JP2018167418A - 金属/繊維強化プラスチック複合構造体 - Google Patents
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Abstract
Description
接着剤を用いた接合工程は常温あるいは加熱で実施され、接着剤としてはユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、α−オレフィン樹脂接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ホットメルト接着剤、ポリウレタン系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、SBR系接着剤、エチレン共重合樹脂接着剤等が知られている。特にエポキシ樹脂系接着剤は硬化が速く、繊維強化プラスチック部材と金属との接合面の接着強度が高く、溶剤を含まず、硬化後の収縮も少ないことから、多用されている(例えば、特許文献1および2)。
金属部材と、
繊維強化プラスチック部材と、
上記金属部材と上記繊維強化プラスチック部材との間に設けられたエポキシ樹脂硬化体層と、
を備え、
上記金属部材は少なくとも上記繊維強化プラスチック部材との接合部表面にJIS B601(対応国際規格:ISO4287)で規定される表面粗さパラメーターが下記要件a)〜c)を同時に満たす微細凹凸形状を有し、
上記エポキシ樹脂硬化体層は上記金属部材の上記微細凹凸形状の一部または全部を覆うように形成されており、
上記金属部材と上記繊維強化プラスチック部材とは上記エポキシ樹脂硬化体層を介して接合している金属/繊維強化プラスチック複合構造体。
a)粗さ曲線の十点平均粗さ(Rz)が5μm超50μm以下である
b)粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以上30μm以下である
c)粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が20μm以上300μm以下である
[2]
上記[1]に記載の金属/繊維強化プラスチック複合構造体において、
上記エポキシ樹脂硬化体層がエポキシ樹脂と硬化剤とを含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物により構成される金属/繊維強化プラスチック複合構造体。
[3]
上記[2]に記載の金属/繊維強化プラスチック複合構造体において、
B型粘度計を用いて23℃、回転数0.2rpmの条件で測定される、上記熱硬化性樹脂組成物の粘度が50Pa・s以上500Pa・s以下である金属/繊維強化プラスチック複合構造体。
[4]
上記[2]または[3]に記載の金属/繊維強化プラスチック複合構造体において、
上記熱硬化性樹脂組成物が、
分子内に2以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応物である(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂と、
潜在性硬化剤と、
を含む金属/繊維強化プラスチック複合構造体。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の金属/繊維強化プラスチック複合構造体において、
上記金属部材が、鉄、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、チタンおよびチタン合金から選択される一種または二種以上を含む金属/繊維強化プラスチック複合構造体。
まず、本実施形態に係る金属/繊維強化プラスチック複合構造体106について説明する。
図1は、本発明に係る実施形態の金属/繊維強化プラスチック複合構造体106の構造の一例を示した外観図である。図2は、本発明に係る実施形態の金属/繊維強化プラスチック複合構造体106の接合部の構造の一例を概念的に示した断面図である。
本実施形態に係る金属/繊維強化プラスチック複合構造体106は、金属部材103と、繊維強化プラスチック部材105と、金属部材103と繊維強化プラスチック部材105との間に設けられたエポキシ樹脂硬化体層102と、を備える。
そして、金属部材103は少なくとも繊維強化プラスチック部材105との接合部表面104にJIS B601(対応国際規格:ISO4287)で規定される表面粗さパラメーターが下記要件a)〜c)を同時に満たす微細凹凸形状を有し、エポキシ樹脂硬化体層102は金属部材103の上記微細凹凸形状の一部または全部を覆うように形成されており、金属部材103と繊維強化プラスチック部材105とはエポキシ樹脂硬化体層102を介して接合している。
