細菌感染症、特にシグナル伝達をvraSRオペロンに依存する細菌の感染症を阻害、予防、または処置する方法および組成物を提供する。このオペロンは、黄色ブドウ球菌株において保存されており、方法および態様は、ブドウ球菌による細菌感染症に関する。特に、方法および組成物は、抗生物質と、抗生物質の活性および/またはvraSRオペロンの発現もしくは活性の阻害剤の活性を増強すると認定されうる化合物とを含む。
いくつかの態様において、ブドウ球菌感染症を有するまたはブドウ球菌感染症のリスクを有する対象に、(a)抗生物質と、(b)クロミフェン、ゴシポール、メナジオン、およびピルビニウム、またはそのプロドラッグもしくは塩からなる群より選択される化合物である抗生物質増強剤とを投与する段階を含む、ブドウ球菌感染症を阻害する方法が存在する。
追加の態様において、(a)抗生物質と、(b)クロミフェン、ゴシポール、メナジオン、およびピルビニウム、またはそのプロドラッグもしくは塩からなる群より選択される化合物とを対象に投与する段階を含む、ブドウ球菌感染症を阻害する方法が存在する。なおさらなる態様において、(a)抗生物質と、(b)オレアンドマイシンおよびノルフロキサシンまたはそのプロドラッグもしくは塩からなる群より選択される化合物とを対象に投与する段階を含む、ブドウ球菌感染症を阻害する方法が存在する。
特定の態様において、方法および組成物は、具体的にクロミフェンまたはそのプロドラッグもしくは塩に関する。他の態様において、方法および組成物は、ゴシポールまたはそのプロドラッグもしくは塩を伴う。さらなる態様において、方法および組成物は、メナジオンまたはそのプロドラッグもしくは塩を含む。追加の態様において、方法および組成物は、ピルビニウムまたはそのプロドラッグもしくは塩を含む。クロミフェン、ゴシポール、メナジオン、またはピルビニウム、またはそのプロドラッグもしくは塩の1つまたは複数を、本明細書において開示される方法および組成物から除外してもよいことが具体的に企図される。なおさらなる態様において、方法および組成物は、抗生物質増強剤として抗生物質を含む。ある態様において、抗生物質である抗生物質増強剤は、オレアンドマイシンまたはそのプロドラッグもしくは塩である。他の態様において、方法および組成物は、ノルフロキサシンまたはそのプロドラッグもしくは塩を含み、ノルフロキサシンは、いくつかの態様において抗生物質増強剤でもある抗生物質である。オレアンドマイシンまたはノルフロキサシン、またはそのプロドラッグもしくは塩の1つまたは複数を、本明細書において考察される方法および組成物から除外してもよいことが具体的に企図される。
他の方法は、抗生物質を患者に投与する段階、およびクロミフェン、ゴシポール、メナジオン、もしくはピルビニウム、またはそのプロドラッグもしくは塩を患者に投与する段階を含む、ブドウ球菌感染症を有する患者を処置する段階を伴う。
さらなる態様は、抗生物質の有効量と、クロミフェン、ゴシポール、メナジオン、またはピルビニウムまたはそのプロドラッグもしくは塩の有効量とを患者に投与する段階を含む、ブドウ球菌感染症を有する患者を処置する方法に関する。
いくつかの態様において、方法および組成物は、β-ラクタム系抗生物質である抗生物質に関する。ある態様において、抗生物質は、ペニシリナーゼ耐性β-ラクタム系抗生物質である。さらなる態様において、ペニシリナーゼ耐性β-ラクタム系抗生物質は、オキサシリンである。ある態様は、メチシリン、ナフシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、またはフルクロキサシリンであるペニシリナーゼ耐性β-ラクタム系抗生物質に関する。方法および組成物において使用される他の抗生物質を以下に考察する。抗生物質は、抗生物質増強剤を患者に投与する前、投与と同時、または投与後に投与されうる。抗生物質と抗生物質増強剤は、同じように調合してもよく、または同じように調合しなくてもよい。いくつかの態様において、抗生物質と抗生物質増強剤は、共に調合されるか、または同じ組成物もしくは溶液中に存在する。一例として、抗生物質と抗生物質増強剤の1つまたは両方は、経口投与のために調合されうる。もう1つの例において、抗生物質と抗生物質増強剤はいずれも、静脈内投与のために調合されうる。同様に、化合物は、同じまたは異なる投与経路によって対象に投与されうることが企図される。
本態様は、哺乳動物、特にヒト、サル、霊長類、類人猿、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、ヤギ、マウス、またはラットなどの、ブドウ球菌が感染することができる対象について用いられうる。ある態様において、対象はヒト患者である。特定の方法において、対象は、ブドウ球菌感染症に関して試験されたことがある。他の態様において、対象は、ブドウ球菌感染症であると診断される、または診断されたことがある。方法はさらに、ブドウ球菌感染症に関して患者を試験または評価する段階を伴いうる。追加の態様において、方法はまた、ブドウ球菌感染症に関して患者を診断する段階を含む。いくつかの場合において、対象は、ブドウ球菌感染症に罹患するリスクを有する。これには、病院で侵襲性の技法もしくは手術を受ける患者(麻酔を必要とする患者など)、病院で侵襲性の技法もしくは手術を受けた患者、静脈内注射を受ける患者、または人工呼吸器を装着している患者が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。ある態様において、対象は、ブドウ球菌感染症の1つまたは複数の症状を有する。
いくつかの方法において、対象は、固有弁心内膜炎または人工弁心内膜炎を有するか、またはそれらのリスクを有する。他の態様において、対象は、関節感染症、髄膜炎、骨髄炎、肺炎、敗血症、静脈洞炎、または皮膚もしくは軟組織感染症を有するか、またはそれらのリスクを有する。さらなる態様において、対象は、オキサシリン約2〜3gを4から6時間毎に静脈内に投与される。他の方法において、対象は、オキサシリン約1〜2gを4から6時間毎に静脈内もしくは筋肉内に投与されるか、またはオキサシリン約500mgから約1gを4から6時間毎に経口投与される。
いくつかの例において、ブドウ球菌感染症を処置する段階は、膿瘍の形成もしくは発生を減少させる段階、または対象における細菌量を減少させる段階を含む。他の態様において、ブドウ球菌感染症を処置する段階は、発熱を減少させる、感染部位の腫脹を減少させる、および/または感染部位の疼痛を減少させる段階を含むがこれらに限定されるわけではない任意の感染症の症状を減少させる段階を含む。
いくつかの方法および組成物によっては、感染症は、黄色ブドウ球菌種に属するブドウ球菌に由来する。ある態様において、ブドウ球菌感染症は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)である。代わりの態様において、ブドウ球菌感染症は、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)であり、組成物は、メチシリン耐性を獲得する可能性を減少させながら感染症を処置するために提供される。
ある方法および組成物は、第二の抗生物質を伴いうる。いくつかの態様において、方法は、第二の抗生物質を投与する段階を伴う。特定の例において、第二の抗生物質は、ゲンタマイシンまたはリファンピシンである。他の第二の抗生物質を以下に考察する。方法または組成物はまた、ブドウ球菌ワクチンを含みうる。方法は、特定の態様において、ブドウ球菌ワクチンを投与する段階を含む。ワクチンは、抗生物質および/または抗生物質増強剤の前、後、および/または同時に投与されうる。
いくつかの態様において、抗生物質は、約0.1mg/kgから約50mg/kgの用量で投与される。特定の態様において、対象は小児患者であり、このことはヒト患者の場合年齢18歳未満を意味する。小児患者の場合、いくつかの態様において、抗生物質は、約25mg/kgから約50mg/kgを6から12時間毎に静脈内もしくは筋肉内に投与されるか、または約12.5mg/kgを6時間毎に経口投与される。ある態様において、抗生物質はオキサシリンである。
方法はまた、0.1mg/kgから約100mg/kgの用量で投与される抗生物質増強剤を伴いうる。
いくつかの方法において、対象への化合物の投与は、経口、舌下、口唇下、消化管、直腸、経皮(表面)、皮内、皮下、経鼻、静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、骨内、髄腔内、腹腔内、嚢内、硝子体内、海綿体内、膣内、子宮内、硬膜外、脳内、および/または脳室内である。特異的態様において、投与は、表面、経腸、または非経口である。いくつかの例において、投与は皮膚への適用、吸入、浣腸、点眼液、点耳液、粘膜を通しての吸収、口、胃管栄養、十二指腸管栄養、坐剤、静脈内注射、動脈内注射、骨髄内注射、筋組織内注射、脳内注射、脳室系内注射、または皮下注射によって行われる。同様に、化合物は、同じまたは異なる投与経路によって対象に投与されうることが企図される。
いくつかの態様において、抗生物質と抗生物質増強剤は、同じ組成物中に存在する。他の態様において、抗生物質と抗生物質増強剤は、同じまたは異なる組成物で同時に投与される。対象は、いくつかの例において、抗生物質増強剤の投与前24時間までに抗生物質を投与される。他の場合において、抗生物質増強剤は、抗生物質の投与前24時間までに投与される。いくつかの態様において、抗生物質と抗生物質増強剤は、互いに24時間以内に投与される。
薬学的組成物も同様に提供される。いくつかの態様において、薬学的組成物は、抗生物質と、クロミフェン、ゴシポール、メナジオン、またはピルビニウム、またはそのプロドラッグもしくは塩からなる群より選択される化合物とを含む。追加の態様において、薬学的組成物は、選択された抗生物質と、クロミフェン、ゴシポール、メナジオン、またはピルビニウムからなる群より選択される化合物との、1回単位用量を含む。
いくつかの場合において、薬学的組成物は、少なくとも1つの追加の抗細菌剤を含む。追加の抗細菌剤は、さらなる抗生物質、ブドウ球菌ワクチン組成物、または第二のブドウ球菌タンパク質に特異的に結合するポリペプチドでありうる。薬学的組成物は、丸剤、カプセル剤、錠剤、ロゼンジ、トローチ剤、溶液、クリーム、ゲル、パスタ、液体、または固体でありうることが企図される。抗生物質と抗生物質増強剤が異なる組成物中に存在する態様において、各々はこれらの剤形の1つで提供されうる。
追加の態様は、抗生物質を含む薬学的に許容される組成物と、クロミフェン、ゴシポール、メナジオンまたはピルビニウムである抗生物質増強剤を含む薬学的に許容される組成物とを含む、細菌感染症を処置するためのシステムに関する。いくつかのシステムの態様において、抗生物質は、水性製剤中に存在する。さらなる態様は、抗生物質が静脈内溶液である水性製剤中に存在するか、または患者もしくは静脈内溶液に注射可能な水性製剤中に存在するシステムを伴う。他の態様において、抗生物質増強剤は、水性製剤中に存在する。ある例において、抗生物質増強剤は、静脈内溶液である水性製剤中に存在するか、または患者もしくは静脈内溶液に注射可能な水性製剤に存在する。
組成物の文脈において考察した態様を方法として適用してもよく、その逆もまた同様である。
本明細書において用いられる「a」または「an」は、1つまたは複数を意味しうる。本明細書において特許請求の範囲において用いられるように、「含む」という用語と共に用いられる場合、「a」または「an」という用語は、1つまたは1つより多くを意味しうる。
特許請求の範囲における「または」という用語の使用は、代替物のみを指すことを明白に示している場合を除き、または代替物が相互に排他的である場合を除き、「および/または」を意味するために用いられるが、本開示は、代替物のみと「および/または」を意味する定義を支持する。本明細書において用いられる「もう1つの」とは、少なくとも第二のまたはそれより多くを意味しうる。
本出願を通して、「約」という用語は、値が、装置に関する誤差の固有の変動、値を決定するために用いられる方法に関する誤差の固有の変動、または試験対象間に存在する変動を含むことを示すために用いられる。
本発明の他の目的、特色、および利点は、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。しかし、様々な変化および改変が、詳細な説明から当業者に明らかとなるであろうが、それらも本発明の精神および範囲に含まれることから、詳細な説明および特異的実施例は、本発明の好ましい態様を示しているが、単なる例として示されるに過ぎないことを理解すべきである。
例示的な態様の説明
I.細菌の増殖阻害
