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JP2018149520A - 水処理方法、水処理用マグネシウム剤、および水処理用マグネシウム剤の製造方法 - Google Patents

水処理方法、水処理用マグネシウム剤、および水処理用マグネシウム剤の製造方法 Download PDF

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JP2018149520A JP2017049102A JP2017049102A JP2018149520A JP 2018149520 A JP2018149520 A JP 2018149520A JP 2017049102 A JP2017049102 A JP 2017049102A JP 2017049102 A JP2017049102 A JP 2017049102A JP 2018149520 A JP2018149520 A JP 2018149520A
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宏樹 福田
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千晴 所
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Abstract

【課題】除去対象物質を含む水から、除去対象物質を短時間で不溶化、固液分離し、良好な水質の処理水を得て、分離した固形物を効率的に減容化できる水処理方法を提供する。【解決手段】塩基性炭酸マグネシウムを500〜700℃の範囲の温度で焼成したマグネシウム剤、および水酸化マグネシウムを450〜650℃の範囲の温度で焼成したマグネシウム剤のうち少なくとも1つを、除去対象物質を含む被処理水に添加する、水処理方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、マグネシウム化合物を用いる、ホウ素等の除去対象物質を含有する水の処理方法、その水処理に用いる水処理用マグネシウム剤、およびその水処理用マグネシウム剤の製造方法に関する。
各種産業で排出されるホウ素、フッ素、セレン、シリカ、重金属等の物質を高い濃度で含む排水は、それらの物質を排水基準以下まで処理して放流する必要がある。例えば、石炭を燃焼して発電等を行う発電設備では排ガスを浄化するための脱硫設備が設置され、例えば、アルカリ剤を溶解させた水により、排ガス中の硫黄分や集塵機で除去されなかった煤塵等を除去している。硫黄分や煤塵等を吸収した水は適宜、脱硫設備から脱硫排水として排出され、排水基準以下にまで処理されて海洋等に放流される。
この脱硫排水には、通常、石炭等に含まれるホウ素、フッ素、セレン、重金属(鉄、鉛、銅、クロム、カドミウム、水銀、亜鉛、ヒ素、マンガン、ニッケル等)等が含有される。中でもホウ素は、ホウ酸(HBO)等として高い濃度で含有されることがあり、200〜500mg−B/L程度存在することもある。
これらの物質を対象とした水処理では、安価かつ水中に残留しても有害性のほとんどないマグネシウム塩を添加し、それらの物質を不溶化して、不溶化物を固液分離で被処理水から分離する方法が用いられることがある。マグネシウム塩はこれらの物質を一括で不溶化することができることが知られている(特許文献1、特許文献2、非特許文献1参照)。
一方、シリカが含まれるシリカ含有水を回収再利用しようとする場合、配管や後段の逆浸透膜(RO)装置等におけるスケール発生が問題となるため、シリカ含有水の回収率の向上や安定運転が困難になる場合がある。そこで、シリカ含有水中のシリカの量を低減することが求められる。このシリカ含有水中のシリカの量を低減する方法として、マグネシウム塩を使用する方法が検討されている(非特許文献2参照)。
このようにマグネシウム塩は、水中の様々な物質、イオンを除去することができ、水処理剤として使用される。マグネシウム塩は、水中で溶解するとマグネシウムイオンとなるが、水を概ねpH10以上のアルカリ性に調整すると、ホウ素、フッ素等とマグネシウムが結合して不溶物を形成したり、あるいはマグネシウムと水酸化物イオンが結合して不溶化した水酸化マグネシウムに、ホウ素、フッ素等が吸着して不溶化する。これら不溶物を固液分離することで、水からホウ素、フッ素等の様々な物質を除去することができる。
マグネシウムは多量に産出される資源であり安価であるため、処理に要するランニングコストも低い。また、処理水を中性にして環境中に放流する際、有害性のほとんどないマグネシウムは、処理水に残留してもほとんど問題はないという優れた特徴を有する。
マグネシウム塩で工業的に水処理剤として利用可能なものとしては、塩化マグネシウム六水和物(MgCl・6HO)、塩基性炭酸マグネシウム(3MgCO・Mg(OH)・HO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、酸化マグネシウム(MgO)等がある。いずれのマグネシウム塩も、水中ではpH10以上のアルカリ性において除去対象物質を不溶化することができる。