a)粗さ曲線の十点平均粗さ(Rz)が5μm超50μm以下である
b)粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以上30μm以下である
c)粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が20μm以上300μm以下である
a)粗さ曲線の十点平均粗さ(Rz)が5μm超50μm以下であり、好ましくは10μm以上50μm以下であり、より好ましくは15μm以上40μm以下である。
b)粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以上30μm以下であり、好ましくは2μm以上20μm以下であり、より好ましくは3μm以上15μm以下である。
c)粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が20μm以上300μm以下であり、好ましくは30μm以上250μm以下であり、より好ましくは40μm以上200μm以下である。
金属部材103上に形成された微細凹凸形状が上記のような要件を満たすことによって、金属部材103と、接着層としてのエポキシ樹脂硬化体層102との間にアンカー効果が効果的に発現し、結果として接合強度に優れた金属/繊維強化プラスチック複合構造体106を実現できる。なお、表面にこのような形状特性を備えた金属部材103は、後述するように、金属部材103の表面に対する粗化処理の条件を適切に調整することによって制御が可能である。
<繊維強化プラスチック部材>
以下、本実施形態に係る繊維強化プラスチック部材105について説明する。
本実施形態に係る繊維強化プラスチック部材105は繊維強化プラスチックにより構成される部材であれば特に限定されないが、強化材料である繊維とマトリックス樹脂である熱硬化性樹脂とから得られる熱硬化体、強化材料である繊維とマトリックス樹脂である熱可塑性樹脂とから得られる部材等が挙げられる。
本実施形態に係る金属/繊維強化プラスチック複合構造体106においては、繊維強化プラスチック部材105と金属部材103がエポキシ樹脂硬化体層102を介して接合されるので、繊維強化プラスチック部材105を構成するマトリックス樹脂としてはエポキシ樹脂硬化体層102に近い物理特性を示す熱硬化性樹脂、特にエポキシ樹脂系の熱硬化性樹脂であることが好ましい。
また、繊維形状は長繊維、短繊維いずれも使用可能であり、繊維径は通常3〜30μm程度である。また繊維強化プラスチックの形態としては、例えば、クロス、ステーブルヤーン、ストランドシート、トウ、トウプレート、フェルマット、プリプレグ、UDプリプレグ、プリプレグ積層体、ブレード、ロービング等が挙げられる。
本実施形態に係る金属/繊維強化プラスチック複合構造体106を構成する金属部材103は特に限定されないが、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、チタンおよびチタン合金等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよいし、二種以上組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、軽量かつ高強度の点から、アルミニウム(アルミニウム単体)およびアルミニウム合金が好ましく、アルミニウム合金がより好ましい。
アルミニウム合金としては、これらの中でも展伸法に利用されるものである、日本工業規格(JIS H4000)で定義される合金種を示す4桁の数字が、2000番台のアルミニウム/銅系合金、3000番台のアルミニウム/マンガン系合金、4000番台のアルミニウム/ケイ素系合金、5000番台のアルミニウム/マグネシウム系合金、6000番台のアルミニウム/マグネシウム/ケイ素系合金、7000番台のアルミニウム/亜鉛/マグネシウム系合金、アルミニウム/亜鉛/マグネシウム/銅系合金等が好適に用いられる。これらの中でも、入手容易性や複合体とした場合の機械・熱特性の視点から5000番台のアルミニウム/マグネシウム合金が特に好んで用いられる。
また、繊維強化プラスチック部材105と接合する金属部材103の接合部表面104の形状は、特に限定されないが、平面、曲面等が挙げられる。
金属部材103に設けられた微細凹凸形状は、金属部材103の全表面に設けられてもよいし、片面のみであってもよいし、片面の一部分のみであってもよし、エポキシ樹脂硬化体層102を介した繊維強化プラスチック部材105との接合面のみであってもよい。ここで微細凹凸形状を付与する方法は、本実施形態に係る微細凹凸形状が上記要件a)、b)およびc)を同時に満たす限りは、公知の方法が制限なく用いられる。公知方法としては、得られる微細凹凸形状の三次元構造から大別して、侵食性水溶液または侵食性懸濁液に金属部材を浸漬する方法(エッチング剤法)、陽極酸化法、および機械的切削法が挙げられるが、これらの中では、大量処理の視点からエッチング剤法が好ましい。