VraSおよびVraRは、二成分シグナル伝達系を構成し、これは、最近改名された第三の成分、すなわち同じオペロン上にコードされるVraT(以前はYvqFと呼ばれていた)を必要とする(1-3)。黄色ブドウ球菌株において保存されているvraSRオペロンは、細菌の細胞壁合成を妨害することにより作用する臨床的に重要な抗細菌剤によって誘発された細胞壁ストレスを感知してこれに応答する。このvraSRオペロンは、細胞壁ストレスに順応するためにおそらく協調的に共に作用する一連の遺伝子が活性化される原因である。vraSRオペロンの発現を阻害する化合物が、β-ラクタム系抗生物質がMRSA株を死滅させる能力、およびMRSA株によって引き起こされる感染症を処置する能力を強化する(増強する)ことを以下に示す。
II.抗生物質
本態様は、抗生物質耐性細菌を含む感染症を含む細菌感染症を処置するための方法および組成物に関する。細菌感染症を処置または阻害するために有効な、またはおそらく有効な抗生物質と共に用いることができる物質を提供する。本態様における使用が具体的に企図される抗生物質には、β-ラクタム系抗生物質が挙げられる。いくつかの態様は、vraSRオペロンを阻害する1つまたは複数の化合物と併用して1つまたは複数の抗生物質を使用することに関する。さらなる態様は、具体的に、1つまたは複数のβ-ラクタム系抗生物質と共に、vraSRオペロンを阻害する化合物を使用することを企図する。なおさらなる態様は、細菌細胞壁プロセスの破壊により作用することが知られている1つまたは複数の抗生物質と共に、vraSRオペロンを阻害する化合物を使用することを企図する。
いくつかの態様において、処置する細菌感染症には黄色ブドウ球菌が関係している。他の態様は、枯草菌(Bacillus subtilis)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、およびミュータンス菌(Streptococcus mutansi)に存在する相同なLiaRS系に対してvraSRオペロンを阻害する化合物の使用を企図する。さらなる態様は、いくつかの乳酸球菌(Lactococcus)種における相同なCesSR系を標的とするための該化合物の使用を企図する。なおさらなる態様は、細胞壁媒介抗生物質耐性に関する他の相同な二成分系に対するこれらの化合物の使用を企図する。
ある態様は、β-ラクタム系抗生物質の使用を企図する。β-ラクタム系抗生物質は、その分子構造にβ-ラクタム核を含む抗生物質からなる広いクラスの抗生物質である。これには、ペニシリン誘導体(ペナム)、セファロスポリン(セフェム)、モノバクタム、およびカルバペネムが挙げられる。ほとんどのβ-ラクタム系抗生物質は、細菌における細胞壁生合成を阻害することによって作用して、最も広く用いられる抗生物質群である。
vraSRオペロンを阻害する化合物は、任意のβ-ラクタム系抗生物質の作用を増強することが企図される。この群は、アモキシシリン、アンピシリン、ピバンピシリン、ヘタシリン、バカンピシリン、メタンピシリン、タランピシリン、エピシリン、カルベニシリン、カリンダシリン、チカルシリン、テモシリン、アズロシリン、ピペラシリン、メズロシリン、メシリナム、ピブメシリナム、スルベニシリン、クロメトシリン、ベンザチンベンジルペニシリン、プロカインベンジルペニシリン、アジドシリン、ペナメシリン、フェノキシメチルペニシリン、プロピシリン、ベンザチンフェノキシメチルペニシリン、フェネチシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、オキサシリン、メチシリン、ナフシリン、ファロペネム、ビアペネム、エルタペネム、ドリペネム、イミペネム、メロペネム、パニペネム、セファゾリン、セファセトリル、セファドロキシル、セファレキシン、セファログリシン、セファロニウム、セファロリジン、セファロチン、セファピリン、セファトリジン、セファゼドン、セファザフル、セフラジン、セフロキサジン、セフテゾール、セファクロル、セファマンドール、セフミノクス、セフォニシド、セフォラニド、セフォチアム、セフプロジル、セフブペラゾン、セフロキシム、セフゾナム、セファマイシン、セフォキシチン、セフォテタン、セフメタゾール、カルバセフェム、ロラカルベフ、セフィキシム、セフトリアキソン、セフタジジム、セフォペラゾン、セフカペン、セフダロキシム、セフジニル、セフジトレン、セフェタメト、セフメノキシム、セフォジジム、セフォタキシム、セフピミゾール、セフピラミド、セフポドキシム、セフスロジン、セフテラム、セフチブテン、セフチオレン、セフチゾキシム、オキサセフェム、フロモキセフ、ラタモキセフ、セフェピム、セフォゾプラン、セフピロム、セフキノム、セフトビプロール、セフタロリンフォサミル、セフチオフル、セフキノム、セフォベシン、アズトレオナム、チゲモナム、カルモナム、またはノカルジシンAのいずれかを含む。アモキシシリン、アンピシリン、ピバンピシリン、ヘタシリン、バカンピシリン、メタンピシリン、タランピシリン、エピシリン、カルベニシリン、カリンダシリン、チカルシリン、テモシリン、アズロシリン、ピペラシリン、メズロシリン、メシリナム、ピブメシリナム、スルベニシリン、クロメトシリン、ベンザチンベンジルペニシリン、プロカインベンジルペニシリン、アジドシリン、ペナメシリン、フェノキシメチルペニシリン、プロピシリン、ベンザチンフェノキシメチルペニシリン、またはフェネチシリンなどのβ-ラクタマーゼ感受性抗生物質を用いる態様において、β-ラクタマーゼ阻害剤の添加がさらに企図される。
さらなる態様は、黄色ブドウ球菌において細胞壁ストレススチムロン(stimulon)(CWSS)を誘導する他の抗生物質の使用を企図し、このため、ホスホマイシン、D-シクロセリン、ツニカマイシン、バシトラシン、バンベルマイシン、バンコマイシン、モエノマイシン、テイコプラニン、リソスタフィン、およびダプトマイシンなどのvraSRを伴う。なおさらなる態様において、抗生物質は、セクロピン、アンドロピン、モリシン、セラトトキシン、メリチン、マガイニン、ダーマセプチン、ボンビニン、ブレビニン-1、エスクレンチン、およびブフォリンII、CAP18、LL37、アミド改変オビスピリン-1、およびクロルプロマジンなどのカチオン性ペプチドである。
さらなる態様は、リストセチンAおよびアボパルシンを含むがこれらに限定されるわけではないバンコマイシンに関連する糖ペプチド抗生物質の使用を企図する。なおさらなる態様は、参照により本明細書に組み入れられる、Williams & Waltho, J. Am. Chem. Soc. 111:2475-80 (1994), and Williams & Waltho, Biochem. Pharmacology 37(1):133-31 (1988)において言及されるものを含むがこれらに限定されるわけではない、バンコマイシン誘導体およびバンコマイシン群の抗生物質の使用を企図する。
追加の態様において、表9および10に記載の化合物は、抗生物質として、単独で、または抗生物質もしくは本明細書において考察される増強剤と併用して用いられることが想定される。
ある態様において、本明細書において言及した抗生物質の1つまたは複数を、本明細書において記述される任意の態様に含めることから除外することができることが企図される。
ペニシリンGは、いくつかの態様において、成人に対し600,000から1,000,000単位超の範囲の用量で投与される。ペニシリンGは、1日あたり2000万から2400万単位の用量を4〜6時間毎に分割投与される。小児の場合、ペニシリンGの用量は約50,000単位/kg/用量である。ペニシリンG 1単位は、純粋なペニシリンGナトリウム0.6μgを含む(すなわち、1mgは1667単位である)。
アモキシシリンは、成人に対し1日あたり750mgから1.5グラムの範囲の用量を3回に分割して投与されうる。小児の場合、アモキシシリンの用量は、1日あたり20から40mg/kgの範囲であり、これを3等分して投与する。アモキシシリンはまた、β-ラクタマーゼ阻害剤であるクラブラン酸と併用して利用可能である。併用薬アモキシシリン/クラブラン酸塩の250mg用量は、アモキシシリン250mgと、クラブラン酸125mgまたは62.5mgのいずれかを含む。併用薬は、好ましくは、成人に対し1日あたり750mgの用量を3等分して8時間毎に経口投与され、重度の感染症では1日あたり1.5gの用量を3等分して投与される。小児では、経口用量は、1日あたり20から40mg/kgであり、これを3等分して投与する。
いくつかの態様において、アンピシリンは、重度の感染症に関して、成人に対し1日あたり6から12グラムの用量を3から4等分して投与される。小児では、アンピシリンの用量は、1日あたり50から200mg/kgであり、これを3から4等分して投与する。小児の場合400mg/kg/日まで、または成人の場合12グラム/日までの高用量を投与してもよい。アンピシリンはまた、β-ラクタマーゼ阻害剤であるスルバクタムと併用して利用可能である。アンピシリン/スルバクタム各1.5グラム用量は、アンピシリン1グラムとスルバクタム0.5グラムとを含む。併用薬は、好ましくは、成人に対し1日あたり6から12グラムの用量を4等分して6時間毎に投与されるが、全体で1日あたり12グラムを超えない。
ある態様において、アズロシリンは、典型的に、成人に対し1日あたり8から18グラムの用量を4から6等分して投与される。
さらなる態様において、カルベニシリンは、成人に対し1日あたり30から40グラムの用量を連続注入によって投与されるか、または4から6等分して投与される。生命を脅かす感染症を有する小児を処置する場合には、600mg/kgまでの1日量が用いられている。
メズロシリンは、いくつかの態様において、成人に対し1日あたり100から300mg/kgの用量を4から6等分して投与される。通常の用量は16から18グラム/日であるが、生命を脅かす感染症の場合、350mg/kg/日を投与してもよいが、用量は、6等分して4時間毎に投与される24グラム/日を超えてはならない。小児の場合、メズロシリンの用量は、1日あたり150から300mg/kgである。
ナフシリンは、いくつかの態様において、1日あたり3グラムの用量を6等分して4時間毎に静脈内投与されるが、非常に重度の感染症の場合には、用量を倍加する。通常の投与において、ナフシリンは、グラム陽性生物に対して非常に有効である。小児では、追加の態様において、用量は、1日あたり20から50mg/kgであり、これを2等分して12時間毎に投与する。ナフシリンの経口用量は、いくつかの態様において、1日あたり1グラムから6グラムの範囲であり、これを4から6回に分割投与する。
オキサシリンは、ある態様において、成人に対し1日あたり2から12グラムの用量を4から6等分して投与される。通常の投与において、オキサシリンは、グラム陽性生物に対して非常に有効である。小児では、オキサシリンは、100から300mg/kg/日の用量で投与される。
ピペラシリンは、成人に対し100mg/kgまたは6グラム/日の2から4等分の分割用量から、最高で24グラム/日の4から6等分の分割用量の範囲の用量で投与される。重篤な有害効果を生じることなく、より高用量が用いられている。
チカルシリンは、成人に対し4グラム/日から18グラム/日の範囲の用量を4から6等分して分割投与される。通常の用量は200から300mg/kg/日である。小児の場合、チカルシリンの典型的な用量は、50mg/kg日から300mg/kg日の範囲であり、これを3、4、または6等分して投与する。チカルシリン/クラブラン酸の併用薬は、成人に対し1日あたり200から300mg/kg(チカルシリンの含有量に基づく)の用量を4から6等分して投与される。成人の場合、通常の用量は、4から6時間毎に3.1グラム(チカルシリン3グラムとクラブラン酸100mgとを含む)である。併用はまた、チカルシリン3グラムとクラブラン酸200mgとを含む3.2グラムの用量でも利用可能である。
追加の態様において、方法および組成物は、セファマンドールに関し、セファマンドールは、成人に対し1日あたり1.5グラムを3等分した8時間毎の分割用量から、生命を脅かす感染症の場合には1日あたり12グラムを6等分した4時間毎の分割用量の範囲の用量で投与される。小児では、セファマンドールは典型的に、1日あたり50から150mg/kgの範囲の用量を3から6等分して投与されるが、1日あたりの全量は12グラムを超えない。
セファゾリンは、いくつかの方法において、成人に対し1日あたり750mgの用量を3等分して8時間毎に投与される。重度の生命を脅かす感染症において、セファゾリンは、1日あたり6グラムの用量を4等分して6時間毎に投与されうるが、まれな例において、1日あたり12グラムまでが用いられている。小児では、セファゾリンの用量は、1日あたり20から50mg/kgであり、これを3または4等分して分割投与されるが、重度の感染症では1日あたり100mg/kgが投与される。
