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JP2015078277A - 難燃樹脂組成物 - Google Patents

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JP2015078277A
JP2015078277A JP2013215280A JP2013215280A JP2015078277A JP 2015078277 A JP2015078277 A JP 2015078277A JP 2013215280 A JP2013215280 A JP 2013215280A JP 2013215280 A JP2013215280 A JP 2013215280A JP 2015078277 A JP2015078277 A JP 2015078277A
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Masayuki Kabetani
正之 壁谷
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五士 今村
貴之 藤沢
Takayuki Fujisawa
貴之 藤沢
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Abstract

【課題】 従来の技術では困難であった、自消性と耐ドリップ性を両立することにより極めて高い難燃性を発現し、UL94−5Vにおける5VAを達成すると共に、機械物性(曲げ弾性、曲げ強度)、成形加工性及び良好な外観を付与した難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを用いた成形体を提供する。【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂(A)に、フィラー(B)と、ハロゲン系難燃剤(C)と、難燃助剤(E)と、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(D)とを特定の量範囲で含有するポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを成形してなる成形体。【選択図】なし

Description

本発明は、フィラーを含有する難燃性ポリプロピレン樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下、PTFEと略記することがある)と、ハロゲン系難燃剤及び難燃助剤、フィラーとを特定量配合してなる難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物に関する。
難燃性ポリプロピレンを得る為には、各種のポリプロピレン樹脂に、ハロゲン系難燃剤とアンチモン化合物からなる難燃剤組成物を配合することが広く行われている。これは、これらの難燃剤組成物が比較的少量で良好な難燃性を発現できる為である。
しかしながら、これらの難燃剤組成物を使用した場合、難燃剤組成物自身は燃焼時に生じる樹脂のドリップ性を抑制することができない為、より高いレベルの難燃性を発現させるためには自消効果のみで難燃性能を付与する必要がある。当該難燃剤組成物では難燃性能がハロゲン系難燃剤の添加量に依存する為、より高い難燃性を発現するためには難燃剤を多量に添加する必要が有る。しかしながら、難燃剤を多量に添加するに従い、機械物性の低下並びに成型加工時の外観不良等を生じることが懸念される為、機械物性や成形加工性を維持したままより高い難燃性を発現させるためには、自消効果以外の手法で難燃性を付与させる技術が必要である。
難燃性の評価基準には、樹脂自身が燃え難いという特性(所謂、自消性)の他、燃焼あるいは溶融状態の樹脂がドリップしないこと、又はドリップしても他の物に燃え広がり難いという特性(所謂、耐ドリップ性、又はドリップ防止性)が要求されており、近年、自消性と耐ドリップ性を両立したより高い難燃レベルが要求されている。
近年、自動車のEV化、HEV化や家電製品においてもIH化が進んでおり、自動車部材及び家電部材において「UL規格(米国アンダーライターズラボラトリー規格)−94V」における「V−0」という高度な難燃性が要求され始めている。また、大型部材における難燃化も進んでおり従来以上の自消性と耐ドリップ性に特化した難燃性の要求がされている。このような難燃性は「UL94−5V」における「5VA」という非常に高度な規格を満足するものである。
このように、自動車及び家電材料として難燃材料が求められているが、これらの難燃材料には、従来の非難燃材料と同等の機械物性が求められている。即ち、極めて高い難燃効果を付与しかつ機械物性(特に剛性)、成形性を満足する材料が現在求められている。
特許文献1、2、3には、熱可塑性樹脂に有機系難燃剤(特にリン酸塩系難燃剤)を添加し、ドリップ抑制効果を付与するため、テトラフルオロエチレン(PTFE)を添加した難燃性樹脂組成物が記載されている。しかしながら、何れの組成物においても本願で求める耐ドリップ性を発現することは困難であり、満足する効果を発現するためには難燃剤もしくはPTFEを増量する必要がある。しかしながら、これによる流動性及び機械物性の低下を避けることが困難であり本願の求める難燃性、成形性及び機械物性の全てを満足することは困難である。
特許文献4には、融点300℃以上のハロゲン系難燃剤を使用し極めて高い難燃性を付与した技術が記載されている。しかしながら、この技術では熱硬化性樹脂に上記難燃剤を添加しており、熱硬化性樹脂が熱により硬化する特性を燃焼時のドリップ性を抑制する効果に応用したものである。これは、熱により粘度が低下する熱可塑性樹脂に展開することは極めて困難である。
特開2005−60603号公報 特開2001−2947号公報 特開平10−30046号公報 特開2011−74210号公報
本発明の課題は、従来の技術では困難であった、自消性と耐ドリップ性を両立することにより極めて高い難燃性を発現し、UL94−5Vにおける5VAを達成すると共に、機械物性(特に剛性)と成形加工性を付与した難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを用いた成形体を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、プロピレン系樹脂にPTFE、ハロゲン系難燃剤、難燃助剤及びフィラーを特定量配合し、燃焼時における自消性と耐ドリップ性を両立し極めて高い難燃性(UL94−5Vにおける5VA)を発現し、かつ、機械物性(特に剛性)及び成形加工性を有する難燃性ポリプロピレン系樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記の条件(A−1)を満足するポリプロピレン系樹脂(A)と、フィラー(B)と、下記の条件(C−1)を満足するハロゲン系難燃剤(C)と、難燃助剤(E)と、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(D)とを含有し、かつ下記条件(ア)を満足することを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
条件(A−1)
ポリプロピレン系樹脂(A)が、下記の特性(Y−i)を有するポリプロピレン樹脂(Y)を含有する。
特性(Y−i):ポリプロピレン樹脂(Y)は、プロピレン単独重合体及びプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリプロピレン樹脂であり、ポリプロピレン樹脂(Y)全体のメルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg荷重)が1.0〜100g/10分である。
条件(C−1)
ハロゲン系難燃剤(C)の融点が、250℃以上である。
条件(ア)
各成分の含有量が、ポリプロピレン系樹脂(A)13〜75重量部、フィラー(B)5〜40重量部、ハロゲン系難燃剤(C)15〜35重量部及び難燃助剤(E)5〜12重量部の範囲(但し、ポリプロピレン系樹脂(A)とフィラー(B)とハロゲン系難燃剤(C)と難燃助剤(E)との合計量が100重量部である)にあり、かつポリプロピレン系樹脂(A)とフィラー(B)とハロゲン系難燃剤(C)と難燃助剤(E)との合計量100重量部に対して、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(D)が0.01〜2重量部の範囲である。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記ハロゲン系難燃剤(C)が、臭素系難燃剤であるポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は第2の発明において、前記フィラー(B)が、ガラス繊維及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種であるポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1乃至第3の何れかの発明のポリプロピレン系樹脂組成物を成形してなる成形体が提供される。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂にハロゲン系難燃剤、難燃助剤、フィラー、PTFEを特定量配合することにより、優れた機械物性(特に剛性)、成形加工性に加えて、燃焼時の自消性と耐ドリップ性を両立した極めて高い難燃性を有する。
本発明は、ポリプロピレン系樹脂(A)(以下、単に成分(A)ともいう。)13〜75重量部と、フィラー(B)(以下、単に成分(B)ともいう。)5〜40重量部と、ハロゲン系難燃剤(C)(以下、単に成分(C)ともいう。)15〜35重量部と難燃助剤(E)(以下、単に成分(E)ともいう。)5〜25重量部(但し、成分(A)と成分(B)と成分(C)と成分(E)との合計量は100重量部である)と、ポリプロピレン系樹脂(A)とフィラー(B)とハロゲン系難燃剤(C)と難燃助剤(E)との合計量100重量部に対して、PTFE(D)0.01〜2重量部(以下、単に成分(D)ともいう。)であるポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを成形してなる成形体に関する。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを成形してなる成形体は、従来のポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを成形してなる成形体の問題点を解消し、優れた機械物性及び耐候性、成形性に加えて、極めて高い難燃性を有するため、自動車部品、電機部品、容器包装部材、建築用部材、大型部材等に好適に利用できる。
