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JP2017128039A - 印刷装置及び印刷方法 - Google Patents

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JP2017128039A JP2016008994A JP2016008994A JP2017128039A JP 2017128039 A JP2017128039 A JP 2017128039A JP 2016008994 A JP2016008994 A JP 2016008994A JP 2016008994 A JP2016008994 A JP 2016008994A JP 2017128039 A JP2017128039 A JP 2017128039A
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infrared light
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大西 勝
Masaru Onishi
勝 大西
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Mimaki Engineering Co Ltd
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Abstract

【課題】インクの滲みをより適切に抑え、高い品質の印刷をより適切に行う。
【解決手段】媒体50に対してインクジェット方式で印刷を行う印刷装置10であって、インク滴をインクジェット方式で吐出するインクジェットヘッド102と、赤外線を照射する赤外線光源104とを備え、インクジェットヘッド102は、赤外線を吸収する赤外線吸収剤と、赤外線吸収剤を溶解又は分散させる溶媒とを含むインクのインク滴を吐出することにより、媒体50上にインクを付着させ、赤外線光源104は、媒体50上に付着したインクに赤外線を照射することにより、インクに含まれる溶媒の少なくとも一部を揮発除去する。
【選択図】図1

Description

本発明は、印刷装置及び印刷方法に関する。
従来、インクジェット方式で印刷を行うインクジェットプリンタが広く用いられている(例えば、非特許文献1参照。)。また、インクジェットプリンタで使用するインクとして、水性顔料インク、ラテックスインク、顔料内包樹脂分散インク等の水性インク(水性系のインク)や、有機溶剤を溶媒として用いるソルベントインク(溶剤インク)等のような、蒸発乾燥型のインクが広く用いられている。この場合、蒸発乾燥型のインクとは、インク中の溶媒を蒸発させることでインクを媒体(メディア)に定着させるインクのことである。
また、水性インク等の蒸発乾燥型のインクを用いるインクジェットプリンタでは、ヒータによる加熱でインクを乾燥させることで、インクの滲み止めと、乾燥定着とを行う。また、この場合のより具体的な方法として、媒体をヒータ(プリントヒータ)で加熱して滲みを止め、その後更に各種ヒータや赤外線ランプ等の加熱手段(アフター加熱手段)でインクを乾燥定着させる方法等も知られている。また、インクの滲みを止めるための方法として、従来、印刷対象の媒体(被プリントメディア)にインクの受像層を形成する方法等も知られている。
インターネット URL http://www.mimaki.co.jp
しかし、媒体に受像層を形成する方法を用いる場合、受像層を予め形成した特定の媒体に対してのみしか印刷ができないことになる。また、この場合、受像層中にインクの溶媒が残留し、問題が生じるおそれもある。例えば、印刷後に媒体を巻き取る構成の場合、巻き取り時に裏写りが発生しやすくなる問題が生じる。また、受像層の下の層であるベース層として紙等を用いる場合、例えばカラー画像の印刷(カラープリント)等のようにインク量が多い印刷を行うと、滲みや媒体のカール等が発生しやすくなるおそれもある。
また、例えば布地の媒体を用いる場合、滲み防止機能や発色を助ける機能を有する前処理剤(糊剤等)を受像層としてコートした布地等を準備する必要がある。そのため、この場合、前処理を専門業者に依頼する必要があり、時間の損失(ロス)とコスト上昇の問題が生じることになる。
また、プリントヒータで媒体を加熱することで滲みを止める場合、例えば印刷速度の高速化をするためには、インクジェットヘッドと対向するプラテンの位置での加熱温度を高めることが必要になる。しかし、この場合、加熱温度を高めると、インクジェットヘッドのノズル面も加熱されて、ノズル詰まりが発生しやすくなる問題が生じる。
また、この場合、例えばインクの溶媒として沸点の低い溶剤等を用い、インクを蒸発しやすくすることで滲みの発生を抑えることも考えられる。しかし、この場合、ノズルでのインクの蒸発も早くなり、ノズル詰まりが頻発するおそれがある。そのため、従来、蒸発乾燥型のインクを用いる場合、インクの滲みを防ぐことが難しい場合があった。
また、インクジェットプリンタにおいて用いるインクとして、従来、蒸発乾燥型のインク以外に、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型インク(UVインク)も広く用いられている。そして、紫外線硬化型インクを用いる場合、例えば媒体へのインク滴の着弾直後に紫外線を照射することにより、媒体上のインクの滲みを瞬時に止めることが可能になる。また、この場合、媒体を加熱する必要がないため、ノズル詰まりの問題等も生じにくい。しかし、この場合、インクのドットが十分に平坦化する前にインクが硬化するため、インクの表面がマット化しやすくなる。また、インクの厚さが厚くなりすぎる場合もある。そのため、印刷の用途によっては、所望の印刷品質を得られない場合もある。また、その結果、印刷の用途等によっては、紫外線硬化型インクではなく、蒸発乾燥型のインクを用いることが必要になる。
そのため、従来、蒸発乾燥型のインクを用いる場合について、インクの滲みをより適切に抑え得る方法が望まれていた。そこで、本発明は、上記の課題を解決できる印刷装置及び印刷方法を提供することを目的とする。
本願の発明者は、蒸発乾燥型のインクを用いる場合について、インクの滲みをより適切に抑え得る方法に関し、鋭意研究を行った。そして、この場合に行う着弾直後の加熱について、単にヒータで加熱する方法ではなく、インク中に赤外線吸収剤を含ませ、赤外線を照射することで加熱を行うことを考えた。このように構成すれば、例えば、インクを効率的に加熱し、インク中の溶媒をより適切に蒸発させることができる。また、これにより、加熱の影響でノズル詰まり等が発生することを防ぎつつ、より適切に滲みの発生を抑えることができる。
すなわち、上記の課題を解決するために、本発明は、媒体に対してインクジェット方式で印刷を行う印刷装置であって、インク滴をインクジェット方式で吐出するインクジェットヘッドと、赤外線を照射する赤外線光源とを備え、前記インクジェットヘッドは、赤外線を吸収する赤外線吸収剤と、前記赤外線吸収剤を溶解又は分散させる溶媒とを含むインクのインク滴を吐出することにより、前記媒体上に前記インクを付着させ、前記赤外線光源は、前記媒体上に付着した前記インクに赤外線を照射することにより、前記インクに含まれる前記溶媒の少なくとも一部を揮発除去することを特徴とする。
このように構成した場合、インク中に赤外線吸収剤を含ませることにより、赤外線の照射でインクを効率的に加熱することができる。また、これにより、例えば、インク滴の着弾直後において、インクを効率的に加熱し、インクジェットヘッドのノズル面への影響等を抑えつつ、インク中の溶媒を適切に揮発除去することができる。
ここで、この構成において、赤外線とは、近赤外〜遠赤外の範囲の光の総称である。赤外線としては、特定の波長に限らず、近赤外〜遠赤外の範囲の中で、赤外線吸収剤の吸収波長と赤外線光源の発光波長とが重なる範囲の全ての波長の赤外線を好適に用いることができる。また、赤外線光源は、例えば、溶媒の少なくとも一部を揮発除去することにより、媒体上のインクの粘度について、少なくとも媒体上で滲みが発生しない粘度に高める。この場合、滲みが発生しないとは、例えば、求められる印刷の精度に応じた許容範囲内で実質的に滲みが発生しないことであってよい。
また、赤外線光源は、インク中の溶媒を揮発除去することにより、例えば、インクの滲みを防ぎつつ、媒体にインクを適切に定着させる。このように構成すれば、例えば、蒸発乾燥型のインクを媒体に適切に定着させることができる。また、媒体へのインクの定着は、赤外線の照射後に、他のヒータ等で媒体を更に加熱することで完了させてもよい。
また、この構成において、赤外線吸収剤とは、例えば、赤外線を吸収することで熱を発生する物質である。赤外線吸収剤としては、赤外領域に吸光のピーク波長を有する物質を用いることが好ましい。また、赤外線吸収剤としては、インクの色への影響が少ない無色又は薄い色の物質を用いることが好ましい。この場合、ピーク波長における光の吸収率が、可視光領域における吸収率の最大値の2倍以上である赤外線吸収剤を用いることが好ましい。また、ピーク波長における光の吸収率は、可視光領域における吸収率の最大値に対し、好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍以上、更に好ましくは20倍である。
また、この構成において、インクが含む溶媒は、例えば有機溶剤である。また、インクが含む溶媒は、例えば水等の水性溶媒であってもよい。また、この構成において、赤外線光源としては、例えば赤外線LEDや赤外線LD(レーザダイオード)等の半導体光源を好適に用いることができる。また、赤外線光源は、例えば媒体の放熱の熱時定数よりも連続照射時間が短くなるように赤外線を照射して、インクを短時間で一気に加熱することが好ましい。また、赤外線の照射は、媒体においてインクジェットヘッドと対向する領域の外にあるインクに対して行うことが好ましい。また、滲みを抑えるための加熱は、赤外線光源のみを用いるのではなく、ヒータを併用して行ってもよい。
