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JP2018167418A - 金属/繊維強化プラスチック複合構造体 - Google Patents

金属/繊維強化プラスチック複合構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】繊維強化プラスチック部材と金属部材との間の接合性に優れた金属/繊維強化プラスチック複合構造体を提供する。【解決手段】金属/繊維強化プラスチック複合構造体106は、金属部材103と、繊維強化プラスチック部材105と、金属部材103と繊維強化プラスチック部材105との間に設けられたエポキシ樹脂硬化体層と、を備える。金属部材103は繊維強化プラスチック部材105との接合部表面104にJIS B601で規定される表面粗さパラメーターが下記要件a)〜c)を同時に満たす微細凹凸形状を有し、金属部材103と繊維強化プラスチック部材105とはエポキシ樹脂硬化体層を介して接合している。a)粗さ曲線の十点平均粗さ(Rz)が5μm超50μm以下である。b)粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以上30μm以下である。c)粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が20μm以上300μm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は金属/繊維強化プラスチック複合構造体に関する。
炭素繊維強化プラスチック(以下、CFRPとも呼ぶ。)等の繊維強化プラスチックを用いた軽量高剛性材料は軽量で高強度であるため航空・宇宙分野、スポーツ・レジャー分野、船舶分野、建築・土木分野、自動車分野等の幅広い分野で用いられている。しかしながら、繊維強化プラスチック単独では強度がやや不足であり、構造材料としてより高い強度が必要な場合には繊維強化プラスチック部材を金属部材と一体化した複合材料として用いられている。
繊維強化プラスチックを用いた軽量高剛性材料と金属部材との一体化手法としては、ボルトやナット等を用いた機械的な接合方法や、接着剤を用いる接合方法等が知られている。前者の機械的接合法は穴あけ等の加工工程が必要であるということ以外は軽量化に逆行するので、現在では後者の接着剤を用いた接合が適用される場合が多くなっている。
接着剤を用いた接合工程は常温あるいは加熱で実施され、接着剤としてはユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、α−オレフィン樹脂接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ホットメルト接着剤、ポリウレタン系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、SBR系接着剤、エチレン共重合樹脂接着剤等が知られている。特にエポキシ樹脂系接着剤は硬化が速く、繊維強化プラスチック部材と金属との接合面の接着強度が高く、溶剤を含まず、硬化後の収縮も少ないことから、多用されている(例えば、特許文献1および2)。
特開2009−255429号公報 国際公開第2008/114669号
しかしながら、仮に公知エポキシ樹脂系接着剤を金属部材と繊維強化プラスチック部材との接合のために使用し、接着強度そのものが高い値を示した場合であっても、破断面の破壊形式が金属部材と接着剤層との界面剥離を伴う場合があった。このような界面剥離現象が起き、界面剥離部周辺の接合部分付近に、例えば電解質水溶液等の液体が接触した場合は、防錆処理されていない裸の金属面と繊維間のガルバニック反応に伴って金属の電気腐食が急速に進行し、金属材料そのものの破壊をもたらす二次被害を併発する可能性も否定できなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、接着剤層と繊維強化プラスチック部材との間の界面剥離および金属部材と接着剤層との間の界面剥離が抑制され、接着剤層および/または繊維強化プラスチック部材の母材破壊が主に生じるものであり、かつ、繊維強化プラスチック部材と金属部材との間の接合性に優れた金属/繊維強化プラスチック複合構造体を提供することである。
本発明者らは、接着剤層を介して金属部材と繊維強化プラスチック部材が一体化された複合構造体において、接着剤層と繊維強化プラスチック部材との間の界面剥離および金属部材と接着剤層間との間の界面剥離の発生が抑制された金属/繊維強化プラスチック複合構造体を開発すべく鋭意検討した。その結果、表面に特定の微細凹凸形状を有する金属部材を使用し、特定の接着剤を金属部材と繊維強化プラスチック部材との間に介在させることによって、接着剤層と繊維強化プラスチック部材との間の界面剥離および金属部材と接着剤層との間の界面剥離が抑制され、接着剤層および/または繊維強化プラスチック部材の母材破壊が主に生じ、繊維強化プラスチック部材と金属部材との間の接合性に優れた金属/繊維強化プラスチック複合構造体が得られることを見出し、本発明に到達した。
本発明によれば、以下に示す金属/繊維強化プラスチック複合構造体が提供される。
[1]
金属部材と、
繊維強化プラスチック部材と、
上記金属部材と上記繊維強化プラスチック部材との間に設けられたエポキシ樹脂硬化体層と、
を備え、
上記金属部材は少なくとも上記繊維強化プラスチック部材との接合部表面にJIS B601(対応国際規格:ISO4287)で規定される表面粗さパラメーターが下記要件a)〜c)を同時に満たす微細凹凸形状を有し、
上記エポキシ樹脂硬化体層は上記金属部材の上記微細凹凸形状の一部または全部を覆うように形成されており、
上記金属部材と上記繊維強化プラスチック部材とは上記エポキシ樹脂硬化体層を介して接合している金属/繊維強化プラスチック複合構造体。
