JP2013211238A - リチウムイオン電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】目付け量が8.5mg/cm2以下である負極合材により製造され、前記負極合材が負極活物質及び固体電解質を含む負極。
【選択図】図1
Description
しかしながら、従来の全固体リチウム電池は充放電サイクルを繰り返すと放電容量が低下するという問題があり(特許文献1参照)、サイクル特性を向上させることが求められている。
かかる欠点を解消するため、負極にシリコンを用いる方法がある。
しかしながら、負極にシリコンを用いた全固体リチウム電池では、充放電を繰り返すと電気容量が小さくなるという欠点がある。
1.目付け量が8.5mg/cm2以下である負極合材により製造され、前記負極合材が負極活物質及び固体電解質を含む負極。
2.負極活物質と固体電解質とを含み、前記負極活物質と前記固体電解質の負極単位面積当たりの合計重量が8.3mg/cm2以下である負極。
3.負極活物質と固体電解質とバインダーを含み、前記負極活物質と前記固体電解質と前記バインダーの負極単位面積当たりの合計重量が8.5mg/cm2以下である負極。
4.目付け量が8.5mg/cm2以下である負極合材により製造され、前記負極合材が負極活物質及び固体電解質を含む負極層と、固体電解質を含む電解質層と、を備えるリチウムイオン電池。
5.負極活物質と固体電解質とを含み、前記負極活物質と前記固体電解質の負極単位面積当たりの合計重量が8.3mg/cm2以下である負極層と、固体電解質を含む電解質層と、を備えるリチウムイオン電池。
6.負極活物質と固体電解質とバインダーとを含み、前記負極活物質と前記固体電解質と前記バインダーの負極単位面積当たりの合計重量が8.5mg/cm2以下である負極層と、固体電解質を含む電解質層と、を備えるリチウムイオン電池。
7.前記負極合材の目付け量が0.05mg/cm2以上、8.0mg/cm2以下である、4に記載のリチウムイオン電池。
8.前記負極活物質と前記固体電解質の負極単位面積当たりの合計重量が0.05mg/cm2以上、7.8mg/cm2以下である、5に記載のリチウムイオン電池。
9.前記負極活物質と前記固体電解質と前記バインダーの負極単位面積当たりの合計重量が0.05mg/cm2以上、8.0mg/cm2以下である、6に記載のリチウムイオン電池。
10.前記固体電解質が、下記式(1)に示す組成を満たすリチウムイオン伝導性無機固体電解質である、4〜9のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
LiaMbPcSd…(1)
(式(1)において、MはB、Zn、Si、Cu、Ga及びGeからなる群から選択される元素を示す。a〜dは各元素の組成比を示し、a:b:c:dは1〜12:0〜0.2:1:2〜9を満たす。)
11.前記負極合材が、シリコン、スズ、インジウム、アルミニウム、リチウムのうち少なくとも1つ以上で構成される負極活物質を含む、4〜10のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
12.前記負極活物質の平均粒子径が100μm以下である、4〜11のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
13.4〜12のいずれかに記載のリチウムイオン電池を備える装置。
また、本発明の第二のリチウムイオン電池は、負極活物質と固体電解質とを含み、前記負極活物質と前記固体電解質の負極層単位面積当たりの合計重量が8.3mg/cm2以下である負極層と、固体電解質を含む電解質層と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の第三のリチウムイオン電池は、負極活物質と固体電解質とバインダーとを含み、前記負極活物質と前記固体電解質と前記バインダーの負極層単位面積当たりの合計重量が8.5mg/cm2以下である負極層と、固体電解質を含む電解質層と、を備えることを特徴とする。
また、負極活物質と固体電解質の負極層単位面積当たりの合計重量は好ましくは、0.05mg/cm2以上7.8mg/cm2以下、より好ましくは、1.0mg/cm2以上7.3mg/cm2以下である。
また、負極活物質と固体電解質とバインダーの負極単位面積当たりの合計重量は、好ましくは0.05mg/cm2以上、8.0mg/cm2以下、より好ましくは、0.1mg/cm2以上7.5mg/cm2以下である。
負極活物質は、好ましくは、シリコン(Si)、スズ(Sn)、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、リチウム(Li)のうち少なくとも1つ以上で構成される。負極活物質は、より好ましくは、シリコン又はスズの少なくとも1つであるか、あるいはシリコンとスズの合金であり、さらに好ましくはシリコンである。
