JP2018165283A - 脈管形成因子の用量および心筋血流を改善するための投与方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(A.発明の分野)
本発明は、脈管形成因子(例えば、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来増殖因子もしくは血管内皮増殖因子)、または脈管形成的に活性なそれらのフラグメントまたはムテインの用量(超低用量を含む)に関し、ならびに改善された心筋血流を得るための用量の投与形態に関する。本発明はまた、脈管形成因子の用量を含む薬学的組成物、ならびに心筋機能、血流、灌流および/または脈管密度を改善するための、心臓、好ましくはヒト心臓への、その薬学的組成物の投与方法に関する。本発明は有用である。なぜなら、開示された用量、その投与のための薬学的組成物および方法は、冠状動脈疾患(CAD)処置のための、外科的処置に対する代替物または補助剤を提供し、そして/または、さらにヒトにおける心筋梗塞(MI)後の損傷を減少する方法を提供するからである。最後に、本発明は、投与された脈管形成因子が、標的組織に対する治療効果を有するか否かを、代わりのマーカーについてアッセイすることによって決定するための方法を含む。
冠状動脈疾患(アテローム性動脈硬化症)は、ヒトにおける進行性の疾患であり、1以上の冠状動脈は、プラークの蓄積を通じて次第に閉鎖する。この疾患を有する患者の冠状動脈は、しばしば、バルーン脈管形成術またはステントの挿入によって処置され、部分的に閉鎖した動脈を開ける。最後には、これらの患者は、非常に高額で危険な冠状動脈バイパス手術を受けることを必要とされる。このような患者に、冠状血流を高める処置を提供し、バイパス手術または脈管形成術を受ける必要生を無くすることは望ましい。
(項目1) 薬学的に受容可能なキャリア中に有効量の脈管形成因子を含む薬学的組成物であって、該有効量の脈管形成因子が、約5ng〜約135,000ng未満の範囲の該脈管形成因子である、薬学的組成物。
(項目2) 凍結乾燥された形態である、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目3) 前記脈管形成因子が、血小板由来増殖因子(PDGF)、血管内皮増殖因子−A(VEGF−A)、VEGF−D、線維芽細胞増殖因子(FGF)、あるいは脈管形成的に活性なそれらのフラグメントまたはムテインである、項目1または2に記載の薬学的組成物。
(項目4) 前記脈管形成因子が、VEGF−A、VEGF−D、FGF、あるいは脈管形成的に活性なそれらのフラグメントまたはムテインである、項目3に記載の薬学的組成物。
(項目5) 前記VEGF−Aが、ヒトのVEGF−A121、VEGF−A165、VEGF−A189、またはVEGF−A206である、項目4に記載の薬学的組成物。
(項目6) 前記脈管形成因子が、FGF、あるいは脈管形成的に活性なそのフラグメントまたはムテインである、項目4に記載の薬学的組成物。
(項目7) 前記FGFが、FGF−2、あるいは脈管形成的に活性なそのフラグメントまたはムテインである、項目6に記載の薬学的組成物。
(項目8) 前記FGFが、配列番号2、5または6のFGF−2である、項目7に記載の薬学的組成物。
(項目9) 前記脈管形成因子の酸化を阻止するために有効な量のキレート剤をさらに含む、項目2に記載の薬学的組成物。
(項目10) 前記FGF−2、あるいは前記脈管形成的に活性なそのフラグメントまたはムテインの酸化を阻止するために有効な量のキレート剤をさらに含む、項目9に記載の薬学的組成物。
(項目11) 前記有効量のFGF−2が、5ng〜67,500ngの範囲の前記脈管形成因子である、項目8に記載の薬学的組成物。
(項目12) 心筋層において血管灌流を増加するための方法であって、該方法は、有効量の脈管形成因子を、灌流における増加が必要な該心筋層の領域に注射する工程を包含し、該有効量が、脈管形成因子の約5ng〜135,000ng未満の範囲内である、方法。
(項目13) 前記有効量の脈管形成因子が、5ng〜67,500ngのPDGF、VEGF−A、VEGF−D、FGF、あるいは脈管形成的に活性なそれらのフラグメントまたはムテインである、項目12に記載の方法。
(項目14) 前記脈管形成因子が、VEGF−A、VEGF−D、FGF、あるいは脈管形成的に活性なそれらのフラグメントまたはムテインである、項目13に記載の方法。
(項目15) 前記VEGF−Aが、ヒトのVEGF−A121、VEGF−A165、VEGF−A189、またはVEGF−A206である、項目14に記載の方法。
(項目16) 前記脈管形成因子が、FGF、あるいは脈管形成的に活性なそのフラグメントまたはムテインである、項目14に記載の方法。
(項目17) 前記FGFが、FGF−2、あるいは脈管形成的に活性なそれらのフラグメントまたはムテインである、項目16に記載の方法。
(項目18) 前記FGF−2が、配列番号2、5または6のアミノ酸配列を有する、項目17に記載の方法。
(項目19) 心筋層において血管密度を増加するための方法であって、該方法は、有効量の脈管形成因子を、灌流における増加が必要な該心筋層の領域に注射する工程を包含し、該有効量が、脈管形成因子の約5ng〜135,000ng未満の範囲内である、方法。
(項目20) 前記有効量の脈管形成因子が、5ng〜67,500ngのPDGF、VEGF−A、VEGF−D、FGF、あるいは脈管形成的に活性なそれらのフラグメントまたはムテインである、項目19に記載の方法。
(項目21) 患者の心臓において新脈管形成を誘導するための方法であって、該方法は、新脈管形成が必要な1以上の領域での該患者の心筋層に、有効量の脈管形成因子を直接注射する工程を包含し、該有効量の脈管形成因子が、約5ng〜135,000ng未満の該脈管形成因子である、方法。
(項目22) 前記有効量の脈管形成因子が、前記脈管形成因子の5ng〜67,500ngである、項目21に記載の方法。
(項目23) 前記患者がヒト患者である、項目22に記載の方法。
(項目24) 前記ヒト患者が冠状動脈障害(CAD)または心筋梗塞(MI)の徴候を有する、項目22に記載の方法。
(項目25) 前記脈管形成因子が、PDFG、VEGF−A、VEGF−D、FGF、あるいは脈管形成的に活性なそれらのフラグメントまたはムテインである、項目23に記載の方法。