以下、本実施形態に係る金属部材表面の粗化処理方法の一例を示す。ただし、本実施形態に係る金属部材表面の粗化処理方法は、以下の例に限定されない。
まず、金属部材103は、繊維強化プラスチック部材105との接合側の表面に酸化膜や水酸化物等からなる厚い被膜がないことが望ましい。このような厚い被膜を除去するため、次のエッチング剤で処理する工程の前に、サンドブラスト加工、ショットブラスト加工、研削加工、バレル加工等の機械研磨や、化学研磨により表面層を研磨してもよい。また、繊維強化プラスチック部材105との接合側の表面に機械油等の著しい汚染がある場合は、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液等のアルカリ性水溶液による処理や、脱脂を行なうことが好ましい。
本実施形態において金属部材の表面粗化処理方法としては、後述する酸系エッチング剤による処理を特定のタイミングで行うことが好ましい。具体的には、該酸系エッチング剤による処理を表面粗化処理工程の最終段階で行うことが好ましい。
上記酸系エッチング剤を用いて粗化処理する方法としては、浸漬、スプレー等による処理方法が挙げられる。処理温度は20〜40℃が好ましく、処理時間は5〜350秒程度が好ましく、金属部材表面をより均一に粗化できる観点から、20〜300秒がより好ましく、50〜300秒が特に好ましい。
上記酸系エッチング剤は、第二鉄イオンおよび第二銅イオンの少なくとも一方と、酸と、を含み、必要に応じて、マンガンイオン、各種添加剤等を含むことができる。
上記第二鉄イオンは、金属部材を酸化する成分であり、第二鉄イオン源を配合することによって、酸系エッチング剤中に該第二鉄イオンを含有させることができる。上記第二鉄イオン源としては、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄等が挙げられる。上記第二鉄イオン源のうちでは、塩化第二鉄が溶解性に優れ、安価であるという点から好ましい。
上記第二銅イオンは金属部材を酸化する成分であり、第二銅イオン源を配合することによって、酸系エッチング剤中に該第二銅イオン含有させることができる。上記第二銅イオン源としては、硫酸第二銅、塩化第二銅、硝酸第二銅、水酸化第二銅等が挙げられる。上記第二銅イオン源のうちでは、硫酸第二銅、塩化第二銅が安価であるという点から好ましい。
上記酸系エッチング剤には、金属部材表面をむらなく一様に粗化するために、マンガンイオンが含まれていてもよい。マンガンイオンは、マンガンイオン源を配合することによって、酸系エッチング剤中に該マンガンイオンを含有させることができる。上記マンガンイオン源としては、硫酸マンガン、塩化マンガン、酢酸マンガン、フッ化マンガン、硝酸マンガン等が挙げられる。上記マンガンイオン源の中でも、硫酸マンガン、塩化マンガンが安価である等の点から好ましい。本実施形態において、酸系エッチング剤中の上記マンガンイオンの含有量は、0〜1質量%であることが好ましく、より好ましくは0〜0.5質量%である。
上記酸は、第二鉄イオンおよび/または第二銅イオンにより酸化された金属を溶解させる成分である。上記酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、スルファミン酸等の無機酸や、スルホン酸、カルボン酸等の有機酸が挙げられる。上記カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、リンゴ酸等が挙げられる。上記酸系エッチング剤には、これらの酸を一種または二種以上配合することができる。上記無機酸のうちでは、臭気がほとんどなく、安価である点から硫酸が好ましい。また、上記有機酸のうちでは、粗化形状の均一性の観点から、カルボン酸が好ましい。
本実施形態において使用できる酸系エッチング剤には、指紋等の表面汚染物による粗化のむらを防ぐために界面活性剤を添加してもよく、必要に応じて他の添加剤を添加してもよい。他の添加剤としては、深い凹凸を形成するために添加されるハロゲン化物イオン源、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム等を例示できる。あるいは、粗化処理速度を上げるために添加されるチオ硫酸イオン、チオ尿素等のチオ化合物や、より均一な粗化形状を得るために添加されるイミダゾール、トリアゾール、テトラゾール等のアゾール類や、粗化反応を制御するために添加されるpH調整剤等も例示できる。これら他の成分を添加する場合、その合計含有量は、酸系エッチング剤中に0.01〜10質量%程度であることが好ましい。本実施形態の酸系エッチング剤は、上記の各成分をイオン交換水等に溶解させることにより容易に調製することができる。
