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JP2018015694A - 選択性透過膜の洗浄剤、洗浄液、および洗浄方法 - Google Patents

選択性透過膜の洗浄剤、洗浄液、および洗浄方法 Download PDF

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JP2018015694A JP2016146416A JP2016146416A JP2018015694A JP 2018015694 A JP2018015694 A JP 2018015694A JP 2016146416 A JP2016146416 A JP 2016146416A JP 2016146416 A JP2016146416 A JP 2016146416A JP 2018015694 A JP2018015694 A JP 2018015694A
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孝博 川勝
Takahiro Kawakatsu
孝博 川勝
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Abstract

【課題】水処理に使用された選択性透過膜、特にカチオン界面活性剤で汚染されたポリアミド系RO膜等の選択性透過膜が、膜汚染により透過流束などの性能が低下した際に、従来の洗浄剤では十分に除去することができない汚染物質を効果的に除去する。【解決手段】スチレンスルホン酸及び/又はスチレンスルホン酸塩をモノマー成分とするポリマーを含む選択性透過膜の洗浄剤及びこれを含む洗浄液。この洗浄剤又は洗浄液を用いて選択性透過膜を洗浄する方法。カチオン界面活性剤で汚染された選択性透過膜に対して、ポリスチレンスルホン酸等のポリマーを用いることで、スルホン酸基とベンゼン環のカチオン界面活性剤に対する親和性と他のスルホン基の膜に対する反発により、膜からカチオン界面活性剤を膜から剥離させることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、水処理分野で使用された選択性透過膜、特に逆浸透(RO)膜が汚染して、透過流束や脱塩率などの性能が低下した際に、その性能を効果的に回復させる選択性透過膜の洗浄剤と、これを用いた選択性透過膜の洗浄方法に関する。
現在、全世界的な水供給量不足の対策として、選択性透過膜、即ち、精密濾過(MF)膜、限外濾過(UF)膜、RO膜等の選択性透過膜システムを用いた海水、かん水の淡水化や排水回収が行われている。これら選択性透過膜システムにおいて、膜は無機物や有機物などの種々の汚染物質により汚染されるため、膜の汚染による透過流束、差圧、阻止率といった性能低下が問題となっており、汚染した選択性透過膜の性能を効果的に回復させる洗浄技術の開発が望まれている。
近年、水処理用RO膜としては、低圧運転が可能で、脱塩性能に優れる芳香族ポリアミド系のRO膜が広く使われるようになってきている。しかし、芳香族ポリアミド系RO膜は、塩素に対する耐性が低いため、酢酸セルロース系のRO膜のように、運転条件下で塩素と接触させる処理を行うことができず、微生物や有機物による汚染が酢酸セルロース系のRO膜よりも起こりやすいという課題がある。一方、アルカリに対する耐性は、芳香族ポリアミド系RO膜の方が酢酸セルロース系RO膜よりも高く、pH10以上のアルカリ条件での洗浄を行うことが可能である。
このような耐アルカリ性の芳香族ポリアミドRO膜に対して、従来から知られている微生物や有機物などの膜汚染物質に有効な洗浄剤として、以下のものがある(非特許文献1)。
・ アルカリ剤(水酸化ナトリウムなど)
・ アニオン界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなど)
・ キレート剤(EDTAなど)
しかし、RO膜の汚染が激しいと、上記のような薬剤では十分に洗浄を行えない場合がある。
例えば、排水回収系では、原水中に多くの有機物を含み、このような原水の処理にRO膜を用いた場合、有機物が付着して、上記従来の洗浄薬剤を用いても洗浄効果が不十分な場合がある。特に、カチオン界面活性剤が膜閉塞の主要因である場合、上記従来の洗浄薬剤では膜性能を回復させることは非常に困難である。
排水回収系の原水に含まれる代表的なカチオン界面活性剤を以下に示す。これらのカチオン界面活性剤は、帯電防止剤、柔軟剤、逆性石鹸、消毒剤、殺菌剤、医薬などに使用され、RO膜処理の原水に含まれるようになるが、上記の通り、殆どのカチオン界面活性剤は、親水基としてカチオン性の4級アンモニウム基を有し、また疎水基としてアルキル基やベンゼン環を有している。
Figure 2018015694
次亜塩素酸ナトリウムは、有機物に対して強力な洗浄薬剤であるが、先に記述したように、芳香族ポリアミド系RO膜は、塩素に対する耐性が低いため、次亜塩素酸ナトリウムは芳香族ポリアミド系RO膜の洗浄には殆ど使用されていない。一般的に、塩素系殺菌剤を用いる場合には、還元剤を用いて遊離塩素を還元した後にRO膜に供給することが知られている(特許文献1)。