これらのマグネシウム塩は、上記のような優れた特徴を有する反面、以下のような問題点もあった。まず、塩化マグネシウム・六水和物については、マグネシウム塩中のマグネシウム分が約12%と他のマグネシウム塩に比べて少なく、添加量が多く必要である。さらに、水酸基を含まないため、被処理水をアルカリ性にして除去対象物質を不溶化するためには、別途、苛性ソーダ等のアルカリ剤を添加する必要がある。
塩基性炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムは、マグネシウム分は塩化マグネシウム・六水和物より多く、分子内に塩基(水酸基)を含むものの、中性の水にはほとんど溶解しないことから、一度、被処理水に酸を添加して酸性としてから添加するか、またはマグネシウム塩そのものに酸を添加して水溶液としてから被処理水に添加する必要がある。被処理水があらかじめ酸性であればよいが、中性の場合は、酸を添加し、さらにマグネシウム塩添加後、被処理水のpHをアルカリ性にするためにアルカリ剤を添加する必要がある。また、酸添加後、マグネシウムのほとんどはマグネシウムイオンとなり、アルカリ剤でpH9.5以上となった際、除去対象物質と結合する以外の大部分のマグネシウムイオンは膨潤な水酸化マグネシウム(Mg(OH))スラリとなり、沈殿分離性、脱水性が悪いという課題がある。
酸化マグネシウムは、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムを500℃以上の高温で焼成したものであり、マグネシウム分が多く、水に溶解すると水酸化マグネシウムとなり、水はアルカリ性を呈する。また、アルカリ性となって生成する不溶物は、水酸化マグネシウムだけでなく、一部に酸化マグネシウムや炭酸マグネシウムの結晶を含むため、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムを水処理剤として形成させた水酸化マグネシウムを主とする不溶物スラリよりも沈殿分離性、脱水性が良いという特徴もある。
しかしながら、焼成条件によっては、酸化マグネシウムは水への溶解が遅いため、除去対象物質の不溶化反応に多くの時間がかかり、処理に時間を要すること、短時間で処理を行おうとすると、除去対象物質を十分不溶化できず処理水質が悪い、処理水質を良好にするには多量の酸化マグネシウムを添加する必要があるという課題があった。
特許第3355281号公報 特許第4558633号公報
井澤 彩、前田 素生、所 千晴、笹木 圭子,「水酸化マグネシウム共沈法における廃水中のホウ素除去機構の考察」,Journal of MMIJ, Vol.130, pp.155-161(2014) Isabel Latour, Ruben Miranda, Angeles Blanco, 「Silica removal with sparingly soluble magnesium compounds. Part I」, Separation and Purification Technology, 138(2014), pp.210-218
本発明の目的は、除去対象物質を含む水から、除去対象物質を短時間で不溶化、固液分離し、良好な水質の処理水を得て、分離した固形物を効率的に減容化できる水処理方法、その水処理に用いる水処理用マグネシウム剤、およびその水処理用マグネシウム剤の製造方法を提供することにある。
本発明は、塩基性炭酸マグネシウムを500〜700℃の範囲の温度で焼成したマグネシウム剤、および水酸化マグネシウムを450〜650℃の範囲の温度で焼成したマグネシウム剤のうち少なくとも1つを、除去対象物質を含む被処理水に添加する、水処理方法である。
前記水処理方法において、前記マグネシウム剤は、BET比表面積が85m/g以上であり、かつ結晶子サイズが110Å以下であることが好ましい。
前記水処理方法において、前記被処理水は、前記除去対象物質としてホウ素、フッ素、セレン、重金属もしくはそれらの化合物、またはシリカのうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
前記水処理方法において、前記被処理水への前記マグネシウム剤の添加後に除去対象物質の不溶化反応を行う工程と、不溶化された不溶化物を固液分離する工程と、をさらに含み、前記不溶化物を固液分離する前のpHが10以上となるような量の前記マグネシウム剤を前記被処理水に添加することが好ましい。
また、本発明は、塩基性炭酸マグネシウムおよび水酸化マグネシウムのうち少なくとも1つの焼成物を含んでおり、BET比表面積が85m/g以上であり、かつ結晶子サイズが110Å以下である、水処理用マグネシウム剤である。
また、本発明は、塩基性炭酸マグネシウムを500〜700℃の範囲の温度で焼成することによって、または水酸化マグネシウムを450〜650℃の範囲の温度で焼成することによって、マグネシウム剤を得る、水処理用マグネシウム剤の製造方法である。
