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JP2016091687A - 積層型電池の製造方法 - Google Patents

積層型電池の製造方法 Download PDF

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JP2016091687A
JP2016091687A JP2014222748A JP2014222748A JP2016091687A JP 2016091687 A JP2016091687 A JP 2016091687A JP 2014222748 A JP2014222748 A JP 2014222748A JP 2014222748 A JP2014222748 A JP 2014222748A JP 2016091687 A JP2016091687 A JP 2016091687A
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microporous film
resin microporous
meth
film piece
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澤田 貴彦
Takahiko Sawada
貴彦 澤田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】合成樹脂微多孔フィルムの熱収縮や損傷による正極及び負極の短絡が低減されている積層型電池の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の積層型電池の製造方法は、合成樹脂微多孔フィルムに、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物を塗工する塗工工程と、上記重合性化合物を塗工した合成樹脂微多孔フィルムを切断して、合成樹脂微多孔フィルム片を得る切断工程と、上記合成樹脂微多孔フィルム片に活性エネルギー線を照射することにより、上記合成樹脂微多孔フィルム片の表面の少なくとも一部に、上記重合性化合物の重合体を含む皮膜層を形成する照射工程と、上記照射工程後の上記合成樹脂微多孔フィルム片を介して、正極及び負極を積層して電極積層体を得る積層工程とを有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、積層型電池の製造方法に関する。
従来から、リチウムイオン二次電池等の非水電解液電池が、携帯電子機器の電池として用いられている。非水電解液電池としては、正極及び負極がセパレータを介して積層された積層型電池が知られている。積層型電池では、正極及び負極の積層数を増加させることで、充放電容量を向上させることができる。
セパレータは、電極間の電気的な短絡を防止するために用いられている。生産性や輸送性を向上させるために、長尺状のセパレータを製造した後に巻き取ることによって、ロール状とされる。そして、ロール状のセパレータは、積層型電池の組立てにおいて、所定の寸法に切断された後、セパレータを介して正極及び負極が積層される。
セパレータとしては、絶縁性及びコスト性に優れることから、合成樹脂微多孔フィルムが用いられている。合成樹脂微多孔フィルムは、プロピレン系樹脂などの合成樹脂を含んでいる。
そして、合成樹脂フィルムを延伸することによって、合成樹脂微多孔フィルムが製造されている。延伸法によって製造された合成樹脂微多孔フィルムは、延伸により発生する高い残留応力を有している。そのため、このような合成樹脂微多孔フィルムは高温下で熱収縮し、その結果、正極と負極とが短絡する可能性が指摘されている。したがって、合成樹脂微多孔フィルムの耐熱性を向上させることにより、積層型電池の安全性を確保することが望まれている。
特許文献1には、電子線照射により処理され、100℃における熱機械分析(TMA)の値が、0%〜−1%である合成樹脂微多孔フィルムがリチウムイオン二次電池用セパレータとして開示されている。
特開2003−22793号公報
しかしながら、電子線照射による処理だけでは合成樹脂微多孔フィルムの耐熱性が不十分であり、合成樹脂微多孔フィルムの熱収縮による正極及び負極の短絡を十分に低減することができない。
更に、電子線照射による処理だけでは、合成樹脂微多孔フィルムを脆化させて機械的強度を低下させる。電子線照射によって、合成樹脂微多孔フィルムに含まれている合成樹脂の分子鎖が切断され、そのため合成樹脂微多孔フィルムの機械的強度が低下する。このような合成樹脂微多孔フィルムを電池作製工程において、所定の寸法に切断する際に、合成樹脂微多孔フィルムに破断や裂けなどの損傷が発生することがある。損傷が生じた合成樹脂微多孔フィルムでは、正極及び負極の短絡を生じさせることがある。
したがって、本発明は、合成樹脂微多孔フィルムの熱収縮や損傷による正極及び負極の短絡が低減されている積層型電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の積層型電池の製造方法は、
合成樹脂微多孔フィルムに、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物を塗工する塗工工程と、
上記重合性化合物を塗工した合成樹脂微多孔フィルムを切断して、合成樹脂微多孔フィルム片を得る切断工程と、
上記合成樹脂微多孔フィルム片に活性エネルギー線を照射することにより、上記合成樹脂微多孔フィルム片の表面の少なくとも一部に、上記重合性化合物の重合体を含む皮膜層を形成する照射工程と、
上記照射工程後の上記合成樹脂微多孔フィルム片を介して、正極及び負極を積層して電極積層体を得る積層工程と、
を有することを特徴とする。
[塗工工程]
先ず、本発明の方法では、合成樹脂微多孔フィルムに、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物を塗工する塗工工程を実施する。
(合成樹脂微多孔フィルム)
合成樹脂微多孔フィルムとしては、積層型リチウムイオン二次電池などの従来の積層型電池においてセパレータとして用いられている微多孔フィルムであれば、特に制限されずに用いることができる。
合成樹脂微多孔フィルムの形状は、特に制限されないが、長尺状の合成樹脂微多孔フィルムが好ましく用いられる。長尺状の合成樹脂微多孔フィルムはこれを芯体に巻き取った合成樹脂微多孔フィルムロールとして用いることもできる。合成樹脂微多孔フィルムロールを用いた場合、合成樹脂微多孔フィルムロールから長尺状の合成樹脂微多孔フィルムを巻き出した後、長尺状の合成樹脂微多孔フィルムに重合性化合物を塗工すればよい。その後、後述する切断工程において、長尺状の合成樹脂微多孔フィルムを所定の寸法に切断することができる。
合成樹脂微多孔フィルムとしては、オレフィン系樹脂微多孔フィルムが好ましい。オレフィン系樹脂微多孔フィルムはオレフィン系樹脂を含んでいる。オレフィン系樹脂としては、エチレン系樹脂及びプロピレン系樹脂が好ましく、プロピレン系樹脂がより好ましい。
プロピレン系樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが挙げられる。延伸法によって合成樹脂微多孔フィルムが製造される場合には、ホモポリプロピレンが好ましい。プロピレン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。又、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体の何れであってもよい。プロピレン系樹脂中におけるプロピレン成分の含有量は、50重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましい。
なお、プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィンなどが挙げられ、エチレンが好ましい。
