部6800は、必要に応じてサブプライマリチャネルの更新を行うかどうかの判断を行い、更新が必要であれば(1)に戻る。
ここで、更新を行う場合の例としては、上述したように、以下のような場合がある。
a)BSSへの端末STAの参入もしくは離脱が発生した場合 (考慮すべき干渉源が変わる可能性があるため。)
b)使用中のチャネルの(時間的)利用率がしきい値以上 (チャネルが混んでいて、別のサブプライマリチャネルを使用した方がより多くの通信ができるようになる可能性があるため。)
c)フレーム送信の失敗確率(ACKが帰ってこない確率)がしきい値以上 (伝搬変動や多数の衝突の発生が考えられ、別のサブプライマリチャネルを使用した方がより多くの通信ができるようになる可能性があるため。)
以上のような構成とすることで、仮に、プライマリチャネルがビジーである場合も、複数の基本無線チャネルを束ねて、より高速な伝送を実現することが可能であり、伝送速度を向上させつつ、無線チャネルの利用効率を向上させることが可能である。
[実施の形態2]
以下では、実施の形態2の受信装置として、上述したような互いに大きく分離した複数の既存の免許不要帯域(たとえば、IoTなどに使用される920MHz帯、無線LANに使用される2.4GHz帯と5GHz帯)において、既存システムと周波数を共用して、コグニティブな無線通信を行うことが可能な無線通信システムにおける送信装置を例とする実施の形態を説明する。
ただし、本発明の無線通信装置については、必ずしも、このような場合に限定されず、より一般的に、互いに分離した複数の周波数帯域を用いて、同一の無線方式で同期したタイミングで同時並行的に通信を行う受信装置に適用することが可能である。また、本発明の無線通信装置においては、後に説明するように、互いに分離した複数の周波数帯域を用いて、異なる無線方式で同期したタイミングで同時並行的に通信を行う受信装置に適用することも可能である。
図7は、本実施の形態の無線通信システムの構成を説明するための概念図である。
図7を参照して、送信側では、920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯の3つの周波数帯を使用することを前提に、各帯域で無線チャネルを1つずつ使用するものとして、送信フレームを構成する。
本実施の形態では以下の特徴を有する無線アクセス制御を行う。
すなわち、まず、送信側では、後述するような方法で複数周波数帯の利用状況(各無線チャネルの空き状況など)を観測する。
続いて、送信側では、あるタイミングで、1つ以上の未使用な周波数帯・無線チャネルで同時に無線パケット(フレーム)を送信する。このとき、送信データを複数帯域にマッピングして送信する。
一方で、受信側では複数帯域を一括受信してデータを統合する。
送受信において、このような構成にすると、帯域間で混雑状況に偏りがあっても送信機会を確保できるため周波数利用効率の向上と伝送遅延の低減が期待でき、またデータの到着順番が入れ替わるような問題も発生しない。
図8は、送信データを複数帯域にマッピングして送信し、受信側で一括受信して統合するための具体例を説明するための図である。
図8に示すように、送信データの系列を使用する各帯域の伝送レートRiに比例するシンボル数ずつ区切って各帯域に、シリアル/パラレル変換により割り当てる。
例えば、(5GHz帯伝送レート:2.4GHz帯伝送レート:920MHz帯伝送レート)=(R1:R2:R3)=(3:2:1)ならば、送信データの系列を6シンボル毎に区切り、5GHz帯(ch1)、2.4GHz帯(ch2)、920MHz帯(ch3)にはその中の3シンボル、2シンボル、1シンボルを割り当てる。なお、送信系列を分割して割り当てる際には、このような場合に限定されず、より一般には、m個の周波数帯を使用する場合は、周波数帯の伝送レートの比を、(R1:R2:…:Rm)(比率は、既約に表現されるとする)とするとき、送信系列を(R1+R2+…+Rm)×n(m,n:自然数)シンボル毎に区切り、各チャネルには、(R1×n)シンボル、(R2×n)シンボル、…、(Rm×n)シンボルを割り当てるものとしてもよい。