前記水処理用マグネシウム剤の製造方法において、前記マグネシウム剤は、BET比表面積が85m/g以上であり、かつ結晶子サイズが110Å以下であることが好ましい。
本発明により、除去対象物質を含む水から、除去対象物質を短時間で不溶化、固液分離し、良好な水質の処理水を得て、分離した固形物を効率的に減容化できる水処理方法、その水処理に用いる水処理用マグネシウム剤、およびその水処理用マグネシウム剤の製造方法を提供することができる。
実施例1−1〜1−5および比較例1−1〜1−5における、各マグネシウム剤のX線回析スペクトルである。 実施例2−1〜2−5および比較例2−1〜2−2における、各マグネシウム剤のX線回析スペクトルである。 実施例1−1〜1−5および比較例1−1〜1−5における、各マグネシウム剤添加後1〜120分後の被処理水のpHの測定結果を示すグラフである。 実施例1−1〜1−5および比較例1−1〜1−5における、各マグネシウム剤添加後1〜120分後の被処理水中の溶存ホウ素残留率(%)の分析結果を示すグラフである。 実施例2−1〜2−5および比較例2−1〜2−2における、各マグネシウム剤添加後1〜120分後の被処理水のpHの測定結果を示すグラフである。 実施例2−1〜2−5および比較例2−1〜2−2における、各マグネシウム剤添加後1〜120分後の被処理水中の溶存ホウ素残留率(%)の分析結果を示すグラフである。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る水処理方法は、塩基性炭酸マグネシウムを500〜700℃の範囲の温度で焼成して得た酸化マグネシウムを主成分とするマグネシウム剤、および水酸化マグネシウムを450〜650℃の範囲の温度で焼成して得た酸化マグネシウムを主成分とするマグネシウム剤のうち少なくとも1つを、除去対象物質を含む被処理水に添加する方法である。この方法により、安価なマグネシウム塩を用いて、除去対象物質を含む水から、除去対象物質を短時間で不溶化、固液分離し、良好な水質の処理水を得て、分離した固形物を効率的に減容化することができる。また、安価なマグネシウム塩を効率的に使用することができるため、処理に要する薬品コストを低減することができる。本発明の実施形態に係る水処理用マグネシウム剤は、塩基性炭酸マグネシウムおよび水酸化マグネシウムのうち少なくとも1つの焼成物を含んでおり、BET比表面積が85m/g以上であり、かつ結晶子サイズが110Å以下である。本発明の実施形態に係る水処理用マグネシウム剤の製造方法は、塩基性炭酸マグネシウムを500〜700℃の範囲の温度で焼成することによって、または水酸化マグネシウムを450〜650℃の範囲の温度で焼成することによって、マグネシウム剤を得る方法である。
[マグネシウム剤]
本実施形態に係る水処理方法で用いられるマグネシウム剤を製造する原料としては、塩基性炭酸マグネシウム(mMgCO・Mg(OH)・nHO)および水酸化マグネシウム(Mg(OH))のうち少なくとも1つである。なお、塩基性炭酸マグネシウムは、Mg(OH)に対し、mが3〜5、nが3〜7となるものである。
原料を焼成する際の温度としては、塩基性炭酸マグネシウムが原料の場合、500〜700℃の範囲であり、500〜650℃の範囲が好ましく、550〜650℃の範囲がより好ましい。水酸化マグネシウムが原料の場合、450〜650℃の範囲であり、450〜550℃の範囲がより好ましい。この範囲の温度で原料を焼成することにより、脱水反応により原料中の水和水や水酸基等が脱離し、塩基性炭酸マグネシウムが原料の場合は、脱炭酸反応により炭酸も脱離し、酸化マグネシウムを主要成分とする物質が生成する。焼成による水和水、水酸基、炭酸等の脱離により、この物質は比表面積が大きなもの(例えば、BET比表面積が80m/g以上)となると考えられる。一方で、得られた酸化マグネシウムを主要成分とするマグネシウム剤の結晶子サイズは、700℃を超える温度で焼成した場合よりも小さく、結晶度は低い。このように、比表面積が大きい、結晶度が低い等の理由で、水中において従来の酸化マグネシウムよりも速く溶解できると考えられる。焼成温度が500℃未満では、水和水、水酸基、炭酸等を十分脱離させることができない等の原因で、比表面積が小さく、水中での溶解速度が高くならないと考えられる。一方、焼成温度が700℃を超える温度では、酸化マグネシウムを主要成分とする物質の結晶度が高く、水中で溶解しにくくなると考えられる。
焼成時間は、塩基性炭酸マグネシウムが原料の場合、焼成による重量減少が原料の重量の50%以上となる時間、好ましくは50%以上65%以下となる時間であり、水酸化マグネシウムが原料の場合、焼成による重量減少が原料の重量の25%以上となる時間、好ましくは25%以上30%未満となる時間であり、かつ、BET比表面積が85m/g以上、結晶子サイズが110Å以下となる時間であることが好ましい。