a)粗さ曲線の十点平均粗さ(Rz)が5μm超50μm以下である
b)粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以上30μm以下である
c)粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が20μm以上300μm以下である
[2]
上記[1]に記載の金属/繊維強化プラスチック複合構造体において、
上記エポキシ樹脂硬化体層がエポキシ樹脂と硬化剤とを含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物により構成される金属/繊維強化プラスチック複合構造体。
[3]
上記[2]に記載の金属/繊維強化プラスチック複合構造体において、
B型粘度計を用いて23℃、回転数0.2rpmの条件で測定される、上記熱硬化性樹脂組成物の粘度が50Pa・s以上500Pa・s以下である金属/繊維強化プラスチック複合構造体。
[4]
上記[2]または[3]に記載の金属/繊維強化プラスチック複合構造体において、
上記熱硬化性樹脂組成物が、
分子内に2以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応物である(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂と、
潜在性硬化剤と、
を含む金属/繊維強化プラスチック複合構造体。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の金属/繊維強化プラスチック複合構造体において、
上記金属部材が、鉄、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、チタンおよびチタン合金から選択される一種または二種以上を含む金属/繊維強化プラスチック複合構造体。
本発明によれば、接着剤層と繊維強化プラスチック部材との間の界面剥離および金属部材と接着剤層との間の界面剥離が抑制され、接着剤層および/または繊維強化プラスチック部材の母材破壊が主に生じるものであり、かつ、繊維強化プラスチック部材と金属部材との間の接合性に優れた金属/繊維強化プラスチック複合構造体を提供することができる。
本発明に係る実施形態の金属/繊維強化プラスチック複合構造体の構造の一例を示した外観図である。 本発明に係る実施形態の金属/繊維強化プラスチック複合構造体の接合部の構造の一例を概念的に示した断面図である。 実施例1における表面処理済みのアルミニウム合金板の微細凹凸形状の光学顕微鏡写真(3D画像、有効倍率;555倍)を示す図である。 比較例1における表面処理済みのアルミニウム合金板の微細凹凸形状の光学顕微鏡写真(3D画像、有効倍率;555倍)を示す図である。 実施例1におけるせん断引張強度試験後の試験片の破断面の状態の写真を示す図である(左図;アルミニウム合金板、右図;CFRP板) 比較例1におけるせん断引張強度試験後の試験片の破断面の状態の写真を示す図である(左図;アルミニウム合金板、右図;CFRP板)。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。文中の数字の間にある「〜」は特に断りがなければ、以上から以下を表す。
<金属/繊維強化プラスチック複合構造体>
まず、本実施形態に係る金属/繊維強化プラスチック複合構造体106について説明する。
図1は、本発明に係る実施形態の金属/繊維強化プラスチック複合構造体106の構造の一例を示した外観図である。図2は、本発明に係る実施形態の金属/繊維強化プラスチック複合構造体106の接合部の構造の一例を概念的に示した断面図である。
本実施形態に係る金属/繊維強化プラスチック複合構造体106は、金属部材103と、繊維強化プラスチック部材105と、金属部材103と繊維強化プラスチック部材105との間に設けられたエポキシ樹脂硬化体層102と、を備える。
そして、金属部材103は少なくとも繊維強化プラスチック部材105との接合部表面104にJIS B601(対応国際規格:ISO4287)で規定される表面粗さパラメーターが下記要件a)〜c)を同時に満たす微細凹凸形状を有し、エポキシ樹脂硬化体層102は金属部材103の上記微細凹凸形状の一部または全部を覆うように形成されており、金属部材103と繊維強化プラスチック部材105とはエポキシ樹脂硬化体層102を介して接合している。
a)粗さ曲線の十点平均粗さ(Rz)が5μm超50μm以下である
b)粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以上30μm以下である
c)粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が20μm以上300μm以下である
また、本実施形態に係る金属/繊維強化プラスチック複合構造体106は、上記微細凹凸形状にエポキシ樹脂硬化体層102の一部分が浸入することにより金属部材103とエポキシ樹脂硬化体層102とが接合されていることが好ましい。
本実施形態に係る金属部材103は、エポキシ樹脂硬化体層102との接合部表面104に微細凹凸形状を有している。上記微細凹凸形状に、エポキシ樹脂硬化体層102の加熱硬化前の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を接触させることによって、該組成物の一部分を微細凹凸形状の凹部に十分に浸入させることが可能となる。次いで、熱硬化性エポキシ樹脂組成物からなる層の、金属部材103側の面とは対向する面側に繊維強化プラスチック部材105をセットし、熱硬化性エポキシ樹脂組成物を熱硬化(三次元架橋)することによって金属部材103とエポキシ樹脂硬化体層102、およびエポキシ樹脂硬化体層102と繊維強化プラスチック部材105と、が強固に接合した金属/繊維強化プラスチック複合構造体106を得ることができる。
