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JP2018168441A - 耐サワーラインパイプ用高強度鋼板およびその製造方法並びに耐サワーラインパイプ用高強度鋼板を用いた高強度鋼管 - Google Patents

耐サワーラインパイプ用高強度鋼板およびその製造方法並びに耐サワーラインパイプ用高強度鋼板を用いた高強度鋼管 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、より厳しい腐食環境下での耐HIC性及び耐SSCC性に優れた耐サワーラインパイプ用高強度鋼板を提供する。【解決手段】本発明の耐サワーラインパイプ用高強度鋼板は、質量%で、C:0.02〜0.08%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.5〜1.8%、P:0.001〜0.015%、S:0.0002〜0.0015%、Al:0.01〜0.08%およびCa:0.0005〜0.005%を含有し、所定の式によって求められるCP値が1.00以下となり、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、鋼板表面下0.5mmにおける鋼組織が、転位密度0.5×1014〜7.0×1014(m-2)のフェライト組織であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、建築、海洋構造物、造船、土木、建設産業用機械の分野のラインパイプに使用して好適な、鋼板内の材質均一性に優れた耐サワーラインパイプ用高強度鋼板およびその製造方法に関するものである。また、本発明は、上記の耐サワーラインパイプ用高強度鋼板を用いた高強度鋼管に関するものである。
一般に、ラインパイプは、厚板ミルや熱延ミルによって製造された鋼板を、UOE成形、プレスベンド成形およびロール成形等によって、鋼管に成形することで製造される。
ここに、硫化水素を含む原油や天然ガスの輸送に用いられるラインパイプは、強度、靭性、溶接性などの他に、耐水素誘起割れ性(耐HIC(Hydrogen Induced Cracking)性)や耐硫化物応力腐食割れ性(耐SSCC(Sulfide Stress Corrosion Cracking)性)といった、いわゆる耐サワー性が必要とされる。中でもHICは、腐食反応による水素イオンが鋼材表面に吸着し、原子状の水素として鋼内部に侵入し、鋼中のMnSなどの非金属介在物や硬い第2相組織のまわりに拡散・集積して、分子状の水素となり、その内圧により割れを生ずるもので、油井管に対して比較的強度レベルの低いラインパイプにおいて問題とされ、多くの対策技術が開示されてきた。一方、SSCCに関しては、一般的に油井用高強度継目無鋼管や、溶接部の高硬度域で発生することが知られており、比較的硬さが低いラインパイプではあまり問題視されてこなかった。ところが近年、原油や天然ガスの採掘環境がますます厳しさを増し、硫化水素分圧の高い、あるいはpHが低い環境において、ラインパイプの母材部においてもSSCCが生じることが報告されており、鋼管内面表層部の硬さをコントロールして、より厳しい腐食環境下での耐SSCC性を向上させることの重要性が指摘されている。
通常、ラインパイプ用高強度鋼板の製造に際しては、制御圧延と制御冷却を組み合わせた、いわゆるTMCP(Thermo-Mechanical Control Process)技術が適用されている。このTMCP技術を用いて鋼材の高強度化を行うには、制御冷却時の冷却速度を大きくすることが有効である。しかしながら、高冷却速度で制御冷却した場合、鋼板表層部が急冷されるため、鋼板内部に比べて表層部の硬さが高くなり、板厚方向の硬さ分布にばらつきが生じる。従って、鋼板内の材質均一性を確保する観点で問題となる。
上記の問題を解決するために、例えば特許文献1,2には、圧延後の加速冷却を中断し、表面を復熱させた後に再度加速冷却を実施することによる、板厚方向の材質差が小さい鋼板の製造方法が開示されている。また、特許文献3,4には、高周波誘導加熱装置を用いて、加速冷却後の鋼板表面を内部より高温に加熱して表層部の硬さを低減した、ラインパイプ用鋼板の製造方法が開示されている。
他方、鋼板表面のスケール厚さにむらがあった場合、冷却時にその下部の鋼板の冷却速度にもばらつきが生じ、鋼板内の局所的な冷却停止温度のばらつきが問題となる。その結果、スケール厚さのむらによって板幅方向に鋼板材質のばらつきが生じることになる。これに対し、特許文献5,6には、冷却直前にデスケーリングを行うことにより、スケール厚さむらに起因した冷却むらを低減して、鋼板形状を改善する方法が開示されている。
