JP2018156992A - コイル部品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化を図りつつ、直流重畳特性の低下が抑制されたコイル部品およびその製造方法を提供する。【解決手段】 コイル部品10においては、磁性基板11を構成するNi−Zn系のフェライト材料におけるNiO含有率が24〜30mol%であり、このようなフェライト材料を採用することにより高い実効飽和磁束密度(Bms)が得られることを発明者らは新たに見出した。すなわち、上記フェライト材料を採用した磁性基板11では磁気飽和状態になりにくく、磁性基板を薄くしたときにコイル部品の直流重畳特性が低下する事態が効果的に抑制され得る。【選択図】図9
Description
本発明は、コイル部品およびその製造方法に関する。
従来のコイル部品として、たとえば特許文献1には、磁性基板上に、コイルと、該コイルを覆うとともに金属磁性粉末とポリマーとの複合体からなる上部カバー層とが設けられた構成のコイル部品が開示されている。
上述のようなコイル部品は、スマートフォン等の電子機器の電源回路に採用され得るが、電子機器の近年における小型化、高機能化および多機能化に対応すべく、コイル部品自体の小型化や特性向上が求められている。
コイル部品自体の小型化には、磁性基板を薄くすることが考えられるが、磁性基板を単に薄くしただけではコイル部品の直流重畳特性が低下するため、小型化と特性向上との両立が難しい。
そこで、本発明は、小型化を図りつつ、直流重畳特性の低下が抑制されたコイル部品およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係るコイル部品は、主面を有し、Ni−Zn系のフェライト材料で構成されるとともに、該フェライト材料におけるNiO含有率が24〜30mol%である磁性基板と、磁性基板の主面上に配置され、該主面の法線方向に沿うコイル軸を有するコイルと、磁性基板の主面上に設けられ、該主面側からコイルを覆う磁性樹脂層とを備える。
上記コイル部品においては、磁性基板を構成するNi−Zn系のフェライト材料におけるNiO含有率が24〜30mol%であり、このようなフェライト材料を採用することにより高い実効飽和磁束密度(Bms)が得られることを発明者らは新たに見出した。すなわち、上記フェライト材料を採用した磁性基板では磁気飽和状態になりにくく、磁性基板を薄くしたときにコイル部品の直流重畳特性が低下する事態が効果的に抑制されている。
本発明の他の側面に係るコイル部品では、磁性基板は、10MHz以下における複素透磁率(μ”)が35未満である。このような磁性基板によれば、高い実効飽和磁束密度が得られる。
本発明の他の側面に係るコイル部品では、磁性樹脂層が、コイルを挟んで磁性基板と対向する層状の被覆層部を有し、磁性基板の厚さが、磁性樹脂層の被覆層部の厚さよりも厚い。この場合、磁性基板のほうが磁性樹脂層よりも磁気飽和状態になりやすいが、上記フェライト材料で磁性基板を構成することで、磁性基板における磁気飽和状態が生じにくくなる。
本発明の一側面に係るコイル部品の製造方法は、Ni−Zn系のフェライト材料で構成されるとともに、該フェライト材料におけるNiO含有率が24〜30mol%である磁性基板を準備する工程と、磁性基板の主面上に、該主面の法線方向に沿うコイル軸を有するコイルを配置する工程と、磁性基板の主面上に、該主面側からコイルを覆う磁性樹脂層を形成する工程とを含む。
上記コイル部品の製造方法では、磁性基板を準備する工程において準備される磁性基板は、NiO含有率が24〜30mol%であるNi−Zn系のフェライト材料で構成されている。このようなフェライト材料を採用することにより高い実効飽和磁束密度(Bms)が得られることを発明者らは新たに見出した。すなわち、上記フェライト材料を採用した磁性基板では磁気飽和状態になりにくく、磁性基板を薄くしたときにコイル部品の直流重畳特性が低下する事態が効果的に抑制されている。
本発明によれば、小型化を図りつつ、直流重畳特性の低下が抑制されたコイル部品およびその製造方法が提供される。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
まず、図1及び図2を参照して、一実施形態に係る電源回路ユニット1の全体的な構成を説明する。本実施形態で説明する電源回路ユニットは、例えば、直流電圧の電圧変換(降圧)をおこなうスイッチング電源回路ユニット等である。図1及び図2に示されるように、電源回路ユニット1は、回路基板2と、電子部品3、4、5、6、10とを備えている。具体的には、回路基板2上に、電源IC3、ダイオード4、コンデンサ5、スイッチング素子6、及びコイル部品10が搭載された構成となっている。