RO膜用の洗浄剤成分として、エタノールやエチレングリコールモノメチルエーテル等の有機溶媒を用いる事例はいくつか挙げられる。例えば、特許文献2には、エタノールやメタノールなどといった親水性有機溶媒と界面面活性剤を組み合わせた洗浄方法が記載されている。しかし、エタノールやメタノールは引火点が低く、実用的ではない。また、特許文献3には、エチレングリコールのアルキルエーテル類を用いた洗浄剤が記載されている。しかし、エチレングリコールのアルキルエーテル類は親水基と疎水基を有し、一価アルコールに近い構造を有するため、有害性が高く、また、刺激臭が強いため、PRTR(環境汚染排出移動登録)法にも指定されており、作業環境評価値も5mg/L以下と、使用濃度を高くできないという問題点がある。また、特許文献4では、分子量400以下のポリオールを含む洗浄剤が、特許文献5では、エチレングリコール又はプロピレングリコールを含む洗浄剤が提案されており、ノニオン界面活性剤で汚染したRO膜の洗浄に対して効果があることが記載されている。しかし、カチオン界面活性剤で汚染したRO膜に対しては有効性が示されておらず、例えば、プロピレングリコールでは、後掲の比較例2に示すように、十分な洗浄効果は得られない。
また、MF膜やUF膜は、一般的に、中性から負の表面電荷を有しており、カチオン界面活性剤による汚染リスクが高いが、有効な洗浄方法の報告例が殆どないのが現状である。
特開平9−57067号公報 特開昭58−8502号公報 特開昭55−51406号公報 特許第4458039号公報 特許第4691970号公報
「膜の劣化とファウリング対策 膜汚染防止・洗浄法からトラブルシューティングまで」(NTS発行)p142 2008
本発明は、水処理に使用された選択性透過膜が汚染して透過流束などの性能が低下した際に、従来の洗浄剤では十分に除去することができない汚染物質を効果的に除去することができる選択性透過膜の洗浄剤及び洗浄液と、これを用いた選択性透過膜の洗浄方法、特にカチオン界面活性剤が汚染物質である場合に有効な洗浄剤、洗浄液、および洗浄方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく、カチオン界面活性剤で汚染された様々な選択性透過膜を入手・作成し、有効な洗浄剤成分について鋭意検討した結果、スチレンスルホン酸及び/又はスチレンスルホン酸塩(以下「スチレンスルホン酸(塩)」と記載する場合がある。)をモノマー成分として含むポリマー(以下「スチレンスルホン酸(塩)系ポリマー」と称す場合がある。)が良好な洗浄効果を示すこと、スチレンスルホン酸と同様の構造を有するものであっても、ベンゼンスルホン酸やp−トルエンスルホン酸では洗浄効果がなく、スチレンスルホン酸(塩)のポリマーであることが重要であることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] スチレンスルホン酸及び/又はスチレンスルホン酸塩をモノマー成分として含むポリマーを含有することを特徴とする選択性透過膜の洗浄剤。
[2] [1]において、前記ポリマーがスチレンスルホン酸又はスチレンスルホン酸塩のホモポリマーであることを特徴とする選択性透過膜の洗浄剤。
[3] [1]又は[2]において、前記選択性透過膜が逆浸透膜であることを特徴とする選択性透過膜の洗浄剤。
[4] [3]において、前記逆浸透膜がポリアミド系逆浸透膜であることを特徴とする選択性透過膜の洗浄剤。
[5] [1]ないし[4]のいずれかにおいて、更にアニオン界面活性剤を含むことを特徴とする選択性透過膜の洗浄剤。
[6] [1]ないし[5]のいずれかにおいて、更にアミド結合を有する化合物を含むことを特徴とする選択性透過膜の洗浄剤。
[7] [1]ないし[6]のいずれかに記載の選択性透過膜の洗浄剤を含み、pH10以上、あるいはpH4以下であることを特徴とする選択性透過膜の洗浄液。
[8] [1]ないし[6]のいずれかに記載の選択性透過膜の洗浄剤、あるいは[7]に記載の選択性透過膜の洗浄液を用いることを特徴とする選択性透過膜の洗浄方法。
本発明によれば、水処理に使用されることにより汚染されたRO膜等の選択性透過膜、特にカチオン界面活性剤で汚染されることにより透過流束等の性能が低下した選択性透過膜に対して、スチレンスルホン酸(塩)系ポリマーを用いることで、従来の洗浄剤では十分に除去することができない汚染物質を効果的に除去して膜性能を回復させることができる。
本発明の洗浄効果の作用機構を説明する模式図であり、(a)図は、カチオン界面活性剤(塩化ベンザルコニウム)が吸着した膜に対するベンゼンスルホン酸の吸着作用を示し、(b)図は、ポリスチレンスルホン酸の剥離作用を示す。 実施例で用いた平膜試験装置の構成を示す模式図である。 図2の平膜試験装置の密閉容器の構造を示す断面図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[作用機構]
まず、本発明に係るスチレンスルホン酸(塩)系ポリマーによる洗浄効果の作用機構を図1を参照して説明する。図1は、カチオン界面活性剤として塩化ベンザルコニウム(図1中、Rは炭素数8〜18のアルキル基を示す。)が膜Mに吸着した状態を示している。
