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JP2018145260A - 蓄光材料及び蓄光材料の製造方法 - Google Patents

蓄光材料及び蓄光材料の製造方法 Download PDF

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JP2018145260A JP2017039728A JP2017039728A JP2018145260A JP 2018145260 A JP2018145260 A JP 2018145260A JP 2017039728 A JP2017039728 A JP 2017039728A JP 2017039728 A JP2017039728 A JP 2017039728A JP 2018145260 A JP2018145260 A JP 2018145260A
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Abstract

【課題】人体に対して安全であって、かつ、良好な蓄光性を有し、化粧料用途に使用できる蓄光材料を提供する。【解決手段】式(1)で表される蓄光材料。その製造方法。当該蓄光材料を含んでなる化粧料。Na2Mg1−xSiO4:xMn2+(1)(xは0.005〜0.2の数)【選択図】図1

Description

本発明は、蓄光材料及び蓄光材料の製造方法に関する。
蓄光材料は、照射された光のエネルギーを蓄えて、光照射を止めた後も発光する性質を有する材料である。蓄光材料は、時計の文字盤やキーホルダー等の日用品の他、地下施設での避難誘導板等の材料として使用されている。近年では更に、マニキュア等の化粧料用途への展開が検討されているが、蓄光材料として最も有名な材料であるユーロピウム賦活アルミン酸ストロンチウムは、化粧品では使用できないストロンチウムを含んでおり、また、化粧品として使用実績のない希土類元素を発光中心としているため、化粧料用途には不向きである。このように、化粧料への用途展開のためには、人体に対して安全であることが求められるため、化粧品用途での使用実績のある元素から構成され、かつ、蓄光性を有する材料を開発することが望まれる。
化粧料用途への使用実績のある元素で構成された化合物としては、例えば、ナトリウム、マグネシウム、ケイ素、マンガン及び酸素を構成元素とする材料が報告されており、この材料が蛍光性を有することが報告されている(非特許文献1参照)。
Xuemei Zhu、外2名、「Synthesis, crystal structure, and luminescence properties of a novel green emitting phosphor Na2Mg1−xSiO4:xMn2+ 」、Optical Materials、62巻、2016年、p104−109
上述のとおり蓄光材料を化粧品用途に使用するためには、蓄光性に加え、人体に対して安全な材料であることが求められるが、それらを両立した材料は未だ見出されていないのが現状である。
本発明は、上記現状に鑑み、人体に対して安全であって、かつ、良好な蓄光性を有し、化粧料用途に使用することができる蓄光材料を提供することを目的とする。本発明はまた、そのような蓄光材料の最適な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ナトリウム、マグネシウム、ケイ素の複合酸化物に、マンガンをドープした、化粧品用途での使用実績のある元素のみから構成された材料が、蓄光性を有することを見出した。更に本発明者は、この材料の最適な製造方法も見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記式(1):
NaMg1−xSiO:xMn2+ (1)
(式中、xは、0.005〜0.2の数を表す。)で表されることを特徴とする蓄光材料である。
上記蓄光材料は化粧料用途に用いられることが好ましい。
本発明はまた、本発明の蓄光材料を含んでなることを特徴とする化粧料でもある。
本発明はまた、下記式(1):
NaMg1−xSiO:xMn2+ (1)
(式中、xは、0.005〜0.2の数を表す。)で表される蓄光材料を製造する方法であって、
