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JP2015026716A - 光電変換素子の製造方法 - Google Patents

光電変換素子の製造方法 Download PDF

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JP2015026716A JP2013155424A JP2013155424A JP2015026716A JP 2015026716 A JP2015026716 A JP 2015026716A JP 2013155424 A JP2013155424 A JP 2013155424A JP 2013155424 A JP2013155424 A JP 2013155424A JP 2015026716 A JP2015026716 A JP 2015026716A
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雅典 三浦
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拓也 稲垣
寛政 澁谷
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寛政 澁谷
靖 森原
Yasushi Morihara
靖 森原
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Abstract

【課題】簡便な工程で、理想的な有機光電変換層のモルフォロジを形成でき、優れた光電変換効率を発揮する光電変換素子の製造方法を提供する。【解決手段】π電子共役重合体と電子受容性有機半導体とを有機溶媒に溶解させ、有機半導体溶液を得る工程(A)、該有機半導体溶液に、SP値が18.1以上26.5以下の範囲内であるπ電子共役重合体の貧溶媒を少なくとも2種添加する工程(B)、及び工程(B)で得られた有機半導体溶液を塗布法により製膜して、光電変換層を形成する工程(C)、を含む光電変換素子の製造方法によって、上記課題を解決する。【選択図】 なし

Description

本発明は、有機光電変換層において、良好な相分離構造(モルフォロジ)を形成することができる光電変換素子の製造方法に関する。
太陽電池は環境に優しい有力なエネルギー源として注目されている。現在、太陽電池の光電変換素子としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン及びアモルファスシリコンのようなシリコン系材料や、GaAs、CIGS及びCdTeのような化合物半導体材料などの無機物が使用されている。これらの光電変換素子は比較的高い光電変換効率を有するが、他の電源コストと比較して高価格なものである。コスト高の要因は、高真空かつ高温下で半導体薄膜を製造しなくてはならないプロセスにある。そこで、製造プロセスの簡略化が期待される半導体材料として、π電子共役重合体や有機結晶などの有機半導体や有機色素を用いた有機太陽電池が検討されている。これらの有機半導体材料は、塗布法や印刷法により製膜できるため、製造プロセスが簡便化し、大量生産が可能で安価な有機太陽電池を得ることが可能であるとして注目されている。
有機太陽電池は、2つの異種電極間に有機光電変換層を設けた構造をしている。一般に有機光電変換層は、電子供与性有機半導体と電子受容性有機半導体の混合物から形成されている。代表例としては、電子供与性有機半導体としてπ電子共役重合体であるポリ(3−ヘキシルチオフェン)と、電子受容性有機半導体としてフラーレン誘導体である [6,6]−フェニルC61酪酸メチルエステル(PC61BM)をそれぞれ含む組成物が挙げられる。
有機太陽電池の課題は、光電変換効率を高めることであり、特に有機光電変換層のモルフォロジを変えることで光電変換効率の向上を図る報告がなされている。理想的な有機光電変換層のモルフォロジとは、電子供与性有機半導体と電子受容性有機半導体が相分離し、それぞれが100nm程度のドメインサイズを有していることを特徴とする。p/n相分離ドメインのいずれもが、この範囲のドメインサイズを有する場合、光吸収により内部に発生する励起子が失活前にp/n界面に到達する確率が高く、高い電流が得られる。また同時に、キャリア輸送抵抗を左右する相分離ドメインの連続性が高く得られやすく、p/n界面で発生したキャリアを効率的に電極まで取り出すことが出来るため、結果として高い変換効率が得られると期待されている。
このような観点から、有機光電変換層のモルフォロジを変える方法として、熱や溶媒蒸気により処理する方法、π電子共役重合体やフラーレン誘導体を溶解させる溶媒を工夫する方法、溶媒の揮発速度を小さくする方法、π電子共役重合体の構造を制御する方法などが研究されている。例えば、特許文献1には、π電子共役ブロック共重合体を用いて有機光電変換層のモルフォロジを制御する方法が記載されている。特許文献2には、溶解度差を有する共役ポリマーを2種以上用いることでモルフォロジを制御する方法が記載されている。しかし、有機太陽電池の光電変換効率向上のためには、さらなる微細化された良好なモルフォロジの形成が必要であり、解決方法が求められている。
WO2013/005614パンフレット WO2013/018853パンフレット
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、簡便な工程で、理想的な有機光電変換層のモルフォロジを形成でき、優れた光電変換効率を発揮する光電変換素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、π電子共役重合体及び電子受容性有機半導体を含む光電変換層を形成する工程において、π電子共役重合体の貧溶媒を少なくとも2種添加することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
即ち、前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載された光電変換素子の製造方法は、少なくとも一方が光透過性を有する正極と負極との間に、π電子共役重合体及び電子受容性有機半導体を含む光電変換層を有する光電変換素子の製造方法であって、前記π電子共役重合体は、少なくとも一つのチオフェン環を化学構造の一部に含む縮環π共役骨格、カルバゾール骨格、ジベンゾシロール骨格、ジベンゾゲルモール骨格及びジケトピロロピロール骨格から選ばれる複素環骨格を少なくとも一つ有する単量体単位を含み、前記π電子共役重合体及び前記電子受容性有機半導体を有機溶媒に溶解させ、有機半導体溶液を得る工程(A)、該有機半導体溶液に、SP値が18.1以上26.5以下の範囲内である前記π電子共役重合体の貧溶媒を少なくとも2種添加する工程(B)、及び前記正極と負極との間に、工程(B)で得られた有機半導体溶液を塗布法により製膜して、前記光電変換層を形成する工程(C)、を含むことを特徴とする。
同じく請求項2に記載の光電変換素子の製造方法は、請求項1に記載されたものであって、前記工程(B)で用いられる貧溶媒は、前記π電子共役重合体の溶解度が1.0mg/mL以下であることを特徴とする。