合成樹脂微多孔フィルムの厚みは、5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
合成樹脂微多孔フィルムとしては、延伸法によって製造されたオレフィン系樹脂微多孔フィルムがより好ましい。延伸法によって製造されたオレフィン系樹脂微多孔フィルムは、延伸によって発生した残留歪みによって、高温時に特に熱収縮を生じやすい。一方、本発明では、後述する皮膜層により、オレフィン系樹脂微多孔フィルムの熱収縮を低減することができる。したがって、延伸法によって製造されたオレフィン系樹脂微多孔フィルムを用いることにより、本発明による効果を特に発揮することができる。
オレフィン系樹脂微多孔フィルムを延伸法により製造する方法として、具体的には、
(1)オレフィン系樹脂を押し出すことによりオレフィン系樹脂フィルムを得る工程と、このオレフィン系樹脂フィルム中にラメラ結晶を発生及び成長させる工程と、オレフィン系樹脂フィルムを延伸してラメラ結晶間を離間させることにより微小孔部が形成されてなるオレフィン系樹脂微多孔フィルムを得る工程とを有する方法;
(2)オレフィン系樹脂と充填剤とを含んでいるオレフィン系樹脂組成物を押し出すことによりオレフィン系樹脂フィルムを得る工程と、このオレフィン系樹脂フィルムを一軸延伸又は二軸延伸してオレフィン系樹脂と充填剤との界面を剥離させることにより微小孔部が形成されてなるオレフィン系樹脂微多孔フィルムを得る工程とを有する方法;及び
(3)オレフィン系樹脂と抽出可能物(例えば、充填剤や可塑剤など)とを含んでいるオレフィン系樹脂組成物を押し出すことによりオレフィン系樹脂フィルムを得る工程と、オレフィン系樹脂フィルムから抽出可能物を溶剤によって抽出することにより微小孔部を形成する工程と、微小孔部を形成したオレフィン系樹脂フィルムを延伸することによりオレフィン系樹脂微多孔フィルムを得る工程とを有する方法などが挙げられる。
なかでも、微小孔部が均一に且つ多数形成されているオレフィン系樹脂微多孔フィルムが得られることから、(1)の方法が好ましい。
(重合性化合物)
塗工工程では、上述した合成樹脂微多孔フィルムに重合性化合物を塗工する。重合性化合物は、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有している。ラジカル重合性官能基は、活性エネルギー線の照射によってラジカル重合可能なラジカル重合性不飽和結合を含んでいる官能基である。ラジカル重合性官能基としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリロイル基やビニル基などが挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
重合性化合物としては、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する多官能性アクリル系モノマー、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有するビニル系オリゴマー、1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する多官能性(メタ)アクリレート変性物、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する樹枝状ポリマー、及び(メタ)アクリロイル基を2個以上有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。また、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
多官能性アクリル系モノマーは、ラジカル重合性官能基を1分子中に2個以上有していればよいが、ラジカル重合性官能基を1分子中に3個以上有している3官能以上の多官能性アクリル系モノマーが好ましく、ラジカル重合性官能基を1分子中に3〜6個有している3官能〜6官能の多官能性アクリル系モノマーがより好ましい。
多官能性アクリル系モノマーとしては、
1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、及びトリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の2官能の多官能性アクリル系モノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、及びエトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能性アクリル系モノマー;
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、及びエトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能の多官能性アクリル系モノマー;
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の5官能の多官能性アクリル系モノマー;
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の6官能の多官能性アクリル系モノマー;
等を例示することができる。
ビニル系オリゴマーとしては、特に限定されず、例えば、ポリブタジエン系オリゴマー等を例示することができる。なお、ポリブタジエン系オリゴマーとは、ブタジエン骨格を有するオリゴマーを意味する。ポリブタジエン系オリゴマーは、単量体成分として、ブタジエン成分を含む重合体が挙げられる。ポリブタジエン系オリゴマーの単量体成分としては、1,2−ブタジエン成分、及び1,3−ブタジエン成分が挙げられる。なかでも、1,2−ブタジエン成分が好ましい。
ビニル系オリゴマーとしては、主鎖の両末端に水素原子を有するものであってもよく、また、末端の水素原子が、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ヒロドキシエチル基などのヒドロキシアルキル基によって置換されたものであっても構わない。また、ビニル系オリゴマーとしては、分子鎖の側鎖又は末端に、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、及びビニル基などラジカル重合性官能基を有するものであっても構わない。
ポリブタジエン系オリゴマーとしては、
ポリ(1,2−ブタジエン)オリゴマー、ポリ(1,3−ブタジエン)オリゴマー等のポリブタジエンオリゴマー;
ブタジエン骨格に含まれる炭素−炭素二重結合の少なくとも一部がエポキシ化されることによって、分子内にエポキシ基が導入されたエポキシ化ポリブタジエンオリゴマー;
ブタジエン骨格を有し、且つ主鎖の側鎖又は末端に(メタ)アクリロイル基を有しているポリブタジエン(メタ)アクリレートオリゴマー;
等を例示することができる。
ポリブタジエン系オリゴマーは市販されている製品を用いることができる。ポリ(1,2−ブタジエン)オリゴマーとしては、日本曹達社製 商品名「B−1000」、「B−2000」及び「B−3000」等を例示することができる。主鎖の両末端にヒドロキシ基を有するポリブタジエンオリゴマーとしては、日本曹達社製 商品名「G−1000」、「G−2000」及び「G−3000」等を例示することができる。エポキシ化ポリブタジエンオリゴマーとしては、日本曹達社製 商品名「JP−100」及び「JP−200」等を例示することができる。ポリブタジエン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、日本曹達社製 商品名「TE−2000」、「EA−3000」及び「EMA−3000」等を例示することができる。
