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JP2017039659A - ミルタザピンの製造方法 - Google Patents

ミルタザピンの製造方法 Download PDF

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JP2017039659A JP2015162118A JP2015162118A JP2017039659A JP 2017039659 A JP2017039659 A JP 2017039659A JP 2015162118 A JP2015162118 A JP 2015162118A JP 2015162118 A JP2015162118 A JP 2015162118A JP 2017039659 A JP2017039659 A JP 2017039659A
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Abstract

【課題】 本発明の目的は、抗うつ剤として有用なミルタザピンを、煩雑な精製操作を必要とせずに、高品質且つ高製造収率で製造しうる方法を提供することにある。【解決手段】 2−(4−メチル−2−フェニル−1−ピペラジニル)−3−ピリジンメタノールと硫酸とを反応させてミルタザピンを製造する方法において、濃度が85.0%以上96.0%未満の硫酸を用いて反応することにより、反応時の不純物群の副生量が大幅に抑制されたミルタザピンを製造することができる。【選択図】 なし

Description

本発明は、医薬品原薬として有用なミルタザピンの新規な製造方法に関する。
下記式(1)で示される1,2,3,4,10,14b−ヘキサヒドロ−2−メチル−ピラジノ[2,1−a]ピリド[2,3−c][2]ベンザゼピン)は、一般名でミルタザピンと呼ばれる医薬品原薬化合物であり、うつ病、うつ状態の患者に処方される極めて有用な抗うつ剤として利用されている。
Figure 2017039659
このミルタザピンの製造方法としては、2−(4−メチル−2−フェニル−1−ピペラジニル)−3−ピリジンメタノール(以下、「ピリジンメタノール化合物」ともいう。)と濃硫酸とを反応させる方法が、最も簡便で効率的であることから広く用いられている(特許文献1、2)。当該反応のメカニズムとして、下記式(2)で示されるように、ピリジンメタノール化合物と硫酸との反応により、脱水を伴い、2−(4−メチル−2−フェニル−1−ピペラジニル)−3−ピリジンメタノール硫酸水素塩(以下、「硫酸付加体」ともいう。)が反応中間体として生成し、次いで、硫酸付加体の分子内環化反応により、ミルタザピンが生成すると考えられる。
Figure 2017039659
特許文献1において、上記方法の具体的な方法が開示されている。濃硫酸にピリジンメタノール化合物を添加し、30〜40℃で8時間撹拌し反応させる。反応混合物を水に滴下した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、ミルタザピンをトルエンで抽出する。このトルエン溶液とヘプタンによりミルタザピンを結晶化させることにより、ミルタザピンの粗体を取得する。再結晶等により、ミルタザピンの粗体を精製し、ミルタザピンを取得する。
特許文献2においても、特許文献1と反応後の後処理操作が異なるが、反応条件は特許文献1と概ね同様の方法が開示されている。なお、特許文献2において、用いる硫酸の濃度は97〜99%であることが好ましい旨が記載されている。