焼成に用いる原料の塩基性炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムは、水和水、水酸基、炭酸等を十分脱離させるために、粉末状(例えば、体積平均粒径で0.5μm〜30μm)、顆粒状(例えば、体積平均粒径で0.5μm〜2μm)のものを用いることが好ましい。
このようにして得られたマグネシウム剤のBET比表面積は、例えば、80m/g以上であり、85m/g以上であることが好ましく、100m/g以上であることがより好ましい。BET比表面積の上限は、特に制限はなく、大きければ大きいほどよい。マグネシウム剤のBET比表面積が80m/g未満であると、水中で溶解しにくくなる場合がある。マグネシウム剤のBET比表面積は、JIS8830:2013に基づく方法で測定することができる。
マグネシウム剤の結晶度を表す指標として、X線回折スペクトルの測定結果をもとにHalder−Wagner法で求めた結晶子サイズを用いることができる。水に対する溶解性の点から、この結晶子サイズが110Å以下であることが好ましく、100Å以下であることがより好ましい。結晶子サイズが110Åを超えると、結晶度が高く、水中で溶解しにくくなる場合がある。この結晶子サイズは小さければ小さいほどよい。
マグネシウム剤の粒径としては、体積平均粒径が1,000μm以下であることが好ましく、0.5μm〜30μmの範囲であることがより好ましい。マグネシウム剤の体積平均粒径が1,000μmを超えると、水中においても粒子内部が十分に水と接触できず、除去対象物質の不溶化に使われない剤の割合が多くなる。除去対象物質の不溶化後の固液分離において、この未使用分は固液分離速度を高める効果はあるが、未使用分が多すぎると、除去対象物質を十分に不溶化できず、処理水質が悪化したり、除去対象物質を十分に不溶化するためにマグネシウム剤の添加量が多量になることがある。体積平均粒径が0.5μm未満であると、使用時に風で飛散しやすいなど取り扱いが難しくなる場合がある。
焼成後のマグネシウム剤の体積平均粒径が1,000μmを超える場合は、焼成後の体積平均粒径がこの範囲になるような粒径の原料を使用するか、焼成後に破砕または篩にかける等の方法により、粒径を調整するのがよい。
[水処理方法]
本実施形態に係る水処理方法で用いられるマグネシウム剤は、水中に添加されると、一部は溶解してマグネシウムイオンと水酸化物イオンとなり、被処理水のpHが高くなる。このとき、マグネシウムイオンと不溶物を形成して共沈する物質であれば、上記マグネシウム剤による除去対象物質となる。また、被処理水のpHが高くなり、マグネシウムイオンと水酸化物イオンとが水酸化マグネシウムの不溶物を形成するが、この不溶物に吸着する物質も除去対象物質となる。すなわち、被処理水に含まれる除去対象物質としては、上記マグネシウム剤と不溶物を形成したり、不溶化した水酸化マグネシウム等に吸着して不溶化されるものであればよく、特に制限はないが、ホウ素(例えば、ホウ酸イオン)、フッ素(例えば、フッ化物イオン)、セレン(例えば、セレン酸イオン(SeO 2−:6価セレン)、亜セレン酸イオン(SeO 2−:4価セレン))、重金属(例えば、鉄、鉛、銅、クロム、カドミウム、水銀、亜鉛、ヒ素、マンガン、ニッケル等)もしくはそれらの化合物(例えば、ヒ酸)、またはシリカのうちの少なくとも1つであることが好ましい。
被処理水は、上記の除去対象物質のうちの少なくとも1つを含む水であればよく、特に制限はない。被処理水が上記の除去対象物質のうちの2つ以上を含む水である場合に、本実施形態に係る水処理方法が好適に適用される。被処理水としては、処理後に公共用水域等へ放流することを前提とした排水、または、利用後に逆浸透膜等の精製手段を用いて溶解性物質を除去して再利用することを前提とした水でもよい。前者の例としては、石炭火力発電所の脱硫排水やめっき排水、ガラス製造排水等が挙げられる。後者の場合、各種産業の工場での水回収システム内の水が対象となり、逆浸透膜処理工程の前段で本実施形態に係る水処理方法が実施され、逆浸透膜等の閉塞の原因となるシリカ等を低減することが主な目的となる。なお、本実施形態に係る水処理方法で用いられるマグネシウム剤は、水中の懸濁物質を凝集することができるため、被処理水には、除去対象物質以外の懸濁物質を含んでもよい。
被処理水中の除去対象物質の含有量は、例えば、0.01〜50mmol/Lの範囲であり、懸濁物質の含有量は、例えば、50〜1,000mg/Lの範囲である。
また、被処理水中のホウ素の含有量は、例えば、10mg/L〜550mg/Lの範囲であり、好ましくは20mg/L〜500mg/Lの範囲である。被処理水中のフッ素の含有量は、例えば、15mg/L〜950mg/Lの範囲であり、好ましくは20mg/L〜100mg/Lの範囲である。被処理水中のセレンの含有量は、例えば、0.1mg/L〜10mg/Lの範囲であり、好ましくは0.2mg/L〜2mg/Lの範囲である。被処理水中の重金属の含有量は、例えば、0.1mg/L〜100mg/Lの範囲であり、好ましくは0.1mg/L〜20mg/Lの範囲である。被処理水中のシリカの含有量は、例えば、10mg/L〜120mg/Lの範囲であり、好ましくは40mg/L〜120mg/Lの範囲である。本実施形態に係る水処理方法は、特に、100mg/L以上の高濃度のホウ素を含む被処理水に好適に適用することができる。