さらなる態様において、方法および組成物はセフォニシドに関し、セフォニシドは、成人に対し500mgの1日1回から、生命を脅かす感染症の場合には2グラムの1日1回の範囲の用量で投与される。筋肉内投与の場合、2グラム用量を1グラム注射2回に分割すべきである。
いくつかの方法において、セフォペラゾンは、成人に対し1日あたり2グラムを2等分した12時間毎の分割用量から、重度の感染症の場合には1日あたり12グラムを2、3、または4等分した分割用量の範囲の用量で投与される。1日あたり16グラムまでの用量が、合併症を生じることなく投与されている。
ある態様において、方法および組成物はセフォテタンに関し、セフォテタンは、成人に対し1日あたり1から4グラムを2等分して12時間毎に投与される。セフォテタンは、生命を脅かす感染症の場合にはより高用量で投与されうるが、全量は1日あたり6グラムを超えてはならない。
セフォタキシムは、ある態様において、成人に対し1日あたり1から12グラムの範囲の用量で投与されるが、生命を脅かす感染症の場合には1日あたり12グラム(2グラムを4時間毎)を超えない。小児では、セフォタキシムの非経口用量は、50から180mg/kgであり、これを4から6等分して投与する。
他の態様において、セフォキシチンは、成人に対し1日あたり3から12グラムの範囲の用量を、3、4、または6等分して投与される。小児では、セフォキシチンは、1日あたり80から160mg/kgの用量を4から6等分して投与されるが、総用量は1日あたり12グラムを超えない。
追加の態様において、方法および組成物はセフタジジムに関し、セフタジジムは、成人に対し1日あたり500mgの2から3等分の分割用量(8または12時間毎)から1日あたり最高で6グラムの範囲の用量で投与される。小児では、セフタジジムは、30から50mg/kg、最高で6グラム/日の用量で静脈内投与される。
いくつかの場合において、セフチゾキシムは、ある態様において、成人に対し1日あたり1グラムを2等分した12時間毎の分割投与から、生命を脅かす感染症の場合には1日あたり12グラムを3等分した8時間毎の分割投与の範囲の用量で投与される。成人の通常用量は1から2グラムを8または12時間毎である。小児の場合、非経口用量は、50mg/kgの6または8時間毎であるが、いくつかの態様において総1日量は200mg/kgである。
セフトリアキソンは、追加の態様において、成人に対し1日あたり1から2グラムの範囲の用量を2等分して12時間毎に非経口投与される。セフトリアキソンをより高用量で投与してもよいが、総1日量は4グラムを超えてはならない。小児では、セフトリアキソンの用量は、1日あたり50から75mg/kg体重であり、2グラム/日を超えない。セフトリアキソンを1日あたり100mg/kgの用量で投与してもよいが、4グラム/日を超えてはならない。
さらなる態様において、セフロキシムは、成人に対し1日あたり2.25から4.5グラムの範囲の用量を3等分して8時間毎に投与される。生命を脅かす感染症の場合、1日あたり6グラムを4等分して6時間毎に投与してもよく、髄膜炎の場合、1日あたり9グラムを3等分して8時間毎に投与してもよい。小児の場合、セフロキシムの用量は、1日あたり50から150mg/kgを3から4等分する分割用量であるか、または240mg/kg/日である。
セファレキシンは、経口投与のために調合され、時に成人に対し1日あたり1から4グラムの範囲の用量を2から4等分して経口投与される。小児の場合、用量は、1日あたり20から50mg/kgの分割用量でありうるが、重度の感染症の場合には用量を倍加してもよい。
セファロチンは、通常、成人に対し1日あたり8から12グラムの用量で投与される。
ホスホマイシンは、経口または非経口投与される。経口製剤において、ホスホマイシンは、3〜4オンスの水と混合した3グラムの1回量として投与され、これを毎日投与してもよい。ホスホマイシンはまた、2から4グラムの範囲の用量を毎日静脈内もしくは筋肉内投与してもよく、または場合によっては16グラムまでを毎日投与してもよい。
D-シクロセリンは、小児および成人に対し10から15ミリグラム/キログラムの範囲の用量で毎日経口投与され、成人の場合、通常500〜750ミリグラムが投与される。
バシトラシンは、表層部感染症を処置するために、成人に対し3〜4時間毎に5〜7日間表面投与される。バシトラシンはまた、小児および乳児に対し900〜1000国際単位/kg/日を通常、分割して筋肉内注射により投与されうる。
バンコマイシンは、典型的に、成人に対し1日あたり30〜45mg/kgの範囲の用量で脈管内注射により投与される。バンコマイシンは、2から4回に分割して毎日投与されうる。バンコマイシンは、また、25〜30ミリグラム/キログラムのより高い負荷用量で投与されうる。バンコマイシンはさらに、500mgから2グラムまでの範囲の用量で毎日経口投与されうる。小児において、バンコマイシンは、1日あたり15〜45ミリグラム/キログラムの範囲の用量で脈管内投与され、および1日あたり40ミリグラム/キログラムの用量で、しばしば1日最高量2グラムで経口投与されうる。
ダプトマイシンは、成人に対し1日あたり6〜8ミリグラム/キログラムの範囲の用量で脈管内投与される。
全組成物は、抗生物質増強剤と呼ばれうる第二の化合物と共に治療的有効量の各抗生物質を含む。特異的量は、用いられる抗生物質および他の化合物、処置される疾患または感染症、および組成物が投与される1日の回数に依存する。
抗生物質増強剤は、ブドウ球菌感染症などの細菌感染症を処置または阻害するために抗生物質と共に用いられる化合物または物質を意味する。これらの化合物は、抗生物質に結合して、細菌に及ぼす抗生物質の阻害効果を増加させる。態様には、本明細書における実施例2に開示されるアッセイなどのインビトロアッセイにおいて細菌の増殖を阻害する抗生物質の能力を、この別の化合物の非存在下での抗生物質と比較して、約、少なくとも約、または多くて約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7. 3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5、19.0. 19.5、20.0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、400、410、420、425、430、440、441、450、460、470、475、480、490、500、510、520、525、530、540、550、560、570、575、580、590、600、610、620、625、630、640、650、660、670、675、680、690、700、710、720、725、730、740、750、760、770、775、780、790、800、810、820、825、830、840、850、860、870、875、880、890、900、910、920、925、930、940、950、960、970、975、980、990、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500、3600、3700、3800、3900、4000、4100、4200、4300、4400、4500、4600、4700、4800、4900、5000、6000、7000、8000、9000、10000倍、またはこれらから導出可能な任意の範囲の量で増加させる抗生物質増強剤または他の化合物が含まれる。
本態様は、例えばオキサシリンなどの抗生物質と併用して用いることができる多数の化合物に関する。例えば、クロミフェン、ゴシポール、メナジオン、またはピルビニウム、またはそのプロドラッグもしくは塩は、本明細書において提供される方法および組成物において個別に、または1つもしくは複数の抗生物質と共に集合的に用いられうる。他の態様において、オレアンドマイシンまたはノルフロキサシン、またはそのプロドラッグもしくは塩は、本明細書において提供される方法および組成物において個別に、または1つもしくは複数の抗生物質と共に集合的に用いられうる。他の態様において、表7、8、および11に記載の化合物は、本明細書において提供される方法および組成物において1つまたは複数の抗生物質の増強剤として用いられうる。なおさらなる態様において、以下に記述される一般式IからVに従う化合物は、本明細書において提供される方法および組成物において個別に、または1つもしくは複数の抗生物質と共に集合的に用いられうる。
いくつかの態様において、増強剤は、一般式Iによって表される化合物、またはその互変異性体もしくは薬学的に許容される塩である:
式中、Xはメチレン、NH、酸素、イオウ、またはカルボニルであり;nは1から4の整数であり;YはCHまたは窒素であり;R
1およびR
2は各々独立して水素またはアルキルであり;R
3およびR
4は各々独立して、水素、ハロゲン、アルキル、複素環、またはアリールであり;R
5、R
6、R
7、R
8、およびR
9は各々独立して、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、チオール、チオエーテル、アミン、またはアルキルアミンであり;R
10、R
11、R
12、およびR
13は、各々独立して、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、チオール、チオエーテル、アミン、またはアルキルアミンである。
ある例において、一般式Iに従う増強剤は、クロミフェン、クロミフェンクエン酸塩、Clomifert(Clomid、Serophene、およびMilopheneとして市販されている)としても知られるクロミフェン(2-(4-(2-クロロ-1,2-ジフェニルエテニル)フェノキシ)-N,N-ジエチル-エタンアミン)であり、これは視床下部でのネガティブフィードバックの阻害を通して性腺刺激ホルモンの産生を促進する選択的エストロゲン受容体調整剤(SERM)である。ある状況において、クロミフェンは、女性の不妊症の処置において排卵誘発剤として用いられる。加えて、クロミフェンは、テストステロン補充療法の代替として男性の性腺機能低下症を処置するために用いられている。クロミフェンは、現在、ジェネリック薬であるが、エンクロミフェンは、男性において用いるために商品名Androxalとして現在開発中のその1つの異性体である。いくつかの態様において、クロミフェンまたはその異性体を患者に、200mg/日までの用量で投与することが想定される。他の態様において、クロミフェンまたはその異性体を10mgから200mg/日の用量で患者に投与することが想定される。
クロミフェンの構造
いくつかの態様において、増強剤は、一般式IIで表される化合物、またはそのラセミ化合物、薬学的に許容される塩、もしくは互変異性体である:
式中、R
1、R
2、R
5、R
6、R
7、およびR
10は、各々独立して水素、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、エーテル、アルコキシ、アシル、チオール、チオエーテル、アミン、またはアルキルアミンであり;ならびにR
3、R
4、R
8、およびR
9は各々独立して水素、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、エーテル、アルコキシ、アシル、チオール、チオエーテル、アミン、またはアルキルアミンである。
ある状況において、一般式IIに従う増強剤は、ゴシポール(2,2'-ビス(ホルミル-1,6,7-トリヒドロキシ-5-イソプロピル-3-メチルナフタレン))であり、これはワタ植物に由来する天然のフェノール性アルデヒドである。ゴシポールは、いくつかのデヒドロゲナーゼ酵素の阻害剤として作用して、男性において避妊特性を有し、抗マラリア剤としても作用する。ゴシポールは、アポトーシスを促進し、可能性がある化学療法剤として試験されている。加えて、ゴシポールは、カルシニューリンを阻害し、HIV-1ウイルスの複製を阻害し、低カリウムレベルを引き起こし、有効なタンパク質キナーゼD阻害剤である。いくつかの態様において、ゴシポールまたはその関連するアリールホルムアルデヒド(ダムナカンタールおよびピリドキサル)を50mg/日までの用量で患者に投与することが想定される。他の態様において、ゴシポールまたはその関連するアリールホルムアルデヒドを、5mgから40mgの用量で患者に投与することが想定される。
ゴシポールの構造
いくつかの態様において、増強剤は、一般式IIIで表される化合物、またはそのラセミ化合物、薬学的に許容される塩、互変異性体、またはその幾何異性体である:
式中R
1は、CHまたはNであり;R
2はCまたはNであり;R
3およびR
4は各々独立して水素、アルキル、またはハロゲンであり;R
5は、アルキルまたはアリールであり;R
6は、水素またはアルキルであり;ならびにR
