JP2017003030A - フランジ接合部補強治具 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1のフランジ補強治具は、「管フランジ継手のフランジ接合部におけるフランジ補強治具であって、該フランジ補強治具が、フランジ接合部をまたぐようにフランジ周方向に間隔をおいて配される複数の補強部材と、フランジ部背面付根部分に当接した状態で、前記補強部材によりフランジ部背面に押し当てられる当て部材と、前記複数の補強部材を管体に固定するための締付部材とからなり、
前記補強部材が、一方のフランジ部背面の付根部分に当接する押圧部A1と、前面が他方のフランジ部背面の付根部分に当接した前記当て部材背面に当接し、該当て部材をフランジ部背面に押し当てる押し当て部A2と、該押し当て部A2側に管壁に沿うように突出して設けられた締付部A3とを有し、
前記締付部材がリング形状を有し、前記複数配される補強部材のそれぞれの締付部A3を、管の中心方向に締付可能に構成されていることを特徴とする」ものである(請求項1参照)。
風外力の作用時や風車発電時などでは、塔体31頂部に設置されるブレード33に風力が作用することにより、塔体31に転倒モーメントが作用する。転倒モーメントの作用により、塔体31の断面には繰り返し応力が作用する。一般的に風力発電設備の供用期間は20年とされているが、この20年間に、約2億回に及ぶ繰り返し応力が作用すると想定される。
この場合、図11(a)に示す塔体31の風上側では、ボルト35にフランジ端部を支点とした“てこ反力”により繰る返し応力が発生する。
内向きフランジ(断面L型フランジ)では、この“てこ反力”がボルト35に作用するという特徴があり、フランジ部分の幅が大きい場合、力点と支点の距離が長くなるため、“てこ反力”が大きくなる。
しかしながら、この補強方法は補強部材をボルト、ワイヤやベルト等の締付部材によって固定する必要があり、確実な締付力を発揮するには、適切な締付力の管理が必要になる。
また、締付力の増加に伴い、応力状態が変化するため、既設のボルト内に生じる応力を簡易的に評価することは難しくなる。
また、過度な締め付けをした場合には、既設のボルトが負担する応力がなくなり、補強材の疲労破壊が生じる可能性もある。
前記上水平フランジのフランジ面側に配置される上補強部材と、前記下水平フランジ部側に配置される下補強部材とを備え、
前記上補強部材は、前記上水平フランジ部の上面に載置される上本体部と、該上本体部に連続して形成されて設置状態で前記上水平フランジ部の端部よりも延出する上延出部を有してなり、
前記下補強部材は、前記下水平フランジ部の下面に少なくとも一部が当接して配置される下本体部と、該下本体部に連続して形成されて設置状態で前記下水平フランジ部の端部よりも延出する下延出部を有してなり、
前記上延出部と前記下延出部は、互いに係合して前記下延出部が下動するのを規制する係合部を有し、係合状態において前記上延出部と前記下延出部は対向面に隙間が形成されており、前記上水平フランジと前記下水平フランジの基部が上下方向に離れたときに前記隙間が閉じられて前記対向面が当接可能になっていることを特徴とするものである。
前記上補強部材は、前記上水平フランジ部の上面に載置される上本体部と、該上本体部に連続して形成されて設置状態で前記上水平フランジ部の端部よりも延出する上延出部を有してなり、前記下補強部材は、前記下水平フランジ部の下面に少なくとも一部が当接して配置される下本体部と、該下本体部に連続して形成されて設置状態で前記下水平フランジ部の端部よりも延出する下延出部を有してなり、
前記上延出部と前記下延出部は、互いに係合して前記下延出部が下動するのを規制する係合部を有し、係合状態において前記上延出部と前記下延出部は対向面に隙間が形成されており、前記上水平フランジと前記下水平フランジの基部が上下方向に離れたときに前記隙間が閉じられて前記対向面が当接可能になっていることにより、締付部材が不要で締め付け力等の管理の必要のない簡易な治具により適切な疲労強度の向上ができ、また多くの工数を必要とせずに取り付けができる。
