JP2018145260A - 蓄光材料及び蓄光材料の製造方法 - Google Patents
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化粧料用途への使用実績のある元素で構成された化合物としては、例えば、ナトリウム、マグネシウム、ケイ素、マンガン及び酸素を構成元素とする材料が報告されており、この材料が蛍光性を有することが報告されている(非特許文献1参照)。
Na2Mg1−xSiO4:xMn2+ (1)
(式中、xは、0.005〜0.2の数を表す。)で表されることを特徴とする蓄光材料である。
本発明はまた、本発明の蓄光材料を含んでなることを特徴とする化粧料でもある。
Na2Mg1−xSiO4:xMn2+ (1)
(式中、xは、0.005〜0.2の数を表す。)で表される蓄光材料を製造する方法であって、
該製造方法は、Na原子を含む化合物、Mg原子を含む化合物、Si原子を含む化合物、及び、Mn原子を含む化合物を乾式混合又は湿式混合する工程と、該混合工程で得られた混合物を還元雰囲気下、950〜1300℃で還元焼成する工程とを含むことを特徴とする蓄光材料の製造方法でもある。
上記製造方法は、混合工程で得られた混合物を、還元焼成工程の前に600〜1100℃で予備焼成する工程を含むことが好ましい。
本発明でいう蓄光材料とは、励起源を遮断しても発光し続け、励起源遮断後60秒が経過しても発光を維持できる材料をいい、励起源によって励起されているときのみ発光し、励起源遮断後の発光寿命が短いもしくはほぼない蛍光材料とはこの点で区別される。
上記蓄光材料は、励起源遮断60秒後の残光輝度が3mcd/m2以上であることが好ましく、5mcd/m2以上であることがより好ましく、さらに好ましくは10mcd/m2以上である。
上記の特性を持つことにより、屋内等の励起光の少ない場所でも発光を長く維持できるため、化粧料の用途に好ましく用いることができる。
本発明の蓄光材料は、下記式(1):
Na2Mg1−xSiO4:xMn2+ (1)
(式中、xは、0.005〜0.2の数を表す。)で表される構造を有する。
球状であると、肌の上で転がるような感触となり、板状の場合には滑りがよくなる。
蓄光材料の平均粒子径は、レーザー回折型粒度分布測定装置により測定することができる。
本発明の化粧料は、上述した本発明の蓄光材料を含んでなる。
化粧料に蓄光材料を含ませることで、肌を明るく見せたり、肌の色の見せ方を変えることができる。蓄光材料を含むことにより、屋内等の励起光の少ない場所でもこれらの効果を長く維持できる。
本発明の蓄光材料を使用する化粧料は特に制限されず、例えば、ファンデーション、化粧下地、アイシャドウ、頬紅、マスカラ、口紅等のメイクアップ製品、マニキュア、日焼け止めの他、スキンケア製品、頭髪製品等が挙げられる。
本発明の蓄光材料の製造方法は、下記式(1):
Na2Mg1−xSiO4:xMn2+ (1)
(式中、xは、0.005〜0.2の数を表す。)で表される蓄光材料を製造する方法であって、
該製造方法は、Na原子を含む化合物、Mg原子を含む化合物、Si原子を含む化合物、及び、Mn原子を含む化合物を乾式混合又は湿式混合する工程と、
該混合工程で得られた混合物を還元雰囲気下、950〜1300℃で還元焼成する工程とを含む。
上記混合工程に供されるNa原子を含む化合物、Mg原子を含む化合物、Si原子を含む化合物、及び、Mn原子を含む化合物は、これらの元素を1つずつ含む4つの化合物(すなわち、Na原子の化合物、Mg原子の化合物、Si原子の化合物、及び、Mn原子の化合物)であってもよく、これらの元素のうちの複数を含む複合塩、複合酸化物や複合水酸化物であってもよい。複合酸化物の例としては、メタケイ酸ナトリウムが挙げられる。
Mg原子は、Si原子1モルに対して、0.8〜0.995モルであることが好ましい。より好ましくは、0.9〜0.995モルであり、さらに好ましくは、0.97〜0.995モルである。
Mn原子は、Si原子1モルに対して、0.005〜0.2モルであることが好ましい。より好ましくは、0.005〜0.1モルであり、さらに好ましくは、0.005〜0.03モルである。
混合工程では、上記4つの原子の割合が上記のようなものとなるように、4つの原子の化合物が用いられることが好ましい。
遊星ボールミルを用いる場合、150〜250rpmの回転数で30〜60分間混合を行うことが好ましい。