そのような割り当ての後に、各帯域ごとに、送信シンボルに対して物理ヘッダをつけて、パケットとし、これらのパケットを同一タイミングで同時並列的に送信する。
送信側で各帯域に割り当てられたシンボル数については、この物理ヘッダ内に情報として格納される。
受信側では、各帯域上の物理ヘッダを利用して同期と復調処理を行う。復調された各系列を送信側と逆の処理で、パラレル/シリアル変換により結合し、フレームの復号を行う。
図9は、実施の形態2の無線チャネルの構成を説明するための概念図である。
図9を参照して、図8で説明したような互いに大きく分離した複数の既存の免許不要帯域において、既存システムと周波数を共用して、コグニティブな無線通信を行うことが可能な無線通信システムにおいて、実施の形態1で説明したように、サブプライマリチャネルを導入した伝送を実施する。
すなわち、たとえば、図9(a)に示すように、2.4GHz帯においては、1つのプライマリチャネルと、1つのサブプライマリチャネルが設定されている。また、図9(b)に示すように、5GHz帯では、1つのプライマリチャネルが設定され、他に、3つのサブプライマリチャネルが設定されている。
このような構成とすることで、互いに大きく分離した複数の既存の免許不要帯域をまとめて利用する通信において、各周波数帯域では、実施の形態1における1つの周波数帯域と同様に扱うことが可能となる。
[送信装置の構成]
図10は、本実施の形態の送信装置1000の構成を説明するための機能ブロック図である。
図10を参照して、送信装置1000は、送信系列を図7で説明したように各周波数帯域に割り当てる処理をするためのシリアル/パラレル変換(以下、S/P変換)部1010と、S/P変換後のデータに対して、周波数帯域ごとに、物理ヘッダの付加や、たとえば、誤り訂正符号の付加、インターリーブ処理など、所定の無線通信方式で通信するための無線フレーム(パケット)を形成するデジタル処理を実行するための無線フレーム生成部1020.1〜1020.3と、無線フレーム生成部1020.1〜1020.3からのデジタル信号に対して、それぞれ、デジタルアナログ変換処理、所定の変調方式への変調処理(たとえば、所定の多値変調方式のための直交変調処理)、アップコンバート処理、電力増幅処理などを実行する高周波処理部(RF部)1040.1〜1040.3と、RF部1040.1〜1040.3の高周波信号をそれぞれ送出するためのアンテナ1050.1〜1050.3とを含む。RF部1040.1〜1040.3の動作は、これらに共通に設けられた局部発振器1030からのクロックに基づいて制御される。
さらに、送信装置1000は、各周波数帯(各周波数帯の中では1つ以上の無線チャネル)の利用状況(各無線チャネルの空き状況など)を観測するチャネル利用状況観測部1060と、チャネル利用状況観測部1060の観測に基づいて、所定のタイミングでのチャネル利用状況を予測するチャネル利用状況予測部1070と、無線フレーム生成部1020.1〜1020.3の処理タイミングおよびRF部での送信タイミングを制御して、制御された同一の送信タイミングにおいて所定の期間につき未使用な周波数帯・無線チャネルで同時に無線パケットを送信するように制御するアクセス制御部1080とを含む。
ここで、チャネル利用状況観測部1060は、実施の形態1のチャネル状況検知部6000と同様にして、それぞれ対応する周波数帯域においてキャリアセンスを実行するためのチャネル状況検知部6000.1〜6000.3を含む。たとえば、チャネル状況検知部6000.1は、920MHz帯を、チャネル状況検知部6000.2は、2.4GHz帯を、チャネル状況検知部6000.3は、5GHz帯を担当する。
このような構成の送信装置1000により、図7で説明したように、データを複数帯域にマッピングして送信し、受信側では複数帯域を一括受信してデータを統合する。
図11は、送信装置1000のより詳細な構成の例を説明するための機能ブロック図である。
図11に示した機能ブロック図は、一例として、無線通信規格802.11aと同様の無線通信方式に従う送信装置の構成を示す。