以下、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを成形してなる成形体について、各項目毎に詳細に説明する。
I.ポリプロピレン系樹脂組成物の構成成分
1.ポリプロピレン系樹脂(A)(成分(A))
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂(A)は、ポリプロピレン樹脂(Y)を含有する。
1)ポリプロピレン樹脂(Y)
以下に、本発明に用いられるポリプロピレン樹脂(Y)の詳細について説明する。
1)−1.特性(Y−i):ポリプロピレン樹脂(Y)について
本発明に用いられるポリプロピレン樹脂(Y)は、プロピレン単独重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリプロピレン樹脂であり、ポリプロピレン樹脂(Y)全体のメルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg荷重)が1.0〜100g/10分である。
先ず、ポリプロピレン樹脂(Y)の種類について説明する。ポリプロピレン樹脂(Y)がプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体である場合、好ましく用いられるプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体は、プロピレンとプロピレンを除く炭素数2〜8のα−オレフィンをコモノマーとするブロック共重合体、プロピレン含量が70〜99重量%(すなわちコモノマー含量が0.01〜30重量%)であり、更に好ましくはプロピレン含量が90重量%以上のプロピレンとα−オレフィンとのブロック共重合体である。
また、プロピレンと共重合させるプロピレンを除く炭素数2〜8のα−オレフィンであるコモノマーは、1種用いてもよいし、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体としては、具体的に、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテン−1ブロック共重合体、プロピレン−ペンテン−1ブロック共重合体、プロピレン−ヘキセン−1ブロック共重合体、プロピレン−オクテン−1ブロック共重合体のような二元共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1ブロック共重合体、プロピレン−エチレン−ヘキセン−1ブロック共重合体のような三元共重合体などが挙げられ、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1ブロック共重合体などが好ましい。プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体におけるα−オレフィン単量体の含有量は、通常は、0.01〜30重量%程度、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは1〜10重量%程度含むことができる。
プロピレンを除く炭素数2〜8のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、1−オクテン等を挙げることができる。
また、成形性の観点から、ポリプロピレン樹脂(Y)は、融点が100〜170℃であることが好ましく、150〜165℃であることがより好ましい。ポリプロピレン系樹脂の融点は、主として、原料として用いられるプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンの種類、共重合比率、MFR等により、適宜制御することができる。なお、本明細書でいう「融点」とは、示差走査熱量計(DSC:Differential Scanning Calorimeter)により、測定された融解ピーク温度である。
1)−2.特性(Y−i):ポリプロピレン樹脂(Y)のメルトフローレートについて
本発明に用いられるポリプロピレン樹脂(Y)は、JIS K7210に準拠したメルトフローレート(以下、MFRとも記す。)[測定温度230℃、荷重2.16kg(21.18N)]が1.0〜100g/10分である。5.0〜80g/10分であるのが好ましく、10〜60g/10分がより好ましい。MFRをこのような範囲とすることにより、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品において、良好な成形性を保つと共に、高い耐ドリップ性を発現させ、高い難燃性を達成することが可能となる。即ち、MFRが1g/10分を下回ると、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を成形する時の負荷が増大し、成形性が悪化すると共に、成形体の変色等を生じ外観が悪化するおそれがあり、逆に、100g/10分を上回ると、適切な耐ドリップ性を発現できず難燃性が悪化するおそれがある。
また、前記ポリプロピレン樹脂(Y)は、その結晶化度を示すアイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)が96%以上のものが、本発明おいて好ましく用いられ、更に好ましくは、アイソタクチックペンタッド分率97%以上である。アイソタクチックペンタッド分率が96%以上であると、剛性や耐熱性などが高くなり、その物性がより良好なものとなるので好ましい。これは、ポリプロピレン樹脂(Y)において、分子の配向結晶性が高まり、また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品において、後述するフィラー(B)の配向と均一分散が容易になるためと推察される。ポリプロピレン樹脂(Y)の結晶化度の制御は、原料の共重合比率や、使用する触媒によって分子量分布を制御することにより調整することができる。
なお、上記アイソタクチックペンタッド分率(mmmm)は、13C−NMR(核磁気共鳴法)を用いて測定される値であり、同位体炭素による核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)を使用して測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック分率である。すなわち、アイソタクチックペンタッド分率は、プロピレンモノマー単位が5個連続してアイソタクチック結合したプロピレン単位の分率である。具体的には、13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中mmmmピークの強度分率をもってアイソタクチックペンタッド単位を測定し、例えば、日本電子社製FT−NMRの270MHzの装置が用いられる。
本発明に用いられるプロピレン樹脂(Y)を得るために用いられる触媒は、特に限定されるものではなく、公知の触媒が使用可能である。例えば、チタン化合物と有機アルミニウムを組み合わせた、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒(例えば、ポリプロピレンハンドブック(1998年5月15日 初版第1刷発行)等に記載)、あるいは、メタロセン触媒(例えば、特開平5−295022号公報等に記載)が使用できる。
本発明に用いられるを得るために用いられる重合プロセスは、特に限定されるものではなく、公知の重合プロセスが使用可能である。例えば、スラリー重合法、バルク重合法、気相重合法等が使用できる。また、バッチ重合法や連続重合法のいずれも用いることができ、所望により、二段及び三段等の複数段の連続重合法を用いてもよい。また、2種以上のプロピレン系重合体を機械的に溶融混練することによっても、製造することができる。
また、ポリプロピレン樹脂(Y)として使用可能なポリプロピレン樹脂は、種々の製品が多くの会社から市販されており、例えば日本ポリプロ社製のノバテックシリーズ等を挙げることができる。これら市販の製品から所望の物性を有する製品を購入し、使用することも可能である。
2.フィラー(B)
本発明において用いられるフィラー(B)は、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品において剛性等の物性を向上させるばかりでなく、耐熱性、寸法安定性(線膨張係数の低減など)、低収縮性など、付加的な物性の向上などに寄与する特徴を有する。本発明において用いられるフィラー(B)としては、ガラス繊維及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも一種のフィラーが好ましい。
(1)種類、製造
本発明において用いられるフィラー(B)は、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品において剛性等の物性を向上させるばかりでなく、耐熱性、寸法安定性(線膨張係数の低減など)、低収縮性など、付加的な物性の向上などに寄与する物であれば特に制限されず、例えばガラス繊維、タルク、ワラストナイト、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、ガラスバルーン、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、カーボンファイバー、クレイ、有機化クレイなど、各種の無機または有機のフィラー等を挙げることができる。これらの中でも、本願発明の目的とする効果を十分に達成することが可能であり、かつ取扱いや入手が容易であり、工業的に使用可能な量を安価に入手可能という理由で、ガラス繊維、タルクからなる群から選ばれる少なくとも一種のフィラーが好ましい。
このフィラー(B)は、本発明効果の一層の向上を図るなどのため、2種以上を併用することもでき、予め前記ポリプロピレン系樹脂(A)などに比較的高濃度に含有させた所謂マスターバッチとした形で使用することもできる。
