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JP2018158863A - 複合焼結体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度で微細な機械加工を施すことが可能で、かつ加工工具に与える摩耗や損傷が少なく、例えば半導体素子の検査工程で使用するプローブカード用のプローブ案内部材として好適な、窒化ホウ素と、サイアロンと、焼結助剤とを含んでなる複合焼結体、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】複合焼結体を、窒化ホウ素40質量部以上60質量部以下と、サイアロン25質量部以上58質量部以下と、焼結助剤を2質量部以上15質量部以下とを含んでなる、相対密度が90%以上の複合焼結体であって、前記複合焼結体の蛍光X線の強度測定において、窒化ホウ素に係るものとしてホウ素(B)の蛍光X線の強度の変動係数が3.0以下、かつサイアロンに係るものとしてシリコン(Si)の蛍光X線の強度の変動係数が0.8以下、JIS R1601:2008に準拠して測定した3点曲げ強度が250MPa以上である複合焼結体とする。
【選択図】 なし

Description


本発明は、窒化ホウ素とサイアロンと焼結助剤とを焼結してなる、高精度で微細な機械加工が可能な複合焼結体に関する。また本発明は、前記複合焼結体の製造方法に関する。
窒化ホウ素焼結体は優れた耐熱性、耐熱衝撃性、耐食性、電気絶縁性の他に、優れた機械加工性を合わせ持ったマシナブルセラミックスである。しかしながら、窒化ホウ素自体は代表的な難焼結性で、高密度の焼結体を得ることが困難であり、またそのC軸方向に層間剥離する摺動性材料でもあるため、強度が低いという欠点があった。この欠点を解決するため、他のセラミックスと組み合わせて使用する技術が多数提供されており、窒化珪素、窒化アルミニウム、ジルコニア、等各種セラミックスとの複合材料が開発され、鉄鋼分野、半導体製造装置分野等で実績がある他、半導体のウェハープロセスの検査工程で使用するプローブカードの触針(プローブともいう)を固定するプロ−ブガイド(プローブ案内ともいう)用の部材(即ちプローブ案内部材)等の様な、高精度で微細な機械加工が求められる分野でも利用されている。
なお前記プロ−ブカ−ドとは、半導体検査装置と、その被検体であるICやLSI等の半導体チップ上の、微細な電極とを接続し通電検査するためのユニットである。前記プローブはプローブ案内部材に開けられた細穴に、プローブの先端が半導体チップの電極の位置に合うよう剣山状に配置し固定された構造を持つ。このプローブ案内部材には、熱膨張係数が半導体チップの素材であるシリコンに近いこと、加工性が良好で例えばドリル刃に代表される加工工具に与える摩耗や損傷が少ないこと、但し強度も高く、例えばプローブ案内部材に開けた穴と穴の間の壁が破損しないこと等が要求される。プローブ案内部材の熱膨張率がシリコンから離れていると、通電検査時の発熱や加熱下での測定時に寸法に差が出るため、プローブ先端と半導体チップの電極との位置合わせが困難になり、半導体の検査ができなくなる。
近年、半導体の集積度は飛躍的に高くなり、回路パターン及び端子部も小型狭ピッチ化が進んでおり、これを検査する装置も対応を迫られており、プローブカードのプローブの更なる狭ピッチ化、多ピン化が求められている。このため、高精度で微細な加工を施すことができるプローブ案内部材がますます必要となり、即ち従来よりも加工性が良好で例えばドリル刃に代表される加工工具に与える摩耗や損傷が少ない、高精度で微細な機械加工が可能なプローブ案内用の部材が望まれている。プローブ案内部材としては、例えば窒化ホウ素とジルコニアや窒化ケイ素とを組み合わせた素材が知られているが、高精度の細穴加工に対応できるものはなかった。(特許文献1、特許文献2)
特開2001−354480号公報 特開2003−286076号公報