本実施形態においては、金属部材103とエポキシ樹脂硬化体層102との間に物理的な抵抗力(アンカー効果)が効果的に発現し、金属部材103とエポキシ樹脂硬化体層102とが強固に接合している。本実施形態においては、アンカー効果を効果的に発現させるために、金属部材103の上に形成された微細凹凸形状の具体的構造は重要な要件となる。
本実施形態に係る金属部材103は、少なくとも繊維強化プラスチック部材105との接合部表面104に微細凹凸形状を有しており、該微細凹凸形状のJIS B601(対応国際規格:ISO4287)で規定される表面粗さパラメーターが下記要件a)、b)およびc)を同時に満たすことを特徴としている。
a)粗さ曲線の十点平均粗さ(Rz)が5μm超50μm以下であり、好ましくは10μm以上50μm以下であり、より好ましくは15μm以上40μm以下である。
b)粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以上30μm以下であり、好ましくは2μm以上20μm以下であり、より好ましくは3μm以上15μm以下である。
c)粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が20μm以上300μm以下であり、好ましくは30μm以上250μm以下であり、より好ましくは40μm以上200μm以下である。
金属部材103上に形成された微細凹凸形状が上記のような要件を満たすことによって、金属部材103と、接着層としてのエポキシ樹脂硬化体層102との間にアンカー効果が効果的に発現し、結果として接合強度に優れた金属/繊維強化プラスチック複合構造体106を実現できる。なお、表面にこのような形状特性を備えた金属部材103は、後述するように、金属部材103の表面に対する粗化処理の条件を適切に調整することによって制御が可能である。
以下、本実施形態に係る金属/繊維強化プラスチック複合構造体106を構成する各部材について説明する。
<繊維強化プラスチック部材>
以下、本実施形態に係る繊維強化プラスチック部材105について説明する。
本実施形態に係る繊維強化プラスチック部材105は繊維強化プラスチックにより構成される部材であれば特に限定されないが、強化材料である繊維とマトリックス樹脂である熱硬化性樹脂とから得られる熱硬化体、強化材料である繊維とマトリックス樹脂である熱可塑性樹脂とから得られる部材等が挙げられる。
本実施形態に係る金属/繊維強化プラスチック複合構造体106においては、繊維強化プラスチック部材105と金属部材103がエポキシ樹脂硬化体層102を介して接合されるので、繊維強化プラスチック部材105を構成するマトリックス樹脂としてはエポキシ樹脂硬化体層102に近い物理特性を示す熱硬化性樹脂、特にエポキシ樹脂系の熱硬化性樹脂であることが好ましい。
繊維強化プラスチック部材105を構成する繊維としては繊維強化プラスチックに用いられる繊維であれば特に限定されないが、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維等が挙げられる。これらの中でも炭素繊維が好ましい。ここで、繊維強化プラスチック部材105を構成する繊維が炭素繊維の場合、繊維強化プラスチックは炭素繊維強化プラスチック(CFRP)とも呼ぶ。CFRPを構成する炭素繊維としては、原料がアクリルニトリル樹脂であるPAN系、コールタール等の炭素が原料のピッチ系等が挙げられる。
また、繊維形状は長繊維、短繊維いずれも使用可能であり、繊維径は通常3〜30μm程度である。また繊維強化プラスチックの形態としては、例えば、クロス、ステーブルヤーン、ストランドシート、トウ、トウプレート、フェルマット、プリプレグ、UDプリプレグ、プリプレグ積層体、ブレード、ロービング等が挙げられる。
<金属部材>
本実施形態に係る金属/繊維強化プラスチック複合構造体106を構成する金属部材103は特に限定されないが、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、チタンおよびチタン合金等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよいし、二種以上組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、軽量かつ高強度の点から、アルミニウム(アルミニウム単体)およびアルミニウム合金が好ましく、アルミニウム合金がより好ましい。
アルミニウム合金としては、これらの中でも展伸法に利用されるものである、日本工業規格(JIS H4000)で定義される合金種を示す4桁の数字が、2000番台のアルミニウム/銅系合金、3000番台のアルミニウム/マンガン系合金、4000番台のアルミニウム/ケイ素系合金、5000番台のアルミニウム/マグネシウム系合金、6000番台のアルミニウム/マグネシウム/ケイ素系合金、7000番台のアルミニウム/亜鉛/マグネシウム系合金、アルミニウム/亜鉛/マグネシウム/銅系合金等が好適に用いられる。これらの中でも、入手容易性や複合体とした場合の機械・熱特性の視点から5000番台のアルミニウム/マグネシウム合金が特に好んで用いられる。
金属部材103の形状は、エポキシ樹脂硬化体層102を介して繊維強化プラスチック部材105と接合できる形状であれば特に限定されず、例えば、平板状、曲板状、棒状、筒状、塊状等とすることができる。また、これらの組み合わせからなる構造体であってもよい。
また、繊維強化プラスチック部材105と接合する金属部材103の接合部表面104の形状は、特に限定されないが、平面、曲面等が挙げられる。