平均粒径が100μm以下の負極活物質粉末を使用することで、固体電解質粒子と負極活物質粒子の接触が良好に保たれて十分な反応サイトを確保することができる。
一方、平均粒径が1nm未満の負極活物質を用いて製造した負極合材を用いて製造した負極層は割れが生じやすく、負極層の製造が困難となるおそれがある。
平均粒径の測定は、レーザー回折式粒度分布測定方法により行うことが好ましい。
尚、粉砕は湿式粉砕又は乾式粉砕のどちらで実施してもよく、また実施手段も上記に制限されることはない。
上記の他、液相中で金属イオンを還元する方法、溶融金属を急冷する方法、電子ビーム蒸着の物理的方法等を利用して、平均粒径が100μm以下の粉末を得ることもできる。
固体電解質は、ポリマー系固体電解質、酸化物系固体電解質及び硫化物系固体電解質がある。
本発明のポリマー系固体電解質は、特に制限はない。例えば、特開2010−262860号公報に開示されているように、フッ素樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレートやこれらの誘導体、共重合体等の、ポリマー電解質として用いられる材料が挙げられる。
フッ素樹脂としては、例えば、フッ化ビニリデン(VdF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)や、これらの誘導体等を構成単位として含むものが挙げられる。具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリヘキサフルオロプロピレン(PHFP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のホモポリマーや、VdFとHFPとの共重合体等の2元共重合体や3元共重合体、等が挙げられる。
酸化物系固体電解質には、LiN、LISICON類、Thio−LISICON類、La0.55Li0.35TiO3等のペロブスカイト構造を有する結晶や、NASICON型構造を有するLiTi2P3O12、さらにこれら結晶化させた電解質等を用いることができる。
下記式(1)に示す組成を満たすリチウムイオン伝導性無機固体電解質が好ましい。
LiaMbPcSd (1)
式(1)において、MはB、Zn、Si、Cu、Ga及びGeからなる群から選択される元素を示す。
a〜dは各元素の組成比(モル比)を示し、a:b:c:dは1〜12:0〜0.2:1:2〜9を満たす。好ましくは、bは0であり、より好ましくは、a、c及びdの比(a:c:d)がa:c:d=1〜9:1:3〜7、さらに好ましくは、a:c:d=1.5〜4:1:3.25〜4.5である。
各元素の組成比は、固体電解質を製造する際の原料化合物の配合量を調整することにより制御できる。
ここで、Li7P3S11構造は、X線回折(CuKα:λ=1.5418Å)において、2θ=17.8±0.3deg,18.2±0.3deg,19.8±0.3deg,21.8±0.3deg,23.8±0.3deg,25.9±0.3deg,29.5±0.3deg,30.0±0.3degに回折ピークを有する。
上記結晶構造であれば、非晶体よりイオン伝導度が高くなるからである。
結晶化度は、NMRスペクトル装置を用いることにより測定できる。具体的には、硫化物系固体電解質の固体31P−NMRスペクトルを測定し、得られたスペクトルについて、70−120ppmに観測される共鳴線を、非線形最少二乗法を用いたガウス曲線に分離し、各曲線の面積比を求めることにより測定できる。
以下、硫化物系固体電解質の原料として、Li2S(硫化リチウム)、P2S5(五硫化二リン)を用いた硫化物系固体電解質について説明する。
硫化リチウムは、例えば、特開平7−330312号公報、特開平9−283156号公報、特開2010−163356号公報、特開2011−84438号公報に記載の方法により製造することができる。
例えば、特開2010−163356号公報では、炭化水素系有機溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを70℃〜300℃で反応させて、水硫化リチウムを生成し、次いでこの反応液を脱硫化水素化することにより硫化リチウムを合成する。
また、特開2011−84438号公報では、水溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを10℃〜100℃で反応させて、水硫化リチウムを生成し、次いでこの反応液を脱硫化水素化することにより硫化リチウムを合成する。
また、N−メチルアミノ酪酸リチウムの含有量が0.15質量%以下であると、N−メチルアミノ酪酸リチウムの劣化物がリチウムイオン電池のサイクル性能を低下させることがない。このように不純物が低減された硫化リチウムを用いると、高イオン伝導性電解質が得られる。