本発明の目的は、高精度で微細な機械加工を施すことが可能であり、かつ加工工具に与える摩耗や損傷が少なく、例えば半導体素子の検査工程で使用するプローブカード用のプローブ案内部材として好適な、窒化ホウ素と、サイアロンと、焼結助剤とを含んでなる複合焼結体、及びその製造方法を提供することである。
(1)即ち本発明は、窒化ホウ素40質量部以上60質量部以下と、下記の式1(但し式1において、Zは0.2以上、1.5以下)で示されるサイアロン25質量部以上58質量部以下と、焼結助剤を2質量部以上15質量部以下とを含んでなる、相対密度が90%以上の複合焼結体であって、前記複合焼結体の蛍光X線の強度測定において、窒化ホウ素に係るものとしてホウ素(B)の蛍光X線の強度の変動係数が3.0以下、かつサイアロンに係るものとしてシリコン(Si)の蛍光X線の強度の変動係数が0.8以下、JIS R1601:2008に準拠して測定した3点曲げ強度が250MPa以上である複合焼結体である。
Si6−ZAl8−Z (式1)
(2)本発明の複合焼結体は、JIS R1618:2002に準拠して測定した25℃以上600℃以下の温度範囲における熱膨張係数が1×10−6/℃以上3×10−6/℃以下であり、JIS Z2246:2000に準拠して測定したショア硬度が55以上75以下である、前記(1)記載の複合焼結体であることが好ましい。
(3)本発明の前記(1)または(2)記載の複合焼結体は、プローブ案内部材用の材料として好ましく用いることができる。
(4)また本発明は、比表面積20m/g以上かつGI値が8以上の六方晶窒化ホウ素粉末と、比表面積6m/g以上のサイアロン粉末、及び/または比表面積6m/g以上の、窒化ケイ素粉末、窒化アルミニウム粉末、酸化アルミニウム粉末、酸化ケイ素粉末からなる群から選ばれる少なくとも2種類以上の粉末と、焼結助剤粉末とを混合して、複合焼結体の原料混合粉末を得る工程、前記原料混合粉末を保持温度1510℃以上1780℃以下、保持圧力10MPaG以上50MPaG以下、保持時間1時間以上5時間以下の条件で加圧焼結する工程を含む、前記(1)〜(3)いずれか1項記載の複合焼結体の製造方法である。
本発明の実施により、高精度で微細な機械加工を施すことが可能で、加工工具に与える損傷摩耗が少なく、半導体素子の検査工程で使用するプローブ案内部材の用途として好適な、窒化ホウ素、サイアロン、焼結助剤を焼結して含む複合焼結体を得ることができる。
本発明の複合焼結体は、窒化ホウ素40質量部以上60質量部以下と、下記の式1(但し式1において、Zは0.2以上、1.5以下)で示されるサイアロン25質量部以上58質量部以下と、焼結助剤を2質量部以上15質量部以下とを含んでなる、相対密度が90%以上の複合焼結体であって、前記複合焼結体の蛍光X線の強度度測定において、窒化ホウ素に係るものとしてホウ素(B)の蛍光X線の強度の変動係数が3.0以下、かつサイアロンに係るものとしてシリコン(Si)の蛍光X線の強度の変動係数が0.8以下、JIS R1601:2008に準拠して測定した3点曲げ強度が250MPa以上である複合焼結体である。
前記窒化ホウ素は本発明の複合焼結体の原料のひとつでもあるが、原料としての窒化ホウ素は粉末状であり、JIS R1626:1996に従い、BET法で測定したその比表面積は、粉体の混合性の観点から20m/g以上、また結晶性を示す指標であるGI値が8以上である、低結晶性の六方晶窒化ホウ素である。ハンドリング性の観点からは、前記比表面積は200m/g以下であることが好ましい。なお前記GI値(GI:Graphitization Index)は黒鉛化指数ともいい、X線回折測定により得られる、窒化ホウ素の(100)面、(101)面及び(102)面のピークの面積比、GI=[面積{(100)+(101)}]/[面積(102)]の計算式によって求めることができる(J.Thomas.et.al, J.Am.Che.Soc.84,4619(1962))。高精度で微細な機械加工性を実現するためには、複合焼結体中の窒化ホウ素とサイアロンが微細かつ均一に高分散する必要がある。複合焼結体内の窒化ホウ素が大きいと、機械加工の際に割れや欠け等が発生しやすくなる。原料の六方晶窒化ホウ素に結晶性が高い粉末を用いた場合、焼結体内に板状の粗大窒化ホウ素粒子が残留し、さらに粒子間の空隙も大きくなりやすい。このため原料六方晶窒化ホウ素として、GI値が8以上の低結晶性の粉末を用いることが必要となる。