該製造方法は、Na原子を含む化合物、Mg原子を含む化合物、Si原子を含む化合物、及び、Mn原子を含む化合物を乾式混合又は湿式混合する工程と、該混合工程で得られた混合物を還元雰囲気下、950〜1300℃で還元焼成する工程とを含むことを特徴とする蓄光材料の製造方法でもある。
上記製造方法は、混合工程で得られた混合物を、還元焼成工程の前に600〜1100℃で予備焼成する工程を含むことが好ましい。
本発明の蓄光材料は、人体に対して安全である元素から構成され、かつ、良好な蓄光性を有する材料であることから、化粧料用途にも好適に使用することができる。
実施例1、2及び比較例1で得られた粉体の熱ルミネッセンス測定結果である。
以下、本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
1.蓄光材料
本発明でいう蓄光材料とは、励起源を遮断しても発光し続け、励起源遮断後60秒が経過しても発光を維持できる材料をいい、励起源によって励起されているときのみ発光し、励起源遮断後の発光寿命が短いもしくはほぼない蛍光材料とはこの点で区別される。
上記蓄光材料は、励起源遮断60秒後の残光輝度が3mcd/m以上であることが好ましく、5mcd/m以上であることがより好ましく、さらに好ましくは10mcd/m以上である。
上記の特性を持つことにより、屋内等の励起光の少ない場所でも発光を長く維持できるため、化粧料の用途に好ましく用いることができる。
本発明の蓄光材料は、下記式(1):
NaMg1−xSiO:xMn2+ (1)
(式中、xは、0.005〜0.2の数を表す。)で表される構造を有する。
上記式(1)中、xは、0.005〜0.2の数を表すが、0.005〜0.1であることが好ましい。より好ましくは、0.005〜0.03である。
上記蓄光材料の形状は特に制限されないが、化粧料用途への適用を考えると、球状又は板状であることが好ましい。
球状であると、肌の上で転がるような感触となり、板状の場合には滑りがよくなる。
蓄光材料が粒子状の形状である場合、その平均粒子径は、1〜10μmであることが好ましい。このような範囲であると蓄光性と化粧料の材料としての使い易さとを十分に両立させることができる。平均粒子径は、より好ましくは、2〜8μmであり、更に好ましくは、3〜5μmである。
蓄光材料の平均粒子径は、レーザー回折型粒度分布測定装置により測定することができる。
2.化粧料
本発明の化粧料は、上述した本発明の蓄光材料を含んでなる。
化粧料に蓄光材料を含ませることで、肌を明るく見せたり、肌の色の見せ方を変えることができる。蓄光材料を含むことにより、屋内等の励起光の少ない場所でもこれらの効果を長く維持できる。
本発明の蓄光材料を使用する化粧料は特に制限されず、例えば、ファンデーション、化粧下地、アイシャドウ、頬紅、マスカラ、口紅等のメイクアップ製品、マニキュア、日焼け止めの他、スキンケア製品、頭髪製品等が挙げられる。
3.蓄光材料の製造方法
本発明の蓄光材料の製造方法は、下記式(1):
NaMg1−xSiO:xMn2+ (1)
(式中、xは、0.005〜0.2の数を表す。)で表される蓄光材料を製造する方法であって、
該製造方法は、Na原子を含む化合物、Mg原子を含む化合物、Si原子を含む化合物、及び、Mn原子を含む化合物を乾式混合又は湿式混合する工程と、
該混合工程で得られた混合物を還元雰囲気下、950〜1300℃で還元焼成する工程とを含む。
上記Na原子を含む化合物、Mg原子を含む化合物、Si原子を含む化合物、及び、Mn原子を含む化合物は特に制限されず、例えば、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩等のいずれのものであってもよいが、酸化物または炭酸塩であることが好ましい。
上記混合工程に供されるNa原子を含む化合物、Mg原子を含む化合物、Si原子を含む化合物、及び、Mn原子を含む化合物は、これらの元素を1つずつ含む4つの化合物(すなわち、Na原子の化合物、Mg原子の化合物、Si原子の化合物、及び、Mn原子の化合物)であってもよく、これらの元素のうちの複数を含む複合塩、複合酸化物や複合水酸化物であってもよい。複合酸化物の例としては、メタケイ酸ナトリウムが挙げられる。
上記Na原子を含む化合物、Mg原子を含む化合物、Si原子を含む化合物、及び、Mn原子を含む化合物を混合する工程において使用される材料に含まれる各原子の割合は、Si原子を基準とすると、Na原子は、Si原子1モルに対して、2モルであることが好ましい。