金属部材103は、金属材料を切断、プレス等による塑性加工、打ち抜き加工、切削、研磨、放電加工等の除肉加工によって上述した所定の形状に加工された後に、後述する粗化処理がなされたものが好ましい。要するに、種々の加工法により、必要な形状に加工されたものを用いることが好ましい。
(金属部材表面の粗化処理方法)
金属部材103に設けられた微細凹凸形状は、金属部材103の全表面に設けられてもよいし、片面のみであってもよいし、片面の一部分のみであってもよし、エポキシ樹脂硬化体層102を介した繊維強化プラスチック部材105との接合面のみであってもよい。ここで微細凹凸形状を付与する方法は、本実施形態に係る微細凹凸形状が上記要件a)、b)およびc)を同時に満たす限りは、公知の方法が制限なく用いられる。公知方法としては、得られる微細凹凸形状の三次元構造から大別して、侵食性水溶液または侵食性懸濁液に金属部材を浸漬する方法(エッチング剤法)、陽極酸化法、および機械的切削法が挙げられるが、これらの中では、大量処理の視点からエッチング剤法が好ましい。
ここで、エッチング剤を用いて金属部材の表面を粗化処理すること自体は従来技術においても盛んに行われてきた。しかし、本実施形態では、エッチング剤の種類および濃度、粗化処理の温度および時間、エッチング処理のタイミング等の因子を高度に制御している。本実施形態に係る金属部材103の接合部表面104を得るためには、これらの因子を高度に制御することが重要となる。
以下、本実施形態に係る金属部材表面の粗化処理方法の一例を示す。ただし、本実施形態に係る金属部材表面の粗化処理方法は、以下の例に限定されない。
(1)前処理工程
まず、金属部材103は、繊維強化プラスチック部材105との接合側の表面に酸化膜や水酸化物等からなる厚い被膜がないことが望ましい。このような厚い被膜を除去するため、次のエッチング剤で処理する工程の前に、サンドブラスト加工、ショットブラスト加工、研削加工、バレル加工等の機械研磨や、化学研磨により表面層を研磨してもよい。また、繊維強化プラスチック部材105との接合側の表面に機械油等の著しい汚染がある場合は、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液等のアルカリ性水溶液による処理や、脱脂を行なうことが好ましい。
(2)表面粗化処理工程
本実施形態において金属部材の表面粗化処理方法としては、後述する酸系エッチング剤による処理を特定のタイミングで行うことが好ましい。具体的には、該酸系エッチング剤による処理を表面粗化処理工程の最終段階で行うことが好ましい。
上記酸系エッチング剤を用いて粗化処理する方法としては、浸漬、スプレー等による処理方法が挙げられる。処理温度は20〜40℃が好ましく、処理時間は5〜350秒程度が好ましく、金属部材表面をより均一に粗化できる観点から、20〜300秒がより好ましく、50〜300秒が特に好ましい。
上記酸系エッチング剤を用いた粗化処理によって、金属部材103の表面が凹凸形状に粗化される。上記酸系エッチング剤を用いた際の金属部材103の深さ方向のエッチング量(溶解量)は、溶解した金属部材103の質量、比重および表面積から算出した場合、0.1〜500μmであることが好ましく、5〜500μmであることがより好ましく、5〜100μmであることがさらに好ましい。エッチング量が上記下限値以上であれば、金属部材103とエポキシ樹脂硬化体層102との間の接合強度をより向上させることができる。また、エッチング量が上記上限値以下であれば、処理コストの低減が可能となる。エッチング量は、処理温度や処理時間等により調整できる。
上記酸系エッチング剤は、第二鉄イオンおよび第二銅イオンの少なくとも一方と、酸と、を含み、必要に応じて、マンガンイオン、各種添加剤等を含むことができる。
・第二鉄イオン
上記第二鉄イオンは、金属部材を酸化する成分であり、第二鉄イオン源を配合することによって、酸系エッチング剤中に該第二鉄イオンを含有させることができる。上記第二鉄イオン源としては、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄等が挙げられる。上記第二鉄イオン源のうちでは、塩化第二鉄が溶解性に優れ、安価であるという点から好ましい。
本実施形態において、酸系エッチング剤中の上記第二鉄イオンの含有量は、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜12質量%、さらに好ましくは0.5〜7質量%、さらにより好ましくは1〜6質量%、特に好ましくは1〜5質量%である。上記第二鉄イオンの含有量が上記下限値以上であれば、金属部材の粗化速度(溶解速度)の低下を防ぐことができる。一方、上記第二鉄イオンの含有量が上記上限値以下であれば、粗化速度を適正に維持することができるため、金属部材103と繊維強化プラスチック部材105との間の接合強度向上により適した均一な粗化が可能になる。
・第二銅イオン
上記第二銅イオンは金属部材を酸化する成分であり、第二銅イオン源を配合することによって、酸系エッチング剤中に該第二銅イオン含有させることができる。上記第二銅イオン源としては、硫酸第二銅、塩化第二銅、硝酸第二銅、水酸化第二銅等が挙げられる。上記第二銅イオン源のうちでは、硫酸第二銅、塩化第二銅が安価であるという点から好ましい。
本実施形態において、酸系エッチング剤中の上記第二銅イオンの含有量は、0.001〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜7質量%、さらに好ましくは0.05〜1質量%、さらにより好ましくは0.1〜0.8質量%、さらにより好ましくは0.15〜0.7質量%、特に好ましくは0.15〜0.4質量%である。上記第二銅イオンの含有量が上記下限値以上であれば、金属部材の粗化速度(溶解速度)の低下を防ぐことができる。一方、上記第二銅イオンの含有量が上記上限値以下であれば、粗化速度を適正に維持することができるため、金属部材103と繊維強化プラスチック部材105との間の接合強度向上により適した均一な粗化が可能になる。