また、この構成において、印刷装置は、例えばマルチパス方式で印刷を行ってもよい。この場合、印刷のパス数は、8パス以下であってよい。また、パス数は、8パス未満(例えば4パス以下)であってもよい。このように構成すれば、例えば、マルチパス方式で印刷を行う場合において、パス数を適切に低減し、高速な印刷をより適切に行うことができる。また、この場合、赤外線の照射によりインク中の溶媒を揮発除去することにより、パス数を少なくすることで単位面積に対して単位時間に着弾するインクの量が多くなったとしても、滲みの発生を適切に抑えることができる。
また、本発明の構成として、上記と同様の特徴を有する印刷方法等を用いることも考えられる。この場合も、例えば、上記と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、インクの滲みをより適切に抑えることができる。また、これにより、例えば、高い品質の印刷をより適切に行うことができる。
本発明の一実施形態に係る印刷装置10の構成の一例を示す図である。図1(a)、(b)は、印刷装置10の要部の構成の一例を示す上面図及び断面図である。 従来の印刷装置での印刷動作の一例を簡略化して示す図である。図2(a)は、媒体50に対してインク滴を吐出する動作の一例を示す。図2(b)は、印刷動作の完了後の媒体50の一例を示す。 本例の印刷装置10による印刷動作の一例を簡略化して示す図である。図3(a)は、媒体50に対してインク滴を吐出する動作の一例を示す。図3(b)は、印刷動作の完了後の媒体50の一例を示す。図3(c)は、非浸透性メディアを用いた場合について、印刷動作の完了後の媒体50の一例を示す。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る印刷装置10の構成の一例を示す。図1(a)、(b)は、印刷装置10の要部の構成の一例を示す上面図及び断面図である。本例において、印刷装置10は、印刷対象の媒体(メディア)50に対してインクジェット方式で印刷を行うインクジェットプリンタであり、ヘッド部12、ガイドレール14、走査駆動部16、プラテン18、プリヒータ20、プリントヒータ22、アフターヒータ24、及び制御部26を備える。
尚、以下に説明をする点を除き、印刷装置10は、公知のインクジェットプリンタと同一又は同様の特徴を有してよい。例えば、以下に説明をする構成に加え、印刷装置10は、印刷の動作等に必要な公知の構成等を更に有してよい。
ヘッド部12は、媒体50に対してインク滴を吐出する部分(IJヘッドユニット)であり、キャリッジ100、複数のインクジェットヘッド102、及び複数の赤外線光源104を有する。キャリッジ100は、ヘッド部12における他の構成を保持する保持部材である。
複数のインクジェットヘッド102は、インクジェット方式でインク滴を吐出する吐出ヘッドである。複数のインクジェットヘッド102のそれぞれは、例えば、互いに異なる色のインク滴を吐出して、各色のインクを媒体50上に付着させる。また、それぞれのインクジェットヘッド102は、赤外線吸収剤と溶媒とを少なくとも含むインクのインク滴を吐出する。この場合、赤外線吸収剤とは、赤外線を吸収する物質であり、例えば、赤外線を吸収することで熱を発生する。また、溶媒は、赤外線吸収剤を溶解又は分散させる液体である。また、このインクは、公知のインクと同一又は同様の成分を更に含んでよい。例えば、本例において、それぞれのインクジェットヘッド102で用いる各色のインクは、各色の色材(顔料又は染料等)を更に含む。
また、複数のインクジェットヘッド102のそれぞれは、例えば、互いに異なる色のインクのインク滴を吐出する。より具体的に、複数のインクジェットヘッド102のそれぞれは、カラー印刷用のプロセスカラーの各色のインク滴を吐出する。プロセスカラーの各色とは、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色である。
また、複数のインクジェットヘッド102は、所定の主走査方向(図中のY方向)に並べて配設されており、主走査方向へ移動しつつインク滴を吐出する主走査動作を行うことにより、媒体50にインクを付着させる。また、本例において、複数のインクジェットヘッド102は、主走査方向における一方及び他方の向きの双方向(両方向)の主走査動作を行う。
ここで、本例において用いるインクは、例えば、溶媒を揮発除去することで媒体50に定着する蒸発乾燥型のインクである。蒸発乾燥型のインクとしては、例えば、溶媒として有機溶剤を用いたインクを用いることが考えられる。この場合、この有機溶剤は、例えば、疎水性の有機溶剤であってよい。疎水性の有機溶剤とは、例えば、水に対して非相溶性の有機溶剤のことである。この場合、溶媒は、インク中において、例えば、赤外線吸収剤を溶解させる。また、この有機溶剤は、揮発性有機溶剤であってよい。また、溶媒として用いる有機溶剤の沸点は、例えば200℃以下であることが好ましい。また、この場合、例えば、水よりも沸点が低い有機溶剤を用いることも考えられる。有機溶剤の沸点は、例えば80℃以下であってよい。また、より具体的に、このようなインクとしては、例えば、ソルベントインクに赤外線吸収剤を添加したインク等を好適に用いることができる。この場合、ソルベントインクとは、例えば、溶媒として疎水性の有機溶剤を用いたインクである。
また、インクとして、例えば、水性溶媒を含むインクを用いてもよい。より具体的に、このようなインクとしては、例えば、各種の水性インクに赤外線吸収剤を添加したインク等を好適に用いることができる。また、この場合、水性インクとしては、例えば、水性顔料インク、水性染料インク等を好適に用いることができる。また、例えばラテックスインクや顔料内包樹脂分散インク等の、樹脂粒子を分散させた構成の水性インク等も好適に用いることができる。また、赤外線吸収剤としては、例えば、水性の溶媒に溶解しにくい物質を用いることも考えられる。この場合、溶媒は、例えば、インク中において、赤外線吸収剤を固形物の状態で分散させてもよい。これにより、インクは、例えば、成分の少なくとも一部を溶媒中に分散させたエマルジョンタイプ(分散型)のインクになる。
また、赤外線吸収剤としては、赤外領域に吸光のピーク波長を有する物質を用いることが好ましい。また、赤外線吸収剤としては、インクの色への影響が少ない無色又は薄い色の物質を用いることが好ましい。この場合、ピーク波長における光の吸収率が、可視光領域における吸収率の最大値の2倍以上である赤外線吸収剤を用いることが好ましい。また、ピーク波長における光の吸収率は、可視光領域における吸収率の最大値に対し、好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍以上、更に好ましくは20倍である。
また、本例において、インクは、全重量に対して0.1〜10重量%(wt%)となる量の赤外線吸収剤を含むことが好ましい。また、赤外線吸収剤の含有量は、インクの全重量に対し、1.0〜3.0重量%とすることがより好ましい。また、本例のように、複数色のインクを用いる場合、赤外線吸収剤の好ましい含有量は、色毎に異なる場合もある。そのため、赤外線吸収剤の含有量は、色毎に異なってもよい。この場合、赤外線に対する各色のインクの感度の差が±50%程度以内となるように、各色のインクにおける赤外線吸収剤の含有量を調整することが好ましい。赤外線に対するインクの感度とは、例えば、赤外線を照射することで生じるインクの乾燥速度や昇温速度に対応する感度であってよい。
尚、上記のように、本例において、インク中の溶媒は、赤外線吸収剤を溶解又は分散させる。また、この場合、溶媒中に直接赤外線吸収剤を溶解又は分散させるのではなく、例えばバインダ樹脂等のインク中の他の成分中に赤外線吸収剤を溶解又は分散させること等も考えられる。この場合も、例えばバインダ樹脂等を溶媒中に溶解又は分散させることにより、赤外線吸収剤を溶媒中に溶解又は分散させることができる。また、本例において用いるインクについては、後に更に詳しく説明をする。
複数の赤外線光源104は、赤外線を照射する光源であり、媒体50上に付着したインクに赤外線を照射することにより、インクを加熱する。また、これにより、赤外線光源104は、インクに含まれる溶媒の少なくとも一部を揮発除去する。
また、本例において、赤外線光源104は、プリントヒータ22等のヒータと共にインクを加熱することにより、インク中の溶媒を揮発除去する。また、複数の赤外線光源104のそれぞれは、複数のインクジェットヘッド102に並びに対して主走査方向における一方側及び他方側のそれぞれに配設され、主走査動作時においてインクジェットヘッド102と共に移動する。そのため、主走査動作時において、複数の赤外線光源104の一方はインクジェットヘッド102に対して移動方向の後方側に、他方は移動方向の前方側に位置することになる。そして、双方向の主走査動作においては、インクジェットヘッド102の移動の向きに応じて、インクジェットヘッド102よりも後方側になる赤外線光源104により、媒体50上のインクへ赤外線を照射する。これにより、赤外線光源104は、例えば、媒体50への着弾直後に媒体50上へのインクへ赤外線を照射する。そして、媒体50上で滲みが発生する前にインクの粘度を高め、滲みの発生を抑える。
赤外線光源104としては、オン・オフ制御が可能であり、赤外線(赤外、近赤外、中赤外、又は遠赤外の光)を照射可能な光源を用いることが好ましい。また、このような光源としては、例えば赤外線LED(赤外線LED照射器)や赤外線LD(レーザダイオード、レーザ赤外線照射器)等の、赤外線を発生する半導体を用いた光源(半導体光源)を好適に用いることができる。このように構成すれば、例えば、所望のタイミングで高い精度で赤外線を照射できる。また、より具体的に、本例において、赤外線光源104は、赤外線LEDを用いた光源である。この場合、赤外線光源104として、集光機能を有する集光性赤外線LED照射器を用いることがより好ましい。