7は水素、アルキル、アシル、ハロアルキル、ハロゲン、複素環、アミン、アルキルアミン、ヒドロキシル、アルコキシ、エーテル、チオール、またはチオエーテルである。
ある例において、一般式IIIに従う増強剤は、ピルビニウム(2-[(E)-2-(2,5-ジメチル-1-フェニルピロル-3-イル)エテニル]-N,N,1-トリメチルキノリン-1-イウム-6-アミン)であり、これは蟯虫症(蟯虫)を処置するために一般的に用いられる抗蟯虫特性を有する化合物である。ピルビニウムはまた、β-カテニンのリン酸化の刺激を通して、Wnt/β-カテニン経路を阻害することも示されている。いくつかの態様において、ピルビニウムを6mg/kg体重までの用量で患者に投与することが想定される。他の態様において、ピルビニウムを1mgから5mg/kg体重の用量で患者に投与することが想定される。
ピルビニウムの構造
いくつかの態様において、増強剤は、一般式IVで表される化合物である:
式中、R
1は、メチレンまたは酸素であり;R
2はメチレン、酸素、または窒素であり;R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、およびR
14は、各々独立して水素、アルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、アミン、アルキルアミン、またはハロゲンであり;R
15、R
16、R
17、およびR
18は各々独立してメチレン、酸素、カルボニル、またはNHであり;R
19はメチレンまたは酸素であり;ならびにR
20はメチレン、酸素、またはNHである。
ある例において、一般式IVに従う増強剤は、オレアンドマイシン(3R,5R,6S,7R,8R,11R,12S,13R,14S,15S)-14-((2S,3R,4S,6R)-4-(ジメチルアミノ)-3-ヒドロキシ-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)-6-ヒドロキシ-12-((2R,4S,5S,6S)-5-ヒドロキシ-4-メトキシ-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)-5,7,8,11,13,15-ヘキサメチル-1,9-ジオキサスピロ[2.13]ヘキサデカン-4,10-ジオン)であり、これはストレプトミセス・アンチバイオチクス(Streptomyces antibioticus)株から産生される天然の14員環マクロライド系抗生物質である。いくつかの態様において、オレアンドマイシンまたはその関連エステルであるトリアセチルオレアンドマイシンを、2g/日までの用量で患者に投与することが想定される。他の態様において、オレアンドマイシンまたはその関連エステルであるトリアセチルオレアンドマイシンを、0.1gから2gの用量で患者に投与することが想定される。
オレアンドマイシンの構造
いくつかの態様において、増強剤は、一般式Vで表される化合物である:
式中、R
1は、CHまたはNであり;R
2は水素、アルキル、またはアシルであり;R
3は、水素、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、複素環、カルボン酸、エステル、またはアシルであり;R
4は、メチレン、酸素、イオウ、またはNHであり;R
5は、水素、ハロゲン、アルキル、ヒドロキシル、エーテル、アルコキシ、アシル、チオール、チオエーテル、アミン、またはアルキルアミンであり;ならびにR
6は水素、アルキル、複素環、アシル、N-アシル、N-スルホニル、アミン、またはアルキルアミンである。
ある例において、一般式Vに従う増強剤は、ノルフロキサシン、1-エチル-6-フルオロ-4-オキソ-7-ピペラジン-1-イル-1H-キノリン-3-カルボン酸であり、これは第1世代の合成フルオロキノロン(キノロン)系化学療法抗細菌剤である。ノルフロキサシンは、時に、尿路感染症を処置するために用いられる。いくつかの態様において、ノルフロキサシンを2g/日までの用量で患者に投与することが想定される。他の態様において、ノルフロキサシンを0.1gから0.7gの用量で患者に投与することが想定される。さらなる態様において、ノルフロキサシンを400mgまでの用量で12時間毎に患者に投与することが想定される。
ノルフロキサシンの構造
メナジオン(2-メチルナフタレン-1,4-ジオン)は、メナフトン、ビタミンK3、β-メチル-1,4-ナフトキノン、2-メチル-1,4-ナフトジオン、および2-メチル-1,4-ナフトキノンとしても知られ、ビタミンK活性を有する合成化学化合物であり、しばしばプロビタミンと呼ばれる。メナジオンは、ごく最近、前立腺癌において実験的に化学療法剤として用いられており、家畜およびペットの微量養分として用いられている。いくつかの態様において、メナジオンまたはその関連アナログを、100mg/kg体重までの用量で患者に投与することが想定される。他の態様において、メナジオンまたはその関連アナログを、0.1mgから50mg/kg体重の用量で患者に投与することが想定される。
メナジオンの構造
III.用量、製剤、および投与様式
多様な方法および組成物が、vraSRオペロンの発現を阻害または妨害する物質などの抗生物質増強剤と共に、1つまたは複数の抗生物質を用いて細菌感染症を阻害、予防、または処置するために企図される。特定の態様において、増強剤は、低分子化合物である。ブドウ球菌感染症などの細菌感染症を阻害または処置するために用いることができる組成物は、以下の物質の1つまたは複数を含みうる:第一の抗生物質、抗生物質増強剤、第二の抗生物質、細菌ワクチン、アジュバント、またはその組み合わせ。溶液または組成物はまた、それ自身が活性成分であってもよく、活性成分でなくてもよい追加の成分を有しうることが企図される。いくつかの態様において、組成物は、約、少なくとも約、または多くて約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7. 3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5、19.0. 19.5、20.0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、400、410、420、425、430、440、441、450、460、470、475、480、490、500、510、520、525、530、540、550、560、570、575、580、590、600、610、620、625、630、640、650、660、670、675、680、690、700、710、720、725、730、740、750、760、770、775、780、790、800、810、820、825、830、840、850、860、870、875、880、890、900、910、920、925、930、940、950、960、970、975、980、990、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500、3600、3700、3800、3900、4000、4100、4200、4300、4400、4500、4600、4700、4800、4900、5000、6000、7000、8000、9000、10000ミリグラム(mg)もしくはマイクログラム(μg)、またはmg/mlもしくはμg/mlの先に同定された物質、または物質もしくは成分の組み合わせ、またはこれらから導出可能な任意の範囲を含む。
ある態様において、対象は、約、少なくとも約、または多くて約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7. 3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5、19.0. 19.5、20.0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、400、410、420、425、430、440、441、450、460、470、475、480、490、500、510、520、525、530、540、550、560、570、575、580、590、600、610、620、625、630、640、650、660、670、675、680、690、700、710、720、725、730、740、750、760、770、775、780、790、800、810、820、825、830、840、850、860、870、875、880、890、900、910、920、925、930、940、950、960、970、975、980、990、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500、3600、3700、3800、3900、4000、4100、4200、4300、4400、4500、4600、4700、4800、4900、5000、6000、7000、8000、9000、10000ミリグラム(mg)またはマイクログラム(μg)、またはμg/kg、またはマイクログラム/kg/分、またはmg/kg/分、またはマイクログラム/kg/時間、またはmg/kg/時間、またはこれらから導出可能な任意の範囲の、第一の抗生物質、抗生物質増強剤、第二の抗生物質、細菌ワクチン、アジュバント、またはその組み合わせなどの化合物を投与される。加えて、対象は、先の段落に記述される溶液または組成物を投与されうる。
ある態様において、対象は、約、少なくとも約、または多くて約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7. 3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5、17.0、17.5、18.0、18.5、19.0. 19.5、20.0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、400、410、420、425、430、440、441、450、460、470、475、480、490、500、510、520、525、530、540、550、560、570、575、580、590、600、610、620、625、630、640、650、660、670、675、680、690、700、710、720、725、730、740、750、760、770、775、780、790、800、810、820、825、830、840、850、860、870、875、880、890、900、910、920、925、930、940、950、960、970、975、980、990、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3100、3200、3300、3400、3500、3600、3700、3800、3900、4000、4100、4200、4300、4400、4500、4600、4700、4800、4900、5000、6000、7000、8000、9000、10000ミリグラム(mg)またはマイクログラム(μg)、またはμg/kg、またはマイクログラム/kg/分、またはmg/kg/分、またはマイクログラム/kg/時間、またはmg/kg/時間、またはこれらから導出可能な任意の範囲のオキサシリンまたはバンコマイシンを投与される。
用量は、必要に応じて、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、もしくは24時間(またはこれらから導出可能な任意の範囲)毎に、または1日1、2、3、4、5、6、7、8、もしくは9回(またはこれらから導出可能な任意の範囲)投与されうる。用量は、感染症の徴候が示されるまたは感染症の徴候を患者が感じる前もしくは後に、または医師が感染症に関して患者を評価した後に、初めて投与されうる。いくつかの態様において、患者は、患者が感染症の徴候または症状を経験または示した後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12時間(またはこれらから導出可能な任意の範囲)、または1、2、3、4、もしくは5日目に、治療計画の最初の用量を投与される(またはこれらから導出可能な任意の範囲)。患者は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10日間もしくはそれより長い間(またはこれらから導出可能な任意の範囲)、または感染症の症状が消失もしくは減少するまで、または感染症の症状が消失もしくは減少した6、12、18もしくは24時間後、または1、2、3、4、もしくは5日後に処置されうる。その上、抗生物質などの1つの化合物の用量は、抗生物質増強剤の前、同時、および/または後に送達されうる。ある態様において、第一の抗生物質、抗生物質増強剤、第二の抗生物質、細菌ワクチン、および/またはアジュバントが少なくとも1つの用量に関して個別におよび/または異なる時期に対象に投与される場合、互いの投与間隔は、10、20、30、40、50分もしくは約10、20、30、40、50分(またはこれらから導出可能な任意の範囲)、および/または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12時間もしくは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12時間(またはこれらから導出可能な任意の範囲)、または1、2、3、4、もしくは5日、もしくは約1、2、3、4、もしくは5日(またはこれらから導出可能な任意の範囲)である。ある態様において、抗生物質は、抗生物質増強剤と共に、または抗生物質増強剤の前に、約、もしくは最大で約、もしくは多くて約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、または180分(またはこれらから導出可能な任意の範囲)などの時間に投与される。