また、還元焼成する時間は、2〜8時間であることが好ましい。より好ましくは、3〜7時間であり、更に好ましくは、4〜6時間である。
このような温度及び時間で還元焼成工程を行うことで、蓄光材料をより蓄光性に優れたものとすることができる。
上記還元焼成工程は、一酸化炭素や水素等の還元性ガスのみからなる雰囲気で行ってもよく、還元性ガス以外のガスも含む雰囲気で行ってもよいが、窒素、アルゴン等の不活性ガス中に還元性ガスが含まれた雰囲気下で行うことが好ましく、雰囲気中の還元性ガス濃度を0.3〜5vol%として行う事が好ましい。より好ましくは、0.5〜3vol%である。
予備焼成の雰囲気は特に限定されず、還元雰囲気、酸素含有雰囲気、不活性雰囲気等が挙げられる。中でも、酸素含有雰囲気が好ましく、大気雰囲気がより好ましい。
予備焼成の温度は、より好ましくは、700〜1050℃であり、更に好ましくは、800〜1000℃である。
また、予備焼成する時間は、0.5〜8時間であることが好ましい。更に好ましくは、2〜5時間である。
フラックス剤を添加する時期は、還元焼成工程の前であれば特に制限されず、混合工程に供されるいずれかの材料に予め添加しておいてもよく、混合工程において添加してもよく、予備焼成工程と還元焼成工程との間に添加してもよい。
フラックス剤としては、特に限定されず、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フッ化アンモニウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
メタケイ酸ナトリウム九水和物(和光純薬工業社製)52.6g、塩基性炭酸マグネシウム(神島化学工業社製GP−30N)18.9g、炭酸マンガン(中央電気工業社製C2−SP)0.22gを秤量し、ビニール袋に入れて5分間振り混ぜ乾式混合した。ついで、その混合粉をアルミナ製坩堝に充填して、大気雰囲気中で200℃/hで1000℃まで昇温し、そのまま4時間保持後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕した。その粉砕物をアルミナ製坩堝に充填して、水素を2体積%含む窒素雰囲気中で200℃/hで1200℃まで昇温し、そのまま6時間保持することで、還元焼成を行った。その後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕することで、粉体1を得た。
還元焼成の雰囲気を、水素を0.5体積%含む窒素雰囲気に変更した以外は実施例1と同様にして、粉体2を得た。
還元焼成の雰囲気を、水素を3体積%含む窒素雰囲気に変更した以外は実施例1と同様にして、粉体3を得た。
メタケイ酸ナトリウム九水和物(和光純薬工業社製)52.6g、塩基性炭酸マグネシウム(神島化学工業社製GP−30N)18.9g、炭酸マンガン(中央電気工業社製C2−SP)0.22g、ホウ酸(U.S.Borax社製)0.56gを秤量し、容量が300mlのポットに加えた。さらに純水100mlと直径3mmのアルミナビーズ225gをポットに加えて、遊星ボールミルを用いて回転数250rpmで30分かけて充分に湿式混合粉砕した。混合スラリーを130℃の乾燥機で一晩蒸発乾燥させて混合粉を得た。ついで、その混合粉をアルミナ製坩堝に充填して、大気雰囲気中で200℃/hで1000℃まで昇温し、そのまま4時間保持後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕した。その粉砕物をアルミナ製坩堝に充填して、水素を2体積%含む窒素雰囲気中で200℃/hで1200℃まで昇温し、そのまま6時間保持することで、還元焼成を行った。その後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕することで、粉体4を得た。
還元焼成の温度を1000℃に変更した以外は実施例4と同様にして、粉体5を得た。
炭酸マンガンの量を0.55gに変更した以外は実施例4と同様にして、粉体6を得た
メタケイ酸ナトリウム九水和物(和光純薬工業社製)17.5g、塩基性炭酸マグネシウム(神島化学工業社製GP−30N)6.2g、炭酸マンガン(中央電気工業社製C2−SP)0.18g、ホウ酸(U.S.Borax社製)0.19gを秤量し、ビニール袋に入れて5分間振り混ぜ乾式混合した。ついで、その混合物をアルミナ製坩堝に充填して、大気雰囲気中で200℃/hで1000℃まで昇温し、そのまま4時間保持後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕した。その粉砕物をアルミナ製坩堝に充填して、水素2体積%の水素、窒素混合雰囲気中で200℃/hで1200℃まで昇温し、そのまま6時間保持することで、還元焼成を行った。その後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕することで、粉体7を得た。