特許第3951428号公報 特許第3951429号公報 特開2002−327212号公報 特許第3711896号公報 特開平9−57327号公報 特許第3796133号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、上記特許文献1〜6に記載の製造方法で得られる高強度鋼板では、より厳しい腐食環境下での耐HIC性及び耐SSCC性という観点で改善の余地があることが判明した。その理由としては、以下のようなものが考えられる。
特許文献1,2に記載の製造方法では、鋼板の成分により変態挙動が異なると、復熱による十分な材質均質化の効果が得られない場合がある。また、特許文献1,2に記載の製造方法により得られる鋼板の表層における組織がフェライト‐ベイナイト2相組織のような複相組織の場合、低荷重のマイクロビッカース試験においては、圧子がいずれの組織を押し込んで試験するかによって硬さの値のばらつきが大きく生じる。
特許文献3,4に記載の製造方法は、加速冷却における表層部の冷却速度が大きいため、鋼板表面の加熱だけでは表層部の硬さを十分に低減できない場合がある。
他方、特許文献5,6に記載の方法では、デスケーリングにより、熱間矯正時のスケールの押し込み疵による表面性状不良の低減や、鋼板の冷却停止温度のばらつきを低減して鋼板形状を改善しているが、均一な材質を得るための冷却条件に関しては何ら配慮がなされていない。これは、鋼板表面の冷却速度がばらつくと、鋼板の硬さにばらつきが生じるからである。すなわち、冷却速度が遅いと、鋼板表面が冷却する際に、鋼板表面と冷却水の間に気泡の膜が発生する"膜沸騰"と、気泡が膜を形成する前に冷却水によって表面から分離される"核沸騰"とが同時に発生し、鋼板表面の冷却速度にばらつきが生じる。その結果、鋼板表面の硬さにばらつきを生じることになる。特許文献5,6に記載の技術ではこの点が考慮されていない。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、より厳しい腐食環境下での耐HIC性及び耐SSCC性に優れた耐サワーラインパイプ用高強度鋼板を、その有利な製造方法と共に提供することを目的とする。また、本発明は、上記耐サワーラインパイプ用高強度鋼板を用いた高強度鋼管を提案することを目的とする。
本発明者らは、より厳しい腐食環境下での耐HIC性及び耐SSCC性を確保するべく、鋼材の成分組成、ミクロ組織および製造条件について、数多くの実験と検討を繰り返した。その結果、高強度鋼管の耐HIC性に加えて、耐SSCC性をさらに向上させるためには、従来知見どおり単に表層硬さを抑えることだけでは不十分であり、特に鋼板の極表層部の組織、具体的には鋼板表面下0.5mmの鋼組織を、転位密度0.5×1014〜7.0×1014(m-2)のフェライト組織とすることで、造管後のコーティング過程において硬さの上昇代を抑えることができ、結果として鋼管の耐SSCC特性が向上することを知見した。そして、極表層部はフェライト主体の組織でありながら、鋼板内部の組織はベイナイトとすることにより、表層硬さを抑えつつ、鋼板の強度を確保できる。
さらに、このような鋼組織を実現するためには、制御冷却の直前に所定条件でデスケーリングを行い、しかもその後の制御冷却では鋼板表面下0.5mmにおける冷却速度を厳密にコントロールする必要があり、その条件を見出すことに成功した。本発明は、この知見をもとになされたものである。なお、特許文献5,6などの従来のデスケーリング技術は、スケールを薄くすることによってその後の冷却むらを減らすことを目的としたものにすぎない。本発明では、デスケーリングを所定条件で行うことと、制御冷却を所定条件で行うこととによって、上記のような極表層で転位密度を抑えたフェライトを形成するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
[1]質量%で、C:0.02〜0.08%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.50〜1.80%、P:0.001〜0.015%、S:0.0002〜0.0015%、Al:0.01〜0.08%およびCa:0.0005〜0.005%を含有し、以下の式(1)によって求められるCP値が1.00以下となり、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、
鋼板表面下0.5mmにおける鋼組織が、転位密度0.5×1014〜7.0×1014(m-2)のフェライト組織であり、
板厚中央における鋼組織がベイナイト組織であることを特徴とする耐サワーラインパイプ用高強度鋼板。
CP=4.46[%C]+2.37[%Mn]/6+(1.74[%Cu]+1.7[%Ni])/15+(1.18[%Cr]+1.95[%Mo]+1.74[%V])/5+22.36[%P] ・・・(1)
ただし、[%X]はX元素の鋼中含有量(質量%)を示す。
[2]前記成分組成が、さらに、質量%で、Cu:0.50%以下、Ni:0.50%以下、Cr:0.50%以下およびMo:0.50%以下のうちから選んだ1種又は2種以上を含有する、上記[1]に記載の耐サワーラインパイプ用高強度鋼板。