特許第3699680号公報 特許第5192707号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の方法では、反応時に複数の不純物が副生すること、また、それらの不純物群は、反応後の後処理や精製操作によって除去困難であり、医薬品原薬として許容される品質とするためには、低収率での精製或いは複数回の精製が必要であることが判明した。当該不純物群の中でも、実施例に記載の、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)において保持時間が20.3分付近を示す不純物と26.6分付近を示す不純物は、反応時の副生量が比較的多く、後処理や精製操作における除去効率が極めて低い不純物である。これら2種の不純物は、下記に示す液体クロマトグラフ質量分析(LC−MS)において、いずれも分子量が530であったことから、下記式(3)或いは下記式(4)で示されるミルタザピンの二量体構造(ダイマー)の構造異性体であると推測される(以下、保持時間が20.3分付近を示す不純物は「ダイマー1」、26.6分付近を示す不純物は「ダイマー2」ともいう。)。
Figure 2017039659
Figure 2017039659
(LC−MSの測定条件)
装置:液体クロマトグラフ装置及び質量分析計(Waters Corporation
製)
検出器:紫外吸光光度計(Waters Corporation製)
測定波長:240nm
カラム:内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラ
フィー用オクタデシルシリル化シリカゲルが充填されたもの。
移動相a:酢酸アンモニウム0.39gを水1000mLに添加し溶解させた混合液。
移動相b:アセトニトリル。
移動相の送液:移動相A及びBの混合比を表1のように変えて濃度勾配制御する。
Figure 2017039659
流量:毎分0.3mL。
カラム温度:40℃付近の一定温度。
イオン化法:エレクトロスプレーイオン化法(ESI)。
検出モード:正イオンモード。
従って、非効率な精製操作を必要とせず、医薬品原薬として許容される品質のミルタザピンを製造する方法が望まれている。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、上記反応において、特定の濃度範囲の硫酸を使用することにより、反応時の不純物群の副生量が大幅に抑制され、特にダイマー1及び2の副生量が顕著に抑制されることを見出した。
即ち、本発明は、ピリジンメタノール化合物と硫酸とを反応させてミルタザピンを製造する方法において、濃度が85.0%以上96.0%未満の硫酸を用いて反応することを特徴とするミルタザピンの製造方法である。
具体的には、HPLCでの分析において、従来の方法ではダイマー1及び2が各0.12%以上副生するのに対し、本発明の方法では各0.10%以下に抑制される。ここで、硫酸の濃度とは、硫酸試料全量に対する、試料に含まれる硫酸の重量の百分率(純分)であり、他の主要成分は水である。通常、市販されている濃硫酸は、その濃度が96.0%以上である。一方、本発明において用いる硫酸は、同様に硫酸と水を主成分とする混合物であり、その濃度は85.0%以上96.0%未満である。
このような濃度の差異により、副生量が大幅に抑制されることは、驚くべきことである。上述の通り、本反応ではピリジンメタノール化合物と硫酸とが反応し、一旦硫酸付加体が生成するが、本発明の濃度範囲の硫酸を使用することで当該反応の進行速度が緩やかとなる。それにより、反応系内に存在する硫酸付加体の量が従来の方法と比較して少なくなり、結果、ダイマーの副生量が抑制される。上記反応の進行速度が緩やかとなる理由は明らかではないが、硫酸濃度を下げること、即ち、系内の水の量を比較的多くすること、或いは、酸性の強さを示す酸度関数が低下することが影響すると推測される。
本発明によれば、濃度が96.0%以上の濃硫酸を用いる従来の方法と比較して、反応時の不純物群の副生量、特に、ダイマー1及び2の副生量を抑制することができ、その結果、医薬品原薬として好適に使用できる高品質なミルタザピンを、煩雑な精製操作を必要とせずに製造することができる。つまり、ミルタザピンの品質及び製造収率、操作性の観点において、本発明は優れている。
