JP2015078277A - 難燃樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、これらの難燃剤組成物を使用した場合、難燃剤組成物自身は燃焼時に生じる樹脂のドリップ性を抑制することができない為、より高いレベルの難燃性を発現させるためには自消効果のみで難燃性能を付与する必要がある。当該難燃剤組成物では難燃性能がハロゲン系難燃剤の添加量に依存する為、より高い難燃性を発現するためには難燃剤を多量に添加する必要が有る。しかしながら、難燃剤を多量に添加するに従い、機械物性の低下並びに成型加工時の外観不良等を生じることが懸念される為、機械物性や成形加工性を維持したままより高い難燃性を発現させるためには、自消効果以外の手法で難燃性を付与させる技術が必要である。
近年、自動車のEV化、HEV化や家電製品においてもIH化が進んでおり、自動車部材及び家電部材において「UL規格(米国アンダーライターズラボラトリー規格)−94V」における「V−0」という高度な難燃性が要求され始めている。また、大型部材における難燃化も進んでおり従来以上の自消性と耐ドリップ性に特化した難燃性の要求がされている。このような難燃性は「UL94−5V」における「5VA」という非常に高度な規格を満足するものである。
このように、自動車及び家電材料として難燃材料が求められているが、これらの難燃材料には、従来の非難燃材料と同等の機械物性が求められている。即ち、極めて高い難燃効果を付与しかつ機械物性(特に剛性)、成形性を満足する材料が現在求められている。
条件(A−1)
ポリプロピレン系樹脂(A)が、下記の特性(Y−i)を有するポリプロピレン樹脂(Y)を含有する。
特性(Y−i):ポリプロピレン樹脂(Y)は、プロピレン単独重合体及びプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリプロピレン樹脂であり、ポリプロピレン樹脂(Y)全体のメルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg荷重)が1.0〜100g/10分である。
条件(C−1)
ハロゲン系難燃剤(C)の融点が、250℃以上である。
条件(ア)
各成分の含有量が、ポリプロピレン系樹脂(A)13〜75重量部、フィラー(B)5〜40重量部、ハロゲン系難燃剤(C)15〜35重量部及び難燃助剤(E)5〜12重量部の範囲(但し、ポリプロピレン系樹脂(A)とフィラー(B)とハロゲン系難燃剤(C)と難燃助剤(E)との合計量が100重量部である)にあり、かつポリプロピレン系樹脂(A)とフィラー(B)とハロゲン系難燃剤(C)と難燃助剤(E)との合計量100重量部に対して、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(D)が0.01〜2重量部の範囲である。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを成形してなる成形体は、従来のポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを成形してなる成形体の問題点を解消し、優れた機械物性及び耐候性、成形性に加えて、極めて高い難燃性を有するため、自動車部品、電機部品、容器包装部材、建築用部材、大型部材等に好適に利用できる。
1.ポリプロピレン系樹脂(A)(成分(A))
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂(A)は、ポリプロピレン樹脂(Y)を含有する。
以下に、本発明に用いられるポリプロピレン樹脂(Y)の詳細について説明する。
1)−1.特性(Y−i):ポリプロピレン樹脂(Y)について
本発明に用いられるポリプロピレン樹脂(Y)は、プロピレン単独重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリプロピレン樹脂であり、ポリプロピレン樹脂(Y)全体のメルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg荷重)が1.0〜100g/10分である。
プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体としては、具体的に、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテン−1ブロック共重合体、プロピレン−ペンテン−1ブロック共重合体、プロピレン−ヘキセン−1ブロック共重合体、プロピレン−オクテン−1ブロック共重合体のような二元共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1ブロック共重合体、プロピレン−エチレン−ヘキセン−1ブロック共重合体のような三元共重合体などが挙げられ、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1ブロック共重合体などが好ましい。プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体におけるα−オレフィン単量体の含有量は、通常は、0.01〜30重量%程度、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは1〜10重量%程度含むことができる。