上記酸系エッチング剤は、第二鉄イオンおよび第二銅イオンの一方のみを含むものであってもよく、両方を含むものであってもよいが、第二鉄イオンおよび第二銅イオンの両方を含むことが好ましい。酸系エッチング剤が第二鉄イオンおよび第二銅イオンの両方を含むことで、金属部材103と繊維強化プラスチック部材105との間の接合強度向上により適した良好な粗化形状が容易に得られる。
上記酸系エッチング剤が、第二鉄イオンおよび第二銅イオンの両方を含む場合、第二鉄イオンおよび第二銅イオンのそれぞれの含有量が、上記範囲であることが好ましい。また、酸系エッチング剤中の第二鉄イオンと第二銅イオンの含有量の合計は、0.011〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%、特に好ましくは1〜5質量%である。
・マンガンイオン
上記酸系エッチング剤には、金属部材表面をむらなく一様に粗化するために、マンガンイオンが含まれていてもよい。マンガンイオンは、マンガンイオン源を配合することによって、酸系エッチング剤中に該マンガンイオンを含有させることができる。上記マンガンイオン源としては、硫酸マンガン、塩化マンガン、酢酸マンガン、フッ化マンガン、硝酸マンガン等が挙げられる。上記マンガンイオン源の中でも、硫酸マンガン、塩化マンガンが安価である等の点から好ましい。本実施形態において、酸系エッチング剤中の上記マンガンイオンの含有量は、0〜1質量%であることが好ましく、より好ましくは0〜0.5質量%である。
・酸
上記酸は、第二鉄イオンおよび/または第二銅イオンにより酸化された金属を溶解させる成分である。上記酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、スルファミン酸等の無機酸や、スルホン酸、カルボン酸等の有機酸が挙げられる。上記カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、リンゴ酸等が挙げられる。上記酸系エッチング剤には、これらの酸を一種または二種以上配合することができる。上記無機酸のうちでは、臭気がほとんどなく、安価である点から硫酸が好ましい。また、上記有機酸のうちでは、粗化形状の均一性の観点から、カルボン酸が好ましい。
本実施形態において、酸系エッチング剤中の上記酸の含有量は、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.5〜50質量%であることがより好ましく、1〜50質量%であることがさらに好ましく、1〜30質量%であることがさらにより好ましく、1〜25質量%であることがさらにより好ましく、2〜18質量%であることがさらにより好ましい。上記酸の含有量が上記下限値以上であれば、金属の粗化速度(溶解速度)の低下を防止できる。一方、上記酸の含有量が上記上限値以下であれば、液温が低下した際の金属塩の結晶析出を防止できるため、作業性を向上できる。
・他の成分
本実施形態において使用できる酸系エッチング剤には、指紋等の表面汚染物による粗化のむらを防ぐために界面活性剤を添加してもよく、必要に応じて他の添加剤を添加してもよい。他の添加剤としては、深い凹凸を形成するために添加されるハロゲン化物イオン源、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム等を例示できる。あるいは、粗化処理速度を上げるために添加されるチオ硫酸イオン、チオ尿素等のチオ化合物や、より均一な粗化形状を得るために添加されるイミダゾール、トリアゾール、テトラゾール等のアゾール類や、粗化反応を制御するために添加されるpH調整剤等も例示できる。これら他の成分を添加する場合、その合計含有量は、酸系エッチング剤中に0.01〜10質量%程度であることが好ましい。本実施形態の酸系エッチング剤は、上記の各成分をイオン交換水等に溶解させることにより容易に調製することができる。
(3)後処理工程
本実施形態では、上記表面粗化処理工程の後、通常、水洗および乾燥を行うことが好ましい。水洗の方法については特に制限はないが浸漬または流水にて所定時間洗浄することが好ましい。
さらに、後処理工程としては、上記酸系エッチング剤を用いた処理により生じたスマット等を除去するため、超音波洗浄を施すことが好ましい。超音波洗浄の条件は、生じたスマット等を除去することができる条件であれば特に限定されないが、用いる溶媒としては水が好ましく、また、処理時間としては、好ましくは1〜20分間である。
<エポキシ樹脂硬化体層>
本実施形態に係るエポキシ樹脂硬化体層102は、例えば、エポキシ樹脂と硬化剤とを含む熱硬化性樹脂組成物を熱硬化することにより得ることができる。すなわち、本実施形態に係るエポキシ樹脂硬化体層102は、例えば、エポキシ樹脂と硬化剤とを含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物により構成される。
エポキシ樹脂硬化体層102の厚みは特に限定されないが、10μm以上1000μm以下が好ましく、50μm以上800μm以下がより好ましい。
エポキシ樹脂としては特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂および水添ビスフェノール型等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;ナフチル型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールエタン型エポキシ樹脂、トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂等のトリフェノールアルカン型エポキシ樹脂;脂環型エポキシ樹脂等が含まれる。