(i)ガラス繊維
ガラス繊維としては、特に限定されず用いることができ、繊維に用いられるガラスの種類としては、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラスなどが挙げることができ、中でもEガラスが好ましい。
該ガラス繊維の製造方法は、特に限定されたものではなく、公知の各種製造方法にて製造される。
該ガラス繊維の繊維径は3μm〜25μmのものが好ましく、6μm〜20μmのものがより好ましい。また、その長さは2mm〜20mmとすることが好ましい。この繊維径や長さは、顕微鏡やノギスなどにより測定された値より求められる。
繊維径が3μm未満の場合、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品の製造、成形時などにおいて、該ガラス繊維が折損し易くなるおそれがあり、一方、25μmを超えると、繊維のアスペクト比が低下することに伴い、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品の剛性・衝撃強度の各向上効果などが低下するおそれがある。
また、繊維長は、使用するガラス繊維にもよるが、前記の通り2mm〜20mmとすることが好ましい。2mm未満であると本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品の剛性・衝撃強度などの物性を低下させるおそれがあり、一方、20mmを超えると、成形性(流動性)を低下させるおそれがある。なお、この場合の繊維長とは、ガラス繊維をそのまま原料として用いる場合における長さで表すこともできる。但し、後記する溶融押出加工して連続した多数本のガラス繊維を集合一体化した、ガラス繊維含有ペレットの場合はこの限りではなく、通常ロービング状のものを用いる。なお、ガラス繊維は2種以上併用することもできる。
ガラス繊維は、表面処理されたものも無処理のものもいずれも用いることができるが、ポリプロピレン系樹脂(A)への分散性を向上させるなどのため、有機シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤、ジルコネートカップリング剤、シリコーン化合物、高級脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステルなどによって表面処理されているものを用いることが好ましい。
表面処理に使用する有機シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができる。また、チタネートカップリング剤としては、例えばイソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル)チタネートなどが挙げられる。また、アルミネートカップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどを挙げることができる。また、ジルコネートカップリング剤としては、例えば、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル)ブチル、ジ(トリデシル)ホスフィトジルコネート;ネオペンチル(ジアリル)オキシ、トリネオデカノイルジルコネートが挙げられる。また、前記シリコーン化合物としては、シリコーンオイル、シリコーン樹脂などが挙げられる。
さらに、表面処理に使用する高級脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、カプリン酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、カレイン酸、リノール酸、ロジン酸、リノレン酸、ウンデカン酸、ウンデセン酸などが挙げられる。また、高級脂肪酸金属塩としては、炭素数9以上の脂肪酸、例えば、ステアリン酸、モンタン酸などのナトリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩などが挙げられる。中でも、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸ナトリウムが好適である。また、脂肪酸エステルとしては、グリセリン脂肪酸エステルなどの多価アルコール脂肪酸エステル、アルファスルホン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどが例示される。
前記表面処理剤の使用量は、特に制限されるわけではないが、ガラス繊維100重量部に対して0.01重量部〜5重量部が好ましく、0.1重量部〜3重量部がより好ましい。
また、該ガラス繊維は、集束剤で集束(表面)処理されたものを用いてもよく、集束剤の種類としては、エポキシ系集束剤、芳香族ウレタン系集束剤、脂肪族ウレタン系集束剤、アクリル系集束剤及び無水マレイン酸変性ポリオレフィン系集束剤などが挙げられる。
これらの集束剤は、ポリプロピレン系樹脂(A)との溶融混練において融解する必要があるため、200℃以下で溶融するものであることが好ましい。
該ガラス繊維は、繊維原糸を所望の長さに裁断した、所謂チョップドストランド状ガラス繊維として用いることもできる。本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品の剛性・衝撃強度の各向上効果をより高めるなどのため、このチョップドストランド状ガラス繊維を用いることが好ましい。
ガラス繊維の具体例としては、日本電気硝子社製(T480)などを挙げることができる。
また、これらのガラス繊維は、予め任意の量の例えばポリプロピレン系樹脂(A)と、溶融押出加工して連続した多数本のガラス繊維を集合一体化したペレットとし、且つ、該ペレット中におけるガラス繊維長さが実質的に、該ペレットの一辺(押出方向)の長さと同じである、「ガラス繊維含有ペレット」として用いてもよく、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品の剛性・衝撃強度などの物性をより高める点などからより好ましい。この場合、「実質的に」とは、具体的には、ガラス繊維含有ペレット中のガラス繊維の個数全体を基準として、50%以上、好ましくは90%以上において、その長さがガラス繊維含有ペレットの長さ(押出方向)と同じであって、該ペレット調製の際に繊維の折損を殆ど受けないことを意味する。
こういったガラス繊維含有ペレットの製造方法は、特に制限されないが、例えば、樹脂押出機を用い、連続した多数本のガラス繊維を繊維ラックからクロスヘッドダイを通して引きながら、任意の量の成分(A)と、溶融状態で溶融押出加工(含浸)して多数本のガラス繊維を集合一体化する方法(引抜成形法)で製造すると、繊維の折損を殆ど受けないので好ましい。
該ガラス繊維含有ペレットの長さ(押出方向)は、使用するガラス繊維にもよるが、前記と同様に2mm〜20mmとすることが好ましい。2mm未満であると本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品の剛性・衝撃強度などの物性を低下させるおそれがあり、一方、20mmを超えると成形性(流動性)などを低下させるおそれがある。
また、該ガラス繊維含有ペレットにおいて、ガラス繊維の含有量は、該ペレット全体100重量%を基準として、20重量%〜70重量%であることが好ましい。
ガラス繊維の含有量が20重量%未満であるガラス繊維含有ペレットを本発明において用いた場合、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品の剛性・衝撃強度などの物性が低下するおそれがあり、一方、70重量%以上であるものを用いた場合には、成形性(流動性)などを低下させるおそれがある。
(ii)タルク
タルクは、平均粒径が1.5μm〜15μmのものが好ましく、2〜8μmのものが特に好ましい。タルクの平均粒径が1.5μm未満であると凝集して成形体外観(シルバーストレーク)が低下する傾向となり、15μmを超えると衝撃強度が低下する場合が有るので好ましくない。該タルクは、例えばタルク原石を衝撃式粉砕機やミクロンミル型粉砕機で粉砕して製造したり、更にジェットミルなどで粉砕した後、サイクロンやミクロンセパレータ等で分級調整する等の方法で製造する。
タルクは、各種金属石鹸や界面活性剤などで化学的または物理的に表面処理したものでも良く、さらに、見かけ比容を2.50ml/g以下にしたいわゆる圧縮タルクを用いても良い。上記タルクの平均粒径は、レーザー回折散乱方式粒度分布計を用いて測定した値であり、測定装置としては、例えば、堀場製作所LA−920型が測定精度において優れているので好ましい。
タルクは、平均アスペクト比が4以上、特に5以上のものがより好ましい。該タルクのアスペクト比の測定は、顕微鏡等により測定された値より求められる。
3.ハロゲン系難燃剤(C)
本発明に用いられるハロゲン系難燃剤(C)は、以下の条件を満足することが必須である。
条件(C−1)
ハロゲン系難燃剤(C)の融点が、250℃以上である。
本発明に用いられるハロゲン系難燃剤(C)としては、融点が250℃以上のハロゲン系難燃剤を用いることが重要であり、融点が250℃以上であれば一般的にポリオレフィン用の難燃剤として用いられるものを用いることができる。ハロゲン系難燃剤(C)として融点が250℃以上のハロゲン系難燃剤を使用することにより、ハロゲン系難燃剤の分解によるポリプロピレン系樹脂組成物の劣化を防ぐと共に、良好な耐ドリップ性を得ることが可能となる。
ハロゲン系難燃剤としては、例えば、ハロゲン化ジフェニル化合物、ハロゲン化ビスフェノール系化合物、ハロゲン化ビスフェノール−ビス(アルキルエーテル)系化合物、ハロゲン化フタルイミド系化合物などの有機ハロゲン化芳香族化合物等を挙げることができる。
上記ハロゲン系難燃剤で融点が250℃のもので代表されるのものとして、エチレンビスペンタブロモフェニル、エチレンビステトラブロモフタルイミド、デカブロモジフェニルオキサイド、テトラデカブロモジフェノキシベンゼンなどが挙げられる。