本発明に用いられるポリプロピレン樹脂(Y)は、JIS K7210に準拠したメルトフローレート(以下、MFRとも記す。)[測定温度230℃、荷重2.16kg(21.18N)]が1.0〜100g/10分である。5.0〜80g/10分であるのが好ましく、10〜60g/10分がより好ましい。MFRをこのような範囲とすることにより、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品において、良好な成形性を保つと共に、高い耐ドリップ性を発現させ、高い難燃性を達成することが可能となる。即ち、MFRが1g/10分を下回ると、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を成形する時の負荷が増大し、成形性が悪化すると共に、成形体の変色等を生じ外観が悪化するおそれがあり、逆に、100g/10分を上回ると、適切な耐ドリップ性を発現できず難燃性が悪化するおそれがある。
なお、上記アイソタクチックペンタッド分率(mmmm)は、13C−NMR(核磁気共鳴法)を用いて測定される値であり、同位体炭素による核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)を使用して測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック分率である。すなわち、アイソタクチックペンタッド分率は、プロピレンモノマー単位が5個連続してアイソタクチック結合したプロピレン単位の分率である。具体的には、13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中mmmmピークの強度分率をもってアイソタクチックペンタッド単位を測定し、例えば、日本電子社製FT−NMRの270MHzの装置が用いられる。
また、ポリプロピレン樹脂(Y)として使用可能なポリプロピレン樹脂は、種々の製品が多くの会社から市販されており、例えば日本ポリプロ社製のノバテックシリーズ等を挙げることができる。これら市販の製品から所望の物性を有する製品を購入し、使用することも可能である。
本発明において用いられるフィラー(B)は、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品において剛性等の物性を向上させるばかりでなく、耐熱性、寸法安定性(線膨張係数の低減など)、低収縮性など、付加的な物性の向上などに寄与する特徴を有する。本発明において用いられるフィラー(B)としては、ガラス繊維及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも一種のフィラーが好ましい。
本発明において用いられるフィラー(B)は、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品において剛性等の物性を向上させるばかりでなく、耐熱性、寸法安定性(線膨張係数の低減など)、低収縮性など、付加的な物性の向上などに寄与する物であれば特に制限されず、例えばガラス繊維、タルク、ワラストナイト、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、ガラスバルーン、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、カーボンファイバー、クレイ、有機化クレイなど、各種の無機または有機のフィラー等を挙げることができる。これらの中でも、本願発明の目的とする効果を十分に達成することが可能であり、かつ取扱いや入手が容易であり、工業的に使用可能な量を安価に入手可能という理由で、ガラス繊維、タルクからなる群から選ばれる少なくとも一種のフィラーが好ましい。
このフィラー(B)は、本発明効果の一層の向上を図るなどのため、2種以上を併用することもでき、予め前記ポリプロピレン系樹脂(A)などに比較的高濃度に含有させた所謂マスターバッチとした形で使用することもできる。
ガラス繊維としては、特に限定されず用いることができ、繊維に用いられるガラスの種類としては、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラスなどが挙げることができ、中でもEガラスが好ましい。
該ガラス繊維の製造方法は、特に限定されたものではなく、公知の各種製造方法にて製造される。
繊維径が3μm未満の場合、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品の製造、成形時などにおいて、該ガラス繊維が折損し易くなるおそれがあり、一方、25μmを超えると、繊維のアスペクト比が低下することに伴い、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品の剛性・衝撃強度の各向上効果などが低下するおそれがある。
