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JP2013226817A - エンボス加工フィルムおよびそれを用いたモーター - Google Patents

エンボス加工フィルムおよびそれを用いたモーター Download PDF

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JP2013226817A JP2013059843A JP2013059843A JP2013226817A JP 2013226817 A JP2013226817 A JP 2013226817A JP 2013059843 A JP2013059843 A JP 2013059843A JP 2013059843 A JP2013059843 A JP 2013059843A JP 2013226817 A JP2013226817 A JP 2013226817A
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Kenta Morishita
健太 森下
Takaaki Yoshii
隆晃 吉井
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Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】 耐熱性、電気絶縁性を損なうことなく、耐座屈性に優れたエンボス加工フィルムを安価で提供する。
【解決手段】 二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムを最外層に有する厚さが120μm以上400μm以下のエンボス加工フィルムであって、厚さをT(μm)、剛性度をS(mN・m)とした場合、厚さと剛性度が以下の式を満足することを特徴とするエンボス加工フィルム。
S≧0.00007×T
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリフェニレンサルファイドフィルムを用いたエンボス加工フィルムに関し、さらに詳しくは、モーターの電気絶縁に用いるに好適なエンボス加工フィルムに関するものである。
ポリフェニレンサルファイドフィルムは、優れた耐熱性、耐加水分解性、耐薬品性、難燃性、電気絶縁性などの性質を有しており、特に電気・電子機器、機械部品および自動車部品などに好適に使用されている。
近年、ポリフェニレンサルファイドフィルムは、その電気絶縁性や耐熱性の高さを活かし、電気絶縁材料への適用が進められている。例えば、電気絶縁性を高めるためにポリフェニレンサルファイドフィルムを複合したポリフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド/ポリフェニレンサルファイドからなる複合フィルムが開示されている(特許文献1、2)。
ハイブリッドカー、電気自動車の駆動用モーターや車載用エアコンコンプレッサーモーターなどのモーターは、小型化、高出力化を目的として、スロット断面積に占めるコイル断面積の割合で表される占積率が、高くなるような設計が要求されている。モーターの高占積率化に伴い、スロット内の絶縁材を挿入する空間が狭くなるが、電気絶縁性を維持するためには絶縁材を薄くすることができないので、結果として絶縁材を挿入する際の負荷が大きくなってしまう。上記の従来の複合フィルムを高占積率モーターの絶縁材として適用しようとすると、高占積率化に伴い大きくなった挿入時の負荷に複合フィルムが耐えられず、座屈が発生するという問題があった。
特開2007−98941号公報 特開2010−110898号公報
そこで本発明は、耐熱性、電気絶縁性を損なうことなく、この問題点を解消し、耐座屈性に優れたエンボス加工フィルムを安価で提供することを目的とするものである。
本発明のエンボス加工フィルムは、上記の課題を解決するために次の手段を有する。
(1)二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムを最外層に有する厚さが120μm以上400μm以下のエンボス加工フィルムであって、厚さをT(μm)、剛性度をS(mN・m)とした場合、厚さと剛性度が以下の式を満足することを特徴とするエンボス加工フィルム。
S≧0.00007×T
(2)前記エンボス加工フィルムの厚さと剛性度が以下の式を満足することを特徴とする(1)に記載のエンボス加工フィルム。
S≦0.00012×T
(3)前記エンボス加工フィルムの少なくとも片側の面の全面に高さ率が2.5%以上11.0%以下、面積率が20%以上55%以下のエンボス加工が施されたことを特徴とする(1)または(2)に記載のエンボス加工フィルム。
(4)動摩擦係数が0.35以下であることを特徴とする(1)〜(3)に記載のエンボス加工フィルム。
(5)前記エンボス加工フィルムが二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムと熱可塑性樹脂フィルムが積層されてなるエンボス加工フィルムであって、最外層の二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムの厚さが10μm以上、エンボス加工フィルムの総厚みに占める二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム部分の厚みの割合が8%以上であることを特徴とする(1)〜(4)に記載のエンボス加工フィルム。
(6)前記エンボス加工フィルムが二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムと二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルムが接着剤を介さずに積層されてなることを特徴とする(1)〜(5)に記載のエンボス加工フィルム。
(7)熱伝導率が0.130W/(m・K)を超えることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のエンボス加工フィルム。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載のエンボス加工フィルムを絶縁紙として使用したことを特徴とするモーター。
本発明によれば、耐熱性、電気絶縁性、耐座屈性に優れたエンボス加工フィルムを安価で提供することができる。
本発明は、二軸配向熱可塑性フィルムの少なくとも片面に二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムを最外層に有するエンボス加工フィルムである。ポリパラフェニレンサルファイド樹脂はポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂に比べて結晶化速度が早いため、本発明で規定するエンボス加工フィルムの厚さ範囲のポリパラフェニレンサルファイドフィルムを一軸もしくは二軸延伸するとフィルムに破れが生じ、生産効率が悪化するので、二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムと熱可塑性樹脂フィルムが積層された構成であることが必要である。
ここで、本発明に用いる二軸配向熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば、二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム、二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルム、二軸配向ポリエステルフィルムなどを用いることができ、耐熱性の点から二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムや二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルムが好ましく用いられ、特に最外層に設ける二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムと熱融着により接着剤を介さずに積層できることから二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルムが更に好ましく用いられる。
ここで、ポリパラフェニレンサルファイドとは、ポリマーの主要繰り返し単位として下記構造式で示されるパラフェニレンサルファイド単位を85モル%以上含む高分子をいい、好ましくは90モル%以上、更に好ましくは98モル%以上がパラフェニレンサルファイド単位である。かかる成分が85モル%未満ではポリマーの結晶性、軟化点などが低下し、耐熱性、寸法安定性、機械特性などが損なわれる場合がある。
Figure 2013226817
上記ポリパラフェニレンサルファイドからなる高分子において、パラフェニレンサルファイド以外の繰り返し単位はパラフェニレンサルファイド構造以外のフェニレンサルファイド構造を含む繰り返し単位であることが望ましいが、本発明の目的を阻害しない限り、他の繰り返し単位が用いられても差し支えない。共重合の態様はランダム共重合であってもブロック共重合であっても良い。
二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムはポリパラフェニレンサルファイドにより構成されていることが望ましいが、本発明の目的を阻害しない範囲でその全質量の10質量%未満の範囲で、他の成分、例えばポリパラフェニレンサルファイド以外のポリマーや無機もしくは有機フィラー、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤、相溶化剤などの添加剤を含むことができる。ポリパラフェニレンサルファイド以外のポリマーとしては、例えば、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエーテルエーテルケトンなどの各種ポリマーおよびこれらのポリマーの少なくとも1種を含むブレンド物を挙げられ、また、無機フィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタンおよび酸化亜鉛などの無機フィラー、有機フィラーとしては、300℃で溶融しない有機の高分子化合物(例えば、架橋ポリスチレン等)のフィラー等を挙げることができる。
また、上記二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムは、必要に応じて、熱処理、表面処理などの任意の加工を行ってもよい。
二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムを構成するポリパラフェニレンサルファイドの融点は、260℃以上300℃以下が好ましく、より好ましくは270℃以上300℃ 以下であり、さらに好ましくは280℃以上290℃以下である。260℃未満では、複合フィルムとしての耐熱性が十分でない場合があり、300℃を超えると溶融製膜時の押出機の負荷が大きくなる場合がある。
ここで、共重合ポリフェニレンサルファイドとは、フェニレンサルファイド単位を主たる繰り返し単位とするポリフェニレンサルファイドである。主たるの意味するところは、ポリフェニレンサルファイドは100モル%がフェニレンサルファイド構造を含む繰り返し単位であることが望ましいが、本発明の目的を阻害しない限りにおいては他の繰り返し単位が10モル%程度以下含まれたものであっても良いとの意味である。共重合ポリフェニレンサルファイドの融点はパラフェニレンサルファイド単位以外の繰り返し単位を共重合せしめることで調整することができる。