一方、特開2010−163356号公報に記載の硫化リチウムの製法で製造した硫化リチウムは、硫黄酸化物のリチウム塩等の含有量が非常に少ないため、精製せずに硫化物系固体電解質の製造に用いても良い。
好ましい精製法としては、例えば、国際公開第2005/40039号に記載された精製法等が挙げられる。具体的には、上記のようにして得られた硫化リチウムを、有機溶媒を用い、100℃以上の温度で洗浄する。
(a)溶融急冷法
溶融急冷法は、例えば、特開平6−279049号公報、国際公開第2005/119706号に記載されている。
具体的には、P2S5とLi2Sを所定量乳鉢にて混合しペレット状にしたものを、カーボンコートした石英管中に入れ真空封入する。所定の反応温度で反応させた後、氷中に投入し急冷することにより、硫化物系ガラス固体電解質が得られる。反応温度は、好ましくは400℃〜1000℃、より好ましくは、800℃〜900℃である。反応時間は、好ましくは0.1時間〜12時間、より好ましくは、1〜12時間である。
上記反応物の急冷温度は、通常10℃以下、好ましくは0℃以下であり、その冷却速度は、通常1〜10000K/sec程度、好ましくは10〜10000K/secである。
メカニカルミリング法は、例えば、特開平11−134937号公報、特開2004−348972号公報、特開2004−348973号公報に記載されている。
具体的には、P2S5とLi2Sを所定量乳鉢にて混合し、例えば、各種ボールミル等を使用して所定時間反応させることにより、硫化物系ガラス固体電解質が得られる。
上記原料を用いたMM法は、室温で反応を行うことができる。MM法によれば、室温でガラス固体電解質を製造できるため、原料の熱分解が起らず、仕込み組成のガラス固体電解質を得ることができるという利点がある。
また、MM法では、ガラス固体電解質の製造と同時に、ガラス固体電解質を微粉末化できるという利点もある。
MM法は回転ボールミル、転動ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル等種々の形式を用いることができる。
MM法の条件としては、例えば、遊星型ボールミル機を使用した場合、回転速度を数十〜数百回転/分とし、0.5時間〜100時間処理すればよい。
また、特開2010−90003に記載されているように、ボールミルのボールは異なる径のボールを混合して使用してもよい。
また、特開2009−110920号公報や特開2009−211950号公報に記載されているように、原料に有機溶媒を添加してスラリー状にし、このスラリーをメカニカルミリング処理してもよい。
また、特開2010−30889号公報に記載のようにメカニカルミリング処理の際のミル内の温度を調整してもよい。
メカニカルミリングの際に原料が60℃以上160℃以下になるようにすることが好ましい。
スラリー法は、国際公開第2004/093099号、国際公開第2009/047977号に記載されている。
具体的には、所定量のP2S5粒子とLi2S粒子を有機溶媒中で所定時間反応させることにより、硫化物系ガラス固体電解質が得られる。ここで、特開2010−140893号公報に記載されているように、反応を進行させるため、原料を含むスラリーをビーズミルと反応容器との間で循環させながら反応させてもよい。
また、国際公開第2009/047977号に記載されているように、原料の硫化リチウムを予め粉砕しておくと効率的に反応を進行させることができる。
また、特開2011−270191号公報に記載されているように、原料の硫化リチウムの比表面積を大きくするために溶解パラメーターが9.0以上の極性溶媒(例えば、メタノール、ジエチルカーネート、アセトニトリル)に所定時間浸漬してもよい。
原料である硫化リチウムと五硫化二リンが、有機溶媒の添加により溶液又はスラリー状になる程度であることが好ましい。通常、有機溶媒1リットルに対する原料(合計量)の添加量は0.001kg以上1kg以下程度となる。好ましくは0.005kg以上0.5kg以下、特に好ましくは0.01kg以上〜0.3kgである。
非プロトン性有機溶媒としては、非プロトン性有機溶媒(例えば、炭化水素系有機溶媒)、非プロトン性の極性有機化合物(たとえば、アミド化合物、ラクタム化合物、尿素化合物、有機イオウ化合物、環式有機リン化合物等)を、単独溶媒として、又は、混合溶媒として、好適に使用することができる。
炭化水素系有機溶媒としては、溶媒である炭化水素系溶媒としては、飽和炭化水素、不飽和炭化水素又は芳香族炭化水素が使用できる。
飽和炭化水素としては、ヘキサン、ペンタン、2−エチルヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン等が挙げられる。
不飽和炭化水素しては、ヘキセン、ヘプテン、シクロヘキセン等が挙げられる。
