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JP2018164898A - 洗浄対象部位の洗浄方法およびそのための洗浄装置 - Google Patents

洗浄対象部位の洗浄方法およびそのための洗浄装置 Download PDF

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JP2018164898A
JP2018164898A JP2017063728A JP2017063728A JP2018164898A JP 2018164898 A JP2018164898 A JP 2018164898A JP 2017063728 A JP2017063728 A JP 2017063728A JP 2017063728 A JP2017063728 A JP 2017063728A JP 2018164898 A JP2018164898 A JP 2018164898A
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芳一 中川
Yoshiichi Nakagawa
芳一 中川
正則 板倉
Masanori Itakura
正則 板倉
薫 寺澤
Kaoru Terasawa
薫 寺澤
信之 菊屋
Nobuyuki Kikuya
信之 菊屋
博之 田中
Hiroyuki Tanaka
博之 田中
英朗 隈本
Hideo KUMAMOTO
英朗 隈本
健太郎 小田
Kentaro Oda
健太郎 小田
宏一 寺坂
Koichi Terasaka
宏一 寺坂
浩之 藤木
Hiroyuki Fujiki
浩之 藤木
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Keio University
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Abstract

【課題】単純かつ安価な構成でありながらも、洗浄対象部位に微細気泡を効果的に作用させて洗浄することが可能な洗浄方法および洗浄装置を提供すること。
【解決手段】当該洗浄方法は、対象ガスが溶媒に溶解してなるガス溶解液1を、洗浄対象部位に接触させる第1のステップと、ガス溶解液に作用する圧力の低下および/またはガス溶解液の温度の上昇を生じさせることにより洗浄対象部位近傍のガス溶解液中に対象ガスの微細気泡を発生させる第2のステップとを有する。また、当該洗浄装置は、ガス溶解液を収容するための洗浄容器10を有し、該洗浄容器内にガス溶解液を送るガス溶解液供給器20を有し、洗浄容器内に送られたガス溶解液中に対象ガスの微細気泡が発生するように、ガス溶解液に作用する圧力の低下および/またはガス溶解液の温度の上昇を生じさせる条件変更装置30を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体中の微細気泡を利用し洗浄対象部位を洗浄する洗浄方法と洗浄装置に関する。
近年、微細気泡を含んだ液体を生体や医療器具などの洗浄対象物に供給し、該液体中の微細気泡の作用によって生体表面や医療器具の接液面などを洗浄する方法が研究され、また、そのための装置が開発されている(特許文献1など)。
前記の微細気泡は、気泡のサイズに応じて、マイクロバブル(球体である場合の直径が50μm〜0.5μm程度)、マイクロナノバブル(球体である場合の直径が10μm〜0.5μm程度)、または、ナノバブル(球体である場合の直径が0.5μm以下)などと呼ばれる。液体中における微細気泡のサイズの分布範囲や分布の中心値は、該微細気泡の形成プロセスに応じて異なる。
前記のような微細気泡は、それよりも大きいサイズの気泡とは異なり、浮上しないで液中に滞留するという特殊な性質を示す。
前記特許文献1に記載された発明では、給気膜モジュールに組み込まれた多数の中空糸膜を介して液体中に無菌性微小気泡を発生させ、さらに、その液体をせん断応力発生型ノズルを通過させることで、液体中の気泡をマイクロバブルへと細分化し、洗浄対象物の表面に供給している。
国際公開第2014−021165号
しかしながら、液体中の気泡に大きなせん断力を作用させる微細気泡生成装置は、例えば、せん断応力発生型ノズル、高揚程昇圧ポンプ、ミキシングデバイスといった装置のように、高価であり、かつ該微細気泡生成装置を作動させるためには多大なエネルギーを要するという問題がある。また、該微細気泡生成装置の使用によって、システム全体が大掛かりになるという問題もある。また、微細気泡は、サイズによっては生体組織内に進入することができず、微小な凹部を形成する生体深部にまでその洗浄効果を及ぼすことができないという問題もある。
本発明の目的は、単純かつ安価な構成でありながらも、洗浄対象部位に微細気泡を効果的に作用させて洗浄することが可能であり、また、該洗浄対象部位の表面のみならず深部にまでも微細気泡を作用させて洗浄することが可能な、新たな洗浄方法および新たな洗浄装置を提供することにある。
本発明者等は、上記問題を解消すべく鋭意検討し、対象ガスが溶解したガス溶解液を洗浄対象部位に接触させ、そのガス溶解液の圧力および/または温度を変化させることによって、洗浄対象部位の表面(微細な凹部内をも含む)に微細気泡が発生し、洗浄効果が発揮されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の主たる構成は、以下のとおりである。
〔1〕対象物の洗浄対象部位の洗浄方法であって、
微細気泡を形成するための対象ガスが溶媒に溶解してなるガス溶解液を、洗浄対象部位に接触させる第1のステップと、
(i)前記ガス溶解液に作用する圧力を低下させること、および、
(ii)前記ガス溶解液の温度を上昇させること
のうちの、一方または両方を実施することによって、洗浄対象部位に接触しているガス溶解液中に対象ガスの微細気泡を発生させる第2のステップと、
を有する、前記洗浄方法。
〔2〕第1のステップにおいて、ガス溶解液を収容し得る洗浄容器を用いて洗浄対象部位を取り囲む密閉空間を形成しかつ該密閉空間内にガス溶解液を充填して、洗浄対象部位にガス溶解液を接触させ、