多官能性(メタ)アクリレート変性物は、ラジカル重合性官能基を1分子中に2個以上有していればよいが、ラジカル重合性官能基を1分子中に3個以上有している3官能以上の多官能性(メタ)アクリレート変性物が好ましく、ラジカル重合性官能基を1分子中に3〜6個有している3官能〜6官能の多官能性(メタ)アクリレート変性物がより好ましい。
多官能性(メタ)アクリレート変性物としては、多官能性(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、及び多官能性(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物が好ましく挙げられる。
多官能性(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物は、好ましくは、多価アルコールとアルキレンオキサイドとの付加物を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得られる。また、多官能性(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物は、好ましくは、多価アルコールとカプロラクトンとの付加物を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得られる。
アルキレンオキサイド変性物及びカプロラクトン変性物における多価アルコールとしては、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、及びトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸などが挙げられる。
アルキレンオキサイド変性物におけるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、イソプロピレンオキサイド、及びブチレンオキサイドなどが挙げられる。
カプロラクトン変性物におけるカプロラクトンとしては、ε−カプロラクトン、δ−カプロラクトン、及びγ−カプロラクトンなどが挙げられる。
多官能性(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物において、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、ラジカル重合性官能基当たり、1モル以上であればよい。アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、ラジカル重合性官能基当たり、1モル以上で且つ4モル以下が好ましく、1モル以上で且つ3モル以下がより好ましい。
3官能の多官能性(メタ)アクリレート変性物としては、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのブチレンオキサイド変性物、及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物;
グリセリルトリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物、グリセリルトリ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物、グリセリルトリ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物、グリセリルトリ(メタ)アクリレートのブチレンオキサイド変性物、及びグリセリルトリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのグリセリルトリ(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにグリセリルトリ(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのブチレンオキサイド変性物、及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物;並びに、
トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのエチレンオキサイド変性物、トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのプロピレンオキサイド変性物、トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのイソプロピレンオキサイド変性物、トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのブチレンオキサイド変性物、及びトリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのトリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにトリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのカプロラクトン変性物、などが挙げられる。
4官能の多官能性(メタ)アクリレート変性物として、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのブチレンオキサイド変性物、及びペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物;並びに
ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのブチレンオキサイド変性物、及びジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物、などが挙げられる。
5官能以上の多官能性(メタ)アクリレート変性物として、具体的には、
ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのブチレンオキサイド変性物、及びジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド変性物などのジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、並びにジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物、などが挙げられる。
多官能性(メタ)アクリレート変性物として、市販されている商品を用いることもできる。
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物としては、サートマー社製の商品名「SR454」、「SR499」及び「SR502」、大阪有機化学社製の商品名「ビスコート#360」、並びにMiwon社製の商品名「Miramer M3130」、「Miramer M3160」及び「Miramer M3190」などが挙げられる。トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物としては、サートマー社製の商品名「SR492」及び「CD501」、並びにMiwon社製の商品名「Miramer M360」などが挙げられる。トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物としては、日本化薬社製の商品名「TPA−330」などが挙げられる。
グリセリルトリ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物としては、新中村化学社製の商品名「A−GYL−3E」及び「A−GYL−9E」などが挙げられる。グリセリルトリ(メタ)アクリレートのプロピレンオキサイド変性物としては、サートマー社製の商品名「SR9020」及び「CD9021」などが挙げられる。グリセリルトリ(メタ)アクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物としては、日本化薬社製の商品名「GPO−303」などが挙げられる。
トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレートのカプロラクトン変性物としては、新中村化学社製の商品名「A−9300−1CL」、「A−9300−3CL」などが挙げられる。
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物としては、Miwon社製の商品名「Miramer M4004」などが挙げられる。ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのエチレンオキサイド変性物としては、新中村化学社製の商品名「AD−TMP−4E」などが挙げられる。
ジペンタエリスリトールポリアクリレートのエチレンオキサイド変性物としては、新中村化学社製の商品名「A−DPH−12E」などが挙げられる。ジペンタエリスリトールポリアクリレートのイソプロピレンオキサイド変性物としては、新中村化学社製の商品名「A−DPH−6P」などが挙げられる。
1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する樹枝状ポリマーとは、(メタ)アクリロイル基を配置した枝分子を放射状に組み立てた球状の巨大分子を意味する。
(メタ)アクリロイル基を有する樹枝状ポリマーとしては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するデンドリマー、及び1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するハイパーブランチポリマーが挙げられる。
デンドリマーとは、(メタ)アクリレートを枝分子とし、(メタ)アクリレートを球状に集積することによって得られる球状高分子を意味する。
デンドリマーは、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有していればよいが、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有している3官能以上のデンドリマーが好ましく、1分子中に5〜20個の(メタ)アクリロイル基を有している多官能デンドリマーがより好ましい。
デンドリマーの重量平均分子量は、1000〜50000が好ましく、1500〜25000がより好ましい。デンドリマーの重量平均分子量を上記範囲内とすることによって、デンドリマー分子内の結合密度とデンドリマー分子同士の結合密度とが「密」と「粗」となり、これにより高い硬度を有していると共に、適度な弾性及び伸度を有している皮膜層を形成することができる。
なお、デンドリマーの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いてポリスチレンにより換算された値とする。
1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する樹枝状ポリマーとして、市販されている商品を用いることもできる。1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するデンドリマーとして、サートマー社製の商品名「CN2302」、「CN2303」及び「CN2304」、大阪有機化学社製の商品名「V1000」、「SUBARU−501」、及び「SIRIUS−501」、並びに新中村化学社製の商品名「A−HBR−5」などが挙げられる。
1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するハイパーブランチポリマーとは、ABx型の多官能性モノマー(ここでAとBは互いに反応する官能基、Bの数Xは2以上)を重合させて得られる不規則な分岐構造を有する高分岐構造体の表面および内部を(メタ)アクロイル基によって修飾することによって得られる球状高分子を意味する。
(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、1分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する。
ウレタンアクリレートオリゴマーは、例えば、ポリイソシアネート化合物と、ヒドロキシル基またはイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートと、ポリオール化合物とを反応させることにより得られる。
ウレタンアクリレートオリゴマーとしては、例えば、(1)ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを更に反応させて得られるウレタンアクリレート、及び(2)ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させて得られる末端ヒドロキシル基含有ウレタンプレポリマーに、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートを更に反応させて得られるウレタンアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、及びジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどが挙げられる。
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及びポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、メタクリロイルオキシエチルイソシアネートが挙げられる。
ポリオール化合物としては、例えば、アルキレン型、ポリカーボネート型、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物が挙げられる。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカーボネートジオール、ポリエステルジオール、及びポリエーテルジオールなどが挙げられる。
1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとして、市販されている商品を用いることもできる。例えば、新中村化学社製の商品名「UA−122P」、共栄社化学社製の商品名「UF−8001G」、サートマー社製の商品名「CN977」、「CN999」、「CN963」、「CN985」、「CN970」、「CN133」、「CN975」及び「CN997」、ダイセルオルネクス社製の商品名「IRR214−K」、並びに日本化薬社製の商品名「UX−5000」、「UX−5102D−M20」、「UX−5005」、及び「DPHA−40H」などが挙げられる。また、重合性化合物として、サートマー社製 商品名「CN113」などの脂肪族特殊オリゴマーを用いることもできる。
本発明においては、上記した重合性化合物のうち、多官能性アクリル系モノマーが好ましく、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが好ましい。これらによれば、合成樹脂微多孔フィルムに機械的強度を低下させることなく、優れた耐熱性を付与することができる。
重合性化合物として多官能性アクリル系モノマーを用いる場合、重合性化合物中における多官能性アクリル系モノマーの含有量は、30重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、100重量%が特に好ましい。多官能性アクリル系モノマーを30重量%以上含んでいる重合性化合物を用いることにより、得られる合成樹脂微多孔フィルムに、透気性を低下させることなく優れた耐熱性を付与することができる。
