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JP2018141085A - ポリ(チオ)カーボネート - Google Patents

ポリ(チオ)カーボネート Download PDF

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JP2018141085A
JP2018141085A JP2017036486A JP2017036486A JP2018141085A JP 2018141085 A JP2018141085 A JP 2018141085A JP 2017036486 A JP2017036486 A JP 2017036486A JP 2017036486 A JP2017036486 A JP 2017036486A JP 2018141085 A JP2018141085 A JP 2018141085A
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thio
poly
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bis
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JP2017036486A
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和徳 布目
Kazunori Nunome
和徳 布目
学 松井
Manabu Matsui
学 松井
一良 小笠原
Kazuyoshi Ogasawara
一良 小笠原
敬介 佐藤
Keisuke Sato
敬介 佐藤
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

【課題】高屈折率、耐熱性及び成形性のバランスに優れ、複屈折が小さく、表面が傷付き難い熱可塑性樹脂の提供。
【解決手段】式(1)及び式(2)で表される単位から選ばれる、少なくとも1つを繰り返し単位として含むポリ(チオ)カーボネート。好ましくは9,9−ビス(アリール)フルオレン骨格を有するジオール由来の繰り返し単位とするジオール成分を更に含むポリ(チオ)カーボネート。


【選択図】なし

Description

本発明は、高屈折率、耐熱性および成形性のバランスに優れるポリ(チオ)カーボネートに関する。
2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)とホスゲンあるいは炭酸ジフェニルなどの炭酸エステル形成性化合物と反応させて製造される従来のポリカーボネート樹脂は、透明性が高く、耐熱性や耐衝撃性に優れるため、光ディスク等の光学部材に使用されてきた。しかしながら、複屈折が大きいことや表面が傷つきやすいといった欠点があり、使用用途が限られていた。複屈折を小さくする方法として、側鎖にフルオレン構造を有するビスフェノール類の共重合が報告されている。(特許文献1,2,3,4)。しかしながら、特許文献1や特許文献2のポリカーボネート樹脂は、ガラス転移温度が高く、溶融時の粘度が極めて高いため、光学レンズや光ディスクなどを成形するのは困難である。また、特許文献3や特許文献4のポリカーボネート樹脂は、成形上の問題のない溶融粘度を有するポリカーボネートであり、光ディスクに好適との記載があるが、光学レンズに使用するには屈折率が不十分であった。
特開平7−109342号公報 特開2010−53251号公報 特開平10−101786号公報 特開平10−101787号公報
そこで本発明の目的は、高屈折率、耐熱性および成形性のバランスに優れるポリ(チオ)カーボネートを提供することにある。
本発明者らはこの目的を達成せんとして鋭意研究を重ねた結果、下記1〜9のポリ(チオ)カーボネートによって、上記課題を解決することができることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
1.下記式(1)および下記式(2)で表される単位からなる群より選ばれる少なくとも1つを繰返し単位として含むポリ(チオ)カーボネート。
2.前記式(1)と前記式(2)で表される繰り返し単位の合計が、全繰り返し単位を基準として30mol%以上含む前記1に記載のポリ(チオ)カーボネート。
3.下記式(3)で表される繰り返し単位を含む前記1または2に記載のポリ(チオ)カーボネート。
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜12の芳香族基を含んでいても良い炭化水素基を示し、L、Lはそれぞれ独立に2価の連結基を示し、m、nはそれぞれ独立に0または1を示す。)
4.前記式(1)と前記式(2)で表される繰り返し単位の合計と前記式(3)で表される繰り返し単位のmol比が80:20〜20:80である前記3に記載のポリ(チオ)カーボネート。