本発明は、ピリジンメタノール化合物と85.0%以上96.0%未満の濃度の硫酸とを反応させることを特徴とするミルタザピンの製造方法である。反応後、後処理操作及び精製操作を行い、高品質なミルタザピンを製造することができる。また、当該反応は25℃以上80℃以下で実施することにより、反応を完結させることができ、且つ、ダイマー1及び2以外の不純物群の副生も抑制することができる。
(ピリジンメタノール化合物)
本発明に使用するピリジンメタノール化合物は、特に制限されることなく、公知の方法により製造することができる。公知の方法の一例として、特公昭59−042678号公報等に記載されているように、2−(4−メチル−2−フェニル−1−ピペラジニル)−3−ピリジンカルボン酸(以下、「ピリジンカルボン酸化合物」ともいう。)を有機溶媒中、金属水素化物と反応させて還元する方法が挙げられる。具体的には、ピリジンカルボン酸化合物とテトラヒドロフランとの溶液を得る。次いで、窒素雰囲気下、水素化リチウムアルミニウムとテトラヒドロフランとの懸濁液に、当該溶液を徐々に加える。還流温度まで加温し、HPLC等によりピリジンカルボン酸化合物の消失が確認されるまで反応させる。反応終了後、水を加え、析出した固体を濾別し、ピリジンメタノール化合物を含む溶液を得る。当該溶液を濃縮する、或いは、濃縮残渣をエーテル等の溶媒による再結晶で精製することでピリジンメタノール化合物を単離することができる。単離後、乾燥することにより、残留する有機溶媒や水等を除去でき、高純度なピリジンメタノール化合物を製造できる。
上記方法における金属水素化物として、水素化リチウムアルミニウムの他に、ソジウムジヒドロビス(2−メトキシエトキシ)アルミネートやジイソブチルアルミニウムヒドリド等を使用することもできる。反応温度は、使用する金属水素化物の種類や量により適宜決定すれば良いが、通常、−30℃以上80℃以下である。また、反応溶媒や再結晶溶媒は、上記の限りではなく、反応を阻害しない、ピリジンカルボン酸化合物やピリジンメタノール化合物を溶解することができる等の観点から決定すれば良く、トルエン等の芳香族炭化水素類や酢酸イソプロピル等の酢酸エステル類等も使用できる。
このようにして製造されるピリジンメタノール化合物は、通常、その純度が97.0%以上100.0%以下であるが、再結晶による精製を実施した場合は、98.5%以上100.0%以下であり、より好適に使用することができる。また、当該ピリジンメタノール化合物の水分量は、通常、1ppm以上1000ppm以下である。ここで、水分量とは、ピリジンメタノール化合物試料中に含まれる水の質量百分率である。よって、ピリジンメタノール化合物に含まれる水の量は、使用する硫酸に含まれる水の量に対して極めて少なく、本発明において考慮する必要はない。
(硫酸)
本発明において、濃度が85.0%以上96.0%未満の硫酸(以下、単に硫酸とする場合もある。)を使用することが最重要の要件である。なお、硫酸の濃度は、実施例に記載の通り、水酸化ナトリウム等を用いた中和滴定により算出することができる。
硫酸の濃度が85.0%未満の場合、反応速度が大幅に低下し、反応が十分に進行しない、或いは、長時間の反応時間を必要とする。一方、96.0%以上の場合、ダイマー1及び2を含む不純物群の副生量が大幅に増加する。上記範囲の中でも、反応時間や不純物群の副生量を考慮すると、87.0%以上95.5%以下が好ましく、90.0%以上95.0%以下がさらに好ましく、92.0%以上95.0%以下が最も好ましい。
上記濃度範囲の硫酸であれば、特に制限されることなく、使用することができ、特に濃度の調整操作等を必要とせずに使用できる。一方、当該濃度範囲外の硫酸であれば、当該濃度範囲となるように濃度を調整する必要がある。