[3]前記成分組成が、さらに、質量%で、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.1%およびTi:0.005〜0.1%のうちから選んだ1種又は2種以上を含有する、上記[1]または[2]に記載の耐サワーラインパイプ用高強度鋼板。
[4]質量%で、C:0.02〜0.08%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.50〜1.80%、P:0.001〜0.015%、S:0.0002〜0.0015%、Al:0.01〜0.08%およびCa:0.0005〜0.005%を含有し、以下の式(1)によって求められるCP値が1.00以下となり、残部がFeおよび不可避的不純物の成分組成を有する鋼片を、1000〜1300℃の温度に加熱したのち、熱間圧延して鋼板とし、
その後前記鋼板に対して、(Ar3+20℃)以下の鋼板表面温度で、鋼板表面での噴射流の衝突圧が1MPa以上のデスケーリングを行い、
その後前記鋼板に対して、
冷却開始時の鋼板表面温度:(Ar3−100℃)以上(Ar3−10℃)以下、
鋼板表面下0.5mmにおける鋼板温度で750℃から550℃までの平均冷却速度:80℃/s以下、
鋼板平均温度で750℃から550℃までの平均冷却速度:15℃/s以上、および
鋼板平均温度で冷却停止温度:250〜550℃
の条件で制御冷却を行うことを特徴とする耐サワーラインパイプ用高強度鋼板の製造方法。
CP=4.46[%C]+2.37[%Mn]/6+(1.74[%Cu]+1.7[%Ni])/15+(1.18[%Cr]+1.95[%Mo]+1.74[%V])/5+22.36[%P] ・・・(1)
ただし、[%X]はX元素の鋼中含有量(質量%)を示す。
[5]前記成分組成が、さらに、質量%で、Cu:0.50%以下、Ni:0.50%以下、Cr:0.50%以下およびMo:0.50%以下のうちから選んだ1種又は2種以上を含有する、上記[4]に記載の耐サワーラインパイプ用高強度鋼板の製造方法。
[6]前記成分組成が、さらに、質量%で、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.1%およびTi:0.005〜0.1%のうちから選んだ1種又は2種以上を含有する、上記[4]または[5]に記載の耐サワーラインパイプ用高強度鋼板の製造方法。
[7]上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の耐サワーラインパイプ用高強度鋼板を用いた高強度鋼管。
本発明の耐サワーラインパイプ用高強度鋼板および該耐サワーラインパイプ用高強度鋼板を用いた高強度鋼管は、より厳しい腐食環境下での耐HIC性及び耐SSCC性に優れる。また、本発明の耐サワーラインパイプ用高強度鋼板の製造方法によれば、より厳しい腐食環境下での耐HIC性及び耐SSCC性に優れた耐サワーラインパイプ用高強度鋼板を製造することができる。
実施例における耐SSCC性の評価のための試験片の採取方法を説明する模式図である。
以下、本開示の耐サワーラインパイプ用高強度鋼板について、具体的に説明する。
[成分組成]
まず、本開示による高強度鋼板の成分組成とその限定理由について説明する。以下の説明において%で示す単位は全て質量%である。
C:0.02〜0.08%
Cは、強度の向上に有効に寄与するが、含有量が0.02%未満では十分な強度が確保できず、一方0.08%を超えると加速冷却時に表層部の硬さが上昇するため、耐HIC特性および耐SSCC特性が劣化する。また、靭性も劣化する。このため、C量は0.02〜0.08%の範囲に限定する。
Si:0.01〜0.50%
Siは、脱酸のため添加するが、含有量が0.01%未満では脱酸効果が十分でなく、一方0.50%を超えると靭性や溶接性を劣化させるため、Si量は0.01〜0.50%の範囲に限定する。
Mn:0.50〜1.80%
Mnは、強度、靭性の向上に有効に寄与するが、含有量が0.50%未満ではその添加効果に乏しく、一方1.80%を超えると加速冷却時に中心偏析部の硬さが上昇するため、耐HIC特性が劣化する。また、溶接性も劣化する。このため、Mn量は0.50〜1.80%の範囲に限定する。
P:0.001〜0.015%
Pは、不可避不純物元素であり、溶接性を劣化させるとともに、中心偏析部の硬さを上昇させることで耐HIC特性を劣化させる。0.015%を超えるとその傾向が顕著となるため、上限を0.015%に規定する。好ましくは0.008%以下である。含有量は低いほどよいが、精錬コストの観点から0.001%以上とする。
S:0.0002〜0.0015%
Sは、不可避不純物元素であり、鋼中においてはMnS介在物となり耐HIC特性を劣化させるため少ないことが好ましいが、0.0015%までは許容される。含有量は低いほどよいが、精錬コストの観点から0.0002%以上とする。
Al:0.01〜0.08%