5.前記式(3)中のmおよびnが0である前記2〜4のいずれかに記載のポリ(チオ)カーボネート。
6.ガラス転移温度が130〜160℃である前記1〜5のいずれかに記載のポリ(チオ)カーボネート。
7.屈折率が1.665〜1.710である前記1〜6のいずれかに記載のポリ(チオ)カーボネート。
8.前記1〜7のいずれかに記載のポリ(チオ)カーボネートからなる光学部材。
9.光学レンズである前記8に記載の光学部材。
本発明のポリ(チオ)カーボネートは、高屈折率であり、かつ、耐熱性と成形性のバランスに優れるためその奏する産業上の効果は格別である。
本発明の熱可塑性樹脂の実施例1で得られたポリエステル樹脂のプロトンNMRである。
本発明をさらに詳しく説明する。
<ポリ(チオ)カーボネート>
本発明のポリ(チオ)カーボネートは、前記式(1)および前記式(2)で表される単位からなる群より選ばれる少なくとも1つを繰返し単位として含有することが必要であり、前記式(1)と前記式(2)で表される繰り返し単位の合計は、全繰返し単位を基準として下限は、30mol%以上含有することが好ましく、40mol%以上含有することがより好ましく、50mol%以上含有することがさらに好ましい。前記式(1)と前記式(2)で表される繰り返し単位の合計が前記範囲であると高屈折率であり好ましい。
他方、上限は特に制限されないが、80mol%以下含有することが好ましく、70mol%以下含有することがより好ましい。前記式(1)と前記式(2)で表される繰り返し単位の合計が前記範囲であると耐熱性と成形性のバランスに優れるため好ましい。
本発明のポリ(チオ)カーボネートは、前記式(3)で表される繰返し単位をさらに有することが好ましい。前記式(3)で表される繰り返し単位を含む場合、前記式(3)で表される繰り返し単位のR〜Rはそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜12の芳香族基を含んでいても良い炭化水素基を示し、好ましくは水素原子、メチル基、フェニル基である。
本発明のポリ(チオ)カーボネートにおいて、前記式(3)で表される繰り返し単位を含む場合、前記式(3)で表される繰り返し単位のL〜Lはそれぞれ独立に2価の連結基を示し、好ましくは炭素数1〜10の連結基であり、より好ましくは炭素数1〜10の脂肪族の連結基であり、さらに好ましくは炭素数1〜5の脂肪族の連結基を示す。例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、オキシエチレン、オキシブチレン、チオエチレン、チオブチレン、アミノメチレン、アミノブチレン、カルボニレン等が挙げられ、好ましくはオキシエチレン基である。
本発明のポリ(チオ)カーボネートにおいて、前記式(3)で表される繰り返し単位を含む場合、前記式(3)で表される繰り返し単位のm、nはそれぞれ独立に0または1を示し、好ましくは0である。
本発明のポリ(チオ)カーボネートにおいて、前記式(3)で表される繰り返し単位を含む場合、前記式(1)と前記式(2)で表される繰り返し単位の合計と前記式(3)で表される繰り返し単位のmol比が80:20〜20:80であることが好ましく、70:30〜30:70であるとより好ましく、65:35〜35:65であるとさらに好ましい。前記式(1)で表される繰り返し単位および(2)で表される繰り返し単位の合計と前記式(3)で表される繰り返し単位とのmol比が、前記範囲であると、高屈折率であることに加え、耐熱性と成形性のバランスにも優れるため好ましい。
本発明のポリ(チオ)カーボネートは、25℃で測定した波長589nmの屈折率(以下nDと略すことがある)は、1.665〜1.710であることが好ましい。屈折率が下限以上の場合、レンズの球面収差を低減でき、さらにレンズの焦点距離を短くする事ができる。また、屈折率が、上限以下の場合は、耐熱性と成形性のバランスに優れる。
本発明のポリ(チオ)カーボネートは、ガラス転移温度(以下Tgと略すことがある)が130〜160℃であることが好ましく、135〜160℃であるとより好ましく、140〜160℃であるとよりいっそう好ましい。ガラス転移温度が上記範囲内であると、耐熱性と成形性のバランスに優れるため好ましい。
本発明のポリ(チオ)カーボネートの比粘度は、0.12〜0.40であることが好ましく、0.15〜0.35であるとさらに好ましく、0.18〜0.30であるとよりいっそう好ましい。比粘度が上記範囲内であると成形性と機械強度のバランスに優れるため好ましい。なお、比粘度は、従来の方法で測定できる。
本発明のポリ(チオ)カーボネートのアッベ数(ν)は、25℃で測定した波長486nm、589nm、656nmの屈折率から下記式を用いて算出する。本発明において、下記式で算出されるアッベ数は20〜30の範囲であると好ましい。
ν=(nD−1)/(nF−nC)
なお、本発明においては、
nD:波長589nmでの屈折率、