共重合ポリフェニレンサルファイドに用いるパラフェニレンサルファイド単位以外の構造単位として、具体的には、ビフェニレンサルファイド単位、ビフェニレンエーテルサルファイド単位、ビフェニレンスルホンサルファイド単位、ビフェニレンカルボニルサルファイド単位、ナフタレンサルファイド単位等が挙げられるが、特に下記式に示すメタフェニレンサルファイド単位が共重合されていることが好ましい。メタフェニレンサルファイド単位の共重合量は5モル%以上20モル%以下が好ましく、より好ましくは5モル%以上15モル%以下である。メタフェニレンサルファイド単位を5モル%以上用いることによって、高い界面接着性を得ることができる。なお、パラフェニレンサルファイド単位以外の構造単位としては複数種の構造単位が用いられても構わない。また、ブロックコポリマーであってもランダムコポリマーであっても構わない。
Figure 2013226817
二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルムは本発明の目的を阻害しない範囲で各層の全質量の10質量%未満の範囲で、他の成分、例えばポリフェニレンサルファイド以外のポリマーや無機若しくは有機フィラー、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤、相溶化剤などの添加剤を含むことができる。ポリフェニレンサルファイド以外のポリマーとしては、例えば、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエーテルエーテルケトンなどの各種ポリマーおよびこれらのポリマーの少なくとも1種を含むブレンド物を挙げられ、また、無機フィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタンおよび酸化亜鉛などの無機フィラー、有機フィラーとしては、300℃で溶融しない有機の高分子化合物(例えば、架橋ポリスチレン等)のフィラー等を挙げることができる。
二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルムを構成するポリフェニレンサルファイドは前記二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムを構成するポリパラフェニレンサルファイドよりも融点が20℃以上低ければ良いが、余りに融点差がありすぎるとエンボス加工フィルムとしたときの耐熱性が損なわれることがあるので、係る融点差は90℃以内、望ましくは60℃以内、更に望ましくは40℃以内とすることが望ましい。一方、係る融点差が20℃未満であるときは二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムと二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルムを熱融着する際に十分な界面接着性を得ることができない場合がある。
本発明の二軸配向熱可塑性樹脂フィルムには、上記の二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムや二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルム以外に、二軸配向ポリエステルフィルムを用いることができ、たとえば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2、6−ナフタレートからなる熱可塑性樹脂フィルムを好適に用いることができる。また、ここでいうポリエステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であって、好ましいポリエステルとしては、エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成成分を主要構成成分とするものを用いることができる。これら構成成分は1種のみ用いても、2種以上併用してもよいが、中でも品質、経済性などを総合的に判断するとエチレンテレフタレートを主要構成成分とするポリエステルを用いることが特に好ましい。
また、これらポリエステルには、更に他のジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは20モル%以下共重合されていてもよい。
上述したポリエステルのJIS−K−7367(2000)に従い、25℃のo−クロロフェノール中で測定した極限粘度は0.4〜1.2dl/gが好ましく、より好ましくは0.5〜0.9dl/gの範囲内である。
更に、この熱可塑性樹脂中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤、架橋剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
本発明のエンボス加工フィルムの総厚みは、120μm以上400μm以下が必要であり、好ましくは150μm以上350μm以下であり、さらに好ましくは200μm以上350μm以下である。総厚みが120μm未満の場合、モーター絶縁フィルムとして剛性度、電気絶縁性が十分ではなく、総厚みが400μmを超えると剛性度が高過ぎてスロットライナーやウェッジなどの絶縁材料に加工する際の成型性が低下する場合がある。また、厚くするためには後述するように複数回のラミネート加工が必要となり、製造コストが非常に高価となる場合がある。なお、本発明のエンボス加工フィルムにはエンボス加工が施されているが、総厚みはそれぞれのフィルムの表面のエンボス突起の頂点からの最大厚みとして、つまり頂点基準で、求めるものとする。
本発明のエンボスフィルムの剛性度は1.10mN・m以上14.00mN・m以下がエンボスフィルムを絶縁材料に加工する際の成型性の点で好ましく、より好ましくは1.30mN・m以上13.00mN・m以下、更に好ましくは1.50mN・m以上12.00mN・m以下である。
本発明のエンボス加工フィルムの総厚みをT(μm)、剛性度をS(mN・m)とした場合、総厚みTと剛性度Sの関係はS≧0.00007×Tを満足することが必要であり、S≧0.000075×Tを満足することが好ましく、S≧0.00008×Tを満足することが更に好ましい。S≧0.00007×Tを満足しない場合、エンボス加工フィルムをスロットライナーやウェッジとして高占積率のモーターへ挿入する際、負荷に耐えきれず座屈が発生する。総厚みと剛性度の関係を本願規定の範囲とするために、特に方法は限定されないが、フィルムの表面に特定のエンボス形状を付与する方法が、生産性やコストを犠牲にせず、かつ剛性度を上記の範囲へ調整し易い。
なお、ここでいうエンボス形状の付与については、詳細は後述するが、四角柱などの突起が刻印されたエンボスロール同士、またはエンボスロールと表面が平坦な圧着ロールとでフィルムを熱圧着し、エンボスロールの四角柱の突起をフィルム表面に転写させる事で、エンボスロールの突起にあたる位置に凹状形状を、凹状形状の周囲に凹状形状形成時に発生した樹脂の盛り上がりによる凸状形状を有する凹凸部を形成するこという。
また、総厚みTと剛性度Sの関係はS≦0.00012×Tを満足することがエンボス加工フィルムの電気絶縁性を損なうことなく耐座屈性を向上出来る点で好ましく、S≦0.000115×Tを満足することがより好ましく、S≦0.00011×Tを満足することが更に好ましい。
本発明のエンボスの高さ率は2.5%以上11.0%以下であることが好ましく、より好ましくは3.0%以上10.5%以下、更に好ましくは4.0%以上9.5%以下である。高さ率が2.5%未満の場合、フィルムの剛性度が上がりにくくなる場合があり、高さ率が11.0%を超えるとエンボス加工フィルムの電気絶縁性が悪化する場合がある。ここでいう高さ率とは、総厚みに対するエンボス加工フィルムに形成された凹部分から凸部分までの高さの割合で表される。
また、エンボスの面積率は20%以上55%以下であることが好ましく、より好ましくは25%以上50%以下、更に好ましくは30%以上45%以下である。面積率が20%未満の場合、フィルムの剛性度が上がりにくくなる場合があり、面積率が55%を超えるとエンボス加工フィルムの電気絶縁性が悪化する場合がある。ここでいう面積率とは、エンボス加工フィルム1cm当たりに形成された凹凸部分の面積の割合で表される。
本発明にては、前記高さ率と前記面積率が同時に前記好ましい範囲を充足するものであると、電気絶縁性、成型性、生産性、コストを犠牲にすることなく、剛性度を規定の範囲に調整し易い点で好ましい。
ここで、エンボス形状を付与するための詳細な条件は後述するが、本発明のエンボス加工フィルムは耐熱性の非常に高い二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムが最外層に位置するため十分な熱量と圧力が必要であり、高温高圧の条件で短時間に実施する方法が生産性・コストを損なわずに上記のエンボス形状を得られるため好ましい。
本発明のエンボス加工フィルムは片面、両面のどちらにエンボス加工を実施しても構わない。その方法としては、突起が刻印されたエンボスロールと表面が平坦な圧着ロールをそれぞれの面に設けて圧着する方法、エンボスロールとエンボスロールをそれぞれの面に設けて圧着する方法が挙げられる。エンボス加工の加工性向上と加工コスト低減の点から片面に実施することが好ましい。
また、エンボス加工はフィルムの全面に実施することが好ましく、部分的にエンボス加工を実施した場合、エンボス加工を実施していない部分が局所的に弱くなり、挿入時の負荷に耐えきれず座屈が発生する場合がある。ここで全面に実施するとの意味は、任意の0.5cm中に必ず凹凸形状が存在する状態をいう。
本発明のエンボス加工フィルムの動摩擦係数は0.35以下であることがエンボス加工フィルムをモーターへ自動挿入する際の搬送性向上や挿入時の負荷低減の点で好ましく、より好ましくは0.33以下、更に好ましくは0.31以下である。動摩擦係数の下限は特には限定されないが、一般的には0.20程度である。
本発明のエンボス加工フィルムの最外層に位置する二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムの厚さは10μm以上であることがエンボス加工フィルムの耐熱性向上の点で好ましく、より好ましくは12μm以上、更に好ましくは14μm以上である。
本発明は最外層以外の層以外の層にも二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムを用いることができるが、本発明のエンボス加工フィルムの総厚みに対する二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム部分の厚みの割合は8%以上であることがエンボス加工フィルムの耐熱性向上の点で好ましく、より好ましくは10%以上、更に好ましくは12%以上である。