オキサシリンまたはバンコマイシンの用量は、必要に応じて、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、もしくは24時間(またはこれらから導出可能な任意の範囲)毎に、または1日1、2、3、4、5、6、7、8、もしくは9回(またはこれらから導出可能な任意の範囲)投与されうる。オキサシリンまたはバンコマイシンの用量は、感染症の徴候が示されるまたは感染症の徴候を患者が感じる前または後に、または医師が感染症に関して患者を評価した後に、初めて投与されうる。いくつかの態様において、患者は、治療計画の最初の用量を、患者が感染症の徴候または症状を経験または示した後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12時間(またはこれらから導出可能な任意の範囲)、または1、2、3、4、もしくは5日目(またはこれらから導出可能な任意の範囲)に投与される。患者は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10日もしくはそれより長い間(またはこれらから導出可能な任意の範囲)、または感染症の症状が消失もしくは減少するまで、または感染症の症状が消失もしくは減少した6、12、18もしくは24時間、または1、2、3、4、もしくは5日後に処置されうる。その上、オキサシリンまたはバンコマイシンの用量は、抗生物質増強剤の前に、同時に、および/または後に送達されうる。ある態様において、第一の抗生物質、抗生物質増強剤、第二の抗生物質、細菌ワクチン、および/またはアジュバントが少なくとも1つの用量に関して個別におよび/または異なる時期に対象に投与される場合、互いの投与間隔は、10、20、30、40、50分、もしくは約10、20、30、40、50分(またはこれらから導出可能な任意の範囲)、および/または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12時間もしくは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12時間(またはこれらから導出可能な任意の範囲)、または1、2、3、4、もしくは5日、もしくは約1、2、3、4、もしくは5日(またはこれらから導出可能な任意の範囲)である。ある態様において、オキサシリンまたはバンコマイシンは、抗生物質増強剤と共にまたは抗生物質増強剤の前に、約、または最大で約、または多くて約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、または180分(またはこれらから導出可能な任意の範囲)などの時間で投与される。
抗生物質は、例えば以下の投与経路のいずれか1つによって投与されうる:非経口、静脈内、表面、眼内、鼻内、直腸、膣、皮下、筋肉内、動脈、舌下、経粘膜、経皮、または経口投与。
抗生物質組成物は、多様な投与経路によって投与するために調合されうる。例えば、抗生物質産物は、表面投与、眼または耳への投与、直腸または膣投与、点鼻液として、吸入によって、注射剤として、または経口投与に適した様式で調合されうる。ある態様において、抗生物質産物は、経口投与に適するように調合される。
例えば、皮膚への適用などの表面投与のために抗生物質産物を調合する場合、その各々が抗生物質を含む少なくとも2つの異なる投与剤形は、そのような投与剤形を水中油型エマルションまたは油中水型エマルションに含めることによって表面投与のために調合されうる。そのような製剤において、即時放出投与剤形は連続相に存在し、遅延放出投与剤形は不連続相に存在する。製剤はまた、本明細書において先に記述した3つの投与剤形を送達するための様式で産生されうる。例えば、油が即時放出成分を含む連続相であり、水が第一の遅延放出投与剤形を含む油中に分散され、油が第三の遅延溶出投与剤形を含む水中に分散される、油中水中油型エマルションが提供されうる。
本明細書において先に記述した異なる放出プロファイルを有する抗生物質投与剤形を含むパッチの剤形での抗生物質産物を提供することもまた、本態様の範囲内である。
加えて、抗生物質産物は、眼または耳または鼻で用いるために、例えば液体エマルションとして調合されうる。例えば、投与剤形は、投与剤形がエマルションの油相に存在する疎水性ポリマーでコーティングされてもよく、投与剤形は、投与剤形がエマルションの水相に存在する親水性ポリマーでコーティングされてもよい。
さらに、異なる放出プロファイルを有する抗生物質を、当技術分野において公知のように直腸または膣投与のために調合してもよい。これは、クリームもしくはエマルションの剤形をとってもよく、または表面投与のために用いられる投与剤形と類似の他の溶解可能な投与剤形をとってもよい。
さらなる態様として、抗生物質産物は、粒子をコーティングして、吸入のために粒子を微粉化することによって、吸入治療において用いるために調合されうる。
いくつかの態様において、抗生物質産物は、経口投与に適した様式で調合される。このため、例えば経口投与の場合、投与剤形の各々は、ペレットまたは粒子として用いられ、ペレットまたは粒子は例えば、カプセル中で単位製剤に形成されるか、または錠剤に埋め込まれるか、または経口投与のために液体に懸濁されうる。
または、経口送達系を調合する場合、産物の投与剤形の各々を錠剤として調合して、錠剤の各々をカプセルに入れて、単位抗生物質産物を産生してもよい。このため、例えば、抗生物質産物は、即時放出錠である錠剤の剤形の第一の投与剤形を含んでもよく、同様にその各々が抗生物質の遅延放出を提供する2つまたはそれより多くの追加の錠剤を含んでもよい。
異なる投与経路に関して異なる放出プロファイルを有する少なくとも3つの投与剤形を含む抗生物質産物の調合は、本明細書における教示から当業者の範囲内であると認められる。当技術分野において公知であるように、遅延放出に関して、放出時間は、コーティング中の抗生物質の濃度および/またはコーティングの厚さによって制御することができる。
即時放出成分のために抗生物質に添加される材料は、結晶セルロース、コーンスターチ、α化デンプン、ジャガイモデンプン、コメデンプン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、キトサン、ヒドロキシキトサン、ヒドロキシメチル化キトサン、架橋キトサン、架橋ヒドロキシメチルキトサン、マルトデキストリン、マンニトール、ソルビトール、デキストロース、マルトース、フルクトース、グルコース、レブロース、スクロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、アクリル酸誘導体(Carbopol、Eudragit等)、低分子量PEG(PEG2000〜10000)および分子量20,000ダルトン超の高分子量PEG(Polyox)などのポリエチレングリコールでありうるが、これらに限定されるわけではない。これらの材料が1.0から60重量%の範囲で存在することが有用でありうる。
加えて、この系における他の成分が、摂取または投与後の薬物の溶解を助ける、または成分の分解を助けることが有用でありうる。これらの成分は、ラウリル硫酸ナトリウム、モノグリセリン酸ナトリウム、モノオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノ酪酸グリセリルなどの界面活性剤、Piuronic系界面活性剤などの非イオン性界面活性剤の1つ、または表面活性特性を有する他の任意の材料、または上記の任意の組み合わせでありうる。これらの材料は0.05〜15重量%の割合で存在しうる。
ある態様において、遅延放出成分が存在する。この組成物中の成分は、同じ即時放出単位であるが、追加のポリマーが組成物に組み入れられるかまたはペレットもしくは顆粒の上にコーティングとして組み入れられる。
本態様のこの成分に適した放出の遅延を得るために用いることができる材料は、分子量4,000ダルトン超(Carbowax、Polyox)のポリエチレングリコール(PEG)、白色ロウまたは蜜ロウなどのロウ、パラフィン、アクリル酸誘導体(Eudragit)、プロピレングリコール、およびエチルセルロースでありうるがこれらに限定されるわけではない。
典型的に、これらの材料は、この成分の0.5〜25重量%の範囲で存在しうる。
腸溶組成物として、成分は、即時放出成分と同じであるが、追加のポリマーが組成物に組み入れられるか、またはペレットもしくは顆粒の上にコーティングとして組み入れられる。
この目的に有用な種類の材料は、酢酸フタル酸セルロース、Eudragit L、および他のセルロース誘導体のフタル酸塩が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。これらの材料は4〜20重量%の濃度で存在しうる。
薬学的組成物およびキット
適した調製物、例えば本明細書において記述される物質の実質的に純粋な調製物を、薬学的に許容される担体、希釈剤、溶媒、賦形剤等と混合して、適切な薬学的組成物を産生してもよい。それゆえ、本態様は、(i)抗生物質増強剤と、(ii)薬学的に許容される担体または賦形剤とを含む、対象に投与するための多様な薬学的組成物を提供する。本態様はさらに、(i)抗生物質増強剤、(ii)その活性が化合物によって増強される抗生物質、および(iii)薬学的に許容される担体または賦形剤を含む薬学的に許容される組成物を提供する。本態様はさらに、単位投与剤形を対象に投与した場合に、抗生物質増強剤が抗生物質を増強するように既定量が選択される、既定量の抗生物質と、既定量の抗生物質増強剤とを含む薬学的に許容される単位投与剤形を提供する。
さらに、本態様の任意の増強剤の薬学的に許容される誘導体(例えば、プロドラッグ)を含む薬学的に許容される組成物が提供され、誘導体とは、レシピエントに投与した場合に、増強剤を直接または間接的に提供することができる、増強剤の任意の非毒性の塩、エステル、エステルの塩、または他の誘導体を意味する。広く多様な適切な薬学的に許容される塩が当技術分野において周知である。例えば、S. M. Bergeらは、参照により本明細書に組み入れられる、J. Pharmaceutical Sciences, 66:1, 1977において薬学的に許容される塩について詳細に記述している。本態様の化合物の薬学的に許容される塩には、適した無機および有機の酸および塩基から誘導される塩が含まれる。
「薬学的に許容される担体、賦形剤、または媒体」という用語は、調合される物質の薬理活性を無効にしない非毒性の担体、賦形剤、または媒体を意味する。本態様の組成物において用いられうる薬学的に許容される担体、賦形剤、または媒体には、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウムなどの塩または電解質、ポリビニルピロリドン、セルロース骨格の物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ロウ、ポリエチレン-ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。薬学的投与と適合性の溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤およびその他を含めてもよい。補助活性化合物、例えば処置される疾患もしくは臨床状態に対して独立して活性である化合物、または化合物の活性を増強する化合物もまた、組成物に組み入れることができる。