芳香族炭化水素としては、トルエン、キシレン、デカリン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン等が挙げられる。
これらのうち、特にトルエン、キシレンが好ましい。
尚、必要に応じて炭化水素系溶媒に他の溶媒を添加してもよい。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、エタノール、ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類等、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
具体的には、上記で得られた硫化物系固体電解質(ガラス)を所定の温度で熱処理し、硫化物系結晶化ガラス(ガラスセラミックス)固体電解質を生成させる。
また、加熱は、露点−40℃以下の環境下で行うことが好ましく、より好ましくは露点−60℃以下の環境下で行うことが好ましい。
また、加熱時の圧力は、常圧であってもよく、減圧下であってもよい。
また、雰囲気は、空気であってもよく、不活性雰囲気下であってもよい。
さらに特開2010−186744号公報に記載されているように溶媒中で加熱してもよい。
熱処理時間は、180℃以上210℃以下の温度の場合は、3時間以上240時間以下が好ましく、特に4時間以上230時間以下が好ましい。また、210℃より高く330℃以下の温度の場合は、0.1時間以上240時間以下が好ましく、特に0.2時間以上235時間以下が好ましく、さらに、0.3時間以上230時間以下が好ましい。
熱処理時間が0.1時間より短いと、結晶化度の高い結晶化ガラスが得られにくい場合があり、240時間より長いと、結晶化度の低い結晶化ガラスが生じるおそれがある。
平均粒径の測定は、レーザー回折式粒度分布測定方法により行うことが好ましい。
例えば、V2O5、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4、Li(NiaCobMnc)O2(ここで、0<a<1、0<b<1、0<c<1、a+b+c=1)、LiNi1−YCoYO2、LiCo1−YMnYO2、LiNi1−YMnYO2(ここで、0≦Y<1)、Li(NiaCobMnc)O4(0<a<2、0<b<2、0<c<2、a+b+c=2)、LiMn2−ZNiZO4、LiMn2−ZCoZO4(ここで、0<Z<2)、LiCoPO4、LiFePO4が挙げられる。
正極材としては、電池分野において正極活物質として使用されているものが使用できる。例えば、硫化物系では、硫化チタン(TiS2)、硫化モリブデン(MoS2)、硫化鉄(FeS、FeS2)、硫化銅(CuS)及び硫化ニッケル(Ni3S2)等が使用できる。好ましくは、TiS2が使用できる。
有機ジスルフィド化合物及びカーボンスルフィド化合物を以下に例示する。
式(D)において、Zはそれぞれ−S−又は−NH−であり、nは繰返数2〜300の整数である。
導電助剤としては、炭素材料、金属粉末及び金属化合物から選択される物質や、これらの混合物が挙げられる。
炭素材料の具体例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、デンカブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、活性炭等が挙げられる。これらは単独でも2種以上でも併用可能である。
なかでも、電子伝導性が高いアセチレンブラック、デンカブラック、ケッチェンブラックが好適である。
−[OCH2CH2]n−・・・(10)
−[CH2−CF2]n−・・・(11)
重量平均分子量は10000〜100000が好ましい。重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定する。
R20−[OCH2CH2]n−H
R21−[CH2−CF2]n−R21´
R20、R21及びR21´は、それぞれ直鎖状又は分岐状の炭化水素基、環状構造を有する基、又は官能基であり、炭化水素基及び環状構造を有する基は官能基を含んでもよい。
具体的にはPVDF−HFP、PVDF−HFP−TEF、PVDF−TEF、TEF−HFP等が挙げられる。
バインダー分子の数平均分子量は、1,000〜100,000であることが好ましい。
集電体として、銅、マグネシウム、ステンレス鋼、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、ゲルマニウム、インジウム、リチウム、又はこれらの合金等からなる板状体や箔状体等が使用できる。
また、接合面にイオン伝導性を有する活物質や、イオン伝導性を阻害しない接着物質を介して接合してもよい。
接合においては、固体電解質の結晶構造が変化しない範囲で加熱融着してもよい。