表面処理に使用する有機シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができる。また、チタネートカップリング剤としては、例えばイソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル)チタネートなどが挙げられる。また、アルミネートカップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどを挙げることができる。また、ジルコネートカップリング剤としては、例えば、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル)ブチル、ジ(トリデシル)ホスフィトジルコネート;ネオペンチル(ジアリル)オキシ、トリネオデカノイルジルコネートが挙げられる。また、前記シリコーン化合物としては、シリコーンオイル、シリコーン樹脂などが挙げられる。
前記表面処理剤の使用量は、特に制限されるわけではないが、ガラス繊維100重量部に対して0.01重量部〜5重量部が好ましく、0.1重量部〜3重量部がより好ましい。
これらの集束剤は、ポリプロピレン系樹脂(A)との溶融混練において融解する必要があるため、200℃以下で溶融するものであることが好ましい。
ガラス繊維の具体例としては、日本電気硝子社製(T480)などを挙げることができる。
また、該ガラス繊維含有ペレットにおいて、ガラス繊維の含有量は、該ペレット全体100重量%を基準として、20重量%〜70重量%であることが好ましい。
ガラス繊維の含有量が20重量%未満であるガラス繊維含有ペレットを本発明において用いた場合、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品の剛性・衝撃強度などの物性が低下するおそれがあり、一方、70重量%以上であるものを用いた場合には、成形性(流動性)などを低下させるおそれがある。
タルクは、平均粒径が1.5μm〜15μmのものが好ましく、2〜8μmのものが特に好ましい。タルクの平均粒径が1.5μm未満であると凝集して成形体外観(シルバーストレーク)が低下する傾向となり、15μmを超えると衝撃強度が低下する場合が有るので好ましくない。該タルクは、例えばタルク原石を衝撃式粉砕機やミクロンミル型粉砕機で粉砕して製造したり、更にジェットミルなどで粉砕した後、サイクロンやミクロンセパレータ等で分級調整する等の方法で製造する。
タルクは、平均アスペクト比が4以上、特に5以上のものがより好ましい。該タルクのアスペクト比の測定は、顕微鏡等により測定された値より求められる。
本発明に用いられるハロゲン系難燃剤(C)は、以下の条件を満足することが必須である。
条件(C−1)
ハロゲン系難燃剤(C)の融点が、250℃以上である。
ハロゲン系難燃剤としては、例えば、ハロゲン化ジフェニル化合物、ハロゲン化ビスフェノール系化合物、ハロゲン化ビスフェノール−ビス(アルキルエーテル)系化合物、ハロゲン化フタルイミド系化合物などの有機ハロゲン化芳香族化合物等を挙げることができる。
本発明において用いられる難燃助剤(E)は、特に制限されず、種々の化合物を使用することができるが、中でも、アンチモン化合物がハロゲン系難燃剤(C)と反応し、ハロゲン系難燃剤(C)の使用量が少ない場合でも、より高い難燃効果を発現することが可能となる、という理由で好ましい。アンチモン化合物は、ハロゲン系難燃剤(C)と共に、ポリプロピレン系樹脂(A)に配合されることにより、難燃効果を増すために用いられる。
なお、本発明において、アンチモン化合物には、金属アンチモンが含まれるものとする。本発明で用いるアンチモン化合物としては、三酸化アンチモンが好ましい。
また、これらの難燃助剤(E)は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられるポリテトラフルオロエチレン樹脂(D)は、テトラフルオロエチレンの単独重合体又はテトラフルオロエチレンを主成分とする共重合体である。テトラフルオロエチレンと共重合するコモノマーとしては、ジフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロアルキルエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等の含フッ素オレフィンや、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート等の含フッ素アルキル(メタ)アクリレートを用いることができる。共重合成分の含量は、原料であるテトラフルオロエチレンに対して10重量% 以下であることが好ましい。
本発明においては、以下の条件(ア)を満足することが重要である。
条件(ア)
各成分の含有量が、ポリプロピレン系樹脂(A)13〜75重量部、フィラー(B)5〜40重量部、ハロゲン系難燃剤(C)15〜35重量部及び難燃助剤(E)5〜12重量部の範囲(但し、ポリプロピレン系樹脂(A)とフィラー(B)とハロゲン系難燃剤(C)と難燃助剤(E)との合計量が100重量部である)にあり、かつポリプロピレン系樹脂(A)とフィラー(B)とハロゲン系難燃剤(C)と難燃助剤(E)との合計量100重量部に対して、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(D)が0.01〜2重量部の範囲である。