また、本例において、赤外線光源104は、複数のインクジェットヘッド102と位置をずらして配設されることにより、媒体50においてインクジェットヘッド102と対向する領域の外にあるインクへ赤外線を照射する。より具体的に、図示した構成において、赤外線光源104は、主走査方向における位置をインクジェットヘッド102とずらして配設されることにより、インクジェットヘッド102と対向する領域の外にあるインクへ赤外線を照射する。この場合、例えばインクジェットヘッド102と赤外線光源104との間の距離を変化させることにより、媒体50への着弾後、赤外線が照射されるまでの時間を適切に調整することができる。また、主走査方向における赤外線光源104の幅を調整することにより、赤外線光源104により赤外線を照射する時間(連続照射時間)についても適切に調整することができる。
また、主走査方向と直交する副走査方向(図中のX方向)における赤外線光源104の幅は、インクジェットヘッド102によるプリント幅と同じか、プリント幅よりも大きな幅にすることが好ましい。この場合、インクジェットヘッド102によるプリント幅とは、例えば、1回の主走査動作でインクジェットヘッド102がインク滴を吐出する領域の副走査方向における幅のことである。また、本例において、副走査方向は、媒体50を搬送する搬送方向(紙送り方向)と平行な方向である。
また、本例において、赤外線光源104は、図1(a)に図示したように、副走査方向における幅がプリント幅よりも大きくなっており、副走査方向においてインクジェットヘッド102とずれた部分に対しても赤外線を照射する。また、これにより、赤外線光源104は、媒体50の搬送方向において、インクジェットヘッド102と重なる部分に加え、インクジェットヘッド102よりも下流側の部分に対しても、赤外線を照射する。このように構成すれば、例えば、赤外線光源104による加熱を終了するタイミング(加熱後の完全蒸発乾燥時間)を適切に調整することができる。また、この場合、例えば、副走査方向における赤外線光源104の幅を図中に示した構成よりも短くすることにより、例えば、加熱後の完全蒸発乾燥時間を短縮してもよい。
また、本例において、赤外線光源104は、例えば、溶媒の少なくとも一部を揮発除去することにより、媒体50上のインクの粘度について、少なくとも媒体50上で滲みが発生しない粘度に高める。この場合、滲みとは、例えば、異なる色のインクが混じり合うことで生じる色間滲み等である。また、滲みが発生しない粘度とは、例えば、インクが完全に乾燥して媒体50に定着するまでの間に滲みが発生しない粘度のことである。また、滲みが発生しないとは、例えば、求められる印刷の精度に応じた許容範囲内で実質的に滲みが発生しないことであってよい。また、より具体的に、赤外線光源104は、赤外線の照射により、媒体50上のインクの粘度を、例えば50mPa・s以上、好ましくは100mPa・s以上、更に好ましくは200mPa・s以上に高める。
また、赤外線光源104が照射する赤外線の指向性については、インクジェットヘッド102のノズル面に赤外線が到達しないように設定することが好ましい。このように構成すれば、赤外線光源104により行う加熱の影響をインクジェットヘッド102が受けることを適切に防ぐことができる。また、赤外線光源104による赤外線の照射の仕方については、後に更に詳しく説明をする。
ガイドレール14は、主走査方向へ延伸するレール部材であり、主走査動作時にキャリッジ100の移動をガイドする。走査駆動部16は、インクジェットヘッド102に主走査動作及び副走査動作を行わせる駆動部である。
より具体的に、本例において、走査駆動部16は、ガイドレール14に沿ってキャリッジ100を移動させることにより、キャリッジ100に保持されたインクジェットヘッド102等を主走査方向へ移動させる。そして、印刷すべき画像を示す印刷データに基づいて移動中のインクジェットヘッド102にインク滴を吐出させることにより、インクジェットヘッド102に主走査動作を行わせる。
また、インクジェットヘッド102に副走査動作を行わせるとは、例えば、媒体50に対して相対的に副走査方向へインクジェットヘッド102を移動させることである。より具体的に、本例において、走査駆動部16は、副走査方向と平行な搬送方向へ媒体50を搬送することにより、インクジェットヘッド102に副走査動作を行わせる。また、走査駆動部16は、主走査動作の合間に媒体50を搬送することにより、次の回の主走査動作においてインクジェットヘッド102と対向する媒体50の領域を変更する。これにより、走査駆動部16は、媒体50の各位置に対し、インクジェットヘッド102にインク滴を吐出させる。また、本例において、走査駆動部16は、更に、主走査動作時にインクジェットヘッド102と共に赤外線光源104を移動させることにより、インクジェットヘッド102によるインク滴の吐出位置に合わせ、赤外線光源104に赤外線を照射させる。
プラテン18は、ヘッド部12と対向する位置に配設される台状部材であり、上面に媒体50を載置することにより、ヘッド部12と対向させて媒体50を支持する。また、本例において、プラテン18は、媒体50を加熱するヒータ(加熱ヒータ)であるプリヒータ20、プリントヒータ22、及びアフターヒータ24を内部に収容している。
プリヒータ20、プリントヒータ22、及びアフターヒータ24は、媒体50を加熱する加熱手段であり、媒体50を介して媒体50上のインクを加熱することにより、インク中の溶媒を揮発除去して、インクを乾燥させる。赤外線光源104に加えてこれらの加熱手段を用いることにより、インク中の溶媒をより適切に揮発除去して、インクの乾燥を一層促進できる。また、これにより、媒体50にインクをより適切に定着させることができる。
また、より具体的に、プリヒータ20は、媒体50を予備加熱するヒータであり、媒体50の搬送方向においてインクジェットヘッド102よりも上流側に配設されることにより、媒体50においてインク滴が着弾する前の領域を加熱する。プリントヒータ22は、インクジェットヘッド102と対向する位置において媒体50を加熱するヒータである。この場合、赤外線光源104は、プリントヒータ22により加熱される媒体50上のインクに赤外線を照射することにより、プリントヒータ22と共に、インクに含まれる溶媒の少なくとも一部を揮発除去する。このように構成すれば、例えば、媒体50への着弾直後のインクから、インク中の溶媒をより適切に揮発除去できる。また、これにより、媒体50上で滲みが発生する前にインクの粘度をより適切に高めることができる。
アフターヒータ24は、搬送方向においてインクジェットヘッド102よりも下流側に配設されるヒータであり、プリントヒータ22及び赤外線光源104の位置を通過後の媒体50を更に加熱することにより、赤外線光源104及びプリントヒータ22では除去しきれなかった溶媒を除去する。また、これにより、アフターヒータ24は、例えば、媒体50上のインクをより確実に乾燥させ、媒体50に定着させる。
尚、図1においては、アフターヒータ24として、プラテン18内からの熱伝導により媒体50を加熱する伝熱式のヒータを図示している。しかし、熱が伝わりにくい媒体50を用いる場合には、アフターヒータ24として、伝熱式以外の構成のヒータを用いてもよい。この場合、アフターヒータ24として、例えば、温風ヒータ、赤外線ヒータ等の乾燥機を用いてもよい。また、伝熱式のアフターヒータ24に加えて、これらの構成を更に用いてもよい。
制御部26は、例えば印刷装置10のCPUであり、印刷装置10の各部を制御する。本例によれば、例えば、媒体50に対する印刷を適切に行うことができる。
また、本例においては、インク中に赤外線吸収剤を含ませることにより、例えば、インク滴の着弾直後において、赤外線の照射でインクを効率的に加熱することができる。また、これにより、本例のようにインクジェットヘッド102と対向する位置で媒体50を加熱するプリントヒータ22等を用いる場合にも、プリントヒータ22等による加熱温度を適切に抑えることができる。そのため、本例によれば、例えば、インクジェットヘッド102のノズル面への影響等を抑えつつ、インク中の溶媒を適切に揮発除去することができる。また、これにより、例えば、インクの滲みが発生する前に、インクの粘度を適切に高めることができる。
また、この場合、赤外線の照射等によりインクを乾燥させることにより、媒体50にインクを適切に定着させることができる。更に、本例においては、プリヒータ20、プリントヒータ22、及びアフターヒータ24で媒体50を加熱することにより、例えば赤外線光源104のみで加熱を行う場合等と比べ、インクをより適切に乾燥させることができる。このように、本例によれば、例えば、蒸発乾燥型のインクを用いる場合において、インクの滲みを適切に抑えることができる。また、これにより、例えば、高い品質の印刷を適切に行うことができる。
尚、赤外線によりインクを加熱することのみを考えた場合、赤外線吸収剤を用いなくても、ある程度、インクを加熱できるようにも思われる。しかし、この場合、インクの色によって加熱のされ方に差が生じることになる。より具体的には、例えば、通常の顔料インクを用いた場合、黒色(K)のカーボンブラック顔料のみが赤外線を良く吸収する。そのため、YMC等の他の色のインクを適切に乾燥できるように赤外線の強度を設定すると、黒色のインクに焦げが発生することになる。また、逆に、黒色のインクに合わせて赤外線の強度を設定すると、色によって乾燥のレベルの違いが発生することになる。そのため、赤外線吸収剤を含まないインクを用いた場合、本例のように適切にインクを加熱することは困難である。
また、本例における印刷装置10の構成については、例えば、蒸発乾燥型のインクを乾燥させるための手段(定着手段)として複数の加熱手段を用いている構成と考えることもできる。この場合、より具体的に、例えばインクジェットヘッド102によりインク滴を吐出する位置(プリント位置)で媒体50を裏面側から加熱する第1の加熱手段としてプリントヒータ22等を用い、第1の加熱手段と併せて、第2加熱手段として赤外線光源104を用いていると考えることができる。