本実施形態に係る水処理方法は、塩基性炭酸マグネシウムを500〜700℃の範囲の温度で焼成したマグネシウム剤、および水酸化マグネシウムを450〜650℃の範囲の温度で焼成したマグネシウム剤のうち少なくとも1つを、除去対象物質を含む被処理水に添加する工程(添加工程)を含む。本実施形態に係る水処理方法は、被処理水へのマグネシウム剤の添加後に除去対象物質の不溶化反応を行う工程(不溶化工程)、不溶化工程で不溶化された不溶化物を固液分離する工程(固液分離工程)を含んでもよい。
添加工程において、マグネシウム剤を粉体のまま被処理水に添加してもよいし、マグネシウム剤を一度、除去対象物質や懸濁物質の含有量が少ない清澄な水(例えば、工業用水や本実施形態に係る水処理方法で処理した処理水等が挙げられ、それらを中性付近(例えばpH6〜8)のpHに調整した水)に添加し、その水を被処理水に添加してもよいが、操作が簡易である等の点から、マグネシウム剤を粉体のまま被処理水に添加することが好ましい。
添加されたマグネシウム剤は直ちに被処理水内によく分散させた方が効果をより発揮しやすいことから、被処理水へのマグネシウム剤の添加は、撹拌装置等によって被処理水が良く撹拌された状態で行うのがよい。
添加工程におけるマグネシウム剤の添加量は、被処理水中の除去対象物質の種類、濃度、および要求される処理水質(対象物質除去率)、共存物質等により異なるが、固液分離工程の前における被処理水のpHが10以上、好ましくは10.5以上になるような量を添加するのがよい。
例えば、被処理水に除去対象物質としてホウ素化合物(ホウ酸)が500mg−B/L含有され、海域排水基準230mg−B/L以下まで低減する場合、上記マグネシウム剤を被処理水に7.5〜10g/L添加すればよい。
不溶化工程は、マグネシウム剤の添加後、マグネシウムと除去対象物質とを反応させて、除去対象物質を不溶化させる工程である。本工程では、被処理水のpHを監視し、固液分離工程に移行する前のpHが10以上、好ましくは10.5以上となるようにするのがよい。
不溶化工程における反応温度は、例えば、被処理水が0℃以上で凍結しなければよいが、温度が高いほど除去対象物質の除去性能は良く、好ましくは15℃以上であり、より好ましくは20℃〜40℃の範囲である。
不溶化工程における反応時間は、除去対象物質の不溶化が十分に行われればよく、特に制限はないが、例えば、1分〜720分の範囲、好ましくは、10〜120分の範囲である。不溶化工程における反応時間が1分未満であると、除去対象物質の不溶化が十分に行われない場合があり、720分を超えても、除去対象物質のそれ以上大きな低減効果が得られない場合がある。
固液分離工程における固液分離方法としては、不溶化物と処理水とを分離できる方法であればよく、特に制限はない。固液分離方法としては、沈殿分離が最も簡易な操作であり好ましいが、微細気泡を供給して浮上分離させてもよいし、精密ろ過膜等による膜ろ過で行ってもよい。また、ろ布による真空吸引ろ過や加圧ろ過操作を行ってもよい。分離した固形分を含有したスラリをさらに、ろ布等を用いて真空吸引や加圧ろ過でろ過し、固液分離を行ってもよい。
なお、不溶化工程の後、固液分離工程の前で、固液分離工程における不溶化物の固液分離速度を高めるため、高分子凝集剤等の凝集剤を被処理水に添加し、不溶化物を凝集して、径が大きく強度の強い粒状物に成長させる工程(凝集工程)を設けてもよい。
凝集工程で用いられる凝集剤としては、無機凝集剤、高分子凝集剤等が挙げられ、高分子凝集剤としては、例えば、カチオン性のポリアクリルアミド等が挙げられる。高分子凝集剤等の凝集剤の添加量は、例えば、1〜10mg/Lの範囲、反応時間は、例えば3〜15分の範囲である。
本実施形態に係る水処理方法で得られた処理水は、海洋等の公共用水域等へ放流されてもよいし、再利用されてもよい。
本実施形態に係る水処理方法で得られた処理水中の除去対象物質の含有量は、例えば、30mmol/L以下であり、懸濁物質の含有量は、例えば、20mg/L以下である。
また、処理水中のホウ素の含有量は、例えば、250mg/L以下であり、好ましくは200mg/L以下である。処理水中のフッ素の含有量は、例えば、15mg/L以下であり、好ましくは8mg/L以下である。処理水中のセレンの含有量は、例えば、0.1mg/L以下であり、好ましくは0.05mg/L以下である。処理水中の重金属の含有量は、例えば、2mg/L以下であり、好ましくは1mg/L以下である。処理水中のシリカの含有量は、例えば、20mg/L以下であり、好ましくは10mg/L以下である。本実施形態に係る水処理方法により、特に、500mg/L以上の高濃度のホウ素を含む被処理水から、ホウ素の含有量が250mg/L以下の処理水を得ることができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1−1〜1−5,2−1〜2−5、比較例1−1〜1−5,2−1〜2−2>
