JP2013237799A - 難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関するものである。詳しくは、芳香族ポリカーボネート樹脂本来の透明性を損なうことなく難燃性に優れた成形品を与える難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物と、この難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品に関するものである。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐衝撃性、耐熱性などに優れ、しかも、得られる成形品は寸法安定性などにも優れることから、電気・電子機器のハウジング類、自動車用部品類や、光ディスク関連の部品などの精密成形品類の製造用原料樹脂として広く使用されている。特に、家電機器、電子機器、画像表示機器の筐体などにおいては、その美麗な外観を活かし、商品価値の高い商品が得られる。
近年、電気・電子機器や家電製品等の用途を中心に、使用する樹脂材料の難燃化が強く要望され、これらの要望に応えるために多数の難燃剤が開発検討なされている。例えば、特許文献1,2には、難燃性の改善を目的として、芳香族ポリカーボネート樹脂にパーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩等の有機スルホン酸金属塩を配合することが提案されている。
しかし、有機スルホン酸金属塩は、耐熱性の低下を抑えて難燃性を改善するために有効な難燃剤ではあるが、有機スルホン酸金属塩を配合した芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、特に厚肉成形品を射出成形する際、金型内での冷却過程において、成形品内部が徐冷されることにより白濁が生じ、得られる成形品は、芳香族ポリカーボネート樹脂本来の透明性が損なわれるという不具合があった。
成形品の透明性の低下は、特に厚肉の成形品において大きな問題となり、商品価値を著しく低下させる。
成形品の透明性の低下は、特に厚肉の成形品において大きな問題となり、商品価値を著しく低下させる。
なお、本発明において難燃剤として用いるフェニルホスホン酸金属塩については、例えば、特許文献3に、ポリ乳酸樹脂の結晶化を促進するための結晶核剤として記載されているが、従来において、これを難燃剤として用いた報告はなされていない。
本発明は上記従来の問題点を解決し、芳香族ポリカーボネート樹脂本来の透明性を損なうことなく、難燃性に優れた成形品を与える難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物と、この芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、難燃剤として、特定の構造を有するフェニルホスホン酸金属塩を所定の割合で配合することにより、徐冷時の白濁が防止され、芳香族ポリカーボネート樹脂本来の透明性を損なうことなく、難燃性を改善することができることを見出した。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] (A)粘度平均分子量が15,000〜40,000の芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、(B)下記一般式(I)又は(II)で表されるフェニルホスホン酸金属塩を0.02〜0.5質量部含有することを特徴とする難燃性芳香族ポリカーボネート組成物。
(式中、R1及びR2は、同一でも相異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基を表す。M1は金属原子であり、M2はM1と同一の金属原子又は水素原子を表す。)
(式中、R3及びR4は、同一でも相異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基を表す。M3は金属原子を表す。)
[2] 前記一般式(I)におけるM1が、リチウム、ナトリウム、又はカリウムであり、前記一般式(II)におけるM3が、カルシウム、マグネシウム又は亜鉛である[1]に記載の難燃性芳香族ポリカーボネート組成物。
[3] [1]又は[2]に記載の難燃性芳香族ポリカーボネート組成物を成形してなることを特徴とする成形品。
本発明によれば、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂に(B)フェニルホスホン酸金属塩を所定の割合で配合することにより、芳香族ポリカーボネート樹脂の透明性を損なうことなく、難燃性を改善することができ、透明性、耐衝撃性、耐熱性などの芳香族ポリカーボネート樹脂本来の物性に優れると共に、難燃性にも優れた難燃性芳香族ポリカーボネート組成物及びその成形品を提供することができる。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
[概要]
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、少なくとも、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)特性構造のフェニルホスホン酸金属塩とを特定の割合で含有してなる。また、本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、必要に応じて、更にその他の成分を含有していてもよい。
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、少なくとも、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)特性構造のフェニルホスホン酸金属塩とを特定の割合で含有してなる。また、本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、必要に応じて、更にその他の成分を含有していてもよい。
本発明によれば、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂に(B)特定構造のフェニルホスホン酸金属塩を所定の割合で配合することにより、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂の透明性を損なうことなく、難燃性を向上させることができる。
[芳香族ポリカーボネート樹脂(A)]
本発明で使用される芳香族ポリカーボネート樹脂(A)(以下「(A)成分」と称す場合がある。)は、芳香族ジヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲン又は炭酸ジエステルと反応させることによって得られる、分岐していてもよい熱可塑性重合体又は共重合体である。芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知のホスゲン法(界面重合法)や溶融法(エステル交換法)により製造したものを使用することができる。また、溶融法を用いた場合には、末端基のOH基量を調整した芳香族ポリカーボネート樹脂を使用することができる。
本発明で使用される芳香族ポリカーボネート樹脂(A)(以下「(A)成分」と称す場合がある。)は、芳香族ジヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲン又は炭酸ジエステルと反応させることによって得られる、分岐していてもよい熱可塑性重合体又は共重合体である。芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知のホスゲン法(界面重合法)や溶融法(エステル交換法)により製造したものを使用することができる。また、溶融法を用いた場合には、末端基のOH基量を調整した芳香族ポリカーボネート樹脂を使用することができる。