Alは、脱酸剤として添加するが、0.01%未満では添加効果がなく、一方、0.08%を超えると鋼の清浄度が低下し、靱性が劣化するため、Al量は0.01〜0.08%の範囲に限定する。
Ca:0.0005〜0.005%
Caは、硫化物系介在物の形態制御による耐HIC特性向上に有効な元素であるが、0.0005%未満ではその添加効果が十分でない。一方、0.005%を超えた場合、効果が飽和するだけでなく、鋼の清浄度の低下により耐HIC特性を劣化させるので、Ca量は0.0005〜0.005%の範囲に限定する。
以上、本開示の基本成分について説明したが、本開示の成分組成は、鋼板の強度や靱性の一層の改善のために、Cu,Ni,CrおよびMoのうちから選んだ1種又は2種以上を、以下の範囲で任意に含有させることができる。
Cu:0.50%以下
Cuは、靭性の改善と強度の上昇に有効な元素であり、この効果を得るには0.05%以上を含有することが好ましいが、含有量が多すぎると溶接性が劣化するため、Cuを添加する場合は0.50%を上限とする。
Ni:0.50%以下
Niは、靭性の改善と強度の上昇に有効な元素であり、この効果を得るには0.05%以上を含有することが好ましいが、含有量が多すぎると経済的に不利なだけでなく、溶接熱影響部の靱性が劣化するため、Niを添加する場合は0.50%を上限とする。
Cr:0.50%以下
Crは、Mnと同様、低Cでも十分な強度を得るために有効な元素であり、この効果を得るには0.05%以上を含有することが好ましいが、含有量が多すぎると溶接性が劣化するため、Crを添加する場合は0.50%を上限とする。
Mo:0.50%以下
Moは、靭性の改善と強度の上昇に有効な元素であり、この効果を得るには0.05%以上を含有することが好ましいが、含有量が多すぎると溶接性が劣化するため、Moを添加する場合は0.50%を上限とする。
本開示の成分組成は、さらに、Nb,VおよびTiのうちから選んだ1種又は2種以上を、以下の範囲で任意に含有させることもできる。
Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.1%およびTi:0.005〜0.1%のうちから選んだ1種又は2種以上
Nb,VおよびTiはいずれも、鋼板の強度および靭性を高めるために任意に添加することができる元素である。各元素とも、含有量が0.005%未満ではその添加効果に乏しく、一方0.1%を超えると溶接部の靭性が劣化するので、添加する場合はいずれも0.005〜0.1%の範囲とするのが好ましい。
本開示は、耐サワーラインパイプ用高強度鋼板を用いた高強度鋼管の耐SSCC性を改善するための技術を開示するものであるが、耐サワー性能として、いうまでもなく、耐HIC性能を同時に満足することが必要であるので、下記(1)式によって求められるCP値を、1.00以下とする。なお、添加しない元素は0を代入すれば良い。
CP=4.46[%C]+2.37[%Mn]/6+(1.74[%Cu]+1.7[%Ni])/15+(1.18[%Cr]+1.95[%Mo]+1.74[%V])/5+22.36[%P] ・・・(1)
ただし、[%X]はX元素の鋼中含有量(質量%)を示す。
ここに、上記CP値は、各合金元素の含有量から中心偏析部の材質を推定するために考案された式であり、上掲(1)式のCP値が高いほど中心偏析部の成分濃度が高くなり、中心偏析部の硬さが上昇する。従って、上記の(1)式において求められるCP値を1.00以下とすることで、HIC試験での割れ発生を抑制することが可能となる。また、CP値が低いほど中心偏析部の硬さが低くなるため、さらに高い耐HIC特性が求められる場合は、その上限を0.95とすれば良い。
なお、上記した元素以外の残部は、Feおよび不可避的不純物からなる。ただし、本発明の作用効果を害しない限り、他の微量元素の含有を妨げない。
[鋼板の組織]
次に、本開示の耐サワーラインパイプ用高強度鋼板の鋼組織について説明する。引張強さが520MPa以上の高強度化を図るために、板厚中心における鋼組織は、ベイナイト組織とする必要がある。一方、表層硬さの上昇を抑制するために、表層部0.5mmの鋼組織についてはフェライト組織とする。表層部のフェライト層が厚すぎると、フェライト変態に伴うC拡散によりフェライト相直下の硬さが上昇する恐れがあるため、フェライト層は1.0mm以下が好ましい。フェライト組織中に、ベイナイトやマルテンサイト、パーライト、島状マルテンサイト、残留オーステナイトなどの異種組織が混在すると、ミクロ硬さ評価時、個別の層を評価することにより表層硬さのばらつきが大きくなるため、フェライト相以外の組織分率は少ない程良い。ただし、フェライト相以外の組織の体積分率が十分に低い場合には、それらの影響が無視できるので、ある程度の量であれば許容される。具体的に、本開示では、フェライト以外の鋼組織(ベイナイト、マルテンサイト、パーライト、島状マルテンサイト、残留オースナイト等)の合計が体積分率で5%未満であれば、大きな影響がないので許容されるものとする。