これらの中でも、分子内に2以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂がより好ましい。これらのビスフェノール型エポキシ樹脂は、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂等と比べて結晶性が低いため、塗布性や粘度安定性に優れる等の利点があるからである。
また、上記エポキシ樹脂は、例えば、活性水素含有化合物によってエポキシ環の一部が開環、すなわち部分変性されていてもよい。変性されている場合は、その変性率は、変性前のエポキシ基量の例えば50モル%〜100モル%、好ましくは60モル%〜99モル%である。変性剤としての活性水素化合物としては、カルボキシル基含有化合物、フェノール性水酸基含有化合物、アンモニア、一級アミノ基含有化合物、二級アミノ基含有化合物、メルカプト基含有化合物を例示できる。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物においては、熱硬化によって得られる硬化体に靱性が付与できること、部分変性時の反応制御が相対的に容易であること、および部分変性エポキシ樹脂がビニル系ポリマーへのグラフト鎖として活用できるという変性自由度が格段に向上できる等の理由によってカルボキシル基含有化合物としての(メタ)アクリル酸を変性剤として用いることが好ましい。
(メタ)アクリル酸を変性剤として用いて得られる(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂の(メタ)アクリレート基の二重結合部分は、必要に応じて他のビニルモノマーがグラフト重合されていてもよい。他のビニルモノマーとしては、スチレン等のアルケニル芳香族類、メチルメタクリレート(MMA)等のアクリルエステル類、アクリル酸等のエステル基不含のアクリル化合物、ビニリアセテート等の非共役性ビニル化合物、ブタジエン等の共役ジエン化合物を例示することができる。この際のグラフト重合においては、触媒として公知のラジカル開始剤が用いられる。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、硬化剤を含むことが好ましい。硬化剤は組成物中に存在する場合であっても常温時には硬化反応を生起させず、熱が与えられると直ちにエポキシ樹脂を硬化させる潜在性硬化剤が好んで用いられる。潜在性硬化剤の融点は好ましくは50℃以上、より好ましくは50℃以上250℃以下である。
潜在性硬化剤は、窒素含有化合物であることが好ましく、有機酸ジヒドラジド化合物、イミダゾール変性化合物、ポリアミン化合物、ジシアンジアミド等のシアノ基とアミド基とを有する化合物およびポリアミノウレア化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物であることがより好ましい。これらの潜在性硬化剤は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機酸ジヒドラジド化合物としては、アジピン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド)、イソフタル酸ジヒドラジド、およびセバシン酸ジヒドラジド等の融点が150℃を超えるような化合物を好ましい例として挙げることができる。このように、一定以上の融点を有する有機酸ジヒドラジド化合物は、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン(VDH)等の融点が低い有機酸ジヒドラジド化合物と比べて熱的に安定であるため、加温下における粘度安定性に優れる。
融点が130℃以下のイミダゾール変性化合物としては、例えば、味の素ファインテクノ社製PN-23、PN−40J、MY−H、MY−24、およびADEKA社製EH-4344S等が挙げられる。融点が130℃以下のポリアミン化合物としては、例えば、ADEKA社製EH−5057(80℃)等が挙げられる。融点が130℃以下のポリアミノウレア化合物としては、例えば、T&K TOKA社製フジキュアFXR−1081(融点121℃)、およびフジキュアFXR−1020(融点124℃)等が挙げられる。ポリアミノウレア化合物とは、アミンと尿素を加熱硬化させて得られる化合物である。
潜在性硬化剤は、前述の通り固形物であることが好ましく、その数平均粒子径は4μm以下であることが好ましく、0.5〜4μmであることがより好ましく、1〜3μmであることがさらに好ましい。潜在性硬化剤の数平均粒子径が上記下限値以上であると、粘度安定性がより向上し、数平均粒子径が上記上限値以下であると、分散性がより良好になる。潜在性硬化剤の粒子径は、ビーズミル、ボールミル等により粉砕することで調整できる。上記の硬化剤は、単独で用いても複数種を併用することもできる。潜在性硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部であり、より好ましくは3〜15重量部である。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、さらに炭酸カルシウムや二酸化ケイ素、アルミナ等の無機フィラー、シランカップリング剤等のカップリング剤、カーボンブラック等の顔料、染料、可塑剤、消泡剤等を含んでいてもよい。
本実施形態において、金属部材103とエポキシ樹脂硬化体層102との間に物理的な抵抗力(アンカー効果)を効果的に発現させために、エポキシ樹脂硬化体層102の硬化前ステージにある熱硬化性樹脂組成物の粘度(B型粘度計を用いて23℃、回転数0.2rpmの条件で測定した値)は、好ましくは50Pa・s〜500Pa・s、より好ましくは100Pa・s〜400Pa・sである。このような要件を満たすことによって、金属部材103と、接着層としてのエポキシ樹脂硬化体層102との間にアンカー効果が効果的に発現し、結果として接合強度により一層優れた金属/繊維強化プラスチック複合構造体106を得ることができる。また、このような流動変形特性は、塗布性を向上させるので好ましい。