(項目26) 前記脈管形成因子が、VEGF−A、VEGF−D、FGF、あるいは脈管形成的に活性なそれらのフラグメントまたはムテインである、項目25に記載の方法。
(項目27) 前記VEGF−Aが、ヒトのVEGF−A121、VEGF−A165、VEGF−A189、またはVEGF−A206である、項目26に記載の方法。
(項目28) 前記脈管形成因子が、FGF、あるいは脈管形成的に活性なそのフラグメントまたはムテインである、項目26に記載の方法。
(項目29) 前記FGFが、FGF−2、あるいは脈管形成的に活性なそのフラグメントまたはムテインである、項目28に記載の方法。
(項目30) 前記FGF−2が、配列番号2、5または6のアミノ酸配列を有する、項目29に記載の方法。
(項目31) 3ヶ月までの間、ヒト心筋細胞においてFGF−2およびVEGFの産生を刺激するための方法であって、該方法は、新脈管形成が必要な1以上の領域での患者の心筋層に、有効量の脈管形成因子を直接注射する工程を包含し、該有効量の脈管形成因子は、約5ng〜135,000ng未満の該脈管形成因子である、方法。
(項目32) 該有効量の脈管形成因子が6.75μg〜67.5μgの該脈管形成因子である、項目31に記載の方法。
(項目33) 冠状動脈疾患についてヒト患者を処置するための方法であって、該方法は、該疾患について処置が必要な1以上の領域での心筋層に、有効量の脈管形成因子を直接注射する工程を包含し、該有効量の脈管形成因子が、約5ng〜135,000ng未満の該脈管形成因子である、方法。
(項目34) 前記有効量の脈管形成因子が、5ng〜67,500ngの該脈管形成因子である、項目33に記載の方法。
(項目35) 前記脈管形成因子が、PDFG、VEGF−A、VEGF−D、FGF、あるいは脈管形成的に活性なそれらのフラグメントまたはムテインである、項目34に記載の方法。
(項目36) 前記脈管形成因子が、VEGF‐A、VEGF‐D、FGF、あるいは脈管形成的に活性なそれらのフラグメントまたはムテインである、項目35に記載の方法。
(項目37) 前記VEGF−Aが、ヒトのVEGF−A121、VEGF−A165、VEGF−A189、またはVEGF−A206である、項目36に記載の方法。
(項目38) 前記脈管形成因子が、FGF、あるいは脈管形成的に活性なそのフラグメントまたはムテインである、項目37に記載の方法。
(項目39) 前記FGFが、FGF−2、あるいは脈管形成的に活性なそのフラグメントまたはムテインである、項目38に記載の方法。
(項目40) 前記FGFがFGF−2である、項目39に記載の方法。
(項目41) 前記FGF−2が、配列番号2、5または6のアミノ酸配列を有する、項目40に記載の方法。
(発明の要旨)
出願人は、冠状閉塞の下流の心筋層に注射される場合、特定の用量の脈管形成因子が、休止する局所での灌流の増加、局所心機能における改善、および増加した血管分布によって反映されるような治療的応答を有する心筋層の部分を提供したことを予期せず見出した。特に、出願人は、単一の注射としてかまたは必要な領域における一連の注射として心筋層に直接投与された場合、単位用量(すなわち、約5ng/用量〜135,000ng未満/用量)の脈管形成因子が、投与の領域における心筋層での冠状新脈管形成を誘導するが、身体でのほかの領域において十分に希釈して新脈管形成誘導の任意の危険性を最小化することを見出した。本発明の脈管形成因子の単位用量が一連の注射として投与される場合、この一連の注射は、同一日での単一の手順としてかまたは必要とされる連続する日数もしくは交互の日数での一連の注射として投与される。しかし、投与される脈管形成因子の累積の用量は、代表的には、約5ng〜135,000ng(135μg)未満、より代表的には5ng〜67,500ng(67.5μg)である。従って、1つの局面において、本発明は、薬学的に受容可能なキャリア中に約5ng〜135,000ng未満(好ましくは、5ng〜67,500ng)の脈管形成因子を含む、単位用量の薬学的組成物(「薬学的組成物」)に関する。別の局面において、本発明は、薬学的に受容可能なキャリア中に約5ng〜135,000ng未満(好ましくは、5ng〜67,500ng)の脈管形成因子を含む、単位用量の薬学的組成物(「単位用量の組成物」)に関する。
多くの脈管形成因子(例えば、酸性FGF(aFGFまたはFGF−1)、塩基性FGF(bFGFまたはFGF−2)、およびVEGF)は、グリコサミノグリカン(glycosoaminoglycan)結合タンパク質である。グリコサミノグリカン(「プロテオグリカン」または「ムコ多糖」としても公知)の存在は、脈管形成活性およびこれらの脈管形成因子のAUCを最適化する。結果として、単位投薬量のFGF−1、FGF−2、VEGF−A、VEGF−B、VEGF−Dまたはそれらの脈管形成フラグメントおよびムテインは、必要に応じて、グリコサミノグリカン(例えば、ヘパリン)のIV投与の20分間以内に投与される。しかし、本発明者らの経験では、アミノグリカンの存在は、単位用量の脈管形成因子(例えば、FGF−2)が本発明の方法に従ってIMc投与された場合、効力のためには必要ではなかった。
本発明は、冠状動脈疾患(CAD)の症状を示す患者のヒト臨床試験および2つの冠状不全のブタモデルにおいて種々の型で組換え脈管形成因子を投与することによって生成される効果の比較試験に基づく。ブタの心臓は、ヒトの心臓と特に関連した型であると考えられている。なぜなら、ヒト冠状循環およびその天然の側副循環が少ないことが似ているからである。Battlerら「Intracoronary Injection of Basic Fibroblast Growth Factor Enhances Angiogenesis in Infarcted Swine Myocardium」JACC、22(7):2001−6(1993年12月)2002頁、col.1を参照のこと(「心筋虚血のイヌモデルは、ブタモデルとは対立して天然に存在する側副循環の豊富さに起因して批判され、このブタモデルは、その相対的に少ない天然の冠状循環およびヒト冠状循環に対するその類似さにおいて「優れて」いる。」)。使用される1つの動物モデルは、冬眠心筋のブタモデルであった。このモデルは、左の回旋状冠状動脈(LCx)の近位末端上に水圧閉塞器(occluder)を外科的に配置することによって作製された。閉塞部に対して遠位に、90%で閉塞を維持するために閉塞を連続的にモニターする包埋された流量プローブが配置された。冬眠心臓モデルは、冠状動脈疾患に特に関連したモデルである。