原料の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられ、好ましくはビスフェノールAが挙げられる。また、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物を使用することもできる。
分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂を得るには、上述した芳香族ジヒドロキシ化合物の一部を、以下の分岐剤、即ち、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニルヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のポリヒドロキシ化合物や、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロムイサチン等の化合物で置換すればよい。これら置換する化合物の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、通常0.01〜10モル%であり、好ましくは0.1〜2モル%である。
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)としては、上述した中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるポリカーボネート樹脂、又は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート共重合体が好ましい。また、シロキサン構造を有するポリマー又はオリゴマーとの共重合体等の、ポリカーボネート樹脂を主体とする共重合体であってもよい。
上述した芳香族ポリカーボネート樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量を調節するには、一価の芳香族ヒドロキシ化合物を用いればよく、この一価の芳香族ヒドロキシ化合物としては、例えば、m−及びp−メチルフェノール、m−及びp−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−長鎖アルキル置換フェノール等が挙げられる。
本発明で用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の分子量は用途により任意であり、適宜選択して決定すればよいが、成形性、強度等の点から芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の分子量は、粘度平均分子量[Mv]で、15,000〜40,000、好ましくは15,000〜30,000である。この様に、粘度平均分子量を15,000以上とすることで機械的強度がより向上する傾向にあり、機械的強度の要求の高い用途に用いる場合により好ましいものとなる。一方、粘度平均分子量を40,000以下とすることで流動性の低下がより抑制されて改善される傾向にあり、成形加工性容易の観点からより好ましい。ここでの粘度平均分子量〔Mv〕は溶液粘度から換算した粘度平均分子量[Mv]で溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度20℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10−4M0.83、から算出される値(粘度平均分子量:Mv)を意味する。ここで極限粘度[η]とは各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、中でも17,000〜30,000、特に19,000〜27,000であることが好ましい。また粘度平均分子量の異なる2種類以上の芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよく、この場合には、粘度平均分子量が上記好適範囲外である芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよい。この場合、混合物の粘度平均分子量は上記範囲となることが望ましい。
[(B)フェニルホスホン酸金属塩]
本発明においては、難燃剤として、下記一般式(I)又は(II)で表されるフェニルホスホン酸金属塩を用いる。
本発明においては、難燃剤として、下記一般式(I)又は(II)で表されるフェニルホスホン酸金属塩を用いる。
上記一般式(I),(II)において、式R1及びR2、R3及びR4は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基が挙げられる。R1とR2は同一でも異なっていてもよい。R3とR4についても同一でも異なっていてもよい。
(B)フェニルホスホン酸金属塩のフェニルホスホン酸の具体例としては、フェニルホスホン酸、4−メチルフェニルホスホン酸、4−エチルフェニルホスホン酸、4−n−プロピルフェニルホスホン酸、4−i−プロピルフェニルホスホン酸、4−n−ブチルフェニルホスホン酸、4−i−ブチルフェニルホスホン酸、4−t−ブチルフェニルホスホン酸、3,5−ジメトキシカルボニルフェニルホスホン酸、3,5−ジエトキシカルボニルフェニルホスホン酸、2,5−ジメトキシカルボニルフェニルホスホン酸、2,5−ジエトキシカルボニルフェニルホスホン酸等が挙げられる。
また、一般式(I)において、M1としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどの1価のアルカリ金属原子が挙げられる。M2はM1と同一の金属原子又は水素原子である。即ち、一般式(I)で表されるフェニルホスホン酸金属塩は、フェニルホスホン酸一水素一金属塩であってもよく、フェニルホスホン酸二金属塩であってもよく、これらの混合物であってもよい。
なお、フェニルホスホン酸一水素一金属塩であるか二金属塩であるか、或いはこれらの混合物である場合の各金属塩の割合は、フェニルホスホン酸金属塩の水溶液のpHで確認することができ、後述の実施例1で示されるように、1重量%の水溶液を調製した場合、そのpHが酸性であるものは、フェニルホスホン酸一水素一金属塩或いは、フェニルホスホン酸一水素一金属塩とフェニルホスホン酸二金属塩の混合物であり、pHが中性のものはフェニルホスホン酸二金属塩である。ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性の点では、フェニルホスホン酸一水素一金属塩が好ましく、チャー形成(難燃性)の点ではフェニルホスホン酸二金属塩が好ましい。
また、一般式(II)において、M3としては、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子や、亜鉛等の2価の遷移金属原子が挙げられる。
これらの(B)フェニルホスホン酸金属塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。即ち、一般式(I)で表されるフェニルホスホン酸金属塩の1種又は2種以上を用いてもよく、一般式(II)で表されるフェニルホスホン酸金属塩の1種又は2種以上を用いてもよく、一般式(I)で表されるフェニルホスホン酸金属塩の1種又は2種以上と一般式(II)で表されるフェニルホスホン酸金属塩の1種又は2種以上とを併用してもよい。
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、このような(B)フェニルホスホン酸金属塩を(A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して0.02〜0.5質量部、好ましくは0.05〜0.2質量部、より好ましくは0.08〜0.15質量部含有する。難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物中の(B)フェニルホスホン酸金属塩の含有量が少な過ぎると、これを配合したことによる難燃性の向上効果を十分に得ることができず、多過ぎると透明性に劣るものとなる。