前述の通り、排水回収系の原水に含まれるカチオン界面活性剤の殆どは、親水基としてカチオン性の4級アンモニウム基を有しており、疎水基としてアルキル基やベンゼン環を有している。一方で、選択性透過膜はカルボキシル基などの存在により、弱く負の荷電を有しているため、図1(a)に示すように、カチオン界面活性剤(塩化ベンザルコニウム)の正の荷電と対になって、カチオン界面活性剤が膜Mに吸着する。また、芳香族ポリアミド系RO膜の場合は、ベンゼン環を骨格に有するため、カチオン界面活性剤の疎水基との相互作用も有する。
ベンゼンスルホン酸(塩)は、スルホン基とベンゼン環を有しているため、カチオン界面活性剤と親和性が高いと考えられ、図1(a)に示すように、膜Mに吸着したカチオン界面活性剤に吸着し易い。図1(a)のように、膜Mに吸着したカチオン界面活性剤に吸着するだけでこれを剥離させるには至らないが、例えば、スチレンスルホン酸のポリマーであるポリスチレンスルホン酸の場合を例示すると、一対のスルホン基とベンゼン環がカチオン界面活性剤に吸着した際に、図1(b)に示すように、ポリマー中の他のスルホン基が膜Mに対して反発し、吸着したカチオン界面活性剤を伴って膜Mから離れてゆく、言わば、釘抜きのような作用効果を奏すると考えられる。このため、ポリスチレンスルホン酸等のスチレンスルホン酸(塩)系ポリマーを用いることで、カチオン界面活性剤で汚染したRO膜を効果的に洗浄することが可能となる。
カチオン界面活性剤の剥離に当たり、アニオン界面活性剤の存在は、カチオン界面活性剤の膜への吸着力を緩和する効果を奏する。また、アミド結合を有する化合物は、特にポリアミド系RO膜の表面との親和性が強く、カチオン界面活性剤と置換する作用を与える。従って、これらの剤とスチレンスルホン酸(塩)系ポリマーとの併用で、洗浄効果を相乗的に向上させることができる。
[選択性透過膜]
本発明において、洗浄対象となる選択性透過膜としては、排水回収系等の水処理で使用された選択性透過膜であればよく、RO膜、UF膜、MF膜等が挙げられるが、特に、RO膜、とりわけ、塩素に対する耐性が低く、次亜塩素酸ナトリウムによる洗浄を行うことができない芳香族ポリアミド系RO膜の洗浄に有効である。また、本発明は、排水処理に使用され、カチオン界面活性剤で汚染されているために、従来の洗浄剤では十分な洗浄効果を得ることができない選択性透過膜に特に有効である。この場合、膜の汚染物質となるカチオン界面活性剤としては、前述の塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム等が挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
[選択性透過膜の洗浄剤]
本発明の選択性透過膜の洗浄剤(以下「本発明の洗浄剤」と称す場合がある。)は、スチレンスルホン酸(塩)系ポリマーを含むことを特徴とするものであり、通常、スチレンスルホン酸(塩)系ポリマーと、必要に応じて用いられるアルカリ剤又は酸剤、アニオン界面活性剤、アミド結合を有する化合物(以下「アミド化合物」と称す場合がある。)、その他の薬剤や溶媒等を水に溶解させて調製される。
なお、本発明において、「洗浄剤」は製品の流通、保管のために、使用時よりもスチレンスルホン酸(塩)系ポリマーやその他の薬剤等の濃度を高めに設定して調製されたものをさし、「洗浄液」は、この洗浄剤を水で希釈して、実際に膜面の洗浄を行う濃度に調整したものをさす。
<スチレンスルホン酸(塩)系ポリマー>
本発明で用いるスチレンスルホン酸(塩)系ポリマーは、スチレンスルホン酸(塩)をモノマー成分として含むポリマー、即ち、ポリマー中にスチレンスルホン酸(塩)に由来する繰り返し単位を有するポリマーであり、スチレンスルホン酸(塩)のホモポリマーであってもよく、スチレンスルホン酸(塩)とその他のモノマーとのコポリマーであってもよい。
スチレンスルホン酸塩としては、スチレンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸カリウム等のスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩や、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明で用いるスチレンスルホン酸(塩)系ポリマーが、スチレンスルホン酸(塩)と他のモノマーとのコポリマーである場合、他のモノマーとしては、スチレンスルホン酸(塩)と共重合し得るものであって、スチレンスルホン酸(塩)系ポリマーによるカチオン界面活性剤への吸着、膜からのカチオン界面活性剤の剥離作用を阻害するものではなければよく、特に制限はないが、例えば、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド、酢酸ビニル、アリルアミン、マレイン酸等の1種又は2種以上が挙げられる。
ただし、スチレンスルホン酸(塩)系ポリマーによるカチオン界面活性剤への吸着、膜からのカチオン界面活性剤の剥離作用は、スチレンスルホン酸(塩)系ポリマー中のスチレンスルホン酸(塩)由来のスルホン基とベンゼン環によるものであるため、この作用効果を有効に得る上で、スチレンスルホン酸(塩)系ポリマーはスチレンスルホン酸(塩)に由来する繰り返し単位の含有量が多いことが好ましく、スチレンスルホン酸(塩)系ポリマーがスチレンスルホン酸(塩)と他のモノマーとのコポリマーである場合、スチレンスルホン酸(塩)系ポリマー中のスチレンスルホン酸(塩)に由来する繰り返し単位の含有量は50モル%以上、特に80モル%以上であることが好ましく、スチレンスルホン酸(塩)系ポリマーはスチレンスルホン酸(塩)のホモポリマーであることが好ましい。なお、ここで、スチレンスルホン酸(塩)のホモポリマーには、ポリスチレンスルホン酸及びポリスチレンスルホン酸塩だけでなく、スチレンスルホン酸とスチレンスルホン酸塩のコポリマーを含むものとする。