第2のステップにおいて、前記密閉空間内の圧力を低下させ、それによって前記ガス溶解液中に作用する圧力を低下させて、洗浄対象部位に接触したガス溶解液中に対象ガスの微細気泡を発生させる、
前記〔1〕記載の洗浄方法。
〔3〕第2のステップにおける密閉空間内の圧力の低下が、ガス溶解液中に溶解しているガスの一部をガス透過膜を通して除去することによって達成される、前記〔2〕記載の洗浄方法。
〔4〕第2のステップにおいて、少なくとも洗浄対象部位に接触しているガス溶解液の温度を上昇させ、それによって該洗浄対象部位に接触したガス溶解液中に対象ガスの微細気泡を発生させる、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の洗浄方法。
〔5〕対象ガスが炭酸ガスであり、ガス溶解液が炭酸水である、前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の洗浄方法。
〔6〕対象物の洗浄対象部位を洗浄するための洗浄装置であって、
微細気泡を形成するための対象ガスが溶媒に溶解してなるガス溶解液を収容するための洗浄容器を有し、該洗浄容器は、少なくとも洗浄対象部位を浸漬し得るものであるか、または、少なくとも洗浄対象部位を覆ってその周囲に密閉空間を形成し得るものであり、
洗浄容器内にガス溶解液を送るよう、該洗浄容器に接続されたガス溶解液供給器を有し、
条件変更装置を有し、該条件変更装置は、前記ガス溶解液中に対象ガスの微細気泡が発生するように、
(i)前記洗浄容器内に送られたガス溶解液に作用する圧力を低下させること、および、
(ii)前記洗浄容器内に送られたガス溶解液の温度を上昇させること
のうちの、一方または両方を実施するように構成されている、
前記洗浄装置。
〔7〕洗浄容器が、少なくとも洗浄対象部位を覆うことで、その周囲に密閉空間を形成し得るように構成されており、
使用時において、ガス溶解液供給器が前記密閉空間内を前記ガス溶解液で充填し、次いで、条件変更装置が前記密閉空間内の圧力を低下させ、それによって、前記ガス溶解液中に作用する圧力が低下し、該密閉空間内のガス溶解液中に対象ガスの微細気泡が発生する、
前記〔6〕記載の洗浄装置。
〔8〕ガス溶解液供給器が、溶媒供給源と、対象ガス供給源と、ガス溶解用のガス透過膜モジュールとを有して構成され、該ガス透過膜モジュールは、ガス透過膜を介して互いに隔てられた液体側流路とガス側流路とを有し、
使用時において、溶媒供給源から供給される溶媒が液体側流路を通過する間に、対象ガス供給源から供給される対象ガスがガス透過膜を通過して該溶媒に溶解し、それによりガス溶解液が形成される、
前記〔6〕または〔7〕記載の洗浄装置。
〔9〕条件変更装置が、ガス除去用のガス透過膜モジュールと減圧装置とを有し、該ガス透過膜モジュールは、ガス透過膜を介して互いに隔てられた液体側流路とガス側流路とを有し、該液体側流路は洗浄容器に接続され、該ガス側流路は前記減圧装置に接続され、
使用時において、ガス溶解液供給器が、前記密閉空間内およびガス除去用のガス透過膜モジュールの液体側流路内をガス溶解液で充填し、次いで、前記減圧装置がガス除去用のガス透過膜モジュールのガス側流路内の圧力を低下させてガス溶解液中の溶解ガスの一部を除去することによって液体側流路内の圧力を低下させ、それによって、前記密閉空間内のガス溶解液に作用する圧力を低下させて対象ガスの微細気泡を発生させる、
前記〔6〕〜〔8〕のいずれかに記載の洗浄装置。
〔10〕条件変更装置が、ガス溶解液供給器のガス溶解用のガス透過膜モジュールを、ガス除去用のガス透過膜モジュールとして利用し、前記密閉空間内のガス溶解液に作用する圧力を低下させるように構成されており、
前記ガス透過膜モジュールのガス側流路には、対象ガス供給源と減圧装置とが切り替え可能に接続され、
使用時において、ガス溶解液供給器が、前記ガス透過膜モジュールの液体側流路内および前記密閉空間内をガス溶解液で充填し、次いで、対象ガス供給源と減圧装置とが切り替えられ、条件変更装置の減圧装置が、前記ガス透過膜モジュールのガス側流路内の圧力を低下させてガス溶解液中のガスの一部を除去することによって液体側流路内の圧力を低下させ、それによって、前記密閉空間内のガス溶解液に作用する圧力を低下させて対象ガスの微細気泡を発生させる、
前記〔8〕記載の洗浄装置。
〔11〕前記ガス透過膜モジュール中のガス透過膜が中空糸膜である、前記〔8〕〜〔10〕のいずれかに記載の洗浄装置。
〔12〕条件変更装置が、少なくとも洗浄対象部位に接触しているガス溶解液の温度を上昇させるよう構成された加熱装置を含んでいる、前記〔6〕〜〔11〕のいずれかに記載の洗浄装置。
〔13〕当該洗浄装置には、上記加熱装置による温度上昇によって該洗浄装置内の圧力が上昇した場合に、該洗浄装置内の流体を外界へと排出して、該洗浄装置内の圧力が所定の許容範囲を超えないようにする安全装置が設けられている、前記〔12〕に記載の洗浄装置。
〔14〕対象ガスが炭酸ガスであり、ガス溶解液が炭酸水である、前記〔6〕〜〔13〕のいずれかに記載の洗浄装置。
微細気泡を用いた従来の洗浄方法では、液体中に微細気泡を予め形成し、該微細気泡が既に含まれた液体を洗浄対象部位に供給することによって、該微細気泡の洗浄効果を利用している。そのような洗浄効果は、微細気泡が洗浄対象部位に接触し、該気泡が有する界面滑性力により、異物や汚物を該気泡に吸着させることによって達成される洗浄効果である。
これに対して、本発明では、ガス溶解液を洗浄対象部位に接触するように供給し、その該ガス溶解液を減圧および/または加熱して対象ガスが過飽和状態になるようにし、該ガス溶解液中に(とりわけ、洗浄対象部位に)、対象ガスの微細気泡を発生させる。一般に、ガス溶解液に溶解した対象ガスは、過飽和状態に達すると、該ガス溶解液に接触する何らかの固相の凹凸面において微細気泡となって発生しようとする。よって、ガス溶解液が接触する当該洗浄装置内の接液面を十分平滑にしておけば、主として洗浄対象部位の表面のみに微細気泡を発生させることが可能となる。