[その他の添加剤]
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂及び(B)フェニルホスホン酸金属塩に加えて更にその他の成分や種々の添加剤を含有していても良い。このようなその他の成分や添加剤としては、リン系熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、染顔料、帯電防止剤、その他の樹脂成分などが挙げられる。
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂及び(B)フェニルホスホン酸金属塩に加えて更にその他の成分や種々の添加剤を含有していても良い。このようなその他の成分や添加剤としては、リン系熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、染顔料、帯電防止剤、その他の樹脂成分などが挙げられる。
<リン系熱安定剤>
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物はリン系熱安定剤を含有することができる。リン系熱安定剤は一般的に、樹脂成分を溶融混練する際、高温下での滞留安定性や樹脂成形品使用時の耐熱安定性向上に有効である。
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物はリン系熱安定剤を含有することができる。リン系熱安定剤は一般的に、樹脂成分を溶融混練する際、高温下での滞留安定性や樹脂成形品使用時の耐熱安定性向上に有効である。
本発明で用いるリン系熱安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜リン酸エステル、リン酸エステル等が挙げられ、中でも3価のリンを含み、変色抑制効果を発現しやすい点で、ホスファイト、ホスホナイト等の亜リン酸エステルが好ましい。
ホスファイトとしては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジラウリルハイドロジェンホスファイト、トリエチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、モノフェニルジデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、水添ビスフェノールAフェノールホスファイトポリマー、ジフェニルハイドロジェンホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニルジ(トリデシル)ホスファイト)テトラ(トリデシル)4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジラウリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(4−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、水添ビスフェノールAペンタエリスリトールホスファイトポリマー、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
また、ホスホナイトとしては、テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト等が挙げられる。
また、アシッドホスフェートとしては、例えば、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、プロピルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、デシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、ベヘニルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、ノニルフェニルアシッドホスフェート、シクロヘキシルアシッドホスフェート、フェノキシエチルアシッドホスフェート、アルコキシポリエチレングリコールアシッドホスフェート、ビスフェノールAアシッドホスフェート、ジメチルアシッドホスフェート、ジエチルアシッドホスフェート、ジプロピルアシッドホスフェート、ジイソプロピルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジラウリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート、ジフェニルアシッドホスフェート、ビスノニルフェニルアシッドホスフェート等が挙げられる。
亜リン酸エステルの中では、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましく、耐熱性が良好であることと加水分解しにくいという点で、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが特に好ましい。
これらのリン系熱安定剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物がリン系熱安定剤を含む場合、その含有量は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.003質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上であり、通常0.1質量部以下、好ましくは0.08質量部以下、より好ましくは0.06質量部以下である。リン系熱安定剤の含有量が上記範囲の下限値未満の場合は、熱安定効果が不十分となる可能性があり、リン系熱安定剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、効果が頭打ちとなり経済的でなくなる可能性がある。
<酸化防止剤>
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、所望によって酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤を含有することで、色相劣化や、熱滞留時の機械物性の低下が抑制できる。
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、所望によって酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤を含有することで、色相劣化や、熱滞留時の機械物性の低下が抑制できる。
酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。
なかでも、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。このようなフェノール系酸化防止剤の市販品としては、例えば、BASF社製「イルガノックス1010」、「イルガノックス1076」、アデカ社製「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」等が挙げられる。
なお、酸化防止剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が酸化防止剤を含有する場合、その含有量は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、通常0.0001質量部以上、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常3質量部以下、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.5質量部以下、さらに好ましくは0.3質量部以下である。酸化防止剤の含有量が上記範囲の下限値未満の場合は、酸化防止剤としての効果が不十分となる可能性があり、酸化防止剤の含有量が上記範囲の上限値を超える場合は、効果が頭打ちとなり経済的でなくなる可能性がある。