なお、本発明においては、重合性化合物としては、上記した重合性化合物のうちの一種のみを用いてもよく、二種以上の重合性化合物を併用しても構わない。
合成樹脂微多孔フィルム表面に重合性化合物を塗工することによって、合成樹脂微多孔フィルム表面に重合性化合物を付着させることができる。この時、重合性化合物をそのまま合成樹脂微多孔フィルム表面に塗工してもよい。しかしながら、重合性化合物を溶媒中に分散又は溶解させて塗工液を得、この塗工液を合成樹脂微多孔フィルム表面に塗工することが好ましい。このように重合性化合物を塗工液として用いることによって、微小孔部の閉塞を低減しながら、合成樹脂微多孔フィルム表面に重合性化合物を均一に付着させることができる。更に、塗工液は合成樹脂微多孔フィルムにおける微小孔部の壁面にも円滑に流動することができ、これにより合成樹脂微多孔フィルムの表面だけでなく、この表面に連続する微小孔部の開口端部の壁面にも皮膜層を形成することができる。
塗工液に用いられる溶媒としては、重合性化合物を溶解又は分散させることができれば、特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸エチル、クロロホルムなどが挙げられる。なかでも、酢酸エチル、エタノール、メタノール、アセトンが好ましい。これらの溶媒は、塗工液を合成樹脂微多孔フィルム表面に塗工した後に円滑に除去することができる。さらに、上記溶媒は、積層型リチウムイオン二次電池などの積層型電池を構成している電解液との反応性が低く、安全性にも優れている。
塗工液中における重合性化合物の含有量は、3〜20重量%が好ましく、5〜15重量%がより好ましい。重合性化合物の含有量を上記範囲内とすることによって、合成樹脂微多孔フィルム表面に微小孔部を閉塞させることなく皮膜層を均一に形成することができ、したがって、透気性を低下させることなく耐熱性が向上されている合成樹脂微多孔フィルムを製造することができる。
合成樹脂微多孔フィルム表面への重合性化合物の塗工方法としては、特に制限されず、例えば、(1)合成樹脂微多孔フィルム表面に重合性化合物を塗工する方法;(2)重合性化合物中に合成樹脂微多孔フィルムを浸漬して、合成樹脂微多孔フィルム表面に重合性化合物を塗工する方法;(3)重合性化合物を溶媒中に溶解又は分散させて塗工液を作製し、この塗工液を合成樹脂微多孔フィルムの表面に塗工した後、合成樹脂微多孔フィルムを加熱して溶媒を除去する方法;及び(4)重合性化合物を溶媒中に溶解又は分散させて塗工液を作製し、この塗工液中に合成樹脂微多孔フィルムを浸漬して、塗工液を合成樹脂微多孔フィルム中に塗工した後、合成樹脂微多孔フィルムを加熱して溶媒を除去する方法が挙げられる。なかでも、上記(3)(4)の方法が好ましい。これらの方法によれば、重合性化合物を合成樹脂微多孔フィルム表面に均一に塗工することができる。
上記(3)及び(4)の方法において、溶媒を除去するための合成樹脂微多孔フィルムの加熱温度は、用いられる溶媒の種類や沸点によって設定することができる。溶媒を除去するための合成樹脂微多孔フィルムの加熱温度は、50〜140℃が好ましく、70〜130℃がより好ましい。加熱温度を上記範囲内とすることによって、合成樹脂微多孔フィルムの熱収縮や微小孔部の閉塞を低減しつつ、塗工された溶媒を効率的に除去することができる。
上記(3)及び(4)の方法において、溶媒を除去するための合成樹脂微多孔フィルムの加熱時間は、特に制限されず、用いられる溶媒の種類や沸点によって設定することができる。溶媒を除去するための合成樹脂微多孔フィルムの加熱時間は、0.02〜60分が好ましく、0.1〜30分がより好ましい。
上述の通り、合成樹脂微多孔フィルム表面に重合性化合物又は塗工液を塗工することによって、合成樹脂微多孔フィルム表面に重合性化合物を付着させることができる。
[切断工程]
次に、本発明の方法では、重合性化合物を塗工した合成樹脂微多孔フィルムを切断して、合成樹脂微多孔フィルム片を得る切断工程を実施する。
合成樹脂微多孔フィルムに活性エネルギー線を照射する場合、活性エネルギー線の照射によって、合成樹脂微多孔フィルムに含まれている合成樹脂の分子鎖を切断し、合成樹脂微多孔フィルムの機械的強度を低下させることがある。このような機械的強度が低下した合成樹脂微多孔フィルムを切断すると、合成樹脂微多孔フィルムに破断や裂けなどの損傷が発生することがある。
そこで、本発明の方法では、後述する照射工程に先立って、切断工程を実施することによって、合成樹脂微多孔フィルムを、活性エネルギー線の照射によって機械的強度が低下していない状態で、予め切断することができる。これにより切断による破断や裂けなどの損傷が発生していない合成樹脂微多孔フィルム片を得ることができる。
合成樹脂微多孔フィルム片の形状は、特に制限されず、電極や積層型電池の構造や大きさに合わせて、適宜決定すればよい。合成樹脂微多孔フィルム片の形状としては、例えば、正方形状、矩形状、円形状などが挙げられる。なかでも、矩形状が好ましい。
[照射工程]
次に、本発明の方法では、上述した切断工程において得られた合成樹脂微多孔フィルム片に活性エネルギー線を照射する照射工程を実施する。これにより、合成樹脂微多孔フィルム片の表面の少なくとも一部に、重合性化合物の重合体を含む皮膜層を形成することができる。
皮膜層は、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物の重合体を含んでいる。このような重合体を含んでいる皮膜層は、高い硬度を有していると共に、適度な弾性及び伸度を有している。したがって、このような皮膜層を用いることによって、合成樹脂微多孔フィルム片の熱収縮を低減することができる。これにより、積層型電池内部が、例えば100〜150℃、特に130〜150℃の高温となった場合であっても、合成樹脂微多孔フィルムの熱収縮による電極間の電気的な短絡を低減することができる。
さらに、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物は合成樹脂微多孔フィルムに対する馴染み性に優れていることから、合成樹脂微多孔フィルムに微小孔部を閉塞させることなく皮膜層を形成することができる。したがって、皮膜層が形成された合成樹脂微多孔フィルムは、少なくとも厚み方向にリチウムイオンなどのイオンを透過させることができ、積層型電池のセパレータとして好適に用いられる。
皮膜層は、合成樹脂微多孔フィルム片の表面の少なくとも一部に形成されていればよいが、合成樹脂微多孔フィルム片の表面全面に形成されていることが好ましく、合成樹脂微多孔フィルム片の表面、及び合成樹脂微多孔フィルム片表面から連続する微小孔部の壁面にも形成されていることがより好ましい。
活性エネルギー線としては、特に限定されず、例えば、プラズマ、電子線、α線、β線、γ線などの活性エネルギー線、紫外線などが挙げられる。
活性エネルギー線として電子線を用いる場合、合成樹脂微多孔フィルム片に対する電子線の加速電圧は特に限定されないが、50〜300kVが好ましく、100〜250kVがより好ましい。電子線の加速電圧を上記範囲内とすることによって、合成樹脂微多孔フィルム片の劣化を低減しながら皮膜層を形成することができる。
活性エネルギー線として電子線を用いる場合、合成樹脂微多孔フィルム片に対する電子線の照射線量は特に限定されないが、10〜150kGyが好ましく、10〜100kGyがより好ましい。電子線の照射線量を上記範囲内とすることによって、合成樹脂微多孔フィルム片の劣化を低減しながら皮膜層を形成することができる。
活性エネルギー線としてプラズマを用いる場合、合成樹脂微多孔フィルム片に対するプラズマのエネルギー密度は特に限定されないが、5〜200J/cm2が好ましく、5〜100J/cm2がより好ましく、10〜50J/cm2が特に好ましい。