Mg原子は、Si原子1モルに対して、0.8〜0.995モルであることが好ましい。より好ましくは、0.9〜0.995モルであり、さらに好ましくは、0.97〜0.995モルである。
Mn原子は、Si原子1モルに対して、0.005〜0.2モルであることが好ましい。より好ましくは、0.005〜0.1モルであり、さらに好ましくは、0.005〜0.03モルである。
混合工程では、上記4つの原子の割合が上記のようなものとなるように、4つの原子の化合物が用いられることが好ましい。
上記Na原子を含む化合物、Mg原子を含む化合物、Si原子を含む化合物、及び、Mn原子を含む化合物を湿式混合する場合に使用する溶媒は特に制限されず、水もしくはメタノール、エタノール等のアルコール等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記混合工程における混合は、遊星ボールミル、ボールミル、ビーズミル、振動ミル、ブレンダ―、乳鉢混合、ハンドブレンド等を用いて行うことができる。
遊星ボールミルを用いる場合、150〜250rpmの回転数で30〜60分間混合を行うことが好ましい。
上記混合工程で得られた混合物を還元焼成する工程は、950〜1300℃で行われるが、960〜1280℃で行われることが好ましい。より好ましくは、980〜1250℃であり、更に好ましくは、1000〜1200℃である。
また、還元焼成する時間は、2〜8時間であることが好ましい。より好ましくは、3〜7時間であり、更に好ましくは、4〜6時間である。
このような温度及び時間で還元焼成工程を行うことで、蓄光材料をより蓄光性に優れたものとすることができる。
上記還元焼成工程は、混合工程で得られた混合物を還元雰囲気下で焼成する工程である。すなわち、還元焼成工程では還元剤として、一酸化炭素や水素等の還元性ガスを用いる。中でも、水素を用いることが好ましい。このような還元性ガスを用いて還元を行うことで、蓄光性に優れた材料を得ることができる。還元性ガスは1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記還元焼成工程は、一酸化炭素や水素等の還元性ガスのみからなる雰囲気で行ってもよく、還元性ガス以外のガスも含む雰囲気で行ってもよいが、窒素、アルゴン等の不活性ガス中に還元性ガスが含まれた雰囲気下で行うことが好ましく、雰囲気中の還元性ガス濃度を0.3〜5vol%として行う事が好ましい。より好ましくは、0.5〜3vol%である。
上記蓄光材料の製造方法は、混合工程で得られた混合物を、還元焼成工程の前に600〜1100℃で予備焼成する工程を含むことが好ましい。予備焼成を行うことで還元焼成前に混合工程で得られた混合物中の炭酸等の原料由来で発生するガスを効率よく除去することができる。また、還元焼成の前に焼成による反応を開始させることができ、還元焼成工程における反応を効率よく進めることができる。このような予備焼成を行うことで製造される蓄光材料をより蓄光性に優れたものとすることができる。
予備焼成の雰囲気は特に限定されず、還元雰囲気、酸素含有雰囲気、不活性雰囲気等が挙げられる。中でも、酸素含有雰囲気が好ましく、大気雰囲気がより好ましい。
予備焼成の温度は、より好ましくは、700〜1050℃であり、更に好ましくは、800〜1000℃である。
また、予備焼成する時間は、0.5〜8時間であることが好ましい。更に好ましくは、2〜5時間である。
また上記蓄光材料の製造方法では、得られる蓄光材料の粒子成長を促進させること等を目的としてフラックス剤を使用してもよい。
フラックス剤を添加する時期は、還元焼成工程の前であれば特に制限されず、混合工程に供されるいずれかの材料に予め添加しておいてもよく、混合工程において添加してもよく、予備焼成工程と還元焼成工程との間に添加してもよい。
フラックス剤としては、特に限定されず、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フッ化アンモニウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記混合工程においてフラックス剤を用いる場合、フラックス剤の使用量は混合工程に供される材料の合計質量に対して、0.3〜2.5質量%であることが好ましい。このような割合で使用することで、フラックス剤を用いることの効果を十分に発揮することができる。より好ましくは、0.6〜1.5質量%であり、更に好ましくは、0.7〜1.2質量%である。