<離型剤>
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、離型剤を含有していてもよく、離型剤としては、脂肪族アルコールと脂肪族カルボン酸とのフルエステル化物が好適に用いられる。
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、離型剤を含有していてもよく、離型剤としては、脂肪族アルコールと脂肪族カルボン酸とのフルエステル化物が好適に用いられる。
フルエステル化物を構成する脂肪族カルボン酸としては、飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸は、脂環式カルボン酸も包含する。このうち好ましい脂肪族カルボン酸は、炭素数6〜36のモノ又はジカルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和モノカルボン酸がさらに好ましい。このような脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラトリアコンタン酸、モンタン酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸等を挙げることができる。
一方、フルエステル化物を構成する脂肪族アルコール成分としては、飽和又は不飽和の1価アルコール、飽和又は不飽和の多価アルコール等を挙げることができる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基等の置換基を有していてもよい。これらのアルコールのうち、炭素数30以下の1価又は多価の飽和アルコールが好ましく、さらに炭素数30以下の脂肪族飽和1価アルコール又は多価アルコールが好ましい。ここで脂肪族アルコールは、脂環式アルコールも包含する。
これらのアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等を挙げることができる。
なお、上記脂肪族アルコールと上記脂肪族カルボン酸とのフルエステル化物は、そのエステル化率が必ずしも100%である必要はなく、80%以上であればよい。本発明にかかるフルエステル化物のエステル化率は好ましくは85%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
本発明で用いる脂肪族アルコールと脂肪族カルボン酸とのフルエステル化物は、特に、モノ脂肪族アルコールとモノ脂肪族カルボン酸とのフルエステル化物の1種又は2種以上と、多価脂肪族アルコールとモノ脂肪族カルボン酸とのフルエステル化物の1種又は2種以上とを含有することが好ましく、モノ脂肪族アルコールとモノ脂肪族カルボン酸とのフルエステル化物と、多価脂肪族アルコールとモノ脂肪族カルボン酸とのフルエステル化物との併用により、離型効果を向上させると共に溶融混練時のガス発生を抑制し、モールドデポジットを低減させる効果が得られる。
モノ脂肪族アルコールとモノ脂肪族カルボン酸のフルエステル化物としては、ステアリルアルコールとステアリン酸とのフルエステル化物(ステアリルステアレート)、ベヘニルアルコールとベヘン酸とのフルエステル化物(ベヘニルベヘネート)が好ましく、多価脂肪族アルコールとモノ脂肪族カルボン酸とのフルエステル化物としては、グリセリンセリンとステアリン酸とのフルエステル化物(グリセリントリステアリレート)、ペンタエリスリトールとステアリン酸とのフルエステル化物(ペンタエリスリトールテトラステアリレート)が好ましく、特にペンタエリスリトールテトラステアリレートが好ましい。
なお、脂肪族アルコールと脂肪族カルボン酸とのフルエステル化物は、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、脂肪族アルコールと脂肪族カルボン酸とのフルエステル化物等の離型剤を含有する場合、その含有量は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、通常2質量部以下であり、好ましくは1質量部以下である。離型剤の含有量が多過ぎると耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染等の問題がある。
離型剤として、モノ脂肪族アルコールとモノ脂肪族カルボン酸とのフルエステル化物と、多価脂肪族アルコールとモノ脂肪族カルボン酸とのフルエステル化物とを併用する場合、これらの使用割合(質量比)は、モノ脂肪族アルコールとモノ脂肪族カルボン酸とのフルエステル化物:多価脂肪族アルコールとモノ脂肪族カルボン酸とのフルエステル化物=1:1〜10とすることが、これらを併用することによる上記の効果を確実に得る上で好ましい。
<紫外線吸収剤>
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、所望によって紫外線吸収剤を含有することが好ましい。紫外線吸収剤を含有することで、本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の耐候性を向上させることができる。
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、所望によって紫外線吸収剤を含有することが好ましい。紫外線吸収剤を含有することで、本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の耐候性を向上させることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリシレート化合物、シアノアクリレート化合物、トリアジン化合物、オギザニリド化合物、マロン酸エステル化合物、ヒンダードアミン化合物などの有機紫外線吸収剤などが挙げられる。これらの中では有機紫外線吸収剤が好ましく、ベンゾトリアゾール化合物がより好ましい。有機紫外線吸収剤を選択することで、本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の機械物性が良好なものになる。
ベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等が挙げられ、なかでも2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が好ましく、特に2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールが好ましい。このようなベンゾトリアゾール化合物としては、具体的には例えば、シプロ化成社製「シーソーブ701」、「シーソーブ705」、「シーソーブ703」、「シーソーブ702」、「シーソーブ704」、「シーソーブ709」、共同薬品社製「バイオソーブ520」、「バイオソーブ582」、「バイオソーブ580」、「バイオソーブ583」、ケミプロ化成社製「ケミソーブ71」、「ケミソーブ72」、サイテックインダストリーズ社製「サイアソーブUV5411」、アデカ社製「LA−32」、「LA−38」、「LA−36」、「LA−34」、「LA−31」、チバ・スペシャリティケミカルズ社製「チヌビンP」、「チヌビン234」、「チヌビン326」、「チヌビン327」、「チヌビン328」等が挙げられる。
ベンゾフェノン化合物の具体例としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−n−ドデシロキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等が挙げられ、このようなベンゾフェノン化合物としては、具体的には例えば、シプロ化成社製「シーソーブ100」、「シーソーブ101」、「シーソーブ101S」、「シーソーブ102」、「シーソーブ103」、共同薬品社製「バイオソーブ100」、「バイオソーブ110」、「バイオソーブ130」、ケミプロ化成社製「ケミソーブ10」、「ケミソーブ11」、「ケミソーブ11S」、「ケミソーブ12」、「ケミソーブ13」、「ケミソーブ111」、BASF社製「ユビヌル400」、BASF社製「ユビヌルM−40」、BASF社製「ユビヌルMS−40」、サイテックインダストリーズ社製「サイアソーブUV9」、「サイアソーブUV284」、「サイアソーブUV531」、「サイアソーブUV24」、アデカ社製「アデカスタブ1413」、「アデカスタブLA−51」等が挙げられる。