nC:波長656nmでの屈折率、
nF:波長486nmでの屈折率を意味する。
本発明のポリ(チオ)カーボネートは、1mm厚の全光線透過率が、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは88%以上である。全光線透過率が上記範囲内であると、光学部材として適している。
本発明のポリ(チオ)カーボネートは、23℃、24時間浸漬後の吸水率が0.25%以下であると好ましく、0.20%以下であるとより好ましい。吸水率が上記範囲内であると、吸水による光学特性の変化が小さいため好ましい。
具体的な原料について説明する。
<原料モノマー>
(前記式(1)および(2)のジチオール成分)
本発明の前記式(1)および(2)の繰返し単位を誘導するジチオール成分は、下記式(a)および(b)で表されるジチオール成分が好ましく用いられる。
(前記式(3)のジオール成分)
本発明の前記式(3)の繰返し単位を誘導するジオール成分は、下記式(c)で表されるジオール成分が好ましく用いられる。
上記一般式(c)において、R〜RおよびL〜Lおよびm、nは、前記式(3)で説明したことと同様なことが言える。
以下、一般式(c)で表されるジオールの代表的な具体例を示すが、本発明の一般式(c)に用いられる原料としては、それらによって限定されるものではない。
本発明のポリ(チオ)カーボネートの式(3)で表される単位に使用するジオール成分は、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−n−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−n−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−sec−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス〔4−ヒドロキシ−3−(3−メチルフェニル)フェニル〕フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレン等が挙げられる。なかでも9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンが好ましい。これらは単独で使用してもよく、または二種以上組み合わせて用いてもよい。
(一般式(1)〜(3)以外の共重合成分)
本発明のポリ(チオ)カーボネートは、本発明の特性を損なわい程度に他のジ(チ)オール成分を共重合してもよい。他のジ(チ)オール成分は、全繰り返し単位中30mol%未満が好ましい。その他のジオール成分として、ヒドロキノン、レゾルシノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビフェノール、1,1−ビ−2−ナフトール、2,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1−ビナフチル、ジヒドロキシナフタレン、10,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アントロン、2,2−ビス(4−メルカプトフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−メルカプトフェニル)プロパン、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド、ビス(4−メルカプト−3−メチルフェニル)スルフィド、1,1−ビス(4−メルカプトフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−メルカプトフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビ−2−チオナフトール、2,2−ビス(2−メルカプトエトキシ)−1,1−ビナフチル、ジメルカプトナフタレン、1,4−ジチアン−2,5−ジ(メタンチオール)等が挙げられ、1,1−ビ−2−ナフトールが特に好ましい。これらは単独で使用してもよく、または二種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明のポリ(チオ)カーボネートは、例えばジ(チ)オール成分にホスゲンや炭酸ジエステルなどのカーボネート前駆物質を反応させる方法等により製造される。以下にその具体例を示す。
<ポリ(チオ)カーボネートの製造方法>
本発明のポリ(チオ)カーボネートは、ジ(チ)オール成分とカーボネート前駆体を界面重合法または溶融重合法によって反応させて得られる。ポリ(チオ)カーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、酸化防止剤等を使用してもよい。
界面重合法による反応は、通常、ジ(チ)オール成分とホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つことが好ましい。
