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JP2016008744A - 可逆的反応により蓄熱と放熱を繰り返す化学蓄熱体を用いる熱輸送システム - Google Patents

可逆的反応により蓄熱と放熱を繰り返す化学蓄熱体を用いる熱輸送システム Download PDF

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JP2016008744A
JP2016008744A JP2014128504A JP2014128504A JP2016008744A JP 2016008744 A JP2016008744 A JP 2016008744A JP 2014128504 A JP2014128504 A JP 2014128504A JP 2014128504 A JP2014128504 A JP 2014128504A JP 2016008744 A JP2016008744 A JP 2016008744A
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Yusuke Horii
雄介 堀井
竹村 晋一
Shinichi Takemura
晋一 竹村
万里明 岩間
Masahiro Iwama
万里明 岩間
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】可逆的反応により蓄熱と放熱を繰り返す化学蓄熱体を用いた熱輸送システムAにおいて、単位熱量当たりの輸送コストを大きく低減することのできるようにした熱輸送システムを提供する。また、そのシステムで用いるための反応速度を向上させる手段を備えた反応器を提供することを課題とする。
【解決手段】可逆的反応により蓄熱と放熱を繰り返す化学蓄熱体20を用いる熱輸送システムAは、蓄熱側装置Bと熱利用側装置Cと化学蓄熱体運搬手段Dとを備える。化学蓄熱体運搬手段Dは蓄熱側装置Bと熱利用側装置Cとの間で化学蓄熱体20のみの運搬を行い、化学蓄熱体20を蓄熱側装置Bと熱利用側装置Cとの間で循環させる。装置で使用する反応器10(50)は反応器の内部で化学蓄熱体20を撹拌し流動させるための手段を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、可逆的反応により蓄熱と放熱を繰り返す化学蓄熱体を用いた熱輸送システムと、そこで用いる反応器に関する。
可逆的反応により蓄熱と放熱を繰り返す化学蓄熱体を用いて熱を輸送するシステムが知られている。その一例が特許文献1に記載されており、そこでは、化学的蓄熱反応部と凝縮部とを備え、可逆的反応により蓄熱と放熱を繰り返すことを可能としたケミカルヒートポンプを1つのコンテナとして組み上げ、そのコンテナの全体を車両に載せることで、生成する熱の輸送を図るようにしている。
特開2008−025853号公報
特許文献1に記載されるシステムは、コンテナ内に反応の司る装置を収容した状態で搬送するものであり、車両での運搬が可能となる利点があるが、化学的蓄熱反応部や凝縮部といった反応系部材の容器体積が大きくならざるを得ず、容積当たりの蓄熱密度が低下して単位熱量当たりの輸送コストが大きくなるのを避けられないという不都合がある。
本発明は、その課題を解決することを目的としており、可逆的反応により蓄熱と放熱を繰り返す化学蓄熱体を用いた熱輸送システムにおいて、単位熱量当たりの輸送コストを大きく低減することができるようにした熱輸送システムを提供することを課題とする。また、そのシステムで用いる反応器であって反応速度を向上させる手段を備えた反応器を提供することを課題とする。