また、各種の難燃剤は、純度によって融点が異なることが知られている。上記ハロゲン系難燃剤のほかでも、純度が高く、融点が250℃以上のものであれば用いることができる。例えば、(3,5−ジブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)−(3−ブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)メタン、1−(3,5−ジブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)−2−(3−ブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)エタン、1−(3,5−ジブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)−3−(3−ブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)プロパン、(3,5−ジクロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)−(3−クロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)メタン、1−(3,5−ジクロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)−2−(3−クロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)エタン、1−(3,5−ジクロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)−3−(3−クロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)メタン、1,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)エタン、1,3−ビス(3,5−ジブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジクロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)メタン、1,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)エタン、1,3−ビス(3,5−ジクロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)プロパン、2−ビス(3,5−ジクロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)プロパン、(3,5−ジブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)−(3−ブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)ケトン、(3,5−ジクロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)−(3−クロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)ケトン、ビス(3,5−ジブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)ケトン、ビス(3,5−ジクロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)ケトン、(3,5−ジブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)−(3−ブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)エーテル、(3,5−ジクロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)−(3−クロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジクロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)エーテル、(3,5−ジブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)−(3−ブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)チオエーテル、(3,5−ジクロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)−(3−クロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)チオエーテル、ビス(3,5−ジブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)チオエーテル、ビス(3,5−ジクロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)チオエーテル、(3,5−ジブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)−(3−ブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)スルフォン、(3,5−ジクロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)−(3−クロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)スルフォン、ビス(3,5−ジブロモ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)スルフォン、ビス(3,5−ジクロロ−4−2,3−ジブロモプロポキシフェニル)スルフォンなどの中でも純度が高く、融点が250℃以上のものは使用可能である。
また、ハロゲン系難燃剤(C)の中でも、より少ない使用量であっても、本発明に於いてより高い難燃効果が得られるという理由から、臭素系難燃剤が好ましい。これら臭素系難燃剤としては、前記の臭素化難燃剤を挙げることができる。
これらのハロゲン系難燃剤は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。また、ハロゲン系難燃剤と共に、特性を損なわない範囲でハロゲン系難燃剤に該当しない他の有機系難燃剤(リン系難燃剤、水酸化マグネシウム等)を使用することもできる。
3.難燃助剤(E)
本発明において用いられる難燃助剤(E)は、特に制限されず、種々の化合物を使用することができるが、中でも、アンチモン化合物がハロゲン系難燃剤(C)と反応し、ハロゲン系難燃剤(C)の使用量が少ない場合でも、より高い難燃効果を発現することが可能となる、という理由で好ましい。アンチモン化合物は、ハロゲン系難燃剤(C)と共に、ポリプロピレン系樹脂(A)に配合されることにより、難燃効果を増すために用いられる。
具体的なアンチモン化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、三塩化アンチモン、五塩化アンチモンなどのハロゲン化アンチモン、三硫化アンチモン、五硫化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、酒石酸アンチモン等が代表的に挙げられる。
なお、本発明において、アンチモン化合物には、金属アンチモンが含まれるものとする。本発明で用いるアンチモン化合物としては、三酸化アンチモンが好ましい。
また、これらの難燃助剤(E)は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
4.ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)(D)
本発明に用いられるポリテトラフルオロエチレン樹脂(D)は、テトラフルオロエチレンの単独重合体又はテトラフルオロエチレンを主成分とする共重合体である。テトラフルオロエチレンと共重合するコモノマーとしては、ジフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロアルキルエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等の含フッ素オレフィンや、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート等の含フッ素アルキル(メタ)アクリレートを用いることができる。共重合成分の含量は、原料であるテトラフルオロエチレンに対して10重量% 以下であることが好ましい。
本発明で用いられる成分(D)は、PTFE粒子、PTFE粒子の水性分散液、PTFEを例えばポリプロピレン系樹脂(A)と混練した所謂「マスターバッチ」等、種々の形態で使用することができる。これらの中でも、入手や取り扱いの容易さ及び使用量を正確に把握可能であることや夾雑物を排除する等が可能であることなどから、PTFE粒子を用いるのが好ましい。PTFE粒子は市販のものを使用してもよいし、以下に示すPTFE粒子の水性分散液を得たのち、後述の方法により乾燥させて使用してもよい。
ポリテトラフルオロエチレン粒子の水性分散液の市販原料としては、旭硝子社製のフルオンAD−1、AD−936、ダイキン工業社製のポリフロンD−1、D−2、三井デュポンフロロケミカル社製のテフロン30J(テフロンは登録商標)等を代表例として挙げることができる。
PTFE粒子の水性分散液は、含フッ素界面活性剤を用いる乳化重合法によって、テトラフルオロエチレンモノマーと、要すれば適宜のコモノマーを重合することにより得られる。PTFE粒子の水性分散液の粒子径は0.05〜1.0μmが好ましい。
こうして得られたPTFE粒子の水性分散液は、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に投入し、塩析、凝固した後に乾燥するか、スプレードライにより粉体化することができる。前述のように得られた粉体をそのまま使用するのが好ましいが、酸化防止剤、安定剤、滑剤等の成形助剤と共にポリプロピレンなどのマトリクス樹脂に配合し、溶融混練することによってPTFEマスターバッチを調製し、使用してもよい。
場合によっては、PTFE粒子の水性分散液中で重合性ビニル化合物を重合することによって、PTFEを変性することができる。この際に得られるPTFE変性物は、PTFEとビニル化合物の重合体との均一な混合物を形成しており、ポリプロピレンとの混合性が向上する場合がある。