活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、合成樹脂微多孔フィルム片に対する紫外線の積算光量は、1000〜5000mJ/cm2が好ましく、1000〜4000mJ/cm2がより好ましく、1500〜3700mJ/cm2が特に好ましい。なお、活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、上記塗工液に光重合開始剤が含まれていることが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、及びアントラキノンなどが挙げられる。
照射工程において、酸素濃度が300ppm以下の雰囲気下で、合成樹脂微多孔フィルム片に活性エネルギー線を照射することが好ましい。照射工程における雰囲気中の酸素濃度は、300ppm以下が好ましいが、1〜200ppmがより好ましく、1〜100ppmが特に好ましい。このような酸素濃度の雰囲気下で照射工程を実施することにより、合成樹脂微多孔フィルム片中にラジカルが発生したとしても、酸化劣化を最小限に抑えることができ、合成樹脂微多孔フィルム片の機械的強度の低下を抑制することができる。
照射工程は、不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。これにより、照射工程における雰囲気中の酸素濃度を容易に調整することができる。不活性ガスとしては、特に制限されず、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、及びこれらの混合ガスなどが挙げられる。
皮膜層の含有量は、合成樹脂微多孔フィルム片100重量部に対して、5〜80重量部が好ましく、5〜60重量部がより好ましく、10〜40重量部が特に好ましい。皮膜層の含有量を上記範囲内とすることによって、合成樹脂微多孔フィルム片表面の微小孔部を閉塞させることなく皮膜層を均一に形成することができる。これにより、透気性を低下させることなく耐熱性が向上されている合成樹脂微多孔フィルム片を提供することができる。
皮膜層は、無機粒子を含んでいなくても、合成樹脂微多孔フィルム片の耐熱性を向上させることができる。したがって、皮膜層は、無機粒子を含んでいないことが好ましい。しかしながら、必要に応じて、皮膜層は無機粒子を含んでいてもよい。無機粒子としては、耐熱性多孔質層に一般的に用いられている無機粒子が挙げられる。無機粒子を構成する材料としては、例えば、Al23、SiO2、TiO2、及びMgOなどが挙げられる。
[加熱工程]
本発明の方法では、積層工程前に、照射工程後の合成樹脂微多孔フィルム片を加熱する加熱工程を実施することが好ましい。
上述した照射工程において、活性エネルギーの照射によって、合成樹脂微多孔フィルム片中に残存ラジカルが発生することがある。残存ラジカルは合成樹脂微多孔フィルム片に含まれている合成樹脂の分子鎖を経時的に切断し、合成樹脂微多孔フィルム片を経時的に脆化させて機械的強度を低下させることがある。このような合成樹脂微多孔フィルム片を用いた積層型電池を長期間に亘って使用した場合、合成樹脂微多孔フィルム片の損傷が発生して電極間の電気的な短絡を生じさせることがある。しかしながら、加熱工程によれば、照射工程において合成樹脂微多孔フィルム中に発生した残存ラジカルを失活させることができる。これにより合成樹脂微多孔フィルム片の機械的強度の経時的な低下を抑制することができる。
加熱工程では、合成樹脂微多孔フィルム片を、好ましくは50〜170℃、より好ましくは70〜165℃、特に好ましくは90〜160℃で加熱処理することが好ましい。合成樹脂微多孔フィルム片の加熱処理温度を上記範囲内とすることによって、合成樹脂微多孔フィルム片中の合成樹脂の劣化を低減しながら、残存ラジカルを失活させることができる。
加熱工程において、合成樹脂微多孔フィルム片の加熱処理時間は、1秒〜168時間が好ましく、3秒〜120時間がより好ましく、1分〜1時間が特に好ましい。合成樹脂微多孔フィルム片の加熱処理時間を上記範囲内とすることによって、合成樹脂微多孔フィルム片中の合成樹脂の劣化を低減しながら、残存ラジカルを失活させることができる。
加熱工程において、酸素濃度が300ppm以下の雰囲気下で、合成樹脂微多孔フィルム片を加熱することが好ましい。加熱工程における雰囲気中の酸素濃度は、300ppm以下が好ましいが、1〜200ppmがより好ましく、1〜100ppmが特に好ましい。このような酸素濃度の雰囲気下で加熱工程を実施することにより、合成樹脂微多孔フィルム片中にラジカルが発生したとしても、酸化劣化を最小限に抑えることができ、合成樹脂微多孔フィルム片の機械的強度の低下を抑制することができる。
加熱工程は、不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。これにより、加熱工程における雰囲気中の酸素濃度を容易に調整することができる。不活性ガスとしては、特に制限されず、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、及びこれらの混合ガスなどが挙げられる。
[積層工程]
次に、本発明の方法では、照射工程後、好ましくは加熱工程後の合成樹脂微多孔フィルム片を介して、正極及び負極を積層して電極積層体を得る積層工程を実施する。
本発明の方法では、上述した通り、切断工程において合成樹脂微多孔フィルムを予め切断した後、照射工程において合成樹脂微多孔フィルム片に活性エネルギー線を照射する。これにより、合成樹脂微多孔フィルム片に損傷を発生することを低減することができる。さらに、皮膜層によって、合成樹脂微多孔フィルム片の熱収縮を低減させて、耐熱性を向上させることができる。したがって、このような合成樹脂微多孔フィルム片をセパレータとして用いることにより、電極間の電気的な短絡が低減された積層型電池を提供することができる。
図1に、電極積層体10A の概略断面図を示す。電極積層体10A では、正極11と負極12とが、合成樹脂微多孔フィルム片13を介して交互に積層されている。電極積層体10A において、図示しないが、1枚の正極11及び負極12が、合成樹脂微多孔フィルム片13を介して積層されていてもよい。積層型電池の充放電容量を向上させるために、図1に示すように、複数の正極11と負極12とが交互に合成樹脂微多孔フィルム片13を介して積層されていることが好ましい。
正極11は、特に制限されないが、正極集電体(図示せず)と、この正極集電体の少なくとも一面に形成された正極活物質層(図示せず)とを含んでいることが好ましい。正極活物質層は、正極集電体の両面に形成されていることが好ましい。正極活物質層は、正極活物質を含んでいる。正極活物質はリチウムイオンなどを吸蔵放出することが可能な材料であり、正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム又はマンガン酸リチウムなどが挙げられる。正極に用いられる集電体としては、アルミニウム箔、ニッケル箔、及びステンレス箔などが挙げられる。正極活物質層は、バインダーや導電助剤などをさらに含んでいてもよい。なお、正極集電体には、集電タブ(図示せず)が形成されることが好ましい。集電タブにより、正極集電体と積層型電池の外部端子とを電気的に接続することができる。
負極12は、特に制限されないが、負極集電体(図示せず)と、この負極集電体(図示せず)の少なくとも一面に形成された負極活物質層とを含んでいることが好ましい。負極活物質層は、負極集電体の両面に形成されていることが好ましい。負極活物質層は、負極活物質を含んでいる。負極活物質はリチウムイオンなどを吸蔵放出することが可能な材料であり、負極活物質としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック及びケチェンブラックなどが挙げられる。負極集電体としては、銅箔、ニッケル箔、及びステンレス箔などが挙げられる。負極活物質層は、バインダーや導電助剤などをさらに含んでいてもよい。なお、負極集電体には、集電タブ(図示せず)が形成されることが好ましい。集電タブにより、負極集電体と積層型電池の外部端子とを電気的に接続することができる。