硫化リチウムの製造及び精製は、国際公開第2005/040039号の実施例と同様に行った。
(1)硫化リチウム(Li2S)の製造
硫化リチウムは、特開平7−330312号公報の第1の態様(2工程法)の方法に従って製造した。具体的には、撹拌翼のついた10リットルオートクレーブにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)3326.4g(33.6モル)及び水酸化リチウム287.4g(12モル)を仕込み、300rpm、130℃に昇温した。昇温後、液中に硫化水素を3リットル/分の供給速度で2時間吹き込んだ。
続いて、この反応液を窒素気流下(200cc/分)昇温し、反応した硫化水素の一部を脱硫化水素化した。昇温するにつれ、上記硫化水素と水酸化リチウムの反応により副生した水が蒸発を始めたが、この水はコンデンサにより凝縮し系外に抜き出した。水を系外に留去すると共に反応液の温度は上昇するが、180℃に達した時点で昇温を停止し、一定温度に保持した。脱硫化水素反応が終了後(約80分)反応を終了し、硫化リチウムを得た。
上記(1)で得られた500mLのスラリー反応溶液(NMP−硫化リチウムスラリー)中のNMPをデカンテーションした後、脱水したNMP100mLを加え、105℃で約1時間撹拌した。その温度のままNMPをデカンテーションした。さらにNMP100mLを加え、105℃で約1時間撹拌し、その温度のままNMPをデカンテーションし、同様の操作を合計4回繰り返した。デカンテーション終了後、窒素気流下230℃(NMPの沸点以上の温度)で硫化リチウムを常圧下で3時間乾燥した。得られた硫化リチウム中の不純物含有量を測定した。
尚、亜硫酸リチウム(Li2SO3)、硫酸リチウム(Li2SO4)並びにチオ硫酸リチウム(Li2S2O3)の各硫黄酸化物、及びN−メチルアミノ酪酸リチウム(LMAB)の含有量は、イオンクロマトグラフ法により定量した。その結果、硫黄酸化物の総含有量は0.13質量%であり、LMABは0.07質量%であった。
尚、以下の固体電解質の製造では精製した硫化リチウムを用いた。
製造例1で製造した硫化リチウム(精製した硫化リチウム)を用いて、国際公開第07/066539号の実施例1と同様の方法で固体電解質の製造及び結晶化を行った。具体的には、下記のように行った。
そして、はじめの数分間は、遊星型ボールミルの回転を低速回転(85rpm)にして硫化リチウムと五硫化二リンを十分混合した。その後、徐々に遊星型ボールミルの回転数を上げ370rpmまで回転数を上げた。遊星型ボールミルの回転数を370rpmで20時間メカニカルミリングを行った。このメカニカルミリング処理をした白黄色の粉体をX線測定により評価した結果、ガラス化(硫化物ガラス)していることが確認できた。この硫化物ガラスのガラス転移温度をDSC(示差走査熱量測定)により測定したところ、220℃であった。
この硫化物ガラスを窒素雰囲気下、300℃で2時間加熱し、硫化物ガラスセラミックスを製造した。
得られた硫化物ガラスセラミックスについて、X線回折測定したところ、2θ=17.8、18.2、19.8、21.8、23.8、25.9、29.5、30.0degにピークが観測された。
硫化物ガラスセラミックは粒子状であり、平均粒径は、190μm(D50)であった。
(1)負極合材シートの作製
製造例2で製造した固体電解質(ガラスセラミックス)粉末8.15gと、平均径5μmのSi粉末(高純度化学研究所製,純度99.9%)3.49gを軽く混合し、イソブチロニトリル(キシダ化学製)11.5gを加えた。その中にバインダーとして、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP)(arkema製,kyner(登録商標))10重量%をイソブチロニトリル(キシダ化学製)に溶解させた溶液を3.59g加えた。直径10mmのジルコニア製ボール10個を加え、アルミナ製ポットを完全密閉し、このポットを遊星型ボールミル機に取り付けた。370rpmで2時間メカニカルミリングを行うことでスラリーを得た。
Al箔(東洋アルミ製,1N−30−H18,厚さ0.03mm)上に導電性プライマー(日本黒鉛製,製品名:バニーハイト)を厚さが0.01mmになるように塗布し、十分に乾燥させた。この導電性プライマー層の上に、メカニカルミリングで作製したスラリーを塗布することで負極合材層を形成した。スラリー塗布量は溶媒除去後の固形分(負極合材重量に相当)が、単位面積当りの重量で3.48mg/cm2となるように調整した(負極合材目付け量)。塗布後、150℃で3時間真空乾燥を行い、負極合材シート(負極層)を得た。
製造例2で調製した無機固体電解質粉末60mgを直径10mmのセラミック製の円筒に投入し、加圧成型して電解質層(電解質シート)とした。