図3〜図5を参照して、コイル部品10の構成について説明する。図3は、コイル部品10の斜視図である。図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図である。図5は、コイル部品の分解斜視図である。図5の分解斜視図では、図3の磁性樹脂層18の図示を省略している。
図3に示されるように、コイル部品10は、後述するコイル12が内部に設けられた素体7(磁性素体)と、素体7の主面7a上に設けられた絶縁層30とを備えている。素体7は、直方体形状の外形を有している。直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。素体7は、主面7aを有しており、主面7aは長辺および短辺を有する矩形状をなしている。矩形状には、角部が丸められている矩形が含まれる。
主面7aには、絶縁層30を介して端子電極20A、20Bが設けられている。端子電極20Aは、主面7aにおける一方の短辺に沿っており、端子電極20Bは、主面7aにおける他方の短辺に沿っている。端子電極20A、20Bは、主面7aにおける長辺に沿った方向に互いに離間している。
素体7は、例えば磁性材料で構成されている。具体的には、素体7は、磁性基板11と、磁性樹脂層18とで構成されている。
磁性基板11は、磁性材料で構成された略平板状の基板である(図5参照)。磁性基板11は、素体7の、主面7aとは反対側に位置している。磁性基板11の主面11a上に、磁性樹脂層18および後述するコイル12が設けられている。
磁性基板11は、具体的には、Ni−Zn系のフェライト材料で構成されている。本実施形態では、磁性基板11を構成するフェライト材料は、主材料としてFe2O3、NiOおよびZnOを含み、添加物としてTiO、CoO、Bi2O3、Ca2O3を含んでいる。また、本実施形態に係るフェライト材料では、Fe2O3の含有率が45〜49.5mol%、NiOの含有率が24〜30mol%、ZnOの含有率が19〜25mol%となっている。さらに、本実施形態に係るフェライト材料では、Fe2O3の純度は99.3%以上である。
磁性樹脂層18は、磁性基板11上に形成されており、後述するコイル12(図4及び図5参照)を内部に備えている。磁性樹脂層18の磁性基板11側の面18bとは反対側の面18aは、素体7の主面7aを構成している。磁性樹脂層18は、磁性粉とバインダ樹脂との混合物であり、磁性粉の構成材料は例えば鉄、カルボニル鉄、ケイ素、コバルト、クロム、ニッケル、又はホウ素等であり、バインダ樹脂の構成材料は例えばエポキシ樹脂である。磁性樹脂層18の全体の90%以上が、例えば磁性粉で構成されていてもよい。磁性樹脂層18の透磁率は10〜100(一例として、35)である。
磁性樹脂層18は、後述するコイル12の空芯部分(内径側の部分)に位置する空芯部18cと、コイル12の外周部分(外径側の部分)に位置する外周部18dと、コイル12を挟んで磁性基板11と対向する層状の被覆層部18eを含んでいる。磁性樹脂層18の被覆層部18eの厚さt1は、磁性基板11の厚さt2よりも薄くなるように設計されている。被覆層部18eの厚さt1および磁性基板11の厚さt2は、50〜200μmの範囲内で決定され得る。一例として、被覆層部18eの厚さt1は110μmであり、磁性基板11の厚さt2は145μmである。
素体7の主面7aに設けられた一対の端子電極20A、20Bはいずれも、膜状であり、平面視で略長方形形状を呈している。端子電極20A、20B各面積は、略同じである。端子電極20A、20Bは、例えばCu等の導電性材料によって構成されている。端子電極20A、20Bは、めっき形成により形成されためっき電極である。端子電極20A、20Bは、単層構造でも複数層構造でもよい。
図4及び図5に示されるように、コイル部品10の素体7は、内部に、(具体的には、磁性樹脂層18内)において、コイル12、被覆部17、引出導体19A、19Bを有する。
コイル12は、平面視において矩形状に巻回されている。コイル12は、例えばCu等の金属材料で構成されており、その軸心(コイル軸)が磁性基板11の主面11aおよび素体7の主面7aの法線方向(主面11aおよび素体7の主面7aに直交する方向)に沿って延びている。コイル12は、二層のコイル導体層で構成されており、コイル導体層として下コイル部13及び上コイル部14を備えると共に連結部15、16を備える。下コイル部13と上コイル部14とは、主面7aに直交する方向(コイル12の軸心方向)に並んでおり、上コイル部14が下コイル部13よりも主面7a側に位置している。下コイル部13と上コイル部14とは、巻回方向が同じである。連結部15は、下コイル部13と上コイル部14との間に介在して、下コイル部13の最も内側の巻回部分と上コイル部14の最も内側の巻回部分とを連結している。連結部16は、下コイル部13から主面7a側に延び、下コイル部13と引出導体19Bとを連結している。