本発明の複合焼結体100質量部中において、窒化ホウ素が占める割合は40質量部以上60質量部以下、好ましくは41質量部以上59質量部以下、より好ましくは42質量部以上58質量部以下である。窒化ホウ素の割合が40質量部未満であると、複合焼結体の硬度が高くなりすぎ、例えば加工工具の寿命を著しく低下させてしまう傾向がある。また、窒化ホウ素の割合が60質量部を超えると、機械的強度が不足するため、機械加工に耐えられずに本発明の複合焼結体を用いた部材に割れや欠けが発生する。なお窒化ホウ素に関しては、保存中にまたは加熱により酸化ホウ素を形成して揮発することが知られているが、その揮発分による複合焼結体の組成の差異は実用上問題にならない程度(通常約1%程度)である。このため、本願含め当該技術分野においては、複合焼結体中の窒化ホウ素、サイアロン、焼結助剤の質量部比率は、その原料の配合比を以って表している。
前記サイアロンも、(式1)で示される本発明の複合焼結体を構成する成分要素のひとつであり原料のひとつでもあるが、本発明の複合焼結体を得るに当たり、その原料として前記サイアロンの粉末を用いてもよく、または、焼結の結果として(式1)の化学組成を有するサイアロンを生成するような窒化珪素(Si)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al)、酸化珪素(SiO)の少なくとも2種類以上を予め含めて組み合わせたもの(まとめてサイアロン原料群という)、もしくは、前記原料としてのサイアロンと前記サイアロン原料群との混合物でも良い。これらサイアロンを生成する原料(原料としてのサイアロン、やサイアロン原料群)の、JIS R1626:1996に従ってBET法で測定した比表面積も、それぞれ粉体の混合性の観点から6.0m/g以上200m/g以下であることが好ましい。
本発明の複合焼結体100質量部中において、サイアロンの割合は25質量部以上58質量部以下、好ましくは26質量部以上57質量部以下、より好ましくは27質量部以上56質量部以下である。サイアロンの割合が25質量部未満であると、本発明で規定する曲げ強度の不足、即ち機械的強度が不足するため、機械加工に耐えられずに本発明の複合焼結体を用いた部材に割れや欠けが発生する。また、サイアロンの割合が60質量部を超えると、複合焼結体のショア硬度が高くなりすぎ、例えば加工工具の寿命を著しく低下させてしまう傾向がある。
本発明の複合焼結体においては、前記サイアロンの組成に係る(式1)のZの値は、0.2以上1.5以下であり、好ましくは0.2以上1.0以下、より好ましくは0.3以上0.9以下である。Zの値が0.2未満では、本発明の複合焼結体の機械加工において、例えば加工工具が摩耗しやすくなるほど硬度を増すため実用性が損なわれる。また、Zの値が1.5を超えると複合焼結体において、本発明で規定する曲げ強度250MPaを下回るが、これはサイアロン粒子が大きく成長して部分的な強度が低下するためであると推定され、例えば厚さ1mmの板状とした本発明の複合焼結体に、直径40μmの丸穴を中心間距離60μmピッチの間隔で多数穿つような、高精度で微細な機械加工はできなくなる。なお前記サイアロンの組成に係る(式1)のZの値は、X線回折測定によるデータを基にして、サイアロンの格子定数とZの値との対応関係から求めることができる。