また、本発明では、気泡含有水を洗浄対象部位に適用するのではなく、ガス溶解液を洗浄対象部位に適用するが故に、炭酸ガスが液と共に、洗浄対象物の微小な凹部にまで進入することが可能になる。
本発明は、洗浄対象部位に微細気泡を発生させ成長させ、そこから該微細気泡が会合して浮力を有するサイズとなって離脱する際に洗浄対象部位の異物や汚物を同伴して除去する効果を、洗浄効果として利用している。この洗浄効果は、洗浄対象部位が、生体、とりわけ、潰瘍、壊疽、縟瘡などの創傷部位であるような場合には、その有用性がより顕著となる。ガス溶解液が、生体の創傷部位の表面および/または微小な凹部を形成する深部までに入り込んだ状態で、該ガス溶解液に作用する圧力を低下させること、および/または該ガス溶解液の温度を上昇させることを行なえば、該創傷部位の微小な凹部内などにおいて微細気泡が発生し成長するので、創傷部位の凹部内に入り込んだ細菌、膿、塵、組織断片等をより効果的に除去することが期待される。
尚、皮膚の創傷の治療方法の1つとして、陰圧閉鎖療法(局所陰圧療法、減圧閉鎖創傷療法などとも呼ばれる)が知られている。該陰圧閉鎖療法は、被覆材によって患部を取り巻く閉鎖空間を形成し、吸引ポンプによって患部に吸引力を作用させる方法である。
しかし、陰圧閉鎖療法において患部に作用させる吸引力の目的は、肉芽を創傷から引き剥がし、患部の血行と組織の形成を促進することにある。患部の組織や体液が吸い出されるような大きな吸引力を患部に作用させる該陰圧閉鎖療法は、実施の際に痛みを伴う場合が多い。
一方、本発明においても、洗浄対象部位に接触させたガス溶解液に作用する圧力を低下させる場合があるが、その圧力低下の目的はあくまでも微細気泡の発生であり、十分に飽和状態に近いガス溶解液を供給すれば、微量な圧力低下でも十分な微細気泡を発生させることが可能である。とりわけ、ガス透過膜を用いた脱気による圧力低下では、圧力を低下させる時にガス溶解液の流れが発生することもない。よって、本発明における好ましい圧力低下では、患部の組織や体液が吸い出されるような大きな吸引力が患部に直接的に作用することはなく、また、液体の流れが発生することもない。従って、本発明によれば、創傷部位の洗浄において、創傷部位に対する物理的刺激を抑制しつつ、即ち、実施の際の痛みを緩和しつつ、高い洗浄効果を達成することができる。
図1は、本発明による洗浄方法を概略的に説明する断面図であって、各ステップにおける洗浄対象部位に接触するガス溶解液と発生する微細気泡の様子を概略的に示している。 図2は、本発明による洗浄装置の構成を示した概略図である。説明のために、洗浄対象部位と洗浄容器は断面を示しており、断面を示すハッチングを適宜加えている(以下、同様である)。図2(a)は、洗浄容器内のガス溶解液に作用する圧力を低下させることで微細気泡を発生させる態様を示しており、図2(b)は、洗浄容器内のガス溶解液の温度を上昇させることによって微細気泡を発生させる態様を示している。 図3は、本発明による洗浄装置の他の構成を示した概略図である。同図では、各配管のラインを太い実線で示している。以下の図も同様である。 図4は、本発明による洗浄方法の好ましい態様例を説明するための図であり、かつ、本発明による洗浄装置の好ましい態様例を示した概略図である。各構成要素を接続する管路は、矢印を用いて表している(図5も同様である)。 図5は、図4に示した洗浄装置の改変例を示した概略図である。
以下に、本発明の洗浄方法(以下、単に、当該洗浄方法ともいう)を説明しながら、当該洗浄方法を実施するための装置である本発明の洗浄装置(以下、単に、当該洗浄装置ともいう)の構成をも説明する。当該洗浄方法の説明は、当該洗浄装置の構成および動作の説明でもある。
図1に示すように、当該洗浄方法は、対象物100の洗浄対象部位110をガス溶解液1中の微細気泡の作用によって洗浄する方法であって、第1および第2のステップを少なくとも有する。第1のステップでは、図1(a)に示すように、ガス溶解液1を、洗浄対象部位110に接触させる。ガス溶解液1は、微細気泡を形成するための対象ガスが溶媒に溶解している液体である。ガス溶解液1が洗浄対象部位110に接触する時の、該ガス溶解液1の温度はT1であり、ガス溶解液1に作用する圧力はP1である。次いで、第2のステップでは、図1(b)に示すように、ガス溶解液に作用する圧力P1およびガス溶解液の温度T1のうちの少なくとも一方を変化させて、該ガス溶解液1中に対象ガスの微細気泡2を発生させる。より具体的には、対象ガスの溶解量が飽和溶解量を超えて気泡化する状態(気泡が発生する状態)となるように、
(i)ガス溶解液1に作用する圧力をより低い圧力P2とすること、および、
(ii)ガス溶解液1の温度をより高い温度T2とすること、
のうちの、一方または両方を実施し、それによって、該ガス溶解液1中に対象ガスの微細気泡2を発生させる。この条件変更(状態変化)によって該ガス溶解液1中に発生する微細気泡2は、図1(b)に示すように、凹凸の多い洗浄対象部位に主として発生し会合して浮力を有するサイズとなって該溶解液中へと離脱する。この微細気泡2の発生と離脱とによって、洗浄対象部位100は好ましく洗浄される。
図2は、図1に示した本発明の洗浄方法を好ましく実施するための、本発明の洗浄装置の構成を示した概略図であって、洗浄対象部位の洗浄を行っている状態を示している。
図2(a)、(b)に示すように、当該洗浄装置は、洗浄容器10と、ガス溶解液供給器20と、条件変更装置30とを少なくとも有する。洗浄容器10は、ガス溶解液1を収容し、該ガス溶解液を洗浄対象部位に接触させるための容器である。ガス溶解液供給器20は、当該洗浄方法の第1ステップを実施すべく、前記洗浄容器内10にガス溶解液1を送り込むように構成されている。図2(a)の態様例では、ガス溶解液供給器20は、接続管路41を介して洗浄容器10に接続されている。図2(b)の態様例では、ガス溶解液供給器20は、供給管路42から洗浄容器10にガス溶解液1を供給する。条件変更装置30は、当該洗浄方法の第2ステップを実施するための装置であって、洗浄容器10内に送られたガス溶解液1中に対象ガスの微細気泡2が発生するように、該ガス溶解液の圧力P1および温度T1のうちの少なくとも一方を変更するよう構成されている。