本発明による熱輸送システムは、可逆的反応により蓄熱と放熱を繰り返す化学蓄熱体を用いる熱輸送システムであって、前記熱輸送システムは蓄熱側装置と熱利用側装置と化学蓄熱体運搬手段を備え、前記蓄熱側装置は化学蓄熱体に蓄熱反応を生じさせる反応器と前記反応器に放熱済み化学蓄熱体を投入しかつ蓄熱後の化学蓄熱体を取り出す蓄熱側蓄熱体搬送手段を少なくとも有し、前記熱利用側装置は化学蓄熱体に放熱反応を生じさせる反応器と前記反応器に蓄熱後の化学蓄熱体を投入しかつ放熱済みの化学蓄熱体を取り出す放熱側蓄熱体搬送手段を少なくとも有し、前記化学蓄熱体運搬手段は前記蓄熱側蓄熱体搬送手段と放熱側蓄熱体搬送手段との間で化学蓄熱体の運搬を行うことで化学蓄熱体を前記蓄熱側装置と熱利用側装置との間で循環させることを特徴とする。
本発明による熱輸送システムでは、可逆的反応により蓄熱と放熱を繰り返す化学蓄熱体を用いる熱輸送システムを、蓄熱側装置と熱利用側装置と化学蓄熱体運搬手段の3つの主要要素で構成している。そして、蓄熱側装置で化学蓄熱体を蓄熱した状態とされ、蓄熱された状態の化学蓄熱体は化学蓄熱体運搬手段により熱利用側装置に運搬される。熱利用側装置では蓄熱された化学蓄熱体を化学蓄熱体運搬手段から受け取り、その熱を取り出して熱利用部に供給する。放熱済みの化学蓄熱体は、再度、化学蓄熱体運搬手段に乗せられて蓄熱側装置まで運搬され再度蓄熱処理が施される。
上記のように、本発明による熱輸送システムでは、化学蓄熱体運搬手段は、化学蓄熱体本体のみを運搬して蓄熱側装置と熱利用側装置との間を循環させるようにしており、運搬時の蓄熱密度は大きく向上する。それにより、単位熱量当たりの輸送コストを大きく低減することができる。また、蓄熱側装置と熱利用側装置とをそれぞれ独立した装置とすることにより、熱エネルギーの時間的・空間的な需要のギャップを効果的に解消することができる。
本発明において、化学蓄熱体は可逆的反応により蓄熱と放熱を繰り返す物質であれば制限はない。可逆的反応も、可逆的化学反応に限らず、発熱、吸熱を伴う吸着反応であってもよい。化学蓄熱体は、成形体であってもよく、粉体での使用であってもよい。
本発明による熱輸送システムにおいて、前記化学蓄熱体として水和反応を伴う物質を用いる場合には、前記蓄熱側装置は反応器への熱供給手段と反応により生じた水(水蒸気)の回収手段を備え、前記熱利用側装置は反応器への水(水蒸気)の供給手段と反応により生じた熱の回収手段を備える。より好ましくは、その態様において、前記蓄熱側装置は蓄熱反応で生じる水蒸気を凝縮するための凝縮器を備える、また、前記熱利用側装置は反応器へ供給する水を水蒸気化するための蒸発器を備える。
本発明は、さらに、上記したいずれかの熱輸送システムで用いる反応器であって、反応器の内部で化学蓄熱体を撹拌し流動させるための手段を備えることを特徴とする反応器をも開示する。化学蓄熱体を撹拌し流動させるための手段は任意であってよい。例として、反応器の内部に備えたフィン、反応器に付設する揺動台、あるいは反応器に回転を与える回転用ローラー等を挙げることができる。
反応器が上記のような化学蓄熱体を撹拌し流動させるための手段を備えることにより、蓄熱反応時および放熱反応時に、化学蓄熱体と雰囲気ガスおよび反応器の壁面との接触面積を大きくすることができ、伝熱速度やガス拡散速度を向上させることが可能となる。
本発明によれば、可逆的反応により蓄熱と放熱を繰り返す化学蓄熱体を用いる熱輸送システムであって、単位熱量当たりの輸送コストを大きく低減することのできる熱輸送システムが提供される。また、そのシステムで用いる反応器として、伝熱速度やガス拡散速度を向上させることのできる反応器が提供される。
本発明による熱輸送システムの一実施の形態を説明する模式的図。 本発明による熱輸送システムで用いる反応器の一実施の形態を示す模式的図。 本発明による熱輸送システムで用いる反応器の他の実施の形態を示す2つの模式的図。
以下、図面を参照しながら、本発明による熱輸送システムおよびそこで用いる反応器の実施の形態を説明する。図1は、本発明による熱輸送システムの一実施の形態の全体を示す模式的図であり、熱輸送システムAは、基本的構成として、蓄熱側装置Bと熱利用側装置Cと化学蓄熱体運搬手段Dとを備える。なお、以下では、可逆的反応により蓄熱と放熱を繰り返す化学蓄熱体として、MgO+HO⇔Mg(OH)の可逆的化学反応を使用する成形体を例として説明するが、これは例示であって、後に記載するように、化学蓄熱体はこれに限らない。
[蓄熱側装置B]