サリシレート化合物の具体例としては、例えば、フェニルサリシレート、4−tert−ブチルフェニルサリシレート等が挙げられ、このようなサリシレート化合物としては、具体的には例えば、シプロ化成社製「シーソーブ201」、「シーソーブ202」、ケミプロ化成社製「ケミソーブ21」、「ケミソーブ22」等が挙げられる。
シアノアクリレート化合物の具体例としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等が挙げられ、このようなシアノアクリレート化合物としては、具体的には例えば、シプロ化成社製「シーソーブ501」、共同薬品社製「バイオソーブ910」、第一化成社製「ユビソレーター300」、BASF社製「ユビヌルN−35」、「ユビヌルN−539」等が挙げられる。
オギザニリド化合物の具体例としては、例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキザリニックアシッドビスアリニド等が挙げられ、このようなオキザリニド化合物としては、具体的には例えば、クラリアント社製「サンデュボアVSU」等が挙げられる。
マロン酸エステル化合物としては、2−(アルキリデン)マロン酸エステル類が好ましく、2−(1−アリールアルキリデン)マロン酸エステル類がより好ましい。このようなマロン酸エステル化合物としては、具体的には例えば、クラリアントジャパン社製「PR−25」、チバ・スペシャリティケミカルズ社製「B−CAP」等が挙げられる。
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が紫外線吸収剤を含有する場合、その含有量は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、また、通常3質量部以下、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.5質量部以下、さらに好ましくは0.4質量部以下である。紫外線吸収剤の含有量が前記範囲の下限値以下の場合は、耐候性の改良効果が不十分となる可能性があり、紫外線吸収剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、モールドデボジット等が生じ、金型汚染を引き起こす可能性がある。
なお、紫外線吸収剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
なお、紫外線吸収剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
<染顔料>
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、所望によって染顔料を含有していてもよい。染顔料を含有することで、本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の隠蔽性、耐候性を向上できるほか、本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を成形して得られる成形品のデザイン性を向上させることができる。
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、所望によって染顔料を含有していてもよい。染顔料を含有することで、本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の隠蔽性、耐候性を向上できるほか、本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を成形して得られる成形品のデザイン性を向上させることができる。
染顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料、有機染料などが挙げられる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、カドミウムイエロー等の硫化物系顔料;群青などの珪酸塩系顔料;酸化チタン、亜鉛華、弁柄、酸化クロム、鉄黒、チタンイエロー、亜鉛−鉄系ブラウン、チタンコバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック等の酸化物系顔料;黄鉛、モリブデートオレンジ等のクロム酸系顔料;紺青などのフェロシアン系顔料などが挙げられる。
有機顔料及び有機染料としては、例えば、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系染顔料;ニッケルアゾイエロー等のアゾ系染顔料;チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系などの縮合多環染顔料;アンスラキノン系、複素環系、メチル系の染顔料などが挙げられる。
これらの中では、熱安定性の点から、酸化チタン、カーボンブラック、シアニン系、キノリン系、アンスラキノン系、フタロシアニン系化合物などが好ましい。
なお、染顔料は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
また、染顔料は、押出時のハンドリング性改良、樹脂組成物中への分散性改良の目的のために、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)又は他の熱可塑性樹脂とマスターバッチ化されたものも用いてもよい。
また、染顔料は、押出時のハンドリング性改良、樹脂組成物中への分散性改良の目的のために、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)又は他の熱可塑性樹脂とマスターバッチ化されたものも用いてもよい。
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が染顔料を含有する場合、その含有量は、必要な意匠性に応じて適宜選択すればよいが、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、また、通常3質量部以下、好ましくは2質量部以下、より好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下である。染顔料の含有量が前記範囲の下限値以下の場合は、着色効果が十分に得られない可能性があり、染顔料の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、モールドデボジット等が生じ、金型汚染を引き起こす可能性がある。
<帯電防止剤>
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、所望によって帯電防止剤を含有していてもよい。帯電防止剤は特に限定されないが、好ましくは下記一般式(III)で表されるスルホン酸ホスホニウム塩である。
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、所望によって帯電防止剤を含有していてもよい。帯電防止剤は特に限定されないが、好ましくは下記一般式(III)で表されるスルホン酸ホスホニウム塩である。
(一般式(III)中、R11は炭素数1〜40のアルキル基又はアリール基であり、置換基を有していても良く、R12〜R15は、各々独立して水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基であり、これらは同じでも異なっていてもよい。)