本発明の複合焼結体で使用できる焼結助剤の種類には特に限定はないが、希土類酸化物や酸化アルミニウム(アルミナ、Al)、酸化マグネシウム(マグネシア、MgO)やこれらの複合酸化物などを好ましく用いることができる。なお、酸化アルミニウムは前記サイアロン原料群の成分としても好ましく用いられる原料でもあるため、焼結助剤としての効果を持たせるため別に加える酸化アルミニウムについては、本発明ではアルミナと表記する。焼結助剤は化学的、物理的特性が安定した焼結体を得る観点から、好ましくは希土類酸化物を用いることができ、より具体的には酸化イットリウム(イットリア、Y)を効果的に使用することができる。
本発明の複合焼結体100質量部中において、焼結助剤の割合は2質量部以上15質量部以下、さらに好ましい範囲は3質量部以上14質量部以下、より好ましくは3質量部以上12質量部以下である。焼結助剤の割合が2質量部未満の場合は、高密度で高い強度の複合焼結体を得ることは難しく、機械加工により割れや欠けが発生する。焼結助剤の割合が15質量部を超える場合、焼結体中の結晶粒径が大きくなり、同様に強度の低下や高精度で微細な機械加工性に劣ることになる。
なお本発明の複合焼結体においては、その機械加工性や用途の使用目的に支障が生じない限り、不可避的に混入する微量不純物元素は含まれていてよい。但し本発明の複合焼結体は、高精度で微細な加工を必要とするプローブ案内部材用の材料として好ましく用いられ、電気的特性(例えば電気絶縁性)も求められることから、各原料中の金属不純物はなるべく含まないこと好ましい。
本発明の複合焼結体を製造する方法は、原料としての六方晶窒化ホウ素の粉末と、原料としてのサイアロン及び/またはサイアロン原料群、さらに焼結助剤とを混合して、複合焼結体の原料混合粉末を得る工程、前記原料混合粉末を保持温度1510℃以上1780℃以下、保持圧力10MPaG以上50MPaG以下、保持時間1時間以上5時間以下の条件で加圧焼結する工程を含む、製造方法である。
なお、前記原料混合粉末を得る工程における混合方式には特に限定はなく、原料のみをそのまま混合する乾式方式であっても、原料に液体成分を加えて混合する湿式方式であっても特に制限はない。湿式方式の場合、溶媒としては例えばエタノールが好ましく用いられる。さらに混合装置も公知の装置を用いることが可能であり、例えばボールミルが好ましく用いられる。
本発明の複合焼結体の製造方法では、加圧焼結することが必要であるが、焼結装置自体の方式や種類には特に限定はなく、セラミックス製造の分野で一般に用いられる装置を採用することができる。加圧焼結の方法としては、さらに例えばホットプレス焼結、放電プラズマ焼結、超高圧焼結、ガス圧縮による熱間等方加圧焼結などを挙げることができる。
加圧焼結する際に使用する容器や型の材質や形状に関しては、特に得られる本発明の複合焼結体の組成に影響を及ぼしたり、また焼結が行われている環境中において容器や型の変質、変形や破損などが起きなければ特に限定はない。この点を考慮すると、黒鉛製の容器や型が好ましく用いられる。
加圧焼結を実施する際の焼結温度は、1510℃以上1780℃以下、好ましくは1520℃以上1760℃以下であり、さらにより好ましくは1540℃以上1740℃以下の範囲である。焼結温度が1510℃未満では、十分に焼結が進行した焼結体が得られず、焼結体の相対密度が90%未満となり、3点曲げ強度も本発明で規定する250MPa未満の低いものとなる。一方、1780℃を超えた場合にも、本発明で規定する3点曲げ強度は250MPa未満の低いものとなるが、これは複合焼結体内において窒化ホウ素、サイアロン結晶相の成長が進んだ結果と推定され、その結果、加工時に割れや欠けが生じたり、ドリル刃の破損が起こる傾向が高まる。
また加圧焼成する場合にかける圧力は、10MPa以上50MPa以下、好ましくは11MPa以上45MPa以下、さらにより好ましくは13MPa以上40MPa以下の範囲である。圧力10MPa未満では、十分に焼結した密度の焼結体が得られず、複合焼結体の相対密度は90%未満となり、また3点曲げ強度も250MPa未満の低いものとなる。一方、50MPaを超える圧力がかけられるような装置は設備が大きくなり、コスト的に不利となる。