本発明の蓄光材料の製造方法は、上述した混合工程、予備焼成工程、還元焼成工程以外の他の工程を含んでいてもよい。他の工程としては、湿式混合後の材料を乾燥させる工程、焼成後の材料を粉砕する工程、濾過する工程、洗浄する工程、分級する工程、表面処理する工程等が挙げられる。また、予備焼成工程、還元焼成工程を2回以上行っても良い。
本発明を詳細に説明するために以下に具体例を挙げるが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。特に断りのない限り、「%」及び「wt%」とは「重量%(質量%)」を意味する。なお、各物性の測定方法は以下の通りである。
実施例1
メタケイ酸ナトリウム九水和物(和光純薬工業社製)52.6g、塩基性炭酸マグネシウム(神島化学工業社製GP−30N)18.9g、炭酸マンガン(中央電気工業社製C2−SP)0.22gを秤量し、ビニール袋に入れて5分間振り混ぜ乾式混合した。ついで、その混合粉をアルミナ製坩堝に充填して、大気雰囲気中で200℃/hで1000℃まで昇温し、そのまま4時間保持後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕した。その粉砕物をアルミナ製坩堝に充填して、水素を2体積%含む窒素雰囲気中で200℃/hで1200℃まで昇温し、そのまま6時間保持することで、還元焼成を行った。その後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕することで、粉体1を得た。
実施例2
還元焼成の雰囲気を、水素を0.5体積%含む窒素雰囲気に変更した以外は実施例1と同様にして、粉体2を得た。
実施例3
還元焼成の雰囲気を、水素を3体積%含む窒素雰囲気に変更した以外は実施例1と同様にして、粉体3を得た。
実施例4
メタケイ酸ナトリウム九水和物(和光純薬工業社製)52.6g、塩基性炭酸マグネシウム(神島化学工業社製GP−30N)18.9g、炭酸マンガン(中央電気工業社製C2−SP)0.22g、ホウ酸(U.S.Borax社製)0.56gを秤量し、容量が300mlのポットに加えた。さらに純水100mlと直径3mmのアルミナビーズ225gをポットに加えて、遊星ボールミルを用いて回転数250rpmで30分かけて充分に湿式混合粉砕した。混合スラリーを130℃の乾燥機で一晩蒸発乾燥させて混合粉を得た。ついで、その混合粉をアルミナ製坩堝に充填して、大気雰囲気中で200℃/hで1000℃まで昇温し、そのまま4時間保持後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕した。その粉砕物をアルミナ製坩堝に充填して、水素を2体積%含む窒素雰囲気中で200℃/hで1200℃まで昇温し、そのまま6時間保持することで、還元焼成を行った。その後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕することで、粉体4を得た。
実施例5
還元焼成の温度を1000℃に変更した以外は実施例4と同様にして、粉体5を得た。
実施例6
炭酸マンガンの量を0.55gに変更した以外は実施例4と同様にして、粉体6を得た
実施例7
メタケイ酸ナトリウム九水和物(和光純薬工業社製)17.5g、塩基性炭酸マグネシウム(神島化学工業社製GP−30N)6.2g、炭酸マンガン(中央電気工業社製C2−SP)0.18g、ホウ酸(U.S.Borax社製)0.19gを秤量し、ビニール袋に入れて5分間振り混ぜ乾式混合した。ついで、その混合物をアルミナ製坩堝に充填して、大気雰囲気中で200℃/hで1000℃まで昇温し、そのまま4時間保持後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕した。その粉砕物をアルミナ製坩堝に充填して、水素2体積%の水素、窒素混合雰囲気中で200℃/hで1200℃まで昇温し、そのまま6時間保持することで、還元焼成を行った。その後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕することで、粉体7を得た。
実施例8