心筋は、健康、冬眠または死として分類することができた。死組織は、死んでいないが損傷しており、収縮せず、そしてたとえ適切に血を供給されてももはや収縮し得ない組織である。冬眠組織は、収縮していない筋組織であるが、血を適切に再供給されると収縮可能である組織である。健康な心臓組織は、強い排出と共同する強い電気的シグナルによって同定される。「死んだ心臓組織または疾患の心臓組織は、機能不全の排出(すなわち、健康な組織のものと反対の方向の排出)と共同する弱い電気的シグナルによって同定される。虚血心臓組織、または冬眠もしくは気絶の心臓組織は、欠陥した排出と共同する強い電気シグナルによって同定される」。米国特許第5,897,529号(Ponzi)(これは、1999年4月27日発行)を参照のこと。冬眠組織の診断は、重要である。なぜなら、一旦閉塞が取り除かれると、正常な機能の迅速な回復が存在すると広く考えられているからである。米国特許第5,743,266(Levene)(1998年4月28日発行)を参照のこと。従って、心筋の冬眠モデルは、冠状動脈疾患(CAD)および/または慢性狭心症(ここで、1つ以上の冠状血管は、部分的に閉塞されている)を有するヒト患者に起こることに類似している。
ブタアメロイド(ameroid)モデルにおいて、アメロイド圧迫器(これは、その内部表面に吸湿性物質を有するドーナツ様のバンドまたはリングである)が、ブタのLCxの近位末端の周辺に配置される。この吸湿性物質は、徐々に膨張し、そして10日間〜3週間に動脈の100%の閉塞をもたらす。冬眠モデル(ここで、閉塞の割合は、水圧的に制御可能であり、一貫しそして確実性である)とは異なり、アメロイドモデルは、一貫した制御を欠く。同様に、アメロイドモデルにおける完全な閉塞は、梗塞および広範で自発的な側副形成を導き、これは、休止状態において正常に戻る厄介な(mean)血流を引き起こし、特定の量の側副形成が外因性に投与される脈管形成因子に帰すことをより困難にする。従って、アメロイドモデルは、冬眠心筋モデルのようなストリンジェントなモデルではない。さらに、アメロイドモデルによって提供される100%の閉塞は、このアメロイドモデルを心筋梗塞により類似させ、ここで、1つ以上の冠状動脈の100%閉塞が存在する。
上記のモデルを用いて、出願人は、脈管形成因子の用量(すなわち、約5ng/用量から135,000ng/用量未満)(すなわち、単位用量)は、単一注射としてかまたは連続注射として心筋の虚血領域に直接投与される場合、投与領域の心筋において冠状新脈管形成を誘導するが体内のいずれかで十分に希釈されて新脈管形成を誘導することのいずれの危険性も最小化するようになるということを発見した。より代表的には、患者の心筋に投与される累積的な脈管形成因子の量は、5ng〜67,500ngの脈管形成因子である。従って、1つの局面において、本発明は、薬学的に受容可能なキャリア中に約5ngから135,000ng未満(好ましくは、5ng〜67,500ng)の脈管形成因子を含む単位用量の薬学的組成物(「単位用量」)に関する。
本明細書中に使用される場合、用語「脈管形成因子」は、以下:PDGF、VEGF−A、VEGF−B、VEGF−D、TGF−β1、FGFからなる群から選択されるメンバー、またはこれらの脈管形成的に活性なムテインもしくはフラグメントを意味する。好ましくは、脈管形成因子は、VEGF−A、VEGF−DもしくはFGFまたはこれらの脈管形成的に活性なフラグメントもしくはムテインである。より好ましくは、脈管形成因子はFGFである。最も好ましくは、脈管形成因子はFGF−2またはその脈管形成的に活性なフラグメントもしくはムテインである。
句「脈管形成的に活性なフラグメント」は、それが由来する親分子の脈管形成活性の少なくとも80%を示す、タンパク質またはポリペプチドのフラグメントの脈管形成因子を意味する。
句「脈管形成的に活性なムテイン」は、本明細書中に使用される場合、以下:12のgapオープンペナルティ、および1のgap伸長ペナルティ、の検索パラメーターを用いるアフィンgap検索を使用するMSPRCHプログラム(Oxford Molecular)で実行されるように、Smith−Watermanホモロジー検索アルゴリズム(Meth.Mol.Biol.70:173−187(1997))によって決定される場合に、以下:PDGF、VEGF−A、VEGF−B、VEGF−D、TGF−β1、およびFGFからなる群から選択される任意の天然に存在する脈管形成因子に対して65%の配列同一性(ホモロジー)を有し、そして少なくとも65%の配列同一性を有する天然に存在する脈管形成因子の脈管形成活性の少なくとも80%を保持する、単離および精製された、組換えタンパク質または組換えポリペプチドを意味する。好ましくは、脈管形成的に活性なムテインは、天然に存在する脈管形成因子に対して、少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%、そして最も好ましくは少なくとも90%の配列同一性を有する。周知でありホモロジー/同一性スキャンのアルゴリズムプログラムを慣用的に使用される他のものとしては、PearsonおよびLipman、PNAS USA、85:2444−2448(1988);LipmanおよびPearson、Science、222:1435(1985);Devereauxら、Nuc.Acids Res.、12:387−395(1984);またはAltschulら、Mol.Biol.、215:403−410(1990)のBLASTP、BLASTNもしくはBLASTXアルゴリズムが挙げられる。これらのアルゴリズムを用いるコンピューター化されたプログラムがまた利用可能であり、そして以下が挙げられるがこれらに限定されない:GAP、BESTFIT、BLAST、FASTAおよびTFASTA(これらは、Genetics Computing Group(GCG)パッケージ、第8版、Madison WI,USAから市販される);およびIntellegenetics,Mountain View CAによるPC/Geneプログラム中のCLUSTAL。好ましくは、配列同一性の割合は、プログラムによって決定されるデフォルトパラメーターを用いることによって決定される。句「配列同一性」は、本明細書中に使用される場合、特定化されたムテインのアミノ酸配列の連続セグメントが天然に存在する脈管形成因子のアミノ酸配列と整列されて比較される際に、そのムテイン配列内で同様に配置されたことが見出される同じアミノ酸の割合をいうことが意図される。