溶融重合法による反応は、通常、ジ(チ)オール成分とカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下にジ(チ)オール成分とカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコールまたはフェノールを留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点等により異なるが、通常120〜350℃ の範囲である。反応後期には系を1000〜1Pa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜8時間程度である。
カーボネートエステルとしては、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
また、溶融法において重合速度を速めるために重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモン化合物類、マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせ使用してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料のジ(チ)オール成分1モルに対し、1×10−8〜1×10−3モルの範囲が好ましい。
本発明のポリ(チオ)カーボネートは、その重合反応において、末端停止剤として通常使用される単官能フェノール類を使用することができる。殊にカーボネート前駆物質としてホスゲンを使用する反応の場合、単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用され、また得られたポリマーは、末端が単官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているので、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。
本発明のポリ(チオ)カーボネートは、用途や必要に応じて熱安定剤、可塑剤、光安定剤、重合金属不活性化剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、離型剤等の添加剤を配合し、樹脂組成物として使用することができる。
本発明のポリ(チオ)カーボネートは、射出成形、圧縮成形、射出圧縮成形、溶融押出成形、溶融押出製膜、キャスティング製膜等の任意の方法により成形、加工することができ、光ディスク、透明導電性基板、光カード、シート、フィルム、光ファイバー、光学レンズ、プリズム、光学膜、基盤、光学フィルター、ハードコート膜等の光学部材として好適である。
<光学レンズ>
本発明のポリ(チオ)カーボネートは、光学部材、特に光学レンズに好適である。
本発明のポリ(チオ)カーボネートの光学レンズを射出成型で製造する場合、シリンダー温度240〜350℃、金型温度70〜160℃の条件にて成形することが好ましい。さらに好ましくは、シリンダー温度260〜300℃、金型温度100〜150℃の条件にて成形することが好ましい。シリンダー温度が350℃より高い場合では、熱可塑性樹脂が分解着色し、240℃より小さい場合では、溶融粘度が高く成形が困難になりやすい。また金型温度が160℃より高い場合では、熱可塑性樹脂から成る成形片が金型から取り出すことが困難になりやすい。他方、金型温度が、70℃未満では、成型時の金型内で樹脂が早く固まり過ぎて成形片の形状が制御しにくくなったり、金型に付された賦型を十分に転写することが困難になりやすい。
本発明の光学レンズは、必要に応じて非球面レンズの形を用いることが好適に実施される。非球面レンズは、1枚のレンズで球面収差を実質的にゼロとすることが可能であるため、複数の球面レンズの組み合わせで球面収差を取り除く必要が無く、軽量化および成形コストの低減化が可能になる。したがって、非球面レンズは、光学レンズの中でも特にカメラレンズとして有用である。
また、本発明の光学レンズは、成形流動性が高いため、薄肉小型で複雑な形状である光学レンズの材料として特に有用である。具体的なレンズサイズとして、中心部の厚みが0.05〜3.0mm、より好ましくは0.05〜2.0mm、さらに好ましくは0.1〜2.0mmである。また、直径が1.0mm〜20.0mm、より好ましくは1.0〜10.0mm、さらに好ましくは、3.0〜10.0mmである。また、その形状として片面が凸、片面が凹であるメニスカスレンズであることが好ましい。
本発明の光学レンズは、金型成形、切削、研磨、レーザー加工、放電加工、エッチングなど任意の方法により成形される。この中でも、製造コストの面から金型成形がより好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。なお、評価は次に示す方法で行った。