請求項3に記載の光電変換素子の製造方法は、請求項1または2に記載されたものであって、前記工程(B)で用いられる貧溶媒の少なくとも1種が、1,8−ジヨードオクタン、アニソール、安息香酸メチル、アニリン、1,2−ジブロモエタン、モルホリン、N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミドから選ばれるいずれかであることを特徴とする。
請求項4に記載の光電変換素子の製造方法は、請求項3に記載されたものであって、前記工程(B)で用いられる貧溶媒の少なくとも1種が1,8−ジヨードオクタンであり、少なくとも他の1種が、アニソール、安息香酸メチル、アニリン、1,2−ジブロモエタン、モルホリン、N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミドから選ばれるいずれかであることを特徴とする。
請求項5に記載の光電変換素子の製造方法は、請求項1〜4の何れかに記載されたものであって、前記工程(B)で用いられる少なくとも2種の貧溶媒の添加量の合計が、前記有機半導体溶液の0.1vol%〜50.0vol%の範囲内であることを特徴とする。
本発明によれば、簡便な工程により、理想的な有機光電変換層のモルフォロジを形成できる光電変換素子の製造方法を提供することができる。本発明の製造方法によって得られる光電変換素子は、光電変換層中の電子供与性有機半導体と電子受容性有機半導体とが微細なモルフォロジを形成できるため、光吸収により発生する励起子の失活が少なく、高い電流が得られ、優れた光電変換効率を発揮することができる。
実施例2において得られた光電変換素子の断面のモルフォロジ画像である。 実施例2において得られた光電変換素子の断面のモルフォロジ画像を2値化処理し得た画像である。 比較例2において得られた光電変換素子の断面のモルフォロジ画像を2値化処理し得た画像である。 比較例5において得られた光電変換素子の断面のモルフォロジ画像を2値化処理し得た画像である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明は、少なくとも一方が光透過性を有する正極と負極との間に、π電子共役重合体及び電子受容性有機半導体を含む光電変換層を有する光電変換素子の製造方法に関する。
前記π電子共役重合体は、少なくとも一つのチオフェン環を化学構造の一部に含む縮環π共役骨格、カルバゾール骨格、ジベンゾシロール骨格、ジベンゾゲルモール骨格及びジケトピロロピロール骨格から選ばれるいずれかの複素環骨格を少なくとも一つ有する単量体単位を含むポリマーである。これらの中でも、好ましい前記π電子共役重合体としては、少なくとも一つのチオフェン環を化学構造の一部に含む縮環π共役骨格を含有する単量体単位を含むものであり、例えば、シクロペンタジチオフェンジイル基、ジチエノピロールジイル基、ジチエノシロールジイル基、ジチエノゲルモールジイル基、ベンゾジチオフェンジイル基、ナフトジチオフェンジイル基、チエノチオフェンジイル基、チエノピロールジオンジイル基、ジケトピロロピロールジイル基などの複素環骨格を含有する単量体単位を含む重合体である。これらの複素環骨格(複素環基)は、単量体単位中に2種以上含まれていてもよい。
前記複素環骨格を単量体単位に有するπ電子共役重合体は、狭バンドギャップポリマーであるのが好ましい。狭バンドギャップポリマーとは、最高被占軌道(HOMO)準位と最低空軌道(LUMO)準位とのエネルギー差(バンドギャップ)が小さいポリマーのことであり、単量体単位中に、ドナー性の高い有機基とアクセプター性の高い有機基とを併せ持つポリマーである。例えば、前記で例示したシクロペンタジチオフェンジイル基やベンゾジチオフェンジイル基は、比較的ドナー性の高い複素環基であり、チエノチオフェンジイル基は比較的アクセプター性の高い複素環基であり、これらを組み合わせて1つの単量体単位としてもよい。狭バンドギャップポリマーは、太陽光スペクトルのうち、紫外領域から600nm以上の長波長領域に渡る広い波長領域の光を吸収可能である。よって、狭バンドギャップポリマーを光電変換層に含ませることにより、光利用効率に優れた有機太陽電池の製造が可能となる。
π電子共役重合体は、そのポリマー主鎖に、置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルカルボニル基及びアルキルオキシカルボニル基から選ばれる少なくとも一つの側鎖を有することが好ましい。側鎖とは、π電子共役重合体を構成する主鎖から枝分かれしている炭素を有する置換基をいう。側鎖を有することにより、π電子共役重合体の有機溶媒に対する溶解度が向上し、光電変換層の形成に有利である。特に、炭素数3〜20のアルキル基、アルコキシ基またはアルキルカルボニル基を有するものが好ましい。また、これらの側鎖はさらに、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、チオール基、シリル基、アルコキシ基、エステル基、アリール基またはヘテロアリール基で置換されていてもよい。
前記アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、具体例としては、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−ヘプチル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−ブチルオクチル基などが挙げられる。
前記アルコキシ基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、具体例としては、n−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、イソプロピルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3−ヘプチルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、2−ブチルオクチルオキシ基などが挙げられる。
前記アルキルカルボニル基としては、前記のアルキル基にカルボニル基が結合したものが具体例として挙げられる。
前記π電子共役重合体の数平均分子量は、特に限定されないが、ホール移動度や力学的物性の観点から、600〜100万g/モルであると好ましく、5000〜50万g/モルであるとより好ましく、1万〜20万g/モルであると最も好ましい。ここで、数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の分子量を意味する。
前記π電子共役重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体、スター型重合体、グラフト共重合体のいずれの構造の重合体であってもよい。これらの中でランダム共重合体及びブロック共重合体が、モルフォロジ制御の観点からより好ましく、特にブロック共重合体が好ましい。ブロック共重合体の連結構造は、特に限定されるものではない。2種類の共役重合体ブロックを含有する場合は、例えば、A−B型ジブロック共重合体、A−B−A型トリブロック共重合体、A−B−A−B型テトラブロック共重合体、A−B−A−B−A型ペンタブロック共重合体などが挙げられる。3種類の共役重合体ブロックを含有する場合は、A−B−C型トリブロック共重合体、A−B−A−C型テトラブロック共重合体などが挙げられる。