[マグネシウム剤の調製]
塩基性炭酸マグネシウム(和光純薬工業社製、重質)5gを10測りとり、それぞれ、400℃(比較例1−1)、450℃(比較例1−2)、500℃(実施例1−1)、550℃(実施例1−2)、600℃(実施例1−3)、650℃(実施例1−4)、700℃(実施例1−5)、800℃(比較例1−3)、900℃(比較例1−4)、1000℃(比較例1−5)で、各温度に達してから1時間、電気炉内で焼成した。また、水酸化マグネシウム(和光純薬工業社製)5gを7つ測りとり、それぞれ、400℃(比較例2−1)、450℃(実施例2−1)、500℃(実施例2−2)、550℃(実施例2−3)、600℃(実施例2−4)、650℃(実施例2−5)、700℃(比較例2−2)で、各温度に達してから1時間、電気炉内で焼成した。
焼成後、放冷し、得られたそれぞれのマグネシウム剤のBET比表面積を、JIS8830:2013に基づく方法により島津製作所社製の比表面積測定装置(ASAP2010)で測定した。
さらに、各温度で焼成したマグネシウム剤の結晶状態を確認するため、X線回析装置(株式会社リガク製、RINT Ultima III)で、X線回析(XRD)スペクトルを測定した。なお、X線回析スペクトルの測定においては、酸化マグネシウムのピーク出現位置(横軸2θ(θ:ブラック角))の確認のため、酸化マグネシウム(和光純薬工業社製、和光一級、重質)のX線回析スペクトルを比較参照として測定した。このスペクトルの2θ=42.9°および62.2°のピークから、けい素(粉末、4N、関東化学社製、高純度)のスペクトルを外部標準として、Halder−Wagner法により結晶子サイズを計算した。なお、Halder−Wagner法は、ピークの積分幅を元に、(β/tanθ)=(Kλ/L)×[β/(tanθ×sinθ)]+16×eで表されるグラフをプロットし、傾き(Kλ/L)から結晶子サイズを計算する方法である。ここで、βはピークの積分幅、θはブラッグ角、KはScherrer定数、Lは結晶子サイズ、λはX線の波長、eは格子歪である。
焼成前後のマグネシウム剤の重量とその減量率(減量率(%)=(焼成前重量−焼成後重量)÷焼成前重量×100)、BET比表面積(m/g)、結晶子サイズ(Å)を表1,2に示し、X線回析スペクトルを図1,2に示す。
表1に示すように、塩基性炭酸マグネシウムを原料とした場合、比較例1−1の焼成温度400℃では減量率が26.8%と他の焼成温度の減量率よりも小さく、焼成温度450℃(比較例1−2)では減量率は51.2%と急激に大きくなっていることから、比較例1−1の400℃では炭酸等がマグネシウム剤の中に残留していると考えられる。実施例1−1以降の焼成温度500℃以上では焼成温度上昇に伴う減量率の増加は小さいことから、焼成温度500℃以上では水分、炭酸等が十分に気化したことが推定される。
図1に示すように、焼成温度500℃以上のXRDスペクトルには、比較参照として測定した既知の酸化マグネシウムのスペクトルと同じく、2θ=42°,62°にピークが現れた。このことから焼成温度500℃以上(実施例1−1〜1−5および比較例1−3〜1−5)では、いずれも酸化マグネシウムが主成分であることが確認された。
表1に示すように、マグネシウム剤の比表面積について、比較例1−1〜1−2の焼成温度450℃以下では、BET比表面積が36.0m/g以下と小さいのに対し、焼成温度が500℃〜700℃の実施例1−1〜1−5ではBET比表面積は大きく、85.4〜148m/gであった。なお、焼成温度が700℃を超えるとBET比表面積は小さくなる傾向にあり、焼成温度800℃以上の比較例1−3〜1−5のBET比表面積は119m/g以下であった。
一方、マグネシウム剤の結晶の大きさについて、XRDスペクトルをもとにHalder−Wagner法で計算した結晶子サイズを見ると、焼成温度が高くなるほど大きくなる傾向にあり、焼成温度450℃以下(比較例1−1〜1−2)では36.1Å以下であるのに対し、焼成温度500〜700℃(実施例1−1〜1−5)では54.0〜97.4Åであり、焼成温度800℃以上(比較例1−3〜1−5)では201Å以上であった。
表2に示すように、水酸化マグネシウムを原料とした場合、比較例2−1の焼成温度400℃では減量率が12.6%と他の焼成温度の減量率よりも小さく、焼成温度450℃(実施例2−1)では減量率は27.0%と急激に大きくなっていることから、比較例2−1の400℃では未脱水の水酸化マグネシウムがマグネシウム剤の中に残留していると考えられる。実施例2−1以降の焼成温度450℃以上では焼成温度上昇に伴う減量率の増加は小さいことから、焼成温度450℃以上では十分脱水したことが推定される。
図2に示すように、焼成温度450℃以上のXRDスペクトルには、比較参照として測定した既知の酸化マグネシウムのスペクトルと同じく、2θ=42°,62°にピークが現れた。このことから焼成温度450℃以上(実施例2−1〜2−5および比較例2−2)では、いずれも酸化マグネシウムが主成分であることが確認された。