上記重合性ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、o−エチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;無水マレイン酸等のα、β−不飽和カルボン酸;N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド単量体;グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のα−オレフィン単量体;ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン単量体等を挙げることができる。なかでも極性基を有する(メタ)アクリルモノマーが好ましい。これらの単量体は、単独であるいは2種以上混合して用いることができる。変性PTFE中のPTFE含有量は、通常1〜90重量%の範囲から選択される。
アクリルモノマーで変性されたPTFEの市販品としては、三菱レイヨン社製の熱可塑性樹脂用改質剤(メタブレンA−3000)などが挙げられる。
PTFEは、ポリプロピレン系樹脂(A)との溶融混練に際し、せん断力によりフイブリル化し繊維状のネットワーク構造を採るので、溶融樹脂の溶融張力を向上させる作用がある。このフイブリルを効率よく発生、分散させるためにPTFEを特殊なアクリル樹脂で変性した物が好ましい。
本発明において、成分(D)をマトリクス樹脂と共に溶融混練したマスターバッチの形態で使用することもできる。マスターバッチは、ポリプロピレン樹脂等のマトリクス成分に、変性された、或いは変性されていないPTFE粉状品を適当量混合し、タンブラーミキサーやヘンシェルミキサーで混合した後、二軸押し出し機等を用いて適当な溶融条件下でペレット化することで製造される。この際要すれば、酸化防止剤、滑剤、光安定剤など各種添加剤を同時に配合することができる。
繊維(B)と有機系難燃剤(C)とを予めポリプロピレン系樹脂(A)に混合しておき、その後成分(D)のマスターバッチと混合してもよい。成分(A)、成分(B)、成分(C)及び成分(D)を同時に混合してもよく、更に、各種添加剤を同時に混合してもよい。
4.各成分の配合量
本発明においては、以下の条件(ア)を満足することが重要である。
条件(ア)
各成分の含有量が、ポリプロピレン系樹脂(A)13〜75重量部、フィラー(B)5〜40重量部、ハロゲン系難燃剤(C)15〜35重量部及び難燃助剤(E)5〜12重量部の範囲(但し、ポリプロピレン系樹脂(A)とフィラー(B)とハロゲン系難燃剤(C)と難燃助剤(E)との合計量が100重量部である)にあり、かつポリプロピレン系樹脂(A)とフィラー(B)とハロゲン系難燃剤(C)と難燃助剤(E)との合計量100重量部に対して、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(D)が0.01〜2重量部の範囲である。
各成分の配合量をこの様な範囲とすることにより、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品において、従来の技術では困難であった、自消性と耐ドリップ性を両立することにより極めて高い難燃性を発現し、UL94−5Vにおける5VAを達成すると共に、機械物性(特に剛性)と成形加工性を付与することが可能となる。
ポリプロピレン系樹脂(A)は13〜75重量部、好ましくは21〜69重量部、更に好ましくは30〜63重量部である。
フィラー(B)は5〜40重量部、好ましくは8〜35重量部、更に好ましくは10〜30重量部である。フィラー(B)の含有量をこの様な範囲とすることにより、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体の剛性や成形性を良好なものにすることができる。即ち、フィラー(B)の配合量が本願規定の範囲を下まわると、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品の機械物性などが低下するおそれがある。一方、本願規定の範囲を上まわると、成形性(流動性)などが低下するおそれがある。
なお、ここで、フィラー(B)の配合量は実量であり、例えば、前記フィラー含有ペレットを用いる場合は、該ペレットに含有されるフィラー(B)の実含有量に基づき算出する。
ハロゲン系難燃剤(C)は15〜35重量部、好ましくは17〜33重量部、更に好ましくは20〜30重量部である。ハロゲン系難燃剤(C)の含有量をこの様な範囲とすることにより、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体の難燃性や成形性を良好なものにすることができる。即ち、ハロゲン系難燃剤(C)の配合量が本願規定の範囲を下まわると、充分な難燃性が得られず、一方、本願規定の範囲を上まわると、成形性の悪化及び経済的に不利となる場合がある。
難燃助剤(E)は5〜12重量部、好ましくは6〜11重量部、更に好ましくは7〜10重量部である。難燃助剤(E)の含有量をこの様な範囲とすることにより、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体の難燃性や機械物性を良好なものにすることができる。即ち、難燃助剤(E)の配合量が本願規定の範囲を下まわると、充分な難燃性が得られず、一方、本願規定の範囲を上まわると、機械物性の低下および成形性の悪化及び経済的に不利となる場合がある。
なお、ポリプロピレン系樹脂(A)とフィラー(B)とハロゲン系難燃剤(C)および難燃助剤(E)の各成分の配合量は、ポリプロピレン系樹脂(A)とフィラー(B)とハロゲン系難燃剤(C)と難燃助剤(E)との合計量が100重量部となるように、各成分の本願規定の範囲から選択することができる。
ポリテトラフルオロエチレン樹脂(D)は、ポリプロピレン系樹脂(A) とフィラー(B)とハロゲン系難燃剤(C)と難燃助剤(E)の合計量100重量部に対して、0.01〜2重量部、好ましくは0.02〜1.5重量部、更に好ましくは0.05〜1.0重量部配合することが重要である。ポリテトラフルオロエチレン樹脂(D)の含有量をこの様な範囲とすることにより、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体の難燃性や機械物性を良好なものにすることができる。即ち、0.01重量部未満では燃焼時の耐ドリップ性(滴下防止効果)が得られない場合が有り、2重量部を超えるとPTFEの分散が悪く製造が困難な傾向となる。
5.任意添加成分(F)
本発明においては、ポリプロピレン系樹脂(A)、フィラー(B)、ハロゲン系難燃剤(C)、難燃助剤(E)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(D)以外に、さらに必要に応じ、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、例えば、発明効果を一層向上させたり、他の効果を付与するなどのため、通常用いられる任意添加成分(F)を配合することができる。
具体的には、過酸化物などの分子量降下剤、顔料などの着色剤、変性ポリオレフィン、フェノール系、リン系、イオウ系などの酸化防止剤、ヒンダードアミン系などの光安定剤、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤、ソルビトール系などの造核剤、非イオン系などの帯電防止剤、有機金属塩系などの分散剤、窒素化合物などの金属不活性化剤、チアゾール系などの抗菌・防黴剤、可塑剤、中和剤、滑剤、エラストマー(ゴム成分)、金属酸化物等の難燃助剤、ポリプロピレン系樹脂(A)以外のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂やポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂、フィラー(B)以外の有機および無機フィラーなど、ハロゲン系難燃剤(C)以外のリン系難燃剤、金属酸化物および水和金属化合物などの難燃剤、界面処理剤(変性ポリオレフィン)などを挙げることができる。
これらの任意添加成分は、2種以上を併用してもよく、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に添加してもよいし、前記成分、ポリプロピレン系樹脂(A)、フィラー(B)、ハロゲン系難燃剤(C)、難燃助剤(E)、PTFE(E)の各成分に混合、添加されていてもよく、夫々の成分においても2種以上併用することもできる。本発明において、任意添加成分(F)の配合量は特に限定されないが、通常、ポリプロピレン系樹脂(A)、フィラー(B)、ハロゲン系難燃剤(C)、難燃助剤(E)との合計量100重量部に対して、0〜4.0重量部程度である。
(1)種類
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に使用可能な分子量降下剤として、例えば、各種の有機過酸化物や、分解(酸化)促進剤と称されるものなどが使用でき、有機過酸化物が好適である。
具体例として、有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーアセテート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチル−ジ−パーアジペート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、メチル−エチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジキュミルパーオキサイド、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルキュミルパーオキサイド、1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス−t−ブチルパーオキシブタン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−サイメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラ−メチルブチルハイドロパーオキサイド及び2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ハイドロパーオキシ)ヘキサンのグループから選ばれる1種または2種以上からなるものを挙げることができる。なお、これらに限定されるものではない。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に使用可能な着色剤として、例えば無機系や有機系の顔料などは、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品の、着色外観、耐傷付性、見映え、風合い、商品価値、耐候性や耐久性などの付与、向上などに有効である。