二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムと二軸配向熱可塑性樹脂フィルムを積層する方法は特に限定されないが、接着剤を介さずに積層する方法が好ましく用いられ、特に、耐熱性の点から二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムと二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルムとを積層するときに有用である。具体的方法としては後述する熱融着法が好ましく用いられる。熱融着の方法は特に限定されないが、プロセス性の点から加熱ロールによる熱融着が好ましい。先述のとおりポリフェニレンサルファイドは一定厚さ以上のフィルムを得難い。本発明のエンボス加工フィルムの厚さ範囲を共押出法により得ようとした場合、製膜時のキャスト工程での冷却が不十分なうちに、ポリ(パラ)フェニレンサルファイドは結晶化し、二軸方向へ延伸しようとすると膜が破れてしまう。また一方、延伸が不足すると十分な配向を得られず、剛性度が低いものとなってしまうのである。このため、本発明は複数の二軸配向フィルムを接合した積層フィルムとしているのである。
本発明のエンボス加工フィルムの最も単純な構成の例としては、二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム/二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルム/二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムの三層構成が挙げられる。この構成のエンボス加工フィルムを作製するにあたって、二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムと二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルムを別々に作製し、積層してもよいが、積層時の加工性向上と加工コスト低減の点から、具体的方法は後述するが、ポリパラフェニレンサルファイドと共重合ポリフェニレンサルファイドを共押出し、二軸配向させたポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルムを作成し、二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルム側の面を別に作成した二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムと積層した、(二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム/二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルム)/二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムの三層構成とする方法が好ましく用いられる。
他の構成例としては、前記ポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルム同士を二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルム側の面で積層した、(二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム/二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルム)/(二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルム/二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム)の構成や、前記三層構成に更にポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルムを積層した、(二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム/二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルム)/二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム/(二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルム/二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム)の構成や、前記ポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルムの間に二軸配向ポリエステルフィルムを積層した、(二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム/二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルム)/二軸配向ポリエステルフィルム/(二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルム/二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム)の構成などが挙げられる。
二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムと熱可塑性樹脂フィルムは接着剤を用いて積層してもよい。接着剤を用いて積層する場合、本発明のエンボス加工フィルムの最も単純な構成の例としては、二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム/接着剤/二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムの構成が挙げられる。
他の構成例としては、前記の構成に接着剤を介して更に二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムを積層した、二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム/接着剤/二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム/接着剤/二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムの構成や、二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムの間に接着剤を介して二軸配向ポリエステルフィルムを積層した、二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム/接着剤/二軸配向ポリエステルフィルム/接着剤/二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムの構成などが挙げられる。勿論、本発明のエンボス加工フィルムの積層構成はこれらに限定されるものではない。
本発明のエンボス加工フィルムは絶縁破壊電圧が16.5kV以上であることが、モーター絶縁用フィルムとして好ましい。より好ましくは17.0kV以上、更に好ましくは17.5kV以上である。また、本発明のエンボス加工フィルムは単位厚さ当たりの絶縁破壊電圧である絶縁破壊強さが80kV/mm以上であることが、モーター絶縁用フィルムとして好ましい。より好ましくは85kV/mm以上、更に好ましくは90kV/mm以上である。
本発明のエンボス加工フィルムは、熱伝導率が0.130W/(m・K)を超えることが好ましい。熱伝導率はモーターの放熱性を示す指標であり、本値が高ければ高い程、好ましい。放熱性が低い場合は、モーターに熱が蓄熱されるが、モーターに使用される絶縁フィルムとしては耐熱性に限界があり、絶縁フィルムの劣化が促進されるため、好ましくない。熱伝導率は好ましくは0.135W/(m・K)以上、更に好ましくは0.140W/(m・K)以上である。熱伝導率を高くするためには、本発明のエンボス高さを高くすること、またはエンボスの面積率を大きくすることが好ましいが、エンボス高さを高くし過ぎたり、エンボスの面積率を大きくし過ぎたりすると電気絶縁性が低下する場合があるため、上述したエンボス高さとエンボスの面積率が好ましい。
本発明のエンボス加工フィルムの用途は、特に限定されないが、電気絶縁材料、回路基板材料および工程・離型材料などの各種工業材料用などに用いることができ、前述したように、特にハイブリッドカー、電気自動車などに使用される駆動用モーターやカーエアコンコンプレッサーモーターの電気絶縁材に好適に用いられる。
次に、本発明のエンボス加工フィルムを製造する方法について、以下に具体例を挙げて詳細を説明する。
まず、二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムを最外層に有する複合フィルムの製造方法の例として、二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム/二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルム/二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムの三層構成の複合フィルムを得る方法を説明する。
この構成の複合フィルムを得る場合、二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムと二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルムを別々に作製し、積層しても良いが、前述した通り、積層時の加工性向上と加工コスト低減の点から、共重合ポリフェニレンサルファイドとポリパラフェニレンサルファイドを共押出して二軸配向したポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルムを用いる方法が好ましく用いられる。
二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムとポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルムとを共重合ポリフェニレンサルファイド樹脂からなる層を介して接合する方法としては熱融着法が簡便である。熱融着の方法としては、例えば、加熱ロールと圧着ロールを用いて熱融着(熱圧着)する方法が好ましい。加熱ロールの表面温度は、230℃以上265℃以下であることが好ましく、より好ましくは240℃以上265℃以下、更に好ましくは245℃以上260℃以下であることが十分な接着強度を得るために好ましい。加熱ロールの表面温度は非接触式温度計あるいは接触式温度計で測定することができる。
また、圧着ロールは、ゴム材質であることが複合フィルムの表面性向上の観点から好ましく、フッ素ゴム、シリコンゴムなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、圧着ロールの表面温度は、好ましくは180℃以上265℃以下であり、より好ましくは、190℃以上265℃以下であり、さらに好ましくは、200℃以上260℃以下である。
圧着時の圧力は、好ましくは線圧が50N/cm以上400N/cm以下、より好ましくは130N/cm以上400N/cm以下であり、さらに好ましくは、180N/cm以上400N/cm以下であることが二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムとポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルムとの間の十分な接着強度を得るために好ましい。