メタケイ酸ナトリウム九水和物(和光純薬工業社製)17.4g、塩基性炭酸マグネシウム(神島化学工業社製GP−30N)5.8g、炭酸マンガン(中央電気工業社製C2−SP)0.55g、ホウ酸(U.S.Borax社製)0.09gを秤量し、ビニール袋に入れて5分間振り混ぜ乾式混合した。ついで、その混合物をアルミナ製坩堝に充填して、水素2体積%の水素、窒素混合雰囲気中で200℃/hで1200℃まで昇温し、そのまま6時間保持することで、還元焼成を行った。その後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕することで、粉体8を得た。
炭酸ナトリウム(関東化学社製)19.4g、二酸化けい素(和光純薬工業社製)11.0g、塩基性炭酸マグネシウム(神島化学工業社製GP−30N)18.9g、炭酸マンガン(中央電気工業社製C2−SP)0.22g、ホウ酸(U.S.Borax社製)0.56gを秤量し、容量が300mlのポットに加えた。さらに純水125mlと直径3mmのアルミナビーズ225gをポットに加えて、遊星ボールミルを用いて回転数250rpmで30分かけて充分に湿式混合粉砕した。混合スラリーを130℃の乾燥機で一晩蒸発乾燥させて混合粉を得た。ついで、その混合粉をアルミナ製坩堝に充填して、大気雰囲気中で200℃/hで1000℃まで昇温し、そのまま4時間保持後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕した。その粉砕物をアルミナ製坩堝に充填して、水素を2体積%含む窒素雰囲気中で200℃/hで1200℃まで昇温し、そのまま6時間保持することで、還元焼成を行った。その後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕することで、粉体9を得た。
炭酸ナトリウム(関東化学社製)12.8g、二酸化けい素(和光純薬工業社製)7.2g、塩基性炭酸マグネシウム(神島化学工業社製GP−30N)11.6g、炭酸マンガン(中央電気工業社製C2−SP)0.3g、ホウ酸(U.S.Borax社製)0.37gを秤量し、エタノール13gを添加して乳鉢を用いて20分かけて充分に湿式混合した。混合スラリーを130℃の乾燥機で一晩蒸発乾燥させて混合粉を得た。ついで、その混合粉をアルミナ製坩堝に充填して、大気雰囲気中で200℃/hで600℃まで昇温し、そのまま1時間保持後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕した。その粉砕物をアルミナ製坩堝に充填して、水素を2体積%含む窒素雰囲気中で200℃/hで950℃まで昇温し、そのまま2時間保持することで、還元焼成を行った。その後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕することで、粉体10を得た。
炭酸ナトリウム(関東化学社製)12.8g、二酸化けい素(和光純薬工業社製)7.2g、塩基性炭酸マグネシウム(神島化学工業社製GP−30N)11.6g、炭酸マンガン(中央電気工業社製C2−SP)0.3g、ホウ酸(U.S.Borax社製)0.37gを秤量し、エタノール13gを添加して乳鉢を用いて20分かけて充分に湿式混合した。混合スラリーを130℃の乾燥機で一晩蒸発乾燥させて混合粉を得た。ついで、その混合粉をアルミナ製坩堝に充填して、大気雰囲気中で200℃/hで600℃まで昇温し、そのまま1時間保持後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕した。
活性炭(関東化学社製)を入れたアルミナ製坩堝の中に、一回り小さいアルミナ製坩堝を置き、その中にも活性炭を入れた。さらに、中の坩堝より一回り小さい磁性坩堝を入れてその中に粉砕した焼成粉を入れた。活性炭を入れた2つのアルミナ製坩堝に蓋をして、大気雰囲気中で200℃/hで950℃まで昇温し、そのまま2時間保持後、200℃/hで室温まで降温した。その焼成粉を乳鉢を用いて粉砕することで、粉体11を得た。