まず、一般的に市販されている濃硫酸は、通常、その濃度は96.0%以上である。この場合、本発明の範囲となるように、濃硫酸と所定量の水とを混合し、当該濃度範囲の硫酸を調製すれば良い。濃硫酸と水との混合順序は、特に制限されない。また、混合操作は発熱を伴うため、硫酸の温度が0℃以上50℃以下となるように、冷却下で実施することが好ましい。さらに、当該混合操作は、メカニカルスターラー、マグネティックスターラー等で撹拌しながら実施することが好ましく、そうすることで均一な硫酸を調製することができる。一方、85.0%未満の濃度の硫酸であれば、本発明の範囲となるまで、蒸留等により水を除去すれば良い。蒸留は常圧下、或いは、減圧下で実施することができ、また蒸留温度は圧力等により適宜決定すれば良い。ただし、濃度調製の操作性や精度を考慮すると、濃硫酸と水とを混合して調製することがより好ましい。
以上のようにして調製した硫酸の使用量は、ピリジンメタノール化合物1.0モルに対して、5.0モル以上30.0モル以下である。ここで、当該使用量は、硫酸濃度より算出される硫酸の純分である。上記範囲の中でも、後処理操作の操作性が簡便である、或いは、反応を短時間で完結できる点から、7.5モル以上20.0モル以下が好ましく、7.5モル以上15.0モル以下がより好ましい。
(反応条件)
本発明において、ピリジンメタノール化合物と硫酸とを混合した後、得られた混合物を所定の温度範囲で反応させる。当該混合操作は、ガラス製容器、ステンレス製容器、テフロン(登録商標)製容器、グラスライニング容器等の容器にて実施し、さらに、メカニカルスターラー、マグネティックスターラー等を用いて撹拌下で実施することが、操作性や均一性の点から好ましい。また、大気からの水の混入を防ぐため、大気下ではなく、窒素やアルゴン等の雰囲気下で実施することが好ましい。そうすることで、反応中に硫酸濃度の変化が起こらず、ダイマー1及び2の副生量や反応時間等の製造毎の再現性が高まる。
ピリジンメタノール化合物と硫酸とを混合する際、ピリジンメタノール化合物は溶解せずに固液混合物が得られる。反応の進行に伴い、ピリジンメタノール化合物は溶解するが、上記混合時に場合によってはピリジンメタノール化合物が塊状を形成し、反応時間が長くなる場合がある。また、混合時は発熱を伴うことから、塊の形成状況や上記混合物の温度等を確認しながら、ピリジンメタノール化合物を硫酸に少しずつ添加して混合することが好ましい。
混合操作の温度は、上記の通り、発熱を伴うため、混合物の温度が0℃以上40℃以下となるように、冷却下で実施することが好ましい。また、当該操作の時間は、製造スケール等により異なるため、一概に規定できないが、通常、10分以上3時間以下である。
上記のようにして得られた混合物は、混合物の温度が25℃以上80℃以下で反応させることが好ましい。25℃以上とすることで反応が十分に進行し、高いミルタザピンの製造収率を得ることができる。一方、80℃以下とすることでダイマー以外の不純物の副生量を抑制することができる。上記範囲の中でも、反応性や不純物の副生量の観点から、30℃以上75℃以下が好ましく、35℃以上70℃以下がより好ましい。
反応時間は、原料であるピリジンメタノール化合物、及び、中間体である硫酸付加体の残存量を、HPLC等で確認しながら、反応転化率が90.0%以上100.0%以下となることを確認して決定すれば良い。ここで、反応転化率とは、生成したミルタザピンのHPLC面積値の、ピリジンメタノール化合物、及び、硫酸付加体、ミルタザピンのHPLC面積値の合計値に対する百分率で示される。当該反応転化率は、より高い方がミルタザピンの製造収率が向上し、90.0%以上であれば十分な製造収率を得ることができる。一方で、反応の進行に伴い、ダイマーを含む不純物群の副生量が増加することから、上記範囲の中でも、92.0%以上99.9%以下が好ましく、94.0%以上99.8%以下がより好ましい。
以上のようにして反応を行うことで、反応中のダイマー1及び2の副生量を、従来の方法と比較して低減することができる。具体的には、従来の方法ではダイマー1及び2が各0.12%以上の量が副生するのに対し、本発明の方法では各0.10%以下である。この副生量の差異は、以下の後処理及び精製操作において優位な差異を示す。
(後処理操作)