また、上水平フランジと下水平フランジの基部が上下方向に離れたときに前記隙間が閉じられて前記対向面が当接可能になっているので、前記隙間が閉じるまでの間はフランジ接合部補強治具に応力は作用せず、例えば風荷重が小さく上水平フランジと下水平フランジの基部が上下方向に離れる距離が小さい場合には、フランジ接合部補強治具に応力は作用せず、常時応力が作用することがないのでフランジ接合部補強治具の疲労破壊を防止できる。
鋼管同士をフランジ接合したタワー構造体としては、上述した風力発電設備の塔体の他、橋脚、鋼製煙突などが挙げられる。
以下、上補強部材7と下補強部材9の詳細を説明する。
上補強部材7は厚板状の部材を押し曲げ加工して形成されたものであり、図2に示すように、上水平フランジ部5の基部側からフランジ端部に向かって延出する上本体部11と、上本体部11に連続して形成されて設置状態において上水平フランジ部5の端部よりも延出する(図1参照)上延出部13を有している。
上本体部11は、図2に示すように、矩形の板状をしている。上本体部11には、ボルト頭部が挿入できる開口部15が2つ形成されている。
上延出部13は、上本体部11から連続して下方に屈曲した略矩形状をしている。上延出部13には、後述する下延出部21の係止部25が係合可能な略T字状の係止穴17が設けられている。
下補強部材9は、図3に示すように、下水平フランジ部3の基部側からフランジ端部に向かって延出する下本体部19と、下本体部19に連続して形成されて取り付け状態において下水平フランジ部3の端部よりも延出する下延出部21を有している。
下本体部19は、図3に示すように、略矩形状をしており、基部側には、ナットを挿入できる切欠き部23が形成されている。
下延出部21は、下本体部19から上方に向けて形成された略T字状の係止部25を有している。
なお、係止穴17と係止部25によって本発明の係合部26が構成される。
上記のように構成された本実施の形態に係るフランジ接合部補強治具1の取り付け方法を図4に基づいて説明する。
フランジ接合部を接合するボルトの頭部(図10参照)を、開口部15に挿入し、かつ上延出部13を下に向けて上補強部材7を上水平フランジ部5に載置する(図4(a)参照)。
下補強部材9を、下延出部21を上に向け、かつ下本体部19が下水平フランジ部3に水平になるように配置し、この状態で下水平フランジ部3の基部側に移動して(図4(b)参照)、下本体部19の切欠き部23にナット(図10参照)が挿入可能な状態で、下補強部材9をさらに移動して下延出部21の係止部25を上延出部13の係止穴17に挿入する(図1参照)。
これによって、下延出部21の係止部25が上延出部13の係止穴17に係合し、下補強部材9は、上補強部材7に保持された状態になる。
このとき、上延出部13と下延出部21の対向面間には、隙間27が形成されている。
風荷重が作用して、図11(a)に示すように、上水平フランジ部5及び下水平フランジ部3の端部を支点とする“てこの原理”によって上水平フランジ部5及び下水平フランジ部3は変形し、上水平フランジ部5と下水平フランジ部3の基部が開く。基部が開くと、上補強部材7の上本体部11の基部側が持ち上げられ、逆に下補強部材9の下本体部19の基部側が押し下げられ、その結果、上補強部材7の上延出部13と下補強部材9の下延出部21が互いに近づき、隙間27の隙間距離が小さくなる。
しかし、開き量が少ない状態では、隙間27の隙間距離が縮まるだけでフランジ接合部補強治具1には応力が作用することはない。
このように、風荷重が小さい状態ではフランジ接合部補強治具1に応力は作用せず、ボルトのみに応力が作用するので、フランジ接合部補強治具1に常時応力が作用することはなく、フランジ接合部補強治具1の疲労破壊を防止できる。
