JP2018002985A - ポリオレフィン多孔質焼結成形体、その製造方法、及びポリオレフィン多孔質焼結成形体を含む積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
ポリオレフィンから構成されるポリオレフィン粒子を含み、下記(1)〜(3)の性状を有するポリオレフィン多孔質焼結成形体。
(1)平均空孔率20容積%以上80容積%以下、平均空孔径5μm以上200μm以下である。
(2)ヘキサンで抽出される炭素数16と炭素数18の炭化水素成分の合計含有量が200ppm以下である。
(3)Al、Mg、Ti、Zr、及びHfの合計含有量が1ppm以上30ppm以下である。
【選択図】なし
Description
近年、エレクトロニクス分野や医療関連分野等ではクリーン性に関する要求がますます高まっており、そこで使用されるポリオレフィン多孔質焼結成形体にも高度なクリーン性が要求される。
また、不純物が少ない粒子状原料を何もいれない状態で焼結することにより、汚染成分が少ない超高分子量ポリエチレン多孔質シートを得る技術が提案されており、ガラス保護用スペーサーシートとして使用した時にガラスを汚染し難いことが報告されている(例えば、特許文献2参照)。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
ポリオレフィンから構成されるポリオレフィン粒子を含み、下記(1)〜(3)の性状を有するポリオレフィン多孔質焼結成形体。
(1)平均空孔率20容積%以上80容積%以下、平均空孔径5μm以上200μm以下である。
(2)ヘキサンで抽出される炭素数16と炭素数18の炭化水素成分の合計含有量が200ppm以下である。
(3)Al、Mg、Ti、Zr、及びHfの合計含有量が1ppm以上30ppm以下である。
〔2〕
含有塩素量が前記ポリオレフィンに対して20ppm以下である、前記〔1〕に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体。
〔3〕
前記ポリオレフィンの1000個の炭素中の二重結合量が0.1個以下である、
前記〔1〕又は〔2〕に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体。
〔4〕
前記ポリオレフィンがエチレンの単独重合体、又は、エチレンと炭素数が3以上のオレフィンとの共重合体である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体。
〔5〕
前記ポリオレフィンの粘度平均分子量が30万〜1000万である、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体。
〔6〕
前記ポリオレフィンが、親水性を有するエチレン性不飽和基含有モノマー又はその重合体から選ばれる少なくとも1種の分子鎖をグラフトさせたポリオレフィンである、
前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体。
〔7〕
前記ポリオレフィン多孔質焼結成形体の引張破断強度が2.0MPa以上である、
前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体。
〔8〕
前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体の製造方法であって、
ポリオレフィン粒子を金型内に充填し、焼結成形を行う工程を有する、
ポリオレフィン多孔質焼結成形体の製造方法。
〔9〕
前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体の製造方法であって、
ポリオレフィン粒子を堆積させ、焼結成形を行う工程を有する、
ポリオレフィン多孔質焼結成形体の製造方法。
〔10〕
前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体を、少なくとも一層含む、積層体。
〔11〕
前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体、又は前記〔10〕に記載の積層体を含む、フィルター。
〔12〕
前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体、又は前記〔10〕に記載の積層体を含む、イムノクロマト法による迅速検査キットの支持体用シート。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定するものではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
(1)平均空孔率が20容積%以上80容積%以下、平均空孔径が5μm以上200μm以下である。
(2)ヘキサンで抽出される炭素数16と炭素数18の炭化水素成分の合計含有量が200ppm以下である。
(3)Al、Mg、Ti、Zr、及びHfの合計含有量が1ppm以上30ppm以下である。
本実施形態のポリオレフィン多孔質焼結成形体は、連続空孔を有するものとすることができる。
前記「連続空孔」とは、焼結体のある面からその他の面へ連続している空孔を意味する。当該空孔は、直線的であっても曲線的であってもよい。また、全体が均一な寸法であってもよいし、不均一な寸法を有するもの、例えば表層と内部、あるいは一方の表層と他方の表層とで空孔の寸法を変えたものであってもよい。
本実施形態のポリオレフィン多孔質焼結成形体が、前記連続空孔を有していることは、例えば、成形体の断面を切削し、走査型電子顕微鏡等により観察し、確認することができる。
ポリオレフィン多孔質焼結成形体の平均空孔率が20容積%以上であることにより、気体、液体が通過、及び保持されるのに必要なポリオレフィン多孔質焼結成形体中の空間を確保することができる。
一方、平均空孔率が80容積%以下であることにより、ポリオレフィン多孔質焼結成形体の強度が高くなる。
ポリオレフィン多孔質焼結成形体の平均空孔率は、後述する原料であるポリオレフィン粒子の平均粒子径、成形体製造時の焼成温度、焼成時間、圧縮温度、圧縮圧力、及び圧縮時間等を調整するによって制御することができる。
なお、ポリオレフィン多孔質焼結成形体の平均空孔率は、以下の式に従って算出される値である。
下記式中、真の密度(g/cm3)とは、ポリオレフィン樹脂粒子の密度であり、見かけの密度(g/cm3)とは焼結成形体の質量を焼結成形体の外寸から算出した容積で割った値である。
平均空孔率(容積%)=[(真の密度−見掛けの密度)/真の密度]×100
ポリオレフィン多孔質焼結成形体の平均空孔径が5μm以上であることにより、無孔化を防止でき、細孔毎に十分な通気量、及び吸水量を確保することができる。
一方、平均空孔径が200μm以下であることにより、単位体積当たりの連続空孔数を増加させることが可能で、一部の空孔が閉塞しても圧力損失を少なくすることができ、長期にわたって十分な流量を確保することができ、機械強度の向上も図られる。
また、親水性のポリオレフィン多孔質焼結成形体の場合、毛管現象による吸水機能を十分に発揮することができ、吸水速度がより向上する傾向にある。