また加圧焼成の焼結時間(加圧保持時間も含む)は1時間以上5時間以下、好ましくは1.5時間以上4.5時間以下、さらにより好ましくは1.5時間以上4時間以下の範囲である。保持時間1時間未満では、焼結体内の特性の分布が大きくなり易いという問題があり、全体の強度が低下し、本発明で規定する3点曲げ強度は250MPa未満の低いものとなる。但し保持時間が5時間を超えると、複合焼結体内において窒化ホウ素、サイアロン結晶相の成長が過剰に進むため、その結果、複合焼結体に割れや欠けが生じたり、加工工具に与える摩耗や損傷が増える傾向がある。
本発明の複合焼結体の理論密度に対する相対密度は90%である。相対密度90%以上になると、複合焼結体内に連通する細孔が殆どなくなり、高精度で微細な機械加工を施しても大きな欠陥が生じ難い。なお前記相対密度は、複合焼結体の見かけ密度を、その理論密度で除した値(但し100倍した%表示)である。また前記複合焼結体の理論密度は、複合焼結体中の窒化ホウ素、サイアロン、焼結助剤の質量割合に拠って、各成分の真密度を按分して求めた値(即ち各成分の真密度の加重平均値)である。前記複合焼結体の見かけ密度は、アルキメデス法を適用した測定装置を用い、JIS R 1634:1998に準拠して得ることができる。
本発明の複合焼結体においては、窒化ホウ素に係るものとしてホウ素(B)の蛍光X線の強度の変動係数が3.0以下、かつサイアロンに係るものとしてシリコン(Si)の蛍光X線の強度の変動係数が0.8以下である。前記窒化ホウ素に係るホウ素(B)の変動係数が3.0を超える、またはサイアロンに係るシリコン(Si)変動係数が0.8を超えることは、複合焼結体内の窒化ホウ素またはサイアロンの各結晶相の偏在が大きくなるため、高精度で微細な機械加工は困難になる。なお本発明において、前記蛍光X線の強度の変動係数は、蛍光X線分析装置にて複合焼結体の表面10ヶ所のホウ素(B)およびシリコン(Si)について固有の蛍光X線(Kα線)の強度(単位:kcps)を測定し、それらの平均値と標準偏差から求めた値である。
本発明の複合焼結体においては、高精度で微細な機械加工が施されることを前提としているため、JIS R1601:2008に準拠して測定した3点曲げ強度が250MPa以上であることが必要である。3点曲げ強度が少なくとも250MPa以上はないと、複合焼結体を機械加工した際に割れや欠けが生じる。
本発明の複合焼結体においては、前記の通り3点曲げ強度が250MPa以上であることが必要であるが、さらにJIS Z2246:2000に準拠して測定したショア硬度が55以上75であることが好ましい。硬度が本発明で規定するように適度な範囲にないと、即ち十分な曲げ強度は備えていても、硬すぎて加工工具の損傷が増える傾向がある。
本発明の複合焼結体は、例えばシリコンウェハ上に形成されている半導体素子の検査装置に用いるプローブカード向けの材料、即ち微細な電気回路の間隔に合わせて、プローブ先端を圧接するための基板であるプローブ案内部材用として好ましい材料である。従って、複合焼結体の熱膨張係数も高純度シリコンの熱膨張係数に近いことが好ましく、具体的には25℃以上600℃以下の温度範囲における熱膨張係数が1×10−6/℃以上3×10−6/℃以下であることが好ましい。なお、前記熱膨張係数はJIS R1618:2002に示されている方法に準拠して測定した値である。
本発明の複合焼結体は、微細な機械加工、例えば厚さ1mmの板状とした本発明の複合焼結体に、直径40μmの丸穴を中心間距離60μmピッチの間隔で多数穿つような機械加工を受ける用途にも好ましく用いられることを目的しているが、加工中または加工後の機械的強度が不十分であると、割れや欠けなどの欠陥が発生する。そのため、本発明の複合焼結体では、3点曲げ強度が250MPa以上であり、ショア硬度が55以上75以下であることが好ましい。なお前記の3点曲げ強度は、JIS R1601:2008示されている方法に準拠して測定した値であり、また前記のショア硬度は、JIS Z2246:2000示されている方法に準拠して測定した値である。