二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムとポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルムを熱融着する際に、あらかじめ二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムとポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルムを予熱した後に熱融着することが好ましい。二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムとポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルムを予熱する方法としては、加熱ロールもしくは圧着ロールの外周に抱き角50°以上180°以下、好ましくは60°以上180°以下、さらに好ましくは90°以上180°以下で沿わせた後に圧着し、熱融着することが十分な接着強度を得るために好ましい態様である。
圧着後の複合フィルムは、圧着ロールにより加熱ロールに圧着された点から90°以上270°以下の角度で加熱ロールの外周に沿わせながら熱融着させることが接着強度向上の点で好ましい。より好ましくは120°以上240°以下、更に好ましくは150°以上210°以下の角度である。
熱融着速度は、0.1m/分以上10m/分以下、好ましくは0.5m/分以上7m/分以下、より好ましくは1m/分以上5m/分以下、さらに好ましくは2m/分以上5m/分以下であることが、接着強度および生産性の観点から好ましい。
熱融着した後の複合フィルムは、直ちにポリパラフェニレンサルファイドのガラス転移温度以下に冷却することが、複合フィルムの平面性と接着強度の維持の点から好ましい態様である。複合フィルムを冷却する方法は特に限定されないが、ロール冷却やエアー冷却などを用いて冷却する方法が用いられる。
本発明で用いられる二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムとポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルムの接合表面において、より強固な界面接着性を付与するために、コロナ放電処理やプラズマ処理を施すことも本発明の好ましい態様に含まれる。コロナ放電処理時の雰囲気ガスとしては、空気(EC処理)、酸素(OE処理)、窒素(NE処理)、炭酸ガス(CE処理)等から選ばれる少なくとも1種のガスが挙げられる。これらのうち、本発明においては経済性の観点からEC処理で表面処理することがより好ましい。
次に二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム及びポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルムの製造方法を説明する。二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムを得る方法としては、ポリパラフェニレンサルファイド樹脂あるいは樹脂組成物を溶融押出装置に供給し、融点以上に加熱する。加熱により溶融された樹脂組成物は、スリット状の口金出口から押し出される。かかる溶融体を冷却ドラム上でガラス転移点以下に冷却し、未延伸フィルムを得る。溶融押出装置は周知の装置が適用可能であるが、一軸または二軸の押出機が簡便であり好ましく用いられる。
ポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルムは、前述した通りエンボス加工フィルムを得るのに必要な積層回数を減らすために、一方の最外層にポリパラフェニレンサルファイド樹脂からなる層を有し、その反対の最外層に共重合ポリフェニレンサルファイド樹脂からなる層を有する。係るポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルムを得る方法としては、ポリパラフェニレンサルファイド樹脂と共重合ポリフェニレンサルファイド樹脂をそれぞれ最外層となるように溶融工程で積層して吐出、冷却する方法が好ましく用いられる。それぞれの樹脂は別々の溶融押出装置に供給されて個々の樹脂あるいは樹脂組成物の融点以上に加熱され、加熱により溶融された各樹脂組成物を、溶融押出装置と口金出口の間に設けられた合流装置において溶融状態で二層または三層以上に積層する。積層された樹脂流はスリット状の口金出口から押し出され、得られた溶融複合体を冷却ドラム上で共重合ポリフェニレンサルファイド樹脂あるいは樹脂組成物のガラス転移点以下に冷却し、ポリパラフェニレンサルファイド樹脂からなる層と共重合ポリフェニレンサルファイド樹脂からなる層が最外層に配置された未延伸フィルムを得る。
次に、上記のようにして得られたそれぞれの未延伸フィルムを二軸延伸して二軸配向フィルムを得る。二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム及びポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルムを二軸に配向させることができる未延伸フィルムの延伸方法としては、ロール群とテンターとを用いて長手方向および幅方向の延伸を順次行う逐次二軸延伸法、長手方向および幅方向の延伸を同時に行う同時二軸延伸法などが挙げられ、その中でも逐次二軸延伸法が好ましい。
逐次二軸延伸法を用いる場合、長手方向には90℃以上120℃以下で3.0倍以上4.0倍以下の範囲で延伸することが好ましい。本発明の場合、より好ましい延伸倍率は、3.0倍以上3.7倍以下であり、さらに好ましくは、3.0倍以上3.5倍以下である。延伸倍率が3.0倍未満の場合、十分なフィルム平面性を有した二軸配向フィルムを得られない場合があり、延伸倍率が4.0倍を超えると本発明のエンボス加工フィルムの破断伸度や接着強度が低くなり、スロットライナーやウェッジなどの絶縁材への加工時に割れや剥がれが発生する場合がある。幅方向には、90℃以上120℃以下で2.8倍以上3.5倍以下に延伸することが好ましい。より好ましくは、2.8倍以上3.3倍以下であり、さらに好ましくは、2.8倍以上3.0倍以下である。延伸倍率が2.8倍未満の場合、十分なフィルム平面性を有した二軸配向フィルムを得られない場合があり、延伸倍率が3.5倍を超えると破断伸度や接着強度が低くなる場合があるからである。
横延伸後、二軸配向フィルムはさらに熱処理を施すことができる。熱処理を施すことで結晶構造が固定され、モーター絶縁用フィルムとして好ましい剛性度、耐熱性を得ることができ、また、熱収縮率を低減することで、後述する熱融着工程での幅縮みを抑制する事ができる。熱処理は一段熱処理もしくは二段熱処理が好ましく用いられ、より好ましくは二段熱処理が用いられる。一段熱処理の場合、熱処理温度は240℃以上280℃以下であることが好ましく、より好ましくは260℃以上280℃以下であり、処理時間は1秒以上60秒以下が好ましく、より好ましくは5秒以上30秒以下である。二段熱処理の場合、一段目の熱処理温度は160℃以上220℃以下であることが好ましく、より好ましくは180℃以上220℃以下であり、処理時間は1秒以上30秒以下が好ましく、より好ましくは1秒以上15秒以下である。二段目の熱処理温度は240℃以上280℃以下であることが好ましく、より好ましくは260℃以上280℃以下であり、処理時間は1秒以上30秒以下が好ましく、より好ましくは1秒以上15秒以下である。さらに、熱処理後に長手方向および/または幅方向に各々1%以上20%以下、より好ましくは3%以上15%以下、さらに好ましくは3%以上10%以下の範囲で弛緩処理を施すことができる。こうすることで、二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイド樹脂からなる層の配向緩和が促進でき二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムとポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルムの接着強度を向上させることができるため好ましい。
次に二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム及びポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルムを得るのに必要な樹脂及び樹脂組成物を得る方法を説明する。
ポリパラフェニレンサルファイド(以下、ポリパラフェニレンサルファイドをPPSと略することがある)樹脂の製造方法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。硫化ナトリウムとp−ジクロロベンゼンを、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略称することがある)などのアミド系極性溶媒中で高温高圧下で反応させる。必要によって、トリハロベンゼンなどの共重合成分を含ませることもできる。重合度調整剤として、苛性カリやカルボン酸アルカリ金属塩などを添加し、230〜280℃の温度で重合反応させる。重合後にポリマーを冷却し、ポリマーを水スラリーとしてフィルターで濾過後、粒状ポリマーを得る。これを酢酸塩などの水溶液中で30〜100℃の温度で10〜60分間攪拌処理し、イオン交換水にて30〜80℃の温度で数回洗浄、乾燥してPPS粒状ポリマーを得る。得られた粒状ポリマーを、酸素分圧10トール以下、好ましくは5トール以下でNMPにて洗浄後、30〜80℃の温度のイオン交換水で数回洗浄し、副生塩、重合助剤および未反応モノマ等を分離する。上記に得られたポリマーに必要に応じて、無機または有機の添加剤等を本発明の目的に支障を与えない程度添加し、PPS樹脂を得る。
共重合ポリフェニレンサルファイド(以下、共重合ポリフェニレンサルファイドを共重合PPSと略することがある)樹脂の製造方法としては、上記ポリパラフェニレンサルファイド樹脂の製造方法において、p-ジクロロベンゼンに代えてm−ジクロロベンゼンなどのフェニレンサルファイド単位を与えるモノマーを配合し、同様の重合反応を実施する方法がある。フェニレンサルファイド単位以外の単位を導入する場合も同様である。
次いで、得られた樹脂を押出機、好ましくは1段以上のベント孔を有する押出機に供給し、290〜360℃の温度で溶融混練して適当な口金から押し出し、ガット状に溶融成形して、長さ2〜10mm程度にカットし、ペレット状としてもよい。得られた樹脂は、真空下の加熱式ドライヤーで、温度100〜180℃、時間1〜5時間程度の条件で乾燥される。
用いる樹脂に、必要に応じて、他の樹脂や無機または有機フィラー、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤、相溶化剤などの添加剤を添加する場合、前記方法で得られた樹脂と共にヘンシェルミキサー等で混合し、前記と同様に押し出し成形または溶融成形し、樹脂組成物として使用することができる。
前述した製膜工程においては、樹脂ペレットを複数種用いることは差し支えない。例えば、粒子が添加されたペレットと無添加のペレットを併用するような態様である。
以上のような工程を経て得られた複合フィルムにエンボス加工を施す。エンボス加工を施す方法としては、例えば、前述したように突起が刻印されたエンボスロール同士、またはエンボスロールと表面が平坦な圧着ロールとでフィルムを熱圧着する方法が好ましいが、エンボス加工の難易度の点でエンボスロールと圧着ロールとを用いる方法がより好ましい。