ムテイン中のアミノ酸配列同一性の割合を考慮する場合、同じアミノ酸残基の位置は、保存的アミノ酸置換(これは、タンパク質またはタンパク質機能の特性に影響を与えない)の結果として参照タンパク質とは異なり得る。これらの場合、配列同一性の割合は、保存的置換されたアミノ酸において類似性を取るために上へ調節され得る。このような調節は、当該分野で周知である。例えば、MeyersおよびMiller「Computer Applic.Bio.Sci.、4:11−17(1988)を参照のこと。
同様に、ヒトPDGF B鎖からのDNA配列および推定アミノ酸配列は、当該分野で公知であり、それぞれ、’545特許の図2および図3に開示される。成熟PDGF−A鎖およびPDGF−B鎖は、60%の相同性を示し、そして8個のシステイン残基各鎖においてが保存されている。PDGF B鎖は′545特許の図2および配列番号1に示される160アミノ酸の完全相補鎖を有し得るが、少なくとも51残基は、活性を損失することなく取り除かれ得る。生じるカルボキシ短縮PDGF B鎖は、109残基(すなわち、’545特許の配列番号1および図3の残基1〜109)を有し、そして残基25(Ile)と残基37(Phe)との間に生じる結合領域を含む。PDGF B鎖が酵母中で発現される場合、残基28位もしくは32位またはこれらの両方のArgを、塩基性でない中性の残基に置換して、酵母細胞による切断を回避することが望ましい。PDGF A鎖およびB鎖を発現するための方法、ベクター、および細胞、ならびにPDGFの3つのアイソフォームを作製するためにこれらのA鎖およびB鎖を合わせるための、方法、ベクターおよび細胞は、当該分野で周知である。上記に引用されるような米国特許第5,605,816号および同第5,512,545号を参照のこと。
本発明の薬学的組成物および単位用量において活性な薬剤である別の脈管形成因子は、VEGFである。VEGFは、塩基性であり、約45,000ダルトン(45kD)の分子量を有するホモ二量体タンパク質であり、VEGF(またはVEGF−A)、VEGF−B、VEGF−CおよびVEGF−Dと示される4つのホモログを有する。本明細書中ににおける明確化のために、このファミリーの最初のメンバーであるVEGFは、本明細書中にVEGF−Aといわれる。VEGFファミリーのタンパク質は、高度に保存された中央領域を有することによって特徴付けられ、相同な位置の15個のシステイン残基(このうちの8個は分子内ジスルフィド結合および分子間ジスルフィド結合に関与する)の不変な存在によって特徴付けられる。Ferraraら「The Biology of Vascular Endothelial Growth Factor」Endocrine Reviews、18(1):4−25 (1997)の図4を参照のこと。結果として、4個のVEGFホモログは、類似した形状(三次構造)を有し、そして同時発現された場合は自発的にヘテロ二量体を形成し得る。従って、分子内システインを保持するVEGFのN末端およびC末端での欠失ムテインは、発現されて、その形状を保持し、二量体を形成し、そして生物学的に活性であることが予想される。VEGFの15個の保存システイン残基のうちの8個の相同性配置は、例えば、WO98/02543の図3;およびKeckら「Vascular Permeability Factor,an Endothelial Cell Mitogen Related to PDGF」Science 246:1309−1312(1989)の1311ページ、col.2および図4に比較して示されるように、PDGFファミリーの8個の保存システイン残基に対応する。
れる残基を欠き、一方VEGF−A121は、エキソン6および7によってコードされる残基を欠く。同上。VEGF−Aの3つの短いアイソフォームは、VEGF−A206に基づき、そしてこの分子のカルボキシ半分に生じるスプライス改変体を反映する。しかし、カルボキシ末端の最後の6アミノ酸(エキソン8)は、4つ全てのスプライス改変体で保存されている。ヒトVEGF−A121をコードするcDNA配列および対応するアミノ酸配列は、当該分野で周知である。Leungら「Vascular endothelial growth factor is a secreted angiogenic mitogen」Science 246:1306−1309(1989)の1307頁、col.3において記載されるように図2Bを参照のこと。ヒトVEGF−A165に関するcDNA配列および推定アミノ酸配列はまた、当該分野で周知である。Leungら「Vascular endothelial growth factor is a secreted angiogenic mitogen」Science 246:1306−1309(1989)の1307頁および図2Bを参照のこと。同様に、ヒトVEGF−A189からのcDNA配列および推定アミノ酸配列は、1991年から当該分野で周知である。Keckら「Vascular Permeability Factor,an Endothelial Cell Mitigen Related to PDGF」Science、246:1309−1312(1989)を参照のこと;Tischerら「The human gene for vascular endothelial growth factor」J.Biol.Sci.、266:11947−11954(1991)もまた参照のこと。最後に、ヒトVEGF−A206のcDNA配列および推定アミノ酸配列もまた、当該分野で周知である。Houckら「The vascular endothelial growth factor family:identification of a fourth molecular species and characterization of alternative splicing of RNA」Mol.Endocrinol.5:1806−1814(1991)の図2Aを参照のこと。VEGF−Aの4つのスプライス改変体(アイソフォーム)のアミノ酸配列の重複比較は、Ferraraら「Molecular and Biological Properties of the Vascular Endothelial Growth Factor Family of Proteins」Endocrine Reviews 13(1):18−32(1992)の21頁、図1に示される。