本発明の複合焼結体が、本発明の課題を解決しているか否を確認する方法としては、例えば薄板状とした複合焼結体に多数の穴を実際に開け、その加工精度、複合焼結体の割れや欠けの発生状況を観察して評価する方法が適しており、実用に近い評価ができる。
例えばプローブ案内部材の細穴は、直径40〜100μmの場合が多いが、更に小さいものもある。一つの部品に500〜20,000個の穴の加工が施される。この場合、高精度で微細な機械加工精度が達成できたか否かの判定には、実際に加工して開けた穴そのものの形状、即ち設定した穴径とのズレや真円度や、穴位置の精度が目安となり、また穴と穴の間の壁に割れや欠けなどの破損の有無等が判断基準となる。
以下に、本発明の複合焼結体に係る実施例および比較例を示すが、即ち複合焼結体の製造方法を具体的に示し、また実際にプローブ案内部材として加工したときの評価結果を示すが、本発明はこの説明内容に限定されるものではない。
(実施例1の複合焼結体)
本発明の複合焼結体の原料粉末として、表1に示したとおり、六方晶窒化ホウ素粉末(GI値:15、比表面積:41m/g)の48質量部と、サイアロン粉末((式1)のZは0.5、比表面積:15m/g、)の46質量部と、焼結助剤であるアルミナ粉末(比表面積:14m/g、純度:99.99質量%以上)の1.5質量部、及びイットリア粉末(純度:99質量%、平均粒径:0.4μm)の4.5質量部とを、溶媒にエタノ−ルを使用したボ−ルミルにて十分に湿式混合した後、これを真空乾燥して複合焼結体の原料混合粉末を得た。前記原料混合粉末を内径80mmφの黒鉛製ダイスに充填し、焼結温度:1710℃、焼結圧力30MPa、焼結時間を3時間の条件でホットプレスした後、ダイスから取り出して、実施例1の複合焼結体を得た。
(相対密度の測定)
前記実施例1の複合焼結体については、外形を1mm程度研削し、アルキメデス法にてその見かけ密度を測定した。さらに前記見かけ密度を、表1に示した複合焼結体の各成分の質量比率に沿って求めた複合焼結体の理論密度で除すことにより、相対密度を算出(表記は%表示)した。この結果は表3に示した。
(変動係数の測定)
前記の複合焼結体から、幅40mm×厚さ3mm×長さ40mmに切り出し加工した試験片を作製し、蛍光X線分析装置(ZSX−PrimusII、RIGAKU社製)にて、試験片の表面10ヶ所の蛍光X線(Kα線)の強度(単位:kcps)を測定し、平均値と標準偏差より変動係数を求めた。この結果は表3に示した。
(3点曲げ強度の測定)
前記の複合焼結体から、幅4mm×厚さ3mm×長さ40mmに切り出し加工した試験片を用いて、JIS R1601:2008に準じ3点曲げ強度を測定した。この結果は表3に示した。
(熱膨張係数の測定)
前記の複合焼結体から、幅4mm×厚さ4mm×長さ20mmの試験片を切り出し加工し、熱膨張測定装置(TMA8301、RIGAKU社製)を用いて、25℃〜600℃の熱膨張係数を測定した。この結果は表3に示した。
(機械加工による評価)
前記の複合焼結体から、幅40mm×厚さ1mm×長さ40mmに切り出し加工した試験片を作製し、直径40μmの超硬マイクロドリル刃(以下ドリル刃という)を装着したマシニングセンターを用いて、回転数15,000rpmにて穴加工を乾式で行った。前記の試験片には60μmピッチ(穴−穴の隔壁設定値20μm、深さ200μm)の穴を合計400個開けて、穴径と穴位置をCNC光学測定器を用いて測定した。穴径と位置が±4μmの規格に入っているものを合格(○表示)とし、規格外を不合格(×表示)とした。また穴と穴の間の壁に割れや欠けの無いものを合格(○表示)し、割れや欠けが発生した場合を不合格(×表示)と判定した。また1本のドリル刃で400個の穴を全て加工できたものを合格(○表示)とし、ドリル刃の破損等で加工できなかったものを不合格(×表示)とした。これらの結果を表3に示す。なお壁の割れや欠けが発生したり、ドリル刃の破損が生じ場合には、穴径と穴位置の精度の評価はしなかった。