すなわち、無線通信規格802.11aは、5GHz帯の無線LAN通信方式であるものの、図11では、2.4GHz、920MHz帯でも、周波数帯が異なるだけで、それ以外は同様の構成の無線通信方式に従う受信部を使用するものとする。
したがって、各周波数帯域において、パケットのプリアンブル部分の構成などは、複数の周波数帯について共通であるものとする。
ただし、必ずしも、各周波数帯の無線通信方式が同様の構成を有していることは必須ではなく、周波数帯ごとに無線通信方式(信号形式、シンボル長やサブキャリア間隔など)が異なっていてもよい。この場合は、少なくとも単一の送信系列を各帯域に分割して同時に送信し、また、周波数帯が異なる以外は、RF部の構成が基本的に同一であればよく、パケットのプリアンブル部分の構成(プリアンブルの長さなど)が、複数の周波数帯ごとに異なっていてもよい。
図11では、5GHz帯の送信に係る構成を代表して例示的に示す。無線通信規格802.11aと同様の無線通信方式を想定しているので、伝送する信号は、OFDM(直交周波数分割多重)変調するものとする。
図11を参照して、無線フレーム生成部1020.3は、S/P変換部1010から分配された送信データを受けて、誤り訂正符号化するための誤り訂正符号化部1110と、誤り訂正符号化部1110の出力に対してインターリーブ処理およびマッピング処理を実行するためのインターリーブ/マッピング部1120と、逆フーリエ変換処理を実行するためのIFFT部1130と、ガードインターバル部分を付加するためのGI付加部1140と、デジタル信号をI成分およびQ成分のアナログ信号に変換するためのデジタルアナログコンバータ(DAC)1150とを含む。
高周波処理部1040.3は、DAC1150からの信号を所定の多値変調信号に変調するための直交変調器1210と、直交変調器1210の出力をアップコンバートするアップコンバータ1220と、アップコンバータ1220の出力を電力増幅しアンテナ1050.3から送出するための電力増幅器1230とを含む。
その結果、RF部1040.3により、基底帯域OFDM信号は搬送帯域OFDM信号に変換される。
さらに、高周波処理部1040.3は、局部発振器1030からの参照周波数信号を対応する周波数帯域の基準クロック信号に変換するためのクロック周波数変換部1310と、クロック周波数変換部1310からの基準クロックに基づいて、直交復調器1210での変調処理に使用するクロックを生成するクロック生成部1320と、クロック周波数変換部1310からの基準クロックに基づいて、アップコンバータ1220でのアップコンバート処理に使用するクロックを生成するクロック生成部1340とを含む。
すなわち、局部発振器1030からの参照周波数信号は、このような基底帯域OFDM信号から搬送帯域OFDM信号への変換におけるクロック信号として使用される。なお、より一般に、無線通信方式が異なる場合でも、基本的に、局部発振器1030からの参照周波数信号は、基底帯域信号から搬送帯域信号への変換におけるクロック信号として使用される。
[送信装置の他の構成]
図10および図11では、送信装置1000の構成の一例について説明した。
図10および図11の構成では、送信データをS/P変換部1010により各周波数帯に分配した後に、誤り訂正符号化処理とインターリーブ処理を実施する構成であった。
ただし、送信装置1000の構成は、このような場合に限定されない。
図12は、このような他の構成である送信装置1000´の構成を説明するための機能ブロック図である。
図12の送信装置1000´では、送信データについて、誤り訂正符号化処理とインターリーブ処理をした後に、S/P変換部1010により各周波数帯に分配する構成となっている。無線フレーム生成部1020.1〜1020.3において、マッピング処理およびIFFT処理、ガードインターバルの付加、デジタルアナログ変換処理を実施する。
図13は、このような送信装置1000´のより詳細な構成の例を説明するための機能ブロック図である。
図13に示した機能ブロック図も、一例として、無線通信規格802.11aと同様の無線通信方式に従う送信装置の構成を示す。