スチレンスルホン酸(塩)系ポリマーの分子量には、特に制限はないが、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量で1000以上であることが好ましく、4000以上であることがより好ましい。一方、スチレンスルホン酸(塩)系ポリマーの分子量は、500万以下であることが好ましく、120万以下であることがより好ましい。スチレンスルホン酸(塩)系ポリマーの分子量が上記下限以上であると、カチオン界面活性剤の吸着と膜からの剥離の観点から好ましく、上記上限以下であると、洗浄剤としての拡散性の観点から好ましい。
本発明の選択性透過膜の洗浄剤は、スチレンスルホン酸(塩)系ポリマーの1種のみを含むものであってもよく、モノマー成分やモノマー組成、分子量等の異なるものの2種以上を含むものであってもよい。
<アニオン界面活性剤>
本発明の洗浄剤は、アニオン界面活性剤を含むものであってもよく、アニオン界面活性剤を含むことにより、前述の通り、カチオン界面活性剤の膜への吸着力を緩和して、より優れた剥離洗浄効果を得ることができる。
アニオン界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩等が得られる。本発明の洗浄剤は、これらのアニオン界面活性剤の1種のみを含むものであってもよく、2種以上を含むものであってもよい。
<アミド化合物>
本発明の洗浄剤は、アミド化合物を含んでいてもよく、アミド化合物を含むことで、前述の通り、ポリアミド系RO膜に対して、カチオン界面活性剤との置換作用で良好な剥離洗浄効果を得ることができる。
アミド化合物としては、ポリアミド系RO膜との親和性の観点から、水溶性であることが好ましく、またRO膜と汚染物質の間に浸透して良好な洗浄効果を示す観点から、分子量300以下、特に200以下の比較的低分子量のものが好ましい。アミド化合物の分子量が大き過ぎると、RO膜と汚染物質の間に浸透し難く、良好な洗浄効果が得られない場合がある。
洗浄効果の面から、アミド化合物としては、下記式(I)で表される化合物が好ましい。
Figure 2018015694
(式(I)中、R11は水素原子、又はそれぞれ置換基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、複素環基もしくは芳香族基を表し、R12は水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表し、R13は水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
上記式(I)中、R11のアルキル基が有していてもよい置換基としては、カルボキシル基(−COOH)、アミノ基(−NH)、ヒドロキシ基(−OH)等が挙げられる。複素環基としては、N含有不飽和複素環基が好ましく、具体的には、ピリジル基、イミダゾリル基、インドリル基、チアゾリル基、トリアジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基等が挙げられる。芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、インデニル基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。これらの複素環基や芳香族基は、置換基としてカルボキシル基(−COOH)やアミノ基(−NH)、アミノカルボニル基(−CONH)、ヒドロキシ基(−OH)、アルキル基(−C2n+1)等を有していてもよい。
12のアルキル基が有していてもよい置換基としては、カルボキシル基(−COOH)、アミノ基(−NH)、ヒドロキシ基(−OH)等が挙げられる。
アミド化合物としては、具体的には以下のようなものが挙げられる。
Figure 2018015694
これらのアミド化合物のうち、特に、脂肪族アミドとしては、アスパラギン、グルタミン、ホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが、芳香族アミドとしては、ニコチンアミド、ベンズアミド、アミノベンズアミド、フタルアミド、馬尿酸が好ましいものとして挙げられる。
本発明の洗浄剤は、これらのアミド化合物の1種のみを含むものであってもよく、2種以上を含むものであっても用いてもよい。
<アルカリ剤・酸剤>
本発明の洗浄剤は、洗浄液としたときに優れた洗浄効果を得ることができるpH範囲に調整するためにアルカリ剤又は酸剤を含んでいてもよい。
アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物を用いることができる。
酸剤としては、硝酸、硫酸、塩酸、シュウ酸、クエン酸等の無機酸や有機酸を用いることができる。
<その他の成分>
本発明の洗浄剤には、上記の成分以外に、RO膜の洗浄に必要な他の洗浄薬剤や、溶媒が含有されていてもよい。