エンボスロールの突起の形状については、四角柱、四角錐台、円柱、円錐台などの形状が用いられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のエンボス加工フィルムは耐熱性の非常に高い二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムが最外層に位置するため、生産性・コストを損なわずに前述したエンボス形状を得るには高温の条件が好ましい。そのため、エンボスロールおよび圧着ロールの表面温度は、140℃以上260℃以下であることが好ましく、より好ましくは160℃以上250℃以下、更に好ましくは200℃以上240℃以下である。加熱ロールの温度が140℃未満の場合、エンボス加工に十分な熱量が得られず、前述したエンボス形状が得られない場合がある。また、260℃を超える場合は、二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムやポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルムの配向が緩和して剛性度が低下したり、熱収縮により熱圧着時にしわが発生したりする場合がある。エンボスロールおよび圧着ロールの表面温度は非接触式温度計あるいは接触式温度計で測定することができる。
また、生産性・コストを損なわずに本発明のエンボス加工フィルムを得るには圧着時の圧力も高い方が好ましい。圧着時の圧力は、線圧が300〜1700N/cmの範囲が好ましく、より好ましくは500〜1400N/cmであり、更に好ましくは700〜1100N/cmである。300N/cm未満の場合、十分なエンボス形状を得られない場合があり、1700N/cmを超えると、エンボス加工フィルムの平面性を損なう場合がある。
圧着ロールは、ゴム材質であることがエンボス加工フィルムの平面性向上の観点から好ましく、ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコンゴムなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。圧着ロールのJIS−K−6253に準拠したデュロメーターで測定したゴム硬度は、65°以上95°以下が十分なエンボス形状を得るために好ましい。
エンボス加工速度は、0.1〜10m/分が好ましく、より好ましくは0.3〜5m/分、さらに好ましくは0.5〜3m/分であることが、生産性および十分なエンボス形状を得るために好ましい。
エンボス加工を施した後のエンボス加工フィルムは、直ちにポリパラフェニレンサルファイドのガラス転移温度以下に冷却することが、エンボス加工フィルムの平面性の維持の点から好ましい態様である。エンボス加工フィルムを冷却する方法は特に限定されないが、ロール冷却やエアー冷却などを用いて冷却する方法が用いられる。
また、本発明のエンボス加工フィルムを製造する他の方法として、二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム/二軸配向ポリエステルフィルム/二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムの構成について、具体例を挙げて詳細を説明する。
二軸配向ポリエステルフィルムを得る方法として、ポリエチレンテレフタレート(以下、ポリエチレンテレフタレートをPETと略することがある)フィルムを例にして説明するが、これに限定されるものではない。
極限粘度0.5〜0.9dl/gのPET樹脂組成物を真空乾燥した後、溶融押出装置に供給し、融点以上に加熱する。加熱により溶融された樹脂組成物は、スリット状の口金出口から押し出される。かかる溶融体を冷却ドラム上でガラス転移点以下に冷却し、未延伸フィルムを得る。溶融押出装置は周知の装置が適用可能であるが、一軸または二軸の押出機が簡便であり好ましく用いられる。
次に、上記のようにして得られた未延伸フィルムを二軸延伸して二軸配向フィルムを得る。二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを二軸に配向させることができる未延伸フィルムの延伸方法としては、前述した逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法などが挙げられ、その中でも逐次二軸延伸法が好ましい。
逐次二軸延伸法を用いる場合、長手方向には70℃以上100℃以下で2.5倍以上5.0倍以下の範囲で延伸することが好ましい。幅方向には、70℃以上150℃以下で2.5倍以上5.0倍以下に延伸することが好ましい。
横延伸後、二軸配向フィルムはさらに熱処理を施すことができる。熱処理を施すことで結晶構造が固定され、モーター絶縁用フィルムとして好ましい剛性度、絶縁破壊電圧を得ることができ、また、熱収縮率を低減することで、後述するドライラミネート工程での幅縮みを抑制することができる。熱処理温度は200℃以上240℃以下であることが好ましく、処理時間は5秒以上40秒以下が好ましい。さらに、熱処理後に長手方向および/または幅方向に各々1%以上20%以下、より好ましくは4%以上12%以下の範囲で弛緩処理を施すことができる。
次いで、得られた二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムと二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムとを接着剤を介して積層する。積層に先立って、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムは両面に、二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムは片面にそれぞれコロナ放電処理、プラズマ処理、プライヤーコート処理などの単独または組み合わせた表面処理を行うのが好ましい。
積層する方法としては、二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム(または二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム)の片面に接着剤を塗布し、乾燥した後加熱ロールまたは加熱プレスで二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム(または二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム)を貼り合わせる。次に上記の二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムと二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムの2層体の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム側(またはもう一層の二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム側)の片面に上記と同様の接着剤を塗布し、乾燥した後、加熱ロールまたは加熱プレスでもう一層の二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム(または二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムと二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムの2層体)を、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムが芯になるようにして貼り合わせる方法が最も一般的である。
用いる接着剤は無溶剤系、溶剤系とも用い得るが、接着剤の耐熱性や接着剤を積層する作業性の点で、硬化型の溶剤系の接着剤が好ましい。また、接着剤の組成は特に限定されないが、ポリウレタン系、アクリル系、エポキシ系、ポリエステル系、変性ポリオレフィン系、シリコーン系の接着剤を用いることができる。
接着剤の厚みは硬化後に1μm以上、40μm以下となるのが好ましく、1μm未満の場合、十分な接着強度が得られず、スロットライナーやウェッジなどの絶縁材に加工する際に剥がれる場合があり、40μmを超える場合、エンボス加工フィルムに占める接着剤の割合が大きくなり、エンボス加工フィルムの耐熱性が低下する場合がある。
また塗布の方法としては、グラビアロール法、リバースロールコータ法等を使用できる。塗布後の溶剤の乾燥条件は、用いる溶剤の種類により異なり、通常は溶剤の種類によって異なり、通常は溶剤の沸点付近の温度で残存溶剤が完全になくなり、かつ、接着剤の硬化が促進しない条件が選ばれる。また、貼り合わせの条件は、温度50℃以上150℃以下、線圧1kg/cm以上50kg/cm以下の範囲で行うのがよい。
[物性・特性の測定方法]
(1)厚さ
ミクロトームで切り出したエンボス加工フィルムの断面を光学顕微鏡(10〜100倍)または走査型電子顕微鏡(100〜2000倍)で観察、写真を撮影し、その断面写真の寸法からエンボス加工フィルムの全体厚さ及び各層の厚さを実測した。同様の測定をエンボス加工フィルムの任意の5箇所で実施し、平均値をエンボス加工フィルムの全体厚さ及び各層の厚さとした。なお、エンボス加工が施された面については、エンボスの凸部分の最も高い点を測定の基準とした。
(2)剛性度
TELEDYNE TABER製スティフネステスター(V−5 STIFFNESS TESTER Model 150−D)を用いて、幅38mm、長さ68mmのサンプルフィルムについて、JIS−P−8125に規定された方法に従って、サンプルフィルムを15°曲げた際の剛性度を測定した。同様の測定を10回実施し、平均値を剛性度とした。
(3)エンボスの高さおよび高さ率
目視でフィルム表面に凹凸形状が確認出来る部分をミクロトームで切り出し、切り出したエンボス加工フィルムの断面を走査型電子顕微鏡(100〜2000倍)で観察、写真を撮影し、その断面写真の寸法から、エンボスロールの突起がフィルム表面に転写して形成された凹型形状の最も低い点から、凹状形状の周囲に凹状形状形成時に発生した樹脂の盛り上がりにより形成された凸状形状の最も高い点までの距離を実測した。同様の測定をエンボス加工フィルムの任意の5箇所で実施し、平均値をエンボスの高さとした。また、(1)の方法で測定したエンボス加工フィルムの全体厚さに対する、前記の方法で測定したエンボスの高さの割合をエンボスの高さ率として算出した。
(4)エンボスの面積率
エンボス加工フィルムのエンボス面を光学顕微鏡(10〜100倍)で観察、写真を撮影し、その表面写真の寸法から、エンボスロールの突起がフィルム表面に転写して形成された凹型形状と、凹状形状の周囲に凹状形状形成時に発生した樹脂の盛り上がりにより形成された凸状形状とで構成される凹凸部分の面積を実測し、1cm当たりに形成された凹凸部分の面積の割合をエンボスの面積率として算出した。
(5)動摩擦係数
テクノ・ニーズ製スベリ係数測定装置を用いて、幅75mm、長さ100mmのサンプルフィルムについて、ASTM−D1894−63に規定された方法に従って、荷重200gの条件で、サンプルフィルム同士を速度150mm/分で7mm滑らせた際の動摩擦係数を測定した。同様の測定を5回実施し、平均値を動摩擦係数とした。