本実施形態においては、アンカー効果をより一層効果的に発現させ、金属部材103と繊維強化プラスチック部材105との間の接合強度がさらに強固になった金属/繊維強化プラスチック複合構造体106を得るためには、エポキシ樹脂硬化体層102の硬化前ステージにある熱硬化性樹脂組成物の粘度(B型粘度計を用いて23℃、回転数0.2rpmの条件で測定した値)が、好ましくは100Pa・s〜300Pa・s、より好ましくは110Pa・s〜250Pa・sを満たし、かつ、23℃におけるチクソトロピックインデックス(回転数0.2rpmで測定した粘度を、回転数2.0rpmで測定した値で除した比)が好ましくは1.2〜1.8、より好ましくは1.3〜1.7の範囲を満たす。23℃のB型回転粘度が上記下限値以上であると、接着面に特定量の熱硬化性樹脂組成物を特定厚みで保持しやすくなるため好ましい。一方で、23℃のB型回転粘度が上記上限値以下であると、金属部材103の微細凹凸形状の凹部への熱硬化性樹脂組成物の浸透性をより一層向上できる点、あるいは金属部材103と繊維強化プラスチック部材105との間の接着すべき空間が三次元的に入り組んでいる場合や隙間が狭い場合に熱硬化性樹脂組成物を接着すべき空間に十分に流入させることができる点等から好ましい。このような流動変形特性を備えた熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂組成物の構成成分種と成分割合を調整することによって調製することが可能である。
<金属/繊維強化プラスチック複合構造体の製造方法>
本実施形態に係る金属/繊維強化プラスチック複合構造体の製造方法については特段の制限はない。以下に製造方法の一例を説明する。まず、熱硬化性樹脂組成物を調製したのち、これを金属部材103の粗化面に塗布する。例えば、公知の刷毛やスプレー、ローラー等により粗化金属面に熱硬化性樹脂組成物を塗布した後、必要に応じて風乾する方法等が挙げられる。次いで、熱硬化性樹脂組成物が塗布された金属部材103上に、繊維強化プラスチック部材105を配置後、プレス成形、オートクレーブ成形等の適切な成形方法により、熱硬化性樹脂組成物の硬化条件、並びに繊維強化プラスチックが非繊維強化樹脂を含む場合は非繊維強化樹脂組成物の硬化条件の両者を勘案して加熱、加圧し、熱硬化性樹脂組成物の硬化と、エポキシ樹脂硬化体層102の金属部材103の表面および繊維強化プラスチック部材105の表面への接合と、を完結させる。次いで、得られた金属/繊維強化プラスチック複合構造体106を脱型して取り出す。このような方法によって、本実施形態に係る金属/繊維強化プラスチック複合構造体106を製造することができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本実施形態を、実施例・比較例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
以下の方法により、アルミニウム合金の表面処理、接着剤の塗布および硬化工程を順次実施することによりアルミニウム合金/CFRP複合構造体を作製した。
<表面処理工程>
JIS H4000に規定された合金番号5052のアルミニウム合金板(45mm×18mm×2.0mm)を脱脂処理した。次いで、脱脂処理したアルミニウム合金板を硫酸8.2質量%、塩化第二鉄7.8質量%、塩化第二銅0.4質量%が溶解した水溶液(30℃)中に375秒間浸漬し、揺動させることによってエッチングした。次いで、流水で超音波洗浄(水中、1分間)を行い、乾燥させることにより表面処理済みアルミニウム合金板を得た。
得られた表面処理済みのアルミニウム合金板の表面粗さを、光学顕微鏡「オプトデジタルマイクロスコープDSX500(オリンパス株式会社製)」を使用し、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される表面粗さのうち、粗さ曲線の十点平均粗さ(Rz)、粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を任意の三点について測定し、その平均値を求めた。その結果、Rz;23.0μm、Ra;6.0μm、RSm;90.9μmであった。また、表面処理済みのアルミニウム合金板の粗化面(微細凹凸形状が形成された面)を顕微鏡観察(3D画像、有効倍率;555倍)した結果を図3に示す。
<塗布工程>
CFRP板(10枚の東レ社製トレカT300を直交積層して得られた板、45mm×18mm×2.0mm)の長手方向端部(5mm幅)について、ヤスリを用いた機械研磨を行うことによって表面に付着した離型剤を除去した。
次いで、上の表面処理工程で得られた表面処理済みアルミニウム合金板の長手方向の端部(5mm幅)および上記CFRP板の研磨面に、エポキシ樹脂接着剤(特公昭60−26427号の実施例3に従って調製したエポキシ基含有アクリル変性ゴムを主成分として含む三井化学製接着剤「ストラクトボンド」、B型粘度計を用いて23℃、回転数0.2rpmの条件で測定した粘度;200Pa・s)を100μmの厚みになるようにそれぞれ塗布し、塗布されたそれぞれのエポキシ樹脂接着層が完全に重なるように相対配置させた。
なお、この配置においてはアルミニウム合金板とCFRP板の隙間が200μmに固定させるための治具およびスペーサーを用いた。
<硬化工程>
相対配置させた試験片を、室温で10分間静置した後、150℃で30分間硬化させることによって、図1に示す引っ張りせん断強度測定用の試験片を得た。