本実施形態では、上記表面粗化処理工程の後、通常、水洗および乾燥を行うことが好ましい。水洗の方法については特に制限はないが浸漬または流水にて所定時間洗浄することが好ましい。
本実施形態に係るエポキシ樹脂硬化体層102は、例えば、エポキシ樹脂と硬化剤とを含む熱硬化性樹脂組成物を熱硬化することにより得ることができる。すなわち、本実施形態に係るエポキシ樹脂硬化体層102は、例えば、エポキシ樹脂と硬化剤とを含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物により構成される。
エポキシ樹脂硬化体層102の厚みは特に限定されないが、10μm以上1000μm以下が好ましく、50μm以上800μm以下がより好ましい。
エポキシ樹脂としては特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂および水添ビスフェノール型等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;ナフチル型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールエタン型エポキシ樹脂、トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂等のトリフェノールアルカン型エポキシ樹脂;脂環型エポキシ樹脂等が含まれる。
(メタ)アクリル酸を変性剤として用いて得られる(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート基の二重結合部分は、必要に応じて他のビニルモノマーがグラフト重合されていてもよい。他のビニルモノマーとしては、スチレン等のアルケニル芳香族類、メチルメタクリレート(MMA)等のアクリルエステル類、アクリル酸等のエステル基不含のアクリル化合物、ビニリアセテート等の非共役性ビニル化合物、ブタジエン等の共役ジエン化合物を例示することができる。この際のグラフト重合においては、触媒として公知のラジカル開始剤が用いられる。
本実施形態に係る金属/繊維強化プラスチック複合構造体の製造方法については特段の制限はない。以下に製造方法の一例を説明する。まず、熱硬化性樹脂組成物を調製したのち、これを金属部材103の粗化面に塗布する。例えば、公知の刷毛やスプレー、ローラー等により粗化金属面に熱硬化性樹脂組成物を塗布した後、必要に応じて風乾する方法等が挙げられる。次いで、熱硬化性樹脂組成物が塗布された金属部材103上に、繊維強化プラスチック部材105を配置後、プレス成形、オートクレーブ成形等の適切な成形方法により、熱硬化性樹脂組成物の硬化条件、並びに繊維強化プラスチックが非繊維強化樹脂を含む場合は非繊維強化樹脂組成物の硬化条件の両者を勘案して加熱、加圧し、熱硬化性樹脂組成物の硬化と、エポキシ樹脂硬化体層102の金属部材103の表面および繊維強化プラスチック部材105の表面への接合と、を完結させる。次いで、得られた金属/繊維強化プラスチック複合構造体106を脱型して取り出す。このような方法によって、本実施形態に係る金属/繊維強化プラスチック複合構造体106を製造することができる。
以下の方法により、アルミニウム合金の表面処理、接着剤の塗布および硬化工程を順次実施することによりアルミニウム合金/CFRP複合構造体を作製した。
JIS H4000に規定された合金番号5052のアルミニウム合金板(45mm×18mm×2.0mm)を脱脂処理した。次いで、脱脂処理したアルミニウム合金板を硫酸8.2質量%、塩化第二鉄7.8質量%、塩化第二銅0.4質量%が溶解した水溶液(30℃)中に375秒間浸漬し、揺動させることによってエッチングした。次いで、流水で超音波洗浄(水中、1分間)を行い、乾燥させることにより表面処理済みアルミニウム合金板を得た。
CFRP板(10枚の東レ社製トレカT300を直交積層して得られた板、45mm×18mm×2.0mm)の長手方向端部(5mm幅)について、ヤスリを用いた機械研磨を行うことによって表面に付着した離型剤を除去した。
次いで、上の表面処理工程で得られた表面処理済みアルミニウム合金板の長手方向の端部(5mm幅)および上記CFRP板の研磨面に、エポキシ樹脂接着剤(特公昭60−26427号の実施例3に従って調製したエポキシ基含有アクリル変性ゴムを主成分として含む三井化学製接着剤「ストラクトボンド」、B型粘度計を用いて23℃、回転数0.2rpmの条件で測定した粘度;200Pa・s)を100μmの厚みになるようにそれぞれ塗布し、塗布されたそれぞれのエポキシ樹脂接着層が完全に重なるように相対配置させた。