ブロック共重合体の場合、共役ブロック共重合体の結合様式は特に制限されるものではない。結合様式としては、共役重合体ブロックの末端同士が結合したリニアな共役ブロック共重合体や、共役重合体ブロックの末端と共役重合体ブロックの末端以外とが結合したT型の共役ブロック共重合体であってもよい。また結合部位は、π共役で連結されていてもよく、非共役構造で結合されていてもよい。
ブロック共重合体を製造する第一の方法としては、各ブロックを構成する少なくとも2種類の共役重合体ブロック、例えば共役重合体ブロックA及び共役重合体ブロックBを別々に合成しておき、それらを連結する方法(以下、「連結法」と称することがある)がある。第二の方法としては、擬リビング重合により共役重合体ブロックA及び共役重合体ブロックBを逐次重合する方法(以下、「逐次重合法」と称することがある)がある。第三の方法としては、共役重合体ブロックA存在下に共役ブロックBを重合する方法(以下、「マクロイニシエーター法」と称することがある)がある。連結法、逐次重合及びマクロイニシエーター法は、合成するπ電子共役重合体によって最適な方法が使用できる。
電子受容性有機半導体としては、フラーレンまたはフラーレン誘導体が好ましい。好適に用いられるフラーレン誘導体は、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90、C94を始めとする無置換のものと、[6,6]−フェニルC61ブチリックアシッドメチルエステル([6,6]−C61−PCBM)、[5,6]−フェニルC61ブチリックアシッドメチルエステル、[6,6]−フェニルC61ブチリックアシッドn−ブチルエステル、[6,6]−フェニルC61ブチリックアシッドi−ブチルエステル、[6,6]−フェニルC61ブチリックアシッドヘキシルエステル、[6,6]−フェニルC61ブチリックアシッドドデシルエステル、[6,6]−ジフェニルC62ビス(ブチリックアシッドメチルエステル)([6,6]−C62−bis−PCBM)、[6,6]−フェニルC71ブチリックアシッドメチルエステル([6,6]−C71−PCBM)をはじめとする置換誘導体などが挙げられる。
前記フラーレン誘導体は、単独またはそれらの混合物として用いることができるが、有機溶媒に対する溶解性の観点から、[6,6]−C61−PCBM、[6,6]−C62−bis−PCBM)、[6,6]−C71−PCBMが好適に用いられる。
本発明の光電変換素子の製造方法は、前記π電子共役重合体及び前記電子受容性有機半導体を有機溶媒に溶解させ、有機半導体溶液を得る工程(A)、該有機半導体溶液に、SP値が18.1以上26.5以下の範囲内である前記π電子共役重合体の貧溶媒を少なくとも2種添加する工程(B)、及び、正極と負極との間に、工程(B)で得られた有機半導体溶液を塗布法により製膜して、前記光電変換層を形成する工程(C)、を含むことを特徴とする。以下、それぞれの工程について述べる。
前記工程(A)において使用される有機溶媒は、π電子共役重合体及び電子受容性有機半導体の大部分が溶解する溶媒であれば特に限定されない。溶媒としては、具体的に、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジブチルエーテルなどのエーテル類;メチレンクロライド、クロロホルムなどのハロゲン溶媒;ベンゼン、トルエン、オルトキシレン、メタキシレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、オルトジクロロベンゼン、ピリジンなどの芳香族系溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、2種類以上混合して用いてもよいが、π電子共役重合体及び電子受容性有機半導体の両方の溶解度が高いオルトジクロロベンゼン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、クロロホルム、オルトキシレン、及びこれらの混合物が好ましい。特に好ましくは、オルトジクロロベンゼン、クロロベンゼン、クロロホルム及びこれらの混合物である。
π電子共役重合体及び電子受容性有機半導体を前記有機溶媒に溶解させた後、混合して有機半導体溶液を得ることができる。混合方法は、特に限定されるものではなく、例えば、所望の比率で溶媒に添加した後、加熱、撹拌、超音波照射などの方法を1種または複数種組み合わせて溶媒中に溶解・混合させる方法が挙げられる。
有機半導体溶液中における前記π電子共役重合体及び電子受容性有機半導体の含有割合は、π電子共役重合体100質量部に対して、電子受容性有機半導体が10〜1000質量部であると好ましく、50〜500質量部であるとより好ましい。また、π電子共役重合体と電子受容性有機半導体との含有量の和(溶質量)は、前記有機溶媒の100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましく、0.1〜30質量部であることがより好ましく、0.5〜20質量部であることがさらに好ましい。
前記工程(B)において使用される貧溶媒は、SP値が18.1以上26.5以下の範囲内の溶媒である。本発明においてSP値とは、溶解度パラメーターを指し、物質に固有の値である。本発明では、SP値は“Polymer Hand Book (4th) Edition, (1999)、Wiley-Interscience”に記載の数値を用いた。SP値は実験的に測定することや、分子構造を元に経験的な近似を用いて推算することが可能である。実験的に測定する手法としては、例えば、蒸発詮熱から推算する方法、表面張力から推算する方法、屈折率から推算する方法が挙げられる。また、分子構造を元に経験的な近似を用いて推算する手法としては、例えば、Bicerano法、Hildebrand法、Small法、Fedors法、Van Krevelen法、Hansen法、Hoy法、Ascadskii法、沖津法などが挙げられる。前記貧溶媒のSP値が“Polymer Hand Book (4th) Edition, (1999)、Wiley-Interscience”に記載のない場合、これらいずれの方法を用いて算出しても良いが、簡便且つその有用性が実証されているという観点から、Fedors法を用いて算出することが好ましい。その場合、SP値の単位はMPa1/2である。
本発明の工程(B)において使用される貧溶媒は、25℃におけるπ電子共役重合体の溶解度が1.0mg/mL以下であるものが好ましい。また、工程(A)で用いられる有機溶媒よりも沸点が高いものであることがより好ましい。このような貧溶媒としては、例えば、1,8−ジヨードオクタン、アニソール、安息香酸メチル、アニリン、1,2−ジブロモエタン、モルホリン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。これらの中でも、少なくとも1種の貧溶媒は1,8−ジヨードオクタンであることが好ましい。また、少なくとも他の1種が、アニソール、安息香酸メチル、アニリン、1,2−ジブロモエタン、モルホリン、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミドであることがより好ましく、安息香酸メチル、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドであることがさらに好ましい。