各成分の配合量をこの様な範囲とすることにより、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品において、従来の技術では困難であった、自消性と耐ドリップ性を両立することにより極めて高い難燃性を発現し、UL94−5Vにおける5VAを達成すると共に、機械物性(特に剛性)と成形加工性を付与することが可能となる。
なお、ここで、フィラー(B)の配合量は実量であり、例えば、前記フィラー含有ペレットを用いる場合は、該ペレットに含有されるフィラー(B)の実含有量に基づき算出する。
なお、ポリプロピレン系樹脂(A)とフィラー(B)とハロゲン系難燃剤(C)および難燃助剤(E)の各成分の配合量は、ポリプロピレン系樹脂(A)とフィラー(B)とハロゲン系難燃剤(C)と難燃助剤(E)との合計量が100重量部となるように、各成分の本願規定の範囲から選択することができる。
本発明においては、ポリプロピレン系樹脂(A)、フィラー(B)、ハロゲン系難燃剤(C)、難燃助剤(E)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(D)以外に、さらに必要に応じ、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、例えば、発明効果を一層向上させたり、他の効果を付与するなどのため、通常用いられる任意添加成分(F)を配合することができる。
具体的には、過酸化物などの分子量降下剤、顔料などの着色剤、変性ポリオレフィン、フェノール系、リン系、イオウ系などの酸化防止剤、ヒンダードアミン系などの光安定剤、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤、ソルビトール系などの造核剤、非イオン系などの帯電防止剤、有機金属塩系などの分散剤、窒素化合物などの金属不活性化剤、チアゾール系などの抗菌・防黴剤、可塑剤、中和剤、滑剤、エラストマー(ゴム成分)、金属酸化物等の難燃助剤、ポリプロピレン系樹脂(A)以外のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂やポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂、フィラー(B)以外の有機および無機フィラーなど、ハロゲン系難燃剤(C)以外のリン系難燃剤、金属酸化物および水和金属化合物などの難燃剤、界面処理剤(変性ポリオレフィン)などを挙げることができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に使用可能な分子量降下剤として、例えば、各種の有機過酸化物や、分解(酸化)促進剤と称されるものなどが使用でき、有機過酸化物が好適である。
具体例として、有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーアセテート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチル−ジ−パーアジペート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、メチル−エチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジキュミルパーオキサイド、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルキュミルパーオキサイド、1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス−t−ブチルパーオキシブタン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−サイメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラ−メチルブチルハイドロパーオキサイド及び2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−(ハイドロパーオキシ)ヘキサンのグループから選ばれる1種または2種以上からなるものを挙げることができる。なお、これらに限定されるものではない。
具体例として、無機系顔料としては、ファーネスカーボン、ケッチェンカーボンなどのカーボンブラック;酸化チタン;酸化鉄(ベンガラなど);クロム酸(黄鉛など);モリブデン酸;硫化セレン化物;フェロシアン化物などが挙げられ、有機系顔料としては、難溶性アゾレーキ;可溶性アゾレーキ;不溶性アゾキレート;縮合性アゾキレート;その他のアゾキレートなどのアゾ系顔料;フタロシアニンブルー;フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料;アントラキノン;ペリノン;ペリレン;チオインジゴなどのスレン系顔料;染料レーキ;キナクリドン系;ジオキサジン系;イソインドリノン系などが挙げられる。また、メタリック調やパール調にするには、アルミフレーク;パール顔料を含有させることができる。また、染料を含有させることもできる。