また、本開示においては、鋼板の極表層部の組織、具体的には鋼板表面下0.5mmの鋼組織を、転位密度0.5×1014〜7.0×1014(m-2)のフェライト組織とすることが肝要である。造管後のコーティング過程において転位密度が減少するため、鋼板表面下0.5mmの転位密度が7.0×1014(m-2)以下であれば、時効硬化による硬さの上昇代を最小限に抑えることができる。逆に、鋼板表面下0.5mmの転位密度が7.0×1014(m-2)を超えると、造管後のコーティング過程において転位密度が減少せず、時効硬化で硬度が大きく上昇して耐SSCC性を劣化させる。造管後に良好な耐SSCC性を得るために好ましい転位密度の範囲は6.0×1014(m-2)以下である。一方、鋼板表面下0.5mmの転位密度が0.5×1014(m-2)未満では鋼板として強度を維持できなくなる。X65グレードの強度を確保するため、2.0×1014(m-2)以上の転位密度を有することが好ましい。なお、本開示の高強度鋼板においては、鋼板表面下0.5mmの鋼組織における転位密度が上記範囲であれば、鋼板表面から深さ0.5mmの範囲の極表層部も同等の転位密度を有し、その結果、上記耐SSCC性向上の効果が得られるものである。
なお、鋼板表面下0.5mmでの転位密度を7.0×1014(m-2)以下とすると、表面下0.5mmでのHV0.1が230以下となる。鋼管の耐SSCC性を確保する観点から、鋼板の表層硬さを抑制することが重要であるが、鋼板の表面下0.5mmでのHV0.1を230以下にすることで、造管後コーティング過程を経たのちの、表面下0.5mmでのHV0.1を260以下に抑えることができ、耐SSCC性を確保することができる。
本開示の高強度鋼板は、API 5LのX60グレード以上の強度を有する鋼管用の鋼板であるので、520MPa以上の引張強さを有するものとする。
[製造方法]
以下、上記耐サワーラインパイプ用高強度鋼板を製造するための製造方法および製造条件について、具体的に説明する。本開示の製造方法は、上記成分組成を有する鋼片の加熱したのち、熱間圧延して鋼板とし、その後鋼板に対して所定条件下でのデスケーリングを行い、その後当該鋼板に対して所定条件下での制御冷却を行う。
〔スラブ加熱温度〕
スラブ加熱温度:1000〜1300℃
スラブ加熱温度が1000℃未満では、炭化物の固溶が不十分で必要な強度が得られず、一方1300℃を超えると靭性が劣化するため、スラブ加熱温度は1000〜1300℃とする。なお、この温度は加熱炉の炉内温度であり、スラブは中心部までこの温度に加熱されるものとする。
〔圧延終了温度〕
熱間圧延工程において、高い母材靱性を得るには、圧延終了温度は低いほどよいが、その反面、圧延能率が低下するため、鋼板表面温度における圧延終了温度は、必要な母材靱性と圧延能率を勘案して設定する必要がある。強度および耐HIC性能を向上させる観点からは、圧延終了温度を、鋼板表面温度でAr3変態点以上とすることが好ましい。ここで、Ar3変態点とは、冷却中におけるフェライト変態開始温度を意味し、例えば、鋼の成分から以下の式で求めることができる。また、高い母材靱性を得るためにはオーステナイト未再結晶温度域に相当する950℃以下の温度域での圧下率を60%以上とすることが望ましい。なお、鋼板の表面温度は放射温度計等で測定することができる。
Ar3(℃)=910−310[%C]−80[%Mn]−20[%Cu]−15[%Cr]−55[%Ni]−80[%Mo]
ただし、[%X]はX元素の鋼中含有量(質量%)を示す。
〔デスケーリング〕
熱間圧延の終了後、制御冷却の直前に、鋼板に対してデスケーリングを行う。これは、表層部に均一にフェライトを形成させるために重要な工程の一つである。
デスケーリング開始時の鋼板表面温度:(Ar3+20℃)以下
デスケーリング開始時の鋼板表面温度が(Ar3+20℃)を超える場合、鋼板表面下0.5mmの位置までフェライトが形成されず、表層硬さの上昇、耐SSCC性の劣化を招くからである。当該鋼板表面温度の下限は特に限定されないが、フェライト層の過剰形成を避ける観点から(Ar3−30℃)以上とすることが好ましい。
鋼板表面での噴射流の衝突圧:1MPa以上
鋼板表面での噴射流の衝突圧が1MPa未満では、デスケーリングが不十分でスケールむらが生じる場合があり、鋼板表面下0.5mmにおいて均一なフェライト相の形成が困難となるため、1MPa以上とする。衝突圧の上限は特に限定されないが、設備能力の観点から10MPa以下とすることが好ましい。
〔制御冷却の冷却開始温度〕
冷却開始時の鋼板表面温度:(Ar3−100℃)以上(Ar3−10℃)以下