前記で例示した各貧溶媒のSP値は次の通りである;1,8−ジヨードオクタン(20.4)、アニソール(19.4)、安息香酸メチル(21.5)、アニリン(21.1)、1,2−ジブロモエタン(21.3)、モルホリン(22.1)、N,N−ジメチルホルムアミド(24.9)、N,N−ジメチルアセトアミド(22.1)。
有機光電変換層に用いるπ電子共役重合体に求められる機能の一つとして、高いホール移動度が挙げられる。ホールはπ電子共役重合体がπ平面上に重なり合って形成されるπ−πスタック構造を通じて伝導する。一般的に、強く相互作用し合うπ−πスタック構造の方が、ホールが移動しやすく、その相互作用は重なり合うπ電子共役重合体の最低被占有軌道(HOMO)の重なり積分が大きいほど大きい。即ち、π電子共役重合体のホール移動度を向上させるための一つの手段として、結晶性もしくは凝集性を高める方向に分子構造を変化させることが有効である。しかしながら、高い結晶性もしくは凝集性を有するπ電子共役重合体は、概してフラーレン誘導体等の電子受容性有機半導体と相溶しにくい。その理由として、π電子共役重合体は、その結晶性や凝集性を高めるために、長鎖アルキル基の導入や、フッ素等のSP値を下げる置換基の導入が行われる。これらはいずれもSP値を下げる方向にπ電子共役重合体の化学構造を変化させるが、一般にπ電子共役重合体よりもフラーレン誘導体(SP値:約21)の方が高いSP値を有するため、このような化学修飾を施す事により、両者のSP値の差はより大きくなり、結果としてπ電子共役重合体とフラーレン誘導体は相溶しにくくなるからである。その結果、高い結晶性もしくは高い凝集性を狙った設計に基づいて得られたπ電子共役重合体は、p/n相分離ドメインが肥大化し、100nm以上のp/n相分離構造を形成するため、電流の低下が見られ高い変換効率が得られないと考えられる。
本発明の製造方法においては、π電子共役重合体と電子受容性有機半導体とを混合する際に、SP値が18.1以上26.5以下の範囲内にあるπ電子共役重合体の貧溶媒を少なくとも2種添加することにより、上記問題を解決することができる。すなわち、特定のSP値の貧溶媒を2種以上添加することにより、SP値差が大きくp/n相分離ドメインが肥大化しやすいπ電子共役重合体と電子受容性有機半導体との組み合わせにおいても、強制的にこれらを相溶させ、得られる光電変換層のモルフォロジを微細化することができる。この働きにより、本発明の製造方法で得られる光電変換素子は、高い変換効率を達成できる。本発明の製造方法は、特に狭バンドギャップポリマーを含む光電変換層を有する光電変換素子の製造において効果的である。本発明の製造方法において、電子受容性有機半導体としてフラーレン誘導体を用いる場合、π電子共役重合体のSP値は、特に限定されるものではないが、好ましくは16.0〜21.5であり、より好ましくは16.3〜21.4である。
本発明の製造方法において、用いられる2種以上の貧溶媒は、各々のSP値差が0.1以上あるものが好ましい。SP値差がほとんどない或いは全くない場合には、上記のモルフォロジ微細化効果が十分に得られない場合がある。好ましい貧溶媒の組み合わせは、特に限定されるものではないが、例えば、1,8−ジヨードオクタンとアニソール、1,8−ジヨードオクタンと安息香酸メチル、1,8−ジヨードオクタンとアニリン、1,8−ジヨードオクタンと1,2−ジブロモエタン、1,8−ジヨードオクタンとモルホリン、1,8−ジヨードオクタンとN,N−ジメチルホルムアミド、1,8−ジヨードオクタンとN,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
前記貧溶媒の添加量の合計は、一概に定めることは困難であるが、有機半導体溶液の0.1vol%〜50.0vol%の範囲が好ましい。より好ましくは0.1vol%〜40.0vol%であり、さらに好ましくは0.1vol%〜30.0vol%であり、特に好ましくは0.5vol%〜30.0vol%である。添加量の合計が50.0vol%より多すぎると、π電子共役重合体が十分に溶解せず光電変換活性層の製膜不良が発生したり、π電子共役重合体と電子受容性有機半導体のマクロ相分離が発生する場合がある。前記2種以上の貧溶媒の各々の添加量は特に制限されるものではないが、各成分の含有量の下限が、貧溶媒の全体量を100vol%とした場合に、5vol%以上であることが好ましい。例えば、貧溶媒を2種用いる場合、各々の貧溶媒の体積比は、5:95〜95:5であることが好ましく、20:80〜80:20であることがより好ましい。
前記貧溶媒を有機半導体溶液に添加後、当該有機半導体溶液は、撹拌、超音波照射など行って貧溶媒を拡散させてもよい。また、工程(A)及び工程(B)は、同時に行ってもよい。例えば、少なくとも2種の貧溶媒を予め加えた有機溶媒に、π電子共役重合体及び電子受容性有機半導体を加え、溶解させて有機半導体溶液を作製してもよい。
工程(A)及び工程(B)で得られた有機半導体溶液には、本発明の効果を阻害しない範囲において、界面活性剤、バインダー樹脂、フィラーなどの他の添加物成分を含んでいてもよい。これら第3成分の含有量は、光電変換素子の性能の観点から、π電子共役重合体及び電子受容性有機半導体の総和の質量に対して、30質量%以下であると好ましく、10質量%以下であるとより好ましい。
前記工程(C)において、工程(B)で得られた有機半導体溶液を塗布法により製膜する方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、スロットダイコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法など、公知の手法を用いることができる。塗布法により製膜後、乾燥させることで光電変換層を形成することができる。
光電変換層を形成する際には、必要に応じて熱又は溶媒アニールを行ってもよい。アニール処理を施すことで、光電変換層の材料の結晶性と、π電子共役重合体と電子受容性有機半導体との相分離構造を変化させ、光電変換特性に優れる素子を得ることができる。
前記の熱アニールは、前記光電変換層を製膜した基板を所望の温度で保持して行う。熱アニールは減圧下又は不活性ガス雰囲気下で行ってもよく、好ましい温度は40℃〜150℃、より好ましくは70℃〜150℃である。温度が低いと十分な効果が得られず、温度が高すぎると光電変換層が酸化及び/又は分解し、十分な光電変換特性を得ることができない。
前記の溶媒アニールは、前記光電変換層を製膜した基板を溶媒雰囲気下で所望の時間保持することで行う。このときのアニール溶媒は特に限定されないが、前記光電変換層に対する良溶媒であることが好ましい。溶媒アニールは、光電変換層を構成する有機半導体組成物を、基板上に塗布して、当該組成物中に溶媒が残存した状態で行ってもよい。
光電変換層の膜厚は、目的とする用途により一概に定めることは困難であるが、通常、1nm〜1000nmであり、好ましくは2nm〜1000nmであり、より好ましくは5nm〜500nmであり、さらに好ましくは20nm〜300nmである。膜厚が薄すぎると光が十分に吸収されず、逆に厚すぎるとキャリアが電極へ到達し難くなり、高い変換効率が得られない。