また、印刷装置10の構成の変形例においては、第1及び第2の加熱手段のうち、第1の加熱手段を省略することも考えられる。この場合、例えば、例えばプリントヒータ22等のヒータを用いずに、赤外線光源104のみでインクを加熱する。また、印刷装置10の構成の更なる変形例においては、例えば、赤外線光源104及びプリントヒータ22等に加え、更に別の加熱手段を用いてもよい。例えば、図中に破線で示したように、印刷装置10において、赤外線光源32及びガイドレール34等を更に用いること等も考えられる。赤外線光源32は、アフターヒータ24と対向する位置で媒体50へ向けて赤外線を照射する光源(後加熱赤外線照射器部)であり、搬送方向においてインクジェットヘッド102よりも下流側に配設されることにより、アフターヒータ24と共に、媒体50へのインクの定着後の加熱を行う。赤外線光源32としては、赤外線LEDを用いた光源を好適に用いることができる。このように構成すれば、例えば、媒体50上のインクをより確実かつ適切に乾燥させることができる。また、赤外線光源32等の加熱手段を用いる場合、アフターヒータ24と省略することも考えられる。
また、図示した構成においては、インクジェットヘッド102等を保持するキャリッジ100とは独立して移動可能に赤外線光源32を配設している。赤外線光源32は、ガイドレール34に沿って主走査方向へ移動可能に構成されており、主走査方向へ移動しつつ赤外線を照射することにより、媒体50上の各位置へ赤外線を照射する。ガイドレール34は、ガイドレール14と平行に主走査方向へ延伸するレール部材であり、主走査方向への赤外線光源32の移動をガイドする。このように構成すれば、例えば、媒体50上のインク中に残る溶媒をより確実に除去できる。
続いて、本例において媒体50に印刷を行う動作(印刷動作)について、更に詳しく説明をする。先ず、説明の便宜上、従来の印刷装置での印刷動作の例について、説明をする。
図2は、従来の印刷装置での印刷動作の一例を簡略化(モデル化)して示す図であり、赤外線吸収剤を含まないインクを用いる場合(赤外線吸収剤を含むインクを用いない場合)について、プラテン18内に設けたヒータ(プリントヒータ22等)のみを用いてインクを乾燥させる場合の印刷動作の例を示す。
尚、図2に示した印刷の動作では、例えば、図1に示した印刷装置10から赤外線光源104を省略した構成と同一又は同様の構成の印刷装置を用いる。この場合、プリントヒータ22の加熱温度等については、図1の構成との違いに応じて、適宜調整することが好ましい。
図2(a)は、媒体50に対してインク滴を吐出する動作の一例を示す。図2(b)は、印刷動作の完了後の媒体50の一例を示す断面図である。
また、図2に示した構成において用いるインクは、例えば、赤外線吸収剤を含まない点以外は図1に示した印刷装置10で用いるインクと同一又は同様のインクであってよい。また、このインクは、例えば公知の蒸発乾燥型インクであってよい。より具体的に、図2においては、公知の水性のインクを用いる場合について、図示をしている。また、媒体50としては、溶媒を揮発除去する前のインクを吸収する性質の媒体50(浸透性メディア)を用いている。このような媒体50は、より具体的に、紙や布(布帛)等である。
蒸発乾燥型のインク等を用いる構成の従来の印刷装置で印刷を行う場合、プリントヒータ22等のヒータで媒体50の全体に対して加熱を行う。また、これにより、インク中の溶媒を揮発除去して、媒体50上でのインクの滲みを抑える。そして、この場合、例えば図2(a)に示すように、プリントヒータ22で加熱を行いつつ、インクジェットヘッド102により媒体50へインク滴を吐出する。
また、より具体的に、この場合、プラテン18内においてインクジェットヘッド102と対向する位置に配設されたプリントヒータ22により、媒体50においてインク滴が着弾する領域の全体を、例えば60℃以下(例えば50〜60℃)程度の温度に加熱する。また、これにより、媒体50の表面に形成されたインクの層を加熱し、インクを高粘度化することで、インクの滲みの発生を抑える。
ここで、プリントヒータ22により媒体50を加熱する場合、媒体50を挟んでプリントヒータ22と対向する位置にあるインクジェットヘッド102も、熱輻射の影響を受けることになる。そのため、プリントヒータ22による加熱温度について、上記の温度よりも高い高温にすると、インクジェットヘッド102への熱輻射の影響が大きくなる。また、その結果、例えば、インクジェットヘッド102におけるノズル付近のインクが乾燥して、ノズル詰まり等が生じやすくなる。そのため、加熱温度を上記の範囲より高めることは難しい。また、加熱温度を高め、溶媒の蒸発速度を速めた場合、例えば、蒸発した溶媒が相対的に低温であるインクジェットヘッド102に凝集付着し、インクの安定吐出を妨げることになる。そのため、この点でも、プリントヒータ22による加熱温度を高めることは難しい。
また、反対に、加熱温度を上記の温度よりも低い低温にすると、インクの乾燥に多くの時間がかかることになる。また、その結果、例えば、滲みの問題が大きくなる。また、また、乾燥するまでに媒体50へ浸透するインクの量が多くなりすぎるおそれもある。そのため、加熱温度を上記の範囲よりも低くすることも難しい。従って、プリントヒータ22等でインクを乾燥させる場合には、媒体50の加熱温度を上記のような温度(中温)にすることが好ましい。すなわち、プリントヒータ22によりこのような中温で媒体50を加熱することにより、熱輻射の影響を抑えつつ、インク中の溶媒を揮発除去できる。
しかし、この場合も、例えば印刷の速度を高速化すると、印刷速度と比べてインクの乾燥速度が低速になり、滲みの発生等の問題が生じることになる。また、印刷の速度を高速化する場合、例えば印刷のパス数を減らすことになる。そして、この場合、単位面積に対して単位時間に着弾するインクの量が多くなるため、乾燥速度が間に合わなくなる場合もある。また、この場合、例えば図において媒体50中に網掛け模様で示すように、着弾後の時間の経過によって媒体50の奥までインクが浸透して、媒体50の表面に残るインクの量が減少することになる。また、その結果、印刷の濃度が低下して、印刷される色が薄くなる。また、印刷結果(プリント物)がぼけて見える問題等も生じやすくなる。すなわち、従来の印刷装置で印刷を行う場合、印刷速度を高速化すると、印刷結果の色が薄くなることや、滲みの問題が発生しやすくなる。
これに対し、インクの滲み等の問題を抑えるためには、プリントヒータ22の温度を上昇させればよいようにも思われる。このように構成すれば、溶媒の蒸発速度が速くなるため、滲み等の問題を改善することができる。しかし、上記のように、プリントヒータ22による加熱温度を高温にした場合、プリントヒータ22と対向する位置にあるインクジェットヘッド102のノズル面が輻射熱の影響を受け、ノズル詰まり等の問題が生じやすくなる。そのため、プリントヒータ22による加熱温度については、インク滴の吐出を安定に保つための上限温度が存在するといえる。また、その結果、印刷速度を高速化すると単位面積に対して単位時間に着弾するインクの量が多くなる構成の印刷装置では、高速化に限界が生じることになる。
そのため、従来の印刷装置で印刷を行う場合、プリントヒータ22による加熱温度は、上記のように、通常、50〜60℃に範囲に選ばれることが多かった。しかし、この程度の温度で加熱を行う場合、印刷速度を高速化すると、上記において説明をしたように、インクの滲みや、媒体50の中まで多くのインクが浸透する問題が生じる。また、その結果、媒体50の表面や表面近くのインクが少なくなり、印刷の濃度が低下して、印刷結果(プリント物)がぼけて見える問題が生じる場合があった。また、このような問題は、プリントヒータ22の加熱温度をより低く(例えば40℃程度)にすると、更に顕著になる。
また、より具体的に、印刷速度の高速化のために、例えば印刷のパス数を8以下(1〜8パス)程度に減らした場合、単位面積に対して単位時間に着弾するインクの量が増加し、吐出不良を回避できる条件の温度範囲では、プリントヒータ22のみを用いて滲みを防止することがより困難になる。そのため、従来の印刷装置で印刷を行う場合、滲み等の問題を抑えつつ、高速に印刷を行うことが困難であった。
尚、インクの蒸発速度を高めるためには、インク中の溶媒の沸点を低く選ぶ方法も考えられる。しかし、この場合、インクジェットヘッド102でのインクの蒸発もしやすくなるため、プリントヒータ22の加熱温度を高めた場合と同様に、ノズル詰まりや吐出不良等が生じやすくなる。そのため、このような方法でも、上記の問題を解決することは難しい。
これに対し、図1を用いて説明をした本例の印刷装置10においては、赤外線吸収剤を含むインクを用いることにより、これらの問題を適切に解決している。図3は、本例の印刷装置10による印刷動作の一例を簡略化(モデル化)して示す図である。図3(a)は、媒体50に対してインク滴を吐出する動作の一例を示す。
上記においても説明をしたように、本例の印刷装置10で印刷を行う場合、赤外線光源104とプリントヒータ22とを用いて、インク中の溶媒を揮発除去する。また、これにより、媒体50への着弾直後のインクを乾燥させ、滲みの発生しない粘度にまでインクの粘度を高める。そして、この場合、例えばプリントヒータ22のみでインクを乾燥させる場合等と比べ、プリントヒータ22による加熱の温度を低く設定することができる。プリントヒータ22による加熱温度とは、例えば、インクジェットヘッド102と対向する領域に対するプリントヒータ22の加熱温度のことである。
そして、この場合、プリントヒータ22の加熱により生じる輻射熱も小さくなるため、インクジェットヘッド102のノズル面でのインクの乾燥や、ノズル詰まり等は生じにくくなる。また、図3(a)にも図示したように、本例において、赤外線光源104は、媒体50においてインクジェットヘッド102と対向する領域の外にあるインクへ赤外線を照射する。そして、この場合、媒体50においてインクジェットヘッド102と対向する位置において、インクの溶媒は、プリントヒータ22の加熱のみにより、比較的ゆっくり蒸発する。そのため、蒸発した溶媒がインクジェットヘッド102に凝集付着する問題等を適切に防ぐこともできる。また、これにより、吐出の安定性をより適切に高めることができる。
より具体的に、この場合、インクジェットヘッド102により吐出されて媒体50に着弾したインクは、赤外線光源104により赤外線が照射される前に、インクジェットヘッド102と対向する領域において、プリントヒータ22により、60℃以下(例えば20〜50℃程度以下)の比較的低い温度に予備加熱される。プリントヒータ22による加熱温度は、20〜45℃程度の温度に設定することがより好ましい。また、プリントヒータ22による加熱温度は、例えば、高速な印刷を行わない公知の低速プリンタにおけるプリントヒータの加熱温度程度であってよい。