図13に示すように、誤り訂正符号化処理部1110による誤り訂正符号化処理およびインターリーブ部1112によるインターリーブ処理をした後に、S/P変換部1010により各周波数帯に分配する構成とすることで、周波数ダイバーシチ効果をより強力に得ることができる。
[受信装置の構成]
以下では、図8で説明したような無線通信システムで使用される受信装置の構成について説明する。
図14は、実施の形態の受信装置2000の構成を説明するための機能ブロック図である。
図14を参照して、受信装置2000は、複数の周波数帯域(920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯)の信号をそれぞれ受信するためのアンテナ2010.1〜2010.3と、アンテナ2010.1〜2010.3の信号のダウンコンバート処理、復調・復号処理などの受信処理を実行するための受信部2100.1〜2100.3と、受信部2100.1〜2100.3に対して共通に設けられ、受信部2100.1〜2100.3の動作の基準となるクロックである参照周波数信号を生成する局部発振器2020と、受信部2100.1〜2100.3からの信号の各系列を送信側と逆の処理で、パラレル/シリアル変換により結合するためのパラレル/シリアル変換部2700とを含む。パラレル/シリアル(P/S)変換部2700からの統合されたフレームの出力は、上位レイヤーに受け渡される。
受信装置2000は、受信した信号のプリアンブル信号から局部発振器2020の周波数オフセットの検出を行って、局部発振器2020の発振周波数を制御するための信号(発振周波数制御信号)を生成し、搬送波周波数同期処理を行い、また、受信した信号からデジタル信号処理におけるタイミング同期をとるための信号(同期タイミング信号)を生成する同期処理部2600を含む。
受信部2100.1は、アンテナ2010.1からの信号を受けて、低雑音増幅処理、ダウンコンバート処理、所定の変調方式に対する復調処理(たとえば、所定の多値変調方式に対する直交復調処理)、アナログデジタル変換処理等を実行するための高周波処理部(RF部)2400.1と、RF部2400.1からのデジタル信号に対して、復調・復号処理等のベースバンド処理を実行するためのベースバンド処理部2500.1を含む。
受信部2100.2も、対応する周波数帯域についての同様の処理を行うための高周波処理部(RF部)2400.2ならびにベースバンド処理部2500.2を含む。また、受信部2100.3も、対応する周波数帯域についての同様の処理を行うための高周波処理部(RF部)2400.3ならびにベースバンド処理部2500.3を含む。
ベースバンド処理部2500.1〜2500.3およびパラレル/シリアル(P/S)変換部2700とを総称して、デジタル信号処理部2800と呼ぶ。
図15は、図14に示した受信装置2000のより詳細な構成の例を説明するための機能ブロック図である。
図15に示した機能ブロック図でも、一例として、無線通信規格802.11aと同様の無線通信方式に従う受信装置の構成を示す。
したがって、受信装置の構成は、図10に示した送信装置の構成に対応するものである。
図15でも、5GHz帯の受信部2100.3の構成を代表して例示的に示す。
図15を参照して、受信部2100.3のRF部2400.3は、アンテナ2010.3からの受信信号を増幅するための低雑音増幅器3010と、低雑音増幅器3010の出力を周波数変換するためのダウンコンバータ3020と、ダウンコンバータ3020の出力を所定の振幅となるように制御するための自動利得制御器3030と、所定の多値変調信号を復調するための直交復調器3040と、直交復調器3040のI成分出力およびQ成分出力をそれぞれデジタル信号に変換するためのアナログデジタルコンバータ(ADC)3050とを含む。
RF部2400.3は、さらに、局部発振器2020からの参照周波数信号を対応する周波数帯域の基準クロック信号に変換するためのクロック周波数変換部3060と、クロック周波数変換部3060からの基準クロックに基づいて、ダウンコンバータ3020でのダウンコンバート処理に使用するクロックを生成するクロック生成部3070と、クロック周波数変換部3060からの基準クロックに基づいて、直交復調器3040での復調処理に使用するクロックを生成するクロック生成部3080とを含む。