次に(1)で作製した負極合材シート(目付け量:3.48mg/cm2)を直径10mmのパンチを用いて円形に打ち抜いた。打ち抜いたシートの負極合材層側を電解質層と接触するように加圧成型することで、作用極とした。
作用極の反対側から、参照極及び対極として、LiIn合金箔を貼合し加圧成型して、三層構造のハーフセルを作製した。尚、LiIn合金は原子数比Li/Inが0.8以下であれば、Li脱挿入の反応電位が一定(0.62Vvs.Li/Li+)に保たれるため、参照極として使用することが可能となる。
作製したハーフセルについて、サイクル特性評価を行った。1.02mA/cm2で、0.01Vvs.Li/Li+まで定電流(CC)でLi挿入を行い、その電圧で電流が0.127mA/cm2となるまで定電圧(CV)でLi挿入を行った。続いて1.02mA/cm2で、1.52Vvs.Li/Li+まで定電流(CC)でLi脱離を行った。この条件でLi脱挿入サイクルを繰返し、サイクル毎のLi脱離容量を測定した。各サイクルのLi脱離容量を、初回Li脱離容量で除すことにより、容量維持率を算出した。Li脱挿入サイクル数と容量維持率の関係を図1に示す。
負極合材の目付け量を2.46mg/cm2とした以外は、実施例1と同様に評価した。Li脱挿入サイクル数と容量維持率の関係を図1に示す。
負極合材の目付け量を9.08mg/cm2とした以外は実施例1と同様に評価した。Li脱挿入サイクル数と容量維持率の関係を図1に示す。
図1のように、負極合材の目付け量が8.5mg/cm2以下である、実施例1,2では、Li脱挿入サイクルが40サイクル後においても、初回Li脱離容量の8割程度を維持しているのに対し、負極合材の目付け量が8.5mg/cm2を超過した比較例1では、実施例1,実施例2と比較し、Li脱挿入サイクル毎の容量低下が顕著である。このように、負極合材の目付け量が8.5mg/cm2以下である負極層を用いることで、繰り返し使用しても容量維持率が高くサイクル特性が良好な負極合材を提供することができる。
Claims (13)
- 目付け量が8.5mg/cm2以下である負極合材により製造され、前記負極合材が負極活物質及び固体電解質を含む負極。
- 負極活物質と固体電解質とを含み、前記負極活物質と前記固体電解質の負極単位面積当たりの合計重量が8.3mg/cm2以下である負極。
- 負極活物質と固体電解質とバインダーを含み、前記負極活物質と前記固体電解質と前記バインダーの負極単位面積当たりの合計重量が8.5mg/cm2以下である負極。
- 目付け量が8.5mg/cm2以下である負極合材により製造され、前記負極合材が負極活物質及び固体電解質を含む負極層と、固体電解質を含む電解質層と、を備えるリチウムイオン電池。
- 負極活物質と固体電解質とを含み、前記負極活物質と前記固体電解質の負極単位面積当たりの合計重量が8.3mg/cm2以下である負極層と、固体電解質を含む電解質層と、を備えるリチウムイオン電池。
- 負極活物質と固体電解質とバインダーとを含み、前記負極活物質と前記固体電解質と前記バインダーの負極単位面積当たりの合計重量が8.5mg/cm2以下である負極層と、固体電解質を含む電解質層と、を備えるリチウムイオン電池。
- 前記負極合材の目付け量が0.05mg/cm2以上、8.0mg/cm2以下である、請求項4に記載のリチウムイオン電池。
- 前記負極活物質と前記固体電解質の負極単位面積当たりの合計重量が0.05mg/cm2以上、7.8mg/cm2以下である、請求項5に記載のリチウムイオン電池。
- 前記負極活物質と前記固体電解質と前記バインダーの負極単位面積当たりの合計重量が0.05mg/cm2以上、8.0mg/cm2以下である、請求項6に記載のリチウムイオン電池。
- 前記固体電解質が、下記式(1)に示す組成を満たすリチウムイオン伝導性無機固体電解質である、請求項4〜9のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
LiaMbPcSd…(1)
(式(1)において、MはB、Zn、Si、Cu、Ga及びGeからなる群から選択される元素を示す。a〜dは各元素の組成比を示し、a:b:c:dは1〜12:0〜0.2:1:2〜9を満たす。) - 前記負極合材が、シリコン、スズ、インジウム、アルミニウム、リチウムのうち少なくとも1つ以上で構成される負極活物質を含む、請求項4〜10のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
- 前記負極活物質の平均粒子径が100μm以下である、請求項4〜11のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
- 請求項4〜12のいずれかに記載のリチウムイオン電池を備える装置。
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