(実施例2〜16、比較例1〜14)
複合焼結体の原料混合粉末の配合、焼結温度、焼結圧力、焼結時間を表1〜表4に示した配合、焼結条件に変え、それ以外の原料混合粉末の混合条件、焼結に用いた装置等は実施例1と同様にして、実施例2〜16、比較例1〜14の複合焼結体を作製した。またそれらの各種評価は、実施例1と同様に実施し、実施例1の結果と併せて表3と表4に示した。
(比較例15)
複合焼結体の原料混合粉末の配合、焼結温度、焼結圧力、焼結条件を表2に示した配合、焼結条件に変え、また原料混合粉末の混合を乾式振動ミルにて実施した点を除いて実施例1と同様にしてセラミックス焼結体の作成し評価した。得られた各焼結体の評価結果は表4に示した。
Figure 2018158863
Figure 2018158863
Figure 2018158863
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表1及び表3に示される、本発明の規定を満たす実施例1〜15の複合焼結体、即ち窒化ホウ素40質量部以上60質量部以下と、下記の式1(但し式1において、Zは0.2以上、1.5以下)で示されるサイアロン25質量部以上58質量部以下と、焼結助剤を2質量部以上15質量部以下とを含んでなる合計100質量部の、相対密度が90%以上の複合焼結体であって、前記複合焼結体の蛍光X線の強度測定において、窒化ホウ素に係るものとしてホウ素(B)の蛍光X線の強度の変動係数が3.0以下、かつサイアロンに係るものとしてシリコン(Si)の蛍光X線の強度の変動係数が0.8以下、JIS R1601:2008に準拠して測定した3点曲げ強度が250MPa以上である複合焼結体は、いずれも良好な評価結果を得ており、本発明の目的が達成されていることが示された。
Si6−ZAl8−Z (式1)

Claims (4)

  1. 窒化ホウ素40質量部以上60質量部以下と、下記の式1(但し式1において、Zは0.2以上、1.5以下)で示されるサイアロン25質量部以上58質量部以下と、焼結助剤を2質量部以上15質量部以下とを含んでなる、相対密度が90%以上の複合焼結体であって、前記複合焼結体の蛍光X線の強度測定において、窒化ホウ素に係るものとしてホウ素(B)の蛍光X線の強度の変動係数が3.0以下、かつサイアロンに係るものとしてシリコン(Si)の蛍光X線の強度の変動係数が0.8以下、JIS R1601:2008に準拠して測定した3点曲げ強度が250MPa以上である複合焼結体。
    Si6−ZAl8−Z (式1)
  2. JIS R1618:2002に準拠して測定した25℃以上600℃以下の温度範囲における熱膨張係数が1×10−6/℃以上3×10−6/℃以下であり、JIS Z2246:2000に準拠して測定したショア硬度が55以上75以下である、請求項1記載の複合焼結体。
  3. プローブ案内部材用の材料である、請求項1または2記載の複合焼結体。
  4. 比表面積20m/g以上かつGI値が8以上の六方晶窒化ホウ素粉末と、比表面積6m/g以上のサイアロン粉末、及び/または比表面積6m/g以上の、窒化ケイ素粉末、窒化アルミニウム粉末、酸化アルミニウム粉末、酸化ケイ素粉末からなる群から選ばれる少なくとも2種類以上の粉末と、焼結助剤粉末とを混合して、複合焼結体の原料混合粉末を得る工程、前記原料混合粉末を保持温度1510℃以上1780℃以下、保持圧力10MPaG以上50MPaG以下、保持時間1時間以上5時間以下の条件で加圧焼結する工程を含む、請求項1〜3いずれか1項記載の複合焼結体の製造方法。
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