また、本例においては、更に、インクジェットヘッド102と対向する領域の近傍へ赤外線光源104により赤外線を照射することにより、その領域のインクを直接的に加熱してインクの溶媒を急速に蒸発させ、インクを高粘度化させる。このように構成すれば、例えば、滲みが発生する前にインクの粘度を高め、インクの滲みを適切に防止できる。また、この場合、例えば、多くのインクが媒体50に吸収される前にインクの粘度を高めることができるため、媒体50の表面においてインクの層が薄くなることもない。また、この場合、インクジェットヘッド102と対向する領域を避けて赤外線を照射することにより、赤外線光源104の照射により生じる輻射熱や溶媒の蒸発の影響がインクジェットヘッド102に及ぶことも適切に防ぐことができる。そのため、本例によれば、例えば、インクの安定吐出を妨げることなく、着弾後に速やかにインクの粘度を高めることが可能になる。
また、より具体的に、図1及び図3に図示した構成において、赤外線光源104は、主走査動作時にインクジェットヘッド102と共に主走査方向へ移動する。そして、インクジェットヘッド102の移動方向において後方側になる赤外線光源104で媒体50上のインクへ向けて赤外線を照射する。このように構成すれば、例えば、媒体50の各位置に対し、インクジェットヘッド102の通過直後に赤外線光源104で赤外線を照射し、着弾したインクのみに選択的に赤外線を吸収させることができる。また、これにより、媒体50上のインクの層のみを選択的に急速加熱できる。また、この加熱でインク中の溶媒を揮発除去して、インクの粘度を高めることにより、インクの滲みを適切に防ぐことができる。
また、上記においても説明をしたように、本例においては、蒸発乾燥型のインクを用いる。そして、この場合、例えば、プリントヒータ22及び赤外線光源104によりインク中の溶媒を揮発除去することにより、インクを媒体50に適切に定着させることができる。また、図1及び図3に図示した構成においては、更に、媒体50の搬送方向における赤外線光源104よりも下流側でアフターヒータ24による加熱を行うことで、インクをより確実に乾燥させることができる。そのため、本例によれば、例えば、インクをより確実に媒体50に定着させることができる。
図3(b)は、印刷動作の完了後の媒体50の一例を示す断面図である。上記のように、本例においては、媒体50として浸透性メディアを用いた場合も、多くのインクが媒体50に吸収される前にインクの粘度を高め、媒体50の表面付近でインクを急速乾燥することができる。そして、この場合、媒体50の表面付近に多くのインクが残るため、表面のインクの厚さを十分に厚くすることができる。また、これにより、印刷される色が薄くなること等を適切に防ぎ、鮮明な印刷を行うことができる。そのため、本例によれば、滲みの発生等を抑えつつ、媒体50への印刷を適切に行うことができる。また、赤外線光源104等を用いることにより、例えば浸透性メディアである媒体50中に残る溶媒の残存率及び残存時間を減少させることもできる。また、これにより、例えば紙等の媒体50を用いた場合に発生するコックリングや、カール等の発生を適切に防ぐこともできる。
また、本例においては、赤外線の照射によりインク中の溶媒を揮発除去することにより、短時間でインクをより確実に乾燥させることも可能になる。より具体的に、本願の発明者は、実験等により、赤外線光源104により赤外線を照射することで、インク中の溶媒の80%程度を除去できることを確認した。そのため、本例の構成においては、例えば赤外線を照射するのみでも、インク中の溶媒の大部分を除去して、インクを媒体50に定着させること等も可能である。
また、本例においては、赤外線の照射によりインク中の溶媒を揮発除去することにより、短時間でインクをより確実に乾燥させることも可能になる。そのため、例えば、印刷後の媒体50を速やかに後工程に移行すること等も可能になる。また、例えば印刷後に媒体50を巻き取る構成の印刷装置10を用いる場合等において、印刷速度を高めた高速機等でも、巻き取り後に生じる裏写りの問題等を適切に防ぐことができる。
尚、浸透性メディアを用いる場合、本例のように赤外線光源104を用いたとしても、例えば図3(b)に示すように、インクは、媒体50の内部にわずかに浸透する。しかし、インクがわずかに浸透したとしても、例えば、赤外線光源104を用いない従来の構成で印刷を行った場合と比べ、インクの浸透量を大幅に低減することができる。
また、本例の印刷装置10で用いる媒体50の種類は特に限定されない。そのため、印刷装置10において、インクが内部に全く浸透しない性質の媒体50(非浸透性メディア、非吸収性メディア)を用いることも考えられる。
図3(c)は、非浸透性メディアを用いた場合について、印刷動作の完了後の媒体50の一例を示す断面図である。非浸透性メディアを用いる場合、プリントヒータ22による加熱や赤外線の照射等によりインクの粘度を高める前にも、媒体50はインクを吸収しない。そのため、この場合、印刷後の状態において、媒体50の表面は厚く残る。また、この場合も、赤外線光源104によりインクの粘度を高めることにより、滲みの発生等を適切に防ぐことができる。また、これにより、滲みの発生等を抑えつつ、媒体50への印刷を適切に行うことができる。
また、この場合、媒体50へのインクの浸透が生じないため、浸透性の媒体50を用いる場合と比べ、媒体50に付着させるインクの量を減らすこと等もできる。このように構成すれば、例えば、インクの滲み等をより適切に抑え、より少ないインクの量で濃い色の印刷を適切に行うことができる。
続いて、本例の構成に関する様々な特徴について、更に詳しく説明をする。先ず、本例の構成によって実現可能になる印刷速度の高速化について、説明をする。
上記においても説明をしたように、本例においては、赤外線光源104から赤外線を照射することにより、媒体50への着弾後、滲みが発生する前にインクの粘度を適切に高めることができる。また、これにより、例えば、単位面積に対して単位時間に着弾するインクの量を増加させて、印刷速度を高速化することができる。
より具体的に、本例の印刷装置10のように、インクジェット方式で印刷を行う場合、媒体50の各位置に対して複数回の主走査動作を行うマルチパス方式での印刷が広く行われている。そして、この場合、例えば蒸発乾燥型のインク等を用いて従来の構成で印刷を行うのであれば、滲みを防止するため、一回の主走査動作(パス)で吐出するインクの量を少なくすることが必要になる。
例えば、カラー印刷用のインクとして広く用いられているような、YMCKの4色のインクを用いて印刷を行う場合、仮に、マルチパス方式ではなく、媒体50の各位置に対して一回の主走査動作のみを行う1パスでの印刷を行うとすると、1色あたりのインクの量が最大で100%であるため、4色の合計で400%に達する。しかし、従来の構成でこのような大量のインクを一回の主走査動作で吐出すると、通常、滲みが発生し、適切に印刷を行うことは難しい。
そのため、従来の印刷装置においては、通常、少なくとも8パス以上のマルチパス方式で印刷を行う。この場合、一回の主走査動作でのインクの吐出量は、1色あたり最大で12.5%、4色の合計で50%になる。また、より高い精度で印刷を行うためには、より多くのパス数(例えば、16パス、32パス等)を用いる必要がある。
このように、従来の構成では、滲みを防ぐためにある程度以上のパス数で印刷する必要がある。しかし、印刷のパス数を多くすると、印刷速度は大きく低下することになる。従って、従来の構成においては、インクの溶媒を乾燥させる過程で生じる滲みの問題により、印刷速度の高速化が難しくなっていたといえる。
これに対し、本例においては、赤外線の照射によりインク中の溶媒を揮発除去することにより、例えばパス数を少なくすることで単位面積に対して単位時間に着弾するインクの量が多くなったとしても、滲みの発生を適切に抑えることができる。そのため、本例によれば、例えば、マルチパス方式で印刷を行う場合において、パス数を適切に低減し、高速な印刷(高速プリント)をより適切に行うことができる。また、これにより、例えば、従来の方法での限界を超えて、より高速化しても滲みを発生させずに印刷することが可能になる。
より具体的に、本例においては、例えば印刷のパス数を8パス以下(1〜8パス)程度にした場合において、単位面積に対して単位時間に吐出するインクの量が多くなり、プリントヒータ22等のみでは滲みを防止できない条件になった場合にも、赤外線光源104を用いることで、適切に滲みを防止することができる。また、これにより、例えば、従来と比べて高い品質の印刷をより適切に行うことができる。すなわち、本例によれば、例えば、印刷のパス数を8パス以下にした高速な印刷装置(高速プリンタ)を適切に実現できる。
また、パス数については、8パス未満(例えば4パス以下)にすることも可能である。また、赤外線光源104を用いることで滲みを防止する効果は、例えば、印刷のパス数を1〜4パス程度にする場合に、特に顕著になる。更には、本例によれば、例えば、マルチパス方式での印刷を行わず、1パスでの印刷を行うことも可能になる。また、例えば乾燥速度が遅いインクを用いる場合には、パス数が4以上の場合にも、顕著な効果を得ることができる。また、本例においては、例えば、隣接するインクのドットについて、混じり合う前に粘度を十分に高めることができる。そのため、例えば、インクのドットが繋がってスジ等が発生すること等も防ぐこともできる。
また、赤外線光源104を用いることで滲みを防止する効果は、例えば高速に印刷を行う高速プリンタ以外でも有用な効果である。例えば、紙や布等の滲みが発生しやすい媒体50を用いる場合、高速な印刷を行う場合以外でも、滲みを防止する効果が大きいといえる。そのため、本例の印刷装置10は、高速印刷用等の特定の分野(SG分野等)に限らず、様々な分野での印刷に好適に用いることができる。