炭酸マンガンの量を、1.2g、2.2g、2.9gと変更した以外は比較例1と同様にして、粉体12、粉体13、粉体14を得た。
得られた粉体に、紫外線ランプ(AS ONE、Handy UV Lamp SLUV−4)を用いて254nmの紫外線を高さ5cmから10分間照射した後、残光の輝度を、輝度計(トプコン社製BM−100)を用いて測定した。
測定して得られた結果のうち、励起光を遮断してから60秒経過したとき、及び120秒経過したときの残光の輝度を表1にまとめる。
なお、表1中、混合方法の欄は、湿式もしくは乾式であることを示し、Mn添加量(x値)は、下記式(1):
Na2Mg1−xSiO4:xMn2+ (1)
中のxの値を示す。
実施例1、2及び比較例1で得られた粉体を、それぞれ試料ホルダーに充填し、粉体を充填した試料ホルダーを冷却加熱ステージ上に固定し、充填した粉体の表面温度を測定できるように熱電対を設置した。
まず、30℃/minの降温速度で、液体窒素を使用して、粉体表面の温度が−50℃以下になるように降温した。その後、−50℃以下の温度を保持しつつ、紫外線ランプを用いて254nmの紫外線を、冷却加熱ステージからの高さが5cmの位置から10分間照射した。紫外線照射後、10℃/minで昇温しながら、そのときの発光の強度を光電子増倍管を用いて測定した。得られたスペクトルを図1に示す。
また、図1の比較例1のスペクトルにはピークが見られないのに対して、実施例1及び2では、10℃から20℃の間でピークが見られた。熱ルミネッセンス測定は、蓄光体等が蓄積したエネルギーを放出する温度を評価するのに使われるが、比較例ではエネルギーを蓄積することができないのに対し、実施例では室温付近でエネルギーを放出することができるために残光を示すことを表している。
実施例1で得られた粉体1を用いて、以下の表2にあるような配合で、パウダーファンデーションF1を調製した。また、本発明の蛍光体粒子を含有しないパウダーファンデーションF2を下記配合表3にあるような配合で調製した。なお、下記ファンデーションに用いた材料は、表のグレードのとおりであり、粉体1以外はすべて化粧品グレードのものである。
5:8人以上または全員が赤味の抑制を感じた
4:5〜7人が赤味の抑制を感じた
3:2〜4人が赤味の抑制を感じた
2:1人が赤味の抑制を感じた
1:赤味の抑制を感じた人がいなかった
Claims (5)
- 下記式(1):
Na2Mg1−xSiO4:xMn2+ (1)
(式中、xは、0.005〜0.2の数を表す。)で表されることを特徴とする蓄光材料。 - 前記蓄光材料は化粧料用途に用いられることを特徴とする請求項1に記載の蓄光材料。
- 請求項1に記載の蓄光材料を含んでなることを特徴とする化粧料。
- 下記式(1):
Na2Mg1−xSiO4:xMn2+ (1)
(式中、xは、0.005〜0.2の数を表す。)で表される蓄光材料を製造する方法であって、
該製造方法は、Na原子を含む化合物、Mg原子を含む化合物、Si原子を含む化合物、及び、Mn原子を含む化合物を乾式混合又は湿式混合する工程と、
該混合工程で得られた混合物を還元雰囲気下、950〜1300℃で還元焼成する工程とを含むことを特徴とする蓄光材料の製造方法。 - 前記製造方法は、混合工程で得られた混合物を、還元焼成工程の前に600〜1100℃で予備焼成する工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の蓄光材料の製造方法。
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2017
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Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| ZHU,XUEMEI ET AL.: "Synthesis, crystal structure, and luminescence properties of a novel green emitting phosphor Na2Mg1-", OPTICAL MATERIALS, vol. 62, JPN6020045341, 2016, pages 104 - 109, ISSN: 0004530446 * |
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