ポリオレフィン多孔質焼結成形体の平均空孔径は、後述する原料であるポリオレフィン粒子の平均粒径、成形体製造時の焼成温度、焼成時間、圧縮温度、圧縮圧力及び圧縮時間を調整することによって制御することができる。
なお、平均空孔径は、例えば、平板状に焼結成形するか、または焼結成形後に平板状に切り出した焼結体を用い、ASTM F 316−86に準じて測定することができる。また、水銀圧入法による測定結果からもほぼ同等の値が得られる。
ヘキサンで抽出される炭素数16と炭素数18の炭化水素成分の合計含有量が200ppm以下であることにより、ポリオレフィン多孔質焼結成形体から溶出、ブリード、粉噴き等を起こし易い炭素数16と炭素数18の炭化水素成分が少なく、被接触物を汚染したり、変質させたりすることなく使用できる。
また、ポリオレフィン多孔質焼結成形体を吸引搬送シートとして使用した場合には、炭素数16と炭素数18の炭化水素成分が少なければシートの粘着性が低下して、被接触物(セラミックグリーンシート等)のゴミや空気中の埃を吸着し難くなり、成形体表面の空孔が閉塞することなく、長期間クリーンで高い通気性を確保できる。
低分子量成分が少ないポリオレフィン粒子を得る方法としては、例えば、低分子量成分が生成し難い触媒を使用すること、純度99.5%以上のエチレン、及び溶媒を使用すること、エチレンガス、溶媒、触媒等を連続的に重合系内に供給し、生成したエチレン重合体と共に連続的に排出する連続式重合にすること、エチレンを気相部から供給すること、重合後のスラリーを内温30℃以上45℃以下に調整したフラッシュタンクに導入し、加湿した不活性ガスを液中にブローすること等の手段が挙げられる。これらの方法を適宜用いることにより汚染物質となる低分子量成分の生成を少なくすることができる。
なお、不活性ガスとしては、以下に限定されないが、例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等が挙げられる。また不活性ガス中の水分の含有量は1体積%以上10体積%以下が好ましく、2体積%以上8体積%以下がより好ましく、3体積%以上5体積%以下がさらに好ましい。
更に、重合溶媒として炭素数が6以上10以下の炭化水素媒体を使用して、遠心分離法によってエチレン重合体と溶媒を分離し、乾燥前のポリオレフィンに含まれる溶媒量をポリオレフィンの質量に対して70質量%以下にすること、生成したポリオレフィン粒子を炭素数が6以上10以下の炭化水素媒体で洗浄すること等の手段により、生成した低分子量成分を除去することもできる。
成形時に分解物が生成し難い成形方法としては、低温で焼結成形する方法や、短時間で焼結成形する方法等が挙げられるが、その場合、ポリオレフィン粒子の融着不足によりパウダーが脱離して汚染の原因物質となったり、シートの強度が低下したりする等の問題が生じる。パウダーが確実に融着できる温度で樹脂の分解を抑制する方法としては、例えば、融点以下の温度でアニールすることで結晶化度を高めた後、焼結する温度まで昇温する方法が挙げられる。この場合、熱劣化が抑制され、分解物を少なくすることができる。その他、不活性ガス中で成形すること等の手段が挙げられる。
なお、ヘキサンで抽出される炭素数16と炭素数18の炭化水素成分の合計含有量は、多孔質焼結体シートから抽出された成分をガスクロマトグラフィーによって測定し、標準物質の炭素数16と炭素数18に重なるピークより求めることができる。
このAl、Mg、Ti、Zr、及びHfの合計含有量とは、主に触媒残渣の量のことをいう。
Al、Mg、Ti、Zr、及びHfの合計含有量が30ppm以下であることにより、被接触物を汚染したり、変質させたりする溶出金属不純物が少なく、加熱成形した場合には、ポリオレフィンの劣化が抑制されて、脆化や変色等が起こりにくくなり、長期安定性により優れたものとなる。
一方、Al、Mg、Ti、Zr、及びHfの総含有量が1ppm以上であることは、抗菌作用がある観点から好ましい。
本実施形態におけるポリオレフィン多孔質焼結成形体のAl、Mg、Ti、Zr、及びHfの合計含有量は、単位触媒あたりのポリオレフィンの生産性により制御することが可能である。
ポリオレフィンの生産性は、製造する際の反応器の重合温度、重合圧力、スラリー濃度により制御することができる。つまり、本実施形態で用いるポリオレフィンの生産性を高くするためには、重合温度を高くする、重合圧力を高くする、及び/又はスラリー濃度を高くする方法が挙げられる。使用する触媒としては、特に限定されず、一般的なチーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒が挙げられるが、後述する触媒を使用することが好ましい。
更に、ポリオレフィン粒子を、水又は弱酸性水溶液で洗浄すること等の方法で上記金属を可能な限りポリオレフィン粒子から除去することもできる。
なお、Al、Mg、Ti、Zr、及びHfの合計含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
また、塩素含有量の下限は、特に限定されないが、少ないほど好ましく、0ppmであることがより好ましい。
塩素含有量が20ppm以下であると、塩酸による被接触物の変質を抑制することができる。また、成形加工時の金型等の腐食が起こりにくく、腐食成分が成形体や被接触物を汚染することも抑制できる。
本実施形態におけるポリオレフィン多孔質焼結成形体に含まれる、ポリオレフィンに対する全塩素量は、単位触媒あたりのポリオレフィンの生産性を調整することにより制御することができる。
ポリオレフィンの生産性は、製造する際の反応器の重合温度や重合圧力やスラリー濃度により制御することができる。つまり、本実施形態で用いるポリオレフィンの生産性を高くするためには、重合温度を高くする、重合圧力を高くする、及び/又はスラリー濃度を高くする方法が挙げられる。また、塩素成分量が少ない触媒を使用することにより、ポリオレフィン粒子に含まれる全塩素量を低減することもできる。
使用する触媒としては、特に限定されず、一般的なチーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒を使用することができるが、後述する触媒を使用することがより好ましい。
なお、全塩素量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
前記二重結合の量が0.1個以下であれば、熱や光による劣化を受けにくく、低分子量成分の生成やシートの脆化等を抑制することができる。
通常、熱劣化を抑制するためには、酸化防止剤等を添加することが必要になるが、使用した酸化防止剤が溶出成分の原因となり、クリーン性が低下してしまう。しかしながら、二重結合の量が0.1個以下であれば、酸化防止剤等を使用することなくクリーン性の低下を抑制することができる。
なお、二重結合の量は、使用する触媒により変化するため、後述する触媒等を適宜使い分けることにより制御することができる。
厚さが0.05mm以上あることにより、十分な機械的強度が得られ、使用時に破れにくくなる。一方、厚さが1mm以下であることにより、厚さ方向の通気性を十分に確保でき、かつポリオレフィン多孔質焼結成形体をロール状に巻き取ることができるため、産業上極めて有効である。
なお、ポリオレフィン多孔質焼結成形体の厚さは、成形体を厚さ方向に沿って切断し、その切断面を光学顕微鏡(株式会社キーエンス社製「マイクロスコープVH−Z100UR」)を用いて観察することで測定することができる。