被覆部17は、絶縁性を有し、絶縁性樹脂で構成されている。被覆部17に用いられる絶縁性樹脂としては、例えばポリイミド、又はポリエチレンテレフタレートが挙げられる。被覆部17は、素体7内において、コイル12の下コイル部13及び上コイル部14を一体的に覆っている。被覆部17は、下コイル部13、上コイル部14、及び連結部15のそれぞれを個別に覆っている。被覆部17は、積層構造を有し、本実施形態では五層の絶縁性樹脂層17a、17b、17c、17d、17eで構成されている(図5参照)。絶縁性樹脂層17aは、下コイル部13の下側(磁性基板11側)に位置し、平面視におけるコイル12の形成領域と略同じ領域に形成されている。絶縁性樹脂層17bは、下コイル部13の同一層内の周囲及び巻回部分の間を埋めており、コイル12の内径に対応する領域は開いている。絶縁性樹脂層17bは、磁性基板11に直交する方向に沿って延びている。絶縁性樹脂層17cは、下コイル部13と上コイル部14との間に挟まれる位置にあり、コイル12の内径に対応する領域が開いている。絶縁性樹脂層17dは、上コイル部14の同一層内の周囲及び巻回部分の間を埋めており、コイル12の内径に対応する領域が開いている。絶縁性樹脂層17eは、上コイル部14の上側(主面7a側)に位置し、コイル12の内径に対応する領域が開いている。
一対の引出導体19A、19Bは、例えばCuで構成されており、コイル12の両端部E1、E2それぞれから主面7aに直交する方向に沿って延びている。
引出導体19Aは、上コイル部14の最外の巻回部分に設けられたコイル12の一方の端部E1に接続されている。引出導体19Aは、磁性樹脂層18を貫通するようにしてコイル12の端部E1から素体7の主面7aまで延びて、主面7aに露出している。引出導体19Aの露出した部分に対応する位置に、端子電極20Aが設けられている。引出導体19Aは、絶縁層30の貫通孔31a内の導体部31によって、端子電極20Aに接続されている。これにより、引出導体19A及び導体部31を介して、コイル12の端部E1と端子電極20Aとが電気的に接続されている。
引出導体19Bは、下コイル部13の最外の巻回部分に設けられたコイル12の他方の端部E2に接続されている。引出導体19Bは、磁性樹脂層18を貫通するようにしてコイル12の端部E2から素体7の主面7aまで延びて、主面7aに露出している。引出導体19Bの露出した部分に対応する位置に、端子電極20Bが設けられている。引出導体19Bは、絶縁層30の貫通孔32a内の導体部32によって、端子電極20Bに接続されている。これにより、引出導体19B及び導体部32を介して、コイル12の端部E2と端子電極20Bとが電気的に接続されている。
素体7の主面7a上に設けられた絶縁層30は、主面7a上の一対の端子電極20A、20Bの間に介在している。本実施形態では、絶縁層30は、一対の引出導体19A、19Bを露出させているように、主面7aの全領域を覆うように設けられていると共に、長辺方向(一対の端子電極20A、20Bが隣り合っている方向)に交差する方向に延びて主面7aを横断する部分を含む。絶縁層30は、引出導体19A、19Bに対応する位置に貫通孔31a、32a(孔)を有している。貫通孔31a、32a内には、Cu等の導電性材料によって構成された導体部31、32が設けられている。絶縁層30は、絶縁性材料により構成されており、例えばポリイミド、エポキシ等の絶縁性樹脂で構成されている。
次に、図6〜図8を参照して、コイル部品10の製造方法について説明する。図6〜図8は、コイル部品10の製造工程を説明する図である。