続いて、本例において用いるインクの特徴について、更に詳しく説明をする。上記においても説明をしたように、本例において用いるインクは、赤外線吸収剤、溶媒、及び色材等を含む。また、より具体的に、この構成において、赤外線吸収剤としては、赤外線光源104が発生する赤外線の波長に合わせた吸収特性を有する物質を用いることが好ましい。また、この関係については、例えば、使用する赤外線吸収剤が吸収する波長範囲内の赤外線を照射する赤外線光源104を選ぶことが好ましいともいえる。また、この場合、赤外線光源104の発光波長について、インクが含む赤外線吸収剤の赤外吸収帯と略一致していることが好ましいともいえる。
また、この場合、例えば波長が遠赤外側により過ぎると、溶媒として有機溶剤等を用いる場合において、適切に加熱を行いにくくなる場合がある。また、赤外線光源104の光源としては、広く普及している赤外線LED等を用いることが好ましい。そのため、赤外線光源104としては、例えば、800〜900nm(例えば850nm程度)の範囲に発光中心波長を有する近赤外線用のLED等を好適に用いることができる。
また、赤外線吸収剤としては、例えば、このような赤外線LEDの波長を選択的に吸収し、かつ、可視光領域には顕著な吸収特性を有さない物質を用いることが好ましい。また、このような物質としては、例えば、公知の機能性有機色材等を用いることができる。このような赤外線吸収剤を用いることにより、媒体50上のインクを直接的かつ選択的に加熱できる。
また、機能性有機色材としては、例えば、赤外線の所定の波長域にのみ強い吸収特性を有するような、近年大きく進歩した機能性有機色材を好適に用いることができる。このような機能性有機色材は、例えば、赤外線を吸収し、かつ、可視光に対して透光性の物質等である。より具体的に、赤外線吸収剤としては、例えば、アントラキノン系、フタロシアニン系、ジイオニューム塩系、アントラキノン系、ポリメタン系、オクタチオフェニールフタロシアニン誘導体、ペリミジン系スクアリリウム、ナフタロシアニン系、又はスクアリリウム系の物質から選ばれる少なくともいずれかを用いることが考えられる。このように構成すれば、例えば、可視光領域には大きな吸収特性を有さず、かつ、赤外線光源104として使用する赤外線LEDの発光波長に相当する赤外波長に選択的に大きな吸収特性を有する赤外線吸収剤を適切に用いることができる。
また、可視光領域の光に対する赤外線吸収剤の透過率は、60%以上であることが好ましい。このように構成すれば、可視光に対して赤外線吸収剤をほぼ透明にして、赤外線吸収剤を含ませることによるインクの色の変化を適切に抑えることができる。可視光領域の光に対する赤外線吸収剤の透過率は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である。また、インクの色や用途によっては、機能性有機色材として、例えば、赤外線又は一部の可視光領域の所定の波長域に強い吸収特性を有する物質を用いること等も考えられる。
また、上記においても説明をしたように、本例のインクにおいて、赤外線吸収剤は、例えば、溶媒中に溶解又は分散するように添加される。また、赤外線吸収剤について、溶媒中に直接的に溶解又は分散させる構成以外に、例えば、インク中の他の成分中に赤外線吸収剤を溶解又は分散させること等も考えられる。この場合、インク中の他の成分とは、例えば、インクが含む成分樹脂等である。また、成分樹脂とは、インクが成分として含む樹脂のことである。より具体的に、成分樹脂は、例えばバインダ樹脂等であってよい。この場合も、バインダ樹脂等を溶媒中に溶解又は分散させることにより、赤外線吸収剤を溶媒中に溶解又は分散させることができる。
また、本例で使用するのに好ましい赤外線吸収剤(機能性有機色材等)には、水に溶解しにくい物質も多い。そのため、インクの溶媒の主成分が水である場合、赤外線吸収剤をバインダ樹脂等に溶解又は分散させた構成や、赤外線吸収剤を水中に分散させた構成のインクを用いることが好ましい。
また、本例において、インクは、上記のように、各色の色材を含んでいる。そのため、インクの色は特に限定されない。例えば、本例においては、YMCKの各色のインクについて、上記の構成のインクを用いる。また、印刷装置10において、他の色のインクを更に用いる場合、他の色のインクについても、上記の構成のインクを用いることが好ましい。他の色のインクとしては、例えば、白色、クリア色、赤(R)、緑(G)、青(B)、オレンジ(Org)等の色のインクを用いることが考えられる。
また、インクが含む色材の色(地色)によっては、赤外線吸収剤にある程度の色がついていても、目立たない場合もある。そして、この場合、可視光領域の光も吸収する赤外線吸収剤を用いることも考えられる。より具体的に、濃色のインクの場合には、例えば、可視光領域の光も吸収するアンチモンドープ酸化錫等の無機系の赤外線吸収色剤を用いることも考えられる。この場合、一部の色のインクで他の色のインクと異なる赤外線吸収色剤を用いてもよい。より具体的には、例えば、一部の濃色のインクの赤外線吸収剤として無機系の赤外線吸収色剤を用い、他の色のインクの赤外線吸収剤として、可視光領域の吸収が少ない機能性有機色材等を用いてもよい。
また、本例のインクにおいて、溶媒は、インクの主成分である。この場合、主成分とは、例えば、重量比で最も多く含まれる成分のことである。また、本例のインクにおいて、溶媒は、例えば、インクの全体重量の50重量%以上を占める成分であることが好ましい。このように構成すれば、例えば、インクジェットヘッド102からの吐出前のインクの粘度について、インクジェット方式での吐出に適した低い粘度に適切に調整できる。また、インクの溶媒としては、例えば、主成分の沸点が200℃以下の溶剤(有機溶剤)や水等を用いることが考えられる。
このようなインクを用いることにより、例えば、媒体50への着弾後において、赤外線の照射等によって主成分である溶媒を蒸発させ、インクが滲むことを適切に防ぐことができる。また、溶媒を蒸発させることにより、蒸発乾燥型のインクを媒体50に適切に定着(乾燥定着)させることができる。
また、この場合、例えば、赤外線を照射することでインクを短時間で乾燥させることが可能であるため、従来の構成では適切に印刷することが難しかったインクと媒体50との組み合わせを実現すること等も可能になる。より具体的には、例えば、受像層を形成しない紙や前処理を行わない布帛等を媒体50として用いる場合にも、様々な蒸発乾燥型のインクを用いることが可能になる。また、これにより、例えば、印刷のランニングコストを大幅に低減することができる。
また、例えば多孔性の媒体50や、非浸透性のPETやPC(ポリカーボネイト)等のような、従来のソルベントインクを用いて従来の構成で印刷を行う場合には滲みの問題等で適切に印刷することが難しい媒体50を用いる場合にも、例えばソルベントインクに上記のような赤外線吸収剤を含ませたインクを用い、赤外線による加熱を行うことで、より適切に印刷を行うことが可能になる。また、同様に、例えば従来のラテックスインクを用いて従来の構成で印刷を行う場合には滲みの問題等で適切に印刷することが難しい媒体50を用いる場合にも、例えばラテックスインクに上記のような赤外線吸収剤を含ませたインクを用い、赤外線による加熱を行うことで、より適切に印刷を行うことが可能になる。このように、本例によれば、例えば、様々な特徴のインクをより多様な媒体50と組み合わせて使用することが可能になる。
続いて、赤外線光源104による赤外線の照射の仕方について、更に詳しく説明をする。赤外線を照射する光源としては、赤外線LEDや赤外線LD等の半導体光源以外に、赤外線ランプ等も知られている。また、例えば印刷装置10において、アフターヒータ24(図1参照)のように媒体50を追加加熱する加熱手段として、赤外線ランプを使用する構成等も知られている。そして、これらの構成を参考にした場合、原理的には、本例における赤外線光源104として、半導体光源ではなく、赤外線ランプ等を使用すること等も考えられる。
しかし、赤外線ランプは、通常、半導体光源と異なり、高速でのオン・オフの切り替えを行うことはできない。また、赤外線ランプは、通常、赤外線LED等と比べ、広い範囲を同時に加熱する。そのため、赤外線光源104として赤外線ランプを用いた場合、例えば溶媒を短時間で揮発除去できる高温乾燥の条件にすると、耐熱性の低い媒体50を使用できなくなる。また、この場合、媒体50やインクに焦げや変色が発生するおそれもある。
更に、赤外線ランプは、通常、感熱に有効な赤外線への変換効率が低く、加熱に有効性の低い可視光等を多く含んだ光を発生する。そして、この場合、インクのみを選択的に加熱することが難しくなり、インクと同時に、媒体50や周辺の部材も加熱することになる。また、赤外線ランプへ投入するエネルギーの多くは熱となり、媒体50を通して放熱され、損失(ロス)となる。また、その結果、インクの乾燥のために使用するエネルギー利用効率が低くなる欠点もある。
そのため、赤外線光源104としては、上記においても説明をしたように、赤外線LED等の半導体光源を用いることが好ましい。このように構成すれば、特定の波長範囲の赤外線を効率的に照射することができる。また、使用する赤外線の波長範囲に合わせた赤外線吸収剤を含むインクを用いることにより、媒体50等への影響を抑えつつ、インクを適切に加熱することができる。また、これにより、滲みの発生を適切に防ぐことができる。
また、半導体光源を用いて赤外線を照射する場合、赤外線ランプを用いる場合と異なり、高速でのオン・オフを切り替えること等も可能になる。そのため、このように構成すれば、例えば、必要に応じて赤外線光源104のオン・オフを適切に切り替えることもできる。
また、赤外線光源104によるインクの加熱の仕方については、媒体50上のインクを短時間で一気に加熱することが好ましい。この場合、赤外線光源104により、例えば、媒体50上の同じ位置に対する赤外線の連続照射時間が媒体50の放熱の熱時定数よりも短くなるように赤外線を照射することが好ましい。また、この場合、このような連続照射時間での赤外線の照射により、赤外線が照射された位置において、インクの溶媒の温度を沸点以上の温度に上昇させることが好ましい。インクの溶媒の沸点とは、例えば、インクの主成分となる溶媒の沸点のことである。