これらポリオレフィンの中でも、焼結成形に好適な粒子を容易に得ることができる、焼結成形を容易に行うことができる、耐薬品性に優れている、比較的柔らかく適度な剛性がある等の理由から、エチレンの単独重合体、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン共重合体、プロピレンの単独重合体、及びプロピレンとエチレン等の他のα−オレフィンとの共重合体であるプロピレン共重合体が、好適である。
上記において、他のα−オレフィンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。
本実施形態においては、被接触物の汚染の原因となる低分子量成分の生成を抑制する観点から、ポリオレフィンが、エチレンの単独重合体である、又は、エチレンと炭素数が3以上のオレフィンとの共重合体であることがより好ましい。
ポリオレフィン多孔質焼結成形体に十分な剛性を持たせるという観点から、密度の下限は890kg/m3が好ましく、900kg/m3がより好ましく、910kg/m3がさらに好ましい。
また、取扱い性の容易さの観点から、密度の上限は970kg/m3が好ましく、960kg/m3がより好ましい。
ここでポリオレフィンの密度は、例えば、JIS K 7112:1999に準拠し、密度勾配管法(23℃)により測定して得ることができる。
ポリオレフィンの粘度平均分子量(Mv)が30万以上であることにより、ポリオレフィン中に含まれる低分子量成分が少なくなる傾向にある。また、焼結成形時に空孔の形成を阻害する要因となる樹脂の流動がより少なくなり、空孔率や空孔径等の制御がより容易になる。
一方、ポリオレフィンの粘度平均分子量(Mv)が1000万以下であることにより、隣り合う粒子同士の融着性に優れ、ポリオレフィン多孔質焼結成形体の強度が向上し、加工性も向上する傾向にある。
ポリオレフィンの粘度平均分子量(Mv)は、例えば、後述する触媒を用い、重合条件等を適宜調整することで制御することができる。具体的には、重合系に連鎖移動剤として水素を存在させるか、又は重合温度を変化させること等によって粘度平均分子量(Mv)を制御することができる。
本実施形態のポリオレフィンの粘度平均分子量(Mv)は、デカリン中にポリオレフィンを異なる濃度で溶解した溶液を用意し、当該溶液の135℃における溶液粘度を測定する。このようにして測定された溶液粘度から計算される還元粘度を濃度0に外挿し、極限粘度を求め、求めた極限粘度[η](dL/g)から、以下の数式(A)により算出することができる。
より具体的には、例えば、実施例に記載の方法により測定することができる。
Mv=(5.34×104)×[η]1.49 ・・・(A)
ポリオレフィン粒子の平均粒子径が20μm以上であることにより、ポリオレフィン多孔質焼結成形体の空孔の形成が容易になり、十分な通気量、及び吸水量を確保することがより容易になる傾向にある。
一方、ポリオレフィン粒子の平均粒子径が300μm以下であることにより、成形体の表面粗さ(Ra)や表面気孔径が小さくなり、分離、濾過精度が高くできる傾向にある。
ポリオレフィン粒子の平均粒子径は、例えば、後述する触媒を用い、重合条件等を適宜調整することにより制御できる。
なお、ポリオレフィン粒子の平均粒子径は、レーザ回析式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製「SALD−2100」)を用い、メタノールを分散媒として測定することができる。
当該重合法としては、以下に限定されないが、例えば、スラリー重合法、気相重合法、溶液重合法により、エチレン、又はエチレンを含む単量体を(共)重合させる方法が挙げられる。
このなかでも、重合熱を効率的に除熱できるスラリー重合法が好ましい。
上記不活性炭化水素媒体としては、以下に限定されないが、例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチルクロライド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素又はこれらの混合物等が挙げられる。
本実施形態のポリオレフィン多孔質焼結成形体に用いるポリオレフィン粒子の重合工程においては、炭素数が6以上かつ10以下の炭化水素媒体を用いることが好ましい。炭素数が6以上であれば、ポリオレフィン重合時の副反応や、ポリオレフィンの劣化によって生じる低分子量成分が溶解しやすく、ポリオレフィンと重合媒体を分離する工程で除去されやすい。一方、炭素数が10以下であれば、ポリオレフィン中に残存する低分子量成分が少なくなり、反応槽へのポリオレフィン粒子の付着等も抑制されて、工業的に安定的な運転が行える傾向にある。
重合温度が30℃以上であれば、工業的に効率的な製造が行える傾向にある。一方、重合温度が100℃以下であれば、連続的に安定的な運転が行えるとなる傾向にある。
本実施形態において、ポリオレフィンの製造方法における重合圧力は、通常、常圧以上2MPa以下が好ましく、より好ましくは0.1MPa以上1.5MPa以下、さらに好ましくは0.1MPa以上1.0MPa以下である。
重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことができるが、連続式で重合することが好ましい。エチレンガス、溶媒、触媒等を連続的に重合系内に供給し、生成したポリオレフィンと共に連続的に排出することで、急激なエチレンの反応による部分的な高温状態を抑制することが可能となり、重合系内がより安定化する傾向にある。系内が均一な状態でエチレンが反応すると、低分子量成分やポリマー鎖中の分岐や二重結合の生成が抑制される傾向にある。よって、重合系内がより均一となる連続式が好ましい。
ポリオレフィン粒子の製造工程においては、重合を反応条件が異なる2段以上に分けて行うことが好ましい。
重合系内に連鎖移動剤として水素を添加することにより、分子量を適切な範囲で制御しやすくなる。
重合系内水素を添加する場合、水素のモル分率は、0mol%以上30mol%以下であることが好ましく、0mol%以上25mol%以下であることがより好ましく、0mol%以上20mol%以下であることがさらに好ましい。
溶媒分離後にポリオレフィンに含まれる溶媒の量は、特に限定されないが、ポリオレフィンの質量に対して70質量%以下であることが好ましく、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。
ポリオレフィンに含まれる溶媒が少量の状態で溶媒を乾燥除去することにより、溶媒中に含まれる不純物がポリオレフィン中に残存しにくい傾向にある。
チーグラー・ナッタ触媒としては、特許第5767202号明細書に記載のものを好適に使用することができ、メタロセン触媒としては、以下に限定されないが、例えば、特開2006−273977号公報、特許第4868853号公報に記載のものを好適に使用することができる。
乾燥温度が60℃以上であれば、効率的な乾燥が可能である。
一方、乾燥温度が120℃以下であれば、ポリオレフィン粒子の凝集や熱劣化を抑制した状態で乾燥することが可能である。