前記工程(C)において用いられる電極材料としては、一方の電極には仕事関数の大きな導電性素材、もう一方の電極には仕事関数の小さな導電性素材を使用することが好ましい。仕事関数の大きな導電性素材を用いた電極は正極となる。この仕事関数の大きな導電性素材としては金、白金、クロム、ニッケルなどの金属のほか、透明性を有するインジウム、スズなどの金属酸化物、複合金属酸化物(インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)など)が好ましく用いられる。ここで、正極に用いられる導電性素材は、光電変換層とオーミック接合するものであることが好ましい。
仕事関数の小さな導電性素材を用いた電極は負極となるが、この仕事関数の小さな導電性素材としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属、具体的にはリチウム、マグネシウム、カルシウムが使用される。また、錫や銀、アルミニウムも好ましく用いられる。さらに、前記の金属からなる合金や前記の金属の積層体からなる電極も好ましく用いられる。また、負極と後述する電子輸送層との界面にフッ化リチウムやフッ化セシウムなどの金属フッ化物を導入することで、取り出し電流を向上させることも可能である。ここで、負極に用いられる導電性素材は、光電変換層とオーミック接合するものであることが好ましい。さらに、電子輸送層を用いた場合においては、負極に用いられる導電性素材は電子輸送層とオーミック接合するものであることが好ましい。なお、本発明において電極層とは電極または下記に説明する正孔輸送層や電子輸送層や無機層を備える電極を意味する。
光電変換素子の電極は、正極または負極の何れかに光透過性を有する。電極の光透過性は、光電変換層に入射光が到達して起電力が発生する程度であれば、特に限定されるものではない。電極の厚さは、光透過性や導電性を有する範囲であればよく、電極素材によって異なるが20nm〜300nmが好ましい。なお、一方の電極が光透過性を有する場合、もう一方の電極において導電性を有していれば必ずしも光透過性を有する必要はない。さらに、この電極の厚さは特に限定されるものではない。
本発明の製造方法で得られる光電変換素子は、基板上に作製することが好ましい。この基板は、電極を形成し、光電変換層を形成する際に変化しないものであればよい。基板の材料としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラスなどの無機材料、アルミニウムなどの金属フィルム、またポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレン、エポキシ樹脂やフッ素系樹脂などの有機材料から任意の方法によって作製されたフィルムや板が使用可能である。不透明な基板を用いる場合には、反対の電極即ち、基板から遠い方の電極が透明または半透明でなければならない。基板の膜厚は特に限定されないが、通常1μm〜10mmの範囲である。
基板上の電極層の濡れ性を向上させるため、また光電変換層や正孔輸送層や電子輸送層と基板上の電極との界面密着性を向上させるために、紫外線オゾン処理、コロナ放電処理、プラズマ処理などの物理的な手段により、電極層の表面の洗浄や改質を施すことが好ましい。また、固体基材表面に、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、自己組織化単分子膜などの化学修飾を施す方法も同様に効果的である。
本発明の光電変換素子の製造方法は、必要に応じて正極と光電変換層との間に正孔輸送層を設ける工程を含んでいてもよい。正孔輸送層を形成する材料としては、ポリチオフェン系π電子共役重合体、ポリ−p−フェニレンビニレン系π電子共役重合体、ポリフルオレン系π電子共役重合体などの導電性高分子や、フタロシアニン(Pc)誘導体(HPc、CuPc、ZnPcなど)、ポルフィリン誘導体などのp型半導体特性を示す低分子有機化合物が好ましく用いられる。特に、ポリチオフェン系π電子共役重合体であるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)やPEDOTにポリスチレンスルホネート(PSS)が添加されたものが好ましく用いられる。正孔輸送層を用いる場合においては、前述した正極に用いられる導電性素材は正孔輸送層とオーミック接合するものであることが好ましい。正孔輸送層は5nm〜600nmの厚さが好ましく、より好ましくは20nm〜300nmである。
また、本発明の光電変換素子の製造方法は、必要に応じて負極と光電変換層との間に電子輸送層を設ける工程を含んでいてもよい。電子輸送層を形成する材料としては、バソキュプロイン等のフェナントレン系化合物、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の電子受容性有機半導体材料、及び酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ガリウム等のn型無機酸化物及びフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属化合物等を用いることができる。また、光電変換層に用いた電子受容性有機半導体材料単体からなる層を用いることもできる。
正極と光電変換層との間に正孔輸送層を作製する場合、例えば溶媒に可溶な導電性高分子の場合には浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、インクジェット法、エアロゾルジェット法、スピンコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング法、スリットダイコーター法、グラビアコーター法、スリットリバースコーター法、マイクログラビア法、コンマコーター法などで塗布することができる。フタロシアニン誘導体やポルフィリン誘導体などの低分子有機材料を使用する場合には、真空蒸着機を用いた蒸着法を適用することが好ましい。電子輸送層についても同様にして作製することができる。
また、本発明の光電変換素子の製造方法は、さらに無機層を設ける工程を含んでいてもよい。該無機層に含まれる材料としては、例えば、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ストロンチウム、酸化インジウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ガリウム、酸化ニッケル、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸ナトリウムなどの金属酸化物;ヨウ化銀、臭化銀、ヨウ化銅、臭化銅、フッ化リチウムなどの金属ハロゲン化物;硫化亜鉛、硫化チタン、硫化インジウム、硫化ビスマス、硫化カドミウム、硫化ジルコニウム、硫化タンタル、硫化モリブデン、硫化銀、硫化銅、硫化スズ、硫化タングステン、硫化アンチモンなどの金属硫化物;セレン化カドミウム、セレン化ジルコニウム、セレン化亜鉛、セレン化チタン、セレン化インジウム、セレン化タングステン、セレン化モリブデン、セレン化ビスマス、セレン化鉛などの金属セレン化物;テルル化カドミウム、テルル化タングステン、テルル化モリブデン、テルル化亜鉛、テルル化ビスマスなどの金属テルル化物;リン化亜鉛、リン化ガリウム、リン化インジウム、リン化カドミウムなどの金属リン化物;ガリウム砒素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物、シリコン、ゲルマニウムなどが挙げられ、また、これらの2種以上の混合物であってもよい。混合物としては、例えば酸化亜鉛と酸化スズとの混合物、及び酸化スズと酸化チタンとの混合物などが挙げられる。これら無機層を含める場所は特に限定されないが、正極と負極で挟まれた薄膜のいずれかの場所に含まれている事が好ましい。これらの無機層を形成する方法は特に限定されないが、任意の膜厚を制御する観点から真空蒸着機を用いた蒸着法を適用することが好ましい。