インクの溶媒の温度を沸点以上の温度に上昇させることにより、例えば、インク中の溶媒成分を一気に蒸発させ、滲みを適切に防ぐことができる。また、この場合、例えば、媒体50の表面と平行な表面方向の滲みのみに限らず、媒体50の厚み方向の滲み等も適切に防ぐことができる。また、この場合、上記においても説明をしたように、多くのインクが媒体50に吸収される前にインクの粘度を高めることにより、媒体50の表面に多くのインクを残すことができる。そのため、例えば媒体50として浸透性メディアを用いる場合にも、濃いカラー画像やモノクロ画像等をより適切に印刷できる。また、これにより、鮮明な印刷をより適切に行うことができる。
ここで、赤外線の照射によりインクを加熱する場合、媒体50を通して放熱される熱の量や、熱エネルギーの損失等についても考慮する必要がある。より具体的に、例えば、赤外線光源104の照射強度が小さい場合、媒体50を通して熱が逃げることにより、温度を十分に上昇させることが難しくなる。また、その結果、インクの滲みを適切に防ぐことが難しくなる。
また、媒体50を通して放熱される熱の量の影響(温度の低下等)や、熱エネルギーの損失等の影響を小さくするには、例えば、媒体50やインクに焦げが発生しない範囲で十分に強い赤外線を照射し、かつ、上記のように、赤外線の連続照射時間を媒体50の放熱の熱時定数よりも十分に短くすることが好ましい。このように構成すれば、例えば、インクの溶媒の沸点前後近くの温度まで短時間に適切に昇温することができる。より具体的に、赤外線光源104としては、少なくともは0.3W/cm以上の強度の光源(赤外線LED照射器等)を用いることが好ましい。
尚、媒体50を通して逃げる熱の伝達速度は、次の式で示される熱時定数τで決まる。
τ(熱時定数)=熱容量×熱抵抗=熱容量×厚み÷熱伝導率
そして、媒体50の熱時定数より短い時間で強い赤外線を照射した場合、断熱加熱条件に近くなり、放熱ロスを低減することができる。また、媒体50の熱時定数は、使用する媒体50の材質や厚みによって変化する。より具体的に、例えば、1mm程度の厚みの通常の塩ビフィルムにおいて、熱時定数は10秒程度である。また、媒体50として他の種類の媒体(例えば、各種のプラスチックメディア等)を用いる場合も、多くの場合、熱時定数は、概ね同程度であると考えられる。
そして、このような場合、赤外線の連続照射時間について、例えば3秒以下、好ましくは0.2秒以下にすることが考えられる。また、本願の発明者は、実験等により、赤外線の連続照射時間をこのように設定した場合について、媒体50上のインクの層のみを効率的に高温に加熱できることを確認した。更には、連続照射時間について、0.1秒以下にすることで一層加熱の熱効率が高まることも確認した。
また、本例の印刷装置10のような構成を用いる場合、主走査動作時に赤外線光源104をインクジェットヘッド102と同じ移動速度で移動させることになる。そして、この場合、赤外線による加熱時間(連続照射時間)の調整は、例えば、主走査方向における赤外線光源104の幅を調整することで行うことができる。また、より具体的に、主走査動作時のインクジェットヘッド102の移動速度は、通常、500〜1000mm/s程度である。そして、この場合、赤外線光源104の主走査方向における幅を50mm程度にすると、媒体50上の同じ領域への連続照射時間は、50/(500〜1000)=0.1〜0.05秒程度になる。そのため、このように構成すれば、例えば、好ましい連続照射時間を適切に実現することができる。
また、この場合、赤外線光源104の照射強度を調整することにより、インクの加熱温度を調整することができる。また、これにより、設定した連続照射時間でインクの溶媒を適切かつ十分に揮発除去することができる。また、この場合、赤外線光源104を移動させつつ加熱を行うことにより、過熱により媒体50やインクが焦げること等を防ぎつつ、媒体50の各位置に対し、強い赤外線による短時間の加熱を実現しているともいえる。
より具体的に、例えば、本例とは異なる構成により、連続照射時間をより長くして赤外線を照射することを考えた場合、強い赤外線を用いると、媒体50等の焦げ等の問題が発生することになる。そのため、この場合、長時間の連続照射をしても焦げ等が生じないような、弱い赤外線を用いる必要がある。しかし、この場合、赤外線の照射で生じる熱のほとんどが媒体50から逃げることになり、インクの温度が上昇しないこととなる。そのため、この場合、赤外線の照射によりインクの溶媒を適切に揮発除去できないことになる。また、その結果、インクの滲みを適切に防ぐことができなくなる。これに対し、本例においては、主走査動作を行う構成を利用して、強い赤外線を短時間に照射できる構成を実現している。また、これにより、媒体50の焦げ等を防ぎつつ、インクを適切に加熱することができる。
また、より具体的に、インクの加熱(インク層の定常加熱)に必要な照射強度(赤外線光源104の必要エネルギー)や、媒体から逃げる熱の量等については、以下のように計算することができる。例えば、インクの加熱に必要な照射強度(エネルギー)に関し、媒体50上におけるインクの厚みをD(cm)、赤外線の吸収率をα、インクの比熱を4.2(Joule/gr)とした場合、1cmの面積の厚みD(cm)のインクの層を10℃上昇させるために必要な照射エネルギーEiは、
Ei=(10×D×4.2)/α (Joule) 式(1)
である。そして、D(=20μm)=0.002cmの場合、
Ei≒0.083/α (Joule/cm
になる。
また、照射時間を1秒とした場合、赤外線光源104において用いる赤外線LEDからの必要な照射強度は、α=1として、
0.083 (W/cm) 式(2)
になる。
また、媒体から逃げる熱の量(放熱ロスエネルギー量)については、概算で、熱伝導率を0.25(W/mK)、媒体50の表裏の温度差を10℃、厚みを1mmとして、1cmの面積(1cmあたり)の媒体50を通して1秒間に逃げるエネルギーElは、
El=(0.25×10×0.0001÷0.001)=0.25 (W)(Joule/sec) 式(3)
になる。
また、このエネルギーE1は、媒体50をゆっくり加熱する定常加熱時の熱損失と考えることもできる。そして、この場合、式(2)、(3)の比較から、ゆっくりと加熱する通常の平衡条件での加熱を行う場合について、インクの層を加熱するエネルギーの3倍のエネルギーが媒体50を通じて損失となるのがわかる。
また、これらの式から、このような問題を回避するためには、媒体50の熱時定数(=熱容量×熱抵抗)より短い連続照射時間で赤外線光源104により強い赤外線を照射し、急速加熱することが有効であることがわかる。すなわち、熱の損失が少ない短時間加熱の条件においては、式(1)に近い小さなエネルギーを供給することにより、効率的な加熱を行うことができる。また、この場合、インクが含む溶媒の沸点又はそれ以上の温度にまで溶媒の温度を瞬間的に上昇させることにより、インクの蒸発速度を加速度的に速めることができる。但し、この場合にも、加熱速度には上限があり、使用するインクやインクと接する媒体50に焦げ等が発生しない温度範囲に抑える必要がある。
また、本願の発明者は、具体的な実験において、例えば、最大吸収波長が853nmにある山田化学工業社製の近赤外線吸収材料FDN−003を赤外線吸収剤として含むインクを使用した。また、赤外線光源104として、850nmに発光中心波長を有する近赤外線LEDを使用した。そして、赤外線の照射強度を様々な強度とし、連続照射時間を2〜0.3秒以下にする条件で赤外線を照射することで、インクの滲みを効率的かつ適切に抑え得ることを確認した。また、媒体50やインク等の過熱による焦げ等を避ける条件についても、適切に実現できることを確認した。また、赤外線の照射強度について、0.3W/cm以上にすることが好ましいことを確認した。赤外線の照射強度は、より好ましくは1W/cm以上、更に好ましくは5W/cm以上である。また、また、更なる実験や検討により、これらの点について、特定の赤外線吸収剤や赤外線LEDを用いる場合に限らないことについても確認をした。
続いて、本例の印刷装置10の様々な変形例や好ましい応用例について、説明をする。上記においては、印刷装置10で用いる媒体50について、主に、紙や布(布帛、Tシャツ等)等の浸透性メディアを用いる場合について、説明をした。本例によれば、例えば、滲み発生しやすい浸透性メディアに対して高速に印刷を行う場合について、滲みを防止する顕著な効果を得ることができる。
また、印刷装置10においては、上記において説明をした媒体50に限らず、様々な媒体50を用いることができる。例えば、浸透性メディアを用いる場合に限らず、非浸透性の媒体を用いる場合にも、インクを急速乾燥させる構成により、滲みを防止する効果を適切に得ることができる。より具体的に、印刷装置10においては、例えば、各種多孔性メディアや非浸透性のプラスチックフィルム(PET)や塩化ビニルシート、ポリカーボネイト等の媒体50を用いることも考えられる。また、この場合、例えば従来の構成の印刷装置では滲みが生じやすくて適切に印刷ができなかった媒体50に対しても、急速乾燥により滲みを防止することで、高精細なカラー印刷等を適切に行うことができる。
また、本例においては、媒体50に特別な加工等を行わなくても滲みを適切に防止できるため、例えば受像層を形成していない紙や、前処理を行っていない布帛やTシャツ等の布製品(縫製品)に対しても、高画質・高精彩であり、かつ濃い色の印刷を適切に行うことができる。また、これにより、例えば印刷のランニングコストを適切に低減できる。すなわち、本例においては、媒体50として、例えば、受像層を形成しない浸透性メディア(紙、布等)や、非浸透性のメディア(例えばノンコートメディア等)等を広く用いることができる。また、これらに限らず、受像層を有する媒体50も好適に用いることができる。
また、図1等においては、印刷装置10の構成として、双方向の主走査動作を行う構成を図示した。しかし、印刷装置10の変形例においては、例えば一方の向きでの主走査動作のみ(片方向印字)を行ってもよい。この場合、赤外線光源104は、主走査動作時にインクジェットヘッド102の後方側になるインクジェットヘッド102の片側のみに配設されてもよい。