表2に示すように、マグネシウム剤の比表面積について、比較例2−1の焼成温度400℃ではBET比表面積が81.9m/g以下と小さいのに対し、焼成温度が450℃〜650℃の実施例2−1〜2−5ではBET比表面積は大きく、111〜229m/gであった。なお、焼成温度が550℃を超えるとBET比表面積は小さくなる傾向にあり、焼成温度700℃以上の比較例2−2のBET比表面積は76.4m/gであった。
一方、マグネシウム剤の結晶の大きさについて、XRDスペクトルをもとにHalder−Wagner法で計算した結晶サイズを見ると、焼成温度が高くなるほど大きくなる傾向にあり、焼成温度400℃(比較例2−1)では54.8Å以下であるのに対し、焼成温度450〜650℃(実施例2−1〜2−5)では64.1〜107Åであり、焼成温度700℃(比較例2−2)では158Åであった。
[水処理方法]
ここでは、ホウ素含有水を対象に、塩基性炭酸マグネシウムまたは水酸化マグネシウムを各温度で焼成したマグネシウム剤で水処理を行った。
(操作手順)
ホウ素含有水は、蒸留水に、ホウ酸を、ホウ素濃度が約500mg/Lとなるよう添加し、さらにpHが7.0になるよう水酸化カリウムを添加して調製した。ホウ素含有水各300mLを10個のビーカに用意し、これらを被処理水(水温約20℃)とした。
各被処理水を撹拌しながら、それぞれに、実施例1−1〜1−5,2−1〜2−5および比較例1−1〜1−5,2−1〜2−2の製造方法で作製したマグネシウム剤の粉末をそれぞれ7.46g添加し、添加から720分間撹拌を継続しながら反応させた。この間、被処理水のpHをpHセンサで測定し続けるとともに、添加から1分後〜720分後(撹拌停止直前)に適宜、被処理水を0.5mL採水した。この採取した水は直ちに口径0.1μmのフィルタでろ過して不溶物を除去し、各反応時間における水中の残留ホウ素の濃度の分析試料とした。
さらに、720分の撹拌停止後、被処理水300mLを直ちに、口径0.45μmのろ紙で吸引ろ過した。このろ過に要する時間(秒)を計測した。
なお、被処理水中の残留ホウ素の濃度は、JIS 0102に規定される方法に基づき、ICP発光分析装置(Seiko Instruments製、SPS7800型)を用いてICP発光法で分析した。
(結果)
[塩基性炭酸マグネシウムを原料に焼成したマグネシウム剤を用いた場合]
塩基性炭酸マグネシウムを原料に焼成した各マグネシウム剤を添加して反応後120分後までの被処理水のpHの測定結果を図3に、被処理水中の溶存ホウ素を分析し、溶存ホウ素の残留率(被処理水中のホウ素に対する割合)を算出した結果を図4に示す。また、720分の反応後のろ紙によるろ過に要した時間を表3に示す。
各温度で焼成したマグネシウム剤を添加後のpHは、図3に示すように、各実施例1−1〜1−5では、反応10分で10.6以上となり、以後10.6〜10.8の範囲で推移した。焼成温度の低い比較例1−1〜1−2では反応10分以後は10.5以上となり10.5〜10.7で推移したが、焼成温度の高い比較例1−3〜1−5では30分後で10.2〜10.4、120分後も10.3〜10.4であった。
このとき被処理水中の溶存ホウ素残留率は、図4に示すように、焼成温度500〜700℃の実施例1−1〜1−5では、30分で64〜72%、60分で50〜62%、120分で28〜50%であった。これに対し、比較例1−1〜1−5では、反応30分で88〜100%、60分で77〜100%、120分で59〜97%であった。120分まででみると、同一反応時間での溶存ホウ素残留率は実施例1−1〜1−5のほうが比較例より顕著に低いことから、ホウ素の不溶化速度は、焼成温度500〜700℃のマグネシウム剤を添加した実施例1−1〜1−5のほうが明らかに高いと言える。
なお、720分という長時間反応させた後の溶存ホウ素の残留率は、実施例1−1〜1−5で21〜35%であった。比較例も焼成温度1000℃の比較例1−5以外は19〜40%であり、実施例とは大きな差は見られなかった(比較例1−5の溶存ホウ素残留率は60%)。
しかしながら、720分の反応後の被処理水をろ紙で吸引したときのろ過時間(ろ過に要した時間)は、表3に示すように、焼成温度400〜450℃の比較例1−1〜1−2では120〜180秒要したのに対し、実施例1−1〜1−5および比較例1−3〜1−5は32〜50秒であった。すなわち、焼成温度500〜700℃のマグネシウム剤を使用することで、不溶物の固液分離速度は顕著に高くなることが確認された。
これらの結果から、高いホウ素除去速度を有し、かつ高い固液分離速度も有するのは、塩基性炭酸マグネシウムを原料とし500〜700℃で焼成して得たマグネシウム剤を添加した実施例1−1〜1−5であることが示された。また、BET比表面積が85m/g以上であり、かつ結晶子サイズが110Å以下であるマグネシウム剤が好ましいことも示された。