引張破断強度が2.0MPa以上であることにより、フィルター等の使用時に変形、破れ、破断等が起こらず、安定的に使用することができる傾向にある。
引張破断強度は、例えば、粘度平均分子量が30万以上のポリオレフィン粒子を使用して本実施形態のポリオレフィン多孔質焼結成形体を製造したり、隣り合う粒子同士を加熱により十分融着させたりする等の方法により制御することができる。
なお、ポリオレフィン多孔質焼結成形体の引張破断強度は、例えば、幅10mmの1号試験辺を使用し、標線間距離100mm、引張速度50mm/minの条件で、JIS−K7127に基づいて測定することができる。
上述したポリオレフィン粒子を用いてポリオレフィン多孔質焼結成形体を得るためには、焼結成形の手法が好適に用いられる。
焼結成形による方法においては、例えば、ポリオレフィン粒子を金属等の材料の平板上に均一に散布して、加熱・冷却することによりポリオレフィン多孔質焼結成形体が得られる。また、ポリオレフィン粒子を金属等の材料の平板上に均一に散布して加熱し、加熱中又は加熱後に更にその上に金属等の材料の平板を重ねて冷却し、金属等の材料の平板の面を転写する方法によっても、ポリオレフィン多孔質焼結成形体が得られる。
さらに、例えば、金属等の材料の連続したベルトの上に、ポリオレフィン粒子を均一に散布して加熱中又は加熱後に金属等の材料で出来たロールやベルトで挟んで冷却することによっても、ポリオレフィン多孔質焼結成形体が得られる。
さらにまた、ポリオレフィン粒子を所望の空間をもった金型に充填して金型ごと加熱してもよいし、ポリオレフィン粒子を入れた所望の空間を持った金型の中に熱風や該粒子の融着を阻害しない熱媒を通すことで加熱してもよい。
またさらに、上記成形法を用いて成形したポリオレフィン多孔質焼結成形体をスライス加工、又はスカイブ加工する方法によっても、所定の寸法のポリオレフィン多孔質焼結成形体が得られる。
上述したように、本実施形態のポリオレフィン多孔質焼結成形体は、ポリオレフィン粒子を金型内に充填し、焼結成形を行う工程を有する方法により製造できる。当該方法を金型法という。
また、本実施形態のポリオレフィン多孔質焼結成形体は、ポリオレフィン粒子を堆積させ、焼結成形を行う工程を有する方法により製造できる。当該方法を堆積法という。
金型を使用して焼結成形をする場合には、成形後の後処理等を勘案すると、金型ごと加熱する方法が好適に用いられる。金型ごと加熱する方法としては、熱風炉やヒーターを備えた炉の中に投入してもよいし、金型中に流路を設けて、熱媒を通すことでもよい。
連続焼結法は、例えば、回転式のスチールベルト、低速回転ローラー付パウダー供給ホッパー、加熱部、圧延ローラーからなる装置を使用して実施することができる。
具体的には、ポリオレフィン粒子をホッパーから連続的に移動式のスチールベルト上に堆積させ、加熱炉に連続的に投入し、ベルト上から任意の厚さのクリアランスを設けた100℃以上に加熱した圧延ローラーを通した後、室温で冷却することで任意の厚みで、平均空孔率、平均空孔径、強度等を制御したポリオレフィン多孔質焼結成形体を得ることができる。
金型、あるいはベルトなどの材料の表面温度を、(使用するポリオレフィンの融点+20℃以上)とすることにより、強固にポリオレフィン粒子同士が融着し、強度が向上すると共にポリオレフィン多孔質焼結成形体の表面粗度が低くなる傾向にある。また、金型あるいはベルトなどの材料の表面温度を、(使用するポリオレフィンの融点+100℃以下)とすることで、ポリオレフィンの熱劣化を防止できると共に、激しい流動を抑制し、その結果適正な平均空孔率、平均空孔径等を確保できる傾向にある。
この温度で保持することで、ポリオレフィン粒子の結晶化度が向上し、焼結成形時の寸法変化や熱劣化を抑制することができる傾向にある。
ポリオレフィン粒子の結晶化度は、76%以上が好ましく、78%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。
通常は金属製の金型が好適に使用される。
金属の中でも、アルミニウムや真鍮などは、比較的軽量で熱伝導率がよいことから好適に使用される。
これら金属は、そのまま用いてもよいし、表面にクロムやニッケルなどで鍍金を施してもよい。このとき、用いる金型あるいはベルトなどの材料のポリオレフィン粒子が接する面の少なくとも片面は、表面粗さが、最大高さ(Ry)で、10μm以下に仕上げられていることが好ましく、より好ましくは5μm以下である。
金型あるいはベルトなどの材料のポリオレフィン粒子が接する面の表面粗さが、最大高さ(Ry)で10μm以下とすることで、その面が焼結成形時にポリオレフィン粒子に転写されることを防止でき、ポリオレフィン多孔質焼結成形体の表面粗度を所望の範囲に制御できる傾向にある。
ここでいう、表面粗さの最大高さ(Ry)は、先端が0.1mmRの測定子を用い、接触法によってJIS B0601−1994に従って測定した値である。
親水化処理方法としては、以下に限定されないが、例えば、界面活性剤を用いる方法、グラフト重合処理による方法が挙げられる。
本実施形態のポリオレフィン多孔質焼結成形体においては、ポリオレフィンが、親水性を有するエチレン性不飽和基含有モノマー又はその重合体から選ばれる少なくとも1種の分子鎖をグラフトさせたポリオレフィンであることが好ましい。
前記(A)、(B)は、それぞれ、ポリオレフィン粒子100質量部に対して0〜0.5質量部の範囲で、かつ、0≦(A)+(B)≦0.5(質量部)の範囲で添加混合することができる。
非イオン界面活性剤(B)のうち、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等が挙げられる。
ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリオキシエチレンソルビットテトラオレート等が挙げられる。
ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレングリコールモノラウレート等が挙げられる。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリグリセリンモノイソステアレート等が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレート等が挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステル系非イオン界面活性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ソルビタンモノラウレート等が挙げられる。
これらの非イオン界面活性剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の親水性付与処理は、具体的には、乾式混合が好ましい。例えば、高速ミキサー等の公知のブレンダーを用いて、上述したポリオレフィン粒子、界面活性剤、及び好ましくは少量の水を共存させて混合する。このとき、熱安定剤、離型剤等の所定の添加剤を加えてもよい。なお、界面活性剤による親水性付与処理を行う場合、上記のようにポリオレフィン粒子の状態で行ってもよいが、ポリオレフィン多孔質焼結成形体の成形工程の後に行ってもよい。