細胞外環境において大量に可溶性である最も短いアイソフォームのVEGF−A121は、塩基性アミノ酸残基に富む大部分のカルボキシ末端(すなわち、エキソン6および7)が存在しないことに起因してわずかに酸性である。より長いアイソフォームであるVEGF−A165、VEGF−A189およびVEGF−A206は、VEGF−A121よりもあまり可溶性ではなく、従って、あまり拡散性ではないが、カルボキシ末端の漸増する長さと共に増加する有糸分裂促進活性およびヘパリンリッチマトリックスに対する結合親和性の両方を示す。例として、VEGF−A165は、VEGF−A121よりも100倍より大きくより有糸分裂促進性である。Carmelietら「Vascular development and disorders:Molecular analysis and pathogenic insights」Kidney International、53:1519−1549(1998)の1521−1522頁を参照のこと。従って、全てのVEGF−Aアイソフォームが活性であり、そして本発明の脈管形成因子の範囲内であるが、VEGF−Aのより高く塩基性でありかつヘパリン結合のカルボキシ末端が活性の最大化に重要である。VEGF−Aが新脈管形成を刺激する機構は知られていないが、Banaiは、VEGF−Aが新脈管形成をある部分、PDGFの内皮放出の刺激を介して促進することを示唆している。Banaiら「Angiogenic−Induced Enhancement of Collateral Blood Flow to Ischemic Myocardium by Vascular Endothelial Growth Factor in Dogs」Circulation、89(5):2183−2189(1994年5月)。VEGF−Aは、VEGFレセプター−1(VEGFR−1またはFLT1)およびVEGFレセプター−2(VEGFR−2またはFLK1)へ結合する。 ヒトVEGF−Bは、心臓および骨格筋に豊富に見出されるが、公知の高度に塩基性の非グリコシル化ヘパリン結合タンパク質であり、これは、Olofssonら「Vascular endothelial growth factor B,a novel growth factor for endothelial cells」PNAS USA 93:2576−2581(1996)の図1に示されるアミノ酸配列を有する。VEGF−Aのように、VEGF−Bは、プロホルモンとして発現され、そして188個のアミノ酸残基を有し、そのうちの残基1〜21は、推定リーダー配列であり、したがって、脈管形成活性に必要ではない。同上。したがって、成熟ヒトVEGF−Bは、推定リーダー配列に続く167残基を含む。Olofssonの図1.ヒトプロホルモンVEGF−Bはまた、マウスプロホルモンVEGF−Bに対して88%の配列同一性を有し、保存された様式で、残基位置12、19、20、26、28、30,33、37、43、57、58、63、65、105、130、140、144、148、149、165、168、186、および188で異なる。Olofssonの2577頁、第2欄およびその中の図1および2。成熟ヒトVEGF−Bから成熟ネズミVEGF−Bへの残基の差異は、以下のとおりである:5Pro→Phe、7Ala→Gly、9Gly→Ser、12Arg→Lys、16Ser→Pro、22Thr→Ala、36Thr→Ser、37Val→Met、42Thr→Asn、44Ala→Val、86Arg→Gln、119Asp→Glu、129Pro→Ile、133Arg→Pro、137His→Arg、138His→Arg、165Ser→Arg、168Arg→His、165Leu→Pro、および167Arg→Lys。したがって、本発明の脈管形成因子は、1つ以上の上記参照残基位置で保存的置換を有するヒトVEGF−Bムテインを含む。好ましくは、その保存的置換は、二段落前に記載した1つ以上の上記参照された差異である。
表1を参照して、FGF−6は、FGF−4と最も高い対応を有する(91の同一な残基/103の保存された残基)。これは、70%の同一残基および79%の保存された残基にのぼる。hFGF−6は、hFGF−3、hFGF−2、hFGF−7、およびhFGF−1とは大部分異なり、それぞれ、42、42、36、および32の同一な残基であった。 FGF1〜7のアミノ酸配列の重累比較は、引用したCouier(1991)の図3に示される。Coulierの図3は、FGF分子のC末端の3分の2がアラインメントされた場合、7つ全てのFGFメンバーからの残基が同一である23残基位置が存在する。7つ全てのFGFメンバーからの残基が保存されている10残基位置もまた存在する。Coulier(1991)の図3.比較において、これらの同一および保存された残基は、FGF1〜7の各々の末端3分の2において3〜5残基の約6位置を形成し、ここで、3〜5残基は、ヒトFGFの7つ全ての種において一緒にグループ分類されている(すなわち、hFGF1〜7)。 (FGF−7) hFGF−7のアミノ酸配列は、当該分野で周知であり、そしてMiyamotoら「Molecular Cloning of A Novel Cytokine cDNA Encoding the Ninth Member of the Fibroblast Growth Factor Family,Which Has a Unique Secretion Property」、Mol.and Cell.Biol.13(7):4251〜4259(1993)図2に開示される。Miyamotoにおいて、hFGF−7は、その旧名「KGF」により言及された。FGF−7は、191アミノ酸残基を有する。hFGF1〜6およびhFGF−9のアミノ酸配列に対するhFGF−7のアミノ酸配列の比較は、FGF−7のカルボキシ末端側2/3が、そのグループの他のメンバーの遠位の2/3と匹敵する相同性を有することを示す。Miyamoto(1993)、4254頁(図2)を参照のこと。
1.FGFR1b:同様のマイトジェン応答が、hFGF−1(32,000cpm)およびhFGF−2(28,000cpm)により生成され、その次に高い応答がmFGF−3(約16,000cpm)およびhFGF−4(15,000rpm)により生成された;
2.FGFR1c:同様のマイトジェン応答が、hFGF−1、hFGF−2、hFGF−4、hFGF−5、およびhFGF−6(約36,000cpm)により生成され、mFGF−9が、唯一他の有意な応答を生成した(約19,000cpm);