[水酸化マグネシウムを原料に焼成したマグネシウム剤を用いた場合]
水酸化マグネシウムを原料に焼成した各マグネシウム剤を添加して反応120分後までの被処理水のpHの測定結果を図5に、被処理水中の溶存ホウ素を分析し、溶存ホウ素の残留率(被処理水中のホウ素に対する割合)を算出した結果を図6に示す。また、120分の反応後のろ紙によるろ過に要した時間を表4に示す。
各温度で焼成したマグネシウム剤を添加後のpHは、図5に示すように、各実施例2−1〜2−5では、反応10分で10.3以上となり、以後10.3〜10.7の範囲で推移した。焼成温度の低い比較例2−1や焼成温度の高い比較例2−2では反応10分で10.2〜10.3となり10.3〜10.4で推移し、実施例よりやや低いpHで推移した。
このとき被処理水中の溶存ホウ素残留率は、図6に示すように、焼成温度450〜600℃の実施例2−1〜2−5で、30分で67〜80%、60分で48〜66%、120分で27〜48%であった。これに対し、比較例2−1および2−2では、反応30分で87%、60分で75〜77%、120分で59〜64%であった。120分まででみると、残留ホウ素は実施例2−1〜2−5のほうが顕著に低いことから、ホウ素の不溶化速度は、焼成温度450〜650℃のマグネシウム剤を添加した実施例2−1〜2−5のほうが明らかに高いと言える。
なお、720分という長時間反応させた後の溶存ホウ素の残留率は、実施例2−1〜2−5で16〜24%であった。比較例2−2は17%で実施例と同等となったが、比較例2−1は56%で実施例と大きな差があった。
720分の反応後の被処理水をろ紙で吸引したときのろ過時間(ろ過に要した時間)は、表4に示すように、実施例2−1〜2−5および比較例2−1〜2−2とも28〜50秒であったが、実施例1−1〜1−5のろ過時間と比較すると大幅に短いろ過時間であった。すなわち、焼成温度450〜650℃のマグネシウム剤を使用することで、高い固液分離速度が得られることが確認された。
これらの結果から、高いホウ素除去速度を有し、かつ高い固液分離速度も有するのは、水酸化マグネシウムを原料とし450〜650℃で焼成して得たマグネシウム剤を添加した実施例2−1〜2−5であることが示された。また、BET比表面積が85m/g以上であり、かつ結晶子サイズが110Å以下であるマグネシウム剤が好ましいことも示された。
このように、塩基性炭酸マグネシウムを500〜700℃の範囲の温度で焼成したマグネシウム剤、および水酸化マグネシウムを450〜650℃の範囲の温度で焼成したマグネシウム剤のうち少なくとも1つを用いた実施例では、除去対象物質を含む水から、除去対象物質を短時間で不溶化、固液分離し、良好な水質の処理水を得て、分離した固形物を効率的に減容化できることが示された。

Claims (7)

  1. 塩基性炭酸マグネシウムを500〜700℃の範囲の温度で焼成したマグネシウム剤、および水酸化マグネシウムを450〜650℃の範囲の温度で焼成したマグネシウム剤のうち少なくとも1つを、除去対象物質を含む被処理水に添加することを特徴とする水処理方法。
  2. 請求項1に記載の水処理方法であって、
    前記マグネシウム剤は、BET比表面積が85m/g以上であり、かつ結晶子サイズが110Å以下であることを特徴とする水処理方法。
  3. 請求項1または2に記載の水処理方法であって、
    前記被処理水は、前記除去対象物質としてホウ素、フッ素、セレン、重金属もしくはそれらの化合物、またはシリカのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする水処理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水処理方法であって、
    前記被処理水への前記マグネシウム剤の添加後に除去対象物質の不溶化反応を行う工程と、
    不溶化された不溶化物を固液分離する工程と、
    をさらに含み、
    前記不溶化物を固液分離する前のpHが10以上となるような量の前記マグネシウム剤を前記被処理水に添加することを特徴とする水処理方法。
  5. 塩基性炭酸マグネシウムおよび水酸化マグネシウムのうち少なくとも1つの焼成物を含んでおり、BET比表面積が85m/g以上であり、かつ結晶子サイズが110Å以下であることを特徴とする水処理用マグネシウム剤。
  6. 塩基性炭酸マグネシウムを500〜700℃の範囲の温度で焼成することによって、または水酸化マグネシウムを450〜650℃の範囲の温度で焼成することによって、マグネシウム剤を得ることを特徴とする水処理用マグネシウム剤の製造方法。
  7. 請求項6に記載の水処理用マグネシウム剤の製造方法であって、
    前記マグネシウム剤は、BET比表面積が85m/g以上であり、かつ結晶子サイズが110Å以下であることを特徴とする水処理用マグネシウム剤の製造方法。
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