条件変更装置によって操作される予め定められた範囲の条件変更によって、ガス溶解液中に対象ガスの微細気泡が発生するためには、該ガス溶解液中の対象ガスの溶解量は、予め定められた量以上としておく必要がある。換言すると、供給されるガス溶解液中の対象ガスの溶解量と、条件変更装置によって変更される温度、圧力の変化量は、予め互いに関連付けられて決定される。条件変更装置によるガス溶解液に作用する圧力および温度のそれぞれの変化量は、洗浄対象部位に悪影響を与えないように予め定められた変化量以内であることが好ましい。そして、たとえ微量の状態変化量であっても、ガス溶解液中に対象ガスの微細気泡が十分に発生するように、洗浄容器中に供給されるガス溶解液中の対象ガスの溶解量は、十分に飽和溶解量に近づけておくことが好ましい。ガス溶解液中の対象ガスの溶解量と、条件変更装置によって変更される温度、圧力の変化量は、後述する。
図2(a)は、当該洗浄方法の第2ステップにおいて、洗浄容器内のガス溶解液に作用する圧力を低下させることで微細気泡を発生させている状態を示しており、かつ、そのための当該洗浄装置の態様例を示している。同図の態様では、洗浄容器10は、少なくとも洗浄対象部位110を覆ってその周囲に密閉空間を形成することが可能なように構成されており、条件変更装置30は、接続管路51によって洗浄容器10に接続され、前記の密閉空間内を減圧し得るようになっている。
図の例では、洗浄対象部位は、対象物の一部であって平坦な表面となっているが、図3に例示するように、複雑な立体形状を有する部分であってもよい。
図2(a)に例示する当該洗浄方法および当該洗浄装置では、第1のステップにおいて、洗浄容器10を用いて洗浄対象部位110を取り囲む密閉空間を形成し、かつ、ガス溶解液供給器20によって、該密閉空間内にガス溶解液1を充填して、洗浄対象部位110にガス溶解液1を接触させる。次いで、第2のステップにおいて、条件変更装置30を用いて密閉空間内の圧力を低下させ、それによって、密閉空間内のガス溶解液1に作用する圧力を低下させ、ガス溶解液1中に対象ガスの微細気泡2を発生させる。第2のステップでは、ガス溶解液1に作用する圧力を低下させながら、同時に、少なくとも洗浄対象部位110の温度(洗浄対象部位に接触しているガス溶解液の温度)を上昇させてもよい。
尚、ガス溶解液の温度を上昇させる場合、当該洗浄装置内の圧力が上昇することが考えられる。よって、そのような圧力上昇時における当該洗浄装置の安全性を保つために、当該洗浄装置には、該置内の流体を外界へと排出して、該装置内の圧力が所定の許容範囲を超えないようにする安全装置を設けることが好ましい。該安全装置の作動時には、ガス溶解液および発生したガスのうちの一方または両方が排出されてよい。
該安全装置としては、安全弁(逃がし弁)、破裂板(ラプチャーディスク)、圧力センサーと連動し所定の圧力で解放動作する電磁バルブなど、圧力が許容範囲を超えないよう作動する公知の機構を採用することができる。
また、二重の安全装置として、上昇する温度が所定の上限を超えないように、温度センサーや圧力センサーを用いて加熱装置の作動を制御してもよい。
一方、図2(b)は、温度上昇のみによって微細気泡を発生させる態様を示している。洗浄容器10は、ガス溶解液1を収容し、少なくとも洗浄対象部位110を浸漬し得る構造となっている。減圧を行なわないので、容器内の空間は外界に開放されていてもよい。図2(b)の例では、洗浄対象部位は人間の足の先端部であるが、図2(a)のような平坦面であってもよい。図2(b)の例では、条件変更装置30に含まれた光照射装置から洗浄対象部位110に加熱用の光L1が照射される。
温度上昇のみによって微細気泡を発生させる態様は、洗浄対象部位に負圧が全く作用しないという点、および、密閉空間や減圧装置が必要なく装置構成が極めて簡単であるという点では、好ましい態様である。温度を上昇させる場合の安全装置は、上記したとおりである。
本発明によって洗浄すべき対象物および洗浄対象部位は、特に限定はされないが、例えば、生体、医療器具、生体の分泌物が汚れとして付着するような物品(例えば、眼鏡、腕時計のベルト部分など、身体に装着する物品)などは、本発明の有用性が顕著となる。また、対象物の洗浄対象部位が、凹凸を有する生体表面、とりわけ、潰瘍、壊疽、縟瘡などの創傷であるような場合には、本発明の有用性はより顕著となる。
図3に示す態様では、対象物は生体であり、洗浄対象部位は足首から先の部分全体である。洗浄容器1は、足首から先の部分のような複雑な立体形状の洗浄対象部位を全体的に覆い、かつ、該洗浄対象部位を取り巻く密閉空間を形成し得るように構成されている。洗浄容器10の開口部分と対象物100との間には、密閉空間内を減圧する際に容器内の密閉性を保つためのシール11が適宜設けられてもよい。
本発明においてガス溶解液を形成するための対象ガスは、特に限定はされず、例えば、窒素ガス、酸素ガス、水素ガス、ヘリウムガス、炭酸ガス、または、これらのガスを任意に混合したガスが挙げられる。
また、本発明においてガス溶解液を形成するための溶媒は、特に限定はされず、水、アルコール、有機溶媒などが挙げられる。
ガス溶解液のなかでも、水に炭酸ガスを溶解させてなる炭酸水は、多量の炭酸ガスが溶解したものを用いることになるので、少しの減圧や少しの温度上昇によっても、多量の炭酸ガスの微細気泡を発生させることが可能であり、洗浄には有用なガス溶解液である。
本発明では、炭酸ガスが溶解した水(温水を含む)全般を、水の温度や炭酸ガスの溶解度にかかわらず、広く「炭酸水」と呼んでいる。日本の温泉法では、25℃以上のお湯1リットルに炭酸ガスが0.25g以上(250ppm以上)溶解したものは「炭酸泉」と呼ばれ、また、1000ppm以上溶解したものは「高濃度炭酸泉」などと呼ばれている。また、炭酸泉、高濃度炭酸泉は、人工的に生成された場合には、「人工炭酸泉」、「高濃度人工炭酸泉」などと呼ばれる場合もある。
また、本発明でいう前記の「水」は、HOを含有する水性の液体を意味し、