蓄熱側装置Bは、化学蓄熱体20に蓄熱反応を生じさせる反応器10と、前記反応器10に放熱済み化学蓄熱体20(20a)を投入しかつ蓄熱後の化学蓄熱体20(20b)を取り出すための蓄熱側蓄熱体搬送手段30aとを有する。
反応器10は、投入される放熱済み化学蓄熱体20a(Mg(OH))を加熱して、Mg(OH)→MgO+HOの反応を生じさせるためのものであり、この例では、熱源として工業炉・ボイラなどを廃熱源1とし、その廃熱を熱交換器2を介して熱媒油3に顕熱として回収し、その熱を反応器10に供給している。熱媒油3は、熱媒油循環ポンプ4によって反応器10内と熱交換器2との間を循環するようにされている。安全性の観点から、熱媒油3の循環系には熱媒油膨張タンク5が備えられている。
図2は、反応器10の概略を断面で示している。反応器10は二重殻構造の円筒形のものであり、内殻10aと外殻10bとの間に熱媒油3を循環する熱媒流路11を有し、内殻10aの内部に化学蓄熱体20を保有できる構造となっている。熱媒流路11内を加熱された熱媒油3が循環することで、反応器10の内部は加熱される。図示しないが、外殻10bの外側は適宜の保温材で覆われている。反応器10の内部と外部で水蒸気を出し入れするための蒸気流路12が設けられており、蒸気流路12を介して蒸気が反応器10の内殻10aの内部に供給される。蒸気流路12の先端には化学蓄熱材20が蒸気流路12内に流入するのを防止するためのストレーナ13が設けられている。図1に示すように、蒸気流路12は、凝縮器6および真空ポンプ7に接続しており、凝縮器6には冷却塔8からの冷却水が供与される。なお、この種の凝縮器6自体は従来知られたものであり、詳細な説明は省略する。
反応器10の回転部(反応器10本体)と固定部(熱媒流路11や蒸気流路12)とは真空をシールできるロータリージョイント14を介して接続されており、該ロータリージョイント14内を前記熱媒流路11および蒸気流路12が通過している。また、反応器10の内部には、撹拌と伝熱促進用の適数枚のフィン15が軸方向にほぼ平行に取り付けられている。さらに、反応器10のロータリージョイント14側とは反対の側には、化学蓄熱体20を内部に投入し、また取り出すための投入出口16が設けられている。
反応器10全体は台座19によって支持されており、この例では、回転用ローラー17を備えた揺動台18を介して、台座19上に回動および揺動自在に支持されている。図示しない駆動機構によって回転用ローラー17には回転が与えられ、回転用ローラー17の回転力によって反応器10は、図1の矢印で示すように回動する。また、図示の例では、図示しない駆動機構によって、揺動台18には支軸18aを回転中心とする揺動運動が与えられ、それにより、反応器10は回転用ローラー17と共に揺動する。
蓄熱側蓄熱体搬送手段30aは気密可能な運搬パレット31を有している。該運搬パレット31は、放熱済み化学蓄熱体20aを反応器10に設けた投入出口16を通して反応器10の内部に投入し、さらに投入出口16から排出される蓄熱後の化学蓄熱体20bを受け取るために用いられる。
[熱利用側装置C]
熱利用側装置Cは、化学蓄熱体に放熱反応を生じさせる反応器50と、前記反応器50に蓄熱後の化学蓄熱体20(20b)を投入しかつ放熱済みの化学蓄熱体20(20a)を取り出すための熱利用側蓄熱体搬送手段30bとを有する。
反応器50は、投入される蓄熱後の化学蓄熱体20b(MgO)に水蒸気を付与して、MgO+HO→Mg(OH)の反応を生じさせるためのものであり、反応器50自体の構造は、図2に示した蓄熱側装置Bで用いられる反応器10と同じであってよく、説明は省略する。熱利用側装置Cは蒸発器61を備えており、該蒸発器61の内部に純水装置62より純水が供給される。蒸発器61には適宜の手段で蒸気潜熱が供給され、発生した蒸気が前記蒸気流路12を通して反応器50の内部に供給される。好ましくは、化学蓄熱体20の反応速度の向上のため、反応器50の内部および蒸発器61の内部を真空にするための真空ポンプ63が備えられる。この種の蒸発器61自体は従来知られたものであり、詳細な説明は省略する。