本発明において、上記のようにして得られた反応終了後の混合物から、公知の方法による後処理操作を行うことにより、粗体のミルタザピンを得ることができる。例えば、特許文献1のように、反応終了後の反応混合物を冷却し、水を加え希釈した後、水酸化ナトリウムを加え中和する。さらに、トルエンを加え、析出したミルタザピンをトルエン中に溶解させ抽出する。当該トルエン層を水層と分離し、ヘプタンを加えて結晶化させ、結晶を固液分離により単離し、粗体のミルタザピンを得ることができる。
上記方法における各操作方法は、一般的な公知の方法を採用すれば良い。また、水酸化ナトリウムやトルエン等の有機溶媒の種類は、上記したものに限られず、例えば、中和に用いる水酸化ナトリウムは、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の水酸化物やカリウムターシャリーブトキシド、ナトリウムメトキシド等を代わりに使用しても良い。ただし、その使用量は、使用する硫酸1.0モルに対して、1.5モル以上5.0モル以下である。当該範囲を使用することで、十分に中和することができ、結果、ミルタザピンを有機溶媒に十分に抽出することができる。中でも、有機溶媒への抽出効率や中和操作の操作性を考慮すると、1.7モル以上4.0モル以下が好ましく、1.8モル以下3.5モル以下が好ましい。また、中和する際の温度は、発熱を伴うため、中和混合物の温度が0℃以上40℃以下となるように実施することが好ましいが、有機溶媒層と水層を分層する際の温度は、30℃以上80℃以下が好ましい。その理由は、反応で副生するタール成分を溶解することができ、分層の操作性がより好ましいためである。
上記特許文献1において、その方法に関わらず、後処理操作におけるダイマー1及び2の低減効果はほとんど得られない。よって、粗体のミルタザピンに含まれるダイマー1及び2の量は、従来の方法でミルタザピンを製造した後に後処理操作した場合には各0.12%以上であるのに対し、本発明でミルタザピンを製造後に後処理操作した場合には各0.08以下である。
(精製操作)
本発明において、上記のようにして得られた粗体のミルタザピンを、公知の方法による精製操作を行うことにより、ミルタザピンを得ることができる。例えば、特許文献1のように、粗体のミルタザピンを、メタノールに溶解させ、活性炭により脱色した後、水を加えて結晶化させ、結晶を固液分離により単離し、乾燥することでミルタザピンを得ることができる。
上記方法における各操作方法は、一般的な公知の方法を採用すれば良い。また、メタノールは、エタノール等の低級アルコール、ジオキサンやテトラヒドロフラン等のエーテル、アセトン等のケトン等を代わりに使用しても良い。このような水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を用いて、粗体のミルタザピンを精製することが精製効率の観点から好ましい。その使用量は、使用する有機溶媒の種類により適宜決定すれば良い。なお、上記活性炭操作によって、ダイマー1及び2の低減効果は得られないことから、省略しても良いが、得られるミルタザピンの色調を考慮すると実施することが好ましい。最終の乾燥操作については、乾燥温度や圧力、時間等を変えることにより、種々の水和数を有するミルタザピンを得ることができる。例えば、ピリジンメタノール化合物5gスケールであれば、60℃で0.1以上5.0kPa以下の減圧下、4時間乾燥することで、水分量が約3.3%のミルタザピンの0.5水和物を得ることができる。また、同様のスケールで、90℃で0.1以上5.0kPa以下の減圧下、15時間乾燥することで、水分量が約0.2%のミルタザピンの無水物を得ることができる。よって、所望の水和物に応じて、適宜乾燥条件を設定し、ミルタザピンの水分量をカールフィッシャー等で測定しながら乾燥すれば良い。