具体例として、無機系顔料としては、ファーネスカーボン、ケッチェンカーボンなどのカーボンブラック;酸化チタン;酸化鉄(ベンガラなど);クロム酸(黄鉛など);モリブデン酸;硫化セレン化物;フェロシアン化物などが挙げられ、有機系顔料としては、難溶性アゾレーキ;可溶性アゾレーキ;不溶性アゾキレート;縮合性アゾキレート;その他のアゾキレートなどのアゾ系顔料;フタロシアニンブルー;フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料;アントラキノン;ペリノン;ペリレン;チオインジゴなどのスレン系顔料;染料レーキ;キナクリドン系;ジオキサジン系;イソインドリノン系などが挙げられる。また、メタリック調やパール調にするには、アルミフレーク;パール顔料を含有させることができる。また、染料を含有させることもできる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に使用可能な光安定剤や紫外線吸収剤として、例えばヒンダードアミン化合物、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系やサリシレート系などは、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品の耐候性や耐久性などの付与、向上に有効である。
具体例としては、ヒンダードアミン化合物として、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物;ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕;テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート;ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルセバケートなどが挙げられ、ベンゾトリアゾール系としては、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられ、ベンゾフェノン系としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどが挙げられ、サリシレート系としては、4−t−ブチルフェニルサリシレート;2,4−ジ−t−ブチルフェニル3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
ここで、前記光安定剤と紫外線吸収剤とを併用する方法は、耐候性、耐久性などの向上効果が大きく好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に使用可能な酸化防止剤として、例えば、フェノール系、リン系やイオウ系の酸化防止剤などは、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品の、耐熱安定性、加工安定性、耐熱老化性などの付与、向上などに有効である。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に使用可能な帯電防止剤として、例えば、非イオン系やカチオン系などの帯電防止剤は、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品の帯電防止性の付与、向上に有効である。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に使用可能な金属酸化物(難燃助剤)としては、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミ、酸化モリブデン等が挙げられる。より好ましい金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化鉄であり、平均粒径が30μm以下、好ましくは10μm以下、更に好ましくは1μm以下のものが好適である。金属酸化物の平均粒子径が30μmより大きい場合には、ポリプロピレン系樹脂(A)に対する分散性が悪くなり、高度な難燃性を得ることができなくなる。金属酸化物を使用する場合の配合量は、ポリプロピレン系樹脂(A)、フィラー(B)、ハロゲン系難燃剤(C)、難燃助剤(E)100重量部に対して、0.05〜5重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜3重量部である。金属酸化物の配合量をこの様な範囲とすることにより、ハロゲン系難燃剤(C)や難燃助剤(E)との相乗効果による良好な難燃性を発現することが可能となる。即ち、配合量が0.05重量部未満では、添加による十分な相乗難燃効果が得られない場合が有り、一方、5重量部を超えて添加すると、添加量に見合った効果が見られず、経済的に不利となる場合が有るので好ましくない。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に使用可能な界面処理剤の代表例は、変性ポリオレフィンである。これらの変性ポリオレフィンとしては、酸変性ポリオレフィン及び/またはヒドロキシ変性ポリオレフィンであり、本発明において、機械物性(特に剛性・衝撃強度)などの機能をより高度に付与する特徴を有する。
酸変性ポリオレフィンとしては、特に制限はなく、従来公知のものを用いることができる。 該酸変性ポリオレフィンとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン化合物共重合体(EPDMなど)、エチレン−芳香族モノビニル化合物−共役ジエン化合物共重合ゴムなどのポリオレフィンを、例えば、マレイン酸または無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸を用いてグラフト共重合し、変性したものである。このグラフト共重合は、例えば上記ポリオレフィンを適当な溶媒中において、ベンゾイルパーオキシドなどのラジカル発生剤を用いて、不飽和カルボン酸と反応させることにより行われる。また、不飽和カルボン酸またはその誘導体の成分は、ポリオレフィン用モノマーとのランダムもしくはブロック共重合によりポリマー鎖中に導入することもできる。
変性のため使用される不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基及び必要に応じてヒドロキシル基やアミノ基などの官能基が導入された重合性二重結合を有する化合物が挙げられる。
また、不飽和カルボン酸の誘導体としては、これらの酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩などがあり、その具体例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸モノアミド、マレイミド、N−ブチルマレイミド、メタクリル酸ナトリウムなどを挙げることができる。好ましくは無水マレイン酸である。
グラフト反応条件としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキシド類、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3などのパーオキシエステル類、ベンゾイルパーオキシドなどのジアシルパーオキシド類、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサンなどのヒドロパーオキシド類などの有機過酸化物を、前記ポリオレフィン100重量部に対して、0.001〜10重量部程度用いて、80〜300℃程度の温度で、溶融状態または溶液状態で反応させる方法が挙げられる。
該酸変性ポリオレフィンの酸変性量(グラフト率という場合がある。)は、特に限定されないが、好ましくは酸変性量が無水マレイン酸換算で、0.05〜10重量%、より好ましくは0.07〜5重量%である。
好ましい酸変性ポリオレフィンとしては、無水マレイン酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
また、ヒドロキシ変性ポリオレフィンは、ヒドロキシル基を含有する変性ポリオレフィンである。該変性ポリオレフィンは、ヒドロキシル基を適当な部位、例えば、主鎖の末端や側鎖に有していてもよい。
ヒドロキシ変性ポリオレフィンを構成するオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、4−メチルペンテン−1、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセンなどのα−オレフィンの単独または共重合体、前記α−オレフィンと共重合性単量体との共重合体などが例示できる。
好ましいヒドロキシ変性ポリオレフィンには、ヒドロキシ変性ポリエチレン(例えば、低密度、中密度または高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ヒドロキシ変性ポリプロピレン(例えば、アイソタクチックポリプロピレンなどのポリプロピレンホモポリマー、プロピレンとα−オレフィン(例えば、エチレン、ブテン、ヘキサンなど)とのランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体など)、ヒドロキシ変性ポリ(4−メチルペンテン−1)などが例示できる。前記反応性基を導入するための単量体としては、例えば、ヒドロキシル基を有する単量体(例えば、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど)が例示できる。