反応器50の内部で、供給される蒸気と蓄熱後の化学蓄熱体20bは混合され、発熱反応(加水反応)が継続的に進行して、発熱する。反応器50の内部で発生した熱は熱媒油64によって顕熱として回収される。熱媒油64は、熱媒油循環ポンプ65によって反応器50内と熱交換器66との間を循環する。安全性の観点から、熱媒油64の循環系には熱媒油膨張タンク67が備えられる。この例において、熱交換器66は蒸気ボイラとされており、ボイラで発生した蒸気が適宜の蒸気使用設備68に供給することで有効利用される。この例において、発生した蒸気の一部は蒸発器61にも供給される。
熱利用側蓄熱体搬送手段30bも気密可能な運搬パレット31を有しており、蓄熱後の化学蓄熱体20bを反応器50に設けた投入出口16から反応器50の内部に投入し、さらに排出される放熱済み化学蓄熱体20aを受け取るために用いられる。
[化学蓄熱体運搬手段D]
化学蓄熱体運搬手段Dは、前記した運搬パレット31を、蓄熱側装置Bの反応器10から熱利用側装置Cの反応器50へ、また、熱利用側装置Cの反応器50から蓄熱側装置Bの反応器10へ運搬するものであり、化学蓄熱体運搬手段Dの上記運搬によって、化学蓄熱体20は、蓄熱側装置Bと熱利用側装置Cとを循環する。化学蓄熱体運搬手段Dは運搬パレット31を運搬できるものであればよく、通常の輸送トラック等であってよい。
[上記した熱輸送システムAの作動]
最初に、運搬パレット31に収容されている放熱済みの化学蓄熱体20a(Mg(OH))を蓄熱側装置B側の反応器10内に投入する。また、放熱済み化学蓄熱体20aの反応速度の向上のため反応器10の内部および凝縮器6の内部を真空ポンプ7にて真空にする。反応器10に回転と必要な場合には揺動を与えながら、廃熱源1と熱交換することで昇温した熱媒油3を反応器10内に循環させる。反応器10では熱媒油3によって供給された熱によって化学蓄熱体20が加熱され、蓄熱反応(脱水反応)が継続的に進行する。
脱水反応によって生じる水蒸気は、凝縮器6にて冷却水によって冷却されて凝縮する。この凝縮により反応器10の内部および凝縮器6の内部の真空が維持される。昇温した冷却水は冷却塔8によって再度冷却される。
所要時間の加熱によって蓄熱反応が完了あるいはほぼ完了したときに、反応器10の内部を大気開放して真空を破壊する。その後、反応器10の内部から蓄熱後の化学蓄熱体20bを投入出口16を通して取り出し、空となっている運搬パレット31に再度収容する。好ましくは、運搬パレット31は、蓄熱後の化学蓄熱体20bが大気中水分を吸湿するのを防ぐために気密状態に維持される。
蓄熱後の化学蓄熱体20bを内部に収容して気密にされた運搬パレット31を、図示しないリフトなどによって蓄熱側蓄熱体搬送手段30aから化学蓄熱体運搬手段Dの一例である輸送トラック40等に積載する。そして、輸送トラック40により運搬パレット31を熱利用側装置Cに運搬する。
なお、輸送トラック40による運搬パレット31の運搬に、距離的および時間的な制約はない。近接した場所に独立した状態で蓄熱側装置Bと熱利用側装置Cとを設置する場合には、熱需要の時間的ギャップに効果的に対処することが容易となる。また、遠い距離離れた場所に設置する場合には、熱需要の時間的および空間的なギャップの双方に効果的に対処することが可能となる。
運搬パレット31を積載した輸送トラック40は熱利用側装置Cまで走行し、熱利用側蓄熱体搬送装置30bを用いて、運搬パレット31から反応容器50の内部に、蓄熱後の化学蓄熱体20bを投入する。一方、蒸発器61には純水装置62から純水を送り込むとともに、蓄熱後の化学蓄熱体20bの反応速度の向上のために、反応器50および蒸発器61の内部を真空ポンプ63にて真空(低圧)にする。そして、適宜の手段により、図示の例では熱交換器66で発生した蒸気の一部を、蒸発器61に蒸発潜熱として供給し、発生した蒸気を反応器50の内部に供給する。