本発明の製造方法で得られる光電変換素子は、光電変換機能、光整流機能(photo diode)などを利用した種々の光電変換デバイスへの応用が可能である。例えば、有機太陽電池などの光電池、光センサ、光スイッチ、フォトトランジスタなど電子素子、光メモリなど光記録材に有用である。よって、本発明の光電変換素子の製造方法は、有機薄膜を含有する有機太陽電池や各種光センサ等の製造方法として汎用的に利用可能である。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明の実施例、比較例に用いたπ電子共役重合体、及び共役ブロック共重合体の合成に関する記述を重合例1〜3に記す。本発明の適用内の製造方法を用いて光電変換素子を作製した詳細を実施例1〜4に示す。また、本発明の適用外を比較例1〜10に示す。
<重合体の精製>
重合体の精製には分取用のGPCカラムを用いて精製を行なった。用いた装置は、日本分析工業株式会社製のRecycling Preparative HPLC LC−908を用いた。なお、カラムの種類は、日本分析工業株式会社製のスチレン系ポリマーカラム 2H−40および2.5H−40を2本直列に接続したものである。また、溶出溶媒はクロロホルムを用いた。
<溶媒のSP値>
以下の実施例及び比較例において、溶媒のSP値は“Polymer Hand Book (4th) Edition, (1999)、Wiley-Interscience”に記載の数値を用いた。
(重合例1)
下記反応式(1)に従いπ電子共役重合体A1の合成を行った。なお、以降の反応式中、置換基である3−ヘプチル基を3−HepまたはHep−3と略記する。また、以降の反応式中、置換基であるメチル基をMeと略記する。
Figure 2015026716
窒素雰囲気下、100mL三口フラスコにπ電子共役重合体A1を構成する単量体として、2,6−ビス(トリメチルチン)−4,8−ジドデシルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(0.74g、0.87mmol)、1−(4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル)−2−エチルヘキサン−1−オン(0.32g、0.75mmol)、DMF(1.1mL)、トルエン(4.3mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(9.2mg、7.8μmol)を加え、115℃で1時間30分加熱した。次に、末端処理剤として2,5−ジブロモチオフェン(1.84g,7.6mmol)を加え、115℃で8時間加熱した。反応終了後、反応溶液をメタノール(500mL)に注ぎ、析出した固体を濾取し、得られた固体を減圧乾燥することで粗生成物を得た。粗生成物を、ソックスレー抽出機を用いてアセトン(200mL)、ヘキサン(200mL)で洗浄した後に、クロロホルム(200mL)で抽出した。有機層を濃縮乾固し、得られた黒紫色の固体を、クロロホルム(30mL)に溶解させ、メタノール(300mL)で再沈殿した。得られた固体を濾取した後に減圧乾燥することで黒紫色の固体としてπ電子共役重合体A1(0.51g、86%)を得た。
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、いずれもGPC装置として、Waters製のGPC/V2000を用い、カラムとして、昭和電工株式会社製のShodex AT−G806MSの2本を直列に繋いだものを用いた。また、カラムおよびインジェクターは145℃とし、溶出溶媒として、o−ジクロロベンゼンを用いた。得られたπ電子共役重合体A1の重量平均分子量は45,000、数平均分子量は18,000、多分散度は2.5であった。
H−NMR (270MHz,CDCl): δ =7.60‐7.30 (br、 3H),3.30‐3.00 (br、 5H),2.00‐1.10 (br、 52H),1.00‐0.70 (br、12H)。
この理化学分析結果は、前記反応式(1)に示される化学構造を支持する。
(重合例2)
下記反応式に従いπ電子共役重合体A2の合成を行った。
Figure 2015026716
充分に乾燥させアルゴン置換したナスフラスコAに、脱水及び過酸化物除去処理を行なったテトラヒドロフラン(THF)25mLと、2−ブロモ−5−ヨ−ド−3−ヘキシルチオフェン1.865g(5mmol)と、i−プロピルマグネシウムクロリドの2.0M溶液2.5mLを加えて、0℃で30分攪拌し、上記反応式中の化学式(a1)で示す有機マグネシウム化合物の溶液を合成した。
乾燥させたアルゴン置換したナスフラスコBに、脱水及び過酸化物除去処理を行なったTHF25mLとNiCl(dppp)27mg(0.05mmol)を加えて35℃に加熱した後、有機マグネシウム化合物溶液(a1)を添加した。35℃で1.5時間加熱攪拌した後、5M塩酸50mLを加えて室温で1時間攪拌した。この反応液をクロロホルム450mLで抽出し、有機層を重曹水100mL、蒸留水100mLの順で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾固した。得られた黒紫色の固体を、クロロホルムの30mLに溶かし、メタノ−ルの300mLに再沈殿し、充分に乾燥したものを、分取用GPCカラムを用いて精製することによりπ電子共役重合体A2(690mg)を得た。なお、溶媒であるTHFは、和光純薬工業社製の脱水テトラヒドロフラン(安定剤不含)を、金属ナトリウム存在下蒸留精製を行なった後、和光純薬工業社製のモレキュラーシーブス5Aに一日以上接触させることで、精製を行ったものを用いた。
重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、いずれも、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による測定に基づき、ポリスチレン換算値で求められたものである。GPC装置として、東ソー(株)製のHLC−8020(品番)を用い、カラムとして、東ソー(株)製のTSKgel Multipore HZの2本を直列に繋いだものを用いて測定した。カラム及びインジェクター内の測定温度は40℃とし、溶媒はクロロホルムを用いた。得られたπ電子共役重合体A2の重量平均分子量は24,150g/mol、数平均分子量は21,000g/mol、多分散度は1.15であった。