不純物を含まない精製水;水道水;塩化ナトリウム、電解質、糖質、アミノ酸、脂肪乳剤、ビタミン剤、利尿剤、血漿増量剤、緩衝剤、殺菌剤、消毒剤など溶質が溶解した水溶液などといった所定の溶質が溶解した水溶液(該水溶液におけるHOの含有量は、特に限定はされないが、HOにガスを溶解するという点からは、50重量%以上であることが好ましい);中空糸膜の内部を通過し得る微細な固体が母材の水に溶けずに分散してなる懸濁水(水性懸濁液);微細な液体が母材の水に溶けずに分散してなる乳濁水(水性乳濁液、水性エマルジョン);
をも包含する。
よって、本発明でいう「炭酸水」もまた、本発明でいう前記の「水」に炭酸ガスが溶解した液体を意味する。例えば、食塩水をガス透過膜モジュールに供給して得られる食塩含有炭酸水も、「炭酸水」である。また、「水」の温度や炭酸ガスの溶解度にかかわらず、炭酸ガスが溶解した「水」を「炭酸水」と呼ぶことは、上記したとおりである。
当該洗浄装置のガス溶解液供給器20は、上記したガス溶解液1を洗浄容器10に供給し得るように構成されているものが利用可能であり、例えば、予め形成されたガス溶解液を収容したタンクや、使用時においてその場でガス溶解液を生成するガス溶解液製造装置が挙げられる。ガス溶解液を洗浄容器に送るためのポンプは適宜設ければよく、ポンプを用いずに重力(ガス溶解液の自重)を利用してガス溶解液を洗浄容器に送ってもよい。
前記のガス溶解液製造装置としては、ガス透過膜モジュールを用いて対象ガスを溶媒中に溶解させるように構成された装置が好ましいものとして例示される。
図4は、ガス透過膜モジュールを用いた炭酸泉製造装置の構成例を示している。同図に示す例では、ガス溶解液供給器20が、溶媒供給源21と、対象ガス供給源24と、ガス溶解用のガス透過膜モジュール23とを少なくとも有して構成されている。該ガス透過膜モジュール23は、ガス透過膜を介して互いに隔てられた液体側流路とガス側流路とを有する(これらガス透過膜、液体側流路、ガス側流路の配置構造は、詳細には図示していない)。液体側流路とガス側流路は、ガス透過膜を間に挟んで位置する部屋であってもよい。より詳細には、溶媒供給源(タンク等)21から、溶媒としての水がポンプ22によってガス透過膜モジュール23の液体側流路へと送り込まれ、該液体側流路を通過する間に、ガス溶解液供給器である炭酸ガスボンベ24(該ボンベのためのバルブは図示を省略している)から供給される炭酸ガスがガス透過膜を通して水に溶解し、飽和状態に近い高濃度のガス溶解液(炭酸水)が形成され、開閉バルブ25を通過して洗浄容器内に送り込まれる構成となっている。符号41で示されるような各部の矢印は、流路(管路)を示している。開閉バルブ25は、洗浄容器内を減圧する場合に設けられることが好ましく、ガス溶解液(炭酸水)の供給時には開放され、洗浄容器内を減圧する際には閉鎖されるように制御可能であることが好ましい。前記した溶媒供給源21とポンプ22は、水道などの溶媒供給源に適宜置き換えられてもよい。
前記したガス透過膜モジュール中のガス透過膜は、非多孔質層の液体側に多孔質層が積層されてなる多層構造を有するものがより好ましく、中空糸膜、とりわけ、多層複合中空糸膜が好ましい。国際公開第2001/078883号に記載された3層構造を有する複合中空糸膜は、膜製造時、モジュール製造時や使用時において、非多孔質膜を傷つけにくいので、特に好ましい。
中空糸膜を用いて液体にガスを溶解する場合、中空糸膜の外側に液体を流し、中空糸膜の内側にガスを流してもよいが、液体を均一に膜面に接触させる点からは、中空糸膜の内側に液体を流し、中空糸膜の外側にガスを流す態様が好ましい。
複合中空糸膜(とりわけ3層複合中空糸膜)における非多孔質層の好ましい材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンなどが挙げられる。非多孔質層の好ましい厚さは、0.1μm〜20μm程度である。複合中空糸膜の構造の詳細は、従来技術を参照することができる。
第1のステップにおいて、ガス溶解液を洗浄対象部位に接触させる態様としては、次の態様が例示される。
図2(a)に示すように、洗浄容器10の開口部を洗浄対象部位110が閉鎖することによって形成された閉鎖空間内に、ガス溶解液1を送り込み、該閉鎖空間内をガス溶解液によって充填する態様。
図2(b)に示すように、洗浄容器10内にガス溶解液1を収容し、該ガス溶解液中に洗浄対象部位を浸漬する態様。
図3に示すように、洗浄対象部位を含んだ対象物100を洗浄容器10によって全体的に覆い、該洗浄容器の開口部をシールすることによって形成された洗浄容器内の閉鎖空間に、ガス溶解液を送り込み、該ガス溶解液中に洗浄対象部位を浸漬する態様。
図3の例では、容器10の開口部にシール部材11が用いられ、洗浄容器1の開口部と対象物100である脚部との間がシールされている。これにより、容器の外から容器の中へと、対象部位(例えば、足)を含んだ生体の一部(例えば、脚部)が挿入され通過している状態でありながらも、容器内が密閉可能になっている。
洗浄容器は、前記のように、第2ステップにおいて減圧が含まれる場合には、少なくとも洗浄対象部位を覆ってその周囲に密閉空間を形成し得る構造を有し、第2ステップにおいて加熱だけが行なわれる場合には、少なくとも洗浄対象部位を浸漬し得る構造を有するものであればよい。
洗浄容器の内部容積は、特に限定はされず、洗浄対象部位のサイズに応じて適宜決定すればよい。好ましい例としては、足浴槽のように下肢の膝から下を浸漬し得る容積(10L(リットル)〜20L)、手浴槽のように上肢の肘から先を浸漬し得る容積(10L〜20L)、皮膚の表面を局所的に覆うことができる程度の容積(0.2L〜1L)などが挙げられる。
洗浄容器の材料は、特に限定はされず、金属やプラスチックなどのあらゆる構造用の材料が利用可能である。
洗浄容器の壁部の厚さは、材料の機械的強度、容積、減圧の程度に応じて適宜決定すればよく、例えば、1mm〜5mm程度が挙げられる。
洗浄対象部位の周囲に密閉空間を形成するためのシール構造は、特に限定はされず、図2(a)や図3に例示するように、洗浄対象部位への接触面積を十分に獲得するためのフランジ部分を付与した構造、パッキンやガスケットなどのシール材を付与した構造など、洗浄対象部位の形状に応じて適宜に構成することができる。