回転用ローラー17を駆動し、必要な場合には揺動台18も駆動して、反応器50に回転と必要な場合には揺動運動を与えながら、反応器50内部で供給された水蒸気と蓄熱後の化学蓄熱体20bを積極的に混合する。それによって、両者の発熱反応(加水反応)を継続的に進行させ、発熱させる。反応器50の内部で発生した熱は熱媒油64によって顕熱として回収される。加熱された熱媒油64を熱媒油循環ポンプ65にて熱利用側の熱交換器66との間に循環させる。図示のもののように、熱利用側の熱交換器66が蒸気ボイラの場合には、発生した蒸気を蒸気利用設備に供給することで有効利用することかできる。
所定時間の給水により放熱反応が完了あるいはほぼ完了したときに、反応器50の内部を大気開放し、真空を破壊する。そして、反応器50の内部から放熱済み化学蓄熱体20aを投入出口16を通して取り出し、空となっている運搬パレット31に再度収容する。ここでも、運搬パレット31は、放熱済み化学蓄熱体20aが大気中水分を吸湿するのを防ぐために気密状態に維持されるのが好ましい。
放熱済み化学蓄熱体20bを収容し気密にされた運搬パレット31は、図示しないリフトなどによって熱利用側蓄熱体搬送手段30bから輸送トラック40に積載され、輸送トラック40により蓄熱側装置Bに戻される。蓄熱側装置B側では、輸送トラック40から運搬パレット31をリフトなどで蓄熱側蓄熱体搬送装置30aに下ろし、適当なときに再度放熱済み化学蓄熱体20aを蓄熱側装置Bの反応器10内に投入する。
上記のように本発明による熱輸送システムを用い、かつ上記の手順を繰り返すことで、可逆的反応により蓄熱と放熱を繰り返す化学蓄熱体を用いて、蓄熱側から熱利用側へ、熱を時間的・空間的ギャップを解消した状態で効果的に輸送することが可能となる。また、蓄熱側から熱利用側への運搬物は化学蓄熱体20のみであり、運搬パレット31での運搬時の蓄熱密度は大きく向上し、単位熱量当たりの輸送コストは大きく低減する。
[他の実施の形態]
[装置としての他の実施の形態]
図2では、反応器10(50)として、二重殻構造であって、内殻10aと外殻10bとの間に熱媒油3を循環する熱媒流路11を有し、内殻10aの内部に化学蓄熱体20を保有できる構造のものを示したが、本発明による反応器10(50)の構成は、反応器の内部で化学蓄熱体20を撹拌し流動させるための手段を備えることを条件に、他の構成であってもよい。
例えば、二重殻構造ではなく、図示しないが、化学蓄熱体20を収容する、好ましくは回転可能なシェルの中に適数本のチューブ状の熱媒体(熱媒油3)の流路11が配置されている構成のものであってもよい。シェル内に収容された化学蓄熱体20(20a)は撹拌されかつ流動しながら、反応器10の場合には、熱媒油3によって供給された熱によって化学蓄熱体20が加熱されて蓄熱反応(脱水反応)が効果的かつ継続的に進行し、また、反応器50の場合には、シェル内に収容された化学蓄熱体20(20b)と供給される水蒸気は積極的に混合されて両者の発熱反応(加水反応)は効果的かつ継続的に進行する。発生した熱はチューブ内を流れる熱媒体(熱媒油64)により回収される。
また、二重殻構造の場合であっても、熱媒体を内側、化学蓄熱体を外側に配置する構造であってもよい。さらに、蓄熱側装置Bにおいては、反応器10の加熱源として電力によるヒーティングを用いることもできる。その場合には、熱効率を上げるために、電力ヒータと化学蓄熱体とが直接接触する構成とすることが望ましい。
反応器10(50)内での化学蓄熱体20の撹拌方法は、図2に示したような回転式あるいは揺動式に限ることはなく、図3(a)に示すように、反応器10(50)に振動モーター70を取り付けて反応器に振動を与え、それにより、内部の化学蓄熱体20を流動させ撹拌するような形態も可能である。また、図3(b)に示すように、撹拌棒や羽根やスクリュー体のような撹拌部材71を内部に配置し、それをモーター72で回転させることで、内部に収容した化学蓄熱体20を流動させ撹拌するような形態であってもよい。
さらに、反応器10(50)の内部を真空にするのは、反応速度を向上させるためであるが、化学蓄熱体20の種類等の関係から真空(低圧)にしなくても所期の反応速度が得られる場合には、真空にすることなく、大気圧下、加圧下であっても、所期の目的は達成可能である。反応器10(50)の材質はSUSであることが好ましいが、必要な強度および耐腐食性を有する材料であれば、任意の材料を用いることもできる。