ヒドロキシル基を有する単量体による変性量は、オレフィン系樹脂に対して、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。ヒドロキシ変性ポリオレフィンの平均分子量は特に限定されない。該ヒドロキシ変性ポリオレフィンは、例えば低分子量系の場合、共役ジエンモノマーをアニオン重合などの公知の方法により重合させ、それを加水分解して得たポリマーを水素添加する方法で得ることができる。
なお、これらの変性ポリオレフィンは2種以上併用してもよい。
界面処理剤として使用される変性ポリオレフィンの配合量は、ポリプロピレン系樹脂(A)、フィラー(B)、ハロゲン系難燃剤(C)、及び難燃助剤(E)の合計100重量部に対して、0〜10重量部、好ましくは0.01〜7重量部、より好ましくは0.5〜5重量部、さらに好ましくは1〜3重量部である。変性ポリオレフィンの配合量をこの様な範囲とすることにより、衝撃強度を良好に保つことが可能となる。変性ポリオレフィンの配合量が10重量部を超えると、衝撃強度の低下や経済性などが低下するおそれがある。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に使用可能な中和剤としては、例えばステアリン酸の金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩)、ベヘン酸の金属塩(カルシウム塩、亜鉛塩)及びハイドロタルサイト等が挙げられ、これらの中でも、本願発明の目的とする効果を阻害することなく、かつ取扱いや入手が容易であり、工業的に使用可能な量を安価に入手可能という理由で、ステアリン酸のカルシウム塩が好ましく、ステアリン酸カルシウム(カルシウムステアレート)が取扱いや入手が容易であり、工業的に使用可能な量を安価に入手可能という理由で特に好ましい。これらの中和剤は、種々のポリプロピレン樹脂中に残存している、重合に使用した触媒の残渣(特に塩化物イオン等)を中和することにより、当該触媒残渣による金型の腐食や劣化を防止するという効果をもたらす。
本発明に於いて使用される中和剤の配合量は、ポリプロピレン系樹脂(A)、フィラー(B)、ハロゲン系難燃剤(C)、及び難燃助剤(E)の合計100重量部に対して0.01〜1.0重量部、好ましくは0.02〜0.5重量部、より好ましくは0.05〜0.3重量部である。配合量をこの様な範囲とすることにより、配合量に応じた良好な腐食防止効果を得ることが可能となる。即ち、配合量が0.05重量部未満であると触媒残渣の中和が不十分となり、良好な腐食防止効果が得られない場合が有る。一方、配合量が1.0重量部を超えると、配合量の増加に伴う中和効果の上昇がみられず、中和剤の過剰使用や経済性の低下につながるおそれがある。
II.ポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法、成形体の製造方法及び用途
1.ポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(A)、フィラー(B)、ハロゲン系難燃剤(C)、難燃助剤(E)、PTFE(D)と必要に応じ任意添加成分(F)を加え、前記配合割合で、従来公知の方法で配合し、溶融混練する混練工程を経ることにより製造することができる。
混合は、通常、タンブラー、Vブレンダー、リボンブレンダーなどの混合機器を用いて行い、溶融混練は、通常、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー、撹拌造粒器などの混練機器を用いて(半)溶融混練し、造粒する。(半)溶融混練・造粒して製造する際には、前記各成分の配合物を同時に混練してもよく、また性能向上をはかるべく各成分を分割して混練する。すなわち、例えば、先ずポリプロピレン系樹脂(A)及びハロゲン系難燃剤(C)、難燃助剤(E)、PTFE(D)の一部または全部と、フィラー(B)の一部とを混練し、その後に残りの成分を混練・造粒するといった方法を採用することもできる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物においてフィラー(B)として折損を受ける繊維、例えば炭素繊維やガラス繊維等を使用する場合、中でも本発明に於いて好ましく使用されるガラス繊維を使用する場合は、溶融混練する混練工程を経て得られた樹脂組成物ペレット中、あるいは成形体中に存在するガラス繊維の平均長は通常0.3mm以上、好ましくは0.4mm以上、通常は2.5mm以下、好ましくは2.0mm以下となる様な複合化方法にて製造するのが好ましい。
なお、本明細書において、樹脂組成物ペレット中、あるいは成形体中に存在するガラス繊維の平均長さとは、デジタル顕微鏡によって測定された値を用いて平均を算出した値を意味する。その具体的な測定は、例えば本発明の樹脂組成物ペレットあるいは成形体を燃焼し、灰化したガラス繊維を界面活性剤含有水に混合し、該混合水液を薄ガラス板上に滴下拡散した後、デジタル顕微鏡(キーエンス社製VHX−900型)を用いてガラス繊維長さを測定しその平均値を算出する方法による。
また、ガラス繊維をこの様な範囲とする為の好ましい製造方法としては、例えば2軸押出機による溶融混練において、例えばポリプロピレン系樹脂(A)、ハロゲン系難燃剤(C)、難燃助剤(E)を十分に溶融混練した後、ガラス繊維をサイドフィード法などによりフィードし、ガラス繊維の折損を最小限に留めながら、集束繊維を分散させるなどの方法が挙げられる。
また、例えばポリプロピレン系樹脂(A)、フィラー(B)、ハロゲン系難燃剤(C)、難燃助剤(E)、PTFE(D)を、ヘンシェルミキサー内で高速撹拌してこれらを半溶融状態とさせながら混合物中のフィラー(B)を混練する、いわゆる撹拌造粒方法も繊維の折損を最小限に留めながら繊維を分散させ易いので好ましい製造方法の一つである。この方法は、フィラー(B)としてタルクを使用する場合にもタルクの分散を良好なものとすることができるので、有効な製造方法である。
さらに、予めフィラー(B)を除くポリプロピレン系樹脂(A)、ハロゲン系難燃剤(C)、難燃助剤(E)、PTFE(D)を押出機などで溶融混練してペレットと成し、該ペレットとガラス繊維含有ペレットや炭素繊維含有ペレットなどの所謂「フィラー(B)含有ペレット」とを混合することにより繊維強化組成物とする製造方法も前記同様の理由などで好ましい製造方法の一つである。
以上の通り、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の好ましい製造方法としては、混練工程において、フィラー(B)以外の成分を混練した後に、フィラー(B)を加える方法を挙げることができ、容易な製造方法により本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を製造することができる。
2.成形体の製造方法及び用途
本発明の成形体は、前記方法で製造されたポリプロピレン系樹脂組成物を、例えば、射出成形(ガス射出成形、二色射出成形、コアバック射出成形、サンドイッチ射出成形も含む)、射出圧縮成形(プレスインジェクション)、押出成形、シート成形及び中空成形などの周知の成形方法にて成形することによって得ることができる。この内、射出成形または射出圧縮成形にて得ることが好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、従来知られている難燃ポリオレフィン樹脂より優れた難燃性と耐ドリップ性を示し、かつ機械物性及び耐候性、成形性に優れている。
その作用の発現機構は、明確ではないが、本発明者らは、次のように考察している。
ポリプロピレン系樹脂を溶融混練する際、ポリプロピレン系樹脂(A)は溶融するのに対し、PTFE成分は溶融することなく、せん断力によりフィブリル化し繊維状のネットワーク構造を形成する。フィブリル化構造の形成によりポリプロピレン系樹脂の溶融張力を向上させることとなり、燃焼時の耐ドリップ性の効果を発現する。
また、融点250℃以上のハロゲン系難燃剤を使用しているため、燃焼時に極端な溶融粘度の低下を生じることがなくかつ、ハロゲン系難燃剤の難燃機構を発現する。これにより耐ドリップ効果の発現と優れた自消効果の発現を可能にする。
さらに、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品、フィラー(B)を含有することにより優れた機械物性及び耐候性、成形性に加えて、極めて高い難燃性を有するため、自動車部品、電機部品、容器包装部材、建築用部材、大型部材等に好適に利用できる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物において、メルトフローレートは1.0〜30g/10minが好ましく、さらに好ましくは1.5〜20g/minである。メルトフローレートをこの様な範囲とすることにより、良好な成形性を達成すると共に、良好な難燃性(耐ドリップ性)と外観を得ることが可能となる。即ち、1.0g/10minを下回ると射出成形においてショートショットや外観不良(トラシマ)等の不具合を生じる場合が有る。また、30g/10minを上回ると、溶融粘度を維持することが困難となり、耐ドリップ性が損なわれ、また、射出成形時にガスによる外観不良(シルバーストレーク)を生じる傾向となる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物において、荷重たわみ温度(HDT)は120℃以上が好ましい。上限は特に制限はないが、通常200℃である。荷重たわみ温度をこの様な範囲とすることによって、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を高温部材にも適用可能となり、用途が一層広がることとなる。即ち、荷重たわみ温度が120℃を下回る場合、高温部材(エンジン部材、ヒーター周辺機器等)への使用が困難となる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物において、曲げ弾性率は2000MPa以上が好ましい。上限は特に制限はないが、通常15000MPaである。曲げ弾性率をこの様な範囲とすると、十分な剛性が得られると共に通常は十分な曲げ強度が得られ、特に自動車部材のような高い剛性が求められる用途にも、本発明のポリプロピレン系樹脂を使用することが可能となる。即ち、曲げ弾性率が2000MPaを下回る場合、十分な剛性を維持できず自動車部材へは安全面及び生産性等から適用が困難となる。