なお、グラフト重合処理を行う場合、ポリオレフィン多孔質焼結成形体を成形した後に、所定の親水性を有するエチレン性不飽和基含有モノマー又はその重合体から選ばれる少なくとも1種の分子鎖をグラフトさせてもよく、又は予めポリオレフィン粒子に、所定の親水性を有するエチレン性不飽和基含有モノマー又はその重合体から選ばれる少なくとも1種の分子鎖をグラフトさせた後に成形してもよい。
前記親水性を有するエチレン性不飽和基含有モノマーとは、エチレン性不飽和基、すなわちグラフト反応が生じるための重合性二重結合を有しているモノマーである。また、少なくとも、1つ以上の重合性二重結合を有する化合物であればよく、それ自身が重合してマクロマーとなるものであってもよいし、それ自身は単独重合体を形成しないものであってもよい。
これらのエチレン性不飽和基含有モノマーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
親水性を有するエチレン性不飽和基含有モノマー又はその重合体から選ばれる少なくとも1種の分子鎖を、ポリオレフィン粒子を構成する重合体にグラフトさせる方法としては、ポリオレフィンに発生させたラジカルを開始点として、親水性を有するエチレン性不飽和基含有モノマーを導入し得る方法であれば、特に限定されない。例えば、コロナ放電やグロー放電により発生するプラズマによる方法、オゾンに代表されるような活性ガスによる方法、ベンゾフェノン、アセトフェノン等の光増感剤と紫外線等の活性光線による方法、電離放射線による方法、各種ラジカル開始剤による方法等が挙げられる。均一性に優れることから、活性光線又は電離放射線の照射によってラジカルを生成させる方法が好ましい。前記電離放射線とは、物質と作用して電離現象を起こすことができる放射線である。例えば、γ線、X線、β線、電子線、α線等が挙げられるが、工業生産に向いており、かつ、特に均一にラジカルを生成させることができるγ線が好ましい。
ラジカルが生成したポリオレフィン粒子又はその成形体と、上記親水性を有するエチレン性不飽和基含有モノマーとの接触は、気相中で行っても、液相中で行ってもよく、特に限定されないが、より均一にグラフトさせることができる液相で行う方法が好ましい。
洗浄する溶媒としては、水やメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等のアルコール類;プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチルクロライド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素又はこれらの混合物等を挙げることができる。
本実施形態のポリオレフィン多孔質焼結成形体は、別のシートと積層し、積層体としてもよい。
前記積層体は、本実施形態のポリオレフィン多孔質焼結成形体を少なくとも一層含む。
前記別のシートとしては、特に限定されないが、多孔質焼結成形体、織布、不織布等が挙げられる。
前記織布としては、以下に限定されるものではないが、例えば、繊維を経緯に組み合わせて作製した織物、若しくは繊維を編みあげた編物等が挙げられる。
前記不織布としては、繊維同士を織らない状態で重ね合わせ、種々の方法で結合させたシート等が挙げられる。
ポリオレフィン多孔質焼結成形体と、上述した別のシートとを積層させる方法としては、特に限定されないが、例えば、スプレー式粘着剤、接着剤を用いて、点状、繊維状等の接着面の形成する方法、グラビアコータ、ロールコータ、スクリーン印刷機等を用いて、点状、網目状、筋状等に接着面を形成する方法、粒子形状、ネット形状の熱可塑性樹脂を介して、加圧加熱して融着させる方法、超音波ウエルダー機、超音波ミシン等を用いスポット溶接させる方法、シートと接するポリオレフィン多孔質焼結成形体の表面をわずかに溶融することで融着させる方法等により行うことができる。
特に、溶融して接着する方法は、被接触物を汚染する成分を使用することなく積層させることができるため好ましい。
具体的には、イムノクロマト法による迅速検査キットの支持体用シート、アフェレシス治療用のフィルター、人工透析等用のフィルター、各種インプラント、生体分析キット等のプレフィルター、剛性の低いフィルター等の支持体、イオン交換樹脂の支持体等のライフサイエンス分野や、プリンタヘッド用インク吸収体、固体電解質の支持体、燃料電池用部材、リチウムイオン二次電池や鉛蓄電池のセパレータ等のエレクトロニクス分野においても利用可能である。
すなわち、本実施形態のフィルターは、本実施形態のポリオレフィン多孔質焼結成形体又は本実施形態の積層体を含み、また、本実施形態のイムノクロマト法による迅速検査キットの支持体用シートは、本実施形態のポリオレフィン多孔質焼結成形体又は本実施形態の積層体を含む。
各物性の測定は以下のとおりに行った。
((1)平均空孔率)
ポリオレフィン多孔質焼結成形体の平均空孔率は、以下の式に従って算出した。
平均空孔率(容積%)=[(真の密度−見掛けの密度)/真の密度]×100
ここで、真の密度(g/cm3)とはポリオレフィン粒子の密度であり、見掛けの密度(g/cm3)とは焼結成形体の質量を焼結成形体の外寸から算出した容積で割った値である。
ポリオレフィン多孔質焼結成形体の平均空孔径は、ユアサアイオニクス株式会社製ポアサイズメーターPSM165、及び株式会社島津製作所製自動ポロシメータオートポアIV9510を用いて求めた。
自動ポロシメータの測定条件は、低圧部測定範囲0.54〜40psia、低圧部測定点数46点、高圧部測定範囲50〜6000psia、高圧部測定点数43点とした。
ポリオレフィン多孔質焼結成形体のヘキサンで抽出される炭素数16と炭素数18の炭化水素成分の合計含有量は、ポリオレフィン多孔質焼結成形体から抽出された成分をガスクロマトグラフィーによって以下のように測定し、標準物質の炭素数16と18に重なるピークより求めた。
厚み2mmのポリオレフィン多孔質焼結成形体シート5g、和光純薬社製PCB試験用ヘキサン20mLを100mL容積のSUS製容器中に入れて密閉した。
このSUS製容器全体を60℃の湯浴に浸し、50min-1速度で振とうしながら5時間抽出した後、20℃の水に浸し急冷した。
上澄み液を、0.2μmフィルター(PTFE製)を取り付けたガラスシリンジで濾過し、サンプルとした。炭素数16と18の標準物質は、シグマアルドリッチ社製ASTM D5442 C16−C44 Qualitative Retention Time Mixを和光純薬社製PCB試験用ヘキサンに溶解して標準物質として用いた。
・装置:島津GC2014
・温度:INJ 300℃;OVEN 280℃(インジェクション量:2μL)
・カラム:Silicone OV−1、1.1m、キャリアガス:窒素
・検出器:FID
ポリオレフィン多孔質焼結成形体のAl、Mg、Ti、Zr、及びHfの合計含有量、及び含有塩素量は、成形体0.2gをテフロン(登録商標)製分解容器に秤取り、高純度硝酸を加えてマイルストーンゼネラル社製マイクロウェーブ分解装置ETHOS−TCにて加圧分解後、日本ミリポア社製超純水製造装置で精製した純水で全量を50mLとしたものを検液として使用し、測定した。
上記検液に対し、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)Xシリーズ2を使用して、内標準法でAl、Mg、Ti、Zr、Hf及びClの定量を行った。