例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルのようなノニオン系界面活性や、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(EGTA)、ポリリン酸、ホスホノブタントリカルボン酸(PBTC)、ホスホン酸、ポリマレイン酸、クエン酸、シュウ酸、グルコン酸およびそれらの塩などのキレート剤といった分散剤を含んでいてもよい。
これらはいずれも1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
また、本発明の洗浄剤は、溶媒としては、エタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどのポリオール類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類、アセトンなどのケトン類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類などの1種又は2種以上を含むものであってもよい。
<洗浄剤の形態>
本発明の洗浄剤は、スチレンスルホン酸(塩)系ポリマーと、アルカリ剤又は酸剤、洗浄薬剤等が予め混合された1剤型であってもよく、これらの一部が別の薬剤として供給される2剤型、或いはそれ以上の剤型であってもよい。
従って、本発明の洗浄剤を水で希釈して調製される本発明の選択性透過膜の洗浄液についても、1剤型であっても、2剤型、或いはそれ以上の剤型であってもよい。2剤型、或いはそれ以上の剤型の場合、例えば、スチレンスルホン酸(塩)系ポリマーを含む洗浄液で膜を洗浄した後、他の洗浄薬剤を含む洗浄液で洗浄するようにしてもよい。
本発明の洗浄剤は、水、好ましくは純水で5〜100重量倍程度に希釈したときに、後述の本発明の洗浄液に好適な各薬剤の濃度となるように、それぞれの薬剤濃度が洗浄液における薬剤濃度の5〜100重量倍程度となるように調製される。
本発明の洗浄剤は、水溶液、あるいは全てもしくはその一部が粉末、固形物として調製される。
[選択性透過膜の洗浄液]
本発明の選択性透過膜の洗浄液(以下、「本発明の洗浄液」と称す場合がある。)は、上述の本発明の洗浄剤を水で希釈してなる水溶液である。本発明の洗浄液は、本発明の洗浄剤を水で希釈すると共に、更に、必要に応じて、アルカリ剤又は酸剤、他の洗浄薬剤、溶媒等を添加して所定の濃度に調整したものであってもよい。
ただし、本発明の洗浄液は、本発明の洗浄剤を経ることなく、直接、所定の薬剤濃度に調製されたものであってもよい。
本発明の洗浄液中のスチレンスルホン酸(塩)系ポリマーの濃度は、用いるスチレンスルホン酸(塩)系ポリマーの種類、洗浄液のpHや、その他の洗浄薬剤の併用の有無、その種類と濃度、更には、洗浄対象となる膜の汚染の程度などによっても異なるが、ポリスチレンスルホン酸濃度として、0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%程度とすることが好ましい。スチレンスルホン酸(塩)系ポリマー濃度が上記下限より低いと、スチレンスルホン酸(塩)系ポリマーを用いることによる膜の洗浄効果を十分に得ることができず、スチレンスルホン酸(塩)系ポリマー濃度が上記上限より高くても濃度に応じた洗浄効果が得られない上、洗浄廃液の硫黄含有量を不必要に上昇させてしまう。
本発明の洗浄液は、その洗浄効果の面で、アルカリ又は酸性に調整して用いることが好ましい。アルカリ性とする場合には、pHが10以上、特に10〜14であることが好ましい。
洗浄液のpHが10未満であると、洗浄により膜の透過性を十分に回復させることができない場合がある。洗浄液のpHは高い方が洗浄効果に優れるが、高過ぎると、洗浄液としての取り扱い性が悪くなり、膜が劣化する危険性が高くなるため、洗浄液のpHは好ましくは14以下、より好ましくは11以上13以下である。
酸性とする場合には、pH4以下、好ましくは0〜3とすることが好ましい。この範囲であれば、十分な洗浄効果が得られる。
従って、本発明の洗浄液は、前述のアルカリ剤又は酸剤の添加により、上記好適pHとなるように調製されることが好ましい。
但し、酢酸セルロース膜の洗浄に適用する場合には、pHを8未満とすることが好ましい。
本発明の洗浄液がアニオン界面活性剤を含む場合、本発明の洗浄液中のアニオン界面活性剤濃度は、0.01〜2重量%であることが好ましく、特に0.05〜0.5重量%であることが好ましい。アニオン界面活性剤濃度が低過ぎるとアニオン界面活性剤による洗浄作用の向上効果を十分に得ることができず、高過ぎるとむしろアニオン界面活性剤の会合が強くなって洗浄効果を低下させるおそれがある。
本発明の洗浄液がアミド化合物を含む場合、本発明の洗浄液中のアミド化合物濃度は、0.1〜10重量%であることが好ましく、特に0.5〜5重量%であることが好ましい。アミド化合物濃度が低過ぎるとアミド化合物による洗浄作用の向上効果を十分に得ることができず、高過ぎても濃度に応じた洗浄効果が得られない。
アニオン界面活性剤及びアミド化合物のいずれも、洗浄液中の濃度が高過ぎることは、洗浄廃液処理の面で好ましくない。
<選択性透過膜の洗浄剤及び洗浄液の製造方法>