洗浄容器が洗浄対象部位の周囲に密閉空間を形成する場合、該密閉空間内にガス溶解液が入り込むことができるように、洗浄容器には内部の空気を排出するための開閉可能な排出口を設けておくことが好ましい。そのような排出口は、洗浄容器内のガス溶解液の温度を上昇させる場合に、内圧を逃がす安全装置としても利用可能である。該排出口は、空気が残らず出て行くことが可能な位置に設けられることが好ましい。図4の態様では、条件変更装置に設けられた開閉バルブ34が、前記の開閉可能な排出口として機能する。また、図5の態様では、洗浄容器10に設けられた排出管路61と開閉バルブ62が、前記の開閉可能な排出口として機能する。ガス溶解液の供給口が排出口を兼ねている態様や、ガス溶解液の供給口と排出口とが隣接する態様であってもよい。
第1のステップにおいて、洗浄対象部位に接触させるガス溶解液における対象ガスの溶解量は、そのときのガス溶解液に作用する圧力およびガス溶解液の温度における飽和溶解量にできる限り近いことが好ましく、飽和溶解量であってもよいし、過飽和の状態であってもよい。
洗浄対象部位に供給されるガス溶解液における対象ガスの溶解量が、供給時に該ガス溶解液に作用する圧力P1(通常、1気圧)と、温度T1(通常、室温)における飽和溶解量に極めて近い場合(または、実質的に等しい場合)、ガス溶解液に作用する圧力を低下させた後の好ましい圧力P2、および、加熱による昇温後の好ましい温度T2は、それぞれ次のとおりである。
ガス溶解液に作用する圧力を低下させた後の圧力P2は、大気圧を0kPaとした場合のゲージ圧で示すと、−10kPa以下の減圧度(即ち、−10kPaおよびそれよりも負の圧力、P2≦−10kPa)が好ましく、−100kPa≦P2≦−20kPa程度がより好ましい。
ガス溶解液の昇温後の温度T2は、30℃〜40℃が好ましく、35℃〜38℃がより好ましい。
第2のステップでは、該ガス溶解液に作用する圧力を低下させる(図2(a))、または、該ガス溶解液の温度を上昇させるか(図2(b))、または、該ガス溶解液に作用する圧力を低下させながら該ガス溶解液の温度を上昇させて(図3)、対象ガスに関する飽和溶解量を低下させ、それにより、洗浄対象部位に接触したガス溶解液中に対象ガスの微細気泡を発生させる。
第2のステップにおいてガス溶解液に作用する圧力を低下させる方法としては、図2に示すように、該ガス溶解液1を洗浄容器10内の密閉空間中に充填した状態で、条件変更装置30に含まれたポンプやシリンジ(これらは図示せず)を用いて密閉空間中のガス溶解液を吸引し減圧する方法、また、図4、図5を参照して後述するように、密閉空間中のガス溶解液から溶解ガスを部分的に除去することで減圧する方法が挙げられる。溶解ガスは、溶解している対象ガスであってもよいし、他のガスであってもよく、それらの混合ガスであってもよい。対象ガスが高濃度に溶解したガス溶解液から除去されるガスの主体は、対象ガスである。
ガス溶解液から溶解ガスを部分的に除去することで減圧する方法は、次の点において、好ましい方法である。即ち、溶媒が水などの場合、溶解ガスが部分的に除去されることでガス溶解液に作用する圧力が低下しても、ガス溶解液の体積は減少しない。よって、洗浄容器が内外の圧力差に耐え得るような強固な容器でなくとも、密閉空間中のガス溶解液から溶解ガスを除去して減圧することが可能になる。また、溶解ガスを除去して圧力を低下させる場合、生体表面が減圧によって吸引されることがなく、生体表面に悪影響を与えることがない。
第2のステップにおいて、該ガス溶解液を加熱し温度を上昇させる方法では、洗浄対象部位に微細気泡が発生するように、少なくとも洗浄対象部位に接触するガス溶解液の温度を上昇させることが重要である。洗浄対象部位に接触するガス溶解液の温度を選択的かつ効果的に上昇させる方法としては、例えば、図2(b)に示すように、条件変更装置30に含まれた光照射装置から洗浄対象部位110に加熱用の光(赤外線を含む)L1を照射する方法、条件変更装置30に含まれたヒータ(図示せず)を洗浄対象部位に接近させる方法、予め洗浄対象部位を温めておいてからその温度よりも低いガス溶解液を接触させる方法などが挙げられる。
図3の装置では、第2ステップにおいて減圧と加熱を併用しており、洗浄容器10に対して、条件変更装置として減圧装置31が接続され、かつ、加熱用の光照射装置32が設けられている。照射装置32は、加熱用の光L1を、洗浄容器10の透明な壁部を通して、洗浄容器内のガス溶解液中に浸漬された洗浄対象部位に照射するように構成されている。ガス溶解液に作用する圧力の低下だけによって微細気泡を発生させる態様は、装置の構成が簡単であるという点で好ましい。また、ガス溶解液に作用する圧力の低下とガス溶解液の加熱の併用は、圧力と温度のそれぞれの変化量が微量であっても、両者の併用によって十分な微細気泡が発生するのという点で好ましい。
図4は、ガス溶解液1から溶解ガスを除去することで該ガス溶解液に作用する圧力を低下させる場合の、条件変更装置の好ましい構成例を示している。同図の例では、洗浄容器10は、少なくとも洗浄対象部位110を覆ってその周囲に密閉空間を形成し得る容器となっている。また、条件変更装置30は、ガス溶解液供給器20がガス溶解液1を洗浄容器10の密閉空間内に注入することができるように、開閉可能な排出口を兼用している。
図4に示す条件変更装置30は、洗浄容器10に接続されたガス除去用のガス透過膜モジュール32と、減圧装置33とを有する。該ガス透過膜モジュール32は、上記したガス溶解用のガス透過膜モジュール23と同様、ガス透過膜を介して互いに隔てられた液体側流路とガス側流路とを有する(これらの構造は詳細には図示せず)。液体側流路は洗浄容器に接続され、該ガス側流路は減圧装置33に接続されている。該減圧装置のためのバルブは図示を省略しているが、適宜設けられ、制御される。
第1ステップでは、ガス溶解液1が、ガス溶解液供給器20から洗浄容器10内に送り込まれて洗浄容器の空間を充填し、さらに、ガス除去用のガス透過膜モジュール32の液体側流路内をガス溶解液で充填する。このとき、開閉バルブ25、34は開放されており、最初に存在していた空気は開閉バルブ34を通じて外界に押し出される。