なお、特に断りのない限り「部」は「重量部」を「%」は「重量%」を意味する。
(a)フィルム
得られた樹脂3gを塩化メチレン50mlに溶解させ、ガラスシャーレ上にキャストする。室温にて十分に乾燥させた後、120℃以下の温度にて8時間乾燥して、厚さ約100μmのキャストフィルムを作成した。
(b)成形片
得られた樹脂を(株)神藤金属工業所製真空圧縮成形機SFV−10にて、真空熱プレスし、1mm厚の成形片を作成した。金型温度は樹脂のガラス転移温度+30℃とした。
(1)樹脂組成:重合終了後に得られた樹脂を日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRを用いて測定した。
(2)屈折率(nD)、アッベ数(ν):上記(a)の方法により作成したフィルムをATAGO製DR−M2のアッベ屈折計を用いて、25℃における屈折率(波長:589nm)及びアッベ数(波長:589nm、656nm、486nm)を測定した。
(3)ガラス転移温度:重合終了後に得られた樹脂を島津製作所製DSC−60Aにより、試料15mg、昇温速度20℃/minで測定した。
(4)比粘度:重合終了後に得られた樹脂を十分に乾燥し、該樹脂0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から、その溶液の20℃における比粘度(ηsp)を測定した。
実施例1
温度計、撹拌機の付いた反応器に、窒素をフロー下、イオン交換水28,008部に炭酸ナトリウム3,789部を溶解させた後、これに、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン(以下、OPPFLと省略することがある)1,953部、p−tert−ブチルフェノール18部、ハイドロサルファイト7部を仕込んだ。その後、塩化メチレン11,880部、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド(以下、BMESと省略することがある)600部、トリエチルアミン39部を仕込んだ後、撹拌下15〜25℃でホスゲン1,230部を60分かけて吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、25%水酸化ナトリウム水溶液2,487部を加え、乳化後、トリエチルアミン157部を加えて30℃で2時間撹拌し、反応を終了した。反応終了後、生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後、塩酸酸性にして水洗し、さらに水相の導電率がイオン交換水とほぼ同じになるまで水洗を繰り返し、ポリ(チオ)カーボネートの塩化メチレン溶液を得た。次いで、この溶液を温水に滴下し、塩化メチレンを留去しながらポリ(チオ)カーボネートをフレーク化した。その後、ポリ(チオ)カーボネートを120℃で12時間乾燥した。ポリ(チオ)カーボネートを用いて、樹脂組成、屈折率、ガラス転移温度、比粘度を評価し、結果を表1に示した。
実施例2
温度計、撹拌機の付いた反応器に、窒素をフロー下、イオン交換水26,826部に炭酸ナトリウム4,032部を溶解させた後、これに、OPPFL2,078部、1,178ビ−2−ナフトール(以下、BINOLと省略することがある)118部、p−tert−ブチルフェノール19部、ハイドロサルファイト7部を仕込んだ。その後、塩化メチレン9,109部、BMES574部、トリエチルアミン42部を仕込んだ後、撹拌下15〜25ミンイト7部を仕309部を60分かけて吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、25%水酸化ナトリウム水溶液2,647部を加え、乳化後、トリエチルアミン168部を加えて30後、トリエチルアミン1吹き込み終了後、25%水酸化ナトリウム水溶液2,リウムにして水洗し、さらに水相の導電率がイオン交換水とほぼ同じになるまで水洗を繰り返し、に樹脂が残ってしまうポリ(チオ)カーボネートの塩化メチレン溶液を得た。次いで、この溶液を温水に滴下し、塩化メチレンを留去しながらポリ(チオ)カーボネートをフレーク化した。その後、ポリ(チオ)カーボネートを120オ)カーボネート、次いでポリ(チオ)カーボネートを用いて、樹脂組成、屈折率、ガラス転移温度、比粘度を評価し、結果を表1に示した。
実施例3