本態様の物質の薬学的に許容される塩には、薬学的に許容される無機および有機の酸および塩基から誘導される塩が含まれる。適した酸性塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、蟻酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パルモエート、ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、およびウンデカン酸塩が挙げられる。それ自身は薬学的に許容性ではないシュウ酸などの他の酸を、本態様の化合物およびその薬学的に許容される酸付加塩を得るための中間体として有用な塩の調製に使用してもよい。
薬学的組成物は、その意図される投与経路と適合性であるように調合される。非経口投与(例えば、静脈内)、筋肉内、皮内、または皮下適用のために用いられる溶液または懸濁液は、以下の成分を含みうる:注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の合成溶媒などの滅菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗細菌剤;アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩、またはリン酸塩などの緩衝剤;ならびに塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの等張性調節剤。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸または塩基によって調節することができる。非経口調製物は、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジ、または多用量バイアルに封入されうる。
注射での使用に適した薬学的組成物は典型的に、滅菌水溶液(水溶性の場合)または分散液、および滅菌注射用溶液または分散液を即時調製するための滅菌粉末を含む。静脈内投与の場合、適した担体には、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF, Parsippany, N.J.)、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、またはリンゲル液が挙げられる。
滅菌の固定油は、溶媒または懸濁媒体として簡便に使用される。この目的に関して、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の無刺激固定油が用いられうる。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体などの脂肪酸は、オリーブ油またはヒマシ油、特にそのポリオキシエチル化型などの天然の薬学的に許容される油と同様に、注射剤の調製において有用である。これらの油性溶液または懸濁液はまた、エマルションおよび懸濁液を含む薬学的に許容される投与剤形の調合において一般的に用いられるカルボキシメチルセルロースまたは類似の分散剤などの長鎖アルコール希釈剤または分散剤を含みうる。Tween、Spanなどの他の一般的に用いられる界面活性剤、および薬学的に許容される固体、液体、または他の投与剤形の製造において一般的に用いられる他の乳化剤または生物学的利用率増強剤もまた、調合の目的のために用いてもよい。
全ての場合において、組成物は、可能であれば無菌的であるべきで、容易なシリンジ操作性が存在する程度に流動性であるべきである。
薬学的製剤は、製造および保存条件で安定であり、細菌および真菌などの微生物の混入作用に対して保存されなければならない。一般的に、適切な担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール、およびその他)を含む溶媒または分散媒体、およびその適した混合物でありうる。適切な流動性は、例えばレシチンなどのコーティングを使用することによって、分散剤の場合には必要な粒子径を維持することによって、および界面活性剤を使用することによって維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗細菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサル、およびその他によって達成されうる。多くの場合において、等張剤、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールなどの多価アルコール、または塩化ナトリウムを組成物に含めることが好ましい。注射可能な組成物の持続的な吸収は、吸収を遅らせる物質、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを組成物に含めることによってもたらされうる。経口組成物の持続的な吸収は、カプセル封入を含む様々な手段によって行われうる。
滅菌注射用溶液は、活性化合物の必要な量を、先に列挙した成分の1つまたは組み合わせと共に適切な溶媒中に組み入れた後、必要に応じて濾過滅菌することによって調製されうる。好ましい注射用溶液は、エンドトキシンを含まない。一般的に、分散剤は、基本分散培地と、先に列挙した成分からの必要な他の成分とを含む滅菌媒体に活性化合物を組み入れることによって調製される。滅菌注射用溶液の調製のための滅菌粉末の場合、調製法は、その予め濾過滅菌された溶液から活性成分プラス任意の追加の所望の成分の粉末を生じる真空乾燥または凍結乾燥である。
経口組成物は一般的に、不活性希釈剤または食用担体を含む。経口治療的投与の目的に関して、活性化合物は、賦形剤と共に組み入れられ、錠剤、トローチ剤、またはカプセル剤、例えばゼラチンカプセルの剤形で用いられうる。経口組成物はまた、マウスウォッシュとして用いるための液体担体を用いて調製することができる。薬学的に適合性の結合剤、および/または補助材料も、組成物の一部として含めることができる。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤、およびその他は、以下の成分または類似の性質の化合物のいずれかを含みうる;結晶セルロース、トラガカントゴム、もしくはゼラチンなどの結合剤;デンプンもしくはラクトースなどの賦形剤;アルギン酸、Primogel、もしくはコーンスターチなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムもしくはSterotesなどの潤滑剤;コロイダル二酸化ケイ素などのグライダント;スクロースもしくはサッカリンなどの甘味料;またはペパーミント、サリチル酸メチル、もしくはオレンジ香料などの香味料。経口送達のための製剤は、消化管内での安定性を改善するためのおよび/または吸収を増強するための物質を組み入れることが有利でありうる。
吸入投与の場合、本発明の組成物は、好ましくは適したプロペラント、例えば二酸化炭素などの気体を含む加圧容器もしくはディスペンサー、またはネブライザーからのエアロゾルスプレーの剤形で送達される。液体またはドライエアロゾル(例えば、ドライパウダー、大きい多孔性粒子等)を用いることができる。本発明の態様はまた、点鼻スプレーを用いる組成物の送達を企図する。
表面適用の場合、薬学的に許容される組成物は、1つまたは複数の担体に懸濁または溶解した活性成分を含む適した軟膏に調合されうる。本態様の化合物を表面投与するための担体には、鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ロウおよび水が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。または、薬学的に許容される組成物を、1つまたは複数の薬学的に許容される担体に懸濁または溶解した活性化合物を含む適したローションまたはクリームに調合することができる。適した担体には、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルロウ、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、および水が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
眼への局所送達に関して、薬学的に許容される組成物は、等張のpH調節滅菌食塩水中での微粉化懸濁液として、または好ましくは等張のpH調節滅菌食塩水中の溶液として、塩化ベンザルコニウムなどの保存剤と共にまたは保存剤を含まずに調合されうる。または、眼科用用途の場合、薬学的に許容される組成物は、ワセリンなどの軟膏中で調合されうる。
薬学的組成物の治療的有効量は典型的に、約0.001から100mg/kg体重、好ましくは約0.01から25mg/kg体重、より好ましくは約0.1から20mg/kg体重、およびさらにより好ましくは約1から10mg/kg、2から9mg/kg、3から8mg/kg、4から7mg/kg、または5から6mg/kg体重の範囲である。薬学的組成物は、必要に応じて、様々な間隔および異なる期間で、たとえば1日に複数回、1日1回、2日に1回、約1から10週間のあいだ、2から8週間のあいだ、約3から7週間のあいだ、約4、5、もしくは6週間等、週に1回投与することができる。当業者は、疾患または障害の重症度、これまでの処置、対象の全身健康および/または年齢、ならびに存在する他の疾患を含むがこれらに限定されるわけではないある要因が、対象を有効に処置するために必要な用量および時期に影響を及ぼしうることを認識するであろう。一般的に、本発明の組成物による対象の処置は、1回処置を含みうるが、または多くの場合において一連の処置を含みうる。一連の異なる投与の組み合わせ(すなわち、抗生物質の用量と抗生物質増強剤の用量)を用いることができると認識されるであろう。
例示的な用量は、対象または試料重量の1キログラムあたり本発明の化合物のミリグラムまたはマイクログラム量を含む(例えば、約1マイクログラム/キログラムから約500ミリグラム/キログラム、約100マイクログラム/キログラムから約5ミリグラム/キログラム、または約1マイクログラム/キログラムから約50マイクログラム/キログラム)。局所投与(例えば、鼻内)の場合、これらよりかなり低い用量を用いてもよい。さらに、適切な用量は、物質の抗力に依存して、任意で、例えば予め選択した所望の応答に達するまで用量を増加させて投与することにより、特定のレシピエントに合わせて調節されうると理解される。任意の特定の対象の特異的用量レベルは、用いられる特異的化合物の活性、対象の年齢、体重、全身健康、性別、および食事、投与時間、投与経路、排泄速度、任意の薬物併用、ならびに調節される発現または活性の程度を含む多様な要因に依存しうると理解される。
本態様はまた、例えば抗生物質増強剤とそれが増強する抗生物質との同時または連続的投与を可能にする、本発明の薬学的組成物の1つまたは複数の成分を含む1つまたは複数の容器(例えば、バイアル、アンプル、試験管、フラスコ、またはボトル)を含む薬学的パックまたはキットを含む。任意で、製剤の製造、使用、または販売を規制する政府機関によって規定された形状の注意書きをそのような容器に添付することができ、注意書きは、ヒトに投与するための製造、使用、または販売に関する当局の承認を反映している。異なる成分は、固体(例えば、凍結乾燥)または液体型で提供されうる。各成分は一般的に、そのそれぞれの容器においてアリコートにするために、または濃縮型で提供するために適している。キットはまた、凍結乾燥成分を再構成するための媒体を含みうる。キットの個々の容器は、好ましくは商業的販売のために厳重に密封して維持される。
薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸などの有機酸で形成される、またはイオン交換などの当技術分野において用いられる他の方法を用いて形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、蟻酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩、およびその他が挙げられる。
適切な塩基から誘導される薬学的に許容される塩の例には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、およびN+(C1-4アルキル)4塩が挙げられる。
代表的な薬学的に許容されるアルカリまたはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびその他が挙げられる。
さらなる薬学的に許容される塩には、必要であれば、例えばハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、およびアリールスルホン酸塩などの対イオンを用いて形成される非毒性のアンモニウム、四級アンモニウム、およびアミンカチオンが挙げられる。