ポリオレフィン多孔質焼結成形体中のポリオレフィンの二重結合量は、日本分析化学会高分子ハンドブックのポリエチレンの異種結合の定量法に準拠して測定した。
二重結合量(個/1000C)は、963cm-1のトランス、910cm-1の末端ビニル、888cm-1のビニリデンの吸光度Aを測定することで求めた。
吸光度Aは日本分光株式会社製のFT/IR−5300で測定した。
計算式を下記に示す。
二重結合量=0.083A963/(ρ×t)+0.114A910/(ρ×t)+0.109A888/(ρ×t)
(なお、Aは吸光度、ρは密度(g/cm3)、tは厚み(mm)を表す。)
ポリオレフィン多孔質焼結成形体に用いるポリオレフィンの粘度平均分子量を下記のようにして測定した。
20mLのデカリン(デカヒドロナフタレン)中にポリオレフィン20mgを加え、150℃で2時間攪拌してポリマーを溶解させた。その溶液を135℃の恒温槽で、ウベローデタイプの粘度計を用いて、標線間の落下時間(ts)を測定した。同様に、ポリオレフィンの重量を変えて3点の溶液を作製し、落下時間を測定した。ブランクとしてポリオレフィンを入れていない、デカリンのみの落下時間(tb)を測定した。
以下の式に従って求めたポリマーの還元粘度(ηsp/C)をそれぞれプロットして濃度(C)(単位:g/dL)とポリマーの還元粘度(ηsp/C)の直線式を導き、濃度0に外挿した極限粘度([η])を求めた。
ηsp/C=(ts/tb−1)/C (単位:dL/g)
次に下記式(A)を用いて、上記極限粘度([η])の値を用い、粘度平均分子量(Mv)を算出した。
Mv=(5.34×104)×[η]1.49 ・・・(A)
ポリオレフィン多孔質焼結体の引張破断強度を、JIS−K7127に基づいて、標線間距離100mm、引張速度50mm/minの条件で測定した。
((8)シート汚れ性)
ポリオレフィン多孔質焼結成形体を含むシート汚れ性の評価は、ポリオレフィン多孔質焼結成形体を吸引搬送シートに使用して、セラミックグリーンシートを吸引吸着した後、搬送して排気脱離する操作を100回繰り返した後の多孔質焼結成形体表面の汚れを目視で確認し、以下の判定基準に基づき評価した。
○:多孔質焼結成形体表面が灰色に着色したもの。
×:多孔質焼結成形体表面が黒色に着色したもの。
ポリオレフィン多孔質焼結成形体の粉落ち性の評価は、ポリオレフィン多孔質焼結成形体の原料粒子の色と反対色の紙の上で、厚み2mm、200mm×200mmサイズの1枚のポリオレフィン多孔質焼結積層体を、バイブレータ(神鋼電機株式会社製「バイブレートリパッカVP−15D」)を用いて2分間振動を加えた後、反対色の紙の上に原料粒子があるか否かを目視で確認し、以下の判定基準に基づき評価した。
○:原料樹脂の脱落が殆どなかった。
×:原料樹脂の脱落が多数あった。
脱脂処理した鉄板(SUS316)に厚さ2mmのポリオレフィン多孔質焼結成形体を固定し、プレス成形した。200℃で5分間予熱した後に10MPaで10分間加熱した。次に、このサンプルを温度60℃、湿度90%の恒温恒湿槽に24時間静置した後、ポリオレフィン多孔質焼結成形体を剥がして鉄板上の錆の評価を行った。
◎:錆が全く観察されなかったもの。
○:錆の発生は極わずかで、極一部に観察されたもの。
×:全面に錆びたもの。
(製造例1:チーグラー・ナッタ触媒成分[A]の調製)
充分に窒素置換された8Lステンレス製オートクレーブにヘキサン1,600mLを添加した。
10℃で攪拌しながら1mol/Lの四塩化チタンヘキサン溶液800mLと1mol/Lの組成式AlMg5(C4H9)11(OSiHCH3)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液800mLとを4時間かけて同時に添加した。
添加後、ゆっくりと昇温し、10℃で1時間反応を継続させた。
反応終了後、上澄み液を1600mL除去し、ヘキサン1,600mLで5回洗浄することにより、固体触媒成分[A]を調製した。
この固体触媒成分[A]1g中に含まれるチタン量は3.05mmolであった。
<(1)(B−1)担体の合成>
充分に窒素置換された8Lステンレス製オートクレーブに2mol/Lのヒドロキシトリクロロシランのヘキサン溶液1,000mLを仕込み、65℃で攪拌しながら組成式AlMg5(C4H9)11(OC4H9)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液2,550mL(マグネシウム2.68mol相当)を4時間かけて滴下し、さらに65℃で1時間攪拌しながら反応を継続させた。
反応終了後、上澄み液を除去し、1,800mLのヘキサンで4回洗浄した。この固体((B−1)担体)を分析した結果、固体1g当たりに含まれるマグネシウムが8.31mmolであった。
<(2)固体触媒成分[B]の調製>
上記(B−1)担体110gを含有するヘキサンスラリー1,970mLに10℃で攪拌しながら1mol/Lの四塩化チタンヘキサン溶液110mLと1mol/Lの組成式AlMg5(C4H9)11(OSiH)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液110mLとを同時に1時間かけて添加した。
添加後、10℃で1時間反応を継続させた。反応終了後、上澄み液を1100mL除去し、ヘキサン1,100mLで2回洗浄することにより、固体触媒成分[B]を調製した。この固体触媒成分[B]1g中に含まれるチタン量は0.75mmolであった。
<シリカ担体[C1]の調製>
シリカ担体[C1]の前駆体として、平均粒径6μm、比表面積660m2/g、細孔容積1.4mL/g、圧縮強度7MPaのシリカを用いた。
窒素置換した容量8Lオートクレーブに加熱処理後のシリカ1(130g)をヘキサン2500mL中に分散させ、スラリーを得た。得られたスラリーに、攪拌下20℃にて、ルイス酸性化合物であるトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(濃度1M)を195mL加えた。その後、2時間攪拌し、トリエチルアルミニウムとシリカ1の表面水酸基と、を反応させて、トリエチルアルミニウムを吸着させたシリカ担体[C1]のヘキサンスラリー2695mLを調製した。
<遷移金属化合物成分[C2]の調製>
遷移金属化合物(C2−1)として、[(N−t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)ジメチルシラン]チタニウム−1,3−ペンタジエン(以下、「錯体1」と略称する)を使用した。また、有機マグネシウム化合物(C2−2)として、組成式Mg(C2H5)(C4H9)(以下、「Mg1」と略称する)を使用した。
200mmolの錯体1をイソパラフィン炭化水素(エクソンモービル社製アイソパーE)1000mLに溶解し、これにMg1のヘキサン溶液(濃度1M)を40mL加え、更にヘキサンを加えて錯体1の濃度を0.1Mに調整し、遷移金属化合物成分[C2]を得た。
<活性化剤[C3]の調製>