H−NMR:δ=6.97(s、1H)、2.80(t、J=8.0Hz、2H)、1.89−1.27(m、10H)、0.91(t、J=6.8Hz、3H)。
この理化学分析結果は、前記反応式(2)に示される化学構造を支持する。
(重合例3)
下記反応式に従いπ電子共役ブロック共重合体B1の合成を行った。なお、以降の反応式中、EtHexは2−エチルヘキシル基を表す。
Figure 2015026716
窒素雰囲気下、50mLフラスコにπ電子共役重合体A1(160.0mg,0.12mol)、重合体ブロックBを構成する2種類の単量体として2,6−ビス(トリメチルチン)−4,8−ビス(2−エチルヘキシロキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(113.0mg,0.16mmol)、2,6−ビス(トリメチルチン)−4,8−ジプロピルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(40.9mg,0.07mmol)および1−(4,6−ジブロモチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル)−2−エチルヘキサン−1−オン(86.0mg,0.20mmol)、DMF(3.0mL)、トルエン(12mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(30mg、26μmol)を加え、容器内をアルゴンガスで20分間バブリングした後に、110℃で10時間加熱した。反応終了後、反応溶液をメタノール(300mL)に注ぎ、析出した固体を濾取し、得られた固体を減圧乾燥することで粗生成物を得た。粗生成物を、ソックスレー抽出機を用いてアセトン(200mL)、ヘキサン(200mL)で洗浄した後に、クロロホルム(200mL)で抽出した。得られた溶液を濃縮し、メタノール(300mL)に注ぎ、析出した固体を濾取した後に減圧乾燥することで黒紫色の固体としてπ電子共役ブロック共重合体B1を得た(221.0mg,75.4%)。
重合例1と同様の方法を用いて、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を求めた。得られた共役ブロック共重合体B1の重量平均分子量は86,400、数平均分子量は28,800、多分散度は2.99であった。
H−NMR(270MHz,CDCl):δ=7.60−7.30(br,3H)、4.40−4.00(br,4H)、3.30−3.00(br,4H)、2.00−0.60(br,51H)。
この理化学分析結果は、前記反応式(3)に示される化学構造を支持する。
(添加溶媒に対するπ電子共役重合体の溶解度測定)
重合例1から3で得た重合体をクロロベンゼンに溶解させ、1.0×10−5mol/Lの希薄溶液を調整した。調整した希薄溶液を孔径0.45μmのPTFEシリンジフィルターでろ過し、得られたろ液を光路長1cmの石英セルに入れ、クロロベンゼンをリファレンス溶液として紫外可視近赤外分光光度計(株式会社島津製作所SolidSpec−3700)を用いて300〜1000nmの吸収スペクトルを測定した。得られた吸収スペクトルから、500〜700nmの範囲にある極大吸収波長の吸光度を用いて、π電子共役重合体のモル吸光係数を算出した。次に、重合例1から3で得たπ電子共役重合体を、実施例及び比較例で用いる添加溶媒1mLに10mg加え、80℃で3時間攪拌し、次いで25℃にて3時間攪拌して分散または溶解させた。調整した溶液を孔径0.45μmのPTFEシリンジフィルターでろ過し、得られたろ液を光路長20μmの石英セルに入れ、クロロベンゼンをリファレンス溶液として吸収スペクトルを測定した。モル吸光係数を算出した波長における吸光度と、希薄溶液で得たモル吸光係数を用いて、各溶媒に対するπ電子共役重合体の溶解度を測定した。
(実施例1)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜(抵抗値10Ω/□)を付けたガラス基
板を酸素雰囲気下にて15分間UVオゾン洗浄を施し、表面処理を行った。基板上に正孔輸送層となるPEDOT:PSS水溶液(H.C.Starck社製:CLEVIOS PH500)をスピンコート法により40nmの厚さに製膜し、ホットプレートにより140℃で20分間加熱乾燥を行った。次に、クロロベンゼン(和光純薬工業株式会社製:特級)1mlに、電子供与性有機半導体材料として重合例1にて得たπ電子共役重合体A1と、電子受容性有機半導体材料としてフラーレン誘導体PC71BM(フロンティアカーボン社製:E110)とを、1:1.5の質量分率にて混合した粉体を30mg加え、さらにπ電子共役重合体の貧溶媒として1,8−ジヨードオクタンと、N,N−ジメチルホルムアミドをそれぞれ2.5vol%と8.0vol%加え、100℃で溶解させた後、π電子共役重合体とPC71BMを含む有機半導体溶液を調整した。調整した有機半導体溶液をスピンコート法によりPEDOT:PSS水溶液を塗布した基板上に塗布し、有機太陽電池の光電変換層(膜厚約100nm)を得た。これを3時間真空乾燥した後、真空蒸着機によりフッ化リチウムを膜厚1nmで蒸着し、次いでアルミニウムを膜厚100nmで蒸着した。蒸着のときの真空度は、2×10-4Pa以下であった。これによりπ電子共役重合体からなる有機太陽電池が得られた。有機太陽電池の形状は5×5mmの正四角形であった。
(実施例2)
π電子共役重合体の貧溶媒として1,8−ジヨードオクタンと、安息香酸メチルをそれぞれ2.5vol%と5.0vol%加えた以外は、実施例1と同様に有機太陽電池を作製した。
(実施例3)
π電子共役重合体として重合例3にて得た共役ブロック共重合体B1を用いた以外は、実施例1と同様に有機太陽電池を作製した。
(実施例4)
π電子共役重合体として重合例3にて得た共役ブロック共重合体B1を用いた以外は、実施例2と同様に有機太陽電池を作製した。
(比較例1)
π電子共役重合体の貧溶媒を加えなかった以外は、実施例1と同様に有機太陽電池を作製した。
(比較例2)
π電子共役重合体の貧溶媒として、1,8−ジヨードオクタンのみを2.5vol%加えた以外は、実施例1と同様に有機太陽電池を作製した。
(比較例3)
π電子共役重合体の貧溶媒として、安息香酸メチルのみを5.0vol%加えた以外は、実施例1と同様に有機太陽電池を作製した。
(比較例4)
π電子共役重合体の貧溶媒として、N,N−ジメチルスルホキシドのみを5.0vol%加えた以外は、実施例1と同様に有機太陽電池を作製した。
(比較例5)
π電子共役重合体の貧溶媒として1,8−ジヨードオクタンと、N,N−ジメチルスルホキシドをそれぞれ2.5vol%と5.0vol%加えた以外は、実施例1と同様に有機太陽電池を作製した。
(比較例6)
π電子共役重合体の貧溶媒として1,8−ジヨードオクタンと、クロロホルムをそれぞれ2.5vol%と5.0vol%加えた以外は、実施例1と同様に有機太陽電池を作製した。
(比較例7)
π電子共役重合体として重合例3にて得た共役ブロック共重合体B1を用い、π電子共役重合体の貧溶媒を加えなかった以外は、実施例1と同様に有機太陽電池を作製した。
(比較例8)