以上のようにしてミルタザピンを製造することができるが、上記精製操作において、何れの条件を採用した場合においても、ダイマー1及び2の低減は困難である。その理由は、ミルタザピンと構成する分子骨格が類似しているため、精製溶媒への溶解性等の物性がミルタザピンと同等であるためと推測される。ここで、医薬品原薬として使用する上で、医薬品の品質に関するガイドラインであるICHガイドライン等を参照すると、医薬品原薬に含まれる個別不純物量は0.05%以下が望ましい。当該ガイドライン値を参照すれば、精製溶媒としてメタノールを採用し、上記の従来の方法で得られた粗体のミルタザピンを精製した場合、ダイマー1及び2は各0.08%以上であり、さらなる精製操作が要求される。一方、本発明の方法で得られた粗体のミルタザピンであれば、反応時のダイマー1及び2の副生量が少ないため、上記と同様にして精製するだけで、ダイマー1及び2は各0.05%以下となり、さらなる精製操作を必要とせず、医薬品原薬として好適に使用できる品質のミルタザピンを得ることができる。
かくして、本発明の方法により、反応時のダイマー1及び2の副生量を従来の方法と比較して低減することができる。その結果、複数回の精製等の煩雑な精製操作を必要とせず、高品質のミルタザピンを得ることができる。また、精製回数の低下等により、高いミルタザピンの製造収率を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等制限されることはない。なお、実施例及び比較例における各種測定および評価方法は以下の通りである。
(ミルタザピンの純度及びダイマー不純物の含有量の評価)
HPLCによるミルタザピンの純度及びダイマー不純物の含有量は、下記の装置、条件により測定した。当該条件によるHPLC分析において、ミルタザピンの保持時間は14.0分付近、ダイマー1は20.3分付近、ダイマー2は26.6分付近、ピリジンメタノール化合物は5.5分付近、硫酸付加体は2.8分付近である。なお、ミルタザピンの純度とは、得られたクロマトグラムにおけるミルタザピンのピーク面積値の、全てのピークの面積値の合計に対する百分率で示した値である。また、ダイマー1及び2の含有量は、各不純物のピーク面積値の、全てのピークの面積値の合計に対する百分率で示した値である。

装置:ウォーターズ社製2695
検出器:紫外吸光光度計(ウォーターズ2489)
検出波長:240nm
カラム:内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリカゲルが充填されたもの。
移動相及び送液方法:以下に示す移動相A及びBを用い、試料注入後の経過時間に従い、両者の混合比を下記表2に示す様に制御し、送液した。
移動相A:リン酸水素二ナトリウム12水和物7.2gを水1000mLに溶解し、リン酸を加えてpH7.4とした。
移動相B:アセトニトリル
流量:毎分1.0mL
カラム温度:40℃付近の一定温度
Figure 2017039659
(硫酸の濃度の測定)
自動滴定装置による硫酸の濃度は、下記の装置、条件により測定した。硫酸の濃度とは、当該滴定により算出された試料中の硫酸の重量の、試料の重量に対する百分率で示した値である。

装置:平沼産業株式会社製 COM−2000
方式:中和滴定方式
滴定試薬:0.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液
溶媒:水
製造例1(ピリジンメタノール化合物の製造)
撹拌翼、温度計を取り付けた2Lの四口フラスコに、1mol/L水素化リチウムアルミニウム/テトラヒドロフラン溶液1618mL(1618mmol)を加え、ピリジンカルボン酸化合物120g(404mmol)をテトラヒドロフラン1800mLに溶解させた溶液を内温25℃付近に保持しながら30分かけて滴下して加えた後、25℃で3時間撹拌した。反応液を水冷しながら水70mLを加えて撹拌した後、有機層と水層を分液し、得られた有機層を15wt%水酸化ナトリウム水溶液70mL、次いで、水200mLで順次洗浄、分液した。得られた有機層を減圧下で濃縮し、ピリジンメタノール化合物の粗体を得た。