次に、第2ステップでは、開閉バルブ25、34が閉じられて、洗浄容器内は密閉空間となり、密閉空間内がガス溶解液で充填された状態となる。そこで、減圧装置33を作動させると、ガス透過膜モジュール中のガス透過膜を通してガス溶解液に作用していた圧力よりも低い圧力が作用し、ガス溶解液中に溶解している溶解ガスの一部がガス透過膜を通ってガス溶解液から除去され、それにより前記密閉空間内のガス溶解液に作用する圧力が低下し、洗浄対象部位110の表面に対象ガスの微細気泡が発生する。
これらの一連の作動は、制御部が発する命令信号によって順次実行されるように、該制御部を構成することが好ましい。
ガス除去用のガス透過膜モジュールは、上記したガス溶解液製造装置と同様に、ガス透過膜として、中空糸膜、とりわけ、多層複合中空糸膜を用いたものが好ましい。該多層複合中空糸膜の構造の詳細は、ガス溶解液製造装置における多層複合中空糸膜と同様、従来技術を参照することができる。
多層複合中空糸膜モジュールをガス除去用のガス透過膜モジュールとして用いる場合、ガス溶解液を中空糸膜中に送り、該中空糸膜の外側を減圧する態様がより好ましい。
図4では、説明のために、洗浄容器10とガス除去用のガス透過膜モジュール32とを接続する管路51を長くとっているが、該管路51をできる限り短くすることが好ましく、該管路51を無くして、洗浄容器10とガス除去用のガス透過膜モジュール32とを直接的に接続してもよい。
また、洗浄容器の壁の一部をフィルム状のガス透過膜として、洗浄容器の外側に配置した減圧装置によって該ガス透過膜を通して洗浄容器内を吸引し、該洗浄容器内のガス溶解液から溶解ガス(とりわけ対象ガス)を脱気してもよい。
図5に示す洗浄装置では、図4に示した洗浄装置におけるガス溶解用のガス透過膜モジュール23とガス除去用のガス透過膜モジュール32とを、1つのガス透過膜モジュール40が兼用している。
より詳細には、図5に示す洗浄装置では、図4と同様に、第1ステップにおいて、溶媒供給源(タンク等)21から、水(溶媒)がポンプ22によって、開閉バルブ35を通過して、ガス透過膜モジュール40の液体側流路内へと送り込まれる。ガス透過膜モジュール40のガス側流路には、対象ガスを供給するための対象ガス供給源である炭酸ガスボンベ24が接続されている(該ボンベのためのバルブは図示を省略している)。炭酸ガスボンベから供給される炭酸ガスがガス透過膜を通して水に溶解し、飽和状態に近い高濃度のガス溶解液(炭酸水)となって吐出され、流路41bを通過して洗浄容器10内に送り込まれる。洗浄容器10には、排出ポート61を通じて開閉バルブ62が設けられている。ガス溶解液が洗浄容器10に送り込まれる際には、該開閉バルブ62は開くように制御される。
一方、ガス透過膜モジュール40のガス側流路には減圧装置33も接続されており、炭酸ガスボンベ24と該減圧装置33との切り替えにより、該ガス透過膜モジュール40は、第1ステップではガス溶解用のガス透過膜モジュールとして機能し、第2ステップでは溶解ガスの除去によるガス除去用のガス透過膜モジュールとしても機能し得る構成となっている。第2ステップにおける溶解ガスの除去では、開閉バルブ62、35は閉じられ、系内は密閉空間とされる。
この切り替え可能な接続構成によって、1つのガス透過膜モジュールを用いて、ガス溶解液の供給と、該ガス溶解液からの対象ガスの脱気が可能となり、簡単な構成で本発明を実施することが可能となる。
ガス透過膜モジュール40のガス側流路に対して、炭酸ガスボンベ24と該減圧装置33とを切り替えるためのバルブを用いた接続構成や、該バルブをステップ1、ステップ2に応じて自動的に切り替える制御構成は、特に限定はされず、従来技術を用いてもよい。
本実施例では、洗浄対象部位を模した試験片を作製し、該試験片をシャーレ内に収容し、該試験片が浸漬するようにガス溶解液を入れたシャーレを密閉容器内に収容し、その状態で密閉容器内を減圧し、ガス溶解液中に対象ガスの微細気泡を発生させて、その洗浄作用を観察した。
試験片:
(材料)ステンレス製、直径60mmの円形の基板上に、被洗浄物を模したでんぷん糊を厚さ160μmに塗布し、試験片とした。
密閉容器:
容器内を減圧しても変形しないよう十分な強度を持ったアクリル樹脂製の密閉可能な直方体状容器(直方体状の内部空間の寸法:タテ約120mm、ヨコ約120mm、高さ約140mm、容積約2,016,000mm)を密閉容器として用いた。該密閉容器の密閉蓋には、容器内を減圧するためにコネクターとなる管が貫通しており、真空ポンプに接続されている。また、手動の開閉弁(開閉コック)が設けられている。
〔洗浄実験〕
でんぷん糊を塗布した面を上に向けて直径90mmのシャーレに試験片を収容し、多層複合中空糸膜モジュールを使用して炭酸ガスを濃度約1000ppmに溶解した炭酸ガス溶解液を洗浄液として、試験片が浸漬するようにシャーレ内に洗浄液を入れ、該洗浄液に試験片を5分間浸漬した。この状態では、試験片のでんぷん糊の表面には気泡の付着は無かった。
その後、真空ポンプで密閉容器内を減圧した。
減圧度がゲージ圧で0kPa〜−10kPa程度までは、試験片のでんぷん糊の表面には特に変化が現れなかったが、−10kPaよりも低い減圧度になると、試験片のでんぷん糊の表面には微小な気泡(炭酸ガスの気泡)が発生して付着し始めた。さらに減圧を進めると、−20kPaおよびそれよりも低い減圧度ではより多くの気泡が付着し、各微小な気泡は会合して大きな気泡となり、でんぷん糊を塗布した面から離脱して浮上し始めた。このときの気泡の浮上により、でんぷん糊が基板の表面から除去される状況が確認された。
でんぷん糊を塗布した面への気泡の発生と離脱は、−100kPaの減圧度まで増大し、それに応じて、除去されたでんぷん糊の量もが多くなることを確認した。
本発明によって、単純かつ安価な構成でありながらも、洗浄対象物の洗浄対象部位に微細気泡を効果的に作用させて洗浄することが可能となった。本発明は、医療器具の洗浄、生体表面の創傷の治療に好ましく利用し得る。
1 ガス溶解液
2 対象ガスの微細気泡
10 洗浄容器
20 ガス溶解膜モジュール
30 条件変更装置
100 対象物
110 洗浄対象部位