3.FGFR2b:最高のマイトジェン応答は、hFGF−7(14,000cpm)、hFGF−1(12,500cpm)、およびmFGF−3(9,500cpm)によった;
4.FGFR2c:最高のマイトジェン応答は、hFGF−4(21,000cpm)、mFGF−9(20,000cpm)、hFGF−6(16,500cpm)、hFGF−1(16,000cpm)、hFGF−2(14,500cpm)、hFGF−5(9,500cpm)およびmFGF−8(9,000cpm)によった;
5.FGFR3b:マイトジェン応答は、hFGF−1(37,000cpm)およびmFGF−9(26,000cpm)のみによった;
6.FGFR3c:最高のマイトジェン応答は、hFGF−1(39,000cpm)、hFGF−2(34,000cpm)、hFGF−4(33,000cpm)、mFGF−8(32,500cpm)、mFGF−9(31,000cpm)、hFGF−5(16,000cpm)、およびhFGF−6(13,000cpm)によった;
7.FGFR4Δ:最高のマイトジェン応答は、hFGF−2(29,000cpm)、hFGF−4およびhFGF−6(27,000cpm)、mFGF−8(25,000cpm)、mFGF−1(24,000cpm)、およびhFGF−9(20,000cpm)により、他は全て、6,000cpm以下であった。
当業者は、公知の技術を使用し、本発明の単位用量、組成物および方法における使用のための脈管形成活性を有するFGFポリペプチドムテイン(またはフラグメントムテイン)の発現を得るように、FGFのうちのいずれかをコードするDNA中に1つ以上の点変異を作製し得る。FGFの脈管形成的に活性なムテインを調製するために、当該分野で公知であり、そして/またはGilmanら、Gene 8:81(1979)もしくはRobertsら、Nature 328:731(1987)に教示されるように、FGFをコードするcDNAに1つ以上の点変異を導入するために、部位特異的変異誘発についての標準的技術を使用する。
患者は、IC投与されたFGF−2のすべての投与量に対して有意な臨床的改善を示した。特に、表3は、最低投与量のFGF−2(2μg/kgより少ない)を受けた患者が、評価された5つの規準のうち4つで、より高い投与量のFGF−2(2μg/kgより多い)を受けた患者が示したより良好な結果を示したことを記載する。CADを処置するための上記に記載された方法は、当該分野で採用された標準的客観的判定基準(すなわちETT)により評価されたとき、処置された患者のETTにおいて1分半〜2分の予期せぬ優れた増加を提供した。これは、現在の処置の様式、すなわち脈管形成術について臨床的に有意であるとみなされる30秒の増加と比較したとき、非常に良好であると比較される。
腎臓および肝臓は、脈管形成因子の除去のための主要な器官である。特に、腎臓は、約60kDのタンパク質カットオフを有し、そしてそれ故、血清アルブミンを保持する(MW60kD)。しかし、本発明のすべての脈管形成因子は、40kDより小さい分子量を有する。本明細書の実施例の脈管形成因子であるFGF−2は、約16kDの分子量を有する。従って、腎臓排泄が期待される。市販のbFGF−2の放射標識生体分配研究では、肝臓および腎臓の両方が、IVまたはIC注射後1時間で高カウントの放射標識bFGF−2を含むことが示された。bFGF−2の別の組換えヨウ素化形態がラットに与えられた公開された研究では、肝臓が除去の主要器官として同定された。Whalenら、「The Fate of Intravenously Administered bFGF and the Effect of Heparin」Growth Factors、1:157−164(1989)。より詳細には、FGF−2は、通常循環においてα2−マクログロブリンに結合し、しかもこの複合体はKupffer細胞上のレセプターによりインターナライズされることが知られている。Whalenら(1989)およびLaMarreら「Cytokine Binding and Clearance Properties of Proteinase−Activated Alpha−2−Macroglobulins」Lab.Invest.、65:3−14(1991)。標識されたFGF−2フラグメントは、血漿中には見出されなかったが、それらは、尿中に見出され、そしてサイズにおいて細胞内分解産物に対応した。FGF−2がヘパリンと組み合わせて投与されたとき、FGF−2の腎臓排出が増加した。Whalenら(1989)。このFGF−2分子は、ヘパリンと複合体化しないときカチオン性であって、糸球体基底膜のカチオン性硫酸ヘパリンによりはじかれるようである。このFGF−2/ヘパリン複合体は、より中性に荷電し、そしてそれ故、より容易に濾過され、そして腎臓により排泄される。
これらの研究の表5および6から読み取られるべきその他の薬物動態学結果は、より温和な排除フェーズが続く迅速な分配フェーズ、およびヒトについて図1で報告されるような投与量直線性があることである。また、性別による差はなかった。さらに、3区画モデルを、5−10分IC注入により0.65〜6.5μg/kgを受ける前、約(「〜」)15分に70U/kgのヘパリンを受けたブタについて分析した。この3区画モデルについて半減期(T1/2α、T1/2βおよびT1/2γ)は、それぞれ1.5分、17分、および6.6時間であった。これらの動物では、初期容量(「V1」)は、ほぼ血漿容量であり、そして定常状態容量(「Vss」)は、血漿容量の約10倍であった。表5を参照のこと。ブタでは、循環性ヘパリンに対するrFGF−2の結合は、生体分配および排除を低減するようである。同様に、ラットにおいて、rFGF−2の分配の容積およびクリアランスの両方がヘパリンを投与したときより小さかった。表6を参照のこと。さらに、FGF−2のクリアランスに対する最大かつ最も好適な変化は、ヘパリンが±15分以内、好ましくはrFGF−2のIC注入の直前に投与されたときに見出された。表6を参照のこと。
代表的には、グリコサミノグリカン(glycosoaminoglycan)の有効量は、40〜70U/kgヘパリンである。これらの薬物動態学の結果が、本明細書中の表7にまとめられる。
米国特許第5,155,214号(Baird)の組換えの成熟FGF−2を、中程度の濃度(0.2μg/kgから約36μg/kg)の単位用量および薬学的組成物として処方し、そしてラット、ブタ、および最終的にはヒトに、本明細書中で言及される第I相の臨床試験において投与した。種々の処方物を以下に記載する。