前記一般式(III)中のR11は、炭素数1〜40のアルキル基又はアリール基であるが、透明性や耐熱性、ポリカーボネート樹脂への相溶性の観点からアリール基の方が好ましく、炭素数1〜34、好ましくは5〜20、特に、10〜15のアルキル基で置換されたアルキルベンゼン又はアルキルナフタリン環から誘導される基が好ましい。また、一般式(III)中のR12〜R15は、各々独立して水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基であるが、好ましくは炭素数2〜8のアルキルであり、更に好ましくは3〜6のアルキル基であり、特に、ブチル基が好ましい。
このようなスルホン酸ホスホニウム塩の具体例としては、ドデシルスルホン酸テトラブチルホスホニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルオクチルホスホニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラオクチルホスホニウム、オクタデシルベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニウム、ジブチルベンゼンスルホン酸トリブチルメチルホスホニウム、ジブチルナフチルスルホン酸トリフェニルホスホニウム、ジイソプロピルナフチルスルホン酸トリオクチルメチルホスホニウム等が挙げられる。中でも、ポリカーボネートとの相溶性及び入手が容易な点で、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウムが好ましい。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が帯電防止剤を含有する場合、その含有量は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、0.1〜5.0質量部であることが好ましく、より好ましくは0.2〜3.0質量部、更に好ましくは0.3〜2.0質量部、特に好ましくは0.5〜1.8質量部である。帯電防止剤の含有量が0.1質量部未満では、帯電防止の効果は得られず、5.0質量部を超えると透明性や機械的強度が低下し、成形品表面にシルバーや剥離が生じて外観不良を引き起こし易い。
<その他の樹脂成分>
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない限りにおいて、樹脂成分として、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂以外の他の樹脂成分を含有していてもよい。配合し得る他の樹脂成分としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、水添ポリスチレン樹脂、ポリアクリルスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、SMA樹脂、ポリアルキルメタクリレート樹脂、ポリメタクリルメタクリレート樹脂、ポリフェニルエーテル樹脂、(A)成分以外のポリカーボネート樹脂、非晶性ポリアルキレンテレフタレート樹脂、(B)成分以外のポリエステル樹脂、非晶性ポリアミド樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、環状ポリオレフィン樹脂、非晶性ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルフォンなどが挙げられ、好ましくは、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリメタクリルメタクリレート樹脂、(B)成分以外のポリエステル樹脂などが挙げられる。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない限りにおいて、樹脂成分として、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂以外の他の樹脂成分を含有していてもよい。配合し得る他の樹脂成分としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、水添ポリスチレン樹脂、ポリアクリルスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、SMA樹脂、ポリアルキルメタクリレート樹脂、ポリメタクリルメタクリレート樹脂、ポリフェニルエーテル樹脂、(A)成分以外のポリカーボネート樹脂、非晶性ポリアルキレンテレフタレート樹脂、(B)成分以外のポリエステル樹脂、非晶性ポリアミド樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、環状ポリオレフィン樹脂、非晶性ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルフォンなどが挙げられ、好ましくは、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリメタクリルメタクリレート樹脂、(B)成分以外のポリエステル樹脂などが挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよいが、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂を用いることによる本発明の効果を得るために、これらの他の樹脂成分は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して40質量部以下とすることが好ましい。
<その他の添加剤>
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上述したもの以外にその他の添加剤を含有していてもよい。その他の添加剤としては、例えば、無機フィラー、滴下防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、摺動性改質剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などの各種樹脂添加剤などが挙げられる。これらの樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。また、所望の諸物性を著しく損なわない限り、成形品外観改良剤として熱可塑性エラストマーを含有していてもよい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上述したもの以外にその他の添加剤を含有していてもよい。その他の添加剤としては、例えば、無機フィラー、滴下防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、摺動性改質剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などの各種樹脂添加剤などが挙げられる。これらの樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。また、所望の諸物性を著しく損なわない限り、成形品外観改良剤として熱可塑性エラストマーを含有していてもよい。
[難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法]
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用することができる。
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用することができる。
その具体例を挙げると、本発明に係る(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)フェニルホスホン酸金属塩、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどの各種混合機を用いて予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