さらに、図1に示した例では、蓄熱側装置Bにおいて、廃熱源1からの廃熱の回収を熱交換器2を用いて行う例を説明したが、直接反応器10内に廃熱を導入する方式であってもよい。また、熱源は廃熱に限ることなく、太陽熱、地熱等の自然エネルギーを用いてもよい。前記したように、電力によるヒーティングも可能である。凝縮器6の使用も必須ではなく、反応温度が高温の場合であって大気圧以上の蒸気圧が発生する場合には、大気開放も可能である。冷却方式も冷却塔8の使用は例示であり、空冷、チラーによる冷却、地下水による冷却なども用いることができる。
化学蓄熱体20の運搬方法も運搬パレット31を用いるのは例示であり、化学蓄熱体20の種類等によっては、ローリーや密閉トラックなどへのばら積みも可能である。また、運搬パレット31を用いる場合でも、化学蓄熱体の反応性によっては気密機能を備えないものを用いることも可能である。
図1に示した例では、熱利用側装置Cにおいて、純水装置62を用いる例を示したが、工業用水や飲料水も使用可能である。化学蓄熱体20の種類等の関係から所期の反応速度が得られる場合には、反応器50内を真空にすることは必須でなく、大気圧下、加圧下であってもよい。蒸発器61も必須ではなく、例えば他のボイラからの蒸気の直接噴霧、あるいは水の直接噴霧であっても、所期の目的は達成可能である。熱の回収方法も、図1に基づき説明したような反応器50内に熱媒油64を循環させる方法ではなく、直接反応器50内に被加熱物を導入する方式であってもよい。また熱交換器66は蒸気ボイラに限らず、プレート式熱交換器、先に説明したようなシェルアンドチューブ式の熱交換器など、従来知られた各種の熱交換器を使用することができる。また、熱利用側装置C側においても、運搬パレット31を用いるのは例示であり、化学蓄熱体20の種類等によっては、ローリーや密閉トラックなどへのばら積みも可能である。運搬パレット31を用いる場合でも、化学蓄熱体の反応性によっては気密機能を備えないものを用いることも可能である。
[化学蓄熱体の他の実施の形態]
上記の例では、化学蓄熱体20として、MgO+HO⇔Mg(OH)の可逆的化学反応を使用する成形体を例として説明したが、化学蓄熱体20としては、これに限らず、可逆的反応により蓄熱と放熱を繰り返す物質であれば、他に多くのものを用いることができる。本明細書では、可逆的反応により蓄熱と放熱を繰り返す物質の総称として「化学蓄熱体」の語を用いている。以下に、それらの物質の幾つかを反応式と共に例示する。
(a)可逆的化学反応を伴うもの
(a−1)HO型
Ca(OH)(s)⇔CaO(s)+HO(g)
MgCl・4HO(s)⇔MgCl・2HO(s)+2HO(g)
CaSO・2HO(s)⇔CaSO(s)+2HO(g)
CaCl・2HO(s)⇔CaCl(s)+2HO(g)
(a−2)Hydrogan型
TiH(s)⇔Ti(s)+H(g)
NaH(s)⇔Na(s)+(1/2)H(g)
MgH(s)⇔Mg(s)+H(g)
LaNi(s)⇔LaNi(s)+3H(g)
(a−3)Ammonia型
FeCl・NH(g)⇔FeCl(s)+NH(g)
FeCl・2NH(g)⇔FeCl・NH(s)+NH(g)
NiCl・6NH(g)⇔NiCl・2NH(s)+4NH(g)
FeCl・6NH(g)⇔FeCl・2NH(s)+4NH(g)
CaCl・8NH(g)⇔CaCl・4NH(s)+4NH(g)
(a−4)CO
LiCO(s)⇔LiO(s)+CO(g)
SrCO(s)⇔SrO(s)+CO(g)
CaCO(s)⇔CaO(s)+CO(g)
MgCO(s)⇔MgO(s)+CO(g)
なお、上記(a−1)から(a−4)において、(s)はsolid(固体相)、また(g)はgas(気体相)を示している。そして、上記の、
(a−2)Hydrogan型においては、蓄熱側装置BではH(水素)が反応器から発生し、熱利用側装置Cでは反応器にH(水素)が供給されるので、それに応じて、従来知られた手法によりHの供給・回収ができるように装置が改造される。