温度計、撹拌機の付いた反応器に、窒素をフロー下、イオン交換水11,673部に25%水酸化ナトリウム水溶液7,973部を溶解させた後、これに、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン1,886部、ハイドロサルファイト22部を仕込んだ。その後、塩化メチレン14,812部、1,4−ジチアン−2,5−ジ(メタンチオール)(以下、BMMDと省略することがある)1,600部を仕込んだ後、撹拌下15〜25℃でホスゲン1,602部を60分かけて吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、25%水酸化ナトリウム水溶液399部、p−tert−ブチルフェノール28部を加え、撹拌した後、トリエチルアミン32部を加え乳化させた。その後、トリエチルアミン32部、塩化メチレン8,464部を加えて30℃で2時間撹拌し、反応を終了した。反応終了後、生成物を塩化メチレンで希釈して水洗した後、塩酸酸性にして水洗し、さらに水相の導電率がイオン交換水とほぼ同じになるまで水洗を繰り返し、ポリ(チオ)カーボネートの塩化メチレン溶液を得た。次いで、この溶液を温水に滴下し、塩化メチレンを留去しながらポリ(チオ)カーボネートをフレーク化した。その後、ポリ(チオ)カーボネートを120℃で12時間乾燥した。ポリ(チオ)カーボネートを用いて、樹脂組成、屈折率、ガラス転移温度、比粘度を評価し、結果を表1に示した。
比較例1
特開2010−53251号公報の実施例1に記載の方法で、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンおよびチオホスゲンの重縮合物であるポリチオカーボネート樹脂(R−3)を得た。該ポリチオカーボネート樹脂を用いて、樹脂組成、屈折率、複屈折、ガラス転移温度、熱分解温度を評価し、結果を表1に示した。
比較例2
特開2010−53251号公報の実施例1に記載の方法で、9,9−ビス(4−メルカプトフェニル)フルオレンおよび2,2−ビス(4−メルカプトフェニル)プロパンおよびチオホスゲンの重縮合物であるポリチオカーボネート樹脂(R−4)を得た。該ポリチオカーボネート樹脂を用いて、樹脂組成、屈折率、ガラス転移温度、比粘度を評価し、結果を表1に示した。
BMES:ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド
BMMD:1,4−ジチアン−2,5−ジ(メタンチオール)
OPPFL:9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン
BINOL:1,1’−ビ−2−ナフトール
BCF:9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン
BPF:9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
BPA:2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
BPF−SH:9,9−ビス(4−メルカプトフェニル)フルオレン
BPA−SH:2,2−ビス(4−メルカプトフェニル)プロパン
実施例1〜3で得られた熱可塑性樹脂は、高屈折率であり、かつ、耐熱性と成形性のバランスに優れる。これに対して、比較例1の熱可塑性樹脂は屈折率が低く、ガラス転移点が高いため成形加工が困難である。比較例2の熱可塑性樹脂は高屈折率であるが、ガラス転移点が高いため成形加工が困難である。
本発明の熱可塑性樹脂は、光ディスク、透明導電性基板、光カード、シート、フィルム、光ファイバー、光学レンズ、プリズム、光学膜、基盤、光学フィルター、屈折率調整層、ハードコート膜等の光学部材として好適で、特に光学レンズに好適である。

Claims (9)

  1. 下記式(1)および下記式(2)で表される単位からなる群より選ばれる少なくとも1つを繰返し単位として含むポリ(チオ)カーボネート。
  2. 前記式(1)と前記式(2)で表される繰り返し単位の合計が、全繰返し単位を基準として30mol%以上含む請求項1に記載のポリ(チオ)カーボネート。
  3. 下記式(3)で表される繰り返し単位を含む請求項1または2のいずれかに記載のポリ(チオ)カーボネート。
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜12の芳香族基を含んでいても良い炭化水素基を示し、L、Lはそれぞれ独立に2価の連結基を示し、m、nはそれぞれ独立に0または1を示す。)
  4. 前記式(1)と前記式(2)で表される繰り返し単位の合計と前記式(3)で表される繰り返し単位のmol比が80:20〜20:80である請求項3に記載のポリ(チオ)カーボネート。
  5. 前記式(3)中のmおよびnが0である請求項3または4のいずれかに記載のポリ(チオ)カーボネート。
  6. ガラス転移温度が130〜160℃である請求項1〜5のいずれかに記載のポリ(チオ)カーボネート。
  7. 屈折率が1.665〜1.710である請求項1〜6のいずれかに記載のポリ(チオ)カーボネート。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のポリ(チオ)カーボネートからなる光学部材。
  9. 光学レンズである請求項8に記載の光学部材。
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