なお、この配置においてはアルミニウム合金板とCFRP板の隙間が200μmに固定させるための治具およびスペーサーを用いた。
相対配置させた試験片を、室温で10分間静置した後、150℃で30分間硬化させることによって、図1に示す引っ張りせん断強度測定用の試験片を得た。
引っ張り試験機「モデル1323(アイコーエンジニヤリング社製)」を使用し、引張試験機に専用の治具を取り付け、室温(23℃)にて、チャック間距離60mm、引張速度10mm/minの条件にて測定をおこなった。破断荷重(N)を金属/樹脂接合部分の面積で除することにより接合強度を求めた。その結果、接合強度は39MPaであった。接合部分の破断面を、アルミニウム合金側およびCFRP側と並べて写真撮影した図面を図5に示す(左側はアルミニウム合金、右側はCFRP、アルミニウム合金側の白色部分は合金部分に相当し、暗色部分はエポキシ樹脂硬化体層部分に相当する)。図5から明らかなように、アルミニウム合金側にはアルミニウム合金板−エポキシ樹脂硬化体層(接着剤)間の界面剥離はほとんど認められず、CFRP板の母材破壊が主なる破壊形態であることが理解できる。
<表面処理工程>
JIS H4000に規定された合金番号5052のアルミニウム合金板(45mm×18mm×2.0mm)を脱脂処理した。次いで、脱脂処理したアルミニウム合金板を水洗し、40℃の1質量%塩酸水溶液が入った槽に1分浸漬し水洗した。つづいて、40℃の1.5質量%水酸化ナトリウム水溶液が入った槽に4分浸漬し水洗した。次いで40℃の3質量%硝酸水溶液が入った槽に3分浸漬し水洗した。次いで60℃の3.5質量%濃度の1水和ヒドラジン水溶液を入れたヒドラジン処理槽に2分浸漬し、40℃の5質量%濃度の過酸化水素水溶液を入れた処理槽に5分浸漬し水洗した。これを乾燥させることにより表面処理済みアルミニウム合金板を得た。
103 金属部材
104 接合部表面
105 繊維強化プラスチック部材
106 金属/繊維強化プラスチック複合構造体
Claims (5)
- 金属部材と、
繊維強化プラスチック部材と、
前記金属部材と前記繊維強化プラスチック部材との間に設けられたエポキシ樹脂硬化体層と、
を備え、
前記金属部材は少なくとも前記繊維強化プラスチック部材との接合部表面にJIS B601(対応国際規格:ISO4287)で規定される表面粗さパラメーターが下記要件a)〜c)を同時に満たす微細凹凸形状を有し、
前記エポキシ樹脂硬化体層は前記金属部材の前記微細凹凸形状の一部または全部を覆うように形成されており、
前記金属部材と前記繊維強化プラスチック部材とは前記エポキシ樹脂硬化体層を介して接合している金属/繊維強化プラスチック複合構造体。
a)粗さ曲線の十点平均粗さ(Rz)が5μm超50μm以下である
b)粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以上30μm以下である
c)粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が20μm以上300μm以下である - 請求項1に記載の金属/繊維強化プラスチック複合構造体において、
前記エポキシ樹脂硬化体層がエポキシ樹脂と硬化剤とを含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物により構成される金属/繊維強化プラスチック複合構造体。 - 請求項2に記載の金属/繊維強化プラスチック複合構造体において、
B型粘度計を用いて23℃、回転数0.2rpmの条件で測定される、前記熱硬化性樹脂組成物の粘度が50Pa・s以上500Pa・s以下である金属/繊維強化プラスチック複合構造体。 - 請求項2または3に記載の金属/繊維強化プラスチック複合構造体において、
前記熱硬化性樹脂組成物が、
分子内に2以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応物である(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂と、
潜在性硬化剤と、
を含む金属/繊維強化プラスチック複合構造体。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の金属/繊維強化プラスチック複合構造体において、
前記金属部材が、鉄、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、チタンおよびチタン合金から選択される一種または二種以上を含む金属/繊維強化プラスチック複合構造体。
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