Claims (14)

  1. 対象物の洗浄対象部位の洗浄方法であって、
    微細気泡を形成するための対象ガスが溶媒に溶解してなるガス溶解液を、洗浄対象部位に接触させる第1のステップと、
    (i)前記ガス溶解液に作用する圧力を低下させること、および、
    (ii)前記ガス溶解液の温度を上昇させること
    のうちの、一方または両方を実施することによって、洗浄対象部位に接触しているガス溶解液中に対象ガスの微細気泡を発生させる第2のステップと、
    を有する、前記洗浄方法。
  2. 第1のステップにおいて、ガス溶解液を収容し得る洗浄容器を用いて洗浄対象部位を取り囲む密閉空間を形成しかつ該密閉空間内にガス溶解液を充填して、洗浄対象部位にガス溶解液を接触させ、
    第2のステップにおいて、前記密閉空間内の圧力を低下させ、それによって前記ガス溶解液中に作用する圧力を低下させて、洗浄対象部位に接触したガス溶解液中に対象ガスの微細気泡を発生させる、
    請求項1記載の洗浄方法。
  3. 第2のステップにおける密閉空間内の圧力の低下が、ガス溶解液中に溶解しているガスの一部をガス透過膜を通して除去することによって達成される、請求項2記載の洗浄方法。
  4. 第2のステップにおいて、少なくとも洗浄対象部位に接触しているガス溶解液の温度を上昇させ、それによって該洗浄対象部位に接触したガス溶解液中に対象ガスの微細気泡を発生させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄方法。
  5. 対象ガスが炭酸ガスであり、ガス溶解液が炭酸水である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗浄方法。
  6. 対象物の洗浄対象部位を洗浄するための洗浄装置であって、
    微細気泡を形成するための対象ガスが溶媒に溶解してなるガス溶解液を収容するための洗浄容器を有し、該洗浄容器は、少なくとも洗浄対象部位を浸漬し得るものであるか、または、少なくとも洗浄対象部位を覆ってその周囲に密閉空間を形成し得るものであり、
    洗浄容器内にガス溶解液を送るよう、該洗浄容器に接続されたガス溶解液供給器を有し、
    条件変更装置を有し、該条件変更装置は、前記ガス溶解液中に対象ガスの微細気泡が発生するように、
    (i)前記洗浄容器内に送られたガス溶解液に作用する圧力を低下させること、および、
    (ii)前記洗浄容器内に送られたガス溶解液の温度を上昇させること
    のうちの、一方または両方を実施するように構成されている、
    前記洗浄装置。
  7. 洗浄容器が、少なくとも洗浄対象部位を覆うことで、その周囲に密閉空間を形成し得るように構成されており、
    使用時において、ガス溶解液供給器が前記密閉空間内を前記ガス溶解液で充填し、次いで、条件変更装置が前記密閉空間内の圧力を低下させ、それによって、前記ガス溶解液中に作用する圧力が低下し、該密閉空間内のガス溶解液中に対象ガスの微細気泡が発生する、
    請求項6記載の洗浄装置。
  8. ガス溶解液供給器が、溶媒供給源と、対象ガス供給源と、ガス溶解用のガス透過膜モジュールとを有して構成され、該ガス透過膜モジュールは、ガス透過膜を介して互いに隔てられた液体側流路とガス側流路とを有し、
    使用時において、溶媒供給源から供給される溶媒が液体側流路を通過する間に、対象ガス供給源から供給される対象ガスがガス透過膜を通過して該溶媒に溶解し、それによりガス溶解液が形成される、
    請求項6または7記載の洗浄装置。
  9. 条件変更装置が、ガス除去用のガス透過膜モジュールと減圧装置とを有し、該ガス透過膜モジュールは、ガス透過膜を介して互いに隔てられた液体側流路とガス側流路とを有し、該液体側流路は洗浄容器に接続され、該ガス側流路は前記減圧装置に接続され、
    使用時において、ガス溶解液供給器が、前記密閉空間内およびガス除去用のガス透過膜モジュールの液体側流路内をガス溶解液で充填し、次いで、前記減圧装置がガス除去用のガス透過膜モジュールのガス側流路内の圧力を低下させてガス溶解液中の溶解ガスの一部を除去することによって液体側流路内の圧力を低下させ、それによって、前記密閉空間内のガス溶解液に作用する圧力を低下させて対象ガスの微細気泡を発生させる、
    請求項6〜8のいずれか1項に記載の洗浄装置。
  10. 条件変更装置が、ガス溶解液供給器のガス溶解用のガス透過膜モジュールを、ガス除去用のガス透過膜モジュールとして利用し、前記密閉空間内のガス溶解液に作用する圧力を低下させるように構成されており、
    前記ガス透過膜モジュールのガス側流路には、対象ガス供給源と減圧装置とが切り替え可能に接続され、
    使用時において、ガス溶解液供給器が、前記ガス透過膜モジュールの液体側流路内および前記密閉空間内をガス溶解液で充填し、次いで、対象ガス供給源と減圧装置とが切り替えられ、条件変更装置の減圧装置が、前記ガス透過膜モジュールのガス側流路内の圧力を低下させてガス溶解液中のガスの一部を除去することによって液体側流路内の圧力を低下させ、それによって、前記密閉空間内のガス溶解液に作用する圧力を低下させて対象ガスの微細気泡を発生させる、
    請求項8記載の洗浄装置。
  11. 前記ガス透過膜モジュール中のガス透過膜が中空糸膜である、請求項8〜10のいずれか1項に記載の洗浄装置。
  12. 条件変更装置が、少なくとも洗浄対象部位に接触しているガス溶解液の温度を上昇させるよう構成された加熱装置を含んでいる、請求項6〜11のいずれか1項に記載の洗浄装置。
  13. 当該洗浄装置には、上記加熱装置による温度上昇によって該洗浄装置内の圧力が上昇した場合に、該洗浄装置内の流体を外界へと排出して、該洗浄装置内の圧力が所定の許容範囲を超えないようにする安全装置が設けられている、請求項12に記載の洗浄装置。
  14. 対象ガスが炭酸ガスであり、ガス溶解液が炭酸水である、請求項6〜13のいずれか1項に記載の洗浄装置。
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