さらに、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品はフィラー(B)を含有することにより、優れた機械物性及び耐候性、成形性有している。これらの優れた機械物性に加えて、極めて高い難燃性を有するため、自動車部品、電機部品、容器包装部材、建築用部材、大型部材等に好適に利用できる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例および比較例において、ポリプロピレン系樹脂組成物またはその構成成分についての諸物性は、下記の評価方法に従って測定、評価した。
1.評価方法
1)難燃性
1)−1 UL94−5V(バー試験)
射出成型機[東芝機械(株)社製IS100]により、シリンダー温度200〜230℃、金型温度40℃で試験片(長さ×幅×厚み=123×12×2mm)を作製した。評価はUL規格であるUL94−5Vに準じて実施した。評価結果は以下の方法で評価した。
5V:UL94−5Vにおいて5Vの基準を満たす
NG:UL94−5Vにおいて5Vの基準を満たさない
1)−2 UL94−5V(平板試験)
プレス成形機[(株)神藤金属工業所製]により、成形温度230℃でプレス時間7分、冷却時間5分の条件のもと試験片(150×150×2mm)を作製した。評価はUL規格であるUL94−5Vに準じて実施した。評価方法は以下の方法で評価した。
5V:平板に穴が開かない
NG:平板に穴が開く。
1)−3 ドリップ抑制効果
UL94−5Vのバー試験においてドリップの有無を確認した。判定基準は以下の通りである。
○:燃焼試験時にドリップする溶融樹脂がない
×:燃焼試験時にドリップする溶融樹脂がある
1)−4 UL94−V
射出成形機[東芝社製IS100]にてUL94−V規格に従い難燃性評価用試験片を成形し評価した。(厚み1.5mmt)なお判定がUL94−V規格を満たさない場合、「NG」と示した。
2)メルトフローレート(MFR):
JIS K6921−2の「プラスチック−ポリプロピレン(PP)成形用及び押出用材料−第2部:試験片の作り方及び性質の求め方」に準拠して、メルトフローレート(試験条件:230℃、荷重2.16kg)を測定した。単位はg/10分である。
9)曲げ弾性率
JIS K7203に準拠して23℃で測定した。成形品の寸法は90×10×4mmを用いた。単位はMPaである。
10)曲げ強度
JIS K7203に準拠して23℃で測定した。成形品の寸法は90×10×4mmを用いた。単位はMPaである。
11)シャルピー衝撃強度(ノッチ付)
JIS K7111に準拠し、測定温度23℃で測定した。単位はkJ/mである。
12)荷重たわみ温度(HDT)
JIS K7191−1,2に準拠して、荷重0.45MPaにて測定した。試験片はJIS K7152−1に準拠した試験片を用いた。
13)シルバーストレーク
射出成形機(東芝社製IS100)で成形温度200〜230℃、金型温度40℃、射出速度が30、50、80mm/sec、冷却時間:20secの条件下で側面厚み中央部にピンゲート1mmを持つシート試験片(2×120×120mmt)を作成し外観を観察した。評価基準は以下の通りである。
(判定基準)
○:いずれの射出速度においてもシルバーストレークが見られない。
△:いずれかの射出速度でシルバーストレークが確認できる
×:全ての射出速度でシルバーストレークが確認できる。
2.材料及び評価
(1)ポリプロピレン系樹脂(A)
(1−1)ポリプロピレン樹脂(Y)
(Y−1)日本ポリプロ社製、ノバテックPPシリーズ(ポリプロピレン単独重合体で、MFR0.5g/10分、アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)0.98)
(Y−2)日本ポリプロ社製、ノバテックPPシリーズ(ポリプロピレン単独重合体で、MFR10.0g/10分、アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)0.98)
(Y−3)日本ポリプロ社製、ノバテックPPシリーズ(プロピレン−エチレン・ブロック共重合体で、全体のMFR30g/10分、1段目のMFR130g/10分、ランダム共重合体部分は全体の27重量%、Mw/Mn5.9)
(2)フィラー(B)
(B−1)日本電気硝子社製、ガラス繊維:T480(チョップドストランド、繊維径13μm、長さ4mm)
(B−2)日本タルク社製、タルク:5000SMA(平均粒径5.0μm)
(3)ハロゲン系難燃剤(C)
(C−1)アルベマール社製、SAYTEX8010[エチレンビスペンタブロモフェニル、融点350℃]
(3)難燃助剤(E)
(E−1)日本精鉱所社製、PATOX−M[三酸化アンチモン、平均粒径0.5μm]
(4)ポリテトラフルオロエチレン樹脂(D):PTFE
(D−1)ダイキン工業社製、PTFE:ポリフロンFA500H(未変性、PTFE含有量100重量%)
(4)その他の添加剤(F)
その他の添加剤(F)として、酸化防止剤(F−1:BASF社製、イルガノックス1010)、(F−2:ADEKA社製、PEP36、中和剤(F−3:日本油脂株式会社製、カルシウムステアレート)及び界面処理剤((F−4:三菱化学社製、マレイン酸変性ポリプロピレン:CMPP2)を用いた。
[実施例1〜6、比較例1〜2]
ポリプロピレン系樹脂(A)(ポリプロピレン樹脂(Y))、フィラー(B)、ハロゲン系難燃剤(C)、難燃助剤(E)、の合計100重量部に対して、PTFE(D)及び付加的添加剤として、酸化防止剤(F−1:BASF社製、イルガノックス1010)、(F−2:ADEKA社製、PEP36、中和剤(F−3:日本油脂株式会社製、カルシウムステアレート)及び界面処理剤((F−4:三菱化学社製、マレイン酸変性ポリプロピレン:CMPP2)を表1に示す割合でそれぞれ配合し、高速攪拌式混合機(ヘンシェルミキサ−、商品名)を用い室温下で3分間混合した。その後、二軸押出機で溶融混練して押し出し、冷水槽を通した後にストランドカッターにてストランドをカットしてペレットを得た。得られたペレットを前記評価方法に従って評価を行った。評価結果は表1に示した。
Figure 2015078277
3.評価結果
表1に示す結果から、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物としてポリプロピレン樹脂(A)にPTFEを添加することにより、極めて良好な難燃性を示すことがわかる。即ち、難燃性の評価指標である「UL94−5Vにおける評価5VA」を達成する為には、自消性と耐ドリップ性を両立することが必要であるが、実施例においては全てこの難燃性評価を達成している。また、フィラー(B)を本発明規定の範囲として配合することにより機械物性も良好となる。また、実施例に於いては複合化することによる成形時に生じるシルバーストレークの外観不良等の不具合も生じていない。
実施例1〜6と比べて、比較例1ではPTFEを使用していない為、燃焼中のドリップ性および形状を保持することが困難であり、満足する難燃性を得ることができない。また、成形時に生じるガス等を抑制することができずシルバーストレーク等の外観不良の不具合を生じている。
実施例1及び4と比べて、比較例2ではPTFEの代わりに流動性の低いポリプロピレン樹脂を添加しているが、燃焼中のドリップ性および形状を保持することが困難であることがわかる。これは、単に流動性の低いポリプロピレン樹脂を添加するだけでは燃焼時のドリップ性および形状を保持する事が困難であることが言え、PTFEのもつフィブリル化構造により弾性と粘性のバランスが良好となり上記の効果が得られたことがわかる。
また、実施例5及び6でフィラー(B)としてガラス繊維も添加することにより、良好な機械特性(特に曲げ弾性率)を付与している。
これらの実施例及び比較例から、本願で求めるUL94−5Vを満たす高い難燃性及び機械特性を共に満足する為には、所定の量の長鎖分岐構造を有するポリプロピレン樹脂(X)、フィラー(B)及びハロゲン系難燃剤(C)、難燃助剤(E)、PTFE(D)が必須であることがわかる。

Claims (4)

  1. 下記の条件(A−1)を満足するポリプロピレン系樹脂(A)と、フィラー(B)と、下記の条件(C−1)を満足するハロゲン系難燃剤(C)と、難燃助剤(E)と、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(D)とを含有し、かつ下記条件(ア)を満足することを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
    条件(A−1)
    ポリプロピレン系樹脂(A)が、下記の特性(Y−i)を有するポリプロピレン樹脂(Y)を含有する。
    特性(Y−i):ポリプロピレン樹脂(Y)は、プロピレン単独重合体及びプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリプロピレン樹脂であり、ポリプロピレン樹脂(Y)全体のメルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg荷重)が1.0〜100g/10分である。
    条件(C−1)
    ハロゲン系難燃剤(C)の融点が、250℃以上である。
    条件(ア)
    各成分の含有量が、ポリプロピレン系樹脂(A)13〜75重量部、フィラー(B)5〜40重量部、ハロゲン系難燃剤(C)15〜35重量部及び難燃助剤(E)5〜12重量部の範囲(但し、ポリプロピレン系樹脂(A)とフィラー(B)とハロゲン系難燃剤(C)と難燃助剤(E)との合計量が100重量部である)にあり、かつポリプロピレン系樹脂(A)とフィラー(B)とハロゲン系難燃剤(C)と難燃助剤(E)との合計量100重量部に対して、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(D)が0.01〜2重量部の範囲である。
  2. 前記ハロゲン系難燃剤(C)が、臭素系難燃剤である請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  3. 前記フィラー(B)が、ガラス繊維及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載のポリプロピレン系樹脂組成物を成形してなる成形体。
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