本発明の洗浄剤は、水にスチレンスルホン酸(塩)系ポリマーと、必要に応じて配合されるアルカリ剤又は酸剤、洗浄薬剤、その他の溶媒等を混合して調製される。あるいは、全てもしくはその一部が粉末、固形物として調製されても良い。
本発明の洗浄液は、このようにして製造された本発明の洗浄剤を水、好ましくは純水で希釈し、必要に応じて、アルカリ剤又は酸剤、他の洗浄薬剤、溶媒等を添加して製造される。ただし、本発明の洗浄液は本発明の洗浄剤を経ることなく、直接上記と同様の方法で製造することもできる。
<洗浄方法>
本発明の洗浄液を用いて選択性透過膜を洗浄する方法としては、この洗浄液に選択性透過膜を接触させればよく、特に制限はない。通常、選択性透過膜モジュールの原水側に洗浄液を導入して静置する浸漬洗浄が行われる。また、この浸漬洗浄の前及び/又は後に洗浄液を循環する循環洗浄を行ってもよい。
なお、本発明の洗浄剤、洗浄液が、2剤型或いはそれ以上の剤型の場合、これらを混合して洗浄に用いてもよく、別々の剤を用いて、順次洗浄を行うようにしてもよい。例えば、スチレンスルホン酸(塩)系ポリマーを含有する洗浄液で洗浄した後、その他の薬剤を含む洗浄液で洗浄してもよい。
また、本発明の洗浄液による洗浄の前後で、他の洗浄、例えば、アルカリ水溶液や酸水溶液を用いる洗浄を行う場合も、通常の場合、上記と同様の浸漬洗浄、或いは浸漬洗浄と循環洗浄が採用される。
ここで、本発明の洗浄液以外の洗浄液による洗浄としては、本発明の洗浄液による洗浄後に、スチレンスルホン酸(塩)系ポリマーを含まないアルカリ水溶液による洗浄を行うことができる。このアルカリ水溶液のアルカリ剤としては、本発明の洗浄液に用いるアルカリ剤として前記したものを用いることができる。このアルカリ水溶液のpHは、洗浄効果と取り扱い性の面から、pH10以上、特にpH11〜13であることが好ましい。
また、スケールや金属コロイド除去に有効な酸洗浄を行ってもよく、その酸洗浄には、硫酸、塩酸、硝酸、クエン酸、シュウ酸などの酸の1種又は2種以上を含む水溶液を用いることができる。この酸水溶液のpHは、洗浄効果と取り扱い性の面から、pH4以下であって、膜へのダメージが無い範囲でより低いことが好ましい。pHが低いほど膜の荷電が正の方向へ向かい、カチオン界面活性剤が剥離しやすくなるためである。
本発明の洗浄液、その他の洗浄液による浸漬洗浄時間には特に制限はなく、目的とする膜性能の回復率が得られる程度であればよいが、通常2〜24時間程度である。また、浸漬洗浄の前後で循環洗浄を行う場合も、循環洗浄時間には特に制限はなく、目的とする膜性能の回復率が得られる程度であればよいが、通常0.5〜3時間程度である。
本発明の洗浄液による洗浄と、アルカリ水溶液及び/又は酸水溶液による洗浄とを組み合わせて行う場合、その洗浄手順には特に制限はない。酸水溶液による酸洗浄は、本発明の洗浄液による洗浄の前に行うと、スケール成分の除去に有効である。
上記の洗浄液による洗浄後は、通常、純水等の高純度水を通水して仕上げ洗浄を行う。その後、選択性透過膜システムの運転を再開する。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
以下の実施例及び比較例では、図2,3に示す平膜試験装置を用いてRO膜の洗浄効果を調べた。
この平膜試験装置において、RO膜供給水は、配管11より高圧ポンプ4で、密閉容器1のRO膜をセットした平膜ユニット2の下側の原水室1Aに供給される。図3に示すように、密閉容器1は、原水室1A側の下ケース1aと、透過水室1B側の上ケース1bとで構成され、下ケース1aと上ケース1bとの間に、平膜ユニット2がOリング8を介して固定されている。平膜ユニット2はRO膜2Aの透過水側が多孔質支持板2Bで支持された構成とされている。平膜ユニット2の下側の原水室1A内はスターラー3で撹拌子5を回転させることにより撹拌される。RO膜透過水は平膜ユニット2の上側の透過水室1Bを経て配管12より取り出される。濃縮水は配管13より取り出される。密閉容器1内の圧力は、給水配管11に設けた圧力計6と、濃縮水取出配管13に設けた圧力調整バルブ7により調整される。
供試膜としては、日東電工社製 芳香族ポリアミド系RO膜(平膜)「ES20」を円形に切り取って用い、これを上記の平膜試験装置にセットし、初期の純水透過流束:J0[m/(m・d)]を測定した後、カチオン界面活性剤濃度1mg/Lの模擬原水を65時間通水して膜汚染させ、汚染膜の純水透過流束:J1[m/(m・d)]を測定した。その後、汚染膜を各洗浄液に16時間浸漬し、純水でリンスした後に純水透過流束:J2[m/(m・d)]を測定した。これらの測定値から、汚染率、回復率を以下の式で求めた。この通水試験は、25℃、0.75MPaで行った。
汚染率[%]=(J1/J0)×100
回復率[%]=(J2/J0)×100
なお、水酸化ナトリウムによる洗浄液のpH調整は、6N水酸化ナトリウム水溶液(キシダ化学社製)を適宜希釈して使用することにより行った。また、硝酸によるpH調整は、60重量%硝酸(キシダ化学社製)を適宜希釈して使用することにより行った。
カチオン界面活性剤としては、塩化ベンザルコニウム(キシダ化学社製)、塩化ベンゼトニウム(和光純薬工業社製)、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(和光純薬工業社製)、塩化セチルピリジニウム(和光純薬工業社製)、塩化デカリニウム(和光純薬工業社製)を用いた。