冷却開始時の鋼板表面温度は特に重要で、制御冷却前に鋼板表層において十分にフェライト変態させておく必要がある。Ar3変態点からの温度降下量が10℃未満であると、表層組織はフェライト−ベイナイト2相組織となり、また、鋼板表面下0.5mmでの転位密度7.0×1014(m-2)超えとなるため、耐SSCC性が劣化する。このため、冷却開始時の鋼板表面温度は、(Ar3−10℃)以下とした。好ましくは(Ar3−30℃)以下である。また、Ar3変態点からの温度降下量が100℃を超えると、板厚全域でのフェライト変態が進行し、板厚中心部ではフェライト−ベイナイト2相組織となり、強度低下が大きくなると共に耐HIC特性が劣化する。このため、冷却開始時の鋼板表面温度は(Ar3−100℃)以上とする。さらに好ましくは(Ar3−80℃)以上である。
〔制御冷却の冷却速度〕
高強度化を図りつつ、鋼板内の硬さのばらつきを低減し、材質均一性を向上させるためには、表層(具体的には鋼板表面下0.5mmの深さ)での冷却速度を抑制しつつ、板厚中心の変態温度区間での冷却速度を確保する必要がある。
鋼板表面下0.5mmにおける鋼板温度で750℃から550℃までの平均冷却速度:80℃/s以下
鋼板表面下0.5mmにおける鋼板温度で750℃から550℃までの平均冷却速度が80℃/sを超えると、鋼板表面下0.5mmにおける転位密度7.0×1014(m-2)超えとなってしまう。その結果、鋼板表面下0.5mmのHV0.1が230を超え、造管後のコーティング過程を経たのち、表面下0.5mmでのHV0.1が260を超え、鋼管の耐SSCC性が劣化する。そのため、当該平均冷却速度は80℃/s以下とする。好ましくは60℃/s以下である。当該平均冷却速度の下限は特に限定されないが、フェライト層の過剰形成回避の観点から、10℃/s以上とすることが好ましい。
鋼板平均温度で750℃から550℃までの平均冷却速度:15℃/s以上
鋼板平均温度で750℃から550℃までの平均冷却速度が15℃/s未満では、板厚中央部においてベイナイト組織が得られずに、強度低下や耐HIC特性の劣化が生じたり、硬さのばらつきが大きくなったりする。このため、鋼板平均温度での冷却速度は15℃/s以上とする。鋼板強度と硬さのばらつきの観点からは、鋼板平均の冷却速度は20℃/s以上とすることが好ましい。当該平均冷却速度の上限は特に限定されないが、マルテンサイト等の硬質相形成による硬さばらつきを回避する観点から、80℃/s以下とすることが好ましい。
なお、鋼板表面下0.5mmおよび鋼板平均温度は、物理的に直接測定することはできないが、放射温度計にて測定された冷却開始時の表面温度と目標の冷却停止時の表面温度をもとに、例えばプロセスコンピューターを用いて差分計算により板厚断面内の温度分布をリアルタイムに求めることができる。当該温度分布における鋼板表面下0.5mmでの温度を本明細書における「鋼板表面下0.5mmにおける鋼板温度」とし、当該温度分布における板厚方向の温度の平均値を本明細書における「鋼板平均温度」とする。
〔冷却停止温度〕
鋼板平均温度で冷却停止温度:250〜550℃
表層のフェライト変態が完了後、制御冷却でベイナイト変態の温度域である250〜550℃まで急冷することにより、ベイナイト相を生成させる。冷却停止温度が550℃を超えると、ベイナイト変態が不完全であり、十分な強度が得られない。また、冷却停止温度が250℃未満では、マルテンサイトや島状マルテンサイト(MA)が生成し、特に表層部の硬さ上昇が著しくなり、板厚方向の硬さのばらつきが大きくなる。そこで、鋼板内の材質均一性の劣化を抑制するため、制御冷却の冷却停止温度は鋼板平均温度で250〜550℃とする。
[高強度鋼管]
本開示の高強度鋼板を、プレスベンド成形、ロール成形、UOE成形等で管状に成形した後、突き合わせ部を溶接することにより、原油や天然ガスの輸送に好適な鋼板内の材質均一性に優れた耐サワーラインパイプ用高強度鋼管(UOE鋼管、電縫鋼管、スパイラル鋼管等)を製造することができる。
例えば、UOE鋼管は、鋼板の端部を開先加工し、Cプレス、Uプレス、Oプレスで鋼管形状に成形した後、内面溶接および外面溶接で突き合わせ部をシーム溶接し、さらに必要に応じて拡管工程を経て製造される。また、溶接方法は十分な継手強度と継手靭性が得られる方法であれば、いずれの方法でも良いが、優れた溶接品質と製造能率の観点から、サブマージアーク溶接を用いることが好ましい。
表1に示す成分組成になる鋼(鋼種A〜I)を、連続鋳造法によりスラブとし、表2に示す温度に加熱したのち、表2に示す圧延終了温度および圧下率の熱間圧延をして、表2に示す板厚の鋼板とした。その後、表2に示す鋼板表面温度にて、鋼板表面での噴射流の衝突圧が2.0MPaとなるように鋼板にデスケーリングを行った。その後、鋼板に対して、表2に示す条件下で水冷型の制御冷却装置を用いて制御冷却を行った。
[組織の特定]
得られた鋼板のミクロ組織を、光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡により観察した。鋼板表面下0.5mmの位置での組織と、板厚中央での組織を、表2に示す。
[引張強度の測定]
圧延方向に直角な方向の全厚試験片を引張試験片として引張試験を行い、引張強度を測定した。結果を表2に示す。
[ビッカース硬さの測定]