電極積層体10A を外装体(図示せず)内に収容し、外装体内に非水電解液を注入した後、外装体を封止することにより積層型電池を得ることができる。
外装体としては、特に制限されないが、金属箔の他、金属箔とこの金属箔の少なくとも一面に積層一体化された樹脂層とを有するラミネートシートが用いられる。金属箔としては、アルミニウム箔などが挙げられる。また、樹脂層に含まれている樹脂としては、ポリエチレン系樹脂などが挙げられる。
非水電解液とは、水を含まない溶媒に電解質塩を溶解させた電解液である。非水電解液としては、例えば、非プロトン性有機溶媒に、リチウム塩を溶解した非水電解液が挙げられる。非プロトン性有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、及びエチレンカーボネートなどの環状カーボネートと、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、及びジメチルカーボネートなどの鎖状カーボネートとの混合溶媒などが挙げられる。また、リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、及びLiN(SO2CF32などが挙げられる。
[第2の製造方法]
図1に示す電極積層体10A では、シート状の合成樹脂微多孔フィルム片13がセパレータとして用いられているが、袋状の合成樹脂微多孔フィルム片14を用いることもできる。以下に、袋状の合成樹脂微多孔フィルム片14を用いた、積層型電池の第2の製造方法について説明する。
第2の方法では、先ず、塗工工程及び切断工程を実施する。塗工工程及び切断工程は、上記した塗工工程及び切断工程と同様のため、これらの説明は省略する。
切断工程後、照射工程において、合成樹脂微多孔フィルム片を袋状に加工し、袋状の合成樹脂微多孔フィルム片に活性エネルギー線を照射する。
合成樹脂微多孔フィルム片を袋状に加工する方法としては、特に制限されず、例えば、図2に示す通り、同じ形状を有する2枚の合成樹脂微多孔フィルム片13を互いに重ね合わせて積層体を得、この積層体の外周縁部において合成樹脂微多孔フィルム片13同士を融着させることによって、袋状の合成樹脂微多孔フィルム片14A を得る方法が挙げられる。袋状の合成樹脂微多孔フィルム片14A では、外周縁部に融着部15が形成されている。
合成樹脂微多孔フィルム片13が矩形状である場合、袋状の合成樹脂微多孔フィルム片14A において、合成樹脂微多孔フィルム片13の融着は、積層体の外周縁部を構成する4辺のうち、3辺において行われるのが好ましい。これにより、積層体の外周縁部における残りの一辺において開口部を形成することができ、この開口部から電極を挿入することができる。
また、合成樹脂微多孔フィルム片を袋状に加工する他の方法として、図3(a)に示す通り、矩形状の合成樹脂微多孔フィルム片13を、その長さ方向の中央を折り目として、二つ折りして折り曲げ体を得た後、折り曲げ体において、互いに重ね合わせられている合成樹脂微多孔フィルム片部13a,13a の外周縁部同士を融着させることによって、袋状の合成樹脂微多孔フィルム片14B を得る方法が挙げられる。袋状の合成樹脂微多孔フィルム片14B では、外周縁部に融着部16が形成されている。
折り曲げ体の合成樹脂微多孔フィルム片部13a ,13a同士の融着は、図3(b)に示す通り、合成樹脂微多孔フィルム片部13a ,13aの外周縁部において、合成樹脂微多孔フィルム片部13a ,13a同士の接続部(合成樹脂微多孔フィルム片の折り曲げ部)13bを除いた3辺のうち、2辺において行われるのが好ましい。これにより、折り曲げ体の外周縁部の残りの一辺において開口部を形成することができ、この開口部から電極を挿入することができる。
袋状の合成樹脂微多孔フィルム片14A ,14B において、融着部15, 16は、間欠的に設けられていてもよく、連続的に設けられていてもよい。
次に、照射工程では、上述の通りにして加工された袋状の合成樹脂微多孔フィルム片に活性エネルギー線を照射する。これにより、袋状の合成樹脂微多孔フィルム片の表面の少なくとも一部に、重合性化合物の重合体を含む皮膜層を形成することができる。なお、第2の方法における照射工程は、袋状の合成樹脂微多孔フィルム片を用いる以外は、上記した照射工程と同様に実施することができるため、活性エネルギー線に関する説明や、活性エネルギー線の照射条件、及び皮膜層に関する説明は省略する。
また、第2の方法では、積層工程前に、照射工程後の袋状の合成樹脂微多孔フィルム片を加熱する加熱工程を実施することが好ましい。この加熱工程についても、袋状の合成樹脂微多孔フィルム片を用いる以外は、上記した加熱工程と同様に実施することができるため、第2の方法における加熱工程に関する説明は省略する。
次に、第2の方法では、照射工程後、好ましくは加熱工程後の袋状の合成樹脂微多孔フィルム片をセパレータとして用い、正極及び負極を積層する積層工程を実施する。
積層工程では、袋状の合成樹脂微多孔フィルム片に、正極及び負極のいずれか一方の電極を挿入した後、この袋状の合成樹脂微多孔フィルム片と他方の電極とを積層して、電極積層体を得ることが好ましい。
図4に、袋状の合成樹脂微多孔フィルム片14を用いた電極積層体10B の概略断面図を示す。電極積層体10B では、正極11が挿入された袋状の合成樹脂微多孔フィルム片14と、負極12とが、交互に積層されている。この電極積層体10B においても、正極11と負極12とが、袋状の合成樹脂微多孔フィルム片14を構成している合成樹脂微多孔フィルム片13を介して交互に積層され、これにより電極11, 12間の電気的な短絡を防止することができる。
なお、図4では、袋状の合成樹脂微多孔フィルム片に正極を挿入したが、これに制限されず、袋状の合成樹脂微多孔フィルム片に負極を挿入した後、負極を挿入した袋状の合成樹脂微多孔フィルム片に正極を積層してもよい。
また、正極及び負極の双方が、それぞれ袋状の合成樹脂微多孔フィルム片に挿入されていてもよい。複数の袋状の合成樹脂微多孔フィルム片を用意し、袋状の合成樹脂微多孔フィルム片それぞれに正極又は負極を挿入した後、正極が挿入された袋状の合成樹脂微多孔フィルム片と、負極が挿入された袋状の合成樹脂微多孔フィルム片とを交互に積層することによっても、電極積層体を得ることができる。
図5に、袋状の合成樹脂微多孔フィルム片14を用いた電極積層体10C の概略断面図を示す。電極積層体10C では、正極11が挿入された袋状の合成樹脂微多孔フィルム片14と、負極12が挿入された袋状の合成樹脂微多孔フィルム片14とが交互に積層されている。この電極積層体10C においても、正極11と負極12とが、合成樹脂微多孔フィルム片13を介して交互に積層され、これにより電極11, 12間の電気的な短絡を防止することができる。
その後、電極積層体10B又は10Cを外装体(図示せず)内に収容し、外装体内に非水電解液を注入した後、外装体を封止することにより積層型電池を得ることができる。なお、第2の方法に用いられる正極、負極、外装体、及び非水電解液は、それぞれ上記した正極、負極、外装体、及び非水電解液と同様のため、これらに関する説明は省略する。
本発明の方法によれば、セパレータの熱収縮や損傷による正極及び負極の短絡が低減されている積層型電池を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る電極積層体の概略断面図である。 袋状の合成樹脂微多孔フィルム片の斜視図である。 合成樹脂微多孔フィルム片の折り曲げ過程を示した斜視図である。 本発明の他の一実施形態に係る電極積層体の概略断面図である。 本発明の他の一実施形態に係る電極積層体の概略断面図である。
以下に、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
[実施例1]
1.正極の作製