スチレンスルホン酸(塩)系ポリマーとしては、以下のものを用いた。
分子量4,300のポリスチレンスルホン酸ナトリウム:シグマアルドリッチ社製
分子量1〜3万のポリスチレンスルホン酸ナトリウム:東ソー社製「ポリナスPS−1」
分子量7万のポリスチレンスルホン酸:ポリサイエンシズ社製
分子量20万のポリスチレンスルホン酸アンモニウム:シグマアルドリッチ社製
分子量80〜120万のポリスチレンスルホン酸ナトリウム:東ソー社製「ポリナスPS−100」
アニオン界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(東京化成工業社製)を用い、アミド化合物としてはニコチンアミド(キシダ化学社製)を用いた。
また、比較のための洗浄薬剤等としては、以下のものを用いた。
プロピレングリコール:キシダ化学社製
アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のコポリマー:ダウケミカル社製「アキュゾール587」、分子量11,000、アクリル酸:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸=81:19(モル比)(以下、「AA/AMPSコポリマー」と記載する。)
ベンゼンスルホン酸ナトリウム・1水和物:和光純薬工業社製
p−トルエンスルホン酸・1水和物:和光純薬工業社製
[実施例1〜5、比較例1〜5]
カチオン界面活性剤として塩化ベンザルコニウムを用い、洗浄液としては、各々以下のものを用い、汚染率と回復率を求め、結果を表1に示した。
比較例1:pH12の水酸化ナトリウム水溶液
比較例2:2重量%プロピレングリコールを含有するpH12の水酸化ナトリウム水溶液
比較例3:0.6重量%AA/AMPSコポリマーを含有するpH12の水酸化ナトリウム水溶液
比較例4:0.6重量%ベンゼンスルホン酸ナトリウム・1水和物(ベンゼンスルホン酸としての濃度)を含有するpH12の水酸化ナトリウム水溶液
比較例5:0.6重量%p−トルエンスルホン酸・1水和物(p−トルエンスルホン酸としての濃度)を含有するpH12の水酸化ナトリウム水溶液
実施例1:0.6重量%ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(分子量4,300)(ポリスチレンスルホン酸としての濃度)を含有するpH12の水酸化ナトリウム水溶液
実施例2:0.6重量%ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(分子量1〜3万)(ポリスチレンスルホン酸としての濃度)を含有するpH12の水酸化ナトリウム水溶液
実施例3:0.6重量%ポリスチレンスルホン酸(分子量7万)を含有するpH12の水酸化ナトリウム水溶液
実施例4:0.6重量%ポリスチレンスルホン酸アンモニウム(分子量20万)(ポリスチレンスルホン酸としての濃度)を含有するpH12の水酸化ナトリウム水溶液
実施例5:0.6重量%ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(分子量80〜120万)(ポリスチレンスルホン酸としての濃度)を含有するpH12の水酸化ナトリウム水溶液
Figure 2018015694
表1より明らかなように、本発明による実施例1〜5では、44%以上の回復率が得られているのに対して、通常のアルカリ洗浄である比較例1では34%しか回復しなかった。ポリオール洗浄である比較例2でも回復率は41%であった。スルホン基を有するポリマーを用いた比較例3、ベンゼン環にスルホン基を有する低分子単体を用いた比較例4、5においても回復率は40%以下であった。
[実施例6,7、比較例6(アニオン界面活性剤、アミド化合物の併用効果)]
実施例1において、洗浄液として以下のものを用いたこと以外は、同様に通水試験を行い、同様に汚染率と回復率を求め、結果を表2に示した。
比較例6:0.15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含有するpH12の水酸化ナトリウム水溶液
実施例6:0.6重量%ポリスチレンスルホン酸(分子量7万)および0.15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含有するpH12の水酸化ナトリウム水溶液
実施例7:0.6重量%ポリスチレンスルホン酸(分子量7万)、0.15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、および2重量%ニコチンアミドを含有するpH12の水酸化ナトリウム水溶液
Figure 2018015694
表2より明らかなように、アニオン界面活性剤を含むアルカリ洗浄液で洗浄を行った比較例6では、回復率は76%であるが、ポリスチレンスルホン酸をそれに加えた実施例6ではさらに回復率が向上し、89%になった。また、実施例6の洗浄液にアミド化合物であるニコチンアミドをさらに添加した実施例7では100%回復した。
[実施例8、比較例7(pH酸性の洗浄液の効果)]
実施例1において、洗浄液として以下のものを用いたこと以外は、同様に通水試験を行い、同様に汚染率と回復率を求め、結果を表3に示した。
比較例7:5重量%硝酸水溶液(pH<1)