圧延方向に直角な断面について、JIS Z 2244に準拠して、鋼板表面下0.5mmの位置において50点のビッカース硬さ(HV0.1)を測定し、その平均値を求めた。ここで、通常用いられるHV10に代えてHV0.1で測定したのは、HV0.1で測定することにより圧痕が小さくなるので、より表面に近い位置での硬さ情報や、よりミクロ組織に敏感な硬さ情報をすることが可能となるからである。
[転位密度]
平均的な硬度を有する位置からX線回折用のサンプルを採取、サンプル表面を研磨してスケールを除去し、鋼板表面下0.5mmの位置においてX線回折測定を行った。転位密度はX線回折測定の半価幅βから求める歪みから換算する手法を用いた。通常のX線回折により得られる回折強度曲線では、波長の異なるKα1線とKα2線の2つが重なっているため、Rachingerの方法により分離する。歪みの抽出には、以下に示すWilliamsson−Hall法を用いる。半価幅の広がりは結晶子のサイズDとひずみεが影響し、両因子の和として次式で計算できる。β=β1+β2=(0.9λ/(D×cosθ))+2ε×tanθとなる。さらにこの式を変形し、βcosθ/λ=0.9λ/D+2ε×sinθ/λとなる。sinθ/λに対してβcosθ/λをプロットすることにより、直線の傾きからひずみεが算出される。なお、算出に用いる回折線は(110)、(211)、および(220)とする。ひずみεから転位密度の換算はρ=14.4ε2/b2を用いた。なお、θはX線回折のθ‐2θ法より算出されるピーク角度を意味し、λはX線回折で使用するX線の波長を意味する。bはFe(α)のバーガース・ベクトルで、本実施例においては、0.25nmとした。
[耐SSCC性の評価]
耐SSCC性は、これら各鋼板の一部を用いて造管して評価した。造管は、鋼板の端部を開先加工し、Cプレス、Uプレス、Oプレスで鋼管形状に成形した後、内面および外面の突き合わせ部をサブマージアーク溶接でシーム溶接し、拡管工程を経て製造した。図1に示すように、得られた鋼管から切り出したクーポンをフラットニングした後、5×15×115mmのSSCC試験片を鋼管内面より採取した。このとき、被検面である内面は、最表層の状態を残すために黒皮付きのままとした。採取したSSCC試験片に、各鋼管の実際の降伏強度(0.5%YS)の90%の応力を負荷し、NACE規格 TM0177 Solution A溶液を用い、硫化水素分圧:1barにて、EFC16規格の4点曲げSSCC試験に準拠して行った。720時間の浸漬後に、割れが認められない場合を耐SSCC性が良好と判断して○、また割れが発生した場合を不良と判断して×とした。結果を表2に示す。
[耐HIC性の評価]
耐HIC特性は、NACE Standard TM−02−84に準じた浸漬時間96時間のHIC試験を行い、割れが認められない場合を耐HIC特性良好と判断して○で、割れが発生した場合を×として評価した。結果を表2に示す。
本発明の目標範囲は、耐サワーラインパイプ用高強度鋼板として引張強度:520MPa以上、表面下0.5mm位置におけるミクロ組織はフェライト相とし、t/2位置におけるミクロ組織はベイナイト組織とし、表面下0.5mmでのHV0.1が230以下、その鋼板を用いて造管した高強度鋼管においてSSCC試験で割れが認められないこと、およびHIC試験による割れが認められないこととした。
Figure 2018168441
Figure 2018168441
表2に示したように、No.1〜No.9は、成分組成および製造条件が本発明の適正範囲を満足する発明例である。いずれも、鋼板として引張強度:520MPa以上、表面下0.5mm位置におけるミクロ組織はフェライト相、t/2位置におけるミクロ組織はベイナイト組織、表面下0.5mmでのHV0.1が230以下であり、その鋼板を用いて造管した高強度鋼管において耐SSCC性および耐HIC性も良好であった。
これに対し、No.10〜No.19は、成分組成は本発明の範囲内であるが、製造条件が本発明の範囲外の比較例である。No.10は、デスケーリングを使用しなかったため、表層組織がフェライト相のみとならず、耐SSCC性に劣る。No.11は、デスケーリングの温度、冷却開始温度及び冷却速度が本発明範囲外で、表層の転位密度及び硬さが大きくなり、耐SSCC性の劣化を招いている。No.12はデスケーリングの温度、及び冷却開始温度が本発明範囲外であり、表層組織がベイナイトであるため、表層の転位密度及び硬さが大きくなり、耐SSCC性の劣化を招いている。No.13は冷却開始温度が低く、板全域でフェライトが形成され、強度不足となり、耐HIC性が劣化した。No.14はデスケーリング開始温度が高く、表層に十分フェライトが形成されなかったため、表層硬さ、転位密度が大きくなり、SSCC発生を招いた。No.15は、デスケーリング条件は範囲内であるものの、冷却開始温度が高く、表層フェライト形成が充分でなかったため、SSCCの発生を招いた。No.16は、鋼板表面下0.5mmでの冷却速度が著しく速いため、表層部にマルテンサイトが形成され、その結果表層部の硬さが上昇し、耐SSCC性も劣化した。No.17は、No.16ほど冷却速度が速くないため表層組織はフェライトであるが、本発明範囲外の冷却速度であるため、表層部硬さの上昇、耐SSCC性の劣化を招いた。No.18およびNo.19は、制御冷却条件が本発明範囲外で、ミクロ組織として板厚中心部でベイナイト組織が得られず、低強度であった。No.20〜No.23は、鋼板の成分組成が本発明の範囲外であり、HIC割れを生じた。