具体例としては、ヒンダードアミン化合物として、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物;ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕;テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート;ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルセバケートなどが挙げられ、ベンゾトリアゾール系としては、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられ、ベンゾフェノン系としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどが挙げられ、サリシレート系としては、4−t−ブチルフェニルサリシレート;2,4−ジ−t−ブチルフェニル3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
ここで、前記光安定剤と紫外線吸収剤とを併用する方法は、耐候性、耐久性などの向上効果が大きく好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に使用可能な帯電防止剤として、例えば、非イオン系やカチオン系などの帯電防止剤は、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品の帯電防止性の付与、向上に有効である。
また、不飽和カルボン酸の誘導体としては、これらの酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩などがあり、その具体例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸モノアミド、マレイミド、N−ブチルマレイミド、メタクリル酸ナトリウムなどを挙げることができる。好ましくは無水マレイン酸である。
該酸変性ポリオレフィンの酸変性量(グラフト率という場合がある。)は、特に限定されないが、好ましくは酸変性量が無水マレイン酸換算で、0.05〜10重量%、より好ましくは0.07〜5重量%である。
好ましい酸変性ポリオレフィンとしては、無水マレイン酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
ヒドロキシ変性ポリオレフィンを構成するオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、4−メチルペンテン−1、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセンなどのα−オレフィンの単独または共重合体、前記α−オレフィンと共重合性単量体との共重合体などが例示できる。
なお、これらの変性ポリオレフィンは2種以上併用してもよい。
1.ポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(A)、フィラー(B)、ハロゲン系難燃剤(C)、難燃助剤(E)、PTFE(D)と必要に応じ任意添加成分(F)を加え、前記配合割合で、従来公知の方法で配合し、溶融混練する混練工程を経ることにより製造することができる。
混合は、通常、タンブラー、Vブレンダー、リボンブレンダーなどの混合機器を用いて行い、溶融混練は、通常、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー、撹拌造粒器などの混練機器を用いて(半)溶融混練し、造粒する。(半)溶融混練・造粒して製造する際には、前記各成分の配合物を同時に混練してもよく、また性能向上をはかるべく各成分を分割して混練する。すなわち、例えば、先ずポリプロピレン系樹脂(A)及びハロゲン系難燃剤(C)、難燃助剤(E)、PTFE(D)の一部または全部と、フィラー(B)の一部とを混練し、その後に残りの成分を混練・造粒するといった方法を採用することもできる。
なお、本明細書において、樹脂組成物ペレット中、あるいは成形体中に存在するガラス繊維の平均長さとは、デジタル顕微鏡によって測定された値を用いて平均を算出した値を意味する。その具体的な測定は、例えば本発明の樹脂組成物ペレットあるいは成形体を燃焼し、灰化したガラス繊維を界面活性剤含有水に混合し、該混合水液を薄ガラス板上に滴下拡散した後、デジタル顕微鏡(キーエンス社製VHX−900型)を用いてガラス繊維長さを測定しその平均値を算出する方法による。
また、ガラス繊維をこの様な範囲とする為の好ましい製造方法としては、例えば2軸押出機による溶融混練において、例えばポリプロピレン系樹脂(A)、ハロゲン系難燃剤(C)、難燃助剤(E)を十分に溶融混練した後、ガラス繊維をサイドフィード法などによりフィードし、ガラス繊維の折損を最小限に留めながら、集束繊維を分散させるなどの方法が挙げられる。
以上の通り、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の好ましい製造方法としては、混練工程において、フィラー(B)以外の成分を混練した後に、フィラー(B)を加える方法を挙げることができ、容易な製造方法により本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を製造することができる。