(6)耐座屈性
日特エンジニアリング製スロットセル挿入機を用いて、幅40mm、長さ165mmのエンボス加工フィルムをスロットライナー形状に加工し、48スロットのモーターステーターに挿入する。続いて、日特エンジニアリング製コイル巻線機を用いて、スロット断面積に占めるコイル断面積の割合である占積率が65%になるように分布巻方式でコイルを巻き、日特エンジニアリング製コイル・ウェッジ挿入機を用いて、前記コイルをモーターステーターに挿入し、幅10mm、長さ160mmのエンボス加工フィルムをウェッジ形状に加工し、モーターステーターに挿入する。この際、座屈が発生したスロットライナー、ウェッジを不良品とし、不良品発生率を次の基準で評価した。なお、加工個数はモーターとして5台、スロットライナー、ウェッジとして各240個ずつとする。
◎:不良率が1%以下
○:不良率が1%を超え5%以下
△:不良率が5%を超え10%以下
×:不良率が10%を超える
(7)耐熱性
エスペック製熱風ギアオーブン(GPHH−200)を用いて、幅10mm、長さ250mmのサンプルフィルムについて、200度の雰囲気下で40時間処理し、未処理のサンプルフィルム5点および処理後のサンプルフィルム10点の破断伸度をJIS−C−2151に規定された方法に従って、インストロンタイプの引張試験機(オリエンテック社製AMF/RTA-1210)を用いて、幅チャック間長さ100mmとなるようにセットし、23℃の温度で、65%RHの雰囲気条件下で引張速度200mm/分で引張試験を行う。処理後のサンプルフィルムの破断伸度の算術平均値を処理前のサンプルフィルムの破断伸度の算術平均値で割った数値を破断伸度保持率としたときに、破断伸度保持率を次の基準で評価した。
◎:破断伸度保持率が80%以上
○:破断伸度保持率が50%以上80%未満
△:破断伸度保持率が20%以上50%未満
×:破断伸度保持率が20%未満
(8)成型性
日特エンジニアリング製スロットセル挿入機を用いて、幅40mm、長さ165mmのエンボス加工フィルムを、折り曲げ角度120°のスロットライナー形状に加工し、1分後のスロットライナーの折り曲げ角度を測定し、折り曲げ角度の維持度合いから成型製を次の基準で評価した。なお、加工個数はスロットライナーとして100個とする。
○:折り曲げ角度が105°以上135°以下
△:折り曲げ角度が90°以上105°未満
×:折り曲げ角度が90°未満
(9)絶縁破壊電圧および絶縁破壊強さ
春日電機製6点式交流耐圧試験機を用いて、幅50cm、長さ75cmのサンプルフィルムについて、JIS−C−2151に規定された方法に従って、周波数60Hzの交流電圧を印加し、1kV/秒の速度で昇圧した際の絶縁破壊電圧を測定した。また、前記の方法で測定した絶縁破壊電圧を(1)の方法で測定したエンボス加工フィルムの全体厚さで割った値を絶縁破壊強さとして算出した。
(10)熱伝導率
エンボス加工フィルムを直径50mmの円形に打ち抜き、数枚用意する。これを厚さが1mm以上となるように積層し、ネッチ社製LFA447を用いて、キセノンランプフラッシュ法で25℃で測定し、厚み当たりの熱伝導率を求めた。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本実施例に限定して解釈されるものではない。
(1)ポリパラフェニレンサルファイド樹脂組成物の製造
オートクレーブに100モル部の硫化ナトリウム9水塩、45モル部の酢酸ナトリウムおよび259モル部のN−メチル−2−ピロリドンを仕込み、撹拌しながら徐々に220℃の温度まで昇温して、含有されている水分を蒸留により除去した。脱水の終了した系内に、主成分モノマとして101モル部のp−ジクロロベンゼン、副成分として0.2モル部の1,2,4−トリクロロベンゼンを52モル部のNMPとともに添加し、170℃の温度で窒素を3kg/cmで加圧封入後、昇温し、260℃の温度にて4時間重合した。重合終了後冷却し、蒸留水中にポリマーを沈殿させ、150メッシュ目開きを有する金網によって、小塊状ポリマーを採取した。このようにして得られた小塊状ポリマーを90℃の蒸留水により5回洗浄した後、減圧下120℃の温度にて乾燥して、融点が280℃、ガラス転移温度が91℃の樹脂を得た。次いで、該樹脂に平均粒径1.0μmの炭酸カルシウム粉末0.7重量%を添加し均一に分散配合して、320℃の温度にて30mmφ2軸押出機によりガット状に押出し、ポリパラフェニレンサルファイド樹脂組成物を得た。
(2)共重合ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の製造
主成分モノマとして91モル部のp−ジクロロベンゼン、副成分モノマとして10モル部のm−ジクロロベンゼン、および0.2モル部の1,2,4−トリクロロベンゼンを用いたこと以外は全て上記(1)のポリパラフェニレンサルファイド樹脂組成物の製造と同様に実施して、共重合ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を製造した。
(3)ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の製造
酸成分としてテレフタル酸を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、三酸化アンチモン(重合触媒)を得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.69dl/g、カルボキシル末端基量37当量/トンのポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を得た。
(4)二軸配向フィルムの製造
〔二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム1〕
前記(1)で得られたポリパラフェニレンサルファイド樹脂組成物を、回転式真空乾燥機を用いて3mmHgの減圧下にて180℃の温度で4時間乾燥させた。乾燥した樹脂組成物を単軸押出機に供給し、310℃で溶融させた。溶融させた樹脂組成物を平均目開き14μmのステンレス繊維焼結フィルターにて濾過した後、940mm幅でリップ間隙3mmのTダイ型口金から吐出させ、シート状に押し出した。次いで、このシートを静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃のキャスティングドラムに巻き付けて冷却固化し、厚さ約1250μmの未延伸フィルムを作製した。
逐次二軸延伸を用い、得られた未延伸フィルムを表面温度97℃の複数の加熱ロールに接触走行させ、加熱ロールの次に設けられた周速の異なる25℃の冷却ロールとの間で長手方向に3.7倍に延伸した。このようにして得られた一軸延伸フィルムを、テンターを用いて長手方向と直交方向に100℃の温度で3.4倍に延伸し、続いて200℃の温度で10秒間、さらに265℃の温度で10秒間熱処理した後に、フィルム長手方向と直角方向に260℃の温度で10秒間に5.0%の制限収縮処理を行い、さらに115℃の温度で9秒間に1.5%の制限収縮処理を行った後に室温まで冷却して厚さが100μmのフィルムを得た。
〔二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム2〕
厚さを50μmにした以外は二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム1と同様にしてフィルムを得た。
〔二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム3〕
厚さを115μmにした以外は二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム1と同様にしてフィルムを得た。
〔二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム4〕
厚さを16μmにした以外は二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム1と同様にしてフィルムを得た。
〔二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム5〕
厚さを9μmにした以外は二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム1と同様にしてフィルムを得た。
〔二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム6〕
厚さを12μmにした以外は二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム1と同様にしてフィルムを得た。
〔ポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルム1〕
前記(1)および(2)で得られたポリパラフェニレンサルファイド樹脂組成物および共重合ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を、回転式真空乾燥機を用いてそれぞれ3mmHgの減圧下にて180℃の温度で4時間乾燥させた。乾燥したポリパラフェニレンサルファイド樹脂組成物1を単軸押出機に供給し、310℃で溶融させた。また、乾燥した共重合ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物を別のベント式二軸混練押出機に供給し、280℃で溶融させた。溶融させた2つの樹脂組成物をそれぞれ平均目開き8μmのステンレス繊維焼結フィルターにて濾過した後、矩形複合部を備えた二層合流ブロックにて複合し、940mm幅でリップ間隙3mmのTダイ型口金から、吐出量の比がポリパラフェニレンサルファイド樹脂組成物:共重合ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物=80:20になるように吐出させ、シート状に押し出した。次いで、このシートを静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃のキャスティングドラムに巻き付けて冷却固化し、厚さ約950μmの未延伸積層フィルムを作製した。
逐次二軸延伸を用い、得られた未延伸フィルムを表面温度92℃の複数の加熱ロールに接触走行させ、加熱ロールの次に設けられた周速の異なる25℃の冷却ロールとの間で長手方向に3.7倍延伸した。このようにして得られた一軸延伸シートを、テンターを用いて長手方向と直交方向に100℃の温度で3.4倍に延伸し、続いて200℃の温度で10秒間、さらに250℃の温度で10秒間熱処理した後に、フィルム長手方向と直角方向に245℃の温度で10秒間に4.5%の制限収縮処理を行い、115℃の温度で9秒間中間冷却したのち室温まで冷却してポリパラフェニレンサルファイド樹脂組成物による層の厚さが60μm、共重合ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物による層の厚さが15μm、合計厚さが75μmのフィルムを得た。
〔ポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルム2〕