以下の選択基準を、最適な医療管理にもかかわらずその活動が冠状動脈の虚血によって制限され、そして承認された再脈管形成治療についての候補ではない、冠状動脈疾患を有している第I相の患者に対して適用した。
・18歳以上の男性または女性
・冠状動脈疾患(CAD)の診断
・承認された再脈管形成手順(例えば、脈管形成術、ステント、冠状動脈のバイパス移植(CABG))(またはそのような介入を拒絶する)についての最適には及ばない候補である
・改変されたBruceプロトコールを使用して少なくとも3分間の運動を行うことが可能であり、そして冠状動脈の虚血によって制限される
・薬理学的な負荷を受けたタリウムセスタミビ(sestamibi)スキャンにおける少なくとも20%の心筋層の誘導性でありそして可逆的な欠損
・必要とされる心臓のカテーテル法のための臨床的に受容可能な範囲の、CBC、血小板、血清の化学
・正常なINR、またはクマジン(Coumadin)を用いて血液凝固を阻止された場合には、INR<2.0
・この試験(全ての必要な試験手順およびフォローアップの通院を含む)への参加についての書面でのインフォームドコンセントを得る意思がありそしてそれを得ること
排除の基準:被験体は、以下である場合には適格ではない:
・悪性疾患:治療的に処置された基底細胞癌を除いて、過去10年以内の悪性疾患の任意の病歴
・眼の状態:増殖性の網膜症、重篤な非増殖性の網膜症、網膜の静脈の閉塞、イールズ病、または黄斑の浮腫もしくは眼科医による眼底検査:6ヶ月以内の眼内の外科手術歴
・腎機能:年齢について調整された正常な範囲未満のクレアチニンのクリアランス;24時間の尿あたりで、タンパク質>250mgまたはミクロアルブミン>30mg
・クラスIVの心不全(New York Heart Association)
・心エコー図、タリウムスキャン、MRI、またはゲートで制御されるプールされた血液のスキャン(MUGA)による、<20%の駆出率
・血液動力学的に関連する不整脈(例えば、心室細動、持続性心室頻拍)
・重篤な弁の狭窄(大動脈の面積<1.0cm2、僧帽弁の面積<1.2cm2)、または重篤な弁の不全
・3週間以内のアンギナまたは不安定狭心症の顕著な増大
・3ヶ月以内の心筋梗塞(MI)歴
・6ヶ月以内の一過性脳虚血発作(TIA)または卒中歴
・6ヶ月以内のCABG、脈管形成術、またはステント歴
・6ヶ月以内の、経心筋層レーザー再脈管形成術、rFGF−2、または血管内皮増殖因子(VEGF)での処置歴
・妊娠の可能性のある女性または授乳中の母親
・任意の病理学的な線維症(例えば、肺線維症、強皮症)
・既知の血管の奇形(例えば、AV奇形、血管腫)
・CADの症状の評価を妨害し得る任意の疾患(例えば、心外膜炎、肋軟骨炎、食道炎、全身性の血管炎、鎌状赤血球症)の共存
・改変されたBruceプロトコールの運動負荷試験の能力を制限する任意の疾患(例えば、下肢の麻痺または切断、重篤な関節炎または下肢、重篤な慢性閉塞性肺疾患(COPD))の共存
・30日以内の研究薬剤、デバイス、または手順の臨床試験への参加(または60日以内に研究薬物が予定されている)
・rFGF−2または関連する化合物に対する既知の過敏症
・調査者の意見において被験体のこの研究への参加を不適切とさせる任意の状態(例えば、精神病、重篤な精神遅滞、研究職員とコミュニケーションをとることができないこと、薬物またはアルコールの濫用)
(実施例3:ヒトに対してICで投与された組換えFGF−2についての第I相の臨床試験)
米国特許第5,155,214号の組換えFGF−2を、最適な医療管理を受けたにもかかわらず徴候を残しており、そして外科手術によるかもしくは経皮的な再脈管形成を拒否したかまたはこれらの最適状態には及ばない候補である、重篤なCADを有している52人のヒトの患者に対して、第I相の非盲検、単回の投与で、用量を段階的に増大させながら、2つの部位試験において、投与した。薬物を、2つの主要な冠状動脈血供給源(IC)の間で分かれる、患者の冠状動脈中にカテーテルを配置するための標準的な技術(脈管形成術においてすでに使用されているような)を使用して、単回の20分間の注入として投与した。投与したrFGF−2の用量(μg/kg)は、0.33(n=4)、0.65(n=4)、2.0(n=8)、6.0(n=4)、12.0(n=4)、24(n=8)、36(n=10)、および48(n=10)であった。アンギナの頻度および生活の質を、Seattle Angina Questionnaire(SAQ)によって、ベースライン(rFGF−2の投与の前)およびrFGF−2の投与の約60日後に評価した。運動耐性時間(ETT)を、スレッドミル(threadmill)試験によって評価した。安静時/運動の核灌流(rest/exercise nuclear
perfusion)、およびゲートで制御されるセスタミビ(sestamibi)で決定された安静時駆出率(EF)、および核磁気共鳴画像化法(MRI)を、ベースライン、ならびにFGF−2投与の30日後および60日後に評価した。評価した他の終点には、MRI(駆出率(EF)、正常な壁の運動(NWM)、標的化した壁の運動(TWM)、正常な壁の厚み(NWT)、標的化した壁の厚み(TWT)、虚血領域帯および側副の程度を客観的に測定するため)を含んだ。表2〜4をそれぞれ参照のこと。
「冠状動脈の疾患を処置するためにヒトに対して投与された組換えのFGF−2についての提案された第II相の臨床試験」
冠状動脈の疾患についてヒトの患者を処置するための米国特許第5,155,214号のrFGF−2の第II相の臨床試験を、4つのアーム:偽薬、0.3μg/kg、3μg/kg/kg3μg/kg、および30μg/kgの冠状動脈内投与を用いる二重盲検/プラセボコントロール試験として実施した。
「第II相のヒトでの臨床試験のためのrFGF−2の単位用量および薬学的組成物」
米国特許第5,155,214号のrFGF−2を、本明細書中に参照する第II相の臨床試験におけるヒトへの投与のための薬学的組成物のストックとして処方した。種々の処方物を以下に記載する。