本発明の成形体は、前記方法で製造されたポリプロピレン系樹脂組成物を、例えば、射出成形(ガス射出成形、二色射出成形、コアバック射出成形、サンドイッチ射出成形も含む)、射出圧縮成形(プレスインジェクション)、押出成形、シート成形及び中空成形などの周知の成形方法にて成形することによって得ることができる。この内、射出成形または射出圧縮成形にて得ることが好ましい。
その作用の発現機構は、明確ではないが、本発明者らは、次のように考察している。
ポリプロピレン系樹脂を溶融混練する際、ポリプロピレン系樹脂(A)は溶融するのに対し、PTFE成分は溶融することなく、せん断力によりフィブリル化し繊維状のネットワーク構造を形成する。フィブリル化構造の形成によりポリプロピレン系樹脂の溶融張力を向上させることとなり、燃焼時の耐ドリップ性の効果を発現する。
また、融点250℃以上のハロゲン系難燃剤を使用しているため、燃焼時に極端な溶融粘度の低下を生じることがなくかつ、ハロゲン系難燃剤の難燃機構を発現する。これにより耐ドリップ効果の発現と優れた自消効果の発現を可能にする。
1)難燃性
1)−1 UL94−5V(バー試験)
射出成型機[東芝機械(株)社製IS100]により、シリンダー温度200〜230℃、金型温度40℃で試験片(長さ×幅×厚み=123×12×2mm)を作製した。評価はUL規格であるUL94−5Vに準じて実施した。評価結果は以下の方法で評価した。
5V:UL94−5Vにおいて5Vの基準を満たす
NG:UL94−5Vにおいて5Vの基準を満たさない
1)−2 UL94−5V(平板試験)
プレス成形機[(株)神藤金属工業所製]により、成形温度230℃でプレス時間7分、冷却時間5分の条件のもと試験片(150×150×2mm)を作製した。評価はUL規格であるUL94−5Vに準じて実施した。評価方法は以下の方法で評価した。
5V:平板に穴が開かない
NG:平板に穴が開く。
1)−3 ドリップ抑制効果
UL94−5Vのバー試験においてドリップの有無を確認した。判定基準は以下の通りである。
○:燃焼試験時にドリップする溶融樹脂がない
×:燃焼試験時にドリップする溶融樹脂がある
1)−4 UL94−V
射出成形機[東芝社製IS100]にてUL94−V規格に従い難燃性評価用試験片を成形し評価した。(厚み1.5mmt)なお判定がUL94−V規格を満たさない場合、「NG」と示した。
JIS K6921−2の「プラスチック−ポリプロピレン(PP)成形用及び押出用材料−第2部:試験片の作り方及び性質の求め方」に準拠して、メルトフローレート(試験条件:230℃、荷重2.16kg)を測定した。単位はg/10分である。
JIS K7203に準拠して23℃で測定した。成形品の寸法は90×10×4mmを用いた。単位はMPaである。
10)曲げ強度
JIS K7203に準拠して23℃で測定した。成形品の寸法は90×10×4mmを用いた。単位はMPaである。
11)シャルピー衝撃強度(ノッチ付)
JIS K7111に準拠し、測定温度23℃で測定した。単位はkJ/m2である。
JIS K7191−1,2に準拠して、荷重0.45MPaにて測定した。試験片はJIS K7152−1に準拠した試験片を用いた。
射出成形機(東芝社製IS100)で成形温度200〜230℃、金型温度40℃、射出速度が30、50、80mm/sec、冷却時間:20secの条件下で側面厚み中央部にピンゲート1mmを持つシート試験片(2×120×120mmt)を作成し外観を観察した。評価基準は以下の通りである。
(判定基準)
○:いずれの射出速度においてもシルバーストレークが見られない。
△:いずれかの射出速度でシルバーストレークが確認できる
×:全ての射出速度でシルバーストレークが確認できる。
(1)ポリプロピレン系樹脂(A)
(1−1)ポリプロピレン樹脂(Y)
(Y−1)日本ポリプロ社製、ノバテックPPシリーズ(ポリプロピレン単独重合体で、MFR0.5g/10分、アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)0.98)
(Y−2)日本ポリプロ社製、ノバテックPPシリーズ(ポリプロピレン単独重合体で、MFR10.0g/10分、アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)0.98)
(Y−3)日本ポリプロ社製、ノバテックPPシリーズ(プロピレン−エチレン・ブロック共重合体で、全体のMFR30g/10分、1段目のMFR130g/10分、ランダム共重合体部分は全体の27重量%、Mw/Mn5.9)
(B−1)日本電気硝子社製、ガラス繊維:T480(チョップドストランド、繊維径13μm、長さ4mm)
(B−2)日本タルク社製、タルク:5000SMA(平均粒径5.0μm)
(C−1)アルベマール社製、SAYTEX8010[エチレンビスペンタブロモフェニル、融点350℃]
(E−1)日本精鉱所社製、PATOX−M[三酸化アンチモン、平均粒径0.5μm]
(4)ポリテトラフルオロエチレン樹脂(D):PTFE