また、例えば、各成分を予め混合せずに、又は、一部の成分のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給して溶融混練して、本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造することもできる。
また、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することによって本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造することもできる。
また、例えば、分散し難い成分を混合する際には、その分散し難い成分を予め水や有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させ、その溶液又は分散液と混練するようにすることで、分散性を高めることもできる。
また、例えば、分散し難い成分を混合する際には、その分散し難い成分を予め水や有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させ、その溶液又は分散液と混練するようにすることで、分散性を高めることもできる。
上記方法で各成分を予め混合した後、溶融混練する方法としてはバンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどを使用する方法が挙げられる。
[難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂成形品]
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、通常、任意の形状に成形して芳香族ポリカーボネート樹脂成形品として用いる。この成形品の形状、模様、色彩、寸法などに制限はなく、その成形品の用途に応じて任意に設定すればよい。
本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、通常、任意の形状に成形して芳香族ポリカーボネート樹脂成形品として用いる。この成形品の形状、模様、色彩、寸法などに制限はなく、その成形品の用途に応じて任意に設定すればよい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の製造方法は、特に限定されず、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法などが挙げられる。また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることも出来る。
このようにして製造される本発明の成形品の適用例を挙げると、電気電子機器、OA機器、情報端末機器、機械部品、家電製品、車輌部品、建築部材、各種容器、レジャー用品・雑貨類、照明機器等の部品が挙げられる。これらの中でも、本発明の成形品は、その優れた難燃性、透明性、耐熱性及び剛性等の機械的物性から、特に電気電子機器、OA機器、情報端末機器、家電製品、照明機器等の部品へ用いて好適であり、電気電子機器、照明機器の部品、シート部材に用いて特に好適である。
前記の電気電子機器としては、例えば、パソコン、ゲーム機、テレビ、カーナビ、電子ペーパーなどのディスプレイ装置、プリンター、コピー機、スキャナー、ファックス、電子手帳やPDA、電子式卓上計算機、電子辞書、カメラ、ビデオカメラ、携帯電話、電池パック、記録媒体のドライブや読み取り装置、マウス、テンキー、CDプレーヤー、MDプレーヤー、携帯ラジオ・オーディオプレーヤー等が挙げられる。なかでも、テレビ、パソコン、カーナビ、電子ペーパー等の筐体の意匠性部品等に好適に用いることができる。
前記の照明機器の部品としては、LED照明、EL照明等のカバー等に好適に用いることができる。
特に本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、その優れた透明性の効果を厚さ5mm以上の肉厚の成形品において、有効に発揮することができる。
特に本発明の難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、その優れた透明性の効果を厚さ5mm以上の肉厚の成形品において、有効に発揮することができる。
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施することができる。なお、以下の説明において[部]とは、特に断らない限り質量基準に基づく「質量部」を表す。
以下の実施例及び比較例で用いた測定・評価法並びに使用材料は、以下の通りである。
<難燃性評価>
JIS K−7201−2(ISO 4589−2)の規格に基づいた酸素指数を測定した。酸素指数は大きい程難燃性に優れる。
JIS K−7201−2(ISO 4589−2)の規格に基づいた酸素指数を測定した。酸素指数は大きい程難燃性に優れる。
<透明性評価>
樹脂組成物の厚肉・徐冷成形品の白濁の比較は、後述に記載の5mm試験片を厚み方向から肉眼で観察して判断した。
◎:透明性が極めて優れる
○:透明性が高く、実用上問題がない
△:透明性がやや劣る
×:白濁が大きく透明性に劣る
樹脂組成物の厚肉・徐冷成形品の白濁の比較は、後述に記載の5mm試験片を厚み方向から肉眼で観察して判断した。
◎:透明性が極めて優れる
○:透明性が高く、実用上問題がない
△:透明性がやや劣る
×:白濁が大きく透明性に劣る
[使用材料]
<(A)芳香族ポリカーボネート樹脂>
界面重合法で製造されたビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユーピロン(登録商標)S−3000FN」、粘度平均分子量25000)
<(A)芳香族ポリカーボネート樹脂>
界面重合法で製造されたビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユーピロン(登録商標)S−3000FN」、粘度平均分子量25000)
<(B)フェニルホスホン酸金属塩>
1)フェニルホスホン酸ナトリウム塩
前記特許文献3の第[0020]段落に記載の方法によりフェニルホスホン酸ナトリウム塩を製造した。即ち、フェニルホスホン酸を水に溶解し、0.5N水酸化ナトリウムを添加することによりフェニルホスホン酸ナトリウム塩を調製し、水を減圧留去して、200℃で乾燥させることでフェニルホスホン酸ナトリウム塩の白色粉末結晶を得た。このとき、水酸化ナトリウムの添加量の調整により、中和度の異なる以下の金属塩を得た。
(B−1):pH7.4(1%水溶液)のフェニルホスホン酸ナトリウム塩
(B−2):pH5.4(1%水溶液)のフェニルホスホン酸ナトリウム塩
1)フェニルホスホン酸ナトリウム塩
前記特許文献3の第[0020]段落に記載の方法によりフェニルホスホン酸ナトリウム塩を製造した。即ち、フェニルホスホン酸を水に溶解し、0.5N水酸化ナトリウムを添加することによりフェニルホスホン酸ナトリウム塩を調製し、水を減圧留去して、200℃で乾燥させることでフェニルホスホン酸ナトリウム塩の白色粉末結晶を得た。このとき、水酸化ナトリウムの添加量の調整により、中和度の異なる以下の金属塩を得た。
(B−1):pH7.4(1%水溶液)のフェニルホスホン酸ナトリウム塩
(B−2):pH5.4(1%水溶液)のフェニルホスホン酸ナトリウム塩
2)フェニルホスホン酸カリウム塩
上記フェニルホスホン酸ナトリウム塩の製造において、水酸化ナトリウムの代わりに水酸化カリウムを用いた以外は同様の方法で調製した。
(B−3):pH7.1(1%水溶液)のフェニルホスホン酸カリウム塩
(B−4):pH5.9(1%水溶液)のフェニルホスホン酸カリウム塩
上記フェニルホスホン酸ナトリウム塩の製造において、水酸化ナトリウムの代わりに水酸化カリウムを用いた以外は同様の方法で調製した。
(B−3):pH7.1(1%水溶液)のフェニルホスホン酸カリウム塩