実施例8:0.6重量%ポリスチレンスルホン酸(分子量7万)を含有する5重量%硝酸水溶液(pH<1)
Figure 2018015694
表3より明らかなように、酸性洗浄剤の硝酸で洗浄を行った比較例7では、回復率が74%であるが、ポリスチレンスルホン酸をそれに加えた実施例8ではさらに回復率が向上し、81%になった。
[実施例9〜14、比較例8〜11(塩化ベンザルコニウム以外のカチオン界面活性剤に対する洗浄効果)]
実施例1において、カチオン界面活性剤として表4に示すものを用いると共に、洗浄液として以下のものを用いたこと以外は、同様に通水試験を行い、同様に汚染率と回復率を求め、結果を表4に示した。
比較例8:pH12の水酸化ナトリウム水溶液
実施例9:0.6重量%ポリスチレンスルホン酸(分子量7万)、0.15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、および2重量%ニコチンアミドを含有するpH12の水酸化ナトリウム水溶液
比較例9:pH12の水酸化ナトリウム水溶液
実施例10:0.6重量%ポリスチレンスルホン酸(分子量7万)、0.15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、および2重量%ニコチンアミドを含有するpH12の水酸化ナトリウム水溶液
比較例10:pH12の水酸化ナトリウム水溶液
実施例11:0.6重量%ポリスチレンスルホン酸(分子量7万)、0.15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、および2重量%ニコチンアミドを含有するpH12の水酸化ナトリウム水溶液
比較例11:pH12の水酸化ナトリウム水溶液
実施例12:0.6重量%ポリスチレンスルホン酸(分子量7万)、0.15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、および2重量%ニコチンアミドを含有するpH12の水酸化ナトリウム水溶液
実施例13:2重量%ポリスチレンスルホン酸(分子量7万)、0.15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、および2重量%ニコチンアミドを含有するpH12の水酸化ナトリウム水溶液
実施例14:4重量%ポリスチレンスルホン酸(分子量7万)、0.15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、および2重量%ニコチンアミドを含有するpH12の水酸化ナトリウム水溶液
Figure 2018015694
表4より明らかなように、塩化ベンゼトニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、又は塩化セチルピリジニウムで汚染された膜は、pH12のアルカリ洗浄では十分な回復率が得られないが、ポリスチレンスルホン酸を含む洗浄液で洗浄することで、100%の回復率が得られた。また、塩化デカリニウムで汚染された膜の場合は、pH12のアルカリ洗浄では純水透過流束は全く回復せず、0.6重量%ポリスチレンスルホン酸を含む洗浄液でも86%の回復率であった。これは、塩化デカリニウムがカチオン性官能基を2箇所に有しているためと考えられるが、実施例13,14のように、ポリスチレンスルホン酸の濃度を高くすることによって、より高い回復率が得られた。
1 容器
2 平膜ユニット
2A RO膜
2B 多孔質支持板
3 スターラー
4 高圧ポンプ
5 撹拌子
6 圧力計
7 圧力調整バルブ
8 Oリング

Claims (8)

  1. スチレンスルホン酸及び/又はスチレンスルホン酸塩をモノマー成分として含むポリマーを含有することを特徴とする選択性透過膜の洗浄剤。
  2. 請求項1において、前記ポリマーがスチレンスルホン酸又はスチレンスルホン酸塩のホモポリマーであることを特徴とする選択性透過膜の洗浄剤。
  3. 請求項1又は2において、前記選択性透過膜が逆浸透膜であることを特徴とする選択性透過膜の洗浄剤。
  4. 請求項3において、前記逆浸透膜がポリアミド系逆浸透膜であることを特徴とする選択性透過膜の洗浄剤。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、更にアニオン界面活性剤を含むことを特徴とする選択性透過膜の洗浄剤。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、更にアミド結合を有する化合物を含むことを特徴とする選択性透過膜の洗浄剤。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の選択性透過膜の洗浄剤を含み、pH10以上、あるいはpH4以下であることを特徴とする選択性透過膜の洗浄液。
  8. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の選択性透過膜の洗浄剤、あるいは請求項7に記載の選択性透過膜の洗浄液を用いることを特徴とする選択性透過膜の洗浄方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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