メタケイ酸ナトリウム九水和物(和光純薬工業社製)17.4g、塩基性炭酸マグネシウム(神島化学工業社製GP−30N)5.8g、炭酸マンガン(中央電気工業社製C2−SP)0.55g、ホウ酸(U.S.Borax社製)0.09gを秤量し、ビニール袋に入れて5分間振り混ぜ乾式混合した。ついで、その混合物をアルミナ製坩堝に充填して、水素2体積%の水素、窒素混合雰囲気中で200℃/hで1200℃まで昇温し、そのまま6時間保持することで、還元焼成を行った。その後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕することで、粉体8を得た。
実施例9
炭酸ナトリウム(関東化学社製)19.4g、二酸化けい素(和光純薬工業社製)11.0g、塩基性炭酸マグネシウム(神島化学工業社製GP−30N)18.9g、炭酸マンガン(中央電気工業社製C2−SP)0.22g、ホウ酸(U.S.Borax社製)0.56gを秤量し、容量が300mlのポットに加えた。さらに純水125mlと直径3mmのアルミナビーズ225gをポットに加えて、遊星ボールミルを用いて回転数250rpmで30分かけて充分に湿式混合粉砕した。混合スラリーを130℃の乾燥機で一晩蒸発乾燥させて混合粉を得た。ついで、その混合粉をアルミナ製坩堝に充填して、大気雰囲気中で200℃/hで1000℃まで昇温し、そのまま4時間保持後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕した。その粉砕物をアルミナ製坩堝に充填して、水素を2体積%含む窒素雰囲気中で200℃/hで1200℃まで昇温し、そのまま6時間保持することで、還元焼成を行った。その後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕することで、粉体9を得た。
実施例10
炭酸ナトリウム(関東化学社製)12.8g、二酸化けい素(和光純薬工業社製)7.2g、塩基性炭酸マグネシウム(神島化学工業社製GP−30N)11.6g、炭酸マンガン(中央電気工業社製C2−SP)0.3g、ホウ酸(U.S.Borax社製)0.37gを秤量し、エタノール13gを添加して乳鉢を用いて20分かけて充分に湿式混合した。混合スラリーを130℃の乾燥機で一晩蒸発乾燥させて混合粉を得た。ついで、その混合粉をアルミナ製坩堝に充填して、大気雰囲気中で200℃/hで600℃まで昇温し、そのまま1時間保持後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕した。その粉砕物をアルミナ製坩堝に充填して、水素を2体積%含む窒素雰囲気中で200℃/hで950℃まで昇温し、そのまま2時間保持することで、還元焼成を行った。その後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕することで、粉体10を得た。
比較例1
炭酸ナトリウム(関東化学社製)12.8g、二酸化けい素(和光純薬工業社製)7.2g、塩基性炭酸マグネシウム(神島化学工業社製GP−30N)11.6g、炭酸マンガン(中央電気工業社製C2−SP)0.3g、ホウ酸(U.S.Borax社製)0.37gを秤量し、エタノール13gを添加して乳鉢を用いて20分かけて充分に湿式混合した。混合スラリーを130℃の乾燥機で一晩蒸発乾燥させて混合粉を得た。ついで、その混合粉をアルミナ製坩堝に充填して、大気雰囲気中で200℃/hで600℃まで昇温し、そのまま1時間保持後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕した。
活性炭(関東化学社製)を入れたアルミナ製坩堝の中に、一回り小さいアルミナ製坩堝を置き、その中にも活性炭を入れた。さらに、中の坩堝より一回り小さい磁性坩堝を入れてその中に粉砕した焼成粉を入れた。活性炭を入れた2つのアルミナ製坩堝に蓋をして、大気雰囲気中で200℃/hで950℃まで昇温し、そのまま2時間保持後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕することで、粉体11を得た。
比較例2、3、4
炭酸マンガンの量を、1.2g、2.2g、2.9gと変更した以外は比較例1と同様にして、粉体12、粉体13、粉体14を得た。
蓄光性評価
得られた粉体に、紫外線ランプ(AS ONE、Handy UV Lamp SLUV−4)を用いて254nmの紫外線を高さ5cmから10分間照射した後、残光の輝度を、輝度計(トプコン社製BM−100)を用いて測定した。
測定して得られた結果のうち、励起光を遮断してから60秒経過したとき、及び120秒経過したときの残光の輝度を表1にまとめる。