まず、図6の(a)に示されるように、上述した磁性基板11を準備し、準備した磁性基板11の上に絶縁性樹脂ペーストパターンを塗布して、被覆部17の絶縁性樹脂層17aを形成する。続いて、図6の(b)に示されるように、絶縁性樹脂層17aの上に、下コイル部13をめっき形成するためのシード部22を形成する。シード部22は、所定のマスクを用いてめっきやスパッタリング等により形成することができる。続いて、図6の(c)に示されるように、被覆部17の絶縁性樹脂層17bを形成する。この絶縁性樹脂層17bは、磁性基板11の全面に絶縁性樹脂ペーストを塗布した後、シード部22に対応する部分を除去することで得ることができる。すなわち、絶縁性樹脂層17bは、シード部22を露出させる機能を有する。この絶縁性樹脂層17bは、磁性基板11上に立設された壁状の部分であり、下コイル部13形成される領域を画成する。続いて、図6の(d)に示されるように、絶縁性樹脂層17bの間においてシード部22を用いて、めっき層24を形成する。このとき、絶縁性樹脂層17bの間に画成された領域を充たすように成長するめっきが、下コイル部13となる。その結果、下コイル部13の巻回部分が隣り合う絶縁性樹脂層17bの間に位置するようになる。
続いて、図7の(a)に示されるように、絶縁性樹脂ペーストパターンを下コイル部13の上に塗布することにより、被覆部17の絶縁性樹脂層17cを形成する。その際、絶縁性樹脂層17cに、連結部15、16を形成するための開口部15’、16’を形成する。続いて、図7の(b)に示されるように、絶縁性樹脂層17cの開口部15’、16’に、連結部15、16をめっき形成する。
続いて、図7の(c)に示されるように、上述した工程と同様にして、絶縁性樹脂層17cの上に、上コイル部14および被覆部17の絶縁性樹脂層17d、17eを形成する。具体的には、図6の(b)〜(d)に示す手順と同様に、上コイル部14をめっき形成するためのシード部を形成し、上コイル部14が形成される領域を画成する絶縁性樹脂層17dを形成し、絶縁性樹脂層17dの間において上コイル部14をめっき形成する。
そして、絶縁性樹脂ペーストパターンを上コイル部14の上に塗布することにより、被覆部17の絶縁性樹脂層17eを形成する。その際、絶縁性樹脂層17eに、引出導体19A、19Bを形成するための開口部19A’、19B’を形成する。以上のように、被覆部17は、複数の絶縁性樹脂層17a〜17eを含む積層構造を有し、これらの絶縁性樹脂層17a〜17eによって、下コイル部13及び上コイル部14が取り囲まれる。
続いて、図7の(d)に示されるように、めっき層24のうち、下コイル部13及び上コイル部14を構成していない部分(下コイル部13及び上コイル部14の内径部及び外周部に対応する部分)をエッチング処理によって除去する。換言すると、図7の(c)の被覆部17に覆われていないめっき層24除去する。続いて、図8の(a)に示されるように、絶縁性樹脂層17eの開口部19A’に対応する位置に引出導体19Aを形成すると共に、開口部19B’に対応する位置に引出導体19Bを形成する。具体的には、所定のマスクを用いてめっきやスパッタリング等により、開口部19A’、19B’上に引出導体19A、19Bのためのシード部を形成し、当該シード部を用いて引出導体19A、19Bをめっき形成する。
続いて、図8の(b)に示されるように、磁性基板11の全面に磁性樹脂を塗布すると共に所定の硬化処理をおこない、磁性樹脂層18を形成する。それにより、被覆部17及び引出導体19A、19Bの周りが磁性樹脂層18で覆われる。このとき、コイル12の内径部分に磁性樹脂層18が充填される。続いて、図8の(c)に示されるように、引出導体19A、19Bが磁性樹脂層18から露出するように研磨する。
上記工程により、素体7の主面7aから引出導体19A、19Bが露出する素体7が得られ、素体7を準備する工程が終了する。
続いて、図8の(d)に示されるように、端子電極20A、20Bをめっき形成する前に、主面7a上に絶縁性樹脂ペースト等の絶縁性材料を塗布することにより、絶縁層30を形成する。絶縁層30を形成する際、主面7aの全体を覆うと共に、一対の引出導体19A、19Bに対応する位置に貫通孔31a、32aを形成し、絶縁層30から一対の引出導体19A、19Bを露出させる。具体的には、一旦、主面7aの全領域に絶縁性材料を塗布し、その後、引出導体19A、19Bに対応する箇所の絶縁層30を除去する。
そして、絶縁層30上に、所定のマスクを用いてめっきやスパッタリング等により、端子電極20A、20Bに対応する領域にシード部(図示せず)を形成する。シード部は、絶縁層30の貫通孔31a、32aから露出する引出導体19A、19B上にも形成される。続いて、当該シード部を用いて、端子電極20A、20Bを、無電解めっきにより形成する。このとき、めっきは、絶縁層30の貫通孔31a、32aを埋めるように成長して導体部31、32を形成すると共に、絶縁層30上の端子電極20A、20Bを形成する。以上によって、コイル部品10が形成される。
発明者らは、Ni−Zn系のフェライト材料を用いた磁性基板における各種特性について研究を重ねた結果、NiO含有率を所定の範囲内に設計することで、高い実効飽和磁束密度が得られるとの知見を得た。そこで、発明者らは、以下に示す実験をおこない、NiO含有率と実効飽和磁束密度との関係を確認した。