上延出部13と下延出部21が圧縮力を伝達することで、ボルトに作用する引張り応力が緩和され、ボルトの疲労強度の向上を図ることができる。
すなわち、隙間27の隙間距離が小さければボルトに作用する引張り応力が小さい状態からフランジ接合部補強治具1に圧縮応力が作用し、逆に隙間27の隙間距離が大きければボルトに作用する引張り応力がある程度大きくなった状態からフランジ接合部補強治具1に圧縮応力が作用する。
そして、この隙間27をどのように設定するかについては、例えばボルトが弾性限度の変形量の50%の変形をしたときに隙間距離がゼロになって、フランジ接合部補強治具1に応力が作用するように設定するのが好ましい。
本実施の形態では、隙間27の隙間距離を設定することで、多様な疲労強度を実現可能である。
これに対して、本発明では、(a)フランジ接合部補強治具の製作・設計、(b)フランジ接合部補強治具の取り付けといった工程のみでフランジ接合部の疲労強度を向上させることができ、従来の方法に比較して工数を少なくできるという効果がある。
また、締付部材を必要としないことで、工数を削減可能なことに加え、締め付け力の管理が不要となることで、極めて簡易な取り付けを可能にしている。
例えば、図5に示すように、上延出部13に形成する係止穴17の形状として、下方に向かって幅狭となるテーパ穴とし、下延出部21に形成する係止部25として、係止穴17に挿入可能な台形状としてもよい。
また、図6に示すように、上延出部13が逆L字状とし、下延出部21が倒立したL字状としてもよい。
さらに、図7に示すように、係合部26を構成する係止穴17や係止部25を複数設けてもよい。
なお、上補強部材7と下補強部材9のうち切欠き部23を設けた方を後から取り付けるようにする。
また、下補強部材9の形成方法についても同様に、押し曲げ加工や、溝形鋼や山形鋼を用いて、押し抜き加工、切断加工等によって形成すればよい。
3 下水平フランジ部
5 上水平フランジ部
7 上補強部材
9 下補強部材
11 上本体部
13 上延出部
15 開口部
17 係止穴
19 下本体部
21 下延出部
23 切欠き部
25 係止部
26 係合部
27 隙間
29 風力発電設備
31 塔体
33 ブレード
35 ボルト
37 ナット
Claims (3)
- 下側の鋼管の端部に設けられた下水平フランジ部と、上側の鋼管の端部に設けられた上水平フランジ部をボルト及びナットによって接合して前記鋼管同士を接合したタワー構造体におけるフランジ接合部を補強するフランジ接合部補強治具であって、
前記上水平フランジのフランジ面側に配置される上補強部材と、前記下水平フランジ部側に配置される下補強部材とを備え、
前記上補強部材は、前記上水平フランジ部の上面に載置される上本体部と、該上本体部に連続して形成されて設置状態で前記上水平フランジ部の端部よりも延出する上延出部を有してなり、
前記下補強部材は、前記下水平フランジ部の下面に少なくとも一部が当接して配置される下本体部と、該下本体部に連続して形成されて設置状態で前記下水平フランジ部の端部よりも延出する下延出部を有してなり、
前記上延出部と前記下延出部は、互いに係合して前記下延出部が下動するのを規制する係合部を有し、係合状態において前記上延出部と前記下延出部は対向面に隙間が形成されており、前記上水平フランジと前記下水平フランジの基部が上下方向に離れたときに前記隙間が閉じられて前記対向面が当接可能になっていることを特徴とするフランジ接合部補強治具。 - 前記上補強部材には、前記ボルトのボルト頭部が挿入可能な穴又は切欠きが設けられ、前記下補強部材には前記ナットが挿入可能な切欠きが設けられていることを特徴とする請求項1記載のフランジ接合部補強治具。
- 前記上補強部材には、前記ボルトのボルト頭部が挿入可能な切欠きが設けられ、前記下補強部材には前記ナットが挿入可能な穴又は切欠きが設けられていることを特徴とする請求項1記載のフランジ接合部補強治具。
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