実施例2〜4の中程度の濃度のrFGF−2ストック薬学的組成物を、積層した灰色のブチルラバーストッパーおよび赤色のフリップオフオーバーシールを備えた5ccのI型のガラスバイアル中の液体として、調製した。rFGF−2組成物は、10mMのクエン酸ナトリウム、10mMのモノチオグリセロール、0.3mMのEDTA二ナトリウム二水和物(分子量372.2)、135mMの塩化ナトリウム(pH 5.0)中に、米国特許第5,155,214号の0.3mg/mlのrFGF−2を含んだ。それぞれのバイアルは、3.7mlのrFGF−2の薬物生成物の溶液(1つのバイアルあたり1.11mgのrFGF−2)を含んだ。液体の形態の得られたFGF−2ストック薬学的組成物を、2℃〜8℃で保存した。使用の前に、上記のFGF−2組成物を、「rFGF−2偽薬」で稀釈した。
(実施例6)
「冠状動脈内rFGF−2の第II相のヒト臨床試験のためのCAD患者の選択の基準」
従って、本発明に従うrFGF−2の単回の単位投与量を投与したヒトにおける、生活の質および増大させられた脈管形成の効率における予想以上の優れた改善の上記の証拠は、出願人らの単位用量の薬学的組成物およびその使用方法の特許性を支持する。
「ミニブタの心筋への超低容量のrFGF−2の投与によるインビボでの新脈管形成の誘導」
有効と認められた冬眠心筋モデルを使用して、ミニブタに90%の左回旋状(LCx)冠状動脈の狭窄を受けさせた。簡潔には、水圧で制御される閉塞器を、ミニブタのLCxの近位末端周辺に配置した。フロープローブを、水圧の閉塞器に対して遠位のLCx中に挿入し、そして閉塞器を一貫して90%の閉塞を提供するように膨張させた。動物を6つのグループで試験した。1ヶ月後、ベースラインの陽子射出断像撮影(PET)およびドブタミン負荷の心エコー検査(DSE)を行い、そして動物を、100μlのキャリア(n=5)またはキャリア中のrFGF−2(45ng/注射;全用量1.35μg)(n=5)のいずれかの、LCx領域中での30回の注射に対して無作為化した。上記の注射においては、FGF−2は、米国特許第5,155,214号の組換えの成熟のFGF−2(配列番号2)であった。キャリアは、10mMのチオグリセロール、135mMのNaCl、10mMのクエン酸ナトリウム、および1mMのEDTAを含有している滅菌の水溶液(pH5)であった。この実施例で提供した全用量(1.35μg)のFGF−2は、アメロイド(ameroid)ブタモデルにおいて有効であることが見出されている、冠状動脈内(IC)で送達される用量(135μg)の1/100であった。アメロイドブタモデルでは、LCxは100%を閉塞した。
(実施例8)
「ミニブタの心筋への種々の用量のrFGF−2の投与による、インビボでの新脈管形成の誘導」
実施例7に記載した確認された冬眠心筋のモデルと同じモデルを使用して、ミニブタに、90%の左回旋状(LCx)冠状に狭窄を受けさせた。簡潔には、水圧で制御される閉塞器を、ミニブタのLCxの近位の末端の周辺に配置した。フロープローブを、水圧の閉塞器に対して遠位のLCx中に挿入し、そして閉塞器を一貫して90%の閉塞を提供するように膨張させた。4群の動物を6匹の群で試験した。群は以下の通りであった:
・IMcの中程度の用量:6匹の動物、@0.6μg/kg 全用量IMc
・LCx領域中に30回の注射、ヘパリンのIMcはなし
・IMcの高用量:6匹の動物、@6.0μg/kg 全用量IMc
・LCx領域中に30回の注射、ヘパリンのIMcはなし
・ポジティブコントロール:6匹の動物、アメロイドモデル(LCxの100%の閉塞)において@6.0μg/kgのI.C.、送達される全用量135μg
・注入の開始の5分前に70U/kgのヘパリン
・可能である場合には、1/2用量のRCA、1/2用量のLCxまたはLAD(3μg/kg/動脈)、動脈あたり10分間にわたる注入によってそれぞれ送達される(20分の全注入時間)
・ネガティブコントロール:6匹の動物−ビヒクル/生理食塩水×30回の注射 IMc。
(ベースラインの確立および処置の開始)
・上記に記載するように、PETによって決定した灌流、およびDSEによる心臓の機能を用いて、すぐに冬眠心筋についてのベースラインを確立した。
・ベースラインの心臓の速度(HR)/血圧(BP)を記録した
・以下のために血液を回収した:
・血清の化学、CBC、心臓の酵素(例えば、損傷した心臓の筋細胞に関連する、CPK、MB、心臓のトロポニンI(「TNI」)、または心臓のトロポニンT(「TNT」))
・rFGF−2アッセイの予備処置のための遠心分離した血漿(−70℃で凍結)
・EKG(3つのリード、周期的な静脈抜去術を伴う)
・処置の間:
・HRおよびBPデータを記録した:液体を用いて低血圧を処置する
・モニターによってリズムの変化を記録した
・上記に記載した、FGF−2(中程度の用量および高用量)、ネガティブコントロール、およびポジティブコントロールを用いて、4つのグループを処置した
・処置後:
・HR/BPをベースラインに戻るまで記録した
・血清の化学、CBC、心臓の酵素、およびrFGF−2アッセイのための遠心分離した血漿の第2のセットを、処置後の可能な最新の時点(最低2時間)で回収した。血液の回収にはすべての動物について処置後の同じ時間を使用する。取り扱いについての上記を参照のこと
・EKG(3つのリード、周期的な静脈抜去術を伴う)
(第2相)
(フォローアップ@処置後3ヶ月)
・麻酔下
・HRおよびBPを記録した
・血清の化学、CBC、心臓の酵素、およびrFGF−2アッセイのための遠心分離した血漿のために血液を回収した。取り扱いについての上記を参照のこと。
・PETによって灌流、そしてDSEによる負荷での心筋の機能を決定した。2人のリーダーに対してブラインドにした処置群。
(組織学および最終的な報告)
・屠殺後:ミニブタを、FGF−2またはコントロールでの処置の3ヶ月後に屠殺した。
・組織:隔壁、動脈壁、LCx領域
・構造についてヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色した
・線維症についてトリクロムで染色した
・内皮組織を同定するためにアルカリホスファターゼについて染色した
・中央の心筋の横断面の血管全体の密度のブラインド評価を行った
・注射部位での局所的な病理学(線維症、血管の分布状態、筋細胞の欠失、梗塞など)を検索した。
従って、本発明の方法に従ってIMcで投与されるFGF−2の全ての投薬量が、灌流および心臓の機能を増大させるが、(中程度)の用量のFGF−2が予想以上に優れているようであり、これは、約0.3μg/kg(または6.75μgまたは6,750ng)から約3.0μg/kg(または67.5μgまたは67,500ng)までで生じる。
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