また、印刷装置10の具体的な構成については、上記以外にも、様々に変更可能である。例えば、インクジェットヘッド102において使用するインク(カラーインク)の色は、特定の色に限定されない。そのため、インクジェットヘッド102において、YMC等に限らず、YMCRGBの各色や、白、パール、メタリック等の特色の様々な色を用いてもよい。また、色数についても、特定の色数には限定されず、1色以上の色数であればよい。
また、媒体50への着弾後のインクへ赤外線を照射可能であれば、印刷装置10の構成について、主走査動作を行うシリアル方式に限らず、例えばラインプリンタ方式の構成に変形してもよい。この場合、例えば、媒体50の搬送方向におけるインクジェットヘッド102よりも下流側に、赤外線光源104(赤外線LED照射器等)を配置すること等が考えられる。また、ラインプリンタ方式の構成の場合、使用するインクの色毎に、その下流側に個別又は一括して赤外線光源104を配設することが考えられる。
また、例えばシリアル方式の構成を用いる場合も、赤外線光源104を配設する位置については、主走査方向においてインクジェットヘッド102と隣接する位置(インクジェットヘッド102の両側等)以外であってもよい。例えば、媒体50の搬送方向においてインクジェットヘッド102よりも下流側になる位置に赤外線光源104を配設してもよい。また、この場合、主走査方向においてインクジェットヘッド102と隣接する位置と、搬送方向におけるインクジェットヘッド102の下流側との両方に赤外線光源104を配設してもよい。
また、上記においても説明をしたように、赤外線光源104により照射する赤外線のエネルギー(照射エネルギーの最大供給エネルギー)は、赤外線光源104の照射強度及び照射時間に応じて決まる。また、この最大供給エネルギーは、媒体50やインクに焦げ等が発生しない範囲内に設定する必要がある。そして、この場合、照射エネルギーの最大供給エネルギーを適正範囲に設定するため、赤外線光源104の照射強度及び照射時間のうちの少なくともいずれかについて、印刷速度(プリント速度)、印刷のパス数、媒体50上に形成されるインクのドットの密度(プリントドット密度)等の少なくともいずれかに基づいて自動的に変更されることが好ましい。また、このような変更について、例えばオペレータによる手動で行ってもよい。
また、上記においても説明をしたように、本例において、赤外線光源104は、主走査動作時にインクジェットヘッド102と共に移動しつつ、媒体50上のインクの層へ赤外線を照射する。この場合、赤外線光源104からインクの層へ照射する赤外線の照射量について、少なくとも同一時間に吐出される吐出幅の範囲で均一にすることが好ましい。この場合、赤外線の照射量について、少なくとも同一時間に吐出される吐出幅の範囲で均一にするとは、例えば、少なくとも一回の主走査動作で一のインクジェットヘッド102によりインク滴が吐出される幅(同一のパス内での吐出幅)の範囲で均一にすることである。
また、上記においても説明をしたように、赤外線光源104としては、赤外線LED等に限らず、例えば半導体レーザ(赤外線LD)等のレーザ光源を用いることも考えられる。そして、赤外線の照射源としてレーザ光源を用いる場合、例えばビームエキスパンダーや蒲鉾型レンズ等を用いて、一定面積を均一に照射するように構成することが好ましい。より具体的に、この場合、例えば、インクジェットヘッド102のノズル列方向へビームを拡げ、かつ、インクジェットヘッド102の移動方向(主走査方向)には一方向の一定の領域のみに集光することが考えられる。
また、赤外線光源104による赤外線の照射の指向性については、インクジェットヘッド102のノズル面やノズル内のインクを加熱することのないように設定することが好ましい。より具体的には、例えば、赤外線光源104による赤外線の照射の指向性について、インクジェットヘッド102の方向へ赤外線を放出することないように設定することが好ましい。また、媒体50から反射してインクジェットヘッド102に到達する赤外線(反射成分)についても、適切に低減し得るように指向性を調整することが好ましい。
また、主走査動作時において、赤外線光源104は、例えば、連続的に赤外線を照射(連続点灯)しつつ、インクジェットヘッド102と共に主走査方向へ移動する。また、赤外線光源104の点灯のさせ方については、連続点灯に限らず、例えばパルス点灯させてもよい。
また、上記においては、それぞれ異なる色のインク滴を吐出する複数のインクジェットヘッド102(例えば、YMCKの各色用のインクジェットヘッド102)について、主に、副走査方向における位置を揃えて主走査方向へ一列に並べた構成を説明した。しかし、複数のインクジェットヘッド102の並べ方は、上記に限らず、様々に変更可能である。例えば、複数のインクジェットヘッド102のうちの一部について、他のインクジェットヘッド102と副走査方向における位置をずらして配設してもよい。より具体的には、例えば、YMCKの各1色や、2以上の色用のインクジェットヘッド102を同じY軸上に配置し、X軸方向に1色又は複数色用のインクジェットヘッド102を分散配置してもよい。この場合、Y軸上にインクジェットヘッド102を配置するとは、例えば、主走査方向へ並べて配設することである。また、X軸方向に分散配置するとは、例えば、副走査方向における位置をずらして配設することである。このように構成すれば、例えば、各回の主走査動作において同じ領域へ吐出されるインクの量を低減することができる。また、これにより、例えば、滲みの発生をより適切に防ぐことができる。
また、上記においては、主に、印刷対象の媒体50に対して直接インク滴を吐出する場合について、説明をした。この場合、印刷対象の媒体50とは、印刷後の状態が印刷の成果物になる媒体50のことである。また、印刷装置10の変形例においては、媒体として、例えば転写媒体を用いること等も考えられる。この場合、転写媒体とは、例えば、印刷された画像が他の媒体に転写される媒体のことである。
本発明は、例えば印刷装置に好適に利用できる。
10・・・印刷装置、12・・・ヘッド部、14・・・ガイドレール、16・・・走査駆動部、18・・・プラテン、20・・・プリヒータ、22・・・プリントヒータ、24・・・アフターヒータ、26・・・制御部、32・・・赤外線光源、34・・・ガイドレール、50・・・媒体、100・・・キャリッジ、102・・・インクジェットヘッド、104・・・赤外線光源

Claims (11)

  1. 媒体に対してインクジェット方式で印刷を行う印刷装置であって、
    インク滴をインクジェット方式で吐出するインクジェットヘッドと、
    赤外線を照射する赤外線光源と
    を備え、
    前記インクジェットヘッドは、赤外線を吸収する赤外線吸収剤と、前記赤外線吸収剤を溶解又は分散させる溶媒とを含むインクのインク滴を吐出することにより、前記媒体上に前記インクを付着させ、
    前記赤外線光源は、前記媒体上に付着した前記インクに赤外線を照射することにより、前記インクに含まれる前記溶媒の少なくとも一部を揮発除去することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記赤外線光源は、前記媒体において前記インクジェットヘッドと対向する領域の外にあるインクへ赤外線を照射することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記赤外線光源は、前記媒体上の同じ位置に対する赤外線の連続照射時間が前記媒体の放熱の熱時定数よりも短い時間になるように、前記媒体上の前記インクに赤外線を照射することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
  4. 前記媒体を加熱するヒータを更に備え、
    前記赤外線光源は、前記ヒータにより加熱される前記媒体上の前記インクに赤外線を照射することにより、前記ヒータと共に前記インクに含まれる前記溶媒の少なくとも一部を揮発除去することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の印刷装置。
  5. 可視光領域の光に対する前記赤外線吸収剤の透過率は60%以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の印刷装置。
  6. 前記赤外線吸収剤は、アントラキノン系、フタロシアニン系、ジイオニューム塩系、アントラキノン系、ポリメタン系、オクタチオフェニールフタロシアニン誘導体、ペリミジン系スクアリリウム、ナフタロシアニン系、又はスクアリリウム系の物質であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の印刷装置。
  7. 前記赤外線光源は、赤外線を発生する半導体を用いた光源であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の印刷装置。
  8. 前記インクが含む前記溶媒は、有機溶剤であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の印刷装置。
  9. 前記インクが含む前記溶媒は、水性溶媒であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の印刷装置。
  10. 前記媒体は、前記溶媒を揮発除去する前の前記インクを吸収する性質の媒体であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の印刷装置。
  11. 媒体に対してインクジェット方式で印刷を行う印刷方法であって、
    インク滴をインクジェット方式で吐出するインクジェットヘッドと、
    赤外線を照射する赤外線光源と、
    を用い、
    前記インクジェットヘッドにより、赤外線を吸収する赤外線吸収剤と、前記赤外線吸収剤を溶解又は分散させる溶媒とを含むインクのインク滴を吐出することにより、前記媒体上に前記インクを付着させ、
    前記赤外線光源により、前記媒体上に付着した前記インクに赤外線を照射することにより、前記インクに含まれる前記溶媒の少なくとも一部を揮発除去することを特徴とする印刷方法。
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