本発明によれば、より厳しい腐食環境下での耐HIC性及び耐SSCC性に優れた耐サワーラインパイプ用高強度鋼板を供給することができる。よって、この鋼板を冷間成形して製造した鋼管(電縫鋼管、スパイラル鋼管、UOE鋼管等)は、耐サワー性を要する硫化水素を含む原油や天然ガスの輸送に好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. 質量%で、C:0.02〜0.08%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.50〜1.80%、P:0.001〜0.015%、S:0.0002〜0.0015%、Al:0.01〜0.08%およびCa:0.0005〜0.005%を含有し、以下の式(1)によって求められるCP値が1.00以下となり、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、
    鋼板表面下0.5mmにおける鋼組織が、転位密度0.5×1014〜7.0×1014(m-2)のフェライト組織であり、
    板厚中央における鋼組織がベイナイト組織であることを特徴とする耐サワーラインパイプ用高強度鋼板。
    CP=4.46[%C]+2.37[%Mn]/6+(1.74[%Cu]+1.7[%Ni])/15+(1.18[%Cr]+1.95[%Mo]+1.74[%V])/5+22.36[%P] ・・・(1)
    ただし、[%X]はX元素の鋼中含有量(質量%)を示す。
  2. 前記成分組成が、さらに、質量%で、Cu:0.50%以下、Ni:0.50%以下、Cr:0.50%以下およびMo:0.50%以下のうちから選んだ1種又は2種以上を含有する、請求項1に記載の耐サワーラインパイプ用高強度鋼板。
  3. 前記成分組成が、さらに、質量%で、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.1%およびTi:0.005〜0.1%のうちから選んだ1種又は2種以上を含有する、請求項1または2に記載の耐サワーラインパイプ用高強度鋼板。
  4. 質量%で、C:0.02〜0.08%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.50〜1.80%、P:0.001〜0.015%、S:0.0002〜0.0015%、Al:0.01〜0.08%およびCa:0.0005〜0.005%を含有し、以下の式(1)によって求められるCP値が1.00以下となり、残部がFeおよび不可避的不純物の成分組成を有する鋼片を、1000〜1300℃の温度に加熱したのち、熱間圧延して鋼板とし、
    その後前記鋼板に対して、(Ar3+20℃)以下の鋼板表面温度で、鋼板表面での噴射流の衝突圧が1MPa以上のデスケーリングを行い、
    その後前記鋼板に対して、
    冷却開始時の鋼板表面温度:(Ar3−100℃)以上(Ar3−10℃)以下、
    鋼板表面下0.5mmにおける鋼板温度で750℃から550℃までの平均冷却速度:80℃/s以下、
    鋼板平均温度で750℃から550℃までの平均冷却速度:15℃/s以上、および
    鋼板平均温度で冷却停止温度:250〜550℃
    の条件で制御冷却を行うことを特徴とする耐サワーラインパイプ用高強度鋼板の製造方法。
    CP=4.46[%C]+2.37[%Mn]/6+(1.74[%Cu]+1.7[%Ni])/15+(1.18[%Cr]+1.95[%Mo]+1.74[%V])/5+22.36[%P] ・・・(1)
    ただし、[%X]はX元素の鋼中含有量(質量%)を示す。
  5. 前記成分組成が、さらに、質量%で、Cu:0.50%以下、Ni:0.50%以下、Cr:0.50%以下およびMo:0.50%以下のうちから選んだ1種又は2種以上を含有する、請求項4に記載の耐サワーラインパイプ用高強度鋼板の製造方法。
  6. 前記成分組成が、さらに、質量%で、Nb:0.005〜0.1%、V:0.005〜0.1%およびTi:0.005〜0.1%のうちから選んだ1種又は2種以上を含有する、請求項4または5に記載の耐サワーラインパイプ用高強度鋼板の製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐サワーラインパイプ用高強度鋼板を用いた高強度鋼管。
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