無線通信規格802.11aと同様の無線通信方式を想定しているので、伝送されてきた信号は、OFDM(直交周波数分割多重)変調されている。その結果、RF部2400.3により、搬送帯域OFDM信号は、基底帯域OFDM信号に変換される。
そして、局部発振器2020からの参照周波数信号は、このような搬送帯域OFDM信号から基底帯域OFDM信号への変換における搬送周波数同期に使用される。なお、より一般に、無線通信方式が異なる場合でも、基本的に、局部発振器2020からの参照周波数信号は、搬送帯域信号から基底帯域信号への変換における搬送周波数同期に使用される。
再び、図15に戻って、ベースバンド処理部2500.3は、ADC3050からの信号を受けて、ガードインターバル部分を除去するためのGI除去部4010と、ガードインターバルが除去された信号に対して、高速フーリエ変換を実行するためのFFT部4020と、FFT部4020の出力に対して、デマッピングおよびデインターリーブ処理を実行するためのデマッピング/デインターリーブ部4030と、誤り訂正部4040とを含む。
ここで、同期処理部2600から出力される同期タイミング信号は、OFDMシンボルの始まりを検出するためのシンボルタイミング同期などに使用される。
より一般に、無線通信方式が異なる場合でも、基本的に、同期処理部2600から出力される同期タイミング信号は、ベースバンド処理における同期信号として使用される。
[受信装置の他の構成]
図14および図15では、受信装置2000の構成の一例について説明した。
図14および図15の構成では、図10および図11の送信側の構成に対応して、受信データに対して、デマッピング/デインターリーブ処理および誤り訂正処理を実施した後に、S/P変換部1010により各周波数帯からの信号を結合する構成であった。
ただし、受信装置2000の構成は、このような場合に限定されない。
図16は、このような他の構成である受信装置2000´の構成を説明するための機能ブロック図である。
図16の受信装置2000´では、受信データについて、P/S変換部2700により各周波数帯の信号を結合した後に、デインターリーブ処理および誤り訂正処理を実行
する構成となっている。ベースバンド処理部2500.1〜2500.3において、ガードインターバルの除去、FFT処理およびデマッピング処理を実施する。
したがって、図16の受信装置2000´は、図12の送信装置1000´からの信号の受信に対応するものである。
図17は、このような受信装置2000´のより詳細な構成の例を説明するための機能ブロック図である。図17の構成も、図12の構成に対応するものである。
図17に示した機能ブロック図も、一例として、無線通信規格802.11aと同様の無線通信方式に従う送信装置の構成を示す。
図17に示すように、周波数帯域ごとに、ガードインターバル除去部4010によるガードインターバルの除去、FFT部4020によるFFT処理およびデマッピング部4032によるデマッピング処理の後に、P/S変換部2070により各周波数帯の信号を結合する。P/S変換部2070による結合の後に、デインターリーブ部4042によるデインターリーブ処理および誤り訂正部4040による誤り訂正処理を実行する。
以上のような構成により、各送信データを複数周波数帯域にマッピングし、送信タイミングを調整してデータ伝送を行うことが可能である。
そして、本実施の形態の構成において、プライマリチャネルがビジーである場合も、複数の基本無線チャネルを束ねて、より高速な伝送を実現することが可能であり、伝送速度を向上させつつ、無線チャネルの利用効率を向上させることが可能である。
今回開示された実施の形態は、本発明を具体的に実施するための構成の例示であって、本発明の技術的範囲を制限するものではない。本発明の技術的範囲は、実施の形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の文言上の範囲および均等の意味の範囲内での変更が含まれることが意図される。