実験では、Ni−Zn系フェライト材料のNiO含有率が異なる複数の磁性基板を準備して、それぞれについて、実効飽和磁束密度(Bms)、残留磁束密度(Br)、保持力(Hc)、透磁率μ’および複素透磁率μ”を求めた。実験結果は、図9に示すとおりであった。
準備した磁性基板は、図9の表に示すとおり、実施例1の磁性基板ではNiO含有率が24.5mol%であり、実施例2、実施例2’および実施例2’’の磁性基板ではNiO含有率が26.5mol%であり、実施例3および実施例3’の磁性基板ではNiO含有率が29.5mol%である。なお、実施例2で用いた磁性基板は60mm径であり、実施例2’および実施例2’’で用いた磁性基板は6インチ径である。また、実施例2’では磁性基板の周縁部で測定し、実施例2’’では磁性基板の中央部で測定した。さらに、実施例3で用いた磁性基板は60mm径であり、実施例3’で用いた磁性基板は6インチ径である。比較例1の磁性基板ではNiO含有率が23.5mol%であり、比較例2および比較例3の磁性基板ではNiO含有率が30.5mol%であり、比較例4の磁性基板ではNiO含有率が19.5mol%である。
図9に示した実験結果から明らかなように、NiO含有率が24〜30mol%の範囲内である各実施例の磁性基板においては、実用上十分に高い値の実効飽和磁束密度(すなわち、495〜536mT)が得られた。一方、NiO含有率が24〜30mol%の範囲外である各比較例の磁性基板においては、上記実施例に係る磁性基板の実効飽和磁束密度の値に比べて顕著に低い値(すなわち、427〜476mT)となった。
すなわち、上述した磁性基板11のように、Ni−Zn系のフェライト材料におけるNiO含有率が24〜30mol%である磁性基板では、高い実効飽和磁束密度が得られる。換言すると、上記フェライト材料を採用した磁性基板11は磁気飽和状態になりにくい。そのため、コイル部品10の小型化を図るために、磁性基板11を薄くしたときであっても、コイル部品10の直流重畳特性が低下する事態を効果的に抑制され得る。
特に、上述した実施形態のように、磁性基板11の厚さt2が磁性樹脂層18の被覆層部18eの厚さt1よりも厚い構成(t2>t1)では、磁性樹脂層18よりも磁性基板11のほうが磁気飽和状態になりやすい。そこで、上記フェライト材料で磁性基板11を構成することで、磁性基板11における磁気飽和状態が生じにくくなり、直流重畳特性の低下が抑制され得る。
また、図9に示した実験結果から明らかなように、磁性基板11が10MHz以下における複素透磁率(μ”)が35未満である場合には、高い実効飽和磁束密度を得ることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他に適用してもよい。
例えば、コイル導体層の数等は、上記実施形態に限られない。例えば、コイル12を構成するコイル導体層の数は二つに限られず、一つ又は三つ以上であってもよい。
1…電源回路ユニット、7…素体、7a…主面、10…コイル部品、11…磁性基板、11a…主面、12…コイル、18…磁性樹脂層、18e…被覆層部。
Claims (4)
- 主面を有し、Ni−Zn系のフェライト材料で構成されるとともに、該フェライト材料におけるNiO含有率が24〜30mol%である磁性基板と、
前記磁性基板の主面上に配置され、該主面の法線方向に沿うコイル軸を有するコイルと、
前記磁性基板の主面上に設けられ、該主面側から前記コイルを覆う磁性樹脂層と
を備える、コイル部品。 - 前記磁性基板は、10MHz以下における複素透磁率が35未満である、請求項1に記載のコイル部品。
- 前記磁性樹脂層が、前記コイルを挟んで前記磁性基板と対向する層状の被覆層部を有し、
前記磁性基板の厚さが、前記磁性樹脂層の前記被覆層部の厚さよりも厚い、請求項1または2に記載のコイル部品。 - Ni−Zn系のフェライト材料で構成されるとともに、該フェライト材料におけるNiO含有率が24〜30mol%である磁性基板を準備する工程と、
前記磁性基板の主面上に、該主面の法線方向に沿うコイル軸を有するコイルを配置する工程と、
前記磁性基板の主面上に、該主面側から前記コイルを覆う磁性樹脂層を形成する工程と
を含む、コイル部品の製造方法。
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2017
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