前記(1)および(2)で得られたポリパラフェニレンサルファイド樹脂組成物および共重合ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物の吐出量の比をポリパラフェニレンサルファイド樹脂組成物:共重合ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物=87:13とし、ポリパラフェニレンサルファイド樹脂組成物による層の厚みを100μm、共重合ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物による層の厚みを15μm、合計厚みを115μmとした以外はポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルム1と同様にしてフィルムを得た。
〔二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム1〕
前記(3)で得られたPET樹脂組成物を、回転式真空乾燥機を用いて20mmHgの減圧下にて160℃の温度で2時間乾燥させた。乾燥した樹脂組成物を単軸押出機に供給し、280℃で溶融させた。溶融させた樹脂組成物を平均目開き25μmのステンレス繊維焼結フィルターにて濾過した後、1240mm幅でリップ間隙4mmのTダイ型口金から吐出させ、シート状に押し出した。次いで、このシートを静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃のキャスティングドラムに巻き付けて冷却固化し、厚さ約1250μmの未延伸フィルムを作製した。
逐次二軸延伸を用い、得られた未延伸フィルムを表面温度85℃の複数の加熱ロールに接触走行させ、加熱ロールの次に設けられた周速の異なる25℃の冷却ロールとの間で長手方向に2.8倍に延伸した。このようにして得られた一軸延伸フィルムを、テンターを用いて長手方向と直交方向に135℃の温度で3.3倍に延伸し、続いて225℃の温度で12秒間熱処理した後に、フィルム長手方向と直角方向に225℃の温度で6秒間に1.0%の制限収縮処理を行い、さらに220℃の温度で6秒間に1.0%の制限収縮処理を行った後に室温まで冷却して厚さが188μmのフィルムを得た。
〔二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム2〕
厚さを125μmにした以外は二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム1と同様にしてフィルムを得た。
〔二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム3〕
厚さを350μmにした以外は二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム1と同様にしてフィルムを得た。
(5)複合フィルムの製造
〔複合フィルム1〕
上記(4)の製膜方法で得られた二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム1およびポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルム1を、ポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルム1/二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム1/ポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルム1の順で重ね合わせ、但し共重合ポリフェニレンサルファイド層が接合面側にくるようにして熱融着した。熱融着速度は2.5m/分の条件で行った。加熱ロールとして表面温度が250℃の温度になるように加熱したハードクロムロールを用い、ポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルム1を直接加熱ロールに接触するように配置し、圧着点までの抱き角が90度になるように加熱ロールの外周に沿わせて予熱する。また、圧着ロールとして表面温度が200℃の温度になるように加熱したフッ素ゴムロールを用い、もう1つのポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルム1を直接圧着ロールに接触するように配置し、圧着点までの抱き角が180度になるように圧着ロールの外周に沿わせて予熱した。上記の方法で予熱した加熱ロール側のポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルム1と圧着ロール側のポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルム1の間に二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム1を配置し、加熱ロールと圧着ロールの間で230N/cmの圧力で圧着した。圧着した複合フィルムは圧着点からの角度が180度になるように加熱ロールの外周に沿わせて熱融着した後に、複合フィルムを加熱ロールから引き離す。直後に加熱ロールと最初の搬送ロールの間で複合フィルムに25℃の冷却エアーを吹き付け、複合フィルムの温度を80℃まで冷却した。その後、搬送ロールを経由して巻き取り、複合フィルムを得た。
〔複合フィルム2〕
上記(4)の製膜方法で得られた二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム2およびポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルム1を、共重合ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物が接合面側にくるようにして熱融着した。熱融着速度は4.0m/分の条件で行った。加熱ロールとして表面温度が250℃の温度になるように加熱したハードクロムロールを用い、ポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルム1が直接加熱ロールに接触するように配置し、圧着点までの抱き角が90度になるように加熱ロールの外周に沿わせて予熱する。また、圧着ロールとして表面温度が200℃の温度になるように加熱したフッ素ゴムロールを用い、二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム2を圧着点までの抱き角が180度になるように圧着ロールの外周に沿わせて予熱した。上記の方法で予熱したポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルム1と二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム2を加熱ロールと圧着ロールの間で230N/cmの圧力で圧着した。圧着した複合フィルムは圧着点からの角度が180度になるように加熱ロールの外周に沿わせて熱融着した後に、複合フィルムを加熱ロールから引き離す。直後に加熱ロールと最初の搬送ロールの間で複合フィルムに25℃の冷却エアーを吹き付け、複合フィルムの温度を60℃まで冷却した。その後、搬送ロールを経由して巻き取り、複合フィルムを得た。
〔複合フィルム3〕
ポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルム1に代えて、ポリパラフェニレンサルファイド/共重合ポリフェニレンサルファイド共押出二軸配向フィルム2を、二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム1に代えて、二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム3を用いた以外は複合フィルム1と同様にしてフィルムを得た。
〔複合フィルム4〕
上記(4)の製膜方法で得られた二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム4の片面に空気中でコロナ放電処理を施し、表面のぬれ張力を72mN/mとした。次に、二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム4のコロナ放電処理面にグラビアロール法で接着剤をコーティングした。接着剤は市販されている下記の耐熱性ポリウレタン接着剤を用いた。東洋モートン社製“アドコート”TKS−9761の主剤と硬化剤の混合比を主剤:硬化剤=100:10とし、酢酸エチルを溶剤として固形分濃度が29重量%になるように調製した。溶剤の乾燥条件は70℃で40秒間であり、接着剤の厚みは硬化後で7μmになるように調整した。続いて、後続するロールラミネーターで上記(4)の製膜方法で得られた二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム1と貼り合わせた。貼り合わせ条件は、80℃、線圧4kg/cmとした。次に、もう一層の二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム4のコロナ処理面に上記の条件でコーティングし、先に得られた二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム4と二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム1の二層体の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム1側に上記の条件で貼り合わせた。得られた複合フィルムを、40℃で48時間にて硬化し、さらに60℃で48時間硬化させ、フィルムを得た。
〔複合フィルム5〕
二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム4に代えて、二軸配向パラポリフェニレンサルファイドフィルム2を用いた以外は複合フィルム4と同様にしてフィルムを得た。
〔複合フィルム6〕
二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム4に代えて、二軸配向パラポリフェニレンサルファイドフィルム5を、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム1に代えて、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム2を用いた以外は複合フィルム4と同様にしてフィルムを得た。
〔複合フィルム7〕
二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム4に代えて、二軸配向パラポリフェニレンサルファイドフィルム6を、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム1に代えて、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム3を用いた以外は複合フィルム4と同様にしてフィルムを得た。
(実施例1)
上記(5)の積層方法で得られた複合フィルム1にエンボス加工を施した。エンボス加工速度は1m/分の条件で行った。エンボスロールとして0.6mm四方の正方形が、面積率35%、高さ170μmの凸状になるようにロール表面全体に配置されたスチールロールを、表面温度が220℃の温度になるように加熱して用いる。また、圧着ロールとして表面温度が220℃の温度になるように加熱したニトリルゴムロール(ゴム硬度80°)を用いる。複合フィルム1を圧着点までの抱き角が60度になるように圧着ロールの外周に沿わせて予熱し、エンボスロールと圧着ロールの間で800N/cmの圧力で圧着し、複合フィルムの表面にエンボス形状を施した。エンボス加工フィルムには直後に25℃の冷却エアーを吹き付け、エンボス加工フィルムの温度を50℃まで冷却した。その後、搬送ロールを経由して巻き取り、エンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは12.0μmであった。