正極活物質としてニッケル−コバルト−マンガン酸リチウム(1:1:1)を含む正極形成用組成物を調製した。この正極形成用組成物を正極集電体としてのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥させることにより正極活物質層を作製した。その後、正極活物質層が両面に形成されている正極集電体を打ち抜くことにより縦48mm×横117mmの平面矩形状の正極を得た。
2.負極の作製
負極活物質として天然黒鉛を含む負極形成用組成物を調製した。この負極形成用組成物を負極集電体としてのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥させることにより負極活物質層を作製した。その後、負極活物質層が両面に形成されている負極集電体を打ち抜くことにより、縦50mm×横121mmの平面矩形状の負極を得た。
3.ホモポリプロピレン微多孔フィルムの製造
(押出工程)
ホモポリプロピレン(重量平均分子量413000、分子量分布9.3、融点163℃、融解熱量96mJ/mg)を押出機に供給して、樹脂温度200℃にて溶融混練し、押出機先端に取り付けられたTダイからフィルム状に押出し、表面温度が30℃となるまで冷却して、長尺状のホモポリプロピレンフィルム(厚み30μm)を得た。なお、押出量は9kg/時間、成膜速度は22m/分、ドロー比は83であった。
(養生工程)
得られた長尺状のホモポリプロピレンフィルム(長さ400m)を外径178mmの円筒状の芯体にロール状に巻取って、ホモポリプロピレンフィルムロールを得た。ホモポリプロピレンフィルムロールを、このロールを設置する場所の雰囲気温度が150℃である熱風炉中に24時間に亘って放置して養生した。このとき、ロールの表面から内部まで全体的にホモポリプロピレンフィルムの温度が熱風炉内部の温度と同じ温度になっていた。
(第一延伸工程)
次に、養生を施したホモポリプロピレンフィルムロールからホモポリプロピレンフィルムを巻き出した後、ホモポリプロピレンフィルムの表面温度が23℃となるようにして240%/分の延伸速度にて延伸倍率1.2倍に押出方向にのみ一軸延伸装置を用いて一軸延伸した。
(第二延伸工程)
次に、ホモポリプロピレンフィルムを、一軸延伸装置を用いて表面温度が115℃となるようにして、42%/分の延伸速度にて延伸倍率2.9倍に押出方向にのみ一軸延伸した。
(アニーリング工程)
その後、ホモポリプロピレンフィルムを、ホモポリプロピレンフィルムに張力が加わらないようにしながら、表面温度を143℃として45秒間加熱することによりアニールし、これにより長尺状のホモポリプロピレン微多孔フィルム(厚み26μm)を得た。なお、アニーリング工程におけるホモポリプロピレンフィルムの収縮率は20%とした。
得られたホモポリプロピレン微多孔フィルムは、透気度が110sec/100mLであり、表面開口率が40%であり、微小孔部の開口端の最大長径が600nmであり、微小孔部の開口端の平均長径が360nmであり、孔密度が30個/μm2であった。
そして、長尺状のホモポリプロピレン微多孔フィルム(長さ400m)を外径178mmの円筒状の芯体にロール状に再度、巻取って、ホモポリプロピレン微多孔フィルムロールを得た。
2.積層型電池の製造
(塗布工程)
溶媒として酢酸エチル90重量%、及び重合性化合物としてトリメチロールプロパントリアクリレート(共栄化学社製 商品名「ライトアクリレートTMP−A」)10重量%を含んでいる塗工液を用意した。次に、ホモポリプロピレン微多孔フィルムロールから長尺状のホモポリプロピレン微多孔フィルムを巻き出し、長尺状のホモポリプロピレン微多孔フィルム表面に塗工液を塗工した後、長尺状のホモポリプロピレン微多孔フィルムを80℃で2分間加熱することにより溶媒を除去した。これにより長尺状のホモポリプロピレン微多孔フィルム表面全面に重合性化合物を付着させた。
(切断工程)
次に、長尺状のホモポリプロピレン微多孔フィルムを切断することにより、平面矩形状のホモポリプロピレン微多孔フィルム片(縦52mm×横124mm)を得た。
(照射工程)
次に、酸素濃度が50ppmである窒素ガス雰囲気下、ホモポリプロピレン微多孔フィルム片に、加速電圧200kV、照射線量35kGyで、電子線を照射し、重合性化合物を重合させた。これにより、ホモポリプロピレン微多孔フィルム片の表面及びこの表面に連続する微小孔部の開口端部の壁面に重合性化合物の重合体を含む皮膜層を形成した。ホモポリプロピレン微多孔フィルム片100重量部に対して、15重量部の皮膜層が形成されていた。
(加熱工程)
次に、酸素濃度が40ppmである窒素ガス雰囲気下、ホモポリプロピレン微多孔フィルム片を130℃で10分間加熱した。
(積層工程)
次に、図1に示すように、10枚の正極11と11枚の負極12とを交互に、ポリプロピレン微多孔フィルム片13を介して積層することにより電極積層体10A を得た。
その後、各電極11, 12に集電タブ(図示せず)を超音波溶接により接合した。電極積層体10A をアルミラミネート箔からなる外装材(図示せず)に収納した後、外装材内に電解液を注入した。なお、電解液は、溶媒としてエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを3:7(体積比)で含むLiPF6溶液(1mol/L)を用いた。その後、真空下で、外装材を封止することにより積層型電池を得た。
10A,10B,10C 電極積層体

11 正極
12 負極
13 合成樹脂微多孔フィルム片
14, 14A, 14B 袋状の合成樹脂微多孔フィルム片
15, 16 融着部

Claims (6)

  1. 合成樹脂微多孔フィルムに、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物を塗工する塗工工程と、
    上記重合性化合物を塗工した合成樹脂微多孔フィルムを切断して、合成樹脂微多孔フィルム片を得る切断工程と、
    上記合成樹脂微多孔フィルム片に活性エネルギー線を照射することにより、上記合成樹脂微多孔フィルム片の表面の少なくとも一部に、上記重合性化合物の重合体を含む皮膜層を形成する照射工程と、
    上記照射工程後の上記合成樹脂微多孔フィルム片を介して、正極及び負極を積層して電極積層体を得る積層工程と、
    を有することを特徴とする積層型電池の製造方法。
  2. 塗工工程において、重合性化合物を溶媒に分散又は溶解させた塗工液を、合成樹脂微多孔フィルムに塗工することを特徴とする請求項1に記載の積層型電池の製造方法。
  3. 塗工工程において、塗工液を合成樹脂微多孔フィルムに塗工した後、溶媒を除去することを特徴とする請求項2に記載の積層型電池の製造方法。
  4. 照射工程後に、合成樹脂微多孔フィルム片を加熱する加熱工程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層型電池の製造方法。
  5. 照射工程において、合成樹脂微多孔フィルム片を袋状に加工し、袋状の合成樹脂微多孔フィルム片に活性エネルギー線を照射することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層型電池の製造方法。
  6. 積層工程において、袋状の合成樹脂微多孔フィルム片に、正極及び負極のいずれか一方の電極を挿入した後、この袋状の合成樹脂微多孔フィルム片と他方の電極とを交互に積層することにより、電極積層体を得ることを特徴とする請求項5に記載の積層型電池の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022138185A1 (ja) * 2020-12-25 2022-06-30 Dic株式会社 ホワイトインク組成物、硬化物、光拡散層及びカラーフィルタ

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