(a−3)Ammonia型においては、蓄熱側装置BではNH(アンモニア)が反応器から発生し、熱利用側装置Cでは反応器にNH(アンモニア)が供給されるので、それに応じて、従来知られた手法によりNHの供給・回収ができるように装置が改造される。
(a−4)CO型においては、蓄熱側装置BではCO(二酸化炭素)が反応器から発生し、熱利用側装置Cでは反応器にCO(二酸化炭素)が供給されるので、それに応じて、従来知られた手法によりCOの供給・回収ができるように装置が改造される。
(b)化学反応ではなく発熱・吸熱熱を伴う吸着反応を伴うもの
この例としては、ゼオライトに水を加える反応を例示できる。具体的には、Me2/xO・Al・mSiO・nHO⇔Me2/x・Al・mSiO+nHOのような可逆反応が進行する。ここで、Meはゼオライト細孔に存在するX価のカチオンを表す。他に、シリカゲルなどを挙げることができる。
A…熱輸送システム、
B…蓄熱側装置、
C…熱利用側装置、
D…化学蓄熱体運搬手段、
1…廃熱源、
2、66…熱交換器、
3、64…熱媒油、
4、65…熱媒油循環ポンプ、
5、67…熱媒油膨張タンク、
6…凝縮器、
7、63…真空ポンプ、
8…冷却塔、
10…化学蓄熱体に蓄熱反応を生じさせる反応器、
10a…反応器の内殻、
10b…反応器の外殻、
11…熱媒流路、
12…蒸気流路、
13…ストレーナ、
14…ロータリージョイント、
15…フィン、
16…化学蓄熱体の投入出口、
17…回転用ローラー、
18…揺動台、
19…反応器の台座、
20…化学蓄熱体、
20a…放熱済み化学蓄熱体、
20b…蓄熱後の化学蓄熱体、
30…蓄熱体搬送手段、
30a…蓄熱側蓄熱体搬送手段、
30b…熱利用側蓄熱体搬送手段、
31…運搬パレット、
50…化学蓄熱体に放熱反応を生じさせる反応器、
61…蒸発器、
62…純水装置。

Claims (8)

  1. 可逆的反応により蓄熱と放熱を繰り返す化学蓄熱体を用いる熱輸送システムであって、
    前記熱輸送システムは蓄熱側装置と熱利用側装置と化学蓄熱体運搬手段とを備え、
    前記蓄熱側装置は化学蓄熱体に蓄熱反応を生じさせる反応器と前記反応器に放熱済み化学蓄熱体を投入しかつ蓄熱後の化学蓄熱体を取り出す蓄熱側蓄熱体搬送手段を少なくとも有し、
    前記熱利用側装置は化学蓄熱体に放熱反応を生じさせる反応器と前記反応器に蓄熱後の化学蓄熱体を投入しかつ放熱済みの化学蓄熱体を取り出す放熱側蓄熱体搬送手段を少なくとも有し、
    前記化学蓄熱体運搬手段は前記蓄熱側蓄熱体搬送手段と放熱側蓄熱体搬送手段との間で化学蓄熱体の運搬を行うことで化学蓄熱体を前記蓄熱側装置と熱利用側装置との間で循環させる、
    ことを特徴とする熱輸送システム。
  2. 前記化学蓄熱体は水和反応を伴う物質であり、前記蓄熱側装置は反応器への熱供給手段と反応により生じた水の回収手段を備え、前記熱利用側装置は反応器への水の供給手段と反応により生じた熱の回収手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の熱輸送システム。
  3. 前記蓄熱側装置は蓄熱反応で生じる水蒸気を凝縮するための凝縮器を備えることを特徴とする請求項2に記載の熱輸送システム。
  4. 前記熱利用側装置は反応器へ供給する水を水蒸気化するための蒸発器を備えることを特徴とする請求項2に記載の熱輸送システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱輸送システムで用いる反応器であって、前記反応器は反応器の内部で化学蓄熱体を撹拌し流動させるための手段を備えることを特徴とする反応器。
  6. 前記手段は反応器の内部に備えたフィンであることを特徴とする請求項5に記載の反応器。
  7. 前記手段は反応器に付設する揺動台であることを特徴とする請求項5に記載の反応器。
  8. 前記手段は反応器に回転を与える回転用ローラーであることを特徴とする請求項5に記載の反応器。
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