生理的に許容される担体または賦形剤:本明細書において用いられる、「生理的に許容される担体または賦形剤」という用語は、活性成分の生物活性の有効性を妨害せず、それが投与される濃度で宿主に対して過度に毒性ではない担体媒体または賦形剤を意味する。この用語には、溶媒、分散媒体、コーティング、抗細菌および抗真菌剤、等張剤、吸収遅延剤、およびその他が含まれる。薬学的活性物質を調合するためのそのような媒体および物質の使用は、当技術分野において周知である(例えば、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、"Remington's Pharmaceutical Sciences", E. W. Martin, 18th Ed., 1990, Mack Publishing Co.: Easton, Pa.を参照されたい)。
IV.実施例
以下の実施例は、本発明の態様を証明するために含められる。以下の実施例に開示される技術は、本発明者らが本発明の実践において良好に機能すると発見した技術を表し、このため本発明の実践のための好ましい様式を構成すると見なすことができることは当業者によって認識されるべきである。しかし、当業者は、本開示に照らして、多くの変更を、開示の特異的態様に行ってもよく、それでもなお、本発明の精神および範囲に含まれる同様または類似の結果が得られることを認識すべきである。
実施例1−材料および方法
試験株の構築−試験株(923)は、vraSRに対するMc耐性の依存性の特徴が十分に調べられているUSA300 MRSA臨床単離体である(1,2)。vraオペロン転写のためのレポーターを作製するために、vraプロモーター(P
vra)を、EcoRIおよびBamHI制限部位(下線)を含むプライマー
を用いて株923からPCR増幅して、pXen-1(Caliper Life Sciences)においてフォトラブダス・ルミネッセンス(Photorhabdus luminescens)由来のluxABCDEオペロン(lux)の上流に存在する適合性の制限部位に挿入した。この遺伝子クラスタ(lux)は、発光に必要な全ての成分を産生し、そのため外因性の基質(3)の必要はない。ライゲーション産物を大腸菌(E coli)株TOP10(Invitrogen)に形質転換して、コロニーをアンピシリン(100μg/ml)によって選択した。得られたプラスミドを単離して、これをpPvra::luxと呼ぶ。この構築物に関してP
vraは、lux遺伝子クラスタの発現を促進する。pP
vra::luxを、制限酵素部位を含まない黄色ブドウ球菌中間宿主株RN4220(Kreiswirth)に形質転換した後、RN4220から単離して、MRSA株923に形質転換した(923pP
vra-lux)。vraプロモーターおよびlux遺伝子は、Sanger配列分析によって野生型であることを確認した。pP
vra-luxを含む株をクロラムフェニコール(Cm)の存在下で培養して、プラスミドを維持した。
試験株923 pPvra::luxのバリデーション−vra誘導および発光のためのオキサシリンの最適な濃度を、一連のオキサシリン濃度の予備試験によって選択した(図1)。簡単に説明すると、TSB(プラスミド選択のために10μg/mlクロラムフェニコールを含む)中の試験株(923pPvra-lux)の飽和終夜培養物を、0から6μg/mLオキサシリンを含む新しいTSB中に1:100倍希釈した。細胞プラスオキサシリンの浮遊液100μLを白色プラスチック製の透明底の96ウェルプレート(Costar)の各ウェルに加えて、プレートを37℃でインキュベートした。600 nmでの吸光度および発光を、マイクロプレートリーダー(Fluostar Optima, BMG)を用いて5分毎に24時間モニターした。
低分子スクリーニング−低分子ライブラリとしてPrestwick Chemical Libraryを用いた。Prestwick Chemical Libraryは、ヒトにおいて使用されたことがあって可能性がある「薬らしさ」の程度が最高であるおよそ1200種の薬物を含む。本ライブラリは、DMSO中で10mM濃度の384ウェルフォーマットで供給され、これを96ウェルドータープレートに1mM濃度となるように再播種した。
TSB(プラスミド選択のために10μg/mlクロラムフェニコールを含む)中の試験株(923pPvra-lux)の飽和終夜培養物を、新しいTSBに1:100倍希釈した。細胞浮遊液99μLおよび試験化合物1μL(DMSO中に溶解した最終濃度10μM)を96ウェルプレートに加えて、37℃でインキュベートした。530 nmでのODおよび発光を0、1、2、3、4、および24時間の時点で記録した。化合物は全てオキサシリン(2μg/mL)の存在下および非存在下で試験した。アッセイした各96ウェルプレートに関して、化合物80種を試験した。残りの16個のウェルは、TSB単独中の細胞(7個の反復実験(replicate))、オキサシリンを添加された細胞(2μg/mL、7個の反復実験)、またはブランクTSB(2個の反復実験)のいずれかを含んだ。機器の測定限界により、ライブラリの半数を毎日スクリーニングした(プレート7枚、化合物560種)。ライブラリ全体を2回スクリーニングした。一次スクリーニングにおいて同定された、実施例2に記載の基準を満たした化合物を、二次スクリーニングに供した。
二次スクリーニングにおいて、各マイクロタイタープレートは、TSB中の細胞のみ(16個の反復実験)、オキサシリンを添加された細胞(2μg/mL、31個の反復実験)、または試験化合物とオキサシリンとを添加された細胞(2μg/mL、ウェル49個)のいずれかを含んだ。各化合物を、4つの異なる生物学的反復実験でアッセイした。
qRT-PCRによるvraR阻害の確認−株923の飽和終夜培養物を新しいTSB中で1:100倍希釈して、振とうさせながら37℃で増殖させた。1時間後、試験化合物(10μM)およびオキサシリン(2μg/mL)を添加して、培養物をさらに1時間インキュベートした。リソスタフィン(Ambi、200μg/mL)と共に25℃で10分間インキュベートすることにより、細菌を溶解した。RNAを、DNアーゼによる処置を含むQiagen RNeasyキットによって精製し、cDNAを高性能cDNA Archiveキット(Applied Biosystems)を用いて生成した。qRT-PCRは、IDTから得た分子ビーコンおよびプライマーを用いて行った。具体的に、マルチプレックス反応は、vraオペロン転写を検出するためのvraRプローブ
およびプライマー
と共にgyrB内在性対照プローブ
およびプライマー
からなる。相対的定量は、ABI Prism 7300 Sequence Detection Software(バージョン1.2.3)(4)(Applied Biosystems)を用いることによって容易となる△△CT法を用いて行った。オキサシリンの非存在下で増殖させた株923は、オキサシリン誘導条件が示されない場合の比較測定条件として用いた。
実施例2−アッセイ戦略
増殖およびvraSR発現の阻害剤をスクリーニングするためのアッセイ開発−vraSRプロモーターをluxABCDEオペロンにカップリングさせることによって、本発明者らは、吸光度(OD)の関数として細胞増殖を、および発光(lux)(相対光単位(LU)で測定)の関数としてのPvraSR発現を同時にモニターすることが可能であった。増殖および/または発光の阻害剤に関してPrestwick化合物ライブラリをスクリーニングする前に、オキサシリンの至適濃度ならびにOD600およびLUを収集する時点、ならびに化合物を分類するための基準。この目的のために、細胞を96ウェルマイクロタイタープレートにおいて培養して、増殖および発光をプレートリーダーでモニターした。
CLSIガイドラインを用いる場合、株923は、16〜32μg/mLの24時間オキサシリンMICを有する(Boyle-Vavra et al.)。しかし、96ウェルフォーマットで培養する場合、株923のオキサシリンのMICは、8μg/mLであり、pPvra-luxを含む923では、オキサシリンのMICは、5μg/mLへとさらに低下した(図1A)。96ウェルフォーマットで得られたオキサシリンのMICに基づいて、本発明者らは、0から6mg/Lに及ぶ濃度のオキサシリンを添加した株923 Pvra-luxの培養物のOD600およびLUを測定した(図1)。本発明者らは、vraSR発現が誘導2時間後にその最高に達したこと(図1B)、および2μg/mLオキサシリンが、最高のvraSR発現に十分な最小濃度であったこと(図1C)を見出した。それゆえ、ライブラリを2μg/mlオキサシリンを用いてスクリーニングして、発光を2時間で記録して、OD600を24時間で記録した。
発光および増殖の阻害を定義するためのLUおよびOD600カットオフ値をそれぞれ定義するために、2μg/mlオキサシリンを添加した細胞培養物を播種したウェル49個およびオキサシリンを欠如する培養物を播種した対照ウェル49個からデータを得た。可視化を容易にするために値をビンに分配した。データは、LU(図2A)およびOD600値(図2B)の両方に関して正規分布した。カットオフ値は、平均値の上下2SDに設定した。
値をvraSR不活性(RLUは非オキサシリン対照の平均値より上に2SD未満(図2A、白い棒グラフ))、vraSR-活性(オキサシリン誘導ウェルのLUの平均値より下に2SD未満の任意の値(図2A、黒い棒グラフ))、またはvraSR-不明(他の2つのカテゴリの間に入る任意の値)のいずれかとして分類した。
細胞の増殖を判断するために、培養物を、「非阻害」または「阻害」のいずれかとして分類した。「非阻害」は、非オキサシリン培養物の平均値より下に2 SD未満の任意の値(白い棒グラフ)として定義され、「阻害」ウェルは、非オキサシリン培養物の平均値より下に<2SDの任意の値(黒い棒グラフ、ビン4〜8)を有した(図2B)。
一次スクリーニング−Prestwick Chemical Libraryを、いずれもオキサシリンの存在下および非存在下で、試験株の増殖およびvraSR誘導に及ぼすその効果に関して2回スクリーニングした。第一に、化合物を、MRSA株923の増殖に及ぼすその効果によって以下のように3つのカテゴリに分類した:(a)「一次スクリーニング増強剤」、(b)「一次スクリーニング増殖阻害剤」、または(c)「増殖の非阻害」。二つ組(duplicate)の一方において増殖「阻害剤」であったが、他方では増殖「非阻害剤」であった化合物は「阻害剤」として分類した。
112種の一次スクリーニング増強剤6)の中で、21個が公知の抗生物質である。同様に、非細菌感染症を処置するために用いられる抗菌剤(具体的に抗生物質と呼ばれる)も含まれる。これらには、抗ウイルス剤、抗原虫剤、抗蟯虫剤、抗真菌剤、および抗マラリア剤(最後の手段の物質であるアルテミシニンを含む)が挙げられる。残りの一次スクリーニング増強剤は、これまで、抗菌剤であることが知られていなかった。一次スクリーニング増強剤をさらに、「vraSR中立」(N=65)、「vraSR刺激剤」(N=5)、または「vraSR抑制剤」(N=42)として分類した(表8)。1つのスクリーニングにおいて「vraSR中立」であったが、他のスクリーニングにおいて「vraSR抑制剤」または「vraSR刺激剤」であった化合物は、それぞれ、「vraSR抑制剤」または「vraSR刺激剤」として分類された。
一次スクリーニング増殖阻害剤(表9および10)には、これまで公知の抗細菌剤、抗真菌剤、抗蟯虫剤、抗寄生虫剤、抗ウイルス剤、および消毒剤が含まれた。一次スクリーニング増殖阻害剤はさらに、抗狭心症剤、抗凝固剤、抗うつ剤、およびコレステロール低下剤を含む他の公知の医学的用途を有する化合物を含む。
二次スクリーニング:一次スクリーニングにおいてvraSR刺激または抑制である相乗剤として分類された全ての化合物(表8に示されるように)を、増殖およびオキサシリンによるPvra::lux誘導の両方に及ぼすその効果に関して二次アッセイにおいてスクリーニングした。同様に、二次スクリーニングには、抗生物質であることが知られていなかったが、一次アッセイにおいて、いずれも一次スクリーニングにおいて単独で強い増殖阻害剤であることが示され、Pvra::luxを抑制した2つの化合物(ゴシポールおよびピルビニウム)が含まれた。各化合物を、オキサシリン(2μg/mL)の存在下で、10μMで個別に4回試験して、発光を15分毎に測定した。相対的増殖(RG)および相対発光(RL)を、化合物およびオキサシリンの存在下で同じプレートから得られたプールした対照値の平均値に対するOD600またはLU最大値の比率として計算した。二次アッセイ(オキサシリンの存在下で増殖させた)における全ての実施からのプールされた陽性対照のLUの平均値は、オキサシリンの非存在下での53 LU(SD±8)と比較して、144(SD±16)であり、オキサシリンがPvra::luxを2.7倍誘導したことを証明した。平均RG(オキサシリンと共に試験化合物により増殖させた培養物のOD600対オキサシリン単独でのOD600の比率)<0.8を生じた化合物は、オキサシリン相乗剤または増強剤として分類された。相対発光(RL)は、オキサシリンと共に試験化合物の存在下で生成されたLU対オキサシリン単独で生成されたLUの比率であった。化合物を、「vraSR抑制剤」(平均RL<0.8)、「vraSR刺激剤」(平均RL>1.2)、および「vraSR中立」(平均RLは0.80〜1.2)として分類した。予想されたように、増殖の「非阻害剤」は主にvraSR「中立」であったが、増殖の「阻害剤」は、主にvraSR「抑制剤」であった。表1に示されるように、二次アッセイにおいてスクリーニングした化合物49種中15種が、オキサシリンを増強した(OD600カテゴリにおいて「阻害」)。これに対し、化合物34種は、オキサシリンの存在下で増殖に影響を及ぼさなかった(OD600カテゴリにおいて「un」)。オキサシリン増強剤の中で、vraSR刺激剤は2種、vraSR中立化合物は3種、およびvraSR抑制剤は10種であった。