(D−1)ダイキン工業社製、PTFE:ポリフロンFA500H(未変性、PTFE含有量100重量%)
(4)その他の添加剤(F)
その他の添加剤(F)として、酸化防止剤(F−1:BASF社製、イルガノックス1010)、(F−2:ADEKA社製、PEP36、中和剤(F−3:日本油脂株式会社製、カルシウムステアレート)及び界面処理剤((F−4:三菱化学社製、マレイン酸変性ポリプロピレン:CMPP2)を用いた。
ポリプロピレン系樹脂(A)(ポリプロピレン樹脂(Y))、フィラー(B)、ハロゲン系難燃剤(C)、難燃助剤(E)、の合計100重量部に対して、PTFE(D)及び付加的添加剤として、酸化防止剤(F−1:BASF社製、イルガノックス1010)、(F−2:ADEKA社製、PEP36、中和剤(F−3:日本油脂株式会社製、カルシウムステアレート)及び界面処理剤((F−4:三菱化学社製、マレイン酸変性ポリプロピレン:CMPP2)を表1に示す割合でそれぞれ配合し、高速攪拌式混合機(ヘンシェルミキサ−、商品名)を用い室温下で3分間混合した。その後、二軸押出機で溶融混練して押し出し、冷水槽を通した後にストランドカッターにてストランドをカットしてペレットを得た。得られたペレットを前記評価方法に従って評価を行った。評価結果は表1に示した。
表1に示す結果から、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物としてポリプロピレン樹脂(A)にPTFEを添加することにより、極めて良好な難燃性を示すことがわかる。即ち、難燃性の評価指標である「UL94−5Vにおける評価5VA」を達成する為には、自消性と耐ドリップ性を両立することが必要であるが、実施例においては全てこの難燃性評価を達成している。また、フィラー(B)を本発明規定の範囲として配合することにより機械物性も良好となる。また、実施例に於いては複合化することによる成形時に生じるシルバーストレークの外観不良等の不具合も生じていない。
実施例1〜6と比べて、比較例1ではPTFEを使用していない為、燃焼中のドリップ性および形状を保持することが困難であり、満足する難燃性を得ることができない。また、成形時に生じるガス等を抑制することができずシルバーストレーク等の外観不良の不具合を生じている。
実施例1及び4と比べて、比較例2ではPTFEの代わりに流動性の低いポリプロピレン樹脂を添加しているが、燃焼中のドリップ性および形状を保持することが困難であることがわかる。これは、単に流動性の低いポリプロピレン樹脂を添加するだけでは燃焼時のドリップ性および形状を保持する事が困難であることが言え、PTFEのもつフィブリル化構造により弾性と粘性のバランスが良好となり上記の効果が得られたことがわかる。
また、実施例5及び6でフィラー(B)としてガラス繊維も添加することにより、良好な機械特性(特に曲げ弾性率)を付与している。
Claims (4)
- 下記の条件(A−1)を満足するポリプロピレン系樹脂(A)と、フィラー(B)と、下記の条件(C−1)を満足するハロゲン系難燃剤(C)と、難燃助剤(E)と、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(D)とを含有し、かつ下記条件(ア)を満足することを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
条件(A−1)
ポリプロピレン系樹脂(A)が、下記の特性(Y−i)を有するポリプロピレン樹脂(Y)を含有する。
特性(Y−i):ポリプロピレン樹脂(Y)は、プロピレン単独重合体及びプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリプロピレン樹脂であり、ポリプロピレン樹脂(Y)全体のメルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg荷重)が1.0〜100g/10分である。
条件(C−1)
ハロゲン系難燃剤(C)の融点が、250℃以上である。
条件(ア)
各成分の含有量が、ポリプロピレン系樹脂(A)13〜75重量部、フィラー(B)5〜40重量部、ハロゲン系難燃剤(C)15〜35重量部及び難燃助剤(E)5〜12重量部の範囲(但し、ポリプロピレン系樹脂(A)とフィラー(B)とハロゲン系難燃剤(C)と難燃助剤(E)との合計量が100重量部である)にあり、かつポリプロピレン系樹脂(A)とフィラー(B)とハロゲン系難燃剤(C)と難燃助剤(E)との合計量100重量部に対して、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(D)が0.01〜2重量部の範囲である。 - 前記ハロゲン系難燃剤(C)が、臭素系難燃剤である請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 前記フィラー(B)が、ガラス繊維及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1乃至3の何れか1項に記載のポリプロピレン系樹脂組成物を成形してなる成形体。
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