ボレート化合物(C3−1)として、ビス(水素化タロウアルキル)メチルアンモニウム−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(以下、「ボレート1」と略称する)を使用した。17.8gのボレート1をトルエン156mLに添加して溶解し、このボレートのトルエン溶液にエトキシジエチルアルミニウムの1mol/Lヘキサン溶液15mLを室温で加え、さらにヘキサンを加えてトルエン溶液中のボレート1の濃度を80mMに調節し、活性化剤[C3]を調製した。
<オレフィン重合用固体触媒[C4]の調製>
上記操作により得られたシリカ担体[C1]のスラリー2695mLに、25℃にて撹拌しながら、上記操作により得られた活性化剤[C3]219mLと、遷移金属化合物成分[C2]175mLと、を別のラインから定量ポンプを用い同時に添加し、その後、3時間反応を継続することにより、オレフィン重合用固体触媒[C4]、すなわち担持型メタロセン触媒成分[C]を調製した。
この時の添加時間は活性化剤[C3]及び遷移金属化合物成分[C2]共に30分間であり、攪拌数は400rpmであった。
有機マグネシウム化合物[D−1]として、組成式AlMg6(C2H5)3(C4H9)12(以下、「Mg2」と略称する)を使用した。
化合物[D−2]として、メチルヒドロポリシロキサン(25℃における粘度20センチストークス)を使用した。
200mLのフラスコに、ヘキサン40mLとMg2を、MgとAlの総量として38.0mmolを攪拌しながら添加し、20℃で[D−2]を2.27g(37.8mmol)含有するヘキサン40mLを攪拌しながら添加し、その後80℃に温度を上げて3時間、攪拌下で反応させることにより、液体成分[D]を調製した。
(ポリオレフィンの重合)
ヘキサン純度(純度99.98%)、エチレン(純度99.99%)、水素(純度99.9%)、触媒成分を、攪拌装置が付いたベッセル型300L重合反応器に連続的に供給した。重合圧力は0.7MPaであった。重合温度はジャケット冷却により82℃に保った。
ヘキサンは40L/hrで重合器の底部から供給した。
固体触媒成分[A]と、助触媒としてトリイソブチルアルミニウムを使用した。
固体触媒成分[A]は0.2g/hrの速度で重合器の液面と底部の中間から添加し、トリイソブチルアルミニウムは10mmol/hrの速度で重合器の液面と底部の中間から添加した。
エチレン重合体の製造速度は9.8kg/hrであった。
水素を、気相のエチレンに対する水素濃度が13mol%になるようにポンプで連続的に供給した。なお、水素は予め触媒と接触させるために触媒導入ラインから供給し、エチレンは重合器上部の気相に供給した。
触媒活性は79,000g−PE/g−固体触媒成分[A]であった。
重合スラリーは、重合反応器のレベルが一定に保たれるように連続的に圧力0.05MPa、温度40℃、5%加湿窒素を1m3/時間で液中フィードしているフラッシュドラムに抜き、未反応のエチレン及び水素を分離し、触媒及び助触媒を失活した。
次に、重合スラリーは、重合反応器のレベルが一定に保たれるように連続的に遠心分離機に送り、ポリマーとそれ以外の溶媒等を分離した。その時のポリマーに対する溶媒等の含有量は40%であった。分離されたポリエチレン粒子は、85℃で窒素ブローしながら乾燥した。
得られたポリエチレン粒子を目開き250μmの篩を用いて、篩を通過しなかったものを除去することでポリエチレン粒子を得た。
得られたポリエチレン粒子の測定結果を下記〔表1〕に示す。
(金型法によるポリオレフィン多孔質焼結成形体の作製)
内寸が厚さ2.15mm、200×200mm、金型の厚み2mmのアルミニウム製金型を使用した。
金型の上蓋となるアルミニウム板を外し、窒素下120℃で24時間アニールしたポリエチレン粒子を、バイブレータで振動を与えながら30秒間で充填した。
上蓋を元に戻した後、210℃のオーブンで20分間加熱し、室温で冷却することで厚み2.0mmのポリエチレン多孔質焼結成形体を得た。
なお、アニールした後のポリエチレン粒子の結晶化度は80%であった。
ポリオレフィン多孔質焼結成形体の特性を下記〔表1〕に示す。
重合工程において、重合温度77℃、水素濃度6mol%、重合圧力0.6MPaとした以外は前記〔実施例1〕と同様の操作により、〔実施例2〕のポリエチレン粒子、及びポリオレフィン多孔質焼結成形体を得た。
なお、ポリマーに対する溶媒等の含有量は42%、アニール後のポリエチレン粒子の結晶化度は82%であった。
ポリエチレン粒子とポリオレフィン多孔質焼結成形体の特性を下記〔表1〕に示す。
前記〔実施例2〕で得られたアニール後のポリエチレン粒子を使用して、下記堆積法によりポリオレフィン多孔質焼結成形体を成形した。
(堆積法によるポリオレフィン多孔質焼結成形体の作製)
回転式のスチールベルト、低速回転ローラー付パウダー供給ホッパー、加熱炉、圧延ローラーからなる連続焼結装置を使用した。
〔実施例2〕のポリエチレン粒子をホッパーから連続的に移動式のスチールベルト上に厚さ2.0mmで堆積させ、次に、210℃にセットされた加熱炉に連続的に投入し、15分間加熱した。
次に、ベルト上から2.0mmのクリアランスを設けた温度115℃の圧延ローラーを通した後、室温で放冷することで厚み2.0mmのポリオレフィン多孔質焼結成形体を得た。
ポリエチレン粒子とポリオレフィン多孔質焼結成形体の特性を下記〔表1〕に示す。
重合工程において、重合温度58℃、水素添加無し、重合圧力0.5MPa、固体触媒成分を固体触媒成分[B]1.2g/Hrとした以外は、前記〔実施例1〕と同様の操作により、〔実施例4〕のポリエチレン粒子、及びポリオレフィン多孔質焼結成形体を得た。
なお、ポリマーに対する溶媒等の含有量は42%、アニール後のポリエチレン粒子の結晶化度は79%であった。
ポリエチレン粒子とポリオレフィン多孔質焼結成形体の特性を下記〔表1〕に示す。
重合工程において、重合温度82℃、水素濃度5mol%、重合圧力0.8MPa、固体触媒成分[A]の代わりに、オレフィン重合用固体触媒[C4]、すなわち担持型メタロセン触媒成分[C]のスラリーを、オレフィン重合用固体触媒の質量(固形分の質量)が1.0g/hrとなるように供給し、トリイソブチルアルミニウムの代わりに、上記の液体成分[D]をMgとAlの総量として4mmol/hrで供給した以外は、前記〔実施例1〕と同様の操作により、〔実施例5〕のポリエチレン粒子、及びポリオレフィン多孔質焼結成形体を得た。
なお、ポリマーに対する溶媒等の含有量は38%、アニール後のポリエチレン粒子の結晶化度は80%であった。
ポリエチレン粒子とポリオレフィン多孔質焼結成形体の特性を下記〔表1〕に示す。
重合工程において、重合温度70℃、水素添加なし、重合圧力0.4MPaとした以外は、前記〔実施例5〕と同様の操作により、〔実施例6〕のポリエチレン粒子、及びポリオレフィン多孔質焼結成形体を得た。
なお、ポリマーに対する溶媒等の含有量は43%、アニール後のポリエチレン粒子の結晶化度は81%であった。
ポリエチレン粒子とポリオレフィン多孔質焼結成形体の特性を下記〔表1〕に示す。
前記〔実施例2〕のポリオレフィン多孔質焼結成形体をアルミ蒸着したポリエチレンの袋に入れ窒素ガスで封じ、ドライアイスで−60℃に冷却しながら200kGyのγ線を照射した。
tert−ブタノール(純正化学株式会社製、試薬特級)の25容積%水溶液とヒドロキシプロピルアクリレート(東京化成株式会社製、試薬特級)を混合して14容積%モノマー溶液を作製し、40℃にて30分間窒素バブリングして溶存酸素を除去した。