(B−4):pH5.9(1%水溶液)のフェニルホスホン酸カリウム塩
3)フェニルホスホン酸亜鉛塩
(B−5):日産化学工業(株)製 「エコプロモート」、pH7.2(1%水溶液)
(B−5):日産化学工業(株)製 「エコプロモート」、pH7.2(1%水溶液)
<(C)その他の金属塩>
(C−1)フェニルリン酸ナトリウム塩
フェニルホスホン酸のフェニル基とリン原子が酸素原子を介して結合した下記構造の和光純薬工業(株)社の「フェニルリン酸二ナトリウム二水和物」を使用した。
(C−1)フェニルリン酸ナトリウム塩
フェニルホスホン酸のフェニル基とリン原子が酸素原子を介して結合した下記構造の和光純薬工業(株)社の「フェニルリン酸二ナトリウム二水和物」を使用した。
(C−2)パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩(DIC(株)「メガファックF−114P」)
<(D)リン系熱安定剤>
ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスルトールホスファイト((株)ADEKA社製「アデカスタブPEP36」)
ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスルトールホスファイト((株)ADEKA社製「アデカスタブPEP36」)
<(E)酸化防止剤>
ペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジーtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASF社製「イルガノックス1010」)
ペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジーtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASF社製「イルガノックス1010」)
[実施例1〜10、比較例1〜5]
<樹脂組成物の調製>
上記の各成分を、表1及び2に示す質量比で配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた日本製鋼所社製(TEX30HSST)に供給し、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/時間、バレル温度270℃の条件で混練し、ストランド状に押出した溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化して、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
<樹脂組成物の調製>
上記の各成分を、表1及び2に示す質量比で配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた日本製鋼所社製(TEX30HSST)に供給し、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/時間、バレル温度270℃の条件で混練し、ストランド状に押出した溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化して、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
<難燃性評価用試験片の作製>
上述の製造方法で得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(住友重機械工業社製「SG75Mk−II」)にて、シリンダー温度270℃、金型温度60℃、成形サイクル50秒の条件で射出成形を行い、ISO多目的試験片(4mm厚)を作製した。得られた試験片を前記の難燃性評価(酸素指数測定)に用いた。
上述の製造方法で得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(住友重機械工業社製「SG75Mk−II」)にて、シリンダー温度270℃、金型温度60℃、成形サイクル50秒の条件で射出成形を行い、ISO多目的試験片(4mm厚)を作製した。得られた試験片を前記の難燃性評価(酸素指数測定)に用いた。
<透明性評価用試験片の作製>
上述と同様、得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、日精樹脂工業株式会社製のNEX80−9E射出成形機を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で、厚さ5mm、縦65mm、横45mmの厚肉プレートを成形した。
上述と同様、得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、日精樹脂工業株式会社製のNEX80−9E射出成形機を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で、厚さ5mm、縦65mm、横45mmの厚肉プレートを成形した。
表1及び2の結果より次のことがわかる。
実施例1〜10は難燃剤として(B)フェニルホスホン酸金属塩を用いているため、難燃性と徐冷時の透明性のバランスに優れている。実施例3〜5はフェニルホスホン酸金属塩の添加量を変えたものであるが、実施例5は金属塩の添加量がやや多めとなっているため若干燃焼性に劣る。
これに対して、比較例1はフェニルホスホン酸金属塩を含有していないため難燃性に劣る。比較例2はフェニルホスホン酸金属塩の添加量が少ないため難燃性に劣る。比較例3はフェニルホスホン酸金属塩が過剰に添加されているため透明性に劣る。比較例4はフェニルホスホン酸金属塩ではなく、分子構造の異なるフェニルリン酸金属塩を用いたため難燃性に劣る。比較例5は有機スルホン酸金属塩を用いたため、透明性に劣る。
実施例1〜10は難燃剤として(B)フェニルホスホン酸金属塩を用いているため、難燃性と徐冷時の透明性のバランスに優れている。実施例3〜5はフェニルホスホン酸金属塩の添加量を変えたものであるが、実施例5は金属塩の添加量がやや多めとなっているため若干燃焼性に劣る。
これに対して、比較例1はフェニルホスホン酸金属塩を含有していないため難燃性に劣る。比較例2はフェニルホスホン酸金属塩の添加量が少ないため難燃性に劣る。比較例3はフェニルホスホン酸金属塩が過剰に添加されているため透明性に劣る。比較例4はフェニルホスホン酸金属塩ではなく、分子構造の異なるフェニルリン酸金属塩を用いたため難燃性に劣る。比較例5は有機スルホン酸金属塩を用いたため、透明性に劣る。
Claims (3)
- (A)粘度平均分子量が15,000〜40,000の芳香族ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、(B)下記一般式(I)又は(II)で表されるフェニルホスホン酸金属塩を0.02〜0.5質量部含有することを特徴とする難燃性芳香族ポリカーボネート組成物。
(式中、R1及びR2は、同一でも相異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基を表す。M1は金属原子であり、M2はM1と同一の金属原子又は水素原子を表す。)
(式中、R3及びR4は、同一でも相異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基を表す。M3は金属原子を表す。) - 前記一般式(I)におけるM1が、リチウム、ナトリウム、又はカリウムであり、前記一般式(II)におけるM3が、カルシウム、マグネシウム又は亜鉛である請求項1に記載の難燃性芳香族ポリカーボネート組成物。
- 請求項1又は2に記載の難燃性芳香族ポリカーボネート組成物を成形してなることを特徴とする成形品。
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-
2012
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