ピリジンメタノール化合物の粗体に対し、酢酸イソプロピル840mLを加え、60℃に加熱し、該粗体を溶解させた後、ヘプタン840mLを内温50℃以上で滴下した。該溶液を5℃まで冷却をおこない、ピリジンメタノール化合物のスラリー液を5℃付近で2時間熟成した後、減圧ろ過により、該スラリー溶液をろ過した。ろ別した結晶を酢酸イソプロピル60mLとヘプタン60mLの混合液により洗浄した後、得られた白色結晶を40℃で5時間減圧乾燥し、白色結晶としてピリジンメタノール化合物102g(363mol、製造収率:89.9%)を得た(純度:99.53%、水分量:320ppm)。
実施例1(ミルタザピンの製造)
撹拌翼、温度計を取り付けた100mLの四口フラスコに、窒素雰囲気下、濃度が98.4%の濃硫酸17.59g(176.4mmol)を入れ、15℃付近に冷却した。水1.02gを少しずつ加え、同温度付近で10分間撹拌し、濃度が93.0%の硫酸を調製した。次いで、製造例1で得られたピリジンメタノール化合物5.0g(17.64mmol)を、35℃以下で20分間かけて少しずつ加えた。得られた混合物を55℃に加温し、7時間反応させた(反応転化率:99.7%、ダイマー1:0.05%、ダイマー2:0.04%)。
反応終了後、5℃付近まで冷却し、水35mLを35℃以下で少しずつ加えた。次いで、23wt%水酸化ナトリウム水溶液41.2gを35℃以下で少しずつ加えた後、トルエン18mLを加えた。さらに、23wt%水酸化ナトリウム水溶液12.2gを加え中和した(pH14)。60℃付近で15分間撹拌した後、水層を分液した。有機層に水10mLを加え、60℃付近で15分間撹拌した後、水層を分液し、ミルタザピンのトルエン溶液として有機層を得た。この有機層に55℃付近でヘプタン25mLを加えて結晶化させ、55℃付近で1時間熟成した。さらに、5℃付近に冷却し、5℃付近で1時間熟成した後、減圧ろ過により、該スラリー溶液をろ過した。ろ別した結晶をトルエン2.5mLとヘプタン2.5mLの混合液により洗浄した後、得られた褐色結晶を60℃で減圧下、15時間乾燥し、褐色結晶として粗体のミルタザピン4.07g(15.33mmol)を得た(純度:99.23%、ダイマー1:0.05%、ダイマー2:0.04%)。
撹拌翼、温度計を取り付けた100mLの四口フラスコに、得られた粗体のミルタザピン4.07g、メタノール12mLを加え溶解させた。5℃付近に冷却下後、活性炭0.75gを加え、5℃付近で30分間撹拌した。減圧ろ過により、活性炭をろ別し、得られた溶液に25℃付近で水44mLを少しずつ加えて結晶化させ、25℃付近で1時間撹拌した。さらに、5℃付近に冷却し、5℃付近で1時間熟成した後、減圧ろ過により、該スラリー溶液をろ過した。ろ別した結晶をメタノール1.5mLと水5mLの混合液により洗浄した後、得られた白色結晶を60℃で減圧下、15時間乾燥し、白色結晶としてミルタザピン3.88g(14.61mmol、製造収率:82.8%)を得た(純度:99.92%、ダイマー1:0.02%、ダイマー2:0.02%)。
実施例2〜12
濃硫酸、及び、それに加える水の量を変えたこと、即ち、反応で使用する硫酸の濃度を変えたこと、及び/或いは、反応温度と時間を変えた以外は実施例1と同様の方法でミルタザピンを得た。製造条件を表3に、製造結果を表4に示した。
比較例1〜5
濃硫酸に水を加えなかった、或いは、水の量を変えたこと、及び、異なる濃度の濃硫酸を使用したこと、及び/或いは、反応温度と時間を変えた以外は実施例1と同様の方法でミルタザピンを得た。製造条件を表3に、製造結果を表4に示した。
Figure 2017039659
Figure 2017039659

Claims (2)

  1. 2−(4−メチル−2−フェニル−1−ピペラジニル)−3−ピリジンメタノールと硫酸とを反応させてミルタザピンを製造する方法において、濃度が85.0%以上96.0%未満の硫酸を用いて反応することを特徴とするミルタザピンの製造方法。
  2. 2−(4−メチル−2−フェニル−1−ピペラジニル)−3−ピリジンメタノールと硫酸とを反応させる温度が25℃以上80℃以下である請求項1に記載のミルタザピンの製造方法。
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