γ線照射後のポリオレフィン多孔質焼結成形体を反応容器に入れ、13.4MPa以下の減圧下に15分間静置した後、上記モノマー溶液1200cm3を導入し、40℃で20分間反応させた。その後、2−プロパノール(和光純薬工業株式会社製、試薬特級)の50容積%水溶液1200cm3に25℃で20分間浸漬させて洗浄し、この洗浄操作を計5回繰り返した後、80℃で真空乾燥させることによって、親水性のポリオレフィン多孔質焼結成形体を得た。
得られたポリオレフィン多孔質焼結成形体、及び用いられているポリエチレン粒子の特性を下記〔表1〕に示す。
重合工程において、水素濃度を20mol%とした以外は、前記〔実施例1〕と同様の操作により、〔比較例1〕のポリエチレン粒子を得た。
ポリオレフィン多孔質焼結成形体の製造方法としては、前記〔実施例1〕と同様の操作を行ったが、溶融したポリエチレン粒子が一部金型に融着したため、オーブンの温度を190℃に変えて〔比較例1〕のポリオレフィン多孔質焼結成形体を得た。
なお、ポリマーに対する溶媒等の含有量は43%、アニール後のポリエチレン粒子の結晶化度は81%であった。
ポリエチレン粒子とポリオレフィン多孔質焼結成形体の特性を下記〔表1〕に示す。
粘度平均分子量(Mv)が小さいポリエチレン粒子を使用すると、ポリエチレン粒子が溶融流動し易く正常なポリオレフィン多孔質焼結成形体が得られなかった。
またオーブン温度を下げるとポリエチレン粒子同士の融着が不十分となった。
重合工程において、重合温度35℃、水素添加無しとした以外は、前記〔実施例1〕と同様の操作により、〔比較例2〕のポリエチレン粒子、及びポリオレフィン多孔質焼結成形体を得た。
なお、ポリマーに対する溶媒等の含有量は40%、アニール後のポリエチレン粒子の結晶化度は80%であった。
ポリエチレン粒子とポリオレフィン多孔質焼結成形体の特性を下記〔表1〕に示す。
粘度平均分子量(Mv)が1000万を超えるポリエチレン粒子を使用すると、ポリオレフィン粒子同士の融着が不十分で、ポリオレフィン多孔質焼結成形体の脆化、変色が起こり、錆も発生した。
前記〔実施例2〕で得られたポリエチレン粒子を使用してポリオレフィン多孔質焼結成形体を成形した。
ポリオレフィン多孔質焼結成形体の製造方法としては、160℃のオーブンで20分間加熱した以外は、前記〔実施例2〕と同様の操作により、〔比較例3〕のポリオレフィン多孔質焼結成形体を得た。
ポリエチレン粒子とポリオレフィン多孔質焼結成形体の特性を下記〔表1〕に示す。
ポリオレフィンの熱劣化を抑制するために低温で焼結成形すると、ポリオレフィン粒子同士の融着が不十分で、ポリオレフィン多孔質焼結成形体の一部が破断したため平均空孔率と平均空孔径は測定できなかった。また機械強度も大幅に低下する結果となった。
前記〔実施例2〕で得られたポリエチレン粒子を使用してポリオレフィン多孔質焼結成形体を成形した。
ポリオレフィン多孔質焼結成形体の製造方法としては、オーブンで加熱する前にポリエチレン粒子を窒素下120℃で24時間アニールしなかった以外は、前記〔実施例2〕と同様の操作により、〔比較例4〕のポリオレフィン多孔質焼結成形体を得た。
なお、オーブンで加熱する前のポリエチレン粒子の結晶化度は73%であった。
ポリエチレン粒子とポリオレフィン多孔質焼結成形体の特性を下記〔表1〕に示す。
ポリオレフィンの熱劣化によって大幅に低分子量成分が増加する結果となった。
重合工程において、固体触媒成分[A]と、助触媒を重合器の底部から供給し、エチレンを重合器の液面と底部の中間から液中にバブリングすることで重合反応を行った。
次に、温度70℃のフラッシュドラムに抜き、室温まで冷却した後、金属製のメッシュを使用してポリマーとそれ以外の溶媒等を濾過により分離した。その時のポリマーに対する溶媒等の含有量は132%であった。
その他の工程は、前記〔実施例2〕と同様の操作により、〔比較例5〕のポリエチレン粒子、及びポリオレフィン多孔質焼結成形体を得た。
なお、アニール後のポリエチレン粒子の結晶化度は79%であった。
ポリエチレン粒子とポリオレフィン多孔質焼結成形体の特性を下記〔表1〕に示す。
低分子量成分の多いポリオレフィン粒子を使用すると高純度なポリオレフィン多孔質焼結成形体は得られなかった。
Claims (12)
- ポリオレフィンから構成されるポリオレフィン粒子を含み、下記(1)〜(3)の性状を有するポリオレフィン多孔質焼結成形体。
(1)平均空孔率20容積%以上80容積%以下、平均空孔径5μm以上200μm以下である。
(2)ヘキサンで抽出される炭素数16と炭素数18の炭化水素成分の合計含有量が200ppm以下である。
(3)Al、Mg、Ti、Zr、及びHfの合計含有量が1ppm以上30ppm以下である。 - 含有塩素量が前記ポリオレフィンに対して20ppm以下である、請求項1に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体。
- 前記ポリオレフィンの1000個の炭素中の二重結合量が0.1個以下である、請求項1又は2に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体。
- 前記ポリオレフィンがエチレンの単独重合体、又は、エチレンと炭素数が3以上のオレフィンとの共重合体である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体。
- 前記ポリオレフィンの粘度平均分子量が30万〜1000万である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体。
- 前記ポリオレフィンが、親水性を有するエチレン性不飽和基含有モノマー又はその重合体から選ばれる少なくとも1種の分子鎖をグラフトさせたポリオレフィンである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体。
- 前記ポリオレフィン多孔質焼結成形体の引張破断強度が2.0MPa以上である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体の製造方法であって、
ポリオレフィン粒子を金型内に充填し、焼結成形を行う工程を有する、
ポリオレフィン多孔質焼結成形体の製造方法。 - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体の製造方法であって、
ポリオレフィン粒子を堆積させ、焼結成形を行う工程を有する、
ポリオレフィン多孔質焼結成形体の製造方法。 - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体を、少なくとも一層含む、積層体。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体、又は請求項10に記載の積層体を含む、フィルター。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のポリオレフィン多孔質焼結成形体、又は請求項10に記載の積層体を含む、
イムノクロマト法による迅速検査キットの支持体用シート。
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