π電子共役重合体の貧溶媒として1,8−ジヨードオクタンと、N,N−ジメチルスルホキシドをそれぞれ2.5vol%と5.0vol%加えた以外は、比較例7と同様に有機太陽電池を作製した。
(比較例9)
π電子共役重合体として重合例2にて得たπ電子共役重合体A2と、電子受容性有機半導体材料としてフラーレン誘導体PC61BM(フロンティアカーボン社製:E100H)とを、1:0.8の質量分率にて混合し、クロロベンゼンに溶解させて光電変換層を形成し、かつπ電子共役重合体の貧溶媒を加えなかった以外は、実施例1と同様に有機太陽電池を作製した。
(比較例10)
π電子共役重合体の貧溶媒として1,8−ジヨードオクタンと、安息香酸メチルをそれぞれ2.5vol%と5.0vol%加えた以外は、比較例9と同様に有機太陽電池を作製した。
(光電変換特性の評価)
得られた各実施例及び比較例の有機太陽電池の光電変換効率を、300Wのソーラシミュレーター(ペクセルテクノロジー社製、商品名PEC L11:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm) で測定した。測定結果を表1及び表2に示す。
Figure 2015026716
Figure 2015026716
比較例1と実施例1,2の比較、及び比較例7と実施例3、4の比較より、本発明の範囲内にあるπ電子共役重合体の貧溶媒2種を加える事により、貧溶媒を添加せず作製した有機太陽電池よりも高い変換効率が得られる事が分かる。比較例2〜4と実施例1、2の比較から、本発明は、貧溶媒を1種のみ加えた場合よりも高い変換効率が得られる事が分かる。比較例5と実施例1、2の比較、及び比較例8と実施例3,4の比較から、本発明は、π電子共役重合体の貧溶媒1種と、SP値が本発明の範囲外である貧溶媒1種を加え作製した有機太陽電池よりも高い変換効率を示す事が分かる。比較例6と実施例1,2の比較から、π電子共役重合体の貧溶媒1種と、π電子共役重合体の良溶媒であるクロロホルムを添加した場合には、変換効率の向上が得られない事が分かる。比較例9、10から、π電子共役重合体が本発明の範囲外である場合、本発明の製造方法を適用しても変換効率向上は得られない事が分かる。
(光電変換層の断面のモルフォロジ画像評価)
実施例2及び比較例2、5で得られた光電変換素子の、光電変換層の断面のモルフォロジを以下の方法で観察・解析した。光電変換層を有する光電変換素子の断面方向の薄膜切片を収束イオンビーム装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー製SMI3200F)を用いて、加速電圧30kVにて作製した。尚、薄膜切片の粗加工時のイオン電流は6500pA、仕上げ加工時のイオン電流は80pAであった。作製した薄膜切片は50〜100nmでの膜厚であった。
作製した薄膜切片に対し、STEM法(日立ハイテクノロジーズ社製;S−5500)を用いて、断面のモルフォロジ画像を得た。STEM法によるモルフォロジ画像の取得は、加速電圧30kVにて実施した。得られた画像は2pixel/nm以上の解像度を持ち、グレースケールに変換後、モルフォロジのコントラストがわかり易いようにコントラスト及び明るさを調整した。
実施例2において得られた光電変換素子の断面のモルフォロジ画像を図1に示す。この断面のモルフォロジ画像から、ガラス基板上のITO電極膜上にPEDOT/PSS膜からなる正孔輸送層が付され電極層が形成されており、その上に光電変換層が形成され、さらにその上にフッ化リチウム膜上に蒸着されたアルミ電極である電極層が形成されていることを、確認することができる。この図1に対してPhotoShop CS5(アドビ システムズ社製)を用いて2値化処理を行い、光電変換層に該当する領域をトリミングして得られたモルフォロジ画像を図2に示す。本観察では暗い部分が電子供与性有機半導体であるπ電子共役重合体が多く含まれる相であり、明るい部分が電子受容性有機半導体であるフラーレン誘導体が多く含まれる相である。
前記と同様にして、比較例2及び5において得られた光電変換素子の断面のモルフォロジ画像を得た。得られた画像を2値化処理し、光電変換活性層に該当する領域をトリミングして得られた画像モルフォロジ画像をそれぞれ図3、4に示す。
図2、3の比較から、本発明は、貧溶媒として1、8−ジヨードオクタンのみを加える製造法よりも微細化したモルフォロジが得られる事は明らかであり、貧溶媒を2種加える事により光電変換層のモルフォロジを制御できていることがわかる。図2、4の比較から、添加する貧溶媒2種のSP値が18.1以上26.5以下の範囲内であることにより、SP値の範囲が当該範囲を外れる貧溶媒を添加した場合に比べ、モルフォロジの微細化効果に優れていることがわかる。

Claims (5)

  1. 少なくとも一方が光透過性を有する正極と負極との間に、π電子共役重合体及び電子受容性有機半導体を含む光電変換層を有する光電変換素子の製造方法であって、
    前記π電子共役重合体は、少なくとも一つのチオフェン環を化学構造の一部に含む縮環π共役骨格、カルバゾール骨格、ジベンゾシロール骨格、ジベンゾゲルモール骨格及びジケトピロロピロール骨格から選ばれる複素環骨格を少なくとも一つ有する単量体単位を含み、
    前記π電子共役重合体及び前記電子受容性有機半導体を有機溶媒に溶解させ、有機半導体溶液を得る工程(A)、
    該有機半導体溶液に、SP値が18.1以上26.5以下の範囲内である前記π電子共役重合体の貧溶媒を少なくとも2種添加する工程(B)、及び
    前記正極と負極との間に、工程(B)で得られた有機半導体溶液を塗布法により製膜して、前記光電変換層を形成する工程(C)、を含むことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
  2. 前記工程(B)で用いられる貧溶媒は、前記π電子共役重合体の溶解度が1.0mg/mL以下である請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
  3. 前記工程(B)で用いられる貧溶媒の少なくとも1種が、1,8−ジヨードオクタン、アニソール、安息香酸メチル、アニリン、1,2−ジブロモエタン、モルホリン、N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミドから選ばれるいずれかである請求項1または2に記載の光電変換素子の製造方法。
  4. 前記工程(B)で用いられる貧溶媒の少なくとも1種が1,8−ジヨードオクタンであり、少なくとも他の1種が、アニソール、安息香酸メチル、アニリン、1,2−ジブロモエタン、モルホリン、N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミドから選ばれるいずれかである請求項3に記載の光電変換素子の製造方法。
  5. 前記工程(B)で用いられる少なくとも2種の貧溶媒の添加量の合計が、前記有機半導体溶液の0.1vol%〜50.0vol%の範囲内である請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子の製造方法。
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