(実施例2)
エンボスロールとして高さ105μmのスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは7.5μmであった。
(実施例3)
エンボスロールとして高さ360μmのスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは25.0μmであった。
(実施例4)
エンボスロールとして高さ430μmのスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは30.0μmであった。
(実施例5)
エンボスロールとして面積率25%のスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは12.0μmであった。
(実施例6)
エンボスロールとして面積率50%のスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは12.0μmであった。
(実施例7)
エンボスロールとして面積率60%のスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは12,0μmであった。
(実施例8)
エンボスロールとして面積率25%、高さ105μmのスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは7.5μmであった。
(実施例9)
エンボスロールとして面積率60%、高さ430μmのスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは30.0μmであった。
(実施例10)
エンボスロールとして面積率50%、高さ70μmのスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは5.0μmであった。
(実施例11)
エンボスロールとして面積率15%、高さ360μmのスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは25.0μmであった。
(実施例12)
複合フィルム1に代えて複合フィルム2を用い、エンボスロールとして面積率25%、高さ50μmのスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは3.5μmであった。
(実施例13)
エンボスロールとして面積率35%、高さ70μmのスチールロールを用いた以外は実施例12と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは5.0μmであった。
(実施例14)
エンボスロールとして面積率50%、高さ170μmのスチールロールを用いた以外は実施例12と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは12.0μmであった。
(実施例15)
エンボスロールとして面積率50%、高さ215μmのスチールロールを用いた以外は実施例12と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは15.0μmであった。
(実施例16)
エンボスロールとして面積率60%、高さ215μmのスチールロールを用いた以外は実施例12と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは15.0μmであった。
(実施例17)
複合フィルム1に代えて複合フィルム3を用い、エンボスロールとして面積率25%、高さ140μmのスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは10.0μmであった。
(実施例18)
エンボスロールとして面積率35%、高さ215μmのスチールロールを用いた以外は実施例17と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは15.0μmであった。
(実施例19)
エンボスロールとして面積率50%、高さ500μmのスチールロールを用いた以外は実施例17と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは35.0μmであった。
(実施例20)
エンボスロールとして面積率60%、高さ500μmのスチールロールを用いた以外は実施例17と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは35.0μmであった。
(実施例21)
エンボスロールとして面積率60%、高さ570μmのスチールロールを用いた以外は実施例17と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは40.0μmであった。
(実施例22)
複合フィルム1に代えて複合フィルム4を用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは12.0μmであった。
(実施例23)
複合フィルム1に代えて複合フィルム5を用い、エンボスロールとして面積率25%、高さ140μmのスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは10.0μmであった。
(実施例24)
複合フィルム1に代えて複合フィルム6を用い、エンボスロールとして高さ105μmのスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは7.5μmであった。
(実施例25)
複合フィルム1に代えて複合フィルム7を用い、エンボスロールとして高さ285μmのスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは20.0μmであった。
(比較例1)
複合フィルム1に代えて二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム3を用い、エンボスロールとして高さ70μmのスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは5.0μmであった。
(比較例2)
複合フィルム1にエンボス加工を施さずにそのまま評価した。
(比較例3)
エンボスロールとして高さ70μmのスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは5.0μmであった。
(比較例4)
エンボスロールとして面積率15%のスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは12.0μmであった。
(比較例5)
エンボスロールとして面積率15%、高さ70μmのスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは5.0μmであった。
(比較例6)
エンボスロールとして面積率15%、高さ35μmのスチールロールを用いた以外は実施例12と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは2.5μmであった。
(比較例7)
エンボスロールとして面積率15%のスチールロールを用いた以外は実施例12と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは3.5μmであった。
(比較例8)
エンボスロールとして高さ100μmのスチールロールを用いた以外は実施例17と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは7.0μmであった。
(比較例9)
エンボスロールとして面積率15%、高さ215μmのスチールロールを用いた以外は実施例17と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは15.0μmであった。
(比較例10)
複合フィルム1に代えて二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム3を用い、エンボスロールとして高さ215μmのスチールロールを用いた以外は実施例1と同様にしてエンボス加工フィルムを得た。得られたエンボス加工フィルムのエンボスの高さは15.0μmであった。
実施例、比較例から得られたエンボス加工フィルムの特性を表1に表す。
Figure 2013226817
本発明に係るフィルムは、モーター絶縁用のフィルムとして好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムを最外層に有するフィルムの総厚みが120μm以上400μm以下のエンボス加工フィルムであって、フィルム総厚みをT(μm)、剛性度をS(mN・m)とした場合、総厚みと剛性度が以下の式を満足することを特徴とするエンボス加工フィルム。
    S≧0.00007×T
  2. 前記エンボス加工フィルムの総厚みと剛性度が以下の式を満足することを特徴とする請求項1に記載のエンボス加工フィルム。
    S≦0.00012×T
  3. 前記エンボス加工フィルムの少なくとも片側の面の全面に高さ率が2.5%以上11.0%以下、面積率が20%以上55%以下のエンボス加工が施されたことを特徴とする請求項1または2に記載のエンボス加工フィルム。
  4. 動摩擦係数が0.35以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエンボス加工フィルム。
  5. 前記エンボス加工フィルムが二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムと二軸配向熱可塑性樹脂フィルムが積層されてなるエンボス加工フィルムであって、最外層の二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムの厚さが10μm以上、エンボス加工フィルムの総厚みに占める二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルム部分の厚みの割合が8%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエンボス加工フィルム。
  6. 前記エンボス加工フィルムが二軸配向ポリパラフェニレンサルファイドフィルムと二軸配向共重合ポリフェニレンサルファイドフィルムが接着剤を介さずに積層されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエンボス加工フィルム。
  7. 熱伝導率が0.130W/(m・K)を超えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のエンボス加工フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のエンボス加工フィルムを絶縁紙として使用したことを特徴とするモーター。
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