なお、表1中、混合方法の欄は、湿式もしくは乾式であることを示し、Mn添加量(x値)は、下記式(1):
NaMg1−xSiO:xMn2+ (1)
中のxの値を示す。
Figure 2018145260
熱ルミネッセンス測定
実施例1、2及び比較例1で得られた粉体を、それぞれ試料ホルダーに充填し、粉体を充填した試料ホルダーを冷却加熱ステージ上に固定し、充填した粉体の表面温度を測定できるように熱電対を設置した。
まず、30℃/minの降温速度で、液体窒素を使用して、粉体表面の温度が−50℃以下になるように降温した。その後、−50℃以下の温度を保持しつつ、紫外線ランプを用いて254nmの紫外線を、冷却加熱ステージからの高さが5cmの位置から10分間照射した。紫外線照射後、10℃/minで昇温しながら、そのときの発光の強度を光電子増倍管を用いて測定した。得られたスペクトルを図1に示す。
表1に示すように、先行文献に記載の、活性炭を還元剤として使用した条件では、残光を示す粉体が得られなかったのに対して、還元剤として還元性ガスである水素を使用した条件では、残光を示す粉体が得られることがわかった。
また、図1の比較例1のスペクトルにはピークが見られないのに対して、実施例1及び2では、10℃から20℃の間でピークが見られた。熱ルミネッセンス測定は、蓄光体等が蓄積したエネルギーを放出する温度を評価するのに使われるが、比較例ではエネルギーを蓄積することができないのに対し、実施例では室温付近でエネルギーを放出することができるために残光を示すことを表している。
評価例(化粧料としての評価)
実施例1で得られた粉体1を用いて、以下の表2にあるような配合で、パウダーファンデーションF1を調製した。また、本発明の蛍光体粒子を含有しないパウダーファンデーションF2を下記配合表3にあるような配合で調製した。なお、下記ファンデーションに用いた材料は、表のグレードのとおりであり、粉体1以外はすべて化粧品グレードのものである。
Figure 2018145260
Figure 2018145260
表2、3の配合で各素材を測り採り、コーヒーミルを用いて1分30秒間攪拌混合した。得られた粉体状の混合物を、直径20mmφの金型に0.8g測り採り、プレス機を用いて、200kgf/cmの圧力にて30秒間保持して、パウダーファンデーションF1及びF2を得た。
パウダーファンデーションF1及びF2を肌模型に塗布し、254nmブラックライトで照射し、照射を終えて60秒経過したときの肌の見え方について、番号を分からないようにして10人のパネラーによる評価を行った。赤味の抑制され方を5段階で評価した結果を表4に示す。なお、評価の基準は以下のとおりである。
5:8人以上または全員が赤味の抑制を感じた
4:5〜7人が赤味の抑制を感じた
3:2〜4人が赤味の抑制を感じた
2:1人が赤味の抑制を感じた
1:赤味の抑制を感じた人がいなかった
Figure 2018145260
化粧料として配合した場合、緑色の残光を示すため赤みを抑制することができ、良好な化粧外観を実現できることが確認された。

Claims (5)

  1. 下記式(1):
    NaMg1−xSiO:xMn2+ (1)
    (式中、xは、0.005〜0.2の数を表す。)で表されることを特徴とする蓄光材料。
  2. 前記蓄光材料は化粧料用途に用いられることを特徴とする請求項1に記載の蓄光材料。
  3. 請求項1に記載の蓄光材料を含んでなることを特徴とする化粧料。
  4. 下記式(1):
    NaMg1−xSiO:xMn2+ (1)
    (式中、xは、0.005〜0.2の数を表す。)で表される蓄光材料を製造する方法であって、
    該製造方法は、Na原子を含む化合物、Mg原子を含む化合物、Si原子を含む化合物、及び、Mn原子を含む化合物を乾式混合又は湿式混合する工程と、
    該混合工程で得られた混合物を還元雰囲気下、950〜1300℃で還元焼成する工程とを含むことを特徴とする蓄光材料の製造方法。
  5. 前記製造方法は、混合工程で得られた混合物を、還元焼成工程の前に600〜1100℃で予備焼成する工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の蓄光材料の製造方法。
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