<引っ張りせん断強度の測定および破断面観察>
引っ張り試験機「モデル1323(アイコーエンジニヤリング社製)」を使用し、引張試験機に専用の治具を取り付け、室温(23℃)にて、チャック間距離60mm、引張速度10mm/minの条件にて測定をおこなった。破断荷重(N)を金属/樹脂接合部分の面積で除することにより接合強度を求めた。その結果、接合強度は39MPaであった。接合部分の破断面を、アルミニウム合金側およびCFRP側と並べて写真撮影した図面を図5に示す(左側はアルミニウム合金、右側はCFRP、アルミニウム合金側の白色部分は合金部分に相当し、暗色部分はエポキシ樹脂硬化体層部分に相当する)。図5から明らかなように、アルミニウム合金側にはアルミニウム合金板−エポキシ樹脂硬化体層(接着剤)間の界面剥離はほとんど認められず、CFRP板の母材破壊が主なる破壊形態であることが理解できる。
[比較例1]
<表面処理工程>
JIS H4000に規定された合金番号5052のアルミニウム合金板(45mm×18mm×2.0mm)を脱脂処理した。次いで、脱脂処理したアルミニウム合金板を水洗し、40℃の1質量%塩酸水溶液が入った槽に1分浸漬し水洗した。つづいて、40℃の1.5質量%水酸化ナトリウム水溶液が入った槽に4分浸漬し水洗した。次いで40℃の3質量%硝酸水溶液が入った槽に3分浸漬し水洗した。次いで60℃の3.5質量%濃度の1水和ヒドラジン水溶液を入れたヒドラジン処理槽に2分浸漬し、40℃の5質量%濃度の過酸化水素水溶液を入れた処理槽に5分浸漬し水洗した。これを乾燥させることにより表面処理済みアルミニウム合金板を得た。
得られた表面処理済みのアルミニウム合金板の表面粗さを、実施例1に記載の方法と同様にして、粗さ曲線の十点平均粗さ(Rz)、粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を任意の三点について測定し、その平均値を求めた。その結果、Rz;3.2μm、Ra;0.5μm、RSm;17.2μmであった。また、表面処理済みのアルミニウム合金板の粗化面(微細凹凸形状が形成された面)を顕微鏡観察(3D画像、有効倍率;555倍)した結果を図4に示す。
実施例1に記載した方法と全く同様にして、塗布工程、硬化工程、引っ張りせん断強度の測定および破断面観察を行った。その結果、接合強度は、35MPaであった。また、接合部分の破断面を、アルミニウム合金側およびCFRP側と並べて写真撮影した図面を図6に示す(左側はアルミニウム合金、右側はCFRP、アルミニウム合金側の白色部分は合金部分に相当し、暗色部分はエポキシ樹脂硬化体層部分に相当する)。図6から明らかなように、アルミニウム合金側にはアルミニウム合金板−エポキシ樹脂硬化体層(接着剤)間の界面剥離が多数認められる。
102 エポキシ樹脂硬化体層
103 金属部材
104 接合部表面
105 繊維強化プラスチック部材
106 金属/繊維強化プラスチック複合構造体

Claims (5)

  1. 金属部材と、
    繊維強化プラスチック部材と、
    前記金属部材と前記繊維強化プラスチック部材との間に設けられたエポキシ樹脂硬化体層と、
    を備え、
    前記金属部材は少なくとも前記繊維強化プラスチック部材との接合部表面にJIS B601(対応国際規格:ISO4287)で規定される表面粗さパラメーターが下記要件a)〜c)を同時に満たす微細凹凸形状を有し、
    前記エポキシ樹脂硬化体層は前記金属部材の前記微細凹凸形状の一部または全部を覆うように形成されており、
    前記金属部材と前記繊維強化プラスチック部材とは前記エポキシ樹脂硬化体層を介して接合している金属/繊維強化プラスチック複合構造体。
    a)粗さ曲線の十点平均粗さ(Rz)が5μm超50μm以下である
    b)粗さ曲線の算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以上30μm以下である
    c)粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が20μm以上300μm以下である
  2. 請求項1に記載の金属/繊維強化プラスチック複合構造体において、
    前記エポキシ樹脂硬化体層がエポキシ樹脂と硬化剤とを含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物により構成される金属/繊維強化プラスチック複合構造体。
  3. 請求項2に記載の金属/繊維強化プラスチック複合構造体において、
    B型粘度計を用いて23℃、回転数0.2rpmの条件で測定される、前記熱硬化性樹脂組成物の粘度が50Pa・s以上500Pa・s以下である金属/繊維強化プラスチック複合構造体。
  4. 請求項2または3に記載の金属/繊維強化プラスチック複合構造体において、
    前記熱硬化性樹脂組成物が、
    分子内に2以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応物である(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂と、
    潜在性硬化剤と、
    を含む金属/繊維強化プラスチック複合構造体。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の金属/繊維強化プラスチック複合構造体において、
    前記金属部材が、鉄、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、チタンおよびチタン合金から選択される一種または二種以上を含む金属/繊維強化プラスチック複合構造体。
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