(表1)二次スクリーニング:化合物およびオキサシリンの存在下でのMRSA株USA300 P
vra-luxから得られた相対的増殖(RG)および相対発光(RL)。非阻害(un)、中立(N)
三次スクリーニング:RT-PCR−二次スクリーニングから、全ての増殖阻害剤が三次スクリーニングに進んだ。オキサシリンの存在下(図3、黒い棒グラフ)および非存在下(図3、白い棒グラフ)でのvraR転写に及ぼす試験化合物の効果を、RT-PCRによって測定した。化合物なしで増殖させた試料を、RQ計算の基準条件として用い、定義によりRQ=1を有する。オキサシリンの非存在下での化合物によるvraRの誘導は、基準より上に>1SDである任意の値として定義した(図5、破線)。オキサシリン刺激vraR転写の抑制を、基準より下に>1 SDである任意の値として定義した(図3、実線)。図4は、リード化合物と認められる化合物を強調する。
これらの定義を用いて、化合物を4つのカテゴリに分類した(表2)。1つの化合物は、オキサシリンの非存在下または存在下でvraR転写に効果を及ぼさなかった。6種の化合物が、単独ではvraRに対してほとんど効果を有しなかったが、オキサシリンによる誘導を減弱させた。さらに6種の化合物が、オキサシリンの非存在下および存在下の両方でvraR転写を刺激した。残りの3種の化合物は、単独ではvraRに対してほとんど効果を示さなかったが、vraR転写に及ぼすオキサシリンの効果を増強した(特に、ジエチルスチルベステロール)。
(表2)MRSA株923の増殖阻害剤およびvraSR転写に及ぼすその効果
二次および三次スクリーニングの比較−vraSR発現のレポーターとしてのlux系の精度を評価するために、オキサシリンの存在下でのRQ値を、プレートリーダーにおいて行ったluxスクリーニング(図5、黒い棒グラフ)とqRT-PCRスクリーニング(図5、灰色の棒グラフ)のあいだで比較した。9種の化合物(56%)に関して、qRT-PCRアッセイは、luxの知見を確認する。これらの化合物は、「真の」抑制剤または刺激剤として分類された。ゴシポール(gos)、ピルビニウムパモ酸塩(pyr)、ノルフロキサシン(nor)、オレアンドマイシンリン酸塩(ole)、クロミフェンクエン酸塩(clo)、およびメナジオン(men)は、3つ全てのスクリーニングにおいて抑制し、その結果真のvraSR発現抑制剤として扱った。追加の6種の化合物(38%)は、luxスクリーニングにおいて抑制物質であるようであったが、qRT-PCRでは中立または刺激剤であり、「偽抑制剤」として分類された。1種の化合物(フルコナゾール、flu)は、luxスクリーニングにおいて刺激剤であるようであったが、qRT-PCRでは中立であり、「偽刺激剤」として分類された。
相乗性の試験−チェッカーボードMIC試験。クロミフェン、ゴシポール、ピルビニウム、およびメナジオンとオキサシリンとの相互作用を、CLSI M07-A8の方法に従って、各試験化合物(0.25から16μg/mL)とオキサシリン(2から32μg/mL)の2倍連続希釈液を用いて、チェッカーボードMIC試験によって相乗性に関して評価した。オキサシリンおよび化合物を、2%NaClを含むTSB中でその最終濃度の4倍となるように調製した。各濃度のオキサシリンおよび各濃度の化合物250μLを、48ウェルプレートに加えて、6×8のチェッカーボードを作製した。オキサシリン単独および試験化合物単独のMICを決定することができるように、オキサシリン単独および化合物単独の濃度シリーズを含めた。全てのウェルに、2%NaClを含むTSB中で1×106 cfu/mLの株923浮遊液500μLを接種した。プレートを37℃で終夜インキュベートして、MICを24時間目に肉眼で決定した。
表3aおよび3bは、各化合物の様々な濃度の存在下で得られたオキサシリンのMICを要約する。メナジオンの濃度は、予備実験に基づいてより高濃度(表3b)に拡大した。各化合物に関して、オキサシリンのMICは、化合物の存在下で用量依存的に減少した。逆に、各化合物のMICは、オキサシリンによって低下した(示していない)。オキサシリンと各化合物の真の相乗効果を評価するために、チェッカーボードにおけるMICに対応するFractional Inhibitory Concentration(FIC)指数をそれらのウェルについて決定した。FIC指数<0.5が相乗性を定義することを用いると(14)、4種の化合物の各々が少なくとも1つのウェルにおいて相乗性の定義を満たした。FIC指数は、以下の組み合わせで用いた各薬物のFICの合計である。
ゴシポール、ピルビニウム、およびクロミフェンがMRSA株USA300単離体923においてオキサシリンを増強するか否かを試験するために、チェッカーボードMICを行った(図6)。ノルフロキサシンおよびメナジオンも同様に試験した。殺細菌効果を決定するために、FICi≦0.5であったウェルにおいて、各ウェルから10μLをTSAプレートにスポットして、37℃で終夜インキュベートした。最小殺菌濃度(MBC)は、最初の24時間後に肉眼で見て5 cfu/スポット未満である99.9%より高い殺菌を示す任意のウェルとして定義した。少なくとも1つの組み合わせでFICi≦0.5を達成して、相乗的であると見なされた化合物は、クロミフェンクエン酸塩、ゴシポール、ピルビニウムパモ酸塩、およびノルフロキサシンであった。オキサシリンのMICの用量依存的減少が、クロミフェンクエン酸塩、ゴシポール、およびピルビニウムパモ酸塩、およびノルフロキサシンについて観察された(図6、暗灰色のウェルは、混濁ウェルを示す)。加えて、クロミフェン、ゴシポール、およびピルビニウムパモ酸塩は、オキサシリンの殺菌効果を増加した(図6、明灰色のウェル)。メナジオンは、FICiブレイクポイント0.5に従って、オキサシリンに対して相乗的ではなかった(データは示していない)。しかし、メナジオンは16μMでオキサシリンのMICを32から2mg/mLへと減少させ、これは感受性がある(表3b)。
多数のMRSA株における化合物によるオキサシリンの増強の試験:MRSA感染症の治療の相乗物質であると見なされるためには、多様なMRSA株において増強剤として有効でなければならない。オキサシリン増強剤が、USA300以外のMRSA株に対して有効であるか否かを決定するために、抗生物質として知られていない3種の化合物、すなわちゴシポール、ピルビニウム、およびクロミフェンについて1つの有効濃度を、多数のMRSA遺伝的バックグラウンドに対して試験した。各化合物を、チェッカーボードアッセイにおいて決定した1つの至適濃度で、様々な濃度のオキサシリンと併用して試験した。このパネルに含まれる株は、多座配列タイプ(MLST)によって決定したところ、多様な遺伝的バックグラウンドに由来し、多様なSCCmecタイプを含んだ。化合物の非存在下でのこれらの株に関するオキサシリンのMICは、2から256mg/Lの範囲であり、MIC50は、16mg/Lであった。表4に示されるように、クロミフェン、ゴシポール、およびピルビニウムの存在下では、このパネルの株に関するオキサシリンのMIC50はそれぞれ、0.5、0.5、および1mg/Lであった。このことは、クロミフェンおよびゴシポールに関してオキサシリンMIC50が32倍減少すること、ならびにピルビニウムを用いる場合には16倍減少することを表す。MIC80は、クロミフェン、ゴシポール、およびピルビニウムに関してそれぞれ、2、8、および32μg/Lであった。
(表4)多様なMRSA株における化合物と併用したOxのMIC(ST、多座配列タイピングによって決定した配列タイプ。SCCmecは、黄色ブドウ球菌の染色体にmecA遺伝子を運ぶ可動性遺伝子エレメントである)。
オキサシリンと併用したクロミフェンおよびゴシポールによるMRSA株8004-01のさらなるチェッカーボード試験は、これらの化合物がそれぞれ、FICi 0.53および0.56で相乗効果のブレイクポイントに近づいたことを証明した(表5)。ピルビニウムは、株11095においてオキサシリンと非常に相乗的であった。ピルビニウムは、オキサシリンMICを128倍減少させ、FICi 0.26が得られた。
(表5)株8004-1および11095におけるオキサシリン+化合物のFICi
vraSR発現もまた、バンコマイシンによって誘導されることから、化合物がインビトロでバンコマイシンを増強するか否かを、バンコマイシン中間耐性黄色ブドウ球菌VISA 2283(バンコマイシンのMIC 16mg/L);ヘテロVISA単離体hVISA 2275(バンコマイシンのMIC 4mg/L)、および2種のvanA含有VRSA株VRS1(バンコマイシンのMIC 1024mg/L)およびVRS2(バンコマイシンのMIC 16mg/L)によるチェッカーボードアッセイを行うことによって試験した。チェッカーボードアッセイの分析において示されるように(表6)、ゴシポールは、hVISA、VISA、VRS2、およびVRS1においてバンコマイシンを完全に増強した(FICi<0.5)。ピルビニウムは、hVISAにおいてバンコマイシンを部分的に増強し(FICi>0.5で<1.0)、vanA含有VRSA株の両方において完全に増強したが、VISA株は増強しなかった。クロミフェンは、hVISA、VISA、およびVRS1においてバンコマイシンを部分的に増強し、VRS2株において完全に増強した。ゴシポールに関して、バンコマイシン増強の程度は、株のバンコマイシンMICに依存しなかったが、ピルビニウムはVRS1(化合物の非存在下でのバンコマイシンMICは1024mg/Lである)においてVISA株(ピルビニウムの非存在下でバンコマイシンMIC 8を有する)より強い増強剤であった。VRSA株において、バンコマイシンのMICは64倍減少したが、VISA株ではピルビニウムはバンコマイシンMICを2から4倍減少させた。
(表6)チェッカーボードアッセイのFICおよびFICi:クロミフェン(Clo)、バンコマイシン(VanまたはV)、ピルビニウム(Pyr)、ゴシポール(Gos)。Van+は、化合物と併用して用いた場合のバンコマイシンMICを示し、Clo+、Pyr+、またはGps+は、表記のVan濃度と併用して用いた場合の化合物のMICを意味する。
(表7)一次スクリーニング増強剤
(既知の作用様式/適応毎に分類)
(表8)一次スクリーニング増強剤
(vraSR作用機序および作用様式/適応毎に分類)
(表9)一次スクリーニング増殖阻害剤
(作用様式/適応毎に分類)
(表10)二次スクリーニングに含まれていない一次スクリーニング増殖阻害剤
(作用様式/適応毎に分類)
(表11)一次スクリーニングにおいてオキサシリンを増強したが、vraSR中立であり、二次スクリーニングにおいて試験しなかった57種の化合物(公知の抗生物質8種を除外)
本明細書において開示および特許請求される方法は全て、本開示に照らして不当な実験を行うことなく作製および実行されうる。本発明の組成物および方法は、好ましい態様に関して記述されているが、本明細書において記述される方法および方法の段階または段階の順序に変更を適用してもよく、それらも本発明の概念、精神、および範囲に含まれることは当業者に明らかであろう。より具体的に、化学的および生理的に関連するある物質を、本明細書において記述される物質の代わりに用いてもよく、それでもなお同じ又は類似の結果が得られることは明らかであろう。当業者に明らかであるそのような類似の置換および改変は全て、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神、範囲、および概念に含まれると認められる。
参考文献
以下の参考文献は、本明細書において記述される内容を補助する例示的な技法または他の詳細を提供する程度に、具体的に本明細書に組み入れられる。